説明

グリース用の機能化重合体組成物

【課題】水の洗い流しを低下させ、寿命を延ばし、そして撥水性を高めることができる重合体を含有するグリース組成物を提供すること。
【解決手段】以下を含有する組成物:(a)以下の(i)および(ii)を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体:(i)ビニル芳香族モノマー;(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体;(b)増ちょう剤;および(c)潤滑粘性のあるオイル、ここで、該エステル化重合体は、少なくとも約4の全酸価を有する滴定可能酸基である。本発明は、さらに、この組成物を製造する方法および耐水性を高めるためのグリースでのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、グリース、特に、以下を含有する潤滑グリースに関する:(a)以下の(i)および(ii)を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体:(i)ビニル芳香族モノマー;(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体;(b)増ちょう剤;および(c)潤滑粘性のあるオイル、ここで、該エステル化重合体は、滴定可能酸基を含む。本発明は、さらに、該組成物を製造する方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
基油、増ちょう剤、および必要に応じて、他の性能添加剤(例えば、酸化防止剤または耐摩耗剤)からグリースを調製することは、公知である。グリースの性能特性を向上させるために、グリースには、重合体が加えられ、例えば、水の洗い流しを減らすために、撥水性を高めるために、オイルの分離を減らすために、滴点または円錐貫入を高めるために、また、増ちょう剤として、重合体が使用されている。しばしば、グリースには、ポリメタクリレートまたはポリオレフィンの重合体が加えられる。典型的には、これらの重合体は、基油に取り込まれて、粘度調整剤として作用する。しかしながら、これらの重合体は、増ちょう剤との相互作用が限られている。この結果、グリースは、水の影響(例えば、水の洗い流しまたは撥水性低下)を受けやすくなる。水の洗い流しまたは撥水性に乏しいグリースを製造すると、グリースの寿命が短くなり、そして潤滑表面での摩耗が大きくなる。
【0003】
特許文献1(Tanakaら、Showa Shell)は、加水分解したまたは加水分解していない無水マレイン酸−スチレン−オキシアルキレン共重合体を開示しており、これは、グリースに耐水性を与えることができる。そのオキシアルキレンモノマーは、油溶性を与える必要がある。
【0004】
特許文献2(Wigginsら,Lubrizol Corporation)は、流動点降下量のインターポリマー無水マレイン酸−スチレン共重合体を開示しており、これは、生分解性植物油グリースで使用するのに適切である。この無水マレイン酸−スチレン共重合体は、2未満の全酸価を有し、そして低いTANで会合された酸基により、化学的に不安定になり、高温性能が低下し、そしてグリース中の他の成分との間で望ましくない相互作用が起こる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−46997号公報
【特許文献2】米国特許第5,858,934号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
水の洗い流しを低下させ、寿命を延ばし、そして撥水性を高めることができる重合体を含有するグリース組成物があれば、望ましい。本発明は、水の洗い流しを低下させ、寿命を延ばし、そして撥水性を高めることができる重合体を含有するグリース組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、グリース、特に、以下を含有する潤滑グリース組成物を提供する:
(a)以下の(i)および(ii)を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体:
(i)ビニル芳香族モノマー;および
(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体;
(b)増ちょう剤;および
(c)潤滑粘性のあるオイル、
ここで、該エステル化重合体は、少なくとも約4の全酸価を有する滴定可能酸基である。
【0008】
本発明は、さらに、グリース組成物を調製する方法を提供し、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)(i)ビニル芳香族モノマー;(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体と溶媒とを混合して、溶媒和重合体を形成する工程;
(2)工程(1)の該溶媒和重合体を少なくとも2種のアルコールと反応させて、エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体を形成する工程であって、該少なくとも2種のアルコールは、(i)少なくとも約6個の炭素原子を含有するアルコールと、(ii)約6個未満の炭素原子を含有する他のアルコールとを含む、工程;
(3)必要に応じて、該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体に、第一級官能性、第二級官能性またはそれらの混合物を有するアミンを加えて、アミド化重合体を形成する工程;
(4)工程(2)の該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体または工程(3)の該アミド化重合体を、増ちょう剤、潤滑粘性のあるオイルまたはそれらの混合物に加える工程;および
(5)必要に応じて、工程(4)の生成物に、少なくとも1種の他の性能添加剤を加えて、グリース組成物を形成する工程。
【0009】
本発明は、さらに水の洗い流しおよび撥水性を向上させることによりグリースを改善できる重合体を含有するグリース組成物を提供する。本発明は、さらに、増粘性を向上できる重合体を含有するグリース組成物を提供する。本発明は、さらに、摩耗を低下させ寿命を延ばすことができる重合体を含有するグリース組成物を提供する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
以下を含有する、グリース組成物:
(a)以下の(i)および(ii)を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体:
(i)ビニル芳香族モノマー;
(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体;
(b)増ちょう剤;および
(c)潤滑粘性のあるオイル、
ここで、該エステル化重合体は、少なくとも約4の全酸価を有する滴定可能酸基を含む、グリース組成物。
(項目2)
前記滴定可能酸基が、約5〜約100の範囲の全酸価(TAN)を有する、項目1に記載のグリース組成物。
(項目3)
前記ビニル芳香族モノマーが、スチレン、置換スチレンまたはそれらの混合物である、項目1に記載のグリース組成物。
(項目4)
前記不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体が、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水ジメチルマレイン酸またはそれらの混合物から誘導される、項目1に記載のグリース組成物。
(項目5)
前記ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体のエステル基への転化率が、約88%〜約99.5%の範囲である、項目1に記載のグリース組成物。
(項目6)
前記エステル化重合体が、約6個〜約24個の炭素原子を含有するアルコールから誘導される、項目1に記載のグリース組成物。
(項目7)
前記エステル化重合体が、約6個〜約11個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールと約12個〜約24個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールとを含有するアルコール混合物から誘導される、項目1に記載のグリース組成物。
(項目8)
前記エステル化重合体が、必要に応じて、少なくとも1種の反応したアミンを含有する、項目1に記載のグリース組成物。
(項目9)
前記エステル化重合体が、前記ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の量に比して、約0.7〜約1モル当量の範囲で存在しているビニル芳香族モノマーから誘導される;そして、ここで、該ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体が、該エステル化重合体中にて、該ビニル芳香族モノマーの量に比して、約0.7〜約1モル当量の範囲で存在している、項目1に記載のグリース組成物。
(項目10)
前記エステル化重合体が、グリース組成物中にて、該グリース組成物の約0.01〜約30重量パーセントの範囲で存在している;ここで、前記増ちょう剤が、該グリース組成物中にて、約3〜約40重量パーセントの範囲で存在している;前記潤滑粘性のあるオイルが、該グリース組成物の約20〜約97重量パーセントの範囲で存在している;そして、ここで、他の性能添加剤が、該グリース組成物の0〜約20重量パーセントの範囲で存在している、項目1に記載のグリース組成物。
(項目11)
グリース組成物を調製する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)(i)ビニル芳香族モノマー;(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体と溶媒とを混合して、溶媒和重合体を形成する工程;
(2)工程(1)の該溶媒和重合体を少なくとも2種のアルコールと反応させて、エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体を形成する工程であって、該少なくとも2種のアルコールは、(i)少なくとも約6個の炭素原子を含有するアルコールと、(ii)約6個未満の炭素原子を含有する他のアルコールとを含む、工程;
(3)必要に応じて、該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体に、第一級官能性、第二級官能性またはそれらの混合物を有するアミンを加えて、アミド化重合体を形成する工程;
(4)工程(2)の該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体または工程(3)の該アミド化重合体を、増ちょう剤、潤滑粘性のあるオイルまたはそれらの混合物に加える工程;および
(5)必要に応じて、工程(4)の生成物に、少なくとも1種の他の性能添加剤を加えて、グリース組成物を形成する工程。
(項目12)
少なくとも1つの改良特性を与えるための、項目1に記載のグリース組成物の使用であって、該改良特性が、撥水性の向上、水の洗い流しの向上、増粘性の向上、寿命の増加および摩耗の低下を含む、使用。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(発明の詳細な説明)
本発明は、以下を含有するグリース組成物を提供する:
(a)以下の(i)および(ii)を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体:
(i)ビニル芳香族モノマー;
(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体;
(b)増ちょう剤;および
(c)潤滑粘性のあるオイル、
ここで、該エステル化重合体は、少なくとも約4の全酸価を有する滴定可能酸基を含む。
【0011】
このエステル化重合体の炭素原子上に位置している滴定可能酸基は、互いに隣接しているか、ランダムに分布しているか、またはそれらの混成である。滴定により測定され、試料1g当たりのmg KOHとして表わされる滴定可能酸基のレベルは、1モルあたり、約4〜約150、好ましくは、約5〜約100、さらに好ましくは、約8〜約80、さらにより好ましくは、約8〜約60、最も好ましくは、約8〜50の範囲の全酸価(TAN)として、表わされる。
【0012】
1実施態様では、この重合体は、次式で表わされるものを含むオキシアルキレンモノマーから誘導される単位を含まない:
【0013】
【化1】

ここで、このアルキレンは、−CH−、−C−、−C−、C−またはそれらの混合物を含む;nは、繰り返し単位であり、これは、1〜約60回存在し得る;このアルキル基は、1個〜約20個の炭素原子を含有し得る。
【0014】
成分(a)のモノマー(i)ビニル芳香族モノマーおよび(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体から誘導された重合体の分子量は、種々の公知技術(例えば、反応温度、開始剤、モノマー濃度および連鎖移動剤)を使用して、制御される。この重合体の分子量(M)は、約20,000〜約500,000、好ましくは、約24,000〜約400,000、さらに好ましくは、約28,000〜約350,000、最も好ましくは、約32,000〜約300,000の範囲である。
【0015】
本発明の成分(a)が製造されるビニル芳香族モノマーおよび不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の共重合体(これはまた、インターポリマーと呼ばれる)の分子量はまた、その重合体の「還元比粘度」によって表わされ得、これは、重合体物質の分子サイズを表わす広く一般に認められた手段である。本明細書中で使用する還元比粘度(略して、RSV)は、式RSV=(相対粘度−1)/濃度に従って得られる値であり、ここで、相対粘度は、希釈粘度計によって、約30℃にて、約1gの重合体の約10cmのアセトン溶液の粘度およびアセトンの粘度を測定することにより、決定される。上式により計算する目的のために、この濃度は、10cmのアセトンあたり、約0.4gのインターポリマーに調節される。還元比粘度(これはまた、比粘度として知られている)のさらに詳細な論述、ならびにそれとインターポリマーの平均分子量との関係は、Paul J.Flory、Principles of Polymer Chemistry,(1953版)の308ページ以下で見られる。このインターポリマー重合体は、約0.05〜約2、好ましくは、約0.1〜約1、最も好ましくは、約0.1〜約0.8のRSVを有する。1実施態様では、そのRSVは、約0.69である。
【0016】
この不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体は、このエステル化重合体が製造されるインターポリマーに取り込まれるとき、不飽和官能性を失って、ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体となる。このジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体は、このエステル化重合体中にて、このビニル芳香族モノマーの量に比して、約0.1〜約1モル当量、好ましくは、約0.7〜約1モル当量、さらに好ましくは、約0.8〜約1モル当量、さらにより好ましくは、約0.95〜約1モル当量、最も好ましくは、約1〜約1モル当量で存在している。
【0017】
このエステル化重合体は、このグリース組成物の約0.01〜約30重量パーセント、好ましくは、約0.04〜約20重量パーセント、さらにより好ましくは、約0.06〜約10重量パーセント、最も好ましくは、約0.08〜約5重量パーセントで、存在している。このエステル化重合体は、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0018】
(ビニル芳香族モノマー)
このエステル化重合体は、ビニル芳香族モノマーを含有する。ビニル芳香族モノマーの適切な例には、スチレン(これは、しばしば、エテニルベンゼンと呼ばれている)、置換スチレンまたはそれらの混合物が挙げられる。置換スチレンモノマーは、官能基(例えば、ヒドロカルビル基、ハロ−、アミノ−、アルコキシ−、カルボキシ−、ヒドロキシ−、スルホニル−またはそれらの混合物)を含む。この官能基は、この芳香族モノマー上のビニル基に対して、オルト、メタまたはパラ位に位置しているものの、好ましくは、この官能基は、オルトまたはパラ位に位置している;最も好ましくは、パラ位置に位置している。ハロ−官能基には、塩素、臭素、ヨウ素またはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、このハロ官能基は、塩素またはそれらの混合物である。アルコキシ官能基は、1個〜約10個、好ましくは、1個〜約8個、さらに好ましくは、1個〜約6個、最も好ましくは、1個〜約4個の炭素原子を含有できる。1個〜約4個の炭素原子を含有するアルコキシ官能基は、低級アルコキシスチレンと呼ばれる。
【0019】
このヒドロカルビル基には、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アクリル、アリールまたはそれらの混合物が挙げられる;そして、この官能基は、分枝または直鎖であり得る。このヒドロカルビル基は、1個〜約30個、好ましくは、1個〜約20個、さらに好ましくは、1個〜約15個、最も好ましくは、1個〜約10個の炭素原子を含有する。スチレンモノマー上の適切なヒドロカルビル基の例には、α−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン(これは、しばしば、ビニルトルエンと呼ばれる)、パラ−第三級ブチルスチレン、α−エチルスチレン、パラ−低級アルコキシスチレンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0020】
パラ−低級アルコキシスチレンの例には、パラ−メトキシスチレン、パラ−エトキシスチレン、パラ−プロポキシスチレン、パラ−ブトキシスチレンまたはそれらの混合物が挙げられる。このビニル芳香族モノマーには、スチレン、置換スチレンまたはそれらの混合物が挙げられるものの、スチレンが好ましい。このビニル芳香族モノマーは、単独で、または組み合わせて、使用できる。
【0021】
このビニル芳香族モノマーは、このエステル化重合体中にて、このジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の量に比して、約0.1〜約1モル当量、好ましくは、約0.7〜約1モル当量、さらに好ましくは、約0.8〜約1モル当量、さらにより好ましくは、約0.95〜約1モル当量、最も好ましくは、約1〜約1モル当量で存在している。
【0022】
(不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体)
このエステル化重合体は、さらに、不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体から誘導された少なくとも1種のモノマーを含有する。この不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体には、次式で表わされる無水マレイン酸から誘導されたものが挙げられる:
【0023】
【化2】

ここで、RおよびRは、別個に、水素またはヒドロカルビル基(これは、約1個〜約40個、好ましくは、約1個〜約30個、さらに好ましくは、約1個〜約20個、最も好ましくは、約1個〜約10個の炭素原子を含有する)である。このヒドロカルビル基の炭素原子には、アルキル、アルキルアリール、シクロアルキル、アリールまたはそれらの混合物が挙げられる。このヒドロカルビル基は、置換、非置換、分枝、非分枝またはそれらの混成を含むが、非置換が好ましい。
【0024】
この不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体は、全体的または部分的にエステル化され得る。部分的にエステル化されたとき、他の誘導体には、酸、塩またはそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
適切な塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはそれらの混合物が挙げられる。これらの塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムまたはそれらの混合物を含む。
【0026】
このグリース組成物に適切な不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の例には、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水ジメチルマレイン酸またはそれらの混合物が挙げられる。この不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の官能性は、単独で、または組み合わせて、使用できる。
【0027】
(アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキルモノマー)
必要に応じて、上記エステル化重合体は、アクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーを含有する。このアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルのアルキル基は、1個〜約20個、好ましくは、1個〜約10個、さらに好ましくは、1個〜約5個、最も好ましくは、1個〜約2個の炭素原子を含有する。このアクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーは、ビニル芳香族モノマーの量に比して、0〜約15モル%、約1〜約10モル%、最も好ましくは、約2〜約8%で存在している。
【0028】
適切なアクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーの例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルまたはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、このアクリル酸アルキルは、アクリル酸メチルであり、別の実施態様では、このメタクリル酸アルキルは、メタクリル酸メチルである。このアクリル酸アルキルモノマーまたはメタクリル酸アルキルモノマーは、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0029】
(アルコール)
このエステル化重合体は、このジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体とアルコールとを反応させてエステル化基を形成することにより、形成される。このアルコールは、このジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の一部と反応して、それにより、エステル、半エステルまたはそれらの混合物を形成し、そして不飽和結合は、部分的または完全に飽和されている。アルコールと反応しない部分的または完全に飽和されたジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の部分は、滴定可能なままである。
【0030】
ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体のエステル基への転化率には、約50%〜約99.5%、好ましくは、約80%〜約99.5%、さらに好ましくは、約84%〜約99.5%、さらにより好ましくは、約88%〜約99.5%、最も好ましくは、約92%〜約99%の範囲が含まれる。
【0031】
本発明に適切なアルコールには、約6個〜約24個、好ましくは、約6個〜約20個、さらに好ましくは、約8個〜約20個、最も好ましくは、約8〜約18個の炭素原子を有するものが挙げられる。このアルコールの炭素原子には、ヒドロカルビル基、好ましくは、アルキルまたはシクロアルキル、さらに好ましくは、アルキルまたはそれらの混合物が挙げられる。このアルコールは、直鎖、分枝またはそれらの混合物であり得るが、好ましくは、分枝である。分枝アルコールは、存在しているアルコール分子の約5重量%より多い量、好ましくは、約10重量%より多い量、さらに好ましくは、約20重量%より多い量、さらにより好ましくは、約40重量%より多い量、最も好ましくは、約60重量%より多い量で、存在している。
【0032】
1実施態様では、このアルコールは、約6個〜約11個、好ましくは、約6個〜約10個、最も好ましくは、約8個〜約10個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールと、約12個〜約24個、好ましくは、約12個〜約20個、最も好ましくは、約12〜約18個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールとを含有する混合物である。約6個〜約11個を含有するアルコールと約12個〜約24個を含有するアルコールとの重量パーセント比は、約99:1〜約1:99、好ましくは、約50:50〜約10:90、さらに好ましくは、約40:60〜約15:85、さらにより好ましくは、約35:65〜約15:85、最も好ましくは、約20:80〜約30:70の範囲である。1実施態様では、約6個〜約11個を含有するアルコールと約12個〜約24個を含有するアルコールとの重量パーセント比は、約25:75である。
【0033】
アルコールの適切な例には、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、イソデカノール、ドデカノール、トリデカノール、ブタデカノール、ミリストール、ペンタデカノール、パルミトール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、ステアロール、オクタデカノール、イコシルデカノール、イコサノール、デカン−2−オール、イソデカン−2−オール、ドデカン−2−オール、トリデカン−2−オール、ブタデカン−2−オール、ペンタデカン−2−オール、ヘキサデカン−2−オール、ヘプタデカン−2−オール、オクタデカン−2−オール、イコシルデカン−2−オール、イコサン−2−オール、デカン−3−オール、イソデカン−3−オール、ドデカン−3−オール、トリデカン−3−オール、ブタデカン−3−オール、ペンタデカン−3−オール、ヘキサデカン−3−オール、ヘプタデカン−3−オール、オクタデカン−3−オール、イコシルデカン−3−オール、イコサン−3−オール、イソノナノール、イソデカノール、イソドデカン−2−オール、イソトリデカン−2−オール、イソブタデカン−2−オール、イソペンタデカン−2−オール、イソヘキサデカン−2−オール、イソヘプタデカン−2−オール、イソオクタデカン−2−オールまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、これらのアルコールには、オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ドデカン−2−オール、トリデカン−2−オール、ブタデカン−2−オール、ペンタデカン−2−オール、ヘキサデカン−2−オール、ヘプタデカン−2−オール、オクタデカン−2−オール、イソノナノール、イソデカノール、イソドデカン−2−オール、イソトリデカン−2−オール、イソブタデカン−2−オール、イソペンタデカン−2−オール、イソヘキサデカン−2−オール、イソヘプタデカン−2−オール、イソオクタデカン−2−オールまたはそれらの混合物が挙げられる。本発明でアルコールの混合物を使用するとき、それらのアルコールは、混合物(例えば、Alfol C8C10(登録商標)AlcoholsまたはAlfol C12C18(登録商標)Alcoholsなど)として、入手できる。
【0034】
1実施態様では、約6個未満の炭素原子を有するアルコールは、約6個〜約24個の炭素原子を含有するアルコールと併用される。適切な例には、プロパノール、ブタノール、ペンタノールまたはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、約6個未満の炭素原子を有するアルコールは、ブタノールである。
【0035】
(アミン)
このエステル化重合体は、必要に応じて、少なくとも1種のアミンを含有し、これには、モノアミン、ポリアミンまたはそれらの混合物が挙げられる。このアミンは、第一級官能性、第二級官能性またはそれらの混合物を含有する。このアミンは、環状、直鎖または分枝を含み、これには、アルキレンモノアミン、複素環モノアミン、アルキレンポリアミン、複素環ポリアミンまたはそれらの混合物が挙げられ、好ましくは、このアミンは、1個以下の第一級また第二級アミノ基を含有する(例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン)。
【0036】
1実施態様では、これらのアミン化合物は、次式で表わされる:
【0037】
【化3】

ここで、Rは、単環または多核の環を形成するように結合された原子を含む;そして、これらの原子には、炭素、酸素、窒素、リンまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、Rは、炭素、酸素、窒素またはそれらの混合物を含む。
【0038】
この単核環構造は、約5個〜約8個の原子、好ましくは、約6個〜約7個の原子を含有する。この多核環構造は、約8個〜約16個、好ましくは、約10個〜約12個の原子を含有する。wは、約4個〜約15個、好ましくは、約5個〜約11個、さらに好ましくは、約5個〜約8個の原子の範囲である。この環構造には、芳香族、非芳香族またはそれらの混合物が挙げられるものの、非芳香族が好ましい。
【0039】
は、yが約1〜約8、好ましくは、約1〜約6、最も好ましくは、約2〜約5を含む、約1個〜約8個、好ましくは、約1個〜約6個、最も好ましくは、約2個〜約5個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基を含む。このアルキル基またはアルケニル基は、置換、非置換、分枝、非分枝アルキルアリール、シクロアルキルまたはそれらの混合物を含む。Rの適切な例には、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、Rは、エチル、プロピルまたはそれらの混合物である。
【0040】
およびRは、別個に、水素またはヒドロカルビル基、好ましくは、RおよびRの少なくとも一方、最も好ましくは、両方は、水素である。RまたはRがヒドロカルビル基であるとき、存在している炭素原子数は、約1個〜約8個、好ましくは、約1個〜約5個、最も好ましくは、約1個〜約3個またはそれらの混成の範囲である。ヒドロカルビル基の適切な例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0041】
適切な環状アミンの例には、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、4−(3−アミノエチル)モルホリンまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、この環状アミンは、4−(3−アミノプロピル)モルホリンであり、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0042】
これらのアミンは、存在するとき、この不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体と実質的に反応してエステル化重合体中に残留アミンを残さない有効量で存在する。典型的には、このアミンは、その重合体の全重量を基準にした重量パーセントで、約0〜約1当量、好ましくは、約0.1〜約1当量、さらに好ましくは、約0.2〜約1当量、最も好ましくは、約0.4〜約1当量の不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体の範囲で、存在している。
【0043】
1実施態様では、上記重合体は、マンニッヒ塩基官能性を含まない。このマンニッヒ塩基は、(a)アルデヒドと(b)フェノールおよび(c)少なくとも1種の非単量体状アミン(これは、第一級官能性、第二級官能性またはそれらの混成を有する)との反応により、形成される。
【0044】
(増ちょう剤)
カルボン酸の金属塩のような増ちょう剤は、グリース調合の技術分野で公知である。その金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウムまたはそれらの混合物である。適切な金属の例には、リチウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウムまたはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、この金属は、リチウム、カルシウム、アルミニウムまたはそれらの混合物である。
【0045】
この増ちょう剤で使用されるカルボン酸は、脂肪酸およびモノ−ヒドロキシカルボン酸、ジ−ヒドロキシカルボン酸、ポリ−ヒドロキシカルボン酸またはそれらの混合物である。このカルボン酸は、約4個〜約30個、好ましくは、約8個〜約27個、さらに好ましくは、約19個〜約24個、最も好ましくは、約10個〜約20個の炭素原子を含有し、また、それらの誘導体(例えば、エステル、半エステル、塩、無水物またはそれらの混合物)を含む。適切な脂肪酸の例には、カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸またはそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、この脂肪酸は、ステアリン酸である。
【0046】
1実施態様では、このカルボン酸増ちょう剤は、ジ−ヒドロキシカルボン酸、ポリ−ヒドロキシカルボン酸またはそれらの混合物である。あるいは、このジ−カルボン酸には、イソ−オクタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸(アゼライン酸)、デカン二酸(セバシン酸)、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン酸またはそれらの混合物が挙げられる。このジ−カルボン酸およびポリ−カルボン酸は、モノ−カルボン酸より高価である傾向があり、結果として、混合物を使用する殆どの工業プロセスは、好ましくは、約15:85〜約40:60、さらに望ましくは、約20:80〜約35:65、さらに好ましくは、約25:75〜約35:65の範囲で、ジカルボン酸および/またはポリカルボン酸とモノカルボン酸との重量比を使用する。多くの製造業者は、約30:70のブレンドを使用する。
【0047】
1実施態様では、このカルボン酸増ちょう剤は、ヒドロキシ置換脂肪酸またはそれらの混合物である。特に好ましいヒドロキシ置換脂肪酸は、ヒドロキシステアリン酸である。適切な例には、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、14−ヒドロキシステアリン酸またはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、このヒドロキシ置換脂肪酸は、12−ヒドロキシステアリン酸である。
【0048】
この増ちょう剤はまた、ケン化により、少なくとも1つの脂肪酸源(例えば、植物油または動物性脂肪)から直接調製できる。この増ちょう剤は、脂肪酸(これは、水素化ヒマシ油、グリセリドまたはアルキル基を含有する他のエステルを含む)から直接調製され得る。それらのアルキル基は、約1個〜約10個、好ましくは、約1個〜約5個、最も好ましくは、約1個〜約3個の炭素原子を含有する。この脂肪酸エステルに適切なアルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、グリセロールまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
1実施態様では、増ちょう剤には、無機粉末が挙げられ、これには、粘土、有機粘土(organo−clay)、ベントナイト、ヒュームドシリカ、方解石、カーボンブラック、顔料、銅フタロシアニンまたはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、オーバーベース化スルホン酸カルシウムまたはカルボン酸カルシウムから製造される方解石含有増ちょう剤が使用される。
【0050】
この増ちょう剤は、このグリース組成物の約3〜約40重量パーセント、好ましくは、約4〜約35重量パーセント、さらにより好ましくは、約4〜約30重量パーセント、さらにより好ましくは、約5〜約25重量パーセント、最も好ましくは、約5〜約20重量パーセントの範囲で、存在している。この増ちょう剤は、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0051】
(潤滑粘性のあるオイル)
このグリース組成物には、潤滑粘性のある天然油および合成油、水素化分解、水素化、ハイドロフィニッシングから誘導されたオイル、未精製油、精製油および再精製油、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0052】
天然油には、動物油および植物油、鉱油またはそれらの混合物が挙げられる。合成油には、炭化水素油、シリコンベース油、リン含有酸の液状エステルが挙げられる。合成油には、フィッシャー−トロプシュ反応により生成されたもの、および水素異性化されたフィッシャー−トロプシュ炭化水素またはワックスが挙げられる。
【0053】
潤滑粘性のあるオイルはまた、American Petroleum Institute(API)Base Oil Interchangeability Guidelinesで指定されたように、定義される。1実施態様では、この潤滑粘性のあるオイルは、API グループI、グループII、グループIII、グループIV、グループVまたはそれらの混合物、好ましくは、API グループI、グループII、グループIIIまたはそれらの混合物を含む。もし、この潤滑粘性のあるオイルがAPI グループII、グループIII、グループIVまたはグループVオイルであるなら、その潤滑油の約40重量%まで、最も好ましくは、最大で約5重量%までのAPI グループIオイルが存在し得る。
【0054】
この潤滑粘性のあるオイルは、このグリース組成物の約20〜約97重量パーセント、好ましくは、約40〜約96重量パーセント、さらにより好ましくは、約60〜約96重量パーセント、最も好ましくは、約67〜約95重量パーセントで存在している。この潤滑粘性のあるオイルは、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0055】
(他の性能添加剤)
必要に応じて、このグリース組成物は、少なくとも1種の他の性能添加剤を含有し、これには、酸化防止剤、錆防止剤、金属不活性化剤、耐摩耗剤、耐スカッフィング剤、極圧剤、発泡防止剤、解乳化剤、摩擦調整剤、粘度調整剤、流動点降下剤またはそれらの混合物が挙げられる。
【0056】
これらの他の性能添加剤は、このグリース組成物の0〜約20重量パーセント、好ましくは、約0.1〜約15重量パーセント、さらにより好ましくは、約0.2〜約10重量パーセント、最も好ましくは、約0.4〜約10重量パーセントで存在している。1実施態様では、1種またはそれ以上の他の性能添加剤が存在しており、これらの性能添加剤は、互いに異なる量で存在していることが一般的である。
【0057】
(酸化防止剤)
酸化防止剤は、公知の物質であり、これには、ジフェニルアミン、立体障害フェノール、ジチオカルバミン酸モリブデン、硫化オレフィンなどが挙げられる。この酸化防止剤は、単独で、または組み合わせて、使用できる。
【0058】
適切なジフェニルアミン酸化防止剤の例には、オクチルジフェニルアミン、ノニルジフェニルアミン、ビス−オクチルジフェニルアミン、ビス−ノニルジフェニルアミンまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
立体障害フェノールの例には、2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−メチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−エチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−プロピル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ブチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ペンチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ヘキシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ヘプチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−(2−エチルヘキシル)−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−オクチル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ノニル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−デシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ウンデシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−ドデシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−トリデシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、4−テトラデシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノール、3−(3,5−ジ−第三級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ブチルエステル、3−(3,5−ジ−第三級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチルエステル、3−(3,5−ジ−第三級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸2−エチルヘキシルエステルまたはそれらの混合物を挙げることができる。
【0060】
1実施態様では、この立体障害フェノールは、2,6−ジ−第三級ブチルフェノールまたはそれらの混合物である。1実施態様では、この立体障害フェノールは、4−(2−エチルヘキシル)−2,6−ジ−第三級ブチルフェノールまたはそれらの混合物である。1実施態様では、この立体障害フェノールは、4−ドデシル−2,6−ジ−第三級ブチルフェノールまたはそれらの混合物である。
【0061】
1実施態様では、2個の立体障害フェノールは、架橋基(これは、典型的には、その水酸基に対して、2位置または4位置に位置している)を介して、連結される。この架橋基には、−CH−(メチレン架橋)または−CHOCH−(エーテル架橋)またはそれらの混合物が挙げられる。メチレン架橋立体障害フェノールの例には、4,4’−メチレンビス(6−第三級ブチル−o−クレゾール)、4,4’−メチレンビス(2−第三級アミル−o−クレゾール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三級ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−第三級ブチルフェノール)またはそれらの混合物が挙げられる。
【0062】
適切なジチオカルバミン酸モリブデンの例には、以下のような商品名で販売されている市販物質が挙げられる:Vanlube 822(商標)およびMoly−van(商標)A(R.T.Vanderbilt Co.,Ltd.製)およびAdeka Sakura−Lube(商標)S−100およびS−165およびS−600(旭電化工業株式会社製)など。
【0063】
適切な硫化オレフィンの例には、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、ヘキサン、ヘプテン、オクタン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、ウンデシル、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン(octadecenene)、ノノデセン(nonodecene)、エイコセンまたはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、ヘキサデセン、ヘプタデセン、オクタデセン、オクタデセネン、ノノデセン、エイコセンまたはそれらの混合物、およびそれらのダイマー、トリマーおよびテトラマーは、好ましいオレフィンである。別の実施態様では、このオレフィンは、ジエン(例えば、1,3−ブタジエン)と不飽和エステル(例えば、(メタ)アクリル酸ブチル)とのディールス−アルダー付加物である。
【0064】
硫化オレフィンには、脂肪酸およびそれらのエステルが挙げられる。これらの脂肪酸は、植物油、動物油またはそれらの混合物から得られる;また、約4個〜約22個の炭素原子を含有する。適切な脂肪酸および/またはそれらのエステルの例には、トリグリセリド、オレイン酸、リノール酸、パルミトレイン酸またはそれらの混合物が挙げられる。これらの脂肪酸は、ラード油、トール油、落花生油、大豆油、綿実油、ひまわり種油またはそれらの混合物から得られる。1実施態様では、脂肪酸および/またはそれらのエステルは、α−オレフィンと混合される。
【0065】
(耐摩耗剤)
この潤滑剤は、必要に応じて、耐摩耗剤を含有する。有用な耐摩耗剤には、チオリン酸金属(特に、ジアルキルジチオリン酸亜鉛);リン酸エステルまたはそれらの塩;ホスファイト;およびリン含有カルボン酸エステル、エーテルおよびアミドなどが挙げられる。この耐摩耗剤は、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0066】
(耐スカッフィング剤)
この潤滑剤は、必要に応じて、耐スカッフィング剤を含有する。接着剤の摩耗を少なくする耐スカッフィング剤には、イオウ含有化合物が挙げられる。これらのイオウ含有化合物には、有機スルフィドおよびポリスルフィド(例えば、ベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、ジ−第三級ブチルポリスルフィド、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジテルペン、硫化テルペン、硫化ディールス−アルダー付加物、硫化脂肪(植物油、動物性脂肪またはそれらの混合物を含めて)、硫化オレフィン、混合した共硫化脂肪およびオレフィン、アルキルスルフェニルN’N−ジアルキルジチオカーバメート)、ポリアミンと多塩基酸エステルとの反応生成物、2,3−ジブロモプロポキシイソ酪酸のクロロブチルエステル、ジアルキルジチオカルバミン酸のアセトキシメチルエステルおよびキサントゲン酸のアシルオキシアルキルエーテルまたはそれらの混合物が挙げられる。これらの耐スカッフィング剤は、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0067】
(極圧剤)
このオイルに溶解性である極圧(EP)剤には、イオウおよびクロロイオウ含有EP剤、塩素化炭化水素EP剤、リンEP剤またはそれらの混合物が挙げられる。このようなEP剤の例には、塩素化ワックス、有機スルフィドおよびポリスルフィド(例えば、ベンジルジスルフィド、ビス−(クロロベンジル)ジスルフィド、ジブチルテトラスルフィド、硫化脂肪(植物油、動物性脂肪またはそれらの混合物を含めて)、硫化オレフィン、混合した共硫化脂肪およびオレフィン、オレイン酸の硫化メチルエステル、硫化アルキルフェノール、硫化ジペンテン、硫化テルペン、硫化ディールス−アルダー付加物);リン硫化炭化水素(例えば、リンスルフィドとテレビン油またはオレイン酸メチルとの反応生成物)、リンエステル(例えば、亜リン酸ジ炭化水素および亜リン酸トリ炭化水素、すなわち、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル;亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリルおよび亜リン酸ポリプロピレン置換フェノール)、チオカルバミン酸金属(例えば、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛)およびバリウムヘプチルフェノール二酸(例えば、ジシクロヘキシルホスホロジチオ酸亜鉛およびホスホロジチオ酸の亜鉛塩);またはそれらの混合物が挙げられる。これらの極圧剤は、単独で、または組み合わせて、使用され得る。
【0068】
さらに、このグリース組成物は、必要に応じて、以下を含有する:摩擦調整剤であって、これには、脂肪アミン、エステル(例えば、ホウ酸化グリセロールエステル、脂肪ホスファイト、脂肪酸アミド、脂肪エポキシド、ホウ酸化脂肪エポキシド、アルコキシル化脂肪アミン、ホウ酸化アルコキシル化脂肪アミン、脂肪酸の金属塩、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物、アルキルリン酸のアミン塩が挙げられる;粘度調整剤であって、これには、スチレン−ブタジエンゴムの共重合体、エチレン−プロピレン、ポリイソブテン、水素化スチレン−イソプレン重合体、水素化イソプレン重合体、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、アルケニルアリール共役ジエン共重合体、ポリオレフィン、ポリメタクリル酸アルキル、または無水マレイン酸−スチレン共重合体のエステルが挙げられる;分散剤−粘度調整剤(これは、しばしば、DVMと呼ばれる)であって、これには、官能化ポリオレフィン(例えば、無水マレイン酸とアミンとの反応生成物で官能化したエチレン−プロピレン共重合体、アミンで官能化したポリメタクリレート)、またはアミンと反応させたスチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
【0069】
他の性能添加剤は、必要に応じて、このグリース組成物で存在しており、例えば、以下が挙げられる:錆防止剤であって、これには、オクチルアミンオクタノエート、ドデセニルコハク酸または無水物および脂肪酸(例えば、オレイン酸)とポリアミンとの縮合生成物が挙げられる;金属不活性化剤であって、これには、ベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールまたは2−アルキルジチオベンゾチアゾールの誘導体が挙げられる;発泡防止剤であって、これには、アクリル酸エチルとアクリル酸2−エチルヘキシルと、必要に応じて、酢酸ビニルとの共重合体が挙げられる;解乳化剤であって、これには、リン酸トリアルキル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)重合体が挙げられる;流動点降下剤であって、これには、無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが挙げられる;およびシール膨潤剤であって、これには、Exxon Necton−37(商標)(FN 1380)およびExxon Mineral Seal
Oil(FN 3200)が挙げられる。
【0070】
(方法)
本発明は、さらに、グリース組成物を調製する方法を提供し、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)(i)ビニル芳香族モノマー;(ii)不飽和ジカルボン酸無水物またはそれらの誘導体を含むモノマーから誘導されたエステル化重合体と溶媒とを混合して、溶媒和重合体を形成する工程;
(2)約650mmHg(約86kPa)〜約2000mmHg(約267kPa)の圧力で、約25℃〜約250℃、好ましくは、約50℃〜約200℃、さらに好ましくは、約55℃〜約175℃、最も好ましくは、約60℃〜約150℃の温度で、約1分間〜約48時間、好ましくは、約2分間〜約36時間、最も好ましくは、約3分間〜約30時間の時間にわたって、工程(1)の該溶媒和重合体を少なくとも2種のアルコールと反応させて、エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体を形成する工程であって、該少なくとも2種のアルコールは、(i)少なくとも約6個の炭素原子を含有するものと、(ii)約6個未満の炭素原子を含有する他のものとを含む;
(3)必要に応じて、約650mmHg(約86kPa)〜約2000mmHg(約267kPa)の圧力で、約50℃〜約250℃、好ましくは、約60℃〜約200℃、さらに好ましくは、約65℃〜約175℃、最も好ましくは、約70℃〜約150℃の温度で、約1分間〜約48時間、好ましくは、約2分間〜約36時間、最も好ましくは、約3分間〜約30時間の時間にわたって、該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体と、第一級官能性、第二級官能性またはそれらの混合物を有するアミンとを反応させて、アミド化重合体を形成する工程;
(4)約650mmHg(約86kPa)〜約2000mmHg(約267kPa)の圧力で、約25℃〜約250℃、好ましくは、約25℃〜約200℃、さらに好ましくは、約30℃〜約175℃、最も好ましくは、約35℃〜約150℃の温度で、約1分間〜約48時間、好ましくは、約2分間〜約36時間、最も好ましくは、約3分間〜約30時間の時間にわたって、工程(2)の該エステルまたはそれらの誘導体を含む溶媒和重合体または工程(3)の該アミド化重合体を、増ちょう剤、潤滑粘性のあるオイルまたはそれらの混合物に加える工程;および
(5)必要に応じて、工程(4)の生成物に、少なくとも1種の他の性能添加剤を加えて、グリース組成物を形成する工程。
【0071】
これらの任意の溶媒には、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、アルコール、エーテル、エステル、潤滑粘性のあるオイルまたはそれらの混合物が挙げられる。これらの任意の溶媒の適切な例には、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリッツ、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン;イソ−プロパノール、イソ−ブタノール、2−エチルヘキサノール、ジエチルエーテル、メチル第三級ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソ−アミルまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0072】
工程(1)の溶媒和重合体が少なくとも2種のアルコールと反応されるとき、これらのアルコールは、少なくとも約4のTANを有する工程(2)の生成物を提供するのに十分なレベルで、充填される。この方法は、存在するとき、工程(1)において、メタクリレートモノマーまたはアクリレートモノマーの添加を包含する。
【0073】
エステル化触媒には、存在するとき、酸、塩基またはそれらの混合物が挙げられる。適切な触媒の例には、メタンスルホン酸、鉱酸、スズ塩、有機チタネート、シリカゲル、カチオン交換樹脂またはそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、この触媒は、メタンスルホン酸またはそれらの混合物である。
【0074】
この潤滑粘性のあるオイルは、溶媒として使用されるとき、このグリースの潤滑粘性のあるオイルと同一または異なり得る。この潤滑粘性のあるオイルは、溶媒として使用され得るものの、芳香族溶媒が好ましい。1実施態様では、この溶媒は、トルエンまたはそれらの混合物である。溶媒は、存在するとき、単独で、または組み合わせて、使用できる。
【0075】
(工業用途)
本発明のグリース組成物は、少なくとも1つの改良特性を与えるために使用され、これらには、撥水性の向上、水の洗い流しの向上、増粘性の向上、寿命の増加および摩耗の低下が挙げられる。1実施態様では、このグリース組成物は、乳化グリースで使用される。
【0076】
以下の実施例は、本発明を例示する。しかしながら、これらの実施例は、全てを網羅するものではなく、本発明の範囲を限定するとは解釈されないことに留意すべきである。
【実施例】
【0077】
(特定の実施態様)
(実施例1および参照例R1)
(調製実施例1)
約5リットルの容量の四口丸底フラスコに、約454gの無水マレイン酸−スチレン共重合体および約1000gのトルエン溶媒を充填し、そして撹拌して、混合物を形成する。この混合物を、窒素雰囲気で、約120℃まで加熱し、そしてアルコールの混合物(これは、約592gのAlfol C12−C18および約198gのAlfol C−C10を含有する)を加える。この混合物を約30分間撹拌した後、約200cmのトルエン中で、約1時間にわたって、触媒量のメタンスルホン酸(約23g)を滴下する。この反応を、約120℃で、約24時間保持した後、約16.8gのブタノールを加え、その反応を、さらに、約3時間保持し、続いて、トルエンを真空溶媒ストリッピングする。その生成物を、希釈油中にて、約20重量%まで希釈した後、濾過する。最終生成物は、約8〜21の全酸価および約266,000の分子量を有する。
【0078】
(調製実施例2)
トルエンの真空溶媒ストリッピングの直前に、約26.6gのN−(3−アミノプロピル)モルホリンを加えること以外は、調製実施例2の生成物は、調製実施例1と同じである。
【0079】
(実施例1)
NLGIグレード2グリース(これは、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムおよび約0.25gの調製実施例2で調製した重合体を含有する)を使用して、グリース調合物を調製する。
【0080】
(実施例2)
実施例2は、ナフテン油中で調製した12−ヒドロキシステアリン酸リチウムである。このグリースを、そのグリース組成物の約0.6重量%(オイルを含まない基準)で、調製実施例2で調製した重合体で処理する。
【0081】
(実施例3)
このグリースを調製実施例1で調製した重合体で処理すること以外は、実施例3は、実施例2と同じである。
【0082】
(実施例4)
実施例4は、NLGIグレード2リチウムグリースであり、これは、約85重量%のグリース組成物(a)800 SUSパラフィン基油(これは、未粉砕リチウムを含有する);(b)約14.26重量%のグリース組成物800 SUSパラフィン基油;および(c)約0.6重量%(オイルを含まない基準)の調製実施例1で調製した重合体を含有する。
【0083】
(実施例5)
調製実施例1で調製した重合体に代えて、調製実施例2で調製した重合体を使用すること以外は、実施例5は、実施例4と同じである。
【0084】
(実施例6)
そのグリースを約54℃まで加熱し、そして約0.74重量%(オイルを含まない基準)の調製実施例2で調製した重合体を加えて粉砕すること以外は、実施例6は、99.1重量%の実施例2の組成物を含有するグリース組成物である。
【0085】
(実施例7)
調製実施例2の重合体を約0.31重量%(オイルを含まない基準)で加えること以外は、実施例7は、実施例6と同じである。
【0086】
(実施例8)
グリース組成物が(a)800 SUSパラフィン基油(これは、未粉砕12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを含有する);(b)約14.26重量%のグリース組成物が800 SUSパラフィン基油であること以外は、実施例8は、実施例6と同じである。
【0087】
(実施例9)
調製実施例2の重合体を約0.31重量%(オイルを含まない基準)で加えること以外は、実施例9は、実施例8と同じである。
【0088】
(参照例R1)
本発明の重合体を除くこと以外は、参照例R1は、実施例1と類似したグリース調合物である。
【0089】
(試験1)
ASTM D4049試験は、水噴霧に対するグリースの耐性を測定する。予め秤量したステンレス製鋼鉄パネルを、一様に、約8mmのグリースで被覆する。次いで、このパネルを再秤量する。次いで、被覆したステンレス製鋼鉄パネルを、約5分間にわたって、水噴霧下に置く。この水を、約38℃まで予熱し、そして一定温度で保持する。水圧ポンプを、約276kPa(約40psiに等しい)で保持する。このパネルを水噴霧から取り除き、そしてオーブンにて、約66℃で、約1時間加熱する。次いで、このパネルをオーブンから取り出し、冷却し、そして再秤量する。これらのグリースについて得られた結果は、以下の表1で示す。
【0090】
(表1:ASTM D4049の結果)
【0091】
【化4】

これらの結果は、実施例1〜8が参照例よりも良好な水噴霧耐性を有することを示している。水噴霧に対して良好な耐性を有するグリースは、寿命が長く、および/または摩耗が少ない。
【0092】
(試験2)
ASTM D1264試験は、グリースの水による洗い流し特性を測定する。本体重量を計ったベアリングに、約4gのグリースを詰め込み、そしてASTM D1264で記載された装置に挿入する。最低で約750mLの蒸留水(これは、約79℃まで予備加熱した)をレザバに加えるが、その水のレベルは、このベアリングよりも低い。この水を水ポンプで再循環させ、そして約79℃まで再加熱する。この水が約79℃まで達したとき、この水を、約5ml s−1の速度で、このベアリングに噴霧する。このベアリングを、約600rpmの速度で、約1時間回転させる。このベアリングを装置から取り出し、そして約77℃で、約15時間乾燥させる。残りのグリースを再秤量する。これらのグリース組成物に対して得られた結果は、以下の表2で示す。
【0093】
(表2:ASTM D1264の結果)
【0094】
【化5】

実施例1〜9は、参照例よりも良好な水の洗い流し特性を有する。良好な水の洗い流し特性を有するグリースは、寿命が長く、および/または摩耗が少ない。
【0095】
要約すると、これらの試験は、本発明の重合体が水の洗い流し特性および噴霧除去特性の向上したグリース組成物を提供することを説明している。これらの向上した特性により、さらに、グリースの摩耗が低下し、寿命が延びる。
【0096】
本発明を説明しているものの、それらの種々の変更は、本明細書を読めば、当業者に明らかなことが理解できるはずである。従って、本明細書中で開示の発明は、添付の請求の範囲に入るこれらの変更を含むべく意図されていることが理解できるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【公開番号】特開2011−236441(P2011−236441A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−187973(P2011−187973)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【分割の表示】特願2007−503985(P2007−503985)の分割
【原出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】