α−シヌクレインキナーゼ
患者の脳のレヴィー小体病(LBD)と関係がある疾患の処置のための薬剤および方法が提供される。好ましい薬剤としては、PLK2キナーゼの阻害剤が挙げられる。1つの態様では、本発明により、レヴィー小体病(LBD)を処置するための活性について薬剤をスクリーニングする方法が提供される。そのような疾患としては、パーキンソン病(PD)、びまん性レヴィー小体病(DLBD)、アルツハイマー病のレヴィー体変異体(LBV)、複合型のPDおよびアルツハイマー病(AD)、ならびに、多系統委縮症(MSA)として同定された症候群が挙げられる。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
α−シヌクレインを発現する哺乳動物細胞においてα−シヌクレインのリン酸化を減少させる薬剤を同定する方法であって:
a)PLK2を発現する細胞中でのPLK2の活性を低下させる;および
b)PLK1を発現する細胞中でのPLK1の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK1の活性を低下させる;および/または、
c)PLK3を発現する細胞中でのPLK3の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK3の活性を低下させる;および/または
d)PLK4を発現する細胞中でのPLK4の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK4の活性を低下させる
薬剤を選択する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記細胞がα−シヌクレインを過剰発現する哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)PLK2を発現する細胞中でのPLK2の活性を低下させる;
b)PLK1を発現する細胞中でのPLK1の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK1の活性を低下させる;
c)PLK3を発現する細胞中でのPLK3の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK3の活性を低下させる;および
d)PLK4を発現する細胞中でのPLK4の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK4の活性を低下させる
薬剤を選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
シンフィリンの存在下でPLK2を調節する薬剤を同定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パーキンソン病の処置のための薬剤を同定する方法であって、該方法は、請求項1に記載の方法にしたがって薬剤を選択する工程を含み、該選択した薬剤が、その疾患の動物モデルにおいてレヴィー小体病の処置に有用な活性を示すかどうかを決定する工程をさらに含む、方法。
【請求項6】
パーキンソン病の処置のための薬剤を同定する方法であって、該方法は、請求項1に記載の方法にしたがって薬剤を選択する工程を含み、該選択した薬剤が、その疾患の細胞モデルにおいてレヴィー小体病の処置に有用な活性を示すかどうかを決定するさらに工程を含む、方法。
【請求項7】
前記疾患の細胞モデルが、神経系統に由来する細胞培養物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記疾患の細胞モデルが、α−シヌクレインを過剰発現する哺乳動物細胞である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性が、セリン−129でリン酸化された全α−シヌクレインの割合の低下である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記活性が、前記細胞中のα−シヌクレインの凝集の減少である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物細胞中でのα−シヌクレインのリン酸化を阻害するための方法であって、α−シヌクレインのリン酸化が減少するように、該細胞を、該細胞中のpolo様キナーゼ2(PLK2)の活性を低下させる薬剤と接触させる工程を含み、ここでは、該薬剤は、存在する場合にはPLK1活性、PLK2活性、またはPLK3活性の低下と比較して、PLK2活性を優先的に低下させる、方法。
【請求項12】
前記薬剤が前記PLK2タンパク質の発現を低下させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞が神経細胞(neuronal cell)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記薬剤が合成化合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記薬剤が4000未満の分子量を持つ、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記薬剤が、PLK2 RNA転写物の発現または翻訳を阻害するポリヌクレオチドである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記薬剤が、二本鎖領域を含むsiRNAである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記二本鎖領域の一方の鎖がPLK2転写物に完全に相補的であり、PLK1転写物またはPLK3転写物に対する完全な相補性は持たない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
シヌクレインのリン酸化が減少するように、細胞中のpolo様キナーゼ2(PLK2)活性を低下させる工程を含む、哺乳動物細胞中でのα−シヌクレインのリン酸化を阻害するための方法。
【請求項20】
PLK2活性を阻害する薬剤の治療有効量を投与する工程を含む、パーキンソン病と診断された患者を処置する方法。
【請求項21】
前記薬剤が、PLK1活性またはPLK3活性の阻害と比較して、PLK2活性を優先的に阻害する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記薬剤が、PLK1活性およびPLK3活性の両方の阻害と比較して、PLK2活性を優先的に阻害する、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記薬剤がsiRNAである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記薬剤が、二本鎖領域を含むsiRNAである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記二本鎖領域の一方の鎖がPLK2転写物に完全に相補的であり、PLK1転写物またはPLK3転写物に対する完全な相補性は持たない、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記薬剤が、4000未満の分子量を持つ合成化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記患者が、ガンと診断されていないかまたはガンの処置を受けていない、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記患者が、アルツハイマー病と診断されていないかまたはアルツハイマー病の処置を受けていない、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
α−シヌクレインを発現する哺乳動物細胞においてα−シヌクレインのリン酸化を減少させる薬剤を同定する方法であって:
a)PLK2を発現する細胞中でのPLK2の活性を低下させる;および
b)PLK1を発現する細胞中でのPLK1の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK1の活性を低下させる;および/または、
c)PLK3を発現する細胞中でのPLK3の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK3の活性を低下させる;および/または
d)PLK4を発現する細胞中でのPLK4の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK4の活性を低下させる
薬剤を選択する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記細胞がα−シヌクレインを過剰発現する哺乳動物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)PLK2を発現する細胞中でのPLK2の活性を低下させる;
b)PLK1を発現する細胞中でのPLK1の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK1の活性を低下させる;
c)PLK3を発現する細胞中でのPLK3の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK3の活性を低下させる;および
d)PLK4を発現する細胞中でのPLK4の活性を低下させないか、もしくはPLK2についてのEC50よりも高いEC50でPLK4の活性を低下させる
薬剤を選択する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
シンフィリンの存在下でPLK2を調節する薬剤を同定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パーキンソン病の処置のための薬剤を同定する方法であって、該方法は、請求項1に記載の方法にしたがって薬剤を選択する工程を含み、該選択した薬剤が、その疾患の動物モデルにおいてレヴィー小体病の処置に有用な活性を示すかどうかを決定する工程をさらに含む、方法。
【請求項6】
パーキンソン病の処置のための薬剤を同定する方法であって、該方法は、請求項1に記載の方法にしたがって薬剤を選択する工程を含み、該選択した薬剤が、その疾患の細胞モデルにおいてレヴィー小体病の処置に有用な活性を示すかどうかを決定するさらに工程を含む、方法。
【請求項7】
前記疾患の細胞モデルが、神経系統に由来する細胞培養物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記疾患の細胞モデルが、α−シヌクレインを過剰発現する哺乳動物細胞である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記活性が、セリン−129でリン酸化された全α−シヌクレインの割合の低下である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記活性が、前記細胞中のα−シヌクレインの凝集の減少である、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
哺乳動物細胞中でのα−シヌクレインのリン酸化を阻害するための方法であって、α−シヌクレインのリン酸化が減少するように、該細胞を、該細胞中のpolo様キナーゼ2(PLK2)の活性を低下させる薬剤と接触させる工程を含み、ここでは、該薬剤は、存在する場合にはPLK1活性、PLK2活性、またはPLK3活性の低下と比較して、PLK2活性を優先的に低下させる、方法。
【請求項12】
前記薬剤が前記PLK2タンパク質の発現を低下させる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記細胞が神経細胞(neuronal cell)である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記薬剤が合成化合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記薬剤が4000未満の分子量を持つ、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記薬剤が、PLK2 RNA転写物の発現または翻訳を阻害するポリヌクレオチドである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記薬剤が、二本鎖領域を含むsiRNAである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記二本鎖領域の一方の鎖がPLK2転写物に完全に相補的であり、PLK1転写物またはPLK3転写物に対する完全な相補性は持たない、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
シヌクレインのリン酸化が減少するように、細胞中のpolo様キナーゼ2(PLK2)活性を低下させる工程を含む、哺乳動物細胞中でのα−シヌクレインのリン酸化を阻害するための方法。
【請求項20】
PLK2活性を阻害する薬剤の治療有効量を投与する工程を含む、パーキンソン病と診断された患者を処置する方法。
【請求項21】
前記薬剤が、PLK1活性またはPLK3活性の阻害と比較して、PLK2活性を優先的に阻害する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記薬剤が、PLK1活性およびPLK3活性の両方の阻害と比較して、PLK2活性を優先的に阻害する、請求項11に記載の方法。
【請求項23】
前記薬剤がsiRNAである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記薬剤が、二本鎖領域を含むsiRNAである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記二本鎖領域の一方の鎖がPLK2転写物に完全に相補的であり、PLK1転写物またはPLK3転写物に対する完全な相補性は持たない、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記薬剤が、4000未満の分子量を持つ合成化合物である、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記患者が、ガンと診断されていないかまたはガンの処置を受けていない、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記患者が、アルツハイマー病と診断されていないかまたはアルツハイマー病の処置を受けていない、請求項20に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2011−515072(P2011−515072A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−546937(P2010−546937)
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/034135
【国際公開番号】WO2009/103010
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(507393469)エラン ファーマ インターナショナル リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月13日(2009.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/034135
【国際公開番号】WO2009/103010
【国際公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(507393469)エラン ファーマ インターナショナル リミテッド (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]