説明

α化澱粉含有固形調味食品

【課題】α化澱粉を含有し、溶解性に優れ、かつ、充分な硬度を有する固形調味食品の提供。
【解決手段】α化澱粉を含有する固形調味食品であって、木屋式硬度計を用いて測定した硬度が、8.5〜50kgfである、固形調味食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、α化澱粉を含有する固形調味食品に関し、特に、α化澱粉を含有し、かつ、充分な硬度を有する固形調味食品に関する。
【背景技術】
【0002】
固形調味食品は、従来より飲食品の風味付け等に広く用いられている。固形調味食品は、調理の際に湯等に溶解して用いられるものであるが、その溶解性には改善の余地があった。
【0003】
一方、食品にα化澱粉を添加することにより、溶解性が向上することが報告されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開1999−127823号公報
【特許文献2】特開2006−42720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、固形調味食品の溶解性向上を目的として検討した結果、α化澱粉を添加することで、溶解性が向上することを確認できたが、硬度については低下する傾向が見られることを見出した。固形調味食品は硬度が低下すると、製造中や流通中等において割れや欠けが発生する可能性が高いことから、α化澱粉を添加して溶解性を向上させつつ、従来と同様の硬度を維持する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、固形調味食品の製造フローを変更し、食品原料の混合順序を変えることにより、α化澱粉を含有し、従来にみられない高溶解性と充分な硬度を有する固形調味食品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
【0007】
(1)α化澱粉を含有する固形調味食品であって、
木屋式硬度計を用いて測定した硬度が、8.5〜50kgfである、固形調味食品。
(2)90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの溶解時間が、150秒以下である、上記(1)記載の固形調味食品。
(3)水分を含有する調味成分及びショ糖から得られる混合物をさらに含有する、上記(1)又は(2)記載の固形調味食品。
(4)水分を含有する調味成分が、エキスである、上記(3)記載の固形調味食品。
(5)水分を含有する調味成分及びショ糖を混合して混合物を作製する工程、並びに、
前記工程により得られた混合物に非晶質粉体原料を混合する工程を含む、α化澱粉を含有する固形調味食品の製造方法。
(6)非晶質粉体原料が、α化澱粉、並びに、
乳糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、香辛料、粉体天然調味料、粉体醤油、粉体味噌、粉体酸味料及び粉体香料からなる群より選択される1種以上を含む、上記(5)記載の方法。
(7)水分を含有する調味成分が、エキスである、上記(5)又は(6)記載の方法。
(8)木屋式硬度計を用いて測定した固形調味食品の硬度が、8.5〜50kgfである、上記(5)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの固形調味食品の溶解時間が、150秒以下である、上記(5)〜(8)のいずれかに記載の方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、α化澱粉を含有せしめることにより、溶解性に優れた固形調味食品を提供することができ、さらに、水分を含有する調味成分及びショ糖から得られる混合物を作製した後で、該混合物に非晶質粉体原料を混合することにより、充分な硬度を有する固形調味食品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「固形調味食品」とは、体積が通常0.03〜70cm、好ましくは1.0〜10cmである、立方体状、直方体状、板状、柱状等の食品、食品素材、調味料等をいう。具体的には、例えば、固形ブイヨン、固形コンソメ、即席固形ポタージュなどの固形洋風だしやスープ、固形和風だしやスープ、固形中華だしやスープ、固形ソース、固形ドレッシング等が挙げられる。
【0010】
本発明において用いられるα化澱粉は、澱粉、加工澱粉(例、架橋澱粉、酸処理澱粉、熱処理澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉及びエーテル化澱粉等)等をα化処理して乾燥し、粉末にしたものである。公知の方法により製造することができ、例えば、澱粉、加工澱粉を水の存在下、ドラムドライヤー、エクストルーダー、スプレードライヤー等を用いて加熱して澱粉質をα化し、乾燥した後、粉砕等により粉末とすることにより製造することができる。また、上記以外の方法を用いて製造したものを使用してもよい。更に、市販品を使用することもできる。
【0011】
α化澱粉の比重は、通常0.2〜1.0g/mlであり、好ましくは0.25〜0.6g/mlである。α化澱粉の比重が0.2g/ml未満であると、ダマができやすく、粉舞いや嵩張りでハンドリング性や混合適性がやや劣り、また圧縮成型にも悪影響を与える場合がある。また、1.0g/mlを超えると、偏析が起こりやすく、混合適性がやや劣り、圧縮成型にも悪影響を与える場合がある。
ここで「α化澱粉の比重」の具体的な測定方法は、以下の通りである。
(1)容積100ml、内径5cmの円柱形のステンレス容器に、上淵から4cmの高さより、目開き1.7mmの篩を通しながら、薬さじ等で少量づつα化澱粉を落下させ、溢れるまで堆積させる。
(2)その後、ステンレスの板などで、ステンレス容器をすりきって、重量を測る。
(3)得られた重量から、あらかじめ測っておいたステンレス容器の重さを引いて、100で割ることで比重を算出する。
(4)(1)〜(3)の操作を3回実施し、それらの平均値を持って「α化澱粉の比重」とする。
【0012】
本発明の固形調味食品におけるα化澱粉の含有量は、通常0.1〜30重量%であり、好ましくは0.2〜25重量%である。当該含有量が0.1重量%未満であると得られる固形調味食品は溶解性に劣るものとなり、また、30重量%を超えると味覚や圧縮成型性に影響を及ぼす虞がある。
【0013】
本発明の固形調味食品は、水分を含有する調味成分及びショ糖から得られる混合物が含有される。調味成分は、通常、本発明の固形調味食品中では乾燥状態であるが、固形調味食品の製造工程においては水分を含有する。当該水分を含有する調味成分としては、例えば、エキス、タンパク加水分解物などの天然調味料、醤油、味噌、酸味料、香料、香辛料抽出物等が挙げられる。これらの水分を含有する調味成分は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。いずれも好適には市販品を使用することができる。
【0014】
天然調味料としては、特に限定されないが、例えば、エキス、タンパク加水分解物等が挙げられる。これらの天然調味料は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0015】
エキスとしては、特に限定されないが、例えば、ビーフエキス、ポークエキス、チキンエキス等の畜肉エキス;鰹エキス、牡蠣エキス、昆布エキス等の魚介エキス;オニオンエキス、椎茸エキス等の野菜エキス;酵母エキス等が挙げられる。これらのエキスは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0016】
タンパク加水分解物としては、特に限定されないが、大豆、小麦、とうもろこしなどの植物性タンパク質または牛、豚、鶏、魚などの動物性タンパク質を、酸あるいは酵素を用いて加水分解したものが挙げられる。これらのタンパク加水分解物は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0017】
醤油としては、特に限定されないが、例えば、濃口醤油、淡口醤油、たまり醤油、再仕込醤油、白醤油等の液状の醤油等が挙げられる。これらの醤油は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0018】
味噌としては、特に限定されないが、例えば、米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌等が挙げられる。これらの味噌は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0019】
酸味料としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸等が挙げられる。これらの酸味料は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0020】
香料としては、例えば、植物性または動物性の天然香料、合成香料等が挙げられる。これらの香料は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0021】
香辛料抽出物としては、例えば、コショウ抽出物、バニラ抽出物、ローレル抽出物、シナモン抽出物など既存添加物名簿収載品目リストに香辛料抽出物として掲載されているもの等が挙げられる。これらの香辛料抽出物は単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
【0022】
固形調味食品の製造工程における調味成分の水分の含有量は、通常10〜99重量%、好ましくは15〜99重量%である。
【0023】
本発明の固形調味食品における調味成分の含有量は、通常0.1〜70重量%であり、好ましくは0.5〜60重量%である。
【0024】
ショ糖は、葡萄糖及び果糖からなる二糖類であり、例えば、グラニュー糖、ザラメ糖、白糖等が挙げられ、いずれを用いてもよいが、好ましくはグラニュー糖である。市販品を用いることができ、例えば、細粒状乃至粉末状の製品等を使用することができる。
【0025】
本発明の固形調味食品におけるショ糖の含有量は、通常3〜40重量%であり、好ましくは5〜35重量%である。
【0026】
本発明の固形調味食品は、例えば、食塩、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料、無機塩系調味料、固体脂、乳糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、香辛料、粉体天然調味料(粉体エキス、粉体タンパク加水分解物など)、粉体醤油、粉体味噌、粉体酸味料、粉体香料等をさらに含有してもよい。
【0027】
アミノ酸系調味料としては、特に限定されないが、例えば、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム、DL−アラニン、グリシン等が挙げられる。
【0028】
核酸系調味料としては、特に限定されないが、例えば、5’−イノシン酸二ナトリウム、5’−グアニル酸二ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。
【0029】
有機酸系調味料としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸三ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム及びコハク酸二ナトリウムが挙げられる。
【0030】
無機塩系調味料としては、特に限定されないが、例えば、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム及びリン酸二水素ナトリウム等が挙げられる。
【0031】
固体脂は、室温(25℃)で固体の食用油脂をいい、例えば、バター、パーム油、ラード、牛脂、鶏油、硬化油等が挙げられる。
【0032】
香辛料としては、例えば、胡椒、山椒、ガーリック、メース、クミン、クローブ、シナモン、セロリシード、ナツメグ、唐辛子、アニス、オールスパイス、オレガノ、コリアンダー、ターメリック、タイム、バジル、パセリ、バニラ、マスタード、ミント、ローズマリー、ローレル等が挙げられる。
【0033】
本発明の固形調味食品の製造方法は、水分を含有する調味成分及びショ糖の混合物を作製する工程、並びに、前記工程で得られた混合物に非晶質粉体原料を混合する工程を含む。
【0034】
本発明において「非晶質粉体原料」とは、原子配列及び/又は分子配列が認められない固体の状態の原料、好ましくは、粉末状乃至粒状の原料を示し、当該原子配列及び/又は分子配列は光学顕微鏡や電子顕微鏡、X線回折等で、観察および識別される。非晶質粉体原料は一部に原子配列及び/又は分子配列を含んでも良いが、その場合の原子配列及び/又は分子配列の含有割合は、通常0.01〜40%であり、好ましくは0.01〜30%である。本発明の固形調味食品が含有するα化澱粉は、当該非晶質粉体原料に含まれる。α化澱粉以外の非晶質粉体原料としては、上述の本発明の固形調味食品が含有し得る原料のうち、乳糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、香辛料、粉体天然調味料(粉体エキス、粉体タンパク加水分解物など)、粉体醤油、粉体味噌、粉体酸味料、粉体香料等が挙げられる。
【0035】
本発明の固形調味食品の製造方法において、非晶質粉体原料は、水分を含有する調味成分及びショ糖の混合物に混合される。本発明において「混合物」とは、2種以上の原料が、例えば、撹拌、混練、捏和等の方法により混合されたものをいう。
【0036】
非晶質粉体原料に含まれない原料の混合対象(混合時期)は、特に制限されない。例えば、水分を含有する調味成分及びショ糖の混合物に混合してもよいし、水分を含有する調味成分単体、ショ糖単体、水分を含有する調味成分とショ糖以外の他の原料との混合物、ショ糖と水分を含有する調味成分以外の他の原料との混合物、並びに、水分を含有する調味成分及びショ糖を含有するが混合されていないもの等に対して混合してもよい。
【0037】
本発明の固形調味食品の製造方法において、各原料の混合方法は特に制限されず、公知の方法により混合することができる。例えば、市販の万能ミキサー、ハイスピードミキサー、横型粉体混合機、リボンミキサー等を用いて混合する方法等が挙げられる。混合時間及び混合温度はいずれも特に制限されないが、混合時間は通常5〜600秒であり、混合温度は通常10〜50℃である。
【0038】
全ての原料を混合した後、得られた混合物を、例えば圧縮成型等することにより、本発明の固形調味食品を得ることができる。圧縮成形方法は、特に制限されないが、例えば、市販の単発式竪型成型機や連続式のロータリー式成型機を用いて打錠する方法等が挙げられる。圧縮方法は特に制限されず、予圧及び本圧の2段階の方法を用いてもよいし、本圧1段階の方法を用いてもよい。用いられる杵も特に制限されず、上杵と下杵2つで圧縮させる方式を用いてもよいし、片側の杵のみで、圧縮させる方式を用いてもよい。圧縮圧は通常0.05〜10t/cmであり、好ましくは0.1〜7t/cmである。また、圧縮成型等する前に、混合物を造粒してもよい。
【0039】
本発明の固形調味食品は、木屋式硬度計を用いて測定した硬度が、通常8.5kgf以上、好ましくは9.0kgf以上、より好ましくは10.0kgf以上である。上記硬度が8.5kgf未満であると、輸送中等において割れや欠けが発生する可能性が高くなる。また、上記硬度は、通常50kgf以下、好ましくは49kgf以下、より好ましくは48kgf以下である。
なお、固形調味食品の硬度は、製造直後には経時によって変化する傾向があるが、製造後1週間保管した後には安定する。このため、固形調味食品の硬度の測定は、製造から1週間以上保管した後に測定する。また、高温、高湿度のような特殊な保管状況の場合、固形調味食品の硬度に変化が見られるため、保管条件は通常使用される保管条件、例えば温度10〜40℃、絶対湿度:1気圧下で0.002〜0.01kg/kgDryAirを用いればよい。
【0040】
本発明において「木屋式硬度計を用いて測定した硬度」とは、木屋式デジタル硬度計(株式会社藤原製作所製、型番KHT−40N)を用いて、固形調味食品の最も面積が大きい面の中心に荷重をかけ、割れが発生したときの荷重を測定することにより得られる値をいう。
【0041】
本発明の固形調味食品は、90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの溶解時間が、通常150秒以下、好ましくは140秒以下、より好ましくは130秒以下である。当該溶解時間が150秒を超えると、調理時に溶けにくいと感じる傾向がある。
【0042】
上記撹拌条件及び溶解時間の具体的な測定方法は以下の通りである。
(1)300mlビーカーにスターラーバーを入れ、スターラーにセットする。
(2)該ビーカーに80℃のお湯300ml(固形調味食品の90倍容量)を入れ、400回転/分になるようスターラーバーを回転させる。
(3)縦1.6cm×横2.1cm×高さ1.0cmに成型した固形調味食品を、スターラーバーに当たらない様に静かに投入し、溶解時間の測定を開始する。
(4)目視にて完全に溶けきったと認識されるまでの時間を測定し、溶解時間とする。
【0043】
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0044】
(実施例1〜3、比較例1〜4、参考例1の固形コンソメの製造)
下記表1に示す配合の食品原料の合計10kgを、横型粉体混合機に下記表2に示す順序で投入及び攪拌し、得られた各々の混合物の5kgを乾燥後、ロータリー式圧縮成型機を用いて、1t/cmの圧縮圧で本圧1段階の圧縮成型をすることにより、実施例1〜3、比較例1〜4の固形コンソメを得た。なお、表2においてグルタミン酸ナトリウムは「MSG」と、非晶質粉体原料は「非晶粉体」と、それぞれ略記している。
また、α化澱粉を用いなかったこと以外は比較例1と同様の操作により、参考例1の固形コンソメを得た。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
(溶解性の評価)
実施例1〜3、比較例1〜4及び参考例1の固形コンソメを、90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの溶解時間を測定した。測定は具体的には以下の通りに行った。
(1)300mlビーカーにスターラーバー(長さ29mm、太さ中心8mm)を入れ、スターラーにセットした。
(2)該ビーカーに80℃のお湯300mlを入れ、400回転/分になるようスターラーバーを回転させた。
(3)縦1.6cm×横2.1cm×高さ1.0cmに成型した固形コンソメを、スターラーバーに当たらない様に静かに投入し、溶解時間の測定を開始した。
(4)目視にて完全に溶けきったと認識されるまでの時間を測定し、溶解時間とした。
評価は以下の基準により行った。結果を下記表3に示す。
[溶解性の評価基準]
○:溶解時間が150秒以下
×:溶解時間が150秒を超える
【0048】
(硬度の評価)
実施例1〜3、比較例1〜4、参考例1の固形コンソメの温度15℃及び絶対湿度:1気圧下で0.003kg/kgDryAirにて製造から1週間保管した後の硬度を、木屋デジタル式硬度計(株式会社藤原製作所製、型番KHT−40N)により測定した。硬度の測定は、固形コンソメの最も面積が大きい面の中心に荷重をかけ、割れが発生したときの荷重を測定することにより行った。また、評価は以下の基準により行った。結果を下記表3に示す。
[硬度の評価基準]
○:硬度が8.5kgf以上
×:硬度が8.5kgf未満
【0049】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、α化澱粉を含有し、溶解性に優れ、かつ、充分な硬度を有する固形調味食品を提供し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
α化澱粉を含有する固形調味食品であって、
木屋式硬度計を用いて測定した硬度が、8.5〜50kgfである、固形調味食品。
【請求項2】
90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの溶解時間が、150秒以下である、請求項1記載の固形調味食品。
【請求項3】
水分を含有する調味成分及びショ糖から得られる混合物をさらに含有する、請求項1又は2記載の固形調味食品。
【請求項4】
水分を含有する調味成分が、エキスである、請求項3記載の固形調味食品。
【請求項5】
水分を含有する調味成分及びショ糖を混合して混合物を作製する工程、並びに、
前記工程により得られた混合物に非晶質粉体原料を混合する工程を含む、α化澱粉を含有する固形調味食品の製造方法。
【請求項6】
非晶質粉体原料が、α化澱粉、並びに、
乳糖、麦芽糖、デキストリン、澱粉、香辛料、粉体天然調味料、粉体醤油、粉体味噌、粉体酸味料及び粉体香料からなる群より選択される1種以上を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
水分を含有する調味成分が、エキスである、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
木屋式硬度計を用いて測定した固形調味食品の硬度が、8.5〜50kgfである、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
90倍容量の80℃の水中において攪拌したときの固形調味食品の溶解時間が、150秒以下である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の方法。

【公開番号】特開2013−13377(P2013−13377A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149498(P2011−149498)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】