α5β1に向けられた標的化結合剤およびその使用
本発明は、α5β1に対する標的化結合剤およびかかる薬剤の使用に関する。より具体的には、本発明は、α5β1に向けられた完全ヒトモノクローナル抗体に関する。説明される標的化結合剤は、α5β1の活性および/または過剰産生に関連する疾患の治療に有用であり、かつ診断法として有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
α5β1インテグリンに特異的に結合する標的化結合剤であって、CDRのうちのいずれか1つにおいてRGDトリペプチドを含有する、標的化結合剤。
【請求項2】
前記RGDトリペプチドが、重鎖CDR3ドメインにある、請求項1に記載の標的化結合剤。
【請求項3】
α5β1インテグリンに特異的に結合する標的化結合剤であって、リガンド模倣体である、標的化結合剤。
【請求項4】
前記標的化結合剤が、250ピコモル濃度未満のKdで、α5β1インテグリンに結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項5】
前記標的化結合剤が、フィブロネクチン、フィブリン、接着分子L1−CAM、Tie−2および/またはFlt1リガンドの、α5β1インテグリンへの結合を阻害する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項6】
前記標的化結合剤が、表10および表11に記載の重鎖および軽鎖可変領域を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項7】
前記標的化結合剤が、MAb.2H12または2H12変異体1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項8】
前記標的化結合剤が、配列番号12の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項9】
前記標的化結合剤が、配列番号10の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3または8のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項10】
前記標的化結合剤が、配列番号20の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3または8のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項11】
α5β1インテグリンへの結合について、請求項1〜10のいずれか1項に記載の標的化結合剤のうちのいずれか1つと競合する、標的化結合剤。
【請求項12】
a)表10または表11に示されるCDR3配列、
b)表10に示されるCDR3配列および表11に示されるCDR3配列、
c)表10に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
d)表11に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
e)表10に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
f)表10に示されるMcAb.2H12のCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるMcAb.2H12のCDR1、CDR2、CDR3配列、
g)表10に示されるMcAb.2H12変異体1のCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるMcAb.2H12変異体1のCDR1、CDR2、CDR3配列、
を含むアミノ酸配列を含む、標的化結合剤。
【請求項13】
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のCDRセットを含む標的化結合剤であって、前記CDRセットは、
HCDR1が、配列番号13のアミノ酸配列であり、
HCDR2が、配列番号14のアミノ酸配列であり、
HCDR3が、配列番号15のアミノ酸配列であり、
LCDR1が、配列番号16のアミノ酸配列であり、
LCDR2が、配列番号17のアミノ酸配列であり、および
LCDR3が、配列番号18のアミノ酸配列である、
CDRセットから10個以下のアミノ酸置換を有する、標的化結合剤。
【請求項14】
前記CDRセットにおいて1つまたは2つの置換を含む、請求項13に記載の標的化結合剤。
【請求項15】
前記標的化結合剤が、モノクローナル抗体である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項16】
前記標的化結合剤が、モノクローナル抗体のフラグメントである、請求項15に記載の標的化結合剤。
【請求項17】
前記結合フラグメントが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ScFv、ScFvFc、またはdAbからなる群から選択される、請求項16に記載の結合フラグメント。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤をコードする核酸。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項20】
請求項19に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項21】
抗体を産生する方法であって、請求項20に記載の宿主細胞を培養するステップと、前記細胞培養物から前記抗体を回収するステップと、を含む方法。
【請求項22】
哺乳動物における腫瘍性疾患を治療する方法であって、
腫瘍性疾患のための治療を必要とする動物を選択するステップと、前記動物に治療的有効用量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤を投与するステップと、を含む方法。
【請求項23】
前記腫瘍性疾患が、黒色腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、肝細胞癌、甲状腺腫瘍、胃癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、膠芽腫、子宮体癌、腎臓癌、結腸癌、膵臓癌、食道癌、頭頚部癌、中皮腫、肉腫、胆嚢、小腸腺癌、小児悪性腫瘍、表皮癌、および消化管間葉性腫瘍からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物における非腫瘍性疾患を治療する方法であって、
非腫瘍性疾患のための治療を必要とする動物を選択するステップと、前記動物に治療的有効用量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤を投与するステップと、を含む方法。
【請求項25】
前記非腫瘍性疾患が、眼疾患、炎症性疾患、心血管疾患、および敗血症からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
腫瘍性疾患の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項27】
非腫瘍性疾患の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項28】
癌の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項29】
薬学的に許容される担体と組み合わされた、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項30】
血管内皮成長因子のアンタゴニストと組み合わされた、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項1】
α5β1インテグリンに特異的に結合する標的化結合剤であって、CDRのうちのいずれか1つにおいてRGDトリペプチドを含有する、標的化結合剤。
【請求項2】
前記RGDトリペプチドが、重鎖CDR3ドメインにある、請求項1に記載の標的化結合剤。
【請求項3】
α5β1インテグリンに特異的に結合する標的化結合剤であって、リガンド模倣体である、標的化結合剤。
【請求項4】
前記標的化結合剤が、250ピコモル濃度未満のKdで、α5β1インテグリンに結合する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項5】
前記標的化結合剤が、フィブロネクチン、フィブリン、接着分子L1−CAM、Tie−2および/またはFlt1リガンドの、α5β1インテグリンへの結合を阻害する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項6】
前記標的化結合剤が、表10および表11に記載の重鎖および軽鎖可変領域を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項7】
前記標的化結合剤が、MAb.2H12または2H12変異体1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項8】
前記標的化結合剤が、配列番号12の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項9】
前記標的化結合剤が、配列番号10の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3または8のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項10】
前記標的化結合剤が、配列番号20の配列を含むポリペプチドを含む、請求項1〜3または8のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項11】
α5β1インテグリンへの結合について、請求項1〜10のいずれか1項に記載の標的化結合剤のうちのいずれか1つと競合する、標的化結合剤。
【請求項12】
a)表10または表11に示されるCDR3配列、
b)表10に示されるCDR3配列および表11に示されるCDR3配列、
c)表10に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
d)表11に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
e)表10に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるCDR1、CDR2、およびCDR3配列、または
f)表10に示されるMcAb.2H12のCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるMcAb.2H12のCDR1、CDR2、CDR3配列、
g)表10に示されるMcAb.2H12変異体1のCDR1、CDR2、およびCDR3配列、ならびに表11に示されるMcAb.2H12変異体1のCDR1、CDR2、CDR3配列、
を含むアミノ酸配列を含む、標的化結合剤。
【請求項13】
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、LCDR3のCDRセットを含む標的化結合剤であって、前記CDRセットは、
HCDR1が、配列番号13のアミノ酸配列であり、
HCDR2が、配列番号14のアミノ酸配列であり、
HCDR3が、配列番号15のアミノ酸配列であり、
LCDR1が、配列番号16のアミノ酸配列であり、
LCDR2が、配列番号17のアミノ酸配列であり、および
LCDR3が、配列番号18のアミノ酸配列である、
CDRセットから10個以下のアミノ酸置換を有する、標的化結合剤。
【請求項14】
前記CDRセットにおいて1つまたは2つの置換を含む、請求項13に記載の標的化結合剤。
【請求項15】
前記標的化結合剤が、モノクローナル抗体である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項16】
前記標的化結合剤が、モノクローナル抗体のフラグメントである、請求項15に記載の標的化結合剤。
【請求項17】
前記結合フラグメントが、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、ScFv、ScFvFc、またはdAbからなる群から選択される、請求項16に記載の結合フラグメント。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤をコードする核酸。
【請求項19】
請求項18に記載の核酸分子を含むベクター。
【請求項20】
請求項19に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項21】
抗体を産生する方法であって、請求項20に記載の宿主細胞を培養するステップと、前記細胞培養物から前記抗体を回収するステップと、を含む方法。
【請求項22】
哺乳動物における腫瘍性疾患を治療する方法であって、
腫瘍性疾患のための治療を必要とする動物を選択するステップと、前記動物に治療的有効用量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤を投与するステップと、を含む方法。
【請求項23】
前記腫瘍性疾患が、黒色腫、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、神経膠腫、肝細胞癌、甲状腺腫瘍、胃癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、肺癌、膠芽腫、子宮体癌、腎臓癌、結腸癌、膵臓癌、食道癌、頭頚部癌、中皮腫、肉腫、胆嚢、小腸腺癌、小児悪性腫瘍、表皮癌、および消化管間葉性腫瘍からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
哺乳動物における非腫瘍性疾患を治療する方法であって、
非腫瘍性疾患のための治療を必要とする動物を選択するステップと、前記動物に治療的有効用量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤を投与するステップと、を含む方法。
【請求項25】
前記非腫瘍性疾患が、眼疾患、炎症性疾患、心血管疾患、および敗血症からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
腫瘍性疾患の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項27】
非腫瘍性疾患の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項28】
癌の治療のための薬剤の調製における、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【請求項29】
薬学的に許容される担体と組み合わされた、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤。
【請求項30】
血管内皮成長因子のアンタゴニストと組み合わされた、請求項1〜17のいずれか1項に記載の標的化結合剤の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2012−513195(P2012−513195A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541508(P2011−541508)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067707
【国際公開番号】WO2010/072741
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067707
【国際公開番号】WO2010/072741
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】
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