説明

こたつ用電源コード及びヒータユニット、こたつ

【課題】使用時の電力消費量を簡単に把握でき、オフタイマーの設定や変更も容易に行えるようにする。
【解決手段】こたつ用電源コード1に設けたコントローラ4に、ヒータユニット30の電力消費量を表示するインジケーター7と、設定時間でヒータユニット7への通電を停止させるオフタイマーの設定時間を選択する設定ボタン9と、オフタイマーの設定時間を表示する時間表示部8とを夫々設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、こたつに接続されるこたつ用電源コードと、そのこたつ用電源コードを接続したこたつ用のヒータユニットと、当該ヒータユニットを備えたこたつとに関する。
【背景技術】
【0002】
こたつは、やぐらの天板の下面中央に、石英管ヒータ等を備えたヒータユニットを備え、ヒータへの通電によって加熱を行う。ヒータユニットには、商用電源のコンセントに接続される電源コードが接続されるが、この電源コードには、温度のコントローラが設けられており、ユーザーは、コントローラの操作によってヒータの発熱量を調整することができる(特許文献1参照)。また、ここでは、ヒータユニット内の温度を検出する温度センサが設けられており、温度センサの検出温度を予め設定された温度と比較し、ヒータへの通電をON/OFFして発熱量を調整するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−310506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の電源コードにおいては、コントローラはユーザーが調整したレベルを表示するに過ぎず、ヒータの発熱量の調整による実際の電力消費量をユーザーは知ることができなかった。
また、こたつには、設定時間が経過するとヒータへの通電を停止させるオフタイマーが設けられるが、このオフタイマーは設定時間が変更できない固定式である上、残り時間の表示もないため、使い勝手が良くなかった。
なお、電源コードにコントローラがなく、ヒータユニットに直接温度調節部が設けられているものもあるが、これはサーモスタットを用いたON/OFF動作による発熱量調整であって、タイマーも設けられていない。
【0005】
そこで、本発明は、使用時の電力消費量を簡単に把握でき、オフタイマーの設定や変更も容易に行えるこたつ用電源コード及びヒータユニット、そしてこたつを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一方の端部に、こたつのヒータユニットに接続される接続プラグを、他方の端部に、商用電源のコンセントに接続される差込プラグを夫々備え、中間部にコントローラを設けたこたつ用電源コードであって、コントローラに、ヒータユニットの電力消費量を表示するインジケーターと、設定時間でヒータユニットへの通電を停止させるオフタイマーの設定時間を選択する操作部と、オフタイマーの設定時間を表示する時間表示部とを夫々設けたことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、こたつ用のヒータユニットであって、請求項1に記載のこたつ用電源コードを接続したことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、こたつであって、請求項2に記載のヒータユニットを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コントローラに、インジケーターとオフタイマーの操作部及び時間表示部とを設けたことで、使用時の電力消費量を簡単に把握でき、オフタイマーの設定や変更も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】こたつ用電源コードの説明図である。
【図2】コントローラの説明図である。
【図3】電源コードの回路構成のブロック図である。
【図4】ヒータユニットの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、こたつ用電源コード(以下単に「電源コード」という。)の説明図で、電源コード1は、一方の端部に、こたつのヒータユニットに接続されるL字状の接続プラグ2を、他方の端部に、商用電源のコンセントに接続される差込プラグ3を夫々有すると共に、中間部にはコントローラ4を備えている。このコントローラ4は、図2に示すように、正面下方に電源スイッチ付の温度調整ダイヤル5を有する一方、その上方に、液晶画面からなる表示部6を備えている。この表示部6は、上段に、電力消費量を表示するインジケーター7を備え、下段に、オフタイマーのタイマー時間の時間表示部8を備えている。9は、オフタイマーの操作部となる設定ボタン、10は、温度調整ダイヤル5の回転操作に伴って回転して電源のOFF及び温度の強弱を表示する表示ダイヤルである。
【0010】
図3は、電源コード1の回路構成のブロック図で、過電流によって溶断するヒューズを備えた差込プラグ3からの商用電源は、温度調整ダイヤル5を備えた温度調整回路11を介してヒータユニット30側へ供給される一方、W線に設けた変流器12によって取り出された二次電流は、電源回路13を介してインジケーター回路14に供給される。このインジケーター回路14は、入力される電力値に応じてインジケーター7に表示する目盛り(バー)の数を8段階(図2は100%の状態を示す)に変化させるものである。よって、W線の負荷電流に応じて二次電流が変化すると、インジケーター7の目盛りの数が変化することになる。
【0011】
また、コントローラ4内には、整流回路15を介して動作電源が供給されるMCU16が設けられている。このMCU16には、クロック発振部17が接続されると共に、電源回路13から定電圧を取り出す整流回路18を介して通電される設定ボタン9が接続されて、設定ボタン9の操作に伴う信号入力に伴い、MCU16は、時間表示部8にタイマー時間を表示するタイマー表示回路19を動作させるようになっている。また、MCU16は、設定されたタイマー時間が経過すると、W線に設けられたリレー20を動作させてヒータユニット30への通電を停止させるようになっている。
【0012】
そして、ヒータユニット30は、図4の回路図に示すように、図示しないこたつの天板の下面中央に設置されるフレームの上側に、モータ31によって駆動する図示しない送風ファンを設けると共に、その下方に、例えばU字型の石英管からなるヒータ32を配置した周知の構成で、モータ31とヒータ32とを並列に接続している。但し、ヒータ32側の回路には、トライアック33が設けられており、トライアック33のゲートには、B線に設けられてヒータユニット30内の温度を検出するPTC型のサーミスタ34を介して電流が流れるようになっている。
【0013】
よって、サーミスタ34の温度が上がると、サーミスタ34の抵抗値が高くなり、ゲート電流が減少することでトライアック33の電流が減少し、ヒータ32への通電量が減少する。一方、サーミスタ34の温度が下がると、サーミスタ34の抵抗値が低くなり、ゲート電流が増加することでトライアック33の電流が増加し、ヒータ32への通電量が増加する。35はヒータユニット30に設けられた温度調整ダイヤル、36はヒータユニット30内に設けられた温度ヒューズで、ヒータユニット30内が異常高温となった際には、温度ヒューズ36が溶断することでヒータ32への通電が停止するようになっている。
【0014】
以上の如く構成された電源コード1及びヒータユニット30を備えたこたつにおいては、接続プラグ2をヒータユニット30に接続して差込プラグ3を商用電源のコンセントに差し込んだ状態で、温度調整ダイヤル5を回してスイッチをONさせると、ヒータユニット30においてモータ31が駆動して送風ファンが回転すると共に、ヒータ32も通電によって発熱する。これにより、ヒータユニット30の内部に空気が導入され、導入された空気がヒータ32によって暖められてヒータユニット30の外部(こたつ内)へ送出される。
【0015】
このとき、温度調整ダイヤル5をさらに回すと、ヒータユニット30への通電量が増えてヒータ32の発熱量が増加することになるが、この通電量の増加に合わせてコントローラ4では、インジケーター回路14がインジケーター7の目盛りの数を8段階に変更する。なお、ここでは温度調整ダイヤル5の操作に合わせて表示ダイヤル10が、「切」(スイッチOFF状態)から「1」〜「9」に表示位置を変化させ、100%の目盛り表示で「強」を表示するものとなる。
【0016】
そして、こたつ内の温度が上昇してサーミスタ34の検出温度が設定温度に達すると、前述のようにヒータ32の通電が停止する。よって、ヒータユニット30への通電量が減少し、温度調整ダイヤル5の操作位置にかかわらず、インジケーター回路14はインジケーター7の目盛りの数を減少させる。逆に、こたつ内の温度が下降してサーミスタ34の検出温度が設定温度を下回ると、前述のようにヒータ32への通電が再開される。よって、ヒータユニット30への通電量が増加し、インジケーター回路14はインジケーター7の目盛りの数を増加させることになる。
【0017】
一方、コントローラ4では、スイッチON時にはタイマー表示回路19によって時間表示部8に「5時間00分」のタイマー時間が表示されるようになっている。よって、そのままこたつの使用時間が5時間に達すると、MCU16は、リレー20を動作させてヒータユニット30への通電を停止させることになる。すなわち、5時間の消し忘れタイマーが作動するものである。なお、時間表示部8の表示は1分単位で減少していく。
【0018】
また、スイッチON後に設定ボタン9を押すと、MCU16は、予め設定されたプログラムに従い、オフタイマー時間設定モードに移行して、タイマー表示回路19によって時間表示部8に表示したタイマー時間を点滅させる。ここで設定ボタン9を押すと、時間表示部8には「30分」が表示され、そのまま一回押す度に、「1時間00分」「1時間30分」「2時間00分」・・と30分単位で「5時間00分」までタイマー時間が変化する。よって、希望する時間で設定ボタン9の押し操作を止めると、3秒経過後に当該タイマー時間で表示の点滅が終了してオフタイマーが設定される。
【0019】
このように、上記形態の電源コード1及びヒータユニット30を用いたこたつによれば、コントローラ4に、ヒータユニット30の電力消費量を表示するインジケーター7と、設定時間でヒータユニット7への通電を停止させるオフタイマーの設定時間を選択する設定ボタン9と、オフタイマーの設定時間を表示する時間表示部8とを夫々設けたことで、使用時の電力消費量を簡単に把握でき、オフタイマーの設定や変更も容易に行える。
【0020】
なお、コントローラの形態は上記例に限らず、例えば表示部ではインジケーターと時間表示部とを分離して設けたり、設定ボタンを時間用と分用とに分けて設けてより細かい設定を可能としたり等、適宜設計変更可能である。特にインジケーターは、目盛りの数の増減の他、目盛りによる表示に代えて数字表示を採用したりすることも可能である。
その他、コントローラ自体の形状も、横長形状や円盤形状等を採用して差し支えないし、オフタイマーの機能自体はコントローラに限らず、ヒータユニット側に設けることも可能である。
【符号の説明】
【0021】
1・・こたつ用電源コード、2・・接続プラグ、3・・差込プラグ、4・・コントローラ、5・・温度調整ダイヤル、6・・表示部、7・・インジケーター、8・・時間表示部、9・・設定ボタン、10・・表示ダイヤル、14・・インジケーター回路、16・・MCU、19・・タイマー表示回路、30・・ヒータユニット、31・・モータ、32・・ヒータ、34・・サーミスタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部に、こたつ用のヒータユニットに接続される接続プラグを、他方の端部に、商用電源のコンセントに接続される差込プラグを夫々備え、中間部にコントローラを設けたこたつ用電源コードであって、
前記コントローラに、前記ヒータユニットの電力消費量を表示するインジケーターと、設定時間で前記ヒータユニットへの通電を停止させるオフタイマーの前記設定時間を選択する操作部と、前記設定時間を表示する時間表示部とを夫々設けたことを特徴とするこたつ用電源コード。
【請求項2】
請求項1に記載のこたつ用電源コードを接続してなるこたつ用のヒータユニット。
【請求項3】
請求項2に記載のヒータユニットを備えてなるこたつ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−271018(P2010−271018A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125707(P2009−125707)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(390018315)メトロ電気工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】