説明

めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法

【課題】 酸性銅めっき処理において、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっき付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れた特性を与え、かつ下地不良にも対応できる新規なめっき用レベリング剤を提供する。
【解決手段】 ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、(メタ)アクリルアミド類単位と、二酸化イオウ単位とを含むジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体からなるめっき用レベリング剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、めっき用レベリング剤、酸性銅めっき浴用添加剤組成物、酸性銅めっき浴および該めっき浴を用いるめっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、パソコン、ビデオ、ゲーム機等の電子機器は、使用部品の高密度化および小型化が進み、それらを実装しているプリント基板等についても、回路の高密度化が求められている。また、上記の回路実装は、一般には、積層板にブラインドビアホールやスルーホール等の微小孔を設け、この微小孔中に析出させた金属によって各回路層間の接続が行われている。
【0003】
例えば、ブライントビアホールについては、従来からブライントビアホールの内側面および底面に金属被膜を形成させるブライントビアホールめっき等によって各層間の接続が施されている。一方、スルーホールについても、従来より、スルーホールの内側面に均一に金属被膜を形成させるスルーホールめっき法により、基板の各層間の接続が行われている。
【0004】
ところが、上記の回路の高密度化に伴い、両面もしくは多層基板の層間接続に使用されているスルーホールおよびブライントビアホールもまた、より小径化および高アスペクト化が求められるようになってきた。
【0005】
前記のブライントビアホールめっきやスルーホールめっきについては、これまで数多くのめっき用添加剤やめっき浴が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来提案されている酸性銅めっき用添加剤やめっき浴は、そのあるもの(一般めっき浴)は、めっき面のレベリング性などのめっき外観に優れているが、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっきの付き回り性に劣り、一方、他のもの(高性能めっき浴)は、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっきの付き回り性に優れているが、めっき面のレベリング性などのめっき外観に劣り、また、被めっき銅皮膜の酸化皮膜などの下地不良に対しては対応できにくい。このように、これらの特性を全て満足する酸性銅めっき用添加剤やめっき浴はこれまで存在していなかった。
【特許文献1】特開2003−328179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情のもとで、酸性銅めっき処理において、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっき付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れた特性を与え、かつ下地不良にも対応できる新規なめっき用レベリング剤を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また本発明は、上記めっき用レベリング剤を含み、上記の優れた特性を有する酸性銅めっき浴用添加剤組成物を提供することを第2の目的とする。
【0008】
また本発明は、上記添加剤組成物を含む酸性銅めっき浴を提供することを第3の目的とする。
【0009】
また本発明は、上記酸性銅めっき浴を用い、スルーホールやブラインドビアホールなど
の微小孔を有する基板、あるいは銅などの金属を表面に被覆した樹脂フィルムに対し、高い信頼性で銅めっき処理を施す方法を提供することを第4の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト−(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体が、めっき用レベリング剤として優れた機能を有すること、そして、この共重合体をめっき用添加剤組成物において用いることにより、上述の諸目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(I)
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、一般式(II)
【0014】
【化2】

【0015】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、式(III)
【0016】
【化3】

【0017】
で表される二酸化イオウ単位とを含むジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体からなるめっき用レベリング剤、
(2) (A)上記(1)項に記載のめっき用レベリング剤、(B)ポリマー成分および(C)ブライトナー成分を含むことを特徴とする酸性銅めっき浴用添加剤組成物、
(3) (A)成分10〜1200mg/L、(B)成分100〜20000mg/Lおよび(C)成分0.02〜200mg/Lを含む上記(2)項に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物、
(4) (B)ポリマー成分が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテルおよびポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルの中から選ばれる少なくとも1種である上記(2)または(3)項に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物、(5) (C)ブライトナー成分が、メルカプトアルキルスルホン酸塩、有機ジスルフィド化合物およびジチオカルバミン酸誘導体の中から選ばれる少なくとも1種である上記(2)、(3)または(4)項に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物、
(6) (D)銅イオン10〜75g/L、(E)有機酸および/または無機酸30〜300g/Lを含む基本浴組成に、上記(2)ないし(5)項のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物を配合してなる酸性銅めっき浴、
(7) 銅イオン源が硫酸銅5水和物である場合、基本浴組成における硫酸銅5水和物濃度が40〜300g/Lであり、有機酸および/または無機酸が硫酸である場合、基本浴組成における硫酸濃度が30〜300g/Lである上記(6)項に記載の酸性銅めっき浴、
(8) さらに、(F)塩素イオン20〜100mg/Lを含む上記(6)または(7)項に記載の酸性銅めっき浴、
(9) 穴あけされ、かつ導電化処理された基板を、上記(6)ないし(8)項のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴でめっき処理することを特徴とする基板のめっき方法、及び
(10) 表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムを、上記(6)ないし(8)項のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴でめっき処理することを特徴とする樹脂フィルムのめっき方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、酸性銅めっき処理において、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっき付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れた特性を与え、かつ下地不良にも対応できる新規なめっき用レベリング剤が提供された。
【0019】
また、この新規なめっき用レベリング剤を1成分として用いることにより、上記の優れた特性を有する酸性銅めっき浴用添加剤組成物および該添加剤組成物を含む酸性銅めっき浴が提供された。
【0020】
また、前記酸性銅めっき浴を用いることにより、スルーホールやブラインドビアホールなどの微小孔を有する基板、あるいは銅などの金属を表面に被覆した樹脂フィルムに対し、従来品と比べて、より高い信頼性で銅めっき処理を施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
まず、本発明のめっき用レベリング剤について説明する。
本発明のめっき用レベリング剤は、一般式(I)
【0022】
【化4】

【0023】
(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、一般式(II)
【0024】
【化5】

【0025】
(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、式(III)
【0026】
【化6】

【0027】
で表される二酸化イオウ単位とを含むジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト−(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体からなる。
【0028】
当該共重合体において、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位としては、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト単位、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト単位、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイト単位を好ましく例示できる。なお、この場合、ヒドロキシエチルは、好ましくは2−ヒドロキシエチルである。
【0029】
当該共重合体において、(メタ)アクリルアミド類単位としては、Rが水素原子のときはアクリルアミド類単位となり、一方、Rがメチル基のときは、メタクリルアミド類
単位となる。
【0030】
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基であるか、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である。
【0031】
、Rがそれぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基の場合、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2〜3の2−ヒドロキシアルキル基であることが好ましい。この場合、(メタ)アクリルアミド類単位としては、アクリルアミド単位、N−メチルアクリルアミド単位、N−エチルアクリルアミド単位、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、N,N−ジメチルアクリルアミド単位、N−メチル−N−エチルアクリルアミド単位、N,N−ジエチルアクリルアミド単位、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド単位、N−エチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド単位、メタクリルアミド単位、N−メチルメタクリルアミド単位、N−エチルメタクリルアミド単位、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド単位、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位、N,N−ジメチルメタクリルアミド単位、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド単位、N,N−ジエチルメタクリルアミド単位、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位、N−エチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド単位を例示できる。
【0032】
また、R、Rが一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基の場合、(メタ)アクリルアミドのアミノ基部分がモルフォリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基となることが好ましい。
【0033】
この場合、(メタ)アクリルアミド単位としては、アクロイルモルフォリン単位、アクロイルピペリジン単位、アクロイルピロリジン単位、メタクロイルモルフォリン単位、メタクロイルピペリジン単位、メタクロイルピロリジン単位を例示できる。
【0034】
当該共重合体は、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト系共重合体を例にすると、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジメチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルーN−エチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジエチルアクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルア
ンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルモルフォリンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルピペリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとアクロイルピロリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジメチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチルーN−エチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN,N−ジエチルメタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−メチル−(2−ヒドロキプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとN−エチル−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルモルフォリンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルピペリジンと二酸化イオウとの共重合体、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトとメタクロイルピロリジンと二酸化イオウとの共重合体などを例示できる。
【0035】
また、その他にも前記例示したジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト系共重合体において、モノマーのジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイトの換りに、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトとした共重合体なども、併せて、例示できる。
【0036】
当該共重合体においては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト/(メタ)アクリルアミド類/二酸化イオウのモノマーモル比は、得られる共重合体の安定性の観点から、通常、1/(0.001〜100)/(0.001〜1)であり、好ましくは1/(0.005〜10)/(0.005〜1)、さらに好ましくは1/(0.01〜10)/(0.01〜1)、特に好ましくは1/(0.05〜5)/(0.05〜1)、最も好ましくは1/(0.08〜3)/(0.05〜1)である。
【0037】
本発明の共重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によるポリエチレングリコール換算の重量平均分子量で、通常300〜50,000、好ましくは500〜25,000、より好ましくは800〜10,000の範囲である。
【0038】
当該共重合体の製造方法に特に制限はないが、例えば以下に示す方法により、所望の共重合体を効率よく製造することができる。
【0039】
すなわち、極性溶媒中において、一般式(IV)
【0040】
【化7】

【0041】
(式中、R、R、Rは、それぞれ前記と同じである。)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと、一般式(V)
【0042】
【化8】

【0043】
(式中、R、R、Rは、それぞれ前記と同じである。)
で表される(メタ)アクリルアミド類と、二酸化イオウとを共重合させることにより、当該共重合体が得られる。
【0044】
モノマーとして用いるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトモノマーとしては、ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルジメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトを好ましく例示できる。なお、この場合、ヒドロキシエチルは、好ましくは2−ヒドロキシエチルである。
【0045】
モノマーとして用いるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトは、例えばジアリルアルキルアミンとジアルキル硫酸との反応によるアルキル化反応等により製造することができる。
【0046】
ジアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムメチルサルフェイト、ジアリル(ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムメチルサルフェイトは、それぞれジアリルメチルアミン、ジアリルエチルアミン、ジアリル(ヒドロキシエチル)アミンにジメチル硫酸を加えて反応させるメチル化反応により製造することができる。
【0047】
また、ジアリルジエチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイト、ジアリルエチル(ヒドロキシエチル)アンモニウムエチルサルフェイトは、それぞれ、ジアリルエチルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリル(ヒドロキシエチル)アミンに、ジエチル硫酸を加えて反応させるエチル化反応により製造
することができる。
【0048】
さらに、モノマーとして用いる(メタ)アクリルアミド類としては、Rが水素原子のときはアクリルアミド類となり、一方、Rがメチル基のときは、メタクリルアミド類となる。
【0049】
、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基であるか、または一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である。R、Rが、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基の場合、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数2〜3の2−ヒドロキシアルキル基であることが好ましい。この場合、(メタ)アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−エチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドなどを例示できる。
【0050】
また、R、Rが一緒になってエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基の場合、(メタ)アクリルアミドのアミノ基部分がモルフォリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基となることが好ましい。
【0051】
この場合、(メタ)アクリルアミドとしては、アクロイルモルフォリン、アクロイルピペリジン、アクロイルピロリジン、メタクロイルモルフォリン、メタクロイルピペリジン、メタクロイルピロリジン、を例示できる。
【0052】
当該共重合体の製造に用いる極性溶媒としては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト、(メタ)アクリルアミド類および二酸化イオウを溶解する溶媒であるが、例えば水、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を例示することができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0053】
当該共重合体の製造において、ラジカル共重合反応のために用いられる重合触媒としては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを重合し得るものであれば特に制限はないが、第三−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルのような脂肪族アゾ化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムのような無機過酸化物、硝酸アンモニウム、硝酸カリウムのような硝酸塩等が挙げられる。また、空気等の酸素を含む気体、放射線、紫外線、可視光線も挙げられる。
【0054】
当該共重合体の製造においては、ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト/(メタ)アクリルアミド類/二酸化イオウの仕込みモノマーモル比は、得られる共重
合体の安定性の観点から、通常、1/(0.001〜100)/(0.001〜1)であり、好ましくは1/(0.005〜10)/(0.005〜1)、さらに好ましくは1/(0.01〜10)/(0.01〜1)、特に好ましくは1/(0.05〜5)/(0.05〜1)、最も好ましくは1/(0.08〜3)/(0.05〜1)である。
【0055】
当該共重合体の製造においては、通常、上記ジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとを含む極性溶媒溶液に、上記重合触媒を加え、室温下または加熱条件下、適宜撹拌操作を加えることにより共重合が行われる。重合温度は−100℃〜80℃が好ましい。また、重合時間は1〜100時間が好ましい。
【0056】
反応終了した後、アルコールやアセトン等の共重合体を溶解させない溶媒を加えることにより、当該共重合体を再沈させ、ろ取することもできる。
【0057】
このようにして得られたジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト−(メタ)アクリルアミド類−二酸化イオウ共重合体は、めっき用レベリング剤として、被めっき体表面の凸部に吸着して、凸部のめっき析出を抑制する作用に優れている。当該共重合体は、酸性銅めっき浴用添加剤組成物において、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部のめっき付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れており、かつ下地不良に対応できるなどの特性を発揮する。
【0058】
次に、本発明の酸性銅めっき浴用添加剤組成物について説明する。
【0059】
本発明の酸性銅めっき浴用添加剤組成物は、(A)前記した本発明のめっき用レベリング剤、(B)ポリマー成分および(C)ブライトナー成分を含む組成物である。
【0060】
前記(A)成分であるめっき用レベリング剤の濃度は、最終的な酸性銅めっき浴の組成中において、10〜1200mg/Lであることが好ましく、特に50〜500mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0061】
前記(B)成分であるポリマー成分は、めっき液の濡れ性を向上させる湿潤剤として作用するものであり、このようなものとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテルおよびポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルなどを例示することができる。
【0062】
ここで、ポリエチレングリコールとしては、オキシエチレン単位の繰り返し数が10〜500の範囲、ポリプロピレングリコールとしては、オキシプロピレン単位の繰り返し数が1〜20の範囲にあるものが好ましく用いられる。
【0063】
また、プルロニック型界面活性剤としては、例えば一般式(VI)
HO−(CO)−(CO)−(CO)−H (VI)
(式中、aおよびcは、それぞれ1〜30の数、bは1〜100の数を示す)
で表される化合物を、テトロニック型界面活性剤としては、例えば一般式(VII)
【0064】
【化9】

【0065】
(式中、dは1〜200の数、eは1〜40の数を示す)
で表される化合物を挙げることができる。
【0066】
さらに、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテルとしては、例えば一般式(VIII)
【0067】
【化10】

【0068】
(式中、f、gおよびhは、それぞれ1〜200の数を示す)
で表される化合物を挙げることができ、ポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルとしては、例えば一般式(IX)
O−(C−OR (IX)
(式中、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、iは2〜200の数を示す)
で表される化合物を挙げることができる。
【0069】
本発明においては、(B)成分として、これらのポリマー成分を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、該(B)成分の濃度は、最終的な酸性銅めっき浴の組成中において、100〜20000mg/Lであることが好ましく、特に1000〜10000mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0070】
前記(C)成分であるブライトナー成分は、めっきの結晶配列を均一化する作用を有している。このようなものとしては、メルカプトアルキルスルホン酸塩、有機ジスルフィド化合物およびジチオカルバミン酸誘導体などを例示することができる。
【0071】
ここで、メルカプトアルキルスルホン酸塩としては、例えば一般式(X)
HS−L−SOM (X)
(式中、Lは炭素数1〜18の飽和または不飽和のアルキレン基、Mはアルカリ金属を示す)
で表される化合物を挙げることができる。
【0072】
有機ジスルフィド化合物としては、例えば一般式(XI)
−LSSL−X (XI)
(式中、LおよびLは、それぞれ独立に炭素数1〜18の飽和または不飽和のアルキレン基、XおよびXは、それぞれ独立に硫酸塩基またはリン酸塩基を示す)
で表される化合物を挙げることができる。
ジチオカルバミン酸誘導体としては、例えば一般式(XII)
【0073】
【化11】

【0074】
(式中、RおよびR10は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜3のアルキル基、Lは炭素数3〜6のアルキレン基、Xは硫酸塩基またはリン酸塩基を示す)
で表される化合物を挙げることができる。
【0075】
本発明においては、(C)成分として、ブライトナー成分を1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、該(C)成分の濃度は、最終的な酸性銅めっき浴の組成中において、0.02〜200mg/Lであることが好ましく、特に0.2〜5.0mg/Lの範囲にあることが好ましい。
【0076】
このような組成を有する本発明の酸性銅めっき浴用添加剤組成物は、ブラインドビアホールやスルーホールの内部やコーナー部の付き回り性およびめっき面のレベリング性などのめっき外観のいずれにおいても優れた特性を有する。
【0077】
次に、本発明の酸性銅めっき浴について説明する。
本発明の酸性銅めっき浴は、(D)銅イオン10〜75g/L、(E)有機酸および/または無機酸30〜300g/Lを含む基本浴組成に、前記した本発明の酸性銅めっき浴用添加剤組成物を配合してなるめっき浴である。
【0078】
この酸性銅めっき浴において、(D)成分である銅イオン源となる化合物としては、通常酸性溶液において溶解する銅化合物であればよく、特に制限はない。この銅化合物の具体例としては、硫酸銅(5水和物が好ましい)、酸化銅、塩化銅、炭酸銅、ピロリン酸銅や、メタンスルホン酸銅、プロパンスルホン酸銅等のアルカンスルホン酸銅、プロパノールスルホン酸銅等のアルカノールスルホン酸銅、酢酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅などの有機酸銅及びその塩などが挙げられる。これらの銅化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0079】
この(D)成分である銅イオンの濃度は、酸性銅めっき浴の組成において、10〜75g/Lであることが好ましく、15〜65g/Lであることがより好ましい。特に、酸性銅めっき浴がスルーホールめっき及び樹脂フィルムめっき用の場合は、銅イオンとして15〜30g/Lが、ブラインドビアホールめっき用の場合は、銅イオンとして25〜65g/Lとすることが、それぞれ好ましい。
【0080】
銅イオン源として硫酸銅5水和物を用いる場合、めっき浴におけるその濃度は40〜300g/Lであることが好ましい。また、スルーホールおよび金属スパッタフィルム用としては、好ましくは60〜120g/Lであり、ブラインドビアホール用としては、好ましくは100〜250g/Lである。
【0081】
また、(E)成分である有機酸や無機酸としては、銅を溶解しうるものであればよく、特に制限はない。
【0082】
この有機酸あるいは無機酸の好ましい具体例としては、硫酸を始め、メタンスルホン酸、プロパンスルホン酸等のアルカンスルホン酸類、プロパノールスルホン酸等のアルカノールスルホン酸類、クエン酸、酒石酸、ギ酸などの有機酸類などが挙げられる。これらの有機酸や無機酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0083】
この(E)成分の有機酸や無機酸の濃度は、酸性銅めっき浴の組成において、30〜300g/Lであることが好ましく、50〜250g/Lであることがより好ましい。特に、スルーホールめっきおよび樹脂フィルムめっき用として使用する場合は、150〜250g/Lが、ブラインドビアホールめっき用として使用する場合は、50〜150g/Lとすることが、それぞれ好ましい。
【0084】
有機酸や無機酸として硫酸を用いる場合、めっき浴におけるその濃度は30〜300g/Lであることが好ましい。また、スルーホールおよび金属スパッタフィルム用としては、好ましくは150〜250g/Lであり、ブラインドビアホールとしては、好ましくは50〜150g/Lである。
【0085】
本発明の酸性銅めっき浴には、前記(A)、(B)、(C)、(D)および(E)成分の他に、(F)成分として塩素イオンを、濃度20〜100mg/Lで含有させることが好ましく、特に30〜70mg/Lで含有させることが好ましい。
【0086】
このような組成の酸性銅めっき浴を用いることにより、スルーホールやブラインドビアホールなどの微小孔を有する基板、あるいは銅などの金属を表面に被覆した樹脂フィルムに対し、高い信頼性で銅めっき処理を施すことができる。
【0087】
次に、本発明のめっき方法について説明する。
本発明のめっき方法は、前述の酸性銅めっき浴を用い、(1)穴あけされ、かつ導電化処理された基板をめっき処理する方法および(2)表面に金属被覆が形成された樹脂フィルムをめっき処理する方法の2つの態様がある。
【0088】
前記(1)の穴あけされ、かつ導電化処理された基板にめっき処理を施す方法においては、まず、穴あけされた基板を導電化する。この基板は、例えば基板を常法に従って穴あけしたものであり、穴径が100〜1000μmのスルーホールや、穴径が30〜300μm程度、深さ(樹脂層の厚さ)が30〜300μm程度のブラインドビアホールを有しているプリント基板等の基板である。これらの基板では、スルーホールとブラインドビアホールとは基板内に混在していてもよく、さらに、微細配線用のトレンチ(溝)が混在していてもよい。これらの基板の具体的な例としては、ICベアチップが直接実装されるパッケージ基板などのプリント基板を挙げることができる。
【0089】
この基板の導電化処理は、通常の導電化処理方法により行うことができ、例えば無電解めっきによる金属(カーボンを含む)被覆処理、スパッタリング、蒸着または化学気相蒸着法(Chemical Vapor Deposition:CVD)等により行なうことができる。
【0090】
このようにして導電化処理された基板は、次いで、前記の酸性銅めっき浴で銅めっきされることになる。酸性銅めっき浴で銅めっきを行なう条件は、通常の酸性銅めっきの条件に従えばよい。すなわち、液温は23〜27℃程度、電源としてDC電源を用い、陰極電流密度0.5〜5.0A/dm程度でめっきすればよい。また、一般的にはエアレーション等による浴の攪拌を行なうことが好ましいが、例えば、ブラインドビアホールを有する基板については、ブラインドビアホールに対するめっきの付き回り性を向上させるために噴流攪拌を行うことが好ましい。
【0091】
上記方法におけるめっき時間は、基板上に存在するブラインドビアホールに依存する。すなわち、基板上のブラインドビアホールの側面部から底面部にわたりまんべんなく銅めっきをするための時間は、ビアホールの径や深さにより異なるので、これを考慮し、めっ
き時間を決めることが必要である。例えば穴の直径が60μmで深さが40μmの穴に対してまんべんなく銅めっきをするためには、2.0A/dmの陰極電流密度で30分間程度めっきすればよく、この際の表面(ビアホール以外の部分)のめっき厚は12μm程度となる。
【0092】
また、スルーホールめっきの場合のめっき時間もスルーホールの径や基板の厚さにより異なるが、例えば、基板厚さが約1.6mmでスルーホール径が約300μmの穴を均一に銅めっきするためには、約3.0A/dmの陰極電流密度で50分間程度めっきすればよく、この際の表面(スルーホール以外の部分)のめっき厚は30μm程度となる。
【0093】
このようにして、ブラインドビアホールおよびスルーホールの内部やコーナー部に対する付き回り性およびめっき面のレベリング性の良好な銅めっき被膜が形成され、信頼性の高いめっき処理が可能となる。
【0094】
次に、前記(2)の表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムに、めっき処理を施す方法においては、まず、樹脂フィルム表面に金属被膜を形成する。この場合、厚さ12〜50μm程度のポリイミドやポリエステルなどの樹脂フィルムの表面に、真空蒸着、スパッタリング等により、100〜500nm程度の厚さの銅、ニッケル、クロム等の金属で被膜を形成させるのがよい。
【0095】
このようにして、表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムを、本発明の酸性銅めっき浴で銅めっきを行なう条件は、通常の硫酸銅めっきの条件でよい。すなわち、液温23〜27℃程度、陰極電流密度1〜3A/dm程度で10〜20分間程度めっきを行えばよい。この際のめっき厚さは、2〜10μm程度である。また、一般的にはエアレーション等による液攪拌を行なうことが好ましい。
【0096】
この方法によると、表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムに対し、約3〜5μmの薄い厚さでめっきしても、平滑な光沢めっき表面を得ることができ、その結果、高い信頼性で銅めっきを行うことが可能となる。
【0097】
真空蒸着、スパッタリング等の手法により、極く薄い金属で被覆した樹脂フィルムを従来の酸性銅めっき浴でめっきした場合、めっき厚が10μmより薄い場合は、添加剤のレベリング効果が発揮されず、表面に凸凹が多い粗い表面状態となり光沢外観が得られないという問題があった。これに対し、本発明の酸性銅めっき浴を用いることにより、上記のような薄いめっき厚でも、表面が非常に細かい結晶状態となり、良好な光沢外観を得ることが可能となる。なお、めっき厚をこれより厚くしても、良好な光沢外観が得られることはいうまでもない。
【実施例】
【0098】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1 新規なめっき用レベリング剤の製造
(ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(モル比8:1:8)からなるレベリング剤の製造)
(1)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー水溶液の調製
攪拌機、温度計、ジムロート式還流冷却管を備えた1リットルの4つ口丸底セパラブルフラスコ中にジアリルメチルアミン167.1g(1.5モル)を仕込み、攪拌しながら硫酸ジエチル232.5g(1.5モル)を20〜50℃に保ちながらゆっくり滴下した。そして50℃で24時間反応させた。次に水212.9gを加え、濃度65質量%ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー水溶液を調製し、共重合反応
に用いた。
(2)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(モル比8:1:8)の製造
65質量%のジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトモノマー(DAEMAESモノマーと略称)水溶液(モノマー含有量1.5モル)に、モノマー濃度を60質量%に調整するための水を加えた後、氷水で冷却・攪拌しながら、二酸化イオウを、DAEMAESモノマーに対し当モル、さらに、アクリルアミド13.3g(0.19モル)を加え溶解させた。次に得られたDAEMAESモノマーとアクリルアミドと二酸化イオウとの混合物を60℃に維持しながら、濃度28.5質量%の過硫酸アンモニウム(APS)水溶液71.3g(全モノマーに対して4.0質量%)を分割して加えて48時間、共重合させ、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(モル比8:1:8)を水溶液として得た。
【0099】
得られた溶液の一部をアセトンで再沈殿させ、得られた白色固体をろ別し、50℃で48時間真空乾燥した。得られた白色粉末状の三元共重合体のIRスペクトルから、1320cm−1と1130cm−1に−SO−に起因する吸収、1220cm−1に硫酸エステルに起因する吸収および1680cm−1にアミドの吸収帯が見られたことから、ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトとアクリルアミドと二酸化イオウとの三元共重合体(モル比8:1:8)であることを支持している。
【0100】
この三元共重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記の方法による測定で1500であり、重合収率は、下記の方法により、95.0%であった。
<共重合体の重量平均分子量>
共重合体の重量平均分子量(Mw)は、日立L−6000型高速液体クロマトグラフを使用し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)によって測定した。溶離液流路ポンプは日立L−6000、検出器はショーデックスRI−101示差屈折率検出器、カラムはショーデックスアサヒパックの水系ゲル濾過タイプのGS−220HQ(排除限界分子量3,000)とGS−620HQ(排除限界分子量200万)とを直列に接続したものを用いた。サンプルは溶離液で0.5g/100mlの濃度に調製し、20μlを用いた。溶離液には、0.4モル/リットルの塩化ナトリウム水溶液を使用した。カラム温度は30℃で、流速は1.0ml/分で実施した。標準物質として、分子量106、194、440、600、1470、4100、7100、10300、12600、23000などのポリエチレングリコールを用いて較正曲線を求め、その較正曲線を基に共重合体の重量平均分子量(Mw)を求めた。
<共重合体の重合収率>
GPC法により得られたピーク面積比により求めた。
【0101】
この三元共重合体を、以下の実施例における酸性銅めっき浴のレベリング剤として供した。
実施例2 DC電源により得た酸性銅めっき被膜の評価
スルーホールを有するサンプルを用い、後記組成の硫酸銅めっき浴でめっきを行い、スルーホール内の均一電着性(スローイングパワー特性) 及び耐熱物性(クラック発生率)を評価した。その詳細は以下のとおりである。
【0102】
サンプル基板として、銅張積層板であるCEM−3基板(板厚1.6mm)に、直径0.3mmのスルーホールを開けたものを用いた。このサンプル基板に対して、スルーホール内及び基板の表面に無電解銅層を0.4μmの厚さで形成した(以下、「導電化処理」という)。この無電解銅めっきには、ライザトロンプロセス[荏原ユージライト(株)製]を用いた。
【0103】
次いで、この導電化処理を行った基板に、下記に組成を示した、実施例1のレベリング剤を含有するめっき浴を用いて、25℃、陰極電流密度3A/dmで40分間、エアレーション攪拌下にて酸性銅めっきを行った。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 2000mg/L
SPS 2) 1mg/L
実施例1のレベリング剤 100mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
このようにしてめっきされた基板について、下記の方法を用いて「めっき外観」、「スローイングパワー特性」及び「クラック発生率」を評価した。結果をめっき条件と共に表1に示す。
(1)めっき外観の評価
めっき後のサンプルの外観を目視で観察し、表面の光沢状態を評価した。
(2)スローイングパワーの評価
基板パターン部の断面を研磨し、図1に示すスルーホール内の各位置(a〜fの6箇所)を測定対象として、顕微鏡にて断面を観察してめっき厚を測定した。そして、測定値を下記式に代入してスローイングパワー(%)を算出した。
【0104】
【数1】

【0105】
(3)クラック発生率の評価
めっき後のサンプル基板を260℃のグリセリン液内に5秒間浸漬させた後、直ちに25℃のトリクロロエチレン溶液に15秒間浸漬させた。これを1サイクルとして10サイクル行った際のクラック発生率(%)(基板中に存在するスルーホール中でクラックが発生した割合)を確認した。
比較例1
実施例2における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(高性能タイプ)を用いた以外は、実施例2と同様にして、めっきを行い、めっきされた基板について各評価を行った。その結果をめっき条件と共に、表1に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
Cu−BOARD EXII 1) 2ml/L
[注]1)荏原ユージライト(株)製
比較例2
実施例2における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(レベリングタイプ)を用いた以外は、実施例2と同様にして、めっきを行い、めっきされた基板について各評価を行った。その結果をめっき条件と共に、表1に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 500mg/L
SPS 2) 1mg/L
レベリング剤 3) 1000mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
3)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとのモル比1:1の交互共重合体
【0106】
【表1】

【0107】
実施例3 下地不良における電気めっき後凸発生の低減
CEM−3基板(サイズ250mm×250mm、板厚1.6mm、穴なし)を、大気中の酸性雰囲気の場所に25〜35℃の温度で1週間放置したのち、この基板に対し、下記に組成を示しためっき浴を用いて、25℃、陰極電流密度3A/dmで40分間、酸性銅めっきを行い、下地不良における電気めっき後凸発生数を評価した。この結果を表2に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 2000mg/L
SPS 2) 1.5mg/L
実施例1のレベリング剤 300mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
比較例3
実施例3における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(高性能タイプ)を用いた以外は、実施例3と同様にしてめっきを行い、下地不良における電気めっき後凸発生数を評価した。この結果を表2に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
Cu−BOARD EXII 1) 4ml/L
[注]1)荏原ユージライト(株)製
比較例4
実施例3における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(レベリングタイプ)を用いた以外は、実施例3と同様にしてめっきを行い、下地不良における電気めっき後凸発生数を評価した。この結果を表2に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 500mg/L
SPS 2) 1mg/L
レベリング剤 3) 1000mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
3)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとのモル比1:1の交互共重合体
【0108】
【表2】

【0109】
実施例4 アノードスラッジ量の評価
含リン銅アノードを用い、下記に組成を示しためっき浴を用いて、カソードを25℃、陰極電流密度3A/dmで40分間めっき処理したのち、アノードにおけるスラッジ析出量を評価した。結果を表3に示す。また、図2(a)は、アノードにおけるスラッジの析出状態を示す写真図である。表3および図2(a)より、本実施例では、アノードスラッジ析出量が少ないことが判明した。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 2000mg/L
SPS 2) 1.5mg/L
実施例1のレベリング剤 100mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
比較例5
実施例4における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(高性能タイプ)を用いた以外は、実施例4と同様な操作を行い、アノードにおけるスラッジ析出量を評価した。結果を表3に示す。また図2(b)は、アノードにおけるスラッジ析出状態を示す写真図である。表3および図2(b)より、本比較例では、アノードスラッジ析出量が多いことが判明した。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
Cu−BOARD EXII 1) 2ml/L
[注]1)荏原ユージライト(株)製
比較例6
実施例4における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(レベリングタイプ)を用いた以外は、実施例4と同様な操作を行い、アノードにおけるスラッジ析出量を評価した。結果を表3に示す。また図2(c)は、アノードにおけるスラッジ析出状態を示す写真図である。表3および図2(c)より、本実施例では、アノ
ードスラッジ析出量が多いことが判明した。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 75g/L
硫酸 180g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 500mg/L
SPS 2) 1mg/L
レベリング剤 3) 1000mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
3)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとのモル比1:1の交互共重合体
【0110】
【表3】

【0111】
実施例5
ブラインドビアホール(深さ50μm、孔径120μm)を有するBVH基板を用い、実施例2と同様にして導電化処理を行った。ついで、この基板に対して、下記に組成を示しためっき浴を用い、25℃、陰極電流密度2A/dmで40分間、エアレーション攪拌下にて酸性銅めっきを行った。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 100g/L
硫酸 150g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 2000mg/L
SPS 2) 1mg/L
実施例1のレベリング剤 100mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
このようにしてめっきされた基板について、下記の方法を用いてスローイングパワー(BVH基板)を評価した。結果を表4に示す。
〈スローイングパワー(BVH基板)〉
基板パターン部の断面を研磨し、図3に示すブラインドビアホールの各位置(a、b、cの3箇所)を測定対象として、顕微鏡にて断面を観察してめっき厚を測定した。そして、測定値を下記式に代入してスローイングパワー(BVH基板)を算出した。
【0112】
【数2】

【0113】
比較例7
実施例5における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(高性能タイプ)を用いた以外は、実施例5と同様にしてめっきを行い、スローイングパワー(BVH基板)を算出した。結果を表4に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 100g/L
硫酸 150g/L
塩素イオン 40mg/L
Cu−BOARD EXII 1) 3ml/L
[注]1)荏原ユージライト(株)製
比較例8
実施例5における硫酸銅めっき浴の代わりに、下記に組成を示した従来の硫酸銅めっき浴(レベリングタイプ)を用いた以外は、実施例5と同様にしてめっきを行い、スローイングパワー(BVH基板)を算出した。結果を表4に示す。
〈硫酸銅めっき浴組成〉
硫酸銅5水和物 100g/L
硫酸 150g/L
塩素イオン 40mg/L
ポリエチレングリコール 1) 500mg/L
SPS 2) 1mg/L
レベリング剤 3) 1000mg/L
[注]1)HO−(CO)−H n=90
2)NaOS−C−S−S−C−SONa
3)ジアリルエチルメチルアンモニウムエチルサルフェイトと二酸化イオウとのモル比1:1の交互共重合体
【0114】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明のめっき用レベリング剤は、酸性銅めっき浴用添加剤組成物の1成分として用いられる。
【0116】
前記酸性銅めっき浴用添加剤組成物を含む本発明の酸性銅めっき浴は、スルーホールやブラインドビアホールなどの微小孔を有する基板、あるいは銅などの金属を表面に被覆した樹脂フィルムに対し、高い信頼性で銅めっき処理を施すのに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】スローイングパワーを求めるためのスルーホール内のめっき厚測定位置を示す説明図である。
【図2】(a)は、実施例4において、アノードにおけるスラッジの析出状態を示す写真図、(b)は、比較例5において、アノードにおけるスラッジの析出状態を示す写真図、(c)は、比較例6において、アノードにおけるスラッジの析出状態を示す写真図である。
【図3】スローイングパワーを求めるためのブラインドビアホール内のめっき厚測定位置を示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R、Rは、それぞれ独立にメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であるが、R、Rが共にヒドロキシエチル基ではなく、Rはメチル基またはエチル基である)
で表されるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイト単位と、一般式(II)
【化2】

(式中、Rは水素原子またはメチル基であり、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、若しくは水酸基を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基、または一緒になって環内にエーテル結合を含んでも良い炭素数2〜7のアルキレン基である)
で表される(メタ)アクリルアミド類単位と、式(III)
【化3】

で表される二酸化イオウ単位とを含むジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体からなるめっき用レベリング剤。
【請求項2】
(A)請求項1に記載のめっき用レベリング剤、(B)ポリマー成分および(C)ブライトナー成分を含むことを特徴とする酸性銅めっき浴用添加剤組成物。
【請求項3】
(A)成分10〜1200mg/L、(B)成分100〜20000mg/Lおよび(C)成分0.02〜200mg/Lを含む請求項2に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物。
【請求項4】
(B)ポリマー成分が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プルロニック型界面活性剤、テトロニック型界面活性剤、ポリエチレングリコール・グリセリルエーテルおよびポリエチレングリコール・ジアルキルエーテルの中から選ばれる少なくとも1種である請求項2または3に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物。
【請求項5】
(C)ブライトナー成分が、メルカプトアルキルスルホン酸塩、有機ジスルフィド化合物およびジチオカルバミン酸誘導体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項2、3
または4に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物。
【請求項6】
(D)銅イオン10〜75g/L、(E)有機酸および/または無機酸30〜300g/Lを含む基本浴組成に、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴用添加剤組成物を配合してなる酸性銅めっき浴。
【請求項7】
銅イオン源が硫酸銅5水和物である場合、基本浴組成における硫酸銅5水和物濃度が40〜300g/Lであり、有機酸および/または無機酸が硫酸である場合、基本浴組成における硫酸濃度が30〜300g/Lである請求項6に記載の酸性銅めっき浴。
【請求項8】
さらに、(F)塩素イオン20〜100mg/Lを含む請求項6または7に記載の酸性銅めっき浴。
【請求項9】
穴あけされ、かつ導電化処理された基板を、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴でめっき処理することを特徴とする基板のめっき方法。
【請求項10】
表面に金属被膜が形成された樹脂フィルムを、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の酸性銅めっき浴でめっき処理することを特徴とする樹脂フィルムのめっき方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−63624(P2008−63624A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243651(P2006−243651)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000120386)荏原ユージライト株式会社 (48)
【Fターム(参考)】