説明

ろう接接合部の超音波探傷装置および方法

【課題】母材間を接合しているろう材に存在する欠陥を超音波を用いて非破壊で探索するために、超音波探傷装置で測定された反射エコー高さを利用して欠陥を抽出するにあたって、より小さな欠陥をも抽出する。
【解決手段】垂直探傷法に基づき超音波探傷装置を用いて母材に超音波を入射して、母材とろう材との接合界面および前記ろう材と欠陥の界面からの反射エコー高さを測定する。そして、或探傷単位領域の反射エコー高さの最大エコー高さが、欠陥が存在しない健全部からの反射エコー高さの最大値である第1のしきい値よりも大きい場合と、健全部からの反射エコー高さの最小値である第2のしきい値よりも小さい場合に、当該探傷単位領域を欠陥として抽出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ろう接された母材間の接合部において、ろう材に存在する欠陥を非破壊で探索する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属材料間、非金属材料間、或いは、金属材料と非金属材料間を接合するために、ろう接が用いられている。ろう接は、母材よりも融点の低いろう(鑞)材を溶融させて接着剤として用いることにより、母材を溶融させずにぬれ現象で母材間を接合する接合手段である。ろう接として、硬ろうを用いるろう付と、軟ろう(はんだ)を用いるはんだ付とがある。硬ろうは、一般的に、金ろう、銀ろう、黄銅ろうなどの合金である。ろう接では、母材とろう材との接合界面に生じる種々の欠陥により強度、靭性等の接合特性が大きく変動し、しかも、欠陥の発生要因が多岐にわたることから、外観で接合不良を検出することが困難である。そこで、従来、超音波を用いてろう接の欠陥を非破壊で探索する技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のろう付装置は、一対の母材同士をろう付する間に、超音波探触子を用いて母材に超音波を入射し、反射波の反射エコー(受信波形)の強度を測定することによりろう付の進行状況を検出するように構成されている。一方の母材に入射した超音波が、一方の母材とろう材との接合界面で反射した反射波を、以下では「一次界面エコー」という。また、一方の母材に入射した超音波が、ろう材内に生じた欠陥との界面で反射した反射波を、以下では「欠陥エコー」という。また、一方の母材に入射した超音波が、ろう材と他方の母材の接合界面で反射した反射波を、以下では「二次界面エコー」という。上記ろう付装置において、ろう材に欠陥が存在しない場合は、母材に入射した超音波の大部分は接合界面を透過することから、反射エコーは殆ど検出されない。一方、欠陥が存在する場合は、欠陥において入射した超音波が反射するので、一次界面エコー、二次界面エコーおよび欠陥エコーを含む反射エコーが増大し、透過エコーが減少する。したがって、反射エコー高さが或しきい値を超えた場合、もしくは透過エコー高さが或しきい値を下回った場合に欠陥と判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−1407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、ろう接は、接合面積の比較的大きい接合部に用いられることが多かったが、近年では、接合面積が比較的小さい接合部にも用いられることがある。接合面積が比較的大きい場合には、多少の欠陥(空洞)が生じていても、他の部分で接合強度を確保することができる。したがって、ろう接では接合面積の数十%の大きさの欠陥が許容されることが多く、比較的小さな欠陥(例えば、直径が1.0mm未満の空洞)は存在したとしても接合強度に影響を与えないものとして検出されることはなかった。しかし、接合面積が比較的小さい場合には、比較的小さな欠陥でも接合強度に大きな影響を与えうる。また、ろう接では、歪の少ない接合が可能であることから、近年、ろう接は接合強度が必要とされる箇所にも用いられるようになっており、この場合でも、比較的小さな欠陥が接合強度に大きな影響を与えうる。したがって、ろう接接合部の超音波探傷では、前述のような比較的小さい欠陥も含めて検出できることが望ましい。
【0006】
一般的な超音波探傷装置を用いて、ろう接接合部に超音波を入射すれば、反射エコーと呼ばれる受信波形を得ることができる。この反射エコーには、一次界面エコー、欠陥エコーおよび二次界面エコーに関する情報が含まれる。反射エコー高さを利用してより小さな欠陥を抽出するためには、欠陥を判断するためのしきい値を単純に低下させることが考え得る。ところが、界面エコーを欠陥エコーと捉えてしまわないようにするために、反射エコー高さのしきい値は界面エコー高さより小さくすることができない。
【0007】
また、一次界面エコー、欠陥エコーおよび二次界面エコーは、超音波の伝搬距離の違いから到達時間が異なるので、理論上では到達時間差により界面エコーと欠陥エコーとを分別することが可能である。しかし実際は、ろう材の厚みが100μm程度と小さいので、特に接合界面と欠陥が近接している場合には、界面エコーと欠陥エコーとを到達時間差で分別することが困難である。
【0008】
一方、発明者らは、ろう接接合部における上記のような比較的小さな欠陥を検出すべく試行を重ねるうえで、接合部のろう材に欠陥が存在する場合に、反射エコー高さが低下する現象が見られるという新たな知見を得た。この現象は、界面エコーと欠陥エコーとが干渉することにより生じると推定される。前述の特許文献1に記載の通り、接合部のろう材に欠陥が存在する場合は反射エコー高さの増大が測定されることが通説であって、従来、反射エコー高さの減少は欠陥の抽出に利用されなかった。
【0009】
そこで、本発明は上記新たな知見に基づき、ろう接接合部に存在する欠陥を超音波を用いて非破壊で探索するために、測定された反射エコー高さを利用して欠陥を抽出するにあたって、より小さな欠陥をも抽出することを可能とする、超音波探傷装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るろう接接合部の超音波探傷装置は、超音波の発振と受信とを行う超音波探触子と、前記超音波探触子が受信した超音波の反射波に基づいて、母材とろう材との接合面および前記ろう材と欠陥の界面からの反射エコー高さを測定するエコー測定手段と、或探傷単位領域の前記反射エコー高さの最大エコー高さが、欠陥のない健全部からの反射エコー高さの最大値である第1のしきい値より大きい場合と、前記最大エコー高さが前記健全部からの反射エコー高さの最小値である第2のしきい値よりも小さい場合に、前記或探傷単位領域を欠陥として抽出する欠陥抽出手段とを備えるものである。なお、上記において健全部とは、母材間を接合しているろう材において、欠陥の存在しない部分のことをいう。
【0011】
また、本発明に係るろう接接合部の超音波探傷方法は、母材間を接合しているろう材に存在する欠陥を超音波探傷する方法であって、母材に超音波を入射して、母材とろう材との接合面および前記ろう材と欠陥の界面からの反射エコー高さを測定し、測定された或探傷単位領域の前記反射エコー高さの最大エコー高さと、欠陥のない健全部からの反射エコー高さの最大値である第1のしきい値および前記健全部からの反射エコー高さの最小値である第2のしきい値とを比較し、前記最大エコー高さが、前記第1のしきい値よりも大きい場合と、前記第2のしきい値よりも小さい場合に、前記探傷単位領域を欠陥として抽出するものである。
【0012】
上記超音波探傷装置および方法によれば、反射エコー高さの増大だけでなく、従来はろう接接合部の欠陥の抽出に利用されなかった反射エコー高さの減少も欠陥として抽出されるため、従来は抽出できなかった小さな欠陥や分かりにくい欠陥をも抽出することができる。
【0013】
前記ろう接接合部の超音波探傷装置において、前記第1のしきい値および前記第2のしきい値が、前記ろう材の厚さに基づいて定められていることがよい。同様に、前記ろう接接合部の超音波探傷方法において、前記第1のしきい値および前記第2のしきい値が、前記ろう材の厚さに基づいて定められていることがよい。反射エコー高さは、ろう材の厚さ、欠陥深さ、超音波の周波数などをパラメータとして変化する。したがって、反射エコー高さのしきい値をろう材の厚さに基づいて定めることによって、実験をする必要なくしきい値を定めることができる。
【0014】
前記ろう接接合部の超音波探傷装置において、前記超音波の周波数は、当該超音波の波長が前記ろう材の厚さの2倍以上となる周波数であることがよい。同様に、前記ろう接接合部の超音波探傷方法において、前記超音波の周波数は、当該超音波の波長が前記ろう材の厚さの2倍以上となる周波数であることがよい。超音波の周波数とろう材の厚さがこのような関係にあると、界面エコーと欠陥エコーとの干渉による反射エコー高さの増大と減少が顕著に表れやすいので好適である。
【0015】
前記ろう接接合部の超音波探傷装置において、前記超音波探触子は、ろう材の位置でのビーム幅が、抽出する最小の欠陥の径の2倍以下の値であることがよい。同様に、前記ろう接接合部の超音波探傷方法において、前記超音波は、前記ろう材の位置において、抽出する最小の欠陥の径の2倍以下の値のビーム幅を有することがよい。このように、超音波探傷に集束型探触子を用いることによれば、厚さの小さいろう材に存在する欠陥からの欠陥エコーの検出をより正確に行うことができる。そして、超音波のビーム幅を上記のように抽出しようとする最小の欠陥の径に基づいて定めることで、前記最小の欠陥からの欠陥エコーを逃さずに検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来はろう接接合部の欠陥の抽出に利用されなかった反射エコー高さの減少も欠陥として抽出されるため、従来は抽出できなかった小さな欠陥や分かりにくい欠陥を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る超音波探傷装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】探触子が受信する反射波の種類を説明する図である。
【図3】受信波形を示す図表である。
【図4】図3の受信波形において反射波を種類別に分解した図表である。
【図5】欠陥寸法と欠陥深さを変えた複数の探傷結果画像の一覧表である。
【図6】最大エコー高さと区分線とを示す図表である。
【図7】欠陥抽出部による欠陥抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】探傷結果画像と欠陥抽出画像を示す図表である。
【図9】欠陥寸法を変えた複数の探傷結果画像と欠陥抽出画像の一覧表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複説明を省略する。
【0019】
図1に示すように、本実施の形態に係る超音波探傷装置1は、水浸法に則って、探触子2と試験体10を共に水中に浸漬しつつ超音波を用いて探傷を行う装置である。超音波探傷装置1は、探触子2と、超音波送受信器3と、A/D変換器4と、演算制御装置5と、入力装置61と、出力装置62と、探触子2と試験体10とを水中に浸漬させるための水槽7とを備えている。さらに、超音波探傷装置1は、探触子2を走査させる探触子走査機8と、探触子走査機8を動作させる走査ドライバ9とを備えている。
【0020】
試験体10は、ろう接された第1の母材11と第2の母材12である。換言すれば、第1の母材11と第2の母材12の接合部10Aは、ろう材13により接合されている。本実施形態では、第1の母材11および第2の母材12の材質ともにSUS403であり、ろう材13は金ろうである。第1の母材11と第2の母材12は、箔状のろうを用いた置きろう付によりろう接されており、接合部10Aのろう材13の厚み(以下では、「ろう厚T」ともいう)は、およそ50−200μmである。なお、厚みとは接合面と略直交する方向の大きさである。
【0021】
探触子2は、超音波を発振するとともに、超音波の反射波を受信する。探触子2は、点集束型探触子であることが好ましく、焦点位置は試験体10の接合部10A付近に設定されている。一般に、集束型探触子で検出できる欠陥寸法は略1/4波長であり、フラット型探触子で検出できる欠陥寸法は1/2波長といわれている。よって、探触子2は、フラット型探触子であってもよいが、点集束型探触子である方が、本実施例に係る超音波探傷装置1の探索対象に含まれる直径が1.0mm以下の寸法の欠陥を探索するために適している。
【0022】
探触子2は超音波送受信器3と有線又は無線により接続されている。超音波送受信器3は、パルス発振部31と、受信部32と、増幅部33とを備えている。パルス発振部31は、探触子2へパルス信号を送信する。受信部32は、探触子2が受けた超音波の反射波の検出信号(反射波信号)を受信する。増幅部33は、この反射波信号を所定の増幅率で増幅してA/D変換器4へ送信する。A/D変換器4は、超音波送受信器3から受けたアナログの反射波信号をデジタル化し、そのデジタルデータを演算制御装置5へ出力する。なお、超音波送受信器3の増幅部33の増幅率は、超音波探傷装置1の探傷感度に相当するものである。探傷感度の基準感度は、標準試験体について超音波探傷を行う位置に超音波の焦点を合わせたときに得られる、底面エコーの最大反射波強度が80%となるように設定されている。
【0023】
演算制御装置5は、発振制御部51と、欠陥抽出部52と、エコー測定部53と、記憶部54と、走査制御部55とを備えている。演算制御装置5には、演算制御装置5に対し情報を入力するためのキーボードなどの入力装置61と、演算制御装置5から処理結果を出力するためのディスプレイやプリンタなどの出力装置62とが接続されている。演算制御装置5は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラムおよびこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んで構成されている。演算制御装置5では、CPUで所定のプログラムが実行されることにより、演算制御装置5を構成する各機能部の機能が実現される。演算制御装置5の発振制御部51、欠陥抽出部52、エコー測定部53、記憶部54および走査制御部55の各機能部の処理内容については後述する。なお、図1では、1つの演算制御装置5に、発振制御部51、欠陥抽出部52、エコー測定部53、記憶部54、および走査制御部55の各機能部が搭載されているが、これらを1又は複数の演算処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)に分散させてもよい。
【0024】
探触子走査機8は、試験体10の接合面と略平行なx−z平面内で変位する移動体81を備えている。この移動体81に探触子2が固定されており、探触子2は移動体81の移動に伴ってx−z平面内で変位することができる。このような探触子走査機8は、例えば、移動体81と、x軸方向のリニアスライダ82と、x軸方向と略直交するz軸方向のリニアスライダ83と、移動体81をリニアスライダ82,83上で移動させるモータ84等とで構成される。また、走査ドライバ9は、モータ84の駆動を制御するモータドライバである。演算制御装置5の走査制御部55から走査ドライバ9へ、探触子2(すなわち、移動体81)の目標座標信号が出力され、走査ドライバ9はこの目標座標信号に該当する座標へ探触子2を移動させるべくモータ84を駆動制御する。なお、探触子走査機8および走査ドライバ9は上記に限定されるものではない。例えば、探触子走査機8は第1の母材11上を自走可能な移動体81を備えてもよい。この場合、移動体81は無端状履帯とその駆動源とを備えており、この駆動源を走査ドライバ9が制御するように構成される。
【0025】
なお、上記構成の超音波探傷装置1は、演算制御装置5の欠陥抽出部52を除いて既存の超音波探傷装置と特別な差異はない。換言すれば、演算制御装置5の欠陥抽出部52を除いて、公知の超音波探傷を行う装置を超音波探傷装置1として用いることができる。よって、超音波探傷装置1に関し、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0026】
上記構成の超音波探傷装置1を用いてろう接接合部の超音波探傷を行なうにあたって、演算制御装置5に入力装置61を介して探傷条件が入力される。探傷条件には、試験体10のデータ、探傷感度、超音波の周波数、ビームの焦点位置、焦点径(ビーム径)、および探傷ピッチ等が含まれる。試験体10のデータは、第1の母材11、ろう材13および第2の母材12の厚さ(接合面と直交する方向の大きさ)と構成材料などを含んでいる。また、探傷感度は、前述の通り定められる。
【0027】
超音波の周波数fは、超音波の波長λがろう厚Tの2倍以上の値(2T≦λ)となるような周波数に設定される。超音波の波長λとろう厚Tとが上記関係にあるときに、後述する界面エコーと欠陥エコーとの干渉による反射エコー高さの増大と減少が顕著に表れやすいので好適である。使用される超音波の好ましい一例は、超音波の波長λがろう厚Tの2倍となる周波数fで発振される超音波である。例えば、ろう材13が金ろうであってろう厚Tが約150μmである場合に、波長λをろう厚Tの2倍とすれば、波長λは約300μmとなる。そして、金の縦波の音速は3250m/sであるから、波長λが約300μmとなる周波数fは約10MHzと算出される。上記のように、超音波の周波数fは、ろう厚Tとろう材13の音速に応じて好適な値が選択される。なお、使用される超音波の周波数fの下限は、超音波の波長λがろう厚Tの4倍程度を目安とすることができる。
【0028】
超音波の焦点位置は、試験体10の接合部10Aのろう材13の位置である。そして、焦点径Db(ビーム幅)は、検出する最小の欠陥の径φminの2倍以下の値である。検出する最小の欠陥の径φminは任意に定めることができる。焦点径Dbが最小の欠陥の径φminの2倍より大きくなると、最小の欠陥からの欠陥エコーを逃さずに検出することが困難となる。一方、焦点径Dbが小さすぎると探傷ピッチPが細かくなり探傷に膨大な時間を要する。したがって、焦点径Dbは、上記条件を満たすうちで大きな値とすることが望ましい。例えば、検出する最小の欠陥の径φmin(直径)が1.0mmであるときに、焦点径Dbは2.0mm以下の値の中から定められる。また、探傷ピッチPは、検出する最小の欠陥の径φminの1/2以下の値である。例えば、検出する最小の欠陥の径が2.0mmである場合には、探傷ピッチPは1.0mm以下の値となる。但し、探傷ピッチPが細かすぎると探傷に膨大な時間を要することから、探傷ピッチPは上記条件を満たすうちで大きな値とすることが望ましい。
【0029】
試験体10を水槽7に沈めた後、演算制御装置5の走査制御部55は探触子走査機8を作動させて、探触子2を所望の探傷点(探傷単位領域)へ移動させる。そして、演算制御装置5は、探触子2を作動させて超音波探傷を開始する。演算制御装置5の発振制御部51は、探傷条件に基づいて、超音波の周波数、焦点位置および焦点径などの情報を含むパルス生成指令を超音波送受信器3へ送信する。超音波送受信器3のパルス発振部31は、パルス生成指令に基づきパルスを発振する。超音波送受信器3のパルス発振部31が発振したパルス電圧が探触子2(詳細には、探触子2が備える振動素子)に加えられて、探触子2から超音波(縦波)が発生する。探触子2から発生した超音波は、水槽7に湛えられた媒体(水)を介して試験体10の第1の母材11へ、接合面に対して垂直に入射する。
【0030】
図2は探触子が受信する反射波の種類を説明する図である。図2に示すように、第1の母材11に入射した超音波の一部は、第1の母材11とろう材13との接合界面で反射する。この反射波を、以下では「一次界面エコー」という。また、第1の母材11に入射した超音波の一部は、第1の母材11とろう材13を透過し、ろう材13に欠陥が存在する場合には、ろう材13と欠陥との界面で反射する。この反射波を、以下では「欠陥エコー」という。また、第1の母材11に入射した超音波の一部は、第1の母材11とろう材13を透過し、ろう材13と第2の母材12との接合界面で反射する。この反射波を、以下では「二次界面エコー」という。この他、反射波には、第1の母材11に入射する前に第1の母材11の表面で反射した表面反射波や、第1の母材11、ろう材13および第2の母材12を透過して第2の母材12の底面で反射した底面エコーなどがある。
【0031】
探触子2は、前述のような反射波を受信(検出)し、反射波の検出信号を超音波送受信器3の受信部32へ送信する。この反射波信号は、超音波送受信器3の増幅部33で増幅されて、A/D変換器4でデジタルデータに変換されて、演算制御装置5へ出力される。演算制御装置5のエコー測定部53は、反射波信号のデジタルデータを処理して反射エコー高さを測定する。この反射エコー高さデータ(反射波形情報)は探傷点の座標情報とともに記憶部54に格納される。以上が、1つの探傷点(探傷単位領域)に対する一連の探傷動作の流れである。超音波探傷装置1は、試験体10に対し所定の間隔(探傷ピッチ)をおいた複数の探傷点の各々で一連の探傷動作を行い、得られた反射エコー高さデータを演算制御装置5の記憶部54へ順次格納する。
【0032】
演算制御装置5の欠陥抽出部52は、記憶部54に格納された反射エコー高さデータに基づいて、試験体10の接合部10Aのろう材13の欠陥を抽出する。或探傷点での反射エコー高さデータは、例えば、図3に示す受信波形として表すことができる。受信波形は、縦軸が反射エコー高さを表し、横軸がビーム路程(時間)を表すグラフ上にプロットされる。
【0033】
一般的な受信波形では、超音波の伝搬距離の違いに基づき、探触子2への反射波の到達時間差から反射波を分別することができる。図4は図3の受信波形において反射波を種類別に分解した図表である。図4の受信波形に示すように、理論上では、最初に表面反射波が検出され、続いて一次界面エコー、二次界面エコーの順に検出される。接合部10Aのろう材13に欠陥が存在する場合には、一次界面エコーと二次界面エコーの間に欠陥エコーが検出される。しかし、接合部10Aのろう厚Tは極めて小さいため、一次界面エコー、欠陥エコーおよび二次界面エコーの到達時間は極めて近接している。さらに、入射する超音波の波長λよりも接合部10Aのろう厚Tが小さいので、接合界面と欠陥との深さが異なると、図3の受信波形に示されるように、界面エコーと欠陥エコーは位相がずれて重なり、干渉したエコーが測定される。よって、図3の受信波形に示されるように、到達時間差から界面エコーと欠陥エコーとを分別することは困難であり、干渉した界面エコーと欠陥エコーから各々の反射エコー高さを知ることは困難である。
【0034】
反射エコー高さは、ろう厚T、欠陥寸法、欠陥深さなどにより変動する。そこで、ろう材13に存在する欠陥寸法と欠陥深さによって測定される反射エコー高さの違いを確認するために、探傷実験を行った。この探傷実験では、次に示す表1に記載された探傷条件で、欠陥寸法と欠陥深さをそれぞれ変化させて探傷を行った。欠陥寸法は、直径φ2.0mm、直径φ1.0mm、直径φ0.5mmの3段階で変化させた。また、欠陥深さは、第1の母材11との接合界面、ろう厚中央、第2の母材12との接合界面の3段階で変化させた。
【0035】
【表1】

【0036】
図5は上記探傷実験の探傷結果画像の一覧表である。この一覧表の第1列は欠陥深さが第2の母材12との接合界面であり、第2列は欠陥深さがろう厚中央であり、第3列は欠陥深さが第1の母材11との接合界面であり、第1行は欠陥寸法が直径φ2.0mmであり、第2行は欠陥寸法が直径φ1.0mmであり、第3行は欠陥寸法が直径φ0.5mmである。各探傷結果画像は、各探傷点の反射エコー高さデータから表面反射波を除く反射エコー高さの最大値を最大エコー高さとして抽出し、最大エコー高さを濃淡色別でマッピングしたものである。図5の一覧表には9つの探傷結果画像が示されているが、いずれも濃い色は最大エコー高さが高いことを示し、色が薄くなるほど最大エコー高さが低いことを示している。また、各探傷結果画像において、欠陥が存在する範囲を鎖線で囲んでいる。欠陥以外の部分(すなわち、健全部)の最大エコー高さは、ろう厚Tおよびろう材13中の超音波の波長で定まるエコー高さである。この健全部で測定される最大エコー高さを、以下では「界面エコー高さ」という。図6は最大エコー高さと区分線とを示す図表である。図6に示されるように、界面エコー高さは上下幅を有し、最大エコー高さのうち界面エコー高さが属する領域を「健全領域」とする。
【0037】
図5に示す各探傷結果画像から、欠陥寸法が同じであっても、欠陥深さによって測定される最大エコー高さが異なることがわかる。注目すべきは、第1の母材11との接合界面に寸法が直径0.5mmの欠陥が存在する場合に(図5の一覧表の第3列第3行)、界面エコー高さよりも小さい最大エコー高さが測定されていることである。つまり、界面エコーと欠陥エコーの位相がずれて重なることにより、測定される最大エコー高さが界面エコー高さよりも低くなることがあることがわかる。
【0038】
そこで、図6の図表に示すように、健全領域の上限値(すなわち、健全部からの反射エコー高さの最大値)を第1のしきい値H1又は第1の区分線とし、健全領域の下限値(すなわち、健全部からの反射エコー高さの最小値)を第2のしきい値H2または第2の区分線とし、健全領域から大小に外れる部分をいずれも欠陥領域とした。そして、演算制御装置5の欠陥抽出部52が、或探傷点に関し、最大エコー高さが第1のしきい値H1より大きい場合と第2のしきい値H2より小さい場合の双方に、その探傷点を欠陥として抽出することとした。
【0039】
第1のしきい値H1と第2のしきい値H2は、いずれも演算制御装置5に予め設定登録される。第1のしきい値H1と第2のしきい値H2は、超音波探傷装置1を用いて予め試験的に探傷を行い、得られた反射エコー高さデータに基づいて定めることができる。また、反射エコー高さはろう厚T、超音波の周波数fおよび欠陥深さなどをパラメータとして変化することから、実験をすることなくろう厚Tに基づいて第1のしきい値H1と第2のしきい値H2を定めることもできる。
【0040】
ここで、反射エコー高さのしきい値(第1のしきい値H1と第2のしきい値H2)をろう厚Tに基づいて定める方法の一例を説明する。健全部での超音波の反射率rは、ろう厚T、ろう材中の超音波の波長λ、母材11の音響インピーダンスZ1、母材12の音響インピーダンスZ2、ろう材13の音響インピーダンスZ3、およびK=2π/λを用いて、次に示す数式1で求めることができる。そして、健全部での超音波の反射率r、基準試験体の底面エコーの反射率rB、および基準試験体の底面エコー高さHBを用い、健全部のエコー高さをHB×r/rBとして求めることができる。さらに、求められた健全部のエコー高さに許容範囲を加味して、反射エコー高さのしきい値(第1のしきい値H1と第2のしきい値H2)を定めることができる。
【0041】
【数1】

【0042】
なお、試験体10の探傷範囲において1つでも欠陥が抽出されたときに欠陥が存在すると判定すると、誤判定が生じる可能性が高い。また、無視しても接合強度に影響を与えない微小な寸法の欠陥が存在することによって欠陥が存在すると判定すると、不要に欠陥品が増えてしまう。そこで、判定範囲と判定数を予め定めておき、欠陥抽出部52では、判定範囲内に判定数以上の欠陥が抽出された場合に、欠陥が存在すると判定することとした。これにより、判定数以上の欠陥が或程度まとまった範囲(判定範囲)に存在する場合にのみ、欠陥が存在すると判定される。判定範囲と判定数は任意に定めることができる。例えば、探傷ピッチPが各軸0.2mmであり、検出する最小の欠陥の径φminが0.5mmであり、これより小さい寸法の欠陥を無視する場合には、探傷ピッチPと照らし合わせて判定範囲をx−z各軸方向に6×6の探傷点とし、判定数を9とすることができる。この場合、6×6の36個の探傷点から成る略矩形状の判定範囲に9以上の欠陥が抽出された場合に、試験体10に欠陥が存在すると判定される。
【0043】
ここで、図7を参照しながら、演算制御装置5の欠陥抽出部52による欠陥の抽出処理の流れを説明する。演算制御装置5の欠陥抽出部52は、まず、試験体10の探傷範囲に含まれる各探傷点の反射エコー高さデータと座標情報を記憶部54から読み出し、各探傷点につき反射エコー高さデータから最大エコー高さを抽出する(ステップS1)。そして、抽出した各最大エコー高さを座標情報に基づいてマッピングする(ステップS2)。これにより、例えば、図8に示すような探傷結果画像を得ることができる。
【0044】
続いて、欠陥抽出部52は、或探傷点の最大エコー高さと第1のしきい値H1とを比較し(ステップS3)、最大エコー高さが第1のしきい値H1より大きい場合は(ステップS3でYES)、その探傷点を欠陥として抽出する(ステップS6)。一方、最大エコー高さが第1のしきい値H1以下である場合には(ステップS3でNO)、最大エコー高さと第2のしきい値H2とを比較する(ステップS4)。そして、最大エコー高さが第2のしきい値H2より小さい場合は(ステップS4でYES)、その探傷点を欠陥として抽出する(ステップS6)。一方、最大エコー高さが第2のしきい値H2以上である場合は(ステップS4でNO)、その探傷点を健全と評価する(ステップS5)。そして、欠陥抽出部52は、その探傷点につき健全又は欠陥の評価を記憶する(ステップS7)。
【0045】
上記のようにして、欠陥抽出部52は、試験体10の探傷範囲に含まれる総ての探傷点について欠陥を抽出する(ステップS8でYES)。そして、欠陥抽出部52は、試験体10の探傷範囲に複数の欠陥が抽出されなかった場合は(ステップS9でNO)、試験体10の探傷範囲に欠陥が存在しないと判定する(ステップS10)。一方、試験体10の探傷範囲に複数の欠陥が抽出された場合は(ステップS9でYES)、判定数以上の欠陥がまとまった範囲(判定範囲)に存在するか否かを判断する(ステップS11)。判定数以上の欠陥がまとまった範囲に存在しない場合には(ステップS11でNO)、試験体10の探傷範囲に欠陥が存在しないと判定する(ステップS10)。一方、判定数以上の欠陥がまとまった範囲に存在する場合には(ステップS11でYES)、試験体10の探傷範囲に欠陥が存在すると判定する(ステップS12)。最後に、欠陥抽出部52は、上記判定範囲を記録して(ステップS13)、欠陥の抽出処理を終了する。
【0046】
上述の欠陥抽出部52による欠陥の抽出処理の結果を、ディスプレイなどの出力装置62に出力することができる。このとき、探傷結果画像に加え欠陥抽出画像を表示出力すると、欠陥の存在の有無および欠陥の形状を容易に視認することができる。図8に示す表では、上段に探傷結果画像を、下段に欠陥抽出画像をそれぞれ示している。欠陥抽出画像は、探傷結果画像に表れる総ての探傷点のうち欠陥として抽出された探傷点のみをマッピングした画像であって、最大エコー高さが第1のしきい値H1以上の領域が黒色で示され、最大エコー高さが第2のしきい値H2以下の領域が灰色で示されている。この欠陥抽出画像と探傷結果画像とを比較することにより、欠陥の存在の有無および欠陥の形状が明らかとなる。また、試験体10の探傷範囲に欠陥が存在すると判定された場合には、上記探傷結果画像や欠陥抽出画像に加え、警告を表示させることもできる。
【0047】
なお、図9は欠陥寸法を変えた複数の探傷結果画像と欠陥抽出画像の一覧表である。欠陥抽出画像では、最大エコー高さが第1のしきい値H1以上の領域が黒色で示され、最大エコー高さが第2のしきい値H2以下の領域が灰色で示されている。同図に示されるように、最大エコー高さに第1のしきい値H1と第2のしきい値H2とにより区分される健全領域を設け、最大エコー高さが健全領域よりも大きいときと小さいときに欠陥を抽出することで、直径1.0mmの欠陥と、それよりも大きな直径2.0mmの欠陥と、それよりも小さな直径0.5mmの欠陥との寸法の異なる欠陥を抽出することができる。このように、本発明に係る超音波探傷装置1では、反射エコー高さの増大だけでなく、従来はろう接接合部の欠陥の抽出に利用されなかった反射エコー高さの減少も欠陥として抽出される。これにより、従来は抽出できなかった小さな欠陥(例えば、直径1.0mm以下の欠陥)や分かりにくい欠陥(例えば、複雑な形状の欠陥や界面が曲面状の丸い欠陥など)をも抽出することができる。よって、超音波探傷装置1は、接合面積が比較的大きいろう接接合部のみならず、接合面積が比較的小さいろう接接合部において欠陥を探索するために用いることができる。
【0048】
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能である。
【0049】
例えば、上述の実施形態では、超音波探傷装置1は探触子と試験体とを水没させる全没水浸法を採用しているが、探傷面と探触子の間だけ局部的に水を介在させる局部水浸法を採用してもかまわない。さらに、高精細且つ誤差の少ない探傷を行うために水浸法を用いることが望ましいが、試験体10の状況によっては水浸法を採用しなくともよい。
【0050】
また、上述の実施形態では、超音波探傷装置1が備える探触子2は、点集束型探触子である。但し、これに代えて、他の種類の探触子を用いることが可能である。もっとも、厚みが5mm以下のろう材13を被検体とする場合、通常型の探触子では音場が不安定な近距離音場内での探傷となり、感度補正を実行したとしても、欠陥の検出を正確に行うことができないおそれがあるため、上述したとおり、焦点位置をろう材13近傍に設定可能な探触子を用いることが望ましい。そのような探触子としては、点集束型垂直探触子、点集束型斜角探触子の他にも、例えばフェイズドアレイ探触子などが挙げられる。
【0051】
さらに、上述の実施形態では、演算制御装置5の欠陥抽出部52による欠陥抽出処理は、試験体10の探傷範囲の探傷結果画像を生成してから、これに含まれる欠陥を抽出し、この抽出された欠陥を統合して試験体10の探傷範囲の欠陥の存在の有無を判定している。但し、欠陥抽出部52による欠陥抽出処理は上記に限定されるものではない。例えば、探傷結果画像の生成や、欠陥の存在の有無を判定などの一部のステップを省略したり、ステップの順番を変えたり、幾つかのステップを統合したりすることもできる。
【0052】
なお、超音波探傷装置1の被検査対象である試験体10は、ろう付による接合部に限られない。試験体10の接合部10Aはろう接されていればよく、ろう接の種類はろう付であってもはんだ付であってもよい。また、各母材11,12およびろう材13の材料は上記に限定されない。さらに、各母材11,12のろう接の方法も置きろう付に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ろう接された母材間のろう材に存在する欠陥を探索するために有用である。特に、本発明に係る超音波探傷装置は、比較的寸法の小さい欠陥も探索することができるので、接合面積が比較的大きいろう接接合部のみならず、接合面積が比較的小さいろう接接合部において欠陥を探索するために有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 超音波探傷装置
2 探触子
3 超音波送受信器
4 A/D変換器
5 演算制御装置
51 発振制御部
52 欠陥抽出部
53 エコー測定部
54 記憶部
55 走査制御部
61 入力装置
62 出力装置
7 水槽
8 探触子走査機
9 走査ドライバ
10 試験体
11,12 母材
13 ろう材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の発振と受信とを行う超音波探触子と、
前記超音波探触子が受信した超音波の反射波に基づいて、母材とろう材との接合面および前記ろう材と欠陥の界面からの反射エコー高さを測定するエコー測定手段と、
或探傷単位領域の前記反射エコー高さの最大エコー高さが、欠陥のない健全部からの反射エコー高さの最大値である第1のしきい値より大きい場合と、前記最大エコー高さが前記健全部からの反射エコー高さの最小値である第2のしきい値よりも小さい場合に、前記或探傷単位領域を欠陥として抽出する欠陥抽出手段とを備える、
ろう接接合部の超音波探傷装置。
【請求項2】
前記第1のしきい値および前記第2のしきい値が、前記ろう材の厚さに基づいて定められている、請求項1に記載のろう接接合部の超音波探傷装置。
【請求項3】
前記超音波の周波数は、当該超音波の波長が前記ろう材の厚さの2倍以上となる周波数である、請求項1又は請求項2に記載のろう接接合部の超音波探傷装置。
【請求項4】
前記超音波探触子は、
ろう材の位置でのビーム幅が、抽出する最小の欠陥の径の2倍以下の値である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のろう接接合部の超音波探傷装置。
【請求項5】
母材間を接合しているろう材に存在する欠陥を超音波探傷する方法であって、
母材に超音波を入射して、母材とろう材との接合面および前記ろう材と欠陥の界面からの反射エコー高さを測定し、
測定された或探傷単位領域の前記反射エコー高さの最大エコー高さと、欠陥のない健全部からの反射エコー高さの最大値である第1のしきい値および前記健全部からの反射エコー高さの最小値である第2のしきい値とを比較し、
前記最大エコー高さが、前記第1のしきい値よりも大きい場合と、前記第2のしきい値よりも小さい場合に、前記探傷単位領域を欠陥として抽出する、ろう接接合部の超音波探傷方法。
【請求項6】
前記第1のしきい値および前記第2のしきい値が、前記ろう材の厚さに基づいて定められている、請求項5に記載のろう接接合部の超音波探傷方法。
【請求項7】
前記超音波の周波数は、当該超音波の波長が前記ろう材の厚さの2倍以上となる周波数である、請求項5又は請求項6に記載のろう接接合部の超音波探傷方法。
【請求項8】
前記超音波は、前記ろう材の位置において、抽出する最小の欠陥の径の2倍以下の値のビーム幅を有する、請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載のろう接接合部の超音波探傷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−122807(P2012−122807A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272871(P2010−272871)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】