説明

アイテム探索装置、アイテム探索システム及びアイテム探索方法

【課題】ユーザが外出時などに所持するアイテムの置き忘れなどを警告する処理が、ユーザの日々の行動に対応して適応的に行えるようにする。
【解決手段】スケジュール登録処理と、アイテム登録処理と、アイテム探索処理とを行う。スケジュール登録処理は、日時を指定して要件を登録する処理を行う。アイテム登録処理は、スケジュール登録処理で登録された要件ごとに、必要なアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録する処理を行う。アイテム探索処理は、スケジュール登録処理で登録された要件で示された日時になった場合に、アイテム登録処理で登録された識別コードの端末と無線通信を試み、該当する端末と無線接続できない際に、アラーム処理を行う。これらの処理が行われることで、スケジュールで示された日時になったときには、例えば登録されたアイテムを置き忘れた場合にアラーム処理が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば外出する際に所持するアイテム(持ち物)を探索するアイテム探索装置、及びそのアイテム探索装置で構成されるアイテム探索システム、並びにそのアイテム探索システムに適用されるアイテム探索方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種電子機器において、無線通信による機器間の通信を利用して紛失、置き忘れを防止するものが種々に提案されている。例えば、引用文献1においては、一定の周期で他の機器と無線通信して無線通信範囲からの機器の逸脱を監視することにより、携帯機器の置き忘れ等を検出する方法が提案されている。
【0003】
また無線通信を行う機器を、カード化やICチップ化などで小型化することで、ユーザが所持する各種アイテムに機器を内蔵させることが可能となり、例えばキーホルダや財布などの日常的に必要とするものについても、置き忘れ等を警告することが可能である。
【0004】
特許文献1には、近距離無線通信方式であるBluetooth(商標)方式を利用して無線通信を行う端末を利用して、電子機器の置き忘れなどを警告するシステムについての記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−24108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来提案された置き忘れなどの警告システムでは、例えばユーザが常時携帯する必要のあるアイテムが、携帯電話端末などの特定の機器から無線通信できない状態となって、特定の機器から一定距離以上離れたと想定された場合に警告するものである。この警告システムは、例えばキーホルダ,財布、定期券入れなどの外出時に常時携帯することが必要なアイテムに対しては有効である。
【0007】
しかしながら、ユーザにとっては、外出時に常時携帯するアイテム以外でも、持ち出すのを忘れないようにしたい場合が多々ある。
例えば、仕事がある日には定期券や社員証などを所持する必要があり、出張がある際には、その出張で必要な書類や行き先までのチケットを所持する必要があり、ユーザの行動によって、必要なアイテムは様々に変化する。
【0008】
従って、登録されたアイテムの置き忘れや紛失を警告する従来のシステムで、持ち物が日々変化するような場合に対処させるためには、登録するアイテムを変更する操作が毎日必要となり、非常に登録操作が煩雑になる問題がある。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、ユーザが外出時などに所持するアイテムの置き忘れなどを警告する処理が、ユーザの日々の行動に対応して適応的に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、スケジュール登録処理と、アイテム登録処理と、アイテム探索処理とを行う。
スケジュール登録処理は、日時を指定して要件を登録する処理を行う。
アイテム登録処理は、スケジュール登録処理で登録された要件ごとに、必要なアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録する処理を行う。
アイテム探索処理は、スケジュール登録処理で登録された要件で示された日時になった場合に、アイテム登録処理で登録された識別コードの端末と無線通信を試み、該当する端末と無線接続できない際に、アラーム処理を行う。
【0011】
このように処理を行うことで、スケジュールの登録とアイテム探索とが連動して行われるようになる。即ち、スケジュールで日時を指定して要件を登録する際に、その要件で必要なアイテムが登録される。従って、スケジュールで示された日時になったときには、例えば登録されたアイテムを置き忘れた場合にアラーム処理が行われて、ユーザに適正な警告ができるようになる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、スケジュールの登録とアイテム探索とが連動して行われるようになり、スケジュールで示された1つ1つの要件の日時になったときに、それぞれの要件で必要なアイテムの置き忘れなどについてアラーム処理が行われるようなる。従って、ユーザはスケジュールの登録作業を行うだけで、毎日の行動時に必要なアイテムについての適正な警告を受けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態によるシステム構成例を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態による端末装置の構成例を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるタグとして使用される端末装置の構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態による登録時の処理例を示したフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による表示例(登録時の例)を示した説明図である。
【図6】本発明の一実施の形態による登録とスキャンの処理例を示したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施の形態によるアラームセット時の処理例を示したフローチャートである。
【図8】本発明の一実施の形態による表示例(一覧表示時の例)を示した説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態による表示例(カレンダ登録時の例)を示した説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態による表示例(スキャン実行時の例)を示した説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態による表示例(スキャン実行時で検知できないアイテムがある例)を示した説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるスケジュール登録データの例を示した説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態による表示例(スケジュール登録に基づいてスキャンしてアイテムを検知できない例)を示した説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態による表示例(スケジュール登録に基づいてスキャンして検知できたアイテムの表示させた例)を示した説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態による登録アイテムの削除処理例を示したフローチャートである。
【図16】本発明の一実施の形態の変形例として、機器状態についても判断する処理例を示したフローチャートである。
【図17】図16例の処理で機器状態を得た場合の表示例を示した説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態の変形例として、スケジュールに登録された日時よりも前にスキャンを行う場合の処理例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態の例を、以下の順序で説明する。
1.一実施の形態の説明
1.1 システム構成例(図1)
1.2 端末装置の構成例(図2)
1.3 無線タグの構成例(図3)
1.4 登録とスキャンの処理例(図4〜図6)
1.5 スケジュールとアイテムの登録時の処理例(図7〜図14)
1.6 登録アイテム削除時の処理例(図15)
2.実施の形態の変形例
2.1 機器状態の判断を行う例(図16,図17)
2.2 事前に警告を行う例(図18)
【0015】
[1.一実施の形態の説明]
以下、本発明の一実施の形態の例を、図1〜図15を参照して説明する。
【0016】
[1.1 システム構成例]
図1は、本実施の形態のシステム構成例を示した図である。
本実施の形態のシステムは、無線通信端末である携帯電話端末装置10と、複数の無線タグ2a,2b,2c,2d,2eで構成される。無線タグ2a,2b,2c,2d,2eは、1つ又は複数の任意の数が用意される。
携帯電話端末装置10は、無線電話用の通信回路とは別に、近距離無線通信を行う通信回路を備えて、その近距離無線通信回路で、近隣の無線タグ2a〜2eと無線通信を行う。無線タグ2a〜2e側にも近距離無線通信回路が内蔵されて、携帯電話端末装置10からの呼び出しにより無線通信で接続させて、データ通信を行う。携帯電話端末装置10と各無線タグ2a〜2eには、それぞれ別の端末IDが設定してあり、無線通信相手の端末IDを無線通信で確認することで、通信相手を特定できる。
近距離無線通信を行う方式としては、例えばBluetooth(商標)方式や無線LANに適用されているIEEE802.11の各種方式などが適用可能である。いずれの無線通信方式を適用する場合でも、無線通信を行う距離として、例えば数十センチから数メートル程度の近距離に制限されるのが好ましい。
【0017】
各無線タグ2a,2b,2c,2d,2eは、例えばICカード状に小型薄型に構成させる構成、あるいはICチップ状に小型に構成等、他の機器に簡単に取り付けられる構成が好ましい。他の機器に取り付ける構成としては、例えば無線タグそのものを、被対象物に挟むことができるクリップ形状としたり、貼り付けられる構成としたり、あるいはストラップなどで取り付ける構成などが適用可能である。
各無線タグ2a,2b,2c,2d,2eは、図1に示すようにそれぞれ別のアイテム1a,1b,1c,1d,1eに内蔵又は取り付けてある。図1の例では、アイテム1a,1b,1c,1d,1eとして、例えばウォレット、IDカード、定期券、キーホルダ、ドキュメントファイルなどが想定される。
それぞれのアイテム1a〜1eは、例えばバッグ1に入れて持ち歩くなど、ユーザが外出時に所持するものである。
【0018】
[1.2 端末装置の構成例]
図2は、携帯電話端末装置10の構成例を示した図である。
携帯電話端末装置10は、液晶表示パネルなどで構成されたディスプレイ11を備え、そのディスプレイ11での表示が、制御部12の制御で実行される。制御部12は日付及び時刻を判断する時計機能を有している。また、無線通信回路13を備え、この無線通信回路13には、アンテナ14が接続してあり、この無線通信回路13で無線電話用基地局などと無線通信を行う。
【0019】
また携帯電話端末装置10は、各種操作を行うキー15を備え、キー15の操作による指令を制御部12に供給する。また音声処理部16を備えて、基地局から無線伝送された通話用の音声データを音声処理部16で復調処理して、スピーカ17から出力させる。後述するアラーム音の出力処理についても音声処理部16で行い、スピーカ17からアラーム音や警告用の音声を出力することができる。またマイクロホン18を備えて、マイクロホン18で入力された音声信号を音声処理部16に供給して、送信用に変調した音声データとし、無線通信回路13から基地局側に無線送信する。
【0020】
また携帯電話端末装置10は、近距離無線通信回路19とその通信回路19に接続されたアンテナ20とを備えて、近隣の無線端末と無線通信を行うことができる。この近距離無線通信回路19は、図1に示した各無線タグ2a〜2eなどと無線通信を行う回路である。
また、この携帯電話端末装置10での処理動作に必要なデータを記憶するメモリ30を備る。このメモリ30は、例えばスケジュール管理ソフト31と持ち物管理ソフト32とが記憶させてある。スケジュール管理ソフト31と持ち物管理ソフト32とによる処理例の詳細については後述する。メモリ30は、これらのソフトウェアの実行で必要なデータ記憶処理を行い、スケジュール登録部及びアイテム登録部としても機能する。
この携帯電話端末装置10は、図示しない二次電池が内蔵され、この二次電池を電源として使用する。
なお、図2に示した各部を接続するバスラインとして、図2では2系統示してあるが、その内の一方はデータを転送するデータラインであり、他方は制御指令などを送る制御ラインである。
【0021】
[1.3 無線タグの構成例]
図3は、図1に無線タグ2a〜2eとして示した無線端末である、無線タグ50の構成例を示した図である。無線タグ50は、アンテナ52が接続された近距離無線通信回路51を備え、携帯電話端末装置10側の近距離無線通信回路19と無線通信を行う。無線通信の制御は、制御部53の制御で行われる。また、メモリ54を備え、自身の端末IDなどの通信に必要な情報を記憶する。
この無線タグ50は、携帯電話端末装置10からの無線通信があった際に、自身の端末IDなどを付与して応答する構成としてある。
なお、無線タグ50として電源を必要とするタイプの無線端末である場合には、二次電池などを内蔵して電源とする。また、電源が必要ない無線タグである場合には、通信相手からの電磁誘導などで電源を得る回路を必要とする。
【0022】
[1.4 登録とスキャンの処理例]
次に、携帯電話端末装置10に内蔵されたスケジュール管理ソフト31と持ち物管理ソフト32とによる処理例の詳細について順に説明する。
スケジュール管理ソフト31は、携帯電話端末装置10を使用するユーザが、ディスプレイ11にカレンダなどを表示させた上で、予定のある日時に、その予定された要件を入力して登録するものである。スケジュール管理ソフトは、例えばカレンダで示された日付ごとに、予定としての要件を開始時刻とともに登録できるものである。ここで本例のスケジュール管理ソフトは、持ち物管理ソフトと連携させるようにしてある。
持ち物管理ソフトについては、近距離無線通信回路19を使った無線タグとの無線通信を試みて、登録されたアイテムに対応した無線タグと無線接続できるか否かの判断により、登録されたアイテムが存在する判断するものである。これらのアプリケーションソフトウェアは、制御部12の制御に基づいて実行され、制御部12が必要な演算処理を実行する。また、これらのソフトウェアの実行で登録(記憶)が必要なデータについては、メモリ30などに記憶される。以下、具体的な処理を順に説明する。
【0023】
最初に、図4のフローチャートを参照して、携帯電話端末装置10にアイテムを登録する際の処理例を説明する。
図4に沿って説明すると、まず、ユーザが外出時などに所持する持ち物であるアイテムについての登録を行うモードであるか否か判断する(ステップS31)。アイテムの登録を行うモードであるとき、キー操作などによりアイテムの名称をユーザが入力する(ステップS32)。その後、その名称が入力されたアイテムに、いずれかの無線タグ2a〜2eを対応させる登録処理を行うか否か判断し(ステップS33)、登録処理が行われるまで待機する。無線タグの登録が開始されると、例えば、対応させる無線タグを携帯電話端末装置10に近接させて、そのとき通信できた無線タグの端末IDを携帯電話端末装置10が取得して、メモリ30に記憶させる端末IDの登録処理を行う(ステップS34)。
【0024】
ここまでで1つのアイテムについての登録が完了し、別のアイテムについての登録を行うか否か判断し(ステップS35)、別のアイテムの登録を行う場合にはステップS32の処理に戻る。アイテム登録を終了する場合には、ここでの処理を終わる。
【0025】
図5は、このアイテム登録を行う場合のディスプレイ11での表示例を示した図である。
この例では、アイテム名として、「パスケース」と入力させた例を示してあり、既に登録された他のアイテム名の一覧と登録数についても表示させてある。この例では、登録済みのアイテムとして、「キーホルダ」、「ウォレット」としてある。
また、登録を実行するボタンと、画面を戻すボタンとを表示させてある。
登録を実行するボタンが操作されると、図4のフローチャートでのステップS34の無線タグを登録させるための画面表示(図示せず)に移る。
【0026】
[1.5 スケジュールとアイテムの登録時の処理例]
次に、図6のフローチャートを参照して、スケジュールとアイテムを登録する際の処理例を説明する。
まず、スケジュールに登録するアイテムを選択する処理が行われる(ステップS11)。このアイテムは、例えば、先に説明した図4のフローチャートで登録されたアイテムの中から選定される。次に、スケジュール機能でカレンダ中に登録された要件の中から、アイテムを登録したい要件を、ステップS11で選び出したアイテムを、その要件に対応したアイテムとして登録する。カレンダ中に登録された要件については、日時を指定した要件としてあり、またその要件の行き先などの場所や、その要件で行われる行為などが登録されている。
なお、スケジュール中の1つの要件には、複数のアイテムを登録することができる。
また、要件ごとに登録されるアイテムとは別に、どこに行く場合でも共通で所持されるアイテムについては、共通登録アイテムとして登録させてある。
【0027】
図6のフローチャートでは、この登録後に、携帯電話端末装置10の制御部12がスキャン処理を行うか否か判断し(ステップS13)、スキャン処理を行わない場合にはそのまま待機する(ステップS14)。ここでのスキャン処理は、例えば携帯電話端末装置10を登録アイテム探索モードとしたときに開始される。
ステップS13でスキャン処理を行うと判断した場合には、例えば、現在登録された全てのアイテムに対応づけられた端末IDを、登録データから取得する(ステップS15)。そして、近距離無線通信回路19での無線通信を開始させて、取得した端末IDの無線タグとの無線通信が行われたか否か判断する処理を行い、無線タグの探索処理を行う(ステップS16)。
【0028】
この探索処理で、必要な全てのアイテムの端末IDが検出されたか否か判断し(ステップS17)、全てのアイテムの端末IDが検出された場合には、例えばディスプレイ11に全てのアイテムありを表示させる(ステップS18)。ステップS17で1つでも必要なアイテムの端末IDが検出されない場合には、アラーム処理を行い、例えばディスプレイ11に必要な持ち物が近くに存在しないことを表示させる(ステップS18)。このときには、例えば近くに存在しないアイテムの登録名を表示させる。また、登録されたアイテム名を、音声で出力させて、アラーム処理を行うようにしてもよい。表示と音声出力を併用してもよい。
【0029】
次に、図7のフローチャートを参照して、スケジュール内の要件にアイテムを登録した際の処理例について説明する。
制御部12は、現在の日時がスケジュールに登録されたいずれかの要件の開始日時になったか否か判断する(ステップS21)。ここで、いずれの要件の開始日時でもない場合には、開始日時になるまで待機する。なお、ステップS21では、要件の開始日時か否か判断しているが、要件の開始日時よりも前の時刻(例えば10分前など)になったことを判断してもよい。
いずれかの要件の開始日時になった場合(又は開始日時より所定時間前になった場合)には、その要件に登録されたアイテムに対応した端末IDを取得し(ステップS22)、その端末IDの無線タグの探索処理を行う(ステップS23)。このとき、スケジュールとは別に共通に登録されたアイテムが存在する場合には、その共通に登録されたアイテムに対応した端末IDの無線タグの探索処理についても行う。
そして、探索した無線タグが全て検出されたか否か判断し(ステップS24)、全て検出された場合には、ディスプレイ11に持ち物ありと表示させる(ステップS25)。ステップS24で1つでも必要なアイテムの端末IDが検出されない場合には、アラーム処理を行い、例えばディスプレイ11に必要な持ち物が近くに存在しないことを表示させる(ステップS26)。このときには、例えば近くに存在しないアイテムの登録名を表示させる。また、音声で存在しないアイテム名を出力させてもよい。
【0030】
図8は、持ち物管理ソフトを起動させて、ディスプレイ11に表示される画面の例である。持ち物管理ソフトを示す「持ち物トラッカー」が示され、各項目が順に表示される。この例では、共通登録アイテムを示す「毎日持ち物リスト」、スケジュールに登録する処理を行う「カレンダへの登録」、登録されたアイテムを探す処理を行う「スキャン実行」、スキャンする日時を設定する「アラームセット」などの項目を表示させてある。
【0031】
図9は、スケジュール登録時に、ディスプレイ11に表示される画面の例を示したものである。
この例では、日付ごとの要件が一覧で表示される。ここで、アイテムが登録された要件については、「アイテムアラーム」との表示を文字(又は何らかのマーク)で示すようにしてある。
【0032】
図10は、ユーザ操作でスキャンを実行させた際に、登録されたアイテムが全て検出できた場合に、ディスプレイ11に表示される画面の例を示したものである。
この例では、スキャンを実行させたことを示す「スキャン実行」と表示させた上で、「全て近くにあり」と検出できたことを表示させてある。また、この例では、検出できたアイテムの名称の一覧を表示させてある。
【0033】
図11は、ユーザ操作でスキャンを実行させた際に、登録されたアイテムの内の一部又は全部が検出できなかった場合に、ディスプレイ11に表示される画面の例を示したものである。
この例では、スキャンを実行させたことを示す「スキャン実行」と表示させた上で、検出されなかったアイテムの名称を、目立つように表示させてある。具体的には、「ドキュメントファイルがありません」と表示させてある。また、検出できたアイテムの一覧についても同時に表示させてある。
【0034】
図12は、スケジュールとして登録されてメモリ30に記憶されるデータの例を示したものである。
スケジュールデータとしては、日付ごとに時刻単位で要件の名称などが登録され、登録アイテムがある場合には、その登録アイテム名についても付加情報として登録される。また、スケジュール単位での登録とは別に、共通登録アイテムの情報についても登録される。
【0035】
図13は、スケジュール管理の実行で、要件が登録された日時になったとき(又はその時刻に近づいたとき)の表示例を示したものである。
この例では、家を出る時刻になったときの例であり、家を出る日付及び時刻が表示されると共に、このときの要件に登録されたアイテム及び共通アイテムの内で、検出されなかったアイテム名を表示させてある。この表示と同時に表示内容を音声合成で出力させたり、あるいは警告させるアラーム音などを出力させてもよい。
【0036】
図14は、図13の例と同様にスケジュール管理の実行で、要件が登録された日時になったとき(又はその時刻に近づいたとき)の表示例であり、この図14の場合には、検出されたアイテム名の一覧について同時に表示させた例である。
【0037】
このようにスケジュール中の要件ごとにアイテムが登録されて、そのスケジュール管理に連携してアイテムの探索を行うことで、ユーザにとっては種々の要件ごとに適切な持ち物を持っているかどうか自動的に警告されることになる。従って、必要な持ち物を忘れて外出するような事故を効果的に防止できる。また、どこに外出する場合でも共通に持ち歩く持ち物については、共通アイテムとして登録されるので、スケジュールに個別に登録する必要がなく、ユーザにとっては便利である。
【0038】
[1.6 登録アイテム削除時の処理例]
図15のフローチャートは、登録されたアイテムを削除する場合の処理例を示したものである。
図15のフローチャートに従って説明すると、まず登録アイテムを削除するモードであるか否か判断する(ステップS41)。登録アイテムを削除するモードである場合には、登録されたアイテムの一覧などから削除するアイテムをユーザ操作で選択させる(ステップS42)。そして、選択されたアイテムの削除を確定させるユーザ操作があるか否か判断し(ステップS43)、確定操作がある場合には、該当するアイテムの削除処理を行う(ステップS44)。いずれかのアイテムが削除された場合、スケジュールなどにその削除されたアイテムの登録があった際には、スケジュール中への該当するアイテムの登録もなくなる。
【0039】
ステップS43の確定操作が行われない場合には、アイテム削除を中止するか否か判断し(ステップS45)、中止でない場合にはステップS42の選択処理に戻り、中止である場合にはステップS41に戻る。
【0040】
[2.実施の形態の変形例]
次に、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0041】
[2.1 機器状態の判断を行う例]
図3に示した無線タグ50の構成では、無線通信相手と通信を行う構成だけを示したが、この無線タグ50が、取り付けられたアイテム側の状態を検知できる機能を設けるようにして、その検知した状態を、アイテム探索時に表示させてもよい。
【0042】
図16のフローチャートは、この場合の処理例を示したものである。
まず、スキャンを実行するタイミングか否か判断し(ステップS51)、スキャンを実行するタイミングになると、そのときに探索するアイテムの端末IDが検出されたか否か判断する(ステップS52)。端末IDが検出された場合には、アラーム処理を行う(ステップS53)。アラーム処理については、既に説明した処理である。
【0043】
そして、探索中のアイテムの端末IDが検出された場合には、その検出された端末IDの無線タグで、機器の状態を検知可能か否か判断する(ステップS54)。ここで、機器の状態の検知ができない場合には、機器の存在だけをディスプレイ11に表示させて終了する(ステップS55)。
ステップS54で、機器の状態の検知ができると判断した場合には、機器の状態を無線タグとの無線通信で取得し(ステップS56)、その取得した機器状態の情報に基づいて、機器の存在と機器の状態をディスプレイ11に表示させる(ステップS57)。
【0044】
図17は、この場合の表示例を示したものである。
ここでは、スケジュールに連動して探索する機器としてデジタルカメラとしてあり、そのデジタルカメラの状態の情報を表示させてある。図17の例では、デジタルカメラのバッテリ残量と、メモリカード残量とを取得して、「バッテリの残が少ないです」との表示と、「メモリカードの残はあと20枚です」との表示を行ってある。このような表示が行われることで、外出時に持ち出す持ち物の状態が、スケジュールに連動して判るようになる。
【0045】
[2.2 事前に警告を行う例]
ここまでの説明では、スケジュールに連動したスキャン処理を行う例について説明したが、スケジュールで登録された日時よりも決められた時間だけ前に、スキャンを行って、事前に持ち物が準備された状態を検知して警告するようにしてもよい。
即ち、例えば図18のフローチャートに示すように、アイテムが登録されたスケジュールの要件から、所定時間前であるか判断する(ステップS61)。例えば、外出する要件が登録された時刻より1時間前であるかどうか判断する。
そして、その外出する所定時間前(1時間前)であると判断したときに、スキャン処理を実行し(ステップS62)、その結果で、登録されたアイテムの内の半分以上が検出されなかった場合(ステップS63)、アラーム処理を行う(ステップS64)。該当する要件に登録されたアイテムの半分以上が検出された場合には、ある程度外出する準備が進んでいるとしてアラーム処理は行わない。
このように事前警告を行うことで、外出する準備をするように警告できるようになる。
【0046】
なお、ここまでの実施の形態では、携帯電話端末装置を使ったシステム構成としたが、その他の無線通信機能を備えた端末装置にも適用が可能である。また、各図に示した表示例は好適な一例を示したものであり、図示した例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1…バッグ、1a,1b,1c,1d,1e…アイテム、2a,2b,2c,2d,2e…無線タグ、10…携帯電話端末装置、11…ディスプレイ、12…制御部、13…無線通信回路、14…アンテナ、15…キー、16…音声処理部、17…スピーカ、18…マイクロホン、19…近距離無線通信回路、20…アンテナ、30…メモリ、31…スケジュール管理ソフト、32…持ち物管理ソフト、50…無線タグ、51…近距離無線通信回路、52…アンテナ、53…制御部、54…メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別コードを有する端末と無線通信を行う無線通信部と、
日時を指定して要件を登録するスケジュール登録部と、
前記スケジュール登録部に登録されたスケジュールの表示を行う表示部と、
前記スケジュール登録部に登録された要件ごとに、必要なアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録するアイテム登録部と、
前記スケジュール登録部に登録された要件で示された日時になった場合に、前記アイテム登録部で登録された識別コードの端末と前記無線通信部で無線通信を試み、該当する端末と無線接続できない際に、アラーム処理を行う制御部とを備えた
アイテム探索装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、相手の端末と無線通信可能な距離を所定の近距離に制限した無線通信部であり、
前記無線通信部が無線通信を行う端末は、カード状又はチップ状のRFタグである
請求項1記載のアイテム探索装置。
【請求項3】
音声出力部を備え、前記制御部によるアラーム処理の実行で、無線接続できない端末に登録されたアイテムの名称を前記音声出力部が音声として出力させる
請求項1又は2記載のアイテム探索装置。
【請求項4】
前記制御部によるアラーム処理の実行で、無線接続できない端末に登録されたアイテムの名称を前記表示部に表示させる
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアイテム探索装置。
【請求項5】
前記表示部には、無線接続された端末に登録された持ち物の名称についても前記表示部に表示させる
請求項4記載のアイテム探索装置。
【請求項6】
前記表示部にスケジュールを表示させる際に、要件ごとにアイテム登録がある場合にそのことを前記表示部に表示させる
請求項4又は5記載のアイテム探索装置。
【請求項7】
前記アイテム登録部は、前記スケジュール登録部に登録された要件ごとのアイテムとは別に、一括して探索するアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録し、前記制御部がその登録されたデータに基づいて該当するアイテムに対応した端末を探索する
請求項4〜6のいずれか1項に記載のアイテム探索装置。
【請求項8】
アイテムの探索を行う第1の無線通信端末と、アイテムごとに割り当てられる1つまたは複数の第2の無線通信端末とで構成されるアイテム探索システムであり、
前記第1の無線通信端末は、
前記第2の無線通信端末と無線通信を行い、無線通信で得た識別コードで第2の無線通信端末を特定する無線通信部と、
日時を指定して要件を登録するスケジュール登録部と、
前記スケジュール登録部に登録されたスケジュールの表示を行う表示部と、
前記スケジュール登録部に登録された要件ごとに、必要なアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録するアイテム登録部と、
前記スケジュール登録部に登録された要件で示された日時になった場合に、前記アイテム登録部で登録された識別コードの第2の無線通信端末と前記無線通信部で無線通信を試み、該当する第2の無線通信端末と無線接続できない際に、アラーム処理を行う制御部とを備えた
アイテム探索システム。
【請求項9】
日時を指定して要件を登録するスケジュール登録処理と、
前記スケジュール登録処理で登録された要件ごとに、必要なアイテムの名称とそのアイテムに対応した無線通信用の識別コードを登録するアイテム登録処理と、
前記スケジュール登録処理で登録された要件で示された日時になった場合に、前記アイテム登録処理で登録された識別コードの端末と無線通信を試み、該当する端末と無線接続できない際に、アラーム処理を行うアイテム探索処理とを行う
アイテム探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−101241(P2011−101241A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255128(P2009−255128)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【Fターム(参考)】