アクセス制御装置
【構成】フラッシュメモリ38には、複数のスロットが形成される。また、フラッシュメモリ38のMBRには、複数のスロットの各々を識別するスロット番号が記述される。CPU32は、カメラモードに割り当てられた撮像タスク,再生モードに割り当てられた再生タスク,設定変更モードに割り当てられた設定変更タスク,またはUSB通信モードに割り当てられたUSB通信タスクの下で、フラッシュメモリ38にアクセスする。いずれかの動作モードが選択されると、CPU32は、選択された動作モードに対応する一部のスロットをMBRに記述されたスロット番号に基づいて指定し、指定された一部のスロットへのアクセスを選択された動作モードに対応するタスクに対して許可する。
【効果】複数のスロットを有するフラッシュメモリの使い勝手が向上する。
【効果】複数のスロットを有するフラッシュメモリの使い勝手が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセス制御装置に関し、特に、複数のパーティションが形成された記録媒体へのアクセス動作を制御する、アクセス制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、CPU,EEPROM(登録商標),およびフラッシュメモリが、半導体メモリカードのモジュール内部に実装される。EEPROMに設けられたECクライアントアプリの使用領域は、EEPROMにパーティションテーブルを配置し、かつフラッシュメモリにパーティションを生成することで拡張される。パーティションテーブルがモジュール内部のEEPROMに配置されるので、このパーティションテーブルにアクセスできるのはモジュール内部のCPUに限られる。これによって、ECクライアントアプリの守秘性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、アクセスできるパーティションが動作モードによって使い分けられることはなく、記録媒体の使い勝手に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数のパーティションを有する記録媒体の使い勝手が向上させることができる、アクセス制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うアクセス制御装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセス手段(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付け手段(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する第1指定手段(S13, S25, S33, S37)、および第1指定手段によって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセス手段のうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可する許可手段(S5, S9, S21, S29)を備える。
【0007】
好ましくは、記録媒体は識別情報を保持して複数のパーティションのマッピングを定義するマスタブートレコードを有し、複数のパーティションの少なくとも1つは自分のパーティションのマッピングを定義する拡張ブートレコードを有する。
【0008】
さらに好ましくは、第1指定手段の指定処理に関連してマスタブートレコードおよび拡張ブートレコードのいずれか一方を指定する第2指定手段(S11, S23, S31, S35)がさらに備えられ、許可手段によって許可されたアクセス手段は第2指定手段によって指定されたブートレコードを参照して記録媒体のマッピング状態を認識する。
【0009】
好ましくは、複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、複数の動作モードは画像記録/再生モードを含み、複数のアクセス手段は画像記録/再生モードに対応して第1パーティションにアクセスする第1アクセス手段(S57, S65)を含む。
【0010】
好ましくは、ガイド表示のためにフォントデータを再生する再生手段(S73)がさらに備えられ、複数のパーティションは代替フォントデータを格納する第2パーティションを含み、複数の動作モードは設定変更モードを含み、複数のアクセス手段は設定変更モードに対応して第2パーティションにアクセスする第2アクセス手段(S85)を含む。
【0011】
好ましくは、複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第3パーティションを含み、複数の動作モードは外部転送モードを含み、複数のアクセス手段は外部転送モードに対応して第3パーティションにアクセスする第3アクセス手段(S103)を含む。
【0012】
この発明に従うアクセス制御プログラムは、アクセス制御装置(10)のプロセッサ(32)に、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ(S13, S25, S33, S37)、および指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセスステップのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップ(S5, S9, S21, S29)を実行させるための、アクセス制御プログラムである。
【0013】
この発明に従うアクセス制御方法は、アクセス制御装置(10)によって実行されるアクセス制御方法であって、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ(S13, S25, S33, S37) 、および指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセスステップのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップ(S5, S9, S21, S29)を備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、複数のパーティションの各々を識別する識別情報を記録媒体に準備することで、記録媒体へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するパーティションの誤認識を回避できる。また、指定されたパーティションへのアクセスを選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可することで、記録媒体を動作モードによって使い分けることができる。こうして複数のパーティションを有する記録媒体の使い勝手が向上する。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】NOR型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】NAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はカメラモードまたは再生モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(B)は設定変更モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(C)はUSB通信モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図である。
【図6】(A)は撮タスクおよび再生タスクの各々によって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(B)は設定変更タスクによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(C)はUSB通信タスクによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図7】(A)はメニュー画面の一例を示す図解図であり、(B)はメニュー画面の他の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0018】
図1を参照して、この発明のアクセス制御装置は、基本的に次のように構成される。複数のアクセス手段1,1,…は、複数のパーティションと複数のパーティションの位置を示す位置情報とを有する記録媒体5へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられる。受け付け手段2は、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける。第1指定手段3は、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体5が有する位置情報に基づいて指定する。許可手段4は、指定手段3によって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセス手段1,1,…のうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段1に対して許可する。
【0019】
複数のパーティションの各々を識別する識別情報を記録媒体5に準備することで、記録媒体5へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するパーティションの誤認識を回避できる。また、指定されたパーティションへのアクセスを選択された動作モードに対応するアクセス手段1に対して許可することで、記録媒体5を動作モードによって使い分けることができる。こうして複数のパーティションを有する記録媒体5の使い勝手が向上する。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0021】
電源が投入されると、CPU32は、NOR型のフラッシュメモリ40にアクセスする。図3を参照して、フラッシュメモリ40は、MBR0(MBR:Master Boot Record),PBR0(PBR:Partition Boot Record),FAT0(FAT:File Allocation Table),ディレクトリエントリ0およびデータエリア0を有する。ここで、データエリア0には、μIRON仕様のOS(Operating System)およびこのOSの下で実行される複数のタスク(詳しくは後述)に相当するプログラム、並びにメニュー項目を表すテキストの基礎となるフォントデータなどが格納される。
【0022】
CPU32はまず、MBR0およびPBR0の記述を参照してフラッシュメモリ40のマッピング状態を認識し、その後にFAT0およびディレクトリエントリ0を参照してOSおよびメインタスクを起動する。
【0023】
メインタスクでは、キー入力装置34に設けられたモード切り換えスイッチ34swの設定(つまり現時点の動作モード)が判別され、現時点の動作モードに対応するタスクを起動する。現時点の動作モードがカメラモードであれば撮像タスクが起動され、現時点の動作モードが再生モードであれば再生タスクが起動される。また、現時点の動作モードが設定変更モードであれば設定変更タスクが起動され、現時点の動作モードがUSB通信モードであればUSB通信タスクが起動される。
【0024】
カメラモード,再生モード,設定変更モードおよびUSB通信モードのいずれにおいても、NAND型のフラッシュメモリ38がアクセスされる。図4を参照して、フラッシュメモリ38は、単一のMBRと3つのスロット1〜3とを有する。なお、スロットは、“パーティション”と同義である。
【0025】
MBRはスロット1〜3の各々のマッピング状態を定義する部分であり、MBRのパーティションテーブルはカラム1〜3によって形成される。カラム1にはスロット1を識別するスロット番号SL1が記述され、カラム2にはスロット2を識別するスロット番号SL2が記述され、そしてカラム3にはスロット3を識別するスロット番号SL3が記述される。このように、パーティションテーブルに配列されるストット番号の順序はスロット1〜3の配列の順序と一致し、互いに対応するカラム番号およびスロット番号は共通の数値を示す。
【0026】
スロット1はEBR1(EBR:Extended Boot Record),PBR1,FAT1,ディレクトリエントリ1およびデータエリア1によって形成され、スロット2はMBR2,PBR2,FAT2,ディレクトリエントリ2およびデータエリア2によって形成され、そしてスロット3はMBR3,PBR3,FAT3,ディレクトリエントリ3およびデータエリア3によって形成される。
【0027】
スロット1のEBR1は、スロット1〜3のうちスロット1のマッピング状態のみを定義する。したがって、スロット2および3のマッピング状態はMBRを参照することで認識され、スロット1のマッピング状態はMBRまたはEBR1を参照することで認識される。
【0028】
また、データエリア1は画像ファイルを格納するために準備され、データエリア2はフラッシュメモリ40に格納されたフォントデータに代わる代替フォントデータを格納するために準備され、そしてデータエリア3はディジタルカメラ10の操作マニュアルデータを格納するために準備される。
【0029】
撮像タスクまたは再生タスクが起動されたときは、EBR1の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図5(A)参照)。なお、EBR1の先頭アドレスは、MBRを参照することで特定される。
【0030】
また、設定変更タスクが起動されたときは、MBRの先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図5(B)参照)。
【0031】
さらに、USB通信タスクが起動されたときは、EBR1の先頭アドレスおよびMBRの先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1および2に設定され、パーティションテーブルのカラム1および3に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1および2に設定される(図5(C)参照)。
【0032】
起動したタスクは、このようなレジスタRGST1の設定を参照して、つまり有効MBRアドレスから始まるブートレコードの記述うち有効スロット番号に対応する記述を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。したがって、撮像タスクおよび再生タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。また、設定変更タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。さらに、USB通信タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(C)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0033】
この結果、起動したタスクは、フラッシュメモリ38の実際のマッピング状態を意識することなく、フラッシュメモリ38にアクセスする。このような実際のマッピング状態を考慮する必要のないメモリアクセスは、スロット番号SL1〜SL3をMBRのパーティションテーブルに記述し、アクセスを許可するスロットを識別するスロット番号をレジスタRGST1に設定することで実現される。
【0034】
撮像タスクが起動されると、CPU32は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージャ16の撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0035】
信号処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、被写界を表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0036】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU32にも与えられる。CPU32は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、これによって動画像の明るさが適度に調整される。
【0037】
シャッタボタン34shが半押しされると、CPU32は、信号処理回路20から与えられたYデータに厳格なAE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、動画像の明るさが厳格に調整される。CPU32はまた、信号処理回路20から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、動画像の鮮鋭度が向上する。
【0038】
シャッタボタン34shが全押しされると、CPU32は、記録処理の実行をI/F36に命令する。I/F36は、シャッタボタン34shが操作された時点の被写界を表す1フレームの画像データをメモリ制御回路22を通してSDARM24から読み出し、読み出された画像データを含む画像ファイルをフラッシュメモリ38のデータエリア1に書き込む。I/F36はさらに、この書き込み処理に関連してディレクトリエントリ1およびFAT1を更新する。
【0039】
再生タスクが起動されると、CPU32は、データエリア1に格納された最新の画像ファイルをディレクトリエントリ1を参照して検出し、検出された画像ファイルに注目した再生処理の実行をI/F36およびLCDドライバ26に命令する。I/F36は、指定された画像ファイルの画像データをFAT1を参照して読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。
【0040】
LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0041】
キー入力装置34の送り/戻しボタン34fwが操作されると、CPU32は、ディレクトリエントリ1を参照して後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを検出する。検出された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0042】
設定変更タスクが起動されると、CPU32は、メニュー画像を表示するべく、フラッシュメモリ40に格納されたフォントデータをキャラクタジェネレータ30に与える。キャラクタジェネレータ30は、与えられたフォントデータに基づいてメニュー画像データを作成し、作成されえたメニュー画像データをLCDドライバ26に与える。この結果、図7(A)に示すメニュー画像がLCDモニタ28に表示される。
【0043】
ここで、“露光設定”の項目が選択されると、露光モードが変更される。また、“フォーカス設定”の項目が選択されると、フォーカスモードが変更される。撮像タスクの下でシャッタボタン34shの半押しに応答して実行されるAE処理およびAF処理は、こうして設定された露光モードおよびフォーカスモードに従う態様で実行される。
【0044】
また、図7(A)に示すメニュー画像上で“フォント変更”が選択されると、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア2に格納された代替フォントデータをI/F36を通して読み出し、読み出された代替フォントデータをフラッシュメモリ42のデータエリア0に格納されたフォントデータに上書きする。この結果、メニュー画像は図7(A)から図7(B)に更新される。
【0045】
USB通信タスクが起動されると、USBケーブルCBL1がUSBデバイス42に接続されているか否かが判別される。非接続状態であれば既定の報知が出力される一方、接続状態であれば“操作マニュアル”および“画像ファイル”の2つの項目が記述されたメニューデータがUSBデバイス42を通してPC(図示せず)に転送される。
【0046】
PCによって選択された項目が“操作マニュアル”であれば、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア3に格納された操作マニュアルデータをI/F36を通して読み出し、読み出された操作マニュアルデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。この結果、操作マニュアルがPCの画面に表示される。
【0047】
一方、PCによって選択された項目が“画像ファイル”であれば、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア1に格納された画像ファイルをI/F36を通して読み出し、読み出された画像ファイルをUSBデバイス42を通してPCに転送する。この結果、画像ファイルがPCによって再生される。
【0048】
なお、スロット1に設けられたEBR1はPCによってアクセス可能であり、かつEBR1はスロット1のマッピング状態のみを定義するため、PCはフラッシュメモリ38がスロット1しか有しないと認識する。
【0049】
CPU32は、図8〜図9に示すメインタスクを動作モードに関係なく実行し、カメラモードが選択されたときに図10に示す撮像タスク,再生モードが選択されたときに図11に示す再生タスクを実行し、設定変更モードが選択されたときに図12に示す設定変更タスクを実行し、そしてUSB通信モードが選択されたときに図13に示すUSB通信タスクを実行する。
【0050】
図10を参照して、ステップS1ではフラッシュメモリ38からMBRを読み出す。ステップS3では現時点の動作モードがカメラモードであるか否かを判別し、ステップS7では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。また、ステップS19では現時点の動作モードが設定変更モードであるか否かを判別し、ステップS27では現時点の動作モードがUSB通信モードであるか否かを判別する。
【0051】
ステップS3でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS7でYESであればステップS9で再生タスクを起動する。ステップS5またはS9の処理が完了するとステップS11に進み、EBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定する。ステップS13では、パーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0052】
ステップS15ではモード切り換え操作が行われたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると起動中のタスクをステップS17で停止する。停止処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0053】
ステップS19でYESであれば、ステップS21で設定変更タスクを起動する。ステップS23ではMBRの先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS25ではパーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。ステップS25の処理が完了すると、ステップS15に進む。
【0054】
ステップS27でYESであれば、ステップS29でUSB通信タスクを起動する。ステップS31ではEBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS33ではパーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0055】
ステップS35ではMBRの先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム2に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS37ではパーティションテーブルのカラム3に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム2に設定する。ステップS37の処理が完了すると、ステップS15に進む。
【0056】
なお、現時点の動作モードがカメラモード,再生モード,設定変更モードおよびUSB通信モードのいずれでもなければ、ステップS39で他の処理を実行し、その後にステップS15に進む。
【0057】
図10を参照して、ステップS41では、図5(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0058】
ステップS43では、動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ28に表示される。ステップS45ではシャッタボタン34shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS47の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0059】
シャッタボタン34shが半押しされると、ステップS49でAE処理を実行し、ステップS51でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさおよび鮮鋭度が厳格に調整される。ステップS53ではシャッタボタン34shが全押しされたか否かを判別し、ステップS55ではシャッタボタン34shの操作が解除されたか否かを判別する。
【0060】
ステップS55でYESと判断されたときは、そのままステップS45に戻る。また、ステップS53でYESであれば、ステップS57で記録処理を実行し、その後にステップS45に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS61では、図5(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0062】
ステップS63では、ディレクトリエントリ1の記述を参照してデータエリア1上の最新の画像ファイルを検出し、検出された画像ファイルを再生ファイルとして指定する。ステップS65では、指定画像ファイルに注目した再生処理をI/F36およびLCDドライバ26に命令する。
【0063】
I/F36は、指定画像ファイルに格納された画像データをFAT1を参照してデータエリア1から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0064】
ステップS67では画像送り/戻しボタン34frが操作されたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS69に進み、ディレクトリエントリ1を参照して次の画像ファイルまたは前の画像ファイルを指定する。指定処理が完了すると、ステップS65に戻る。この結果、別の再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0065】
図12を参照して、ステップS71では、図5(B)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0066】
ステップS73では、メニュー画像を表示するべく、フラッシュメモリ42に格納されたフォントデータをキャラクタジェネレータ30に与える。この結果、図7(A)または図7(B)に示すメニュー画像がLCDモニタ28に表示される。
【0067】
ステップS75では“露光設定”の項目が選択されたか否かを判別し、ステップS79では“フォーカス設定”の項目が選択されたか否かを判別し、そしてステップS83では“フォント変更”の項目が選択されたか否かを判別する。
【0068】
ステップS75でYESであればステップS77で露光モードを変更し、ステップS79でYESであればステップS81でフォーカスモードを変更する。ステップS77またはS81の処理が完了すると、ステップS75に戻る。
【0069】
ステップS83でYESであればステップS85に進み、フラッシュメモリ38に格納された代替フォントデータをI/F36を通して読み出す。ステップS87では、読み出された代替フォントデータをフラッシュメモリ42に格納されたフォントデータに上書きする。ステップS87の処理が完了すると、ステップS73に戻る。
【0070】
図13を参照して、ステップS91では、図5(C)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(C)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0071】
ステップS93では、USBケーブルCBL1がUSBデバイス42に接続されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS95で既定の報知を出力し、その後にステップS93に戻る。判別結果がYESであれば、“操作マニュアル”および“画像ファイル”の2つの項目が記述されたメニューデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。
【0072】
ステップS99ではPCによって選択された項目が“操作マニュアル”であるか否かを判別し、ステップS101ではPCによって選択された項目が“画像ファイル”であるか否かを判別する。ステップS99でYESであればステップS103に進み、ステップS101でYESであればステップS107に進む。
【0073】
ステップS103では操作マニュアルデータをI/F36を通してフラッシュメモリ38から読み出し、ステップS105では読み出された操作マニュアルデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。ステップS107では画像ファイルをI/F36を通してフラッシュメモリ38から読み出し、ステップS109では読み出された画像ファイルをUSBデバイス42を通してPCに転送する。ステップS105またはS109の処理が完了すると、ステップS99に戻る。
【0074】
以上の説明から分かるように、フラッシュメモリ38には、複数のスロット1〜3が形成される。また、フラッシュメモリ38のMBRには、スロット1〜3をそれぞれ識別するスロット番号SL1〜SL3が記述される。CPU32は、撮像タスク,再生タスク,設定変更タスク,またはUSB通信タスクの下で、このようなフラッシュメモリ38にアクセスする(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)。ここで、撮像タスクはカメラモードに割り当てられ、再生タスクは再生モードに割り当てられる。また、設定変更タスクは設定変更モードに割り当てられ、USB通信タスクはUSB通信モードに割り当てられる。
【0075】
CPU32は、これらの動作モードのいずれか1つを選択する選択操作をメインタスクの下で受け付け(S3, S7, S19, S27)、スロット1〜3のうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のスロットをMBRに記述されたスロット番号に基づいて指定する(S13, S25, S33, S37)。CPU32はまた、指定された一部のスロットへのアクセスを、撮像タスク,再生タスク,設定変更タスクおよびUSB通信タスクのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するタスクに対して許可する(S5, S9, S21, S29)。
【0076】
スロット1〜3を識別するスロット番号SL1〜SL3をフラッシュメモリ38に準備することで、フラッシュメモリ38へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するスロットの誤認識を回避できる。また、指定されたスロットへのアクセスを選択された動作モードに対応するタスクに対して許可することで、フラッシュメモリ38を動作モードによって使い分けることができる。こうしてスロット1〜3を有するフラッシュメモリ38の使い勝手が向上する。
【0077】
また、この実施例では、スロット1のマッピング状態のみを定義するEBR1が、外部のPCによってアクセス可能なようにスロット1に設けられる。したがって、スロット1を識別するスロット番号をUSB通信モードに対応してレジスタRGST1に設定することで、フラッシュメモリ38がスロット1しか有しないとPCに錯覚させることができる。
【0078】
なお、この実施例ではディジタルカメラを想定しているが、この発明は複数の動作モードを有して記録媒体にアクセスするあらゆる電子機器に適用することができる。
【0079】
また、この実施例では、プログラムおよびデータをNOR型のフラッシュメモリ38およびNAND型のフラッシュメモリ40に分散的に記憶させるようにしているが、プログラムおよびデータをNAND型のフラッシュメモリ40に纏めて記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …信号処理回路
30 …キャラクタジェネレータ
32 …CPU
38 …NAND型フラッシュメモリ
40 …NOR型フラッシュメモリ
【技術分野】
【0001】
この発明は、アクセス制御装置に関し、特に、複数のパーティションが形成された記録媒体へのアクセス動作を制御する、アクセス制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、CPU,EEPROM(登録商標),およびフラッシュメモリが、半導体メモリカードのモジュール内部に実装される。EEPROMに設けられたECクライアントアプリの使用領域は、EEPROMにパーティションテーブルを配置し、かつフラッシュメモリにパーティションを生成することで拡張される。パーティションテーブルがモジュール内部のEEPROMに配置されるので、このパーティションテーブルにアクセスできるのはモジュール内部のCPUに限られる。これによって、ECクライアントアプリの守秘性が高まる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−176306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、アクセスできるパーティションが動作モードによって使い分けられることはなく、記録媒体の使い勝手に限界がある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、複数のパーティションを有する記録媒体の使い勝手が向上させることができる、アクセス制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従うアクセス制御装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセス手段(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付け手段(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する第1指定手段(S13, S25, S33, S37)、および第1指定手段によって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセス手段のうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可する許可手段(S5, S9, S21, S29)を備える。
【0007】
好ましくは、記録媒体は識別情報を保持して複数のパーティションのマッピングを定義するマスタブートレコードを有し、複数のパーティションの少なくとも1つは自分のパーティションのマッピングを定義する拡張ブートレコードを有する。
【0008】
さらに好ましくは、第1指定手段の指定処理に関連してマスタブートレコードおよび拡張ブートレコードのいずれか一方を指定する第2指定手段(S11, S23, S31, S35)がさらに備えられ、許可手段によって許可されたアクセス手段は第2指定手段によって指定されたブートレコードを参照して記録媒体のマッピング状態を認識する。
【0009】
好ましくは、複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、複数の動作モードは画像記録/再生モードを含み、複数のアクセス手段は画像記録/再生モードに対応して第1パーティションにアクセスする第1アクセス手段(S57, S65)を含む。
【0010】
好ましくは、ガイド表示のためにフォントデータを再生する再生手段(S73)がさらに備えられ、複数のパーティションは代替フォントデータを格納する第2パーティションを含み、複数の動作モードは設定変更モードを含み、複数のアクセス手段は設定変更モードに対応して第2パーティションにアクセスする第2アクセス手段(S85)を含む。
【0011】
好ましくは、複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第3パーティションを含み、複数の動作モードは外部転送モードを含み、複数のアクセス手段は外部転送モードに対応して第3パーティションにアクセスする第3アクセス手段(S103)を含む。
【0012】
この発明に従うアクセス制御プログラムは、アクセス制御装置(10)のプロセッサ(32)に、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ(S13, S25, S33, S37)、および指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセスステップのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップ(S5, S9, S21, S29)を実行させるための、アクセス制御プログラムである。
【0013】
この発明に従うアクセス制御方法は、アクセス制御装置(10)によって実行されるアクセス制御方法であって、複数のパーティションと複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体(38)へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ(S3, S7, S19, S27)、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ(S13, S25, S33, S37) 、および指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセスステップのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップ(S5, S9, S21, S29)を備える。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、複数のパーティションの各々を識別する識別情報を記録媒体に準備することで、記録媒体へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するパーティションの誤認識を回避できる。また、指定されたパーティションへのアクセスを選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可することで、記録媒体を動作モードによって使い分けることができる。こうして複数のパーティションを有する記録媒体の使い勝手が向上する。
【0015】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】NOR型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図4】NAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】(A)はカメラモードまたは再生モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(B)は設定変更モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図であり、(C)はUSB通信モードが選択されたときのレジスタの設定状態の一例を示す図解図である。
【図6】(A)は撮タスクおよび再生タスクの各々によって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(B)は設定変更タスクによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図であり、(C)はUSB通信タスクによって認識されるNAND型フラッシュメモリのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図7】(A)はメニュー画面の一例を示す図解図であり、(B)はメニュー画面の他の一例を示す図解図である。
【図8】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図9】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図10】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図11】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図12】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図13】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0018】
図1を参照して、この発明のアクセス制御装置は、基本的に次のように構成される。複数のアクセス手段1,1,…は、複数のパーティションと複数のパーティションの位置を示す位置情報とを有する記録媒体5へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられる。受け付け手段2は、複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける。第1指定手段3は、複数のパーティションのうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを記録媒体5が有する位置情報に基づいて指定する。許可手段4は、指定手段3によって指定されたパーティションへのアクセスを複数のアクセス手段1,1,…のうち選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段1に対して許可する。
【0019】
複数のパーティションの各々を識別する識別情報を記録媒体5に準備することで、記録媒体5へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するパーティションの誤認識を回避できる。また、指定されたパーティションへのアクセスを選択された動作モードに対応するアクセス手段1に対して許可することで、記録媒体5を動作モードによって使い分けることができる。こうして複数のパーティションを有する記録媒体5の使い勝手が向上する。
[実施例]
【0020】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経た被写界の光学像は、イメージャ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。
【0021】
電源が投入されると、CPU32は、NOR型のフラッシュメモリ40にアクセスする。図3を参照して、フラッシュメモリ40は、MBR0(MBR:Master Boot Record),PBR0(PBR:Partition Boot Record),FAT0(FAT:File Allocation Table),ディレクトリエントリ0およびデータエリア0を有する。ここで、データエリア0には、μIRON仕様のOS(Operating System)およびこのOSの下で実行される複数のタスク(詳しくは後述)に相当するプログラム、並びにメニュー項目を表すテキストの基礎となるフォントデータなどが格納される。
【0022】
CPU32はまず、MBR0およびPBR0の記述を参照してフラッシュメモリ40のマッピング状態を認識し、その後にFAT0およびディレクトリエントリ0を参照してOSおよびメインタスクを起動する。
【0023】
メインタスクでは、キー入力装置34に設けられたモード切り換えスイッチ34swの設定(つまり現時点の動作モード)が判別され、現時点の動作モードに対応するタスクを起動する。現時点の動作モードがカメラモードであれば撮像タスクが起動され、現時点の動作モードが再生モードであれば再生タスクが起動される。また、現時点の動作モードが設定変更モードであれば設定変更タスクが起動され、現時点の動作モードがUSB通信モードであればUSB通信タスクが起動される。
【0024】
カメラモード,再生モード,設定変更モードおよびUSB通信モードのいずれにおいても、NAND型のフラッシュメモリ38がアクセスされる。図4を参照して、フラッシュメモリ38は、単一のMBRと3つのスロット1〜3とを有する。なお、スロットは、“パーティション”と同義である。
【0025】
MBRはスロット1〜3の各々のマッピング状態を定義する部分であり、MBRのパーティションテーブルはカラム1〜3によって形成される。カラム1にはスロット1を識別するスロット番号SL1が記述され、カラム2にはスロット2を識別するスロット番号SL2が記述され、そしてカラム3にはスロット3を識別するスロット番号SL3が記述される。このように、パーティションテーブルに配列されるストット番号の順序はスロット1〜3の配列の順序と一致し、互いに対応するカラム番号およびスロット番号は共通の数値を示す。
【0026】
スロット1はEBR1(EBR:Extended Boot Record),PBR1,FAT1,ディレクトリエントリ1およびデータエリア1によって形成され、スロット2はMBR2,PBR2,FAT2,ディレクトリエントリ2およびデータエリア2によって形成され、そしてスロット3はMBR3,PBR3,FAT3,ディレクトリエントリ3およびデータエリア3によって形成される。
【0027】
スロット1のEBR1は、スロット1〜3のうちスロット1のマッピング状態のみを定義する。したがって、スロット2および3のマッピング状態はMBRを参照することで認識され、スロット1のマッピング状態はMBRまたはEBR1を参照することで認識される。
【0028】
また、データエリア1は画像ファイルを格納するために準備され、データエリア2はフラッシュメモリ40に格納されたフォントデータに代わる代替フォントデータを格納するために準備され、そしてデータエリア3はディジタルカメラ10の操作マニュアルデータを格納するために準備される。
【0029】
撮像タスクまたは再生タスクが起動されたときは、EBR1の先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図5(A)参照)。なお、EBR1の先頭アドレスは、MBRを参照することで特定される。
【0030】
また、設定変更タスクが起動されたときは、MBRの先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1に設定され、パーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定される(図5(B)参照)。
【0031】
さらに、USB通信タスクが起動されたときは、EBR1の先頭アドレスおよびMBRの先頭アドレスが有効MBRアドレスとしてレジスタRGST1のカラム1および2に設定され、パーティションテーブルのカラム1および3に記述されたスロット番号が有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1および2に設定される(図5(C)参照)。
【0032】
起動したタスクは、このようなレジスタRGST1の設定を参照して、つまり有効MBRアドレスから始まるブートレコードの記述うち有効スロット番号に対応する記述を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。したがって、撮像タスクおよび再生タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。また、設定変更タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。さらに、USB通信タスクの下では、フラッシュメモリ38は図6(C)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0033】
この結果、起動したタスクは、フラッシュメモリ38の実際のマッピング状態を意識することなく、フラッシュメモリ38にアクセスする。このような実際のマッピング状態を考慮する必要のないメモリアクセスは、スロット番号SL1〜SL3をMBRのパーティションテーブルに記述し、アクセスを許可するスロットを識別するスロット番号をレジスタRGST1に設定することで実現される。
【0034】
撮像タスクが起動されると、CPU32は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18cに露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18cは、周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージャ16の撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージャ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0035】
信号処理回路20は、イメージャ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、被写界を表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0036】
信号処理回路20によって生成された画像データのうち、YデータはCPU32にも与えられる。CPU32は、与えられたYデータに簡易AE処理を施して適正EV値を算出する。算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定され、これによって動画像の明るさが適度に調整される。
【0037】
シャッタボタン34shが半押しされると、CPU32は、信号処理回路20から与えられたYデータに厳格なAE処理を施して最適EV値を算出する。算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、上述と同様、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、動画像の明るさが厳格に調整される。CPU32はまた、信号処理回路20から与えられたYデータの高周波成分にAF処理を施す。これによってフォーカスレンズ12が合焦点に配置され、動画像の鮮鋭度が向上する。
【0038】
シャッタボタン34shが全押しされると、CPU32は、記録処理の実行をI/F36に命令する。I/F36は、シャッタボタン34shが操作された時点の被写界を表す1フレームの画像データをメモリ制御回路22を通してSDARM24から読み出し、読み出された画像データを含む画像ファイルをフラッシュメモリ38のデータエリア1に書き込む。I/F36はさらに、この書き込み処理に関連してディレクトリエントリ1およびFAT1を更新する。
【0039】
再生タスクが起動されると、CPU32は、データエリア1に格納された最新の画像ファイルをディレクトリエントリ1を参照して検出し、検出された画像ファイルに注目した再生処理の実行をI/F36およびLCDドライバ26に命令する。I/F36は、指定された画像ファイルの画像データをFAT1を参照して読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。
【0040】
LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、指定画像ファイルの画像データに基づく再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0041】
キー入力装置34の送り/戻しボタン34fwが操作されると、CPU32は、ディレクトリエントリ1を参照して後続の画像ファイルまたは先行する画像ファイルを検出する。検出された画像ファイルは上述と同様の再生処理を施され、この結果、再生画像が更新される。
【0042】
設定変更タスクが起動されると、CPU32は、メニュー画像を表示するべく、フラッシュメモリ40に格納されたフォントデータをキャラクタジェネレータ30に与える。キャラクタジェネレータ30は、与えられたフォントデータに基づいてメニュー画像データを作成し、作成されえたメニュー画像データをLCDドライバ26に与える。この結果、図7(A)に示すメニュー画像がLCDモニタ28に表示される。
【0043】
ここで、“露光設定”の項目が選択されると、露光モードが変更される。また、“フォーカス設定”の項目が選択されると、フォーカスモードが変更される。撮像タスクの下でシャッタボタン34shの半押しに応答して実行されるAE処理およびAF処理は、こうして設定された露光モードおよびフォーカスモードに従う態様で実行される。
【0044】
また、図7(A)に示すメニュー画像上で“フォント変更”が選択されると、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア2に格納された代替フォントデータをI/F36を通して読み出し、読み出された代替フォントデータをフラッシュメモリ42のデータエリア0に格納されたフォントデータに上書きする。この結果、メニュー画像は図7(A)から図7(B)に更新される。
【0045】
USB通信タスクが起動されると、USBケーブルCBL1がUSBデバイス42に接続されているか否かが判別される。非接続状態であれば既定の報知が出力される一方、接続状態であれば“操作マニュアル”および“画像ファイル”の2つの項目が記述されたメニューデータがUSBデバイス42を通してPC(図示せず)に転送される。
【0046】
PCによって選択された項目が“操作マニュアル”であれば、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア3に格納された操作マニュアルデータをI/F36を通して読み出し、読み出された操作マニュアルデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。この結果、操作マニュアルがPCの画面に表示される。
【0047】
一方、PCによって選択された項目が“画像ファイル”であれば、CPU32は、フラッシュメモリ38のデータエリア1に格納された画像ファイルをI/F36を通して読み出し、読み出された画像ファイルをUSBデバイス42を通してPCに転送する。この結果、画像ファイルがPCによって再生される。
【0048】
なお、スロット1に設けられたEBR1はPCによってアクセス可能であり、かつEBR1はスロット1のマッピング状態のみを定義するため、PCはフラッシュメモリ38がスロット1しか有しないと認識する。
【0049】
CPU32は、図8〜図9に示すメインタスクを動作モードに関係なく実行し、カメラモードが選択されたときに図10に示す撮像タスク,再生モードが選択されたときに図11に示す再生タスクを実行し、設定変更モードが選択されたときに図12に示す設定変更タスクを実行し、そしてUSB通信モードが選択されたときに図13に示すUSB通信タスクを実行する。
【0050】
図10を参照して、ステップS1ではフラッシュメモリ38からMBRを読み出す。ステップS3では現時点の動作モードがカメラモードであるか否かを判別し、ステップS7では現時点の動作モードが再生モードであるか否かを判別する。また、ステップS19では現時点の動作モードが設定変更モードであるか否かを判別し、ステップS27では現時点の動作モードがUSB通信モードであるか否かを判別する。
【0051】
ステップS3でYESであればステップS5で撮像タスクを起動し、ステップS7でYESであればステップS9で再生タスクを起動する。ステップS5またはS9の処理が完了するとステップS11に進み、EBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定する。ステップS13では、パーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0052】
ステップS15ではモード切り換え操作が行われたか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると起動中のタスクをステップS17で停止する。停止処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0053】
ステップS19でYESであれば、ステップS21で設定変更タスクを起動する。ステップS23ではMBRの先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS25ではパーティションテーブルのカラム2に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。ステップS25の処理が完了すると、ステップS15に進む。
【0054】
ステップS27でYESであれば、ステップS29でUSB通信タスクを起動する。ステップS31ではEBR1の先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム1に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS33ではパーティションテーブルのカラム1に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム1に設定する。
【0055】
ステップS35ではMBRの先頭アドレスをレジスタRGST1のカラム2に有効MBRアドレスとして設定し、ステップS37ではパーティションテーブルのカラム3に記述されたスロット番号を有効スロット番号としてレジスタRGST1のカラム2に設定する。ステップS37の処理が完了すると、ステップS15に進む。
【0056】
なお、現時点の動作モードがカメラモード,再生モード,設定変更モードおよびUSB通信モードのいずれでもなければ、ステップS39で他の処理を実行し、その後にステップS15に進む。
【0057】
図10を参照して、ステップS41では、図5(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0058】
ステップS43では、動画取り込み処理を実行する。この結果、被写界を表すスルー画像がLCDモニタ28に表示される。ステップS45ではシャッタボタン34shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOである限り、ステップS47の簡易AE処理を繰り返す。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0059】
シャッタボタン34shが半押しされると、ステップS49でAE処理を実行し、ステップS51でAF処理を実行する。この結果、スルー画像の明るさおよび鮮鋭度が厳格に調整される。ステップS53ではシャッタボタン34shが全押しされたか否かを判別し、ステップS55ではシャッタボタン34shの操作が解除されたか否かを判別する。
【0060】
ステップS55でYESと判断されたときは、そのままステップS45に戻る。また、ステップS53でYESであれば、ステップS57で記録処理を実行し、その後にステップS45に戻る。
【0061】
図11を参照して、ステップS61では、図5(A)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(A)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0062】
ステップS63では、ディレクトリエントリ1の記述を参照してデータエリア1上の最新の画像ファイルを検出し、検出された画像ファイルを再生ファイルとして指定する。ステップS65では、指定画像ファイルに注目した再生処理をI/F36およびLCDドライバ26に命令する。
【0063】
I/F36は、指定画像ファイルに格納された画像データをFAT1を参照してデータエリア1から読み出し、読み出された画像データをメモリ制御回路22を通してSDRAM24に書き込む。LCDドライバ26は、SDRAM24に格納された画像データをメモリ制御回路22を通して読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ28を駆動する。この結果、再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0064】
ステップS67では画像送り/戻しボタン34frが操作されたか否かを判別する。判別結果がNOからYESに更新されるとステップS69に進み、ディレクトリエントリ1を参照して次の画像ファイルまたは前の画像ファイルを指定する。指定処理が完了すると、ステップS65に戻る。この結果、別の再生画像がLCDモニタ28に表示される。
【0065】
図12を参照して、ステップS71では、図5(B)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(B)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0066】
ステップS73では、メニュー画像を表示するべく、フラッシュメモリ42に格納されたフォントデータをキャラクタジェネレータ30に与える。この結果、図7(A)または図7(B)に示すメニュー画像がLCDモニタ28に表示される。
【0067】
ステップS75では“露光設定”の項目が選択されたか否かを判別し、ステップS79では“フォーカス設定”の項目が選択されたか否かを判別し、そしてステップS83では“フォント変更”の項目が選択されたか否かを判別する。
【0068】
ステップS75でYESであればステップS77で露光モードを変更し、ステップS79でYESであればステップS81でフォーカスモードを変更する。ステップS77またはS81の処理が完了すると、ステップS75に戻る。
【0069】
ステップS83でYESであればステップS85に進み、フラッシュメモリ38に格納された代替フォントデータをI/F36を通して読み出す。ステップS87では、読み出された代替フォントデータをフラッシュメモリ42に格納されたフォントデータに上書きする。ステップS87の処理が完了すると、ステップS73に戻る。
【0070】
図13を参照して、ステップS91では、図5(C)に示す要領で設定されたレジスタRGST1を参照して、フラッシュメモリ38のマッピング状態を認識する。この結果、フラッシュメモリ38は図6(C)に示すマッピングを有するものとして認識される。
【0071】
ステップS93では、USBケーブルCBL1がUSBデバイス42に接続されているか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS95で既定の報知を出力し、その後にステップS93に戻る。判別結果がYESであれば、“操作マニュアル”および“画像ファイル”の2つの項目が記述されたメニューデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。
【0072】
ステップS99ではPCによって選択された項目が“操作マニュアル”であるか否かを判別し、ステップS101ではPCによって選択された項目が“画像ファイル”であるか否かを判別する。ステップS99でYESであればステップS103に進み、ステップS101でYESであればステップS107に進む。
【0073】
ステップS103では操作マニュアルデータをI/F36を通してフラッシュメモリ38から読み出し、ステップS105では読み出された操作マニュアルデータをUSBデバイス42を通してPCに転送する。ステップS107では画像ファイルをI/F36を通してフラッシュメモリ38から読み出し、ステップS109では読み出された画像ファイルをUSBデバイス42を通してPCに転送する。ステップS105またはS109の処理が完了すると、ステップS99に戻る。
【0074】
以上の説明から分かるように、フラッシュメモリ38には、複数のスロット1〜3が形成される。また、フラッシュメモリ38のMBRには、スロット1〜3をそれぞれ識別するスロット番号SL1〜SL3が記述される。CPU32は、撮像タスク,再生タスク,設定変更タスク,またはUSB通信タスクの下で、このようなフラッシュメモリ38にアクセスする(S41, S57, S61, S65, S71, S85, S91, S103, S107)。ここで、撮像タスクはカメラモードに割り当てられ、再生タスクは再生モードに割り当てられる。また、設定変更タスクは設定変更モードに割り当てられ、USB通信タスクはUSB通信モードに割り当てられる。
【0075】
CPU32は、これらの動作モードのいずれか1つを選択する選択操作をメインタスクの下で受け付け(S3, S7, S19, S27)、スロット1〜3のうち選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のスロットをMBRに記述されたスロット番号に基づいて指定する(S13, S25, S33, S37)。CPU32はまた、指定された一部のスロットへのアクセスを、撮像タスク,再生タスク,設定変更タスクおよびUSB通信タスクのうち選択操作によって選択された動作モードに対応するタスクに対して許可する(S5, S9, S21, S29)。
【0076】
スロット1〜3を識別するスロット番号SL1〜SL3をフラッシュメモリ38に準備することで、フラッシュメモリ38へのアクセスを制御するプログラムの変更に起因するスロットの誤認識を回避できる。また、指定されたスロットへのアクセスを選択された動作モードに対応するタスクに対して許可することで、フラッシュメモリ38を動作モードによって使い分けることができる。こうしてスロット1〜3を有するフラッシュメモリ38の使い勝手が向上する。
【0077】
また、この実施例では、スロット1のマッピング状態のみを定義するEBR1が、外部のPCによってアクセス可能なようにスロット1に設けられる。したがって、スロット1を識別するスロット番号をUSB通信モードに対応してレジスタRGST1に設定することで、フラッシュメモリ38がスロット1しか有しないとPCに錯覚させることができる。
【0078】
なお、この実施例ではディジタルカメラを想定しているが、この発明は複数の動作モードを有して記録媒体にアクセスするあらゆる電子機器に適用することができる。
【0079】
また、この実施例では、プログラムおよびデータをNOR型のフラッシュメモリ38およびNAND型のフラッシュメモリ40に分散的に記憶させるようにしているが、プログラムおよびデータをNAND型のフラッシュメモリ40に纏めて記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 …ディジタルカメラ
16 …イメージャ
20 …信号処理回路
30 …キャラクタジェネレータ
32 …CPU
38 …NAND型フラッシュメモリ
40 …NOR型フラッシュメモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセス手段、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付け手段、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する第1指定手段、および
前記第1指定手段によって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセス手段のうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可する許可手段を備える、アクセス制御装置。
【請求項2】
前記記録媒体は前記識別情報を保持して前記複数のパーティションのマッピングを定義するマスタブートレコードを有し、
前記複数のパーティションの少なくとも1つは自分のパーティションのマッピングを定義する拡張ブートレコードを有する、請求項1記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
前記第1指定手段の指定処理に関連して前記マスタブートレコードおよび前記拡張ブートレコードのいずれか一方を指定する第2指定手段をさらに備え、
前記許可手段によって許可されたアクセス手段は前記第2指定手段によって指定されたブートレコードを参照して前記記録媒体のマッピング状態を認識する、請求項2記載のアクセス制御装置。
【請求項4】
前記複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、
前記複数の動作モードは画像記録/再生モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記画像記録/再生モードに対応して前記第1パーティションにアクセスする第1アクセス手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
ガイド表示のためにフォントデータを再生する再生手段をさらに備え、
前記複数のパーティションは代替フォントデータを格納する第2パーティションを含み、
前記複数の動作モードは設定変更モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記設定変更モードに対応して前記第2パーティションにアクセスする第2アクセス手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第3パーティションを含み、
前記複数の動作モードは外部転送モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記外部転送モードに対応して前記第3パーティションにアクセスする第3アクセス手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
アクセス制御装置のプロセッサに、
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ、および
前記指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセスステップのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップを実行させるための、アクセス制御プログラム。
【請求項8】
アクセス制御装置によって実行されるアクセス制御方法であって、
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ、および
前記指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセスステップのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップを備える、アクセス制御方法。
【請求項1】
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセス手段、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付け手段、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する第1指定手段、および
前記第1指定手段によって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセス手段のうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセス手段に対して許可する許可手段を備える、アクセス制御装置。
【請求項2】
前記記録媒体は前記識別情報を保持して前記複数のパーティションのマッピングを定義するマスタブートレコードを有し、
前記複数のパーティションの少なくとも1つは自分のパーティションのマッピングを定義する拡張ブートレコードを有する、請求項1記載のアクセス制御装置。
【請求項3】
前記第1指定手段の指定処理に関連して前記マスタブートレコードおよび前記拡張ブートレコードのいずれか一方を指定する第2指定手段をさらに備え、
前記許可手段によって許可されたアクセス手段は前記第2指定手段によって指定されたブートレコードを参照して前記記録媒体のマッピング状態を認識する、請求項2記載のアクセス制御装置。
【請求項4】
前記複数のパーティションは画像データを格納する第1パーティションを含み、
前記複数の動作モードは画像記録/再生モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記画像記録/再生モードに対応して前記第1パーティションにアクセスする第1アクセス手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項5】
ガイド表示のためにフォントデータを再生する再生手段をさらに備え、
前記複数のパーティションは代替フォントデータを格納する第2パーティションを含み、
前記複数の動作モードは設定変更モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記設定変更モードに対応して前記第2パーティションにアクセスする第2アクセス手段を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項6】
前記複数のパーティションは操作マニュアルデータを格納する第3パーティションを含み、
前記複数の動作モードは外部転送モードを含み、
前記複数のアクセス手段は前記外部転送モードに対応して前記第3パーティションにアクセスする第3アクセス手段を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載のアクセス制御装置。
【請求項7】
アクセス制御装置のプロセッサに、
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ、および
前記指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセスステップのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップを実行させるための、アクセス制御プログラム。
【請求項8】
アクセス制御装置によって実行されるアクセス制御方法であって、
複数のパーティションと前記複数のパーティションの各々を識別する識別情報とを有する記録媒体へのアクセスのために複数の動作モードにそれぞれ割り当てられた複数のアクセスステップ、
前記複数の動作モードのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付けステップ、
前記複数のパーティションのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応する一部のパーティションを前記記録媒体が有する識別情報に基づいて指定する指定ステップ、および
前記指定ステップによって指定されたパーティションへのアクセスを前記複数のアクセスステップのうち前記選択操作によって選択された動作モードに対応するアクセスステップに対して許可する許可ステップを備える、アクセス制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−141709(P2011−141709A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1628(P2010−1628)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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