説明

アクティブな植込み型医療器具用の遮蔽型距離遠隔計測ピン配線

【課題】アクティブな植込み型医療器具(AIMD)用の電磁干渉(EMI)フィルタ端子において望ましくない迷走信号の再放射を阻止するRFテレメトリピンを提供する。
【解決手段】無線周波(RF)テレメトリピンアンテナ56が貫通したAIMD用のEMIフィルタ端子組立体50であって、RFテレメトリピンアンテナは、RFテレメトリピンアンテナの一部にわたりRFテレメトリピンと非導通関係をなして延びると共にAIMDと関連した接地用導体に導通可能に接続された導電性遮蔽体60を有する。該EMIフィルタ端子組立体50は、RFテレメトリピンアンテナとRFテレメトリピンアンテナの一部を覆った導電性遮蔽体との間に設けられた絶縁管58を更に有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
人体組織内に埋め込まれたリード線によりピックアップされる信号の切り離し(減結合)及び遮蔽のための貫通コンデンサ型電磁干渉(EMI)フィルタが、当該技術分野において周知である。例えば、心臓ペースメーカ用途では、ペースメーカから心臓に延びるワイヤ又はリード線は、アンテナとして働き、例えば携帯電話、RF識別システム、携帯電話用ブースタ、携帯電話用ジャンパ、電子レンジ及び典型的には患者環境で見受けられる他のエミッタのような源からの迷走電磁干渉信号をピックアップする。別のかかる強力なエミッタは、磁気共鳴映像(MRI)中に生じるRF場である。これら信号は、ピン中へ伝搬し、次にアクティブな植込み型医療器具の内部に結合される場合が多い。
【0002】
米国特許第5,333,095号等による好ましい常法は、アクティブな植込み型医療器具(AIMD)内へのリード線の出入り箇所のところに貫通濾波型コンデンサを設けることである。例示の先行技術のEMIフィルタが、米国特許第5,333,095号明細書、同第5,751,539号明細書、同第5,896,267号明細書、同第5,905,627号明細書、同第5,959,829号明細書、同第5,973,906号明細書、同第5,978,204号明細書、同第6,008,980号明細書、同第6,275,369号明細書、同第6,529,103号明細書、同第6,643,903号明細書、同第6,765,779号明細書、同第6,765,780号明細書、同第4,424,551号明細書及び同第4,418,003号明細書に図示されると共に記載されており、これら米国特許を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。
【0003】
例えば450MHz〜3000MHz周波数範囲で生じる高周波EMIの場合、AIMDに出入りするリード線を全て濾波することが非常に重要である。これは、いったんEMIが1本のリード線であってもこれによりAIMDのハウジング内に入ると、このEMIは、ペースメーカ、植込み型心臓除細動器等の内部のEMIの影響を受けやすい隣接の回路に対して交差結合をなし又は再放射する場合があるからである。したがって、このEMIは、ペースメーカ感知(センシング)回路に入り、危険な状況、例えば器具の阻害をもたらす場合がある。
【0004】
従来テレメトリ(遠隔計測)は、AIMDのチタン製のハウジング内に収容された埋め込み型コイルによって達成されていた。チタン遮蔽体は磁性ではないので、外部コイルから皮下で密結合により低周波テレメトリ信号を通過させることは非常に容易であった。このいわゆる外部コイルは、AIMDに密接して保持され、それにより医師は、AIMDと通信することができる。このように、医師は、バッテリの状態をチェックし、患者の波形を回復させ、しかも再プログラミング及び設定替えを達成することができた。
【0005】
しかしながら、市場における大きな動向の把握によれば、医師及び患者は、益々多量に格納されたデータを回収したいと考えている。即ち、特定のペースメーカ患者がスポーツ活動に参加し、不快感又は不整脈であるように思われる症状を感じた場合、患者はたとえ1週間又は2週間後でも医院に戻ってその期間からECG(心電図)波形を回復させることができる。したがって、AIMD内により広い帯域幅及びより多い格納データが必要である。マイクロチップにおける最近の技術的発展により、後で医師により検索できる多量のデータの格納が可能である。
【0006】
別の技術動向では、患者の内部のAIMDに密結合することが不便な場合が多い。テレメトリワンド(ヘッド)を患者の胸部のすぐ上に置いてこれがAIMD又はペースメーカと良好な通信状態を得るまで動かし回ることは、問題になる場合が多い。また、病院施設では、ペースメーカを連続的にモニタすると共に(或いは)これと通信できるテレメトリ装置を患者の室内のどこかに単に設けることが非常に望ましい。したがって、技術動向は、高周波(HF)距離遠隔計測に向けられている。
【0007】
距離遠隔計測を達成するためには、テレメトリ信号は、周波数が高い状態になければならない。従来、埋め込み型コイルは、キロヘルツレベルの領域で動作しており、これらのうち大部分は、50〜140kHzであった。距離遠隔計測のため、典型的には、RFピンがAIMDの気密端子から出てAIMDハウジングの体液側に設けられた装置ヘッダブロック内に位置している。この装置ヘッダブロックは典型的には、成形プラスチック又はこれに類似した材料のものである。このRFピンは、リード線を介して体組織に接続されていない。これは、定位置に位置し、単純な短いスタブのアンテナとしての役目を果たす。米国連邦通信委員会は、かかる目的のためMICCS周波数範囲と呼ばれる周波数範囲を割り当てており、これは、400〜405MHz範囲である。また、使用に当たり、約800〜900MHz(最高3GHzまで)の高い周波数範囲が存在する。かかる高い周波数の利点は、これらの波長が比較的短く、しかもかかる短いアンテナへの結合効率が高いということである。これにより、従来AIMD内部に用いられていた嵩張った埋め込み型コイルが不要になり又は場合によっては、かかる埋め込み型コイルが大き過ぎて、AIMDの外部に植え込まなければならなかった。
【0008】
距離遠隔計測のもう1つの利点は、帯域幅及びしたがって通信速度が非常に高いということである。即ち、医師は、多量のデータを従来のキロヘルツ周波数範囲テレメトリ伝送の場合よりも早い速度で検索できる。したがって、患者のECG及び他の情報を容易に表示することができる。加うるに、高い周波数のエネルギは、短いRFピンアンテナと効率的に結合するので、患者の胸部に密接して配置される外部テレメトリヘッドコイルを設ける必要はもはやない。即ち、相当に長い距離から、例えば部屋の端から端まで、医師は、高周波外部プログラマ又は外部読み取り装置を用いて植込み型医療器具と通信することができる。
【0009】
しかしながら、これらは全て、AIMD内のEMI遮蔽に関する問題を提起する。一方において、先行技術のEMI濾波貫通コンデンサのどれもこのRFピンに取り付けることが可能であるというわけではない。この理由は、広帯域幅貫通コンデンサフィルタは効率が高いのでテレメトリ信号の変調と一緒に高周波キャリヤを除く場合があるからである。他方、植込み型医療器具に出入りする非濾波型ピンが設けられている場合、かなり大きな問題が生じる。結合理論と実験室試験の両方により、非濾波型ピンを濾波型ピンに密接して植込み型医療器具に引き込むことは問題であることが立証された。即ち、交差結合が、分布キャパシタンス、相互誘導結合又は非濾波型RFピンと例えばペースメーカ感知回路に至るのがよい隣接の濾波型リード線(又は、他の回路に直接的に)との間のアンテナ伝搬(再放射)により生じる場合がある。したがって、非濾波型ピンをAIMD内に非濾波型ピンに近接して通すことは、電磁干渉に対して全体的な減衰及び遮蔽作用を著しく劣化させる場合がある。
【0010】
図1は、先行技術のアクティブな植込み型医療器具(AIMD)30、例えば心臓ペースメーカの等角図である。図1を参照すると、従来型チタン製ハウジング32が、AIMD30の電子回路を包囲して気密封止していることが分かる。また、ISO標準IS1、DF1等に準拠したリード線36が引き込まれたヘッダブロック組立体34が設けられている。また、医師がつがい関係をなすプラグ38及び心臓リード線39をリード線36組立体にどのようにプラグ接続すればよいかの一例が示されている。典型的な先行技術の用途では、これにより、医師は、例えば心臓40の室内に配置されるよう設計されたリード線39をプラグ接続することができる。図1に戻ってこれを参照すると、RFテレメトリピン42が、AIMD30のヘッダ又は端子44を貫通していることが理解できる。注目されることとして、RFテレメトリピン42は、ヘッダブロック44それ自体内部のリード線36のどれにも接続されていない。RFテレメトリピン42は、短いスタブアンテナを形成し、このアンテナは、医師又は他の病院係員により用いられる外部送信機と通信するよう設計されている。RFテレメトリピン42の長さは、送信信号の波長の何分の一かに一致すべきであるので重要である。この先行技術によれば、RFテレメトリピン42を気密シール全体に関連させる場合があり又はこれをそれ自体の別個の気密シールと共に据え付けるのがよい。
【0011】
図2は、図1の2−2線矢視断面図である。図2は、RFテレメトリピン42を心臓ペーシング及び感知(センシング)リード線36と関連して示している。また、先行技術の貫通コンデンサ46が示されており、この貫通コンデンサは、米国特許第4,424,551号明細書、同第5,333,095号明細書、同第5,905,627号明細書、同第6,765,779号明細書によって概要説明されている。AIMD30を電磁干渉(EMI)に露出する場合がある。これらEMI信号は、ハウジング32に当たる。ハウジングが金属製、例えばチタン製である場合、EMIは、遮蔽材料から反射し又はこれによって吸収される(48aで示すように)。また、EMIは、AIMD30のリード線36内に結合する場合があり、これらリード線は、体組織に接続されるよう設計されている(48bとして示されている)。しかしながら、貫通コンデンサ46が設けられているので一般にこれはかかるEMIをAIMD30のハウジング32に対して減結合し又は短絡させ、EMIはここで無害の熱エネルギーとして消散する。これにより、かかるEMIはリード線36経由でAIMD36の内部に入って敏感な電子回路を乱すことはない。しかしながら、EMIは、RFテレメトリピン42に結合する場合がある。換言すると、望ましいRFテレメトリ信号への結合に加えて、RFテレメトリピン42は又、迷走EMI信号をピックアップする(48cで示すように)。これらEMI信号は、AIMD30の内部に容易に結合され(48dで示されている)、ここで、これらEMI信号は、敏感な電子回路、例えばペースメーカ感知回路に再放射する場合がある。懸念されることは、かかるEMIは、通常の心臓リズム(律動)として検出される場合があり、これにより例えば、ペースメーカが乱れる場合がある。
【0012】
したがって、隣接の濾波型回路に交差結合せず、これに再放射せず、又はこれの減衰を劣化させないような仕方で設計された非濾波型であるが遮蔽型のRFテレメトリピンが要望されている。したがって、かかるRFピン配線をかかるEMIに対して遮蔽してEMIがAIMDハウジング内に位置する敏感なAIMD電子回路を再放射することはなく又はこれに結合することがないようにする方法論が要望されている。本発明は、これら要望を満たし、他の関連の利点をもたらす。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,333,095号明細書
【特許文献2】米国特許第5,751,539号明細書
【特許文献3】米国特許第5,896,267号明細書
【特許文献4】米国特許第5,905,627号明細書
【特許文献5】米国特許第5,959,829号明細書
【特許文献6】米国特許第5,973,906号明細書
【特許文献7】米国特許第5,978,204号明細書
【特許文献8】米国特許第6,008,980号明細書
【特許文献9】米国特許第6,275,369号明細書
【特許文献10】米国特許第6,529,103号明細書
【特許文献11】米国特許第6,643,903号明細書
【特許文献12】米国特許第6,765,779号明細書
【特許文献13】米国特許第6,765,780号明細書
【特許文献14】米国特許第4,424,551号明細書
【特許文献15】米国特許第4,418,003号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、アクティブな植込み型医療器具(AIMD)用の電磁干渉(EMI)フィルタ端子組立体に関する。特に、本発明は、導電性接地平面(フェルールの形態をしているのがよい)と、第1の組をなす電極板及び接地平面に導通可能に結合された第2の組み合わせ電極板を備えた貫通コンデンサとを有するAIMD用のEMIフィルム端子組立体を提供する。リード線が、第1の組をなす電極板と導通関係をなしてコンデンサ内に延びている。加うるに、高周波(RF)テレメトリピンが、非導通関係をなしてフェルールを貫通し、このテレメトリピンは、テレメトリピンと非導通関係をなしてRFテレメトリピンの一部を覆って延びる導電性遮蔽体を有し、導電性遮蔽体は、AIMDと関連した接地用導体(ground)に導通可能に接続されている。この組立体は、RFテレメトリピンと、導電性遮蔽体と少なくとも同一の広がりをもってRFテレメトリピンの一部を覆う導電性遮蔽体との間に位置する絶縁管を更に有するのがよい。絶縁管は、コバール(Kovar)又はポリイミド、例えばプラスチック、テフロン(登録商標)(Teflon)又はシリコーン等で構成されているのがよく、又は、これは、導電性熱収縮管材料から成っていてもよく、外面は、導電性遮蔽体の少なくとも一部を形成する。導電性遮蔽体は、任意適当な導電性材料、例えば金、銅、ニッケル又は適当な電磁遮蔽作用を提供する別の材料で構成されたものであってよく。被膜、めっき、中実金属管、巻付け線管、編組線管又は巻き箔管の形態をしているのがよい。導電性遮蔽体が巻付け線管又は編組線管である場合、これは、304Vステンレス鋼で構成されたものであるのがよい。
【0015】
この組立体は、RFテレメトリピンに導通可能に結合されているワイヤボンドパッドを備えた回路板又は基板を更に有するのがよい。回路板又は基板は、AIMDハウジング接地電位の状態にある導電性遮蔽体に導通可能に結合されている第2のワイヤボンドパッドを更に有するのがよい。RFテレメトリピン及び(又は)導電性遮蔽体とそれぞれのワイヤボンドパッドの導電結合は、熱的接着、超音波接着、はんだ付け、ろう付け、溶接又は導電性接着剤で達成されるのがよい。
【0016】
貫通コンデンサは、外面の少なくとも一部を覆う金属被膜又は金属被覆を有するのがよく、この場合、金属被膜又は金属被覆は、第2の組をなす電極板及び接地平面に導通可能に結合される。この金属被膜又は金属被覆をはんだ、ろう、又は熱硬化性導電性接着剤によって導電性遮蔽体にも導通可能に結合するのがよい。変形例として、導電性金属フレームが、貫通コンデンサの外面の一部を覆うと共に接地平面及び導電性遮蔽体に導通可能に結合されるのがよい。
【0017】
組立体は、接地平面に機械的に結合されていて、RFテレメトリピンを非導通状態で挿通させた端子絶縁体を更に有するのがよい。端子絶縁体は、RFテレメトリピンが端子絶縁体を貫通するときにRFテレメトリピンを包囲していて、AIMDハウジングとRFテレメトリピンとの間の分布キャパシタンスを制限するカウンタボアを有するのがよい。変形例として、RFテレメトリピンは、これが端子絶縁体を通過する際にその周囲に沿って設けられた切欠き又はスエッジ(swadge)を有してもよい。
【0018】
絶縁管及び導電性遮蔽体に加えて、RFテレメトリピンは、外部絶縁層を更に有するのがよい。外部絶縁層は、ポリイミド管材料から成るのがよい。導電性遮蔽体が第2の組をなす電極板に導通可能に結合されている場合、外部絶縁層の一部を結合時に除去するのがよい。
【0019】
変形実施形態では、EMIフィルタ端子組立体は、AIMD用のハウジングと関連した導電性接地平面を有する。第1の端子絶縁体が、導電性接地平面に機械的に結合されている。RFテレメトリピンは、この第2の端子絶縁体を非導通関係をなして貫通し、RFテレメトリピンの一部を覆って延びる導電性遮蔽体は、導電性接地平面に導通可能に接続されている。導電性接地平面は、1つ以上の導電性フェルールから成るのがよい。
【0020】
本発明の組立体を種々のAIMDに用いることができ、かかるAIMDとしては、心臓ペースメーカ、植込み型除細動器、うっ血性心不全器具、聴覚インプラント、人工内耳、神経刺激器、薬剤ポンプ、補助心臓、インスリンポンプ、脊髄電気刺激器、植込み型検出システム、深部脳刺激器、人工心臓、失禁用具、迷走神経刺激器、骨成長刺激器、胃ペースメーカ、又は人工器官が挙げられる。
【0021】
本発明の上記特徴及び他の特徴は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明に照らして当業者には明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付の図面は、本発明を記載している。
【0023】
本発明は、アクティブな植込み型医療器具(AIMD)の内部に設けられた無線周波(RF)テレメトリピンリード線を包囲する種々の遮蔽体を提供する。この遮蔽体は、隣接の敏感な回路、例えば植込み型心臓ペースメーカ又は他の植込み型器具の感知回路へのテレメトリ信号それ自体を含む望ましくない迷走信号の再放射を阻止するよう働く。
【0024】
また、RFテレメトリ回路は、効率がよく且つ良好にインピーダンス整合されることが非常に重要である。これは、著しい減衰により距離テレメトリ信号の劣化が生じる場合があるからである。距離テレメトリの大きな特徴のうちの1つは、密結合が不要であるということにある。したがって、信号がAIMDに出入りする際の信号の劣化は望ましくない。したがって、AIMD器具の内部に設けられたRFテレメトリピンリード線を包囲するために用いられる遮蔽システムは、インピーダンス整合において効率が、高いことが必要である。これは、正しい絶縁材料、これらの比誘電率及び他の電気的性質及び遮蔽体に対する正しい外径(OD)と内径(ID)の比の選択により達成される。
【0025】
図3は、本発明を具体化した双極電磁干渉(EMI)濾波端子50の略図である。双極ペースメーカは、当該技術分野において周知である。この例では、これは、ペースメーカから右心室に配線された双極リード(当該技術分野では、リード線を単にリードともいう)を備えた心臓ペースメーカである。双極リードシステムは代表的には、遠位端部にTip及びRing電極を有する。例えば、リード線52を遠位Tip電極に配線し、リード線54を遠位Ring電極に配線するのがよい。次に、ペーシングパルスをリード線52,54に与える。加うるに、心臓信号の検出も又、これらリード線によって達成できる。また、ピン56が示されており、このピンは、体液側では、RFテレメトリピンアンテナである。RF距離テレメトリピンは、上述したように当該技術分野においては公知である。
【0026】
本発明の新規な特徴は、絶縁管58及びこれを包囲する導電性遮蔽体60に示されている。絶縁管58は、多くの絶縁体のうちの任意の1つであってよく、かかる絶縁体としては、広範なプラスチック、テフロン(登録商標)(Teflon)、シリコーン等のうち任意のものが挙げられる。好ましい実施形態では、この絶縁管は、薄肉の非導電性ポリイミド又はコバール(Kovar)管材料である。これは、高温に耐えることができ、しかも可撓性の性状のものなので好ましい。これにより、心臓ペースメーカの製造業者は、RFテレメトリリード線を保護する遮蔽管材料をアクティブな植込み型医療器具のハウジング内の任意所望の場所に引き回すことができる。導電性遮蔽体60が、絶縁管58に被せされている。好ましい実施形態では、導電性遮蔽体60は、絶縁管58それ自体に直接被着された薄い金めっき層である。しかしながら、導電性遮蔽体60は、編組金属管、巻き金属管又は中実金属管であってよく、これらのうちどれも、先行技術のRFケーブルで一般に用いられている。中実銅管材料又は種々の他の導電性材料を用いることができる。絶縁管58及び導電性遮蔽体60に多種多様な材料を利用できることは当業者には明らかであろう。例えば、絶縁管58及び導電性遮蔽体60の性質及び特徴を組み合わせた導電性熱収縮管材料を用いてもよい。さらに、導電性遮蔽体60は、陰極アーク物理的気相成長法、イオンビーム打ち込み法、ユーザ誘導蒸着法又は電気めっき法を利用して形成できる。導電性遮蔽体60により絶縁管58を100%覆って良好なRFバー包囲を得ると共にAIMD回路又は隣接のピン52及び(又は)54への結合を阻止することは必要ではない。導電性遮蔽体60は、MRI信号に対しても保護を行うニッケル鉄系ナノ粒子又は他の適当な磁気遮蔽材料のものであってもよい。
【0027】
再び図3を参照すると、RFテレメトリピン端子56は今や好都合には、他の電子部品が取り付けられている回路板又は基板64に設けられているワイヤポンドパッド62に配線できる。露出状態のRFテレメトリピンアンテナ56が、ワイヤボンディング66又は超音波接着、はんだ付け等によりワイヤボンドパッド62に取り付けられた状態で示されている。回路トレース68が、ワイヤボンドパッド領域62と近くのハイブリッド回路(図示せず)とを接続しており、このハイブリッド回路は、高RFテレメトリを検出し、これを低周波ディジタルパルスに変換する。
【0028】
ハイブリッド回路は、ワイヤボンドパッド62及び遮蔽体60の終端部又は成端部のできるだけ近くに位置することが非常に望ましい。この距離を非常に短く維持することにより、AIMD内のRF再放射が最小限に抑えられる。極めて短いリード線は、距離RFテレメトリに計画される波長では非効率的なカプラ又は再放射体である。しかしながら、非密封型テレメトリピンワイヤリング56を長距離にわたって引き回した場合、再放射が、はっきりと問題になる。
【0029】
上述したように、RFテレメトリピンアンテナ56を備えた双極貫通コンデンサ70は、コンデンサ70内に設けられた接地電極板74(図4及び図5参照)に接続された接地終端部又は成端部72を有している。これら接地終端部72と植込み型医療器具の気密端子50のフェルール76との間には電気接続部92が設けられている。この接続は代表的には、米国特許第6,765,779号明細書に記載されているように金ボンドパッド78(図4)に対して行われる。
【0030】
例えば米国特許第5,905,627号明細書及び同第6,529,103号明細書に記載されている内部接地型貫通コンデンサの場合、コンデンサの接地電極板は、AIMDのフェルール及び(又は)ケースに接地されたピンを介して接地されている。内部接地型コンデンサの接地電極板も又、本明細書において説明しているようにRFピンワイヤリングの新規な遮蔽体を接地するために使用できる。
【0031】
気密端子50の体液側を示す図8、図9及び図10を参照すると、RFテレメトリピンアンテナ56は、ヘッダブロック(図示せず)内で終端しており、体液と直接接触していない。しかしながら、心臓ペーシング及び感知リード52,54は、静脈系80を通り、代表的には鎖骨下静脈を通り、大動脈弓を下へ通って右心室内に引き回されている。したがって、これは、ペーシング及びセンシング電気信号にとって有利である。心臓ペースメーカ及び当業者には明らかな感知(センシング)システムに加えて他の用途は、心臓ペースメーカ、心臓センシングシステム、植込み型除細動器、うっ血性心不全器具、聴覚インプラント、人工内耳、神経刺激器、薬剤ポンプ、補助心臓、インスリンポンプ、脊髄電気刺激器、植込み型検出システム、深部脳刺激器、人工心臓、失禁用具、迷走神経刺激器、骨成長刺激器、胃ペースメーカ、又は人工器官及びリード線が体組織に植え込まれる任意他の用途である。これら器具のうちの任意のもの及び全ては、好都合な装置プログラミング又はAIMDからの格納データのダウンロードが可能なRFテレメトリピンアンテナ56を備えることができる。
【0032】
図4は、図3に先に記載した双極濾波気密端子50の断面図である。双極ピン52,54は、先行技術のEMIフィルタに特有なものである。即ち、これらピンは、非導通関係をなしてアルミナ端子絶縁体又は引留がいし82を貫通している。金ろう付け部84が設けられ、この金ろう付け部は、アルミナ絶縁体82とこれに対応したリード線52,54又はピン56との間に気密シールを形成する。非導電性ワッシャ85又はこれに類似した物体をコンデンサ70とアルミナ絶縁体82との間に設けるのがよい。次に、センサ/ペーシングリード線52,54は、貫通コンデンサ70の孔を貫通し、ここで、これらリード線は、電気接続材料86を入ってコンデンサの内周部金属被覆88に接続され、この金属被覆は、コンデンサのアクティブな電極板90に接続されている。これに対応して、コンデンサの外周部金属被覆72は、コンデンサの接地電極板74に接続されている。電気接続材料92が、コンデンサ外周部金属被覆72と植込み型医療器具の金属製フェルール76を接続している。米国特許第6,765,779号明細書に先に記載されているように、電気接続材料92は、酸化物の無い信頼性の高い電気的接続を可能にするために金ろう付け領域78に接続されることが重要である。
【0033】
再び図4を参照すると、RFテレメトリピンアンテナ56は、図3に先に記載されたように示されている。断面で示すように、絶縁管58は、周囲の導電性遮蔽体60を僅かに越えて延びている。好ましい実施形態では、導電性遮蔽体60は、軟質金めっきである。低電圧器具、例えば心臓ペースメーカ又は神経刺激器では、絶縁管58が導電性遮蔽体60を非常に遠くに越えて突き出る(距離“a”で示されている)ことは必要ではない。しかしながら、高電圧器具、例えば植込み型心臓除細動器では、導電性遮蔽体60とRFテレメトリピンアンテナ56との間に高電圧フラッシュオーバー距離を増大させるためにかなり大きな離隔距離“a”を取るのが好ましい。離隔距離“a”は、かかる高電圧フラッシュオーバーを阻止するのに十分な距離のものであるべきであり、所要の距離は、当業者には明らかであろう。再びRFテレメトリピンアンテナ56を参照すると、このテレメトリピンアンテナは貫通コンデンサ70の内周部に入る場合、電気接続材料86が、内周部金属被覆88を介して導電性遮蔽体60をコンデンサの設置電極板74に接続するために用いられている。これは、導電性遮蔽体60を接地箇所に接続する非常に新規且つ効率の高い仕方である。即ち、好ましい実施形態では、コンデンサ70の接地電極板74は、RFテレメトリピンアンテナワイヤ56に設けられた導電性遮蔽体60を接地するためにも使用される。
【0034】
そうではない場合においては84′″と比較して84′において引き通し(pull through)として知られている金ろう付け侵入距離は、可変であり、複雑な濡れ及び毛管特性で決まる。84′で示すように短い金ろう付け侵入量を利用することはできない。追加の問題は、金ろう付け侵入度が84′″について示すようにピン毎にばらつきがあり、84′″の侵入度は、度を超えている。遮蔽RFテレメトリピンアンテナ56とフェルール76との間のキャパシタンスの量を制限することが望ましい。これら2つの箇所相互間の分布キャパシタンス又は迷走キャパシタンスが大き過ぎる場合、これは、所望の高周波テレメトリ信号をリークオフする(減衰させる)ことになる。また、ラインの特性インピーダンスを一定に保つことができるようにするためには、気密端子50それ自体のこの分布キャパシタンスのばらつきが高過ぎないようにすることが重要である。84′と84′″で示す金ろう付けの侵入度を比較すると、金ろう付け侵入度に相当なばらつきがあることが分かる。ピン56とフェルール76との間の分布キャパシタンスの大きさは、84′についての場合よりも84′″で示す金ろう付け侵入度の方が高い。したがって、金ろう付けの最小侵入度を維持するだけでなく金ろう付けの一定侵入度を維持することが望ましい。本発明の新規な特徴は、84′″に隣接して示されたカウンタボア又は端ぐり部94が設けられていることにある。このカウンタボア94は、毛管作用及び他の要因を妨げることにより金ろう侵入量を制限する。これは、金ろうの一定の侵入を達成する実用的な手法である。というのは、気密端子50及び次の金ろう付けの製造中、もしそうでなければ、金ろう侵入量が可変だからである。例えば毛管作用、表面張力、ジグ心合せ及び寸法可変性のようなことは全て、金ろう侵入量に悪影響を及ぼす。したがって、図4に示すような新規なカウンタボア94は、金ろう侵入量が限定されると共に一定であるようにする。金ろうが実際にカウンタボア94の内部に入り込んで濡らしても構わない。というのは、この領域は、ピン56のすぐ近くに位置していないからである(空隙が、迷走キャパシタンスの蓄積を阻止する)。したがって、本発明の新規な特徴は、図示のようにカウンタボア94による上述の金ろう侵入の制御である。金ろう84′,84″,84′″は例示に過ぎないことは注目されるべきである。上述の説明は、リード線52,54に当てはまる。例えば、リード線52,54における接地に対する追加のキャパシタンスは、追加のEMI濾波作用をもたらし、これは、通常のペースメーカセンシング及びペーシング回路にとって望ましい。したがって、カウンタボア94は、RFテレメトリピンアンテナ56にとって特に望ましく且つ特に適用できる。当業者には明らかなこととして、他の幾何学的形状の構造も又、金ろう侵入量を制限すると共に制御するために使用できる。
【0035】
図5及び図6は、図3及び図4の双極貫通コンデンサの接地電極板74とアクティブな電極板90の両方を示している。接地電極板は、図5に示されていて、符号74が付けられている。当該技術分野においては周知のように、かかる接地電極板は、1つ、2つ又は100個を超えて設けられる場合がある。これと対応して、アクティブな電極板90は、図6に示されている。アクティブな電極板90は、上述の接地電極板74相互間に交互に配置されている。EMIフィルタコンデンサ70を形成するのは、アクティブな電極板90と接地電極板74のオーバラップ部分である。再び図5を参照すると、RFテレメトリピンアンテナ56の導電性遮蔽体60は、導電性材料86を介して複数個の接地電極板74の内周部金属被覆88に電気的に接続されている。図6を参照すると、RFテレメトリピンアンテナ56と関連したアクティブな電極板90は設けられていないことが分かる。
【0036】
以下の図の説明においては、種々の実施形態に共通の機能的に等価な部品は、同一の参照符号で示されている。
【0037】
図7は、植込み型医療器具のハウジング内に設けられた電気部品、回路板又は回路基板への接続部の別の作製法を示している。この場合、RFテレメトリピンアンテナ56は、回路取り付け箇所、例えばワイヤボンドパッド62に取り付けられている。接続部66は代表的には、超音波接着又は熱的ワイヤボンディング、はんだ、導電性接着剤等で構成されている。しかしながら、図7は、RFテレメトリピンアンテナ56を包囲した導電性遮蔽体60が第2のワイヤボンドパッド96に接続されている点で図3とは異なっている。これにより、回路板64の好都合なRF接地が可能であり、しかも、導電性遮蔽体60が2つの場所で終端される。即ち、導電性遮蔽体60は、貫通コンデンサ70の接地電極板74に終端接続されると共に回路板接続箇所96にも終端接続されている。これにより、導電性遮蔽体60のRF遮蔽効率が向上する。接続部98は、接続部66に非常に似ており、はんだ、熱硬化性導電性接着剤等で達成できる。一般的には、もし導電性遮蔽体60が純金でできていなければ、この導電性遮蔽体60について超音波接着又はサーマルソニックワイヤボンディングを行うことは可能ではないであろう。植込み型医療器具、例えば心臓ペースメーカでは、回路板64又は基板へのRF接地を必要とすることが極めて一般的である。一例は、ハウジング又は缶が他方の電極となる双極ペーシングモードにある。別の例は、ハウジング又は缶がショック電極のうちの一方(高温缶)になる場合のある或る特定のICD形態にある。この目的のため、多くの器具設計では、ピンを植込み型器具のチタン製ハウジングの内部に溶接することが必要であり、この場合、このピンを次に回路板又は基板に配線する。この目的のためにRFテレメトリピンアンテナ56の導電性遮蔽体60を用いることは、これにより、かかるピンをAIMDのハウジングの内部に溶接する二次的工程が不要になるので有利である。したがって、回路トレース100を回路接地方式において種々の目的に用いることができる。この点に関し、回路トレース68,100をハイブリッド回路又はチップに配線するのがよい。これをワイヤボンドパッド箇所62,96の近くに設けてRFテレメトリピンアンテナ56を介して入る場合のある迷走EMI信号の再放射を最小限に抑えることが望ましい。
【0038】
図8は、導電性遮蔽体60を貫通コンデンサ70に接地する別の方法を示している。この場合、コンデンサの接地金属被覆72′は、RFテレメトリピンアンテナ56の導電性遮蔽体60がセラミック製コンデンサに至る領域を有するようコンデンサ70の端部全体上に延びている。この場合、導電性遮蔽体60が貫通コンデンサ70の内周部穴内へ下方へ侵入することは必要ではない。これとは異なり、電気接続部102が、導電性遮蔽体60とコンデンサの金属被覆72′との間に形成されている。この電気接続部102は、はんだ、ろう、熱硬化性導電性接着剤等で構成されたものであるのがよい。
【0039】
図9は、導電性遮蔽体60にRF接地をもたらす更に別の変形実施形態を示している。この場合、プレス加工金属フレーム104が、気密端子50のフェルール76上に配置されてこれに電気的に接続されている。電気接続部92は、代表的には、はんだ、ろう、溶接、熱硬化性導電性接着剤等で構成されている。電気接続部102は、RF接地を可能にする目的で、RFテレメトリピンアンテナ56の導電性遮蔽体60を導電性フレーム104に接続している。当業者に明らかなように、金属フレーム104は、多くの寸法形状を取ることができる。
【0040】
図10は、RFテレメトリピンアンテナ56の上述の導電性遮蔽体60を終端接続し又はこれにRF接地をもたらす更に別の方法を示している。双極貫通コンデンサ70が両端部に接地終端部72を有していることが分かる。この場合、コンデンサ70は、これがRFテレメトリピンアンテナ56を包囲する導電性遮蔽体60に当接するよう短くされている。コンデンサ70の接地電極終端部72へのRF接地取り付け部をもたらす電気接続部102が形成されている。この材料は、はんだ、導電性熱硬化性材料等であるのがよい。コンデンサの金属被覆72と気密端子50のフェルール76との間に追加の接地接触箇所92を設けることは、望ましい特徴である。この理由は、多数の箇所に低インピーダンスRF接地をもたらすことにある。接地システムに生じるインダクタンスが高過ぎる場合、RFテレメトリピンアンテナ56を包囲している導電性遮蔽体60は、有効なものにはならないであろう。
【0041】
図11〜図15は、本発明を具体化したEMI濾波端子50の別の変形実施形態を示している。これら変形実施形態は、RFテレメトリピンアンテナ56、絶縁管58、導電性遮蔽体60、コンデンサ70、接地終端部72及び追加の接地接触箇所92の種々の構造を提供する。
【0042】
図13は、誘電材料を全て取り除いた状態の図11のコンデンサを示している。これにより、コンデンサの接地電極板74が現場にある状態で見ることができる。理解できるように、コンデンサの電極板74とフェルール76との間の接地接続部72は、4つの場所に達成されている。これにより、非常に低いインピーダンスの接地接続部が得られる。また、理解できるように、導電性遮蔽体60は内周部金属被覆88に終端接続されていて、非常に低いインピーダンスのRF接地が得られている。
【0043】
図16は、デュアルインライン型8ピンEMI濾波気密端子50を示す別の実施形態である。8ピンは、先行技術の方法に従って濾波される。RFテレメトリピンアンテナ56に相当する9番目のピンは、本発明の絶縁管58及び導電性遮蔽体60を有している。
【0044】
図17は、図16に類似しており、この図17は、図16の17−17線矢視切除断面図であり、導電性遮蔽体60へのコンデンサ70の内部接地電極板74の取り付け方を示している。この場合、デュアル接地電極板74は、米国特許第5,978,204号明細書に従って示されている。
【0045】
図18は、強化ポリイミド管材料106を示している。図19に示すように、代表的な構造は、基板層108、編組又はコイル状金属層110及び外側層112から成っている。基板108及び外側層112は、絶縁性であり、埋め込み状態の編組又はコイル状層110は、導電性金属である。もっとも一般的な編組コイル110の材料は、304Vステンレス鋼である。他の金属材料も又使用できる。埋め込み編組コイル110は、本発明に従ってRFテレメトリピンアンテナ56のRF遮蔽を達成する。内周(ID)は、0.010インチ(0.254mm)という小さいものであるのがよい。FEP及びPTFE被膜をID、外周部(OD)又はこれら両方に追加して滑らかさを向上させて強化ポリイミド管材料106をRFテレメトリピンアンテナ56上に滑らせて嵌めるのを容易にするのがよい。貫通コンデンサ70の内周部接地電極板74の終端部88への接地(別の言い方として、遮蔽体終端接続と呼ばれている)が好ましい(又は、本明細書において先に説明したような他の接地法)。これは、“b”でマーク付けされた領域の外側層112の僅かな量を化学的又は機械的に除去して実際の埋め込み状態の金属編組又はコイル材料110を露出させる工程を含む。導電性熱硬化性接着剤等で構成された電気接続部86を用いて露出状態の編組材料110への接続を行うのがよい。これに似た手順を用いて接地回路をAIMDの回路板又は基板に取り付けるのがよい(図7の取り付け箇所98を比較参照のこと)。
【0046】
図20は、市販の絶縁管58がRFテレメトリピンアンテナ56に嵌められた変形実施形態を示している。この場合、中実金属管114、例えば軟質銅管を図示のように絶縁管58上にこれに沿って滑らせて嵌める。
【0047】
図21及び図22は、中実金属管114に代えて、それぞれ管状巻付け線ストランド116又は管状巻き箔150又は世界中において遮蔽ケーブルに一般に用いられている他のこれらと等価の材料を用いている点を除き、図20とほぼ同じである。
【0048】
図23は、巻き遮蔽体ワイヤに代えて交差編組遮蔽体ワイヤ118を示している(図21を比較参照のこと)。交差編組遮蔽体118は、図24に細部が示されており、編組ワイヤをどのように織成するかが分かる。
【0049】
図25は、図10の25−25線矢視断面図である。これは、カウンタボア94を用いて金ろう侵入深さ84′を制御する別の方法を示している。上述したように、金ろう侵入量を制御して高過ぎる分布キャパシタンスがRFテレメトリピンアンテナ56とこれを包囲した金属フェルール76との間に発生するのが阻止されるようにすることが重要である。絶縁体82は一般に空気よりも誘電率が比較的高いので、このことが重要である。また、分布キャパシタンスの量を制限するだけでなく、RFテレメトリ回路及びアンテナに対して適切な伝送ライン整合が得られるようこれが一定であるようにすることも重要である。
【0050】
同様に、図26及び図27も又、ピンボア侵入深さを制御する別の方法を示している。図26は、リード線に設けられていて、毛管作用を妨害し、金ろうが流れるのを阻止する新規な計画120を示している。これと同様に、図27のスエッジ(swadge)領域122又はバンプ(こぶ)は、同じことを達成する。当業者には明らかなように、高温真空ろう付け炉内で金ろうの侵入を慎重に止めたり制御するには多くの方法がある。
【0051】
図28は、RF端子ピンが56の周りに設けられた気密シール又は絶縁体82bが体組織に接続されたリード線52,54を包囲している1つ以上の他の気密シール又は絶縁体82aから別個独立のものとして示されているAIMD、例えば心臓ペースメーカの等角図である。単極RFテレメトリピン56が、図28に示されている。
【0052】
図29は、図28の29−29線矢視断面図である。RFテレメトリピン56は、AIMDの内部回路に配線された状態で示されている。また、本発明の新規な遮蔽体60が示されており、この遮蔽体は、材料86を用いて気密端子金ろう84に電気的に接続されている。金ろう84は、フェルール76bを絶縁体82bに接続している。この図には示されていないが、リード線52,54は、RFテレメトリピン56と関連したフェルール76b及び絶縁体82bとは別個独立の絶縁体及びフェルールを貫通している。このように、遮蔽体60は、AIMDのハウジング全体に接地されている。これにより、連続電磁遮蔽体又は接地平面が形成され、したがって、RFテレメトリピン56に重畳されたEMIがAIMD内の敏感な回路から逃げ出ることができず又は再放射できないようになっている。本発明の遮蔽体60のうちどれも、所望の遮蔽作用を達成するために上述の単極端子と共に利用できる。また、明らかなように、多くのブラケットを用いて本発明の電気接続材料86に取って代わるようにしてもよい。
【0053】
また、理解できるように、リード線52,54は、AIMDの内部電子回路と関連している。上述したように、これらリード線は、適当な刺激パルスを体組織に送り出すよう配線されるよう設計されている。同じリード線も又、体内の生物学的機能を検出するよう使用される。例えば、心臓ペースメーカの場合、リード線52,54は、心臓リズムを検出するために使用できる。かかる心臓リズムが通常でない場合、リード線52,54は、ペーシングリードとなることができ、それにより電気的刺激を心組織に与えて洞調律を回復させる。本明細書においては、貫通コンデンサがかかるリード線と関連して望ましくない電磁干渉がAIMDの内部に入ってその電子回路を妨害する前にかかる望ましくない電磁干渉を切り離す先行技術のEMIフィルタが記載されている。貫通コンデンサの使用に代わる手段は、本発明の原理を利用してハウジングの内部に設けられたリード線52,54を遮蔽することである。これは、遮蔽組立体60も又、リード線52,54上に配置されることを除き、図29に示す遮蔽組立体と同一の遮蔽組立体である(絶縁管材料を含む)。このように、リード線52,54は、AIMD内の電子回路に安全に配線でき、この場合、EMIがAIMD内の他の領域を再放射し又はこれに結合する恐れがない。これにより、これらリード線52,54の終端部のところで回路板又は基板に設けられたEMIフィルタを用いることが必要である。即ち、EMIは依然として、ペースメーカセンシング回路に入ろうとする。しかしながら、先行技術においては、電子受動式又はローパスフィルタをその箇所に用いてEMIがペースメーカ感知回路に入らないようにすることは、周知である。
【0054】
種々の実施形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく種々の改造を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】先行技術のアクティブな植込み型医療器具、例えば心臓ペースメーカの等角図である。
【図2】図1の2−2線矢視断面図である。
【図3】遮蔽されたRFテレメトリピンを含む双極EMI濾波端子の斜視図である。
【図4】図3の4−4線矢視拡大断面図である。
【図5】図4の5−5線矢視断面図であり、貫通フィルタコンデンサ内の接地電極板の構造を示す図である。
【図6】図4の6−6線矢視断面図であり、コンデンサ内のアクティブな電極板の構造を示す図である。
【図7】図3に示す図と類似した部分斜視図であり、AIMDのハウジング内に設けられた電気部品又は回路基板への別の接続法を示す図である。
【図8】図3と類似した斜視図であり、RFテレメトリピンワイヤ遮蔽体を貫通コンデンサに接地する別の方法を示す図である。
【図9】図3と類似した斜視図であり、RFピン遮蔽体へのRF接地を可能にする更に別の実施形態を示す図である。
【図10】RFピンの遮蔽体へのRF接地をもたらす更に別の方法を示す図である。
【図11】図3に類似した斜視図であり、EMIフィルタ端子及び遮蔽型テレメトリピンの任意的な構造を示す図である。
【図12】図3と類似した斜視図であり、EMIフィルタ端子及び遮蔽型テレメトリピンの任意的な構造を示す図である。
【図13】図3に類似した斜視図であり、EMIフィルタ端子及び遮蔽型テレメトリピンの内部電極構造を示す図である。
【図14】図3に類似した斜視図であり、EMIフィルタ端子及び遮蔽型テレメトリピンの更に別の任意的な構造を示す図である。
【図15】図14の15−15線矢視断面図である。
【図16】本発明の更に別の実施形態の斜視図であり、本発明の9番目の遮蔽型テレメトリピンを有するデュアルインライン型8ピンEIM濾波端子を示す図である。
【図17】図16に類似した図であり、図16の17−17線矢視部分断面図を含む図である。
【図18】遮蔽型テレメトリピンに用いることができる強化ポリイミド管材料の斜視図である。
【図19】図18の19−19線矢視断面図である。
【図20】図18に類似した斜視図であり、市販の絶縁管材料がRFテレメトリリード線上にこれに沿って嵌められ、この組立体を次に軟質銅管に配置する変形実施形態を示す図である。
【図21】図20に類似した斜視図であり、図20の中実金属管に代えて巻付け線ストランドが用いられている状態を示す図である。
【図22】図20に類似した斜視図であり、図20の中実金属管に代えて巻き箔管が用いられている状態を示す図である。
【図23】図21に類似した斜視図であり、巻付け線遮蔽体に代えて編組線遮蔽体が用いられている状態を示す図である。
【図24】図23の領域22の拡大部分斜視図であり、編組線をどのように織成するかを示す図である。
【図25】図10の25−25線矢視断面図である。
【図26】図25の26−26線で囲んだ領域の拡大部分断面図であり、リード線に設けられていて、リード線を下るろう材料の流れを制限する切欠きが用いられている状態を示す図である。
【図27】図26に類似した断面図であり、リード線に設けられていて、隣接の金ろう材料の流れを制御するスエッジ(swadge)領域又はバンプが用いられている状態を示す図である。
【図28】本発明のRFテレメトリピンの新規な遮蔽体を具体化したアクティブな植込み型医療器具の等角図である。
【図29】図28の29−29線矢視断面図である。
【符号の説明】
【0056】
30 先行技術のアクティブな植込み型医療器具(AIMD)
32 ハウジング
42 RFテレメトリピン
46 貫通コンデンサ
50 双極電磁干渉(EMI)端子組立体
52,54 リード線
56 RFテレメトリピン
58 絶縁管
60 導電性遮蔽体
62 ワイヤボンドパッド
64 回路板又は基板
70 双極貫通コンデンサ
72 接地終端部
82 アルミナ絶縁体
94 カウンタボア
102 金属被覆
106 ポリイミド管材料
114 中実金属管
116 管状巻付け線ストランド
118 管状編組線
150 管状巻き箔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブな植込み型医療器具(AIMD)用の端子組立体であって、
前記AIMD用のハウジングと、
ハウジングを貫通して非導通関係をなして延びる無線周波(RF)テレメトリピンと、
前記RFテレメトリピンの一部を覆って非導通関係をなして延びる導電性遮蔽体とを有し、前記導電性遮蔽体は、前記AIMDと関連した接地用導体に導通可能に結合されている、組立体。
【請求項2】
前記ハウジングは、接地平面を有する、請求項1記載の組立体。
【請求項3】
前記接地平面は、導電性フェルールから成る、請求項2記載の組立体。
【請求項4】
貫通コンデンサを有し、該貫通コンデンサは、第1の組をなす電極板及び前記ハウジングに導通可能に結合された第2の組をなす電極板を備えた貫通コンデンサと、前記第1の組をなす電極板と導通関係をなして前記コンデンサ内へ延びるリード線と、前記貫通コンデンサの外面の少なくとも一部を覆う導電性金属被膜とを有し、前記金属被膜は、前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合されると共に前記ハウジングに導通可能に結合されている、請求項1記載の組立体。
【請求項5】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体は、前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合されている、請求項4記載の組立体。
【請求項6】
前記貫通コンデンサの前記金属被膜は、前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に導通可能に結合されている、請求項5記載の組立体。
【請求項7】
前記金属被膜は、はんだ、ろう又は熱硬化性導電性接着剤によって前記導電性遮蔽体に導通可能に結合されている、請求項6記載の組立体。
【請求項8】
前記貫通コンデンサの前記外面の一部を覆うと共に前記ハウジング及び前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に導通可能に結合された導電性金属フレームを更に有する、請求項5記載の組立体。
【請求項9】
前記AIMDは、心臓ペースメーカ、心臓感知システム、植込み型除細動器、うっ血性心不全器具、聴覚インプラント、人工内耳、神経刺激器、薬剤ポンプ、補助心臓、インスリンポンプ、脊髄電気刺激器、植込み型検出システム、深部脳刺激器、人工心臓、失禁用具、迷走神経刺激器、骨成長刺激器、胃ペースメーカ、又は人工器官から成る、請求項1記載の組立体。
【請求項10】
前記RFテレメトリピンと前記導電性遮蔽体との間に設けられた絶縁管を更に有する、請求項1記載の組立体。
【請求項11】
前記絶縁管は、コバール(Kovar)又はポリイミド、例えばプラスチック、テフロン(登録商標)(Teflon)又はシリコーン、或いは導電性熱収縮管材料で構成されている、請求項10記載の組立体。
【請求項12】
前記導電性遮蔽体は、金、銅、ニッケル又は他の適当な電磁遮蔽材料から成る、請求項1記載の組立体。
【請求項13】
前記導電性遮蔽体は、中実金属管、巻付け線管、編組線管又は巻き箔管から成る、請求項1記載の組立体。
【請求項14】
巻付け線材料又は編組線材料は、304Vステンレス鋼から成る、請求項13記載の組立体。
【請求項15】
前記RFテレメトリピンに導通可能に結合された回路板又は基板を更に有する、請求項1記載の組立体。
【請求項16】
前記RFテレメトリピンは、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記回路板又は基板のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項15記載の組立体。
【請求項17】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体は、前記回路板又は基板のための接地用導体に導通可能に結合されている、請求項15記載の組立体。
【請求項18】
前記基板に設けられていて、前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に導通可能に結合された第2のワイヤボンドパッドを更に有する、請求項16記載の組立体。
【請求項19】
前記導電性遮蔽体は、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記第2のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項18記載の組立体。
【請求項20】
前記ハウジングに機械的に結合されていて、前記RFテレメトリピンを非導通状態で挿通させた端子絶縁体を更に有する、請求項1記載の組立体。
【請求項21】
前記RFテレメトリピンの周りで前記端子絶縁体に設けられていて、前記ハウジングと前記RFテレメトリピンとの間の分布キャパシタンスを制限するカウンタボアを更に有する、請求項20記載の組立体。
【請求項22】
前記端子絶縁体内で前記RFテレメトリピンに設けられた切欠き又はスエッジを更に有する、請求項21記載の組立体。
【請求項23】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に被着された外部絶縁層を更に有する、請求項4記載の組立体。
【請求項24】
前記外部絶縁層は、ポリイミド管材料から成る、請求項23記載の組立体。
【請求項25】
前記導電性遮蔽体は、結合の時点で前記外部絶縁層の一部を除去することにより前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合される、請求項23記載の組立体。
【請求項26】
アクティブな植込み型医療器具(AIMD)用の電磁干渉(EMI)フィルタ端子組立体であって、
前記AIMDのためのハウジングと関連した導電性接地平面と、
第1の組をなす電極板及び前記接地平面に導通可能に結合された第2の組をなす電極板を備えた貫通コンデンサと、
前記第1の組をなす電極板と導通可能な関係をなして前記コンデンサ内へ延びるリード線と、
非導通関係をなして前記ハウジングを貫通して延びる無線周波(RF)テレメトリピンと、
非導通関係をなして前記RFテレメトリピンの一部を覆って延びる導電性遮蔽体とを有し、前記導電性遮蔽体は、前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合されている、組立体。
【請求項27】
前記RFテレメトリピンと前記導電性遮蔽体との間に設けられた絶縁管を有する、請求項26記載の組立体。
【請求項28】
前記貫通コンデンサの外面の少なくとも一部を覆う導電性金属被膜を更に有し、前記金属被膜は、前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合されると共に前記接地平面に導通可能に結合されている、請求項26記載の組立体。
【請求項29】
前記貫通コンデンサの前記金属被膜は、前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に導通可能に結合されている、請求項28記載の組立体。
【請求項30】
前記金属被膜は、はんだ、ろう又は熱硬化性導電性接着剤によって前記導電性遮蔽体に導通可能に結合されている、請求項29記載の組立体。
【請求項31】
前記AIMDは、心臓ペースメーカ、心臓感知システム、植込み型除細動器、うっ血性心不全器具、聴覚インプラント、人工内耳、神経刺激器、薬剤ポンプ、補助心臓、インスリンポンプ、脊髄電気刺激器、植込み型検出システム、深部脳刺激器、人工心臓、失禁用具、迷走神経刺激器、骨成長刺激器、胃ペースメーカ、又は人工器官から成る、請求項26記載の組立体。
【請求項32】
前記絶縁管は、コバール(Kovar)又はポリイミド、例えばプラスチック、テフロン(登録商標)(Teflon)又はシリコーン、或いは導電性熱収縮管材料で構成されている、請求項27記載の組立体。
【請求項33】
前記導電性遮蔽体は、金、銅、ニッケル又は他の適当な磁気遮蔽材料から成る、請求項26記載の組立体。
【請求項34】
前記導電性遮蔽体は、中実金属管、巻付け線管、編組線管又は巻き箔管から成る、請求項26記載の組立体。
【請求項35】
巻付け線材料又は編組線材料は、304Vステンレス鋼から成る、請求項34記載の組立体。
【請求項36】
前記RFテレメトリピンに導通可能に結合された回路板又は基板を更に有する、請求項26記載の組立体。
【請求項37】
前記RFテレメトリピンは、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記回路板又は基板のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項36記載の組立体。
【請求項38】
前記回路板又は基板は、第2のワイヤボンドパッドを有し、前記導電性遮蔽体は、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記第2のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項37記載の組立体。
【請求項39】
前記貫通コンデンサの一部を覆っていて、前記接地平面及び前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に導通可能に結合された導電性金属フレームを更に有する、請求項26記載の組立体。
【請求項40】
前記ハウジングに機械的に結合されていて、前記RFテレメトリピンを非導通状態で挿通させた端子絶縁体と、前記RFテレメトリピンの周りで前記端子絶縁体に設けられていて、前記ハウジングと前記RFテレメトリピンとの間の分布キャパシタンスを制限するカウンタボアとを更に有する、請求項26記載の組立体。
【請求項41】
前記端子絶縁体内で前記RFテレメトリピンに設けられた切欠き又はスエッジ(swadge)を更に有する、請求項40記載の組立体。
【請求項42】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に被着された外部絶縁層を更に有する、請求項26記載の組立体。
【請求項43】
前記外部絶縁層は、ポリイミド管材料から成る、請求項42記載の組立体。
【請求項44】
前記導電性遮蔽体は、結合の時点で前記外部絶縁層の一部を除去することにより前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合される、請求項42記載の組立体。
【請求項45】
アクティブな植込み型医療器具(AIMD)用の端子組立体であって、
前記AIMDのためのハウジングと関連した導電性接地平面と、
前記ハウジングと非導通関係をなして第1の端子絶縁体を貫通して前記AIMD内に延びるリード線と、
前記ハウジングと非導通関係をなして第2の端子絶縁体を貫通して延びる無線周波(RF)テレメトリピンと、
前記RFテレメトリピンの一部を覆って設けられていて、前記導電性接地平面に導通可能に結合された導電性遮蔽体とを有する、組立体。
【請求項46】
前記リード線の一部を覆って設けられていて、前記導電性接地平面に導通可能に結合された導電性遮蔽体を更に有する、請求項45記載の組立体。
【請求項47】
前記第2の端子絶縁体と関連した導電性フェルールを有する、請求項45記載の組立体。
【請求項48】
前記RFテレメトリピンに導通可能に結合された回路板又は基板を更に有する、請求項45記載の組立体。
【請求項49】
前記RFテレメトリピンは、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記回路板又は基板のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項48記載の組立体。
【請求項50】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体は、前記回路板又は基板のための接地用導体に導通可能に結合されている、請求項48記載の組立体。
【請求項51】
前記RFテレメトリピンと前記導電性遮蔽体との間に設けられた絶縁管を更に有する、請求項45記載の組立体。
【請求項52】
前記絶縁管は、コバール(Kovar)又はポリイミド、例えばプラスチック、テフロン(登録商標)(Teflon)又はシリコーン、或いは導電性熱収縮管材料で構成されている、請求項51記載の組立体。
【請求項53】
前記導電性遮蔽体は、金、銅、ニッケル又は他の適当な磁気遮蔽材料から成る、請求項45記載の組立体。
【請求項54】
前記導電性遮蔽体は、中実金属管、巻付け線管、編組線管又は巻き箔管から成る、請求項45記載の組立体。
【請求項55】
巻付け線材料又は編組線材料は、304Vステンレス鋼から成る、請求項54記載の組立体。
【請求項56】
前記RFテレメトリピンは、熱的接着、超音波接着、はんだ付け又は導電性接着剤によって前記第1のワイヤボンドパッドに導通可能に結合されている、請求項49記載の組立体。
【請求項57】
前記第2の端子絶縁体に設けられていて、前記ハウジングと前記RFテレメトリピンとの間の分布キャパシタンスを制限するカウンタボアを更に有する、請求項45記載の組立体。
【請求項58】
前記端子絶縁体内で前記RFテレメトリピンに設けられた切欠き又はスエッジ(swadge)を更に有する、請求項40記載の組立体。
【請求項59】
前記RFテレメトリピンの前記導電性遮蔽体に被着された外部絶縁層を更に有する、請求項45記載の組立体。
【請求項60】
前記外部絶縁層は、ポリイミド管材料から成る、請求項59記載の組立体。
【請求項61】
前記導電性遮蔽体は、結合の時点で前記外部絶縁層の一部を除去することにより前記第2の組をなす電極板に導通可能に結合される、請求項59記載の組立体。
【請求項62】
第1の電極板及び前記ハウジングに導通可能に結合された第2の組をなす電極板を備えた貫通コンデンサを有し、前記リード線は、前記第1の組をなす電極板と導通関係をなして前記コンデンサ内に延びている、請求項45記載の組立体。
【請求項63】
前記AIMDは、心臓ペースメーカ、心臓感知システム、植込み型除細動器、うっ血性心不全器具、聴覚インプラント、人工内耳、神経刺激器、薬剤ポンプ、補助心臓、インスリンポンプ、脊髄電気刺激器、植込み型検出システム、深部脳刺激器、人工心臓、失禁用具、迷走神経刺激器、骨成長刺激器、胃ペースメーカ、又は人工器官から成る、請求項45記載の組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2006−297079(P2006−297079A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−81734(P2006−81734)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(505372952)グレートバッチ シーラ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】