説明

アクロレインの製造方法およびアクロレイン誘導体の製造方法

【課題】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料に用いた新規なアクロレインを製造する方法及び該アクロレインを用いたアクロレインの誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料とし、気相脱水反応によりアクロレインを製造することを特徴とする製造方法及び3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物を原料とするアクロレインの製造方法及び該アクロレインを用いたアクロレインの誘導体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料に用いてアクロレインを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アクロレインは、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、メチオニン、アクリル酸、3−メチルプロピオンアルデヒド、吸水性樹脂等のアクロレイン誘導体の原料として使用される有用な化合物である。
【0003】
アクロレインは、プロピレンを原料にMo及びBiを含む触媒を用いた接触気相酸化反応により、広く工業的に製造されている。一方、近年、グリセリンを原料とする酸触媒を用いた脱水反応によるアクロレイン製造方法及びアクロレイン誘導体の製造方法が開示されている。
【0004】
例えば、グリセリンからのアクロレインの製造方法としては、酸強度関数Hが+2以下の固体酸触媒(例えば、燐酸を酸化アルミニウム担体に担持させたもの)とグリセリンを10〜40質量%含有するグリセリン/水混合物とを250℃〜340℃の条件で接触させる方法(特許文献1参照)や、酸強度関数Hが−9〜−18の固体強酸性触媒を使用する方法(特許文献2参照)等が開示されている。
【0005】
また、グリセリンからのアクロレイン誘導体の製造方法としては、グリセリンの脱水反応により得られたアクロレインを経由する1,3−プロパンジオールおよび1,2プロパンジオールの製造方法(特許文献3参照)や、グリセリンの気相脱水反応組成物を気相酸化することによるアクリル酸の製造方法(特許文献4参照)、グリセリンからのアクロレインを経由して、更に公知の気相酸化反応によりアクリル酸とし、さらに公知の方法による該アクリル酸から吸水性樹脂の製造方法(特許文献5参照)等が開示されている。
【0006】
上記アクロレイン及び/又はアクロレイン誘導体の製造方法において、植物油からのバイオディーゼルの製造過程において副生するグリセリンの有効利用方法について記載されているが、近年、固体触媒を用いたバイオディーセル燃料の製造過程でグリセリンと同様に副生する3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの有効利用については記載されていなかった。
【0007】
更に、バイオディーゼル燃料の製造過程で副生する3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールは、グリセリンと脂肪酸アルキルエステルとを油水分離する際、主としてグリセリン側に分配されることからグリセリン品質の劣化を招く事が知られており(特許文献6参照)、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを含む組成物の有効利用方法が開発されることが望まれている。
【0008】
また、上述のようにグリセリンの脱水反応からアクロレインを得る製造方法は知られているが、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料に用いてアクロレインを製造する方法は知られていなかった。
【0009】
バイオディーゼル燃料の製造過程により副生物として得られる3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールからアクロレインを得ることができれば、バイオディーゼル燃料の製造における副生物の利用範囲を拡張するので、バイオディーゼル燃料の経済的価値を高めるとともに、従来の石油由来のプロピレンを主原料とするアクロレイン及びアクロレイン誘導体が、植物等の再生可能資源から得られることになり、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の増加を抑制できるという環境に優しい化学品が製造できることが期待される。
【0010】
【特許文献1】特開平06−211724号公報
【特許文献2】国際公開WO2006/087083号公報
【特許文献3】特開平06−192147号公報
【特許文献4】特開2005−213225号公報
【特許文献5】国際公開WO2006/092272号公報
【特許文献6】特開2007−169355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料に用いた新規なアクロレインを製造する方法及び該アクロレインを用いたアクロレインの誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料とする脱水反応によりアクロレインが得られることを見出した。また、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物を原料として気相脱水反応によりアクロレインが製造できることをも見出し本発明の完成に至った。
【0013】
即ち、前記課題を解決する手段として下記の方法を発明した。
【0014】
(1)3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料とするアクロレインの製造方法。
【0015】
(2)3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールガスと触媒とを接触させる気相脱水反応であることを特徴とする前記(1)記載のアクロレインの製造方法。
【0016】
(3)前記3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールが3−メトキシ−1,2−プロパンジオールである前記(1)又は(2)記載のアクロレインの製造方法。
【0017】
(4)3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物を原料とするアクロレインの製造方法
(5)3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物のガスと触媒とを接触させる気相脱水反応であることを特徴とする前記(4)記載のアクロレインの製造方法。
【0018】
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のアクロレインの製造方法を使用する工程を有するアクロレイン誘導体の製造方法。
【0019】
(7)前記アクロレイン誘導体が、アクリル酸である前記(6)記載のアクロレイン誘導体の製造方法。
【0020】
(8)前記アクロレイン誘導体が、吸水性樹脂である前記(6)記載のアクロレイン誘導体の製造方法。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、植物等の再生可能資源から得られる3−アルコキシ−1,2−プロパンジオール又は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを原料としてアクロレインを得ることができ、さらに該アクロレインを用いたアクロレインの誘導体が得られるので、温室効果ガスの一種である二酸化炭素の増加を抑制できるという環境に優しいアクロレイン及び/又はアクロレイン誘導体が製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一態様は、グリセリンを含まない3−アルコキシ−1,2−プロパンジオール組成物を原料にアクロレインを製造する方法である。より好ましくは3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを気化してガス状にし、該ガスを触媒と接触させる気相脱水反応によりアクロレインを製造する方法である。
【0023】
本発明で原料に使用する3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールは、精製品、粗製品、および水溶液の何れであっても良い。純度100%の3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールであっても良いし、水との混合物であっても良い。本発明に3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールと水の混合物を原料とする場合、水の含量は50質量%以下であることが好ましい。50質量%を超えると気化するために多大なエネルギーを要することになり、しかも廃水処理にも莫大なコストがかかるため経済的に不利となり、本発明のアクロレインの製造方法を工業的に実施する際の妨げになる。より好ましくは、水の含量が30質量%以下である。
【0024】
本発明に使用する3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとしては、例えば3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、3−エトキシ−1,2−プロパンジオール、3−プロポキシ−1,2−プロパンジオール、3−ブトキシ−1,2−プロパンジオール等が挙げられ、バイオディーゼルの製造の副生物として入手しやすい3−メトキシ−1,2−プロパンジオールが好ましい。
【0025】
本発明は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを気化してガス状にし、該ガスを触媒の存在下気相脱水反応によりアクロレインを製造する方法である。前記脱水反応に用いることのできる触媒としては固体酸触媒が挙げられる。例えば、(a)結晶性メタロシリケート、(b)金属酸化物、(c)粘土鉱物、(d)鉱酸を無機担体に担持させたもの、(e)リン酸や硫酸の金属塩およびそれらをα−アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機担体に担持したものが挙げられる。
【0026】
上記(a)の結晶性メタロシリケートとしては、Al、B、Fe、Ga等から選ばれる1種または2種以上の元素をT原子とし、かつ、LTA、CHA、FER、MFI、MOR、BEA、MTW等の結晶構造を有するものがある。上記(b)の金属酸化物としては、Al、TiO、ZrO、SnO、Vなどの単独金属酸化物;SiO−Al、SiO−TiO、TiO−WO、WO−ZrO等の複合酸化物;がある。上記(c)の粘土鉱物としては、ベントナイト、カオリン、モンモリロナイトなどがある。上記(d)の鉱酸を無機担体に担持させたものとしては、リン酸、硫酸等の鉱酸を、α−アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの無機担体に担持させたものがある。上記(e)のリン酸や硫酸の金属塩としては、MgSO、Al(SO、KSO、AlPO、Zr(PO等がある。
【0027】
また、他の固体酸触媒としてはWO2006/087083およびWO2006/087084に開示されている触媒(リン酸、硫酸または酸化タングステンを坦持している酸化ジルコニウム)等がある。
【0028】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの脱水反応や、固体酸触媒の再生処理においては、固体酸触媒が高温の酸化雰囲気または高温の還元雰囲気に曝される。そのため、上記例を挙げた中でも安定性が良い固体酸触媒を選択することが好適である。安定性の良い好適な固体酸触媒としては、結晶性メタロシリケート、金属酸化物および粘土鉱物が好適である。
【0029】
結晶性メタロシリケートを固体酸触媒として使用する場合、T原子がAlかつMFT構造のHZSM5は、特に好適な触媒である。HZSM5は、ハメットの酸強度関数Hにおいて−9および−16付近にピークを示す強酸性のメタロシリケートである。(「橋本健治他,触媒(1987),Vol.29,No.6,p.406−409」参照)。
【0030】
金属酸化物を固体酸触媒として使用する場合、リン酸アルミニウムは特に好適な触媒である。リン酸アルミニウムはこれを得るための調製方法やこの結晶系により異なるが、ハメットの酸強度関数Hが+1.5〜+4.8であって弱い酸性を示す(「坂本清子他,日本化学会誌(1995),9,p.681−688」参照)。
【0031】
前記リン酸アルミニウムは結晶構造を有する形態が好ましく、トリジマイト型、クリストバライト型、クオーツ型等の結晶構造を有するリン酸アルミニウムを選択することが更に好ましい。
【0032】
なお、結晶性リン酸アルミニウムは、オルトリン酸と水酸化アルミニウムからメタバリスカイト(AlPO・2HO)を調製し、得られたメタバリスカイトにリン酸水溶液を添加した後に乾燥し、該乾燥物を溶媒で処理することにより得られる。この時使用する溶媒を適宜選択すれば、トリジマイト型、クリストバライト型、クオーツ型を作り分けることが知られている。また、オルトリン酸と硝酸アルミニウムとを溶解させた水溶液にアンモニア水を加えて得られた沈殿物を1000℃以上で焼成すれば、トリジマイト型結晶を調製することができる。
【0033】
触媒の形状は、限定されるものではなく、球状、柱状、リング状、鞍状などの形状で使用することが好ましい。前述した物質が粉体状の場合には、その物質単独で成形しても良いし、アルミナゾルやシリカゾル等のバインダー成分を添加して成型しても良いし、既に成形された担体に含浸あるいは表面に塗布するなどして用いても良い。
【0034】
本発明は、固定床反応器、移動床反応器、流動床反応器などから任意に選択した反応器を使用することができ、簡便にアクロレインを製造できる固定床反応器を使用することが好ましい。
【0035】
触媒の活性が低下した場合、この触媒と再生用ガスとを高温で接触させれば、触媒を再生することができる。ここで、「再生用ガス」とは、酸素などの酸化性ガスを含むガスである。触媒と酸化性ガスを含む再生用ガスとを接触させる方法は、再生用ガスと反応器から取り出した触媒とを接触させる方法;グリセリンの脱水反応が行われる反応器と同じ反応器内に再生用ガスを流通させる方法;等、特に限定されない。後者の反応器内に再生用ガスを流通させる方法は、固定床反応器を使用してアクロレインを製造する場合に、反応器からの触媒の取り出し、および反応器への触媒の再充填などの手間がかからないので、推奨される。
【0036】
触媒の再生において酸素を酸化性ガスとして使用する場合、空気中の酸素を用いるのが安価である。また、窒素、二酸化炭素、水蒸気等の不活性ガスを酸素と同伴させても良い。特に、空気と触媒との接触により急激な発熱が懸念される場合には、酸素濃度を調整するために不活性ガスを用いる事が推奨される。触媒再生処理の前後において、再生処理系内に残存する余分な有機物、および触媒充填時に混入した酸素などを除去する目的で、窒素等の不活性ガスでパージしても良い。
【0037】
本発明のアクロレイン製造における気相脱水反応温度は、通常、反応器の温度制御のための熱媒等の設定温度を指す。当該温度は、触媒の活性変化および反応条件の変更に伴い、適宜変更されても良い。反応温度は、200〜500℃であると良く、好ましくは、250〜450℃、更に好ましくは、300〜400℃である。反応温度が低いと、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの転化率が低くなり実質的にアクロレインの生産量が実質的に低下するので好ましくない。また反応温度が高すぎると、アクロレインの収率が大幅に低下するので好ましくない。
【0038】
反応器入口における原料ガスの圧力は特に制限されず、反応装置の耐圧性などの経済的観点と触媒性能とのバランスに基づき、適宜設定される。この圧力は、通常0.1kPa以上であり、0.5kPa以上が好ましく、1kPa以上が更に好ましい。原料ガスの圧力の上限は、反応器入口における原料ガスが気体となっている限り制限されないが、通常1MPa以下であり、好ましくは500kPa以下であり、より好ましくは300kPa以下であり、更に好ましくは200kPa以下である。0.1kPa以下の圧力では、機密性の高い反応器などの設備費や製造装置の運転費用に見合うだけの効果が得られず、また、アクロレインの捕集が困難になる場合があるので、実質的にアクロレインの収率低下が起こることが懸念される。
【0039】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールと希釈ガス全量を含めた原料ガスの反応器入口における空間速度(以下において、「空間速度」と「GHSV」と称することがある)は、100〜10000hr−1であると良い。好ましくは、5000hr−1以下であり、アクロレインの製造を経済的かつ高効率で、行うためには、3000hr−1以下がより好ましい。
【0040】
前記原料ガス中における3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの濃度は、特に限定されず、0.1〜100モル%の範囲で選択することができ、工業的な生産性を鑑みると、1モル%以上が好ましく、5モル%以上がより好ましく、10モル%以上が更に好ましい。
【0041】
前記原料ガス中の希釈ガスとしては、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールからアクロレインを生成させる脱水反応に悪影響を与えなければ、凝縮性ガスおよび非凝縮性ガスから選択された一種または二種以上のガスを任意に使用できる。前記希釈ガスとして使用できる凝縮性ガスとしては、水蒸気が挙げられ、固体酸触媒の寿命とアクロレインの収率とに対して有利な効果があるので、希釈ガスとして好適である。一方の非凝縮性ガスは、常圧条件で0℃以下の沸点を有する化合物や単体のガスであり、例えば、窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気などの酸素含有ガス、ヘリウムなどの希ガスが挙げられる。また、凝縮性ガスと非凝縮性ガスとを両方用いてもよい。
【0042】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの気相脱水反応により得られたアクロレインガス組成物から、溶剤等で吸収或いは凝縮等によりアクロレインを回収した後の希釈ガス成分の一部または全量を、希釈ガスとしてリサイクルすることもできる。更に、アクロレインを用いてアクリル酸等のアクロレイン誘導体を製造し、得られたアクロレイン誘導体を吸収または凝縮により取り出した後の希釈ガス成分の一部または全量を、希釈ガスとしてリサイクルしても構わない。
【0043】
酸素などの酸化性ガスが希釈ガスとして含まれる場合、固体酸触媒上への炭素質物質の蓄積が軽減されることや、固体酸触媒の活性低下を抑制する効果が得られることがある。但し、酸化性ガスの量が多すぎると、燃焼反応によりアクロレインの収率低下が見られるため、好ましくない。原料ガス中に含まれる酸素量は、反応器入口における原料ガス中において20モル%以下(より好ましくは15モル%以下)、および3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールガス分圧の3.5倍以下のいずれか低い値以下であると好ましい。
【0044】
前記希釈ガスの種類及び量については、アクロレインを含有する脱水反応生成ガスを、必要に応じてアクロレインよりも高沸点の成分である水等を一部または全て除去した後に、引き続きアクリル酸等のアクロレイン誘導体の製造に用いる場合や、脱水反応にて生成したアクロレインの捕集を行う場合等、該アクロレイン捕集工程における捕集効率や、希釈ガス成分の種類、量、これらの組み合わせをアクロレイン誘導体の製造条件に合わせて適宜調整すればよい。
【0045】
また、反応器内への原料ガス供給の開始直後に、アクロレイン収率が低い若しくは安定しない場合がある(以下、このアクロレイン収率が低く安定しない期間を、「誘導期」と称することがある。)。この誘導期を短縮する為に、有機化合物を含むガスで前処理を行ってもよい。
【0046】
前記前処理を施す工程は、(I)未使用触媒を使用する前、(II)脱水反応工程後に再生処理を行った後で、反応原料ガスと接触させて脱水反応を行う前、のいずれでも良く、両方とも実施するのがより好ましい。
【0047】
前記前処理の方法は、脱水反応器外で実施してもよく、脱水反応器内に充填した状態で実施しても良い。前記(I)未使用触媒の場合には予め前処理を行った触媒を脱水反応器に充填してもよく、また脱水反応器に充填して該反応器内で前処理を実施した後、グリセリンを供給して脱水反応を行ってもよい。前記(II)再生処理工程を脱水反応器内で行う場合には触媒の抜出し・再充填の手間がない該反応器内で行うのが簡便であり、推奨される。また、これらを組み合わせて、予め脱水反応器外で前処理を施した未使用触媒を用いて脱水反応を行い、再生処理後は反応器内で行う等の方法で行うこともできる。
【0048】
前記前処理終了後から脱水反応開始前までの間に、窒素等の不活性ガスでパージしても良い。例えば、脱水反応器外の前処理器で前処理を行った場合には該前処理器およびまたは脱水反応器に該触媒を充填した状態で、脱水反応器内で前処理を行った場合には該脱水反応器内において、系内に残存する余分な有機物や触媒充填時に混入した酸素などを除去する目的で、窒素等でパージしても良い。
【0049】
前記前処理に用いられるグリセリン以外の有機化合物とは、構成する元素に少なくとも炭素と水素を含む化合物であればよく、グリセリンよりも安価であると、経済的に好ましい。
【0050】
前記前処理に用いる有機化合物は、気体、液体、混合ガス、溶液いずれでもかまわず、非有機化合物との混合物でも構わない。非有機化合物としては、例えば、気体であれば窒素、酸素、二酸化炭素、水蒸気、希ガス等、液体であれば水が例示される。
【0051】
前記前処理に用いられる有機化合物あるいは有機化合物との混合物(以下、両者をまとめて処理剤と称する事がある)と接触させる方法は、連続流通式、回分式、半回分式等、特に問わない。未使用触媒であれば、触媒調製の最終工程に前処理工程を行うこともできる。
【0052】
連続流通式では、所定の温度で処理剤を流通させて触媒と接触させる方法であり、処理剤中の有機化合物濃度が低い場合やガス状の処理剤を用いる場合、操作が簡便であり、推奨される。また、固体触媒を液状の処理剤に浸漬させて、固体触媒に処理剤を含ませた後、処理剤を排出あるいは固体触媒を処理剤から抜出して、処理剤を含んだ固体触媒を別途加熱しても良い。
【0053】
前記前処理において、固体触媒と処理剤とを接触させた状態で、100〜500℃、好ましくは150℃〜450℃の温度にすると良く、脱水反応器内で実施する場合は、脱水反応と同じ温度で実施するのが簡便である。接触させる処理剤が非有機化合物との混合物である場合、含有される有機化合物の濃度は特に問わないが、低すぎる場合には十分な効果を得るための処理時間がかかるので、通常、処理剤の全重量に対する全有機化合物の合計した重量の比であらわすと、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1質量%以上の濃度で行うことが推奨される。
【0054】
前処理における処理剤の量及び処理時間は、用いられる処理剤中の有機化合物の種類とその含有量および固体触媒の種類および量により異なるため、予めテストを行い適当な量および時間を求めておくのが好ましいが、固体触媒に対する処理に用いた処理剤中の固体触媒に接触した全有機化合物の重量の比であらわせば、0.0001倍〜100倍であると好ましく、0.001倍〜10倍であるとより好ましく、0.01倍〜5倍であると更に好ましい。固体触媒と処理剤とを接触させて所定温度範囲内で保持する時間は、1分間〜24時間であると好ましく、10分間〜12時間であるとより好ましい。
【0055】
本発明のもう一つの態様は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを含む組成物を原料としてアクロレインを製造する方法である。
【0056】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを含む組成物(以下、グリセリン組成物と称することがある)は、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを混合することにより得た組成物でも、バイオディーゼル燃料の製造過程で副生される天然資源由来のグリセリンと3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとを含む組成物を用いるのが好ましく、さらに該組成物には少量の水やメタノール、油脂等を含んでいても良い。
【0057】
前記グリセリン組成物中の3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンと割合は、モル比で3−アルコキシ−1,2−プロパンジオール:グリセリンで表せば、通常、0.01:99.99〜99.99:0.01であり、好ましくは0.1:99.9〜99.9:0.1であり、より好ましくは0.5:99.5〜99.5:0.5であり、更に好ましくは1:99〜99:1である。
【0058】
本態様であるグリセリン組成物を原料するアクロレインの製造を行う場合には、前記態様である3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料とするアクロレインの製造方法において、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを前記3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを含む組成物に置き換えることで達成される。
【0059】
また、本発明のもう一つの態様は、前記アクロレインの製造方法を使用する工程を有するアクロレイン誘導体の製造方法を含むものであり、特にアクロレインの接触気相酸化によるアクリル酸の製造方法に好適である。
【0060】
前記アクロレインの製造方法により得られたアクロレインを含む組成物は、そのままアクリル酸製造用原料として用いても良いが、該組成物中において、アクロレインの酸化反応に対して過剰の水蒸気や該酸化反応に好ましくない影響を及ぼすフェノールや1−ヒドロキシアセトンが大量に含まれている場合には、該組成物に精製工程を施してから、アクリル酸製造用原料に供するのが好ましい。
【0061】
本発明のアクリル酸を製造する酸化工程では、固定床反応器、移動床反応器等から任意に選択した酸化反応器内に触媒と精製工程後のアクロレイン含有組成物のガスとを共存させ、180〜350℃で、好ましくは200〜330℃でアクロレインを気相酸化させることで、アクリル酸が製造される。
【0062】
前記酸化反応で使用する触媒は、アクロレインまたはアクロレイン含有ガス、および分子状酸素又は分子状酸素を含有するガスを用いた接触気相酸化法によってアクリル酸を製造する場合に用いられる触媒であれば、特に限定されない。例えば、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化錫、および酸化銅等の金属酸化物の混合物;金属酸化物の複合物;を例示することができる。これら例示した触媒のうち、モリブデンおよびバナジウムが構成金属の主体となっているモリブデン‐バナジウム系触媒が好適である。また、触媒は、担体(例えば、ジルコニア、シリカ、アルミナ、およびこれらの複合物、並びに、炭化珪素)に前述の混合物および/または複合物を担持させたものであっても良い。
【0063】
アクロレインを含む組成物を原料とする気相酸化反応条件は、公知のアクロレインからのアクリル酸製造の条件に準ずるものでよく、具体的には、アクロレインを含む組成物および酸素と、ガスの濃度を調整するために本反応に不活性なガスを含んでなる反応原料ガスを用いるのが好ましい。酸素としては純酸素や酸素富化した空気等を用いても構わないが、空気中の酸素を用いるのが経済的に好ましい。不活性ガスには、水蒸気、窒素ガス、二酸化炭素を例示することができ、特に酸化反応組成物捕集後のガス、あるいは該ガス中の残留している有機物を燃焼させた後のガスを用いると、経済的により好ましい。水蒸気は一般的に有機物と酸素により形成される燃焼範囲を減縮させる効果が知られており、不活性ガスとして含まれているのが好ましい。
【0064】
上記酸化工程でアクリル酸が製造されるが、気相酸化工程で生成したアクリル酸は、気体のアクリル酸となる。このアクリル酸を回収するためには、アクリル酸を冷却または水等の溶剤に吸収させることができる吸収塔が用いられ、必要により、蒸留工程や晶析工程を設けることにより、精製されたアクリル酸を得ることが出来る。
【0065】
製造されたアクリル酸は、アクリル酸エステル、ポリアクリル酸等のアクリル酸誘導体の原料として使用可能であることは公知となっていることから、前記アクリル酸の製造方法を、アクリル酸誘導体の製造方法におけるアクリル酸製造工程にすることが可能である。
【0066】
そして、得られたアクリル酸を使用してポリアクリル酸を製造する場合、水溶液重合法や逆相懸濁重合法を使用して、吸水性樹脂として使用することができるポリアクリル酸を製造することができる。ここで、水溶液重合法は、分散溶媒を使用せずにアクリル酸水溶液中のアクリル酸を重合する方法であり、米国特許公報第4625001号、4873299号、4286082号、4973632号、4985518号、5124416号、5250640号、5264495号、5145906号、および5380808号、並びに、欧州特許公報第0811636号、0955086号、および0922717号等に開示されている。また、逆相懸濁重合法は、単量体であるアクリル酸の水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させる重合法であり、米国特許公報第4093776号、4367323号、4446261号、4683274号、および5244735号に開示されている。
【0067】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【実施例】
【0068】
(触媒調製例)
硝酸アルミニウム9水和物160gとイオン交換水800gとの溶液に、85質量%オルトリン酸49gを混合した。この混合溶液に28質量%アンモニア水96.7gを約50分間かけて滴下した後(当該滴下当初から、白色の沈殿物が生じた)、混合液を1時間撹拌した。次に、吸引濾過により混合液から分離した固形物(沈殿物)を洗浄した。洗浄は、固形物とイオン交換水800gとを混合した後、これを1時間撹拌し、次に1時間静置した後、吸引濾過により固形分を分離した。前記洗浄操作を3回繰り返した固形物を、120℃で空気雰囲気下一晩乾燥した後、1200℃で3時間、空気雰囲気下で焼成した。得られた固形物を破砕して、0.7〜1.4mmに分級することにより、触媒を得た。
【0069】
(実験例1)
80質量%の3−メトキシ−1,2−プロパンジオール水溶液を気化させたガスと、窒素から成る反応原料ガス(反応ガス組成:3−メトキシ−1,2−プロパンジオール30モル%、水38モル%、窒素32モル%)を調製した。
【0070】
5mlの上記触媒をステンレス製反応管(内径10mm、長さ500mm)に充填し、この反応器を360℃の溶融塩浴に浸漬し、上記反応原料ガスを反応器に流通させた。この時のGHSVは1500hr−1である。
【0071】
反応器内に反応器入口ガスを流通させてから0.5〜1時間、2.5〜3.0時間の間で30分間における流出ガスを冷却捕集(以下、「捕集した流出ガスの冷却液化物」を「流出物」と称する)し、ガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の同定および定量分析を行った。GCによる定性分析の結果、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトン、3−メトキシプロピオンアルデヒド、メトキシアセトンなどの副生成物が検出された。また、定量分析結果から、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール転化率、アクロレイン選択率、および3−メトキシプロピオンアルデヒド選択率、メトキシアセトン選択率を算出した。
【0072】
ここで、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール転化率は、(1−(捕集流出物中の3−メトキシ−1,2−プロパンジオールのモル数)/(30分間で反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールのモル数))×100、で算出される値である。また、アクロレイン選択率は、((アクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールのモル数))×100/3−メトキシ−1,2−プロパンジオール転化率×100、で算出される値であり、3−メトキシプロピオンアルデヒド選択率は、((3−メトキシプロピオンアルデヒドのモル数)/(30分間に反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールのモル数))×100/3−メトキシ−1,2−プロパンジオール転化率×100で算出される値であり、メトキシアセトン選択率は、((メトキシアセトンのモル数)/(30分間に反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールのモル数))×100/3−メトキシ−1,2−プロパンジオール転化率×100で算出される値である。
【0073】
反応結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
(実験例2)
実験例1において、原料を80質量%の3−メトキシ−1,2−プロパンジオール水溶液を80質量%のジエトキシ−2−プロパノール水溶液に変更し、反応原料ガス(反応ガス組成:ジエトキシ−2−プロパノール27モル%、水34モル%、窒素39モル%)を調製した。
【0076】
10mlの上記触媒を実験例1に示したステンレス製反応管に充填し、この反応器を360℃の溶融塩浴に浸漬し、上記反応原料ガスを反応器に流通させた。この時のGHSVは630hr−1である。
【0077】
実験例1と同様にガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の定性および定量分析を行った。GCによる定性分析の結果、ジエトキシ−2−プロパノール、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトン、1,3−ジエトキシプロピレン、アセトンなどの副生成物が検出された。また、定量分析結果から、ジエトキシ−2−プロパノール転化率、アクロレイン選択率、および1,3−ジエトキシプロピレン選択率、アセトン選択率を算出した。ここで、ジエトキシ−2−プロパノール転化率は、(1−(捕集流出物中のジエトキシ−2−プロパノールのモル数)/(30分間で反応器に流入させたジエトキシ−2−プロパノールのモル数))×100、で算出される値である。また、アクロレイン選択率は、((アクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させたジエトキシ−2−プロパノールのモル数))×100/ジエトキシ−2−プロパノール転化率×100、で算出される値であり、1,3−ジエトキシプロピレン選択率は、((1,3−ジエトキシプロピレンのモル数)/(30分間に反応器に流入させたジエトキシ−2−プロパノールのモル数))×100/ジエトキシ−2−プロパノール転化率×100で算出される値であり、アセトン選択率は、((アセトンのモル数)/(30分間に反応器に流入させたジエトキシ−2−プロパノールのモル数))×100/ジエトキシ−2−プロパノール転化率×100で算出される値である。
【0078】
反応結果を表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
(実験例3)
実験例1において、原料を80質量%の3−メトキシ−1,2−プロパンジオール水溶液を80質量%のグリセリンに変更し、反応原料ガス(反応ガス組成:グリセリン27モル%、水34モル%、窒素39モル%)を調製した。
【0081】
15mlの上記触媒を実験例1に示したステンレス製反応管に充填し、この反応器を360℃の溶融塩浴に浸漬し、上記反応原料ガスを反応器に流通させた。この時のGHSVは630hr−1である。
実験例1と同様にガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の定性および定量分析を行った。GCによる定性分析の結果、グリセリン、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトンが検出された。また、定量分析結果から、転化率、アクロレイン選択率、1−ヒドロキシアセトン選択率を算出した。ここで、グリセリン転化率は、(1−(捕集流出物中のグリセリンのモル数)/(30分間で反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100、で算出される値である。また、アクロレイン選択率は、((アクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100/グリセリン転化率×100、で算出される値であり、1−ヒドロキシアセトン選択率は、((1−ヒドロキシアセトンのモル数)/(30分間に反応器に流入させたグリセリンのモル数))×100/グリセリン転化率×100、で算出される値である。
【0082】
反応結果を表3に示す。
【0083】
【表3】

【0084】
(実験例4)
実験例1において、原料を80質量%の3−メトキシ−1,2−プロパンジオール水溶液を23質量%の3−メトキシ−1,2−プロパンジオールと57質量%のグリセリンの水溶液に変更し、反応原料ガス(反応ガス組成:3−メトキシ−1,2−プロパンジオール7モル%、グリセリン20モル%、水34モル%、窒素39モル%)を調製した。
【0085】
15mlの上記触媒を実験例1に示したステンレス製反応管に充填し、この反応器を360℃の溶融塩浴に浸漬し、上記反応原料ガスを反応器に流通させた。この時のGHSVは630hr−1である。
【0086】
実験例1と同様にガスクロマトグラフィ(GC)により、流出物の同定および定量分析を行った。GCによる同定分析の結果、グリセリン、アクロレインと共に1−ヒドロキシアセトンが検出された。また、定量分析結果から、転化率、アクロレイン選択率、1−ヒドロキシアセトン選択率を算出した。ここで、転化率は、(1−(捕集流出物中の3−メトキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンの合計のモル数)/(30分間で反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンの合計のモル数))×100、で算出される値である。また、アクロレイン選択率は、((アクロレインのモル数)/(30分間に反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンの合計のモル数))×100/転化率×100、で算出される値であり、1−ヒドロキシアセトン選択率は、((1−ヒドロキシアセトンのモル数)/(30分間に反応器に流入させた3−メトキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンの合計のモル数))×100/グリセリン転化率×100、で算出される値である。
【0087】
反応結果を表4に示す。
【0088】
【表4】

【0089】
表1と表2を比較すると、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールである3−メトキシ−1,2−プロパンジオールを原料としてアクロレインが得られているが、ジエトキシ−2−プロパノールではほとんどアクロレインが得られていないことがわかる。
【0090】
表3と表4の結果から3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールである3−メトキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンとを含む組成物を原料としてもグリセリンのみを原料とした場合と遜色ない収率でアクロレインが得られることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明によれば、3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールの脱水反応において、アクロレインを製造することができ、更に該反応により得られたアクロレイン組成物の気相酸化反応によるアクリル酸を製造することができる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールを原料とするアクロレインの製造方法。
【請求項2】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールガスと触媒とを接触させる気相脱水反応であることを特徴とする請求項1記載のアクロレインの製造方法。
【請求項3】
前記3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールが3−メトキシ−1,2−プロパンジオールである請求項1又は2記載のアクロレインの製造方法。
【請求項4】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物を原料とするアクロレインの製造方法
【請求項5】
3−アルコキシ−1,2−プロパンジオールとグリセリンを含む組成物のガスと触媒とを接触させる気相脱水反応であることを特徴とする請求項4記載のアクロレインの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のアクロレインの製造方法を使用する工程を有するアクロレイン誘導体の製造方法。
【請求項7】
前記アクロレイン誘導体が、アクリル酸である請求項6記載のアクロレイン誘導体の製造方法。
【請求項8】
前記アクロレイン誘導体が、吸水性樹脂である請求項6記載のアクロレイン誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2010−95483(P2010−95483A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268738(P2008−268738)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】