アスファルト舗装の修復方法及び装置
【課題】乳剤を使用して新規に敷設されるアスファルト混合物と劣化したアスファルト舗装とを接着する必要がなく、劣化したアスファルト舗装を確実に修復することが出来るアスファルト舗装の修復技術の提供。
【解決手段】修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を加熱し、加熱されたアスファルト舗装の表層(Fpa)から所定の深さの領域を掻き起こし、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する。
【解決手段】修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を加熱し、加熱されたアスファルト舗装の表層(Fpa)から所定の深さの領域を掻き起こし、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化したアスファルト舗装の修復技術に関する。
【背景技術】
【0002】
道路における経年使用により、わだち掘れやひび割れ等が生じて、継続して使用するには支障を来たすに至ったアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)は、路面性能や、構造的な強度の回復を目的として、様々な方法によって補修される。
劣化アスファルト舗装の補修に際しては、新規アスファルト混合物を当該劣化アスファルト舗装へ直接敷設、積層して、補修することも考えられる。
しかし、劣化アスファルト舗装に存在する「ひび割れ」を放置して新規アスファルト混合物を敷設すると、場合によっては敷設後6ヶ月程度で、新規アスファルトの表面に補修前と同様な「ひび割れ」が現れてしまう(いわゆる「リフレクション クラック」)。
そのため、新規アスファルト混合物を劣化アスファルト舗装に対して直接に敷設、積層することなく、例えば、切削機を用いて既設舗装体を表面から数cm削り取った後、劣化アスファルト舗装を削り取った当該領域に新規アスファルト混合物を敷設、積層して補修する修復技術(いわゆる「切削オーバレイ工事」)が、従来から行なわれている。
【0003】
当該従来技術(いわゆる「切削オーバレイ工法」)では、図11で示すように、先ず、ステップS11において、切削機により劣化アスファルト舗装面を切削する。次に、切削領域にアスファルト乳化剤(以下、「乳剤」と記載する)を散布して(ステップS12)、乳剤が乾燥するまで待機して(ステップS13がNOのループ)、乳剤が乾燥したなら(ステップS13がYES)、新規アスファルトを敷設する(ステップS14)。
そして、ステップS15において、舗装転圧用ローラで締め固める。
【0004】
しかし、係る従来技術では、乳剤が完全に乾くまで新規アスファルトを敷設することが出来ず、工期等が予め限られている道路修復工事において、効率的な作業が困難になり、作業の進捗が阻害されてしまう。
また、削り取られた劣化アスファルト舗装は、産業廃棄物であるため、処理施設まで運搬する必要がある。そのため、搬送や処理のためのコストが必要となってしまう。
そして、この様な産業廃棄物(削り取られたアスファルト舗装)が発生する従来の修復技術(いわゆる「切削オーバレイ工法」)では、近年におけるゼロ・エミッションの要請に応えることが出来ない。
【0005】
その他の従来技術として、アスファルト舗装路表面の修復するべき箇所を路面から一定深さまで切削し、当該切削箇所にアスファルト接着材を塗付した後、加熱したアスファルトを充填し、当該充填箇所以外の領域と面一になるまで転圧する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)では、アスファルト接着材を塗布した後、十分な接着力を発揮するまで当該アスファルト接着材を乾燥させる時間が必要とる。その間、後続するアスファルト充填作業や転圧作業を行なうことが出来ないので、修復作業に長期の工期が必要になってしまう、という問題を有している。
また、切削したアスファルト塗装は産業廃棄物であり、処理施設まで運搬するコストや、処理施設における処理コスト等が必要となる。さらに、ゼロ・エミッションの要請に応えることが出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−317406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、乳剤を使用して新規に敷設されるアスファルト混合物と劣化したアスファルト舗装とを接着する必要がなく、劣化したアスファルト舗装を確実に修復することが出来るアスファルト舗装の修復方法及び装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアスファルト舗装の修復方法は、修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を(例えばヒータ5により)加熱する工程(S1)と、加熱されたアスファルト舗装の全領域に亘って表層から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)までを掻き起こす工程(S2)と、掻き起こされたアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)に新規のアスファルト混合物を敷設する工程(S3)を有することを特徴としている。
【0009】
そして、本発明のアスファルト舗装の修復装置は、修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を加熱する加熱装置(例えばヒータ5により)と、加熱されたアスファルト舗装の表層(Fpa)から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)の領域を掻き起こす掻き起こし装置(3)を有することを特徴としている。
【0010】
本発明のアスファルト舗装の修復装置において、前記加熱装置(5)と前記掻き起こし装置(3)とが一体化(10)されており、掻き起こされたアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)に新規のアスファルト混合物を敷設する装置(例えば、アスファルト混合物搬送用のダンプトラック20及びアスファルトフィニッシャ40)と組み合わされているのが好ましい。
【0011】
本明細書において、「劣化アスファルト舗装」なる文言は、経年使用により「わだち掘れ」や「ひび割れ」等が生じ、路面として用いられることに支障を来たすに至ったアスファルト舗装を意味している。
また、「掻き起こし」なる文言は、例えば劣化アスファルト舗装の補修に際して、補修の対象となる劣化アスファルト舗装を除去することなく、当該劣化アスファルト舗装表層から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)の領域をほぐして(切り裂いて)、かく乱することを意味する文言として使用されている。
【発明の効果】
【0012】
上述する構成を具備する本発明によれば、補修するべき劣化アスファルト舗装の全領域に亘って、表面(Fpa)から所定の領域(例えば1cm〜3cmの領域)を掻き起こすので、当該掻き起こされた領域の表面は硬化せず、比較的柔軟な状態を維持するので、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材(M)は、当該掻き起こされた領域に対して容易に食い込む。そのため、既設の劣化アスファルト舗装と、新規に敷設されたアスファルト混合物とが確実に一体化される。
そして、新規に敷設されたアスファルト混合物が劣化アスファルト舗装に食い込み易くなっており、既設の劣化アスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが確実に一体化される本発明によれば、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法を小さく設定しても、既設の劣化アスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが剥離してしまうことはない。換言すれば、本発明によれば、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法を小さく設定することが可能である。
【0013】
さらに本発明によれば、劣化アスファルト舗装の表層(Fpa)を加熱することにより、劣化アスファルト舗装におけるアスファルトが本来の粘性を取り戻し、係る粘性により、敷設された新規アスファルト混合物と表層部が掻き起こされた劣化アスファルト舗装とが一体化し易くなる。
【0014】
ここで本発明によれば、劣化したアスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが容易に一体化するので、従来技術の様に、接着剤として乳剤を使用する必要がない。
そのため、乳剤が乾燥するまで新規のアスファルト混合物の敷設を待機する必要がなくなり、乳剤乾燥までの待機時間を省略することが出来るので、アスファルト舗装の修復作業の効率を向上することが出来て、修復作業の工期を短縮することが出来る。
【0015】
本発明では、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法が小さくても、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材(M)が、劣化アスファルト舗装の掻き起こされた領域に対して容易に食い込むため、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向について、複数の骨材(M)が存在することが可能となる。そのため、複数の骨材(M)同士の噛み合わせにより、敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向における緩衝作用が発揮される。
【0016】
また、本発明によれば、劣化アスファルト舗装を掻き起こす直前に加熱しているので、劣化アスファルト舗装の表層(Fpa)は軟化する。そのため、掻き起こし装置(3)に多大な荷重を作用させなくても、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から1cm〜3cmの領域を容易に掻き起こすことが出来る。
そのため、本発明において、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から1cm〜3cmの領域を掻き起こす作業は、従来技術(例えば、いわゆる「切削オーバレイ工法」)で劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から3cm〜5cmの領域を削り取る作業に比較して、極めて容易である。
【0017】
さらに本発明によれば、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から所定の領域(例えば、1cm〜3cmの領域)を掻き起こすことにより(いわゆる「かっちゃく」或いは「ほぐす」ことにより)、「わだち掘れ」や「ひび割れ」等が消失する。
「ひび割れ」をそのままにして、新規アスファルト混合物を敷設すると、場合によっては敷設後6ヶ月程度で、新規アスファルト混合物の表面に同じ様な「ひび割れ」が現れてしまう(いわゆる「リフレクション クラック」)が、本発明によれば、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から、例えば1cm〜3cmの領域を掻き起こすことにより、「ひび割れ」が消失するので、リフレクション クラックが生じ難くなる。
【0018】
これに加えて、本発明によれば、劣化アスファルト舗装の表層部(Fpa)を補修するべき領域の全面に亘って掻き起こした後に、当該掻き起こした領域における劣化アスファルト舗装を廃棄する必要がない。そして、劣化アスファルト舗装を廃棄する必要がない本発明では、産業廃棄物処理施設まで劣化アスファルトを運搬する作業も不要である。その結果、産業廃棄物である劣化アスファルト舗装の発生材の運搬するコストや、処理設備で処理するためのコストが不要となる。そして、いわゆる「ゼロ・エミッション」を達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の概要を示す説明図である。
【図2】実施形態で用いられるヒータ車の側面図である。
【図3】実施形態における掻き起こし装置の側面図であって、掻き起こし作業を行なっている状態を示す側面図である。
【図4】掻き起こし作業を行なっておらず、路面から持ち上げられている状態の掻き起こし装置を示す側面図である。
【図5】実施形態における掻き起こし装置の平面図であって、伸長した状態を示す平面図である。
【図6】収縮した状態の掻き起こし装置を示す平面図である。
【図7】実施形態の施工手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態において、掻き起こされた後の劣化アスファルト舗装を示す平面図である。
【図9】図8に対する拡大側面図である。
【図10】実施形態により補修されたアスファルト舗装の断面組織を模式的に示す拡大断面図である。
【図11】従来技術に係るアスファルト舗装の修復技術の施工手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復に使用する機械の概要が、図1で示されており、図1において、左側の機械は右側の機械に先行して、補修作業を実施している。また、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復方法或いは修復作業の流れについて、図7で示されている。
図1で示すように、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復作業を実施するに際しては、例えば、掻き起こし装置3を装備したヒータ車10、ダンプトラック20、アスファルトフィニッシャ40、スチールローラ50、タイヤローラ60が使用される。掻き起こし装置3とヒータ車10とにより、本発明に係るアスファルト舗装の修復装置を構成している。
【0021】
図2において、ヒータ車10は、台車部1、複数の走行車輪2、運転台4、台車部1の下方に路面加熱用のヒータ5を有している。
台車部1の後端(図2の右方)には、路面加熱用のヒータ5で加熱した舗装面を掻き起こす掻き起こし装置3が装備されている。
図2に示すヒータ車10において、ヒータ5は加熱手段の一例である。修復するべき劣化アスファルト舗装を加熱するための装置であれば、ヒータ5に代えて使用可能である。
なお、図1〜図3において、符号Fpaは劣化アスファルト舗装の表層を示している。
【0022】
掻き起こし装置3は、図3で示す掻き起こし作業中の状態と、図4の掻き起こし作業を行なっていない状態に変形可能である。
それに加えて、掻き起こし装置3は、図5及び図6で示すように、掻き起こし装置3は、ヒータ車10の幅方向に伸縮することが可能である。そして、図5は掻き起こし装置3をヒータ車10の幅方向に伸長した状態であり、図6はヒータ車10の幅方向について収縮した状態である。
図3〜図6において、掻き起こし装置3は、ベース部30、1対の垂直支持部材31、(上方の)1対の第1のリンク32A、(下方の)1対の第2のリンク32B、流体圧シリンダ(例えば、油圧シリンダ)39を備えている。
【0023】
ベース部30には、1対の第1のヒンジブラケット30A、1対の第2のヒンジブラケット30B、流体圧シリンダ取付用ブラケット30Cを有している。
1対の垂直支持部材31のそれぞれには、第3のヒンジブラケット31A、第4のヒンジブラレット31Bが設けられている。
明確には図示されていないが、水平方向(図3では、紙面に垂直な方向)に延在する接続部材が複数本設けられており、当該図示しない接続部材は1対の垂直支持部材31を接続している。そして、複数の図示しない接続部材の1本において、図3における紙面に垂直な方向の中央に、リンクブラケット31Cが設けられている。なお、図面の簡略化のため、図3、図4では、リンクブラケット31Cのみが示されている。
【0024】
図3において、第1のリンク32Aの一端(図3では左端)は、第1のヒンジブラケット30Aに回動自在に枢着され、第1のリンク32Aの他端(図3では右端)は、第3のヒンジブラケット31Aに回動自在に枢着されている。
第2のリンク32Bの一端は、第2のヒンジブラケット30B(図3では左端)に回動自在に枢着され、第2のリンク32Bの他端(図3では右端)は、第4のヒンジブラケット31Bに回動自在に枢着されている。
流体圧シリンダ39の一端(図3では上端或いは左端)は、流体圧シリンダ取付用ブラケット30Cに回動自在に枢着され、流体圧シリンダ39の他端(図3では下端或いは右端)は、リンク39Lの一端(図3では上端或いは左端)に接続されている。リンク39Lの他端(図3では下端或いは右端)は、リンクブラケット31Cに回動自在に枢着されている。ここで、リンクブラケット31Cは、垂直支持部材31の図示しない前記接続部材に設けられている。
【0025】
図3において、1対の垂直支持部材31の下端には、第1の水平部材33が公知の手段で取り付けられている。図5で示すように、第1の水平部材33の左右両端には第1のサイドプレート33Sが固設されている。
図3において、第1のサイドプレート33Sの下方の端部(図3の右方の端部)には、パイプ状の第2の水平部材334が配置されている。パイプ状の第2の水平部材334は、1対のサイドプレート33Sを接続している。
図4で示すように、第2の水平部材334の外周には、1対のスリーブ330(図5参照)が装着されている。1対のスリーブ330は、第2の水平部材334を車両の幅方向(図5の左右方向)に摺動可能である。
【0026】
図3において、サイドプレート33Sの下方には、第1の回転軸335が設けられている。第1の回転軸335は、1対のサイドプレート33Sを接続している。
第1の回転軸335及び第2の回転軸345は、切削刃取付ブラケット35が回動するための回転軸として作用する。
【0027】
図5において、各々のスリーブ330の左右両端には、第2のサイドプレート34Sが固設されている。
左右両端の第2のサイドプレート34Sの図5における下方端部(図3における右方端部)には、パイプ状の第3の水平部材34が配置されている。第3の水平部材34は、1対のサイドプレート34Sを接続する様に配置されている。
第3の水平部材34の車両中央寄りの端部は、車両中央寄りのサイドプレート34Sの端面に当接するように固着されている。しかし、車両外方側(図5の左右端部側)のサイドプレート34Sは、その中央部で、第3の水平部材34が貫通している。
【0028】
図5において、第3の水平部材34の車両外方端部(図5の左右端部)には、一対の第3のサイドプレート345Sの内、車両外方端部(図5の左右端部)に位置する第3のサイドプレート345Sが固設されている。
また、図5の左右方向について、第3の水平部材34の概略中央には、一対の第3のサイドプレート345Sの他方、すなわち車両中央寄りの第3のサイドプレート345Sが、第2のサイドプレート34Sと接するように設けられている。
【0029】
図5において、第3のサイドプレート345Sの下方(図3では右方)の端部は、第2の回転軸345で接続されている。
図3〜図6において、第1の水平部材33、第2の水平部材334、第3の水平部材34、第1の回転軸335、第2の回転軸345は、平行に配置されている。
【0030】
図5に示すように、第1の回転軸335、第2の回転軸345には、複数の切削刃取付ブラケット35(35A、35B)が、図5の左右方向について互い違いとなる様に、隣接して装着されている。
ここで、切削刃取付ブラケット35は、長短2種類が交互に配列されている。図示においては、長い方の切削刃取付ブラケットに符号35Aを付し、短い方の切削刃取付ブラケットには符号35Bを付している。
【0031】
図3の状態は掻き起こし作業中であり、係る掻き起こし作業中には、流体圧シリンダ39には流体圧が作用しておらず、垂直支持部材31に接続した部材の自重によって垂直支持部材31側は下降する。そして、切削刃36の先端は劣化アスファルト舗装表層Fpaに食い込み、当該表層Fpaから、例えば深さ1cm〜3cmの領域に到達する。
その結果、劣化アスファルト舗装表層Fpaから(例えば)深さ1cm〜3cmの領域が、掻き起こし装置3により掻き起こされる。
図3で示す掻き起こし作業中において、垂直支持部材31の上下方向位置が所定の高さに維持されるように、ストッパ(図示せず)が設けられている。
【0032】
図3で示すように、切削刃取付ブラケット35における第1の回転軸335の上方の位置及び第2の回転軸345の上方の位置の各々には、上下方向に延在する平板状の垂直部材37が取り付けられている。
垂直部材37は切削刃取付ブラケット35A、35Bと一体に形成されており、第1の回転軸335及び/又は第2の回転軸346を中心に、切削刃取付ブラケット35と一体なって回動可能である。
【0033】
垂直部材37の図3における左側の位置には、スプリング38(付勢手段)が取り付けられている。図3において、スプリング38の弾性反撥力により、平板状の垂直部材37は図3の左方に付勢され、その結果、切削刃取付ブラケット35は時計回り方向に付勢される。
スプリング38により時計回りの力が付勢されていることにより、切削刃取付ブラケット35の切削刃36は、劣化アスファルト舗装の表層Fpaを切り込み、掻き起こす方向に付勢される。
【0034】
図示の実施形態において、劣化アスファルト舗装を掻き起こす際に、道路上に設けられた各種構造部材(例えば、図示しないマンホールの蓋)に切削刃36が当接した場合は、構造物に当接した切削刃36を有する切削刃取付ブラケット35は、スプリング38の付勢方向とは反対側(反時計回り)に回動して、当該構造物を避ける(或いは逃げる)ことが出来る。
切削刃36が構造物直上の位置から外れたならば、再びスプリング38の弾性反発力により、切削刃取付ブラケット35に時計回りの力が付勢されて、切削刃36は劣化アスファルト舗装の表層Fpaを切り込み、掻き起こす方向に付勢される。
換言すれば、スプリング38で付勢されている切削刃36は、劣化アスファルト層に構造物が存在する場合に、当該構造物から逃げて、当該構造物に起因する路面上の凹凸に追随することが出来る。
【0035】
図4は、掻き起こし作業を行わない状態の掻き起こし装置3の側面を示している。
掻き起こし作業を行なっていない場合において、図3で示すように、切削刃取付ブラケット35の切削刃36が劣化アスファルト舗装の表層Fpa(路面)に食い込んでいると、ヒータ車10は走行・移動に支障を来たすことになる。
そのため、掻き起こし作業を行なっていない場合(図4の状態)においては、流体圧シリンダ39に流体圧を作用して、流体圧シリンダ39を収縮する。
【0036】
流体圧シリンダ39を収縮することにより、第1のリンク32Aは第1のヒンジブラケット30Aを中心に反時計回りに回動し、第2のリンク32Bは第2のヒンジブラケット30Bを中心に反時計回りに回動するので、垂直支持部材31は図4における左方且つ上方に移動する。
その結果、図4で示すように、切削刃取付ブラケット35の切削刃36は劣化アスファルト舗装の表層Fpa(路面)から離隔する。以って、切削刃36が路面から離隔した状態(図4の状態)で、ヒータ車10を走行・移動することが出来る。
【0037】
図示の実施形態の掻き起こし装置3は、新規アスファルト混合物を敷設するべき領域の幅員に合わせて伸縮することが可能なように構成されている。
図5は、掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について伸長した状態を示している。
一方、図6は、掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について収縮した状態を示している。
【0038】
掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について収縮するに際しては、図6で示すように、第2の水平部材334に装着したスリーブ330を、ヒータ車10の中央寄りにスライドさせている。スライド量は、施工領域の幅員によって設定される。
図示はされていないが、図5、図6の左右両端におけるスリーブ330のスライド量は、左右において異なるように設定することが可能である。
第2の水平部材334に装着したスリーブ330をスライドするに際しては、例えば、流体を用いたアクチュエータ(図示せず)を用いても良いし、作業者が手作業でスライドさせても良い。
【0039】
次に、主として図7に基づいて、図1をも参照しつつ、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復方法を説明する。
図7において、ステップS1では、劣化したアスファルト舗装の表層Fpaをヒータ車10によって加熱する。
ステップS2では、ヒータ車10に装備された掻き起こし装置30により、加熱された劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こす。
ステップS3では、掻き起こされた劣化アスファルト舗装上に、新規アスファルト混合物を、例えばダンプトラック20によって、例えば2cmの厚みで敷設する。
そして、新規アスファルト混合物を敷設した後、スチールローラ50で転圧して(ステップS4)、最後にタイヤローラ60で舗装表面を滑らかに均す。
【0040】
ステップS2において、修復するべき領域の全面に亘って劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こしたならば、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域が切削されて、かく乱されるので、図8、図9で示すように、劣化アスファルト舗装の表層Fpaに生じた「わだち掘れ」や「ひび割れ」等は、完全に消失する。
「わだち掘れ」や「ひび割れ」等の深さが例え3cmを超える場合でも、掻き起こし深さが2cm〜3cmあれば、「わだち掘れ」、「ひび割れ」の対策としては、充分効果的である。
【0041】
図8、図9で示す様に、掻き起こし装置3により劣化アスファルト舗装体の表層が掻き起こされ、ひび割れが消失するので、ステップS3において、掻き起こされた劣化アスファルト舗装上に、新規アスファルト混合物を敷設しても、補修工事の終了後、新規アスファルト混合物の表面に、補修された劣化アスファルト舗装体の表層に存在していたのと同様な「ひび割れ」が現れること(リフレクション クラック)はない。
なお、図8、図9において、符号Fbは掻き起こし装置3によって掻き起こされた領域を示している。
【0042】
前記ステップS2においては、図10で示す様に、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こしているので、当該掻き起こされた領域は硬化していない、比較的柔軟な状態となっている。
そのため、新規に敷設されたアスファルト混合物A中の骨材Mは、当該掻き起こされた領域に対して容易に食い込むことが出来るので、劣化アスファルト舗装Bと、新規に敷設されたアスファルト混合物Aとが確実に一体化されるのである。
【0043】
ここで、ステップS2により、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こし、新規アスファルト混合物A中の骨材Mが、劣化アスファルト舗装Bに食い込み易くなっているため、新規に敷設されたアスファルト混合物Aの厚さ寸法が小さく設定されていても、劣化アスファルト舗装Bと、新規に敷設されたアスファルト混合物Aとは確実に一体化する。
【0044】
さらに、図示の実施形態では、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法が小さくても、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材が、劣化アスファルト舗装の掻き起こされた領域に対して容易に食い込むため、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向について、複数の骨材が存在することが可能となる。そのため、複数の骨材同士の噛み合わせにより、敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向における緩衝作用が発揮される。
【0045】
ここで、図7のステップS1において、劣化アスファルト舗装の表層Fpaが加熱されているので、劣化アスファルト舗装におけるアスファルト成分は、本来の粘性を取り戻す。そして、係る粘性により、敷設された新規アスファルト混合物と、表層部が掻き起こされた劣化アスファルト舗装とが一体化し易くなるのである。
【0046】
劣化したアスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが容易に一体化する図示の実施形態によれば、接着剤として乳剤を使用する必要がない。
すなわち、図示の実施形態によれば、従来技術のように、乳剤が乾燥するまで新規のアスファルト混合物の敷設を待機する必要はなくなる。その結果、劣化したアスファルト舗装の修復作業が効率化され、作業期間が大幅に短縮されるのである。
【0047】
さらに、図示の実施形態において、劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こす直前に、図7のステップS1で加熱しており、その結果、劣化アスファルト舗装表層Fpaは軟化する。そのため、掻き起こし装置3の切削刃36に多大な荷重を作用させなくても、劣化アスファルト舗装表層から1cm〜3cmの領域を容易に掻き起こすことが出来る。
その結果、図示の実施形態によれば、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こす作業は、従来技術(例えば、図11を参照して説明した切削オーバレイ工法)で劣化アスファルト舗装表層Fpaから3cm〜5cmの領域を削り取る作業に比較して、極めて容易に実行することが出来る。
【0048】
さらに、図示の実施形態によれば、ステップS2で劣化アスファルト舗装の表層部Fpaを掻き起こした際に、当該掻き起こした領域における劣化アスファルト舗装を廃棄せずに、新規アスファルト混合物を敷設しているので、掻き起こされた劣化アスファルトを廃棄する必要がない。そのため、掻き起こされた劣化アスファルトを産業廃棄物処理施設まで運搬する作業も不要である。
その結果、産業廃棄物である劣化アスファルト舗装の発生材の運搬コストや、処理設備で処理するためのコストが不要となる。そして、いわゆる「ゼロ・エミッション」が達成出来る。
【0049】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【符号の説明】
【0050】
1・・・台車部
2・・・走行車輪
3・・・掻き起こし装置
4・・・運転台
5・・・ヒータ
10・・・ヒータ車
20・・・ダンプトラック
30・・・ベース部
31・・・垂直部材
32A・・・第1のリンク
32B・・・第2のリンク
33・・・第1の水平部材
33S・・・第1のサイドプレート
34・・・第3の水平部材
34S・・・第2のサイドプレート
35・・・切削刃取付ブラケット
36・・・切削刃
40・・・アスファルトフィニッシャ
50・・・スチールローラ
60・・・タイヤローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化したアスファルト舗装の修復技術に関する。
【背景技術】
【0002】
道路における経年使用により、わだち掘れやひび割れ等が生じて、継続して使用するには支障を来たすに至ったアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)は、路面性能や、構造的な強度の回復を目的として、様々な方法によって補修される。
劣化アスファルト舗装の補修に際しては、新規アスファルト混合物を当該劣化アスファルト舗装へ直接敷設、積層して、補修することも考えられる。
しかし、劣化アスファルト舗装に存在する「ひび割れ」を放置して新規アスファルト混合物を敷設すると、場合によっては敷設後6ヶ月程度で、新規アスファルトの表面に補修前と同様な「ひび割れ」が現れてしまう(いわゆる「リフレクション クラック」)。
そのため、新規アスファルト混合物を劣化アスファルト舗装に対して直接に敷設、積層することなく、例えば、切削機を用いて既設舗装体を表面から数cm削り取った後、劣化アスファルト舗装を削り取った当該領域に新規アスファルト混合物を敷設、積層して補修する修復技術(いわゆる「切削オーバレイ工事」)が、従来から行なわれている。
【0003】
当該従来技術(いわゆる「切削オーバレイ工法」)では、図11で示すように、先ず、ステップS11において、切削機により劣化アスファルト舗装面を切削する。次に、切削領域にアスファルト乳化剤(以下、「乳剤」と記載する)を散布して(ステップS12)、乳剤が乾燥するまで待機して(ステップS13がNOのループ)、乳剤が乾燥したなら(ステップS13がYES)、新規アスファルトを敷設する(ステップS14)。
そして、ステップS15において、舗装転圧用ローラで締め固める。
【0004】
しかし、係る従来技術では、乳剤が完全に乾くまで新規アスファルトを敷設することが出来ず、工期等が予め限られている道路修復工事において、効率的な作業が困難になり、作業の進捗が阻害されてしまう。
また、削り取られた劣化アスファルト舗装は、産業廃棄物であるため、処理施設まで運搬する必要がある。そのため、搬送や処理のためのコストが必要となってしまう。
そして、この様な産業廃棄物(削り取られたアスファルト舗装)が発生する従来の修復技術(いわゆる「切削オーバレイ工法」)では、近年におけるゼロ・エミッションの要請に応えることが出来ない。
【0005】
その他の従来技術として、アスファルト舗装路表面の修復するべき箇所を路面から一定深さまで切削し、当該切削箇所にアスファルト接着材を塗付した後、加熱したアスファルトを充填し、当該充填箇所以外の領域と面一になるまで転圧する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術(特許文献1)では、アスファルト接着材を塗布した後、十分な接着力を発揮するまで当該アスファルト接着材を乾燥させる時間が必要とる。その間、後続するアスファルト充填作業や転圧作業を行なうことが出来ないので、修復作業に長期の工期が必要になってしまう、という問題を有している。
また、切削したアスファルト塗装は産業廃棄物であり、処理施設まで運搬するコストや、処理施設における処理コスト等が必要となる。さらに、ゼロ・エミッションの要請に応えることが出来ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−317406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、乳剤を使用して新規に敷設されるアスファルト混合物と劣化したアスファルト舗装とを接着する必要がなく、劣化したアスファルト舗装を確実に修復することが出来るアスファルト舗装の修復方法及び装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のアスファルト舗装の修復方法は、修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を(例えばヒータ5により)加熱する工程(S1)と、加熱されたアスファルト舗装の全領域に亘って表層から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)までを掻き起こす工程(S2)と、掻き起こされたアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)に新規のアスファルト混合物を敷設する工程(S3)を有することを特徴としている。
【0009】
そして、本発明のアスファルト舗装の修復装置は、修復するべきアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)の表層(Fpa)を加熱する加熱装置(例えばヒータ5により)と、加熱されたアスファルト舗装の表層(Fpa)から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)の領域を掻き起こす掻き起こし装置(3)を有することを特徴としている。
【0010】
本発明のアスファルト舗装の修復装置において、前記加熱装置(5)と前記掻き起こし装置(3)とが一体化(10)されており、掻き起こされたアスファルト舗装(劣化アスファルト舗装)に新規のアスファルト混合物を敷設する装置(例えば、アスファルト混合物搬送用のダンプトラック20及びアスファルトフィニッシャ40)と組み合わされているのが好ましい。
【0011】
本明細書において、「劣化アスファルト舗装」なる文言は、経年使用により「わだち掘れ」や「ひび割れ」等が生じ、路面として用いられることに支障を来たすに至ったアスファルト舗装を意味している。
また、「掻き起こし」なる文言は、例えば劣化アスファルト舗装の補修に際して、補修の対象となる劣化アスファルト舗装を除去することなく、当該劣化アスファルト舗装表層から所定の深さ(例えば1cm〜3cm)の領域をほぐして(切り裂いて)、かく乱することを意味する文言として使用されている。
【発明の効果】
【0012】
上述する構成を具備する本発明によれば、補修するべき劣化アスファルト舗装の全領域に亘って、表面(Fpa)から所定の領域(例えば1cm〜3cmの領域)を掻き起こすので、当該掻き起こされた領域の表面は硬化せず、比較的柔軟な状態を維持するので、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材(M)は、当該掻き起こされた領域に対して容易に食い込む。そのため、既設の劣化アスファルト舗装と、新規に敷設されたアスファルト混合物とが確実に一体化される。
そして、新規に敷設されたアスファルト混合物が劣化アスファルト舗装に食い込み易くなっており、既設の劣化アスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが確実に一体化される本発明によれば、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法を小さく設定しても、既設の劣化アスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが剥離してしまうことはない。換言すれば、本発明によれば、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法を小さく設定することが可能である。
【0013】
さらに本発明によれば、劣化アスファルト舗装の表層(Fpa)を加熱することにより、劣化アスファルト舗装におけるアスファルトが本来の粘性を取り戻し、係る粘性により、敷設された新規アスファルト混合物と表層部が掻き起こされた劣化アスファルト舗装とが一体化し易くなる。
【0014】
ここで本発明によれば、劣化したアスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが容易に一体化するので、従来技術の様に、接着剤として乳剤を使用する必要がない。
そのため、乳剤が乾燥するまで新規のアスファルト混合物の敷設を待機する必要がなくなり、乳剤乾燥までの待機時間を省略することが出来るので、アスファルト舗装の修復作業の効率を向上することが出来て、修復作業の工期を短縮することが出来る。
【0015】
本発明では、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法が小さくても、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材(M)が、劣化アスファルト舗装の掻き起こされた領域に対して容易に食い込むため、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向について、複数の骨材(M)が存在することが可能となる。そのため、複数の骨材(M)同士の噛み合わせにより、敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向における緩衝作用が発揮される。
【0016】
また、本発明によれば、劣化アスファルト舗装を掻き起こす直前に加熱しているので、劣化アスファルト舗装の表層(Fpa)は軟化する。そのため、掻き起こし装置(3)に多大な荷重を作用させなくても、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から1cm〜3cmの領域を容易に掻き起こすことが出来る。
そのため、本発明において、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から1cm〜3cmの領域を掻き起こす作業は、従来技術(例えば、いわゆる「切削オーバレイ工法」)で劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から3cm〜5cmの領域を削り取る作業に比較して、極めて容易である。
【0017】
さらに本発明によれば、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から所定の領域(例えば、1cm〜3cmの領域)を掻き起こすことにより(いわゆる「かっちゃく」或いは「ほぐす」ことにより)、「わだち掘れ」や「ひび割れ」等が消失する。
「ひび割れ」をそのままにして、新規アスファルト混合物を敷設すると、場合によっては敷設後6ヶ月程度で、新規アスファルト混合物の表面に同じ様な「ひび割れ」が現れてしまう(いわゆる「リフレクション クラック」)が、本発明によれば、劣化アスファルト舗装表層(Fpa)から、例えば1cm〜3cmの領域を掻き起こすことにより、「ひび割れ」が消失するので、リフレクション クラックが生じ難くなる。
【0018】
これに加えて、本発明によれば、劣化アスファルト舗装の表層部(Fpa)を補修するべき領域の全面に亘って掻き起こした後に、当該掻き起こした領域における劣化アスファルト舗装を廃棄する必要がない。そして、劣化アスファルト舗装を廃棄する必要がない本発明では、産業廃棄物処理施設まで劣化アスファルトを運搬する作業も不要である。その結果、産業廃棄物である劣化アスファルト舗装の発生材の運搬するコストや、処理設備で処理するためのコストが不要となる。そして、いわゆる「ゼロ・エミッション」を達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の概要を示す説明図である。
【図2】実施形態で用いられるヒータ車の側面図である。
【図3】実施形態における掻き起こし装置の側面図であって、掻き起こし作業を行なっている状態を示す側面図である。
【図4】掻き起こし作業を行なっておらず、路面から持ち上げられている状態の掻き起こし装置を示す側面図である。
【図5】実施形態における掻き起こし装置の平面図であって、伸長した状態を示す平面図である。
【図6】収縮した状態の掻き起こし装置を示す平面図である。
【図7】実施形態の施工手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態において、掻き起こされた後の劣化アスファルト舗装を示す平面図である。
【図9】図8に対する拡大側面図である。
【図10】実施形態により補修されたアスファルト舗装の断面組織を模式的に示す拡大断面図である。
【図11】従来技術に係るアスファルト舗装の修復技術の施工手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復に使用する機械の概要が、図1で示されており、図1において、左側の機械は右側の機械に先行して、補修作業を実施している。また、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復方法或いは修復作業の流れについて、図7で示されている。
図1で示すように、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復作業を実施するに際しては、例えば、掻き起こし装置3を装備したヒータ車10、ダンプトラック20、アスファルトフィニッシャ40、スチールローラ50、タイヤローラ60が使用される。掻き起こし装置3とヒータ車10とにより、本発明に係るアスファルト舗装の修復装置を構成している。
【0021】
図2において、ヒータ車10は、台車部1、複数の走行車輪2、運転台4、台車部1の下方に路面加熱用のヒータ5を有している。
台車部1の後端(図2の右方)には、路面加熱用のヒータ5で加熱した舗装面を掻き起こす掻き起こし装置3が装備されている。
図2に示すヒータ車10において、ヒータ5は加熱手段の一例である。修復するべき劣化アスファルト舗装を加熱するための装置であれば、ヒータ5に代えて使用可能である。
なお、図1〜図3において、符号Fpaは劣化アスファルト舗装の表層を示している。
【0022】
掻き起こし装置3は、図3で示す掻き起こし作業中の状態と、図4の掻き起こし作業を行なっていない状態に変形可能である。
それに加えて、掻き起こし装置3は、図5及び図6で示すように、掻き起こし装置3は、ヒータ車10の幅方向に伸縮することが可能である。そして、図5は掻き起こし装置3をヒータ車10の幅方向に伸長した状態であり、図6はヒータ車10の幅方向について収縮した状態である。
図3〜図6において、掻き起こし装置3は、ベース部30、1対の垂直支持部材31、(上方の)1対の第1のリンク32A、(下方の)1対の第2のリンク32B、流体圧シリンダ(例えば、油圧シリンダ)39を備えている。
【0023】
ベース部30には、1対の第1のヒンジブラケット30A、1対の第2のヒンジブラケット30B、流体圧シリンダ取付用ブラケット30Cを有している。
1対の垂直支持部材31のそれぞれには、第3のヒンジブラケット31A、第4のヒンジブラレット31Bが設けられている。
明確には図示されていないが、水平方向(図3では、紙面に垂直な方向)に延在する接続部材が複数本設けられており、当該図示しない接続部材は1対の垂直支持部材31を接続している。そして、複数の図示しない接続部材の1本において、図3における紙面に垂直な方向の中央に、リンクブラケット31Cが設けられている。なお、図面の簡略化のため、図3、図4では、リンクブラケット31Cのみが示されている。
【0024】
図3において、第1のリンク32Aの一端(図3では左端)は、第1のヒンジブラケット30Aに回動自在に枢着され、第1のリンク32Aの他端(図3では右端)は、第3のヒンジブラケット31Aに回動自在に枢着されている。
第2のリンク32Bの一端は、第2のヒンジブラケット30B(図3では左端)に回動自在に枢着され、第2のリンク32Bの他端(図3では右端)は、第4のヒンジブラケット31Bに回動自在に枢着されている。
流体圧シリンダ39の一端(図3では上端或いは左端)は、流体圧シリンダ取付用ブラケット30Cに回動自在に枢着され、流体圧シリンダ39の他端(図3では下端或いは右端)は、リンク39Lの一端(図3では上端或いは左端)に接続されている。リンク39Lの他端(図3では下端或いは右端)は、リンクブラケット31Cに回動自在に枢着されている。ここで、リンクブラケット31Cは、垂直支持部材31の図示しない前記接続部材に設けられている。
【0025】
図3において、1対の垂直支持部材31の下端には、第1の水平部材33が公知の手段で取り付けられている。図5で示すように、第1の水平部材33の左右両端には第1のサイドプレート33Sが固設されている。
図3において、第1のサイドプレート33Sの下方の端部(図3の右方の端部)には、パイプ状の第2の水平部材334が配置されている。パイプ状の第2の水平部材334は、1対のサイドプレート33Sを接続している。
図4で示すように、第2の水平部材334の外周には、1対のスリーブ330(図5参照)が装着されている。1対のスリーブ330は、第2の水平部材334を車両の幅方向(図5の左右方向)に摺動可能である。
【0026】
図3において、サイドプレート33Sの下方には、第1の回転軸335が設けられている。第1の回転軸335は、1対のサイドプレート33Sを接続している。
第1の回転軸335及び第2の回転軸345は、切削刃取付ブラケット35が回動するための回転軸として作用する。
【0027】
図5において、各々のスリーブ330の左右両端には、第2のサイドプレート34Sが固設されている。
左右両端の第2のサイドプレート34Sの図5における下方端部(図3における右方端部)には、パイプ状の第3の水平部材34が配置されている。第3の水平部材34は、1対のサイドプレート34Sを接続する様に配置されている。
第3の水平部材34の車両中央寄りの端部は、車両中央寄りのサイドプレート34Sの端面に当接するように固着されている。しかし、車両外方側(図5の左右端部側)のサイドプレート34Sは、その中央部で、第3の水平部材34が貫通している。
【0028】
図5において、第3の水平部材34の車両外方端部(図5の左右端部)には、一対の第3のサイドプレート345Sの内、車両外方端部(図5の左右端部)に位置する第3のサイドプレート345Sが固設されている。
また、図5の左右方向について、第3の水平部材34の概略中央には、一対の第3のサイドプレート345Sの他方、すなわち車両中央寄りの第3のサイドプレート345Sが、第2のサイドプレート34Sと接するように設けられている。
【0029】
図5において、第3のサイドプレート345Sの下方(図3では右方)の端部は、第2の回転軸345で接続されている。
図3〜図6において、第1の水平部材33、第2の水平部材334、第3の水平部材34、第1の回転軸335、第2の回転軸345は、平行に配置されている。
【0030】
図5に示すように、第1の回転軸335、第2の回転軸345には、複数の切削刃取付ブラケット35(35A、35B)が、図5の左右方向について互い違いとなる様に、隣接して装着されている。
ここで、切削刃取付ブラケット35は、長短2種類が交互に配列されている。図示においては、長い方の切削刃取付ブラケットに符号35Aを付し、短い方の切削刃取付ブラケットには符号35Bを付している。
【0031】
図3の状態は掻き起こし作業中であり、係る掻き起こし作業中には、流体圧シリンダ39には流体圧が作用しておらず、垂直支持部材31に接続した部材の自重によって垂直支持部材31側は下降する。そして、切削刃36の先端は劣化アスファルト舗装表層Fpaに食い込み、当該表層Fpaから、例えば深さ1cm〜3cmの領域に到達する。
その結果、劣化アスファルト舗装表層Fpaから(例えば)深さ1cm〜3cmの領域が、掻き起こし装置3により掻き起こされる。
図3で示す掻き起こし作業中において、垂直支持部材31の上下方向位置が所定の高さに維持されるように、ストッパ(図示せず)が設けられている。
【0032】
図3で示すように、切削刃取付ブラケット35における第1の回転軸335の上方の位置及び第2の回転軸345の上方の位置の各々には、上下方向に延在する平板状の垂直部材37が取り付けられている。
垂直部材37は切削刃取付ブラケット35A、35Bと一体に形成されており、第1の回転軸335及び/又は第2の回転軸346を中心に、切削刃取付ブラケット35と一体なって回動可能である。
【0033】
垂直部材37の図3における左側の位置には、スプリング38(付勢手段)が取り付けられている。図3において、スプリング38の弾性反撥力により、平板状の垂直部材37は図3の左方に付勢され、その結果、切削刃取付ブラケット35は時計回り方向に付勢される。
スプリング38により時計回りの力が付勢されていることにより、切削刃取付ブラケット35の切削刃36は、劣化アスファルト舗装の表層Fpaを切り込み、掻き起こす方向に付勢される。
【0034】
図示の実施形態において、劣化アスファルト舗装を掻き起こす際に、道路上に設けられた各種構造部材(例えば、図示しないマンホールの蓋)に切削刃36が当接した場合は、構造物に当接した切削刃36を有する切削刃取付ブラケット35は、スプリング38の付勢方向とは反対側(反時計回り)に回動して、当該構造物を避ける(或いは逃げる)ことが出来る。
切削刃36が構造物直上の位置から外れたならば、再びスプリング38の弾性反発力により、切削刃取付ブラケット35に時計回りの力が付勢されて、切削刃36は劣化アスファルト舗装の表層Fpaを切り込み、掻き起こす方向に付勢される。
換言すれば、スプリング38で付勢されている切削刃36は、劣化アスファルト層に構造物が存在する場合に、当該構造物から逃げて、当該構造物に起因する路面上の凹凸に追随することが出来る。
【0035】
図4は、掻き起こし作業を行わない状態の掻き起こし装置3の側面を示している。
掻き起こし作業を行なっていない場合において、図3で示すように、切削刃取付ブラケット35の切削刃36が劣化アスファルト舗装の表層Fpa(路面)に食い込んでいると、ヒータ車10は走行・移動に支障を来たすことになる。
そのため、掻き起こし作業を行なっていない場合(図4の状態)においては、流体圧シリンダ39に流体圧を作用して、流体圧シリンダ39を収縮する。
【0036】
流体圧シリンダ39を収縮することにより、第1のリンク32Aは第1のヒンジブラケット30Aを中心に反時計回りに回動し、第2のリンク32Bは第2のヒンジブラケット30Bを中心に反時計回りに回動するので、垂直支持部材31は図4における左方且つ上方に移動する。
その結果、図4で示すように、切削刃取付ブラケット35の切削刃36は劣化アスファルト舗装の表層Fpa(路面)から離隔する。以って、切削刃36が路面から離隔した状態(図4の状態)で、ヒータ車10を走行・移動することが出来る。
【0037】
図示の実施形態の掻き起こし装置3は、新規アスファルト混合物を敷設するべき領域の幅員に合わせて伸縮することが可能なように構成されている。
図5は、掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について伸長した状態を示している。
一方、図6は、掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について収縮した状態を示している。
【0038】
掻き起こし装置3を、ヒータ車10の車幅方向(道路幅員方向)について収縮するに際しては、図6で示すように、第2の水平部材334に装着したスリーブ330を、ヒータ車10の中央寄りにスライドさせている。スライド量は、施工領域の幅員によって設定される。
図示はされていないが、図5、図6の左右両端におけるスリーブ330のスライド量は、左右において異なるように設定することが可能である。
第2の水平部材334に装着したスリーブ330をスライドするに際しては、例えば、流体を用いたアクチュエータ(図示せず)を用いても良いし、作業者が手作業でスライドさせても良い。
【0039】
次に、主として図7に基づいて、図1をも参照しつつ、図示の実施形態に係るアスファルト舗装の修復方法を説明する。
図7において、ステップS1では、劣化したアスファルト舗装の表層Fpaをヒータ車10によって加熱する。
ステップS2では、ヒータ車10に装備された掻き起こし装置30により、加熱された劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こす。
ステップS3では、掻き起こされた劣化アスファルト舗装上に、新規アスファルト混合物を、例えばダンプトラック20によって、例えば2cmの厚みで敷設する。
そして、新規アスファルト混合物を敷設した後、スチールローラ50で転圧して(ステップS4)、最後にタイヤローラ60で舗装表面を滑らかに均す。
【0040】
ステップS2において、修復するべき領域の全面に亘って劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こしたならば、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域が切削されて、かく乱されるので、図8、図9で示すように、劣化アスファルト舗装の表層Fpaに生じた「わだち掘れ」や「ひび割れ」等は、完全に消失する。
「わだち掘れ」や「ひび割れ」等の深さが例え3cmを超える場合でも、掻き起こし深さが2cm〜3cmあれば、「わだち掘れ」、「ひび割れ」の対策としては、充分効果的である。
【0041】
図8、図9で示す様に、掻き起こし装置3により劣化アスファルト舗装体の表層が掻き起こされ、ひび割れが消失するので、ステップS3において、掻き起こされた劣化アスファルト舗装上に、新規アスファルト混合物を敷設しても、補修工事の終了後、新規アスファルト混合物の表面に、補修された劣化アスファルト舗装体の表層に存在していたのと同様な「ひび割れ」が現れること(リフレクション クラック)はない。
なお、図8、図9において、符号Fbは掻き起こし装置3によって掻き起こされた領域を示している。
【0042】
前記ステップS2においては、図10で示す様に、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こしているので、当該掻き起こされた領域は硬化していない、比較的柔軟な状態となっている。
そのため、新規に敷設されたアスファルト混合物A中の骨材Mは、当該掻き起こされた領域に対して容易に食い込むことが出来るので、劣化アスファルト舗装Bと、新規に敷設されたアスファルト混合物Aとが確実に一体化されるのである。
【0043】
ここで、ステップS2により、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こし、新規アスファルト混合物A中の骨材Mが、劣化アスファルト舗装Bに食い込み易くなっているため、新規に敷設されたアスファルト混合物Aの厚さ寸法が小さく設定されていても、劣化アスファルト舗装Bと、新規に敷設されたアスファルト混合物Aとは確実に一体化する。
【0044】
さらに、図示の実施形態では、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ寸法が小さくても、新規に敷設されたアスファルト混合物中の骨材が、劣化アスファルト舗装の掻き起こされた領域に対して容易に食い込むため、新規に敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向について、複数の骨材が存在することが可能となる。そのため、複数の骨材同士の噛み合わせにより、敷設されたアスファルト混合物の厚さ方向における緩衝作用が発揮される。
【0045】
ここで、図7のステップS1において、劣化アスファルト舗装の表層Fpaが加熱されているので、劣化アスファルト舗装におけるアスファルト成分は、本来の粘性を取り戻す。そして、係る粘性により、敷設された新規アスファルト混合物と、表層部が掻き起こされた劣化アスファルト舗装とが一体化し易くなるのである。
【0046】
劣化したアスファルト舗装と新規に敷設されたアスファルト混合物とが容易に一体化する図示の実施形態によれば、接着剤として乳剤を使用する必要がない。
すなわち、図示の実施形態によれば、従来技術のように、乳剤が乾燥するまで新規のアスファルト混合物の敷設を待機する必要はなくなる。その結果、劣化したアスファルト舗装の修復作業が効率化され、作業期間が大幅に短縮されるのである。
【0047】
さらに、図示の実施形態において、劣化アスファルト舗装の表層Fpaを掻き起こす直前に、図7のステップS1で加熱しており、その結果、劣化アスファルト舗装表層Fpaは軟化する。そのため、掻き起こし装置3の切削刃36に多大な荷重を作用させなくても、劣化アスファルト舗装表層から1cm〜3cmの領域を容易に掻き起こすことが出来る。
その結果、図示の実施形態によれば、劣化アスファルト舗装表層Fpaから1cm〜3cmの領域を掻き起こす作業は、従来技術(例えば、図11を参照して説明した切削オーバレイ工法)で劣化アスファルト舗装表層Fpaから3cm〜5cmの領域を削り取る作業に比較して、極めて容易に実行することが出来る。
【0048】
さらに、図示の実施形態によれば、ステップS2で劣化アスファルト舗装の表層部Fpaを掻き起こした際に、当該掻き起こした領域における劣化アスファルト舗装を廃棄せずに、新規アスファルト混合物を敷設しているので、掻き起こされた劣化アスファルトを廃棄する必要がない。そのため、掻き起こされた劣化アスファルトを産業廃棄物処理施設まで運搬する作業も不要である。
その結果、産業廃棄物である劣化アスファルト舗装の発生材の運搬コストや、処理設備で処理するためのコストが不要となる。そして、いわゆる「ゼロ・エミッション」が達成出来る。
【0049】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない。
【符号の説明】
【0050】
1・・・台車部
2・・・走行車輪
3・・・掻き起こし装置
4・・・運転台
5・・・ヒータ
10・・・ヒータ車
20・・・ダンプトラック
30・・・ベース部
31・・・垂直部材
32A・・・第1のリンク
32B・・・第2のリンク
33・・・第1の水平部材
33S・・・第1のサイドプレート
34・・・第3の水平部材
34S・・・第2のサイドプレート
35・・・切削刃取付ブラケット
36・・・切削刃
40・・・アスファルトフィニッシャ
50・・・スチールローラ
60・・・タイヤローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
修復するべきアスファルト舗装の表層を加熱する工程と、加熱されたアスファルト舗装の全領域に亘って表層から所定の深さまでを掻き起こす工程と、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する工程を有することを特徴とするアスファルト舗装の修復方法。
【請求項2】
修復するべきアスファルト舗装の表層を加熱する加熱装置と、加熱されたアスファルト舗装の表層から所定の深さの領域を掻き起こす掻き起こし装置を有することを特徴とするアスファルト舗装の修復装置。
【請求項3】
前記加熱装置と前記掻き起こし装置とが一体化されており、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する装置と組み合わされている請求項2のアスファルト舗装の修復装置。
【請求項1】
修復するべきアスファルト舗装の表層を加熱する工程と、加熱されたアスファルト舗装の全領域に亘って表層から所定の深さまでを掻き起こす工程と、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する工程を有することを特徴とするアスファルト舗装の修復方法。
【請求項2】
修復するべきアスファルト舗装の表層を加熱する加熱装置と、加熱されたアスファルト舗装の表層から所定の深さの領域を掻き起こす掻き起こし装置を有することを特徴とするアスファルト舗装の修復装置。
【請求項3】
前記加熱装置と前記掻き起こし装置とが一体化されており、掻き起こされたアスファルト舗装に新規のアスファルト混合物を敷設する装置と組み合わされている請求項2のアスファルト舗装の修復装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−179289(P2011−179289A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−47255(P2010−47255)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000181354)鹿島道路株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000181354)鹿島道路株式会社 (46)
【Fターム(参考)】
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