説明

アスベスト処理方法および装置

【課題】主に、化石燃料の使用量、および、二酸化炭素の発生量を減らしつつ、アスベストを有効に処理し得るようにする。
【解決手段】アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌して粘土状の混合物11とする混合撹拌装置4と、混合撹拌工程5で形成された粘土状の混合物11に対して、摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰装置12と、摩擦擂潰工程13で擂潰された粉砕物21を、電気溶融する電気溶融装置22とを、上流側から順に備えて、アスベスト含有材1中のアスベストを無害化可能に構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アスベスト処理方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
環境汚染や健康被害の原因物質であるアスベストを、容易且つ安全に処理する技術を開発する必要性が高まっている。このようなアスベストの処理技術としては、現在、アスベストを溶鉱炉に投入して溶融する溶融工法が一般的とされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−319838
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、アスベストを、溶鉱炉で溶融する溶融工法には、多量の化石燃料を使用するという問題や、化石燃料の燃焼過程で二酸化炭素が多量に発生するという問題があった。
【0004】
なお、上記した以外にも、本発明に至る過程で新たな問題やその他の問題などが生じることが考えられるが、そのようなものについては、本発明の中で説明することによって、この欄での記載に代えることができるものとする。但し、必要な場合には、この欄に流用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、アスベスト含有材と生石灰とを、水蒸気を加えつつ、混合撹拌装置で混合撹拌して粘土状の混合物とする混合撹拌工程と、混合撹拌工程で形成された粘土状の混合物に対して、摩擦擂潰装置で摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰工程と、摩擦擂潰工程で擂潰された粉砕物を、電気溶融装置で電気溶融する電気溶融工程とを順に行うことにより、アスベスト含有材中のアスベストを無害化するアスベスト処理方法を特徴としている。
【0006】
請求項2に記載された発明は、アスベスト含有材と生石灰とを、水蒸気を加えつつ、混合撹拌して粘土状の混合物とする混合撹拌装置と、混合撹拌工程で形成された粘土状の混合物に対して、摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰装置と、摩擦擂潰工程で擂潰された粉砕物を、電気溶融する電気溶融装置とを、上流側から順に備えて、アスベスト含有材中のアスベストを無害化可能に構成されたアスベスト処理装置を特徴としている。
【0007】
請求項3に記載された発明は、上記において、前記混合撹拌装置と、前記摩擦擂潰装置とが、上下に配設されると共に、一体的に構成されることにより、混合撹拌装置で生成された粘土状の混合物を、摩擦擂潰装置へ直接送給可能に構成されたことを特徴している。
【0008】
請求項4に記載された発明は、上記において、前記電気溶融装置が、前記混合撹拌装置へ送給する水蒸気を発生可能な水蒸気発生手段を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明の方法によれば、上記構成により、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、先ず、混合撹拌工程では、アスベスト含有材と生石灰とを、水蒸気を加えつつ、混合撹拌装置で混合撹拌する。これにより、生石灰と水蒸気とが反応して温度が上昇され、この温度上昇によりアスベスト含有材が軟化されて、流動性の高い粘土状の混合物となる。この粘土状の混合物は、取扱が容易であると共に、含有されるアスベストを閉込めて空気中に飛散することを防止することができる。そして、摩擦擂潰工程では、この粘土状の混合物に対し、摩擦擂潰装置で摩擦擂潰しを行う。これにより、アスベスト含有材中のアスベストを物理的に破壊(一次破壊)することができる。この際、摩擦熱によって、粉砕物の温度が更に上昇される。なお、この摩擦熱は、かなりの温度上昇効果を有しているので、この段階で既に、後述の二次破壊とほぼ同様のアスベストの溶融破壊が各所で発生されることになる。その後、電気溶融工程では、摩擦擂潰工程で擂潰され温度が上昇された粉砕物を、電気溶融装置で電気溶融する。これにより、アスベストを少ない投入エネルギーで容易且つ完全に溶融破壊(二次破壊)することができる。これらの工程を経ることによって、容易、安全、且つ、効率的にアスベストを処理することができる。また、化石燃料の直接使用がないので、化石燃料の使用量と二酸化炭素の発生量とを減らすことができる。
【0010】
請求項2の装置の発明によれば、上記構成により、請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、上記構成により、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、上側に配設された混合撹拌装置で生成された粘土状の混合物を、下側に配設された摩擦擂潰装置へ直接送給することができるので、送給経路を最短とすることができ、その分、装置を小型化することができる。しかも、アスベストを含む粘土状の混合物を、外部へ露出させることなく最短経路で直接受渡すことができるので、安全性の高い装置構成とすることができる。また、混合撹拌装置の重量を、摩擦擂潰装置にて重錘として利用することができるため、合理的で効率が良い。
【0012】
請求項4の発明によれば、上記構成により、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、電気溶融装置に備えられた水蒸気発生手段によって、水蒸気を発生し、混合撹拌装置へ送給し、混合撹拌装置で使用することにより、電気溶融装置の熱を有効活用し、エネルギー効率をより一層向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、主に、化石燃料の使用量、および、二酸化炭素の発生量を減らしつつ、アスベストを有効に処理することを目的としている。
【0014】
以下、本発明を具体化した実施例について、図示例と共に説明する。
【0015】
なお、以下の実施例は、上記した背景技術や発明が解決しようとする課題などと密接な関係があるので、必要が生じた場合には、互いに、記載を流用したり、必要な修正を伴って流用したりすることができるものとする。
【実施例】
【0016】
図1〜図9は、この発明の実施例を示すものである。
【0017】
「構成」まず、構成について、主に、図1、図2を用いて説明する。
(1)アスベスト処理方法
アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌装置4で混合撹拌して粘土状の混合物11とする混合撹拌工程5と、混合撹拌工程5で形成された粘土状の混合物11に対して、摩擦擂潰装置12で摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰工程13と、摩擦擂潰工程13で擂潰された粉砕物21を、電気溶融装置22で電気溶融する電気溶融工程23とを順に行うことにより、アスベスト含有材1中のアスベストを無害化し得るようにする。
【0018】
(2)アスベスト処理装置
上記(1)のアスベスト処理方法を実現するために、一例として、以下のような構成を有するアスベスト処理装置31を設ける。
【0019】
このアスベスト処理装置31を、アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌して粘土状の混合物11とする混合撹拌装置4と(混合撹拌工程5)、混合撹拌工程5で形成された粘土状の混合物11に対して、摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰装置12と(摩擦擂潰工程13)、摩擦擂潰工程13で擂潰された粉砕物21を、電気溶融する電気溶融装置22と(電気溶融工程23)を、上流側から順に備えて、アスベスト含有材1中のアスベストを無害化可能な構成とする。
【0020】
(3)上記アスベスト処理装置31において、好ましくは、混合撹拌装置4と、摩擦擂潰装置12とが、上下に配設されると共に、一体的に構成されることにより、混合撹拌装置4で生成された粘土状の混合物11を、摩擦擂潰装置12へ直接送給可能に構成する(直接送給構成部)。
【0021】
(4)上記アスベスト処理装置31において、好ましくは、電気溶融装置22が、混合撹拌装置4へ送給する水蒸気3を発生可能な水蒸気発生手段33を備える(付設される)ようにする。
【0022】
以下、上記したアスベスト処理装置31の、より具体的な構成について説明する。
【0023】
(5)混合撹拌装置4
混合撹拌装置4は、アスベスト含有材1と生石灰2とを収容する混合撹拌装置本体35と、混合撹拌装置本体35にアスベスト含有材1と生石灰2とを投入する投入手段36と、混合撹拌装置本体35内のアスベスト含有材1と生石灰2とに対して水蒸気3を供給する水蒸気供給手段37と、混合撹拌装置本体35内で水蒸気3が加えられたアスベスト含有材1と生石灰2とに対して混合撹拌を行う撹拌手段38とを備えている。また、混合撹拌装置4は、撹拌手段38によって生成された粘土状の混合物11を摩擦擂潰装置12へと送給する送給手段39を備えている。
【0024】
ここで、上記した混合撹拌装置本体35は、混合撹拌槽41とされている。この場合、混合撹拌槽41は、軸線42が上下方向へ延びて、上端部に投入口43を有し、下端部に取出口44を有して、投入口43と取出口44との間を結ぶ上拡がりまたは下狭まりの内部空間45を有するものとされている。投入口43は、上記した軸線42を中心とする相対的に大きな円形状の開口部とされており、取出口44は、軸線42から若干外れた位置に形成された相対的に小さな開口部とされている。内部空間45は、下方へ進むに従い軸線42に近付くように構成された側線を軸線42の廻りに回転させた形状を呈している。上記した側線は、上部から下部へかけてのほとんどの部分が、一定の傾きを有する直線的なものとされる(緩縮傾斜直線形状部)と共に、下部については、傾きが変化する曲線的なものとされている(急縮曲線形状部)。即ち、混合撹拌槽41の内部圧力は、緩縮傾斜直線形状部で徐々に高められて行くと共に、急縮曲線形状部で急激に高められて、摩擦擂潰装置12へと圧送されるように構成されている。
【0025】
また、投入手段36は、混合撹拌槽41の投入口43へ向けて配設された投入シュート46とされている。この投入シュート46は、混合撹拌槽41の斜上方に配置された、傾斜形状を呈している。投入シュート46の下端部は、投入口43とほぼ同じ高さレベルとなるように設置されている。また、投入シュート46は、確実な投入と効率的な撹拌との両立が可能なように、投入口43の中心部と外周部とのほぼ中間の位置へ向けて投入し得るように配置されている。
【0026】
水蒸気供給手段37は、混合撹拌槽41の内部空間45に配設された水蒸気噴射ノズル47を有している。この場合、水蒸気噴射ノズル47は、上記内部空間45に複数個が分散配置されている。特に、水蒸気噴射ノズル47は、上記内部空間45のほぼ上半部に集中して設置されている。水蒸気噴射ノズル47は、内部空間45全体に対して効率的に水蒸気3を散布し得るように考慮して設置される。この場合には、水蒸気噴射ノズル47は、下方や斜下方などへ向けて噴射されるように設置されている。
【0027】
撹拌手段38は、混合撹拌槽41の内部空間45に配設されたパドル状の撹拌羽根48とされている。この場合、撹拌羽根48は、上記内部空間45に複数枚設けられている。特に、撹拌羽根48は、上記内部空間45のほぼ上半部に集中して設置されている。この撹拌羽根48は、内部空間45全体に対して効率的に撹拌を行い得るような大きさ、形状、取付角度などとされる。
【0028】
送給手段39は、混合撹拌槽41の内部空間45に配設された圧送スクリュウ49を有している。特に、圧送スクリュウ49は、上記内部空間45のほぼ下半部(の撹拌手段38が無い部分、この場合には、緩縮形状部の下部から急縮形状部にかけての部分)に設置されている。よって、この圧送スクリュウ49は、内部空間45の下部形状に対応した螺旋羽根形状を有している。この圧送スクリュウ49は、効率的に粘土状の混合物11を摩擦擂潰装置12へと送給し得るようなものとされている。
【0029】
また、混合撹拌槽41の内部空間45には、その軸線42上の位置に、上下方向へ延びる中心軸部51が配設されている。この中心軸部51に対して、上記した水蒸気噴射ノズル47と、撹拌羽根48と、圧送スクリュウ49とが取付けられている。
【0030】
即ち、この中心軸部51のほぼ上半部には、ほぼ半径方向へ延びる複数本の分岐軸部52が設けられている。この分岐軸部52は、中心軸部51の周方向に対し、位相を適宜ズラせると共に、中心軸部51の軸線42の方向(上下方向)に対し、位置を適宜ズラせて、混合撹拌槽41の内部空間45に合わせた適宜長さとなるように設けられている。この場合、例えば、分岐軸部52は、周方向に90度の位相を有して、中心軸部51の周囲を螺旋状にめぐりつつ、徐々に短くなるように設けられている。また、分岐軸部52は、混合撹拌槽41の下狭まり状の内部空間45の各部の径寸法よりも若干短い長さとなるように設けられている。
【0031】
そして、中心軸部51および分岐軸部52は、共に、中空とされ、互いに連通されることにより、内部に水蒸気3を流通可能な蒸気管53,54とされている。更に、少なくとも各分岐軸部52の先端部分に、水蒸気噴射ノズル47が設けられている。なお、水蒸気噴射ノズル47は、上記の他に、または、上記に代えて、各分岐軸部52の中間部分や中心軸部51の中間部分などに設けるようにしても良い。
【0032】
また、少なくとも各分岐軸部52の先端部分に、撹拌羽根48が取付けられている。なお、撹拌羽根48は、上記の他に、または、上記に代えて、各分岐軸部52の中間部分や中心軸部51の中間部分などに設けるようにしても良い。
【0033】
更に、中心軸部51の下半部には、圧送スクリュウ49が取付けられている。
【0034】
そして、混合撹拌槽41と中心軸部51とは、中心軸部51の位置を中心として相対的に回転可能に構成されている。この場合には、中心軸部51が固定で、混合撹拌槽41が、回転可能となるように設置されている。そして、混合撹拌槽41には、回転機構56が設けられている。この回転機構56は、回転支持機構部57と、回転駆動機構部58とを備えている。
【0035】
回転支持機構部57は、混合撹拌槽41の下半部を回転可能に支持する軸受装置部61と、混合撹拌槽41の上半部の回転を案内するガイド装置部62とを備えている。
【0036】
軸受装置部61は、上レース部63と、下レース部64と、複数個のベアリングボール65とを有するボールベアリング構造のものとされている。上レース部63および下レース部64は、混合撹拌槽41と同心で且つ混合撹拌槽41の外周に対して若干の隙間を有する程度の大きさのリング状を呈している。上レース部63と下レース部64とは、少なくとも一部が上下方向に重なる大きさに形成されている。そして、上レース部63の下面と、下レース部64の上面との重なり部分には、混合撹拌槽41と同心円状の上下のボール溝がそれぞれ形成され、この上下のボール溝の間に、上記した複数個のベアリングボール65が転動自在に介装されている。
【0037】
この場合、上レース部63は、回転側とされている。一方、下レース部64は、固定側とされている。
【0038】
そのために、上レース部63は、混合撹拌槽41に取付ブラケット68を介して取付けられている。この取付ブラケット68は、図3に示すようなものであり、混合撹拌槽41に対し、回転方向に対しては一体回転可能で、上下方向に対しては相対移動可能に取付けられている。そのために、混合撹拌槽41の外周からは、キー状突起71が突設され、取付ブラケット68のキー状突起71と対応する内面部分には、キー状突起71に対して若干のクリアランスを有して嵌り合うと共に上下方向へ延びるキー受凹溝部72が凹設形成されている。
【0039】
ガイド装置部62は、図4に示すようなものであり、混合撹拌槽41の外周に当接し、周方向に回転可能な支持ローラ73などとされている。この支持ローラ73は、混合撹拌槽41の軸線42と平行な回転軸74を有すると共に、混合撹拌槽41の周方向に均等に多数(3箇所以上。この場合には、4箇所などとされている)配設されている。
【0040】
回転駆動機構部58は、モータなどの駆動装置75と、この駆動装置75に機械的に接続された減速機構76と、この減速機構76に機械的に接続された駆動歯車部77とを備えている。この場合、駆動歯車部77は、上レース部63の外周に刻設されて、上レース部63に回転駆動力を伝達し得るように構成されている。
【0041】
(6)摩擦擂潰装置12
摩擦擂潰装置12は、上部擂潰板81と、下部擂潰板82とを備えている。この上部擂潰板81と、下部擂潰板82とは、混合撹拌槽41の軸線42と面直な面(水平な面)を有すると共に、互いに面接(圧接)されている。上部擂潰板81と、下部擂潰板82とは、混合撹拌槽41の外径と同じか、それよりも若干大きい、互いにぼ等しい外径寸法を有している
上部擂潰板81は、混合撹拌槽41の軸心を中心とする円板状をした耐摩耗性鋼板で構成されている。上部擂潰板81は、図5に示すようなものであり、下面側に、擂潰用上溝部83を備えている。この擂潰用上溝部83は、ほぼ上部擂潰板81の中心から外周へ向けて形成されている。擂潰用上溝部83は、この場合には、円板状をした耐摩耗性鋼板を、半径方向に延びる8本の境界線によって、周方向に隣接する同じ大きさの8つの扇形の区画に分けると共に、各区画に、片側の境界線と平行な複数本の擂潰用上溝部83を複数形成したものとしている。なお、境界線に対し、擂潰用上溝部83を形成しても良い。そして、各擂潰用上溝部83に対し、中心側から順に、深溝および/または広幅の荒目部84、中深溝および/または中広幅の中目部85、浅溝および/または細幅の細目部86をそれぞれ形成することにより、中心側から外周側へ向けて徐々に目が細かくなるようにしている。
【0042】
これに対し、下部擂潰板82は、混合撹拌槽41の軸心を中心とする円板状をした耐摩耗性鋼板で構成されている。下部擂潰板82は、特に図示しないが、上面側に、擂潰用下溝部を備えている。この擂潰用下溝部は、ほぼ下部擂潰板82の中心から外周へ向けて形成されている。擂潰用下溝部は、円板状をした耐摩耗性鋼板を、半径方向に延びる8本の境界線によって、周方向に隣接する同じ大きさの8つの扇形の区画に分けると共に、各区画に、他側(上部擂潰板81の場合とは反対の側)の境界線と平行な複数本の擂潰用下溝部を複数形成したものとしている。なお、境界線に対し、擂潰用下溝部を形成しても良い。そして、各擂潰用下溝部に対し、中心側から順に、深溝および/または広幅の荒目部、中深溝および/または中広幅の中目部、浅溝および/または細幅の細目部を形成することにより、中心側から外周側へ向けて徐々に目が細かくなるようにしている。
【0043】
そして、上部擂潰板81と下部擂潰板82とを合わせた時に、擂潰用上溝部83と擂潰用下溝部とが、ほぼ交差されることにより、回転によって、上記粘土状の混合物11が擂り潰されつつ徐々に外側へと移送されて行くように構成されている。
【0044】
更に、上部擂潰板81は、回転側とされている。一方、下部擂潰板82は、固定側とされている。
【0045】
そのために、上部擂潰板81は、混合撹拌装置本体35の混合撹拌槽41の底部に一体に固定されている。そして、上部擂潰板81は、混合撹拌槽41の底部に形成された取出口44と直接連通する供給口87を有している。この取出口44および供給口87は、図6に示すように、中心(軸線42)側が狭く外側が広くなるような巴形とされており、この巴形をした供給口87は、少なくとも回転方向に対して後側の側面に、粘土状の混合物11の入り込みを促進するための傾斜縁部88を備えている。この傾斜縁部88は、下方へ進むに従い外方へ拡がるように傾斜されており、切削加工などによって形成されている。
【0046】
また、下部擂潰板82は、後述する固定台座91の上部に一体に固定されている。
【0047】
そして、図7に示すように、上部擂潰板81と下部擂潰板82との外周縁部は、擂潰された粉砕物21の排出部92とされており、この排出部92には、排出された粉砕物21を受けるリング状の受皿部93が形成されている。この受皿部93は、下部擂潰板82の外周に同心円状に配設されている。
【0048】
更に、この受皿部93の周方向の1箇所の位置には、落下口94が形成されている。また、受皿部93には、排出された粉砕物21を掻集めて落下口94へ落す集合羽根95が配設されている。この集合羽根95は、リング状の受皿部93の内部に沿って周方向に回動可能に設置されている。この集合羽根95は、リング状の受皿部93の断面形状とほぼ同じ形状を呈している。この集合羽根95は、1枚又は複数枚設けられている(この場合には、180度の位相を有して2枚とされている)。この集合羽根95は、L型の支持アーム96を介して、混合撹拌槽41の側面に取付けられており、混合撹拌槽41と共に回動し得るように構成されている。
【0049】
そして、特に、図1に示すように、混合撹拌槽41を厚肉の重量物とすることにより、一体に構成された混合撹拌装置4と摩擦擂潰装置12とによって、混合撹拌装置4が内蔵された、混合撹拌機能付きの自動石臼装置を構成するようにしている。なお、厚肉とされた混合撹拌槽41の外周は、軸線42を中心とする円筒状に形成されている。
【0050】
(7)電気溶融装置22
電気溶融装置22は、電気高温暖熱機97(電気ヒータ装置)を備えている。この電気溶融装置22は、上記した固定台座91の内部で且つ下部に設置されている。
【0051】
そして、固定台座91における、電気高温暖熱機97(の上部)と下部擂潰板82(の下部)との間の部分には、上記した水蒸気発生手段33が設置されている。この水蒸気発生手段33は、水蒸気発生管98を備えている。この水蒸気発生管98は、固定台座91の内部を水平方向に延びると共に、上下方向に複数回折返された、複数折返形状を有する蛇管とされている。特に、水蒸気発生管98は、上流側が電気高温暖熱機97に近接され(下側に位置し)、下流側が下部擂潰板82に近接され(上側に位置し)て、下から上へと経路が上がって行くように構成されている。この水蒸気発生管98は、図示しないヘッダーなどを介して、横方向に複数並設させるようにしても良い。この水蒸気発生管98の上流側端部には、水99を供給可能なポンプ101が取付けられている。このポンプ101は、例えば、圧送水ポンプなどとされている。また、水蒸気発生管98の下流側端部には、発生した高温の水蒸気3を、上記した蒸気管53,54へと送給する蒸気送給管路102が接続されている。
【0052】
この蒸気送給管路102の途中には、必要に応じて、水蒸気蓄積器103(水蒸気タンク)と、圧力計104と、開閉弁105とが、適宜、設けられる。
【0053】
更に、電気高温暖熱機97の下方には、所定の間隔111を有して焼却回転板112が配設される。この焼却回転板112は、下部擂潰板82および電気高温暖熱機97の下面とほぼ平行となるように、ほぼ水平に設置される。上記した所定の間隔111は、一回転する間に、電気高温暖熱機97で電気溶融可能な量の粉砕物21を、焼却回転板112上に載置可能な程度のものとする。
【0054】
この焼却回転板112は、その下部を断熱層113を介して回転機114に回転可能に支持されている。断熱層113は、図8に示すように、回転機114に熱影響を与えない程度の厚みに設置された耐火レンガ115の層などによって構成されている。耐火レンガ115は、水平な円板状をしたベース板116の上に載置されている。ベース板116および焼却回転板112は、同心状に配設された円板などとされている。ベース板116および焼却回転板112は、その回転中心が、回転機114の回転中心と一致するように設置されている。回転機114は、電動式のターンテーブル117などで構成されている。回転機114は、その回転速度を調整可能に構成されている。なお、回転機114の回転中心は、必ずしも、上記した混合撹拌槽41の軸線42と一致する必要はないが、一致させることが、アスベスト処理装置31を小型化するなどの上では好ましい。
【0055】
そして、上記した受皿部93の落下口94の下部には、受皿部93から焼却回転板112の上へと粉砕物21を供給可能な散布用ホッパー部121が設けられている。この散布用ホッパー部121は、図9に示すように、焼却回転板112の中心から外周にかけて延びる細長い供給口部122を備えている。この場合、供給口部122は、焼却回転板112のほぼ半径方向へ延びるものとされているが、半径方向に対して傾斜配置させるようにしても良い。この供給口部122は、焼却回転板112の回転方向の上流側(後側)の側面が、焼却回転板112の表面にほぼ摺接されることにより、一回転してきた溶融物125を掻取可能な掻取用縁部123とされ、回転方向の下流側(前側)の側面が、焼却回転板112の表面から離間されることにより、粉砕物21の散布厚さを設定可能な散布厚設定用縁部124とされている。
【0056】
更に、焼却回転板112の外周における、掻取用縁部123に隣接した回転方向の上流側の位置には、排出用シュート部126が接続されている。この排出用シュート部126は、焼却回転板112の外周からほぼ半径方向外方へ向けて下り勾配に傾斜配置されている。そして、排出用シュート部126が設けられた部分以外の焼却回転板112の外周には、焼却回転板112からの粉砕物21の落下を防止するための側壁127が設けられている。この側壁127は、固定壁とされて、焼却回転板112が摺接回転し得るように構成されている。なお、排出用シュート部126を介して排出された溶融物125は、微粒状のものとなり、セメント材として再利用が可能なものとなる。
(8) 上記以外のアスベスト処理装置31の全体構成
アスベスト処理装置31は、図1に示すように、ほぼ全体が、金属フレーム131の内部に収容されている。この場合、金属フレーム131は、正方形状をした底板131a(または下枠体)と、これと対応する大きさおよび向きの上枠体131bと、底板131aおよび上枠体131bの対応するコーナー部間を連結する4本のほぼ垂直な柱部材131cとを一体に有するほぼ直方体枠状を呈している。
【0057】
この金属フレーム131は、4つの側面、および、上面に、面材を取付けることにより、内部を遮蔽性の高い構造物(ここでは、遮蔽性構造物という)とすることができる。上記面材を、ガラス板や透明樹脂パネルなどの透明面材などとすることにより、内部を視認し得るものとすることができる。なお、投入手段36(投入シュート46)、排出用シュート部126、ポンプ101への水供給管については、この遮蔽構造物を貫通させて配置する必要があるので、これらに対する挿入口を適宜設けるようにする。また、これらの挿入口に対して適当なシール手段を施すことにより、金属フレーム131を、より遮蔽性の高い構造物(ここでは、高遮蔽性構造物という)とすることができる。なお、投入シュート46と排出用シュート部126とは、金属フレーム131の反対となる側の側面に対して挿入配置されるように構成されている。また、投入シュート46とポンプ101への水供給管とは、同じ側の側面から挿入配置されるように構成されている。
【0058】
そして、金属フレーム131内の底部に、回転機114、断熱層113、焼却回転板112などを設置する。
【0059】
また、焼却回転板112の上部に、間隔111を有して、固定台座91、上記した混合撹拌機能付きの自動石臼装置(混合撹拌装置4および摩擦擂潰装置12など)、ポンプ101を配設する。固定台座91およびポンプ101は、金属フレーム131の4本の垂直な柱部材131c間の対応する位置に取付けた、中間床部133の上部に載置する。なお、中間床部133には、電気高温暖熱機97の下面部分を貫通配置して、焼却回転板112に直接対向可能な開口部などを形成する。
【0060】
また、回転支持機構部57(軸受装置部61)の下レース部64を、4本の垂直な柱部材131c間の対応する位置に取付けた、中間取付ブラケット134に固定する。
【0061】
更に、回転支持機構部57(ガイド装置部62)の支持ローラ73を、4本の垂直な柱部材131c間の対応する位置に取付けた、上下一対のローラ支持アーム135に、回転軸74を介して軸支する。
【0062】
同様に、蒸気送給管路102を、4本の垂直な柱部材131cのいずれかにほぼ沿って立上げると共に、当該柱部材131cに、蒸気送給管路102の途中に設けられた水蒸気蓄積器103を固定ブラケットを介して固定する。
【0063】
更に、金属フレーム131の上枠体131bに、図2に示すような十文字状の補強梁部132を設けて、この補強梁部132の交差部分に、軸固定部材137を用いて中心軸部51の上端部を、回転しないように固定する。なお、この軸固定部材137は、蒸気送給管路102の上端部も接続されて、蒸気管53へ蒸気を供給し得るように構成される。
【0064】
なお、自動石臼装置の回転中心と、回転機114の回転中心と、金属フレーム131の中心とは、一致させるようにするのが、装置をより小型化する上で、最も好ましい。
【0065】
そして、混合撹拌装置本体35(混合撹拌槽41)の上端の投入口43に対して、特に図示しないが、蓋体を設けることができる。蓋体を設ける場合には、蓋体は、4本の垂直な柱部材131cなどに固定して、混合撹拌槽41が摺接回転し得るようにする。この蓋体には、投入シュート46からの投入物を投入可能な小開口部を設けておくようにする。
【0066】
「作用」 次に、この実施例の作用について説明する。
【0067】
アスベスト処理装置31を運転する場合、先ず、混合撹拌槽41を回転する。そのために、駆動装置75を駆動し、減速機構76、駆動歯車部77(上レース部63)を介して、取付ブラケット68へと駆動力を伝達し、混合撹拌槽41を回転させるようにする。
【0068】
そして、電気高温暖熱機97をオンにすると共に、ポンプ101を駆動して、水蒸気発生管98へ水99を送り、電気高温暖熱機97で、水蒸気発生管98内の水99を加熱して、水蒸気3を発生させる。この水蒸気3は、蒸気送給管路102を介して水蒸気蓄積器103へ一時的に集められ、圧力計104で圧力を調整しつつ、開閉弁105により、蒸気管53,54、水蒸気噴射ノズル47へと送られる。
【0069】
この状態で、投入シュート46からアスベスト含有材1と生石灰2とを混合撹拌槽41へ投入する。この際、アスベスト含有材1は、予め適当な大きさに砕いておくようにするのが好ましい。
【0070】
すると、混合撹拌槽41では、アスベスト含有材1と生石灰2とが、撹拌羽根48によって撹拌されると共に、水蒸気噴射ノズル47からの水蒸気3によって加湿され、徐々に粘土状の混合物11が形成されて行く。この際、生石灰2と水蒸気3とが反応して、温度が上昇されることにより、粘土状の混合物11の流動性が高められて行く。
【0071】
そして、形成された粘土状の混合物11は、圧送スクリュウ49により、取出口44、供給口87を介して摩擦擂潰装置12へと圧送される。
【0072】
摩擦擂潰装置12では、粘土状の混合物11は、上部擂潰板81と下部擂潰板82との間で擂り潰されることとなる。この際、擂潰用上溝部83と擂潰用下溝部で、荒目部84、中目部85、細目部86の順に擂り潰されて徐々に粉末状にされて行く。更に、摩擦擂潰装置12の粉砕物21は、電気高温暖熱機97、水蒸気発生管98からの熱によって、更に温度が上昇されて行く。
【0073】
摩擦擂潰装置12で擂り潰された粉末状の粉砕物21は、上部擂潰板81と下部擂潰板82との間の外周部分から受皿部93へと取出され、集合羽根95によってかき集められると共に、落下口94から散布用ホッパー部121を介して焼却回転板112へと落下される。
【0074】
焼却回転板112へと落下された粉砕物21は、散布用ホッパー部121の供給口部122に設けられた掻取用縁部123によって散布厚さを調整される。そして、焼却回転板112が一回転するうちに、電気高温暖熱機97によって電気溶融され、針状結晶が完全に破壊された無害の粉末状をした溶融物125となる。
【0075】
そして、焼却回転板112が一回転すると、粉末状の溶融物125は、散布用ホッパー部121の供給口部122に設けられた掻取用縁部123によって焼却回転板112から掻取られ、排出用シュート部126から排出される。こうして得られた、粉末状の溶融物125はセメント材として再利用される。
【0076】
このように、この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
【0077】
(1)アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌装置4で混合撹拌して粘土状の混合物11とする混合撹拌工程5と、混合撹拌工程5で形成された粘土状の混合物11に対して、摩擦擂潰装置12で摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰工程13と、摩擦擂潰工程13で擂潰された粉砕物21を、電気溶融装置22で電気溶融する電気溶融工程23とを順に行うことにより、アスベスト含有材1中のアスベストを無害化することで、以下のような作用効果を得ることができる。
【0078】
即ち、先ず、混合撹拌工程5では、アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌装置4で混合撹拌する。これにより、生石灰2と水蒸気3とが反応して温度が上昇され、この温度上昇によりアスベスト含有材1が軟化されて、流動性の高い粘土状の混合物11となる。この粘土状の混合物11は、取扱が容易であると共に、含有されるアスベストを閉込めて空気中に飛散することを防止することができる。
【0079】
そして、摩擦擂潰工程13では、この粘土状の混合物11に対し、摩擦擂潰装置12で摩擦擂潰しを行う。これにより、アスベスト含有材1中のアスベストを物理的に破壊(一次破壊)することができる。この際、摩擦熱によって、粉砕物21の温度が更に上昇される。なお、この摩擦熱は、かなりの温度上昇効果を有しているので、この段階で既に、後述の二次破壊とほぼ同様のアスベストの溶融破壊が各所で発生されることになる。しかも、電気溶融装置22および水蒸気発生手段33からの熱が加算される構成の場合には、上記アスベストの溶融破壊は、より有利に、より一層活発に展開されることになる。
【0080】
その後、電気溶融工程23では、摩擦擂潰工程13で擂潰され温度が上昇された粉砕物21を、電気溶融装置22で電気溶融する。これにより、アスベストを少ない投入エネルギーで容易且つ完全に溶融破壊(二次破壊)することができる。これらにより、アスベストは、針状結晶を完全に破壊され、確実に無害化される。
【0081】
これらの工程を経ることによって、容易、安全、且つ、効率的にアスベストを処理することができる。また、化石燃料の直接使用がないので、化石燃料の使用量と二酸化炭素の発生量とを減らすことができる。
【0082】
(2)アスベスト含有材1と生石灰2とを、水蒸気3を加えつつ、混合撹拌して粘土状の混合物11とする混合撹拌装置4と、混合撹拌工程5で形成された粘土状の混合物11に対して、摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰装置12と、摩擦擂潰工程13で擂潰された粉砕物21を、電気溶融する電気溶融装置22とを、上流側から順に備えて、アスベスト含有材1中のアスベストを無害化可能に構成されたことにより、(1)と同様の作用効果を得ることができる。
【0083】
(3)上記において、混合撹拌装置4と、摩擦擂潰装置12とが、上下に配設されると共に、一体的に構成されることにより、混合撹拌装置4で生成された粘土状の混合物11を、摩擦擂潰装置12へ直接送給可能に構成されたことで、以下のような作用効果を得ることができる。
【0084】
即ち、上側に配設された混合撹拌装置4で生成された粘土状の混合物11を、下側に配設された摩擦擂潰装置12へ直接送給することができるので、送給経路を最短とすることができ、その分、装置を小型化することができる。しかも、アスベストを含む粘土状の混合物11を、外部へ露出させることなく最短経路で直接受渡すことができるので、安全性の高い装置構成とすることができる。また、混合撹拌装置4の重量を、摩擦擂潰装置12にて重錘として利用することができるため、合理的で効率が良い。
【0085】
(4)、上記において、電気溶融装置22が、混合撹拌装置4へ送給する水蒸気3を発生可能な水蒸気発生手段33を備えたことにより、以下のような作用効果を得ることができる。即ち、電気溶融装置22に備えられた水蒸気発生手段33によって、水蒸気3を発生し、混合撹拌装置4へ送給し、混合撹拌装置4で使用することにより、電気溶融装置22の熱を有効活用し、エネルギー効率をより一層向上することができる。
【0086】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、実施例はこの発明の例示にしか過ぎないものであるため、この発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施例にかかるアスベスト処理装置の全体側面図である。
【図2】図1の上面図である。
【図3】図2の取付ブラケット部分の拡大図である。
【図4】図1の支持ローラ部分の拡大斜視図である。
【図5】上部擂潰板の部分的な底面図である。
【図6】(a)(b)はそれぞれ、摩擦擂潰装置の部分図である。
【図7】自動石臼装置の腰部の拡大斜視図である。
【図8】焼却回転板周辺の部分的な斜視図である。
【図9】焼却回転板の平面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 アスベスト含有材
2 生石灰
3 水蒸気
4 混合撹拌装置
5 混合撹拌工程
11 混合物
12 摩擦擂潰装置
13 摩擦擂潰工程
21 粉砕物
22 電気溶融装置
23 電気溶融工程
33 水蒸気発生手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスベスト含有材と生石灰とを、水蒸気を加えつつ、混合撹拌装置で混合撹拌して粘土状の混合物とする混合撹拌工程と、
混合撹拌工程で形成された粘土状の混合物に対して、摩擦擂潰装置で摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰工程と、
摩擦擂潰工程で擂潰された粉砕物を、電気溶融装置で電気溶融する電気溶融工程とを順に行うことにより、アスベスト含有材中のアスベストを無害化することを特徴とするアスベスト処理方法。
【請求項2】
アスベスト含有材と生石灰とを、水蒸気を加えつつ、混合撹拌して粘土状の混合物とする混合撹拌装置と、
混合撹拌工程で形成された粘土状の混合物に対して、摩擦擂潰しを行う摩擦擂潰装置と、
摩擦擂潰工程で擂潰された粉砕物を、電気溶融する電気溶融装置とを、上流側から順に備えて、アスベスト含有材中のアスベストを無害化可能に構成されたことを特徴とするアスベスト処理装置。
【請求項3】
前記混合撹拌装置と、前記摩擦擂潰装置とが、上下に配設されると共に、一体的に構成されることにより、混合撹拌装置で生成された粘土状の混合物を、摩擦擂潰装置へ直接送給可能に構成されたことを特徴とする請求項2記載のアスベスト処理装置。
【請求項4】
前記電気溶融装置が、前記混合撹拌装置へ送給する水蒸気を発生可能な水蒸気発生手段を備えたことを特徴とする請求項2または3記載のアスベスト処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−240953(P2009−240953A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−91715(P2008−91715)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(596070216)中特建機株式会社 (4)
【Fターム(参考)】