説明

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤のための投与製剤

【課題】アルツハイマー病をはじめとする種々の疾病および症状を治療するために使用されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、概日リズムに作用すべく、その使用を至適化する薬剤の提供。
【解決手段】ガラタミン、リコラミン、それらの類縁体およびリバスチグミン中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が所定時間その活性を遅延させるように処方される投与形態および治療方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は薬剤使用の望ましくない副作用をある程度回避する助けをするコリンエステラーゼ阻害剤の投与形態、およびこれを目的としてかかる薬剤を投与する方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
最近、アルツハイマー病の治療のためのタクリン、ドネペジル、フィゾスチグミン、リバスチグミンおよびガラタミンをはじめとして、この種のいくつかの薬剤の使用がかなり注目されてきている。コリン作動薬は体の概日リズムに作用することが知られており、米国特許第5585375号では、発明者は時差ボケの治療のためのガラタミンの使用について請求した。いくつかの点で有用ではあるが、コリン作動薬の概日作用は患者が活動的となり、夜間注意を要することになるので、自立できない患者の場合は介護者の問題が生じる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は好適な生理学的スケジュールでそれが与えるように、例えば、晩に患者が起きているうちに服用でき、朝目覚める予定の時間に作用するようにアセチルコリンエステラーゼ阻害薬を時間通りに放出すること、およびこの目的のための好適な投与形態を提供することにある。
【0004】
第1の態様によれば、本発明は、所定時間その活性を遅延させるように処方された、有効量の中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含んでなる医薬組成物の投与形態を提供する。例えばある態様では、かかる遅延は4〜12時間の間であり、従って晩に患者にある用量を投与し、朝アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が活性となるまで夜間の睡眠を可能にする。選択される遅延時間は、薬剤の投与のために選択される厳密な方法によって異なる。例えば、晩例えば6:30に夕食をとるとともに薬剤を投与するとすると、翌朝薬剤を活性としたいならば12時間の遅延が適当である。しかし所望の投与時刻が就寝時間であれば、6、7時間の遅延がより有効となろう。
【0005】
第2の態様によれば、本発明は、アルツハイマー病などの中枢作用性のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を投与することが望まれる疾病および症状に罹患した患者の治療方法であって、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が望まれるまで、所定時間だけその活性を遅延させるように処方された、有効量の中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含む医薬組成物の投与形態を投与することを含んでなる方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【0006】
本発明で使用されるアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、中枢作用を有し、かつ、脳におけるアセチルコリンエステラーゼ阻害活性が望まれる疾病の治療、特にアルツハイマー病の治療のために中程度の作用持続時間(典型的には2〜12時間)を有するものである。好適なアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、典型的には1〜11時間の体内半減期を有し、血液脳関門を容易に通過する投与形態から一度に放出される。これを目的とする最も好適な化合物は、ガラタミン、リコラミン、およびそれらの類縁体である。該類縁体においては、ガラタミンまたはリコラミンのメトキシ基、水酸基またはメチル基のいずれか1つが下記のように置換される:即ち、
炭素原子1〜6個の別のアルコキシ基、水酸基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシもしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基によるメトキシ基の置換;
炭素原子1〜6個のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシもしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基による水酸基の置換;
水素、アルキル、ベンジル、シクロプロピルメチル、または置換もしくは非置換ベンゾイルオキシ基によるN−メチル基の置換である。
【0007】
置換基については、該基は炭素原子1〜6個のアルキルまたはアルコキシ、ハロ基、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキル基から選択してもよい。
【0008】
ガラタミンまたはリコラミンの1以上のメトキシ基、水酸基およびメチル基は上記の基で置換されていてもよい。
【0009】
ガラタミンおよびリコラミンは下記式で表される:
ガラタミン
【化1】

【0010】
リコラミン
【化2】

【0011】
好適な類縁体は例えば国際特許公開WO88/08708およびDrug of the Future 21:621-631 (1996)中のBoresおよびKosleyによる文献に記載されている。かかる製剤のためのその他の有用な薬理剤としては、リバスチグミンおよび1〜11時間の半減期を有するその他の薬理剤が挙げられる。
【0012】
本発明で使用されるガラタミンおよびリコラミンの特に有用な類縁体としては、かかる化合物のメトキシ基が水素、水酸基または炭素原子2〜6個のアルコキシ基、または炭素原子1〜7個のアシルオキシ基、例えばアルカノイルオキシまたはベンゾイル基で置換されているか、あるいはそのメトキシ基がモノもしくはジアルキルカルバメートまたはカーボネート基(このアルキル基は1〜8個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含む)で置換されているか、あるいはそのメトキシ基がアリールカルバメートもしくはカーボネート基(このアリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、この置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基、およびハロ基から選択される)で置換されているその類縁体が挙げられる。
【0013】
その他の有用な類縁体としては、メトキシ基が置換されているかどうかにかかわらず、水酸基が炭素原子1〜6個のアルコキシ基、水素、アシルオキシ基、例えば典型的には炭素原子1〜7個のアルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシまたは置換ベンゾイルオキシ基(この置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)、モノもしくはジアルキルまたはアリールカルバメートまたはカーボネート(ここでアルキル基は1〜8個の炭素原子、好ましくは4〜6個の炭素原子を含むか、あるいは該アリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、該置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)であり得るカーボネート基またはカルバメート基で置換されている化合物が挙げられる。
【0014】
本発明の主な用途はアルツハイマー病の治療におけるものであるが、所定時間の後に脳内アセチルコリンレベルを高める必要があるその他の疾病または症状の治療にも好適である。従って、例えば将来のある所定時間にアセチルコリンレベルが高まる必要がある健康な人、例えば昼型から夜型、またはその逆へ変わるワーカーにも用途が見出るであろう。
【0015】
アルツハイマー病において、主要な共通の神経化学的異常はアセチルコリンの欠損である。脳内アセチルコリンの正常パターンは活動の直前および活動中に放出が高まり、睡眠中は放出が抑えられる(Kametani, 1991; Mizuno, 1991)。脳内アセチルコリン含量は、放出パターン(おそらくは貯蔵されている神経伝達物質を意味する)と逆比例する関係を示す(Saito, 1974)。同様に、シナプスアセチルコリン濃度を低く維持するアセチルコリンエステラーゼ活性は、主観的な夜間にピークがあり、活動中は最も低くなる(Schiebeler, 1974)。これらの実験結果と一致して、アセチルコリン吸入によるヒトの気管支収縮の長期認識される日周変動は内因性のコリン作動活性が低いと思われる晩では感受性が最も高く、コリン作動系が活性となっていると思われる覚醒時には感受性が最も低くなる(Reinberg, 1974)。ヒトはまた、コリン作動活性が低い昼の遅くまたは夜間のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、フィソシスチグミンおよびガラタミンの全身投与にも感受性がある。これらは睡眠を阻害し、覚醒をもたらす(Sitaram, 1979, Reitnann, 1994)。
【0016】
高親和性コリン取り込み系が破壊されているか、または偽コリン作動性神経伝達物質に対して高まっているかのいずれかでコリン作動性が低下している動物では、アセチルコリンの概日変動が低下し、運動活性の日周リズムが崩れ、これはコリン作動性が低活性であることと相関している(Morley, 1989, Szymusiak, 1993)。これと同じ状況が、コリン作動欠損と正常な睡眠−覚醒周期の乱れを伴うアルツハイマー患者にも存在する。このことは、24時間管理を要する患者が一人の介護者を疲労させ、複数の介護者のシフトや施設への収容が必要となり、これには費用がかかり、患者をおびえさせることや家族の悲しみを考えると、実際上、主として重要なことである(New York Times記事, 1998年7月27日参照)。従って都合のよいときに服用でき、必要な時に活性となる投与形態のその他の可能性ある用途は、コリン作動系が低下している脳に対して、丸薬投与によりコリン作動活性の生理学的リズムを備えさせることであろう。
【0017】
コリン模倣剤を含むアルツハイマー病の治療製剤は、それらが放出された際に腸管蠕動を刺激して、それら独自の胃腸管経路を活性化する。従って投与単位への配合のため、または別の類似の時間指定錠剤の製造のため、胃腸管運動を低下させるのに血液脳関門の外側に留まらせるよう設計された抗コリン作動薬を送達するために有用であり得る。抗コリン作動錠剤には例えばプロバンチン7.5〜60mg、またはロビヌル1〜8mgが含まれる。アルツハイマー病患者を午後11時から午前7時まで眠らせるのに望ましい製剤は、好ましくは、就寝時に服用して午前5時にガラタミンを3mg/時(基剤として測定)で4時間、あるいは午前4時から2mg/時で6時間放出する丸薬である。同じ丸薬を午後7時に服用すると、昼間の時間にわたる。これは中枢神経系を所望の睡眠時間にコリン作動を比較的低くするようにすべきであり、ガラタミンの半減期は4.5〜8時間であると報告されている(Thomsen, 1990)。
【0018】
あるいは、過剰な用量をダンピングするリスク(コリン作動性投薬の場合危険である可能性がある)がいくらかあるが、1個の丸薬で全日の投薬を行ってもよい。有効薬の放出までの遅延はその丸薬を夕食時に服用するか就寝時に服用するかにもよるが、1〜11時間の間で選択できる。
【0019】
かかる製剤の薬理剤としても同様にガラタミン、リバスチグミン、および半減期が1〜11時間のその他の薬理剤が挙げられる。1日2回投与のための投与単位はガラタミン4〜16mg(基剤として)、またはリバスチグミン2〜10mgを含み、双方とも1日1回投与単位の場合の二倍とすべきである。その他の好適な薬剤の用量は例えばDrill's Pharmacology in Medicine(第4版Joseph R DiPalma編, McGraw-Hill 1971)の第6章(Benjamin Calesnickによる)、またはBiopharmaccutical Statistics for Drug Development(Karl E. Peace編, Marcel Dekker Inc, 1988)の第6章(B.E. Roddaらによる)に示されているものなど標準的な技術で求めることができる。要すれば抗コリン作動薬は、同時にコリン模倣薬として送達されるプロバンチン7.5〜60mg、またはロビヌル(1〜8mg)、あるいはコリン模倣放出の時間枠内で典型的な量が送達されるように配合された類似の薬剤であってもよい。
【0020】
本発明で使用される作用遅延製剤は典型的には経口投与に用いられ、錠剤、カプセル剤、およびその他の便宜な手段が含まれる。かかる投与単位はJ.C. JohnsonによりSustained Release Medications, Noyes Data Corporation, 1980およびBiomaterials, 1993,第14巻, 1017-1023頁に薬剤の時間計画放出のためのプレスコート錠剤を題されたConteらによる文献に記載されているものなど(双方とも出典開示して本明細書の一部とみなす)、当業者に十分公知の方法によって製造すればよい。例えば有効化合物をコーティングしたり、または投与量と放出が望まれる時間の間の経過を制御するマトリックス中に配合してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定時間その活性を遅延させるように処方された、有効量の中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含んでなる医薬組成物の投与形態。
【請求項2】
組成物が4〜12時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項3】
組成物が6〜9時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項2に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項4】
組成物が8〜12時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項2に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項5】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が2〜12時間の作用持続時間を有する、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項6】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が1〜11時間の半減期を有する、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項7】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガランタミン、リコラミン、およびそのメトキシ基が炭素原子1〜6個の別のアルコキシ基、水酸基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシまたは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基、またはカルバメート基で置換されている該化合物の類縁体からなる群より選択される、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項8】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミンまたはリコラミンの水酸基が炭素原子1〜6個のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシまたは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基、またはカルバメート基で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項9】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミンまたはリコラミンN-メチル基が水素、アルキル、ベンジルもしくはシクロプロピルメチル基、または置換もしくは非置換ベンゾイルオキシ基で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項1に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項10】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミン、リコラミン、またはかかる化合物のメトキシ基が水素、水酸基または炭素原子2〜6個のアルコキシ基、または炭素原子1〜7個のアシルオキシ基で置換されているその類縁体からなる群より選択される、請求項7に記載の投与形態。
【請求項11】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、そのメトキシ基がモノもしくはジアルキルカルバメートまたはカーボネート基(このアルキル基は1〜8個の炭素原子を含む)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項7に記載の投与形態。
【請求項12】
アルキル基、または該カーボネートもしくはカルバメート基が1〜8個の炭素原子を含んでなる、請求項11に記載の投与形態。
【請求項13】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、その水酸基がモノもしくはジアルキルカルバメートまたはカーボネート基(このアルキル基は1〜8個の炭素原子を含む)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項7に記載の投与形態。
【請求項14】
アルキル基、または該カーボネートもしくはカルバメート基が4〜6個の炭素原子を含んでなる、請求項12に記載の投与形態。
【請求項15】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、そのメトキシ基がアリールカルバメートまたはカーボネート基(該アリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、ここで該置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項7に記載の投与形態。
【請求項16】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、その水酸基がアリールカルバメートまたはカーボネート基(該アリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、ここで該置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)で置換されているガラタミンおよびリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項8に記載の投与形態。
【請求項17】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミン、リコラミンおよびかかる化合物の水酸基が水素または炭素原子1〜6個のアルコキシ基、または炭素原子1〜7個のアシル基で置換されているその類縁体からなる群より選択される、請求項8に記載の投与形態。
【請求項18】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミンまたはリコラミンの水酸基が炭素原子1〜6個のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンジルオキシもしくは置換ベンジルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基で置換されているガラタミンおよびリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項7に記載の医薬組成物の投与形態。
【請求項19】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガラタミンである、請求項7に記載の投与形態。
【請求項20】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がリバスチグミンである、請求項1に記載の投与形態。
【請求項21】
中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の投与が望まれる疾病または症状に罹患した患者の治療方法であって、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が望まれるまで所定時間その活性を遅延させるように処方された、有効量の中枢作用性アセチルコリンエステラーゼ阻害剤を含む医薬組成物の投与形態を投与することを含んでなる、方法。
【請求項22】
該患者がアルツハイマー病を患っている、請求項21に記載の治療方法。
【請求項23】
組成物が4〜12時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項21に記載の治療方法。
【請求項24】
組成物が6〜9時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項23に記載の治療方法。
【請求項25】
組成物が8〜12時間の間アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の活性を遅延させるように処方されている、請求項23に記載の治療方法。
【請求項26】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が2〜12時間の作用持続時間を有する、請求項21に記載の治療方法。
【請求項27】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が1〜11時間の半減期を有する、請求項21に記載の医薬組成物の治療方法。
【請求項28】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガランタミン、リコラミン、およびガランタミンまたはリコラミンのメトキシ基、水酸基またはメチル基のうち少なくとも1つが、
炭素原子1〜6個の別のアルコキシ基、水酸基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシもしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基によるメトキシ基の置換;
炭素原子1〜6個のアルコキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、ベンゾイルオキシもしくは置換ベンゾイルオキシ基、カーボネート基またはカルバメート基による水酸基の置換;または
水素、アルキル、ベンジル、シクロプロピルメチル、または置換もしくは非置換ベンゾイルオキシ基によるN−メチル基の置換を受けた、前記化合物の類縁体からなる群より選択される請求項21に記載の治療方法。
【請求項29】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミン、リコラミン、またはかかる化合物のメトキシ基が水素、水酸基または炭素原子2〜6個のアルコキシ基、または炭素原子1〜7個のアシルオキシ基で置換されているその類縁体からなる群より選択される、請求項28に記載の治療方法。
【請求項30】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、そのメトキシ基がモノもしくはジアルキルカルバメートまたはカーボネート基(このアルキル基は1〜8個の炭素原子を含む)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項28に記載の治療方法。
【請求項31】
アルキル基、または該カーボネートもしくはカルバメート基が1〜8個の炭素原子を含んでなる、請求項30に記載の治療方法。
【請求項32】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、その水酸基がモノもしくはジアルキルカルバメートまたはカーボネート基(このアルキル基は1〜8個の炭素原子を含む)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項31に記載の治療方法。
【請求項33】
アルキル基、または該カーボネートもしくはカルバメート基が4〜6個の炭素原子を含んでなる、請求項32に記載の治療方法。
【請求項34】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、そのメトキシ基がアリールカルバメートまたはカーボネート基(該アリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、ここで該置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)で置換されているガラタミンまたはリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項28に記載の治療方法。
【請求項35】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、その水酸基がアリールカルバメートまたはカーボネート基(該アリール基はフェニル、ナフチル、置換フェニルおよび置換ナフチル基から選択され、ここで該置換基は炭素原子1〜6個のアルキルおよびアルコキシ基、トリフルオロメチル基およびハロ基から選択される)で置換されているガラタミンおよびリコラミンの類縁体からなる群より選択される、請求項35に記載の投与形態。
【請求項36】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が、ガラタミン、リコラミンおよびかかる化合物の水酸基が水素または炭素原子1〜6個のアルコキシ基、または炭素原子1〜7個のアシル基で置換されているその類縁体からなる群より選択される、請求項28に記載の治療方法。
【請求項37】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がガラタミンである、請求項28に記載の治療方法。
【請求項38】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤がリバスチグミンである、請求項21に記載の治療方法。
【請求項39】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が末梢作用を抑制する化合物と組み合わせて投与される、請求項21に記載の治療方法。
【請求項40】
該アセチルコリンエステラーゼ阻害剤が適量のプロバンチンまたはロビヌルと組み合わせて投与される、請求項39に記載の治療方法。

【公開番号】特開2012−25754(P2012−25754A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−184664(P2011−184664)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【分割の表示】特願2000−583344(P2000−583344)の分割
【原出願日】平成11年11月19日(1999.11.19)
【出願人】(501204927)
【Fターム(参考)】