説明

アトルバスタチンヘミカルシウムの新規結晶形態およびその調製方法ならびに他の形態の新規調製方法

【課題】新規な形態のアトルバスタチン及びその調製方法、並びにそれを用いた別形態のアトルバスタチンの調製方法を提供する。
【解決手段】形態IV、VII、VIII、IX、X、XIおよびXIIと表されるアトルバスタチンの新規な形態およびそれらの新規な調製方法ならびにアトルバスタチン形態I、II、IV、Vおよび非晶性アトルバスタチンの調製方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、仮出願整理番号第60/250,072号、出願日2000年11月30日;同第60/267,897号、出願日2001年2月9日;同第60/281,872号、出願日2001年4月5日;同第60/312,144号、出願日2001年8月13日;および同第60/326,529号、出願日2001年10月1日の利益を主張するものであり、それらの全てが参照により本願明細書に取り込まれる。
【0002】
本発明はアトルバスタチンヘミカルシウムの結晶多形、アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶形態の新規調製方法、および小さな粒度分布をもった結晶性アトルバスタチンヘミカルシウムに関する。
【背景技術】
【0003】
アトルバスタチン、(〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−ヘプタン酸)は、式(I)のラクトン形および式(II)のカルシウム塩三水和物で示されるものが当該技術分野でよく知られており、とりわけ特許文献1及び2、並びに同時係属中の米国特許出願第60/166,153号(出願日2000年11月17日)に記載されており、それらの全てが参照により本願明細書に取り込まれる。
【0004】
【化1】

【0005】
アトルバスタチンは、スタチンと称される薬物のクラスのメンバーである。スタチン薬物は、心血管疾患の危険性がある患者の血流中の低密度リポタンパク質(LDL)粒子濃度を低下せしめるのに利用可能な、現在最も治療に有効な薬物である。血流中の高レベルのLDLは、血流を妨害し破裂させることがあり血栓症を促進する冠動脈の病変の形成と関連づけられている(非特許文献1)。血漿LDLレベルの低下は、心血管疾患を有する患者及び心血管疾患ではないが高コレステロール血症を有する患者における臨床徴候の危険性を低 下することが示されている(非特許文献2)。
【0006】
スタチン薬物の作用機構は、ある程度詳しく解明されている。それらは、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリル補酵素Aレダクターゼ酵素(「HMG−CoAレダクターゼ」)を競合的に阻害することによって、肝臓におけるコレステロール及び他のステロールの合成を妨害する。HMG−CoAレダクターゼはHMGのメバロン酸への変換を触媒し、これがコレステロールの生合成における律速段階であるので、その阻害は肝臓におけるコレステロール濃度の低下を導く。超低密度リポタンパク質(VLDL)は、肝臓から末梢細胞にコレステロール及びトリグリセリドを輸送するための生物学的担体である。VLDLは末梢細胞において異化作用を受けて脂肪酸を放出し、この脂肪酸は脂肪細胞に蓄えられるか、筋肉によって酸化され得る。VLDLは中間密度リポタンパク質(IDL)に変換され、このIDLはLDL受容体によって除去されるか、又はLDLに変換される。コレステロール産生の低下は、LDL受容体の数の増大及びIDLの代謝によるLDL粒子の産生の対応する低下を導く。
【0007】
アトルバスタチンヘミカルシウム塩三水和物は、リピトール(LIPITOR)の名のもとワーナー・ランバート社(Warner-Lambert Co.)により販売されている。アトルバスタチンは、特許文献1において最初に公衆に開示され特許請求された。式(II)に示すヘミカルシウム塩は、特許文献2に開示されている。本特許文献2は、ヘミカルシウム塩が、CaCl2によるナトリウム塩の転位から生じる塩溶液からの結晶化によって得られ、さらに酢酸エチルとヘキサンの5:3混合物からの再結晶化によって精製されることを教示する。
【0008】
本発明は溶媒和および水和の両状態におけるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規結晶形態を提供する。異なる結晶形態の発生(多形)は、幾つかの分子および分子複合体の特性である。単一分子、例えば式(I)のアトルバスタチンまたは式(II)の塩複合体は、融点、X線回折パターン、赤外吸収指紋およびNMRスペクトルのような異なる物理的特性を有する種々の固体を生じ得る。多形の物理的特性おける差異は、バルク固体における隣接分子(複合体)の配向および分子間相互作用から生じる。従って、多形は、同一の分子式を有しながら多形ファミリーの他の形態と比較して有利および/または不利な異なる物理的特性を有する別異の固体である。医薬多形の最も重要な物理的特性の1つに、水溶液中でのそれらの溶解性、特に患者の胃液中でのそれらの溶解性がある。例えば、胃腸管を介する吸収が遅い場合には、患者の胃や腸における条件に対して不安定な薬物にとって、有害な環境で蓄積しないようにゆっくりと溶解することがしばしば望ましい。他方、薬物の有効性が当該薬物のピーク血流レベルと相関しており、スタチン薬物が有し当該薬物に与えられた特性が胃腸(GI)系によって迅速に吸収されることである場合には、更に迅速に溶解する形態となることによって、比較的ゆっくりと溶解する形態の比較できる量よりも増大した有効性を示しやすくなる。
【0009】
アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶形態I、II、IIIおよびIVはワーナー・ランバートに譲渡された特許文献3及び4の主題であり、結晶性アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vは同一権利者のPCT出願第PCT/US00/31555号に開示されている。本特許文献3には、形態Iがアトルバスタチンヘミカルシウムの既知の非晶性形態よりも有利な濾過および乾燥特性を有するという主張がある。形態Iは製造特性の点で非晶性材料の欠点の幾つかを改善するものであるが、これらの特性の更なる改善ならびに流動性、蒸気不透過性および溶解性などの他の特性の改善に対する必要性がある。さらに、新規の結晶多形形態の発見は、配合科学者が標的放出プロフィールまたは他の望ましい特性をもった薬物の医薬調剤形態(剤形)のデザインを行うための材料のレパートリーを拡大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,681,893号
【特許文献2】米国特許第5,273,995号
【特許文献3】米国特許第5,969,156号
【特許文献4】米国特許第6,121,461号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Goodman and Gilman, The Pharmacological Basis of Therapeutics 879 (9th ed. 1996)
【非特許文献2】Scandinavian Simvastatin Survival Stady Group, 1994 ; Lipid Research Clinics Program, 1984a, 1984b
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、形態VIと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0013】
別の面において本発明は、形態VIIIと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0014】
別の面において本発明は、形態IXと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0015】
別の面において本発明は、形態Xと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0016】
別の面において本発明は、形態XIと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0017】
別の面において本発明は、形態XIIと命名されるアトルバスタチンヘミカルシウムの新規な結晶形態およびその新規な調製方法を提供する。
【0018】
別の面において本発明は、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Iの新規な調製方法を提供する。
【0019】
別の面において本発明は、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IIの新規な調製方法を提供する。
【0020】
別の面において本発明は、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IVの新規な調製方法を提供する。
【0021】
別の面において本発明は、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vの新規な調製方法を提供する。
【0022】
別の面において本発明は、非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムの新規な調製方法を提供する。
【0023】
別の面において本発明は、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VI、VII、VIII、IX、X、XIおよびそれらの混合物を含んでなる組成物および調剤形態(剤形)を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図2】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図3】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図4】シンクロトロンX線源を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図5】アトルバスタチン形態VIIIの特徴的な固体状態13CNMRスペクトルである。
【図6】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図7】シンクロトロンX線源を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図8】アトルバスタチン形態IXの特徴的な固体状態13CNMRスペクトルである。
【図9】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図10】シンクロトロンX線源を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図11】アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xの特徴的な固体状態13CNMRスペクトルである。
【図12】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIの特徴的な粉末X線回折パターンである。
【図13】銅陰極を用いた従来のX線発生器を使用して得られたアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIの典型的な粉末X線回折パターンのオーバーレイである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るアトルバスタチンヘミカルシウムの幾つかの結晶形態は、溶媒和状態および水和状態で存在する。水和物はカールフィッシャー(Karl-Fisher)および熱重量分析によって分析されている。
【0026】
従来のCuKα照射を用いた粉末X線回折(「PXRD」)分析は、固体状態検出器を備えたシンタグ(SINTAG)粉末X線回折計モデルX’TRAを使用して当該技術分野において既知の方法により行った。λ=1.5418Åの銅の照射を用いた。測定範囲:2〜40度の2θ試料は、底部に丸いバックグラウンドゼロの水晶板を備えた丸い標準的アルミニウムサンプルホルダを使用して導入した。粉末状の試料を穏やかにすりつぶして、当該サンプルホルダの丸いキャビティの中にガラス板で押することによって充填した。
【0027】
シンクロトロンX線源を用いたPXRD分析は、ブルックヘブン(Brook haven)国立研究所の国立シンクロトロン光源(回折計ステーションX3B1)で行った。試料は、薄壁ガラスキャピラリーの中に緩く詰め込んだ。X線照射は約1.15Åであった。入射光の波長が従来のPXRD分析において最も慣用されている波長に対応するため、シンクロトロン源から得られた回折パターンのX線ピーク位置は、当該パターンを生じるために用いられるX線の波長の変化とは不変であるd間隔について表現される。スキャン幅は1〜20度の2θであった。スペクトルの分解能は、半値幅(full width at half maximum)0.01〜0.03度の範囲にある。明確に分解されたピークの位置は0.003〜0.01度以内の精度である。
【0028】
CP/MAS13CNMR測定は、125.76MHzにおいて行い、BL−4CP/MASプローブヘッドおよび固体用高分解能/高性能1Hプリアンプリファイヤを備えたブルカー(Bruker)DMX−500ディジタルFTNMR分光計:スピンレート5.0kHz,パルスシーケンスSELTICS,サンプルホルダ:ジルコニアロータ4mm径により行った。
【0029】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIは、3.5,5.1,7.7,8.2,8.7,10.0,12.5,13.8,16.2,17.2,17.9,18.3,19.5,20.4,20.9,21.7,22.4,23.2,24.3,25.5±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン(図1)によって特徴付けられる。最も特徴的なピークは19.5±0.2度2θに観測された。この形態VIのPXRDパターンは、上述のシンタグ(SINTAG)機器に類似するフィリップス(Phylips)回折計を使用して測定された。
【0030】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIは、アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの形態、好ましくは形態Iを、アセトンに溶解させ、次に抗溶媒(anti-solvent)、例えば水を添加することにより形態VIを沈殿させることによって得ることができる。
【0031】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIは、一方が18.5〜21.8度2θの範囲,他方が21.8〜25.0度2θの範囲にある2つの幅広ピークを有し、さらに4.7,7.8,9.3,12.0,17.1,18.2±0.2度2θに他の追加的な幅広ピークを有する粉末X線回折パターン(図2)によって特徴付けられる。形態VIIの試料は12%以下の水を含有し得る。
【0032】
形態VIIは、7.8および9.3±0.2度2θにおける幅広ピークによって、アトルバスタチンヘミカルシウムの既知の形態から容易に識別される。例えば、米国特許第5,969,156号に記載された情報によれば、形態Iは9.2,9.5,10.3,10.6,11.0および12.2度2θにピークを有する。この領域において、形態IIは8.5および9.0度2θに2つの鋭いピークを有し、形態IVは8.0度2θに1つの強いピークを有する。また、形態VIIの15〜25度2θの領域における他の幅広ピークが、形態VIIを他の全ての形態から識別させる。形態I、IIIおよびIVは全てこの領域において鋭いピークを有する。
【0033】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIは、アトルバスタチンカルシウム形態Iまたは形態Vを、室温ないし還流温度において約1時間ないし約24時間、好ましくは2.5〜16時間、エタノール、好ましくは無水(absolute)エタノールで処理することによって調製し得る。このプロセス(工程)を還流EtOH中で行う場合には、約2.5時間で転化が完了する。このプロセス(工程)を室温において行う場合には、さらに長時間が必要である。
【0034】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIは、従来のCuKα照射を用いて得られる、4.8,5.2,5.9,7.0,8.0,9.3,9.6,10.4,11.9,16.3,17.1(幅広),17.9,18.6,19.2,20.0,20.8,21.1,21.6,22.4,22.8,23.9,24.7,25.6,26.5,29.0±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン(図3)によって特徴付けられる。最も特徴的なピークは6.9,9.3,9.6,16.3,17.1,19.2,20.0,21.6,22.4,23.9,24.7,25.6および26.5±0.2度2θにおけるものである。アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの試料は、カール−フィッシャー法により7%以下の水を含有することが判った。形態VIIIは、9.3および9.6度2θにおけるその特徴的な鋭いピークによって形態I〜IVから容易に識別される。米国特許第5,969,156号に記載された情報によれば、形態Iは1つの中強度のピークを6.9に、さらに鋭いピークを9.2,9.5,10.3,10.6,11.0および12.2度±0.2度2θに有する。この領域において、形態IIは8.5および9.0度2θに2つの鋭いピークを有するとされる。この領域において、形態IIIは米国特許第6,121,461号に記載された情報によれば、8.7度2θに1つの強い鋭いピークを有する。これらの特徴は形態VIIIのPXRDパターンには観測されない。さらに、形態VIIIのPXRDパターンには、7.0度2θに1つの鋭い中強度のピークがあり、この領域における他のピークから明確に識別される。形態VIIIのPXRDパターンを形態I〜IVのパターンと比較することにより、形態VIIIのこの特徴が特異であることが判った。
【0035】
形態VIIIに特有のこの形態VIIIパターンにおける他のピークは、19.2および20.0度2θにおける2つの強くて鋭いピークである。この領域において、米国特許第5,969,156号に記載された情報によれば、形態Iは21.6,22.7,23.3および23.7度2θに鋭いピークを有する。形態IVは18.4および19.6度2θにピークを有するとされる一方、形態IIは17.0および20.5において2つの主なピークを有し、また形態IIIは17.7,18.2,18.9,20.0および20.3±0.2度2θにピークを有する。
【0036】
形態VIIIについてシンクロトロンX線粉末回折分析を行って、その結晶系および単位胞の寸法を決定した。形態VIIIは、格子定数:a=18.55〜18.7Å,b=5.52〜5.53Å,c=31.0〜31.2Åおよび97.5〜99.5°のa軸およびc軸間の角度βをもった単斜晶系単位胞を有する。これらの単位胞パラメータはラ・ベイル(Le Bail)法を用いて決定した。
【0037】
シンクロトロンX線源を用いて得られた図4のディフラクトグラム(回折図)は明確に分解された鋭いピークを有する。比較的顕著な幾つかのピークのd間隔を、1.5418ÅのCuKα照射を用いたときに当該ピークが有することになる位置(2θ単位)とともに、表1に掲載する。
【0038】
【表1】

【0039】
別個の試料間および測定間での自然のばらつきのため、これらピーク位置は報告された位置から0.5%程度のd値で外れる場合がある。当該材料が超微紛化(micronization)などの粉砕を受ければ、より大きなシフトが生じ得る。
【0040】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIは、図5に示す固体状態の13CNMRスペクトルを生じた。形態VIIIは、以下の固体状態13C核磁気共鳴化学シフト(ppm):17.8,20.0,24.8,25.2,26.1,40.3,40.8,41.5,43.4,44.1,46.1,70.8,73.3,114.1,116.0,119.5,120.1,121.8,122.8,126.6,128.8,129.2,134.2,135.1,137.0,138.3,139.8,159.8,166.4,178.8,186.5によって特徴付けられる。また、形態VIIIは、最低ppm共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:2.2,7.0,7.4,8.3,22.5,23.0,23.7,25.6,26.3,28.3,53.0,55.5,96.3,98.2,101.7,102.3,104.0,105.0,108.8,111.0,114.4,116.4,117.3,119.2,120.5,122.0,142.0,148.6,161.0および168.7を有する固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる。形態VIIIについて報告される化学シフトは、形態VIIIの4つの試料について得られたスペクトルから平均化したものである。このパターンの特徴的部分は24〜26ppm(脂肪族範囲)、119〜140ppm(芳香族範囲)および他の領域において見られる。これらのシフト値は、178.8ppmにおけるカルボニルのピーク(これは±0.4ppmのゆらぎを有する)を除き、±0.1ppm以内の精度である。
【0041】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIは、重量を基準として約3%以下のエタノールを含有するエタノール溶媒和物として存在することができる。
【0042】
以下に述べる方法が形態VIIIを生成するために適していることが判った。しかしながら、経験的開発によって及びそれらの方法の日常的改良によっても、この形態を調製し得る。
【0043】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIは、アトルバスタチンヘミカルシウムを、上昇した温度、好ましくは78〜80℃において、エタノールと水の混合物中でスラリー化することによって得ることができる。このスラリー化方法は、アトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法(典型的にはアトルバスタチン遊離酸またはラクトンからカルシウムイオン源で処理することによってヘミカルシウム塩を生成するものである)の最終工程に組み込むことができる。このような組合せ方法において、エタノールおよび水を含んでなる溶媒系にヘミカルシウム塩が生成する。好ましくは、追加的な量の水によるアトルバスタチンヘミカルシウム塩の沈殿の後に、この塩を数時間、好ましくは約6ないし約16時間、反応混合物中でスラリー化して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを得ることができる。
【0044】
また、形態VIIIは、形態Vを、還流温度よりも低い上昇した温度、好ましくは78〜80℃において、EtOH:H2Oの混合物、好ましくは約5:1の比である混合物で処理することによって、形態Vから出発して得ることもできる。特に好ましいEtOH:H2O混合物は、エタノール中に約4体積%の水を含有する。加熱時に、アトルバスタチン形態Vは徐々に溶解し、シード添加(seeding)の有無に関わらず、78〜80℃の温度において濁りが観測される。この時点で当該懸濁液を直ぐに室温まで冷却する。
【0045】
形態VIIIは、アトルバスタチンヘミカルシウムを、上昇した温度、好ましくはEtOHの沸点において、EtOH、好ましくは無水(absolute)EtOH中で処理することによって得ることができる。これらの条件下で、アトルバスタチンは溶解し再沈殿する。MeOHを還流しながら添加してもよい。添加されるMeOHは収率に悪影響を及ぼし得るが、生成物の化学的純度を向上し得る。この方法により形態VIIIを調製するための出発物質は、アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶性形態、好ましくは形態I、形態V、これらの混合物であってよく、又は非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムであってもよい。
【0046】
EtOHの量またはその水との混合物の量は、好ましくは約10ないし約100mlg-1、より好ましくは約20ないし約80mlg-1の範囲にある。
【0047】
本願発明者は、0.1%よりも多くのデス−フルオロ(des-fluoro)アトルバスタチンヘミカルシウムおよび/または1%よりも多くのトランス(trans)アトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムが、上昇した温度において、好ましくは還流温度において、約96%エタノールと約4%水の溶液中で懸濁することによって精製できることを発見した。典型的には、デス−フルオロアトルバスタチンヘミカルシウムの混入が0.07%未満およびトランスアトルバスタチンヘミカルシウムの混入が0.6%未満で、アトルバスタチンヘミカルシウムが回収される。
【0048】
形態VIIIはまた、アトルバスタチンヘミカルシウムを、当該アトルバスタチンヘミカルシウムから形態VIIIへの転化を起こさせるのに十分な時間、一定の1−ブタノール/水およびエタノール/水の混合物中で懸濁することによっても調製できる。1−ブタノール/水混合物は、上昇した温度、好ましくは還流温度において、体積基準で約20%の1−ブタノールを含有するべきである。
【0049】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXは、4.7,5.2,5.7,7.0,7.9,9.4,10.2,12.0,17.0,17.4,18.2,19.1,19.9,21.4,22.5,23.5,24.8(幅広),26.1,28.7,30.0±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン(図5)によって特徴付けられる。形態IXの最も特徴的なピークは6.9,17.0,17.4,18.2,18.6,19.1,19.9,21.4,22.5,23.5±0.2度2θにおけるものである。形態IXは7%以下の水を含有し得る。また、形態IXは約5%以下のブタノールを含有するブタノール溶媒和物として存在することもできる。
【0050】
形態IXは、18.6,19.1,19.9,21.4,22.5および23.5度2θにおけるその特徴的な鋭いピークによって容易に識別される。比較のため、米国特許第5,969,156号に記載された情報によれば、形態Iは21.6,22.7,23.3および23.7度2θに鋭いピークを有する一方、この領域において、形態IVは18.4および19.6度2θに鋭いピークを有し、形態IIは17.0および20.5度2θに2つの主なピークを有する。この領域において、形態IIIは17.7,18.3,18.9,20.0および20.3度2θにピークを有する。また、形態IXのPXRDパターンには、7.0度2θに鋭い明確に識別される中強度のピークがある。
【0051】
形態IXの結晶系および単位胞の寸法を、シンクロトロンX線粉末回折分析を用いて決定した。形態IXは、格子定数:a=18.75〜18.85Å,b=5.525〜5.54Å,c=30.9〜31.15Åおよび96.5〜97.5°のa軸およびc軸間の角度βをもった単斜晶系結晶格子を有する。
【0052】
図7のシンクロトロンX線粉末ディフラクトグラムにおいて比較的顕著な幾つかのピークのd間隔を、CuKα照射を用いたときに当該ピークが有することになる位置(2θ単位)とともに、表2に掲載する。
【0053】
【表2】

【0054】
別個の試料間および測定間での自然のばらつきのため、これらピーク位置は報告された位置から0.5%程度のd値で外れる場合がある。当該材料が超微紛化などの粉砕を受ければ、より大きなシフトが生じ得る。
【0055】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXは、図8に示す固体状態の13CNMRスペクトルを生じた。形態IXは、以下の固体状態13C核磁気共鳴化学シフト(ppm):18.0,20.4,24.9,26.1,40.4,46.4,71.0,73.4,114.3,116.0,119.5,120.2,121.7,122.8,126.7,128.6,129.4,134.3,135.1,136.8,138.3,139.4,159.9,166.3,178.4,186.6によって特徴付けられる。また、形態IXは、最低ppm共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:2.4,6.9,8.1,22.4,28.4,53.0,55.4,96.3,98.0,101.5,102.2,103.7,104.8,108.7,110.6,111.4,116.3,117.1,118.8,120.3,121.4,141.9,148.3,160.4および168.6を有する固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる。このパターンの特徴的部分は24〜26ppm(脂肪族範囲)、119〜140ppm(芳香族範囲)および他の領域において見られる。形態IXの化学シフトは、形態IXの2つの試料について得られたスペクトルから平均化したものである。これらのシフト値は±0.1ppm以内の精度である。
【0056】
形態IXは以下に述べる方法によって調製できるが、この形態は経験的開発によって及びそれらの方法の日常的改良によっても調製し得る。
【0057】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXは、アトルバスタチンヘミカルシウムをブタノール中でスラリー化し、そして形態IXを単離すること、例えば当該ブタノールの濾過またはデカンテーション、好ましくは濾過することによって調製することができる。スラリー化処理のための好ましい温度範囲は、78℃ないし溶媒の還流温度である。スラリーからのアトルバスタチンヘミカルシウム塩の回収率は、形態IXを単離する前に当該スラリーに抗溶媒を添加することによって向上することができる。好ましい抗溶媒としては、イソプロパノールおよびn−ヘキサンが含まれる。この方法により形態IXを調製するための出発物質は、結晶性または非晶性のアトルバスタチンヘミカルシウムであってよく、好ましくは形態I、形態V、これらの混合物である。
【0058】
形態IXは、形態VIIIを、形態VIIIから形態IXに転化するのに十分な時間(数時間ないし24時間の範囲でよく通常は約16時間必要である)、室温において、エタノール、好ましくは無水エタノール中で懸濁することによって調製することもできる。その後、当該懸濁液から形態IXが回収される。形態IXは、形態VIIIを湿り雰囲気下で維持することによっても調製できる。
【0059】
形態IXはまた、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態IXに転化するのに十分な時間、還流温度において、1−ブタノールとエタノール又は水との混合物中で懸濁することによって調製することもできる。好ましくは、当該混合物は約50体積%の各成分を含有する。
【0060】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xは、4.8,5,3,5,9,9.6,10.3,11.5,12.0においてピーク、さらに16.1および16.3において二重ピーク、さらに16.9,17.4,18.2,19.2,19.4,20.0,20.8,22.8,23.6,24.6,25.0,25.5,26.2,26.8,27.4,28.0,30.3±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン(図9)によって特徴付けられる。最も特徴的なピークは、20.0および20.8±0.2度2θにおける2つのピークおよび19.1,19.4,22.8,23.6,25.0,28.0,30.3±0.2度2θにおける他のピークである。形態Xは2%以下のエタノールを含有し、また4%以下の水を含有し得る。
【0061】
形態Xは、7.0,19.9,20.7,24.1,25.0,28.0および30.3±0.2度2θに特徴的なピークを有することによって、形態IVのものから識別される。これらの特徴は、前に述べた形態I〜IVのPXRDパターンの対応する領域に現れるものから明確に識別される。
【0062】
形態Xの結晶系および単位胞の寸法を、シンクロトロンX線粉末分析を用いて決定した。形態Xは、格子定数:a=18.55〜18.65Å,b=5.52〜5.53Å,c=30.7〜30.85Åおよび95.7〜96.7°のa軸およびc軸間の角度βをもった単斜晶系結晶格子を有する。
【0063】
図10のシンクロトロンX線粉末分析において比較的顕著な幾つかのピークのd間隔を、CuKα照射を用いたときに当該ピークが有することになる位置(2θ単位)とともに、表3に掲載する。
【0064】
【表3】

【0065】
別個の試料間および測定間での自然のばらつきのため、これらピーク位置は報告された位置から0.5%程度外れる場合がある。当該材料が超微紛化などの粉砕を受ければ、より大きなシフトが生じ得る。
【0066】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xは、図11に示す固体状態の13CNMRスペクトルを生じた。形態Xは、以下の固体状態13C核磁気共鳴化学シフト(ppm):17.7,18.7,19.6,20.6,24.9,43.4,63.1,66.2,67.5,71.1,115.9,119.5,122.4,126.7,128.9,134.5,138.0,159.4,166.2,179.3,181.1,184.3,186.1によって特徴付けられる。また形態Xは、最低ppm共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:1.0,1.9,2.9,7.2,25.7,45.4,48.5,49.8,53.4,98.2,101.8,104.7,109.0,111.2,116.8,120.3,141.7,148.5,161.6,163.4,166.6,168.4を有する固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる。このパターンの特徴的部分は24〜26ppm(脂肪族範囲)、119〜140ppm(芳香族範囲)および他の領域において見られる。形態Xの化学シフトは、形態Xの3つの試料について得られたスペクトルから平均化したものである。これらの報告値は、179.3ppmにおけるカルボニルのピーク(これは±0.4ppm以内の精度である)を除き、±0.1ppm以内の精度である。
【0067】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xは、結晶性アトルバスタチンヘミカルシウム、好ましくは形態Vもしくは形態Iもしくはこれらの混合物、または非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムを、約半時間ないし数時間、好ましくは約1時間、上昇した温度、好ましくは還流温度において、EtOHと水の混合物、好ましくは約5:1の比にある混合物で処理することによって調製することができる。この出発物質を室温においてEtOH:水の混合物に添加し、次にその懸濁液を還流温度まで徐々に加熱してよい。あるいは、このアトルバスタチンヘミカルシウムの出発物質を還流する溶媒混合物に添加してもよい。いずれの場合でも、アトルバスタチンヘミカルシウムが溶媒混合物に溶解した後に形態Xにおいて再沈殿することが観察される必要がある。アトルバスタチンヘミカルシウム/EtOH:水混合物の比は、好ましくは約1:16ないし約1:25(g:ml)、より好ましくは約1:16ないし約1:21(g:ml)、最も好ましくは約1:16(g:ml)の範囲にある。室温まで冷却した直ぐ後に濾過によって形態Xを回収してよく、又は形態Xを回収する前に約1ないし約20時間、より好ましくは約3ないし約16時間の追加時間の間、懸濁液を攪拌してよい。
【0068】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIは、3.2,3.7,5.1,6.3,7.8,8.6,9.8,11.2,11.8,12.4,15.4,18.7,19.9,20.5,24.0±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン(図9)によって特徴付けられる。
【0069】
形態XIは、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態XIに転化するのに十分な時間、室温において、メチルエチルケトン(「MEK」)中で懸濁することによって得ることができる。
【0070】
形態XIはまた、イソプロピルアルコール中にアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するゲルを調製し、次に当該ゲルを乾燥することによって得ることもできる。このゲルは、イソプロピルアルコールを還流温度においてアトルバスタチンヘミカルシウムで飽和させ、次に室温まで冷却することによって良好に調製することができる。このゲルを形成するためには、20時間程度または20時間よりも長い間の室温における広範な攪拌が必要となる場合もある。ゲル状態においては、溶液が攪拌に対して検出可能な程に抵抗性となり、滑らに流れない。このゲルは、十分な力がかかれば攪拌できるという意味においては依然として流動性であり、そのような力の下で断裂しない。
【0071】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIは、2.7,8.0,8.4,11.8,18.2,19.0,19.8,20.7±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターン、および非晶性物質の存在を示すハロー(halo)によって特徴付けられる。アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIの典型的なX線粉末回折パターンを図10に示す。
【0072】
形態XIIは、以下の式の化合物から直接に調製することができる。
【0073】
【化2】

【0074】
この化合物の系統化学名は〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルであり、これを以下ピロールアセトニドエステルまたはPAEと称する。形態XIIは以下の方法により調製される。最初に、PAEを当該アセトニドとtert−ブチルエステル基が開裂する条件におく。好ましい条件は塩酸水溶液、より好ましくは約1.5%塩酸水溶液を使用するものである。遊離の酸もしくはラクトン形またはこれらの混合物であるこのアトルバスタチンの溶液を、次に水酸化カルシウム、好ましくは適度に過剰量、より好ましくはPAEに対して約1.5当量の水酸化カルシウムで処理する。添加した水酸化物塩に由来する溶解したカルシウムとアトルバスタチンが会合した後に、過剰の水酸化カルシウムを濾過により分離してよい。この方法の重要な一つの特徴は、次の濾液の操作である。穏やかに上昇した温度、好ましくは約65℃において、アトルバスタチンヘミカルシウムが沈殿するまで、当該反応混合物に水をゆっくりと添加する。その時点で、再び透明な溶液が得られるまで温度を上昇させる。この混合物を次に放冷してアトルバスタチンヘミカルシウムの沈殿を生じさせる。この単離される沈殿がアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIである。
【0075】
本発明はまた、既知の形態のアトルバスタチンヘミカルシウムを調製するための新規な方法も提供する。
【0076】
形態Iは、アトルバスタチンヘミカルシウムのいずれかの形態を、室温ないし100℃において、数時間ないし約25時間、好ましくは約16時間、水で処理することによって得ることができる。好ましい出発物質は、アトルバスタチンヘミカルシウムの形態V、形態VII、形態VIII、形態IXおよび形態Xである。
【0077】
形態Iはまた、エタノール中、好ましくは無水エタノール中、または水中のアトルバスタチンヘミカルシウムの懸濁液を、室温ないし溶媒還流温度において、数分、好ましくは1分ないし3分の間、音波処理(sonication)することによって得ることもできる。アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIが好ましい出発物質であるが、他の形態も同様に使用してよい。
【0078】
形態IIは、実施例31に従い、〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステル(PAE)から直接に調製することができる。
【0079】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IVは、形態Iまたは形態Vを、形態Iまたは形態Vから形態IVへの転化を完了するのに十分な時間、1−ブタノール中で懸濁させ、次にその混合物から形態IVを単離することによって調製することができる。温度および他の条件によっては、転化に長時間要する場合もある。転化は、典型的には、室温において約24時間〜72時間かかる。
【0080】
形態IVはまた、形態Vを、形態Vから形態IVへの転化を起こさせるのに十分な時間、50℃において、EtOH:H2O中で懸濁させ、次にその懸濁液から形態IVを回収することによって得ることもできる。好ましいEtOH:H2O混合物は、約15%のH2Oを含有する。
【0081】
形態IVはまた、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態IVへの転化を起こさせるのに十分な時間、メタノール中で懸濁することによって得ることもできる。転化速度は、温度の影響を受け易く、典型的な実験室の条件下で約1時間ないし約25時間かかる。室温においては、転化に約16時間要する。転化は、溶媒還流温度まで上昇した温度において行ってよい。
【0082】
形態Vは、アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIの調製について述べた方法により、PAEから調製することができる。形態Vは、形態XIIを約65℃において約24時間乾燥することによって得ることができる。この方法で得られるアトルバスタチンヘミカルシウム形態Vは高純度のものである。しかしながら、約10%の水と約90%のエタノールの混合物中で懸濁させることによって更に精製してもよい。
【0083】
非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムは、アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの形態を、数時間ないし25時間、好ましくは約16時間、室温ないし還流温度において、アセトンで処理することによって調製することができる。
【0084】
非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムは、アトルバスタチンヘミカルシウムのいずれかの形態を、室温ないしアセトニトリル還流温度の間のいずれかの温度において、アセトニトリル中で音波処理(sonicating)することによって調製することもできる。出発物質を非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムに変換するためには、数分間、好ましくは1〜3分間の音波処理で十分である。アトルバスタチンヘミカルシウムの好ましい出発物質は、形態VIIおよび形態Iである。
【0085】
非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムは、アトルバスタチンヘミカルシウムのいずれかの結晶性形態をボールミル処理することによって調製することもできる。
【0086】
本発明の更に別の面は、アトルバスタチンヘミカルシウムの当該新規形態を含有する医薬組成物および剤形である。
【0087】
本発明に係る組成物は、新規形態VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIのアトルバスタチンヘミカルシウムを含んでなる粉末、顆粒、凝集体その他の固体を含む。加えて、本発明により意図される形態IV、VII、VIII、IX、X、XI、XIIの固体組成物は、希釈剤、例えば粉末セルロース、微結晶セルロース、マイクロファイン(極微細)セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩ならびに他の置換および無置換セルロースのようなセルロース由来物質など;澱粉(スターチ);プレゼラチン化(pregelatinized)スターチ;炭酸カルシウム、二リン酸カルシウムおよび他の製薬産業で既知の希釈剤のような無機希釈剤をさらに含んでよい。さらに他の適当な希釈剤としては、ワックス、糖類、マンニトールおよびソルビトールのような糖アルコール類、アクリル酸系ポリマーおよびコポリマーならびにペクチン、デキストリンおよびゼラチンがある。
【0088】
さらに本発明の意図の範囲内にある賦形剤としては、結合剤、例えばアカシアゴム、プレゼラチン化スターチ、アルギン酸ナトリウム、グルコースおよび他の乾式および湿式顆粒化法ならびに直接圧縮錠剤化法に使用される結合剤が含まれる。形態IV、VII、VIII、IX、X、XI、XIIのアトルバスタチンヘミカルシウムの固体組成物において存在してもよい賦形剤としては、ソディウム・スターチ・グリコレート(sodium starch glycolate)、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよびその他の崩壊剤が含まれる。加えて、賦形剤としては、ステアリン酸カルシウムおよびマグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどの錠剤化用滑沢剤;香味剤;甘味剤;保存剤;医薬的に許容できる色素および二酸化ケイ素などの滑沢剤が含まれ得る。
【0089】
調剤(dosage)としては、経口、口内、直腸、非経口(皮下、筋肉、静脈を含む)、吸入および眼による投与に適した調剤が含まれる。所与の場合に最も適した経路は処置される状態の性質および重度によるが、本発明の最も適した経路は経口である。これらの調剤は単位調剤形態で好誼に提供され得るし、また薬学分野でよく知られた任意の方法によって調製し得る。
【0090】
剤形(dosage form)としては、固体の剤形、例えば錠剤、粉末、カプセル、座薬、サシュ(sachet)、トローチおよびローゼンジ(losenge)ならびに懸濁液およびエリキシル剤が含まれる。明細書が限定的であることを意図しない一方、本発明がアトルバスタチンヘミカルシウムの真正の溶液(その結果アトルバスタチンヘミカルシウムの固形が損なわれることを識別させる性質)に関することを意図するものでもない。しかしながら、本発明に係る新規形態を使用してそのような溶液を(例えばアトルバスタチンに加えて溶媒和物と特定の比にある前記溶液に対する溶媒和物を送達するために)調製することは本発明の意図の範囲内にあると考えられる。
【0091】
カプセル調剤は、当然のことながら、ゼラチンもしくは他の従来のカプセル化物質から製造されたカプセル内に固体組成物を含有することになる。錠剤および粉末はコートしてよい。錠剤および粉末は腸溶性コーティングでコートしてよい。腸溶性コート粉末形態は、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシメチルセルロース、フタル酸ポリビニルアルコール、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸のコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸メチルのコポリマーおよび同様の物質を含んでなるコーティングを有してよく、また、望ましければ適当な可塑化剤および/または増量剤と共に使用してよい。コート錠剤は、錠剤の表面にコーティングを有してよく、又は腸溶性コーティングを用いて粉末または顆粒を含んでなる錠剤であってよい。
【0092】
本発明の医薬組成物の好ましい単位調剤(unit dosage)は、典型的には0.5ないし100mgの新規なアトルバスタチンヘミカルシウム形態VI、VII、VIII、IX、X、XI、XIIまたはこれらの相互の混合物もしくはアトルバスタチンヘミカルシウムの他の形態との混合物を含有する。通常、単位調剤のアトルバスタチンヘミカルシウムの混合重量は、2.5mgないし80mgである。
【0093】
かくして本発明の種々の面について説明してきたが、以下の実施例は本発明の特定の実施形態を例示するために示されるものである。それらの実施例がいかなるようにしても限定的であることを意図しない。
【実施例】
【0094】
一般
含水量0.2%未満の無水(absolute)エタノールはBiolab(登録商標)より購入した。他の試薬は試薬級(reagent grade)であり、受領した状態のまま使用した。
【0095】
ボールミル処理(ball milling)は、250mlステンレス鋼ミリングチャンバーおよび27個の10mm径ステンレス鋼ボールをミル手段(milling media)として備えた、Retsch遠心ボールミルS−100を使用して行った。
【0096】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIの調製)
実施例1
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を室温においてアセトン(9ml)に溶解させ、2.5時間攪拌した。次に、水(8.5ml)を添加して沈殿を得て、次にその混合物を更に2.5時間攪拌した。次にその白色固体を濾過し、50℃において5時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VI(0.88g、88%)を得た。
【0097】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIの調製)
実施例2
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(1.00g)を、室温において16時間、無水EtOH(400ml)中で攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(40mg、40%)を得た。
【0098】
実施例3
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(75mg)を、室温において16時間、無水EtOH(30ml)中で攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(0.60g、80%)を得た。
【0099】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの調製)
実施例4
マグネティック・スターラーを備えたフラスコに、1.0g(1.59×10-3モル)の〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルを入れ、90%酢酸水溶液(10ml)中に懸濁させた。その反応混合物を3時間50℃まで加熱し、次に、HPLCにより決定して反応が完了するまで室温において攪拌した。溶媒を蒸発させ、トルエン(3×100ml)を用いたの共沸蒸留により痕跡量の酢酸を除去して、幾らかのトルエンを含むオイルを得た。このオイルをEtOH(10ml)および水(2ml)に溶解させた。次に、5.5当量(8.4×10-3モル、622mg)のCa(OH)2および臭化テトラブチルアンモニウム(5%、0.05g)を加えた。次に、HPLCにより決定して反応が完了するまで、その反応混合物を50℃において5時間加熱した。次に、減圧下で熱濾過を行って、過剰のCa(OH)2を除去した。次に、その反応混合物を室温まで冷却した。攪拌しながらこの溶液に水(50ml)を添加した。その白色沈殿を室温において一晩攪拌し、減圧下で濾過し、65℃において18時間乾燥して、145mg(16%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態VIIIを得た。
【0100】
実施例5
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を、無水EtOH(80ml)中で還流しながら24時間スラリー化した。次にその白色固体を濾過し、65℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII(0.85g、85%)を得た。
【0101】
実施例6
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を、沸騰する無水EtOH(40ml)に注いだ。この化合物は最初に溶け始め、次に再び沈殿した。この混合物にMeOH(20ml)を添加した。次に、その白色固体を濾過し、減圧オーブン内で50℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII(188mg、19%)を得た。
【0102】
実施例7
1.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vの1−ブタノール(4ml)およびH2O(16ml)中の懸濁液を還流温度まで1時間加熱した。次にその混合物を室温まで冷却し、室温において更に16時間攪拌した。その固体を濾過し、減圧オーブン内で50℃において16時間乾燥して、0.9g(91%)のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを得た。
【0103】
実施例8
5.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vを、エタノール96%の沸騰溶液(150ml)に添加した。その混合物を2.5時間還流した。次にそれを1.5時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に16時間攪拌した。その固体を濾過し、エタノール96%(2×25ml)で洗浄し、65℃において20時間乾燥して、4.4g(88%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態VIIIを得た。このプロセスの間に化学的精製が起こるため、このプロセスは精製のためにも良好である。
【0104】
実施例9
0.12%のレベルのデス−フルオロ・アトルバスタチンを含む5.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vを、エタノール96%の沸騰溶液(150ml)に添加した。その混合物を2.5時間還流した。次にそれを1.5時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に16時間攪拌した。その固体を濾過し、エタノール96%(2×25ml)で洗浄し、65℃において20時間乾燥して、0.06%のレベルのデス−フルオロ・アトルバスタチンを含む4.4g(88%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩を得た。この方法により、アトルバスタチンは形態VIIIとして得られる。
【0105】
実施例10
無水EtOH(35ml)中のアトルバスタチンヘミカルシウム形態V(5g)を2.5時間還流した。その反応混合物を次に室温まで冷却し、更に16時間攪拌した。次に無水エタノール(15ml)を添加し、その懸濁液を濾過し、その回収された固体を65℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII(4.7g、94%)を得た。
【0106】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXの調製)
実施例11
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を1−ブタノール(20ml)中で30分間還流しながらスラリー化した。次にその反応混合物を室温まで冷却した。次にその白色固体を濾過し、減圧下で50℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IX(0.94g、94%)を得た。KF=0.9。
【0107】
実施例12
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を1−ブタノール(20ml)中で30分間還流しながらスラリー化した。次に、更に沈殿させるためにn−ヘキサン(40ml)を添加し、その反応混合物を室温において2時間攪拌した。次にその白色固体を濾過し、減圧オーブン内で50℃において20時間乾燥して、アトルバスタチン形態IX(0.96g、96%)を得た。
【0108】
実施例13
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1g)を1−ブタノール(20ml)中で30分間還流しながらスラリー化した。次に、更に沈殿させるためにIPA(40ml)を添加し、その反応混合物を室温において2時間攪拌した。次にその白色固体を濾過し、減圧オーブン内で50℃において20時間乾燥して、カールフィッシャー分析により0.9%水を含有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態IX(0.94g、94%)を得た。
【0109】
実施例14
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII(800mg)を無水EtOH(320ml)中で室温において16時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IX(630mg、79%)を得た。
【0110】
実施例15
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(2.00g)および1−ブタノール(40ml)の混合物を118℃において半時間還流した。次にその混合物を室温まで冷却し、更に3時間攪拌した。次にその固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IX(1.83g、92%)を得た。
【0111】
実施例16
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを室温において100%相対湿度の下で9日間保存した。その結果得られた固体は粉末X線回折分析によって形態IXとして同定された。
【0112】
実施例17
1−BuOH(10ml)およびH2O(10ml)中の1gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vを加熱して1時間還流した。次にその混合物を室温まで冷却し、この温度において更に16時間攪拌した。濾過および65℃における24時間の乾燥により、0.79g(79%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態IXを得た。
【0113】
1−BuOH(10ml)およびEtOH(10ml)中の1gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vを加熱して1時間還流した。次にその混合物を室温まで冷却し、この温度において更に16時間攪拌した。濾過および65℃における24時間の乾燥により、0.98g(98%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態IXを得た。
【0114】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xの調製)
実施例19
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(10.00g)をEtOH(135ml)と水(24ml)の混合物中で懸濁させ、加熱して1時間還流した。次にその混合物を室温まで冷却し、更に16時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態X(8.26g、83%)を得た。
【0115】
実施例20
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(1.00g)をEtOH(9ml)と水(1.6ml)の混合物中で1時間還流した。その混合物を室温まで冷却し、次に更に3時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態X(0.80g、80%)を得た。
【0116】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIの調製)
実施例21
1.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vをメチルエチルケトン(「MEK」)(5ml)中で室温において24時間攪拌した。次にその固体を濾過し、MEK(2ml)で洗浄し、65℃において20時間乾燥して、0.5g(50%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態XIを得た。
【0117】
実施例22
イソプロピルアルコール(「IPA」)(7ml)中の1gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vの懸濁液を、還流温度まで1時間加熱した。次にその混合物を室温まで冷却し、この温度において更に20時間攪拌した。ゼラチン状の生成物が得られた。IPA(3ml)を添加した後、そのゲルを濾過し、65℃において20時間乾燥して、0.8g(80%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態XIを得た。
【0118】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIの調製)
実施例23
蒸留装置およびメカニカル・スターラーを備えた円筒形反応器に、20g(30.6mmol)の〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステル(=ピロールアセトニドエステル=PAE)を入れ、250mlの無水エタノールおよび50mlの1.5%塩酸水溶液の中に懸濁させた。その反応混合物を9〜11時間40℃まで加熱し、その間に減圧(500〜600mbar)下でエタノール、アセトンおよび水の混合物の連続蒸留を行った。無水エタノールの補充を毎時間行った(35〜40ml)。9〜11時間後、PAEのレベルが0.1%未満に減少した(HPLCによる)。更に処理を行わないで、Ca(OH)2(1.5当量、3.4g)を加えた。その反応混合物を4〜5時間70℃まで加熱した。次に過剰のCa(OH)2を濾過により集めた。その熱濾液(65℃)に対し、350mlの水を65℃において3/4〜1時間にわたって(供給ポンプを使用して)ゆっくりと添加した。水の添加の間、アトルバスタチンヘミカルシウム塩が沈殿した。水の添加の後、その反応混合物を加熱して、透明な溶液が得られるまで還流した(84℃)。次にその混合物を3時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に12〜16時間攪拌した。次にその固体を濾過して、45.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩結晶形態XIIのウェット・ケークを得た。
【0119】
(既知のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Iの調製)
実施例24
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(1.00g)を水(400ml)中で室温において16時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(0.7g、70%)を得た。
【0120】
実施例25
水(100ml)中のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(10.00g)の混合物を2時間還流した。その混合物を室温まで冷却し、更に1時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(9.64g、96%)を得た。
【0121】
実施例26
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII(800mg)を水(320ml)中で室温において16時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(350mg、44%)を得た。
【0122】
実施例27
アトルバスタチンヘミカルシウム形態X(1.0g)を水(400ml)中で室温において24時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(720mg、72%)を得た。
【0123】
実施例28
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IX(750mg)を水(300ml)中で室温において24時間攪拌した。その固体を回収し、65℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンカルシウム形態I(420mg、56%)を得た。
【0124】
実施例29
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(1.00g)を無水EtOH(20ml)中で室温において攪拌した。次にそのスラリーを1.5分間ソニケータ(エネルギー=235kJ、強度(Amp.)=50%)に入れて透明な溶液を得た。水(14ml)の追加の後に、沈殿が生成し、そのスラリーを更に2分間ソニケータ(エネルギー=3.16kJ、強度(Amp.)=50%)に入れて、スラリーをゲル化した。そのゲルを65℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(0.50g、50%)を得た。
【0125】
実施例30
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(1.00g)を水(200ml)中で室温において攪拌した。次にそのスラリーを2分間ソニケータ(エネルギー=3.0kJ、強度(Amp.)=50%)に入れて、スラリーをゲル化した。そのゲルを65℃において20時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(0.92g、92%)を得た。
【0126】
(既知のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IIの調製)
実施例31
蒸留装置およびメカニカル・スターラーを備えた円筒形反応器に、20g(30.6mmol)の〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステル(=ピロールアセトニドエステル=PAE)を入れ、135mlのメタノールおよび7.6mlの10%塩酸水溶液の中に懸濁させた。その反応混合物を3時間35℃まで加熱し、その間に減圧(820mbar)下でメタノール、アセトンおよび水の混合物の連続蒸留を行った。メタノールの補充を1/2時間毎に行った(35ml)。3時間後、PAEのレベルが0.1%未満(HPLCによる)に減少した。更に処理を行わないで、Ca(OH)2(1.5当量、3.4g)を加えた。その反応混合物を2時間70℃まで加熱した。次に過剰のCa(OH)2を濾過により集め、そのCa(OH)2ケークをメタノール(2×10ml)で洗浄した。その濾液に対し、300mlの水を65℃において3/4時間にわたって(供給ポンプを使用して)ゆっくりと添加した。水の添加の間、アトルバスタチンヘミカルシウム塩が沈殿した。水の添加の後、その反応混合物を還流温度(78℃)まで1/2時間加熱した。次にその混合物を3時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に20時間攪拌した。次にその固体を濾過し、65℃において48時間乾燥して、16.9g(96%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩結晶形態IIを得た。KF=3.2%。
【0127】
(既知のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IVの調製)
実施例32
アトルバスタチンヘミカルシウム塩形態I(1.0g)を9mlの1−ブタノール中で室温において24時間攪拌した。次にその白色固体を濾過し、減圧オーブン内で50℃において16時間乾燥して、0.83g(83%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態IVを得た。
【0128】
実施例33
アトルバスタチンヘミカルシウム塩形態V(1.0g)を20mlの1−ブタノール中で室温において72時間攪拌した。次にその白色固体を濾過し、オーブン内で65℃において20時間乾燥して、0.82g(82%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態IVを得た。
【0129】
実施例34
アトルバスタチンヘミカルシウム塩形態V(2.0g)をEtOH(18ml)と水(3.2ml)の混合物中で50℃において1時間攪拌した。次にその沈殿を濾過し、65℃において20時間乾燥して、1.60g(80%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態IVを得た。
【0130】
実施例35
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(2.00g)とメタノール(20ml)の混合物を1時間還流した。その混合物を室温まで冷却し、更に16時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IV(1.37g、56%)を得た。
【0131】
実施例36
メタノール(10ml)中のアトルバスタチンヘミカルシウム形態V(1.00g)の混合物を室温において20時間攪拌した。その固体を濾過により回収し、65℃において24時間乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウム形態IV(0.25g、25%)を得た。
【0132】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vの調製)
実施例37
蒸留装置およびメカニカル・スターラーを備えた円筒形反応器に、20g(30.6mmol)の〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステル(=ピロールアセトニドエステル=PAE)を入れ、250mlの無水エタノールおよび50mlの1.5%塩酸水溶液の中に懸濁させた。その反応混合物を9〜11時間40℃まで加熱し、その間に減圧(500〜600mbar)下でエタノール、アセトンおよび水の混合物の連続蒸留を行った。無水エタノールの補充を毎時間行った(35〜40ml)。9〜11時間後、PAEのレベルが0.1%未満に減少した(HPLCによる)。更に処理を行わないで、Ca(OH)2(1.5当量、3.4g)を加えた。その反応混合物を4〜5時間70℃まで加熱した。次に過剰のCa(OH)2を濾過により集めた。その熱濾液(65℃)に対し、350mlの水を65℃において3/4〜1時間にわたって(供給ポンプを使用して)ゆっくりと添加した。水の添加の間、アトルバスタチンヘミカルシウム塩が沈殿した。水の添加の後、その反応混合物を加熱して、透明な溶液が得られるまで還流した(84℃)。次にその混合物を3時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に20時間攪拌した。次にその固体を濾過して、45.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩結晶形態XIIのウェット・ケークを得た。この固体を65℃において24時間乾燥して、16.7g(95%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩結晶形態Vを得た。KF=2.8%〜6.6%。
【0133】
(アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vの精製方法)
実施例38
5.0gのアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vをエタノール90%の沸騰水溶液(150ml)に添加した。その混合物を2.5時間還流した。次にそれを1.5時間にわたって20℃まで冷却し、この温度において更に16時間攪拌した。次にその固体を濾過し、エタノール90%(2×25ml)で洗浄し、65℃において20時間乾燥して、3.4g(68%)のアトルバスタチンヘミカルシウム塩形態Vを得た。
【0134】
(既知の非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムの調製)
実施例39
アトルバスタチンヘミカルシウム形態V(2.00g)を閉鎖したフラスコ内でアセトン(14ml)中で室温において16時間攪拌した。2時間後、その混合物が透明になった。室温において攪拌を続ける間に、固体が沈殿した。アセトンをデカンテーションし、その固体をスパチュラで集め、乾燥用オーブンに移し、65℃において20時間乾燥して、非晶性アトルバスタチンヘミカルシウム(1.85g、93%)を得た。
【0135】
実施例40
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VII(1.00g)を室温においてアセトニトリル(20ml)中で攪拌した。次にそのスラリーを2分間音波処理した(エネルギー=2.5kJ、強度(Amp.)=50%)。アセトニトリルのデカンテーションの後、その固体を65℃において20時間乾燥して、非晶性アトルバスタチンヘミカルシウム(0.71g、71%)を得た。
【0136】
実施例41
アトルバスタチンヘミカルシウム形態I(1.00g)を室温においてアセトニトリル(20ml)中で攪拌した。そのスラリーを次に2分間ソニケータ(エネルギー=2.5kJ、強度(Amp.)=50%)に入れた。アセトニトリルのデカンテーションの後、その固体を65℃において20時間乾燥して、非晶性アトルバスタチンヘミカルシウム(0.71g、71%)を得た。
【0137】
実施例42
上記ボールミルのミリングチャンバーの中に、アトルバスタチンヘミカルシウム(108g)および27個の10mm径ステンレス鋼ミリング・ボールを装填した。そのチャンバーを秤量し、その重量に従って当該ミルを平衡化した。当該ミルの逆転装置(reversing system)を用いて、当該ミルを500rpmにおいて0.5時間作動させた。その付着した(build-up)物質をチャンバー壁からバルクに擦り落とし、再び当該ミルを4時間作動させ、15分毎に付着物を取り除いた。最後に、300μmスクリーンで篩い分けることによって、ボールから当該物質を分離した。その結果得られた物質をPXRDにより分析したところ、非晶性であることが判った。アトルバスタチンヘミカルシウム形態I、形態V、形態VIIIを使用して、このプロセスを繰り返し、各々の場合に非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムが得られた。
【0138】
かくして特定の好ましい実施形態について本発明を説明し、それを実施例で例示してきたが、その説明し例示した発明に対して、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の範囲および趣旨から逸脱しない変形が当業者には分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に図1に示される粉末X線回折パターンを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項2】
8.7,10.0,12.5,17.9,19.5,20.9,22.4±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項1のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項3】
その粉末X線回折パターンにおいて7.7,8.2,13.8,20.4,21.7,23.2,25.5±0.2度2θにピークを有することによって更に特徴付けられる、請求項2のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項4】
狭い粒度分布を有する請求項2のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項5】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項4のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項6】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項5のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIおよびその溶媒和物。
【請求項7】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの結晶性または非晶性形態をアセトン中に溶解させる工程、
b)抗溶媒の添加によりアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIを沈殿させる工程、および
c)固体結晶形態VIを分離する工程を含んでなる方法。
【請求項8】
実質的に図3に示される粉末X線回折パターンを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項9】
9.3,9.6,16.3,19.2,20.0,21.6,22.4,23.9±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項10】
その粉末X線回折パターンにおいて17.1(幅広),24.7,25.6,26.5±0.2度2θにピークを有する、請求項9のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項11】
狭い粒度分布を有する請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項12】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項11のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項13】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項12のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項14】
7%以下の含水量を有する請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項15】
三水和物である請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項16】
約4モル以下の水を含有する請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項17】
約3%以下のエタノールを含有する請求項8のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIII。
【請求項18】
約30.81,18.46,16.96,15.39,14.90,12.78,11.05,9.58,9.22,7.42,6.15,5.43,4.62,4.44および3.98オングストロームのd間隔を有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項19】
約1.15オングストロームの波長をもったX線で照射したときに実質的に図4に示される高分解能X線粉末回折パターンを生じる、請求項18のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項20】
以下の単位胞パラメータ:a=18.55〜18.7Å,b=5.52〜5.53Å,c=31.0〜31.2Åおよびβ=97.5〜99.5°をもった単斜晶系単位胞を有する、請求項18のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項21】
実質的に図5に示される固体状態13C核磁気共鳴スペクトルを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項22】
24.8,25.2,26.1,119.5,120.1,121.8,122.8,126.6,128.8,129.2,134.2,135.1,137.0,138.3および139.8ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって更に特徴付けられる、請求項21のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項23】
17.8,20.0,24.8,25.2,26.1,40.3,40.8,41.5,43.4,44.1,46.1,70.8,73.3,114.1,116.0,119.5,120.1,121.8,122.8,126.6,128.8,129.2,134.2,135.1,137.0,138.3,139.8,159.8,166.4,178.8および186.5ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる、請求項22のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項24】
最低共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:2.2,7.0,7.4,8.3,22.5,23.0,23.7,25.6,26.3,28.3,53.0,55.5,96.3,98.2,101.7,102.3,104.0,105.0,108.8,111.0,114.4,116.4,117.3,119.2,120.5,122.0,142.0,148.6,161.0および168.7ppmを有する、請求項21のアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIおよびその水和物。
【請求項25】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIエタノール溶媒和物。
【請求項26】
約3%以下のエタノールを含有する請求項25のアトルバスタチンヘミカルシウムエタノール溶媒和物。
【請求項27】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの調製方法であって、
a)形態Vを形態VIIIに転化するのに十分な時間、アトルバスタチンヘミカルシウムをエタノールと水の混合物中で懸濁する工程、および
b)当該懸濁液から形態VIIIを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項28】
当該混合物が約1体積の水に対して少なくとも約19体積のエタノールの混合物である請求項27の方法。
【請求項29】
当該懸濁液から形態VIIIを回収する前に当該懸濁液の温度を78〜80℃まで上昇させる請求項27の方法。
【請求項30】
アトルバスタチンからアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを調製する方法であって、
a)アトルバスタチンをカルシウムイオン源に接触させることにより、当該アトルバスタチンをアトルバスタチンヘミカルシウムに転化する工程、
b)アトルバスタチンヘミカルシウムを形態VIIIに転化するのに十分な時間、アトルバスタチンヘミカルシウムをエタノールと水の混合物中に懸濁させる工程、および
c)当該懸濁液から形態VIIIを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項31】
当該混合物が約5:1の体積比にあるエタノールと水の混合物である請求項30の方法。
【請求項32】
当該懸濁液から形態VIIIの回収率を増大させるべく、形態VIIIを回収する前に追加的な水をアトルバスタチンヘミカルシウムの当該懸濁液に添加する、請求項30の方法。
【請求項33】
当該懸濁液から形態VIIIを回収する前に当該懸濁液の温度を上昇させる、請求項30の方法。
【請求項34】
上昇した温度が約78〜80℃である請求項33の方法。
【請求項35】
0.1%よりも多くのデス−フルオロアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムを、約96%エタノールと約4%水の混合物中に懸濁させること、および0.1%未満のデス−フルオロアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムを回収することを含んでなる、0.1%未満のデス−フルオロアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法。
【請求項36】
0.07%未満のデス−フルオロアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンが回収される、請求項35のアトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法。
【請求項37】
1%よりも多くのトランスアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムを、約96%エタノールと約4%水の混合物中に懸濁させること、および1%未満のトランスアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムを回収することを含んでなる、1%未満のトランスアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法。
【請求項38】
0.6%未満のトランスアトルバスタチンヘミカルシウムを含有するアトルバスタチンヘミカルシウムが回収される、請求項37のアトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法。
【請求項39】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態VIIIへの転化を起こさせるのに十分な時間、1−ブタノールおよびエタノールからなる群より選択された低級アルコールと水との混合物中に懸濁させる工程、および
b)当該混合物からアトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項40】
当該混合物が体積を基準として約20%の1−ブタノールを含有する請求項39の方法。
【請求項41】
当該低級アルコールがエタノールであり、当該混合物が約4%の水を含有する、請求項39の方法。
【請求項42】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムを形態VIIIに転化させるために十分な時間、アトルバスタチンヘミカルシウムをエタノール中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態VIIIを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項43】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムが形態Vである請求項42の方法。
【請求項44】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムが形態XIIである請求項42の方法。
【請求項45】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムが形態Iである請求項42の方法。
【請求項46】
当該エタノールが約0.5%以下の水を含有する請求項42の方法。
【請求項47】
当該エタノールが約0.2%以下の水を含有する請求項46の方法。
【請求項48】
当該懸濁液から形態VIIIを回収する前に当該懸濁液の温度を約78℃まで上昇させる請求項42の方法。
【請求項49】
当該懸濁液から回収される形態VIIIの化学的純度を向上すべく、形態VIIIを回収する前に当該懸濁液にメタノールを添加することを更に含む、請求項48の方法。
【請求項50】
実質的に図6に示される粉末X線回折パターンを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項51】
19.1,19.9,21.4,22.5,23.5±0.2度2θにピークを有するその粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項50のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項52】
6.9,17.0,17.4,18.2,18.6±0.2度2θにピークを有するその粉末X線回折パターンによって更に特徴付けられる、請求項51のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項53】
7%以下の水を含有する請求項51のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項54】
約1ないし約4モルの水を含有する請求項51のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IX水和物。
【請求項55】
狭い粒度分布を有する請求項51のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項56】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項55のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項57】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項56のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項58】
約30.86,18.67,16.91,15.17,12.66,11.20,9.50,9.28,8.63,7.69,7.38,6.51,5.45,5.26,5.20,5.12,4.87,4.76,4.63,4.47,4.14,4.08,3.78,3.73,3.62および3.58オングストロームのd間隔を有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項59】
約1.15オングストロームの波長をもったX線で照射したときに実質的に図7に示される高分解能X線粉末回折パターンを生じる、請求項58のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項60】
以下の単位胞パラメータ:a=18.75〜18.85Å,b=5.525〜5.54Å,c=30.9〜31.15Åおよびβ=96.5〜97.5°をもった単斜晶系単位胞を有する、請求項58のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項61】
実質的に図8に示される固体状態13C核磁気共鳴スペクトルを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項62】
24.9,26.1,119.5,120.2,121.7,122.8,126.7,128.6,129.4,134.3,135.1,136.8,138.3および139.4ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって更に特徴付けられる、請求項61のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項63】
18.0,20.4,24.9,26.1,40.4,46.4,71.0,73.4,114.3,116.0,119.5,120.2,121.7,122.8,126.7,128.6,129.4,134.3,135.1,136.8,138.3,139.4,159.9,166.3,178.4および186.6ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる、請求項62のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項64】
最低共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:2.4,6.9,8.1,22.4,28.4,53.0,55.4,96.3,98.0,101.5,102.2,103.7,104.8,108.7,110.6,111.4,116.3,117.1,118.8,120.3,121.4,141.9,148.3,160.4および168.6ppmを有する、請求項61のアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその水和物。
【請求項65】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXブタノール溶媒和物。
【請求項66】
約5%以下のブタノールを含有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態IX。
【請求項67】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXおよびその溶媒和物の調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの結晶性または非晶性形態を、当該他の形態から形態IXに転化するのに十分な時間、1−ブタノール中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態IXを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項68】
当該他の形態が形態Iである請求項67の方法。
【請求項69】
当該他の形態が形態Vである請求項67の方法。
【請求項70】
当該他の形態が形態XIIである請求項42の方法。
【請求項71】
当該懸濁液から形態IXを回収する前に当該懸濁液の温度を1−ブタノールの還流温度まで上昇させる、請求項67の方法。
【請求項72】
当該他の形態から形態IXに転化するのに十分な時間が半時間以下である請求項67の方法。
【請求項73】
当該懸濁液から回収される形態IXの量を増大させるべく、形態IXを回収する前に抗溶媒を当該懸濁液に添加する工程を更に含む、請求項67の方法。
【請求項74】
抗溶媒がn−ヘキサン、イソプロパノールおよび水からなる群より選択される請求項73の方法。
【請求項75】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VIIIを約80%ないし約100%の相対湿度の雰囲気に曝すことによって、形態VIIIからアトルバスタチンヘミカルシウム形態IXを調製する方法。
【請求項76】
形態VIIIが約9日またはそれより短い間、当該湿り雰囲気に曝される、請求項75の方法。
【請求項77】
形態VIIIが室温において当該湿り雰囲気に曝される、請求項75の方法。
【請求項78】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IXの調製方法であって、
a)形態VIIIのアトルバスタチンヘミカルシウムを、当該他の形態から形態IXに転化するために十分な時間、エタノール中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態IXを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項79】
当該エタノールが約0.5%以下の水を含有する請求項78の方法。
【請求項80】
当該エタノールが約0.2%以下の水を含有する請求項79の方法。
【請求項81】
当該他の形態が形態IXに転化される時間にわたって当該懸濁液の温度がほぼ室温に維持される、請求項78の方法。
【請求項82】
当該他の形態から形態IXに転化するために十分な時間が約16時間である請求項78の方法。
【請求項83】
実質的に図9に示される粉末X線回折パターンを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項84】
19.1および19.4±0.2度2θにおける鋭いピークならびに20.0および20.8±0.2度2θにおける他のピークを有する粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、請求項83のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項85】
その粉末X線回折パターンにおいて222.8,23.6および25.0±0.2度2θにピークを有することによって更に特徴付けられる、請求項84のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項86】
約5%以下の水を含有する請求項83のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項87】
1ないし3モルの水を含有する請求項83のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項88】
約2%以下のエタノールを含有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項89】
狭い粒度分布を有する請求項83のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項90】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項89のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項91】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項90のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項92】
約30.63,18.49,16.66,15.12,12.49,11.19,10.20,9.38,9.24,9.13,8.58,7.64,7.36,7.26,6.81.6.50,6.16,5.91,5.24,5.19,5.06,4.86,4.74,4.65,4.61,4.56,4.12,4.05,3.93,3.90および3.77オングストロームのd間隔をもったアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項93】
約1.15オングストロームの波長をもったX線で照射したときに実質的に図10に示される高分解能X線粉末回折パターンを生じる、請求項92のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項94】
以下の単位胞パラメータ:a=18.55〜18.65Å,b=5.52〜5.53Å,c=30.7〜30.85Åおよびβ=95.7〜96.7°をもった単斜晶系単位胞を有する、請求項92のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項95】
実質的に図11に示される固体状態13C核磁気共鳴スペクトルを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項96】
24.9,119.5,122.4,126.7,128.9,134.5,138.0,159.4および166.2ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる、請求項95のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項97】
17.7,18.7,19.6,20.6,24.9,43.4,63.1,66.2,67.5,71.1,115.9,119.5,122.4,126.7,128.9,134.5,138.0,159.4,166.2,179.3,181.1,184.3および186.1ppmの固体状態13C核磁気共鳴によって特徴付けられる、請求項96のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項98】
最低共鳴と他の共鳴との間で以下の化学シフト差:1.0,1.9,2.9,7.2,25.7,45.4,48.5,49.8,53.4,98.2,101.8,104.7,109.0,111.2,116.8,120.3,141.7,148.5,161.6,163.4,166.6および168.4ppmを有する、請求項95のアトルバスタチンヘミカルシウム形態Xおよびその溶媒和物。
【請求項99】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Xの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの結晶性または非晶性形態を、当該他の形態から形態Xに転化するために十分な時間、エタノールと水の混合物中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態Xを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項100】
当該懸濁液から形態Xを回収する前に当該懸濁液を当該エタノール−水混合物の還流温度まで加熱する請求項99の方法。
【請求項101】
当該他の形態から形態Xに転化するために十分な時間が約1時間である請求項99の方法。
【請求項102】
当該混合物が1部の水に対して約6部のエタノールを含有する請求項99の方法。
【請求項103】
当該混合物が1部の水に対して約5部のエタノールを含有する請求項99の方法。
【請求項104】
実質的に図12に示される粉末X線回折パターンを有するアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIおよびその溶媒和物。
【請求項105】
3.2,3.7,5.1,6.3,7.8,8.6,9.8,11.2,11.8,12.4,15.4,18.7,19.9,24.0±0.2度2θにおけるPXRDピークによって特徴付けられる、請求項104のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIおよびその溶媒和物。
【請求項106】
狭い粒度分布を有する請求項104のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIおよびその溶媒和物。
【請求項107】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項106のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIおよびその溶媒和物。
【請求項108】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項107のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIおよびその溶媒和物。
【請求項109】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIへの転化を起こさせるのに十分な時間、室温において、アトルバスタチンヘミカルシウムをメチルエチルケトン中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液からアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項110】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムが形態Vである請求項109のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIの調製方法。
【請求項111】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIの調製方法であって、アトルバスタチンヘミカルシウムを上昇した温度においてイソプロピルアルコール中に溶解させてアトルバスタチンヘミカルシウムの溶液を形成する工程、当該溶液をそれがゲル化するまで冷却する工程、および次に当該ゲルを乾燥してアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIを得る工程を含んでなる方法。
【請求項112】
8.0,8.4,11.8,18.2,19.0±0.2度2θにピークを有する粉末X線回折パターンによって特徴付けられるアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIおよびその溶媒和物。
【請求項113】
狭い粒度分布を有する請求項112のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIおよびその溶媒和物。
【請求項114】
粒子の全てが直径100ミクロン以下である請求項113のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIおよびその溶媒和物。
【請求項115】
粒子の全てが直径50ミクロン以下である請求項114のアトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIおよびその溶媒和物。
【請求項116】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態XIIの調製方法であって、
a)〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルをエタノール中に懸濁させる工程、
b)当該懸濁液に塩酸を加えることによって当該〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルを脱保護し、それによりアトルバスタチンエステル誘導体のエタノール溶液を形成する工程、
c)当該溶液に水酸化カルシウムを加え、それによりアトルバスタチンヘミカルシウムのエタノール溶液を形成する工程、
d)必要に応じて過剰の水酸化カルシウムを除去する工程、および
e)当該溶液からアトルバスタチンヘミカルシウムを形態XIIとして沈殿させる工程を含んでなる方法。
【請求項117】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Iの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムの他のいずれかの形態を、当該他の形態から形態Iに転化するのに十分な時間、水中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態Iを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項118】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IIの調製方法であって、
a)〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルをメタノール中に懸濁させる工程、
b)当該懸濁液に塩酸を加えることによって当該〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルを脱保護し、それによりアトルバスタチンエステル誘導体のメタノール溶液を形成する工程、
c)当該溶液に水酸化カルシウムを加え、それによりアトルバスタチンヘミカルシウムのメタノール溶液を形成する工程、
d)必要に応じて過剰の水酸化カルシウムを除去する工程、および
e)当該溶液からアトルバスタチンヘミカルシウムを形態IIとして沈殿させる工程を含んでなる方法。
【請求項119】
非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶形態をアセトニトリル中に懸濁させる工程、
b)当該結晶形態から非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムに転化するのに十分な時間、当該懸濁液を音波処理する工程、および
c)当該懸濁液から非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムを回収する工程を含む方法。
【請求項120】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶形態が形態VIIである請求項119の方法。
【請求項121】
当該アトルバスタチンヘミカルシウムの結晶形態が形態Iである請求項119の方法。
【請求項122】
当該懸濁液を約1ないし約3分の間音波処理する請求項119の方法。
【請求項123】
当該懸濁液を室温において音波処理する請求項119の方法。
【請求項124】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IVの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウム形態Iを、形態Iから形態IVに転化するために十分な時間、1−ブタノール中に懸濁させる工程、
b)当該懸濁液から形態IVを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項125】
形態Iが形態IVに転化される時間、当該懸濁液が室温に維持される、請求項124の方法。
【請求項126】
形態Iから形態IVに転化するために十分な時間が約24時間である請求項124の方法。
【請求項127】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IVの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態IVに転化するために十分な時間、エタノールと水の混合物中に懸濁させる工程、
b)当該懸濁液から形態IVを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項128】
当該懸濁液から形態IVを回収する前に当該懸濁液の温度を約50℃まで上昇させる請求項127の方法。
【請求項129】
形態Vから形態IVに転化するために十分な時間が約1時間である請求項127の方法。
【請求項130】
当該混合物が約15%の水を含有する請求項127の方法。
【請求項131】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態IVの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vを、形態Vから形態IVに転化するために十分な時間、メタノール中に懸濁させる工程、および
b)当該懸濁液から形態IVを回収する工程を含んでなる方法。
【請求項132】
形態Vが形態IVに転化される時間、当該懸濁液の温度がほぼ室温ないしメタノールの還流温度に維持される、請求項131の方法。
【請求項133】
形態Vから形態IVに転化するために十分な時間が約1時間ないし約20時間である請求項131の方法。
【請求項134】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vの調製方法であって、
a)〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルをエタノール中に懸濁させる工程、
b)当該懸濁液に塩酸を加えることによって当該〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジオキサン−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルを脱保護し、それによりアトルバスタチンラクトンおよび〔R−(R*,R*)〕−2−(4−フルオロフェニル)−β,δ−ジヒドロキシ−5−(1−メチルエチル)−3−フェニル−4−〔(フェニルアミノ)カルボニル〕−1H−ピロール−1−tert−ブチルヘプタン酸エステルのエタノール溶液を形成する工程、
c)当該溶液に水酸化カルシウムを加え、それによりアトルバスタチンヘミカルシウムのエタノール溶液を形成する工程、
d)当該溶液からアトルバスタチンヘミカルシウムを沈殿させる工程、および
e)当該沈殿したアトルバスタチンヘミカルシウムを乾燥して、アトルバスタチンヘミカルシウムを形態Vとして得る工程を含んでなる方法。
【請求項135】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vをエタノールと水の混合物中に懸濁させること、および当該混合物から形態Vをより高い純度で回収することを含んでなる、アトルバスタチンヘミカルシウム形態Vの精製方法。
【請求項136】
当該混合物が体積を基準として約10%の水と約90%のエタノールからなる請求項135の方法。
【請求項137】
非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法であって、
a)アトルバスタチンヘミカルシウムのいずれかの結晶形態を、当該結晶形態から非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムに転化するために十分な時間、アセトンと接触させる工程、および
b)当該アセトンから固体非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムを分離する工程を含んでなる方法。
【請求項138】
アトルバスタチンヘミカルシウムの当該結晶形態がアセトン中で溶解してほぼ透明な溶液を生じ、さらに当該固体非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムが当該ほぼ透明な溶液から沈殿する、請求項137の方法。
【請求項139】
アトルバスタチンヘミカルシウムの当該結晶形態が形態Vである請求項137の方法。
【請求項140】
アトルバスタチンヘミカルシウムの当該結晶形態とアセトンを室温において接触させる請求項137の方法。
【請求項141】
当該結晶形態から非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムに転化するために十分な時間が約16時間である請求項137の方法。
【請求項142】
アトルバスタチンヘミカルシウムのいずれかの結晶形態をボールミル処理することによる、非晶性アトルバスタチンヘミカルシウムの調製方法。
【請求項143】
アトルバスタチンヘミカルシウムの当該結晶形態が形態I、形態Vおよび形態VIIIからなる群より選択される請求項142の方法。
【請求項144】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VI、VIII、IX、X、XI、XIIまたはそれらの混合物を含んでなる医薬組成物。
【請求項145】
医薬剤形を調製するための形態VI、VIII、IX、X、XI、XIIまたはそれらの混合物の使用。
【請求項146】
アトルバスタチンヘミカルシウム形態VI、VIII、IX、X、XI、XIIまたはそれらの混合物を含んでなる医薬剤形。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−120624(P2009−120624A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58477(P2009−58477)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【分割の表示】特願2002−545702(P2002−545702)の分割
【原出願日】平成13年11月29日(2001.11.29)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】