アブソリュートロータリエンコーダ及びマイクロメータ
【課題】小型化しても高精度測定が可能なアブソリュートロータリエンコーダを提供する。
【解決手段】ロータ3には、トラック41、43が同心円状に配置されている。トラック41は外側に配置され、受信巻線17及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。これに対して、トラック43は内側に配置され、受信巻線19及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。トラック41、43は、それぞれ、軸9を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線51、53である。磁束結合巻線51、53を構成するブロック61の数は、トラック41が10個で、トラック43が9個である。
【解決手段】ロータ3には、トラック41、43が同心円状に配置されている。トラック41は外側に配置され、受信巻線17及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。これに対して、トラック43は内側に配置され、受信巻線19及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。トラック41、43は、それぞれ、軸9を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線51、53である。磁束結合巻線51、53を構成するブロック61の数は、トラック41が10個で、トラック43が9個である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁束結合を利用して変位を測定するアブソリュートロータリエンコーダ及びこれを搭載したマイクロメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリエンコーダは、送信巻線及び受信巻線が配置されたステータと、これらと磁束結合可能なトラックが配置されたロータと、を備える。このエンコーダのうちアブソリュートタイプは、例えば、特許文献1、2に開示されている。特に、特許文献2には、内燃機関の制御に応用される比較的大きなロータリエンコーダが開示されている。
【特許文献1】特開平10-213407号公報(図2、図3)
【特許文献2】米国特許第3812481号明細書(第5欄第68行〜第6欄第3行、第7欄第31行〜第35行、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アブソリュートロータリエンコーダは、複数のトラックがロータ上に配置されているので、各トラックに割り当てられる面積は小さい。このため、アブソリュートロータリエンコーダを小型化すると、送信巻線との磁束結合によってトラックに生じる誘導電流が小さくなる。よって、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることができず、測定精度が低下する。
【0004】
また、ステータとロータを筐体に組み込んだ際に、ステータやロータの位置ずれが発生した場合、アブソリュートロータリエンコーダのサイズを問わず、位置ずれの大きさは同じ程度である。したがって、アブソリュートロータリエンコーダを小型化すると位置ずれの影響が大きく、測定精度が低下する原因となる。
【0005】
本発明は、小型化しても高精度測定が可能なアブソリュートロータリエンコーダ及びこれを搭載したマイクロメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアブソリュートロータリエンコーダは、軸と、ステータと、その中心に前記軸が通る貫通穴を有すると共に前記軸を中心として回転可能に前記ステータと対向して配置されたロータと、トラックが前記ロータ上で同心円状に配置されたトラック群と、前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された送信巻線群と、前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された受信巻線群と、を備え、前記トラック群の各トラックは、前記ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に前記軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線であり、前記トラック群の少なくとも二つのトラックは、前記線状円弧部の数が互いに異なることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るアブソリュートロータリエンコーダに備えられる各トラックは、ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線である。したがって、アブソリュートロータリエンコーダを小型化しても、受信信号の強度の低下を防ぐことができ、また、ステータやロータの位置すれの影響を小さくすることができる。
【0008】
本発明において、前記送信巻線群は、前記受信巻線群を構成する複数の受信巻線の中で一番内側のものより外側に配置されている、ようにすることができる。これによれば、一番内側に配置された受信巻線の内側に配置する送信巻線を省略しているので、アブソリュートロータリエンコーダの小型化を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記送信巻線群は、送信巻線が一筆書状につながった構成を有する、ようにすることができる。これによれば、各送信巻線を駆動する送信巻線駆動回路を共用化できるので、アブソリュートロータリエンコーダを小型化できる。
【0010】
上記アブソリュートロータリエンコーダは、マイクロメータに搭載することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アブソリュートロータリエンコーダを小型化しても、受信巻線から得られる信号強度の低下を防ぐことができると共にステータやロータの位置ずれの影響を小さくすることができる。したがって、高精度な小型のアブソリュートロータリエンコーダを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダ(以下、「アブソリュートロータリエンコーダ」を「エンコーダ」と記載する場合もある。)について説明する。なお、図において、既に説明した図中の符号で示すものと同一のものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるステータ1の平面図であり、図2はロータ3の平面図である。ステータ1の中心には貫通穴5が形成されており、貫通穴5に軸9が通されている。ロータ3もその中心に軸9が通る貫通穴11を有している。貫通穴11に嵌め込まれた図示しないロータブッシュを介して、ロータ3は軸9を中心として矢印A方向に回転可能にステータ1と対向して配置されている。ステータ1やロータ3は、プリント回路基板、ガラス基板、シリコン基板等により構成される。
【0014】
図1に示すステータ1は絶縁基板15を備え、この上にリング状の受信巻線17、19が軸9を中心にして同心円状に形成されている。受信巻線17が外側に位置し、受信巻線19が内側に位置している。受信巻線17は端子T1、T2を有し、受信巻線19は端子T3、T4を有する。受信巻線17、19で受信巻線群G1が構成される。受信巻線17を例として受信巻線の構成を説明する。
【0015】
図3は受信巻線17の平面図である。受信巻線17は、上層導体21と、これに立体交差する下層導体23とのセットUを複数備え、これらをリング状に配置した構成を有する。上層導体21と下層導体23との間に図示しない絶縁層が配置されている。この絶縁層に設けられたスルーホール又はビアホールに埋め込まれた埋込導体25を介して、上層導体21の端部と下層導体23の端部とが接続されている。したがって、受信巻線17は、略ひし形の受信ループ27を複数備え、これらをリング状に配置した構成を有する、と言うこともできる。
【0016】
なお、受信ループ27は略正弦波形状など、様々な閉ループ形状とすることができる。図4は略正弦波形状の受信ループ27で構成される受信巻線の平面図である。これを受信巻線17、19として図1のステータ1に配置してもよい。
【0017】
図5は、受信巻線17の受信折返し部29付近の平面図である。受信折返し部29は、受信巻線17の先端側31及び末端側33の両方の二箇所に形成されている。詳しくは、先端側31では、下層導体23が受信折返し部29で折り返されており、末端側33では、上層導体21が受信折返し部29で折り返されている。先端側31の受信折返し部29は下層導体23であり、末端側33の受信折返し部29は上層導体21である。したがって、先端側31の受信折返し部29と末端側33の受信折返し部29とは接続されていない。
【0018】
図1の受信巻線19は、受信巻線17と同様の構成を有している。但し、受信巻線19の波長λ2に対応する回転角度は、受信巻線17の波長λ1に対応する回転角度とは異なっている。
【0019】
図1に示すように、ステータ1は、受信巻線17の外側、受信巻線17と受信巻線19との間に、それぞれ、配置された送信巻線35、37を備える。送信巻線35、37は、曲率一定の線状導体がリング状に絶縁基板15上に形成された構成を有する。送信巻線35と送信巻線37は、一筆書状につながり、送信巻線群G2を構成している。これにより、送信巻線駆動回路を共用化して送信巻線35、37を同時に駆動することができるため、エンコーダの小型化を図ることができる。T5、T6は送信巻線群G2の端子である。
【0020】
また、送信巻線群G2は、受信巻線19の外側に配置、つまり、受信巻線群G1を構成する受信巻線17、19の中で一番内側のものより外側に配置されている。このように、受信巻線19の内側に配置する送信巻線を省略することによりエンコーダの小型化を図っている。
【0021】
次に、図2を参照して、ロータ3の構成を説明する。ロータ3は、円盤状の絶縁基板39を有する。トラック41、43が同心円状に絶縁基板39上に形成されている。トラック41は外側に配置され、受信巻線17及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。これに対して、トラック43は内側に配置され、受信巻線19及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。トラック41、43によりトラック群G3が構成される。
【0022】
トラックの構成についてトラック41を例にして説明する。半径r1(第1の半径の一例)の線状円弧部45と、これより小さい半径r2(第2の半径の一例)の線状円弧部47と、が交互に10個ずつ配置されている。線状円弧部45、47どうしは、ロータ3の半径方向に延びる線状部49によりつながれている。これらにより、軸9を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線51が構成される。この磁束結合巻線51がトラック41となる。磁束結合巻線51の波長λ1は受信巻線17の波長λ1と等しい。
【0023】
トラック43となる磁束結合巻線53は、半径r2より小さい半径r3(第1の半径の一例)の線状円弧部55と、これより小さい半径r4(第2の半径の一例)の線状円弧部57と、が交互に9個ずつ配置された構成を有する。線状円弧部55、57は線状部59によりつながれている。磁束結合巻線53の波長λ2は、受信巻線19の波長λ2と等しい。以上のように、磁束結合巻線51、53は、歯車形状のパターンを有する。
【0024】
線状円弧部45とその両側の線状部49でブロック61が構成され、線状円弧部55とその両側の線状部59でブロック61が構成される。ブロック61の数は、外側のトラック41が10個、内側のトラック43が9個となる。
【0025】
図1のステータ1と図2のロータ3で構成される本実施形態に係るエンコーダによれば、トラック41とトラック43でブロック61の数が異なるので、受信巻線17、19から得られる信号の差分をもとにして、ロータ3の一回転における絶対位置の検出をすることができる。
【0026】
次に、本実施形態の主な効果を比較形態と比較して説明する。図6は、比較形態に係るロータ71の平面図であり、図2と対応する。ロータ71がロータ3と相違するのは、トラックの構成である。ロータ71のトラック41は、10個の磁束結合巻線73を所定のピッチで配置することにより構成される。これに対して、トラック43は、9個の磁束結合巻線73を所定のピッチで配置することにより構成される。磁束結合巻線73は、略矩形の枠状を有する。
【0027】
ロータ3を備えた本実施形態に係るエンコーダ、ロータ71を備えた比較形態に係るエンコーダを用いて、所定の測定対象物の寸法を測定した。条件は以下の通りであった。トラック41、43の半径はそれぞれ7.4mm、6.3mmであり、ステータに対するロータの回転中心のずれ量は100μm程度、傾きのずれはトラック41部分で25μm程度にした。
【0028】
上記測定の際に受信巻線から得られる信号の強度及び寸法の測定誤差を求めた。図7は信号強度の測定結果を示すグラフであり、図8は寸法の測定誤差の結果を示すグラフである。まず、信号強度について説明する。図7のグラフは、比較形態の場合の信号強度を1として、本実施形態の場合の信号強度を比で表している。
【0029】
本実施形態によれば、比較形態の約1.2倍の信号強度が得られる。発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、アブソリュートロータリエンコーダは小型化すると、送信巻線との磁束結合によってトラックに生じる誘導電流が小さくなり、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることができない。
【0030】
本実施形態は、図2に示すような連続した一つのリング状(歯車形状)の磁束結合巻線51、53でそれぞれ構成されるトラック41、43を備えるので、送信巻線群G2からトラック群G3に効率的に信号を伝達できる。よって、受信信号の強度を大きくできるため、エンコーダが小型化しても、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることが可能となる。
【0031】
次に、寸法の測定誤差について説明する。図8は、比較形態の測定誤差を1とした場合の本実施形態の測定誤差比を示している。本実施形態によれば、比較形態に比べて測定精度を50%程度向上させることができた。
【0032】
本実施形態によれば、ステータやロータの位置ずれに起因する測定誤差を低減できるのは、以下の理由からだと思われる。図9に示すように、ステータに対するロータの取り付け位置がずれると、ステータとロータ間の距離がトラックの位置に応じて異なる。この場合のトラックに流れる電流を考える。
【0033】
図10に示すように、比較形態のロータ71は、トラックを構成する複数の磁束結合巻線73が互いに分離されているので、それぞれに異なる大きさ誘導電流が発生する。例えば、磁束結合巻線73aに流れる誘導電流iaと磁束結合巻線73bに流れる誘導電流ibは、大きさが異なる。したがって、トラックの位置に応じて誘導電流の大きさが異なることになり、測定精度が低下する原因となる。例えば、同じ0.1mmの位置ずれでも、エンコーダが小型化するとその影響は大きくなる。
【0034】
これに対して本実施形態のロータ3は、図11に示すように、一つのトラックの磁束結合巻線51、53が連続した一つのリング状なので、トラックを流れる誘導電流はトラックの位置に応じて異なることはなく、均一にすることができる。よって、本実施形態によれば、ステータやロータの位置ずれに起因する測定誤差を低減できる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダを小型化しても、受信信号の強度の低下を防ぐことができ、かつステータやロータの位置ずれの影響を小さくできるので、高精度測定が可能な小型のアブソリュートロータリエンコーダを実現することができる。
【0036】
なお、図1に示すように、各トラックに対応する受信巻線17、19が一つの場合(1相受信巻線の場合)で説明したが、各トラックに対応する受信巻線が三つの場合(3相受信巻線の場合)でもよい。これを図12に示す。互いに位相をずらして配置された三つの受信巻線17a、17b、17cが一方のトラックと対応し、互いに位相をずらして配置された三つの受信巻線19a、19b、19cが他方のトラックと対応している。さらに図示はしていないが、各トラックに対応する受信巻線が二つや四つの場合(2相や4相受信巻線の場合)でもよい。
【0037】
また、ロータ3も図2に示す構成に限らず、図13に示す構成でもよい。ロータ81において、外側のトラック41は16個のブロック61で構成され、内側のトラック43は5個のブロック61で構成される。
【0038】
また、トラック群G3を構成するトラックの数が二つの場合で説明したが、三つ以上でもよい。この場合、トラック群G3の少なくとも二つのトラックにおいて、ブロック61(つまり線状円弧部)の数が互いに異なればよい。
【0039】
図14は、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダを搭載したマイクロメータ91の正面図である。フレーム93に図1のステータ1が固定され、シンブル95に図2のロータ3が固定されている。本実施形態によれば、ロータ3の直径が例えば20mm以下の小型のマイクロメータ91であっても高精度測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるステータの平面図である。
【図2】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるロータの平面図である。
【図3】図1に示すステータに配置された受信巻線の一例の平面図である。
【図4】図1に示すステータに配置された受信巻線の他の例の平面図である。
【図5】図3に示す受信巻線の受信折返し部付近の平面図である。
【図6】比較形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるロータの平面図である。
【図7】信号強度の測定結果を示すグラフである。
【図8】寸法の測定誤差の結果を示すグラフである。
【図9】ステータに対するロータの位置ずれを示す図である。
【図10】比較形態のロータに位置ずれが発生している場合のトラックに流れる電流を示す図である。
【図11】本実施形態のロータに位置ずれが発生している場合のトラックに流れる電流を示す図である。
【図12】本実施形態に適用できる3相受信巻線の平面図である。
【図13】本実施形態に適用できるロータの他の例の平面図である。
【図14】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダが組み込まれているマイクロメータの正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・ステータ、3・・・ロータ、5・・・貫通穴、9・・・軸、11・・・貫通穴、15・・・絶縁基板、17、17a、17b、17c、19、19a、19b、19c・・・受信巻線、21・・・上層導体、23・・・下層導体、25・・・埋込導体、27・・・受信ループ、29・・・受信折返し部、31・・・先端側、33・・・末端側、35、37・・・送信巻線、39・・・絶縁基板、41、43・・・トラック、45、47・・・線状円弧部、49・・・線状部、51、53・・・磁束結合巻線、55、57・・・線状円弧部、59・・・線状部、61・・・ブロック、71・・・ロータ、73・・・磁束結合巻線、81・・・ロータ、91・・・マイクロメータ、93・・・フレーム、95・・・シンブル、A・・・回転方向、G1・・・受信巻線群、U・・・セット、T1、T2、T3、T4、T5、T6・・・端子、λ1、λ2・・・波長、G2・・・送信巻線群、G3・・・トラック群、r1、r2、r3、r4・・・半径。
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁束結合を利用して変位を測定するアブソリュートロータリエンコーダ及びこれを搭載したマイクロメータに関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリエンコーダは、送信巻線及び受信巻線が配置されたステータと、これらと磁束結合可能なトラックが配置されたロータと、を備える。このエンコーダのうちアブソリュートタイプは、例えば、特許文献1、2に開示されている。特に、特許文献2には、内燃機関の制御に応用される比較的大きなロータリエンコーダが開示されている。
【特許文献1】特開平10-213407号公報(図2、図3)
【特許文献2】米国特許第3812481号明細書(第5欄第68行〜第6欄第3行、第7欄第31行〜第35行、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アブソリュートロータリエンコーダは、複数のトラックがロータ上に配置されているので、各トラックに割り当てられる面積は小さい。このため、アブソリュートロータリエンコーダを小型化すると、送信巻線との磁束結合によってトラックに生じる誘導電流が小さくなる。よって、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることができず、測定精度が低下する。
【0004】
また、ステータとロータを筐体に組み込んだ際に、ステータやロータの位置ずれが発生した場合、アブソリュートロータリエンコーダのサイズを問わず、位置ずれの大きさは同じ程度である。したがって、アブソリュートロータリエンコーダを小型化すると位置ずれの影響が大きく、測定精度が低下する原因となる。
【0005】
本発明は、小型化しても高精度測定が可能なアブソリュートロータリエンコーダ及びこれを搭載したマイクロメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るアブソリュートロータリエンコーダは、軸と、ステータと、その中心に前記軸が通る貫通穴を有すると共に前記軸を中心として回転可能に前記ステータと対向して配置されたロータと、トラックが前記ロータ上で同心円状に配置されたトラック群と、前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された送信巻線群と、前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された受信巻線群と、を備え、前記トラック群の各トラックは、前記ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に前記軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線であり、前記トラック群の少なくとも二つのトラックは、前記線状円弧部の数が互いに異なることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るアブソリュートロータリエンコーダに備えられる各トラックは、ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線である。したがって、アブソリュートロータリエンコーダを小型化しても、受信信号の強度の低下を防ぐことができ、また、ステータやロータの位置すれの影響を小さくすることができる。
【0008】
本発明において、前記送信巻線群は、前記受信巻線群を構成する複数の受信巻線の中で一番内側のものより外側に配置されている、ようにすることができる。これによれば、一番内側に配置された受信巻線の内側に配置する送信巻線を省略しているので、アブソリュートロータリエンコーダの小型化を図ることができる。
【0009】
本発明において、前記送信巻線群は、送信巻線が一筆書状につながった構成を有する、ようにすることができる。これによれば、各送信巻線を駆動する送信巻線駆動回路を共用化できるので、アブソリュートロータリエンコーダを小型化できる。
【0010】
上記アブソリュートロータリエンコーダは、マイクロメータに搭載することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アブソリュートロータリエンコーダを小型化しても、受信巻線から得られる信号強度の低下を防ぐことができると共にステータやロータの位置ずれの影響を小さくすることができる。したがって、高精度な小型のアブソリュートロータリエンコーダを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダ(以下、「アブソリュートロータリエンコーダ」を「エンコーダ」と記載する場合もある。)について説明する。なお、図において、既に説明した図中の符号で示すものと同一のものについては、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0013】
図1は、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるステータ1の平面図であり、図2はロータ3の平面図である。ステータ1の中心には貫通穴5が形成されており、貫通穴5に軸9が通されている。ロータ3もその中心に軸9が通る貫通穴11を有している。貫通穴11に嵌め込まれた図示しないロータブッシュを介して、ロータ3は軸9を中心として矢印A方向に回転可能にステータ1と対向して配置されている。ステータ1やロータ3は、プリント回路基板、ガラス基板、シリコン基板等により構成される。
【0014】
図1に示すステータ1は絶縁基板15を備え、この上にリング状の受信巻線17、19が軸9を中心にして同心円状に形成されている。受信巻線17が外側に位置し、受信巻線19が内側に位置している。受信巻線17は端子T1、T2を有し、受信巻線19は端子T3、T4を有する。受信巻線17、19で受信巻線群G1が構成される。受信巻線17を例として受信巻線の構成を説明する。
【0015】
図3は受信巻線17の平面図である。受信巻線17は、上層導体21と、これに立体交差する下層導体23とのセットUを複数備え、これらをリング状に配置した構成を有する。上層導体21と下層導体23との間に図示しない絶縁層が配置されている。この絶縁層に設けられたスルーホール又はビアホールに埋め込まれた埋込導体25を介して、上層導体21の端部と下層導体23の端部とが接続されている。したがって、受信巻線17は、略ひし形の受信ループ27を複数備え、これらをリング状に配置した構成を有する、と言うこともできる。
【0016】
なお、受信ループ27は略正弦波形状など、様々な閉ループ形状とすることができる。図4は略正弦波形状の受信ループ27で構成される受信巻線の平面図である。これを受信巻線17、19として図1のステータ1に配置してもよい。
【0017】
図5は、受信巻線17の受信折返し部29付近の平面図である。受信折返し部29は、受信巻線17の先端側31及び末端側33の両方の二箇所に形成されている。詳しくは、先端側31では、下層導体23が受信折返し部29で折り返されており、末端側33では、上層導体21が受信折返し部29で折り返されている。先端側31の受信折返し部29は下層導体23であり、末端側33の受信折返し部29は上層導体21である。したがって、先端側31の受信折返し部29と末端側33の受信折返し部29とは接続されていない。
【0018】
図1の受信巻線19は、受信巻線17と同様の構成を有している。但し、受信巻線19の波長λ2に対応する回転角度は、受信巻線17の波長λ1に対応する回転角度とは異なっている。
【0019】
図1に示すように、ステータ1は、受信巻線17の外側、受信巻線17と受信巻線19との間に、それぞれ、配置された送信巻線35、37を備える。送信巻線35、37は、曲率一定の線状導体がリング状に絶縁基板15上に形成された構成を有する。送信巻線35と送信巻線37は、一筆書状につながり、送信巻線群G2を構成している。これにより、送信巻線駆動回路を共用化して送信巻線35、37を同時に駆動することができるため、エンコーダの小型化を図ることができる。T5、T6は送信巻線群G2の端子である。
【0020】
また、送信巻線群G2は、受信巻線19の外側に配置、つまり、受信巻線群G1を構成する受信巻線17、19の中で一番内側のものより外側に配置されている。このように、受信巻線19の内側に配置する送信巻線を省略することによりエンコーダの小型化を図っている。
【0021】
次に、図2を参照して、ロータ3の構成を説明する。ロータ3は、円盤状の絶縁基板39を有する。トラック41、43が同心円状に絶縁基板39上に形成されている。トラック41は外側に配置され、受信巻線17及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。これに対して、トラック43は内側に配置され、受信巻線19及び送信巻線群G2と磁束結合可能にされている。トラック41、43によりトラック群G3が構成される。
【0022】
トラックの構成についてトラック41を例にして説明する。半径r1(第1の半径の一例)の線状円弧部45と、これより小さい半径r2(第2の半径の一例)の線状円弧部47と、が交互に10個ずつ配置されている。線状円弧部45、47どうしは、ロータ3の半径方向に延びる線状部49によりつながれている。これらにより、軸9を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線51が構成される。この磁束結合巻線51がトラック41となる。磁束結合巻線51の波長λ1は受信巻線17の波長λ1と等しい。
【0023】
トラック43となる磁束結合巻線53は、半径r2より小さい半径r3(第1の半径の一例)の線状円弧部55と、これより小さい半径r4(第2の半径の一例)の線状円弧部57と、が交互に9個ずつ配置された構成を有する。線状円弧部55、57は線状部59によりつながれている。磁束結合巻線53の波長λ2は、受信巻線19の波長λ2と等しい。以上のように、磁束結合巻線51、53は、歯車形状のパターンを有する。
【0024】
線状円弧部45とその両側の線状部49でブロック61が構成され、線状円弧部55とその両側の線状部59でブロック61が構成される。ブロック61の数は、外側のトラック41が10個、内側のトラック43が9個となる。
【0025】
図1のステータ1と図2のロータ3で構成される本実施形態に係るエンコーダによれば、トラック41とトラック43でブロック61の数が異なるので、受信巻線17、19から得られる信号の差分をもとにして、ロータ3の一回転における絶対位置の検出をすることができる。
【0026】
次に、本実施形態の主な効果を比較形態と比較して説明する。図6は、比較形態に係るロータ71の平面図であり、図2と対応する。ロータ71がロータ3と相違するのは、トラックの構成である。ロータ71のトラック41は、10個の磁束結合巻線73を所定のピッチで配置することにより構成される。これに対して、トラック43は、9個の磁束結合巻線73を所定のピッチで配置することにより構成される。磁束結合巻線73は、略矩形の枠状を有する。
【0027】
ロータ3を備えた本実施形態に係るエンコーダ、ロータ71を備えた比較形態に係るエンコーダを用いて、所定の測定対象物の寸法を測定した。条件は以下の通りであった。トラック41、43の半径はそれぞれ7.4mm、6.3mmであり、ステータに対するロータの回転中心のずれ量は100μm程度、傾きのずれはトラック41部分で25μm程度にした。
【0028】
上記測定の際に受信巻線から得られる信号の強度及び寸法の測定誤差を求めた。図7は信号強度の測定結果を示すグラフであり、図8は寸法の測定誤差の結果を示すグラフである。まず、信号強度について説明する。図7のグラフは、比較形態の場合の信号強度を1として、本実施形態の場合の信号強度を比で表している。
【0029】
本実施形態によれば、比較形態の約1.2倍の信号強度が得られる。発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、アブソリュートロータリエンコーダは小型化すると、送信巻線との磁束結合によってトラックに生じる誘導電流が小さくなり、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることができない。
【0030】
本実施形態は、図2に示すような連続した一つのリング状(歯車形状)の磁束結合巻線51、53でそれぞれ構成されるトラック41、43を備えるので、送信巻線群G2からトラック群G3に効率的に信号を伝達できる。よって、受信信号の強度を大きくできるため、エンコーダが小型化しても、十分な強度の受信信号を受信巻線から得ることが可能となる。
【0031】
次に、寸法の測定誤差について説明する。図8は、比較形態の測定誤差を1とした場合の本実施形態の測定誤差比を示している。本実施形態によれば、比較形態に比べて測定精度を50%程度向上させることができた。
【0032】
本実施形態によれば、ステータやロータの位置ずれに起因する測定誤差を低減できるのは、以下の理由からだと思われる。図9に示すように、ステータに対するロータの取り付け位置がずれると、ステータとロータ間の距離がトラックの位置に応じて異なる。この場合のトラックに流れる電流を考える。
【0033】
図10に示すように、比較形態のロータ71は、トラックを構成する複数の磁束結合巻線73が互いに分離されているので、それぞれに異なる大きさ誘導電流が発生する。例えば、磁束結合巻線73aに流れる誘導電流iaと磁束結合巻線73bに流れる誘導電流ibは、大きさが異なる。したがって、トラックの位置に応じて誘導電流の大きさが異なることになり、測定精度が低下する原因となる。例えば、同じ0.1mmの位置ずれでも、エンコーダが小型化するとその影響は大きくなる。
【0034】
これに対して本実施形態のロータ3は、図11に示すように、一つのトラックの磁束結合巻線51、53が連続した一つのリング状なので、トラックを流れる誘導電流はトラックの位置に応じて異なることはなく、均一にすることができる。よって、本実施形態によれば、ステータやロータの位置ずれに起因する測定誤差を低減できる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダを小型化しても、受信信号の強度の低下を防ぐことができ、かつステータやロータの位置ずれの影響を小さくできるので、高精度測定が可能な小型のアブソリュートロータリエンコーダを実現することができる。
【0036】
なお、図1に示すように、各トラックに対応する受信巻線17、19が一つの場合(1相受信巻線の場合)で説明したが、各トラックに対応する受信巻線が三つの場合(3相受信巻線の場合)でもよい。これを図12に示す。互いに位相をずらして配置された三つの受信巻線17a、17b、17cが一方のトラックと対応し、互いに位相をずらして配置された三つの受信巻線19a、19b、19cが他方のトラックと対応している。さらに図示はしていないが、各トラックに対応する受信巻線が二つや四つの場合(2相や4相受信巻線の場合)でもよい。
【0037】
また、ロータ3も図2に示す構成に限らず、図13に示す構成でもよい。ロータ81において、外側のトラック41は16個のブロック61で構成され、内側のトラック43は5個のブロック61で構成される。
【0038】
また、トラック群G3を構成するトラックの数が二つの場合で説明したが、三つ以上でもよい。この場合、トラック群G3の少なくとも二つのトラックにおいて、ブロック61(つまり線状円弧部)の数が互いに異なればよい。
【0039】
図14は、本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダを搭載したマイクロメータ91の正面図である。フレーム93に図1のステータ1が固定され、シンブル95に図2のロータ3が固定されている。本実施形態によれば、ロータ3の直径が例えば20mm以下の小型のマイクロメータ91であっても高精度測定を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるステータの平面図である。
【図2】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるロータの平面図である。
【図3】図1に示すステータに配置された受信巻線の一例の平面図である。
【図4】図1に示すステータに配置された受信巻線の他の例の平面図である。
【図5】図3に示す受信巻線の受信折返し部付近の平面図である。
【図6】比較形態に係るアブソリュートロータリエンコーダの構成要素であるロータの平面図である。
【図7】信号強度の測定結果を示すグラフである。
【図8】寸法の測定誤差の結果を示すグラフである。
【図9】ステータに対するロータの位置ずれを示す図である。
【図10】比較形態のロータに位置ずれが発生している場合のトラックに流れる電流を示す図である。
【図11】本実施形態のロータに位置ずれが発生している場合のトラックに流れる電流を示す図である。
【図12】本実施形態に適用できる3相受信巻線の平面図である。
【図13】本実施形態に適用できるロータの他の例の平面図である。
【図14】本実施形態に係るアブソリュートロータリエンコーダが組み込まれているマイクロメータの正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・ステータ、3・・・ロータ、5・・・貫通穴、9・・・軸、11・・・貫通穴、15・・・絶縁基板、17、17a、17b、17c、19、19a、19b、19c・・・受信巻線、21・・・上層導体、23・・・下層導体、25・・・埋込導体、27・・・受信ループ、29・・・受信折返し部、31・・・先端側、33・・・末端側、35、37・・・送信巻線、39・・・絶縁基板、41、43・・・トラック、45、47・・・線状円弧部、49・・・線状部、51、53・・・磁束結合巻線、55、57・・・線状円弧部、59・・・線状部、61・・・ブロック、71・・・ロータ、73・・・磁束結合巻線、81・・・ロータ、91・・・マイクロメータ、93・・・フレーム、95・・・シンブル、A・・・回転方向、G1・・・受信巻線群、U・・・セット、T1、T2、T3、T4、T5、T6・・・端子、λ1、λ2・・・波長、G2・・・送信巻線群、G3・・・トラック群、r1、r2、r3、r4・・・半径。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸と、
ステータと、
その中心に前記軸が通る貫通穴を有すると共に前記軸を中心として回転可能に前記ステータと対向して配置されたロータと、
トラックが前記ロータ上で同心円状に配置されたトラック群と、
前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された送信巻線群と、
前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された受信巻線群と、を備え、
前記トラック群の各トラックは、前記ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に前記軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線であり、
前記トラック群の少なくとも二つのトラックは、前記線状円弧部の数が互いに異なる
ことを特徴とするアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項2】
前記送信巻線群は、前記受信巻線群を構成する複数の受信巻線の中で一番内側のものより外側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項3】
前記送信巻線群は、送信巻線が一筆書状につながった構成を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項4】
前記受信巻線を構成する受信巻線のうち、外側の受信巻線の波長に対応する回転角度は内側の受信巻線の波長に対応する回転角度とは異なることを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項5】
前記受信巻線群を構成する受信巻線の各々は、閉ループ形状を有する受信ループを複数個リング状に配置した構成を有することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項6】
前記各トラックに対応して複数の受信巻線が位相をずらして配置されることを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のアブソリュートロータリエンコーダを搭載したことを特徴とするマイクロメータ。
【請求項1】
軸と、
ステータと、
その中心に前記軸が通る貫通穴を有すると共に前記軸を中心として回転可能に前記ステータと対向して配置されたロータと、
トラックが前記ロータ上で同心円状に配置されたトラック群と、
前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された送信巻線群と、
前記トラック群と磁束結合可能に前記ステータに配置された受信巻線群と、を備え、
前記トラック群の各トラックは、前記ロータ上で交互に配置された第1及び第2の半径の線状円弧部を含むと共に前記軸を中心とする連続した一つのリング状の磁束結合巻線であり、
前記トラック群の少なくとも二つのトラックは、前記線状円弧部の数が互いに異なる
ことを特徴とするアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項2】
前記送信巻線群は、前記受信巻線群を構成する複数の受信巻線の中で一番内側のものより外側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項3】
前記送信巻線群は、送信巻線が一筆書状につながった構成を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項4】
前記受信巻線を構成する受信巻線のうち、外側の受信巻線の波長に対応する回転角度は内側の受信巻線の波長に対応する回転角度とは異なることを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項5】
前記受信巻線群を構成する受信巻線の各々は、閉ループ形状を有する受信ループを複数個リング状に配置した構成を有することを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項6】
前記各トラックに対応して複数の受信巻線が位相をずらして配置されることを特徴とする請求項1記載のアブソリュートロータリエンコーダ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のアブソリュートロータリエンコーダを搭載したことを特徴とするマイクロメータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−322927(P2006−322927A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115105(P2006−115105)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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