説明

アプリンドルおよびその誘導体を含む持続放出型医薬組成物

本発明は、式(I):


を有する化合物またはその医薬上許容される塩、特にアプリンドルの放出制御型投与処方を提供する。該投与形態は、とりわけ、該化合物の投与に起因する副作用を軽減するために有用である。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン(アプリンドル)およびその医薬上許容される塩を含むドーパミン作動性化合物の持続放出型処方に関する。
【0002】
(背景技術)
2−(アミノメチル)−2,3,8,9−7H−4−ジオキシノ[2,3−e]−インドール−8−オン構造を有する化合物はドーパミン受容体において有意な活性を有することおよびドーパミン合成を調節する能力を有することが報告されている。米国特許第5,756,532号を参照のこと。該文献は出典明示により全目的についてその全てが本明細書の一部となる。これらの化合物は、総合失調症、分裂感情障害、パーキンソン病の徴候、トゥレット症候群、レビー小体病(Lewis Body disease)における精神病、アルツハイマー病における精神病、高プロラクチン血症、薬物嗜癖および双極性障害における急性躁病を含む様々なドーパミン作動性障害の処置および予防において有用である。強力かつ特異的なD2/D3部分アゴニストであるアプリンドル(S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン)は、総合失調症患者のための処置として同定されている。
【0003】
アプリンドルの投与は、初期に高い薬物濃度を生じる。かかる「即時放出型」パターンは、経時で最適な曝露レベルを維持できないことおよび初期用量が大きすぎることに起因する不快な副作用を含む困難を有し得る。故に、全体的な薬物曝露を軽減することなくTmaxの増大および/またはCmaxの減少を可能にする放出制御型アプリンドル処方が大いに必要とされている。本発明はこれらのおよび他の重要な目的を対象とする。
【0004】
(発明の概要)
幾つかの実施態様において、本発明は、式I:
【化1】


[式中:
およびRは独立して、水素、1ないし6個の炭素原子のアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;
またはRおよびRは一緒になって、所望により下記Rで置換されていてもよいベンジリデンもしくは最高6個の炭素原子からなるアルキリデンであるか;
またはRおよびRはそれらが結合している炭素と一緒になって、3ないし6個の炭素原子からなるカルボニル部分もしくはシクロアルキル基を形成し;
【0005】
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、1ないし6個の炭素原子からなるアルキル、1ないし6個の炭素原子からなるアルコキシ、7ないし12個の炭素原子からなるアリールアルコキシ、2ないし6個の炭素原子からなるアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1ないし6個の炭素原子を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノ、2ないし6個の炭素原子からなるアルカンアミドまたは1ないし6個の炭素原子からなるアルカンスルホンアミドであり;
は、水素または1ないし6個の炭素原子からなるアルキルであり;
nは、整数0、1、2、3、4、5または6のいずれかであり;
【0006】
Zは、水素、ヒドロキシ、1ないし6個の炭素原子からなるアルキル、2ないし6個の炭素原子からなるアルケニル、2ないし6個の炭素原子からなるアルキニル、1ないし6個の炭素原子からなるアルコキシ、3ないし8個の炭素原子からなるシクロアルキル、7ないし15個の炭素原子からなる多環式アルキル、所望により上記Rで置換されていてもよいフェニル、所望により上記Rで置換されていてもよいフェノキシ、所望により上記Rで置換されていてもよいナフチルまたは所望により上記Rで置換されていてもよいナフチルオキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシであり、ここで、該ヘテロアリールもしくはヘテロアリールオキシ基の複素環は、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、インダゾール、イミダゾール、クロマン、クマリン、カルボスチリル、キノリン、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ピラゾール、ピロール、チアゾール、オキサゾールまたはイソオキサゾールから選択され、かつ、該複素環は所望により上記Rにより置換されていてもよい]
の化合物またはその医薬上許容される塩を含む放出制御型投与処方を提供する。
【0007】
幾つかの好ましい実施態様において、化合物は、2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩である。幾つかの特に好ましい実施態様において、化合物は、S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン(アプリンドル)またはその医薬上許容される塩である:
【化2】

【0008】
本明細書中に記載の各放出制御型投与処方の幾つかの好ましい実施態様において、化合物はアプリンドル・フマル酸塩(aplindore fumarate)である。
幾つかの実施態様において、放出制御型投与処方は経口用投与処方である。
幾つかの実施態様において、該処方は、例えば、ペレット、ビーズ、錠剤、スフェロイドまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせであり得る1またはそれ以上の微粒子を含む。
【0009】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、即時放出型処方のTmaxと比べて最大治療濃度に達する時間(すなわち、Tmax)を増大するのに有効な速度で、例えば、結果として、放出制御型投与処方のTmaxが即時放出型処方のTmaxの少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍または5.5倍になる速度で、該化合物は該投与形態から放出される。
【0010】
幾つかの実施態様において、即時放出型処方のCmaxと比べて化合物の最大治療濃度(すなわち、Cmax)を減少するのに有効な速度で、例えば、結果として、放出制御型投与処方のCmaxが即時放出型処方のCmaxの約0.75倍、0.60倍、0.50倍または0.40倍未満になる速度で、該化合物は該処方から放出される。
【0011】
幾つかの実施態様において、即時放出型処方と比べて哺乳類において一定時間にわたる該化合物の医薬上有効濃度(すなわち、時間に対しての血漿(血清または血液)濃度曲線下の面積、AUC、例えば、AUC0−12)を増大させるのに有効な速度で、例えば、結果として、放出制御型投与処方のAUC0−12が即時放出型処方のAUC0−12の少なくとも約1.05倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍または1.4倍である速度で、該化合物は該処方から放出される。
【0012】
幾つかの実施態様において、約260pg*h/mLないし約2400pg*h/mLの、0ないし12時間にわたる時間に対しての血漿(血清または血液)濃度曲線下の面積(AUC)、(AUC0−12)を与えるのに有効な速度で、化合物は0.1mgの投与形態から放出される。一方で、他の同様の実施態様において、AUC0−12は約290pg*h/mLないし約1300pg*h/mLである。AUCは、Principles of Drug Action:The Basis of Pharmacology,3rd ed.,W.B.Pratt&P.Taylor,eds.,(Churchill Livingstone:New York),1990の記載に従って決定され得る。幾つかの実施態様において、5mgの化合物は、約36000pg*h/mLないし約109000pg*h/mLのAUCss(0ないし12時間にわたる、定常状態での曲線下の面積)を提供する。一方で、他のものは、約36000pg*h/mLないし約75000pg*h/mLのAUCssを提供する。幾つかの実施態様において、30mgの化合物は、約121000pg*h/mLないし約890000pg*h/mLのAUC0−12を提供し、一方で、他の同様の実施態様は、約170000pg*h/mLないし約760000pg*h/mLのAUC0−12を提供する。
【0013】
幾つかの実施態様において、約40pg/mLないし約190pg/mLの最大血漿(血清または血液)濃度(Cmax)を与えるのに有効な速度で、化合物は0.1mgの投与形態から放出される。さらに、他の同様の実施態様では、約40pg/mLないし約180pg/mLである。最大血漿濃度は、Principles of Drug Action:The Basis of Pharmacology,3rd ed.,W.B.Pratt&P.Taylor,eds.,(Churchill Livingstone:New York),1990;Human Pharmacology:Molecular to Clinical,K.Kist,ed.(Mosby−Year Books:Philadelphia),1991の記載に従って決定される。幾つかの実施態様において、5mgの化合物は、約4000pg/mLないし約14000pg/mLのCmaxを提供し、一方で、他の同様の実施態様において、Cmaxは、約6000pg/mLないし約12000pg/mLである。幾つかの実施態様において、30mgの化合物は、約18000pg/mLないし約110000pg/mLのCmaxを提供し、他の同様の実施態様において、Cmaxは約20000pg/mLないし約92000pg/mLである。
【0014】
幾つかの実施態様において、起こりうる副作用、例えば、悪心または患者が容認できない他の徴候を回避するかまたはその重篤度を軽減するために、一定期間(例えば、数日または数週間)にわたって用量は所望の用量にまで徐々に増大される(すなわち、漸増される)。例えば、本発明の幾つかの実施態様は、用量を徐々に増加していく投与を提供し、ここで、開始用量は1日につき約0.05mgないし約0.4mgの範囲である。他の実施態様において、用量は一定期間にわたって目的用量まで徐々に増加され、その後、該用量またはそれ以上の量が毎日投与され、例えば、1日あたり約2mgないし約75mgの範囲であってもよい。他の実施態様において、目的用量に達するまでの用量漸増期間は、少なくとも約3日、少なくとも約5日、少なくとも約12日または少なくとも約15日である。
【0015】
他の実施態様において、放出制御型投与形態のセットは、複数の個別の放出制御型投与形態を含み、2またはそれ以上の個別の投与形態は異なる量の化合物を含む。個別の投与形態は、単一単位投与形(例えば、一粒の錠剤またはカプセル剤)であってもよく、または複数回単位投与形(例えば、二粒またはそれ以上の錠剤またはカプセル剤)であってもよい。幾つかの実施態様において、放出制御型投与処方のセットは、開始用量および目的用量(ここで、目的用量またはそれ以上の用量は、その後、毎日投与され、かつ、目的用量は開始用量より多い)を含む2またはそれ以上の個別の放出制御型投与形態を有する。例えば、該セットは、約0.05mgないし約30mgにわたる化合物の、2またはそれ以上の異なる個別の放出制御型投与形態を含んでもよい。他の実施態様において、放出制御型投与処方のセットは、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、8mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、20mg、23mg、24mg、25mg、26mgまたは30mgの化合物から選択される、少なくとも2またはそれ以上の個別の放出制御型投与形態を有する。
【0016】
幾つかの実施態様において、放出制御型投与処方のセットは、異なる量の化合物を含む少なくとも2つの個別の放出制御型投与形態を有し、その異なる投与形態それぞれにおける化合物の量は、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%だけ異なる。他の実施態様において、個別の投与形態のそれぞれは、約260pg*h/mLないし約890000pg*h/mLにわたるAUC0−12を提供する。
【0017】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、少なくとも幾つかの微粒子を含み、該微粒子は、不活性コア;不活性コア上にある活性化合物の層;および化合物の層上にある、少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有するコーティングを含む。幾つかの実施態様において、全ての微粒子は、不活性コア、化合物の層およびコーティングを含む。
【0018】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、少なくとも幾つかの微粒子を含み、該微粒子は、不活性コア;不活性コア上にあるコーティング層、化合物および少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有するコーティング層を含む。幾つかの実施態様において、全ての微粒子は、不活性コアおよびコーティング層を含む。
【0019】
さらなる実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、少なくとも幾つかの微粒子を含み、該微粒子は、活性化合物を含有するコア;およびコア上にあるコーティング層、少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有するコーティング層を含む。幾つかの実施態様において、全ての微粒子は、化合物を含むコアおよびコーティング層を含む。
【0020】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、少なくとも幾つかの微粒子を含み、該微粒子は、コア、化合物および少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有するコア;およびコア上にあるコーティング層を含み、該コーティング層は、所望により少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有してもよい。幾つかの実施態様において、全ての微粒子は、化合物を含有するコアおよびコーティング層を含む。
【0021】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方中の活性化合物の重量パーセントは、約1重量%ないし約25重量%、好ましくは、約2重量%ないし約15重量%、好ましくは、約5重量%ないし約10重量%である。
【0022】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方は、微粒子を含むカプセル剤を包含する。幾つかの実施態様において、微粒子は圧縮され、錠剤化またはペレット化される。
【0023】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上のペレットを含む。幾つかの実施態様において、ペレットは、少なくとも1つの放出速度制御ポリマーをさらに含有するコーティングをさらに含む。幾つかの実施態様において、ペレットはカプセル剤の中に含まれる。
【0024】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方は、充填剤、崩壊剤、賦形剤から選択される1またはそれ以上の成分およびそれらの2またはそれ以上の組み合わせをさらに含む。幾つかの実施態様において、ペレットおよび成分は圧縮されて錠剤化される。
【0025】
本発明の放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方中の活性化合物の重量パーセントは、約1重量%ないし約25重量%、好ましくは、約2重量%ないし約15重量%、好ましくは、約5重量%ないし約10重量%である。
【0026】
本発明の放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方はワックスマトリックスを含み、好ましくは、処方は錠剤である。かかる幾つかの実施態様において、ワックスは、全量中、約10重量%ないし約60重量%、好ましくは、約20重量%ないし約40重量%で存在する。
【0027】
幾つかの実施態様において、ワックスは、カルナウバワックス、セトステアリルアルコール、脂肪酸またはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む。幾つかの実施態様において、ワックスを含む処方は、少なくとも1つの放出速度制御ポリマーをさらに含む。
【0028】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、水溶性ポリマーおよび/または少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有するコーティングをさらに含む錠剤である。
【0029】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、ポリエチレンオキシドマトリックスを含み、好ましくは、該処方は錠剤である。幾つかの実施態様において、錠剤はポリエチレンオキシドマトリックスを含む。
【0030】
幾つかの実施態様において、ポリエチレンオキシドは、処方の約5重量%ないし約40重量%、好ましくは、約10重量%ないし約20重量%で存在する。
【0031】
幾つかの実施態様において、経口用放出制御型投与処方は、少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有する錠剤である。幾つかの好ましい実施態様において、投与形態は同時圧縮錠剤(co−compressed tablet)である。幾つかの好ましい実施態様において、同時圧縮錠剤は、コアおよび外側圧縮コートを含み;ここで、該コアは、活性化合物および少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含む。さらなる実施態様において、同時圧縮錠剤は、コアおよび外側圧縮コートを含み;ここで、該圧縮コートは、活性化合物および少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含む。幾つかの好ましい実施態様において、同時圧縮錠剤は、コアおよび外側圧縮コートを含み;ここで、コアおよび圧縮コートのそれぞれは、活性化合物および独立して選択された少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含む。幾つかの好ましい実施態様において、コアおよび外側圧縮コートのそれぞれは、少なくとも1つの高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび少なくとも1つの低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。好ましくは、低粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVまたはそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;そして、高粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mおよびそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの特に好ましい実施態様において、低粘度マトリックス形成ポリマーはMethocel K100LVを含み、および高粘度マトリックス形成ポリマーはMethocel K4Mを含む。
【0032】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方は、好ましくは、ワックス、ガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、carbapol、ポリメタクリル樹脂、ポリエチレンオキシドおよびそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択される少なくとも1つのマトリックス形成ポリマーを含む。
【0033】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、活性化合物は、処方の約0.02重量%ないし約16重量%、好ましくは、約0.02重量%ないし約4重量%で存在する。
【0034】
本発明の経口用放出制御型投与処方の幾つかの実施態様において、処方は、1つの高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび1つの低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。好ましくは、高粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mおよびそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、約15重量%ないし約80重量%、好ましくは、約25重量%ないし約50重量%で存在し、かつ、好ましくは、Methocel K4Mである。好ましくは、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含み、好ましくは、約15重量%ないし約80重量%、好ましくは、約20重量%ないし約50重量%であり、かつ、好ましくは、Methocel K100LVである。
【0035】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、好ましくは、最高約50重量%、好ましくは、約2重量%ないし約25重量%で水溶性賦形剤を含み得る。幾つかの好ましい実施態様において、賦形剤は糖である。
【0036】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、水分散性賦形剤であり、該賦形剤は、好ましくは、微結晶セルロース、コロイダルシリコンダイオキサイド、ケイ化微結晶セルロース、デンプン、スーパー崩壊剤またはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせである。好ましくは、水分散性賦形剤は、約2重量%ないし約50重量%、好ましくは、約5重量%ないし約25重量%で存在する。
【0037】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の抗酸化剤、安定剤、キレート剤、酸性pH調整剤、塩基性pH調整剤またはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む。
【0038】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の結合剤、流動補助剤、滑沢剤または溶解調整剤を含み、該剤は、界面活性剤、酸性化合物または塩基性化合物であり得る。
【0039】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、水溶性ポリマーを含有するコーティングおよび着色剤および/またはpH依存の放出速度制御ポリマー、pH非依存の放出速度制御ポリマーまたはそれらの組み合わせを含む。
【0040】
本発明の前記経口用放出制御型投与処方の幾つかにおいて、投与形態は、1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーを含み、該ポリマーは、例えば、1またはそれ以上のポリメタクリル酸、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、酢酸−フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせであり得る。幾つかの好ましい実施態様において、放出速度制御ポリマーは、1またはそれ以上のポリメタクリル酸、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、エチルセルロースまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせであり得る。
【0041】
さらなる実施態様において、放出速度制御ポリマーは、高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される。
【0042】
幾つかの実施態様において、高粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mおよびそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0043】
幾つかの実施態様において、低粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0044】
幾つかの実施態様において、放出速度制御ポリマーは、1またはそれ以上のEudragit RS、Eudragit RL、Sureleaseまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む。
【0045】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の溶解調整剤、例えば、界面活性剤、酸性化合物、塩基性化合物およびそれらの組み合わせを含む。
【0046】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の抗酸化剤、pH調整剤、金属キレート剤またはそれらの1またはそれ以上の組み合わせを含む。
【0047】
さらなる実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の充填剤、崩壊剤、結合剤またはそれらの1またはそれ以上の組み合わせを含み得る。
【0048】
幾つかの実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、1またはそれ以上の充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、pH調整剤、抗酸化剤またはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む。
【0049】
幾つかの好ましい実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、医薬上有効量の活性化合物を含み;約20重量%ないし約60重量%の高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および約20重量%ないし約60重量%の低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。
【0050】
幾つかのさらなる実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、医薬上有効量の活性化合物、約0.5重量%ないし約5重量%の水溶性補填性賦形剤;約5重量%ないし約30重量%の水分散性賦形剤;約20重量%ないし約60重量%の高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース;約20重量%ないし約60重量%の低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および所望により、約0.1重量%ないし約1重量%の滑沢剤を含む。
【0051】
幾つかのさらに好ましい実施態様において、本発明の経口用放出制御型投与処方は、医薬上有効量の活性化合物;約10重量%ないし約30重量%の水分散性賦形剤;約20重量%ないし約40重量%の高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース;約20重量%ないし約40重量%の低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および所望により、約0.1重量%ないし約1重量%の滑沢剤を含む。
【0052】
幾つかの実施態様において、本発明は、ドーパミン作動系の障害の処置方法であって、かかる処置の必要のある患者へ本発明に記載の放出制御型投与処方を投与することを含む方法を提供する。
【0053】
幾つかのさらなる実施態様において、本発明は、総合失調症、分裂感情障害、パーキンソン病、トゥレット症候群、レビー小体病における精神病、アルツハイマー病における精神病、高プロラクチン血症、薬物嗜癖または双極性障害における急性躁病の処置方法であって、かかる処置の必要のある患者へ本発明に記載の放出制御型投与処方を投与することを含む方法を提供する。
【0054】
幾つかのさらなる実施態様において、本発明は、パーキンソン病の徴候の処置方法であって、かかる処置の必要のある患者へ本発明に記載の放出制御型投与処方を投与することを含む方法を提供する。
【0055】
本発明は、本明細書にて提供される処方の調製方法および該方法による生成物も提供する。
【0056】
(発明の詳細な記載)
本発明は、式I:
【化3】


[式中、構成要素の変数は上記定義のとおりである]
の化合物を有効成分として含む放出制御型投与処方を提供する。
【0057】
本明細書中用いるように、用語「活性化合物」は、式Iの化合物、さらに特に、2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン、S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン(アプリンドル)およびそれらの医薬上許容される塩、好ましくは、それらのフマル酸塩および前記のプロドラックであるが、これらに限定されないものを意味する。
【0058】
本明細書中に記載の投与処方は、経口投与を含む多数の経路を介して哺乳類における活性化合物の制御型放出を改善する。幾つかの好ましい実施態様において、処方は、アプリンドルと言われる化合物、S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オン、好ましくは、そのフマル酸塩を含む。
【0059】
アプリンドルは、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、過塩素酸、硝酸、ヨウ素酸などの無機酸ならびに例えば、蓚酸、フマル酸、琥珀酸、酢酸、安息香酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸、アジピン酸などの有機酸を含む様々な酸を用いて医薬上許容される塩を形成してもよい。かかる全ての塩を含む処方は、本発明の範囲内である。
【0060】
本明細書中用いるように、用語「プロドラック」は、化合物またはその医薬上許容される塩が共有結合により修飾された誘導体という慣用的な意味を有し、ここで、かかる修飾は、代謝的に不安定な誘導体をもたらし、さらに、哺乳類へ投与された後、腸、血漿または組織において親化合物の遊離をもたらす。かかる誘導体は、エステル化、アシル化またはそうでなければ生理的に不安定な基を組み込む様式で化合物を修飾することにより調製されてもよい。
【0061】
アプリンドルはキラル中心を1つもち、主にS−異性体として用いられる。しかしながら、活性はR−異性体にもある。本発明の処方は、両異性体を含み、単一のエナンチオマーまたは特定のエナンチオマー混合物に限定されない。
【0062】
本発明の目的のために、用語「即時放出型」、「即時放出型処方」は、処方から活性化合物を迅速かつ即時に放出する処方;すなわち、活性化合物および処方からの活性化合物の放出を遅延しない、迅速に溶解する担体を含む処方を言う。かかる即時放出型処方は、放出速度制御ポリマーもしくは処方からの活性化合物の放出を遅延させる他の種を欠くか、またはかかるポリマーもしくは種を欠くこと以外は同一の処方と比べて、処方からの活性化合物の放出が遅延されない程十分に少ない量でかかるポリマーもしくは種を含むかのいずれかである。かかる「即時放出型」処方の一例は、微結晶セルロース・アビセル中に混合された活性化合物であり、以下に記載するように、0.25時間未満で0.1NのHCl溶液中にアプリンドルまたはその医薬上許容される塩の75%を上回る溶解をもたらす。
【0063】
用語「遅効放出型」、「中程度放出型」および「即時放出型」は、互いに対して遅い、中程度の、または速い速度で活性化合物を放出する、本明細書中上記した放出制御型処方である。
【0064】
本明細書中用いるように、用語「放出制御型」、「放出制御型処方」、「放出制御型投与処方」などは、上記の「即時放出型」処方に比べて、例えば、放出速度制御ポリマーまたは他の放出遅効物質を欠くこと以外は同一の処方に比べて、処方からの活性化合物の放出を遅延させる物質を含む処方を言う。故に、用語「放出制御型」は、あらゆる長期放出形態に適用でき、さらに、遅延放出型、時間放出型、長期放出型、時間制御放出型、時間放出型、時間修飾放出型、徐放性放出型、遅効作用型、長期作用型、遅延作用型、間隔のあいた放出型、時間間隔のあいた放出型、作用拡張型、拡張された作用型などと実質的に同義と考えられる。
【0065】
放出制御型処方は、即時放出型処方のTmaxに比べて最大治療濃度に達するのにかかる時間(すなわち、Tmax)を増大するのに有効な速度で、投与形態からの活性化合物の放出をもたらし得、例えば、結果として、放出制御型投与処方のTmaxは、即時放出型処方のTmaxの少なくとも約1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、4倍、5倍または5.5倍であることが理解されよう。放出制御型処方は、即時放出型処方のCmaxに比べて該化合物の最大治療濃度(すなわち、Cmax)を減少させる速度で、投与形態からの活性化合物の放出ももたらし得、例えば、結果として、放出制御型投与処方のCmaxは、即時放出型処方のCmaxの約0.75倍、0.60倍、0.50倍または0.40倍未満である。放出制御型処方は、即時放出型処方に比べて哺乳類において一定期間にわたる医薬上有効濃度の化合物(すなわち、時間に対しての血漿(血清または血液)濃度曲線下の面積、AUC、例えばAUC0−12)を増大するのに有効な速度で、投与形態からの活性成分の放出ももたらし得、例えば、結果として、放出制御型投与処方のAUC0−12は、即時放出型処方のAUC0−12の少なくとも約1.05倍、1.1倍、1.2倍、1.3倍または1.4倍である。
【0066】
本明細書中に記載の「Cmax」「Tmax」および「AUC」値は、「平均」値であると述べない限り、個々の患者において観察される値を言う。さらに、Cmax、TmaxおよびAUC値は、別に述べない限り、複数日数の間(例えば、複数回用量投与)、一定時間間隔(例えば、12時間ごと)で投与される場合に定常状態で観察される値または単一用量投与についての値であってもよい。
【0067】
本明細書中用いるように、用語「放出速度制御ポリマー」は、かかる投与形態からの薬剤物質の放出を遅延させる医薬投与形態に適する任意のポリマー物質を意味することが意図される。適当な放出速度制御ポリマーの例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro, ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA,1990)において見出され得、出典明示によりその全ては本明細書の一部となる。本発明における使用に適する幾つかの好ましい放出速度制御ポリマーは、1またはそれ以上のポリメタクリル酸、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、酢酸−フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mならびに低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含むが、これらに限定されない。さらに好ましい放出速度制御ポリマーは、1またはそれ以上のEudragit RS、Eudragit RL、Sureleaseまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む。
【0068】
異なる放出速度制御ポリマーは異なる放出速度特性を処方へ与えることが理解されよう。処方中のかかるポリマーの型および量を変えることにより、活性化合物の多種多様な放出特性が達成され得る。当業者は、適切な量の適切なポリマーを選択して、活性化合物の所望の放出速度を達成することができると考えられる。
【0069】
アプリンドルの放出制御型固形処方またはアプリンドルの医薬上許容される塩は、錠剤、例えば、同時圧縮錠剤およびマトリックス錠剤、カプセル化投与形態、例えば、ペレット、ビーズ、錠剤、スフェロイドの形態にある微粒子を含有するカプセル剤またはペレットまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせ、散剤などを含む当該分野において知られている任意の多数の投与形態を含み得る。
【0070】
幾つかの好ましい実施態様に従って、放出制御型処方は、活性化合物の放出遅延に適する位置に、活性化合物および少なくとも1つの放出速度制御ポリマーを含有する微粒子を含み得る。かかる微粒子は、例えば、ペレット、ビーズまたはスフェロイドの形態であり得る。幾つかの実施態様において、微粒子は、コアおよび少なくとも1つのコーティング層を含む。コアおよびコーティング層のいずれかは不活性(すなわち、活性化合物不含)であり得るか、或いは、少なくとも1つのコアまたは1つのコーティング層が活性化合物を含むならば、活性化合物を含み得る。幾つかの実施態様において、微粒子はカプセル剤の中に含まれるか、または錠剤に圧縮される。
【0071】
本発明の微粒子投与処方は、任意の都合のよい重量パーセントの活性化合物を含み得る。典型的に、処方は、約1重量%ないし約25重量%、好ましくは、約2重量%ないし約15重量%、好ましくは、約5重量%ないし約10重量%の活性化合物を含む。
【0072】
活性化合物および放出速度制御ポリマーに加えて、本発明の処方は、処方に有利な特性を与える任意の様々なさらなる物質を含み得る。かかる物質は、例えば、溶解調整剤、例えば、界面活性剤、酸性化合物および塩基性化合物、抗酸化剤、酸性および塩基性pH調整剤、キレート剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、糖などの水溶性賦形剤を含む賦形剤および水分散性賦形剤、例えば、微結晶セルロース、コロイダルシリコンダイオキサイド、ケイ化微結晶セルロースおよびデンプンを含む。
【0073】
水溶性または水分散性賦形剤の例は、ラクトース、マンニトール、スクロースなどを含むが、これらに限定されない。水溶性賦形剤は、必要とされる特定の治療目的に依存する範囲で存在してもよい。一般に、水溶性賦形剤の範囲は、0ないし50%または2ないし25%である。水分散性賦形剤の例は、微結晶セルロース、コロイダルシリコンダイオキサイド、ケイ化微結晶セルロース(Prosolve)、デンプン、スーパー崩壊剤、例えば、クロスカルメロースナトリウムなどを含む。水分散性賦形剤の範囲は、典型的に、約5重量%ないし約50重量%、好ましくは、約10重量%ないし約30重量%である。
【0074】
安定剤の例は、抗酸化剤、例えば、BHA、BHT、アスコルビン酸、トコフェノールなどを含むが、これらに限定されない。適当な金属キレート剤の例は、EDTA、クエン酸などを含むが、これらに限定されない。酸性または塩基性化合物のいずれかであるpH調整剤の例は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、フマル酸、フマル酸ナトリウムなどを含むが、これらに限定されない。結合剤の例は、デンプン、PVP、HPMC、HPCなどを含むが、これらに限定されない。流動補助剤の例は、ステアリン酸マグネシウムなどを含むが、これらに限定されない。溶解調整剤の例は、界面活性剤、例えば、SLSまたはTween80などを含むが、これらに限定されない。
【0075】
幾つかの好ましい実施態様において、本発明の処方は、コーティングされたペレットまたは粒状物の形態にある。かかる処方の一例は、本明細書中に記載の放出速度制御ポリマーでコーティングされた、不活性マトリックス中に活性化合物のコアを含む粒状物であるが、これに限定されない。適当な放出速度制御ポリマーの例は、pH依存または非依存のポリマー、例えば、ポリメタクリル酸 Eudragit L/S、Eudragit RS/RL、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロースなどであるが、これらに限定されない。さらなる例は、本明細書中に記載の、1またはそれ以上の高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むが、これらに限定されない。
【0076】
幾つかの実施態様において、本発明の処方はペレットの形態にある。かかる処方の例は、不活性コア、例えば、糖粒状物の表面に活性化合物の層および1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーを含む表面コーティングを含むペレットを含有するものを包含する。
【0077】
幾つかの実施態様において、本発明の処方は錠剤の形態にある。かかる幾つかの実施態様において、処方中の活性化合物の重量パーセントは、約1重量%ないし約25重量%、好ましくは、約2重量%ないし約15重量%、好ましくは、約5重量%ないし約10重量%である。かかる錠剤の例は、同時圧縮錠剤(すなわち、「錠剤中錠剤型」)およびマトリックス錠剤であるが、これらに限定されない。
【0078】
典型的に、同時圧縮錠剤は、コアおよび外側圧縮コートを含む。コアおよび外側圧縮コートのいずれかまたは両方は、活性化合物および/または1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーを含み得る。幾つかの好ましい実施態様において、投与形態は同時圧縮錠剤であり、ここで、コアおよび外側圧縮コートの両方は、活性化合物および少なくとも1つの、好ましくは、2つの放出速度制御ポリマーを含み、その一つは、好ましくは、高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、さらに他のものは、好ましくは、低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。好ましい高粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mおよびそれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、好ましくは、Methocel K4Mである。好ましい低粘度マトリックス形成ポリマーは、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、好ましくは、Methocel K100LVである。
【0079】
幾つかの好ましい実施態様において、錠剤はマトリックス錠剤である。マトリックスを形成する組成物は、ワックス、ガム、ポリエチレンオキシド、carbapol、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリメタクリル酸または本明細書中に記載の他の放出速度制御ポリマーを含んでもよい。幾つかの実施態様において、かかるマトリックス錠剤は、活性化合物およびマトリックス形成ポリマーを一緒に混合し、次いで、混合物を圧縮することにより調製される。
【0080】
幾つかの実施態様において、錠剤はワックスマトリックスを含むマトリックス錠剤である。かかる錠剤は、ワックス、例えば、カルナウバワックス、セトステアリルアルコールもしくは脂肪酸またはそれらの組み合わせを溶解し、次いで、活性化合物を充填剤、例えば、微結晶セルロースならびに他の賦形剤、充填剤、滑沢剤などと一緒に加え、次いで、混合物を冷却することにより調製されてもよい。調製された処方は、所望により、1またはそれ以上の水溶性または放出速度を制御する制御放出ポリマーでコーティングされるかまたはそれらを含んでもよい。典型的に、ワックスは、処方中、全量の約10重量%ないし約60重量%、好ましくは、約20重量%ないし約40重量%、好ましくは、約10重量%ないし約60重量%で存在する。多種多様な適当なワックスは、本発明に従う。かかるワックスの例は、カルナウバワックス、セトステアリルアルコール、脂肪酸またはそれらの2もしくはそれ以上の混合物を含むが、これらに限定されない。マトリックス錠剤は本明細書中に記載の1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーも含み得る。
【0081】
かかるマトリックス錠剤のさらなる例は、ポリエチレンオキシドマトリックス、例えばポリエチレンオキシド樹脂、例えば、SENTRY POLYOX(Union Carbide Corp.)またはその等価物を制限なく含む錠剤であるが、これらに限定されない。適当なPOLYOX’sは、POLYOX WSR N−10、N−60 K、WSR−1105N、WSR303を含む。用いられるPOLYOXは、100、000ないし7、000、000または900、000ないし5、000、000の分子量を有してもよい。典型的に、ポリエチレンオキシドは、処方中、全量の約5重量%ないし約40重量%、好ましくは、処方の約10重量%ないし約20重量%で存在する。マトリックス錠剤は本明細書中に記載の1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーも含み得る。
【0082】
かかるマトリックス錠剤のさらなる例は、マトリックス形成ポリマーとして本明細書中に記載の1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーを含む錠剤であるが、これらに限定されない。幾つかの好ましい実施態様において、かかる錠剤は、マトリックス形成ポリマーとして本明細書中に記載の1またはそれ以上の高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/または1またはそれ以上の低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの好ましい実施態様において、高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel K4Mを約15重量%ないし約80重量%、好ましくは、約25重量%ないし約5重量%で用いることが有利である。他の高粘度ポリマー、例えば、Methocel K15M、Methocel K100MまたはMethocel E4Mなども用いられてもよい。幾つかの実施態様において、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel E50LV、Methocel E5またはMethocel E15LVまたはそれらの組み合わせなどが用いられる。特定の実施態様において、高粘度および低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースの両方がマトリックス中に一緒に用いられ、ここで、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、約15重量%ないし80重量%、好ましくは、約25重量%ないし約50重量%の範囲で、および高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースは約20重量%ないし約50重量%の範囲で存在する。
【0083】
一般に、活性化合物は、本発明の投与形態の任意の層の中に含まれてもよく、そして活性化合物の放出制御は、活性化合物をコーティングする層の中または活性化合物をコーティングする層を覆う任意の層、例えば、腸溶コーティングのいずれかに含まれる放出速度制御ポリマーを用いることにより成し遂げられ得る。かかる腸溶コーティングは、活性化合物を含むペレット、ビーズまたはスフェロイドに適用されてもよく、或いは、活性化合物は、腸溶コーティングそれ自体の中に含まれ得る。
【0084】
幾つかの実施態様において、放出制御型投与処方はマトリックス錠剤処方であり、ここで、活性化合物は、全体の約0.02重量%ないし約16重量%、好ましくは、約0.02重量%ないし約4重量%で存在する。
【0085】
本発明の処方の錠剤は、活性成分の放出速度をさらに制御するために、水溶性ポリマー着色剤を用いてコーティングされ得るか、またはpH依存もしくはpH非依存のポリマーを用いてコーティングされ得る。幾つかの実施態様において、本発明の錠剤は、サブコート、腸溶コーティングもしくはオーバーコーティングまたはそれらの任意の組み合わせを用いてコーティングされる。
【0086】
本発明により熟慮される処方の型は、本明細書中にて示される実施例に限定されない。むしろ、実施例は、多大な数の処方が本発明の一般的な目的を満たすことを示しており、さらに、実施例に勝る処方の変更が熟慮され、そのように変更された処方も、活性化合物の放出制御を提供することにより、本発明の一般的な目的をなお達成していることを、当業者は理解するだろう。
【0087】
本発明の処方それぞれの特に好ましい実施態様において、活性化合物はアプリンドルである。アプリンドルおよびその医薬上許容される塩は中枢神経系の様々な障害、より詳細には、ドーパミン作動系に関連する中枢神経疾患の処置にとりわけ非常に適する。アプリンドル(または任意の薬剤)は、所望の効果に達するために十分な曝露レベルを必要とするので、薬剤は、求められる臨床目的を満たすのに十分と見なされる時間にわたって、特定の血液血漿レベルに達するために十分な様式で投与される必要がある。しかしながら、特定の場合に、アプリンドルを対象患者に投与すると、アプリンドルがその最大血漿レベルに達する時間に相関して、悪心および嘔吐を含む副作用が生じることが見出された。単純に用量を軽減することが常に十分な解決であるわけではなく、というのも、副作用が軽減または消失される可能性がある一方で、全体的な薬剤曝露レベルも特定の状態を処置するのに十分でない可能性があるからである。むしろ、薬剤の効力を維持または増大はするものの、即時放出型処方のアプリンドルを投与する際に見られるような比較的大きな初期血液濃度を与えない処置計画が所望される。
【0088】
故に、本発明に従って、経口用および非経口用放出制御型投与処方を含む即時放出型アプリンドルの投与の有害な副作用を改善する放出制御型投与形態が提供される。従って、本発明は、ポンプ、インプラント、パッチ、デポー注射、放出制御型担体を用いる注入などを含む、非経口用放出制御型投与処方のために存在する多数の技法の各々を含む。本発明に従う活性化合物の送達は、経粘膜、膣内、直腸内、眼内、経皮、子宮内経路などを介し得る。
【0089】
他の実施態様において、初期に起こりうるアプリンドルの副作用を軽減するために、哺乳類において一定期間にわたりアプリンドルの用量を所望の用量にまで徐々に増大する(すなわち、漸増する)ことが望ましいことが見出された。故に、本発明は、アプリンドルの投与方法であって、その必要のある哺乳類へアプリンドルを含有する開始用放出制御型投与処方を投与し;次いで、その哺乳類へアプリンドルを含有する少なくとも1つの他の放出制御型投与処方を投与することを含む方法であり、開始用放出制御型投与処方が、他の放出制御型投与処方に比べてより少ない量のアプリンドルを含有する方法を提供する。幾つかの実施態様において、開始用放出制御型投与処方は、約0.05mgないし約0.4mgのアプリンドルを含有する。
【0090】
本発明に従って、上記のものならびにミクロおよびマクロカプセル化、ファイバー、ポリマー性(高粘度および低粘度)ならびに非ポリマー性マトリックス、フォーム、リポソーム、ミセル、ゲル、ポリマー中に物理的に分散された薬剤、多孔性、僅かに多孔性または非多孔性マトリックス、イオン交換樹脂への吸着、化学的または生物学的分解性マトリックスとの混合またはそれらへの吸着などを含む、持続放出型経口用処方を得るためにある任意の多大な技法も含まれる。活性化合物は、薬剤が単一の最大濃度に到達するように処方され得るか、または薬剤が2またはそれ以上のピークを有するように処方されてもよい。経口送達は、液体または固形投与形態を介してもよい。液体投与形態は、シロップ、懸濁液、エマルジョン、エリキシルなどを含む。液体担体は、有機または水性塩基を含み得、さらに適当な医薬用添加物、例えば、溶解剤、乳化剤、バッファー、防腐剤、甘味料、着香剤、懸濁剤、増粘剤、色素粘度調節剤、安定剤または浸透圧調整剤またはそれらの組み合わせを含み得る。水性担体は、ポリマー物質または油状物を含んでもよい。
【0091】
本発明は、その特定の好ましい実施態様に従って具体的に記載されているが、以下の実施例は本発明の単なる例示であって、本発明を限定するものと意図されない。
【0092】
(実施例)
以下の実施例は、特定量のアプリンドルについて溶解速度を減少させるか、最大濃度に達する時間を増大させるか、または最大濃度の値を減少させるか、或いはこれらの3つの組み合わせにより本発明の目的を達成する、幾つかの放出制御型投与処方を説明している。送達制御のために処方される経口用ビヒクルの例を以下に挙げるが、これらに限定されない。実施例は、様々な放出特性を実証するために、0.05ないし10mgの非限定的な用量範囲および広範囲の放出制御型経口用処方について説明しており、これらはさらにサルおよびヒトにおいて試験され、かつ本明細書中以下のように報告される。
【0093】
以下に例示する3つの処方アプローチは1)コーティングペレット;2)同時圧縮錠剤(錠剤中錠剤型);および3)マトリックス錠剤である。
【0094】
コーティングペレット:
所要の低用量のアプリンドルまたは医薬上許容される塩により、不活性な糖粒状物の表面へ薬剤の層を形成すること、続いて、放出制御型ポリマーコートを形成することが可能となる。該薬剤は、本実施例において例示していない押し出し/球形化方法により粒状物へ組み込まれてもよい。
【0095】
同時圧縮錠剤:
コア錠剤および外側圧縮コートならびに全錠剤重量中の薬剤およびポリマー(HPMC)の量を変化させることにより得られる、0次またはほぼ0次である放出特性および異なる放出特性を得るために、同時圧縮錠剤を用いて研究した。錠剤は、当業者によく知られている様々なプレスおよび装置を介して個別に製造され得る。本発明の同時圧縮錠剤は、標準的な回転機を用いてCarverプレス上で別々に製造した。
【0096】
マトリックス錠剤:
マトリックス錠剤の実施例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ワックス、ポリエチレンオキシド(PEO)を単独または組み合わせて利用して調製した。
アプリンドルを直接圧縮した錠剤の飲み込みを容易にし、かつ任意の食道刺激を避けるために、3重量%のOpadry II Whiteをアプリンドルコア錠剤上にコーティングした。
【0097】
実施例1:
押し出し/球形化およびSRコーティングを用いて調製した、持続放出型アプリンドル・フマル酸塩ペレット
薬剤と微結晶セルロース(アビセルPH102)を混合し、水を用いて顆粒状にし、湿塊を形成することにより、バッチを製造した。その湿塊を1.0mmスクリーンから押し出し、small Caleva system上で球状化した。非コーティングペレットに関する、処方および0.1NのHCl中への溶解データを表1に示す。アビセルマトリックスは、アプリンドルの放出を遅延せず、そして本質的に全ての薬剤が非コーティングペレットから30分間で放出される。
【0098】
表1:非コーティングペレットの処方および溶解
【表1】

【0099】
押し出し/球状化により調製した粒状物を、Eudragit RS/RLおよびSureleaseを用いてコーティングし、アプリンドルの放出を制御した。処方および溶解特性を表2に示す。組成物3のSurereleaseコーティング粒状物をサルにおいて試験し、インビボでの放出を評価する。また、対応するサル血漿レベルを表3に示す。
【0100】
表2:押し出し/球状化により調製した、持続放出型コーティング粒状物の処方および溶解
【表2】

【0101】
実施例2:
層状糖粒状物の持続放出型コーティングにより調製した、持続放出型アプリンドル・フマル酸塩ペレット
アプリンドル・フマル酸塩の持続放出型ペレットもまた糖粒状物上に活性薬剤を層状化することにより調製した。処方および溶解データを表3に示す。組成物5をサルにおいてインビボでの放出について試験した。そのデータは表4にある。
【0102】
表3:持続放出型コーティングのアプリンドル層状糖粒状物の処方および溶解
【表3】


表4:サルにおけるアプリンドルの生物学的利用能パラメーターの概要
【表4】

【0103】
実施例3:
同時圧縮方法を用いて調製した持続放出型錠剤
0次またはほぼ0次である放出特性を得るために、同時圧縮錠剤を用いて研究した。異なる放出特性は、コア錠剤および外側圧縮コートならびに全錠剤重量中の薬剤およびポリマー(HPMC)の量を変化させることにより得ることができる。標準的な回転機を用いてCarverプレス上で全錠剤を個別に製造した。処方および溶解データを表5に示す。組成物8についてのサルにおけるインビボ吸収データは表4にある。
【0104】
表5:アプリンドル・フマル酸塩の同時圧縮錠剤(錠剤中錠剤型)についての処方:
【表5】

【0105】
実施例4:
ワックスマトリックス錠剤:
表6は、微結晶セルロースと一緒にマトリックス形成ポリマーとしてカルナウバワックスおよびセトステアリルアルコールを含有するマトリックス錠剤の処方を記載している。ワックスを溶解し、次いで、アプリンドル単独かまたは微結晶セルロースとの混合物を攪拌しながら加えた。混合物を室温に冷却しておき、粉砕した。得られた顆粒物を滑沢剤ステアリン酸マグネシウムと混合し、次いで、圧縮して錠剤化した。錠剤は持続放出型特性を示す。
【0106】
表6:ワックスマトリックス処方および溶解
【表6】

【0107】
実施例5:
ポリエチレンオキシドマトリックス錠剤
表6は、PEOポリマーを用いて調製したマトリックス錠剤の処方および溶解特性を概略している。錠剤は持続放出型特性を示す。
【0108】
表6:ワックスおよびポリオキシエテレンオキシドマトリックス処方および溶解
【表7】

【0109】
実施例6:
ヒドロキシプロピルメチルセルロースマトリックス、10MGの錠剤
本発明の実施例に従って用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースの型は、商標METHOCEL(Dow Chemical Co.)の下で市販されているヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはその等価物である。適当なMETHOCELSは、Kグレード、例えば、METHOCEL K15M Premium CR、METHOCEL K100M Premium CR、METHOCEL K100 Premium LVおよびMETHOCEL K4M Premiumを含む。他の適当なMETHOCELSは、E、FおよびJグレードを含む。
【0110】
表7は、低粘度Methocel KLV100(ヒドロキシプロピル含量9%未満)および高粘度Methocel K4Mのヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を利用したマトリックス錠剤の例を記載している。アプリンドル・フマル酸塩およびポリマーを混合し、ステアリン酸マグネシウムを用いて潤滑化し、次いで、圧縮して錠剤化した。これらの錠剤は、1N HClおよびpH6.5バッファー中にて持続放出型の溶解を示す。
【0111】
アプリンドル・フマル酸塩の錠剤の飲み込みを容易にし、かつ任意の食道刺激を避けるために、3重量%のOpadry II Whiteをアプリンドル・フマル酸塩のコア錠剤上にコーティングした。
【0112】
アプリンドルの10mgの即時放出型、10mgの中程度放出型および10mgの遅効放出型HPMCマトリックスコア錠剤を、即時放出型カプセル剤処方と共に、サルにおいて試験した。処方および溶解データを表7に示す。11/32インチの標準的なconcaveの回転機を用いて錠剤を圧縮した。装置2(パドル)を50rpmで用いて、初めの2時間、0.1NのHCl、および0.05Mのリン酸バッファー、pH6.8、37±0.5℃を用いて、溶解をUSPの指示に従って測定した。溶解媒体の容量は900mLだった。
【0113】
薬物動態パラメーターを表8に示す。これらのアプリンドルの中程度放出型および遅効放出型処方は、サル研究におけるそれらのインビボでのパフォーマンスに従って、要件を達成した。即時放出型カプセル剤処方に対する3つのHPMCマトリックス錠剤処方の生物学的利用能は、遅効放出型、中程度放出型および即時放出型について、それぞれ85.5、95.0および116.4%であった。
【0114】
表7.アプリンドル10.0MGの即時放出型、中程度放出型および遅効放出型HPMCマトリックス錠剤の組成および溶解
【表8】


*アプリンドル・フマル酸塩の純度に基づいて補正した量。ラクトースを用いて同様の補正を行う。
**アプリンドル・フマル酸塩の純度に基づいて補正した量。予めゼラチン化したデンプンLMを用いて同様の補正を行う。
【0115】
表8:10mgのアプリンドルの持続放出型マトリックス錠剤についての、サルにおける生物学的利用能パラメーター
【表9】

【0116】
実施例7:
放出制御型マトリックス、5.0MG、2.0MG、0.5MGおよび0.05MGの錠剤
4つの異なる強度の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgを、中程度放出型および遅効放出型処方のそれぞれについて開発した。インビボでの血漿特性は、表7に示した10mgの中程度および遅効放出型処方のものと同様であることが望ましかった。
【0117】
錠剤の形状および全錠剤重量は、全ての4つの異なる強度および2つの異なる放出速度の錠剤について同じにした。これらの錠剤の強度の間には大きな違いがあり、それ故に、高度に水溶性のアプリンドル・フマル酸塩について、HPMCポリマーレベルの割合を変化させることのみにより4つの用量を処方することは困難である。これは、一般的に用いられる高度に水溶性の賦形剤を加えることにより水溶性活性薬剤の減少量を補填し、一方で、他の賦形剤を同じ割合に保つことにより達成される。アプリンドル・フマル酸塩の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの中程度および遅効放出型処方において、Lactose Fast Floを水溶性補填性賦形剤として選択した。Lactose Fast Floは高度に水溶性であり、かつ、良好な流動性および圧縮性を有する。それは、10.0mgの中程度放出型処方中に用いられている。
【0118】
アプリンドル・フマル酸塩の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの中程度放出型および遅効放出型HPMCマトリックス錠剤は全てColtonプレス上で製造した。処方は、150rpmでの溶解結果に基づいて決定し、表9および10に示す。
【0119】
アプリンドル・フマル酸塩の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの中程度放出型ならびに5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの遅効放出型HPMCマトリックス錠剤の溶解データも表9および10に記載する。
【0120】
表9.アプリンドル・フマル酸塩の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの中程度放出型HPMCマトリックス錠剤の組成ならびに150rpmのパドルスピード、USP II法を用いてのpH6.8バッファー中への溶解
【表10】


*アプリンドル・フマル酸塩の純度に基づいて補正した量。ラクトースを用いて同様の補正を行う。
【0121】
表10.アプリンドル・フマル酸塩の5.0mg、2.0mg、0.5mgおよび0.05mgの遅効放出型HPMCマトリックス錠剤の組成ならびに150rpmのパドルスピード、USP II法を用いてのpH6.8バッファー中への溶解
【表11】


*アプリンドル・フマル酸塩の純度に基づいて補正した量。ラクトースを用いて同様の補正を行う。
【0122】
実施例8:
HPMCマトリックス錠剤フィルムコーティング
アプリンドル・フマル酸塩のHPMCマトリックス錠剤の飲み込みを容易にするために、Opadryおよび腸溶コーティングを活性コア錠剤上に適用し、さらに、その生物学的利用能は同等であることが見出された(データは示さず)。
【0123】
実施例9:
さらなる処方および方法
アプリンドルコア錠剤についてのさらなる処方を下記表に示す。
【0124】
表11.アプリンドル・フマル酸塩の中程度放出型処方(コア錠剤)
【表12】


*効力72.8%のアプリンドル。実際量はアプリンドルの実際の効力に基づく。ラクトースを用いて同様の補正を行う。
【0125】
表12.アプリンドル遅効放出型処方(コア錠剤)
【表13】


*効力72.8%のアプリンドル。実際量はアプリンドルの実際の効力に基づく。ProSolv HD 90を用いて同様の補正を行う。
【0126】
中程度放出型コア錠剤の調製のための例示的方法:
中程度放出型コア錠剤の調製のための例示的方法の1つとして、以下の工程を行う:
【0127】
1.アプリンドル・フマル酸塩をスクリーニングしてバッグへ加える
Lactose fast flowの一部を用いてアプリンドル・フマル酸塩を保持する容器をリンスし、スクリーニングして工程1のバッグへ加える。
2.1部のLactose fast flowをスクリーニングしてバッグおよびバッグ混合物へ加える。
3.1部のLactose fast flowをスクリーニングしてバッグおよびバッグ混合物へ加える。
4.その混合物を適切な大きさのタンブル型混合機へ移す。
5.2部のLactose fast flowを用いてバッグをリンスし、次いで、混合機へ加え、混合する。Lactose fast flowをスクリーニングして、その後、バッグへ加える。
6.残りのLactose fast flowをスクリーニングして混合機に加え、次いで、混合する。
7.アビセル PH 301、Methocel K4M Premium CRおよびMethocel K100LV Premium CR LHをスクリーニングして混合機へ加え、次いで、混合する。
8.ステアリン酸マグネシウムをスクリーニングして、次いで、ほぼ等量部の工程7からの混合物と一緒に混合し、混合機に加え、次いで、混合する。
9.工程8からの最終的な混合物から目標重量250mgの錠剤に圧縮する。
【0128】
遅効放出型コア錠剤の調製のための例示的方法
コア錠剤調製のための例示的方法の1つとして、以下の工程を行う:
【0129】
1.アプリンドル・フマル酸塩をスクリーニングしてバックへ加える。
2.ProSolv HD 90の一部を用いてアプリンドル・フマル酸塩を保持する容器をリンスし、スクリーニングして工程1のバッグへ加える。
3.1部のProSolv HD 90をスクリーニングしてバッグおよびバッグ混合物へ加える。
4.1部のProSolv HD 90をスクリーニングしてバッグおよびバッグ混合物へ加える。
次いで、その混合物を適切な大きさのタンブル型混合機へ移す。
5.スクリーニングして予め選別したラクトース一水和物を用いて工程4からのバッグをリンスし、次いで、混合機に加える。
6.1部のProSolv HD 90を用いてバッグをリンスし、混合機へ加え、次いで、混合する。ProSolv HD 90をスクリーニングして、その後、バッグへ加える。
7.残りのProSolv HD 90をスクリーニングして混合機に加え、次いで、混合する。
8.Methocel K4M Premium CRおよびMethocel K100LV Premium CR LHをスクリーニングして混合機に加え、次いで、混合する。
9.ステアリン酸マグネシウムをスクリーニングして、ほぼ等量部の工程8からの混合物と一緒に混合し、混合機に加え、次いで、混合する。
10.工程9からの最終的な混合物から目標重量250mgの錠剤を圧縮する。
*注意:用量が高い程、幾何学的希釈工程は小さい。
【0130】
幾つかの実施態様において、該方法は、乾式混合および直接圧縮である。さらなる方法において、スラッギングおよびミルまたは回転圧縮およびミリングからなる乾式造粒方法が用いられ得、或いは、好ましくは、混合物の流動性を改善するための乾式造粒法が用いられ得る。さらなる実施態様において、湿式造粒方法も用いられ得る。しかしながら、活性化合物が湿気に対して感受的である可能性があり、かつ分解して不溶水和物を形成する可能性があるために、これは一般的には好ましくない。錠剤はコーティングされてもされなくてもよい。
【0131】
実施例10:
ヒト吸収および耐用性研究
アプリンドル・フマル酸塩の2つの放出制御型処方、遅効放出型(SR)処方および中程度放出型(MR)処方の複数回投与研究としてヒト臨床研究を行った。32対象が登録し、そして31対象が研究を完了した。対象を無作為に分け、2つの処方のうちの1つまたはプラシーボを投与した。12対象はアプリンドル・フマル酸塩SRを、12対象はアプリンドル・フマル酸塩MRを、および8対象はプラシーボを受けた。対象において1ないし12日にわたり0.05mgないし5.0mgへ漸増した。12ないし16日目に、対象を空腹にさせ、その後、試験物質(5.0mg用量、1日につき2回(BID))を投与した。16日目に、空腹条件下において、AM投与後から全24時間の薬物動態特性を得た。17ないし21日目に、試験物質投与(5.0mg用量、BID)30分前に、対象は中脂肪食を摂取し、そして21日目に、全24時間の薬物動態特性を得た。
【0132】
満腹および空腹条件下におけるアプリンドル・フマル酸塩SR 5.0mg BIDおよびアプリンドル・フマル酸塩MR 5.0mg BIDの薬物動態特性ならびに別の研究の患者において同じ用量のアプリンドルIR(5.0mg)から得られた結果を表13に要約する。
【表14】

【0133】
アプリンドルMRおよびアプリンドルSRの両方を投与した後に、即時放出型(IR)についての0.7時間に対して、アプリンドルは、1.8ないし3.5時間にわたる平均tmaxを伴ってより緩慢に吸収された。
【0134】
空腹条件下で、MRおよびSRは、同様の濃度および薬物動態パラメーターを有し、SRが僅かに高い濃度を与える。SRについての平均Cmaxは9229pg/mLであり、対して、MRについては8065pg/mLであった。SRについてのAUCssは、MRについてのAUCssより約25%高い。
【0135】
満腹条件下でも同様の結果が見出される(SR Cmax 約9267pg/mLおよびMR Cmax 約8653pg/mL)。全曝露は、MRよりもSRにおいて15%だけ高い。
【0136】
両放出制御型処方は、5.0mgのアプリンドル・フマル酸塩IRよりも異なる薬物動態特性を与える。SRおよびMRのCmaxは、IRのCmaxの約3分の1であり、かつ、tmaxは1ないし2時間だけ延長されている。意外にも、全曝露(AUCss)は、2つの持続放出型処方についてより高く(SRにおいて約66,000pg*h/mL、MRにおいて約55,000pg*h/mL、対して、IRにおいて約49,500pg*h/mL)、また、アプリンドルAUCssにおける変動はIR処方よりもMRおよびSR処方についてより低い。
【0137】
副作用特性は、SRおよびMR処方が即時放出型処方よりもはるかに良好な耐性を有することを示す。
【0138】
本明細書中に引用した刊行物を含め、全ての特許、特許出願および文献は、出典明示により、その全てが本明細書の一部となる。
【0139】
様々な変更および修飾が本発明の精神から逸脱することなく本発明の好ましい実施態様に対してなされてもよいことが、当業者には理解されよう。かかる全てのバリエーションは本発明の範囲内であることが意図される。文献、特許および特許出願を含め、本明細書中に引用した参考文献の各々は、出典明示により、その全てが本明細書の一部となる。本出願は、2003年10月29日出願の米国仮出願番号第60/515,315号の優先権を主張し、該文献も出典明示によりその全てが本明細書の一部となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】


[式中:
およびRは独立して、水素、1ないし6個の炭素原子からなるアルキル、フェニルもしくはベンジルであるか;
またはRおよびRは一緒になって、下記Rで置換されていてもよいベンジリデンもしくは最高6個の炭素原子からなるアルキリデンであるか;
またはRおよびRはそれらが結合している炭素と一緒になって、3ないし6個の炭素原子を有するカルボニル部分もしくはシクロアルキル基を形成し;
は、水素、ヒドロキシ、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、1ないし6個の炭素原子からなるアルキル、1ないし6個の炭素原子からなるアルコキシ、7ないし12個の炭素原子からなるアリールアルコキシ、2ないし6個の炭素原子からなるアルカノイルオキシ、アミノ、各アルキル基が1ないし6個の炭素原子を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノ、2ないし6個の炭素原子からなるアルカンアミドまたは1ないし6個の炭素原子からなるアルカンスルホンアミドであり;
は、水素もしくは1ないし6個の炭素原子からなるアルキルであり;
nは整数0、1、2、3、4、5もしくは6のいずれかであり;
Zは、水素、ヒドロキシ、1ないし6個の炭素原子からなるアルキル、2ないし6個の炭素原子からなるアルケニル、2ないし6個の炭素原子からなるアルキニル、1ないし6個の炭素原子からなるアルコキシ、3ないし8個の炭素原子からなるシクロアルキル、7ないし15個の炭素原子からなる多環式アルキル、上記Rで置換されていてもよいフェニル、上記Rで置換されていてもよいフェノキシ、上記Rで置換されていてもよいナフチルまたは上記Rで置換されていてもよいナフチルオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシであり、ここで、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基の複素環は、チオフェン、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、インドール、インダゾール、イミダゾール、クロマン、クマリン、カルボスチリル、キノリン、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、ピラゾール、ピロール、チアゾール、オキサゾールもしくはイソオキサゾールから選択され、かつ、その複素環は上記Rにより置換されていてもよい]
の化合物またはその医薬上許容される塩を含む、放出制御型投与処方。
【請求項2】
化合物が、2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の放出制御型処方。
【請求項3】
化合物が、S−2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩である、請求項1記載の放出制御型処方。
【請求項4】
経口用投与処方である、請求項3記載の放出制御型投与処方。
【請求項5】
1またはそれ以上の放出速度制御ポリマーをさらに含む、請求項4記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項6】
放出速度制御ポリマーが、ポリメタクリル酸、メタクリル酸−メタクリル酸エステルコポリマー、酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、酢酸−フタル酸ポリビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせを含む、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項7】
放出速度制御ポリマーが、高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの組み合わせである、請求項6記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項8】
高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、Methocel K4M、Methocel K15M、Methocel K100M、Methocel E4Mまたはそれらの組み合わせである、請求項7記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項9】
高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、Methocel K4Mである、請求項8記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項10】
高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約15重量%ないし約80重量%でMethocel K4Mを含む、請求項9記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項11】
高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約25重量%ないし約50重量%でMethocel K4Mを含む、請求項9記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項12】
低粘度マトリックス形成ポリマーが、Methocel K100LV、Methocel E50LV、Methocel E5、Methocel E15LVから選択されるヒドロキシプロピルメチルセルロースであるか、またはそれらの2もしくはそれ以上の組み合わせである、請求項7記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項13】
低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースがMethocel K100LVである、請求項12記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項14】
低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約15重量%ないし約80重量%で提供される、請求項13記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項15】
低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが約20重量%ないし約50重量%で提供される、請求項13記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項16】
約20重量%ないし約60重量%の高粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約20重量%ないし約60重量%の低粘度マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース:
をさらに含む、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項17】
医薬上有効量のアプリンドルまたはその医薬上許容される塩;
約0.5重量%ないし約5重量%の水溶性補填性賦形剤;
約5重量%ないし約30重量%の水分散性賦形剤;
約20重量%ないし約80重量%のマトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約0.1重量%ないし約1重量%の滑沢剤:
を含む、請求項4記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項18】
医薬上有効量のアプリンドルまたはその医薬上許容される塩;
約0.5重量%ないし約5重量%の水溶性補填性賦形剤;
約5重量%ないし約30重量%の水分散性賦形剤;
約25重量%ないし約50重量%のマトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロース;および
約0.1重量%ないし約1重量%の滑沢剤:
を含む、請求項4記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項19】
マトリックス形成ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、高粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの組み合わせである、請求項17記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項20】
化合物が処方の約0.02重量%ないし約16重量%で存在する、請求項6記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項21】
化合物が処方の約0.02重量%ないし約4重量%で存在する、請求項6記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項22】
処置の必要のある患者へ請求項1記載の放出制御型投与処方を投与することを含む、ドーパミン作動系の障害の処置方法。
【請求項23】
処置の必要のある患者へ請求項20記載の放出制御型投与処方を投与することを含む、ドーパミン作動系の障害の処置方法。
【請求項24】
化合物を含む即時放出型処方のTmaxより少なくとも約1.5倍大きいTmaxを与える速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項25】
化合物を含む即時放出型処方のTmaxより少なくとも約2倍大きいTmaxを与える速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項26】
化合物を含む即時放出型処方のCmaxより小さいCmaxを与える速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項27】
化合物を含む即時放出型処方のCmaxより約0.75倍小さいCmaxを与える速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項28】
化合物を含む即時放出型処方のAUC0−12の少なくとも約1.05倍のAUC0−12を与えるのに有効な速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項29】
化合物を含む即時放出型処方のAUC0−12の少なくとも約1.10倍のAUC0−12を与えるのに有効な速度で化合物が投与形態から放出される、請求項5記載の経口用放出制御型投与処方。
【請求項30】
約260pg*h/mLないし約2400pg*h/mLのAUC0−12を与え、約0.1mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項31】
AUC0−12が約290pg*h/mLないし約1300pg*h/mLである、請求項30記載の放出制御型投与処方。
【請求項32】
約40pg/mLないし約190pg/mLのCmaxを与え、約0.1mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項33】
maxが約40pg/mLないし約180pg/mLである、請求項32記載の放出制御型投与処方。
【請求項34】
約36000pg*h/mLないし約109000pg*h/mLのAUC0−12を与え、約5mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項35】
AUC0−12が約36000pg*h/mLないし約75000pg*h/mLである、請求項34記載の放出制御型投与処方。
【請求項36】
約4000pg/mLないし約14000pg/mLのCmaxを与え、約5mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項37】
maxが約6000pg/mLないし約12000pg/mLである、請求項36記載の放出制御型投与処方。
【請求項38】
約121000pg*h/mLないし約890000pg*h/mLのAUC0−12を与え、約30mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項39】
AUC0−12が約170000pg*h/mLないし約760000pg*h/mLである、請求項38記載の放出制御型投与処方。
【請求項40】
約18000pg/mLないし約110000pg/mLのCmaxを与え、約30mgの化合物を含む、請求項1記載の放出制御型投与処方。
【請求項41】
maxが約20000pg/mLないし約92000pg/mLである、請求項40記載の放出制御型投与処方。
【請求項42】
複数の個別の放出制御型投与形態を含み、2またはそれ以上の個別の投与形態が異なる量の請求項1記載の化合物を含む、放出制御型投与形態のセット。
【請求項43】
個別の放出制御型投与形態の少なくとも1つが約0.05ないし約0.4mgの請求項1記載の化合物を含む、請求項42記載の放出制御型投与形態のセット。
【請求項44】
2またはそれ以上の個別の放出制御型投与形態が、0.05mg、0.1mg、0.2mg、0.25mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.75mg、1mg、1.5mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、8mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、20mg、23mg、24mg、25mg、26mgまたは30mgの化合物から選択される、請求項42記載の放出制御型投与形態のセット。
【請求項45】
2またはそれ以上の異なる個別の放出制御型投与形態が、少なくとも10%の差をつけて異なる量の化合物を含み、かつ、2またはそれ以上の異なる個別の放出制御型投与形態中の化合物の量が約0.05mgないし約30mgの範囲である、請求項42記載のセット。
【請求項46】
2またはそれ以上の異なる個別の投与形態が、約260pg*h/mLないし約890000pg*h/mLの範囲のAUC0−12を与える、請求項45記載のセット。
【請求項47】
2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩の投与方法であって:
a)その必要のある哺乳類へ2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩を含む開始用放出制御型投与処方を投与すること;次いで
b)2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩を含む少なくとも1つの他の放出制御型投与処方を該哺乳類へ投与することを含む方法であり、開始用放出制御型投与処方が他の放出制御型投与処方と比べてより少量の2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンを含む、方法。
【請求項48】
2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンまたはその医薬上許容される塩を含む放出制御型投与処方であって、哺乳類へ投与されると約260pg*h/mLないし約890000pg*h/mLの範囲のAUC0−12を与える量で2−[(ベンジルアミノ)−メチル]−2,3,8,9−テトラヒドロ−7H−1,4−ジオキシノ[2,3−e]インドール−8−オンが処方中に存在する、処方。
【請求項49】
処方が単一単位投与形態または複数回単位投与形態である、請求項48記載の放出制御型投与処方。

【公表番号】特表2007−509970(P2007−509970A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538307(P2006−538307)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/036013
【国際公開番号】WO2005/044262
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】