説明

アポモルヒネを含む発泡性製剤

アポモルヒネを含む発泡性製剤、好ましくは酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む多層発泡性ミクロスフィアを含む発泡性製剤。多層発泡性ミクロスフィアの水への溶解が、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導く、アポモルヒネを含む発泡性製剤。この製剤は、男性および女性の性的機能不全の処置のために使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、アポモルヒネの製剤および男性または女性の性的機能不全の処置におけるそれらの使用に関する。
【0002】
性的機能不全は、非常に蔓延しており、女性の約43%および男性の約31%が罹患している。性的欲求低下障害は、(population)集団ベースの研究において、女性の約30%および男性の約15%において報告されており、広範な種々の医学的原因および心理学的原因に関連している。性的興奮障害は、男性および女性の10%〜20%において見出され、男性においては年齢と強く関連している。オルガスム障害は、女性において比較的一般的であり、共同体(community)ベースの研究において約10%〜15%を侵している。対照的に、早期射精は、男性の最も一般的な性的愁訴であり、ほとんどの研究において約30%の報告率である。最後に、性交疼痛障害は、女性の10%〜15%および男性の5%未満において報告されている。性的機能不全は、その広範に蔓延していることに加えて、男性および女性の両方において、人間関係および全体的な生活の質に大きく影響を与えることが見出されている(Rosen,2000,Curr Psychiatry Rep,2,189−195)。
【0003】
勃起機能不全は、男性の10%〜20%において生じている。これは、性交に充分な勃起を達成および維持することができないこととして定義される。任意の所与の症例において、勃起機能不全は、心理学的障害(心因性)、全般的な生理学的異常(器質性)、神経学的障害(神経性)、ホルモン欠乏(内分泌)または上記の組み合わせから生じ得る。勃起機能不全についての心因性因子には、エロティックな集中を低減させるかまたは感覚的経験の意識を低減させることによって勃起機能を損ない得る、鬱病、不安および関係の問題のようなプロセスが含まれる。これにより、勃起を開始または維持することができなくなり得る。心理療法および/または行動療法がしばしば、心因性勃起機能不全を有する患者の一部において有用である。
【0004】
女性において、性的機能不全は、器質性の原因もしくは心因性の原因から、または上記の組み合わせから生じ得る。女性の性的機能不全には、性的活動の完了まで、膣の性的興奮の潤滑膨張応答を達成または維持できないことが含まれる。器質性の女性の性的機能不全は、不適切な血流、膣の充血不全および陰核勃起不全を生じる脈管形成障害に一部関連することが知られている。
【0005】
男性および女性の性的機能不全の処置のためのいくつかの方法が示唆されている。男性の勃起機能不全の処置において使用されている薬理学的薬剤には、経口投与される薬剤(例えば、ヨヒンビン、ブロモクリプチン、フルオキセチン、トラゾドン(trazadone)、トレンタール、シルデナフィル、フェントラミンおよびGinkgo bilobaの抽出物)が含まれる。
【0006】
女性の性的機能不全について、シルデナフィルが、主観的パラメータおよび生理学的パラメータの両方または女性の性的応答を有意に改善するようであることが、最近の研究により示唆されている(Bermanら,2001,J Sex Marital Ther,27,411−420)。また、最近の小規模予備試験は、女性の性的興奮障害を有する閉経女性における経口フェントラミンの効果について実施された。この試験は、興奮の全ての測定値について、フェントラミンの穏やかなプラスの効果を見出した(Rosenら,1999,J Sex Marital Ther,25,137−144)。
【0007】
最近、米国特許第5,624,677号は、アポモルヒネの経口投与が男性心因性患者において勃起を誘導するために使用され得、かつ悪心および嘔吐または他の重篤な所望されない副作用(例えば、動脈低血圧、潮紅および発汗)を伴わずに有意な勃起応答を達成するために必要とされるアポモルヒネの用量が可能であるので、処置に適切であることを示した。アポモルヒネがヒト患者において勃起応答を生じるように作用する特定の機構は未だ完全には理解されていないが、主に脳の内側視索前野においてドパミンレセプター刺激を介して作用すると考えられている。
【0008】
モルヒネの誘導体であるアポモルヒネは、中枢神経系を刺激する選択的ドパミンレセプターアゴニストとして分類されている。アポモルヒネは、経口バイオアベイラビリティが非常に低いことが示されている。例えば、Gessaら(編),Apomorphine and other Dopaminomimetics,Basic Pharmacology中のBaldessariniら,219−228,Raven Press,N.Y.(1981)を参照のこと。いくつかの報告が、男性および女性の性的機能不全の処置のためにアポモルヒネを供給するのに適切な手段を同定する試みを記載している。
【0009】
WO98/31368号は、口腔内で活性成分を迅速に放出するように設計された形態でアポモルヒネのようなドパミンアゴニストを使用した、心因性勃起機能不全のための処置を議論している。
【0010】
米国特許第5,770,606号は、1ミリリットル当たり約5.5ナノグラム以下の血漿アポモルヒネ濃度を維持するようなアポモルヒネ投薬形態の舌下投与による、心因性勃起機能不全のための処置を議論している。
【0011】
WO99/66916号は、最適な勃起応答のために、アポモルヒネの定常状態の循環血清レベルおよび中脳組織レベルが、比較的厳密に規定された範囲内に維持されるべきであることを示唆している。これはまた、アポモルヒネの使用に伴う悪心副作用が、制吐剤の投与によって実質的に低減され得ることを記述している。
【0012】
米国特許第5,945,117号は、1ミリリットル当たり5.5ナノグラム以下の血漿濃度でのアポモルヒネの舌下投与による、実質的な所望されない副作用を伴わない女性の性的機能不全の処置を議論している。
【0013】
WO00/76509号およびWO02/24202号は両方とも、アポモルヒネが、実質的な不耐容性の副作用を引き起こさずに、経鼻送達システムを使用して男性および女性の性的機能不全を処置するために使用され得ることを示唆している。
【0014】
しかし、男性および女性の性的機能不全の処置のための治療的に適切な量のアポモルヒネを供給する代替的方法の必要性がなお存在する。いくつかの場合、例えば、錠剤を嚥下することまたは処置の経鼻吸収が困難である患者の場合、以前に開示された方法を使用してアポモルヒネを投与することは適切でないかもしれない。
【0015】
本発明の第一の態様は、アポモルヒネを含む発泡性製剤を提供する。これは、男性または女性の性的機能不全の処置のために使用され得る。このような製剤は、水に溶解すると、典型的には、アポモルヒネの均質な分散を導く。
【0016】
「発泡性製剤」により、本発明者らは、この製剤を水溶液中に置くと発泡性であることを意味する。
【0017】
「アポモルヒネ」により、本発明者らは、遊離塩基のアポモルヒネまたはアポモルヒネの薬学的に許容される塩を含める。適切な塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、グルコン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩などが含まれる。アポモルヒネは、塩酸塩の形態であることが好ましい。特に好ましいのは、塩酸アポモルヒネ:塩酸(6aR)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,g]キノリン−10,11−ジオール半水和物である。
【0018】
発泡性製剤は、高レベルの患者許容性を有するので、アポモルヒネを供給する既存の形態を超える利点を提供する。この製剤は、これらが発泡する舌上に配置されて、アポモルヒネを放出し得る。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、発泡性製剤が多層発泡性ミクロスフィアを含むことである。特定の適切な多層発泡性ミクロスフィアの製造は、本明細書中でその全体が出典明示により援用されるWO98/31342号および米国特許第6,210,711号B1に記載されている。
【0020】
本発明のなおさらなる実施形態は、多層発泡性ミクロスフィアが、酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含むことである。
【0021】
「ミクロスフィア」なる用語は、アポモルヒネが分散されたマトリックスからなる支持体材料から形成された微小顆粒を意味することが意図される。スフィアに関する欧州薬局方のモノグラフによれば、ミクロスフィアは、1.0mm未満かつ1.0μm以上の平均直径を有する。ミクロスフィアは一般に、経口投与または非経口投与のために意図され、かつ医薬形態(例えば、錠剤)の構成成分として、または他の賦形剤と合わせたもしくは合わせない、かつ単位用量としたまたはそうではないそのままの形態(例えば、サシェ剤、ゲル−カプセル剤または注射剤のための粉末)のいずれかで使用される。
【0022】
「水溶性隔離剤」は、結合剤(バインダー)、およびミクロスフィアの調製プロセスの間であるが、また保存条件にかかわらずミクロスフィアの保存の間、アルカリ性物質と酸性物質との間の発泡性反応を回避することが意図された隔離障壁の両方として働く、任意のそのような薬剤であり得る。典型的には、水溶性隔離剤は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ラクトースおよびスクロースから選択される。
【0023】
「酸性物質」によって、本発明者らは、有機酸(例えば、クエン酸、アスコルビン酸またはアセチルロイシン)を含む酸性の粉末を含める。
【0024】
「塩基性物質」によって、本発明者らは、重炭酸ナトリウムまたは発泡性形態の調製において通常使用される任意の他の炭酸塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸一ナトリウム、炭酸リチウムグリシン、炭酸一カリウム、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム)を含むアルカリ性の粉末を意味する。この「塩基性物質」は、重炭酸ナトリウムなどのナトリウム塩であることが好ましい。
【0025】
本発明の好ましい実施形態は、その水への溶解が、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導く、酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む多層発泡性ミクロスフィアに関する。
【0026】
本発明のこの実施形態の第一の変形によれば、この水溶性隔離剤は、各ミクロスフィアのバルク全体に分散され、このミクロスフィアは2層構造すなわち、水溶性隔離剤が分散された酸性物質の層および水溶性隔離剤が分散されたアルカリ性物質の層を有する。
【0027】
本発明のこの実施形態の第二の変形によれば、この水溶性隔離剤は、この酸性物質とアルカリ性物質とを分離する薄膜の形態である。この場合、各ミクロスフィアは3層構造すなわち、水溶性隔離剤の層によって分離された酸性物質の層およびアルカリ性物質の層を有する。
【0028】
このミクロスフィアが2層構造を有そうと3層構造を有そうと、この水溶性隔離剤は、2つの目的を果たす。この水溶性隔離剤は、結合剤として、およびミクロスフィアの調製方法の間であるが、また保存条件にかかわらずミクロスフィアの保存の間、アルカリ性物質と酸性物質との間の発泡反応を回避するために意図された隔離障壁として働く。
【0029】
本発明の好ましい実施形態において、この発泡性製剤は、約0.5mg〜約50mg(例えば、0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mgまたは50mg)の単位投与量で存在するアポモルヒネを含む。最も好ましくは、このアポモルヒネは、2mgから3mgの単位投与量で存在する。
【0030】
さらなる実施形態において、本発明の発泡性製剤は錠剤形態で与えられる。このような発泡性製剤から本発明に適切な錠剤を形成する方法は、当業者に周知である。錠剤は、場合によっては、1種または複数の付属成分と共に、圧縮または成型によって作製され得る。圧縮された錠剤は、適切な機械で粉末または顆粒のような自由流動形態に活性成分を圧縮することによって調製され得る。成型された錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らされた粉末化化合物の混合物を適切な機械で成型することによって作製され得る。
【0031】
さらなる実施形態において、本発明の発泡性製剤は粉末形態で与えられる。このような発泡性製剤から本発明に適切な粉末を形成する方法は、当業者に周知である。
【0032】
この製剤がミクロスフィアを含む場合、アポモルヒネはこのミクロスフィア内に存在しないことが好ましい。例えば、ミクロスフィアが錠剤化されて錠剤を形成する場合、アポモルヒネは好ましくは、錠剤中のミクロスフィア上またはミクロスフィア間に存在する。
【0033】
しかしいくつかの実施形態において、アポモルヒネはミクロスフィア中に存在し得る。
【0034】
本発明のさらなる態様は、アポモルヒネを含む発泡性製剤を作製するための方法である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態は、発泡性製剤が酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む多層発泡性ミクロスフィアを含み、このミクロスフィアは水への溶解の際に、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導くプロセスである。
【0036】
本発明の好ましい実施形態において、アポモルヒネはミクロスフィア内に存在しない。
【0037】
本発明のこの方法のさらなる実施形態において、酸性物質および/または塩基性物質は、アポモルヒネを含む。
【0038】
本発明のこの方法のさらに好ましい実施形態において、この方法は、空気流動床におけるロータリー造粒の方法を使用する。
【0039】
これらの発泡性組成物に適用されるロータリー造粒の利点は、使用される成分および取られた特定の予防策の結果、発泡を誘導しない一基の同一チャンバにおいての、連続的に関連した操作であることである。さらに、このロータリー造粒技術により、種々の化合物の相対的な割合、特に、酸性画分および塩基性画分の相対的な質量割合を変更することが可能である。
【0040】
具体的には、本発明に係る方法は、発泡の質に悪影響を及ぼさないで、そのアルカリ性画分と酸性画分の相対的割合が、この造粒法によって製造される発泡性錠剤について先行技術において実施された化学量論的割合より少ない発泡性形態を得ることを有利にも可能にする。
【0041】
特に、本発明に係る方法に関して実施される塩基性物質および酸性物質の相対的な割合は、0.6未満、特に0.25未満である。
【0042】
本発明に係る方法の全ての工程は、特定の脱水システムも特定の予防策もなしに、大気圧下で実施される。
【0043】
発泡性ミクロスフィアを調製するための方法を実施するために使用される装置は、例えば、ロータータンクが取付けられたGlatt社組立ての装置である。
【0044】
装置のこのような部材は、本願において出典明示により本発明者らが含める特許EP 0,505,319号中に記載される。
【0045】
本発明の対象はまた、第一に、上記の第一の変形に従う2層構造を有する発泡性ミクロスフィアを調製するための方法である。
【0046】
前記方法は、粉末の噴霧装置および湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた空気流動床でのロータリー造粒法によって実施される。この方法は、2つの連続工程、すなわち、粉末Aを使用するミクロスフィアのスフィア化の第一工程および粉末Aのミクロスフィア上での粉末Bのスフィア化の第二工程を含み、この粉末Aおよび粉末Bのうち一方は酸性であり他方はアルカリ性であり、かつこれらの各々が、アポモルヒネを含むかまたはアポモルヒネからなることが可能である。粉末Aまたは粉末Bは、アポモルヒネを含むがアポモルヒネからなるわけではないことが好ましい。
【0047】
第一のスフィア化の間に、粉末Aは稼動中のロータリー造粒タンク中に配され、空気床中で懸濁される。粉末Aの成分は、5分間にわたって一緒に混合され、空気入り口温度は温度Tに安定化される。
【0048】
このように混合された粉末Aには、水溶性隔離剤を含む湿潤液体を噴霧する。得られた粉末Aのミクロスフィアは、空気入り口温度をTsにすることによって乾燥させ、次いで場合によっては、1000μmのスクリーンを使用して篩にかける。第二のスフィア化の間、空気入り口温度はTにする。次いで、粉末Bおよび水溶性隔離剤を含む湿潤液体を、先に得られた乾燥された粉末Aのミクロスフィア上に同時に噴霧する。粉末Bは、Glatt装置上に取り付けられた粉末噴霧装置によって噴霧する。得られた2層ミクロスフィアは、空気入り口温度をTsにすることによって乾燥させる。乾燥後、これらのミクロスフィアは、迅速に包装するべきであるが、小量の水分取り込みにより保存が害されることはない。
【0049】
2回のスフィア化の間、水溶性隔離剤を含む湿潤液体は同じであり、例えば、アルコールもしくは水性アルコール混合物中に溶解されたポリビニルピロリドン(PVP)、特に60体積%のエタノール中に4重量%で溶解されたPVPである。
【0050】
本発明の方法に従って得られた2層ミクロスフィアは、20μmと500μmとの間の平均粒子サイズを有する。
【0051】
本発明の対象はまた、上記の第二の変形に従う3層構造を有する発泡性ミクロスフィアを調製するための方法である。
【0052】
前記方法は、湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた空気流動床においてロータリー造粒法に従って実施される。
【0053】
この方法は、3つの連続工程、すなわち、粉末Aを使用したミクロスフィアのスフィア化の第一工程、粉末Aのミクロスフィア上での水溶性隔離剤のスフィア化の第二工程、次いで水溶性隔離剤のフィルムで保護されたミクロスフィアA上での粉末Bのスフィア化の第三工程を含み、この粉末Aおよび粉末Bのうち一方は酸性であり他方はアルカリ性であり、かつこれらの各々が、アポモルヒネを含むかまたはアポモルヒネからなることが可能である。粉末Aまたは粉末Bは、アポモルヒネを含むがアポモルヒネからなるものではないことが好ましい。
【0054】
第一のスフィア化の間、添加された結合剤(例えば、PVP)を含む粉末Aを、稼動中のタンク中に配置し、空気床中で懸濁する。粉末Aの成分を、5分間にわたって一緒に混合し、空気入り口温度は温度Tに安定化する。このようにブレンドされた粉末Aに、湿潤液体を噴霧する。得られた粉末Aのミクロスフィアを、空気入り口温度をTsにすることによって乾燥させる。第二のスフィア化の間、空気入り口温度をTにする。水溶性隔離剤をタンクに直接添加し、水溶性隔離剤のフィルムでコーティングされた粉末Aのミクロスフィアが得られるまで湿潤液体を噴霧し、空気入り口温度をTsにすることによって乾燥させる。乾燥後、コーティングされたミクロスフィアを篩にかけ、次いで粉末Bをロータリー造粒タンクに直接添加し、このとき、空気入り口温度はTに安定化されている。3層ミクロスフィアは、先のミクロスフィアに湿潤液体を噴霧することによって得られる。得られた3層ミクロスフィアは、空気入り口温度をTsにすることによって乾燥させる。乾燥後、これらのミクロスフィアは、迅速に包装すべきであるが、小量の水分取り込みにより保存が害されることはない。
【0055】
最初の2つの工程の間、湿潤液体は、例えば、水性アルコール溶液、特に60体積%のエタノールである。最後の工程の間、水溶性隔離剤は粉末Bによって導入され得、この場合、使用される湿潤液体は最初の2つの工程の間と同じであるか、あるいはこの隔離剤は、隔離剤を含むアルコール溶液または水性アルコール溶液(例えば、60体積%のエタノール中に4重量%で溶解されたPVP)である湿潤液体によって導入される。
【0056】
本発明の方法に従って得られた3層ミクロスフィアは、200μmと1000μmとの間の平均粒子サイズを有する。
【0057】
ミクロスフィアを製造するための方法に従って、このミクロスフィアが2層ミクロスフィアであろうと3層ミクロスフィアであろうと、アルカリ性の粉末は、重炭酸ナトリウムまたは発泡性形態の調製において通常使用される任意の他の炭酸塩(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸一ナトリウム、炭酸リチウムグリシン、炭酸一カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム)および場合によってはアポモルヒネを含む。一方で、酸性の粉末は、有機酸(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、アセチルロイシン)および場合によってはアポモルヒネを含む。このアポモルヒネは、ミクロスフィア内に存在しないが、むしろ最終製剤(典型的には錠剤)中のミクロスフィア上またはミクロスフィア間に存在することが好ましい。しかし、いくつかの実施形態において、アルカリ性の粉末および酸性の粉末は、アポモルヒネを含むが、アポモルヒネからなるわけではない。
【0058】
本発明の方法のさらなる実施形態において、酸性粉末およびアルカリ性粉末はまた、希釈剤(例えば、ラクトースまたはGlucidex);香味料および甘味料(例えば、オレンジ香味料、クエン酸、サッカリンナトリウム);種々の賦形剤を含み得る。
【0059】
本発明の方法の好ましい実施形態において、アポモルヒネは、得られた発泡性製剤が0.5mgと50mgとの間、典型的には0.5mg、1mg、1.5mg、2mg、2.5mg、3mg、3.5mg、4mg、4.5mg、5mg、10mg、20mg、30mg、40mgまたは50mgの単位投与量で存在するアポモルヒネを含むように存在する。最も好ましくは、この方法により、アポモルヒネが2mg〜3mgの単位投与量で存在する製剤が得られる。
【0060】
本発明の方法のさらなる実施形態において、本発明の発泡性製剤は錠剤形態で与えられる。このような発泡性製剤から本発明に適切な錠剤を形成する方法は、上記のように当業者に周知である。好ましくは、アポモルヒネは、錠剤中で、ミクロスフィア(存在する場合)上またはミクロスフィア間に存在する。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、この粉末Aはアルカリ性の粉末であり、粉末Bは酸性の粉末である。
【0062】
本発明の別の実施形態によれば、この粉末Bはアルカリ性の粉末であり、粉末Aは酸性の粉末である。
【0063】
湿潤液体は、直径1.2mmのノズルによって、10g/分と30g/分との間の平均流速で噴霧される。流動床の空気入り口温度は、スフィア化工程の間55℃と65℃との間(T)であり、乾燥期の間75℃と85℃との間(Ts)である。
【0064】
本発明の方法に従って得られたミクロスフィアは、5%〜75%のアルカリ性物質、10%〜75%の酸性物質、3%〜15%の水溶性隔離剤、5%〜50%の希釈剤ならびに1%〜30%の香味料および甘味料、ならびに適切な量のアポモルヒネ(例えば、0.2%〜4%のアポモルヒネ)を含む。
【0065】
90℃で赤外線バランス法(infrared balance method)によって15分間測定した、本発明の方法に従って得られたミクロスフィアの相対湿度は、ロータリー造粒タンク出口において1%と2%との間である。
【0066】
この方法についての全体的な収率は、サイズが2500μmより小さい粒子の画分から計算され、スフィアの作業収率は、3層ミクロスフィアを調製するための方法について200μmと1000μmとの間の粒子の画分に対応し、2層ミクロスフィアを調製するための方法について20μmと500μmとの間の粒子の画分に対応する。
【0067】
本発明に係る方法の実行可能性は、ミクロスフィアが得られる容易さ、バッチの生成の速度および各工程についての収率に従って評価する。
【0068】
バッチの分析は、重ね合わせスクリーン法(superimposed screens method)による100gのスフィアのサンプル(バッチの全画分から得られたサンプル)の粒子サイズ分析を含み、その後、粒子の全体的な外観、球形度、凝集および均質性に関する、得られたミクロスフィアの形態学的研究が、両眼拡大鏡を用いた試験によって実施される。
【0069】
本発明の一変形によれば、2層または3層の発泡性ミクロスフィアは、湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた付着(マウンティング)技術によって製造される。粉末Aおよび粉末Bは、水溶性隔離剤でコーティングされたアポモルヒネを含むスフィアまたは中性スフィア上に連続的に載せられることができる。
【0070】
本発明のさらなる態様は、上記の本発明の方法のいずれか1つによって得られたかまたは得られ得るアポモルヒネの発泡性製剤である。
【0071】
本発明のさらなる態様は、医学における使用のためのアポモルヒネの発泡性製剤を提供する。
【0072】
本発明のさらなる態様は、本発明に係るアポモルヒネの発泡性製剤および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0073】
本発明のさらなる態様は、ヒトの男性または女性の性的機能不全を処置する方法であり、この方法は、本発明に係るアポモルヒネの発泡性製剤および/または本発明に係る方法によって得られたかもしくは得られ得るアポモルヒネの発泡性製剤を前記ヒトに投与することを含む。
【0074】
本発明のさらなる態様は、本発明に係るアポモルヒネの発泡性製剤および/または本発明に係る方法によって得られたかもしくは得られ得るアポモルヒネの発泡性製剤の、男性または女性の性的機能不全の処置のための医薬の製造における使用である。
【0075】
本発明の好ましい実施形態は、以下の方法中に記載される。
【0076】
方法1:酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む多層発泡性ミクロスフィアを調製するための方法であって、このミクロスフィアは水への溶解の際に、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導き、ここで、この酸性物質および塩基性物質はアポモルヒネを含むかまたはアポモルヒネからなり、この方法は空気流動床におけるロータリー造粒の方法を使用する。
【0077】
方法2.方法1に規定されるミクロスフィアを調製するための方法であって、粉末を噴霧するための装置および湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた空気流動床におけるロータリー造粒の方法を使用し、2つの連続工程、粉末Aを使用するミクロスフィアのスフィア化の第一工程および粉末Aのミクロスフィア上での粉末Bのスフィア化の第二工程を含み、この粉末Aおよび粉末Bのうち一方は酸性であり他方はアルカリ性である。
【0078】
方法3.方法2に従う方法であって、粉末Aはロータリー造粒タンク中に直接導入され、次いで水溶性隔離剤を含む湿潤液体を噴霧するが、粉末Bおよび水溶性隔離剤を含む湿潤液体を、粉末を噴霧するための装置および液体の接線方向の噴霧装置を介して、同時かつそれぞれに噴霧する。
【0079】
方法4.方法3に従う方法であって、得られたミクロスフィアは20μmと500μmとの間の平均粒子サイズを有する。
【0080】
方法5.方法1に記載されるミクロスフィアを調製するための方法であって、湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた空気流動床におけるロータリー造粒の方法を使用し、3つの連続工程、粉末Aを使用したミクロスフィアのスフィア化の第一工程、粉末Aのミクロスフィア上での水溶性隔離剤のスフィア化の第二工程、次いで水溶性隔離剤のフィルムで保護されたミクロスフィアA上での粉末Bのスフィア化の第三工程を含み、この粉末Aおよび粉末Bのうち一方は酸性であり他方はアルカリ性である。
【0081】
方法6.方法5に従う方法であって、粉末Aおよび水溶性隔離剤は、アルコール溶液または水性アルコール溶液を噴霧される。
【0082】
方法7.方法5に従う方法であって、粉末Bは水溶性隔離剤を含み、かつアルコール溶液または水性アルコール溶液を噴霧される。
【0083】
方法8.方法5に従う方法であって、粉末Bは、水溶性隔離剤を含む湿潤液体を噴霧される。
【0084】
方法9.方法5に従う方法であって、得られたミクロスフィアは、200μmと1000μmとの間の平均粒子サイズを有する。
【0085】
方法10.方法3に従う方法であって、水溶性隔離剤を含む湿潤液体は、アルコールもしくは水性アルコール混合物中に溶解されたポリビニルピロリドン、60体積%のエタノール中に4重量%で溶解されたポリビニルピロリドンである。
【0086】
方法11.方法2または5に従う方法であって、アルカリ性の粉末は、重炭酸ナトリウム、または炭酸水素リチウム、炭酸一ナトリウム、炭酸リチウムグリシン、炭酸一カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムから選択される、発泡性形態の調製において使用される別の炭酸塩、およびアポモルヒネを含む。
【0087】
方法12.方法2または5に従う方法であって、酸性の粉末は、クエン酸またはアスコルビン酸またはアセチルロイシンおよび/またはアポモルヒネを含む。
【0088】
方法13.方法1に従う方法であって、アルカリ性の粉末はまた、可食性希釈剤ならびに香味料および甘味料を含む。
【0089】
方法14.方法2または5に従う方法であって、得られたミクロスフィアは、5%〜75%のアルカリ性物質、10%〜75%の酸性物質、3%〜15%の水溶性隔離剤、5%〜50%の希釈剤ならびに1%〜30%の香味料および甘味料を含む。
【0090】
方法15.方法2または5に従う方法であって、粉末Aはアルカリ性の粉末であり、粉末Bは酸性の粉末である。
【0091】
方法16.方法2または5に従う方法であって、粉末Aは酸性の粉末であり、粉末Bはアルカリ性の粉末である。
【0092】
方法17.方法3または6に従う方法であって、湿潤液体は、直径1.2mmのノズルによって、10g/分と30g/分との間の平均流速で噴霧する。
【0093】
方法18.方法2または5に従う方法であって、流動床の空気入り口温度は、スフィア化工程の間55℃と65℃との間であり、スフィア化工程に伴う乾燥期の間75℃と85℃との間である。
【0094】
方法19.方法2または5に従う方法であって、得られたミクロスフィアの相対湿度は、ロータリー造粒タンク出口において1%と2%との間である。
【0095】
方法20.方法1に記載されるミクロスフィアを調製するための方法であって、湿潤液体の接線方向の噴霧装置と組み合わせた付着(マウンティング)技術を使用する。
【0096】
方法21.方法20に従う方法であって、粉末Aおよび粉末Bは、水溶性隔離剤でコーティングされたアポモルヒネを含むスフィアまたは中性スフィア上に連続的に載せられる。
【0097】
方法22.方法12に従う方法であって、酸性の粉末はまた、可食性希釈剤ならびに香味料および甘味料を含む。
【0098】
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することなく本発明を例示する。
【0099】
百分率は重量基準で示される。
【0100】
(実施例1)
アスコルビン酸(ビタミンC)を含む2層発泡性ミクロスフィア
酸性物質(ビタミンC)が堆積されるアルカリ性ミクロスフィアを調製する。
【0101】
以下の表は、使用される製剤の詳細を与える。
製剤 成分 百分率
粉末A
アルカリ性化合物 重炭酸ナトリウム 20%
希釈剤 ラクトース 6%
甘味料 Glucidex 6(登録商標) 6%
粉末B
酸性化合物 アスコルビン酸 48%
塩酸アポモルヒネ半水和物 2%
香味料 オレンジ香味料 1%
甘味料 サッカリンナトリウム 0.3%
Glucidex 6(登録商標) 6.35%
希釈剤 ラクトース 6.35%
【0102】
2回の連続するロータリー造粒の間に使用される湿潤液体は、60体積%のエタノール中に4%のPVPを含む水性アルコールPVP溶液である。
【0103】
この混合物を、1分当たり25グラムの平均流速で噴霧する。
【0104】
この製剤において、ラクトースが等しい部でGlucidex 60と合わされるが、ラクトースを単独で使用することが可能である。
【0105】
粉末製剤AおよびBを、場合に応じて、Glatt社の装置の使用により、1000g〜5000gの種々のサイズのバッチで調製する。
【0106】
得られた発泡性スフィアは、かなり均一な外観および200μmと500μmとの間の画分の主要粒子サイズを有する。相対湿度は、ロータリー造粒タンク出口で1.6%である。
【0107】
(実施例2)
アセチルロイシンを含む2層発泡性ミクロスフィア
実施例1と同じ条件下で、アルカリ性ミクロスフィアを調製し、その上に酸性物質(アセチルロイシン)を堆積させる。
【0108】
以下の表は、使用される製剤の詳細を与える。
製剤 成分 百分率
粉末A
アルカリ性化合物 重炭酸ナトリウム 20%
希釈剤 ラクトース 9.85%
粉末B
酸性化合物 アセチルロイシン 49%
塩酸アポモルヒネ半水和物 1%
香味料 オレンジ香味料 1%
甘味料 サッカリンナトリウム 0.3%
希釈剤 ラクトース 9.85%
【0109】
バッチの粒子サイズ分布は、これらの画分について25μm〜500μmが主である。
【0110】
相対湿度は、ロータリー造粒タンク出口で1.9%である。
【0111】
1000g〜10,000gの範囲のバッチのサイズに従って、ロータータンク取り付け[空隙]を有するGlatt社の装置GPCG1またはGPCG5。
【0112】
(実施例3)
アスコルビン酸(ビタミンC)を含む3層発泡性ミクロスフィア
PVPのフィルムによって酸性物質であるアスコルビン酸から隔離されたアルカリ性コアを含む3層発泡性ミクロスフィアを製造する。
【0113】
製剤 成分 百分率
粉末A
アルカリ性化合物 重炭酸ナトリウム 25%
結合剤 PVP K30 1.316%
希釈剤 ラクトース 7.950%
水溶性隔離剤 PVP K30 6.958%
粉末B
酸性化合物 アスコルビン酸 46%
塩酸アポモルヒネ半水和物 4%
香味料 オレンジ香味料 1%
甘味料 サッカリンナトリウム 0.2%
クエン酸 1%
希釈剤 ラクトース 6.950%
【0114】
この試験を、ロータータンクを取付けたGlatt社のGPCG1型の装置において実施する。
【0115】
3つの工程の間に合計1460gの60体積%のエタノールを、1分当たり15グラムの平均流速で噴霧する。
【0116】
最終バッチサイズは1000gである。
【0117】
200μmと1000μmとの間の粒子の画分に対応する作業収率は、65%である。相対湿度はタンク出口で1.5%である。
【0118】
(実施例4)
アポモルヒネを含む発泡性錠剤の調製
2mgのアポモルヒネ塩酸塩(すなわち、塩酸アポモルヒネ)を含む発泡性錠剤を、薬物溶解または錠剤の崩壊および/または溶解のための時間が10分未満であるように調製した。
【0119】
実験室規模の製造方法において、アポモルヒネを、Glatt GPCGIを用いて上記のように調製した発泡性ミクロスフィアと混合した。次いで、この混合物に希釈剤(マンニトール)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク)、香味料を添加し、アイソレータ下で単一パンチ代替プレス(single punch alternative press)で錠剤化した。
【0120】
産業的規模の方法において、アポモルヒネは、粉末デバイスによって直接Glattにおいて、発泡性ミクロスフィア上に直接導入される。乾燥後、これらのスフィアを他の賦形剤と混合して錠剤化する。
【0121】
発泡性ミクロスフィアを産生するために必要とされるアポモルヒネと賦形剤との間の適合性を試験した。これを、2×2で全ての賦形剤をアポモルヒネと混合し、サンプルを室温または30℃および40℃で店舗に配置し、1ヶ月目および3ヶ月目に様相、着色、アポモルヒネの力価および任意の分解産物を見ることによって行った。さらに、同時に、正規でない製剤の安定性を4ヶ月間の期間にわたって味および溶解時間/崩壊時間および検出されたいずれかの変化について追跡した。
【0122】
これらの製剤は、アポモルヒネ含量の改変も分解産物の出現もなしに、40℃でいくらかの僅かな着色があることを除いて、アポモルヒネ含量について良好な安定性ならびに25℃および40℃での溶解速度を示す。
【0123】
以下の表は、錠剤(溶解時間を増大させるためにマンニトールを使用する)の組成および3ヶ月目での安定性研究の結果を示す。












【0124】
(実施例5)
アポモルヒネを用いた心因性勃起機能不全の処置。
心因性勃起機能不全の症状を呈する男性患者を、錠剤とした実施例1に従う発泡性製剤で処置する。
【0125】
この患者に、100mg錠剤の形態で、2mgのアポモルヒネを含む発泡性製剤を供給する。使用されるアポモルヒネの量は、状態の重篤度およびアポモルヒネに対する患者の耐性に依存する。
【0126】
この患者は、錠剤を舌の上に配置する。錠剤は発泡し、患者にアポモルヒネを送達する。
【0127】
(実施例6)
アポモルヒネを用いた女性の性的機能不全の処置。
性的機能不全の症状を呈する女性の患者を、錠剤へと作製された実施例2に従う発泡性製剤で処置する。
【0128】
この患者に、300mgの錠剤の形態で、3mgのアポモルヒネを含む発泡性製剤を供給する。この患者は口中にこの錠剤を配置する。錠剤は発泡し、患者にアポモルヒネを送達する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アポモルヒネを含有する発泡性製剤。
【請求項2】
多層発泡性ミクロスフィアを含む、請求項1に記載の発泡性製剤。
【請求項3】
多層発泡性ミクロスフィアが、酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む、請求項2に記載の発泡性製剤。
【請求項4】
多層発泡性ミクロスフィアの水への溶解が、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導く、請求項3に記載の発泡性製剤。
【請求項5】
水溶性隔離剤が、各ミクロスフィアのバルク全体に分散されており、該ミクロスフィアは、水溶性隔離剤が分散された酸性物質の層と、水溶性隔離剤が分散されたアルカリ性物質の層の2層構造を有する、請求項4に記載の発泡性製剤。
【請求項6】
水溶性隔離剤が、酸性物質とアルカリ性物質とを分離する薄膜の形態であり、その結果、各ミクロスフィアが、水溶性隔離剤の層によって分離された酸性物質の層とアルカリ性物質の層の3層構造を有する、請求項4に記載の発泡性製剤。
【請求項7】
アポモルヒネが、0.5mgから50mgの単位投与量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項8】
アポモルヒネが、2mgから3mgの単位投与量で存在する、請求項7に記載の発泡性製剤。
【請求項9】
製剤が錠剤形態で与えられる、請求項1から8のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項10】
製剤が粉末形態で与えられる、請求項1から8に記載の発泡性製剤。
【請求項11】
アポモルヒネがミクロスフィア内に存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項12】
アポモルヒネがミクロスフィア内に存在しない、請求項1から11のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項13】
請求項16から25のいずれか一項に記載の方法によって得られたかまたは得られ得る、請求項1から12のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項14】
医薬における使用のための、請求項1から13のいずれか一項に記載の発泡性製剤。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の発泡性製剤と薬学的に許容される担体を含有する、医薬組成物。
【請求項16】
アポモルヒネを含む発泡性製剤を作製するための方法。
【請求項17】
発泡性製剤が、酸性物質、塩基性物質および水溶性隔離剤を含む多層発泡性ミクロスフィアを含み、水への溶解の際に、ほぼ即時に発泡した後、アポモルヒネの溶液または均質な分散物を導く、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
酸性物質および/または塩基性物質がアポモルヒネを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アポモルヒネがミクロスフィア中に存在しない、請求項16または請求項17に記載の方法。
【請求項20】
空気流動床でのロータリー造粒法を使用する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
塩基性物質が、可食性希釈剤および/または香味料および/または甘味料もまた含む、請求項17から20に記載の方法。
【請求項22】
アポモルヒネが、最終単位投薬形態中に0.5mgから50mgを与える量で存在する、請求項17から21に記載の方法。
【請求項23】
アポモルヒネが、最終単位投薬形態中に2mgから3mgを与える量で存在する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ミクロスフィアを錠剤へと調製することをさらに含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
アポモルヒネが錠剤中のミクロスフィア上またはミクロスフィア間に存在する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
請求項16から25のいずれか一項に記載の方法によって得られたかまたは得られ得る、アポモルヒネの発泡性製剤。
【請求項27】
ヒトの男性または女性の性的機能不全を処置する方法において、請求項1から13のいずれか一項に記載のアポモルヒネの発泡性製剤、および/または請求項16から26のいずれか一項に記載の方法によって得られたかもしくは得られ得るアポモルヒネの発泡性製剤、および/または請求項15に記載の医薬組成物を前記ヒトに投与することを含む方法。
【請求項28】
請求項1から13のいずれか一項に記載のアポモルヒネの発泡性製剤、および/または請求項16から26のいずれか一項に記載の方法によって得られたかもしくは得られ得るアポモルヒネの発泡性製剤、および/または請求項15に記載の医薬組成物の、男性または女性の性的機能不全の処置のための医薬の製造における使用。

【公表番号】特表2006−508060(P2006−508060A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537333(P2004−537333)
【出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004141
【国際公開番号】WO2004/026309
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(505103976)アーダナ バイオサイエンス リミテッド (11)
【Fターム(参考)】