説明

アミドエステル内部電子および方法

アミドエステル内部電子供与体を含むプロ触媒組成物の製造方法を開示する。この方法は、プロ触媒前駆体を、アミドエステルとの反応前に前ハロゲン化するステップと、プロ触媒組成物を形成するステップとを含む。本プロ触媒組成物を含むチーグラーナッタ触媒組成物では、触媒活性および/または触媒選択性が改善され、広い分子量分布をもつプロピレン系オレフィンが製造される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アミドエステル内部電子供与体を含むプロ触媒(procatalyst)組成物、それを含む触媒組成物、およびそれから製造されるポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
オレフィン系ポリマーに対する需要は、これらのポリマーの用途が多様化および精巧化するにつれて世界的に増加し続ける。例えば、広い分子量分布(MWD)をもつオレフィン系ポリマーは、熱成形;パイプ成形、発泡成形、ブロー成形;およびフィルムにますます適用される。広いMWDをもつオレフィン系ポリマー、特にプロピレン系ポリマーの製造では、チーグラーナッタ触媒組成物が公知である。チーグラーナッタ触媒組成物は、典型的には塩化マグネシウムやシリカなどの金属または半金属化合物に担持した遷移金属ハロゲン化物(すなわち、チタン、クロム、バナジウム)から構成されるプロ触媒を含有するものであり、このプロ触媒は、有機アルミニウム化合物などの助触媒と複合体を形成している。しかし、チーグラーナッタ触媒によって製造される広いMWDをもつオレフィン系ポリマーの製造は、典型的には、厳密なプロセス制御を要する単一反応器プロセス(single reactor process)および/または複数の反応器を要する直列反応器プロセス(series reactor process)に限定される。
【0003】
オレフィン系ポリマーの新たな用途が絶えることなく出現することを考慮すれば、当技術分野では、オレフィン系ポリマーの特性の改善および変更の必要性が認められる。プロセスの制約が少なく、かつ少ない機器で、広い分子量分布(MWD)をもつオレフィン系ポリマー、特にプロピレン系ポリマーを製造するチーグラーナッタ触媒組成物が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、アミドエステル内部電子供与体、ならびにプロ触媒組成物および触媒組成物におけるその使用を対象にする。アミドエステル内部電子供与体を含む触媒組成物は、オレフィン重合方法に適用される。本発明のアミドエステル含有触媒組成物は高触媒活性、高触媒選択性を有し、高いアイソタクチシティおよび広い分子量分布をもつプロピレン系オレフィンを製造する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態において、1つの方法を提供し、この方法は、プロ触媒前駆体をハロゲン化剤で前ハロゲン化するステップと、反応混合物中のハロゲン化プロ触媒前駆体にアミドエステルを添加するステップとを含む。この方法は、マグネシウム部分と、チタン部分と、アミドエステルを含む内部電子供与体とを含有するプロ触媒組成物を形成するステップをさらに含む。
【0006】
1つの実施形態において、プロ触媒組成物を提供するが、このプロ触媒組成物は、マグネシウム部分とチタン部分と混合内部電子供与体との組合せを含有する。混合内部電子供与体はアミドエステルおよび電子供与体成分を含む。電子供与体成分はベンゾエートとすることができる。
【0007】
1つの実施形態において、触媒組成物を提供するが、この触媒組成物は、プロ触媒組成物と助触媒を含有する。プロ触媒組成物は、マグネシウム部分とチタン部分と混合内部電子供与体との組合せを含有する。混合内部電子供与体はアミドエステルおよび電子供与体成分を含む。電子供与体成分はベンゾエートとすることができる。
【0008】
1つの実施形態において、オレフィン系ポリマーの製造方法を提供する。この方法は、オレフィンを重合条件下で触媒組成物と接触させるステップを含む。触媒組成物は混合内部電子供与体を含む。混合内部電子供与体はアミドエステルおよび電子供与体成分を含む。この方法は、オレフィン系ポリマーを形成するステップをさらに含む。
【0009】
本開示の利点は、改善されたプロ触媒組成物の製造方法の提供である。
【0010】
本開示の利点は、改善されたプロ触媒組成物の提供である。
【0011】
本開示の利点は、オレフィン系ポリマー重合用の改善された触媒組成物の提供である。
【0012】
本開示の利点は、触媒活性および/または触媒選択性が改善されたアミドエステル含有触媒組成物である。
【0013】
本開示の利点は、フタレートを含まない触媒組成物およびそれから製造される、フタレートを含まないオレフィン系ポリマーの提供である。
【0014】
本開示の利点は、広い分子量分布および/または高いアイソタクチシティをもつプロピレン系ポリマーを製造する触媒組成物である。
【0015】
本開示の利点は、広い分子量分布をもつプロピレン系ポリマーを単一反応器中で製造する触媒組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、触媒活性および/または触媒選択性を改善する方法を提供する。この方法は、アミドエステル内部電子供与体との反応より前に、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を少なくとも部分反応させるステップを含む。プロ触媒が生成する間のこの逐次反応手順によって、プロ触媒組成物の触媒活性/選択性が向上する。
【0017】
1つの実施形態において、1つの方法を提供し、この方法は、プロ触媒前駆体をハロゲン化剤で前ハロゲン化するステップを含む。この方法はまた、反応混合物中のハロゲン化プロ触媒にアミドエステルを添加するステップと、マグネシウム部分と、チタン部分と、アミドエステルを含む内部電子供与体とを含有するプロ触媒組成物を形成するステップも含む。
【0018】
プロ触媒前駆体は、マグネシウム部分化合物(MagMo)、マグネシウム混合金属化合物(MagMix)、またはベンゾエート含有塩化マグネシウム化合物(BenMag)とすることができる。1つの実施形態において、プロ触媒前駆体は、マグネシウム部分(「MagMo」)前駆体である。「MagMo前駆体」は、マグネシウムを単独の金属成分として含む。MagMo前駆体は、マグネシウム部分を含む。好適なマグネシウム部分の例としては、無水塩化マグネシウムおよび/もしくはそのアルコール付加物、マグネシウムアルコキシドもしくはアリールオキシド、混合マグネシウムアルコキシハライド、ならびに/または炭酸化マグネシウムジアルコキシド(carbonated magnesium dialkoxide)もしくはアリールオキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、MagMo前駆体は、マグネシウムジ(C1〜4)アルコキシドである。別の実施形態において、MagMo前駆体は、ジエトキシマグネシウムである。
【0019】
MagMixは、マグネシウムおよび少なくとも1つの他の金属原子を含む。他の金属原子は、典型金属または遷移金属、もしくはIIIB〜VIIIB族元素の遷移金属とすることができる。1つの実施形態において、遷移金属は、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Y、Zr、Nb、およびHfから選択される。別の実施形態において、MagMix前駆体は、混合マグネシウム/チタン化合物(「MagTi」)である。「MagTi前駆体」は、式MgTi(ORを有し、式中、Rは、1から14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基またはCOR’であり、ここでR’は、1から14個の炭素原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭化水素基である;OR基はそれぞれ、同じであるか異なり;Xは独立に、塩素、臭素、またはヨウ素、好ましくは塩素であり;dは0.5から56、または2から4であり;fは2から116、または5から15であり;gは0.5から116、または1から3である。
【0020】
1つの実施形態において、プロ触媒前駆体は、ベンゾエート含有塩化マグネシウム材料である。本明細書で使用する場合、「ベンゾエート含有塩化マグネシウム」(「BenMag」)は、ベンゾエート内部電子供与体を含む塩化マグネシウムプロ触媒(すなわち、ハロゲン化プロ触媒前駆体)である。BenMag材料は、チタンハライドなどのチタン部分も含むことができる。ベンゾエート内部供与体は不安定であり、プロ触媒合成中に他の電子供与体と置換することができる。好適なベンゾエート基の例としては、安息香酸エチル、安息香酸メチル、p−メトキシ安息香酸エチル、p−エトキシ安息香酸メチル、p−エトキシ安息香酸エチル、p−クロロ安息香酸エチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。一実施形態において、ベンゾエート基は安息香酸エチルである。好適なBenMagプロ触媒前駆体の例としては、The Dow Chemical Company(Midland, Michigan)から入手可能な商標名SHAC(商標)103およびSHAC(商標)310の触媒が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
1つの実施形態において、BenMagプロ触媒前駆体は、構造(IV)のベンゾエート化合物:
【0022】
【化1】

の存在下における、任意のプロ触媒前駆体(すなわち、MagMo前駆体またはMagMix前駆体)のハロゲン化生成物であり、構造中、R〜Rはそれぞれ、水素;F、Cl、Br、I、O、S、N、P、およびSiなどのヘテロ原子を含むことができるC〜C20ヒドロカルビル基から選択される。R’は、F、Cl、Br、I、O、S、N、P、およびSiなどのヘテロ原子(単数または複数)を場合によっては含んでもよいC〜C20ヒドロカルビル基である。1つの実施形態において、R〜Rはそれぞれ、水素およびC〜C20アルキル基から選択され、R’は、C〜C20アルキル基およびC〜C20アルコキシアルキル基から選択される。
【0023】
生成したプロ触媒前駆体を使用して、プロ触媒組成物を製造する。本方法は、プロ触媒前駆体をハロゲン化剤で前ハロゲン化するステップを含む。本方法は、反応混合物中のハロゲン化プロ触媒前駆体にアミドエステルを添加して、プロ触媒組成物を形成するステップをさらに含む。本明細書で使用する場合、「前ハロゲン化する」または「前ハロゲン化」という用語は、アミドエステルとの反応前に行われるプロ触媒前駆体のハロゲン化である。言い換えれば、前ハロゲン化は、ハロゲン化プロ触媒前駆体とアミドエステルとの反応を必要とし、プロ触媒前駆体は、アミドエステルとの反応前にハロゲン化されているものである。本明細書で使用する場合、「ハロゲン化剤」は、プロ触媒前駆体のアルコキシ部分をハロゲン化物の形に変換する化合物である。本明細書で使用する場合、「チタン化剤(titanating agent)」は、触媒活性を示すチタン種を提供する化合物である。ハロゲン化およびチタン化によって、プロ触媒前駆体中に存在するマグネシウム部分がマグネシウムハライド担体に変換され、そこにチタン部分(チタンハライドなど)が被着する。前ハロゲン化されたプロ触媒前駆体は、アルコキシ含有量が、ハロゲン化プロ触媒組成物の全重量に対して0重量%から2.0重量%未満または0.1重量%から1.0重量%未満である。
【0024】
1つの実施形態において、ハロゲン化剤は、式Ti(ORを有するチタンハロゲン化物であり、式中、RおよびXは上記の通り定義され、fは0から3の整数であり、hは1から4の整数であり、f+hは4である。このように、チタンハロゲン化物は、ハロゲン化剤であり、同時にチタン化剤である。別の実施形態において、チタンハロゲン化物はTiClであり、ハロゲン化は、TiClを用いてプロ触媒前駆体を塩素化することで行われる。塩素化(およびチタン化)は、炭化水素またはハロ炭化水素液体の存在下または非存在下に実施することができる。
【0025】
1つの実施形態において、塩素化を炭化水素および/またはハロ炭化水素の存在下に実施する。プロ触媒の製造において使用される炭化水素またはハロ炭化水素は、12個を含めて12個までの炭素原子または9個を含めて9個までの炭素原子を有するハロ炭化水素とすることができ、少なくとも1個のハロゲン原子を含み、脂肪族ハロ炭化水素の場合は少なくとも2個のハロゲン原子を含む。好適な炭化水素の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、デカヒドロナフタレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
好適な脂肪族ハロ炭化水素の例としては、塩化メチレン、臭化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロシクロヘキサン、ジクロロフルオロメタン、およびテトラクロロオクタンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本開示において好適に使用される芳香族ハロ炭化水素としては、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、およびクロロトルエンが挙げられる。脂肪族ハロ炭化水素のうち、四塩化炭素および1,1,2−トリクロロエタンが好ましい。芳香族ハロ炭化水素のクロロベンゼンおよびクロロトルエンが特に好ましい。もう1つの実施形態において、TiClなどのハロゲン化剤40容量%〜60容量%から構成される、ハロゲン化剤と塩素化芳香族液体の混合物を使用して、ハロゲン化およびチタン化を実施する。
【0027】
プロ触媒組成物は、(1)前ハロゲン化と、その後に続くアミドエステル内部供与体の存在下におけるさらなるハロゲン化/チタン化;または(2)アミドエステル内部供与体の存在下における前ハロゲン化された前駆体のハロゲン化/チタン化により作製することができる。1つの実施形態において、プロ触媒前駆体組成物を、反応混合物中、ハロゲン化剤で前ハロゲン化する。反応混合物を、前ハロゲン化中に約30℃から約150℃、または約90℃から約130℃、または約115℃の温度に加熱する。前ハロゲン化の継続時間は、約1分から約5時間、または約2分から約30分間、または約3分から約15分間である。アミドエステルを反応混合物に添加する前に、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤を明示された時間、反応させると、ハロゲン化プロ触媒前駆体が生成する。
【0028】
その後、反応混合物中のハロゲン化プロ触媒前駆体に、アミドエステルを添加する。プロ触媒前駆体のハロゲン化は、アミドエステルの存在下で続行される。反応混合物を、約70℃から約130℃、または約115℃の温度に約1分から約4時間加熱する。アミドエステルは内部電子供与体である。本明細書で使用する場合、「内部電子供与体」は、プロ触媒組成物の形成中に添加されたまたはその他の方法で生成した化合物であり、得られたプロ触媒組成物中に存在する1つまたは複数の金属に少なくとも1組の電子対を供与するものである。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、ハロゲン化およびチタン化の間に、内部電子供与体は、(1)活性部位の形成を調節し、(2)マグネシウム系担体上のチタンの位置を調節し、それによって触媒の立体選択性を改善し、(3)マグネシウム部分およびチタン部分それぞれの、ハロゲン化物への変換を促進し、(4)変換中に、マグネシウムハロゲン化物担体の結晶子のサイズを調節すると考えられる。したがって、内部電子供与体の供給により、立体選択性が改善されたプロ触媒組成物が得られる。
【0029】
1つの実施形態において、アミドエステルは、構造(I):
【0030】
【化2】

を有し、構造中、R〜Rは同じであるか異なる。R〜Rはそれぞれ、水素、ハロゲン、および1〜20個の原子を有する置換/非置換ヒドロカルビル基から選択される。ArとArは同じであるか異なる。ArとArはそれぞれ、6〜20個の原子を有する置換/非置換アリール基および7〜20個の炭素原子を有する置換/非置換アリールアルキル基から選択される。
【0031】
〜Rのうち2つ以上が結合して、単環式または多環式構造を形成してもよい。Arおよび/またはArは、単環芳香族または多環芳香族構造とすることができる。Arおよび/またはArは、直鎖状、分枝状、非環式、または環式の置換基を含むこともできる。Arおよび/またはArの例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、およびフェナントレニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ヒドロカルビル」または「炭化水素」という用語は、分枝もしくは非分枝状、飽和または不飽和、環式、多環式、縮合式、または非環式の種、およびそれらの組合せを含めて、水素原子と炭素原子しか含まない置換基である。ヒドロカルビル基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基、シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基、アリール基、アラルキル、アルキルアリール基、およびアルキニル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
本明細書で使用される場合、「置換ヒドロカルビル」または「置換炭化水素」という用語は、1つまたは複数の非ヒドロカルビル置換基で置換されているヒドロカルビル基である。非ヒドロカルビル置換基の例は、ヘテロ原子であるが、これに限定されるものではない。本明細書で使用される場合、「ヘテロ原子」は、炭素または水素を除く原子である。ヘテロ原子は、周期表のIV族、V族、VI族、VII族の非炭素原子とすることができる。ヘテロ原子の例としては、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、N、O、P、B、S、およびSiが挙げられるが、これらに限定されるものではない。置換ヒドロカルビル基には、ハロヒドロカルビル基およびケイ素を含むヒドロカルビル基も包含される。本明細書で使用される場合、「ハロヒドロカルビル」基という用語は、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されているヒドロカルビル基である。
【0034】
1つの実施形態において、アミドエステルは、 に出願された米国仮特許出願第 号(代理人整理番号69077)に開示されたハロゲン化アミドエステルであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれたものとする。1つの実施形態において、ArとArはそれぞれ、ハロゲン化されている。
【0035】
1つの実施形態において、アミドエステルは、 に出願された米国仮特許出願第 号(代理人整理番号69076)に開示された置換アミドエステルであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれたものとする。
【0036】
1つの実施形態において、アミドエステルは、構造(II):
【0037】
【化3】

を有し、構造中、R〜R、R11〜R13、およびR21〜R23は同じであるか異なる。R〜R、R11〜R13、およびR21〜R23はそれぞれ、水素、ハロゲン、および1〜20個の原子を有する置換/非置換ヒドロカルビル基から選択される。
【0038】
この方法は、マグネシウム部分、チタン部分、およびアミドエステル(内部電子供与体)から構成されるプロ触媒組成物を形成するステップを含む。言い換えれば、この方法によって、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤とアミドエステルとの反応生成物が製造される。この方法によって、活性および/または選択性が改善されたプロ触媒組成物が製造される。本出願人らは、驚くべきことに、アミドエステル供与体が反応混合物に添加されると、予想外なことにプロ触媒前駆体の前ハロゲン化(すなわち、前塩素化)によって、アミドエステルの分解が低減されることを発見した。驚くべきことに、本方法によって、活性および/または選択性が改善されたプロ触媒/触媒組成物が製造される。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、前ハロゲン化によって、予想外なことに、ハロゲン化の間にアミドエステルの分解が低減または防止され、アミドエステルの構造が保存されると考えられる。
【0039】
1つの実施形態において、方法は、MagTi前駆体をハロゲン化剤で前ハロゲン化するステップと、その後にハロゲン化MagTi中間体とアミドエステルを反応混合物中で反応させて、プロ触媒組成物を形成するステップとを含む。プロ触媒組成物は、マグネシウム部分と、チタン部分と、内部電子供与体(アミドエステル)とを含有する。
【0040】
1つの実施形態において、方法は、アミドエステルとBenMag前駆体を、四塩化チタンの存在下に反応混合物中で反応させて、プロ触媒組成物を形成するステップを含む。プロ触媒組成物は、マグネシウム部分と、チタン部分と、内部電子供与体、すなわちアミドエステルとBenMag前駆体と四塩化チタンの反応生成物とを含有する。BenMag前駆体は、前ハロゲン化されたプロ触媒前駆体である。言い換えれば、アミドエステルとの反応または接触より前に、BenMag前駆体の合成中にアルコキシド部分をハロゲン化し、ハロゲン化物の形に変換する。このように、BenMag前駆体は前ハロゲン化されたプロ触媒前駆体であり、前ハロゲン化された後に反応混合物に添加される。1つの実施形態において、BenMag前駆体は、アルコキシド含有量が、BenMag前駆体の全重量に対して約0重量%から0.5重量%未満または約0.1重量%から約0.3重量%である。
【0041】
1つの実施形態において、電子供与体成分を反応混合物に添加する。「電子供与体成分」とは、得られたプロ触媒組成物中に存在する1つまたは複数の金属に1組の電子対を供与する、アミドエステル以外の組成物である。電子供与体成分を、(場合によっては前ハロゲン化された)プロ触媒前駆体、アミドエステル、および場合によってはハロゲン化剤と反応させる。こうして、マグネシウム部分、チタン部分、アミドエステル、および電子供与体成分から構成されるプロ触媒組成物(すなわち、プロ触媒前駆体とハロゲン化剤とアミドエステルと電子供与体成分との反応生成物)が生成する。1つの実施形態において、電子供与体成分は構造(IV)のベンゾエートである。好適な電子供与体成分の例は、安息香酸エチル(EB)および/または安息香酸メトキシプロパン−2−イル(MPB)などのベンゾエートが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
電子供与体成分は、(i)アミドエステルの添加より前に、または(ii)アミドエステルの添加と同時(もしくは実質的に同時)に反応混合物に導入される。1つの実施形態において、電子供与体成分を反応混合物に導入した後、アミドエステルを反応混合物に添加する。電子供与体成分を、ハロゲン化剤より前にまたはハロゲン化剤と一緒に反応混合物に添加してもよい。ベンゾエートは、アミドエステル内部電子供与体の分解生成物である。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、添加されたベンゾエートが、アミドエステルより前にまたはアミドエステルと同時に反応混合物中に存在すると、反応平衡が有利にシフトして、アミドエステルの分解を防ぐと考えられる。このように、電子供与体成分は、アミドエステル分解の問題を軽減し、得られたプロ触媒組成物中でアミドエステルが維持されるのを助成する。
【0043】
方法は、本明細書に開示される実施形態を2つ以上含んでもよい。
【0044】
本開示は、プロ触媒組成物を提供する。1つの実施形態において、プロ触媒組成物を提供するが、このプロ触媒組成物は、マグネシウム部分とチタン部分と混合内部電子供与体との組合せを含有する。本明細書で使用される場合、「混合内部電子供与体」は、(i)アミドエステル、(ii)電子供与体成分、および(iii)場合によっては他の成分である。言い換えれば、プロ触媒組成物は、プロ触媒前駆体と任意選択によるハロゲン化剤とアミドエステルと電子供与体成分との反応生成物である。混合内部電子供与体を含むプロ触媒組成物は、すでに開示されたプロ触媒製造手順によって製造することができる。
【0045】
内部電子供与体はアミドエステルおよび電子供与体成分を含む。アミドエステルは、本明細書ですでに開示された構造(I)または構造(II)の任意のアミドエステルとすることができる。電子供与体成分は、本明細書ですでに開示された構造(IV)の任意のベンゾエートとすることができる。
【0046】
1つの実施形態において、電子供与体成分は、安息香酸エチルおよび/または安息香酸メトキシプロパン−2−イルなどのベンゾエートである。
【0047】
プロ触媒組成物は、チタン含有量が、固形分全重量に対して約1.0重量%から約6.0重量%、または約1.5重量%から約5.5重量%、または約2.0重量%から約5.0重量%である。固体のプロ触媒組成物中のチタンとマグネシウムの重量比は、好適には約1:3〜約1:160、または約1:4〜約1:50、または約1:6〜1:30である。アミドエステルは、約0.1重量%から約20.0重量%、または約1.0重量%から約15重量%の量で存在する。アミドエステルは、プロ触媒組成物中に、内部電子供与体とマグネシウムのモル比を約0.005:1から約1:1または約0.01:1から約0.4:1として存在することができる。重量%は、プロ触媒組成物の全重量に対するものである。
【0048】
1つの実施形態において、プロ触媒組成物は、ベンゾエートなどの電子供与体成分を約0.5重量%から約10重量%含む。
【0049】
プロ触媒組成物中のアルコキシド含有量、例えばエトキシド含有量は、前駆体の金属エトキシドから金属ハロゲン化物への変換が完全であることを示唆するものである。アミドエステルおよび電子供与体成分は、ハロゲン化の間にエトキシドからハロゲン化物への変換を助ける。1つの実施形態において、プロ触媒組成物は、エトキシドを約0.01重量%から約1.0重量%または約0.05重量%から約0.5重量%含む。重量%は、プロ触媒組成物の全重量に対するものである。
【0050】
1つの実施形態において、プロ触媒組成物は、フタレートを含まない。
【0051】
本プロ触媒組成物は、本明細書に開示される実施形態を2つ以上含んでもよい。
【0052】
1つの実施形態において、触媒組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「触媒組成物」は、重合条件下でオレフィンと接触させると、オレフィン系ポリマーを形成する組成物である。触媒組成物は、プロ触媒組成物および助触媒を含有する。プロ触媒組成物は、本明細書ですでに開示された電子供与体成分を含有しまたは含有せず、構造(I)または構造(II)のアミドエステル内部供与体を含有する前述のプロ触媒組成物のいずれでもよい。触媒組成物は、外部電子供与体および/または活性抑制剤(activity limiting agent)を場合によっては含有してもよい。
【0053】
触媒組成物は助触媒を含有する。本明細書で使用される場合、「助触媒」は、プロ触媒を活性な重合触媒に変換することができる物質である。助触媒としては、アルミニウム、リチウム、亜鉛、スズ、カドミウム、ベリリウム、マグネシウムの水素化物、アルキル化合物、またはアリール化合物、およびそれらの組合せを挙げることができる。1つの実施形態において、助触媒は、式RAlX3−nで表わされるヒドロカルビルアルミニウム化合物であり、式中、n=1、2、または3、Rはアルキルであり、Xはハロゲン化物またはアルコキシドである。好適な助触媒の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、およびトリ−n−ヘキシルアルミニウムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
1つの実施形態において、助触媒はトリエチルアルミニウムである。アルミニウムとチタンのモル比は、約5:1から約500:1、または約10:1から約200:1、または約15:1から約150:1、または約20:1から約100:1、または約30:1から約60:1である。別の実施形態において、アルミニウムとチタンのモル比は約35:1である。
【0055】
1つの実施形態において、本触媒組成物は、外部電子供与体を含有する。本明細書で使用される場合、「外部電子供与体」(または「EED」)は、プロ触媒生成に関係なく添加された化合物であり、1組の電子対を金属原子に供与することができる官能基を少なくとも1つ含む。「混合外部電子供与体」(または「MEED」)は、2つ以上の外部電子供与体の混合物である。いかなる特定の理論にも拘泥するものではないが、触媒組成物に1つまたは複数の外部電子供与体を供給すると、形成されたポリマーの以下の特性が得られると考えられる:タクチシチーのレベル(すなわち、キシレン可溶性材料)、分子量(すなわち、メルトフロー)、分子量分布(MWD)、融点、および/またはオリゴマーのレベル。
【0056】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、以下の1つまたは複数から選択することができる:ケイ素化合物、二座配位化合物、アミン、エーテル、カルボキシレート、ケトン、アミド、カルバメート、ホスフィン、ホスフェート、ホスファイト、スルホネート、スルホン、スルホキシド、および前述の任意の組合せ。
【0057】
1つの実施形態において、EEDは、一般式(III)のケイ素化合物:
SiR(OR’)4−m(III)
であり、式中、Rは出現ごとに独立して、水素、あるいは14族、15族、16族、もしくは17族のヘテロ原子を1つもしくは複数含む1つもしくは複数の置換基で場合によっては置換されているヒドロカルビル基またはアミノ基である。Rは、水素とハロゲンを含まない20個までの原子を含む。R’はC1〜20アルキル基であり、mは0、1、または2である。1つの実施形態において、Rは、C6〜12アリール、アルキルアリールもしくはアラルキル、C3〜12シクロアルキル、C1〜20直鎖状アルキルもしくはアルケニル、C3〜12分枝状アルキル、またはC2〜12環式アミノ基であり、R’は1〜4アルキルであり、mは1または2である。
【0058】
EEDに好適なケイ素化合物の例としては、ジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)、ジイソプロピルジメトキシシラン、ビス(ペルヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、メチルシクロヘキシルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ビス(トリメチルシリルメチル)ジメトキシシラン、およびそれらの任意の組合せなど、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、およびテトラアルコキシシランが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
1つの実施形態において、EEDは二座配位化合物である。「二座配位化合物」は、C〜C10炭化水素鎖で隔てられた酸素含有官能基を少なくとも2個含む分子または化合物であり、酸素含有官能基は同じかまたは異なり、少なくとも1つの酸素含有官能基は、エーテル基またはカルボキシレート基であり、二座配位組成物は、フタレートを含まない。二座配位組成物に好適な酸素含有官能基の例としては、カルボキシレート、カルボネート、ケトン、エーテル、カルバメート、アミド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、ホスファイト、ホスフィネート、ホスフェート、ホスホネート、およびホスフィンオキシドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。C〜C10鎖中の1個または複数の炭素原子は、14族、15族、および16族のヘテロ原子で置換されていてもよい。C〜C10鎖中の1個または複数のH原子は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アラルキル、ハロゲン、または14族、15族、もしくは16族ヘテロ原子を含む官能基で置換されていてもよい。好適な二座配位化合物の例としては、ジエーテル、スクシネート、ジアルコキシベンゼン、アルコキシエステル、および/またはジオールエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
1つの実施形態において、二座配位化合物は、3,3−ビス(メトキシメチル)−2,5−ジメチルヘキサン、4,4−ビス(メトキシメチル)−2,6−ジメチルヘプタン、および9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンなどのジエーテルである。
【0061】
1つの実施形態において、二座配位化合物は、2,4−ペンタンジオールジ(ベンゾエート)、2,4−ペンタンジオールジ(2−メチルベンゾエート)、2,4−ペンタンジオールジ(4−n−ブチルベンゾエート)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、および/または2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジベンゾエートなどのジオールエステルである。
【0062】
1つの実施形態において、カルボキシレートは、安息香酸エチルや4−エトキシ安息香酸エチルなどのベンゾエートである。
【0063】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、および/または亜リン酸トリ−n−プロピルなどのホスファイトである。
【0064】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、1−メトキシビシルコ[2.2.1]−ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシ−2−メチルプロパン酸メチル、および/または3−メトキシ−2−メチルプロパン酸エチルなどのアルコキシエステルである。
【0065】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジエチル、2,3−ジイソプロピルコハク酸ジ−n−ブチル、および/または2,3−ジイソブチルコハク酸ジエチルなどのスクシネートである。
【0066】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、1,2−ジエトキシベンゼン、1,2−ジ−n−ブトキシベンゼン、および/または1−エトキシ−2−n−ペントキシベンゼンなどのジアルコキシベンゼンである。
【0067】
1つの実施形態において、外部電子供与体は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのアミンである。
【0068】
さらに、EEDは、前述のEED化合物のうち任意の2つ以上を含むことができるMEEDであってもよいことが理解されよう。
【0069】
1つの実施形態において、触媒組成物は、活性抑制剤(ALA)を含有する。本明細書で使用される場合、「活性抑制剤」(「ALA」)は、高温(すなわち、約85℃より高い温度)における触媒活性を低減する材料である。ALAは、重合反応器の不調を抑制またはその他の方法で防止し、重合方法の連続性を確実にする。典型的には、チーグラーナッタ触媒の活性は、反応器の温度が上昇するにつれて増大する。チーグラーナッタ触媒はまた、典型的には、製造されるポリマーの軟化点温度付近で高い活性を維持する。発熱重合反応によって発生した熱によって、ポリマー粒子が凝集体を形成することがあり、最終的にはポリマー製造方法の連続性を中断することになる恐れがある。ALAは高温における触媒活性を低減し、それによって反応器の不調を防止し、粒子の凝集を低減(または防止)し、重合方法の連続性を確実にする。
【0070】
ALAは、EEDおよび/またはMEEDの成分であってもなくてもよい。活性抑制剤は、カルボン酸エステル、ジエーテル、ポリ(アルケングリコール)、スクシネート、ジオールエステル、およびそれらの組合せとすることができる。カルボン酸エステルは、脂肪族または芳香族のモノカルボン酸エステルまたはポリカルボン酸エステルとすることができる。好適なカルボン酸エステルの例としては、安息香酸エステル、脂肪族C2〜40モノカルボン酸/ジカルボン酸のC1〜40アルキルエステル、C2〜100(ポリ)グリコール、C2〜100(ポリ)グリコールエーテルのC2〜40モノカルボン酸エステル/ポリカルボン酸エステル誘導体、およびそれらの任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。カルボン酸エステルの別の例としては、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、およびセバシン酸エステル、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。別の実施形態において、ALAは、4−エトキシ安息香酸エチル、またはミリスチン酸イソプロピル、またはセバシン酸ジ−n−ブチルである。
【0071】
触媒組成物は、前述の外部電子供与体のいずれかを前述の活性抑制剤のいずれかと組み合わせて含有することができる。外部電子供与体および/または活性抑制剤は、反応器に別々に添加することができる。あるいは、外部電子供与体と活性抑制剤を予め一緒に混合し、次いで触媒組成物に添加し、かつ/または反応器に混合物として添加することができる。混合物では、複数の外部電子供与体または複数の活性抑制剤を使用することができる。好適なEED/ALA混合物の例としては、ジシクロペンチルジメトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジシクロペンチルジメトキシシランとポリ(エチレングリコール)ラウレート、ジイソプロピルジメトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、メチルシクロヘキシルジメトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、メチルシクロヘキシルジメトキシシランと4−エトキシ安息香酸エチル、n−プロピルトリメトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジメチルジメトキシシランおよびメチルシクロヘキシルジメトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジシクロペンチルジメトキシシランおよびテトラエトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジシクロペンチルジメトキシシランおよびテトラエトキシシランと4−エトキシ安息香酸エチル、ジシクロペンチルジメトキシシランおよびn−プロピルトリエトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジイソプロピルジメトキシシランおよびn−プロピルトリエトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、ジシクロペンチルジメトキシシランとミリスチン酸イソプロピルおよびポリ(エチレングリコール)ジオレエート、ジシクロペンチルジメトキシシランおよびジイソプロピルジメトキシシランおよびn−プロピルトリエトキシシランとミリスチン酸イソプロピル、およびそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
本触媒組成物は、本明細書に開示される実施形態を2つ以上含んでもよい。
【0073】
1つの実施形態において、オレフィン系ポリマーの製造方法を提供する。この方法は、オレフィンを重合条件下で触媒組成物と接触させるステップを含む。触媒組成物は、本明細書ですでに開示された電子供与体成分を含有しまたは含有せず、アミドエステル内部供与体を含有するプロ触媒組成物を含有する。アミドエステルは、本明細書に開示される任意のアミドエステルとすることができる。電子供与体成分は、本明細書に開示される任意の電子供与体成分とすることができる。この方法は、オレフィン系ポリマーを形成するステップをさらに含む。
【0074】
触媒組成物は、プロ触媒組成物および助触媒を含む。プロ触媒組成物は、本明細書に開示される任意のプロ触媒組成物であり、構造(IV)の電子供与体成分を含有しまたは含有せず、構造(I)または構造(II)のアミドエステルを含有する。助触媒は、本明細書に開示される任意の助触媒とすることができる。触媒組成物は、すでに開示された外部電子供与体および/または活性抑制剤を場合によっては含有してもよい。
【0075】
オレフィン系ポリマーは、プロ触媒組成物中に存在する構造(I)または構造(II)の内部電子供与体に対応するアミドエステルを含む。オレフィン系ポリマーは、電子供与体成分のベンゾエートに対応するベンゾエートも含む。1つの実施形態において、オレフィン系ポリマーは、プロピレン系オレフィン、エチレン系オレフィン、およびそれらの組合せとすることができる。1つの実施形態において、オレフィン系ポリマーはプロピレン系ポリマーである。
【0076】
1つまたは複数のオレフィンモノマーを重合反応器に導入して、触媒と反応させ、ポリマー、またはポリマー粒子の流動床を形成することができる。好適なオレフィンモノマーの例としては、エチレン、プロピレン;1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどのC4〜20α−オレフィンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
本明細書で使用される場合、「重合条件」は、触媒組成物とオレフィンとの重合を促進して、所望のポリマーを形成するのに適した重合反応器内の温度および圧力のパラメータである。重合方法は、気相、スラリー、またはバルク重合方法とすることができ、1台または複数の重合反応器で行われる。したがって、重合反応器は、気相重合反応器、液相重合反応器、またはそれらの組合せとすることができる。
【0078】
重合反応器中における水素の供給は、重合条件の構成要素であることが理解されよう。重合中において、水素は連鎖移動剤であり、得られるポリマーの分子量(およびそれに対応してメルトフローレート)に影響を及ぼす。重合方法は、前重合ステップおよび/または前活性化ステップを含むことがある。
【0079】
1つの実施形態において、方法は、外部電子供与体(および場合によっては活性抑制剤)とプロ触媒組成物を混合するステップを含む。外部電子供与体および/または活性抑制剤については、触媒組成物とオレフィンとの間の接触前に、助触媒と複合体を形成し、プロ触媒組成物(プレミックス)と混合することができる。別の実施形態において、外部電子供与体および/または活性抑制剤を独立して、重合反応器に添加することができる。
【0080】
1つの実施形態において、オレフィンはプロピレンおよび場合によってはエチレンおよび/または1−ブテンである。方法は、以下の特性のうち1つまたは複数を有するプロピレン系ポリマー(プロピレンホモポリマーまたはプロピレンコポリマー)を形成するステップを含む:
メルトフローレート(MFR):約0.01g/10分から約800g/10分、または約0.1g/10分から約200g/10分、または約0.5g/10分から約150g/10分、または約1g/10分から約70g/10分;
キシレン可溶分含有量:約0.5%から約10%、または約1%から約8%、または約1%から約4%;
多分散指数(PDI):約5.0から約20.0、または約6.0から約15、または約6.5から約10、または約7.0から約9.0;
コモノマー:存在するとき、(ポリマーの全重量に対して)約0.001重量%から約20重量%、または約0.01重量%から約15重量%、または約0.1重量%から約10重量%の量で存在する;および/あるいは
内部電子供与体(アミドエステル)または混合内部電子供与体(アミドエステルとベンゾエート):約1ppbから約50ppm、または約10ppbから約25ppm、または約100ppbから約10ppmで存在する。
【0081】
本開示は、オレフィン系ポリマーの別の製造方法を提供する。1つの実施形態において、プロピレンを、アミドエステルおよび任意選択で電子供与体成分を含有する触媒組成物と接触させて、プロピレン系ポリマーを形成するステップを含む、オレフィン系ポリマーの製造方法を提供する。プロピレンおよび触媒組成物間の接触が、第1の重合反応器中、重合条件下で行われる。この方法は、エチレンおよび場合によっては少なくとも1つの他のオレフィンをプロピレン系ポリマーの存在下に接触させるステップをさらに含む。エチレンとオレフィン(単数または複数)とプロピレン系ポリマーとの接触が、第2の重合反応器中、重合条件下で行われ、耐衝撃性プロピレンコポリマーが生成する。
【0082】
1つの実施形態において、第1の反応器と第2の反応器は連続して作動し、第1の反応器の流出物(すなわち、プロピレン系ポリマー)は第2の反応器に投入される。追加のオレフィンモノマーを第2の重合反応器に添加して、重合を続ける。追加の触媒組成物(および/または個々の触媒成分、すなわちプロ触媒、助触媒、EED、ALAの任意の組合せ)を第2の重合反応器に添加することができる。第2の反応器に添加された追加の触媒組成物/成分は、第1の反応器に導入された触媒組成物/成分と同じものであってもよいし異なるものであってもよい。
【0083】
1つの実施形態において、第1の反応器中で製造されたプロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーである。プロピレンホモポリマーを第2の反応器に投入し、プロピレンホモポリマーの存在下で、エチレンとプロピレンを相互に接触させる。こうして、プロピレンホモポリマー連続(またはマトリックス)相と、プロピレン系コポリマー(すなわち、プロピレン/エチレンコポリマー)またはエチレン系コポリマー(すなわち、エチレン/プロピレンコポリマー)から選択される不連続相(またはゴム相)とを有する耐衝撃性プロピレンコポリマーが生成する。不連続相は、連続相中に分散している。
【0084】
耐衝撃性プロピレンコポリマーは、Fc値が約1重量%から約50重量%、または約10重量%から約40重量%、または約20重量%から約30重量%であり得る。本明細書で使用される場合、「コポリマー分率(fraction copolymer)」(「Fc」)は、異相コポリマー中に存在する不連続相の重量%である。Fc値は、耐衝撃性プロピレンコポリマーの全重量に対するものである。
【0085】
耐衝撃性プロピレンコポリマーは、Ec値が、約1重量%から約100重量%、または約20重量%から約90重量%、または約30重量%から約80重量%、または約40重量%から約60重量%であり得る。本明細書で使用される場合、「エチレン含有量」(「Ec」)は、耐衝撃性プロピレンコポリマーの不連続相中に存在するエチレンの重量%である。Ec値は、不連続(またはゴム)相の全重量に対するものである。
【0086】
1つの実施形態において、触媒組成物は、20kg/g−時超から約60kg/g−時まで、または約30kg/g−時超から約55kg/g−時までの触媒活性を有する。本明細書で使用される場合、「触媒活性」という用語は、触媒組成物1グラムによって1時間で製造されるポリマーの量である。
【0087】
オレフィン系ポリマーを製造する本方法は、本明細書に開示される実施形態を2つ以上含んでもよい。
【0088】
定義
本明細書で元素周期表という言葉はすべて、CRC Press, Inc.出版および著作権保有の元素周期表(2003年)を意味するものとする。また、1つまたは複数の族を示す言葉はいずれも、族の番号付けにIUPAC方式を使用したこの元素周期表に示されている1つまたは複数の族であるとする。別段の記載のない限り、文脈から黙示的に、または当技術分野において慣例として、部および%はすべて、重量に対するものとする。米国特許実務において、本明細書に引用されたいずれの特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に、合成技法、(本明細書に記載されているいずれの定義とも矛盾しない範囲の)定義、および当技術分野における一般知識の開示に関して、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる(または、その米国対応バージョンも、参照によりそのように組み込まれる)。
【0089】
本明細書に記載される数値範囲はいずれも、1ユニットを単位として、下側の値から上側の値まですべての値を包含する。ただし、任意の下側値と任意の上側値との間は少なくとも2ユニット離れていることを条件とする。一例として、成分の量、または例えばブレンド成分の量、軟化温度、メルトインデックスなどの組成特性もしくは物理的特性の値が1から100の間であると記載されている場合、1、2、3などの個々の値すべてと、1から20、55から70、197から100などの部分範囲すべてが本明細書に明示されていることを意図する。1未満である値については、1ユニットは、適宜0.0001、0.001、0.01、または0.1と見なされる。これらは、具体的に意図されているものの例にすぎず、列挙された最低値と最高値の間の数値の考え得る組合せすべてが、本出願において明示されていると考えるべきである。言い換えれば、本明細書に記載された数値範囲はいずれも、記載された範囲内の任意の値または部分範囲を包含する。メルトインデックス、メルトフローレート、および他の特性に関する数値範囲は、ここに記述したようにして記載する。
【0090】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、分枝状または非分枝状の飽和または不飽和非環式炭化水素基を指す。好適なアルキル基の例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(または2−メチルプロピル)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。アルキル基は、1から20個の炭素原子を有する。
【0091】
本明細書で使用される場合、「アリール」または「アリール基」という用語は、芳香族炭化水素化合物に由来する置換基である。アリール基は、合計6個から20個の環原子を有し、独立したまたは縮合している1個または複数の環を有するものであり、アルキル基および/またはハロ基で置換されていてもよい。芳香族環(単数または複数)としては、とりわけフェニル、ナフチル、アントラセニル、およびビフェニルを挙げることができる。
【0092】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」または「アリールアルキル基」という用語は、脂肪族構造と芳香族構造とを両方含んでいる化合物である。「アリールアルキル基」という用語は、「アラルキル基」(少なくとも1つのアリール基で置換されたアルキル基)および/または「アルキルアリール基」(少なくとも1つのアルキル基で置換されたアリール基)を包含する。
【0093】
本明細書で使用される場合、「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。このようなブレンドは、(分子レベルで相分離しない)混和性でも混和性でなくてもよい。このようなブレンドは、相分離してもしなくてもよい。このようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱法、X線散乱法、および当技術分野において公知である他の方法で決定した、1つまたは複数のドメイン配置を含んでも含まなくてもよい。
【0094】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物を構成する材料、ならびに組成物の材料から生成する反応生成物および分解生成物の混合物を包含する。
【0095】
「含んでいる(comprising)」という用語およびその派生語は、いずれの追加の成分、ステップ、または手順の存在も、それが本明細書に開示されていようがいまいが排除するものではない。いかなる疑義も避けるために、「含んでいる(comprising)」という用語の使用により本明細書で特許請求されたすべての組成物は、別段の記載のない限り、ポリマーにせよそうでないにせよ、いずれの追加の添加剤、アジュバント、または化合物も含有することができる。一方、「本質的に〜からなる」という用語は、それに続くいずれの列挙の範囲からも、実施可能性にとって本質的でないものを除いて他のいかなる成分、ステップ、または手順も排除する。「〜からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないいずれの成分、ステップ、または手順も排除する。「または」という用語は、別段の記載のない限り、列挙されたメンバーを個別におよび任意の組合せで指す。
【0096】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、(重合可能なモノマーの全重量に対して)大多数の重量%の重合されたエチレンモノマーを含み、場合によっては、少なくとも1種の重合されたコモノマーを含んでもよいポリマーである。
【0097】
「オレフィン系ポリマー」という用語は、ポリマーの全重量に対して大多数の重量%のオレフィン、例えばエチレンまたはプロピレンを重合した形で含むポリマーである。オレフィン系ポリマーの例としては、エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0098】
「ポリマー」という用語は、同じまたは異なるタイプのモノマーを重合させることによって調製された高分子化合物である。「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーなどを包含する。「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つのタイプのモノマーまたはコモノマーの重合によって調製されたポリマーである。インターポリマーとしては、コポリマー(通常、異なる2つのタイプのモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す)、ターポリマー(通常、異なる3つのタイプのモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す)、テトラポリマー(通常、異なる4つのタイプのモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0099】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、(重合可能なモノマーの全量に対して)大多数の重量%の重合されたプロピレンモノマーを含み、場合によっては、少なくとも1種の重合されたコモノマーを含んでもよいポリマーである。
【0100】
本明細書で使用される場合、「置換アルキル」という用語は、すでに定義し、記載されたアルキルであり、アルキルの任意の炭素に結合している水素原子1個または複数が、ハロゲン、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィド、アルコキシ、アミノ、チオ、ニトロ、シリル、およびそれらの組合せなどの別の基で置換されている。好適な置換アルキルとしては、例えばベンジル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
【0101】
試験方法
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238−01試験方法に従って230℃で測定される。プロピレン系ポリマーの場合、2.16kgのおもりを用いる。
【0102】
キシレン可溶分(XS)は、樹脂を熱キシレンに溶解し、溶液を25℃まで放冷した後に溶液中にとどまる樹脂の重量%である(ASTM D5492−06に従った重量XS法)。XSは、以下の2つの手順のうちの一方に従って測定される:(1)Viscotek法:ポリマー0.4gを、130℃で30分間撹拌しながらキシレン20mlに溶解する。次いで、溶液を25℃に冷却し、30分後、不溶性ポリマー分画を濾取する。得られた濾液を、フローインジェクションポリマー分析法(Flow Injection Polymer Analysis)により、Viscotek ViscoGEL H−100−3078カラムを使用して、移動相THF、流速1.0ml/分で分析する。カラムを、光散乱、粘度計および屈折計検出器を備えたViscotek Model 302トリプル検出器アレイに連結し、45℃で操作する。計器較正は、Viscotek PolyCAL(商標)ポリスチレン標準物質で維持した。(2)NMR法:XSは、米国特許第5,539,309号(その内容全体が参照により本明細書に組み込まれたものとする)に記載されているH NMR法で測定される。両方法とも、重量ASTM法を基に較正される。
【0103】
多分散指数(PDI)は、TA Instruments製の応力制御型動的分光器(stress control dynamic spectrometer)AR−G2レオメータを用いて、Zeichner GR、Patel PD (1981)「A comprehensive Study of Polypropylene Melt Rheology」、Proc. of the 2nd World Congress of Chemical Eng.、Montreal、Canadaに従った方法で測定される。ETCオーブンを使用して、温度を180℃±0.1℃に制御する。窒素を使用して、オーブンの内側をパージして、試料を酸素および湿気による分解から保護する。直径25mmの一対のコーンとプレートの試料ホルダーが使用される。試料を50mm×100mm×2mmのプラークに圧縮成形する。次いで、試料を19mm四方に裁断し、底側プレートの中央に載せる。上側コーンの形状は、(1)コーン角:5:42:20(度:分:秒);(2)直径:25mm;(3)トランケーションギャップ(truncation gap):149ミクロンである。底側プレートの形状は25mmの円柱である。
【0104】
試験手順:
(1)コーン・プレート型試料ホルダーを、ETCオーブン中180℃で2時間加熱する。次いで、窒素ガスのブランケット下で、ギャップをゼロにする。
(2)コーンを2.5mmまで上げ、試料を底側プレートの上面に載せる。
(3)2分間の計時を開始する。
(4)法線力を観測して、上側コーンが試料の上にわずかに載るように直ちに上側コーンを下げる。
(5)2分後、上側コーンを下げることによって、試料を165ミクロンのギャップに押し込む。
(6)法線力を観測する。法線力が<0.05ニュートンまで下がると、コーン・プレート型試料ホルダーの縁から過剰の試料をヘラで除去する。
(7)上側コーンを149ミクロンのトランケーションギャップまで再び下げる。
(8)発振器周波数掃引(Oscillatory Frequency Sweep)試験を以下の条件下で行う。
(i)180℃において5分間遅延で試験する。
(ii)周波数:628.3r/sから0.1r/s。
(iii)データ取得率:5点/10
(iv)歪み:10%
(9)試験が終了したら、TA Instrumentsによって提供されたRheology Advantage Data Analysisプログラムで、クロスオーバーモジュラス(Gc)を検出する。
(10)PDI=100,000÷Gc(Pa単位)。
【0105】
最終融点(TMF)は、試料中で最も理想的な結晶を溶融する温度であり、アイソタクチシティおよび固有ポリマー結晶化能の尺度である。TA Q100示差走査熱量計を使用して、試験を実施する。試料を、80℃/分の速度で0℃から240℃に加熱し、同じ速度で0℃まで冷却し、次いで同じ速度で150℃まで再び加熱し、150℃で5分間保持し、次いで1.25℃/分で150℃から180℃に加熱する。この最後のサイクルから、加熱曲線の終端におけるベースラインの開始を算出することによって、TMFを決定する。
【0106】
試験手順:
(1)高純度インジウムを標準として用いて、装置を較正する。
(2)装置のヘッド/セルを、50ml/分の一定流速の窒素で絶えずパージする。
(3)試料調製:
30−G302H−18−CX Wabash Compression Molder(30トン)を使用して、粉末試料1.5gを圧縮成形する:(a)接触時に混合物を230℃で2分間加熱する;(b)試料を、同じ温度、圧力20トンで1分間圧縮する;(c)試料を45°Fに冷却し、圧力20トンで2分間保持する;(d)プラークをほぼ同じサイズの4枚に裁断し、それらを一緒に積み重ね、試料を均質化するためにステップ(a)〜(c)を繰り返す。
(4)試料プラークからの試料1枚を秤量し(好ましくは5から8mgの間)、標準アルミニウム試料パン中で密封する。試料が入っている密封されたパンを、装置のヘッド/セルの試料側に配置し、密封された空のパンを参照側に配置する。オートサンプラーを使用する場合、異なるいくつかの試料検体を秤取し、機械をシーケンスに設定する。
(5)測定:
(i)データ記憶:オフ
(ii)勾配80.00℃/分で240.00℃まで
(iii)等温過程1.00分
(iv)勾配80.00℃/分で0.00℃まで
(v)等温過程1.00分
(vi)勾配80.00℃/分で150.00℃まで
(vii)等温過程5.00分
(viii)データ記憶:オン
(ix)勾配1.25℃/分で180.00℃まで
(x)方法の終わり
(6)計算:TMFは、2本の線の妨害(interception)によって決まる。高温のベースラインから1本の線を引く。高温側における曲線の端部に近い曲線の偏差により、もう1本の線を引く。
【0107】
次に、例であって限定するものではないものとして、本開示の実施例を記載する。
【実施例】
【0108】
1.アミドエステルの合成
2−シアノ−2−イソブチル−4−メチルペンタン酸エチルおよび2−シアノ−2−イソプロピル−3−メチル酪酸エチル:
【0109】
【化4】

500mlの丸底フラスコに、マグネチックスターラーを備え付け、2−シアノ酢酸エチル(11.3g、0.1mol)および無水DMF(120ml)を加える。撹拌溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(30.4g、0.2mol、1.0当量)の無水DMF(40ml)溶液を滴下する。滴下が完了した後、混合物をもう1時間撹拌する。フラスコを氷水浴で冷却し、ヨウ化物(0.2mol、1.0当量)のDMF(40ml)溶液を滴下する。混合物を室温まで上げ、すべての出発材料が、(GCでモニタリングして)生成物に変換されるまでもう14時間撹拌する。混合物を氷水に注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出する。エーテル抽出液を合わせて、水および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水する。濾過した後、濾液を濃縮し、残渣を真空蒸留すると、無色液体の生成物が得られる。
2−シアノ−2−イソプロピル−3−メチル酪酸エチル:収率67%; 1H NMR: δ 4.24 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 2.28 (七重線, 2H, J = 7.0 Hz) 1.30 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 1.07 (d, 6H, J = 7.0 Hz), 1.01 (d, 6H, J = 6.5 Hz).
2−シアノ−2−イソブチル−4−メチルペンタン酸エチル:収率88%; 1H NMR: δ 4.26 (q, 2H, J = 7.0 Hz), 1.82-1.90 (m, 4H), 1.63-1.70 (m, 2H), 1.34 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 1.04 (d, 6H, J = 6.0 Hz), 0.89 (d, 6H, J= 6.0 Hz).
【0110】
2,2−二置換3−アミノプロパノール:
【0111】
【化5】

窒素パージをした1000mlの3つ口丸底フラスコに、マグネチックスターラー、冷却器、および滴下漏斗を備え付ける。パワード(powered)水素化アルミニウムリチウム(0.14〜0.18mol)と、その後に続いて無水THF(140〜180ml)を添加する。これは、市販のTHF中1.0M水素化アルミニウムリチウムで代用することができる。撹拌しながら、2−シアノカルボン酸エチル化合物(0.06〜0.08mol)のエーテル(約200ml)溶液を滴下して、混合物の穏やかな還流を維持する。滴下が完了次第、混合物を加熱して、3時間穏やかに還流させる。冷却した後、フラスコを氷水浴に入れる。水を慎重に添加し、混合物を固体が白色になるまで撹拌する。濾過した後、固体を追加のエーテルで洗浄し、濾液を濃縮し、残渣を真空乾燥すると、白色固体または粘着性オイルの生成物が得られる。これを、さらに精製することなくアシル化反応に直接使用することができる。
2−アミノメチル−2−イソプロピル−3−メチルブタン−1−オール:収率71%; 1H NMR: δ 3.72 (s, 2H), 2.93 (s, 2H), 2.65 (br.s, 3H), 1.97 (七重線, 2H, J = 8.8 Hz), 0.95 (d, 6H, J = 8.5 Hz), 0.94 (d, 6H, J = 9.0 Hz).
2−アミノメチル−2−イソブチル−4−メチルペンタン−1−オール:収率75%; 1H NMR: δ 3.54 (s, 2H), 2.77 (s, 2H), 2.65 (br.s, 3H), 1.58-1.70(m, 2H), 1.21 (d, 2H, J = 7.0 Hz), 1.20 (d, 2H, J = 7.5 Hz), 0.88 (d, 6H, J = 8.0 Hz), 0.87 (d, 6H, J = 8.5 Hz).
【0112】
4−アミノペンタン−2−オール:
【0113】
【化6】

1000mLの丸底フラスコに、3,5−ジメチルイソオキサゾール(9.7g、0.1mol)および水(200ml)を加える。この溶液に、1.0M水酸化カリウム水溶液(200mL)を添加する。ニッケル−アルミニウム合金(1:1、32g、0.2mol)を、1時間かけて少しずつ添加する。さらに約2時間後、反応混合物をセライト濾過し、固体を追加の水で洗浄する。濾液を塩化メチレンで1回抽出する。水溶液を濃HClで酸性化し、濃縮乾固する。水酸化カリウム(10M、5.0ml)を残渣に添加し、混合物を塩化メチレンで抽出し、抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥する。濾過した後、濾液を濃縮し、残渣を真空乾燥すると、粘着性オイルの生成物9.0g(87%)が得られる。これを、その後のアシル化反応で直接使用する。1H NMR (2種の異性体が約1:1.3): δ 4.10-4.18 (m, 1Ha), 3.95-4.00 (m, 1Hb), 3.37-3.41 (m, 1Ha), 3.00-3.05 (m, 1Hb), 2.63 (br.s, 3Ha+3Hb), 1.42-1.55 (m, 2Ha+1Hb), 1.12-1.24 (m, 6Ha+7Hb).
【0114】
アシル化アミノアルコール:
【0115】
【化7】

250mlの丸底フラスコに、アミノアルコール(0.02mol)、ピリジン(0.04mol、1.0当量)、および塩化メチレン(50ml)を加える。フラスコを氷水浴に浸漬し、塩化ベンゾイル(0.04mol、1.0当量)を滴下する。滴下が完了した後、フラスコを室温まで温まらせ、混合物を終夜撹拌する。GCでモニタリングして、反応が完了次第、混合物を塩化メチレンで希釈し、したがって、水、飽和塩化アンモニウム、水、飽和重炭酸ナトリウム、および塩水で順次洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製すると、無色オイルまたは白色固体の生成物が得られる。
【0116】
H NMRデータは、Bruker 500MHzまたは400MHz NMR分光計で溶媒としてCDClを使用して得られる(ppm単位)。
【0117】
前述の合成で製造されたハロゲン化および/または置換アミドエステルを、以下の表1に記載する。
【0118】
【表1−1】

【表1−2】

【0119】
2.プロ触媒調製
A.一般調製手順:次の手順に従って、触媒を調製する。以下の触媒の触媒合成をセクション2Bに記載する:M−1−A、M−1−EB−A、M−1−MPB−A、M−1−MPB−B、M−1−MPB−C、およびM−1−MPB−D。
【0120】
機械的撹拌および底面濾過を備えたフラスコに、(別段の指定のない限り、表2に示す重量に応じた)プロ触媒前駆体および2.52mmolの内部電子供与体(すなわち、アミドエステル)を加える。TiClとクロロベンゼンの混合溶媒(容量1/1)60mlをフラスコに導入する。混合物を115℃に加熱し、250rpmで撹拌しながら、同じ温度で60分間維持した後、液体を濾別する。混合溶媒60mlを再び添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。このプロセスを1回繰り返す。iso−オクタン70mlを使用して、得られた固体を周囲温度で洗浄する。溶媒を濾過により除去した後に、固体をN流または真空下で乾燥する。
【0121】
【表2】

【0122】
MagTi−1(M)は、平均粒度50ミクロンのMgTi(OEt)Clの組成物を含む混合Mag/Ti前駆体である(米国特許第6,825,146号の実施例1に従って調製されたMagTi前駆体)。SHAC(商標)310(S)は、米国特許第6,825,146号(その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれたものとする)の実施例2に従って作製された内部電子供与体として安息香酸エチルを含むベンゾエート含有触媒である(平均粒度27ミクロンのBenMagプロ触媒前駆体)。Mg(OCOEt)支持体は、米国特許第5,652,314号の実施例1に従って作製される。得られたプロ触媒組成物それぞれのチタン含有量を表3に示す。内部供与体のピークをGC分析による保持時間に従って帰属させる。追加のキャラクタリゼーションは行わない。
【0123】
【表3−1】

【0124】
【表3−2】

【0125】
B.他の触媒の触媒調製手順:
M−1−AおよびM−1−EBおよびM−1−MPB−A:機械的撹拌および底面濾過を備えたフラスコに、MagTi−1(4.3g)および化合物1(0.8g)を加える。TiClとクロロベンゼンの混合溶媒(容量1/1)60mlをフラスコに導入し、続いてEB(M−1−EBの場合)0.6mlまたはMPB(M−1−MPB−Aの場合)1.0mlを注射器で添加する。混合物を115℃に加熱し、250rpmで撹拌しながら、同じ温度で60分間維持した後、液体を濾別する。混合溶媒60mlを再び添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。このプロセスを1回繰り返す。iso−オクタン70mlを使用して、得られた固体を周囲温度で洗浄する。溶媒を濾過により除去した後に、固体をN流で乾燥する。
【0126】
M−1−MPB−B:機械的撹拌および底面濾過を備えたフラスコに、MagTi−1(4.3g)を加える。TiClとクロロベンゼンの混合溶媒(容量1/1)60mlをフラスコに導入する。2分後、MPB0.8mlを注射器で添加した。さらに2分後、化合物1(2.7g)のMCB(27g)溶液6.0mlを混合物に添加する。混合物を115℃に加熱し、250rpmで撹拌しながら、同じ温度で60分間維持した後、液体を濾別する。混合溶媒60mlを再び添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。このプロセスを1回繰り返す。iso−オクタン70mlを使用して、得られた固体を周囲温度で洗浄する。溶媒を濾過により除去した後に、固体をN流で乾燥する。
【0127】
M−1−MPB−C:機械的撹拌および底面濾過を備えたフラスコに、MagTi−1(4.3g)を加える。TiClとクロロベンゼンの混合溶媒(容量1/1)60mlをフラスコに導入し、MPB0.8mlを添加する。混合物を115℃に加熱し、250rpmで撹拌しながら、同じ温度で60分間維持した後、液体を濾別する。混合溶媒60mlを再び添加した後、化合物1(0.6g)を(10重量%MCB溶液として)添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。MPBを添加しない点を除いて、このプロセスを1回繰り返す。iso−オクタン70mlを使用して、得られた固体を周囲温度で洗浄する。溶媒を濾過により除去した後に、固体をN流で乾燥する。
【0128】
M−1−MPB−D:機械的撹拌および底面濾過を備えたフラスコに、MagTi−1(4.3g)を加える。TiClとクロロベンゼンの混合溶媒(容量1/1)60mlをフラスコに導入し、続いてMPB1.0mlを注射器で添加する。混合物を115℃に加熱し、250rpmで撹拌しながら、同じ温度で60分間維持した後、液体を濾別する。混合溶媒60mlを再び添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。混合溶媒60mlを再び添加した後、化合物1(2.7g)のMCB(27g)溶液8.0mlを添加し、撹拌しながら、反応を同じ所望の温度で30分間継続させた後、濾過する。iso−オクタン70mlを使用して、得られた固体を周囲温度で洗浄する。溶媒を濾過により除去した後に、固体をN流で乾燥する。
【0129】
3.重合
重合は、1ガロンのオートクレーブを用いて液体プロピレン中で行われる。コンディショニングを行った後、プロピレン1375gおよび標的量の水素を反応器に加え、62℃にする。0.27Mトリエチルアルミニウムのイソオクタン溶液7.2mlに、0.25mmolのジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)を添加し、続いて鉱油中5.0重量%プロ触媒スラリーを添加する(実際の固体重量を以下のデータ表に示す)。混合物を、反応器に注入する前に周囲温度で20分間予混合して、重合を開始する。予混合した触媒成分を、高圧触媒噴射ポンプ(high pressure catalyst injection pump)を使用してイソオクタンとともに反応器に流し入れる。発熱した後、温度を67℃に制御する。全重合時間は1時間である。
【0130】
4.ポリマー試験
ポリマー試料を、沈降かさ密度、メルトフローレート(MFR)、キシレン可溶分(XS)、多分散指数(PDI)、および最終融点(TMF)について試験する。指定のない限り、XSはViscotek法で測定される。
【0131】
【表4−1】

【0132】
【表4−2】

【0133】
内部電子供与体として一連のアミドエステル化合物を、様々な前駆体と共に使用する:マグネシウム/塩化チタン/エトキシド複合体(MagTi−1)、マグネシウムエトキシド、炭酸化マグネシウムエトキシド、SHAC(商標)310、および塩化マグネシウムエタノール付加物。本出願人らは、驚くべきことに、アルコキシを含まない(またはアルコキシを実質的に含まない)SHAC(商標)310(BenMag前駆体)を前駆体として利用すると、高触媒活性および高選択性(すなわち、高ポリマーアイソタクチシティ)が得られることを発見した。Mg(OEt)、MagTi−1、Mg(OCOEt)などの大量のアルコキシ種を含有する前駆体は、低活性および低選択性を示す。
【0134】
【表5】

【0135】
【表6】

【0136】
出願人らは、安息香酸エチル(EB)または安息香酸1−メトキシプロパン−2−イル(MPB)などの電子供与体成分を反応混合物に導入することによって、高触媒活性と高触媒選択性(高ポリマーアイソタクチシティ)の両方を有するプロ触媒組成物が製造されることも発見した。
【0137】
表6から、EBまたはMPBを電子供与体成分として含有する本触媒組成物を用いると、高触媒活性、低XSおよび高PDIが得られることがわかる。電子供与体成分を用いると、主要な内部供与体IED8を第1、第2、および/または第3TiCl接触ステップで添加して、触媒性能の微調整およびポリマー特性の微調整を行うことができる。さらに、BC(塩化ベンゾイル)は塩素化剤であり、前駆体のエトキシ基と反応して、安息香酸エチル(EB)に変換することができる。これによって、EBが電子供与体成分として使用されると、触媒活性およびポリマーアイソタクチシティがさらに改善される。
【0138】
特に、本開示は、本明細書に含まれている実施形態および例示に限定されるものではなく、次の特許請求の範囲内に入る実施形態の部分および異なる実施形態の要素の組合せを含めて、それら実施形態の修正された形を含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロ触媒前駆体をハロゲン化剤で前ハロゲン化するステップと、
反応混合物中のハロゲン化プロ触媒前駆体に、アミドエステルを添加するステップと、
マグネシウム部分、チタン部分、およびアミドエステルを含む内部電子供与体を含有するプロ触媒組成物を形成するステップと
を含む方法。
【請求項2】
マグネシウム部分化合物、マグネシウム混合金属化合物、ベンゾエート含有塩化マグネシウム化合物、およびそれらの組合せからなる群から選択されるプロ触媒前駆体を前ハロゲン化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アミドエステルと、ベンゾエート含有塩化マグネシウム化合物プロ触媒前駆体を四塩化チタンの存在下で反応させるステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
反応混合物に、電子供与体成分を導入するステップと、
アミドエステルおよび内部電子供与体成分を含む混合内部電子供与体を含有するプロ触媒組成物を形成するステップと
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
マグネシウム部分と、チタン部分と、アミドエステルおよび電子供与体成分を含む混合内部電子供与体との組合せを含有するプロ触媒組成物。
【請求項6】
電子供与体成分がベンゾエートである、請求項5に記載のプロ触媒組成物。
【請求項7】
ベンゾエートが、安息香酸エチルおよび安息香酸1−メトキシプロパン−2−イルからなる群から選択される、請求項6に記載のプロ触媒組成物。
【請求項8】
約0.5重量%から約10重量%のベンゾエートを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のプロ触媒組成物。
【請求項9】
アミドエステルが、構造(I)
【化8】

[式中、
〜Rは同じであるか異なり、R〜Rはそれぞれ、水素、ハロゲン、および1〜20個の炭素原子を有するヒドロカルビル基からなる群から選択され、
ArとArは同じであるか異なり、ArとArはそれぞれ、6〜20個の炭素原子を有するアリール基および7〜20個の炭素原子を有するアリールアルキル基からなる群から選択される]
を有する、請求項5から8のいずれか一項に記載のプロ触媒組成物。
【請求項10】
アミドエステルおよび電子供与体成分を含む混合内部電子供与体を含有するプロ触媒組成物と、
助触媒と
を含む触媒組成物。
【請求項11】
ケイ素化合物、二座配位化合物、ジエーテル、ジオールエステル、カルボキシレート、アミン、ホスファイト、およびそれらの組合せからなる群から選択される外部電子供与体を含む、請求項10に記載の触媒組成物。
【請求項12】
カルボン酸エステル、ジエーテル、ジオールエステル、ポリ(アルケングリコール)、およびそれらの組合せからなる群から選択される活性抑制剤を含む、請求項10または11に記載の触媒組成物。
【請求項13】
オレフィンを重合条件下で、アミドエステルおよび電子供与体成分を含む混合内部電子供与体を含有する触媒組成物と接触させるステップと、
オレフィン系ポリマーを形成するステップと
を含む、オレフィン系ポリマーの製造方法。
【請求項14】
アミドエステルを含むオレフィン系ポリマーを形成するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
オレフィンがプロピレンであり、約5.0から約20.0の多分散指数を有するプロピレン系ポリマーを形成するステップを含む、請求項13または14に記載の方法。

【公表番号】特表2013−521341(P2013−521341A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555140(P2012−555140)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/026036
【国際公開番号】WO2011/106500
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】