説明

アミンオキシド界面活性剤又は汚れ浸透剤を含有する組成物

本発明の組成物は、約5〜約50重量%の、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む洗浄性界面活性剤組成物と、約0.1〜約20重量%のアミンオキシドと、約0.01〜約5重量%のカチオン性ポリマーと、を有する改良されたシャンプー組成物に関し、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は約2:1〜約40:1である。本発明の組成物はまた、約5〜約50重量%の洗浄性界面活性剤組成物と、約0.1〜約20重量%のアミンオキシドと、約0.01〜約5重量%のカチオン性ポリマーと、約0.1〜10重量%の汚れ浸透剤と、を有する改良されたシャンプー組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れ浸透剤及びアミンオキシド界面活性剤を含有する毛髪洗浄シャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触、スタイリング製品及びコンディショニング製品の使用、並びに頭皮から分泌される汗及び皮脂により汚れる。毛髪の汚れは、毛髪が不潔な油質の感触や魅力のない外観を有する原因となる。毛髪の汚れはまた、毛髪を重くして凝集させ、それにより毛髪のスタイリングがより困難になる。毛髪が汚れると、シャンプーすることがこのように必要となる。
【0003】
シャンプーは、過剰な汚れや皮脂を除去することによって毛髪を清潔にする。洗浄したばかりの毛髪は、軽く、弾力性があって、清潔に見えかつそのような感触を与える。しかしながら、シャンプーした後、その日の活動を通して、汚れが毛髪上に再び蓄積するので、洗浄したばかりの毛髪の外観及び感触は、長くは続かない。油質の毛髪を有する人々、激しい活動、即ち、運動に従事する人々、又は毛髪に特定のスタイリング製品又はコンディショニング製品を使用する人々については、洗いたての毛髪の外観及び感触は、維持するのが特に困難である。
【0004】
今日まで、洗いたての毛髪の外観を維持することは、より頻繁に、時には1日に数回シャンプーすることを単に必要とするのみであった。また、コンディショニング製品及びスタイリング製品の蓄積を減少させようと試みる一方で追加のコンディショニング剤をほとんど又は全く付着させない、清浄化用の又はノンコンディショニングシャンプーの使用が、当該技術分野で既知である。清浄化シャンプーはしかしながら、毛髪を、乾燥した、天然の油が過剰に奪われた、コンディショニングされない状態にすることがある。同時に、清浄化シャンプーは、万人において一貫して十分な量の汚れを毛髪から除去することに成功しない場合もある。したがって、様々な個人が同じ清浄化シャンプーを用いる場合、シャンプー後に様々な量の汚れが毛髪上に残ることになる。全体として、剥き出しになったと感じない、清潔さがより長く持続する毛髪、又はより清潔で、その清潔感がより持続する毛髪の利益に関しては、従来のシャンプー技術においては適切に対処されてこなかった。
【0005】
改善された一貫した洗浄を提供する種々の界面活性剤系及び有機分子が硬質表面洗浄剤の技術分野において既知である。例えば、グリコールエーテル(即ち、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、又はトリエチレングリコールモノブチルエーテル)、テルペン(即ち、シトロネロールテルペン)、及び他の多くのものであるような有機分子が、硬質表面洗浄剤において使用されてきた。アニオン性界面活性剤及びアミンオキシドを含有する系を包含する、種々の界面活性剤系が、硬質表面洗浄剤において使用されてきた。1つ以上の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双極性(両性を包含)界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤を含有する、界面活性剤の種々の組み合わせが、シャンプーにおいて教示されてきた。
【0006】
シャンプー分野の界面活性剤系は、しかしながら、アニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との最適な比率、又は改善された洗浄性を提供するために、これらの界面活性剤と汚れ浸透剤とを組み合わせることについては、教示していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したことに基づいて、より長く持続する洗浄利益又はより清潔でより持続する利益を毛髪に提供することができ、一方で、毛髪を過度に剥き出しにしたりコンディショニングされない状態にしない、毛髪洗浄シャンプーが必要とされている。具体的には、長く持続する清潔な感触、軽く弾力性のある感触を提供するが、毛髪を剥き出しにされ乾燥されたと感じるようにせず、それとともに、毛髪が濡れているときの櫛通りを容易にすることが必要とされている。また、素早く毛髪からすすがれ、毛髪をコンディショニングされているが軽く清潔であると感じるようにする毛髪洗浄シャンプーも必要とされている。最後に、万人において一貫して改善された洗浄性を提供する、毛髪洗浄用シャンプーが必要とされている。
【0008】
既存の技術には、本発明の利点及び効果の全てを提供するものはない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、a)約5〜約50重量%の、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む洗浄性界面活性剤組成物と、b)約0.1〜約20重量%のアミンオキシドと、c)約0.01〜約5重量%のカチオン性ポリマーと、を含むシャンプー組成物に関し、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は約2:1〜約40:1である。
【0010】
本発明はまた、a)約5〜約50重量%の洗浄性界面活性剤組成物と、b)約0.1〜約20重量%のアミンオキシドと、c)約0.01〜約5重量%のカチオン性ポリマーと、d)約0.1〜約10重量%の汚れ浸透剤と、を含むシャンプー組成物に関する。
【0011】
本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、本発明の開示を読むことによって当業者に明白となろう。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を特に指摘し、そして明確に特許請求している特許請求の範囲をもって本明細書は終了するが、本発明は以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【0013】
特に指定しない限り、百分率、割合、及び比率はすべて、本発明の組成物の総重量に基づく。このような全ての重量は、列記した成分に関する限り、活性レベルに基づくため、特に指示がない限り、市販物質に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。用語「重量百分率」は、本明細書では「重量%」として表示される場合がある。
【0014】
特に指定されない限り、本明細書で使用される分子量はすべて、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「電荷密度」は、ポリマー上の正電荷の数と前記ポリマーの分子量との比を指す。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」とは、1種類のモノマーの重合によって作られるか、又は2種類以上のモノマーによって作られる(すなわち、コポリマー)物質が包含されるものとする。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「シャンプー」とは、毛髪又は頭皮、顔、及び体を包含する皮膚を、洗浄及びコンディショニングするための組成物を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「ヒトの毛髪への適用に好適」とは、そのように記載された組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等を伴わず、ヒトの毛髪及び頭皮及び皮膚と接触して使用するのに好適であることを意味する。
【0019】
本発明のシャンプー組成物は、時には汚れ浸透剤と組み合わせて、アミンオキシドを包含する1つ以上の洗浄性界面活性剤と、カチオン性ポリマーとを含む。これらの構成成分のそれぞれ、並びに他の関連の構成成分については、本明細書の以下で詳述する。
【0020】
洗浄性界面活性剤
本発明のシャンプー組成物は、1以上の洗浄性界面活性剤を含む。洗浄性界面活性剤構成成分は、本発明のシャンプー組成物に包含されて、洗浄性能を提供する。洗浄性界面活性剤組成物は、アニオン性界面活性剤、双極性界面活性剤(両性界面活性剤を包含する)、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせであってもよい。このような界面活性剤は、本明細書に記載される組成物構成成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、過度に製品の安定性、審美性、若しくは性能を損なうべきではない。
【0021】
組成物中の洗浄性界面活性剤構成成分の濃度は、所望の洗浄性能及び起泡性能を提供するのに十分であるべきであり、一般に組成物の約5重量%〜約50重量%、典型的には約8重量%〜約30重量%、通常は約10重量%〜約25重量%、典型的には約12重量%〜約22重量%の範囲である。
【0022】
本明細書の組成物に用いられる好適なアニオン性洗浄性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケアクレンジング組成物に用いるために既知のものが挙げられる。本組成物に用いるのに適した好適なアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートである。これらの物質は、それぞれ式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは炭素原子が約8〜約18個のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10の値を有する整数であり、Mはアンモニウムのようなカチオン、トリエタノールアミンのようなアルカノールアミン、ナトリウム及びカリウムのような一価金属、又はマグネシウム及びカルシウムのような多価金属カチオンである。本発明の種々の実施形態では、アルキルサルフェートとアルキルエーテルサルフェートの双方について、Rは約8〜約18個の炭素原子を有する。更なる実施形態では、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートの双方について、Rは約10〜約16個の炭素原子を有する。なお別の実施形態では、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートの双方について、Rは約12〜約14個の炭素原子を有する。
【0023】
アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコール類との縮合生成物として製造される。アルコールは、合成されたものでも、又は例えば、ココヤシ油、パーム核油、又は獣脂のような脂肪から誘導されたものである場合もある。好適なアルコールとしては、ラウリルアルコール、及びココヤシ油又はパーム核油から誘導される直鎖アルコールが挙げられる。こうしたアルコールを一般に、約0〜約10、典型的には約2〜約5、通常は約3モル部のエチレンオキシドと反応させる。その結果得られる、例えば、アルコール1モルにつき平均3モルのエチレンオキシドを有する分子種の混合物を、硫酸化し、中和する。
【0024】
他の好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、式R1−SO3Mに従う有機の硫酸反応生成物の水溶性塩も挙げられ、式中、R1は約8〜約24個、典型的には約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルであり、及びMは先に記載されたカチオンである。
【0025】
適したアニオン性界面活性剤は、更に、イセチオン酸でエステル化し、水酸化ナトリウムで中和した脂肪酸、例えば、ココヤシ油又はパーム核油から誘導される脂肪酸の反応生成物、及びメチルタウリドの脂肪酸アミド、例えば、脂肪酸がココヤシ油又はパーム核油から誘導される脂肪酸の、ナトリウム塩又はカリウム塩を包含する。他の同様なアニオン性界面活性剤は、米国特許第2,486,921号明細書、同第2,486,922号、明細書及び同第2,396,278号明細書に記載されている。
【0026】
好適なアニオン性洗浄性界面活性剤はまた、スクシネートが挙げられ、その例としては、N−オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二アンモニウム、N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホコハク酸四ナトリウム、スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル、スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル、及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルを包含する。
【0027】
他の適切なアニオン性洗浄性界面活性剤としては、約10〜約24個の炭素原子を有するオレフィンスルホネートが、更に、挙げられる。真性アルケンスルホネート、及びある割合のヒドロキシアルカンスルホネートに加えて、オレフィンスルホネートには、少量の他の物質、例えばアルケンジスルホネートなどを、反応条件、反応物質の比率、オレフィンストックにおける出発物質のオレフィン及び不純物の性質、並びにスルホン化プロセス中の副反応に応じて含有することができる。こうしたアルファオレフィンスルホネート混合物の非限定例は、米国特許第3,332,880号明細書に記載されており、この記載を本明細書に参考として組み込む。
【0028】
当該組成物に用いるのに好適なアニオン性洗浄性界面活性剤の部類は、β−アルキルオキシアルカンスルホネートである。これらの界面活性剤は、次式に従う。
【0029】
【化1】

式中、R1は約6〜約20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基であり、R2は約1〜約3個の炭素原子、典型的には1個の炭素原子を有する低級アルキル基であり、Mは先に記載したような水溶性のカチオンである。
【0030】
本組成物に用いられる好適なアニオン性洗浄性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、及びラウレス硫酸アンモニウムからなる群から選択される。
【0031】
本発明の組成物は、本明細書において上記したアニオン性洗浄性界面活性剤と組み合わせて用いるための追加の界面活性剤を含んでもよい。こうした界面活性剤の好適なものとしては、双極性(両性を包含)、非イオン性、及びカチオン性の界面活性剤が挙げられる。
【0032】
本明細書の組成物中で使用するために好適な双極性面活性剤には、ヘアケア又は他のパーソナルクレンジング組成物での使用が既知のものが挙げられる。好適な双極性界面活性剤の非限定例は、米国特許第5,104,646号明細書(ボリッチJr.(Bolich Jr.)ら)及び同第5,106,609号明細書(ボリッチJr.(Bolich Jr.)ら)に記載されている。本組成物に用いるのに好適な双極性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、その脂肪族ラジカルは直鎖若しくは分枝鎖であることができ、脂肪族置換基のうちの1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン基(例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート)を含有する。こうした双極性界面活性剤の例としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
好適な非イオン性界面活性剤としては、7以上のHLBを有し、1以上のポリエチレンオキシド鎖を含む非イオン性界面活性剤が挙げられ、各ポリエチレンオキシド鎖は、平均で少なくとも約5エチレンオキシド単位を含有する。各ポリエチレンオキシド鎖が平均して少なくとも約5のエチレンオキシド単位を含有する、1以上のポリエチレンオキシド鎖を含む非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド並びにこれらのモノエタノールアミン及びジエタノールアミン誘導体、並びに少なくとも約50のエチレンオキシド基を有するポリエトキシル化脂肪族アミン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
1つ以上のポリエチレンオキシド鎖を含む好適な非イオン性界面活性剤としては、少なくとも約5個、典型的には約10〜20個の、エチレンオキシド単位を有する、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。このような非イオン性界面活性剤の非限定例は、ステアレス−10及びステアレス−15である。非イオン性界面活性剤として使用するには、7以上のHLBを有し、ポリエチレンオキシド鎖を含まないものも好適である。ポリエチレンオキシド鎖を有さない非イオン性界面活性剤としては、ポリグリセロレート化脂肪酸、ポリグリセロレート化脂肪族アミド、ポリグリセロレート化アルキルフェノール、ポリグリセロレート化α−ジオール、ポリグリセロレート化アルコール、アルキルポリグルコシド及び糖エステルが挙げられる。ポリエチレンオキシド鎖を有さない好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシド、糖エステル、ポリグリセリル脂肪酸エステル、アルキルポリグリセリルエーテル、及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0035】
更に、好適な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシドのようなアルキル多糖(APS)界面活性剤が挙げられる。こうした界面活性剤は、米国特許第4,565,647号明細書(レナドー(Llenado)、1986年1月21日発行)に記載されており、これは約6〜約30個の炭素原子の疎水性基、及び親水性基として多糖類(例えば、ポリグリコシド)を有するAPS界面活性剤について開示している。所望により、疎水性部分及び親水性部分に結合しているポリアルキレンオキシド基が存在し得る。アルキル基(すなわち疎水性部分)は、飽和又は不飽和、分枝状又は非分枝状、及び非置換又は置換(例えばヒドロキシ又は環状環)であり得る。
【0036】
また中でも好適な非イオン性界面活性剤は、式R(O)OCH2CH(OH)CH2(OCH2CH2nOHを有するもののようなポリエチレングリコール(PEG)グリセリル脂肪酸エステルであり、式中、nは約5〜約200の、典型的には約20〜約100の整数であり、Rは、約8〜約20個の炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビルである。
【0037】
本発明にて用いるのに好適なカチオン性界面活性剤としては、少なくとも約8個の炭素原子を含有する脂肪鎖を少なくとも1つ有する四級アンモニウム塩又はアミドアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な第四級アンモニウム塩は、次の一般式N+(R1235)X-を有し:式中、R1は、約8〜約30の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状ラジカルから選択され、R2は、約8〜約30の炭素原子を含む直鎖状及び分枝鎖ラジカル、又はラジカルR3〜R4と同じ群から選択され、R3〜R4は、約1〜約4の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状脂肪族ラジカル、アリール及びアルキルアリールのような芳香族ラジカルから独立して選択され、脂肪族ラジカルは、酸素、窒素、硫黄、及びハロゲンのような少なくとも1つのヘテロ原子を含んでもよく、脂肪族ラジカルは、例えば、アルキル、アルコキシ、及びアルキルアミドラジカルから選択され、X-は、塩素、臭素、及びヨウ素のようなハロゲン化物、硫酸メチル、ホスフェート、アルキル及びアルキルアリールスルホネート、のような(C2〜C6)アルキルスルホネート、並びに酢酸塩及び乳酸塩のような有機酸由来のアニオンから選択されるアニオンである。
【0038】
こうした好適なカチオン性界面活性剤の非限定例としては、塩化セトリモニウム、塩化ステアリモニウム、塩化ベヘントリモニウム、ベヘナミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、塩化ステアラミドプロピルトリモニウム、塩化アラキドトリモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0039】
好適なアミドアミンカチオン性界面活性剤は、以下の一般式を有し:R’1−CONH(CH2nNR’2R’3、式中、R’1は、約8〜約30個の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状ラジカルから選択され、R’2及びR’3は独立して、水素、約1〜約4個の炭素原子を含む直鎖状及び分枝状脂肪族ラジカル、並びにアリール及びアルキルアリールなどの芳香族ラジカルから選択され、前記脂肪族ラジカルは少なくとも1つの酸素、窒素、イオウ、及びハロゲン等のヘテロ原子を含んでもよく、前記脂肪族ラジカルは、例えば、アルキル、アルコキシ、及びアルキルアミドラジカルから選択され、nは約1〜約4の整数である。
【0040】
こうした好適なアミドアミンの非限定例としては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
界面活性剤はまた、組成物の構成成分に化学的及び物理的に適合性があるか、製品性能、審美性、又は安定性を過度に損なわないならば、ヘアケア又はパーソナルケア製品に用いるための、当該技術分野において既知のいかなるこうした界面活性剤を用いてもよい。本組成物における界面活性剤の濃度は、所望の洗浄又は起泡性能、選択した界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の構成成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の要因によって変化する可能性がある。
【0042】
本組成物に用いるのに好適なアニオン性、双極性、非イオン性、カチオン性、又は追加の界面活性剤の非限定的な例は、マカッチャン(McCutcheon)著、「乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)」(1989年年報、M.C.出版社(M. C. Publishing Co.)刊)に記されている並びに米国特許第3,929,678号明細書、同第2,658,072号明細書、同第2,438,091号明細書、及び同第2,528,378号明細書に記載されている。
【0043】
アミンオキシド
本発明の組成物はまた、アミンオキシド界面活性剤を含んでもよい。アミンオキシド界面活性剤は一般に、双極性界面活性剤として分類される。好適なアミンオキシド界面活性剤は次式を有し:
【0044】
【化2】

式中、R3は、約8〜約22個の炭素原子を含有する直鎖若しくは分枝鎖アルキル、ヒドロキシアルキル、又はアルキルフェニル基、又はこれらの混合物であり、R4は、アルキル部分が約2〜約3個の炭素原子を含有するアルキレン、アルキルエーテル、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの混合物であり、xは約0〜約3であり、及び各R5は独立して、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基、又は約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基である。R5基は、例えば酸素原子又は窒素原子を介して互いに結合させ、環状構造を形成できる。
【0045】
好適なアミンオキシド化合物の非限定例としては、ジメチル−ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12〜15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素添加パーム核アミンオキシド、水素添加タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12〜15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG−3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、及びタロウアミンオキシドが挙げられる。種々の実施形態において、アミンオキシドはジメチルラウラミンオキシドである。
【0046】
アミンオキシドは組成物中に、有効な量、一般には約0.1重量%〜約20重量%、典型的には約0.1重量%〜約15重量%、通常は約0.5重量%〜約10重量%で、存在する。
【0047】
種々の実施形態において、当該シャンプー組成物は、アニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する。更なる実施形態において、シャンプー組成物は、ラウリル硫酸ナトリウムとジメチルラウラミンオキシドとの組み合わせを含有する。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する幾つかの実施形態においては、アニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤とのモル比は、約2:1〜約40:1である。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する特定の実施形態においては、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は、約2:1〜約30:1である。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は、約2:1〜約15:1である。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する、更に別の実施形態では、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は、約2:1〜約10:1である。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する更なる実施形態では、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は、約2:1〜約5:1である。シャンプー組成物がアニオン性界面活性剤とアミンオキシド界面活性剤との組み合わせを含有する更に別の実施形態では、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比は、約3:1である。
【0048】
種々の実施形態において、シャンプー組成物はラウリル硫酸ナトリウムとジメチルラウラミンオキシドとの組み合わせを含有し、ラウリル硫酸ナトリウムとジメチルラウラミンオキシドとのモル比は、約2:1〜約40:1、一般には約2:1〜約30:1、典型的には約2:1〜約15:1、通常は約2:1〜約10:1、一般には約2:1〜約5:1であり、典型的には約3:1である。
【0049】
アミンオキシド界面活性剤は一般には、他の界面活性剤との良好な適合性を示し、即ち、混合ミセルを形成する。いかなる理論にも束縛されないが、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとの適合性は、これら2つの界面活性剤の特定の比率において最適化されると考えられる。具体的には、特定の比率において、界面における及び界面活性剤の凝集体中における、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとの相互作用が、特に好都合となり、結果として、より密な充填(即ち、荷電基間の距離の減少)、及び界面活性の増加をもたらす。この界面活性の増加は、臨界ミセル濃度及び界面張力のような周知の測定を用いて測定できる。これらの測定値は乳化効率及びクリーニング性能と相関する。
【0050】
好適な界面活性剤の選択及び界面活性剤のモル比の調節は、組成物の性能特性、即ち洗浄性能及びコンディショニング性能を誘導するために、組成物中における界面活性剤の種類及び濃度の最適化の一例である。組成物中における界面活性剤の種類及び濃度の最適化の別の例は、界面活性剤のエトキシル化度に関する。例えば、アニオン性界面活性剤との関連においては、界面活性剤のエトキシル化度を最適化することが望ましい場合がある。
【0051】
高いエトキシル化度を有する洗浄組成物は典型的に、カチオン性ポリマーの存在下でより多くのコアセルベートを形成し、及び毛髪上により多くのコンディショニング剤を付着させると考えられる。低いエトキシル化度を有する洗浄組成物は典型的に、改善された洗浄性を示し、毛髪上に付着されるコンディショニング剤がより少ない。幾つかの実施形態では、本発明の組成物において使用するためのアニオン性界面活性剤は、約0〜約6のエトキシル化度を有する。このようなアニオン性界面活性剤系とアミンオキシドとの組み合わせは、クレンジング性能の向上をもたらす。
【0052】
カチオン性ポリマー
本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してもよい。組成物中におけるカチオン性ポリマーの濃度は、一般には組成物の約0.01重量%〜約5重量%、典型的には約0.05重量%〜約2重量%、通常は約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の企図される用途のpHにおいて、少なくとも約0.3meq/g、典型的には少なくとも約0.5meq/g、通常は少なくとも約0.7meq/gであるが、また、一般には約7meq/g未満、典型的には約5meq/g未満である、カチオン電荷密度を有する。組成物の企図される用途のpHは一般に、約pH3〜約pH9、典型的には約pH4〜約pH8の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは一般に、約1,000〜約10,000,000、典型的には約10,000〜約5,000,000、通常は約20,000〜約2,000,000の範囲の平均分子量を有する。
【0053】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有する。カチオン性プロトン化アミンは、組成物の特定の化学種及び選択したpHに応じて、第一級、第二級又は第三級アミン(典型的には、第二級又は第三級)であり得る。カチオン性ポリマーに関連して、いかなるアニオン性対イオンを使用することもできるが、そのポリマーが、水、組成物、又は組成物のコアセルベート相に可溶なままであること、また、その対イオンが、組成物の構成成分と物理的及び化学的に適合性があり、そうでなければ製品の性能、安定性、又は審美性を過度に損なわないことを条件とする。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート、及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0054】
このようなポリマーの非限定例は、CTFA化粧品成分辞典(CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary)、第3版、エストリン(Estrin)、クロスレー(Crosley)、及びヘインズ(Haynes)編(米国化粧品工業協会(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.)、ワシントンD.C.(1982年))に記載されている。好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、カチオン性プロトン化アミン又は第四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーと、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン、又はビニルピロリドンのような水溶性のスペーサーモノマーとのコポリマーが挙げられる。
【0055】
本明細書の組成物のカチオン性ポリマーに含めるための好適なカチオン性プロトン化アミノ及び第四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル第四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びに、例えばアルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩などの、ピリジニウム、イミダゾリウム、及び第四級ピロリドンのような環状カチオン性窒素含有環を有するビニル第四級アンモニウムモノマーが挙げられる。
【0056】
組成物に用いる他の好適なカチオン性ポリマーとしては、1−ビニル−2−ピロリドンと1−ビニル−3−メチルイミダゾリウム塩(例えば、塩化物)のコポリマー(米国化粧品工業会(Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association)、「CTFA」により、産業界で、ポリクオタニウム(Polyquaternium)−16と呼ばれている)、1−ビニル−2−ピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム−11と呼ばれている)、カチオン性ジアリル第四級アンモニウム含有ポリマー、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(産業界で、CTFAにより、それぞれポリクオタニウム6及びポリクオタニウム7と呼ばれている)、アクリル酸の両性コポリマー、例えば、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム22と呼ばれている)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム39と呼ばれている)、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー(産業界で、CTFAにより、ポリクオタニウム47と呼ばれている)が挙げられる。好適なカチオン性置換モノマーは、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせである。これらの好適なモノマーは次式に従い:
【0057】
【化3】

式中、R1は水素、メチル又はエチルであり、R2、R3及びR4はそれぞれ独立して、水素、又は約1〜約8の炭素原子、典型的には約1〜約5の炭素原子、一般的には約1〜約2の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、nは約1〜約8、典型的には約1〜約4の値を有する整数であり、Xは対イオンである。R2、R3及びR4に結合する窒素はプロトン化アミン(第一級、第二級又は第三級)であってもよいが、典型的には第四級アンモニウムであり、各R2、R3及びR4はアルキル基であり、その非限定例はポリメタクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)塩化トリモニウムであり、米国ニュージャージー州クランベリーのローヌ・プーラン(Rhone-Poulenc)より、ポリケア(Polycare)133の商品名で入手可能である。
【0058】
本組成物に用いるのに好適な他のカチオン性ポリマーとしては、カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好適なカチオン性多糖類ポリマーには、以下の式に合致するものが挙げられ:
【0059】
【化4】

式中、Aは、スターチ又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であり、Rは、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基、又はそれらの混合物であり、R1、R2、及びR3は、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は、約18個以下の炭素原子を有し、各カチオン部分の炭素原子の合計数(即ちR1、R2、及びR3内の炭素原子の合計数)は、好ましくは20以下であり、Xは、前述したようにアニオン性対イオンである。
【0060】
好適なカチオン性セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩であり、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、アマコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州エジソン(Edison))より、ポリマーのポリマー(Polymer)LR、JR及びKGシリーズとして入手可能である。カチオン性セルロースのその他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマーの第四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、アマコール社(Amerchol Corp.)より、ポリマーLM−200の商標名で入手可能である。
【0061】
その他の好適なカチオン性ポリマーとしては、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc Incorporated)より市販されているジャガーシリーズ、及びハーキュレス社のアクアロン部門より市販されているN−ハンス(N-Hance)シリーズが挙げられる。他の好適なカチオン性ポリマーには、第四級窒素含有セルロースエーテルが挙げられ、そのいくつかの例が米国特許第3,962,418号明細書に記載されている。他の好適なカチオン性ポリマーとしては、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマーが挙げられ、その幾つかの例が、米国特許第3,958,581号明細書に記載されている。使用される場合、本明細書におけるカチオン性ポリマーは、組成物に可溶であるか、又はそのカチオン性ポリマーと、前述した洗浄性界面活性剤構成成分とにより形成される組成物中の複合コアセルベート相に可溶である。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、組成物中の他の荷電物質で形成させることもできる。
【0062】
汚れ浸透剤
本発明の幾つかの実施形態では、組成物は汚れ浸透剤を含む。汚れ浸透剤は、汚れ(即ち、シリコーン、脂肪族アルコール、四級化合物、ポリマー、粒子等)の単純な及び複雑な混合物に浸透及び膨潤するのに有効である構成成分である。汚れ浸透剤は、毛髪及び皮膚で使用するのに安全であると同時に、組成物の構成成分と化学的及び物理的に適合性を有するように、又はそうでなければ製品性能、審美性、若しくは安定性を過度に損なわないように選択すべきである。
【0063】
本発明の汚れ浸透剤としては、疎水性の有機溶媒、及び低い水溶性及び低い揮発性(即ち、高い引火点)を特徴とする有機溶媒が挙げられる。典型的には、汚れ浸透剤の水溶性は、温度約25℃において水100mL当たりの汚れ浸透剤(g)で、約3重量%未満、一般には約1重量%未満、通常は約0.5重量%未満である。汚れ浸透剤の引火点は(米国材料試験協会(American Society for Testing and Materials)(ASTM)法D93−02aに従って測定したとき)、典型的に少なくとも約65℃、通常は少なくとも約70℃、典型的には少なくとも約80℃である。汚れ浸透剤の沸点は、一般には約150℃よりも高く、一方凝固点は典型的には約20℃よりも高い。更に、CLogPのような分配パラメータ、ハンセンパラメータのような溶解度パラメータが、汚れ浸透剤の選択を誘導することもある。本発明の汚れ浸透剤は典型的に、約1よりも大きいClogP値によって特徴付けられる。
【0064】
好適な汚れ浸透剤としては、上述した溶解度及び引火点パラメータを有する、有機炭化水素、エーテル、及びアルコールが挙げられる。非限定例としては、ベンジルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、フルフリルアルコール、及び1,2−ヘキサンジオール;エステル、例えば、乳酸エチル、メチルエステル、エチルアセトアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート;グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、及びプロピレングリコールブチルエーテル;グリコール、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4ペンタンジオール)、トリエチレングリコール、及びジプロピレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0065】
幾つかの実施形態では、汚れ浸透剤はグリコールエーテルである。更なる実施形態では、汚れ浸透剤は、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0066】
本組成物における汚れ浸透剤の濃度は、所望される洗浄又は起泡性能、選択した界面活性剤、所望の製品濃度、組成物中の他の構成成分の存在、及び当該技術分野において周知の他の要因によって変化する可能性がある。組成物は一般に、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、典型的には約0.5重量%〜約8重量%、通常は約1重量%〜約5重量%の汚れ浸透剤を含む。
【0067】
いかなる理論にも束縛されないが、難溶性の汚れ浸透剤は使用中、即ちシャワー中に、汚れ界面(即ち毛髪上)へ移動することになると考えられる。一旦汚れと、特に典型的な使用(即ち、シャワー)温度において固体である汚れと接触すると、汚れ浸透剤は汚れに浸透して汚れを軟化し、それによって界面活性剤が汚れを乳化して除去できるようにする。このように、界面活性剤(類)と汚れ浸透剤(類)との間で相乗的に相互作用する可能性があり、界面活性剤及び汚れ浸透剤の選択がこの相乗的な相互作用に影響を与える場合がある。幾つかの汚れ浸透剤及び幾つかの界面活性剤を最適な界面活性剤比において使用すると、使用中にマイクロエマルションが形成されやすい。存在する界面活性剤及び汚れ浸透剤の種類及び濃度によって導かれるような、界面活性剤と汚れ浸透剤との相互作用が、乳化及び汚れの除去に影響を与え、それによって毛髪表面からより多くの汚れを除去することもできる。
【0068】
更に、本発明の組成物を用いて処理された洗ったばかりの毛髪表面(更なる付着活性成分、即ちシリコーン又はポリマーを伴うか、又は伴わない)は、汚れ/皮脂を寄せ付けず、又は汚れ/皮脂の更なる広がりを妨げる。この反発作用は、本発明の組成物によって、汚れ/皮脂の毛髪からの除去が増加されることによりもたらされる、毛髪の表面エネルギーの変化に起因するものと考えられる。結果として、組成物で処理された毛髪はより長くより清潔なままである。洗いたての毛髪表面はまた、表面エネルギーに関してより均一であり、より付着物がなく、それにより、後に続く、コンディショナー、スタイリング補助剤、及び着色剤などの毛髪ケア活性物質による処理のために、より均質な表面を提供する。このことは、特に、使用者全員において、毛髪ケア活性物質がより一貫した結果をもたらすことを可能にする(即ち、最初に毛髪上に様々な量の汚れを有する使用者らが、本発明の組成物を使用した後に、毛髪上に同様の低レベルの汚れを有することになる)。
【0069】
本発明の汚れ浸透剤及び界面活性剤系はまた、素早い泡立ち及び素早いすすぎに寄与する場合もある。具体的には、界面活性剤系は素早い泡立ちに寄与するものと考えられる。特定の界面活性剤の種類及び比率を選択することが、たくさんの小さな界面活性剤凝集体の形成に寄与する。これらの界面活性剤凝集体は小さいので、それらは空気/水界面に急速に移動し、その界面において急速に泡を発生させる。界面活性剤の種類及び比率に応じて、当該界面活性剤系は、従来のシャンプー組成物、即ち実施例7の組成物よりも約20%〜約30%速く泡を生成する場合がある。
【0070】
一方汚れ浸透剤は、素早いすすぎに寄与する。大概は非水溶性の有機分子と同様に、当該汚れ浸透剤は、使用前(ボトル中)及び使用中の双方で、界面活性剤マトリックス中で可溶化される。しかし、組成物のすすぎの際に、有機分子は、界面活性剤マトリックスからすすぎ溶液中へと放出され、すすぎ溶液中においては有機分子は泡抑制剤として作用する。汚れ浸透剤の種類及び濃度によっては、約99%もの泡が減少する場合がある。一般に、汚れ浸透剤は約90%ほどの泡、典型的には約80%ほど、通常は約70%ほどの泡を減少させる。泡の減少をより少なくしたい場合、即ち、約50%未満の泡の減少を所望する場合には、汚れ浸透剤の種類及び濃度をそれに応じて変更してもよい。
【0071】
追加の構成成分
本発明の組成物には、更に毛髪ケア又はパーソナルケア製品用として既知の追加構成成分を1つ以上、この追加構成成分が本明細書に記載の組成物の構成成分と物理的及び化学的に適合するか、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわない場合に、含んでもよい。このような追加構成成分の個々の濃度は約0.001%〜約10%の範囲であってもよい。
【0072】
組成物に用いられる追加の構成成分の非限定例としては、非イオン性ポリマー、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーン)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度変性剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
【0073】
1.非イオン性ポリマー
約1000を超える分子量を有するポリアルキレングリコールが本明細書において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0074】
【化5】

式中、R95はH、メチル及びこれらの混合物からなる群から選択される。本明細書中で有用なポリエチレングリコールポリマーは、PEG−2M(ポリオックスWSR(Polyox WSR)(登録商標)N−10としても既知であり、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)から入手可能であり、PEG−2,000としても既知である)、PEG−5M(ユニオン・カーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80としても既知であり、PEG−5,000及びポリエチレングリコール300,000としても既知である)、PEG−7M(ユニオン・カーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−750としても既知である)、PEG−9M(ユニオン・カーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても既知である)、並びにPEG−14M(ユニオン・カーバイドから入手可能なポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても既知である)である。
【0075】
2.コンディショニング剤
コンディショニング剤は、特定のコンディショニング効果を毛髪及び/又は皮膚に与えるために用いられる、いかなる物質も含む。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性の水分散性不揮発性液体を含む。本組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、高屈折率のシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、グリセリン、グリセリン誘導体、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、又はこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、別の方法では、本明細書の水性界面活性剤マトリックスに液体の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。これらのコンディショニング剤は、物理的及び化学的に組成物の構成成分と適合すべきであり、過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0076】
組成物のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニングの利点を提供するのに十分でなくてはならず、当業者には明白であろう。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均粒径、その他の構成成分の種類及び濃度、並びにその他の同様の要因により様々であり得る。
【0077】
a.シリコーン
本発明の組成物のコンディショニング剤は典型的に、不溶性の不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。シリコーンコンディショニング剤粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、シリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を向上させるためのシリコーン樹脂のような他の成分も含んでもよい。
【0078】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は一般に、約0.01%〜約10%、通常は約0.1%〜約8%、典型的には約0.1%〜約5%、通常は約0.2%〜約3%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤及びシリコーンのための任意の懸濁剤の非限定例は、米国再発行特許第34,584号明細書、米国特許第5,104,646号明細書、及び同第5,106,609号明細書に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンコンディショニング剤の粘度は、25℃で測定した場合で、一般に約2E−5m2/s(20csk)〜約2m2/s(2,000,000センチストークス)(「csk」)、典型的には、約0.001m2/s(1,000csk)〜約1.8m2(1,800,000csk)、通常は、約0.05m2/s(50,000csk)〜約1.5m2/s(1,500,000csk)、典型的には、約0.1m2/s(100,000csk)〜約1.5m2/s(1,500,000csk)である。
【0079】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、典型的には約0.01μm〜約50μmの範囲の数平均粒子直径を有する。小さな粒子を毛髪に塗布するには、数平均粒子直径は典型的には約0.01μm〜約4μm、通常は、約0.01μm〜約2μm、一般には、約0.01μm〜約0.5μmの範囲である。毛髪へのより大きな粒子の塗布については、数平均粒子直径は、典型的には約4μm〜約50μm、通常は約6μm〜約30μm、一般には普通、約9μm〜約20μm、典型的には約12μm〜約18μmの範囲である。
【0080】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を包含するシリコーンの背景資料は、「ポリマーの科学と技術の百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」15巻、第2版、204〜308頁、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons Inc.)(1989年)に見出される。
【0081】
i.シリコーンオイル
シリコーン流体としてはシリコーンオイルが挙げられ、これは25℃で測定して、1m2/s(1,000,000csk)未満、典型的は、約5E−6m2/s(5csk)〜約1m2/s(1,000,000csk)、通常は約0.0001m2/s(100csk)〜約0.6m2/s(600,000csk)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。本発明の組成物に用いるのに好適なシリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。また毛髪コンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体を使用してもよい。
【0082】
ii.アミノ及びカチオン性シリコーン
本発明の組成物中に使用するのに好適なカチオン性シリコーン流体としては、以下の一般式(V)に一致するものであるが、これらに限定されない。
【0083】
(R1a3-a−Si−(−OSiG2n−(−OSiGb(R12-b)m−O−SiG3-a(R1a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ又はC1〜C8アルキル、典型的にはメチルであり、aは0又は1〜3の値を有する整数、典型的には0であり、bは0又は1、典型的には1であり、nは0〜1,999、典型的には49〜499の数であり、mは1〜2,000の整数、典型的には1〜10の整数であり、nとmとの合計は1〜2,000、典型的には50〜500の数であり、R1は、一般式CqH2qLに従う一価のラジカルであり、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の群から選択される。
【0084】
−N(R2)CH2−CH2−N(R22
−N(R22
−N(R23-
−N(R2)CH2−CH2−NR22-
式中、R2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカル、典型的には約C1〜約C20アルキルラジカルであり、Aはハロゲン化物イオンである。
【0085】
式(V)に従う好適なカチオン性シリコーンは、下記の式(VI)に示される「トリメチルシリルアモジメチコン」として既知のポリマーである:
【0086】
【化6】

【0087】
本発明の組成物中で使用してもよい他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(VII)によって表される。
【0088】
【化7】

式中、R3は、C1〜C18の一価炭化水素ラジカル、典型的にはメチルのようなアルキル又はアルケニルラジカルであり、R4は、炭化水素ラジカル、典型的にはC1〜C18アルキレンラジカル又はC10〜C18アルキレンオキシラジカル、通常はC1〜C8アルキレンオキシラジカルであり、Qはハロゲン化物イオン、典型的には塩化物であり、rは2〜20、典型的には2〜8の平均統計値であり、sは20〜200、典型的には20〜50の平均統計値である。この種類の好適なポリマーは、ユーケアシリコーン(UCARE SILICONE)ALE 56(商標)として既知であり、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)より入手可能である。
【0089】
iii.シリコーンゴム
本発明の組成物に用いるのに好適な他のシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で測定された場合、1m2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンゴムは、米国特許第4,152,416号明細書、ノル(Noll)及びウォルター(Walter)、シリコーンの化学及び技術(Chemistry and Technology of Silicones)、ニューヨーク(New York)、アカデミックプレス(Academic Press)(1968)、及びジェネラル・エレクトリック・シリコーンラバー・プロダクト・データシート(General Electric Silicone Rubber Product Data Sheets)SE 30、SE 33、SE 54及びSE 76に記載されている。本発明の組成物に用いるシリコーンゴムの具体的な非限定例には、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0090】
iv.高屈折率シリコーン
本発明の組成物に用いるのに好適な他の不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、屈折率が少なくとも約1.46、典型的には少なくとも約1.48、通常は少なくとも約1.52、典型的には少なくとも約1.55である「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満であろう。この文脈において、ポリシロキサン「流体」には、油並びにゴムが挙げられる。
【0091】
v.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂が、本発明の組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれてもよい。これらの樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に三官能性及び四官能性シランを一官能性又は二官能性又はその両方のシランとともに組み込むことによって導入される。
【0092】
特にシリコーン材料及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムによって利便的に同定することができる。このシステム下では、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。つまり、記号Mは一官能性単位(CH33SiO0.5を示し、Dは二官能性単位(CH32SiOを示し、Tは三官能性単位(CH3)SiO1.5を示し、Qは四官能性単位SiO2を示す。ユニット記号のプライム(例えば、M’、D’、T’及びQ’)は、メチル以外の置換基を示し、出現の度に具体的に定義される。
【0093】
b.有機コンディショニングオイル
本発明の組成物のコンディショニング構成成分はまた、約0.05%〜約3%、典型的には約0.08%〜約1.5%、通常は約0.1%〜約1%の、少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを、単独で又はシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせて、含んでもよい。
【0094】
i.炭化水素油
本発明の組成物においてコンディショニング剤として使用するのに適した有機コンディショニングオイルとしては、ポリマー及び混合物を包含する環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)のような少なくとも約10の炭素原子を有する炭化水素油が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は典型的に、約C12〜約C19である。炭化水素ポリマーを包含する分枝鎖炭化水素油は、典型的に19個超の炭素原子を含有するであろう。
【0095】
ii.ポリオレフィン
本発明の組成物で使用するための有機コンディショニングオイルはまた、液体ポリオレフィン、典型的には液体ポリ−α−オレフィン、通常は水素添加液体ポリ−α−オレフィンを包含することもできる。本明細書に用いるためのポリオレフィンは、C4〜約C14、典型的には約C6〜約C12のオレフィンモノマーの重合によって調製される。
【0096】
本明細書のポリオレフィン液の調製に使用するオレフィンモノマーの非限定例には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、4−メチル−1−ペンテンのような分枝鎖異性体、及びこれらの混合物が挙げられる。オレフィン含有精製原料又は廃液も、ポリオレフィン液を調製するのに適している。典型的な水素添加α−オレフィンモノマーとしては、1−ヘキセン〜1−ヘキサデセン、1−オクテン〜1−テトラデセン、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
iii.脂肪酸エステル
本発明の組成物においてコンディショニング剤として用いる、他の好適な有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも10の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられるが、これらに限定されない。これらの脂肪族エステルとしては、脂肪酸又はアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル)が挙げられる。本明細書の脂肪族エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)のような、他の適合性の官能基を包含してもよい。
【0098】
c.他のコンディショニング剤
同様に、本明細書の組成物において用いるのに好適であるのは、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)の米国特許第5,674,478号明細書及び同第5,750,122号明細書に記載されているコンディショニング剤である。更に本明細書に用いるのに好適であるのは、米国特許第4,529,586号明細書(クレアロール(Clairol))、同第4,507,280号明細書(クレアロール)、同第4,663,158号明細書(クレアロール)、同第4,197,865号明細書(ロレアル(L'Oreal))、同第4,217,914号明細書(ロレアル)、同第4,381,919号明細書(ロレアル)、及び同第4,422,853号明細書(ロレアル)に記載されているコンディショニング剤である。
【0099】
3.抗ふけ活性物質
本発明の組成物はまた、抗ふけ剤を含有してもよい。抗ふけ粒子の好適な非限定例としては以下のものが挙げられる:ピリジンチオン塩、炭酸亜鉛、例えばケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオールなどのアゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、及びこれらの混合物。典型的な抗ふけ粒子はピリジンチオン塩である。このような抗ふけ粒子は、物理的及び化学的に組成物の構成成分と適合すべきであり、過度に製品の安定性、審美性、又は性能を損なうべきではない。
【0100】
a.ピリジンチオン塩
ピリジンチオン抗ふけ粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、本発明の組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤である。ピリジンチオン抗ふけ粒子状物質の濃度は、典型的には組成物の約0.1重量%〜約4重量%、一般には約0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.3重量%〜約2重量%の範囲である。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムのような重金属、一般には亜鉛から形成されるものが挙げられ、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として既知)であり、通常は平板状粒子の形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、この際、粒子は約20μまで、典型的には約5μまで、通常は約2.5μまでの平均サイズを有する。ナトリウムのようなその他の陽イオンから形成された塩もまた好適である場合がある。ピリジンチオン抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号明細書;同第3,236,733号明細書;同第3,753,196号明細書;同第3,761,418号明細書;同第4,345,080号明細書;同第4,323,683号明細書;同第4,379,753号明細書;及び同第4,470,982号明細書に記載されている。
【0101】
b.抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、本発明は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌若しくは抗菌活性物質を更に含んでもよい。好適な抗菌活性物質には、コールタール、イオウ、ウィットフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマロッサ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、シンナミックアルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンのようなイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。典型的には抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0102】
i.アゾール
アゾール抗菌剤としては、ベンズイミダゾールのようなイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール(クリムバゾール)、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールのようなトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アゾール抗菌活性物質は、組成物中に存在するとき、組成物の約0.01重量%〜約5重量%、典型的には約0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.3重量%〜約2重量%の量で包含される。ケトコナゾールが、本発明で使用するのに特に一般的である。
【0103】
ii.硫化セレン
硫化セレンは本発明の抗菌組成物に用いるのに好適な粒子状抗ふけ剤であり、その有効濃度は組成物の約0.1重量%〜約4重量%、典型的には約0.3重量%〜約2.5重量%、通常は約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは一般にセレン1モル及びイオウ2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Sexy(式中、x+y=8)に従う環状構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には前方レーザー光散乱装置(forward laser light scattering device)(例えばマルバーン(Malvern)3600装置)で測定したときに15μm未満、好ましくは10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号明細書、同第3,152,046号明細書、同第4,089,945号明細書、及び同第4,885,107号明細書に記載されている。
【0104】
iii.硫黄
硫黄もまた、本発明の抗菌性組成物において粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用されてよい。粒子状イオウの有効濃度は、典型的には組成物の約1重量%〜約4重量%、典型的には約2重量%〜約4重量%である。
【0105】
iv.角質溶解剤
本発明は、サリチル酸のような1つ以上の角質溶解剤を更に含んでよい。
【0106】
v.追加の抗菌活性物質
本発明の追加の抗菌活性物質は、メラレウカ(茶木)及び炭の抽出物を包含してもよい。本発明はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせとして、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールとイオウとの組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾール(climbasole)との組み合わせ、サリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、及びこれらの混合物が挙げられる。イオウの濃度は、典型的には約1%〜約4%、通常は約2%〜約4%である。
【0107】
4.保湿剤
本発明の組成物は保湿剤を含有してよい。本明細書における保湿剤は、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオンポリマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される。保湿剤は、本明細書で使用するとき、典型的には約0.1重量%〜約20重量%、通常は約0.5重量%〜約5重量%の濃度で使用される。
【0108】
本明細書において有用な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0109】
本明細書において有用な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、約1,000までの分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称PEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000などを有するもの、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0110】
5.懸濁剤
本発明の組成物は、非水溶性物質を組成物中に分散させた形態で懸濁するために、又は組成物の粘度を変性するために有効な濃度で、懸濁化剤を更に含んでよい。前記濃度は、約0.1%〜約10%、典型的には約0.3%〜約5.0%の範囲にある。
【0111】
本明細書で有用な懸濁剤には、アニオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーが挙げられる。本明細書においては、ビニルポリマー、例えばCTFA名カルボマー(Carbomer)を有する架橋アクリル酸ポリマー、セルロース誘導体及び変性セルロースポリマー、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ニトロセルロース、硫酸セルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶性セルロース、セルロース粉末、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、カロブゴム、グアーガム、カラヤゴム、カラギーナン(carragheenin)、ペクチン、寒天、マルメロ種子(シドニアオブロンガミル(Cydonia oblonga Mill))、デンプン(コメ、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦)、藻類コロイド(藻類抽出物)、微生物学的ポリマー、例えばデキストラン、サクシノグルカン、プレラン(pulleran)、デンプン系ポリマー、例えばカルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン、アルギン酸系ポリマー、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アクリレートポリマー、例えばポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、並びに無機水溶性物質、例えばベントナイト、アルミニウムマグネシウムシリケート、ラポナイト、ヘクトナイト、及び無水ケイ酸が有用である。
【0112】
その他の任意構成成分
本発明の組成物は、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体などの非水溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩などの非水溶性アミノ酸のような、ビタミン及びアミノ酸も含有してよい。
【0113】
本発明の組成物はまた、C.I.名を有するもののような水溶性の成分を包含する、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン、植物、天然の色などの、顔料物質を含有してもよい。
【0114】
また本発明の組成物は、化粧品用殺生物剤及び抗ふけ剤として有用な抗菌剤を含有してもよく、これには、ピロクトンオラミンのような水溶性構成成分、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(トリクロサン)、トリクロカルバン及びピリチオン亜鉛のような非水溶性構成成分が挙げられる。
【0115】
また、本発明の組成物は、キレート剤を含有してもよい。
【0116】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に狭義に限定されるものとして解釈されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0117】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0118】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって本発明の範囲に含まれるすべてのこうした変更及び改変を付属の特許請求の範囲において網羅するものとする。
【0119】
非限定的な実施例
次の実施例に示されたシャンプー組成物は、本発明のシャンプー組成物の具体的な実施形態を説明するものであるが、これらに限定することを意図するものではない。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者は、他の修正を実行することができる。本発明のシャンプー組成物のこれらの例示された実施形態は、毛髪に増強されたクレンジング効果をもたらす。
【0120】
以下の実施例で示されるシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製される。特に規定のない限り、例示した全ての量は、重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、イメージ成分、植物等の微量物質は除外する。特に規定のない限り、全ての%は重量基準である。
【0121】
【表1】

1 アクアロン(Aqulaon)/ヘラクレス(Hercules)から入手可能な、N−ハンス(N-Hance)3269(約500,000の分子量及び0.8meq/gを有する)。
2 アメリコール(Amerchol)/ダウ・ケミカル(Dow Chemical)から入手可能な、ポリマー(Polymer)LR30M。
3 ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(General Electric Silicones)より入手可能な、ビスカシル(Viscasil)330M。
【0122】
幾つかの実施例におけるデータが、比較実施例7との比較における、アニオン性界面活性剤/アミンオキシドの組み合わせの汚れ洗浄効果並びに汚れ浸透剤の追加の洗浄効果を示している。
【0123】
【表2】

【0124】
油水乳化試験は、組成物が油を乳化して、乳化状態を長時間維持する能力の測定である。本発明の異なる組成物(実施例1及び6の組成物)並びに比較組成物(実施例7)を、25℃で、水及びオリーブオイルで満たしたバイアル瓶に加える。具体的には、18mLの水及び20mLのオリーブオイルを含有するバイアル瓶に、上述の組成物(実施例1、6、又は7の組成物)のうちの1つを2mL加える。使用時の(即ちシャワー時の)条件を再現するために、水とこうした組成物との比率はおよそ10:1(体積基準で)とする。得られた混合物を、標準的なオービタルミキサーを用いて約3分間(及び約15分まで)均一に振盪する。水の体積、及び乳化相から水層が再び現れるために必要とされる時間を記録する。エマルションが消えて水が分離するほど速く、エマルションは安定していない。上記のデータは水の分離に必要とされる時間の指標を示す。実施例1において形成されたエマルションは、比較組成物よりも33%安定し、一方、実施例6において形成されたエマルションは比較組成物の2倍以上安定している。
【0125】
ヒト脂質分析は、実際の皮脂を用いた汚れ除去試験である。この試験は、各々のバイアル瓶の内部が既知の質量の皮脂(即ち、0.2g)で覆われた幾つかのバイアル瓶の使用を伴う。種々の組成物(実施例1、6、又は7の組成物)を、25℃で、皮脂で覆われたバイアル瓶に加える。使用時の(即ちシャワー時の)条件を再現するために、水とこうした組成物との比率はおよそ10:1(体積基準で)とする。得られた混合物を、標準的な磁性攪拌器を用いて約3分間(及び約15分まで)均一に振盪する。振盪を停止してから10分後に、この溶液をバイアル瓶から注ぎ出し、皮脂濃度に関して分析する。存在する初期の皮脂の百分率を、上記の表に示す。上記の表で分かるように、実施例1の組成物は比較組成物よりも50%多くの皮脂を除去し、一方、実施例6の組成物は比較組成物の2倍の皮脂を除去した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.5〜50重量%の、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む洗浄性界面活性剤組成物と、
b.0.1〜20重量%のアミンオキシドと、
c.0.01〜5重量%のカチオン性ポリマーと、
を含むシャンプー組成物であって、アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比が2:1〜40:1である、シャンプー組成物。
【請求項2】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記アミンオキシドが、ジメチル−ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12〜C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素添加パーム核アミンオキシド、水素添加タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12〜C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG−3ラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、及びタロウアミンオキシドからなる群から選択される、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比が、2:1〜10:1、好ましくは3:1である、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記カチオン性ポリマーが、1,000〜10,000,000、好ましくは20,000〜2,000,000の分子量を有する、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
前記カチオン性ポリマーが、0.3meq/g〜7meq/g、好ましくは0.7meq/g〜5meq/gの電荷密度を有する、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
a.5〜50重量%の洗浄性界面活性剤組成物と、
b.0.1〜20重量%のアミンオキシドと、
c.0.01〜5重量%のカチオン性ポリマーと、
d.0.1〜10重量%の汚れ浸透剤と、
を含むシャンプー組成物。
【請求項8】
前記洗浄性界面活性剤組成物が、アニオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される界面活性剤を含む、請求項7に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
前記洗浄性界面活性剤組成物が、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む、請求項7に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
前記アニオン性界面活性剤が、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
前記アミンオキシドが、ジメチル−ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12〜15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタロウアミンオキシド、水素添加パーム核アミンオキシド、水素添加タロウアミンオキシド、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルC12〜15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ミリスチル/セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG−3ラウラミンオキシド、カリウムトリスホスホノメチルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、及びタロウアミンオキシドからなる群から選択される、請求項7に記載のシャンプー組成物。
【請求項12】
前記アニオン性界面活性剤とアミンオキシドとのモル比が、2:1〜40:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは3:1である、請求項9に記載のシャンプー組成物。
【請求項13】
前記カチオン性ポリマーが、1,000〜10,000,000、好ましくは20,000〜2,000,000の分子量を有する、請求項7に記載のシャンプー組成物。
【請求項14】
前記カチオン性ポリマーが、0.3meq/g〜7meq/g、好ましくは0.7meq/g〜5meq/gの電荷密度を有する、請求項7に記載のシャンプー組成物。

【公表番号】特表2010−519250(P2010−519250A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550368(P2009−550368)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/IB2008/051074
【国際公開番号】WO2008/114232
【国際公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】