説明

アリスキレンおよびヒドロクロロチアジドのガレヌス製剤

本発明は、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物の群から選択される親水性増量剤またはそれらの組合せ、例えば、糖、糖アルコールおよびデンプンまたはそれらの組合せを含む固体経口投与形態に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適当な担体媒体中で、活性成分として経口的に活性なレニン阻害剤であるアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩およびヒドロクロロチアジド(HCTZ)を含む固体経口投与形態に関する。特に、本発明は、ヘミフマル酸アリスキレンをヒドロクロロチアジド(HCTZ)と組み合わせて含むガレヌス製剤を提供する。本発明は、また、それらの製造法および薬剤としてのそれらの使用に関する。
【0002】
以下“アリスキレン”なる用語は、具体的に定義のない限り、遊離塩基およびその塩の両方、とりわけその薬学的に許容される塩、さらに好ましくはそのヘミフマル酸塩と理解されるべきである。
【背景技術】
【0003】
腎臓から放出されたレニンは、循環中にアンギオテンシノーゲンを開裂し、デカペプチドであるアンギオテンシンIを形成する。これは肺、腎臓および他の臓器中でアンギオテンシン変換酵素により次々に開裂し、オクタペプチドであるアンギオテンシンIIを形成する。オクタペプチドは、細胞外液量の増加を伴う、動脈血管収縮により直接的に、および、副腎からナトリウムイオンを維持するホルモンであるアルドステロンを遊離することにより間接的にの両方で血圧を増加させる。レニンの酵素活性の阻害剤はアンジオテンシンI形成の減少を引き起こす。結果として、より少量のアンギオテンシンIIが生産される。活性なペプチドホルモンの減少した濃度が、例えば、レニン阻害剤の抗高血圧効果の直接の原因である。したがって、レニン阻害剤またはその塩は、例えば、抗高血圧として、または鬱血性心不全を処置するために使用し得る。
【0004】
レニン阻害剤であるアリスキレン、特にそのヘミフマル酸塩は、年齢、性別または人種に関わりなく血圧を低下する処置で有用であり、また良好な耐用性を示すことが既知である。遊離塩基形のアリスキレンは、下記式
【化1】

により示されており、そして、化学的に2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−di(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]−オクタンアミドとして定義される。上記のとおり、EP678503Aの実施例83に具体的に記載されているそのヘミフマル酸塩がさらに好ましい。
【0005】
ヒドロクロロチアジドは利尿剤として既知であり、アリスキレンとの組合せが、例えば、WO02/40007に記載されている。
【0006】
錠剤またはカプセルとしてのこのような医薬の経口投与は、静脈内または筋肉内のような非経口投与以上のある利点を有する。有痛性の注射可能製剤での処置を必要とする疾患は、経口投与形態で処置できる状態よりもより重症であると考慮される。しかしながら、非経口製剤は、ほとんどの場合、医師または医療従事者により投与されるべきであるが、経口製剤での主な利点は自己投与に適当であることである。
【0007】
しかしながら、アリスキレンを製剤することは困難であり、信頼性があり、かつ確固たる方法で錠剤形態の経口製剤を製造することは容易でない。アリスキレンまたはその薬学的に許容される塩を含むガレヌス製剤において、高用量が通常、薬剤(DS)に必要であり、これが錠剤の製剤を困難にさせる。
【0008】
例えば、アリスキレンは、薬剤のバルク特性、例えば、流動性およびバルク密度に悪影響を有する針状結晶癖を有する。薬剤の圧縮挙動が不良であり、加圧下で粒子間結合が弱く、多形変化を起こす。アリスキレンは、粒子間結合の低下も引き起こす強い弾性成分を有する。適度な錠剤サイズを達成するために、高用量(錠剤あたり300mgまたは600mgまでの遊離塩基)で、高い薬剤負荷が必要である。
【0009】
薬剤品質、例えば、粒子サイズ分布、バルク密度、流動性、湿潤挙動、表面積および固着性は、錠剤の加工性に対する影響を大きく変化させる。さらに、アリスキレンは高い吸湿性である。水との接触および水の除去後、薬剤多形は、結晶状態と比較して低い安定性を示す無定形状態に変化する。これらの障害の組合せが標準的な錠剤製造過程を極端に困難にさせる。アリスキレンの固体経口投与形態はWO2005/089729に記載されている。
【0010】
信頼性があり、かつ確実な方法で錠剤形態の経口製剤を製造する際にアリスキレンで遭遇した困難は、それを他の治療剤、特にHCTZと組み合わせて使用するとき、増強されると考えられる。直接圧縮は、例えば、高い吸湿性、針状粒子構造、流動性不良などによって生じる加工性の問題および用量均一性の問題のため、アリスキレンの定常生産での実行可能な選択肢ではない。ローラー圧縮法は薬剤の高いバルク容量の減少をもたらす。しかし、ローラー圧縮法での薬剤の予備圧縮が、薬剤の低い圧縮性のため、高量の賦形剤使用することなく、十分な硬度および破砕抵抗性を有する錠剤へのその後の圧縮を極端に困難にさせる。アリスキレンは、圧力下、例えば圧縮でより高い無定形状態への多形変化が起こりがちである。ローラー圧縮では乏しい圧縮性および不適当な放出特性を有するガラス状物質となる。結果として、例えば、圧縮方法を含むWO97/49394に記載されているHCTZおよびバルサルタンを含む製剤に対して開発された方法は、本願の場合に不適当である。
【0011】
さらに、アリスキレンおよびHCTZを含む製剤を使用するとき、両方の治療剤の溶解速度が許容される範囲内で制御され、これらの溶解速度が十分な硬度および破砕特性と均衡していなければならない。
【0012】
いくつかの方法は、製剤を製造するための本発明の目的の解決に不適当であった。上記圧縮方法の不適当さに加えて、アリスキレンおよびHCTZの薬剤の湿式造粒法も、保存後の過度な徐放特性のため不適当であることが分かった。内部相にアリスキレンおよび外部相にHCTZを含む製剤を製造するための様々な方法も成功しておらず、流動性不良または低溶解性のいずれかとなった。
【0013】
したがって、特にHCTZと共に製剤する際のアリスキレンの特性に関する上記問題を克服する、適切かつ良好なガレヌス製剤の開発が必要である。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、上記不利を回避した良好な製剤および固体経口投与形態の大規模製造に適当な方法の上記問題を解決した。
【0015】
本発明は、
a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、
b)治療有効量のヒドロクロロチアジド(HCTZ)、および、
c)炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤
を含む固体経口投与形態に関する。
【0016】
驚くべきことに、親水性増量剤は治療剤の崩壊時間および、したがって溶解速度への好影響を有することを見いだした。これは、増量剤の目的が一般的に物質に良い流動性および圧縮特性を与えることであるため全く予期していなかった。これらの効果のため、崩壊剤の量を減少させることができる。高い溶解速度を保証するため比較的に高量の崩壊剤が望ましいが、これは、後で錠剤核に水性被覆を適用するとき、ある種の不利を伴う。したがって、このような比較的に高量の崩壊剤を親水性増量剤の使用のために回避できるなら、得られる経口投与形態は、また、以前よりも良好となる。
【0017】
本発明の好ましい態様において、成分(a)が経口投与形態の総重量に基づいて25重量%から47重量%の範囲量で存在する。
本発明のさらなる好ましい態様において、成分(a)が経口投与形態の総重量に基づいて26重量%から46重量%、好ましくは28重量%から44重量%の範囲量で存在する。
【0018】
成分(a)が単位投与形態あたり約75mgから約600mgの遊離塩基の範囲量で存在することが好ましい。
本発明の好ましい態様において、成分(a)が単位投与形態あたり約75mgから約300mgの遊離塩基、特に75mg、150mgまたは300mgの範囲量で存在する。
本発明のさらに好ましい態様において、アリスキレンの用量はそのヘミフマル酸塩の形態で、単位投与形態あたり約83mg、約166mg、約332または約663mgの量で存在する。
本発明の好ましい態様において、成分(b)が経口投与形態の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%、例えば、1重量%から6重量%の範囲量で存在する。
【0019】
本発明のさらなる好ましい態様において、成分(b)が経口投与形態の総重量に基づいて1.4重量%から5.5重量%、好ましくは1.5重量%から1.8重量%、2.7重量%から3.1重量%または4.6重量%から5.0重量%の量で存在する。
成分(b)が単位投与形態あたり約6mgから約30mgの範囲量で存在することが好ましい。
本発明の好ましい態様において、成分(b)が単位投与形態あたり約12.5mgから約25mg、特に12.5mgまたは25mgの範囲量で存在する。
本発明の好ましい態様において、成分(c)が経口投与形態の総重量に基づいて3重量%から30重量%の範囲量で存在する。
【0020】
本発明のさらなる好ましい態様において、成分(c)が経口投与形態の総重量に基づいて5重量%から25重量%、好ましくは5.5重量%から7重量%、10重量%から13重量%または18重量%から21重量%の量で存在する。
成分(c)が単位投与形態あたり約30mgから約150mgの範囲量で存在することが好ましい。
本発明の好ましい態様において、成分(c)が単位投与形態あたり約50mgから約100mg、特に50mgまたは100mgの範囲量で存在する。
【0021】
親水性増量剤としての炭水化物の好ましい例は、糖、糖アルコールおよびデンプンまたはこれらの組合せ、特に粉砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デンプン、例えば、コーンデンプン、ポテトデンプンまたは小麦デンプンを含む。
さらに好ましいものは、ラクトースおよびデンプン、例えば、小麦デンプンであり、個々にまたはそれらの混合物として存在できる。好ましいものは、混合物、例えば、2:1、1:2または1:1の混合物、さらに好ましくは1:1の混合物である。
【0022】
成分(a)と成分(b)の重量比は、好ましくは約4:1から約30:1、より好ましくは約6:1から約24:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は遊離酸に基づいて約6:1、12:1または24:1である。したがって、塩、例えば、ヘミフマル酸塩を使用するとき、該比を適用する。以下比において、数字は成分(a)を言及し、したがって遊離酸またはその塩、特にヘミフマル酸塩を言及する。
成分(a)と成分(c)の重量比は、好ましくは約1:1から約10:1、より好ましくは約1.2:1から約8:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約1.5−7:1、例えば、1.5−1.7:1、6.0−6.8:1または3.0から3.4:1である。
成分(b)と成分(c)の重量比は、好ましくは約0.1:1から約0.6:1、より好ましくは約0.2:1から約0.3:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約0.25:1である。
【0023】
本発明の固体経口投与形態は、望ましい薬剤放出(DR)特性を示す。好ましくは、DRは、成分(a)に対して45分後少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。好ましくは、DRは、成分(b)に対して60分後少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%である。DRは当業者に既知の標準方法により測定する、薬局方USP<711>およびEP2.9.3およびJPに記載の統一方法、参照。
本発明の固体経口投与形態は、また、低い破砕性を有する。好ましくは、破砕性は0.8%以下、より好ましくは0.4%以下である。破砕性は当業者に既知の標準法により測定する、薬局方USP<1216>およびEP2.9.7およびJPに記載の統一方法、参照。
本発明の固体経口投与形態は、また、望ましい崩壊特性を有する。好ましくは、崩壊時間は40分以下、より好ましくは30分以下、例えば、27分以下である。崩壊時間は当業者に既知の標準方法により測定する、薬局方USP<701>およびEP2.9.1およびJPに記載の統一方法、参照。
【0024】
本発明の固体経口投与形態は、また、十分な硬度を有する。好ましくは、硬度は低い破砕性、良い被覆性、望ましく速い崩壊時間およびしたがって高い溶解速度時間を保証するように製造する。硬度の実効値は経口投与形態のサイズに依存する。75mgの遊離酸のアリスキレンでの経口投与形態において、好ましい範囲は65Nから140N、より好ましくは70Nから130N、例えば、73Nから125Nである。150mgの遊離酸のアリスキレンでの経口投与形態において、好ましい範囲は150Nから240N、より好ましくは155Nから225N、例えば、160Nから220Nである。300mgの遊離酸のアリスキレンでの経口投与形態において、好ましい範囲は160Nから270N、より好ましくは175Nから260N、例えば、180Nから250Nである。引用される硬度は固体経口投与形態の核の硬度に言及する。硬度は、例えばErwekaおよびPharmatestの装置を使用して当業者に既知の標準法により測定する。
【0025】
本発明の固体経口投与形態は、十分な硬度および短い崩壊時間の比較的に小経口形態での活性成分の投与を提供する。さらに、得られた経口投与形態は、製造および、例えば、慣用の被覆、例えば、密閉アルミニウムブリスター・パックで約2年間の保存の両方で安定である。
【0026】
“有効量”または“治療有効量”なる用語は、処置される状態の進行を停止または減少する、または他の点で状態を完全にまたは部分的に治療または一時的に役割を果たす、活性成分または薬剤の量を言及する。
【0027】
アリスキレンまたはその薬学的に許容される塩は、例えば、とりわけEP678503A、例えば、実施例83に記載のそれ自体既知の方法で製造できる。
ヒドロクロロチアジドは、高血圧の処置に有用である既知の治療剤である。
固体経口投与形態は、カプセルまたはより好ましくは錠剤またはフィルム被覆錠を含む。
本発明の固体経口投与形態は、本発明の固体経口投与形態の製造のために適当である添加剤または賦形剤を含む。錠剤製剤で一般に使用される錠剤化補助剤を使用でき、参考文献は多数の文献にある、特にFiedler's “Lexicon der Hilfstoffe”, 4th Edition, ECV Aulendorf 1996参照(これを出典明示により本明細書に包含させる)。これらは、限定はしないが、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動促進剤、安定剤、増量剤または希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、軟化剤、着色剤などを含む。
【0028】
好ましい態様において、本発明の固体経口投与形態は、成分(c)に加えて添加剤としてさらなる増量剤を含む。
好ましい態様において、本発明の固体経口投与形態は、例えばさらなる増量剤に加えて、添加剤として崩壊剤を含む。
好ましい態様において、本発明の固体経口投与形態は、例えばさらなる増量剤および崩壊剤に加えて、添加剤として滑剤を含む。
好ましい態様において、本発明の固体経口投与形態は、例えば、さらなる増量剤、崩壊剤および滑剤に加えて、添加剤として流動促進剤を含む。
好ましい態様において、本発明の固体経口投与形態は、例えばさらなる増量剤、崩壊剤、滑剤および流動促進剤に加えて、添加剤として結合剤を含む。
【0029】
増量剤として、特にセルロース、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)および、好ましくは、微結晶性セルロース、例えば、登録商標AVICEL、FILTRAK、HEWETENまたはPHARMACELの下に利用できる製品に言及できる。
【0030】
湿式粒状化のための結合剤として、特にポリビニルピロリドン(PVP)、例えば、PVP K30、HPMC、例えば、粘度等級3または6cpsおよびポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG4000に言及できる。さらに好ましい結合剤はPVP K30である。
【0031】
崩壊剤として、特にカルボキシメチルセルロースカルシウム(CMC−Ca)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、架橋PVP(例えば、クロスポビドン、POLYPLASDONEまたはKOLLIDON XL)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびガール・ガム、さらに好ましくは架橋PVP(クロスポビドン)、架橋CMC(Ac−Di−Sol)、カルボキシメチルデンプン−Na(PlRIMOJELおよびEXPLOTAB)に言及できる。さらに好ましい崩壊剤はクロスポビドンである。
【0032】
流動促進剤として、特にコロイド状シリカ、例えば、コロイド状酸化ケイ素、例えば、AEROSIL、三ケイ酸マグネシウム(Mg)、粉末化セルロース、デンプン、タルクおよび第三リン酸カルシウムまたはこれらの増量剤または結合剤、例えば、ケイ化微結晶性セルロース(PROSOLV)との組合せに言及できる。さらに好ましい流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素(例えばAEROSIL200)ならびにタルクである。
【0033】
滑剤として、特にステアリン酸Mg、ステアリン酸アルミニウム(Al)またはCa、PEG4000から8000およびタルク、水素化ヒマシ油、ステアリン酸およびその塩、グリセロールエステル、ステアリルフマル酸Na、水素化綿実油および他のものに言及できる。さらに好ましい滑剤はステアリン酸Mgである。
【0034】
フィルム被覆剤として使用される添加剤は、重合体、例えば、フィルム形成剤として、HPMC、PEG、PVP、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体(PVP−VA)、ポリビニルアルコール(PVA)および糖を含む。さらに好ましい被覆剤は、HPMC、とりわけHPMC3cps(好ましい量、5−6mg/cm)、およびそれとさらなる添加剤との混合物、例えば、登録商標OPADRYの下に販売されているものである。さらなる添加剤は、着色剤、染料、レーキを含み、さらに好ましいものはTiOおよび酸化鉄、粘着防止剤様タルクおよび軟化剤様PEG3350、4000、6000、8000または他のものである。さらに好ましい添加剤はタルクおよびPEG4000である。
【0035】
本発明は、また、活性成分として、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、さらに増量剤、結合剤、崩壊剤、滑剤、流動促進剤、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0036】
本発明は、また、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤および添加剤として崩壊剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、さらに増量剤、結合剤、滑剤、流動促進剤、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0037】
本発明は、また、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤、添加剤として崩壊剤およびさらなる増量剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、結合剤、滑剤、流動促進剤、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0038】
本発明は、また、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤、添加剤として崩壊剤、さらなる増量剤および滑剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、結合剤、流動促進剤、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0039】
本発明は、また、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤、添加剤として崩壊剤、さらなる増量剤、滑剤および流動促進剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、結合剤、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0040】
本発明は、また、治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、治療有効量のHCTZおよび炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤、添加剤として崩壊剤、さらなる増量剤、滑剤、流動促進剤および結合剤を含む固体経口投与形態に関する。さらなる添加剤は、限定はしないが、安定剤、希釈剤、界面活性剤、フィルム形成剤、着色剤、軟化剤および粘着防止剤などを含む。活性成分およびさらなる添加剤の量は好ましくは上記または下記に定義のとおりである。
【0041】
1種以上のこれらの添加剤を、当業者により、固体経口投与形態の特定の所望の特性に関して、日常の実験により過度の負担なく選択および使用できる。
【0042】
使用されるそれぞれの型の添加剤、例えば、流動促進剤、結合剤、崩壊剤、増量剤または希釈剤および滑剤またはフィルム被覆剤の量は当分野で慣用の範囲内で変化し得る。したがって、例えば、滑剤の量は0.2重量%から5重量%、特に、ステアリン酸Mgに対して0.5重量%から2.0重量%、例えば、0.8重量%から1.5重量%の範囲内で変化し得;結合剤の量は0重量%から約20重量%、例えば、2重量%から4重量%の範囲内で変化し得;崩壊剤の量は0重量%から約20重量%、例えば、8重量%から13重量%の範囲内で変化し得;さらなる増量剤または希釈剤の量は0重量%から約80重量%、例えば、20重量%から35重量%の範囲内で変化し得;流動促進剤の量は0重量%から約5重量%、例えば0.4重量%から2重量%の範囲内で変化し得;そして、被覆剤の量は0mg/cmから20mg/cm、例えば4mg/cmから7mg/cmの範囲内で変化し得る。
【0043】
高含有量の活性剤に対して比較的に少量の添加剤のみを含むことが該固体経口投与形態の特性である。これが物理学的に小さい単位投与形態の製造を可能にする。得られた非被覆単位用量の添加剤の全量は、固体経口投与形態の総重量に基づいて約70重量%未満、さらに特に約65重量%未満であり得る。好ましくは、添加剤含有量は約50重量%から64重量%の範囲であり、さらに特に、添加剤含有量は約55重量%から約63重量%の範囲である。
【0044】
さらなる増量剤、とりわけ微結晶性セルロースの好ましい量は、単位投与形態あたり約20重量%から35重量%、より好ましくは22重量%から33重量%の範囲である。増量剤の量は経口投与形態の所望の硬度の一因となり得る。
結合剤、とりわけPVP K30の好ましい量は、単位投与形態あたり約2重量%から4重量%、より好ましくは2.1重量%から3.2重量%の範囲である。
【0045】
崩壊剤、とりわけクロスポビドンの好ましい量は、単位投与形態あたり約0重量%から20重量%、より好ましくは8重量%から14重量%、さらに好ましくは9重量%から13重量%の範囲である。成分(c)の使用のために、崩壊剤の量を、有利には望ましくない崩壊特性を回避し、特に非常に高量の崩壊剤で後の水性被覆の悪影響を有することを回避するように制御できる。
【0046】
流動促進剤、とりわけコロイド状二酸化ケイ素の好ましい量は、単位投与形態あたり約0重量%から5重量%、より好ましくは0.4重量%から2.0重量%、さらに好ましくは0.6重量%から1.8重量%の範囲である。加えて、さらなる流動促進剤、例えば、タルクは、好ましくは単位投与形態あたり約0重量%から5重量%、より好ましくは0.3重量%から2.0重量%、さらに好ましくは0.4重量%から1.8重量%の量で存在できる。
【0047】
滑剤、とりわけステアリン酸Mgの好ましい量は、単位投与形態あたり約0.8重量%から1.8重量%、より好ましくは1.0重量%から1.5重量%の範囲である。
添加剤に対して本明細書で提供される量は、非被覆単位投与形態ならびに最終の被覆単位投与形態で等しく適用する。
フィルム被覆剤、とりわけHPMC3cpsの好ましい量は、単位投与形態あたり約4mg/cmから7mg/cmの範囲である。
成分(a)および添加剤の好ましい量は、説明的実施例でさらに示す。
【0048】
それぞれの添加剤の絶対量および他の添加剤に対する量は、同様に固体経口投与形態の所望の特性に依存し、また、当業者により日常の実験により過度の負担なく選択できる。例えば、固体経口投与形態を活性剤の放出の量的制御のあり、なしで活性製剤の加速および/または減速した放出を示すように選択し得る。
【0049】
したがって、加速した放出が望ましいとき、崩壊剤、例えば、架橋PVP、例えば、登録商標POLYPLASDONE XLまたはKOLLIDON CLの下に販売されている製品は、特に、1,000,000以上の分子量を有し、さらに特に、400ミクロン未満、または、好ましくは、74ミクロン未満の粒子サイズ分布を有するか、または、水の存在下で錠剤の急速な崩壊を起こす反応性添加剤(起沸性混合物)、例えば、水中で化学的に結合した二酸化炭素を含む塩基、例えば、炭酸水素ナトリウムまたは炭酸ナトリウムに作用し、二酸化炭素を放出させる、固体形態の酸、一般的にクエン酸を含む、いわゆる発泡錠剤を含む。
【0050】
減速した放出が望ましいとき、多粒子(例えば、ペレット、ミニ錠剤)、ロウマトリックス系、重合マトリックス錠剤または重合被覆に対する被覆技術または当分野で慣用の他の技術を使用し得る。
【0051】
活性剤の放出の量的制御は当分野で既知の慣用の技術により達成できる。このような投与形態は経口浸透系(例えば、OROS)、被覆錠剤、マトリックス錠剤、圧縮被覆錠剤、多層錠剤などとして既知である。
【0052】
固体経口投与形態において、好ましい添加剤は微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、架橋PVP、PVP、PEG、CMC−NaまたはCMC−Ca、ステアリン酸Mg、ステアリン酸Caまたはステアリン酸Al、無水コロイド状シリカ、タルク、二酸化チタンおよび酸化鉄着色剤である。使用される添加剤の量は使用される活性剤の量に依存する。ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸Mgを、好ましくは0.8重量%から1.8重量%の量で使用する。シリカを好ましくは0.4重量%から2.0重量%の量で使用する。
【0053】
被覆単位投与形態の総重量内のそのヘミフマル酸塩の形態のアリスキレンの量は、好ましくは、約83mgから約663mgの範囲であり、さらに好ましくは、ヘミフマル酸アリスキレンの量は単位投与形態あたり約83mg、約166mgまたは約332である。
【0054】
成分(a)と結合剤の重量比は、好ましくは約8:1から約25:1、より好ましくは約11:1から約15:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約13.5−14:1である。
成分(a)と崩壊剤の重量比は、好ましくは約2:1から約4:1、より好ましくは約2.5:1から約3.7:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約3.2−3.4:1である。
成分(a)と流動促進剤の重量比は、好ましくは約5:1から約80:1、より好ましくは約6:1から約40:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約9−32:1である。
成分(a)と滑剤の重量比は、好ましくは約20:1から約50:1、より好ましくは約22:1から約38:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約24−36:1である。
【0055】
成分(b)と結合剤の重量比は、好ましくは約0.2:1から約5:1、より好ましくは約0.3:1から約3:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約0.5−2:1である。
成分(b)と崩壊剤の重量比は、好ましくは約0.1:1から約1:1、より好ましくは約0.1:1から約0.7:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約0.2−0.6:1である。
成分(b)と流動促進剤の重量比は、好ましくは約0.8:1から約3:1、より好ましくは約1:1から約2:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約1.1−1.5:1である。
成分(b)と滑剤の重量比は、好ましくは約1:1から約6:1、より好ましくは約1.1:1から約4:1の範囲である。さらに好ましくは、重量比は約1.2−3.8:1である。
【0056】
本発明の固体経口投与形態は、また、固体経口投与形態を一般的に重合体のようなHPMC、PVPなど、糖、セラックまたは当分野で完全に慣用な他のフィルム被覆剤での被覆で提供される場合、フィルム被覆錠剤または糖衣錠の形態であってよい。当分野で使用される被覆の多数の既知の方法、例えば、流動層のスプレー被覆、例えば、有孔パンコーターでAeromatic, Glatt, Wurster or Huttlinの装置を使用する既知の方法、例えば、Accela Cota, Glatt, Driamからの装置または他のものを使用する既知の方法、または他の当分野で慣用の方法がある。製剤で一般的に使用される添加剤がこのような方法で使用し得る。
【0057】
本発明のさらなる態様は、本発明の固体経口投与形態の製造法である。
したがって、本発明は、
i)a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、
b)治療有効量のヒドロクロロチアジド(HCTZ)、および、
c)炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤
ならびに粒状化液体を有する添加剤を粒状化し;
ii)得られた粒状物を乾燥させ;
iii)乾燥した粒状物を外部相賦形剤と混合し;
iv)得られた混合物を圧縮し、核錠として固体経口投与形を形成し;そして、
v)所望により、得られた核錠を被覆し、フィルム被覆錠を得ることを含む、本発明の固体経口投与形態の製造法を提供する。
【0058】
この方法が、以前に見いだされた他の方法と比較して、適当なアリスキレン+HCTZの固体経口投与形態、とりわけ錠剤の製造の最良の方法であることを見いだした。得られた製剤は下記の利点を示す:
・比較的に高い薬剤負荷を容易に達成し得る;
・十分な硬度、破砕抵抗性、崩壊時間、溶解速度などを有する錠剤製剤が可能である;
・薬剤の固着性および乏しい流動性を最小限に減少させる;
・DPの良好な製造法を達成する;
・製剤のスケールアップおよび再現可能なDP能力を与える方法を達成する;そして、
・適度な保存期間を達成するための十分な安定性を達成する。
【0059】
賦形剤は、記載されている発明の場合、部分的に内部相(粒状)および部分的に外部相に分配し得る。微結晶性セルロース(増量剤)およびクロスポビドン(崩壊剤)は好ましくは部分的に内部相および部分的に外部相であり、PVP K 30(結合剤)は好ましくは粒状化中で結合剤である内部相の一部のみである。コロイド状二酸化ケイ素(流動促進剤)およびステアリン酸Mg(滑剤)は好ましくは部分的に内部相および部分的に外部相である。タルク(流動促進剤)は好ましくは内部相のみである。
【0060】
内部相賦形剤、例えば、増量剤、結合剤および崩壊剤、親水性増量剤および薬剤は混合され粒状化され、粒状物または内部相を形成する。好ましくは、2つの粒状相は、成分(a)を含む一方、成分(b)を含むもう一方で別々に得られる。成分(c)は、好ましくは成分(b)を含む粒状相で存在する。
【0061】
それぞれの相の粒状化は、好ましくは水性または有機性湿式粒状化により実施する。好ましくは成分(a)を含む粒状相は有機性湿式粒状化を行い、そして/または、成分(b)を含む粒状相は水性湿式粒状化を行う。水性湿式粒状化は粒状化液体は水であるか、または水を含んでいることを意味し、したがって、好ましくは粒状化は粒状化液体としてのデンプン糊の存在下で実施する。有機性湿式粒状化に対する粒状化液体はエタノール、エタノールおよび水の混合物、エタノール、水およびイソプロパノールの混合物、前記混合物中のPVPの溶液であってよい。エタノールおよび水の好ましい混合物は約50/50から約99/1(% w/w)の範囲であり、さらに好ましくは約94/6(% w/w)である。エタノール、水およびイソプロパノールの好ましい混合物は約45/45/5から約98/1/1(% w/w/w)、さらに好ましくは約88.5/5.5/6.0から約91.5/4.5/4.0(% w/w/w)の範囲である。好ましい態様において、粒状化は結合剤のエタノール性溶液およびさらなるエタノールにより達成する。
【0062】
粒状物を乾燥し、好ましくは篩過する。粒状相が2つの別々の粒状相として提供されるとき、2つを好ましくは外部相賦形剤の添加前に一緒に混合する。
例えば、崩壊剤、増量剤、流動促進剤および滑剤を含む外部相をスクリーニングし、粒状物を乾燥させ、混合する。混合物を錠剤(核)に圧縮する。核を所望によりフィルム被覆で被覆し得る。
粒状物相を内部相として定義し、粒状物に加えられる賦形剤を錠剤混合物の外部相として定義する。
【0063】
本発明は、また、上記固体経口投与形態の製造法に関する。このような固体経口投与形態を、単位投与形態を形成するために上記定義の成分を適当な量で後処理することにより製造し得る。
【0064】
好ましくは、工程(i)の添加剤は増量剤、崩壊剤、流動促進剤、滑剤および結合剤から選択され;工程(iii)の外部相賦形剤は増量剤、崩壊剤、滑剤および流動促進剤から選択される。
【0065】
当分野で使用される粒状化、乾燥および混合、例えば、流動層のスプレー粒状化、高せん断ミキサーの湿式粒状化、溶融粒状化、流動層乾燥機の乾燥、落下または回転混合機の混合、錠剤への単発式または回転錠剤圧縮機の圧縮の多数の既知の方法がある。
【0066】
粒状物の製造は水性または有機性粒状化処理に対して適当である標準装置で実施できる。最終混合物の製造および錠剤の圧縮は、また、標準装置で実施できる。
例えば、工程(i)は高せん断粒状機、例えば、Collette Gralにより実施でき;工程(ii)は流動層乾燥機で実施でき;工程(iii)は落下混合機(例えば、コンテナ混合機、回転混合機)により実施でき;そして、工程(iv)は乾燥圧縮法、例えば、回転錠剤圧縮機を使用して実施できる。
上記のとおり、次に核錠剤を所望によりフィルム被覆し得る。
【0067】
多形でアリスキレンの高吸湿性および水感受性が変化するため、水の使用は、好ましくは、薬剤を上記理由(無定形状態、低い化学的安定性)のため多形の変化から保護するために避けるべきである。該問題のため溶液は有機性フィルム被覆法を適用すべきである。
フィルム被覆剤は、好ましくはポリマーとしてのHPMC、酸化鉄着色剤、着色剤としての二酸化チタン、軟化剤としてのPEGおよび粘着防止剤としてのタルクからなる。着色剤または染料の使用は、外観を増すため、ならびに組成物を特定するため使用し得る。一般的に使用に適当な他の染料は、カルチノイド、クロロフィルおよびレーキを含む。
【0068】
フィルム被覆状態は、錠剤核が多量の水分を含まず、錠剤内の薬剤が水微小滴と接近しないことを保証しなければならない。これが、錠剤核に接触する湿気の量を減少させる工程パラメーター設定により達成できる。
【0069】
本発明の固体経口投与形態は、血圧、収縮期または拡張期のいずれかまたは両方で血圧を低下させるために有用である。本発明が有用である状態は、限定はしないが、高血圧(悪性、特発性、腎血管性、糖尿病性、収縮期または他の二次タイプのいずれか)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定のいずれか)、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害(例えば、アルツハイマー病)および卒中、頭痛および慢性心不全を含む。
【0070】
本発明は、また、高血圧(悪性、特発性、腎血管性、糖尿病性、収縮期または他の二次タイプのいずれか)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定のいずれか)、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、例えば、アルツハイマー病、卒中、頭痛および慢性心不全を処置する方法であって、このような処置を必要とするヒト患者を含む動物に治療有効量の本発明の固体経口投与形態を投与することを含む方法に関する。
【0071】
本発明は、また、高血圧(悪性、特発性、腎血管性、糖尿病性、収縮期または他の二次タイプのいずれか)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定のいずれか)、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、例えば、アルツハイマー病、卒中、頭痛および慢性心不全の処置のための薬剤の製造のための本発明の固体経口投与形態の使用に関する。
【0072】
本発明は、また、高血圧(悪性、特発性、腎血管性、糖尿病性、収縮期または他の二次タイプのいずれか)、鬱血性心不全、狭心症(安定または不安定のいずれか)、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、例えば、アルツハイマー病、卒中、頭痛および慢性心不全の処置のための本発明の固体経口投与形態を含む医薬組成物に関する。
【0073】
最後に、投与される活性剤および特定の製剤の正確な用量は、多くの要因、例えば、処置される状態、処置の所望の持続期間および活性剤の放出速度に依存する。例えば、必要である活性剤の量および放出速度は、血液中の特定の活性剤濃度が治療効果が許容される濃度で維持する時間を測定する、既知のインビトロまたはインビボ技術に基づいて測定できる。
【0074】
以上の記述は、十分に好ましい態様を含む本発明を記載している。具体的に本明細書に記載されている態様の変法および改良は特許請求の範囲内である。さらなる記述なしで、当業者は、以上の記載を利用して、本発明を最大限に利用できると考えられる。したがって、明細書の実施例は単に説明として解釈すべきであり、いかなる場合も本発明の範囲を限定すべきでない。
【実施例】
【0075】
実施例1:製剤
アリスキレン75mgまたは150mg(遊離塩基)およびHCTZ12.5mgまたは25mgのmg/単位での錠剤の組成
【表1】

塩成分1.1.05
処理中に除去
【0076】
アリスキレン300mg(遊離塩基)およびHCTZ12.5mgまたは25mgのmg/単位での錠剤の組成
【表2】

塩成分1.1.05
処理中に除去
【0077】
実施例2:150/25mgの製剤の評価
パラメーター 150/25mg
硬度[N] 216(202−226)
平均の厚さ[mm] 5.8
破砕性[%] 0.4
崩壊時間[分] 19−21
【0078】
実施例3:75/12.5mgの製剤の評価
パラメーター 75/12.5mg
崩壊時間[分]
硬度[N] 105(102−108)
平均の厚さ[mm] 3.4
破砕性[%] 0.6
崩壊時間[分] 13−14
【0079】
実施例4:300/25mgの製剤の評価
パラメーター 300/25mg
硬度[N] 213(198−230)
平均の厚さ[mm] 7.4
破砕性[%] 0.2
崩壊時間[分] 20−21
【0080】
実施例5:150/12.5mgの製剤の評価
パラメーター 150/12.5mg
硬度[N] 198(184−214)
平均の厚さ[mm] 5.7
破砕性[%] 0.2
崩壊時間[分] 18−20
【0081】
実施例6:300/12.5mgの製剤の評価
パラメーター 300/12.5mg
硬度[N] 215(196−231)
平均の厚さ[mm] 6.9
破砕性[%] 0.2
崩壊時間[分] 19−20
【0082】
実施例7:300/25mgの製剤の評価
バッチ バッチ
硬度[N] 193(174−215)
平均の厚さ[mm] 7.2
破砕性[%] 0.2
崩壊時間[分] 18−20

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、
b)治療有効量のヒドロクロロチアジド(HCTZ)、および、
c)炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤
を含む固体経口投与形態。
【請求項2】
成分(a)が経口投与形態の総重量に基づいて25重量%から47重量%の範囲量で存在する、請求項1に記載の固体経口投与形態。
【請求項3】
成分(a)が経口投与形態の総重量に基づいて28重量%から44重量%の範囲量で存在する、請求項1または請求項2に記載の固体経口投与形態。
【請求項4】
成分(a)が1単位投与形態あたり約75mgから約600mgの遊離塩基の範囲量で存在する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項5】
成分(a)が1単位投与形態あたり約75mgから約300mgの遊離塩基の範囲量で存在する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項6】
成分(a)が1単位投与形態あたり約83mg、約166mgまたは約332mgの量で存在する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項7】
成分(b)が経口投与形態の総重量に基づいて0.5重量%から10重量%の範囲量で存在する、請求項1に記載の固体経口投与形態。
【請求項8】
成分(b)が経口投与形態の総重量に基づいて1.4重量%から5.5重量%の範囲量で存在する、請求項1または請求項2に記載の固体経口投与形態。
【請求項9】
成分(b)が1単位投与形態あたり約12.5mgから約25mgの範囲量で存在する、請求項1から請求項8のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項10】
成分(c)が経口投与形態の総重量に基づいて3重量%から30重量%の範囲量で存在する、請求項1に記載の固体経口投与形態。
【請求項11】
成分(c)が経口投与形態の総重量に基づいて5重量%から25重量%の範囲量で存在する、請求項1または請求項2に記載の固体経口投与形態。
【請求項12】
成分(c)が1単位投与形態あたり約30mgから約150mgの範囲量で存在する、請求項1から請求項11のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項13】
成分(c)が1単位投与形態あたり約50mgから約100mgの範囲量で存在する、請求項1から請求項12のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項14】
成分(c)が、例えば、粉砂糖、圧縮糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、コーンデンプン、ポテトデンプンまたは小麦デンプンのようなデンプンからなる炭水化物またはそれらの組合せの群から選択される、請求項1から請求項13のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項15】
成分(c)が小麦デンプンおよびラクトースの混合物として存在する、請求項1から請求項14のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項16】
投与形態がさらに増量剤を含む、請求項1から請求項15のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項17】
増量剤が微結晶性セルロースである、請求項1から請求項16のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項18】
投与形態がさらに崩壊剤を含む、請求項1から請求項17のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項19】
崩壊剤が架橋PVPである、請求項1から請求項18のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項20】
崩壊剤が単位投与形態あたり約8重量%から14重量%、好ましくは9重量%から13重量%の量で存在する、請求項1から請求項19のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項21】
投与形態がさらに滑剤を含む、請求項1から請求項20のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項22】
投与形態がさらに流動促進剤を含む、請求項1から請求項21のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項23】
投与形態がさらに結合剤を含む、請求項1から請求項22のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項24】
高血圧、鬱血性心不全、狭心症、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、卒中、頭痛および慢性心不全の処置のための、請求項1から請求項23のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項25】
高血圧の処置のための、請求項1から請求項24のいずれかに記載の固体経口投与形態。
【請求項26】
高血圧、鬱血性心不全、狭心症、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、卒中、頭痛および慢性心不全を処置する方法であって、治療有効量の請求項1から請求項24に記載の固体経口投与形態をそれを必要とする患者に投与することを含む方法。
【請求項27】
高血圧の処置のための、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
高血圧、鬱血性心不全、狭心症、心筋梗塞、関節硬化症、糖尿病性腎症、糖尿病性心筋疾患、腎不全、末梢血管障害、左心室肥大、認知機能障害、卒中、頭痛および慢性心不全の処置のための薬剤の製造のための、請求項1から請求項24に記載の固体経口投与形態の使用。
【請求項29】
高血圧の処置のための請求項28に記載の使用。
【請求項30】
i)a)治療有効量のアリスキレンまたはその薬学的に許容される塩、
b)治療有効量のヒドロクロロチアジド(HCTZ)、および、
c)炭水化物またはそれらの組合せから選択される親水性増量剤
ならびに粒状化液体を有する添加剤を粒状化し;
ii)得られた粒状物を乾燥させ;
iii)乾燥した粒状物を外部相賦形剤と混合し;
iv)得られた混合物を圧縮し、核錠として固体経口投与形を形成し;そして、
v)所望により、得られた核錠を被覆し、フィルム被覆錠を得る、
工程を含む、請求項1から請求項24のいずれかに記載の固体経口投与形態の製造法。
【請求項31】
工程(i)および(ii)の粒状相の製造を成分(a)を含む相と成分(b)を含む相の2つの分離相として実施し、工程(iii)の前に2つの粒状相を混合させる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
成分(c)が成分(b)を含む粒状相に存在する、請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2009−541239(P2009−541239A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515768(P2009−515768)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005476
【国際公開番号】WO2007/147596
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】