説明

アリールジカルボキシアミド

本発明は式(I)のアリールジカルボキシアミド及びそれらの糖尿病タイプI及び/又はII、不十分なグルコース耐性、インスリン抵抗性、高脂血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含むインスリン抵抗性又は高血糖により仲介される代謝性疾患の治療及び/又は予防のための使用に関する。特に本発明は式(I)のアリールジカルボキシアミドの使用、PTPs活性の調節、特に阻害することに関する。Aはアミノカルボニル部分であり;Cyはアリール、ヘテロアリール、アリール-ヘテロアリール、ヘテロアリール-アリール、アリール-アリール、シクロアルキル又はヘテロ環式基であり;nは0又は1のいずれかであり;R1及びR2は互いに独立して水素又はC1-C6-アルキルから成る群から選定され;R4及びR5は互いに独立してH、ヒドロキシ、C1-C6アルキル、カルボキシ、C1-C6アルコキシ、C1-C3アルキルカルボキシ、C2-C3アルケニルカルボキシ、C2-C3アルキニルカルボキシ、アミノから成る群から選定され、或いはR4及びR5は不飽和又は飽和のヘテロ環を形成してよく、そのためにR4又はR5の少なくとも1つは水素又はC1-C6アルキルでない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は式(I)のアリールジカルボキシアミドに関し、特に糖尿病タイプI及び/又はII、不十分なグルコース耐性、インスリン抵抗性、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含むインスリン抵抗性又は高血糖により仲介される肥満及び/又は代謝性疾患の治療及び/又は予防のための式(I)のアリールジカルボキシアミドに関する。本発明の化合物は、特にタイプII糖尿病、肥満又は食欲調節の治療に有用である。とりわけ、本発明は、PTPの活性阻害、詳細にはPTP1Bの活性阻害を調節するためのアリールジカルボキシアミドに関する。
【背景技術】
【0002】
グルコース不耐性対象におけるインスリン抵抗性の有病率は周知である。Reaven等(American Journal of Medicine, 60,80 (1976))はグルコース及びインスリン(インスリン/グルコースクランプ技術)の継続注入、並びに経口グルコール耐性試験を用いて、インスリン抵抗性が多様な群の非-肥満、非-ケトーシス対象に存在することを実証した。これらの対象はグルコース耐性寸前から明白な空腹時高血糖症に及ぶ。これらの試験における糖尿病群はインスリン依存性(IDDM)及び非-インスリン依存性(NIDDM)対象の両方を含む。
【0003】
持続したインスリン抵抗性と同時に起こり、より容易に決定される高インスリン血症は、対象の血漿中の循環血漿インスリン濃度の精密な測定によって計測され得る。高インスリン血症は、例えば肥満及び/又は糖尿病(NIDDM)の対象及び/又はグルコール不耐性の対象、或いはIDDMの対象におけるインスリン抵抗性の結果として、内分泌腺の膵臓によるホルモンの正常な生理学的放出と比べて過剰に注入されたインスリンとして存在し得る。
【0004】
高インスリン血症及びインスリン抵抗性の肥満並びに大血管の虚血性疾患(例えばアテローム性動脈硬化症)との関連性は、多くの実験的、臨床的及び疫学的試験(Stout, Metabolism, 34,7 (1985))により確立された。経口グルコース投与後、1及び2時間での統計学的に有意な血漿インスリン上昇は、冠状動脈性心疾患のリスクの増加と相関する。
【0005】
これらの試験の多くは、実際に糖尿病の対象を排除しているので、糖尿病状態に対するアテローム性動脈硬化疾患のリスクに関するデータは、多数存在しておらず、非糖尿病性対象のためのものとして同一の使用法における点でのみ存在する。しかしながら、糖尿病個体群における疾病率及び死亡率統計値の中での、アテローム性動脈硬化疾患の発生率は、非糖尿病個体群の発生率を超える(Jarrett Diabetes/Metabolism Reviews, 5, 547 (1989))。
【0006】
また、高インスリン血症及びインスリン抵抗性の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)との関連性は、よく認識されている(Diamanti-Kandarakis等;Therapeutic effects of metformin on insulin resistance and hyperandrogenism in polycystic ovary syndrome;European Joumal of Endocrinology 138, 269-274 (1998), Andrea Dunaif;Insulin Resistance and the Polycystic Ovary Syndrome:Mechanism and Implications for Pathogenesis;Endocrine Reviews 18 (6), 774-800 (1997))。
【0007】
アテローム性動脈硬化性疾患のための独立した肥満及び高血圧症の危険因子は、インスリン抵抗性にも関連する。インスリン/グルコースクランプ、トレーサーグルコース注入及び間接的な熱量計の組合せを用いて、本態性高血圧症のインスリン抵抗性が末梢組織(主に筋肉)に位置し、重篤な高血圧症と直接相関することが実証された(DeFronzo及び Ferrannini, Diabetes Care, 14, 173 (1991))。肥満の人々の高血圧症では、インスリン抵抗性は高インスリン血症をもたらし、熱産生を通して更なる体重増加を制限するメカニズムを求めるが、インスリンはまた腎臓のナトリウム再吸収を増加させ、そして腎臓、心臓、及び血管中の交感神経系を刺激し、高血圧症を生み出す。
【0008】
インスリン抵抗性は、一般的にインスリン受容体シグナル系における、インスリンが受容体へ後に結合するサイトでの欠陥の結果であると推測されている。インスリンへ応答する主な組織(筋肉、肝臓、脂肪)でのインスリン抵抗性を実証する蓄積した科学的エビデンスは、インスリンシグナル変換における欠陥が、このカスケードの早期段階に存在すること、特に減少していると思われるインスリン受容体キナーゼ活性に存在することを強く示唆する(Mounib Elchebly, Alan Cheng, Michel L. Tremblay;Modulation of insulin signaling by protein tyrosine phosphatases;J Mol. Med. 78,473-482 (2000))。
【0009】
タンパク質-チロシンホスファターゼ(PTPs)はタンパク質のリン酸化反応の調節において重要な役割を果たし、キナーゼの対照物を意味する。とりわけ古典的なPTPsには2つのタイプ:(i)非-受容体又は細胞内PTPs、及び(ii)受容体-様PTPsがある。大部分の細胞内PTPsは一つの触媒性ドメインのみを含み、それに対して大部分の受容体-様酵素は2つを含む。触媒性ドメインは約250個のアミノ酸から成る(Niels Peter Hundahl Moller等. Protein tyrosine phosphatases (PTPs) as drug targets:Inhibitors of PTP-lB for the treatment of diabetes; Current Opinion in Drug Discovery & Development 3 (5), 527-540 (2000))。
【0010】
インスリンとその受容体との相互作用は、受容体タンパク質中での一定のチロシン分子のリン酸化を導き、それによって受容体キナーゼが活性化される。PTPs は活性化したインスリン受容体を脱リン酸化し、チロシンキナーゼ活性を減弱させる。
【0011】
PTPsはインスリン受容体キナーゼの細胞基質の脱リン酸化を触媒することにより、後-受容体シグナリングを調節することもできる。インスリン受容体と最も緊密に関連しているように思われる酵素、及びそれによって最もインスリン受容体キナーゼ活性を調節するように思われる酵素には、PTP1B、LAR、PTP-α及びSH-PTP2が含まれる(Lori Klaman 等.;Increased Energy Expenditure, Decreased Adiposity, and Tissue-specific insulin sensitivity in Protein-Tyrosine Phosphatase 1B-Deficient Mice; Molecular and Cellular Biology, 5479-5489 (2000))。
【0012】
PTP1BはPTPファミリーの一員である。この50 kDaタンパク質は保存されたホスファターゼドメインを30-278残基で含み、そしてそのC-末端35残基により小胞体の細胞質面に位置する。その他のタンパク質との相互作用は、プロリン-リッチ領域及びSH2相同(compatible)配列により仲介される。PTP1B はインスリンシグナリングにおける負の調節因子として作用すると信じられている。
【0013】
McGuire等.(Diabetes,40,939(1991))は、非-糖尿病性グルコース不耐性対象は正常対象と比べて筋肉組織において有意に上昇したレベルのPTP活性を有したので、インスリン感受性対象にPTP活性を抑制するためのインスリン注入は失敗であることを実証した。
【0014】
Meyerovitch等.(J. Clinical Invest., 84,976 (1989))は、IDDMの2つのげっ歯動物モデル(遺伝的糖尿病性BBラット、及びSTZ-誘導糖尿病ラット)の肝臓中に有意に増加したPTP活性を観察した。Sredy等.(Metabolism, 44,1074, (1995) )は、典型的なNIDDMのげっ歯動物モデルを意味する肥満、糖尿病性ob/obマウスの肝臓中に同様の増加したPTP活性を観察した。
【0015】
Zhang等(Curr. Opin. Chem. Biol., 5 (4), 416-23 (2001))は、PTPsが更にガンを含む多種多様な疾患において関与することを見出した。Bjorge, J. D.等. (J. Biol. Chem., 275 (52), 41439-46 (2000))は、いくつかのヒト乳がん細胞株におけるc-Srcを脱リン酸化することができる PTP1Bが主なタンパク質-チロシンホスファターゼであことを示し、そしてc-Srcキナーゼ活性の制御におけるPTP1Bのための調節の役割を示唆する。
【0016】
Pathre等(J Neurosci. Res., 63 (2), 143-150 (2001))は、PTP1Bが細胞-細胞及び細胞-マトリックス間の接着分子により仲介される神経伸長(neurite extension)を調節することを発表している。更にShock L. P等(Mol. Brain. Res., 28(1), 110-16 (1995)) は、PTPsの別個の重複したセットが2つの新規PTPsを含む脳及び網膜のMueller グリアが発達する中で発現し、神経細胞伝達に参加し得ることを実証する。
【0017】
インスリン受容体(IR)はプロトタイプのチロシンキナーゼ受容体であり、そのリガンド結合及び二量化は多数のチロシンの自己リン酸化をもたらす。これは引き続きIRSl-4(組織に依存する)及びPI3Kを要求し、そしてリン酸化する。
【0018】
バナジウムを含有する化合物はl9世紀から糖尿病を緩和することが知られているが、これらのインヒビターがPTP作用を遮断することによりインスリンシグナル経路を刺激することが近年理解されただけである。この表現型におけるIR(インスリン受容体)及びIRS-1の関連性のエビデンスは、両タンパク質が増加したチロシンリン酸化をPTPlB-突然変異マウス中で示すことであった。入手し得るデータでは、特にPTP1Bが糖尿病及び肥満を治療するための薬物の開発の標的を促進するものであることを強く示唆する(Brian P.Kennedy and Chidambaram Ramachandran;Protein Tyrosine Phosphatase-lB in Diabetes; Biochemical Pharmacology, Vol. 60,877-883, (2000))。
【0019】
肥満に関与する更なるタンパク質はレプチンである。レプチンはペプチドホルモンであり、食物摂取(feeding)及び脂肪症(adiposity)において中心的な役割を果たす(Leptin,Annu. Rev. Physio. 62 p. 413-437(2000) by Ahima R. S.等.)。近年、PTP1Bがレプチンシグナリングを負に調節し、そして肥満を調節することができる一つのメカニズムを提供することが示唆された。更に薬理学的インヒビターの PTP1Bはレプチンの代替又は補足として、レプチン抵抗性による肥満治療において見込みがあることが公知である(Developmental Cell.,vol.2, p.497-503 (2002))。
【0020】
多くの特許出願における低分子はPTPsのインヒビターとして提案された。
【0021】
ベンゼンアミドの置換されたアリール及びヘテロアリール誘導体は、Bergnes等., ioorganic Medicinal Chemistry Letters 9 (19) p. 2849-5, (1999)に発表されている。
【0022】
WO 03/024955は式(I)には該当しない以下の化合物を開示する:
【化1】

【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0023】
発明の概要
本発明は式(I)のアリールジカルボキシアミドに関する。
【化2】

【0024】
かかる化合物は、糖尿病タイプI及び/又はII、不十分なグルコース耐性、インスリン抵抗性、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール症、肥満症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含むインスリン抵抗性又は高血糖により仲介される代謝性疾患の治療及び/又は予防のために適している。本発明の化合物はPTPsのインヒビターである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
発明の詳細な説明
以下の段落は、本発明に係る化合物を作り出す多様な化学的部分の定義を提供し、特により広い定義を明確に発表しない限り、それは明細書及び特許請求の範囲を通して統一的に適用することを意図したものである。
【0026】
"PTPs"とはタンパク質チロシンホスファターゼであり、例えばPTP1B、TC-PTP、PTP-β、PTP-H1、DEP-1、LAR、SHP-1、SHP-2、GLEPP-1、PTP-μ、VHR、hVH5、LMW-PTP、PTENを含む。
【0027】
"Cl-C6-アルキル"とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を言う。この用語はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等のような基によって例示される。
【0028】
"アリール"とは、単環(例えばフェニル)又は多縮合環(例えばナフチル)を有する6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環基を言う。好適なアリールはフェニル、ナフチル、フェナントレニル等を含む。
【0029】
"C1-C6-アルキルアリール"とは、ベンジル、フェネチル等を含むアリール置換基を有するCl-C6-アルキル基を言う。
【0030】
"ヘテロアリール"とは、単環式ヘテロ芳香族性、或いは二又は三融合環へテロ芳香族基を言う。ヘテロ芳香族基の詳細な例は、任意に置換されたピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジゾリル、 1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾ[1,2-a] ピリジル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノオキサリニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ピリド[3,4-b]ピリジル、ピリド[3,2-b]ピリジル、ピリド[4,3-b]ピリジル、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、キサンテニル又はベンゾキノリルを含む。
【0031】
"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"とは、ヘテロアリール置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-フリルメチル、2-チエニルメチル、2-(lH-インドール-3-イル)エチル等を含む。
【0032】
"C2-C6-アルケニル"とは、好適には2から6個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1又は2個のアルケニル不飽和サイトを有するアルケニル基を言う。好適なアルケニル基はエテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)等を含む。
【0033】
"C2-C6-アルケニルアリール"とはアリール置換基を有するC2-C6-アルケニル基を言い、2-フェニルビニル等を含む。
【0034】
"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"とはヘテロアリール置換基を有するC2-C6-アルケニル基を言い、2-(3-ピリジニル)ビニル等を含む。
【0035】
"C2-C6-アルキニル"とは、好適には2から6個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1-2個のアルキニル不飽和サイトを有するアルキニル基を言い、好適なアルキニル基はエチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)等を含む。
【0036】
"C2-C6-アルキニルアリール"とは、アリール置換基を有するC2-C6-アルキニル基を言い、フェニルエチニル等を含む。
【0037】
"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"とは、2-チエニルエチニル等を含むヘテロアリール置換基を有する、C2-C6-アルキニル基を言う。
【0038】
"C3-C8-シクロアルキル"とは、単環(例えばシクロヘキシル)又は多縮合環(例えばノルボルニル)を有する3〜8個の炭素原子の飽和炭環基を言う。
【0039】
好適なシクロアルキルは、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニル等を含む。
【0040】
"Cl-C6-アルキルシクロアルキル”とは、シクロアルキル置換基を有する、Cl-C6-アルキル基を言い、シクロヘキシルメチル、シクロペンチルプロピル等を含む。
【0041】
"ヘテロシクロアルキル"とは、上記定義に従うC3-C8-シクロアルキル基を言い、ここで1〜3個の炭素原子はO、S、NR(R水素又はCl-C6アルキルとして定義される)から成る群から選定されるヘテロ原子により置換される。好適なヘテロシクロアルキルはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、モルホリン等を含む。
【0042】
"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"とは、ヘテロシクロアルキル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(l-ピロリジニル)エチル、4-モルホリニルメチル、(1-メチル-4-ピペリジニル)メチル等を含む。
【0043】
"カルボキシ"とは、基-C(O)OHを言う。
【0044】
"Cl-C6-アルキルカルボキシ"とは、カルボキシ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-カルボキシエチル等を含む。
【0045】
"アシル"とは基-C(O)Rを言い、ここでのRは、H、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0046】
"Cl-C6-アルキルアシル"とは、アシル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、 2-アセチルエチル等を含む。
【0047】
"アリールアシル"とはアシル置換基を有するアリール基を言い、2-アセチルフェニル等を含む。
【0048】
"ヘテロアリールアシル"とはアシル置換基を有するヘテロアリール基を言い、2-アセチルピリジル等を含む。
【0049】
"C3-C8-(ヘテロ)シクロアルキルアシル"とは、アシル置換基を有する3から8員シクロアルキル又はヘテロシクロアルキル基を言う。
【0050】
"アシルオキシ"とは基-OC(O)Rを言い、ここでRはH、"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0051】
"Cl-C6-アルキルアシルオキシ"とは、アシルオキシ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(アセチルオキシ)エチル等を含む。
【0052】
"アルコキシ"とは基-0-Rを言い、ここでのRは、"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"C1-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0053】
"Cl-C6-アルキルアルコキシ"とは、アルコキシ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-エトキシエチル等を含む。
【0054】
"アルコキシカルボニル"とは、基-C(O)ORを言い、ここでのRは"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、 "ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0055】
"Cl-C6-アルキルアルコキシカルボニル"とは、アルコキシカルボニル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(ベンジルオキシカルボニル)エチル等を含む。
【0056】
"アミノカルボニル"とは、-C(O)NRR'を言い、ここでそれぞれR、R'は独立して水素、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6- アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"C1-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0057】
"C1-C6-アルキルアミノカルボニル"とは、アミノカルボニル置換基を有するC1-C6-アルキル基を言い、2-(ジメチルアミノカルボニル)エチル等を含む。
【0058】
"アシルアミノ"とは、基-NRC(O)R'を言い、ここでそれぞれR、R'は独立してハロゲン、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"である。
【0059】
"Cl-C6-アルキルアシルアミノ"とは、アシルアミノ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(プロピオニルアミノ)エチル等を含む。
【0060】
"ウレイド"とは、基-NRC(O)NR'R"を言い、ここでそれぞれR、R'、R"は独立して水素、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6- アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"であり、且つここでのR'及びR"は、一緒に窒素原子に結合し、任意に3-8-員へテロシクロアルキル環を形成できる。
【0061】
"Cl-C6-アルキルウレイド"とは、ウレイド置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(N'-メチルウレイド)エチル等を含む。
【0062】
"カルバメート"とは基-NRC(O)OR'を言い、ここでそれぞれR、R'は独立して水素、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール" 又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"である。
【0063】
"アミノ"とは、基-NRR'を言い、ここでそれぞれR、R'は、独立して水素、"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"であり、そしてここでのR及びR'は、一緒に窒素原子に結合し、任意に3-8-員へテロシクロアルキル環を形成できる。
【0064】
"C1-C6-アルキルアミノ"とは、アミノ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(l-ピロリジニル)エチル等を含む。
【0065】
"アンモニウム"とは、正に帯電した基-N+RR'R"を言い、ここでそれぞれR、R'、R"は 独立して"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"であり、そしてここでのR及びR'は、一緒に窒素原子に結合し、任意に3-8-員へテロシクロアルキル環を形成できる。
【0066】
"Cl-C6-アルキルアンモニウム"とは、アンモニウム置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(1-ピロリジニル)エチル等を含む。
【0067】
"ハロゲン"とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子を言う。
【0068】
"スルホニルオキシ"とは、基-OS02-Rを言い、ここでのRは、H、"C1-C6-アルキル"、ハロゲンで置換された"Cl-C6-アルキル"、例えば、-OS02-CF3 基、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"から選定される。
【0069】
"Cl-C6-アルキルスルホニルオキシ"とは、スルホニルオキシ置換基を有するC1-C6-アルキル基を言い、2-(メチルスルホニルオキシ)エチル等を含む。
【0070】
"スルホニル"とは基"-S02-R"を言い、ここでRはH、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキル"、ハロゲンで置換された"C1-C6-アルキル"、例えば-SO2-CF3基、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"から選定される。
【0071】
"Cl-C6-アルキルスルホニル"とは、スルホニル置換基を有するC1-C6-アルキル基を言い、2-(メチルスルホニル)エチル等を含む。
【0072】
"スルフィニル"とは基"-S(O)-R"を言い、 ここでRはH、"Cl-C6-アルキル"、ハロゲンで置換された"C1-C6-アルキル"、例えば、-SO-CF3基、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"C1-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"から選定される。
【0073】
"Cl-C6-アルキルスルフィニル"とは、スルフィニル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(メチルスルフィニル)エチル等を含む。
【0074】
"スルファニル"とは、基-S-Rを言い、ここでRはH、"C1-C6-アルキル"、任意にハロゲンで置換された"C1-C6-アルキル"、例えば-S-CF3基、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。好適なスルファニル基は、メチルスルファニル、エチルスルファニル等を含む。
【0075】
"Cl-C6-アルキルスルファニル"とはスルファニル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(エチルスルファニル)エチル等を含む。
【0076】
"スルホニルアミノ"とは基-NRSO2-R'を言い、ここでそれぞれR、R'は独立して水素、"C1-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"C1-C6-アルキルシクロアルキル"、"C1-C6-アルキルへテロシクロアルキル"を含む。
【0077】
"Cl-C6-アルキルスルホニルアミノ"とは、スルホニルアミノ置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(エチルスルホニルアミノ)エチル等を含む。
【0078】
"アミノスルホニル"とは基-SO2-NRR'を言い、ここでそれぞれR、R'は独立して水素、"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"C3-C8-シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルアリール"又は"C1-C6-アルキルヘテロアリール"、"C2-C6-アルケニルアリール"、"C2-C6-アルケニルヘテロアリール"、"C2-C6-アルキニルアリール"、"C2-C6-アルキニルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"を含む。
【0079】
"Cl-C6-アルキルアミノスルホニル"とはアミノスルホニル置換基を有するCl-C6-アルキル基を言い、2-(シクロヘキシルアミノスルホニル)エチル等を含む。
【0080】
"置換された又は非置換の"とは:特に制限がない限り、"Cl-C6-アルキル"、"C2-C6-アルケニル"、"C2-C6-アルキニル"、"シクロアルキル"、"ヘテロシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルアリール"、"Cl-C6-アルキルヘテロアリール"、"Cl-C6-アルキルシクロアルキル"、"Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル"、"アミノ"、"アンモニウム"、"アシル"、"アシルオキシ"、"アシルアミノ"、"アミノカルボニル"、"アルコキシカルボニル"、"ウレイド"、"カルバメート"、"アリール"、"ヘテロアリール"、"スルフィニル"、"スルホニル"、"アルコキシ"、"スルファニル"、"ハロゲン"、"カルボキシ"、トリハロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ等から成る群から選定される1〜5個の置換基により任意に置換され得る上記提示した基、"アルキル"、"アルケニル"、"アルキニル"、"アリール"及び"ヘテロアリール"等の個々の置換基の定義による。或いは前記置換は、隣接する置換基が閉環した場合(特に近隣の官能的置換基が関与する場合)、例えばラクタム、ラクトン、環無水物を形成するだけでなく、閉環によって形成されるアセタール、チオアセタール、アミナール、例えば保護基を得るための働き(effort)における状況も含むことができる。
【0081】
"医薬的に許容され得る塩又は複合体(complexes)"とは、以下に特定した式(I)の化合物の塩又は複合体を言う。かかる塩の例は、制限されずに式(I)の化合物と有機又は無機塩基(例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム又はリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)から成る群から選択される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩)、或いは有機第一、第二又は第三アルキルアミンとの反応によって形成される塩基付加塩を含む。メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モルホリン、N-Me-D-グルカミン、N,N'-ビス(フェニルメチル)-1,2-エタンジアミン、コリン、L-リシン、トロメタミン(tromethamine)、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルモルホリン、プロカイン、ピペリジン、ピペラジン等から由来するアミン塩は、即本発明の範囲にあることを意図する。
【0082】
無機酸(例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等)により形成される酸付加塩、並びに酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アルコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、及びポリガラクツロン酸等の有機酸により形成される塩から形成される塩も含む。
【0083】
"医薬的に活性な誘導体"とは、服用者へ投与される任意の化合物を言い、本明細書中で開示した活性を直接又は間接的に供給することができる。用語"間接的に"とは内因性酵素又は代謝を介した薬物の活性形態へ変化し得るプロドラックも含む。前記プロドラックは活性薬物化合物自体及び化学的マスキング基を含む。かかるマスキング基はエステル部分であってよい。
【0084】
"鏡像体過剰"(ee)とは、不斉合成により得られる産物、即ち非-ラセミ出発原料及び/又は試薬に関与する合成、或いは少なくとも1つのエナンチオ選択性工程を含む合成によって得られる産物を言い、それによって少なくとも約52%eeオーダーの過剰な1つのエナンチオマーが産する。
【0085】
更に前記式は、その互変体、その幾何異性体、そのエナンチオマー、ジアステレオマーとして任意に活性な形態、及びそのラセミ化合物形態、並びに医薬的に許容され得るそれらの塩を含む。好適な医薬的に許容され得る式(I)の塩は、式(I)の化合物と医薬的に許容され得る塩基(N-メチル-D-グルカミン、トロメタミン、ナトリウム、カリウム又はカルシウムの炭酸塩、重炭酸塩又は水酸化物塩等)の反応により形成される塩基付加塩である。
【0086】
本発明によるアリールジカルボキシアミドは式(I)の化合物である:
【化3】

更に式(I)は、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーを含む任意に活性な形態、及びそのラセミ化合物の形態、並びに医薬的に許容され得るそれらの塩及び医薬的に活性な誘導体を含む。
【0087】
式(I)中の置換基Rl、R2、R3、R4、R5、n及びCyは、以下に定義する:
式-CO-NHR6のアミノカルボニル部分であるAは、C6-C15アルキル、C2-C15-アルケニル、C2-C15-アルキニル、3-8員シクロアルキル、C1-C6アルキル-(3-8員)シクロアルキル、フェニル、Cl-Cl2アルキルフェニル、C2-C6-アルケニルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニルである。nは0又は1である。
【0088】
Cyは置換された又は非置換のアリール、置換された又は非置換のヘテロアリール、置換された又は非置換のアリール-ヘテロアリール、置換された又は非置換のヘテロアリール-アリール、置換された又は非置換のアリール-アリール、置換された又は非置換のシクロアルキル、或いは置換された又は非置換のヘテロ環基である。
【0089】
かかるアリール又はヘテロアリールは、フェニル、ナフチル、フェナントレニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、ベンゾ(1,2,5)オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、テトラゾリル、1,3,4-トリアジニル、1,2,3-トリアジニル、ベンゾピリミジニル、ベンゾフリル、[2,3-ジヒドロ]ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、3H-インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリダジニル、ピリミジル、キノリジニル、キナゾリニル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニル(cinnolinyl)、ナフチリジニル(napthyridinyl)、キノリル、イソキノリル、テトラゾリル、5,6,7,8-テトラヒドロキノリル、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリル、プリニル、プテリジニル(pteridinyl)、キサンテニル(xanthenyl)、ベンゾキノリル、オキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、2H-ベンゾ[d]1,3-ジオキソレニル、インダニル、イミダゾリジニル、1,2,4-オキサジアゾリジニル、1,2,5-オキサジアゾリジニル、1,3,4-オキサジアゾリジニル又はイソオキサゾリジニルを含む。
【0090】
1つの態様によればCyは置換された又は非置換のフェニル、置換された又は非置換のチアゾリル、置換された又は非置換のフェニル-チアゾリル、置換された又は非置換のチアゾリル-フェニルである。
【0091】
R1及びR2は互いに独立して、水素又は置換されたもしくは非置換の(Cl-C6)アルキルから成る群から選定される。1つの態様によれば、R1及びR2は共に水素である。
【0092】
R3は置換された又は非置換のCl-C6-アルキル、置換された又は非置換のC2-C6-アルケニル、置換された又は非置換のC2-C6-アルキニル、置換された又は非置換のCl-C6-アルコキシ、置換された又は非置換のC1-C6-アルキルアミン、置換された又は非置換のCl-C6-アルキルアルコキシ、置換された又は非置換のアリール、置換された又は非置換のヘテロアリール、置換された又は非置換の飽和又は不飽和3-8-員シクロアルキル、置換された又は非置換の3-8-員ヘテロシクロアルキル、置換された又は非置換のCl-C6-アルキルアリール、置換された又は非置換のCl-C6-アルキルヘテロアリール、置換された又は非置換のC2-C6-アルケニルアリール、置換された又は非置換のC2-C6-アルケニルヘテロアリール、置換された又は非置換のC2-C6-アルキニルアリール、置換された又は非置換のC2-C6-アルキニルヘテロアリール、置換された又は非置換のCl-C6-アルキルシクロアルキル、置換された又は非置換のCl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル、置換された又は非置換のC2-C6-アルケニルシクロアルキル、置換された又は非置換のC2-C6-アルケニルヘテロシクロアルキル、置換された又は非置換のC2-C6-アルキニルシクロアルキル、置換された又は非置換のC2-C6-アルキニルヘテロアルキルから成る群から選択される。
【0093】
R4及びR5は互いに独立して、H、ヒドロキシ、置換された又は非置換のCl-C6アルキル、カルボキシ、置換された又は非置換のC1-C6アルコキシ、置換された又は非置換のCl-C3アルキルカルボキシ、置換された又は非置換のC2-C3アルケニルカルボキシ、置換された又は非置換のC2-C3アルキニルカルボキシ、アミノから成る群から選定される。
【0094】
或いは、R4及びR5は不飽和又は飽和した、置換された又は非置換のヘテロ環、例えば2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを形成し得る。
【0095】
いずれにしても、少なくとも1つのR4又はR5は水素又はCl-C6アルキルでない。
【0096】
1つの特定の態様では、R6はC8-C12アルキル、C1-C4アルキルフェニルから成る群から選定され、C1-C8アルキル又はフェノキシにより置換されてよい。
【0097】
本発明のより具体的なアリールジカルボキシアミドは式(Ia)、(Ib)又は(Ic)であり:
【化4】

式中A、Cy、n、R1、R2及びR3は上記定義の通りである。
【0098】
式(I)に係る特定のアリールジカルボキシアミドは以下を含む:
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
5-{ベンゾイル[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]アミノ}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
5-[(シクロヘキシルカルボニル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3-フェニルプロパノイル)-アミノ]安息香酸
5-[ベンゾイル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[アセチル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[(4-シアノベンゾイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(フェノキシアセチル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)-ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}安息香酸
5-[(N,N-ジメチルグリシル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}(フェノキシアセチル)アミノ]メチル}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}-メチル)安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)安息香酸
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(フェノキシアセチル)アミノ]-メチル}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({((4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-アミノ}メチル)安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-メチル}安息香酸
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル][(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)安息香酸
[4-({(4-[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}-メチル)フェノキシ]酢酸
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3-フェニルプロパノイル)アミノ]-安息香酸
4-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-4-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]-アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(フェノキシアセチル)アミノ]安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
5-([(6-クロロピリジン-3-イル)カルボニル]{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
5-((4-シアノベンゾイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾ−ル-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-((3-メチルブタ-2-エノイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)安息香酸
5-((3-シクロペンチルプロパノイル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニルフェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
5-(ベンゾイル{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
{4-[((N,N-ジメチルグリシル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
{4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
{4-[((フェノキシアセチル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
{4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
[4-({[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)-ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)-アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸。
【0099】
式(I)の化合物はインスリン抵抗性又は高血糖により仲介される肥満及び/又は代謝性疾患(糖尿病タイプI及び/又はII、不十分なグルコール耐性、インスリン抵抗性、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール症又は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含む)の治療及び/又は予防において有用である。
【0100】
式(I)に係る化合物の1つの態様は、特に糖尿病タイプII、肥満の治療及び/又は予防、並びに哺乳動物の食欲調節に有用である。
【0101】
式(I)に係る化合物はPTPs、特にPTP1Bの活性の調節のために適している。従って本発明の化合物は、それ故にPTPs、特にPTPIBにより仲介される疾患の治療及び/又は予防に有用であると信じられている。前記治療はPTPs、特にPTP1B及び/又はGLEPP-1の調節、とりわけダウンレギュレーション又は阻害に関与する。
【0102】
本発明の更なる観点は、式(I)に係るアリールジカルボキシアミド及び少なくとも1つの更なる薬物(特に抗-糖尿病剤)を含む医薬組成物に関する。1つの態様では、更なる糖尿病剤はインスリン(又はインスリン様)、アルドースレダクターゼ阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、スルホニルウレア剤、ビグアナイド(例えばメトホルミン)、チアゾリジオン(例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、WO 02/100396参照)又はPPARsアゴニスト又はc-Junキナーゼ又はGSK-3阻害剤を含んで成る、或いはから成る群から選定される。
【0103】
本発明の方法に有用であるインスリンは即効型インスリン、中時間作用型インスリン、長時間作用型インスリン及び中時間作用型及び即効型の組合せを含む。
【0104】
本発明の方法に有用であるアルドースレダクターゼインヒビターは当業界において公知であるものを含む。これらは制限されずに以下のリストを含む:
a)その内容が参照により本明細書に組み入れられた、ミナルレスタット(minalrestat)又はスピロ(spiro)-[イソキノリン-4(lH),3'-ピロリジン]-1,2',3,5'(2H)-テトロン(tetrone)としても公知であるARI-509、及びそれらのアナログを含む米国特許No.4,927,831(Malamas)に開示されたスピロイソキノリン-ピロリジンテトロン化合物
b)2-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]-6-フルオロ-(9CI);
c)その内容が参照により本明細書に組み入れられた、グリシン,N-[[6-メトキシ-5-トリフルオロメチル)-1-ナフタレニル]チオキソメチル]-N-メチル-(9CI)又はAY-27773及びそのアナログとしても公知であるトルレスタット(Tolrestat)を含む米国特許No.4,439,617の化合物;
d)スピロ[4H-l-ベンゾピラン-4,4'-イミダゾリン]-2',5'-ジオン、6-フルオロ-2,3-ジヒドロ-,(4S)-(9CI)又はCP 45634としても公知であるスルビニル(Sorbinil)(登録No.68367-52-2);
e)メトソルビニル(Methosorbinil);
f)1-フタラジン酢酸、3,44-ジヒドロ-4-オキソ-3-[[5-(トリフルオロメチル)-2-ベンゾチアゾリル]メチル]-(9CI)(登録No.110703-94-1)であるゾポルレスタット(Zopolrestat);
g)3-チアゾリジン酢酸、5-[(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペニリデン]-4-オキソ-2-チオキソ-,(5Z)-(9CI)(登録No.82150-09-9)であるエパルレスタット(Epalrestat);
h)ゼナレスタット(Zenarestat)(登録No.112733-40-6)又は3-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)-メチル]-7-クロロ-3,4-ジヒドロ-2,4-ジオキソ-1(2H)-キナゾリン酢酸;
i)2,7-ジフルオロスピロ(9H-フルオレン-9,4'-イミダゾリジン)-2',5'-ジオンとしても公知であるイミレスタット(Imirestat);
j)1-フタラジン酢酸、3-[(4-ブロモ-2-フルオロフェニル)メチル]3,4-ジヒドロ-4-オキソ-(9CI)であり、且つスタリル(Stalil)又はスタチル(Statyl)としても公知であるポナルレスタット(Ponalrestat)(登録No.72702-95-5);
k)3-チアゾリジン酢酸、5-[(2E)-2-メチル-3-フェニル-2-プロペニリデン-4-オキソ-2-チオキソ-、(5Z)-(9CI)であるONO-2235;
1){3-[(4,5,7-トリフルオロベンゾチアゾール-2-イル)メチル]-5-メチルフェニル酢酸}であるGP-1447;
m)5-(3-エトキシ-4-ペンチルオキシフェニル)-2,4-チアゾリジンジオンであるCT-112;
n)グリシン,N[(7-フルオロ-9-オキソ-9H-キサンテン-2-イル)スルホニル]-N-メチル-)9CI)、登録No.124066-40-6))であるBAL-ARI 8;
o)2,3-ジヒドロ-2,8-ビス(1-メチルエチル)-3-thioxox-4H-1,4-ベンゾオキサジン-4-酢酸の塩化物の形態(4H-1,4-ベンゾオキサジン-4-酢酸、2,3-ジヒドロ-2,8-ビス(l-メチルエチル)-3-チオキソ-(9CI)であるAD-5467;
p)(3',5'-ジメチル-4'-ニトロメチルスルホニル-2-(2-トリル)アセトアニリド)であるZD5522;
q)3,4-ジヒドロ-2,8-ジイソプロピル-3-チオキソ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-4-酢酸;
r)1-[(3-ブロモ-2-ベンゾフラニル)スルホニル]-2,4-イミダゾリジンジオン(M-16209)、
s)1-イミダゾリジン酢酸、3-[(3-ニトロフェニル)メチル]-2,4,5-オチオキソ-9(CI) (登録No.128043-99-2)であるNZ-314、
t)1-フタラジン酢酸、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3-[(5-トリフルオロメチル)-2-ベンゾチアゾリル]-メチル];
u)スピロ[4H-l-ベンゾピラン-4,4'-イミダゾリジン]-2',5'-ジオン;
6-フルオロ-2,3-ジヒドロ-2-メチル-,(2R,4S)-(9CI)であるM-79175;
v)2H-1,4-ベンゾチアジン-2-酢酸、3,4-ジヒドロ-3-オキソ-4-[(4,5,7-トリフルオロ-2-ベンゾチアゾリル)メチル]-(9CI)であるSPR-210;
w)スピロ[ピロリジン-3,6'(5'H)-ピロロ[1,2,3-de][1,4]ベンゾオキサジン]-2,5,5'-トリオン、8'-クロロ-2'-3'-ジヒドロ-(9CI)(AND 138又は8-クロロ-2',3'-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,6'(5H)-ピロロ-[1,2,3-de]-[1,4]ベンゾオキサジン]2,5,5'-トリオンとしても公知である);
x)6-フルオロ-2,3-ジヒドロ-2',5'-ジオキソ-(2S-シス)-スピロ[4H-l-ベンゾピラン-4,4'-イミダゾリジン]-2-カルボキシアミド(SNK-860としても公知である);
或いは1つ以上のこれらの化合物の医薬的に許容され得る塩形態。
【0105】
本発明の特により好適なアルドースレダクターゼ阻害剤は、ミナルレスタット(minalrestat)、トルレスタット(Tolrestat)、ソルビニル(Sorbinil)、メトソルビニル(Methosorbinil)、ゾポルレスタット(Zopolrestat)、エパルレスタット(Epalrestat)、ゼナレスタット(Zenarestat)、イミレスタット(Imirestat)及びポナルレスタット(Ponalrestat)又は医薬的に許容され得るそれらの塩形態である。
【0106】
ミグリトール又はアルカボース、或いは医薬的に許容され得るそれらの塩形態を含むα-グルコシダーゼ阻害剤は、本発明の方法に有用である。
【0107】
グリピザイド、グリブリド(グリベンクラミド)クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド及びグリメピリド、又はそれらの医薬的に許容され得る塩形態を含むスルホニルウレア試薬は、本発明の方法に有用である。
【0108】
好適には、前記補助的な活性試薬は即効型インスリン、中時間作用型インスリン、長時間作用型インスリン及び中時間作用型及び即効型の組合せ、イナルレスタット(Inalrestat)、トルレスタット、ソルビニル、メトソルビニル、ゾポルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、イミレスタット(Imirestat)、ポナルレスタット(Ponalrestat)、ONO-2235、GP-1447、CT-112、BAL-ARI 8、AD-5467、ZD5522、M-16209、NZ-314、M-79175、SPR-210、ADN 138、又はSNK-860、ミグリトール、アカルボース、グリピジド、グリブライド、クロルプロパミド、トルブタミド、トラザミド、又はグリメプリリド(Glimepriride)から成る群から選定される。
【0109】
また本発明の更なる目的は、式(I)に係るアリールジカルボキシアミドを調製する方法である。
【0110】
本発明のアリールジカルボキシアミドは、後述の一般的な方法及び手順を用いて、容易に入手できる出発原料から調製できる。典型的な又は好適な実験条件(即ち、反応温度、時間、試薬のモル数、溶媒、等)である場合は、他に断わりのない限り、使用され得る他の実験条件に提供することができると理解されるだろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒により変えてよいが、係る条件は、当業者による通常の最適手順により決定することができる。
【0111】
以下に発表する一般的な方法及び手順により、式(I)の化合物は得られる。
【0112】
一般的に、一般式(I)に係る置換されたアリールジカルボキシアミド誘導体は、溶液相及び固相の両方の化学プロトコール用いて、いくつかの手順により得られる。Cy、R1、R2、R3、R4、R5、n、及びAの天然物に依存したいくつかの手順は、他よりも好まれ、この最適な工程の選定は当業者によって想定されるだろう。
【0113】
一般的に式(I)のアリールジカルボキシアミド誘導体は前駆物質(I')の最初の脱保護により得ることができ、ここでのCy、R3は上記に定義され、そして部分FGはA(置換された又は非置換のアミノカルボニル部分)であり、そしてここでのR4及びR5は、R4及びR5(上記定義の通り)の保護又は非保護の形態から互いに独立し得る(以下のスキーム1参照)。例えば、R4又はR5がヒドロキシ基である場合、R4'又はR5'はOBn、OMe又はOAc等のエーテルであってよい。R4又はR5がカルボキシ基、R4'又はR5'のカルボキシ基を含む場合、CO2Me,CO2Bn又はC02tBu等のエステルであってよい。R4(又はR5)がカルボキシ基である場合、そしてR5(又はR4)がヒドロキシ基である場合、R4'又はR5'基の両方がヘテロ環(例えば置換された2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン)のメンバーであり得る。
【化5】

【0114】
それらの方法の功を奏する使用及び以下に発表した方法が、分子の他の部分上の置換基の適合性(compatibility)に依存することは、有機合成の当業者によって認識されている。基を保護すること及び/又は本明細書において開示した工程とほぼ同程度の改変を要求してもよい。
【0115】
当業者は、所定の反応は分子上の能力のある反応官能性をマスク又は保護する場合に最大限に行われ、それによって副反応を回避し及び/又は反応収率を増加させることを認識するであろう。保護基部分の例は、Philip J.Kocienski,"Protecting Groups",Georg Thieme Verlag Stuttgart, New York,1994及びTheodora W.Greene and Peter G.M.Wuts" Protective Groups in Organic Synthesis",3rd edition, John Wiley & Sons Inc. , 1999 (New York)中に見出すことができる。特定の反応のための保護基の必要性及び選定は、当業界において公知であり、そして天然の保護される官能基(ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ等)、反応条件の一部である分子の置換基の構造及び安定性に依存する。
【0116】
以下の式(I')のアリールジカルボキシアミド誘導体の一般的な調製において、式中Gy、R1、R2、R3、nは上記定義の通りであり、式中R4、R5は保護された又は非保護のR4及びR5形態から互いに独立してよく、そして部分FGはA(置換された又は非置換のアミノカルボニル部分)、カルボキシ、アシルクロライド又はCl-C6-アルキルカルボキシ基であると説明されるものとする。
【0117】
式(I')の置換されたアリールジカルボキシアミド誘導体は、対応の式(II)のアミンと(式中PはHであり、式中Cy、R1、R2、R3、F、n、R4'、R5'は上記定義の通りであり)、式(III )のカルボン酸誘導体LG-CO-R3(式中R3は上記定義の通りであり、そしてLGはOH、Cl、O-アルキル又は0-アルキルアリールを含む適切な脱離基)をカップリングすることにより調製してよい(以下のスキーム2を参照)。かかる調製のための一般的なプロトコールは、当業界において周知な条件及び方法を用いて、以下の実施例で与えられ、標準的なカップリング試薬(例えばDIC、EDC、TBTU、DECP、DCC、PyBOP(登録商標)、イソブチルクロロホルメート等)の有無を問わず、塩基(例えばTEA、DIEA、NMM)の存在中であろうとなかろうと、適切な溶媒(例えばDCM、THF又はDMF)中でアミン及びカルボン酸又はカルボン酸誘導体(例えばアシルクロライド)からのアミド結合を調製する。
【化6】

【0118】
式中PはHである式(II)の前駆化合物は、それらに対応する保護形態の脱保護により得ることができ、式中Pは保護基(例えばBoc又はFmoc)である。
【0119】
式中PがH、又は適切な保護基である式(II)の前駆化合物は、以下のスキーム3に示したいくつかの実施例の多様な合成戦略を用いて、対応の式(IV)、(V)又は(VI)の前駆物質から調製され得る。
【0120】
・式(II)の化合物−式中R2はHであり-例えばアミン(VII )のアルキル化により調製してよく-式中R4'及びR5'は上記定義の通りであり、そして式中PはH又は適切なカルボニル誘導体(IV)を有す保護基であり、式中R1、Cy及びFGは上記定義の通りである(スキーム3、方法Aを参照)。当該反応は適宜還元剤(NaBH(OAc)3、NaBH3CN、NaBH4又は水素及び適宜触媒(例えばPd/C又はPtO2)を含む)の存在中で実施してよい。
【0121】
・或いは式(II)の化合物は、式(VII)のアミンのアルキル化により調製してよく-式中R4'及びR5'は上記定義の通りであり、式中PはH又は式(V)(式中LG1は適宜脱離基であり、Cl、Br、I、OH、OMs、OTsを含み、且つ式中R1、R2、Cy及びFGは上記定義の通りである)の誘導体による(スキーム3、方法Bを参照)適宜保護基(例えばBoc又はFmoc)である。
【0122】
・また式(II)の化合物は、式(VIII)(式中、LG1は上記定義した脱離基である)のアルキル化試薬により式(VI)のアミンのアルキル化により調製され得る(スキーム3、方法C参照)。
【0123】
・更なる代替をスキーム3(方法D)に発表する。本態様は、還元剤(例えばNaBH(OAc)3、NaBH3CN, NaBH4又は水素)の存在下において、適宜触媒(例えばPd/C又はPtO2)により、式(II)の化合物(式中nは1である)を提供するために、式(VI)のアミンのカルボニル誘導体(IX)とのアルキル化による式(II)の化合物の調製を説明する。
【化7】

【0124】
式(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)又は(IX)の前駆化合物はいずれも商業的に入手可能であり又は商業的な出発原料から容易に入手し得る。かかる調製のための一般的なプロトコールは、当業者に周知の条件及び方法を用いて、以下の実施例において与えられる。
【0125】
式(I')、(II)、(IV)、(V)及び(VI)の前駆体(式中R1、R2、Cy、n、P、R4'及びR5'は上記定義の通りであり、そして式中FGは、式(I')、(II)、(IV)、(V)及び(VI)の前駆体中のカルボキシ、アシルクロライド又はCl-C6-アルキルカルボキシ基であり、式中部分FGはA(置換された又は非置換のアミノカルボニル部分)である)の部分FGの変換は、一般式(I)に係る置換されたアルールジカルボキシアミド誘導体の調製の任意の段階で実施することができる(以下のスキーム4を参照)。これらの方法の功を奏する使用が、分子の他の部分上の置換基の適合性(compatibility)に依存するということは、有機合成の当業者により認識される。保護基及び/又は本明細書において開示した工程とほぼ同程度の改変を要求してもよい。
【化8】

【0126】
従って、式(I')、(II)、(IV)、(V)及び(VI)の前駆体(式中、FGはカルボキシ、C1-C6-アルキルカルボキシ基、又はアシルクロライド基である)は、1級又は2級アミンHNR6R7(式中、R6、R7はH、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Cl-C6-アルキルアリール又はCl-C6-アルキルヘテロアリール、C2-C6-アルケニルアリール、C2-C6-アルケニルヘテロアリール、C2-C6-アルキニルアリール、C2-C6-アルキニルヘテロアリール、Cl-C6-アルキルシクロアルキル、Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキルから成る群からそれぞれ独立して選定される)と反応することができる。標準カップリング試薬(例えばDIC、EDC、TBTU、DECP、DCC、PYBOP(登録商標)、イソブチルクロロホルメート等)の有無を問わず、塩基(例えばTEA、DIEA、NMM)の存在の有無を問わず、適宜溶媒(例えばDCM、THF又はDMF)中で、アミン及びカルボン酸又はカルボン酸誘導体(例えばアシルクロライド)からのアミド結合を調製するための当業者に周知の条件及び方法を用いるかかる調製のための一般的なプロトコールを、後述の実施例に示す。
【0127】
式(II)の化合物を調製するための好適な方法を、上記スキーム3、方法Aに発表する。その中に、式(IV)(式中、部分FGはA(置換された又は非置換のアミノカルボニル部分)である)のカルボニル化合物の、式(VII )(PはH)のアミンによる還元的アミン化は、適宜溶媒(例えば共沸性の除去水と一緒のトルエン)中でそれらを還流することにより実施され、引き続き還元試薬(例えばNaBH4)による、適宜溶媒中(例えばMeOH)中での還元により、中間体イミンを形成する。従って当該方法では式(II)(式中PはHである)のアミンを得る。
【0128】
スキーム2に発表された方法によれば、得られたアミン(II)は例えばLG-CO-R3のようなカルボン酸誘導体(III )(式中R3は上記定義の通りであり、そしてLGは好適にはClである)と塩基(例えばDIEA等)の存在下で、非プロトン性溶媒(例えばDCM又はTHF)中でカップリングして、式(I')の置換されたアリールジカルボキシアミド誘導体を得る。後に実施例中で発表するような標準方法及びプロトコールを用いるR4'及びR5'のその後の脱保護は、所望される式(I)の置換されたアリールジカルボキシアミド誘導体を与える。例えば、式(I')(式中、R4'及び/又はR5'はエステル基を含む)の化合物を、加水分解し、水酸化物(例えばNaOH)により適宜プロトン性溶媒(例えばEtOH)中でそれらを処理し、引き続き当該反応混合物を酸性化することにより本発明の式(I)の化合物を産生してもよい。
【0129】
式(I)(式中R4はOHであり、且つR5はC02Hである)の化合物を調製する更なる好適な方法によれば、式(I')(式中R4'及びR5'は、例えば置換された2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン等のヘテロ環のメンバーである)の化合物を加水分解し、水酸化物(例えばNaOH)により適宜プロトン性溶媒(例えばEtOH)中、70℃でそれらを処理し、引き続き当該反応混合物を酸性化することにより本発明の式(I)の化合物を産生してもよい。
【0130】
式(I)の化合物の塩基性塩は、当業者に公知の慣用方法で調製される。特に本発明のN-Me-D-グルカミン(即ち1-デオキシ-1-(メチルアミノ)グルシトール)及びトロメタミン(即ち2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール)塩は、溶媒(例えば水、PBS、PEG、CMC)中により溶けやすい誘導体を提供する。
【0131】
上記プロトコールによる本発明の式(I)の置換されたメチレンアミドの調製方法は、数工程のみを必要とするという意味で、利便性及び経済性で特定の利点を有する。
【0132】
医薬として使用される場合、本発明のアリールジカルボキシアミドは典型的に医薬組成物の形態で投与される。従って、式(I)の化合物及び医薬的に許容され得る担体、それらの希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物も本発明の範囲内にある。当業者は多様なかかる担体、希釈剤又は賦形剤化合物の全てが医薬組成物を製剤するのに適していることを知っている。
【0133】
慣用的に使用されるアジュバント、担体、希釈剤又は賦形剤と一緒になる本発明の化合物は、医薬組成物及びそれらの単位投与形態に置くことができ、且つかかる形態は、固体として(例えば錠剤、又は充填カプセル等)、又は液体として(例えば溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル、又は同一物を充填したカプセル)、全ての経口使用に、又は非経口(皮下使用を含む)使用のための殺菌注入溶液の形態において使用され得る。それらのかかる医薬組成物及び単位投与形態は、追加の活性化合物又は原理の有無を問わず、慣用的な比率の中で成分を含んでよく、そしてかかる単位投与形態は任意の適切な効果量(採用される意図された一日投与量の範囲と同量)の活性成分を含んでよい。
【0134】
医薬として使用される場合、本発明のアリールジカルボキシアミドは典型的に医薬組成物の形態で投与される。かかる組成物は医薬業界で周知の方法で調製でき、且つ少なくとも1つの活性化合物を含む。一般的に本発明の化合物は医薬的効果量で投与される。実際に投与される化合物の量は、典型的に関連のある環境(処理条件、選定される投与経路、現実に投与される化合物、年齢、体重、及び個々の患者の応答、患者の症状の重篤性等を含む)を考慮して医師により決定されるだろう。
【0135】
これらの発明の医薬組成物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内及び鼻腔内を含む多様な経路により投与され得る。経口投与のための組成物はバルク液体溶液又は懸濁物、又はバルクパウダーの形態を採用することができる。しかしながら、より一般的には、当該組成物は正確な投与を促進するための単位投与形態で存在する。用語"単位投与形態"とは、ヒト対象及び他の哺乳動物のための単一投与(個々の単位は、適切な医薬賦型剤に関連する所望される治療効果を生み出すために計算された予め決められた活性原料の量を含む)として適切であるような物理的に別個の単位を言う。典型的な単位投与形態は、予め充填され、予め計量された液体組成物のアンプル又はシリンジ、或いは固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセル等を含む。かかる組成物における、本発明に係るアリールジカルボキシアミドは、一般的に残存している多様な媒体又は担体、及び所望される投与形態の形成を助ける処理補助剤と共にマイナー成分である(約0.1から約50重量%、又は好適には約1から約40重量%)。
【0136】
経口投与に適する液体形態は、緩衝剤、懸濁及び分散試薬、着色剤、香味剤等と共に、適宜水性又は非水性媒体を含んでよい。
【0137】
固体形態は、例えば任意の以下の成分、又は同様の天然化合物:結合剤(例えば微小結晶セルロース、ガムトラガカント又はゼラチン);賦型剤(例えばスターチ又はラクトース、崩壊剤(例えばアルギン酸、プリモゲル(Primogel)、又はコーンスターチ);潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム);流動促進剤(例えばコロイド状の二酸化ケイ素);甘味剤(例えばスクロース又はサッカリン);或いは香味剤(例えばペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ香味剤)を含んでよい。
【0138】
注入可能な組成物は、典型的に注入可能な殺菌生理食塩水又はリン酸塩緩衝生理食塩水又は他の当業界において公知の注入可能な担体に基づく。上記の通り、かかる組成物中の式(I)のアリールジカルボキシアミドは、典型的にマイナー成分であり、しばしば残存している注入可能担体等と共に0.05から10重量%の範囲にある。
【0139】
上記発表した経口投与又は注入可能な組成物のための成分は、単に代表的なものにすぎない。更なる材料及び処理技術等は、Part 5, Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Edition, 2000, Marck Publishing Company, Easton, Pennsylvaniaに発表され、参照により本明細書中に組入れられる。
【0140】
本発明の化合物は、徐放形態又は徐放薬物運搬システムにより投与することもできる。代表的な徐放材料の発表は、Remington's Pharmaceutical Sciencesに入れられた材料にも見出すこができる。
【0141】
以下において、本発明は、発明の範囲を制限するものとはみなされない、いくつかの実施例によって説明される。以下の略語は、後述の実施例に用いられる:h(時間)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mmol(ミリモル)、m.p.(融点)、eq(当量)、mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、ESI(エレクトロスプレーイオン化)、L(リットル)、EtOAc(酢酸エチル)、Boc(tert-ブトキシカルボニル)、CDC13(重水素化クロロホルム)、CD30D(重水素化メタノール)、CH3CN(アセトニトリル)、DBU(ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジイソプロピルエチルアミン)、DMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMSO-d6(重水素化ジメチルスルホキシド)、EDC(1-(3-ジメチル-アミノ-プロピル)-3-エチルカルボジイミド)、c-Hex(シクロヘキサン)、EtOAc(酢酸エチル)、Et2O(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、Fmoc(9-フルオレニルメトキシカルボニル)、i-PrOH(2-プロパノール)、K2C03(炭酸カリウム)、MeOH(メタノール)、MgS04(硫酸マグネシウム)、min(分)、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)、NaHCO3(炭酸水素ナトリウム)、NaBH4(水素化ホウ素ナトリウム)、NaBH3CN(シアノ水素化ホウ素ナトリウム)、NaBH(OAc)3(トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム)、NMM(N-メチル-モルホリン)、Pd(PPh3)4(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム)、PetEther(石油エーテル)、rt(室温)、PyBOP(登録商標)(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、Rt(保持時間)、SPE(固体相抽出)、TBTU(2-(1-H-ベンゾトリアゾール-l-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(トリフルオロ酢酸無水物)、THF(テトラヒドロフラン)。
【0142】
以下に発表する実施例に提供されるHPLC、MS及びNMRデータは、次のように得られた。HPLC:Waters Symmetry C8カラム 50 mm x 4.6 mm;254nmでのUV検出;流動:2mL/min;条件:H20中0.1%TFAからCH3CN中0.07%TFAへの8 min勾配。以下に発表する実施例に提供されるMSデータは、次のように得られた:マススペクトル:LC/MS Waters ZMD(ESI)。以下に発表する実施例に提供されるNMRデータは、次のように得られた:1H-NMR:BrukerDPX-300MHz。
【0143】
実施例
中間体I:7-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン
工程a)4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-ヒドロキシ安息香酸の形成
【化9】

【0144】
10%水性NaOH溶液(1L)中のp-アミノサリチル酸ナトリウム(100g、0.65mol)の溶液へベンジルクロロホルメート(トルエン中、670 g、1.96モル)の50重量%溶液を0℃で付加し、そしてrtで48h撹拌した。当該反応混合物を冷却し、10%水性HCIで0℃で酸性化した。得られた固体をろ過し、そして冷却水で洗浄し乾燥させた。当該固体をPetEtherで処理し、そしてろ過し、更なる精製を行わずに次の工程で使用される標題の化合物を得た(128 g、68%)。
【0145】
工程b)ベンジル2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-7-イルカルバメートの形成
【化10】

【0146】
TFA(108mL)中の4-{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}-2-ヒドロキシ安息香酸の懸濁物(25g、0.087mol)へトリフルオロ酢酸無水物(TFAA、35 mL、0.249 mol)をrtで撹拌しながら付加した。ここに60mLの乾燥アセトンを滴下付加し(それぞれ4h間隔)、そして当該反応混合物を60℃で、24h還流した。過剰なTFA及びTFAAを真空下で除去して粗産物を得た。当該粗産物を、溶出液としてCH2C12を用いて、シリカゲルを充填したカラムクロマトグラフィーで精製し(トリエチルアミンで処理した)、2つの化合物:ベンジル2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-7-イルカルバメート(3.5g)及び7アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン(1.6g)の混合物を得た。
【0147】
工程c)7-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンの形成
【化11】

メタノール(250mL)中のベンジル2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-7-イルカルバメート(3.5g)の溶液へPd/C(350 mg)を付加し、そして2Bar圧で24h水素化した。当該反応混合物をセライト基盤を通してろ過し、そして濃縮して、標題の化合物(1.6 g)を得た。
【0148】
中間体II:6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン
工程a)2,2-ジメチル-6-ニトロ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンの形成
【化12】

【0149】
TFA(300 mL)中の2-ヒドロキシ-5-ニトロ安息香酸(50.0g、0.27mol)、アセトン(40 mL、0.54 mol)及びトリフルオロ酢酸無水物(100mL、0.71mol)の混合物を還流で加熱した。1時間後、補充量のアセトン(60 mL、0.82 mol)を付加し、そして当該反応混合物を48時間還流した。溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣の茶色の固体をDCM(800 mL)中に溶解させて、飽和水性NaHCO3(400 mL)及び水(400 mL)の混合物で洗浄した。水性相をDCM(2x400 mL)で抽出した。組合せた有機層をMgS04で乾燥させて、当該溶媒を減圧下で除去した。残渣の茶色のオイルを冷却したペンタン(300 mL、0℃)中に採取し、そして黄色の固体を沈殿させた。ペンタンによるろ過及び洗浄は53.8g(88%)の標題の化合物を黄色の固体として得た。HPLC, Rt: 2.9 min(純度:99.8%)。1H NMR (CDC13)δ:8.88(d,J=2.8 Hz,1H)、8.44(dd, J=9.0, 2.8 Hz, 1H)、7.14(d,J=9.0 Hz, 1H)、1.80 (s, 6H)。
【0150】
工程b)6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンの形成。
【化13】

【0151】
EtOH(30 mL)中の6-ニトロ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン(4.1 g)の溶液へPd/C(1.947 g)を窒素環境下で付加し、その後12h、室温で水素化した。当該反応混合物をセライト基盤を通してろ過して、EtOH及びTHFで洗浄した。当該ろ過物を真空下で濃縮し、標題化合物を淡黄固体として得た(3.5 g,98%)。1H NMR(CDC13)δ7.71 (d,J=8.7 Hz, 1H)、7.15 (d,J=2.6 Hz, 1H)、6.83 (dd,J=8.7 Hz, 2.6 Hz, 1H)、3.44 (brs, 2H)、2.63 (s, 6H)。
【0152】
中間体III:6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン,酢酸塩
工程a)メチル-5-ブロモサリチレートの形成
【化14】

メタノール(2L)中の5-ブロモサリチル酸(200 g、0.92 mol)の溶液へ塩化チオニル(440 g, 3.7 mol)を0℃で撹拌しながら付加し、その後70℃で40h還流させた。過剰な溶媒を蒸留し、そして当該粗残渣へEtOAc(2L)を付加した。有機層を10%の冷却水性NaHCO3溶液(2x1L)、ブラインで洗浄し、そして乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、標題の化合物を低融点固体(190 g、89%)として得た。TLC:PetEther/EtOAc、7:3、Rf:0.6。
【0153】
工程b)メチル-5-シアノサリチレートの形成
【化15】

乾燥DMF(1.75 L)中のメチル-5-ブロモサリチレート(190 g、0.822 mol)の溶液にCuCN(175 g, 1.94 mol)を付加して、そして当該反応混合物を140℃へ、撹拌しながら、N2下で、20h加熱した。当該反応混合物を冷却し、水(4L)でクエンチし、そして45 min撹拌した。当該産物をEtOAc(3 x 1.5 L)で抽出し、乾燥及び濃縮して、粗産物を得た。水性層を1.5 NHClでpH3に酸性化し、そして更にEtOAc(2 x 1 L)で抽出した。組合せた有機層を乾燥及び濃縮した。粗産物を10%クロロホルムで、PetEther (200mL)中で処理し、そして固体をろ過した。更に当該固体をPetEther(200 mL)中の3%EtOAcで洗浄し、乾燥させて、標題の化合物(80g、55%)を得た。TLC:PetEther/EtOAc, 8:2、Rf:0.6。
【0154】
工程c)5-シアノサリチル酸の形成
【化16】

メタノール(400 mL)、THF(400 mL)及び水(200 mL)中のメチル-5-シアノサリチレート(80 g、0.45 mol)の懸濁物へLiOH(32 g、1.35 mol)を付加して、rtで20h撹拌した。当該反応混合物を真空下で濃縮し、1.5NのHC1でpH 3へ酸性化し、そして固体をろ過して得た。当該固体を、トルエンを用いた水の共沸性除去により乾燥させ、標題の化合物(60 g、81%)を得た。TLC:PetEther/EtOAc, 7:3、Rf:0.1。
【0155】
工程d)2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-カルボニトリルの形成
【化17】

【0156】
TFA(134 mL、1.76 mol)及びTFAA(45 mL、0.32 mol)中の5-シアノサリチル酸(60 g、0.368 mol)の懸濁物へ乾燥アセトン(20 mL)を付加し、そして還流へ加熱した。その後それぞれ1hの間隔で15 mLの乾燥アセトンを4回付加し、そして20 h還流を継続させた。当該反応混合物を真空化で濃縮し、そして粗産物を、シリカゲルを充填したフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、CH2Cl2を溶出剤として用いて精製し(230-400メッシュ)、標題の化合物を白色固体として得た(12 g、15%)。TLC:CH2C12(100%)、Rf:0.5。
【0157】
工程e)6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン、酢酸塩の形成
【化18】

【0158】
メタノール(500mL)中、2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-カルボニトリル(12g、0.06 mol)の溶液へ氷酢酸(3.5g、0.059 mol)を付加し、そしてN2を30min通した。ここへPd/C(2.4 g、20%)を付加して、2Bar圧で22h水素化した。反応混合物を、セライトを通してろ過し、そしてろ過物を真空下で濃縮した。固体へEtOAc(200mL)を付加し、20h撹拌し、ろ過した。当該固体を真空下で乾燥させて標題の化合物(6g、38%)を得た。TLC:CHC13/MeOH、9:1、Rf:0.15。
【0159】
中間体IV:メチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート、酢酸塩
工程a)メチル(4-ホルミルフェノキシ)アセテートの形成
【化19】

【0160】
乾燥DMF(1L)中、4-ヒドロキシベンズアルデヒド(100 g、0.818 mol)の溶液へ炭酸カリウム(260 g、1.88 mol)及びKI(10g)を撹拌しながらrtで付加した。当該反応混合物を40℃にゆっくり加熱して、メチルブロモアセテート(104 g、0.67 mol)を撹拌しながら付加して、70℃で4h加熱した。当該反応混合物をrtへ冷却し、固体をろ過し、そしてろ過物を水(1.5L)で希釈した。水性混合物をEtOAc(3 x 750 mL)で抽出し、2.5%の水性NaOH溶液(2 x400 mL)、水で洗浄し、そして乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、標題の化合物をわずかに黄色の固体として得た(112 g)。
【0161】
工程b)メチル{4-[(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}アセテートの形成
【化20】

メタノール(500 mL)中のメチル-(4-ホルミルフェノキシ)アセテート(100 g、0.515 mol)の溶液を0-5℃に冷却させた。ここに水(500 mL)中にヒドロキシアミンハイドロクロライド(54 g)及び酢酸ナトリウム(64 g)の溶液を滴下付加し、そしてrtで6 h撹拌した。反応混合物を水で希釈し、そして当該固体をろ過した。当該固体を水で洗浄し、そして真空下で乾燥させて標題の化合物を得た(80 g、74%)。
【0162】
工程c)メチル[4-(アミノメチル)フェノキシアセテート、酢酸塩の形成
【化21】

【0163】
メタノール(650 mL)中のメチル{4-[(ヒドロキシイミノ)メチル]フェノキシ}アセテート(30 g、0.14mol)の溶液へ氷酢酸(6.8g)を付加し、30min、N2 を通した。ここへPd/C(10%、3g)を付加し、そして2Bar圧で12h水素化した。当該反応混合物を真空下で濃縮した。粗産物をEtOAc(500 mL)で処理し、そして白色産物をろ過した。固体を真空下で乾燥させて標題の化合物を得た(29g、81%)。
【0164】
中間体V:2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライド
【化22】

【0165】
工程a)エチル2-(ジクロロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-4-カルボキシレートの形成
ジクロロアセトニトリル(33.67mL、420mmol)を予め-10℃へ冷却したメタノール(84.5 mL)中のナトリウムメトキシド((25重量%)9.63 mL、43mmol)の溶液へ0℃未満の温度を維持しながら、30分かけてゆっくり付加した。メタノール(67.4 mL)中に溶解したL-システインエチルエステルハイドロクロライド(78.32 g、422 mmol)を付加する前にこれを30分間撹拌し、その後一晩RTで撹拌した。DCM(136 mL)による水(136 mL)を当該反応混合物に付加し、激しく撹拌した。有機層を分離し、そして水性層を更なる136mLのDCMで再抽出した。これを真空中で濃縮し、粗産物を得た(94.1 g、93%)。
【0166】
工程b)メチル2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボキシレートの形成
ナトリウムメトキシド(25重量%、MeOH中(44.62 g、206.5 mmol)) を0から10℃の温度を維持しながら、50mLのMeOH中のエチル2-(ジクロロメチル)-4,5-ジヒドロ-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(50.0 g、206.5 mmol) へゆっくり付加した(55分かけて)。更なる50mLのMeOHを付加して、10℃未満の温度を維持しながら1h撹拌した。DCM (125 mL)及び水(71mL)を当該反応混合物へ付加し、有機層を分離した。水性層を更に71 mLのDCMで抽出した。組合せた有機層をMgSO4で乾燥させて、真空中で蒸発させて粗産物を得た(34.6 g、87%)。
【0167】
工程c)2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸の形成
HClの水性溶液(36%、68mL)を ジオキサン(680 mL)、水(65 mL)中のメチル2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボキシレート(34 g、177 mmol)の溶液へ付加し、一晩還流させた。その後、真空中でジオキサンを除去し、産物をMTBEで水性層から抽出し(4 x 473 mL)、MgSO4で乾燥させ、蒸発させて、標題の化合物を得た(28.3 g、97%)。
【0168】
工程d)2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライドの形成
オキサリルクロライド(3.2 mL、36.6 mmol、5 eq.)をDCM (10 mL) 中の4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル] 安息香酸(1.30 g、7.32 mmol、leq.)の懸濁物へ滴下付加し、引き続き触媒量のDMFをRTで滴下付加した。反応混合物をRTで一晩撹拌し、その後蒸発させて、標題の化合物を粗産物として得た。
【0169】
中間体VI:4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド
【化23】

【0170】
工程a)メチル4-(アミノカルボノチオニル)ベンゾエートの形成
水中(100 mL)のメチル-4-シアノベンゾエート(5.0 g、0.031 mol)及びジエチルジチオホスフェート(11.5 g、0.062 mol)の混合物を一晩、窒素環境下、80℃で撹拌した。当該反応混合物を周囲温度に冷却し、固体をろ過し水(100 mL)で洗浄した。その後固体を真空中、40℃で乾燥させて、粗産物を得た(4.74 g、78%)。
【0171】
工程b)メチル4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾエートの形成
DMF(962mL)中のメチル4-(アミノカルボノチオニル)ベンゾエート(38.48g、0.197 mol)1,3-ジクロロアセトン(25.05g、0.197mol)の混合物を一晩80℃、窒素環境下で撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、その後、氷水(1000mL)中へ注いだ。固体をろ過し、その後水(1000mL)で洗浄し、真空中40℃で乾燥させて、粗産物(42.7 g、81%)を得た。
【0172】
工程c)4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]安息香酸の形成
水性のHCl (6N、200 mL)溶液をメチル4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾエート(20.0 g、0.075 mol)へ付加し、そして一晩還流させた。反応混合物を周囲温度に冷却し、固体をろ過し、その後、真空中40℃で乾燥させて、標題の化合物を得た(15.0 g、75%)。
【0173】
工程d)4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライドの形成
オキサリルクロライド(3.2 mL、36.6 mmol、5 eq.)をDCM (10 mL)中の4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]安息香酸(1.86 g、7.32 mmol,1 eq.)の懸濁物に滴下付加し、引き続き触媒量のDMFをRTで付加した。反応混合物をRTで一晩撹拌し、その後蒸発させて標題の化合物を粗産物として得た。
【0174】
手順A:固相合成
【0175】
工程a)樹脂-結合アミンの形成
撹拌器及び窒素注入口を取り付けた丸底フラスコへAMEBAII樹脂(又は例えばArgonaut Technologies Inc.から購入されるPS-MB-CHO HL 100-200メッシュ等)50g(0.96mmol/g、0.048 mol)を付加した。THF/TMOF (9:1、500 mL)の混合物を付加した。第一アミン(例えば4-フェノキシベンジルアミン)(1.5 eq., 0.072 mol)を当該フラスコに付加した。その後、酢酸(2.75mL、1.5 eq.) を付加し、そして当該反応混合物を1h撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド(15.25 g、0.072 mol、1.5 eq.)を当該フラスコに付加して、反応物を 一晩、RT、窒素下で撹拌した。過剰な水素化物をNaOH(2M、20mL)の水性溶液で中性化し、そして当該ポリマーをろ過により回収した。当該ポリマーをDMF(250 mL)、水(250 mL)、DMF(250 mL)、水(250 mL)、アセトン(250mL)、メタノール(250 mL)、アセトン(250 mL)、メタノール(250 mL)で洗浄し、真空下、60℃で乾燥させ、次の工程で直接使用される樹脂-結合アミンを得た。
【0176】
工程b)樹脂-結合アミンの形成
DIEA(294μL、1.69 mmol)を樹脂(750 mg、0.56 mmol)及びDCM (8 mL)中の酸クロライド(例えば4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド、1-5eq.,典型的には1.5 eq.)の懸濁物へ付加し、そして一晩周囲温度で振った。その後当該樹脂を標準的な洗浄サイクル(2xDMF、2xDCM、2xDMF、2xDCM、2xMeOH、2xDCM、2xMeOH)を用いて洗浄し、真空オーブン中、40℃で1h乾燥させて、次の工程で直接使用する樹脂-結合アミドを得た。
【0177】
工程c)樹脂-結合第二アミンの形成
DIEA(0.805mL、4.62 mmol、10 eq.)及びアミン(2.31 mmol、5 eq.)を樹脂(工程bで発表した1 eq., 660 mg、0.462 mmol)の懸濁物へ付加した。アミンが中間体III 又はIVである場合はTBAI(511 mg、1.69 mmol、3 eq.)を付加した。アミンが中間体I、II である場合はKI(76.7mg、0.462 mmol、1 eq.)をTBAIの代わりに付加した。その後、樹脂を 標準洗浄サイクルに従い洗浄し、そして乾燥させて、次の工程で直接使用される樹脂-結合2級アミンを得た。
【0178】
工程d)樹脂-結合アミドの形成
DCM中の0.5 mLのDIEA(5 eq、0.193 mmol)の溶液を樹脂(工程Cで発表した、1 eq.)へ付加し、引き続きDCM中の0.5 mLの酸性クロライド(5 eq、0.193 mmol)のストック溶液へ付加し、そして一晩周囲温度で振った。その後、当該樹脂を標準洗浄サイクルに従い洗浄し、そして乾燥させて、次の工程で直接使用される樹脂-結合アミドを得た。
【0179】
工程e)樹脂-結合カルボン酸の形成
この工程は、中間体IVが工程dで使用される場合にのみ実施した。THF (0.19 mmol/mL、5 eq.)中の1 mLのTMSOKのストック溶液を当該樹脂(55 mg、0.039 mmol)に付加し、そして一晩、RTで振った。その後、当該樹脂をまず水で洗浄し、その後、標準的な洗浄サイクルで洗浄し、その後乾燥させて、次の工程で直接使用される樹脂-結合カルボン酸を得た。
【0180】
工程f)樹脂からの切り離し
樹脂-結合カルボン酸(工程eで発表された、1 eq.)又はアミドを結合した樹脂(工程dで発表された、1 eq.)をTFA/DCM(05/95-20/80、典型的に10/90、100 mgの樹脂に1 mL)の混合物に1h、rtで注いだ。工程dで中間体IV、又は標題の化合物の保護形態(置換された2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン誘導体として)を使用した場合、中間体I、II又はIII を工程dで使用した場合、当該溶媒を真空下で蒸発させて標題の化合物を得た。
【0181】
工程g)置換された2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンの脱保護
この工程は中間体I、II又はIII が工程dで使用される場合のみ実施した。1 mLのTFA/H2Oの溶液を工程eで得られた化合物に付加し、そして48 h、RTで振った。当該溶媒を真空で蒸発させて、標題の化合物を得た。
【実施例1】
【0182】
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【0183】
工程a)ベンジル4-{[(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]-メチル}ベンゾエートの形成
【化24】

【0184】
トルエン(20 mL)中の4-ホルミルベンゾエート(481 mg)及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン(386 mg)の溶液を水の共沸除去と共に還流で12 h加熱した。トルエンを減圧下で蒸発させ、残渣をメタノール(10 mL)中に採取し、そして0℃に冷却した。NaBH4(114 mg)を滴下付加し、そして当該反応混合物を0℃で1 h、その後、rtで2 h攪拌した。当該反応混合物を水に注ぎ、そして得られた混合物をEt20で抽出した。組合せた有機層をブラインで洗浄し、MgS04で乾燥させてろ過した。当該溶媒を減圧下で除去し、粗産物をオイルとして得た。当該産物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc/c-Hex 20/80)で精製し、標題の化合物を無色のオイルとして得た(713 mg、85%)。lHNMR (CDC13) δ8.07(d, J=8.1 Hz, 2H), 7.54-7.32(m,7H), 7.17 (d,J=2. 6 Hz, 1H), 6.89-6.78 (m, 2H), 5.37 (s,2H), 4.41 (s,2H), 1.70 (s, 6H).M+(ESI) : 418.3 ; M-(ESI) : 416.1. HPLC, Rt: 4.6 min (純度:95.8%)。
【0185】
工程b)ベンジル4-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル}ベンゾエートの形成
【化25】

【0186】
ベンジル4-{[(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6イル)アミノ]メチル}ベンゾエート(430 mg)及び無水のDCM(5 mL)中のDIEA (146 mg)の冷却(0℃)溶液へ3-シクロペンチルプロパノイルクロライド(DCM中182 mg、1M)の溶液を付加した。当該混合物を1 h、0℃で、その後、3 h、rtで攪拌した。HClの水性溶液(1N、50 mL)を付加し、そして得られた混合物をEt20で抽出した(3 x 50 mL)。組合せた有機層をブラインで洗浄し(1 x 50 mL)、MgS04で乾燥させ、ろ過し、そして真空下で蒸発させ、明るいオレンジ色のオイルを得た。クロマトグラフィーによる精製は(SiO2、DCM/c-Hex)、標題の化合物を無色のオイルとして得た(499 mg、89%)。1H NMR(CDC13)δ8.00 (d,J=8. 3 Hz, 2H), 7.69 (d, J=2.3 Hz,1H), 7.49-7. 32(m, 5H), 7.27 (d,J=7. 5 Hz, 2H), 7.11-7. 03 (m,1H), 6.91 (d, J=8. 6 Hz, 1H), 5.37 (s, 2H), 4.93 (s, 2H), 2.13-2. 05 (m,2H), 1.85 (s, 6H), 1.71-1.37(m, 9H), 1.06-0.89(m, 2H). M+(ESI) : 542.3。
【0187】
工程c)4-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル安息香酸の形成
【化26】

【0188】
H2(1atm)をEtOH (10 mL)中の、10%Pd/C(106 mg)の懸濁物を通して、15 min、rtでゆっくり泡立たせた。その後、この懸濁物へベンジル4-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル}-ベンゾエート(480 mg)の溶液を付加し、EtOH(5mL)中で希釈した。得られた反応混合物を1 atmのH2下で、5 h、rtで攪拌した。当該溶液にN2を通すことにより脱気した。当該反応混合物をセライトのパッドを通してろ過し、そして当該溶媒を蒸発させて、更なる精製なしで次の工程へ使用される標題の化合物を白色固体として得た(399 mg、99%)。lH NMR (CDC13)δ7.95 (d,J=8.3 Hz,2H), 7.63 (d,J=2.5 Hz, 1H), 7.22 (d, J=7.2 Hz, 2H), 7.06-6.97 (m,1H), 6.85 (d,J=8.7 Hz,1H), 4.87 (s, 2H), 2.03 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.67 (s, 6H), 1.67-1.28(m, 9H), 0.97-0.79 (m,2H). M+ (ESI) : 452.4 ; M-(ESI) : 450.4. HPLC, Rt: 4.3 min (純度:96.7%)。
【0189】
工程d)4-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル}-N-(4-フェノキシベンジル)ベンズアミドの形成
【化27】

【0190】
THF (2 mL)中の4-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル}安息香酸(212 mg)の溶液へ、NMM(57 mg)を付加した。当該混合物を0℃で冷却し、そしてイソブチルクロロホルメート(86 mg)を一度付加した。当該混合物を15 min、0℃で攪拌し、その後4-フェノキシベンジルアミン(103 mg)を付加し、そして得られた反応混合物を3 h、rtで攪拌した。HCl(1N、2 mL)の水性溶液 を付加し、そして得られた混合物をEt2Oで抽出した。組合せた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させて、ろ過して、蒸発させて、明るい黄色のオイルを得た。クロマトグラフィーによる精製(SiO2)では、標題の化合物を無色のオイルとして得た(241mg、81%)。1H NMR(CDCl3)δ7.56-7.42(m,3H), 7.21-7.00(m,6H), 6.95-6.67(m,7H), 6.21(t,J=4.9 Hz,1H), 4.69(s,2H), 4.42(s,1H), 4.40(s,1H), 1.87(t,J=7.2 Hz, 2H), 1.54 (s,6H), 1.48-1. 14 (m, 9H), 0.85-0. 64 (m,2M).M+(ESI) : 633. 0; M-(ESI) :631.0. HPLC, Rt: 5.3 min (純度:97.7%)。
【0191】
工程e)5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸の形成
【化28】

【0192】
EtOH (3 mL)中の4-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(2,2-ジメチル-4-オキソ-4H-1,3-ベンゾジオキシン-6-イル)アミノ]メチル}-N-(4-フェノキシベンジル)ベンズアミド(200 mg)の溶液へ水性溶液(0.071 mL、1N)を付加した。当該反応混合物を70℃で、3h加熱した。rtへ冷却後、HCl(2 mL、1N)の水性溶液を付加し、そして得られた反応混合物を抽出した(EtOAc)。組合せた有機層を水、ブラインで洗浄し、MgS04で乾燥させ、ろ過し、そして蒸発させて標題の化合物を白色パウダーとして得た(160 mg、85%)。1H NMR (DMSO-d6)δ8.99 (t, J=6.0 Hz, 1H), 7.82 (d, J=8. 2 Hz, 2H), 7.50 (d,J=2. 6 Hz, 1H), 7.42-7.06 (m, 8H), 7.03-6. 89(m, 5H), 4.85 (s, 2H), 4.45 (s,1H), 4.43 (s,1H), 3.40 (brs, 1H), 2.05 (t,J=7. 5 Hz,2H), 1.70-1. 32 (m,9H), 1.00-0.81 (m, 2H). M+(ESI) : 593.0 ;M- (ESI) : 591.0. HPLC, Rt: 4.9 min (純度:99.3%)。
【実施例2】
【0193】
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸,N-メチル-D-グルカミン(即ち、1-デオキシ-l-(メチルアミノ)グルシトール)塩
【化29】

【0194】
EtOH (5mL)中の5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸(80mg、0.135 mmol)の溶液へN-メチル-D-グルカミン(26.4 mg、0.135 mmol)を付加した。得られた混合物を均質溶液が得られるまで攪拌した。当該溶媒を真空中で除去し、そして残渣をH20/EtOHの9/1混合物中に溶解させた。その後、得られた溶液を凍結乾燥し、標題の化合物を白色パウダーとして得た(70 mg)。M+(ESI):593.0;M-(ESI):591.0. HPLC, Rt:4.9 min(純度:97.0%)。
【実施例3】
【0195】
[4-({[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【0196】
工程a)4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-N-(4-ペンチルベンジル)ベンズアミドの形成
【化30】

【0197】
N-メチルモルホリン(1.7 mL、15.3 mmol)及びイソブチルクロロホルメート(1.0mL、7.65 mmol)を0℃で無水THF(30mL)中の4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]安息香酸(1.85 g、7.29 mmol)の溶液へ付加した。反応混合物を0℃で30 min攪拌し、その後、(4-ペンチルベンジル)アミンハイドロクロライド(1.64 g、7.65 mmol)をニートで付加した。当該反応混合物を15 min、0℃で、その後、2時間、RTで攪拌した。当該反応混合物をDCM(100 mL)で希釈し、そして1M水性HCl(50 mL)で、その後、飽和した水性NaHCO3(50 mL)で洗浄した。水性層をDCM(100 mL)で抽出した。組合せた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして当該溶媒を減圧下で除去し、茶色の固体を得た。MeOH/水混合物からの再結晶化は、2.30g(75%)の標題の化合物をベージュの固体として得た。HPLC, Rt: 5.2 min (純度:98.0%). 1H NMR(CDC13)δ: 8.01 (d,J=8.3 Hz, 2H), 7.86 (d,J=8.3 Hz, 2H), 7.37 (s,1H), 7.30 (d,J=8.0 Hz,2H), 7.19 (d,J=8.0 Hz, 2H), 6.47 (m, 1H), 4.76 (s, 2H), 4.63 (d,J=5.5 Hz, 2H), 2.61 (t,J=7.7 Hz, 2H), 1.63 (m, 2H), 1. 34 (m, 4H), 0.90 (t,J=6. 8 Hz, 3H)。
【0198】
工程b)メチル{4-[({[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}アセテート、塩酸塩の形成
【化31】

【0199】
無水THF(5 mL)中の4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]-N-(4-ペンチルベンジル)ベンズアミド(500 mg、1.21 mmol)及びBu4NI (450 mg、1.21 mmol)の溶液をメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート、酢酸塩(620 mg、2.42 mmol)及びTEA (500μL、3.63 mmol)の還流溶液へ付加した。反応混合物を還流下で、3.5時間攪拌し、その後、当該溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和水性NaHCO3 (50 mL)で取り除き、そしてDCM(100mL+2x50mL)で抽出した。組合せた有機層をNa2SO4で乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 95:5)による精製、引き続き塩酸塩(MeOH中、HCl 1.25M/MeOH、0℃)の沈殿により、201 mg(30%)の標題の化合物を白色の固体として得た。M+(ESI):572.3;W(ESI):570.6. HPLC, Rt:4.1 min(純度;99.9%)。1HNMR (DMSO-d6)δ:9.51 (brs, 2H), 9.16 (t,J=5.9 Hz, 1H), 8.08 (d,J=8.7 Hz,2H), 8.03 (d, J=8.7 Hz, 2H), 7.94 (s,1H), 7.47 (d,J=8.7 Hz, 2H), 7.23 (d,J=7.9 Hz,2H), 7.14 (d,J=7.9 Hz, 2H), 7.00 (d, J=8.7 Hz, 2H), 4.82 (s,2H), 4.45 (d, J=5.9 Hz, 2H), 4.30 (s, 2H), 4.20 (s,2H), 3.69 (s, 3H), 2.54 (t, J=7. 6 Hz, 2H), 1.53 (m, 2H), 1.27 (m,4H), 0.84 (t,J=6. 8 Hz, 3H)。
【0200】
工程c)メチル[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]アセテートの形成
【化32】

【0201】
シアナミル(Cinnamyl)クロライド(77mg、0.46 mmol)を0 ℃で無水ピリジン(5 mL)中のメチル{4-[({{2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル-フェノキシ}アセテート、塩酸塩(168mg、0.28 mmol)の溶液へニートで付加した。得られた混合物を10 min、0℃で、そして30 min、RTで攪拌した。その後PL-AMS-樹脂(Polymer Laboratories,1.93 mmol/g、300 mg)を付加し、そして当該混合物をRTで、45 min攪拌した。樹脂をろ過後、当該混合物を1Mの水性HCl(100 mL)で希釈し、そしてDCM(2x100 mL)で抽出した。組み合せた有機層をMgSO4で乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(DCM/MeOH 95:5)では182 mg (94%)の標題の化合物を無色のオイルとして得た。M+(ESI):702.0 ;M-(ESI) : 700.0. HPLC, Rt: 5.7 min (純度:100%). 1H NMR(CDC13)δ:8.01 (m,2H), 7.84 (m, 3H), 7.50 (m,2H), 7.39-6. 94(m, 11H), 6.88(m, 2H), 6.46 (m, 1H), 4.89 (s, 1H), 4.87 (s, 1H), 4.77 (s,1H), 4.75 (s,1H), 4.62 (m, 4H), 3.81 (s, 1. 5H), 3.79 (s, 1. 5H), 2.61 (t,J=7. 7Hz, 2H), 1.62(m,2H), 1.33(m, 4H), 0.90 (t,J=6. 8 Hz,3H)。
【0202】
工程d)[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸の形成
【化33】

【0203】
1Nの水性NaOH(0.5 mL)をMeOH (5 mL)中のメチル[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]アセテート(163 mg、0.23 mmol)へ付加した。反応混合物をRTで2時間攪拌し、その後、1Nの水性HCl(25 mL)中に注いだ。得られた沈殿をろ過し、水で洗浄し(3x)、そして減圧下で乾燥させて、120 mg (75%)の標題の化合物を白色の固体として得た。M+(ESI):688.1 ;M-(ESI):686.5. HPLC, Rt:5.3 min(純度:100%). 1H NMR(CDC13)δ:7.97-7.79 (m, 5H), 7.50- 7.01 (m,13H), 6.84 (m, 2H), 6.57(m,1H), 4.88 (brs, 2H), 4.75 (brs, 2H), 4.60 (m, 4H), 2.60 (t,J=7.7 Hz, 2H), 1.61(m,2EI), 1.33 (m, 4H), 0.90 (t, J=6.4 Hz, 3H)。
【実施例4】
【0204】
5-[(3-シアノペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【化34】

【0205】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン、4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド、3-シクロペンチルプロパノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて、手順Aに従い調製した。M+(ESI):571.6。
【実施例5】
【0206】
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]安息香酸
【化35】

【0207】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド、及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):619.6。
【実施例6】
【0208】
2-ヒドロキシ-5-[[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
【化36】

【0209】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及び6アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI): 608.8。
【実施例7】
【0210】
5-{ベンゾイル[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]アミノ}-2-ヒドロキシ安息香酸
【化37】

【0211】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライド,ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):580.9。
【実施例8】
【0212】
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
【化38】

【0213】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン、2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI): 648.0。
【実施例9】
【0214】
5-[(シクロヘキシルカルボニル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【化39】

【0215】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,シクロヘキサンカルボニルクロライド及び6-アミノ-2,2ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):579.1。
【実施例10】
【0216】
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
【化40】

【0217】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン、4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+ (ESI): 601.1。
【実施例11】
【0218】
5-[ベンゾイル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2- ヒドロキシ安息香酸
【化41】

【0219】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド、ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):573.1。
【実施例12】
【0220】
5-[アセチル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2- ヒドロキシ安息香酸
【化42】

【0221】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,アセチルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):511.1。
【実施例13】
【0222】
5-[(4-シアノベンゾイル)(4-{(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニルベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【化43】

【0223】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-シアノベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):598.1。
【実施例14】
【0224】
2-ヒドロキシ-5-[(フェノキシアセチル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]安息香酸
【化44】

【0225】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,フェノキシアセチルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):603.1。
【実施例15】
【0226】
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
【化45】

【0227】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン。M+(ESI):641.0を用いて手順Aにより調製した。
【実施例16】
【0228】
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}安息香酸
【化46】

【0229】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,(2E)-3-フェニルアクリロイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):599.1。
【実施例17】
【0230】
5-[(N,N-ジメチルグリシル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【化47】

【0231】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,N,N-ジメチルグリシルクロライドハイドロクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):554.2。
【実施例18】
【0232】
2-ヒドロキシ-5-[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-フェニルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]安息香酸
【化48】

【0233】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-メチルブタ-2-エノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):551.1。
【実施例19】
【0234】
2-ヒドロキシ-5-{{{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}(フェノキシアセチル)アミノ]-メチル}安息香酸
【化49】

【0235】
標題の化合物をオクチルアミン,4- (クロロメチル)ベンゾイルクロライド,フェノキシアセチルクロライド及び6- (アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):547.5。
【実施例20】
【0236】
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)安息香酸
【化50】

【0237】
標題の化合物をオクチルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):585.4。
【実施例21】
【0238】
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)安息香酸
【化51】

【0239】
標題の化合物をオクチルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,(2E)-3-フェニルアクリロイルクロライド及び6- (アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):543.5。
【実施例22】
【0240】
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
【化52】

【0241】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-シクロペンチルプロパノイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):585.5。
【実施例23】
【0242】
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(フェノキシアセチル)アミノ]メチル}安息香酸
【化53】

【0243】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,フェノキシアセチルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):595.5。
【実施例24】
【0244】
2-ヒドロキシ-5-({(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)安息香酸
【化54】

【0245】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):633.4。
【実施例25】
【0246】
2-ヒドロキシ-5-{[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-ベンジル)アミノ]メチル}安息香酸
【化55】

【0247】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-メチルブタ-2-エノイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):543.5。
【実施例26】
【0248】
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
【化56】

【0249】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-シクロペンチルプロパノイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):557.5。
【実施例27】
【0250】
2-ヒドロキシ-5-({[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル][(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)安息香酸
【化57】

【0251】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,2-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボニルクロライド,(2E)-3-フェニルアクリロイルクロライド及び6-(アミノメチル)-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンアセテートを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):598.4。
【実施例28】
【0252】
[4-({(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化58】

【0253】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):669.2。
【実施例29】
【0254】
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
【化59】

【0255】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):579.4。
【実施例30】
【0256】
4-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
【化60】

【0257】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,3-シクロペンチルプロパノイルクロライド及び7-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):571.3。
【実施例31】
【0258】
2-ヒドロキシ-4-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
【化61】

【0259】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-(クロロメチル)ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び7-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):619.3。
【実施例32】
【0260】
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(フェノキシアセチル)アミノ]安息香酸
【化62】

【0261】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,フェノキシアセチルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):664.2。
【実施例33】
【0262】
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
【化63】

【0263】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):702.2。
【実施例34】
【0264】
5-([(6-クロロピリジン-3-イル)カルボニル]{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミン)-2-ヒドロキシ安息香酸
【化64】

【0265】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,6-クロロニコチノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):669.2。
【実施例35】
【0266】
5-((4-シアノベンゾイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
【化65】

【0267】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-シアノベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):659.2。
【実施例36】
【0268】
2-ヒドロキシ-5-((3-メチルブタ-2-エノイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)安息香酸
【化66】

【0269】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-メチルブタ-2-エノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+ (ESI): 612.3。
【実施例37】
【0270】
5-((3-シクロペンチルプロパノイル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]-カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
【化67】

【0271】
標的の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-シクロペンチルプロパノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+ (ESI):676.3。
【実施例38】
【0272】
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
【化68】

【0273】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):724.1。
【実施例39】
【0274】
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
【化69】

【0275】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-1,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aに従い調製した。M+(ESI) :684.2。
【実施例40】
【0276】
5-(ベンゾイル{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イルメチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
【化70】

【0277】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,ベンゾイルクロライド及び6-アミノ-2,2-ジメチル-4H-l,3-ベンゾジオキシン-4-オンを用いて手順Aに従い調製した。M+ (ESI):656.2。
【実施例41】
【0278】
[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンジル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化71】

【0279】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aに従い調製した。M+(ESI):730。
【実施例42】
【0280】
(4-{[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
【化72】

【0281】
標題の化合物を4-ペンチルベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):690.2。
【実施例43】
【0282】
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化73】

【0283】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):702。
【実施例44】
【0284】
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
【化74】

【0285】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aに従い調製した。M+(ESI):662.1。
【実施例45】
【0286】
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化75】

【0287】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,(2E)-3-フェニルアクリロイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):660.1。
【実施例46】
【0288】
{4-[((N,N-ジメチルグリシル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
【化76】

【0289】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,N,N-ジメチルグリシルクロライドハイドロクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):615.2。
【実施例47】
【0290】
[4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
【化77】

【0291】
標題の化合物を4-フェニルブチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-l,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,シクロヘキサンカルボニルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):640.2。
【実施例48】
【0292】
{4-[((フェノキシアセチル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
【化78】

【0293】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,フェノキシアセチルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):714。
【実施例49】
【0294】
[4-({{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化79】

【0295】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を使用して手順Aにより調製した。M+(ESI):752.9。
【実施例50】
【0296】
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
【化80】

【0297】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):712.1。
【実施例51】
【0298】
{4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)3-チアゾール-4-イル]メチルアミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
【化81】

【0299】
標題の化合物を4-フェノキシベンジルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド、シクロヘキサンカルボニルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):690.2。
【実施例52】
【0300】
[4-({[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
【化82】

【0301】
標的の化合物をオクチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,4-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート、酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):682.1。
【実施例53】
【0302】
(4-{[[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
【化83】

【0303】
標題の化合物をオクチルアミン,4-[4-(クロロメチル)-1,3-チアゾール-2-イル]ベンゾイルクロライド,3-フェニルプロパノイルクロライド及びメチル[4-(アミノメチル)フェノキシ]アセテート,酢酸塩を用いて手順Aにより調製した。M+(ESI):642.2。
【実施例54】
【0304】
医薬製剤の調製
【0305】
製剤1-錠剤
式(I)のアリールジカルボキシアミドを、乾燥パウダーとして、およそ1:2の重量率で乾燥ゼラチン結合剤と共に混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として付加する。当該混合物を錠剤圧縮で240-270 mgの錠剤に製剤する(錠剤当り80-90mgの活性ピペラジン-2-カルボキシアミド化合物)。
【0306】
製剤2-カプセル剤
式(I)のアリールジカルボキシアミドを、乾燥パウダーとして、およそ1:1の重量率でスターチ希釈剤と共に混合する。当該混合物を250 mgカプセルへ充填する(カプセルごとに125 mgの活性ピペラジン-2-カルボキシアミド化合物)。
【0307】
製剤3-液剤
式(I)のアリールジカルボキシアミド、スクロース及びキサンタンガムを混合し、No.10メッシュU.S.ふるいを通し、その後、事前に調製した水中の微小結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89)溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香味剤、及び着色剤を水で希釈し、そして撹拌しながら付加する。その後十分な水を付加する。
【0308】
製剤4-錠剤
式(1)のアリールジカルボキシアミドを、乾燥パウダーとして、およそ1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と混合する。少量のステアリン酸マグネシウムを潤滑剤として付加する。当該混合物を錠剤圧縮で300-600 mg錠に製剤する(150-300 mgの活性アリールジカルボキシアミド誘導体)。
【0309】
製剤5-注入剤
式(I)のアリールジカルボキシアミドを緩衝殺菌生理食塩水注入可能水性媒体中に溶解させて、およそ5 mg/mlに濃縮する。
【実施例55】
【0310】
生物学的アッセイ
式(I)の化合物を以下のアッセイにかけることができる:
(1) PTP酵素アッセイ
(2) db/dbマウスにおけるin vivoアッセイ
【0311】
(1) PTP酵素アッセイ(in vitro アッセイ)
試験化合物のPTP阻害活性の測定のためのアッセイは当業者に周知である。かかるアッセイの例を以下に発表する:
【0312】
PTP酵素アッセイは、式(I)の試験化合物の存在下におけるPTPsの阻害、例えば、PTP1B、SHP-1、SHP-2、又はGLEPP-1の阻害の範囲を決定することを目的とする。当該阻害はIC50値(以下のPTP基質 DiFMUP濃度を用いて、前記PTP'sの50%の阻害を達成するために必要な試験化合物の濃度を示す)によって説明される:
-5μMのPTP1BのためのDiFMUP;
-20 μMのSHP-1及びSHP-2のためのDiFMUP;
-30 μMのGLEPP-1のためのDiFMUP。
【0313】
a) PTPsクローニング
触媒ドメイン(例えばPTP1Bの触媒ドメイン)のクローニング及び発現はJ. Biol. Chem. 2000, 275 (13), pp 9792-9796中に発表された通りに実施してよい。
【0314】
b) 材料及び方法
DiFMUPアッセイはDiFMUP(6,8-ジフルオロ-4-メチルウンベリフェリル(Umbelliferyl)ホスフェート)の脱リン酸化を追跡することができる。DiFMUPはそれが安定である加水分解産物、即ちDiFMU(6,8-フルオロ-7-ヒドロキシクマリン)中でPTPにより仲介されるPTP基質である。そのかなり低いpKa及びその高い量子収量(quantum yield)により、DiFMUは、高い検出感度で酸性及びアルカリ性の両ホスファターゼ活性を測定することを可能にする。
【0315】
アッセイは、酵素としてヒト組換PTPの触媒コア、及び基質として6,8-ジフルオロ-4-メチルウンベリフェリルホスフェート(DiFMUP、Molecular Probes, D-6567)を用いて96ウェルプレートフォーマットにおいて実施した。試験化合物を100%のDMSO中に2 mMの濃度で溶かした。引き続き、試験化合物(100、30、10、3、1、0.3、0.1、0.03、0.01、0.001 Mの濃度で産出した)の希釈を60%のDMSO中で、手で行った。8μlの希釈化合物又はビヒクル(60%のDMSO=コントロール)をblack Costar 96ウェルプレートへ分配した。アッセイ緩衝液(20mMのトリスHCl pH 7.5、0.01% IGEPAL CA-630、0.lmM エチレンジアミン4酢酸、1mMのDL-ジチオスレイトール)中に希釈した42μ1のヒト組換PTP酵素を、化合物又はビヒクル(black Costar 96ウェルプレートへ分配した)の希釈物へ付加することができ、引き続き当該アッセイ緩衝液中で希釈した50μLのDiFMUPへ付加することができる。当該反応を30分間、室温で、蛍光強度(積分(integral)又は強度)を読み取る前に、Perkin-Elmer Victor 2 蛍光分光計上で処理した(0.1s間で、6,8-ジフルオロ-7-ヒドロキシクマリンの励起が355nm、460 nmで放射)。阻害パーセンテージは試験化合物(PTP阻害剤)の存在しない相対蛍光イオン、即ち、溶媒のみ(5%のDMSO)を測定することにより測定した。阻害のためのIC50値を3倍(triplicates)において決定した。
【0316】
式(I)に係る試験化合物はPTPに関連した阻害(IC50値により説明される)を示し、好適には20μM未満、より好適には5μM未満である。
【0317】
例えば、実施例1の化合物は、PTP1Bに関して1.0μMのIC50値、GLEPP-1に関して1.2μMのIC50値、SHP-1及びSHP-2に関して4.0及び1.9μMのIC50値を示す。
【0318】
(2) db/db マウスでのin vivo アッセイ
以下のアッセイにかけることができる化合物は、式(I)の試験化合物のdb/dbマウスの、in vivoでの食後の血糖モデルにおける抗-糖尿病効果を測定すること目的とする。
【0319】
当該アッセイは以下の通り実施される:
計24匹のdb/dbマウス(約8-9週齢;IFFACREDO、I'Arbreste, フランスから得た)を20時間絶食させる。
【0320】
それぞれ6匹の動物から成る4群を形成する:
・群1:動物に(経口で)10mg/kgのビヒクルを投与する。
・群2:動物に(経口で)20 mg/kgの式(I)に係る試験化合物を投与する。
・群3:動物に(経口で)100 mg/kgの式(I)に係る試験化合物を投与する。
・群4:動物に(経口で)200 mg/kgの式(I)に係る試験化合物を投与する。
【0321】
カルボキシメチルセルロース(0.5%)、Tween 20(0.25%)及びビヒクルとしての水に可溶化させ、又は懸濁させた式(I)の化合物を経口投与後、当該動物を自由に市販の餌(D04, UAR, Villemoisson/Orge,フランス)に近づける。マウスの糖尿病状態は薬物投与前の血中グルコースレベルを測定することにより検証される。その後血中グルコース及び血清インスリンレベルを薬物投与から4 hr後に測定する。
【0322】
血中グルコースレベルの測定はグルコメーター(Precision Q. I. D. , Medisense, Abbot, ref. 212.62.31)を用いて実施する。
【0323】
インスリンレベルの測定はELISAキット(Crystal CHEM, Ref.INSK R020)を用いて実施する。
【0324】
薬物処理したマウスの血中グルコース及び血清インスリン中の変化はコントロールのパーセンテージとして表される(群1はビヒクル処理マウスwp示す)。
【0325】
参考文献:
-American Journal of Medicine, 60,80 (1976) by Reaven et al;
-Metabolism, 34,7 (1985) by Stout et al.;
-Diabetes/Metabolism Reviews, 5,547 (1989) by Pyorala et al;
-European Joumal ofEndocrinology 138, 269-274 (1998) by A. Dunaif ;
-Endocrine Reviews 18 (6), 774-800 (1997); - Diabetes Care, 14,173 (1991) by DeFronzo andFerranninni ;
-J Mol. Med. 78,473-482 (2000) byA. Cheng et al.;Current Opinion in Drug Discovery & Development 3 (5), 527-540 (2000);
-Molecular and Cellular Biology, 5479-5489 (2000) by Lori Klaman et al. ;
-Diabetes, 40,939 (1991) by McGuire et al.;
-J. Clinical Invest., 84,976 (1989) by Meyerovitch et al;
-Metabolism, 44,1074, (1995) by Sredy et al.;- Cur. Opin. Chem. Biol., 5 (4), 416-23 (2001) by Zhang et al.;
-J. Biol. Chem., 275 (52), 41439-46(2000) by Bjorge J. D et al.;
-J. Neurosci. Res., 63 (2), 143-150 (2001) by Pathre et al.;-Mol. Brain. Res., 28
-Biochemical Pharmacology, Vol.60,877-883,(2000) by Brian P. Kennedy et al. ;
-Annu. Rev. Physiol. 62 p. 413-437 (2000) byAhima R. S. et al;
-Developmental Cell., vol.2, p. 497-503 (2002);-BioorganicMedicinal ChemistryLetters9 (19) p. 2849-5, (1999) by G. Bergnes et al..

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のアリールジカルボキシアミド:
【化1】

並びにその幾何異性体、そのエナンチオマー、ジアステレオマーとして任意に活性な形態及びそのラセミ形態、並びにそれらの医薬的に許容され得る塩類及び医薬的に活性な誘導体
(式中、Aは式-CO-NHR6のアミノカルボニル部分であり、ここでのR6はC6-C15アルキル、C2-C15-アルケニル、C2-Cl5-アルキニル、3-8員シクロアルキル、Cl-C6アルキル-(3-8員)シクロアルキル、フェニル、C1-C12アルキルフェニル、C2-C6-アルケニルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニルであり;
Cyはアリール、ヘテロアリール、アリールヘテロアリール、ヘテロアリール-アリール、アリール-アリール、シクロアルキル又はヘテロ環式基であり;
nは0又は1のいずれかであり;
R1及びR2はそれぞれ独立して水素、又はCl-C6-アルキルから成る群から選定され;
R3はCl-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、Cl-C6-アルコキシ、Cl-C6-アルキルアミン、Cl-C6-アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和の3-8-員シクロアルキル、3-8-員ヘテロシクロアルキル、Cl-C6-アルキルアリール、Cl-C6-アルキルヘテロアリール、C2-C6-アルキニルアリール、C2-C6-アルケニルヘテロアリール、C2-C6-アルキニルアリール、C2-C6-アルケニルヘテロアリール、Cl-C6-アルキルシクロアルキル、Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルケニルシクロアルキル、C2-C6-アルケニルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルキニルシクロアルキル、C2-C6-アルキニルヘテロシクロアルキルから成る群から選定され;
R4及びR5はそれぞれ独立してH、ヒドロキシ、Cl-C6アルキル、カルボキシ、Cl-C6アルコキシ、Cl-C3アルキルカルボキシ、C2-C3アルケニルカルボキシ、C2-C3アルキニルカルボキシ、アミノから成る群から選定され、或いはR4及びR5は不飽和又は飽和したヘテロ環を形成してよく、それによって少なくとも1つのR4又はR5が水素又はCl-C6アルキルでない)の糖尿病、不十分なグルコース耐性、高脂血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、肥満症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を含むインスリン抵抗性又は高血糖により仲介される代謝性疾患の治療及び/又は予防のための医薬の調製のための使用。
【請求項2】
糖尿病タイプII、肥満症又は食欲調節のための治療及び/又は予防のための医薬の調製のための請求項1に記載のアリールジカルボキシアミドの使用。
【請求項3】
PTPsの活性を調節するための医薬組成物の調製のための請求項1に記載のアリールジカルボキシアミドの使用。
【請求項4】
前記PTPがPTP1Bである、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
前記調節がPTP1Bの阻害にある、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
PTP1Bにより仲介される疾患の治療又は予防のための請求項4に記載の使用。
【請求項7】
前記R1及びR2がそれぞれHである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記Cyがフェニル、チアゾリル、フェニル-チアゾリル、チアゾリル-フェニルから成る群から選定される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記Aが式-CO-NHR6の部分であり、前記R6がC6-C15アルキル、C2-C15-アルケニル、C2-C15-アルキニル、3-8員シクロアルキル、Cl-C6アルキル-(3-8員)シクロアルキル、フェニル、C1-C12アルキルフェニル、C2-C6-アルケニルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
式(Ia)、(Ib)又は(Ic):
【化2】

のいずれか1項に記載のアリールジカルボキシアミド
(式中Aは式-CO-NHR6のアミノカルボニル部分であり、ここでのR6はC6-C15アルキル、C2-C15-アルケニル、C2-Cl5-アルキニル、3-8員シクロアルキル、Cl-C6アルキル-(3-8員)シクロアルキル、フェニル、Cl-Cl2アルキルフェニル、C2-C6-アルケニルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニルであり;
Cyはアリール、ヘテロアリール、アリール-ヘテロアリール、ヘテロアリール-アリール、アリール-アリール、シクロアルキル又はヘテロ環基であり;
nは0又は1のいずれかであり;
R1及びR2はそれぞれ互いに独立して水素又はCl-C6-アルキルから成る群から選定され;
R3はCl-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、Cl-C6-アルコキシ、Cl-C6-アルキルアミン、Cl-C6-アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和の3-8-員シクロアルキル、3-8-員ヘテロシクロアルキル、アシル部分、Cl-C6-アルキルアリール、Cl-C6-アルキルヘテロアリール、C2-C6-アルケニルアリール、C2-C6-アルケニルヘテロアリール、C2-C6-アルキニルアリール、C2-C6-アルキニルヘテロアリール、Cl-C6-アルキルシクロアルキル、Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルケニルシクロアルキル、C2-C6-アルケニルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルキニルシクロアルキル、C2-C6-アルキニルヘテロシクロアルキルから成る群から選定される)。
【請求項11】
式(Ib)又は(Ic)に係るアリールジカルボキシアミド:
【化3】

(式中Aは式-CO-NHR6のアミノカルボニル部分であり、式中R6はC6-C15アルキル、C2-C15-アルケニル、C2-C15-アルキニル、3-8員シクロアルキル、Cl-C6アルキル-(3-8員)シクロアルキル、フェニル、Cl-C12アルキルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニル、C2-C6-アルキニルフェニルであり;
Cyはアリール、ヘテロアリール、アリール-ヘテロアリール、ヘテロアリール-アリール、アリール-アリール、シクロアルキル又はヘテロ環式基であり;
nは0又は1のいずれかであり;
R1及びR2はそれぞれ互いに独立して水素又はCl-C6-アルキルから成る群から選定され;
R3はCl-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、Cl-C6-アルコキシ、Cl-C6-アルキルアミン、Cl-C6-アルキルアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、飽和又は不飽和3-8-員シクロアルキル、3-8-員ヘテロシクロアルキル、アシル部分、Cl-C6-アルキルアリール、Cl-C6-アルキルゲテロアリール、C2-C6-アルケニルアリール、C2-C6-アルキニルヘテロアリール、C2-C6-アルキニルアリール、C2-C6-アルキニルヘテロアリール、Cl-C6-アルキルシクロアルキル、Cl-C6-アルキルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルケニルシクロアルキル、C2-C6-アルケニルヘテロシクロアルキル、C2-C6-アルキニルシクロアルキル、C2-C6-アルキニルヘテロシクロアルキルから成る群から選定される)。
【請求項12】
前記R1及びR2がそれぞれHである、請求項10又は11に記載のアリールジカルボキシアミド。
【請求項13】
前記Cyがフェニル、チアゾリル、フェニル-チアゾリル、チアゾリル-フェニルから成る群から選定される、請求項10〜12のいずれか1項に記載のアリールジカルボキシアミド。
【請求項14】
前記R6がC1-C8アルキル又はフェノキシで置換されてよいC8-C12アルキル、Cl-C4アルキルフェニルから成る群から選定される請求項13に記載のアリールジカルボキシアミド。
【請求項15】
以下から成る群から選定された上記いずれか1項に記載のアリールジカルボキシアミド:
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}-[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
5-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル){4-(トリフルオロメチル)-ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
5-{ベンゾイル[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-アミノ}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3--チアゾール-2-イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
5-[(シクロヘキシルカルボニル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3-フェニルプロパノイル)-アミノ]安息香酸
5-[ベンゾイル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[アセチル(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
5-[(4-シアノベンゾイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(フェノキシアセチル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]-安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)-ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}安息香酸
5-[(N,N-ジメチルグリシル)(4-{[4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}(フェノキシアセチル)アミノ]メチル}-安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]ベンジル}[(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]-アミノ}メチル)安息香酸
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)-アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(フェノキシアセチル)-アミノ]メチル}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)-ベンゾイル]アミノ}メチル)安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[(3-メチルブタ-2-エノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-ベンジル)アミノ]メチル}安息香酸
5-{[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニルベンジル)-アミノ]メチル}-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-({[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-1,3-チアゾール-2-イル)メチル][(2E)-3-フェニルプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)安息香酸
[4-({(4-[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
2-ヒドロキシ-5-[(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)(3-フェニルプロパノイル)-アミノ]安息香酸
4-[(3-シクロペンチルプロパノイル)(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)アミノ]-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-4-{(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}ベンジル)[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(フェノキシアセチル)アミノ]安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
5-([(6-クロロピリジン-3-イル)カルボニル]{[2-(4-{[(4-ペネンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
5-((4-シアノベンゾイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-((3-メチルブタ-2-エノイル){[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}-フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)安息香酸
5-((3-シクロペンチルプロパノイル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
2-ヒドロキシ-5-{{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}安息香酸
2-ヒドロキシ-5-[{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]安息香酸
5-(ベンゾイル{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)-2-ヒドロキシ安息香酸
[4-({{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-ペンチルベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[(2E)-3-フェノキシプロパ-2-エノイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
{4-[((N, N-ジメチルグリシル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
{4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェニルブチル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
{4-[((フェノキシアセチル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
[4-({{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}[4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[{[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}(3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
{4-[((シクロヘキシルカルボニル){[2-(4-{[(4-フェノキシベンジル)アミノ]カルボニル}フェニル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}アミノ)メチル]フェノキシ}酢酸
[4-({[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル][4-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]アミノ}メチル)フェノキシ]酢酸
(4-{[[(2-{4-[(オクチルアミノ)カルボニル]フェニル}-1,3-チアゾール-4-イル)メチル](3-フェニルプロパノイル)アミノ]メチル}フェノキシ)酢酸
【請求項16】
医薬として使用される請求項10〜15のいずれか1項に記載のアリールジカルボキシアミド。
【請求項17】
請求項10〜15のいずれか1項に記載の少なくとも1つのアリールジカルボキシアミド及び医薬的に許容され得る担体、それらの希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項18】
請求項10〜15のいずれか1項に記載のアリールジカルボキシアミドの調製方法であって、脱保護及び/又は変換ステップを含んで成る方法:
【化4】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R4'、R5'、n及びCyは上記定義の通りであり、そしてFGはA又は脱離基である)。

【公表番号】特表2006−528157(P2006−528157A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520836(P2006−520836)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051558
【国際公開番号】WO2005/011685
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(599177396)アプライド リサーチ システムズ エーアールエス ホールディング ナームロゼ フェンノートシャップ (70)
【Fターム(参考)】