説明

アルキルベンゼンスルホネート、炭酸塩、およびカルボキシレートポリマーを含む固体洗濯洗剤組成物

本発明は、複数の粒状成分を含む粒状形態の固体洗濯洗剤組成物に関するが、かかる組成物は、(i)アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤、(ii)カルボキシレートポリマー、(iii)炭酸塩、(iv)組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、(v)組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および(vi)所望により、組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含み、(a)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、炭酸塩をも含み、粒状成分中に存在する炭酸塩とアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤との重量比が、1:1を超え、(b)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、カルボキシレートポリマーをも含み、粒状成分中に存在するアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤とカルボキシレートポリマーとの重量比が、0.2:1〜5:1の範囲内であり、(c)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、粒状成分の0重量%〜10重量%のケイ酸塩をも含み、(d)組成物中に存在する炭酸塩とカルボキシレートポリマーとの重量比が、1:1〜30:1の範囲内である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキルベンゼンスルホネート、炭酸塩、およびカルボキシレートポリマーを含む低ビルダー(under-built)高溶解性固体洗濯洗剤組成物に関する。本発明の組成物は、良好なクリーニング性能、並びに良好な製品分配および溶解特性を有する。
【背景技術】
【0002】
顆粒状洗濯洗剤の分配および溶解性を著しく改善する試みは、多くの洗剤製造業者により比較的最近に行われている。多くの洗剤製造業者が着目してきた方法は、ゼオライトビルダーなどの非水溶性ビルダーの顆粒状洗濯洗剤処方中濃度を著しく減少させる方法、またはそれらビルダーを顆粒状洗濯洗剤処方から完全に除去する方法である。しかし、多くの国でリン酸塩の使用を避ける法があり、洗剤製造業者は十分量のトリポリリン酸ナトリウムなどリン酸塩系水溶性ビルダーを顆粒状洗濯洗剤類に組み込むことができず、洗剤製造業者が使用可能な代替非リン酸塩系水溶性ビルダーがないため、多くの洗剤製造業者が着目してきた方法は、ゼオライト系ビルダー系を同等程度のビルダー性能を有する水溶性ビルダー系に完全に置き換えず、低ビルダーの(under-built)顆粒状洗濯洗剤組成物を配合するものである。
【0003】
この低ビルダー(under-built)による方法が顆粒状洗濯洗剤の溶解および分配性を著しく向上させる一方で、顆粒状洗濯洗剤組成物のビルダー系で、洗濯プロセス中に洗浄溶液から除去されないカルシウムなどのカチオン類の量が著しいという問題が存在する。アニオン性洗浄界面活性剤が溶液内で沈殿の原因となり、それがアニオン性洗浄界面活性剤活性とクリーニング性能の低下を引き起こすため、これらカチオン類は顆粒状洗濯洗剤組成物のアニオン性洗浄界面活性剤系の妨げとなる。極端な場合は、これらの非水溶性錯体が布地に付着して、その結果、白色度の維持を低下させて、布地一体性効果(fabric integrity benefits)を低下させる場合がある。このことは、高濃度のカルシウムカチオン類が存在するとき、硬水洗浄条件で洗濯洗剤を使用する場合に、特に問題となる。
【0004】
ゼオライトなどの非水溶性ビルダー類の濃度が組成物中できわめて低い場合、またはゼオライトが処方から完全に除かれる場合、克服すべきその他の問題点は、特に保存後の組成物の物理学的特性が劣化し、ケーキ強度の劣化を引き起こすことである。
【0005】
低ビルダー(under-built)の洗剤組成物類のクリーニング性能および物理学的特性が、アルキルベンゼンスルホネートに対して炭酸塩およびカルボキシレートポリマーを組成物内に組み込むこと、およびその量を慎重に制御することにより、向上することを発明者らは見出した。
【0006】
カー(Carr)ら(チャーチ・アンド・ドワイト社(Church & Dwight Co. Inc.))による米国特許US5,552,078号は、界面活性剤、少なくとも70重量%の水溶性アルカリ炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、0.1重量%〜2重量%のリン酸塩ビルダー、例えばトリポリリン酸ナトリウム、0.1重量%〜2重量%のカルボキシレートポリマー、1重量%〜12重量%の水を含む粉末洗濯洗剤組成物に関する。米国特許US5,552,078号の組成物は、優れた布地洗浄および漂白作用を発揮する一方で、組成物中に相当量のリン酸塩ビルダーが存在する際に起こる富栄養化の問題を回避し、組成物が大量の炭酸塩ビルダーを含む際に起こることが多い、布地エンクラステーションの問題を最小化するとされている。しかし、米国特許US5,552,078号には、界面活性剤、カルボキシレートポリマー、および炭酸塩などの成分を、どのように組成物内に組み込むのかについて詳細が記載されておらず、また、組成物内の個々の粒子の構成についての詳細も記載されていない。
【0007】
マッツォーラ(Mazzola)(チャーチ・アンド・ドワイト社(Church & Dwight Co. Inc.))による米国特許US6,274,545B1号は、高濃度炭酸塩、低濃度リン酸塩の粉末洗濯洗剤処方に関するが、これによると、洗浄溶液中での溶け残り洗剤残留物を最低限にすることで、冷水での布地洗濯に利用できる。米国特許US6,274,545B1号の洗剤組成物は、部分的に硫酸化および中和されたエトキシ化アルコール界面活性剤であるアニオン性/非イオン性界面活性剤のブレンドとポリエチレングリコール成分を含むが、これにより、洗濯洗剤固形物の洗浄溶液への溶解度が上がるとされている。しかし、米国特許US6,274,545B1号の組成物は任意のアルキルベンゼンスルホネートを含まない。さらに、米国特許US6,274,545B1号には、界面活性剤、カルボキシレートポリマー、および炭酸塩などの成分を、どのように組成物内に組み込むのかについて詳細が記載されておらず、また、組成物内の個々の粒子の構成についての詳細も記載されていない。
【0008】
アスキュー(Askew)ら(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))による国際公開特許WO97/43366号は、発泡系を含む洗剤組成物に関する。国際公開特許WO97/43366号では、炭酸塩をビルダーとする無漂白剤洗剤組成物が例示される。しかし、国際公開特許WO97/43366号には、界面活性剤、カルボキシレートポリマー、および炭酸塩などの成分を、どのように組成物内に組み込むのかについて詳細が記載されていない。
【0009】
ハーツホーン(Hartshorn)ら(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))による国際公開特許WO00/18873号は、良好な分配性を有し、洗濯プロセス後に布地上に残留物を残さないとされる洗剤組成物に関する。しかし、国際公開特許WO00/18873号の組成物実施例は全て、炭酸塩またはカルボキシレートポリマーをまったく含まないアルキルベンゼンスルホネートの凝集体を含む。
【0010】
ハーツホーン(Hartshorn)ら(プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company))による国際公開特許WO00/18859号は、洗濯プロセス中の洗浄溶液内への成分供給を向上させたとされる洗剤組成物に関する。国際公開特許WO00/18859号の組成物は、水との接触により容易にゲル化しないとされ、洗濯プロセス後に布地上に非水溶性残留物を残さないとされている。国際公開特許WO00/18859号の組成物は、界面活性剤系と完全に混和する水溶性ビルダー系を主に含む。しかし、国際公開特許WO00/18859号の組成物実施例は、ゼオライトビルダー、並びに/または、炭酸塩および/もしくはカルボキシレートポリマーをまったく含まないアルキルベンゼンスルホネート粒子、のいずれかを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ファン・デル・フーフェン(Van der Hoeven)ら(ヒンドスタン・リーバ社(Hindustain Lever Limited))による国際公開特許WO02/053691号は、10重量%を超えるカルシウム抵抗性界面活性剤、0.1重量%〜10重量%のリン酸塩ビルダー類および/またはゼオライトビルダー類から選択される強力なビルダー系、および35重量%未満の非官能性非アルカリ性水溶性無機塩類を含む洗濯洗剤組成物に関する。しかし、国際公開特許WO02/053691号には、界面活性剤、カルボキシレートポリマー、および炭酸塩などの成分を、どのように組成物内に組み込むのかについての詳細が記載されていない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、複数の粒状成分を含む粒状形態の固体洗濯洗剤組成物を提供するが、かかる組成物は、(i)アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤、(ii)カルボキシレートポリマー、(iii)炭酸塩、(iv)組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、(v)組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および(vi)所望により、組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩を含み、(a)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、炭酸塩をも含み、粒状成分中の炭酸塩とアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤との重量比が、1:1を超え、(b)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、カルボキシレートポリマーをも含み、粒状成分中のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤とカルボキシレートポリマーとの重量比が、0.2:1〜5:1の範囲内であり、(c)粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、粒状成分の0重量%〜10重量%のケイ酸塩をも含み、(d)組成物中に存在する炭酸塩とカルボキシレートポリマーとの重量比が、1:1〜30:1の範囲内である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
固体洗濯洗剤組成物
組成物は、アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤、カルボキシレートポリマー、炭酸塩、組成物の0〜5重量%のゼオライトビルダー、組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および所望により、組成物の0重量%〜5重量%のケイ酸塩を含む。組成物は、その他補助剤成分を含んでもよい。
【0014】
組成物は、凝集、噴霧乾燥された粉末、押出品、フレーク、針状物、麺状物、ビーズ、またはこれらのいずれかの組み合わせなどの粒状形態である。組成物は、錠剤状などの圧縮粒状形態としてもよい。組成物は、小袋状などその他1回量形態としてもよく、典型的には、少なくとも部分的には、好ましくは基本的に完全には、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムに封入される。好ましくは、組成物は自由流動性粒状形態であり、自由流動性粒状形態とは、典型的には組成物が別々の離散粒子状であることを意味する。組成物は、アグロメレーション、噴霧乾燥、押出成形、混合、乾燥混合、液体噴霧方式、ローラー圧縮、球形化、錠剤化、またはこれらのいずれかの組み合わせを包含するいかなる好適な方法で作製されてよい。
【0015】
組成物は、典型的には、450g/l〜1,000g/lのバルク密度を有し、好ましい低バルク密度の洗剤組成物は、550g/l〜650g/lのバルク密度を有し、好ましい高バルク密度の洗剤組成物は、750g/l〜900g/lのバルク密度を有する。洗濯プロセス中、組成物は典型的には水と接触して、7超〜13未満、好ましくは7超〜10.5未満のpHを有する洗浄溶液をもたらす。これは、良好な洗浄を付与すると同時に、良好な布地ケア特性をも確実にするための最適pHである。
【0016】
組成物は、複数の粒状成分を含む。粒状成分の少なくとも5重量%、または好ましくは少なくとも10重量%、または少なくとも15重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、炭酸塩をも含み、粒状成分中に存在する炭酸塩とアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤との重量比が、1:1を超え、好ましくは1.2:1を超え、または1.3:1を超え、または1.4:1を超え、または1.5:1を超え、または1.6:1を超え、または1.7:1を超え、または1.8:1を超え、好ましくは30:1まで、または25:1まで、または20:1まで、または15:1まで、または10:1までである。これらの比により、組成物の良好なクリーニング性能と、特に保存後の良好なケーキ強度など良好な物理学的特性が確実になる。
【0017】
さらに、粒状成分の少なくとも5重量%、または好ましくは少なくとも10重量%、またはさらに少なくとも15重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、カルボキシレートポリマーをも含み、粒状成分中に存在するアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤とカルボキシレートポリマーとの重量比が、0.2:1〜5:1の範囲内であり、好ましくは0.5から、または1:1から、または1.5:1から、または2:1から、好ましくは4:1まで、または3:1までである。これらの比により、組成物の良好なクリーニング性能と、特に保存後の良好なケーキ強度など良好な物理学的特性が確実になる。
【0018】
加えて、粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、粒状成分の0重量%〜10重量%、好ましくは8重量%まで、または6重量%まで、または4重量%まで、または2重量%までのケイ酸塩をも含み、好ましくは粒状成分は、ケイ酸塩を本質的に含まない。ケイ酸塩を本質的に含まないとは、典型的には粒状成分が、故意に添加されたケイ酸塩を含まないことを意味する。
【0019】
組成物中の炭酸塩とカルボキシレートポリマーとの重量比が、1:1〜30:1の範囲内であり、好ましくは2:1から、または4:1から、または5:1から、または6:1から、または8:1から、好ましくは25:1まで、または20:1まで、または15:1まで、または10:1までである。これらの比により、組成物の良好なクリーニング性能と、特に保存後の良好なケーキ強度など良好な物理学的特性が確実になる。
【0020】
組成物は、典型的には、35℃の温度で測定するとき、0%〜30%未満、好ましくは0%〜20%の平衡相対湿度を有する。典型的には、平衡相対湿度は以下のように求められる。組成物300gを水不透過性材料製の1リットル容器にとり、容器を密封可能な蓋をする。蓋には、プローブを容器内部へ挿入できるように適合された、密封可能な孔が設けられている。容器とその内容物を35℃の温度で24時間保持して、温度を平衡させる。固体状態の湿度計(英国ハプシャー(Hapshire)のテストターム社(Testoterm Ltd)から販売されているハイグロテスト(Hygrotest)6100)を用いて、水蒸気圧を測定する。これは、容器の蓋の密封可能な孔から容器内部にプローブを挿入して、ヘッドスペースの水蒸気圧を測定することによって行われる。これらの測定は、水蒸気圧が平衡するまで10分おきに行う。その後、プローブが自動的に水蒸気圧を平衡相対湿度値に変換する。
【0021】
好ましくは、前記組成物は、9.2g/lの濃度および20℃の温度で水と接触すると、(i)500比濁計濁度単位未満の濁度、および(ii)8〜12の範囲のpHを有する透明な洗浄溶液を形成する。好ましくは、その結果として得られる洗浄溶液の濁度は、400比濁計濁度単位未満、または300比濁計濁度単位未満、または10〜300比濁計濁度単位である。洗浄溶液の濁度は、典型的に、H1 93703マイクロプロセッサー濁度計を用いて測定される。洗浄溶液の濁度を測定するための典型的な方法は以下の通りである:組成物9.2gをビーカー内の1リットルの水に加えて溶液を形成する。この溶液を、20℃において62.8rad/s(600rpm)で5分間攪拌する。この溶液の濁度を、次に、製造者の指示に従ってH1 93703マイクロプロセッサー濁度計を用いて測定する。
【0022】
アルキルベンゼンスルホネート
組成物は、アルキルベンゼンスルホネート、好ましくは直鎖または分枝鎖、置換または非置換のC8〜24アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは組成物は、組成物の0.1重量%から、または1重量%から、または2.5重量%から、または5重量%から、または7.5重量%から、または10重量%から、50重量%まで、または40重量%まで、または30重量%まで、または20重量%までの直鎖または分枝鎖、置換または非置換のC8〜24アルキルベンゼンスルホネートを含む。これは良好なクリーニング性能を提供するための、アルキルベンゼンスルホネートの最適量である。C8〜24アルキルベンゼンスルホネートは、国際公開特許WO99/05243号、国際公開特許WO99/05242号、国際公開特許WO99/05244号、国際公開特許WO99/05082号、国際公開特許WO99/05084号、国際公開特許WO99/05241号、国際公開特許WO99/07656号、国際公開特許WO00/23549号、および国際公開特許WO00/23548号により詳細が記載される、修飾されたアルキルベンゼンスルホネート(MLAS)としてもよい。きわめて好ましいC8〜24アルキルベンゼンスルホネート類は、直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類である。特に好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン類(LAB)をスルホン化することにより得ることができ、好ましくはスルホン化することにより得られる、直鎖C10〜13アルキルベンゼンスルホネート類であり、好適なLABには、サソール社(Sasol)からイソケム(Isochem)(登録商標)の商標名またはペトレサ社(Petresa)からペトレラボ(Petrelab)(登録商標)の商標名で供給されているような低級2−フェニルLABを含み、他の好適なLABには、サソール社からハイブリーン(Hyblene)(登録商標)の商標名で販売されているような高級2−フェニルLABを含む。
【0023】
8〜24アルキルベンゼンスルホネートは、典型的には凝集、噴霧乾燥された粉末、押出品、ビーズ、麺状物、針状物、またはフレークなどの粒状形態である。C8〜24アルキルベンゼンスルホネートの一部が、噴霧乾燥粉末(例えば、ブロウン粉末)の形態であり、C8〜24アルキルベンゼンスルホネートの一部が、非噴霧乾燥粉末(例えば、凝集体、または押出品、または直鎖アルキルベンゼンスルホネートフレークのようなフレーク;好適な直鎖アルキルベンゼンスルホネートフレークは、パイロット・ケミカル社(Pilot Chemical)から商標名F90(登録商標)で、またはステパン(Stepan)から商標名ナコノール90G(Nacconol 90G)(登録商標)で供給されている)の形態であることが好ましいことがある。このことは、高濃度のC8〜18アルキルベンゼンスルホネートを組成物中に組み込むのが望ましい場合に、特に好ましい。
【0024】
カルボキシレートポリマー
組成物は、カルボキシレートポリマーを含む。組成物は、組成物の少なくとも1重量%、または少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも4重量%、またはさらに少なくとも5重量%のカルボキシレートポリマーを含むことが好ましい場合がある。カルボキシレートポリマーは、洗浄溶液中で遊離のカルシウムイオンを隔離することができる。カルボキシレートポリマー類は、汚れ分散剤としても作用することができ、改善された微粒子染み除去洗浄効果をもたらすことができる。好ましい高分子ポリカルボキシレート類には、好ましくは1.66E−21g(1,000ダルトン)〜3.32E−20g(20,000ダルトン)の重量平均分子量を有するポリアクリレート類;好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が1:1〜1:10であり、1.66E−20g(10,000ダルトン)〜3.32E−19g(200,000ダルトン)の重量平均分子量を有するか、または好ましくはマレイン酸モノマー類対アクリル酸モノマー類のモル比が0.3:1〜3:1であり、1.66E−21g(1,000ダルトン)〜8.30E−20g(50,000ダルトン)の重量平均分子量を有する、マレイン酸とアクリル酸とのコポリマー類を含む。
【0025】
炭酸塩
組成物は、典型的には、組成物の1重量%〜50重量%、または5重量%〜25重量%、または10重量%〜20重量%の炭酸塩を含む。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムおよび/または重炭酸ナトリウムである。きわめて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。好ましくは、組成物は組成物の10重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムを含んでよい。しかし、組成物が組成物の2重量%〜8重量%の重炭酸ナトリウムを含むことも好ましい場合がある。これらの量の重炭酸ナトリウムは、十分なアルカリ性をもたらす一方で、界面活性剤−炭酸塩系で発生することがある、界面活性剤ゲル化のリスクを最低限にする。組成物が炭酸ナトリウムおよびゼオライトを含む場合、好ましくは炭酸ナトリウムとゼオライトとの重量比は、少なくとも15:1である。
【0026】
炭酸塩または少なくともその一部は、典型的には粒状形態であり、典型的には200〜500マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有する。しかし、炭酸塩または少なくともその一部は、微粉化された粒状形態であり、典型的には4〜40マイクロメートルの範囲内の重量平均粒径を有するのが好ましい場合があり、このことは、炭酸塩または少なくともその一部が、アルキルベンゼンスルホネートなどの洗浄界面活性剤との、あるいはアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤との、共同微粒子混合体の形態である場合に特に好ましい。
【0027】
高濃度の炭酸塩は、洗浄溶液のpHを高めることによって組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、さらには洗浄すべき汚れのイオン化速度と電離度を増大させる(注意:イオン化された汚れはより可溶性となって、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い)。さらに、高濃度の炭酸塩は、洗剤組成物、特に組成物が自由流動性粒状形態である場合、組成物の流動性を高める。
【0028】
ゼオライトビルダー
本組成物は、組成物の0重量%から5重量%未満、または4重量%まで、または3重量%まで、または2重量%まで、または1重量%までのゼオライトビルダーを含む。組成物が、ゼオライトビルダーを本質的に含まないことがさらに好ましい場合がある。ゼオライトビルダーを本質的に含まないとは、典型的には、組成物が、故意に添加されたゼオライトビルダーを含まないことを意味する。このことは、非水溶性残留物(例えば、これは布地表面に沈着することがある)の量を最少化するために、組成物が非常に溶解性が高いことが望ましい場合に、またさらには透明な洗浄溶液を有するのがきわめて望ましい場合に、特に好ましい。ゼオライトビルダー類としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP、およびゼオライトMAPが挙げられる。
【0029】
リン酸塩ビルダー
本組成物は、組成物の0重量%〜5重量%未満、または4重量%まで、または3重量%まで、または2重量%まで、または1重量%までのリン酸塩ビルダーを含む。組成物がリン酸塩ビルダーを本質的に含まないことがさらに好ましい場合がある。リン酸塩ビルダーを本質的に含まないとは、組成物が、典型的には、故意に添加されたリン酸塩ビルダーを含まないことを意味する。このことは、組成物がきわめて良好な環境プロファイルを有するのが望ましい場合に、特に好ましい。リン酸塩ビルダー類としては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0030】
ケイ酸塩
本組成物は、組成物の0重量%〜5重量%未満、または4重量%まで、または3重量%まで、または2重量%まで、または1重量%までのケイ酸塩を所望により含む。組成物は、5重量%を超える量のケイ酸塩を含んでもよいが、好ましくは組成物は、5重量%未満のケイ酸塩を含む。組成物がケイ酸塩を本質的に含まないことがさらに好ましい場合がある。ケイ酸塩を本質的に含まないとは、組成物が、典型的には、故意に添加されたケイ酸塩を含まないことを意味する。このことは、組成物が非常に良好な分配および溶解特性を有することを確実にするために、および組成物が水に溶解されたときに透明な洗浄溶液を提供することを確実にするために、特に好ましい。ケイ酸塩類には、非水溶性ケイ酸塩類が包含される。ケイ酸塩類には、非晶質ケイ酸塩類および結晶性層状ケイ酸塩類(例えば、SKS−6)が包含される。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0031】
補助成分
組成物は、典型的には、補助成分を含む。これらの補助成分には以下のものが挙げられる。アニオン性洗浄界面活性剤類、非イオン性洗浄界面活性剤類、カチオン性洗浄界面活性剤類、双極性イオンの洗浄界面活性剤類、両性洗浄界面活性剤類などの洗浄界面活性剤類;好ましいアニオン性洗浄界面活性剤類は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは1〜10の直鎖または分枝鎖、置換または非置換のC12〜18アルキルアルコキシル化スルフェートなどのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤類、より好ましくは、平均エトキシル化度が1〜10である直鎖または分枝鎖、置換または非置換のC12〜18アルキルエトキシ化スルフェート、最も好ましくは、平均エトキシル化度が3〜7である直鎖非置換のC12〜18アルキルエトキシ化スルフェートであり、その他好ましいアニオン性洗浄界面活性剤類は、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩類、アルキルホスホン酸塩類、アルキルカルボン酸塩類、またはこれらいずれかの混合物であり;好ましい非イオン性洗浄界面活性剤類は、平均アルコキシル化度が1〜20、好ましくは3〜10であるC8〜18アルキルアルコキシル化アルコール類であり、最も好ましいのは、平均アルコキシル化度が3〜10のC12〜18アルキルエトキシ化アルコール類であり;好ましいカチオン性洗浄界面活性剤類は、モノC6〜18アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウム塩化物類であり、より好ましいのは、モノC8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウム塩化物、モノC10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウム塩化物、およびモノC10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウム塩化物であり;過炭酸塩類および/または過ホウ酸塩類などの過酸素源として、好ましいのは過炭酸ナトリウムであり、過酸素源は、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、またはその混合塩を含む混合物などのコーティング成分により、好ましくは少なくとも部分的にコーティングされ、好ましくは完全にコーティングされ;テトラアセチルエチレンジアミンなどの漂白活性化剤、スルホン酸ノナノイルオキシベンゼンなどのスルホン酸オキシベンゼン漂白活性化剤類、カプロラクタム漂白活性化剤類、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミドなどのイミド漂白活性化剤類、N,N−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸、ノニルアミドペルオキシアジピン酸、または過酸化ジベンゾイルなどの予め形成された過酸類;アミラーゼ類、カルボヒドラーゼ類、セルラーゼ類、ラッカーゼ類、リパーゼ類、オキシダーゼ類、ペルオキシダーゼ類、プロテアーゼ類、ペクチン酸リアーゼ類、およびマンナナーゼ類などの酵素類;シリコーン系泡抑制剤類などの泡抑制システム類;蛍光増白剤類;光漂白剤;硫酸塩類などの充填剤塩類、好ましくは硫酸ナトリウム;粘土、シリコーン、および/または四級アンモニウム化合物類などの布地柔軟化剤類;ポリエチレンオキシドなどの凝集剤類;ポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−オキシド、および/またはビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマーなどの移染防止剤類;疎水変性セルロース、およびイミダゾールとエピクロルヒドリンとの縮合により生成するオリゴマー類などの布地一体性成分類;アルコキシル化ポリアミン類およびエトキシ化エチレンイミンポリマー類などの汚れ分散剤類および汚れ再付着防止助剤類;カルボキシメチルセルロースおよびポリエステル類などの再付着防止成分類;香料類;スルファミン酸またはその塩類;クエン酸およびその塩類;並びにオレンジ色染料、青色染料、緑色染料、紫色染料、ピンク色染料、またはこれらいずれかの混合物などの染料類。
【0032】
好ましくは、組成物は、1重量%未満の塩素漂白剤および1重量%未満の臭素漂白剤を含む。好ましくは、組成物は、臭素漂白剤および塩素漂白剤を本質的に含まない。「本質的に含まない」とは、「故意に添加されたものを含まない」ことを通常意味する。
【実施例】
【0033】
以下の固形洗濯洗剤組成物は、本発明に従ったものである:
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒状成分を含む粒状形態の固体洗濯洗剤組成物であって、
(i)アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤、
(ii)カルボキシレートポリマー、
(iii)炭酸塩、
(iv)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のゼオライトビルダー、
(v)前記組成物の0重量%〜5重量%未満のリン酸塩ビルダー、および
(vi)所望により、前記組成物の0重量%〜5重量%未満のケイ酸塩
を含み、
(a)前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、炭酸塩をも含み、前記粒状成分中に存在する前記炭酸塩と前記アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤との重量比が、1:1を超え、
(b)前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、カルボキシレートポリマーをも含み、前記粒状成分中に存在する前記アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤と前記カルボキシレートポリマーとの重量比が、0.2:1〜5:1の範囲内であり、
(c)前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、粒状成分の0重量%〜10重量%のケイ酸塩をも含み、
(d)前記組成物中に存在する炭酸塩とカルボキシレートポリマーとの重量比が、1:1〜30:1の範囲内である、固体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、炭酸塩をも含み、前記粒状成分中に存在する前記炭酸塩と前記アルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤との重量比が1.5:1を超える、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含む粒状成分のいずれかは、ケイ酸塩を本質的に含まない、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粒状成分の少なくとも5重量%のアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤を含む粒状成分のいずれかは、カルボキシレートポリマーをも含み、前記粒状成分中に存在するアルキルベンゼンスルホネートアニオン性洗浄界面活性剤とカルボキシレートポリマーとの重量比が1:1〜5:1の範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物中に存在する炭酸塩とカルボキシレートポリマーとの重量比が、5:1〜20:1の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、ゼオライトビルダー、リン酸塩ビルダー、および所望のケイ酸塩を本質的に含まない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、平均アルコキシル化度が1〜20である、直鎖または分枝鎖、置換または非置換のC8〜18アルキルアルコキシル化スルフェートを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。

【公表番号】特表2009−504834(P2009−504834A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525711(P2008−525711)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052851
【国際公開番号】WO2007/020604
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】