説明

アルツハイマー病の治療用としてのスピロピペリジンベータセクレターゼ阻害剤

本発明はアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用なβセクレターゼ酵素阻害剤である式(I):


のスピロピペリジン化合物とその互変異性体に関する。本発明はこれらの化合物を含有する医薬組成物と、βセクレターゼ酵素が関与する前記疾患の治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はβセクレターゼ酵素の阻害剤として有用であり、アルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療に有用なヒダントイン、環状尿素及び環状カルバミン酸スピロピペリジン化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病は高齢者の認知症の最も一般的な原因であり、認知機能の低下により特徴付けられる。アルツハイマー病は一般にゆっくりと進行し、記憶低下や見当識障害等の症状を生じる。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤等の既存のアルツハイマー病治療薬はアルツハイマー病の症状に対処するものであり、アルツハイマー病の根本的な原因に作用するものではない。
【0003】
アルツハイマー病の病理はアミロイドが細胞外プラーク及び細胞内神経原線維変化として脳に異常沈着することにより特徴付けられる。アミロイド蓄積速度は形成速度、凝集速度及び脳からの排出速度の総計である。アミロイドプラークの主成分は4kDアミロイド蛋白質(βA4、別称Aβ、β蛋白質及びβAP)であり、ずっと大きな寸法の前駆体蛋白質の蛋白分解物であることが一般に認められている。アミロイド前駆体蛋白質(APP又はAβPP)は大きな細胞外ドメインと、膜貫通領域と、短い細胞質テールからなる受容体様構造をもつ。AβドメインはAPPの細胞外ドメインと膜貫通ドメインの両者の一部を占めるので、Aβドメインの遊離はそのNH末端とCOOH末端を生成するために2つの別個の蛋白分解イベントが存在することを意味する。
【0004】
APPを膜から遊離させ、APPの可溶性COOH切断形(APP)を生成する分泌機序には少なくとも2種類のものが存在する。APPとそのフラグメントを膜から遊離させるプロテアーゼは「セクレターゼ」と呼ばれる。殆どのAPPはAβ蛋白質の内部で切断してα−APPを遊離させ、無傷のAβを遊離させない推定αセクレターゼにより遊離される。ごく一部のAPPはAPPのNH末端付近で切断して完全なAβドメインを含むCOOH末端フラグメント(CTF)を生成するβセクレターゼ(「βセクレターゼ」)により遊離される。
【0005】
こうして、βセクレターゼないしβアミロイド前駆体蛋白分解酵素(「BACE」)の活性はアルツハイマー病の特徴であるAPPの異常切断、Aβ生成、及びβアミロイドプラークの脳内蓄積を引き起こす(R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368;H.Fukumoto et al,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389;J.T.Huse et al,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,issue of May 3,2002,pp.16278−16284;K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp 702−708,2002参照)。従って、βセクレターゼないしBACEを阻害することができる治療剤はアルツハイマー病の治療に有用であると思われる。
【0006】
本発明の化合物はβセクレターゼないしBACEの活性を阻害し、従って不溶性Aβの形成を防ぎ、Aβ生成を阻止することによりアルツハイマー病を治療するために有用である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】R.N.Rosenberg,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1367−1368
【非特許文献2】H.Fukumoto et al,Arch.Neurol.,vol.59,Sep 2002,pp.1381−1389
【非特許文献3】J.T.Huse et al,J.Biol.Chem.,vol 277,No.18,issue of May 3,2002,pp.16278−16284
【非特許文献4】K.C.Chen and W.J.Howe,Biochem.Biophys.Res.Comm,vol.292,pp 702−708,2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はβセクレターゼ酵素の阻害剤として有用な一般式(I):
【0009】
【化1】

により表されるスピロピペリジン化合物とその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにその医薬的に許容可能な塩に関する。
【0010】
本発明は治療有効量の式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物にも関する。本発明はアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患に対する哺乳動物の治療方法と、前記疾患の治療における本発明の化合物及び医薬組成物の使用にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は一般式(I):
【0012】
【化2】

[式中、
Xは
(1)N−R
(2)O、及び
(3)S
から構成される群から選択され、

(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C3−12シクロアルキル、
(e)−C0−6アルキルアリール、及び
(f)−C0−6アルキルヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(i)アリール、
(ii)ヘテロアリール、
(iii)ハロゲン、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−O−C1−10アルキル、
(vi)−C3−12シクロアルキル、
(vii)−NC(=O)−R
(viii)−C(=O)NR’、
(ix)−C(=O)−OR
(x)−C(=O)−R
(xi)−CN、
(xii)−NR
で置換されており、
なお、前記アリール、アルキル、シクロアルキル及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(I)ハロゲン、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−OC1−6アルキル
で置換されており、
1A及びR1Bは各々水素であり、但し、XがNRであるとき、R1AとR1Bは一緒になって=Oを形成することができ;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C3−12シクロアルキル、
(6)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4〜8員複素環基、
(7)アリール、並びに
(8)ヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、シクロアルキル、複素環基、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C2−10アルキニル、
(g)−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)−C0−6アルキルアリール、又は
(j)−C0−6アルキルヘテロアリール
で置換されており、
なお、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−OC1−6アルキル、
(vii)−C1−6ハロアルキル、
(viii)−SO1−3アルキル、
(ix)−SONR’、
(x)−CO
(xi)−NRSO’、
(xii)−CONR’、
(xiii)−NC(=O)−C0−3アルキル−NR’、
(xiv)−NC(=O)R
(xv)−NR’、並びに
(xvi)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4〜8員複素環基
で置換されており;
Qは−C1−6アルキレンであり、前記アルキレンは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)アリール、及び
(h)ヘテロアリール
で置換されており;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C3−12シクロアルキル、
(6)−C3−12シクロアルケニル、
(7)アリール、及び
(8)ヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C3−12シクロアルキル、
(g)−O−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)−O−C3−12複素環(式中、前記複素環基は1個の環原子が窒素、硫黄及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4〜8員環である)、
(j)アリール、
(k)ヘテロアリール、
(l)−NR
で置換されており、
なお、前記アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−OC1−10アルキル、及び
(vi)−NR’、
(vii)−C2−6アルケニル、
(viii)−C1−6ハロアルキル、
(ix)−SO1−3アルキル、
(x)−SONR’、
(xi)−CONR
(xii)−NRCOR’(式中、R’はRと同一基から選択される)、又は
(xiii)−NRSO(式中、R
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、及び
(C)−C3−4アルケニル
から構成される群から選択される)で置換されており;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、及び
(3)−C3−4アルケニル
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル又はアルケニルR基は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−C1−6アルキル、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−NR(式中、R及びR
(i)水素、及び
(ii)−C1−6アルキル
から構成される群から選択される)、
(g)−S(O)−C1−6アルキル(式中、nは0、1又は2である)、
(h)−C(=O)−R(式中、R
(i)水素、
(ii)OH、
(iii)−C1−6アルキル、及び
(iv)−OC1−6アルキル、及び
(v)アリール
から構成される群から選択される)
で置換されており;
及びR’は
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)−C1−6ハロアルキル、
(5)−C0−6アルキルアリール、
(6)−C0−6アルキルヘテロアリール、
(7)ハロ、並びに
(8)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4〜8員複素環基
から構成される群から選択され、
ここで、前記アリール又はヘテロアリールR部分は1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−O−C1−6アルキル、及び
(d)−NO
で置換されている]により表される化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0013】
式(I)の化合物の好ましい態様において、XはNRであり、式中、Rは水素が好ましい。あるいは、Rは場合により置換された
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニル、
(3)−C3−12シクロアルキル、
(4)−C0−6アルキルアリール、及び
(5)−C0−6アルキルヘテロアリール
から構成される群から選択される。
【0014】
式(I)の化合物の好ましい態様において、Rはフェニルであり、前記フェニルは
場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、並びに
(v)場合により
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−6アルキル、
(E)−OC1−6アルキル、
(F)−SO1−3アルキル、
(G)−SO’、
(H)−NRSO1−3アルキル、
(I)−CO
(J)−CONR’、及び
(K)NRCO
で置換されたフェニル
で置換されている。
【0015】
式(I)の化合物の好ましい態様において、QはC1−3アルキレン、最も好ましくは−CH−であり、Rはフェニルであり、前記フェニルは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−OC1−10アルキル、及び
(F)場合により
(i)−C1−6アルキル、
(ii)−OC1−6アルキル、
(iii)−NR
で置換されたフェニル
で置換されている。
【0016】
式(I)の化合物の好ましい態様において、Rは−C1−6アルキル、最も好ましくはメチル又はエチルである。
【0017】
式(I)の属の化合物には、式(II):
【0018】
【化3】

(式中、X、Q、R、R及びRは上記に定義した通りである)の亜属のヒダントインスピロピペリジン化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーが含まれる。
【0019】
式(II)の化合物の好ましい態様において、XはNRであり、Rは水素が好ましい。あるいは、Rは場合により置換された
(1)−C1−10アルキル、
(2)−C2−10アルケニル、
(3)−C3−12シクロアルキル、
(4)−C0−6アルキルアリール、及び
(5)−C0−6アルキルヘテロアリール
から構成される群から選択される。
【0020】
式(II)の化合物の好ましい態様において、Rはフェニルであり、前記フェニルは
場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、又は
(v)場合により
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−6アルキル、
(E)−OC1−6アルキル、
(F)−SO1−3アルキル、
(G)−SO’、
(H)−NRSO1−3アルキル、
(I)−CO
(J)−CONR’、及び
(K)NRCOR
で置換されたフェニル
で置換されている。
【0021】
式(II)の化合物の好ましい態様において、Rは−C1−6アルキル、最も好ましくはメチル又はエチルである。
【0022】
式(I)の属の化合物には、式(III):
【0023】
【化4】

(式中、Q、R、R、R及びRは上記に定義した通りである)の亜属の環状尿素化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーが含まれる。
【0024】
式(III)の化合物の好ましい態様において、QはC1−3アルキレン、最も好ましくは−CH−であり、Rはフェニルであり、前記フェニルは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−OC1−10アルキル、又は
(F)場合により
(i)−C1−6アルキル、
(ii)−OC1−6アルキル、
(iii)−NR
で置換されたフェニル
で置換されている。
【0025】
式(III)の化合物の好ましい態様において、Rは−C1−6アルキル、最も好ましくはメチル又はエチルである。
【0026】
式(III)の化合物の好ましい態様において、R
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル(好ましくは−C1−4アルキル)、
(C)−C2−10アルケニル(好ましくは−C2−4アルケニル)、
(D)−C0−6アルキルアリール(好ましくはベンジル)、又は
(E)−C0−6アルキルヘテロアリール(好ましくは−CH−ピリジル)
から構成される群から選択される。
【0027】
式(I)の属の化合物には、式(IV):
【0028】
【化5】

(式中、Q、R、R、R及びRは上記に定義した通りである)の亜属の環状カルバミン酸化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーが含まれる。
【0029】
式(IV)の化合物の好ましい態様において、QはC1−3アルキレン、最も好ましくは−CH−であり、Rはフェニルであり、前記フェニルは場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−OC1−10アルキル、又は
(F)場合により
(i)−C1−6アルキル、
(ii)−OC1−6アルキル、
(iii)−NR
で置換されたフェニル
で置換されている。
【0030】
式(IV)の化合物の好ましい態様において、Rは−C1−6アルキル、最も好ましくはメチル又はエチルである。
【0031】
好ましい態様において、本発明は以下の本発明の代表的化合物に関する:
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N−N,3−トリメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
2’−(8−ベンジル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル)−4’−フルオロ−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N,3−トリメチルビフェニル−4−カルボキサミド;
5−{4−フルオロ−2−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]フェニル}−N,N−ジメチルチオフェン−2−スルホンアミド;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−8−{3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−(3−{4−フルオロ−2−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]フェニル}プロプ−2−イン−1−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−3−プロピル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−(3−{[(1R)−1−メチルプロピル]オキシ}ベンジル)−3−ペント−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−{3−[(1R)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]ベンジル}−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(シクロヘキシルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(3−メトキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−{2−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]エチル}ベンズアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(2−フルオロエチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−[2−(2−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(1−ベンジル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−{[5−(4−クロロフェニル)−1,3−オキサゾール−2−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−{[5−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]プロパン酸;
[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]酢酸;
N−(4−クロロフェニル)−2−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]アセトアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(3−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(イソオキサゾール−3−イルメチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(3−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(イソオキサゾール−5−イルメチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(ピラジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−tert−ブチル−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(2−メトキシ−1,1−ジメチルエチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(2−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−フェニル−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1,3−ビス(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]ベンゾニトリル;
(5R,7S)−3−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(1H−インドール−5−イル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]安息香酸;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−フリルメチル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−[4−({(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−8−イル}メチル)フェニル]アセトアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−8−(ピリジン−3−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(2−フルオロベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(シクロブチルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−ベンジル−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−(4−{[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−8−イル]メチル}フェニル)アセトアミド;
(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−8−(2−フルオロベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(シクロブチルメチル)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
3−[(5R,7S)−3−[(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−[(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−[(1−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
N−{2−[(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]エチル}ベンズアミド;
3−((5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−{[5−(4−メトキシフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル)ベンゾニトリル;及び
(5R,7−S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンとその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【0032】
本発明は更に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかのスピロピペリジン化合物又はその医薬的に許容可能な塩と医薬的に許容可能なキャリヤーを投与することにより、アルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患に対して患者(好ましくはヒト)を治療する方法に関する。
【0033】
本発明は更にBACE1酵素活性の阻害を必要とする哺乳動物又は患者に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかのスピロピペリジン化合物又はその医薬的に許容可能な塩と医薬的に許容可能なキャリヤーを投与することにより、BACE1酵素活性を阻害する方法に関する。別の態様において、本発明はBACE2酵素活性の阻害を必要とする哺乳動物又は患者に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかのスピロピペリジン化合物又はその医薬的に許容可能な塩と医薬的に許容可能なキャリヤーを投与することにより、BACE2酵素活性を阻害する方法に関する。
【0034】
本発明は更にリトナビル等のP450阻害剤との併用下に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかのスピロピペリジン化合物又はその医薬的に許容可能な塩と医薬的に許容可能なキャリヤーを投与することにより、アルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患に対して患者(好ましくはヒト)を治療する方法に関する。
【0035】
本発明は更に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する、患者(好ましくはヒト)におけるアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療用医薬組成物に関する。
【0036】
本発明は更にリトナビル等のP450阻害剤との共存下に治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する、患者(好ましくはヒト)におけるアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療用医薬組成物に関する。
【0037】
本発明は更に哺乳動物(好ましくはヒト)及び動物におけるβセクレターゼ酵素活性の阻害用医薬又は組成物の製造方法として、治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を医薬的に許容可能なキャリヤーと配合する段階を含む方法に関する。
【0038】
本発明は更に哺乳動物(好ましくはヒト)におけるアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療用医薬又は組成物の製造方法として、治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかの化合物又はその医薬的に許容可能な塩を医薬的に許容可能なキャリヤーと配合する段階を含む方法に関する。
【0039】
本発明は更に哺乳動物(好ましくはヒト)におけるアルツハイマー病等のβセクレターゼ酵素が関与する疾患の治療用医薬又は組成物の製造方法として、治療有効量の式(I)、(II)、(III)もしくは(IV)の態様のいずれかの化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、リトナビル等のP450阻害剤を医薬的に許容可能なキャリヤーと配合する段階を含む方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アルキル」なる用語は指定炭素原子数の飽和直鎖又は分岐鎖炭化水素基を意味する(例えばC1−10アルキルとは炭素原子数1〜10のアルキル基を意味する)。本発明で使用するのに好ましいアルキル基は炭素原子数1〜6のC1−6アルキル基である。代表的なアルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル等が挙げられる。
【0041】
例えば「−Cアルキル−C6−12アリール」なる用語における「Cアルキル」なる用語は結合を意味する。
【0042】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アルキレン」なる用語は指定炭素原子数の飽和直鎖又は分岐鎖2価炭化水素基を意味する。
【0043】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アルケニル」なる用語は指定炭素原子数の飽和直鎖2価炭化水素基を意味する。
【0044】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アルケニル」なる用語は単一炭素−炭素二重結合をもつ指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を意味する(例えばC2−10アルケニルとは炭素原子数2〜10のアルケニル基を意味する)。本発明で使用するのに好ましいアルケニル基は炭素原子数2〜6のC2−6アルケニル基である。代表的なアルケニル基としてはエテニルとプロペニルが挙げられる。
【0045】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アルキニル」なる用語は単一炭素−炭素三重結合をもつ指定炭素原子数の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を意味する(例えばC2−10アルキニルとは炭素原子数2〜10のアルキニル基を意味する)。本発明で使用するのに好ましいアルキニル基は炭素原子数2〜6のC2−6アルキニル基である。代表的なアルキニル基としてはエチニルとプロピニルが挙げられる。
【0046】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「シクロアルキル」なる用語は指定炭素原子数の飽和環状炭化水素基を意味する(例えばC3−12シクロアルキルとは炭素原子数3〜12のシクロアルキル基を意味する)。本明細書で使用するシクロアルキルなる用語は単環式、二環式及び三環式飽和炭素環に加え、スピロ縮合環系等の架橋及び縮合炭素環も意味する。
【0047】
本発明で使用するのに好ましいシクロアルキル基は炭素原子数3〜8の単環式C3−8シクロアルキル基である。代表的な単環式シクロアルキル基としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。代表的な架橋シクロアルキル基としてはアダマンチルとノルボルニルが挙げられる。代表的な縮合シクロアルキル基としてはデカヒドロナフタレンが挙げられる。
【0048】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「複素環」なる用語は環炭素原子の1個以上がヘテロ原子(例えばN又はO)で置換された上記定義によるシクロアルキル基を意味する。本発明で使用するのに適した非芳香族複素環基としてはピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル及びイミダゾリジニルが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい複素環基は4〜8員環で1個の窒素又は酸素ヘテロ原子をもつ。
【0049】
上記定義による複素環基が置換されているとき、置換基は複素環基の環炭素原子に結合していてもよいし、置換を可能にする原子価をもつ環ヘテロ原子(即ち窒素、酸素又は硫黄)に結合していてもよい。置換基は環炭素原子に結合していることが好ましい。同様に、本明細書で複素環基を置換基として定義するとき、結合点は複素環基の環炭素原子に位置してもよいし、結合を可能にする原子価をもつ環ヘテロ原子(即ち窒素、酸素又は硫黄)に位置してもよい。結合は環炭素原子に位置することが好ましい。
【0050】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「アリール」なる用語は指定炭素原子数の芳香族ないし環状基を意味する(例えばC6−10アリールとは炭素原子数6〜10のアリール基を意味する)。「アリール」なる用語は多環系(例えば縮合環系)と単環系を包含し、分子に芳香族部分と非芳香族部分を含む多環系も包含する。本発明で使用するのに好ましい単環アリール基はフェニルルである。本発明で使用するのに好ましい縮合環アリール基としてはナフチル、テトラヒドロナフチル及びインダニルが挙げられる。
【0051】
「ハロ」又は「ハロゲン」なる用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを包含する。
【0052】
単独又は別の置換基の一部として本明細書で使用する「ヘテロアリール」なる用語は少なくとも1個の環ヘテロ原子(O、N又はS)をもつ芳香族環状基を意味する。「ヘテロアリール」なる用語は多環系と単環系を包含する。好ましいヘテロアリール基は5〜12員環である。代表的なヘテロアリール基としてはピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、フラニル、イミダゾリル、インダゾリル、トリアジニル、ピラニル、チアゾリル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル及びベンゾオキサゾリルが挙げられる。本発明で使用するのに好ましいヘテロアリール基は5又は6員環である。代表的な基としてはフラニル、チエニル及びピリジルが挙げられる。
【0053】
本明細書に定義するヘテロアリール基が置換されているとき、置換基はヘテロアリール基の環炭素原子に結合していてもよいし、置換を可能にする原子価をもつ環ヘテロ原子(即ち、窒素、酸素又は硫黄)に結合していてもよい。置換基は環炭素原子に結合していることが好ましい。同様に、本明細書でヘテロアリール基を置換基として定義するとき、結合点はヘテロアリール基の環炭素原子に位置してもよいし、結合を可能にする原子価をもつ環ヘテロ原子(即ち窒素、酸素又は硫黄)に位置してもよい。結合は環炭素原子に位置することが好ましい。
【0054】
本明細書で使用する「ベータセクレターゼ」ないし「βセクレターゼ」なる用語は文献中で「BACE」、「BACE1」(例えばVassar et al.,1999,Science 286:735−741参照)、又は「BACE2」(例えばFarzan et al.,2000,PNAS 97:9712−9717参照)と呼ぶ場合もある酵素を意味する。BACE1は501アミノ酸膜結合型アスパラギン酸プロテアーゼである。BACE1はβセクレターゼの全公知機能特性及び特徴をもつ。BACE2はAsp−1ないしメマプシン1とも呼ばれ、膜結合型アスパラギン酸プロテアーゼのBACEファミリーの第2のメンバーである。BACE1とBACE2の相違に関する詳しい説明については、Roggo,Current Topics in Medicinal Chemistry,2002,2:359−370参照。
【0055】
本発明の化合物はBACE1酵素とBACE2酵素の両者の阻害剤である。
【0056】
本発明の化合物は少なくとも2個の不斉中心をもつ。分子上の各種置換基の種類によっては更に不斉中心が存在する場合もある。
【0057】
例えば、式(I)及び(IA)の化合物では、スピロピペリジン環の5位炭素と7位炭素はキラルである。その結果、式(I)及び(IA)の化合物は2種類のラセミジアステレオマーとして存在する可能性と、4種類の立体化学的に純粋な形態で存在する可能性がある。
【0058】
式(I)の化合物のジアステレオマー形態を以下に示すが、ジアステレオマー(I’)ではスピロ中心のアミンとR基は相互にシスであり、ジアステレオマー(I”)ではスピロ中心のアミンとR基は相互にトランスである。
【0059】
【化6】

がメチル又はエチルであるとき、ジアステレオマー(I’)は5(S,R),7(S,R)配置であり、ジアステレオマー(I”)は5(R,S),7(R,S)配置である。
【0060】
(I’)と(I”)の各々がラセミ混合物として又は2種類のエナンチオマー形態の一方として存在する場合もあり、以下に示すように化合物(I”)では化合物(I”)及び(I”*)として存在する。
【0061】
【化7】

式中、Rがメチル又はエチルであるとき、I”エナンチオマーは5(R),7(S)配置であり、I”*エナンチオマーは5(S),7(R)配置である。
【0062】
各式(II)、(III)及び(IV)の化合物はジアステレオマー形態で存在する場合もある。例えば、式(II)の化合物のジアステレオマー形態を以下に示すが、ジアステレオマー(II’)ではスピロ中心のアミンとR基は相互にシスであり、ジアステレオマー(II”)ではスピロ中心のアミンとR基は相互にトランスである。
【0063】
【化8】

がメチル又はエチルであるとき、ジアステレオマー(II’)は5(S,R),7(S,R)配置であり、ジアステレオマー(II”)は5(R,S),7(R,S)配置である。
【0064】
不斉中心をもつ化合物はエナンチオマー(光学異性体)、ジアステレオマー(立体配置異性体)又はその両者を形成し、混合物及び純化合物又は部分精製化合物としての可能な全エナンチオマー及びジアステレオマーを本発明の範囲に含むものとする。本発明はこれらの化合物のこのような全異性体を含むものとする。
【0065】
本明細書に記載する化合物は1個以上の二重結合を含む場合があり、従ってシス/トランス異性体と他の立体配置異性体を形成する場合がある。本発明はこのような可能な全異性体とこのような異性体の混合物を含む。
【0066】
上記式(I)〜(IV)は、所定位置に明確な立体化学を指定せずに示している。本発明は式(I)〜(IV)の全立体異性体とその医薬的に許容可能な塩を含む。
【0067】
エナンチオマーもしくはジアステレオマーの含有率の高い化合物の個々の合成、又はそのクロマトグラフィー分離は本明細書に開示する方法を適宜変更することにより当分野で公知の通りに実施することができる。その絶対立体化学は既知絶対配置の不斉中心を含む試薬で必要に応じて誘導体化した結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶解析により決定することができる。
【0068】
所望により、個々のエナンチオマー又はジアステレオマーを単離するように化合物のラセミ混合物を分離してもよい。分離は化合物のラセミ混合物を純エナンチオマー化合物とカップリングしてジアステレオマー混合物を形成した後に分別結晶法やクロマトグラフィー等の標準方法により個々のジアステレオマーを分離する等の当分野で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は多くの場合には純エナンチオマー酸又は塩基を使用する塩形成である。その後、付加したキラル残基の開裂によりジアステレオマー誘導体を純エナンチオマーに変換することができる。キラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、このような方法は当分野で周知である。
【0069】
あるいは、当分野で周知の方法により既知配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を使用して立体選択的合成により化合物の任意エナンチオマー又はジアステレオマーを得ることもできる。
【0070】
本発明の化合物は下記一般手順に従って製造することができる。
【0071】
【化9】

【0072】
一般スキーム1は本発明の化合物の形成を示す。I.Ugi,et.al.Angew.Chem.Int.Ed.Engl.1,8−21,1962に記載の反応と同様のウギ反応でイソニトリルと、アミン塩と、脱離可能なPに窒素を結合した4−ピペリジノンと、シアン酸塩を縮合させ、中間体イミノヒダントイン1−1を得る。次に適切な方法(保護基がBOCである場合には例えばHClガスをEtOAcに導入する)により保護基Pを脱離してアミン塩を得た後、J.March,Advanced Organic Chemistry,第3版.John Wiley and Sons,NY 799頁に記載の方法と同様の還元アミノ化法により適切なアルデヒドで誘導体化することができる。次に酸性条件下でイミノヒダントインからヒダントインへの加水分解を行うと、生成物1−4が得られる。
【0073】
【化10】

【0074】
同様の方法を一般スキーム2に要約する。適切なボロン酸エステル試薬2−2を製造し、有機金属触媒作用下にイミノヒダントイン2−4とカップリングしてビフェニル中間体2−5を得た後、上記のように加水分解してヒダントイン2−6を得る。
【0075】
【化11】

【0076】
一般スキーム3は3−3、3−4及び3−5型のオルトビフェニルの例の合成を示し、式中、R”はH又はQ(ピペリジン置換基)とすることができる。所望ビフェニルの導入点によって異なる3種類の方法のうちの1つを使用してこの構造型に含まれる類似体を製造することができる。国際特許出願WO2007/011833に記載の3−1から出発する方法Aはまず(J.Cossy著Synthesis 1995 11 1368−1370に記載の反応と同様の)ストレッカー反応によりo−ハロアニリンと反応させて3−1Aとそのシス異性体を得、分離するか又は一緒に次反応に送ることができる。鈴木カップリングと(R.Sarges et al.J Org Chem 1982,47,4081−4085に記載の反応と同様の)クロロスルホニルイソシアネートによる閉環により3−3を得る。Pが容易に脱離可能な基(例えばベンジルやCBZ)である場合には、適切な条件(例えばPd/C等の触媒とH)でPを脱離し、3−4を得ることができる。アルキル化又は還元アミノ化により更に処理すると、3−5型の例が得られる。方法Bはまずストレッカー反応でo−ビフェニルアニリンを使用して3−2を得た後、上記と同様に閉環と官能基操作を行う。方法Cは3−1Aから出発してまず閉環した後に必要に応じてピペリジン修飾し、最後に鈴木カップリングにより3−5型の他の例を得る。
【0077】
【化12】

【0078】
一般スキーム4は本発明の他の例の合成を示す。上記一般スキーム3に記載したように製造した3−2から出発し、(国際特許出願WO2007/011833に記載の方法と同様の)トリクロロアセチルイソシアネートによる閉環から製造を開始し、中間体イミノヒダントイン4−2を得た後、アミンと反応させ、置換イミノヒダントイン4−3を得る。Pd(OH)とHを使用して保護基を脱離し、4−4を得る。アルキル化又は還元アミノ化により更に処理すると、4−5型の例が得られる。場合によりPd(0)を使用して鈴木カップリングによりQRを更に処理した後、イミノヒダントインを加水分解すると、ヒダントイン生成物4−6が得られる。
【0079】
【化13】

【0080】
一般スキーム4と同様の使用可能な経路で更に直接的な例を一般スキーム5に示す。スキーム4で得られたストレッカー生成物の混合物を酸の存在下で環化すると、ヒダントイン生成物5−3が直接得られる。次に水素化等の適切な方法によりピペリジン窒素保護基を脱離した後、上記方法を使用して還元アミノ化やアルキル化等の適切な方法により窒素を誘導体化すると、生成物5−5が得られる。
【0081】
【化14】

一般スキーム6は先ずヒダントイン環形成を行った後にアルキンのパラジウム触媒カップリングにより6−1型の化合物を得る一般スキーム3の変形を示す。
【0082】
【化15】

【0083】
一般スキーム7は本発明に範囲に含まれる環状尿素及びカルバミン酸塩の製造を要約する。上記一般スキーム3に記載したJ.Cossy,et.al.Synlett 1998,251−252に記載の方法と同様に製造したストレッカー反応生成物を適切な還元剤(例えばDIBALやNaBH)又は適切な触媒(例えばラネーニッケルやロジウム)と水素で還元してアルコールとアミンの生成物を得、カルボニルジイミダゾールで環化すると、環状尿素又はカルバミン酸塩7−4が得られる。その後、尿素生成物をアルキルハロゲン化物と適切な塩基(例えばNaH)でアルキル化により更に官能化すると、生成物7−5が得られ、あるいはQRがベンジル等の脱離可能な基である場合には、適切な触媒とHを使用して還元により脱離し、生成物7−6を得、アルキル化すると、生成物7−7及び7−8が得られる。
【0084】
【化16】

【0085】
一般スキーム8はヒダントイン部分の窒素上に各種置換基をもつ化合物の製造を要約する。国際特許出願WO2007/011833に記載されているように合成したイミノヒダントイン8−1を酸水溶液と熱で処理し、ヒダントイン8−2を得る。次にこれをDMF等の適切な溶媒中で炭酸カリウム等の塩基とアルキルハロゲン化物等のアルキル化剤で処理すると、アルキル化生成物8−3が得られる。
【0086】
【化17】

【0087】
一般スキーム9はヒダントイン部分の窒素上に各種置換基をもつ化合物の別の製造方法を要約する。この方法では、DEADやトリフェニルホスフィン等の試薬を使用して(一般スキーム8に記載した)ヒダントイン8−2を光延反応条件下に適切なアルコールで処理し、生成物9−1を得る。
【0088】
【化18】

【0089】
一般スキーム10はヒダントイン部分の窒素上に各種置換基をもつ化合物の別の製造方法を要約する。この方法では、(一般スキーム8に記載した)ヒダントイン8−2を酢酸銅等の銅触媒の存在下に適切なボロン酸で処理し、N−アリール類似体10−1を得る。
【0090】
【化19】

【0091】
一般スキーム11はヒダントインの窒素とピペリジン窒素上に種々の置換基組み合わせをもつ化合物の別の製造方法を要約する。この方法では、(一般スキーム8に記載した)ヒダントイン8−2を炭酸カリウム等の適切な塩基とアルキル化剤で処理し、N−アルキル化中間体11−1を得る。次にピペリジン窒素上のベンジル基を水酸化パラジウム等のパラジウム触媒の存在下で水素化により脱離し、中間体11−2を得る。次にトリアセトキシ水素化ホウ素化物等の試薬を使用して還元アミノ化条件下にピペリジン窒素を適切なアルデヒドで処理し、生成物11−3を得る。
【0092】
【化20】

【0093】
一般スキーム12はヒダントインの窒素とピペリジン窒素上に種々の置換基組み合わせをもつ化合物の別の製造方法を要約するものであり、最終的にピペリジン置換基を組込むことができる。この方法では、(一般スキーム8に記載した)ヒダントイン8−2のピペリジン窒素上のベンジル基を水酸化パラジウム等のパラジウム触媒の存在下で水素化により脱離し、中間体12−1を得る。次にピペリジン窒素を適切なアルキル化剤で処理し、中間体12−2を得た後、炭酸カリウム等の適切な塩基とアルキル化剤で処理し、N−アルキル化中間体12−3を得る。
【0094】
【化21】

【0095】
一般スキーム13は本発明の範囲に含まれる化合物、特にフェニル基上にシアノ置換基をもつ化合物の別の製造方法を要約する。(3−シアノアニリンと条件Aを使用することによりWO2007/011833の実施例11−6に記載の方法と同様の方法で製造した)イミノヒダントイン13−1をHCl等の酸水溶液で酸加水分解した後、水酸化パラジウム等の触媒の存在下で水素化し、中間体13−3を得る。DIEA等の塩基を使用してピペリジン窒素をアルキル化した後に、KCO等の塩基を使用してヒダントイン窒素をアルキル化し、生成物13−5を得る。
【0096】
上記一般スキーム1〜13に記載した出発材料と試薬自体が市販されていない場合には、周知合成手順と下記実施例に開示する方法により市販前駆物質から得ることができる。
【0097】
「実質的に純粋」なる用語は当分野で公知の分析技術によりアッセイした場合に単離材料が少なくとも90%純粋、好ましくは95%純粋、より好ましくは99%純粋であることを意味する。
【0098】
「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。本発明の化合物は化合物の遊離塩基形態に存在する酸官能基数に応じてモノ、ジ又はトリス塩とすることができる。無機塩基から誘導される遊離塩基及び塩としてはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2種類以上の結晶構造で存在してもよいし、水和物形態でもよい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二及び第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0099】
本発明はβセクレターゼ酵素活性ないしβアミロイド前駆体蛋白質分解酵素(「BACE」)活性の阻害を必要とする哺乳動物等の患者又は対象における前記活性の阻害剤としての本明細書に開示する式(I)〜(IV)の化合物の使用に関し、治療有効量の前記化合物を投与することを含む。「βセクレターゼ酵素」、「βアミロイド前駆体蛋白質分解酵素」、及び「BACE」なる用語は本明細書では交換可能に使用する。ヒトに加え、他の各種哺乳動物も本発明の方法により治療することができる。
【0100】
本発明の化合物はアルツハイマー病の治療、改善、抑制又は危険低減に有用である。例えば、前記化合物はアルツハイマー型認知症の予防と、初期、中期又は後期アルツハイマー型認知症の治療に有用であると思われる。前記化合物はアミロイド前駆体蛋白質(別称APP)の異常切断により媒介される疾患、及びβセクレターゼの阻害により治療又は予防することができる他の病態の治療、改善、抑制又は危険低減にも有用であると思われる。このような病態としては軽度認知障害、トリソミー21(ダウン症候群)、脳アミロイド血管症、変性性認知症、オランダ型遺伝性アミロイド性脳出血(HCHWA−D)、クロイツェルフェルト・ヤコブ病、プリオン病、筋萎縮性側索硬化症、進行性核上麻痺、頭部外傷、脳卒中、膵炎、封入体筋炎、他の末梢アミロイド症、糖尿病及びアテローム性動脈硬化症が挙げられる。
【0101】
本発明の化合物を投与する対象又は患者は一般にβセクレターゼ酵素活性の阻害が所望される男性又は女性であるが、βセクレターゼ酵素活性の阻害又は上記疾患の治療が所望される他の哺乳動物(例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ、サル、チンパンジー又は他のサル類ないし霊長類)でもよい。
【0102】
本発明の化合物は薬剤を併用したほうが単剤よりも安全又は有効である場合には、本発明の化合物が有用である疾患又は病態の治療に1種類以上の他の薬剤と併用することができる。更に、本発明の化合物は本発明の化合物の副作用又は毒性を治療、予防、抑制、改善又は危険低減する1種類以上の他の薬剤と併用することもできる。このような他の薬剤はこのような用途に通常使用されている経路と量で本発明の化合物と同時又は順次投与することができる。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物以外に1種類以上の他の活性成分を含有するものを含む。併用剤は単位用量形態の併用製剤の一部として投与してもよいし、1種類以上の他の薬剤を治療レジメンの一部として別個の剤形で投与するキット又は治療プロトコールとして投与してもよい。
【0103】
単位用量又はキット形態の本発明の化合物と他の薬剤の併用剤の例としては例えば他のβセクレターゼ阻害剤又はγセクレターゼ阻害剤;グリシン輸送阻害剤;τリン酸化阻害剤;Aβオリゴマー形成阻害剤;p25/CDK5阻害剤;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;PPARγアゴニスト(例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾン);NK1/NK3受容体アンタゴニスト;NSAID(例えばイブプロフェン);ビタミンE;抗アミロイド抗体(例えば抗アミロイドヒト化モノクローナル抗体);COX−2阻害剤;抗炎症性化合物(例えば(R)−フルルビプロフェン);CB−1受容体アンタゴニスト又はCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質(例えばドキシサイクリン及びリファムピン);N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン及びネラメキサン);NR2Bアンタゴニスト;アンドロゲン受容体モジュレーター;アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン);mGluR5モジュレーター;成長ホルモン分泌促進剤(例えばイブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン);ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA逆アゴニスト;GABAα5受容体リガンド;GABA受容体リガンド;カリウムチャネル遮断薬;ニューロンニコチンアゴニスト;P−450阻害剤(例えばリトナビル)等のアルツハイマー治療薬との併用剤や、本発明の化合物の効力、安全性、利便性を増すか又は望ましくない副作用もしくは毒性を低減する受容体又は酵素に作用する他の薬剤との併用剤が挙げられる。上記に挙げた併用剤は例証に過ぎず、限定的ではない。
【0104】
本明細書で使用する「組成物」なる用語は規定量又は比率の特定成分を含有する製剤に加え、特定量の特定成分の配合により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。医薬組成物に関してこの用語は1種類以上の活性成分と場合により不活性成分を含むキャリヤーを含有する製剤に加え、成分の任意2種類以上の配合、錯化もしくは凝集、成分の1種類以上の解離、又は成分の1種類以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味するものとする。
【0105】
一般に、医薬組成物は活性成分を液体キャリヤー又は微粉状固体キャリヤー又は両者と均質混和した後に必要に応じて生成物を所望製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には、疾患の進行又は病態に所望効果を与えるために十分な量の(式(I)、(I’)、(II)、(II’)、(III)及び(III’)の)本発明の化合物である活性化合物が含有される。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを混合することにより製造される任意組成物を含む。
【0106】
キャリヤーは例えば経口又は非経口(静脈内を含む)等の投与に所望される製剤形態に応じて多様な形態をとることができる。従って、本発明の医薬組成物は規定量の活性成分を各々含有するカプセル剤、カシェ剤又は錠剤等の経口投与に適した分離単位形態とすることができる。更に、組成物は散剤、顆粒剤、溶液剤、水性液体懸濁液剤、非水性液剤、水中油エマルション又は油中水液体エマルションとすることができる。上記一般剤形に加え、本発明の化合物は制御放出手段及び/又は送達装置により投与することもできる。
【0107】
経口用医薬組成物は医薬組成物の製造に当分野で公知の任意方法により製造することができ、このような組成物は医薬的にエレガントで口当たりのよい製剤にするために甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤から構成される群から選択される1種類以上の添加剤を添加することができる。錠剤は錠剤の製造に適した医薬的に許容可能な非毒性賦形剤との混合物として本発明の組成物を含有することができる。これらの賦形剤としては例えば不活性希釈剤(例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム);顆粒化剤及び崩壊剤(例えばコーンスターチ又はアルギン酸);結合剤(例えば澱粉、ゼラチン又はアラビアガム)及び滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)が挙げられる。錠剤はコーティングしなくてもよいし、胃腸管での崩壊と吸収を遅らせることにより長時間持続作用を提供するように公知技術によりコーティングしてもよい。
【0108】
本発明の組成物を含有する錠剤は場合により1種類以上の補助成分又はアジュバントを加えて圧縮又は成形により製造することができる。圧縮錠剤は散剤や顆粒剤等の自由流動形態の本発明の化合物を場合により結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤又は分散剤と混合し、適当な機械で圧縮することにより製造することができる。成形錠剤は不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化合物の混合物を適当な機械で成形することにより製造することができる。各錠剤は活性成分約0.1mg〜約500mgを含有することが好ましく、各カシェ剤又はカプセル剤は本発明の化合物約0.1mg〜約500mgを含有することが好ましい。
【0109】
経口用組成物は本発明の化合物を不活性固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合したハードゼラチンカプセルの形態でもよいし、本発明の化合物を水又は油性媒体(例えば落花生油、流動パラフィン又はオリーブ油)と混合したソフトゼラチンカプセルの形態でもよい。
【0110】
他の医薬組成物としては、水性懸濁液剤の製造に適した賦形剤との混合物として活性材料を含有する水性懸濁液剤が挙げられる。更に、植物油(例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はココナツ油)又は鉱油(例えば流動パラフィン)に本発明の化合物を懸濁することにより油性懸濁液剤を製造することもできる。油性懸濁液剤には更に各種賦形剤を添加することができる。本発明の医薬組成物は水中油エマルションの形態でもよく、その場合には甘味剤や香味剤等の賦形剤を添加することができる。
【0111】
医薬組成物は注射用滅菌水性又は油性懸濁液の形態でもよいし、このような滅菌注射溶液又は分散液の即席調製用滅菌粉末の形態でもよい。いずれの場合も、最終注射剤形態は無菌でなければならず、注射針を通過し易いように十分に流動性でなければならない。医薬組成物は製造及び貯蔵条件下で安定でなければならないので、細菌や真菌等の微生物の汚染作用から保護することが好ましい。
【0112】
本発明の医薬組成物は例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローション、散布剤等の局所用に適した形態でもよい。更に、組成物は経皮装置で使用するのに適した形態でもよい。これらの製剤は慣用加工法により製造することができる。1例として、クリーム又は軟膏は親水性材料と水を本発明の化合物約5重量%〜約10重量%と混合して所望コンシステンシーのクリーム又は軟膏とすることにより製造される。
【0113】
本発明の医薬組成物はキャリヤーを固体とする直腸投与に適した形態でもよい。混合物は単位用量座剤を形成することが好ましい。適切なキャリヤーとしてはカカオバターや当分野で一般に使用されている他の材料が挙げられる。
【0114】
「医薬的に許容可能」とはキャリヤー、希釈剤又は賦形剤が製剤の他の成分と適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0115】
化合物「の投与」又は「を投与する」なる用語は治療に有用な形態と治療に有用な量で個体の体内に導入可能な形態で治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味し、限定されないが、経口剤形(例えば錠剤、カプセル剤、シロップ、懸濁液剤等);注射剤形(例えばIV、IM又はIP等);経皮剤形(例えばクリーム、ゼリー、散剤又はパッチ);口腔剤形;吸入用散剤、スプレー、懸濁液剤等;及び直腸座剤が挙げられる。
【0116】
「有効量」又は「治療有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する該当化合物の量を意味する。
【0117】
本明細書で使用する「治療」又は「治療する」なる用語は本発明の化合物の任意投与を意味し、(1)疾患の病理又は症候を発生又は呈示している動物において疾患を抑える(即ち病理及び/又は症候の更なる進行を阻止する)か、あるいは(2)疾患の病理又は症候を発生又は呈示している動物において疾患を改善する(即ち病理及び/又は症候を好転させる)ことを含む。「抑制」なる用語は抑制する病態を予防、治療、根絶、改善又は他の方法でその重篤度を低減することを含む。
【0118】
本発明の化合物を含有する組成物は単位用量形態とすると簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。「単位用量形態」なる用語は患者又は薬剤を患者に投与する者が全用量を収容した単一容器又はパッケージを開封することができ、2個以上の容器又はパッケージからの成分を混合する必要がないように、全活性成分及び不活性成分を適切なシステムに一体にした単一用量を意味する。単位用量形態の典型例は経口投与用錠剤もしくはカプセル剤、注射用単一用量バイアル、又は直腸投与用座剤である。前記に挙げた単位用量形態は限定的ではなく、単位用量形態の典型例に過ぎない。
【0119】
本発明の化合物を含有する組成物はキット形態とし、活性成分又は不活性成分、キャリヤー、希釈剤等であり得る2種類以上の成分に加え、患者又は薬剤を患者に投与する者が実際の剤形を調製するための説明書を添付すると簡便である。このようなキットは必要な全材料及び成分をキットに同梱してもよいし、材料又は成分を使用又は調製するための説明書は患者又は薬剤を患者に投与する者が別に入手するようにしてもよい。
【0120】
アルツハイマー病又は本発明の化合物の適応症である他の疾患を治療、改善、抑制又は危険低減する場合には、1日用量約0.1mg〜約100mg/kg動物体重の本発明の化合物を好ましくは1日1回又は1日2〜6回に分けるか又は持続放出形態で投与すると一般に満足な結果が得られる。合計1日用量は約1.0mg〜約2000mg、好ましくは約0.1mg〜約20mg/kg体重である。体重70kgの成人の場合、合計1日用量は一般に約7mg〜約1,400mgとなる。最適治療応答が得られるようにこの投与レジメンを調節することができる。1日1〜4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで化合物を投与することができる。
【0121】
単一用量形態を製造するためにキャリヤー材料と配合することができる本発明の化合物の量は治療する宿主と特定投与方法により異なる。例えば、ヒト経口投与用製剤は本発明の化合物約0.005mg〜約2.5gを妥当且つ適切な量のキャリヤー材料と配合すると適切であると思われる。単位用量形態は一般に本発明の化合物約0.005mg〜約1000mg、一般には0.005mg、0.01mg、0.05mg、0.25mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mg又は1000mgを含有しており、1日1回、2回又は3回投与する。
【0122】
しかし、当然のことながら、任意特定患者の特定用量レベル及び投与頻度は変えることができ、使用する特定化合物の活性、この化合物の代謝安定性と作用期間、年齢、体重、一般健康状態、性別、食事、投与方法及び時間、排泄速度、薬剤併用、特定病態の重篤度、並びに宿主の施療中の治療等の種々の因子によって異なる。
【0123】
βセクレターゼ酵素活性阻害剤としての本発明の化合物の有用性は当分野で公知の方法により立証することができる。酵素阻害は以下のように測定する。
【0124】
ECLアッセイ:ビオチン化BACE基質を使用して均一エンドポイント電気化学発光(ECL)アッセイを実施する。基質のKmは100μMを上回り、基質の溶解限度により測定できない。典型的反応は約0.1nM酵素、0.25μM基質及び緩衝液(50mM NaOAc,pH4.5,0.1mg/ml BSA,0.2%CHAPS,15mM EDTA及び1mMデフェロキサミン)で総反応容量100μLとする。反応は30分間進行させた後に、1M Tris−HCl(pH8.0)25μLを加えることにより停止する。得られた酵素生成物のC末端残基を特異的に認識するルテニル化抗体を加えることにより、生成物をアッセイする。ストレプトアビジンをコーティングした磁性ビーズを溶液に加え、サンプルをM−384(Igen Inc.,Gaithersburg,MD)分析に付す。これらの条件下で、基質の10%未満がBACE1によりプロセシングされる。これらの試験で使用する酵素はバキュロウイルス発現システムで産生された可溶性(膜貫通ドメインと細胞質延長部を除く)ヒト蛋白質とする。化合物の阻害能を測定するために、100μMから出発して3倍系列希釈で12種類の濃度の阻害剤を調製する。阻害剤のDMSO溶液を反応混合物に加える(最終DMSO濃度は10%とする)。全実験は上記標準反応条件を使用して室温で実施する。化合物のIC50を測定するために、4パラメーター式を曲線フィットに使用する。解離定数の再現誤差は一般に2倍未満である。
【0125】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイでβセクレターゼ酵素を阻害する活性をもち、一般にIC50は約1nM〜200μMであった。このような結果から、これらの化合物はβセクレターゼ酵素活性の阻害剤として使用した場合に固有活性を示すと考えられる。
【0126】
本明細書では本発明の化合物の数種類の製造方法をスキームと実施例で例証する。出発材料は当分野で公知の手順又は本明細書に例証する手順により製造する。本発明を更に十分に理解できるように、以下に実施例を記載する。これらの実施例は例証に過ぎず、本発明を限定するものとみなすべきではない。
【0127】
(中間体)
【0128】
【化22】

【0129】
ステップ1:ジメチルアミン塩酸(0.620g,2.0当量)とピリジン(1.55ml,5.0当量)の0℃のDCM(15ml)溶液に撹拌下にIA(1.03g,0.00383mmol)を加えた。しばらく撹拌後に反応混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。混合物をEtO/飽和NaHCO水溶液で2回、EtO/NaHPO水溶液(pH=3〜4)で2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、IBを得た。EI−MS m/z:278,280(M+H)
【0130】
ステップ2:IB(0.253g,0.910mol)と、KOAc(0.268g,3.0当量)と、ID(0.208g,0.9当量)と、PdCl(dppf)(0.074g,0.1当量)を丸底フラスコに加えた。次にN保護下に無水DMF(5ml)を加えた。得られた混合物をしばらく撹拌し、80℃油浴に入れた。反応をLCMSにより追跡した。完了したら(2〜4時間)、反応混合物をEtOAc/水で3回又は4回抽出し、ブラインで2回洗浄した。得られたEtOAc溶液をMgSOで乾燥し、濃縮し、粗製の中間体Iを得た。EI−MS m/z:326(M+H)
【0131】
【化23】

【0132】
ステップ1:ジメチルアミン塩酸(2.330g,1.5当量)とピリジン(8.0ml,5.2当量)の0℃のDCM(25ml)溶液に撹拌下にIIA(4.874g,0.0191mmol)を加えた。しばらく撹拌後に反応混合物を室温まで昇温し、反応をLCMSにより追跡した。完了したら(約3時間)、混合物をEtO/飽和NaHCO水溶液で2回、EtO/NaHPO水溶液(pH=3〜4)で2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、IIBを得た。EI−MS m/z:266,264(M+H)
【0133】
ステップ2:IIB(3.21g,0.0122mol)と、KOAc(3.58g,3.0当量)と、IID(4.01g,1.3当量)と、PdCl(dppf)(0.993g,0.1当量)を丸底フラスコに加えた。次にN保護下に無水DMF(60ml)を加えた。得られた混合物をしばらく撹拌し、80℃油浴に入れた。反応をLCMSにより追跡した。完了したら(2〜4時間)、反応混合物をEtOAc/水で3回又は4回抽出し、ブラインで2回洗浄した。得られたEtOAc溶液をMgSOで乾燥し、濃縮し、粗製のIICを得た。EI−MS m/z:312(M+H)
【0134】
粗製のIIC(4.80g,0.0122mol)と、IIE(3.01g,1.3当量)と、Pd(PPh(1.41g,0.1当量)と、NaCO(7.76g,6.0当量)と、ベンゼン(32ml)と、HO(16ml)と、EtOH(4ml)を混合した。混合物を60℃に一晩加熱撹拌した。混合物が冷却したら、混合物を濾過した。固形分を水とEtOで洗浄した。有機相を濃縮し、加熱下にベンゼンに再溶解させ、ヘキサンを添加して沈殿させ、DCMで洗浄し、2バッチの固形分を合わせて中間体IIを得た。EI−MS m/z:295(M+H)
【0135】
【化24】

【0136】
ステップ1:4−ブロモベンゼンスルホニルクロライド(2.5g,10.0mmol)の0℃のTHF(50.0mL)溶液に撹拌下に2MジメチルアミンTHF溶液10.0mLを加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌後、水でクエンチした。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、水、1N HCl及びブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、IIIAを白色固体として得、精製せずに次の反応段階に使用した。EI−MS m/z:264.00(M+H)
【0137】
ステップ2:IIIA(2.4g,9.0mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン(2.5g,10.0mmol)と、リン酸カリウム(42.5g,20.0mmol)をDMF 50mLに加えた混合物を窒素ガスでパージした後、PdCl(dppf)(4.0g,5.6mmol)を加えた。溶液を3時間80℃に加熱し、室温まで冷却し、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム及びブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc−Hex 1:1)により精製し、中間体IIIをオフホワイト固体として得た。EI−MS m/z:312.15(M+H)
【0138】
【化25】

【0139】
ステップ1:4−ブロモ−2−メチル安息香酸(0.43g,2.0mmol)のTHF(10.0mL)溶液に撹拌下にカルボニルジイミダゾール(0.356g,2.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で5分間撹拌後、ジメチルアミン塩酸塩(0.179g,2.2mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(0.56mL,4.0mmol)を加えた。溶液を室温で3時間撹拌後、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム、1N HCl及びブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、IVAを白色固体として得、精製せずに次段階に使用した。EI−MS m/z:244.0.5(M+H)
【0140】
ステップ2:IVA(0.376g,1.55mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン(0.472g,1.86mmol)と、酢酸カリウム(0.761g,7.75mmol)をDMF 6.0mLに加えた混合物を窒素ガスでパージした後、PdCl(dppf)(340.0mg,0.465mmol)を加えた。溶液を3時間80℃に加熱し、室温まで冷却した後、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc−Hex 1:1)により精製し、中間体IVをオフホワイト固体として得た。EI−MS m/z:290.25(M+H)
【0141】
【化26】

【0142】
ステップ1:5−ブロモチオフェン−2−スルホニルクロライド(1.05g,4.0mmol)を0℃のTHF 20.0mLに溶かした溶液に撹拌下に2MジメチルアミンTHF溶液4.0mLを加えた。溶液を室温で3時間撹拌後、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水、1N HCl及びブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、VAを固体として得、精製せずに次の反応段階に使用した。EI−MS m/z:271.95(M+H)
【0143】
ステップ2:2−ブロモ−5−フルオロフェニルアミン(380.0mg,2.0mmol)と、ビス(ピナコラート)ジボロン(559.0mg,2.2mmol)と、酢酸カリウム(981.0mg,10.0mmol)をDMF 10.0mLに加えた混合物を窒素ガスでパージした後、PdCl(dppf)(292.4.0mg,0.4mmol)を加えた。溶液を80℃に3時間加熱し、室温まで冷却した。得られた反応混合物にDMF 5.0mLと、化合物VA(810.0mg,3.0mmol)と、2M KCO 5.0mLを加え、窒素ガスでパージした後、PdCl(dppf)(292.4.0mg,0.4mmol)を加えた。反応混合物を3時間80℃に加熱し、室温まで冷却し、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水、飽和炭酸水素ナトリウム、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc−Hex 3:7)により精製し、中間体Vを油状残渣として得た。EI−MS m/z:301.05(M+H)
【0144】
【化27】

【0145】
ステップ1:1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−オン(中間体VI)
1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(3.5ml,27.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(200ml)懸濁液に2’−メチルビフェニル−3−カルボアルデヒド(5.0g,25.5mmol)と酢酸(1ml)を加えた。反応混合物を1時間室温で撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(10.8g,51.0mmol)を反応混合物に加え、混合物を18時間室温で撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム溶液の添加により反応混合物をクエンチし、ジクロロメタンで希釈し、1時間激しく撹拌した。有機部分を分離し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗油状物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,5%メタノール/DCM)により精製し、8−[2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン(54%)を得た。この材料を濃HCl(5.0ml)に溶解させ、室温で12時間、次いで還流下に2日間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。生成物をジクロロメタンで抽出し、有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。この材料をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル,0−5%メタノール/ジクロロメタン)により精製し、1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−オンを得た。
【0146】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39(m,1H),7.33(m,2H),7.26(m,5H),3.68(s,2H),2.78(t,J=6.0Hz,4H),2.46(t,J=6.2Hz,4H),2.28(s,3H).LCMS(M+H)280.2。
【0147】
(実施例1)
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0148】
【化28】

【0149】
ステップ1;tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−4−{[(トリメチルシリル)メチル]アミノ}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート(1−1)
N−bocピペリジノン2.0g(10.0mmol)とトリメチルシリルメチルイソシアネート1.35ml(9.5mmol)のMeOH懸濁液4mLにイソシアン化カリウム1.02g(12.5mmol)のHO(2.1mL)溶液を撹拌下に一度に加えた後、3−フルオロアニリン塩酸塩1.48g(10.0mmol)を5分間かけて少量ずつ加えた。2時間撹拌後、反応混合物をCHCl 250mlで処理した。有機層を水(2×50ml)、ブライン(1×50ml)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮乾涸し、粗油状物を得た。自動フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中0−5.5%MeOH,28分間)により精製し、tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−4−{[(トリメチルシリル)メチル]アミノ}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート1.04gを白色固体として得た。エレクトロスプレー質量分析:M+H=449.2。
【0150】
ステップ2:tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート(1−2)
tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−2−オキソ−4−{[(トリメチルシリル)メチル]アミノ}−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート1.04g(2.41mmol)のTHF溶液50mlに1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウムTHF溶液3.61mL(3.61mmol)を5分間かけて加え、反応混合物を一晩で60℃まで昇温した。反応混合物を減圧濃縮乾涸し、残渣をCHCl 100mLで処理した。有機層を水(1×25mL)、ブライン(1×25mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮乾涸し、粗油状物を得た。自動フラッシュクロマトグラフィー(CHCl中0−7.5%MeOH,25分間)により精製し、tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート0.854gを白色固体として得た。高分解能質量分析(FT/ICR):計算値M+H=377.1984,実測値377.2010。
【0151】
ステップ3:1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアンモニオ)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩(1−3)
tert−ブチル1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート834mg(2.21mmol)の0℃のEtOAc(10mL)懸濁液に溶媒が飽和するまでHClガスをバブリングした。反応混合物を冷所で30分間撹拌し、減圧濃縮した。固体残渣を再濃縮乾涸(2×エチルエーテル)し、高減圧下に乾燥し、1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンを微粉白色固体状のその二塩酸塩として得た。高分解能質量分析(FT/ICR):計算値M+H(遊離塩基)=277.1459,実測値277.1465。
【0152】
ステップ4:1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例1)
1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアンモニオ)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エン二塩酸塩35mg(0.100mmol)と、ジイソプロピルエチルアミン26uL(0.150mmol)と、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム30mg(0.140mmol)のDCE(1.0mL)懸濁液に2’−メチル−(1,1’−ビフェニル)−3−カルボアルデヒド(Oakwood Products Inc.)20mgを加えた。得られた不均一混合物を窒素雰囲気下に室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO(水溶液)20uLで処理し、減圧濃縮した。残渣を分取HPLC(5→95%CHCN/HO,30分間,0.05%TFA添加,C18 PRO YMC 20×150mm)により精製し、0.05%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル水溶液中の溶液として1−(3−フルオロフェニル)−4−(メチルアミノ)−8−[(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(1−4,エレクトロスプレー質量分析:M+H=457.2)を得、この溶液を60℃に48時間加熱することにより1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチル−1,1’−ビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオンに変換した。凍結乾燥し、標記化合物のモノフルオロ酢酸塩として白色固体を得た。
【0153】
H NMR(CDODにKCO(s)1〜4mgを添加,400MHz):δ7.48(m,1H),7.35(m,1H),7.21(m,7H),7.10(m,3H),3.58(s,2H),2.86(m,2H),2.75(m,2H),2.19(s,3H),2.02(m,2H),1.91(m,2H).高分解能質量分析(FT/ICR):計算値M+H(遊離塩基)=444.2082,実測値444.2125。
【0154】
(実施例2)
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−n,n,3−トリメチルビフェニル−4−スルホンアミド
【0155】
【化29】

【0156】
ステップ1:化合物2A(0.0950g,0.166mmol,国際特許公開WO2006/044497の化合物15−1)と、中間体I(0.131g,2.0当量)と、パラジウム触媒(AcO)Pd(CyNH)(0.0200g,0.65当量)と、KPO(0.0340g,3.0当量)を1ドラムバイアルに配量した。磁気撹拌棒を加えた後、無水エタノール(1mL)を加えた。バイアルにキャップを取り付け、ホットプレート上の80℃アルミニウムブロック内で撹拌した。反応混合物が黒色パラジウム沈殿を示したら(数時間)、反応混合物を室温まで冷却した。次に反応混合物をセライトで濾過し、得られた溶液をHPLCにより精製し、化合物2Bを得た。EI−MS m/z:690(M+H)
【0157】
化合物2B(0.020g,0.0290mmol)と、1M HCl水溶液(5ml)と、THF(1ml)を加えた。得られた混合物を80℃に一晩加熱撹拌した。混合物をEtOAc/飽和NaHCO水溶液で2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、HPLCにより精製し、実施例2を得た。EI−MS m/z:609(M+H)
【0158】
(実施例3〜5)
1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例3)
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド(実施例4)
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド(実施例5)
【0159】
【化30】

【0160】
ステップ3:中間体II(2.80g,0.00951mol)と、化合物3A(国際特許公開WO2006/044497の実施例14−4)(2.77g,1.1当量)と、HOAc(78ml)を混合し、固形分が溶解するまで60℃に加熱した。反応混合物を冷却した。シアン化トリメチルシリル(3.80ml,3.0当量)を0℃で滴下した。次に反応混合物を室温まで昇温し、一晩撹拌した。pHが10になるまで反応混合物を氷中の水酸化アンモニウムでクエンチした後、濾過した。固形分を水とEtOで洗浄し、40℃で減圧乾燥し、化合物3Bを得た。EI−MS m/z:295(M+H)
【0161】
ステップ4:化合物3B(0.250g,0.454mmol)のDCM(3ml)溶液に0℃でクロロスルホニルイソシアネート(0.043ml,1.1当量)を滴下した。混合物を室温で35分間撹拌した。次に水(1ml)を加えた。反応混合物を1時間撹拌した。1M HCl水溶液(9ml)とTHF(1〜2ml)を加え、得られた混合物を60℃に2日間加熱撹拌した。混合物をEtOAc/飽和NaHCOa水溶液で2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、HPLCにより精製し、実施例3を得た。EI−MS m/z:595(M+H)
【0162】
ステップ5:実施例3(0.020g,0.0336mmol)のDMF(1.5ml)溶液に0℃で撹拌下にNaH(60%鉱油分散液)(0.013g,10当量)を加えた。次にMeI(0.0020ml,1.0当量)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、更に30分間撹拌後、飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOで2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、分取TLC(MeOH/DCM中0.8%2Mアンモニア)により精製し、実施例4を得た。EI−MS m/z:609(M+H)
【0163】
ステップ6:実施例3(0.020g,0.0336mmol)のDMF(1.5ml)溶液に0℃で撹拌下にNaH(60%鉱油分散液)(0.013g,10当量)を加えた。次にPrI(0.0048ml,1.0当量)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、更に30分間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOで2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、分取TLC(MeOH/DCM中0.5%2Mアンモニア)により精製し、実施例5を得た。EI−MS m/z:637(M+H)
【0164】
(実施例6)
1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例3の代替製法)
【0165】
【化31】

【0166】
4−(シクロヘキシルアミノ)−1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デク−3−エントリフルオロ酢酸塩(先に国際特許公開WO2006/044497,実施例15−2に記載したように製造した6A TFA塩)(96.0mg,0.122mmol,1.0当量)をバイアルでアセトニトリル(2mL)と水(1mL)の混液に溶解させた。TFA(0.10mL)を加え、LCMSが出発材料(M+H)イオンの消滅を示すまで反応混合物を90℃のアルミニウムブロック内で3時間加熱した。次に反応混合物を室温まで冷却し、アセトニトリル/水中で逆相HPLCにより直接精製し、所望のスピロ環状の実施例6(27.9mg,32%)をそのTFA塩として得た。EI−MS m/z:595(M+H)
【0167】
(実施例7)
8−ベンジル−1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0168】
【化32】

【0169】
ステップ3:アミン7A(国際特許公開WO2006/044497の実施例15−46)(84.7mg,0.2mmol)のDMF(2.0mL)溶液に炭酸カリウム(30.4mg,0.22mmol)を加えた後に臭化ベンジル(27.0μL,0.22mmol)を加えた。溶液を80℃に15時間加熱し、室温まで冷却後、水でクエンチした。生成物を酢酸エチルで3回抽出し、水とブラインで洗浄した。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%EtOAc)により精製し、7Bを得た。EI−MS m/z:513.15(M+H)
【0170】
ステップ4:7B(50.2mg,0.1mmol)と、中間体III(62.2mg,0.2mmol)と、リン酸カリウム(43.6mg,0.2mmol)をエタノール2.0mLに加えた混合物を窒素ガスでパージした後、DAPCy(58.6mg,0.1mmol)を加えた。溶液を80℃に一晩又は化合物7Bが完全に消滅するまで(LCMSによりモニター)加熱した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、7Cをアミン−TFA塩として得た。EI−MS m/z:618.30(M+H)
【0171】
ステップ5:化合物7C(10.0mg,0.014mmol)を1M HCl 1.0mLに懸濁した懸濁液を80℃に一晩加熱した。最終生成物を分取HPLCにより精製し、実施例7をアミン−TFA塩として得た。
【0172】
H NMR(CDOD):δppm 0.94(d,J=14.67Hz,1H),1.45(m,1H,)1.94(m,1H),2.38(d,J=14.67Hz,1H),2.69(s,6H),3.14(d,J=13.21Hz,1H),3.51(m,3H)4.24(s,2H),7.43(m,6H),7.65(d,J=7.83Hz,3H),7.83(d,J=8.31Hz,2H).EI−MS m/z:537.15(M+H)
【0173】
(実施例8)
1−{4’−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−4−フルオロ−3’−メチルビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0174】
【化33】

【0175】
ステップ1:8A(実施例2の化合物2A)(60.0mg,0.1mmol)と、中間体IV(31.9mg,0.11mmol)と、リン酸カリウム(42.5mg,0.2mmol)をエタノール2.0mLに加えた混合物を窒素ガスでパージした後、DAPCy(29.0mg,0.05mmol)を加えた。化合物8Aが完全に消滅するまで(LCMSによりモニター)溶液を80℃に加熱した。粗製の反応混合物を分取HPLCにより精製し、8Bをアミン−TFA塩として得た。EI−MS m/z:654.30(M+H)
【0176】
ステップ4:化合物8B(10.0mg,0.013mmol)を1M HCl 1.0mLに懸濁した懸濁液を80℃に一晩加熱した。最終生成物を分取HPLCにより精製し、実施例8をアミン−TFA塩として得た。
【0177】
H NMR(CDOD):δppm 1.01(d,J=14.67Hz,1H),1.29(s,6H),1.45(m,14.18Hz,1H),1.97(t,J=13.94Hz,1H),2.26(s,3H),2.36(d,J=15.65Hz,1H),2.88(s,3H),3.13(s,4H),3.47(m,2H),3.60(t,J=12.72Hz,1H),4.20(s,2H),4.60(s,1H),6.97(m,3H),7.32(m,6H),7.60(s,1H).EI−MS m/z:573.3(M+H)
【0178】
(実施例9)
1−(2−{5−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−2−チエニル}−5−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0179】
【化34】

【0180】
ステップ1:1−(3−イソプロポキシベンジル)−ピペリジン−4−オン(国際特許公開WO2006/044497の実施例14−4)(79.5mg,0.3mmol)と中間体V(99.4mg,0.33mmol)の氷酢酸(1.5mL)溶液に氷冷下にシアン化トリメチルシリル(44.0μL,0.33mmol)をゆっくりと加えた。反応混合物を0℃に5分間維持した後、室温に30分間維持した。得られた混合物をpHが10になるまで氷中の水酸化アンモニウムでクエンチした後、ジクロロメタンで2回抽出した。ジクロロメタン抽出層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。生成物をシリカゲルカラム(40%酢酸エチル/60%ヘキサン)により精製し、9Aを油状残渣として得た。EI−MS m/z:557.25(M+H)
【0181】
ステップ4:9A(108.4mg,0.19mmol)をクロロホルム1.0mLに溶かした溶液に氷冷下にクロロスルホニルイソシアネート(49.7μL,0.22mmol)を滴下し、室温で30分間撹拌後、水0.50mLを加えた。反応混合物を更に1時間室温で撹拌後、使用直前に調製したHS水溶液(NaS 156.1mg+HO 4.0mL+酢酸1.0mL)に氷冷下に加えた。得られた反応混合物を室温で24時間撹拌後、1N HCl 1.0mLで80℃にて5時間加水分解した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で塩基性化し、酢酸エチルで2回抽出した。抽出層を合わせてブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。最終生成物を分取HPLCにより精製し、実施例9をアミン−TFA塩として得た。
【0182】
H NMR(CDOD):δppm 1.30(d,J=5.38Hz,6H),1.42(d,J=14.67Hz,1H),1.63(m,1H),2.05(m,1H),2.44(d,J=14.67Hz,1H),3.25(s,1H),3.47(d,J=13.21Hz,1H),3.62(m,2H),4.24(s,2H),4.61(m,1H),6.98(m,3H),7.33(m,3H),7.45(t,J=8.07Hz,1H),7.59(s,1H),7.79(m,1H).EI−MS m/z:601.20(M+H)
【0183】
以下の実施例はクロロスルホニルイソシアネートと水で処理後に反応混合物をHClで処理してヒダントイン生成物を得た以外は実施例9及び10に記載した手順と同様の手順を使用し、1−(3−イソプロポキシベンジル)−ピペリジン−4−オン(国際特許公開WO2006/044497の実施例14−4)、1−ベンジル−2−メチルピペリジン−4−オン又は1−(3−イソプロポキシベンジル)−2−メチルピペリジン−4−オン(国際特許出願WO2007/011833,出願日2006年7月14日の中間体I及びII)を出発材料として製造した。場合によっては、ラセミ混合物をキラルHPLCにより分割し、純エナンチオマー最終生成物を得た。実施例16はPd(tBuP)、CuI、DIEAをジオキサン中で使用してN−メチル−N−プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホンアミド(J.Med.Chem.1988,31 577−582)と実施例14をパラジウム触媒によりカップリングすることにより製造した。
【0184】
【表1】


【0185】
(実施例16A)
実施例16の代替製法
【0186】
【化35】

【0187】
ステップ1:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16)
(5R,7S)−4−(シクロヘキシルアミノ)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オンのビスリン酸塩(中間体VII,国際特許出願WO2007/011833,10.0g,14.2mmol)のCHCN(25mL)溶液にHCl水溶液(4N,25mL)を加えた。反応混合物を窒素パージし、密閉し、350mL密閉管で90℃に加熱した。2日後に、反応混合物を濃縮し、EtOAcと飽和NaHCO水溶液に分配した。EtOAc抽出層をブラインで洗浄し、無水NaSOを使用して乾燥し、減圧濃縮し、所望生成物を得た。HRMS(M+1)=426.28。
【0188】
(実施例17)
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
【0189】
【化36】

【0190】
ステップ1:17B:(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−(4’−ブロモ−4−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル
1−ベンジル−2−メチルピペリジン−4−オン(国際特許出願WO2007/011833の中間体I,4.30g,21.2mmol)の0℃の酢酸(20ml)溶液に2−ブロモ−4−フルオロアニリン(4.02g,21.2mmol)とシアン化トリメチルシリル(2.82ml,21.2mmol)を加えた。反応混合物を室温まで昇温後、70℃まで加熱した。48時間後に反応混合物に更にシアン化トリメチルシリル(2.82ml,21.2mmol)を加えた。反応混合物を70℃まで加熱し、7日間撹拌した。反応混合物を冷水酸化アンモニウムと砕氷に注ぎ、pH10に調整した。生成物をジクロロメタン(3×50ml)で抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧濃縮した。粗油状物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ,0−20%EtOAc/ヘキサン)により精製し、(5R,7R)−(5S,7S)及び(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−(4’−ブロモ−4−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリルの両者を単離した。
【0191】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.39(dd,J=8.8,6.0Hz,1H),7.26(m,5H),6.84(dd,J=10.8,2.8Hz,1H),6.44(td,J=8.2,2.4Hz,1H),4.48(s,1H),4.09(d,J=14.4Hz,1H),3.08(d,J=13.6Hz,1H),2.64(m,1H),2.55(m,1H),2.32(dt,J=14.0,2.8Hz,1H),2.27(dt,J=11.5,2.9Hz,1H),2.08(m,3H),1.22(d,J=6.4Hz,3H).LCMS(M+H)401.9。
【0192】
ステップ2:17C:(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル
(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−(4’−ブロモ−4−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル(17B,100mg,0.25mmol)のDMF/水(80/20v/v,0.6ml)溶液に窒素雰囲気下で4−(メタンスルホニル)フェニルボロン酸(74.7mg,0.37mmol)と、トリス(4,6−ジメチル−3−スルファナトフェニル)ホスフィン三ナトリウム塩水和物(24.4mg,0.04mmol)と、酢酸パラジウム(II)(2.8mg,0.01mmol)と、ジイソプロピルアミン(0.1ml,0.75mmol)を加えた。反応混合物を素早くボルテックスして触媒を溶解させ、40℃で18時間撹拌した。反応混合物を逆相クロマトグラフィーにより精製し、(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリルを得た。
【0193】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.96(d,J=8.0Hz,2H),7.47(d,J=8.0Hz,2H),7.32(m,3H),7.25(m,2H),7.04(dd,J=8.4,6.4Hz,1H),6.85(dd,J=11.2,2.4Hz,1H),6.62(td,J=8.2,2.3Hz,1H),3.97(d,J=13.6Hz,1H),3.68(s,1H),3.23(d,J=13.2Hz,1H),3.11(s,3H),2.62(dt,J=12.3,3.1Hz,1H),2.24(m,3H),2.10(dt,J=12.9,3.7Hz,1H),1.99(m,2H),1.20(d,J=5.6Hz,3H).LCMS(M+H)478.0。
【0194】
ステップ3:実施例17:(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
(5R,7S)−(5S,7R)−1−ベンジル−4−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル(17C,19.0mg,0.04mmol)のジクロロメタン(0.5ml)溶液にクロロスルホニルイソシアネート(5.7mg,0.04mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌後、濃縮した。残渣を1N HClに溶解させ、反応混合物を100℃に1時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、5N NaOHの添加によりpH5.5に調整した。粗材料を逆相クロマトグラフィーにより精製し、(5R,7S),(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンを得た。
【0195】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.00(d,J=8.4Hz,1.1H),7.92(d,J=8.4Hz,0.9H),7.61(d,J=8.4Hz,1.1H),7.52(d,J=8.4Hz,0.9H),7.37(dd,J=8.8,6.0Hz,0.7H),7.26(m,5H),7.09(m,2.3H),3.80(d,J=9.6Hz,0.4H),3.76(d,J=14.8Hz,0.6H),3.64(s,1H),3.15(d,J=14.0Hz,0.4H),3.12(s,1.8H),3.08(s,1.2H),3.02(d,J=13.6Hz,0.6H),2.56(m,0.8H),2.08(m,0.9H),1.60(t,J=13.2Hz,1.4H),1.49(m,0.6H),1.13(d,J=5.6Hz,1.3H),0.78(d,J=6.4Hz,1.7H),0.55(m,1H).HRMS(ES,M+H),C2828FNSの計算値:522.1858,実測値:522.1844。
【0196】
(実施例18)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
【0197】
【化37】

【0198】
ステップ1:ベンジル(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート(18B)
ベンジル(5R,7S)−4−アミノ−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート(343mg,0.86mmol;国際特許出願WO2007/011833の実施例11に記載の中間体11−6)を入れたフラスコにメチルアミン(2.0M THF,4.3mL,8.6mmol)を加えた。容器を密栓し、70℃油浴に入れ、一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO水溶液で希釈し、EtOAcで(3回)抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、単離後、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、更に減圧乾燥して粗生成物を得、次段階で使用した。LCMS[M+H]=411.2。
【0199】
ステップ2:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(18C)
上記ステップ1からの生成物であるベンジル(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−8−カルボキシレート(370mg,0.86mmol)をMeOH 8mLに溶解させた。溶媒を窒素流で10分間脱気し、Pd(OH)(30mg,20重量%Pd)を加えた。混合物を水素バルーンで10分間パージした後、撹拌しながら室温で一晩水素雰囲気下に維持した。次に反応混合物をセライトで濾過し、ケーキをEtOAcでリンスし、濾液を減圧濃縮乾涸し、減圧乾燥後に生成物を白色固体として得た。LCMS[M+H]=291.2。
【0200】
ステップ3:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−ヨードベンジル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(18D)
上記ステップ2からの(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(250mg,0.86mmol)をDMSO(8.0mL)に溶解させた。フラスコにKCO(594mg,4.30mmol)と臭化3−ヨードベンジル(255mg,0.86mmol)を加えた。次に混合物をセプタムで密栓し、50℃油浴に入れ、一晩撹拌した。混合物を水で希釈し、EtOAcで(3回)抽出した。有機層を合わせてLiCl水溶液で(3回)洗浄し、次いでブラインで洗浄後、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧除去し、粗生成物を得た。自動フラッシュクロマトグラフィー(0→20%MeOH/CHCl,20分間)によりシリカで精製し、溶媒除去後に生成物を白色固体として得た:LCMS[M+H]=507.3。
【0201】
ステップ4:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(18E)
Biotageマイクロ波バイアルに上記ステップ3からの中間体(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−ヨードベンジル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(60mg,0.118mmol)と、PdCldppf(4.3mg,0.01mmol)と、2−トリルボロン酸(21mg,0.15mmol)を仕込んだ。バイアルを密栓し、窒素雰囲気下においた。固形分に1.5M KCO水溶液(0.24mL,0.35mmol)と脱気THF(0.7mL)を加えた。混合物を素早くボルテックスし、Optimizerマイクロ波で5分間120℃に加熱した。反応チャンバーを除去し、反応混合物をEtOAcと水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を減圧除去した。自動フラッシュクロマトグラフィー(0→10%MeOH/CHCl)によりシリカで精製し、溶媒の減圧除去後に生成物を白色固体として得た:LCMS[M+H]=471.2。
【0202】
ステップ5:(5R,75)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例18)
シンチレーションバイアルで上記ステップ4からの(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−4−(メチルアミノ)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−エン−2−オン(15mg,0.031mmol)をTHF(1.0mL)に溶解させた。これに1N HCL(3mL)を加え、混合物を密栓し、出発材料の消滅がLCMSにより確認されるまで80℃油浴で加熱した。次に混合物を濃縮乾涸し、TFA緩衝溶媒系を使用してRP−HPLCにより精製し、凍結乾燥後に実施例18をTFA塩として得た。
【0203】
H NMR(400MHz,CDOD,Hz):δ7.5−7.1(m,12H),4.35(AB,J=15.2Hz,2H),3.46(m,1H),2.90(m,1H),2.63(m,1H),2.53−2.30(m,4H),2.21(s,3H),1.56(d,J=6.0Hz,3H).LCMS[M+H]=458.0。
【0204】
(実施例19)
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン
【0205】
【化38】

【0206】
ステップ1:4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−カルボニトリル(19A)
4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−カルボニトリルは1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−オン(中間体VI,1.3g,4.5mmol)と、3−フルオロアニリン(0.4ml,4.5mmol)と、シアン化トリメチルシリル(0.6ml,4.5mmol)から実施例17の17Bと同様に製造した。LCMS(M+H)400.1。
【0207】
ステップ2:4−(アミノメチル)−N−(3−フルオロフェニル)−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−アミン(19B)
4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−カルボニトリル(19A,700mg,1.75mmol)のエタノール(50ml)懸濁液に少量のラネーニッケル(水中)を加えた。反応混合物を水素雰囲気下におき、室温で5日間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮し、粗材料を逆相クロマトグラフィーにより精製した。生成物をジクロロメタンに溶解させ、過剰の炭酸カリウムで中和させ、濾過した。濾液を減圧濃縮し、4−(アミノメチル)−N−(3−フルオロフェニル)−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−アミンを得た。
【0208】
H NMR(400MHz,DMSO)δ7.38(m,1H),7.22(m.6H),7.00(m,1H),6.51(m,2H),6.28(m,1H),5.24(s,1H),4.11(m,1H),3.49(s,2H),3.15(m,2H),2.71(s,2H),2.29(t,J=9.8Hz,2H),2.21(s,3H),2.03(m,1H),1.91(d,J=13.6Hz,2H),1.56(t,J=10.5Hz,2H).LCMS(M+H)404.3。
【0209】
ステップ3:1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(19C)
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オンは4−(アミノメチル)−N−(3−フルオロフェニル)−1−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]ピペリジン−4−アミン(19B,265mg,0.66mmol)と、N,N’−カルボニルジイミダゾール(107mg,0.66mmol)と、トリエチルアミン(140μl,0.99mmol)から実施例20と同様に製造した。LCMS(M+H)430.2。
【0210】
ステップ4:1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(実施例22)
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オンは1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン(19C,30mg,0.07mmol)と2−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素酸塩(12mg,0.07mmol)から実施例21と同様に製造した。
【0211】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.57(d,J=4.8Hz,1H),7.69(td,J=7.6,1.7Hz,1H),7.33(m,3H),7.21(m,8H),7.00(m,2H),6.93(d,J=9.8,2.1,1H),4.60(s,2H),3.46(s,2H),3.38(s,2H),2.85(d,J=11.7Hz,2H),2.22(s,3H),1.99(t,J=11.4Hz,2H),1.84(td,J=12.5,3.8Hz,2H),1.70(d,J=12.1Hz,2H).LCMS(M+H)521.4。
【0212】
(実施例20〜22)
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド(実施例20)
1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−3−プロピル−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例21)
1−{4’−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−4−フルオロビフェニル−2−イル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2−オキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例22)
【0213】
【化39】

【0214】
化合物20A(スキーム3,中間体3−B,4.110g,0.00746mol)と、Rh/Al(1.350g)と、6NアンモニアMeOH溶液(50ml)を混合した。混合物をパール振盪器で45psiにて一晩水素化させた。セライトで濾過し、濃縮し、粗化合物20Bを得た。EI−MS m/z:1.50で555(M+H)
【0215】
粗化合物20B(0.310g,0.559mmol)と、カルボニルジイミダゾール(0.136g,1.5当量)と、DCM(2ml)を混合し、55℃に一晩加熱した。混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製し、実施例20を得た。EI−MS m/z:1.63で581(M+H)
【0216】
実施例21(0.025g,0.0431mmol)のDMF(1.5ml)溶液に0℃で撹拌下にNaH(60%鉱油分散液)(0.013g,10当量)を加えた。次にMeI(0.0026ml,1.0当量)を加えた。反応混合物を室温まで昇温し、更に30分間撹拌後、飽和NHCl水溶液でクエンチした。混合物をEtOで2回抽出し、有機抽出層を合わせてブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、分取HPLCにより精製し、実施例21を得た。EI−MS m/z:1.68で595(M+H)
【0217】
実施例24(0.025g,0.0431mmol)のDMF(1.5ml)溶液に0℃で撹拌下にNaH(60%鉱油分散液)(0.013g,10当量)を加えた。次にMeI(0.0026ml,1.0当量)を加え、反応混合物を室温まで昇温し、更に30分間撹拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液でクエンチし、EtOで2回抽出し、ブラインで2回洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、実施例22を得た。EI−MS m/z:1.74で623(M+H)
【0218】
以下の実施例は、1−(3−イソプロポキシベンジル)−ピペリジン−4−オン(国際特許出願WO2006/044497の実施例14−4)、1−ベンジル−2−メチルピペリジン−4−オン(国際特許出願WO2007/011833の中間体I)又は1−(3−sec−ブトキシベンジル)−2−メチルピペリジン−4−オン(同じく国際特許出願WO2007/011833の化合物)を出発材料とし、実施例3及び20に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。実施例23に使用した3−フルオロ−2−(4−メタンスルホニルフェニル)アニリンは中間体Vについて記載した方法と同様に製造した。実施例25〜27では、触媒と水素を使用して実施例24のベンジル基を脱離し、上記中間体IIIについて記載した方法と同様に製造した1−(クロロメチル)−3−イソプロポキシベンゼン(国際特許出願WO2007/011833の実施例11,中間体11−10C)、1−(クロロメチル)−3−{[(1R)−1−メチルプロピル]オキシ}ベンゼン(上記特許,中間体III)、又は1−(クロロメチル)−3−[(1R)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]ベンゼンでピペリジンをアルキル化した。
【0219】
【表2】

【0220】
(実施例28)
8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−3−オキサ−1−アザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0221】
【化40】

【0222】
ステップ1:1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル
1−ベンジル−2−メチルピペリジン−4−オン(国際特許出願WO2007/011833,出願日2006年7月14日の中間体I,3.0g,14.8mmol)をHOAc(15mL)に加えた混合物に3−フルオロアニリン(1.64g,14.8mmol)とTMSCN(1.97mL,14.8mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、反応混合物をNHOH 15mLと氷15gに注いだ。更にNHOHを加えることにより溶液のpHをpH=8に調整した。得られた溶液をCHClで3回抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。LRMS(M+1)=324。
【0223】
ステップ2:1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル
(2R,4R)−1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル(4.77g,14.8mmol)をMeOH(100mL)に溶解させ、密閉管に加えた。一晩加熱後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルカートリッジ(5%EtOAc/ヘキサン→30%EtOAc/ヘキサン)で精製し、所望生成物を得た。残りの混合物を再び加熱し、クロマトグラフィーに付し、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=324。
【0224】
ステップ3:1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−イル}メタノール
(2S,4R)−1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−カルボニトリル(1.29g,3.99mmol)の塩化メチレン溶液にDIBALのシクロヘキサン溶液(10.88mL,11.97mmol)を加えた。3時間撹拌後、水と濃HSOを順次加えて反応混合物をクエンチした。更にDCMを加え、溶液を室温まで昇温した。層分離し、NaOHの添加により水層を塩基性化した。水相をDCMで3回抽出し、MgSOで乾燥し、濃縮した。得られた油状物に0℃で無水MeOH(10mL)と過剰のNaBH(0.754g,19.9mmol)を加えた。72時間撹拌後、反応混合物を炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、DCMで希釈した。層分離し、DCMで抽出し、所望アルコール生成物とイミン前駆体の不完全な加水分解に由来するアミンの混合物を得た。両者中間体の混合物を次反応で直接使用した。LRMS(M+1)=329。
【0225】
ステップ4:8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−2−オキソ−3−オキサ−1−アザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
{(2S,4R)−1−ベンジル−4−[(3−フルオロフェニル)アミノ]−2−メチルピペリジン−4−イル}メタノール(0.862g,2.63mmol)のTHF溶液にカルボニルジイミダゾール(0.851g,5.25mmol)を加えた。混合物を0℃まで冷却し、NaH(2.63mmol)を加えた。室温で4時間後、反応混合物をNHClでクエンチし、1M NaOHを加えて弱塩基性化した。塩基性溶液をDCMで3回抽出し、MgSOで乾燥し、減圧濃縮した。逆相HPLCにより精製し、所望化合物を得た。
【0226】
H NMR(CDOD):δ7.55−7.06(m,9H),4.50(m,1H),4.25(m,2H),3.80(m,1H),3.48−3.12(m,3H),2.65(m,2H),2.09(m,2H),1.50(m,3H).HRMS=355.18。
【0227】
(実施例29)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0228】
【化41】

【0229】
ステップ1:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例29)
1−(2−クロロエチル)−4−メトキシベンゼン(0.034g,0.20mmol)と無水KCO(0.042g,0.30mmol)の混合物を(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16,0.043g,0.10mmol)の無水DMF(1mL)溶液に加えた。50℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却し、NHCl水溶液でクエンチした。得られた混合物をEtOAcで(2回)抽出し、EtOAc抽出層を減圧濃縮した。粗材料を逆相分取HPLCにより精製し、所望化合物をTFA塩として得た。NMR分析のために、サンプルをCDClに溶解させ、NH蒸気により遊離塩基に変換した。
【0230】
H NMR(600MHz,CDCl):δ7.36(q,J=5.97Hz,1H),7.12−7.14(m,4H),6.94(dd,J=8.02Hz,1H),6.85−6.86(m,3H),6.70−6.73(m,3H),4.51(m,1H),3.80−3.82(m,3H),3.78(s,3H),2.95(t,J=7.56Hz,2H),2.86(d,J=14.0Hz,1H),2.57(m,1H),2.17−2.18(m,2H),2.01(t,J=14.0Hz,1H),1.68−1.73(m,3H),1.31(d,J=6.37Hz,6H),1.06(d,J=5.73Hz,3H).LRMS(M+1)=560.29。
【0231】
以下の実施例は実施例29に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。実施例29−21及び29−22はエステル化形態のアルキル化剤を使用して製造した後、エステル生成物を鹸化して酸とした。
【0232】
【表3】




【0233】
(実施例30)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(3−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0234】
【化42】

【0235】
ステップ1:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(3−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例30)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16,0.043g,0.10mmol)と、3−フリルメタノール(0.020g,0.20mmol)と、PS−PPh(0.093g,0.20mmol,樹脂量2.15mmol/g)を無水THF(1mL)に加えた混合物にDEAD(0.035g,0.20mmol)を加えた。室温で16時間撹拌後、反応混合物をTHFで希釈し、濾過し、濾液を減圧濃縮した。粗材料を逆相分取HPLCにより精製し、所望化合物をTFA塩として得た。NMR分析のために、サンプルをCDODに溶解させ、NH蒸気により遊離塩基に変換した。
【0236】
H NMR(600MHz,CDOD):δ7.51(s,1H),7.43(m,1H),7.38(m,1H),7.11−7.15(m,4H),6.75(dd,J=8.00Hz,2.52Hz,1H),6.64−6.66(m,2H),6.43(m,1H),4.55(s,2H),4.53(m,1H),3.76(d,J=12.9Hz,1H),3.14(d,J=12.9Hz,1H),2.59(m,1H),2.22−2.19(m,2H),2.02−2.08(m,3H),1.84(m,1H),1.29(d,J=6.11Hz,6H),1.15(d,J=6.17Hz,3H).LRMS(M+1)=506.25。
【0237】
以下の実施例は実施例30に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。
【0238】
【表4】


【0239】
(実施例31)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−フェニル−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0240】
【化43】

【0241】
ステップ1:(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−フェニル−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例31)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16,0.043g,0.10mmol)と、フェニルボロン酸(0.048g,0.40mmol)と、酢酸銅(II)(0.004g,0.020mmol)のMeOH(1mL)溶液を調製した。70℃に16時間加熱後、室温まで冷却した後、MeOH(2mL)で希釈した。QuadraPure TU樹脂を反応混合物に加えた。30分間室温で撹拌後、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗材料をEtOAc(2回)とNHCl水溶液に分配した。EtOAc抽出層を減圧濃縮し、粗材料を逆相分取HPLCにより精製し、所望化合物をTFA塩として得た。
【0242】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.41−7.52(m,5H),7.25−7.37(m,4H),7.13−7.17(m,1H),7.04(d,J=7.79Hz,1H),6.77(s,2H),4.58−4.61(m,1H),4.25−4.34(m,2H),3.47(m,1H),2.92(m,1H),2.76−2.79(m,1H),2.65(m,1H),2.40−2.54(m,4H),1.59(d,7=5.86Hz,3H),1.34(d,J=4.76Hz,6H).LRMS(M+1)=502.25。
【0243】
以下の実施例は実施例31に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。
【0244】
【表5】

【0245】
(実施例32)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−フリルメチル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩
【0246】
【化44】

【0247】
ステップ1.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(32−A)
3−(クロロメチル)−5−メチルイソオキサゾール(1.12g,8.53mmol)と無水KCO(3.22g,23.27mmol)の混合物に(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16,3.3g,7.76mmol)のDMF(15mL)溶液を加えた。60℃で16時間撹拌後、反応混合物を冷却し、濾過し、減圧濃縮した。DCM/MeOH 100:0→50:50勾配を使用して粗材料をシリカゲルカートリッジでクロマトグラフィーに付した。得られた画分を減圧濃縮して泡状物を得、16時間高減圧下においた。LRMS(M+1)=521.1。
【0248】
ステップ2.(5S,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(32−B)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(32−A)(1.4g,2.69mmol)を丸底フラスコに入れ、1.25M HCl MeOH溶液(30ml)を加えた。溶液を撹拌し、溶媒を減圧除去し、32−1のHCl塩を得た。このHCl塩のMeOH(30mL)溶液に窒素下に炭素担持水酸化パラジウム20重量%(0.38g,0.27mmol)を加えた。フラスコに三方コックを取付けた。溶媒が泡立つまでフラスコを高減圧排気した後、窒素置換した。これを繰り返した。フラスコを3回目に排気したら、三方コックに取付けた充満バルーンにより水素を導入した。フラスコを再び排気し、水素置換し、バルーンをコック上で開放位置に維持した。室温で16時間撹拌後、反応混合物を排気し、連続3回窒素置換した。窒素を充満させたフラスコを開放し、MeOHで湿らせたCelite(登録商標)を漏斗に敷き、活発な窒素置換を維持しながら内容物を減圧濾過し、濾過床が乾燥しないようにMeOH(100ml)でリンスした。濾液を減圧濃縮後、トルエンから2回蒸発させ、化合物32−2のHCl塩を得た。この塩をDCMと飽和炭酸水素ナトリウム溶液に分配した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、減圧濃縮して32−2の遊離塩基を得、それ以上精製せずに使用した。LRMS(M+1)=373.0。
【0249】
ステップ3.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−フリルメチル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例32)
(5S,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(32−B)(0.1g,0.27mmol)のDCE(2ml)溶液に3−フルアルデヒド(0.026g,0.27mmol)を加え、次いでトリアセトキシ水素化ホウ素化物樹脂2.17g/mmol(0.37g,0.8mmol)を加えた。混合物を窒素下に16時間激しく撹拌した。反応混合物をグラスファイバーフィルターで濾過し、濾液をDCEでリンスし、濾液を減圧濃縮した。残渣をDMSO 2mlに溶解させ、分取逆相HPLCにより精製した。所望画分を減圧濃縮し、実施例32を固体として得た。LRMS(M+1)=453.2。
【0250】
H NMR(400MHz,CDOD):δ7.57(s,2H),7.42(dd,J=6.8Hz,1H),7.25(dd,J=1.8,9.2Hz,1H),7.22(d,J=7.9Hz,2H),6.27(s,1H),6.16(s,1H),4.78(s,2H),4.37(d,J=14.6Hz,1H),4.11(d,J=14.3Hz,1H),3.38(d,J=10.4Hz,1H),2.78(bs,1H),2.55(m,4H),2.41(s,3H),2.30(m,1H),1.46(d,J=5.9Hz,3H)。
【0251】
以下の実施例は実施例32に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。
【0252】
【表6】

【0253】
(実施例33)
(5R,7S)−8−ベンジル−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
【0254】
【化45】

【0255】
ステップ1.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(33−A)
(7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例16)(5.0g,11.75mmol)のMeOH(75ml)溶液に窒素下に炭素担持水酸化パラジウム20重量%(0.825g,1.75mmol)を加え、フラスコに三方コックを取付けた。溶媒が泡立つまでフラスコを高減圧排気した後、窒素置換した。これを繰り返した。フラスコを3回目に排気したら、三方コックに取付けた充満バルーンにより水素を導入した。フラスコを再び排気し、水素置換し、バルーンをコック上で開放位置に維持した。室温で16時間撹拌後、反応混合物を排気し、連続3回窒素置換した。窒素を充満させたフラスコを開放し、MeOHで湿らせたCelite(登録商標)を漏斗に敷き、活発な窒素置換を維持しながら内容物を減圧濾過し、濾過床が乾燥しないようにMeOH(100ml)でリンスした。濾液を減圧濃縮後、トルエンから2回蒸発させ、所望生成物を固体として得た。LRMS(M+1)=277.9。
【0256】
ステップ2.(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(33−B)(実施例14,単一5R,7Sエナンチオマーの代替合成法)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(33−A)(0.1g,0.361mmol)のDMSO(2ml)溶液に塩化ベンジル(0.046g,0.505mmol)とトリエチルアミン(0.101ml,0.72mmol)を加え、反応混合物を室温で窒素下に16時間撹拌した。反応混合物をグラスファイバーフィルターで濾過し、メタノールでリンスした。得られた濾液2.5mlを分取逆相HPLCに注入し、水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)勾配95:5→5:95を使用して所望生成物を溶出させた。所望画分を減圧濃縮し、所望生成物を固体として得た。残渣をDCM(5ml)に溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で分配した。有機層を分離し、水層を更にDCM(2ml)で洗浄した。有機層を合わせてNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮し、所望生成物を遊離塩基として得た。LRMS(M+1)=367.9。
【0257】
ステップ3.(5R,7S)−8−ベンジル−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオントリフルオロ酢酸塩(実施例33)
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(33−B)(0.037g,0.1mmol)のDMSO(1ml)溶液に窒素下に3−(クロロメチル)−5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾールを加え、次いでKCO(0.069g,0.5mmol)を加え、反応混合物を窒素下に16時間撹拌した。反応混合物をグラスファイバーフィルターで濾過し、MeOHでリンスした。得られた濾液2.5mlを分取逆相HPLCに注入し、水(0.1%TFA)/アセトニトリル(0.1%TFA)勾配95:5→5:95を使用して所望生成物を溶出させた。所望画分を減圧濃縮し、所望生成物を固体として得た。LRMS(M+1)=594.4。
【0258】
H NMR(400MHz,CDOD):δ8.01(d,J=1.8Hz,1H),7.76(m,1H),7.68(m,1H),7.50(m,1H),7.41(m,2H),7.33(m,1H),7.22(m,4H),7.13(m,1H),6.90(s,1H),4.87(m,2H),4.33(bs,2H),3.42(m,1H),2.85(m,1H),2.66(d,J=10.6Hz,1H),2.48(m,4H),1.58(d,J=5.3Hz,3H)。
【0259】
以下の実施例は実施例33に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。
【0260】
【表7】

【0261】
(実施例34−1及び34−2)
(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例34.1)及び(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例34.2)
【0262】
【化46】

【0263】
ステップ1:ベンジル(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(中間体34−A)
ベンジル(4Z,5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−4−イミノ−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(中間体VIII)はWO2007/011833の実施例11−6に記載の方法と同様の方法で3−シアノアニリンと同実施例の条件Aを使用することにより製造した。LCMS(M+1)=418.11。
【0264】
48mL密閉管でベンジル(4Z,5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−4−イミノ−7−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(中間体VIII,0.42g,1.01mmol)のCHCN(2.5mL)溶液にHCl水溶液(2N,2.5mL)を加えた。反応混合物を窒素パージし、密閉し、70℃に2時間、次いで60℃に16時間加熱した。反応混合物を減圧濃縮し、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=418.99。
【0265】
ステップ2:3−[(5R,7S)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル(34−B)
50mL丸底フラスコでベンジル(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−8−カルボキシレート(34−1)(0.050g,0.12mmol)のEtOH(6mL)溶液に窒素下にパールマン触媒(Pd(OH),炭素担持20重量%,0.010g)を加えた。次に水素を充満させたバルーンを使用して(実施例33に記載した条件と同様の)標準水素化条件を室温で1時間実施した。混合物をセライトで濾過し、残渣をMeOHで(2回)洗浄した。有機濾液を減圧濃縮し、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=285.10。
【0266】
ステップ3:(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例34−1)
水素化生成物3−[(5R,7S)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル(34−B)(0.15g,0.529mmol)と1−(クロロメチル)−3−イソプロポキシベンゼン(特許WO2007/011833,実施例11,ステップ10cに記載されているように製造,0.196g,1.06mmol)を無水DMF(0.8mL)に溶解させ、DIEAを上記溶液に加え、pHを10に調整した。反応混合物を室温で2日間撹拌し、逆相分取HPLCにより精製し、所望生成物をTFA塩として得た。LRMS(M+1)=433.0。
【0267】
ステップ4:(5R,75)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカントリフルオロ酢酸塩(実施例34−2)
3−(クロロメチル)−5−メチルイソオキサゾール(0.0217g,0.165mmol)と無水KCO(0.138g,0.247mmol)の混合物に3−[(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリルトリフルオロ酢酸塩(実施例34−1)(0.045g,0.082mmol)の無水DMF(1mL)溶液を加えた。50℃で16時間撹拌後、反応混合物をNHCl水溶液でクエンチし、EtOAcで(2回)抽出した。EtOAc抽出層を減圧濃縮した。逆相分取HPLCにより精製し、所望生成物をTFA塩として得た。
【0268】
H NMR(500MHz,CDOD):δ7.83(m,1H),7.73(m,1H),7.68−7.69(m,1H),7.51(m,1H),7.31−7.35(m,1H),7.06−7.07(m,1H),6.73−6.76(m,2H),6.16(s,1H),4.78(s,2H),4.62−4.65(m,1H),4.34(d,J=13.43Hz,1H),4.23(d,J=13.67Hz,1H),3.44(s,1H),2.80(m,1H),2.65(m,1H),2.26−2.54(m,4H),2.41(s,3H),1.58(d,J=5.01Hz,3H),1.34(m,6H).LRMS(M+1)=528.21。
【0269】
以下の実施例は実施例34に記載した手順と同様の手順を使用して製造した。場合によっては、クロマトグラフィー後に化合物をTFA塩として単離し、場合によっては、その後、塩化メチレン等の適切な有機溶媒を使用して炭酸水素塩溶液等の適切な塩基水溶液から抽出することにより化合物を遊離塩基として単離した。その後、HClのエーテル溶液で処理することにより遊離塩基を塩酸塩に変換することができる。
【0270】
【表8】

【0271】
(実施例35)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
【0272】
【化47】

【0273】
ステップ1.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−ヨードベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(35−A)
中間体18−D 1.55g(3.097mmol)を1N HCl 3mlに溶かした溶液を60℃で一晩撹拌した。溶液を6N NaOHで塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。ジクロロメタン中0−10%MeOHの勾配で溶出させ、残渣をシリカで精製し、生成物を得た。LRMS(M+1)=493.6。
【0274】
ステップ2.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(35−B)
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−ヨードベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(中間体35−A)(950mg,1.92mmole)と、パラジウム触媒PdClFe−CHCl(79mg,0.096mmole)と、炭酸セシウム(1.88g,5.78mmole)と、2−トリルボロン酸(314mg,2.31mmole)を20mlマイクロ波バイアルに配量した。バイアルを密栓し、窒素置換した。1:1 THF/水の脱気混合物(6mL)をシリンジで加え、反応混合物をマイクロ波で120℃まで5分間加熱した。溶液を分液漏斗に移し、水で希釈し、酢酸エチルとジクロロメタンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。0−100%酢酸エチル/ヘキサンの勾配で溶出させ、残渣をシリカで精製し、生成物を得た。LRMS(M+1)=457.9。
【0275】
ステップ3.(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(実施例35)
実施例32に記載した方法と同様に、(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンをDMF中、室温にて3−(クロロメチル)−5−メチルイソオキサゾールと炭酸カリウムで処理し、所望生成物を得た。LRMS(M+1)=553.0。
【0276】
生成物をエーテル中、2M HClで処理し、塩酸塩を得た。HRMS(M+1)=553.2643(測定値),553.2610(計算値)。
【0277】
本明細書全体を通して以下の略語を使用する。
Me:メチル
Et:エチル
t−Bu:tert−ブチル
Ar:アリール
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Ac:アセチル
TMSCN:シアン化トリメチルシリル
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
CHAPS:3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート
BSA:ウシ血清アルブミン
TFA:トリフルオロ酢酸
DME:ジメトキシエタン
DPPA:ジフェニルホスホリルアジド
DCE:ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
THF:テトラヒドロフラン
BOP:ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DMF:ジメチルホルムアミド
DIBAL:水素化ジイソブチルアルミニウム
h:時間
min:分
rt:室温
aq:水溶液
HPLC:高性能液体クロマトグラフィー
MS:質量分析。
【0278】
以上、所定特定態様に関して本発明を記載及び例証したが、当業者に自明の通り、発明の精神と範囲から逸脱せずに手順とプロトコールの種々の応用、変更、変形、置換、削除又は追加が可能である。従って、本発明は特許請求の範囲により定義され、特許請求の範囲は妥当な範囲で広義に解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化48】

[式中、
Xは
(1)N−R
(2)O、及び
(3)S
から構成される群から選択され、

(a)水素、
(b)−C1−10アルキル、
(c)−C2−10アルケニル、
(d)−C3−12シクロアルキル、
(e)−C0−6アルキルアリール、及び
(f)−C0−6アルキルヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(i)アリール、
(ii)ヘテロアリール、
(iii)ハロゲン、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−OC1−10アルキル、
(vi)−C3−12シクロアルキル、
(vii)−NC(=O)−R
(viii)−C(=O)NR’、
(ix)−C(=O)−OR
(x)−C(=O)−R
(xi)−CN、
(xii)−NR
で置換されており、
なお、前記アリール、アルキル、シクロアルキル及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(I)ハロゲン、
(II)−C1−6アルキル、
(III)−OC1−6アルキル
で置換されており、
1A及びR1Bは各々水素であり、但し、XがNRであるとき、R1AとR1Bは一緒になって=Oを形成することができ;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C3−12シクロアルキル、
(6)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4から8員複素環基、
(7)アリール、並びに
(8)ヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、シクロアルキル、複素環基、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C2−10アルキニル、
(g)−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)−C0−6アルキルアリール、又は
(j)−C0−6アルキルヘテロアリール
で置換されており、
なお、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−6アルキル、
(v)−C2−6アルケニル、
(vi)−OC1−6アルキル、
(vii)−C1−6ハロアルキル、
(viii)−SO1−3アルキル、
(ix)−SONR’、
(x)−CO
(xi)−NRSO’、
(xii)−CONR’、
(xiii)−NC(=O)−C0−3アルキル−NR’、
(xiv)−NC(=O)R
(xv)−NR’、並びに
(xvi)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4から8員複素環基
で置換されており;
Qは−C1−6アルキレンであり、前記アルキレンは場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C3−12シクロアルキル、
(f)−O−C1−10アルキル、
(g)アリール、及び
(h)ヘテロアリール
で置換されており;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、
(3)−C2−10アルケニル、
(4)−C2−10アルキニル、
(5)−C3−12シクロアルキル、
(6)−C3−12シクロアルケニル、
(7)アリール、及び
(8)ヘテロアリール
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルケニル、アルキニル、アリール又はヘテロアリールR部分は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−CN、
(d)−C1−10アルキル、
(e)−C2−10アルケニル、
(f)−C3−12シクロアルキル、
(g)−O−C3−12シクロアルキル、
(h)−O−C1−10アルキル、
(i)−O−C3−12複素環(式中、前記複素環基は1個の環原子が窒素、硫黄及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4から8員環である)、
(j)アリール、
(k)ヘテロアリール、
(l)−NR
で置換されており、
なお、前記アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリール部分は場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、
(v)−OC1−10アルキル、及び
(vi)−NR’、
(vii)−C2−6アルケニル、
(viii)−C1−6ハロアルキル、
(ix)−SO1−3アルキル、
(x)−SONR’、
(xi)−CONR
(xii)−NRCOR’(式中、R’はRと同一基から選択される)、又は
(xiii)−NRSO(式中、R
(A)水素、
(B)−C1−10アルキル、及び
(C)−C3−4アルケニル
から構成される群から選択される)で置換されており;

(1)水素、
(2)−C1−10アルキル、及び
(3)−C3−4アルケニル
から構成される群から選択され、
ここで、前記アルキル又はアルケニルR基は場合により1個以上の
(a)ハロ、
(b)−OH、
(c)−C1−6アルキル、
(d)−CN、
(e)−O−C1−10アルキル、
(f)−NR(式中、R及びR
(i)水素、及び
(ii)−C1−6アルキル
から構成される群から選択される)、
(g)−S(O)−C1−6アルキル(式中、nは0、1又は2である)、
(h)−C(=O)−R(式中、R
(i)水素、
(ii)OH、
(iii)−C1−6アルキル、
(iv)−OC1−6アルキル、及び
(v)アリール
から構成される群から選択される)
で置換されており;
及びR’は
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C3−7シクロアルキル、
(4)−C1−6ハロアルキル、
(5)−C0−6アルキルアリール、
(6)−C0−6アルキルヘテロアリール、
(7)ハロ、並びに
(8)1個の環原子が窒素及び酸素から構成される群から選択されるヘテロ原子である4から8員複素環基
から構成される群から選択され、
ここで、前記アリール又はヘテロアリールR部分は1個以上の
(a)ハロ、
(b)−C1−6アルキル、
(c)−O−C1−6アルキル、及び
(d)−NO
で置換されている]の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
XがNRである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がフェニルであり、前記フェニルが場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、並びに
(v)場合により
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−6アルキル、
(E)−OC1−6アルキル、
(F)−SO1−3アルキル、
(G)−SONR’、
(H)−NRSO1−3アルキル、
(I)−CO、及び
(J)−CONR
で置換されたフェニル
で置換されている請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
QがC1−3アルキレンであり、Rがフェニルであり、フェニルが場合により1個以上の
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−10アルキル、
(E)−OC1−10アルキル、及び
(F)場合により
(i)−C1−6アルキル、
(ii)−OC1−6アルキル、
(iii)−NR
で置換されたフェニル
で置換されている請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が−C1−6アルキルである請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
式(I)の化合物が式(II):
【化49】

の化合物である請求項1に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項7】
式(II)の化合物が式(II”):
【化50】

の化合物である請求項6に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項8】
XがNRである請求項6又は7に記載の化合物。
【請求項9】
がフェニルであり、前記フェニルが場合により1個以上の
(i)ハロ、
(ii)−OH、
(iii)−CN、
(iv)−C1−10アルキル、又は
(v)場合により
(A)ハロ、
(B)−OH、
(C)−CN、
(D)−C1−6アルキル、
(E)−OC1−6アルキル、
(F)−SO1−3アルキル、
(G)−SONR’、
(H)−NRSO1−3アルキル、
(I)−CO、及び
(J)−CONR’、及び
(K)−NRCO
で置換されたフェニル
で置換されている請求項6から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が−C1−6アルキルである請求項6から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
式(I)の化合物が式(III):
【化51】

の化合物である請求項1に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項12】
式(I)の化合物が式(IV):
【化52】

の化合物である請求項1に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項13】
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N−N,3−トリメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−3−プロピル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
2’−(8−ベンジル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル)−4’−フルオロ−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N,3−トリメチルビフェニル−4−カルボキサミド;
5−{4−フルオロ−2−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]フェニル}−N,N−ジメチルチオフェン−2−スルホンアミド;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−8−{3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(2−ブロモ−5−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−(3−{4−フルオロ−2−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]フェニル}プロプ−2−イン−1−イル)−N−メチルメタンスルホンアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−2−オキソ−3−プロピル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
4’−フルオロ−2’−[8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−メチル−2−オキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]−N,N−ジメチルビフェニル−4−スルホンアミド;
1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)ビフェニル−2−イル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−(3−{[(1R)−1−メチルプロピル]オキシ}ベンジル)−3−ペント−4−エン−1−イル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−{3−[(1R)−2−メトキシ−1−メチルエトキシ]ベンジル}−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−(5S,7R)−8−ベンジル−1−[4−フルオロ−4’−(メチルスルホニル)−1,1’−ビフェニル−2−イル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
1−(3−フルオロフェニル)−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−オキサ−1,8−ジアザスピロ[4.5]デカン−2−オン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(シクロヘキシルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(3−メトキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−{2−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]エチル}ベンズアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[2−(1H−ピラゾール−1−イル)エチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(2−フルオロエチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−(1,2−ベンゾイソオキサゾール−3−イルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−[2−(2−フルオロフェニル)−2−オキソエチル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(1−ベンジル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−{[5−(4−クロロフェニル)−1,3−オキサゾール−2−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−{[5−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]メチル}−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−フェニルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]プロパン酸;
[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]酢酸;
N−(4−クロロフェニル)−2−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]アセトアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(ピリジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(3−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(イソオキサゾール−3−イルメチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−[(3−エチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(イソオキサゾール−5−イルメチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−5−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−メチル−1H−イミダゾール−2−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(1−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(ピラジン−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−3−tert−ブチル−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−チアゾール−2−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−(1,3−チアゾール−4−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−(2−メトキシ−1,1−ジメチルエチル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(2−フリルメチル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−フェニル−1,3−ジアザ−8−アゾニアスピロ[4.5]デカン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1,3−ビス(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]ベンゾニトリル;
(5R,7S)−3−[3−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−3−(1H−インドール−5−イル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]安息香酸;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−8−(3−フリルメチル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−[4−({(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−8−イル}メチル)フェニル]アセトアミド;
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−8−(ピリジン−3−イルメチル)−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−ベンジル−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(2−フルオロベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(シクロブチルメチル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−ベンジル−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
N−(4−{[(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−8−イル]メチル}フェニル)アセトアミド;
(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−8−(2−フルオロベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
(5R,7S)−8−(シクロブチルメチル)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン;
3−[(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
3−[(5R,7S)−3−[(5−シクロプロピル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)メチル]−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−[(5R,7S)−3−{[5−(3,4−ジクロロフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル]ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−3−[(1−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
3−{(5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−[2−(4−メトキシフェニル)エチル]−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル}ベンゾニトリル;
N−{2−[(5R,7S)−1−(3−シアノフェニル)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−3−イル]エチル}ベンズアミド;
3−((5R,7S)−8−(3−イソプロポキシベンジル)−3−{[5−(4−メトキシフェニル)イソオキサゾール−3−イル]メチル}−7−メチル−2,4−ジオキソ−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デク−1−イル)ベンゾニトリル;及び
(5R,7S)−1−(3−フルオロフェニル)−7−メチル−8−[(2’−メチルビフェニル−3−イル)メチル]−3−[(5−メチルイソオキサゾール−3−イル)メチル]−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン
から構成される群から選択される請求項1に記載の化合物とその医薬的に許容可能な塩、並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項14】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを含有する医薬組成物。
【請求項15】
アルツハイマー病の治療を必要とする患者におけるアルツハイマー病の治療方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを前記患者に投与する段階を含む前記方法。
【請求項16】
哺乳動物におけるβセクレターゼ酵素活性の阻害用医薬の製造方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩と、医薬的に許容可能なキャリヤーを配合する段階を含む前記方法。

【公表番号】特表2010−502705(P2010−502705A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527372(P2009−527372)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/019259
【国際公開番号】WO2008/030412
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【出願人】(500586635)サネシス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】