説明

アルテミシニン誘導体の二量体、この調製およびこの治療上の使用

本発明は、特定のアルテミシニン誘導体の新規な二量体、この調製、これを含む組成物、および薬物としての、特に抗癌剤としてのこの使用に関する。(I)。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルテミシニン誘導体の二量体、この調製およびこの治療的適用に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、抗癌活性を有し、特に細胞増殖阻害活性を有するアルテミシニン誘導体の二量体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、化学療法において使用されている大部分の市販の化合物は、副作用、患者による耐容性または抵抗性の主要な課題を有する。したがって、抗癌剤として作用することができる化合物の新規のクラスが大いに必要である。
【0004】
天然物の中で、アルテミシニンは、植物のクソニンジン(Artemisia annua)から1971年に単離されたセスキテルペンエンドペルオキシドであり、抗マラリア特性を有する。ジヒドロアルテミシニンまたはアルテメテルなどの単純ないくつかの誘導体が調製されており、抗マラリア特性も有する。この活性に加えて、一部のアルテミシニン誘導体および二量体は、抗癌特性を有することが示されている(J.Med.Chem.2003、46、987−994;米国特許第6790863号)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決することを提案する課題は、抗癌活性を有するアルテミシニン二量体の形態の新規な生成物を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の対象は、塩基または酸付加塩の形態および水和物または溶媒和物の形態における、以下の一般式(I)に対応する生成物である
【0007】
【化4】

[式中、
a)Aは、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−N(O)R−、−CONR−、−NRSO−、−CO−、−COO−、−NRCONR−、−NRSONR−、−OP(O)(OR)O−、−OCONR−、−OCOO−、−O−、−C(=N−OR)−、またはエポキシド、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C)アルキニレン、(C−C)シクロアルキレン、(C−C)シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンもしくはヘテロシクリル基から選択される二価基であり(最後の9種の基は1種または複数の置換基RまたはRで場合によって置換される可能性がある。);
b)XおよびXは、同一でありまたは異なり、N、O、Sから選択され;
c)BおよびBは、同一でありまたは異なり、−(CF−Rを表し(Rは、同一のまたは異なる1種または複数の置換基RまたはRで場合によって置換される可能性がある、それぞれ独立に、F、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−COR、−COOR、−CONR、−ORまたは−SRであり、pは、値1、2または3を有する。);
d)nおよびnは、同一でありまたは異なり、値0、1、2、3または4を有し;
e)RまたはRは、同一でありまたは異なり、それぞれ独立に、H、ハロゲン、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルキル−COO−R、−(C−C)アルキル−NR、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、ヘテロシクリル、−OR、−OCOR、−COR、−COOR、−CONR、−NR、−NRCOR、−SR、−SO、−CNから選択され;
f)RまたはRは、同一でありまたは異なり、それぞれ独立に、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択される。]。
【0008】
先行技術のこれらの二量体(J.Med.Chem.2003、46、987−994;米国特許第6790863号)は、本発明によるような、前述のようにBまたはB基で置換されていない。
【0009】
本発明の対象である一般式(I)の生成物の中で、特に、BおよびBが同一であり、CFである生成物を挙げることができる。
【0010】
本発明の対象である一般式(I)の生成物の中で、XおよびXが同一であり、Oである一般式(I)の生成物を挙げることもできる。
【0011】
これらの生成物の中で、好ましい生成物は、Aが−S−、−SO−または−SO−である生成物である。
【0012】
一般式(I)の他の生成物は、Aが−N(CH)−である生成物である。
【0013】
本発明によれば、nおよびnが好ましくは同一であり、値2、3または4を有する。
【0014】
一般式(I)の他の生成物は、Aが、−NH−、−N(CH−C(O)O−CH−CH)−または−N(CH−COOH)−から選択される生成物であり、nおよびnが同一であり、値2を有することを場合によって特徴とする生成物である。
【0015】
一般式(I)の他の生成物は、Aが(C−C)アルケニレンまたはエポキシドから選択される生成物であり、nおよびnが同一であり、値1を有することを場合によって特徴とする生成物である。
【0016】
一般式(I)の他の生成物は、Aが−NHCO−または−1,2,3−トリアゾールから選択される生成物であり、nおよびnが異なり、それぞれ独立に、値1または2を有することを場合によって特徴とする生成物である。
【0017】
式(I)の生成物は、1個または複数の不斉炭素原子を含むことができる。したがって、これらは、鏡像異性体またはジアステレオ異性体の形態で存在することができる。これらの鏡像異性体、ジアステレオ異性体およびラセミ混合物を含む混合物は、本発明の一部を形成する。
【0018】
式(I)の生成物は、塩基または酸付加塩の形態で存在することができる。このような付加塩は、本発明の一部を形成する。
【0019】
これらの塩は、薬学的に許容される酸で調製することができるが、例えば、式(I)の生成物の精製または単離に有用な他の酸の塩も、本発明の一部を形成する。
【0020】
また、式(I)の生成物は、水和物または溶媒和物の形態、すなわち1個もしくは複数の水分子または溶媒との会合または結合の形態で存在することができる。このような水和物および溶媒和物も、本発明の一部を形成する。
【0021】
本発明の状況において;
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味するものと理解される。
アルキル基は、直鎖または分枝の飽和脂肪族基を意味するものと理解される。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルおよびペンチル基などを挙げることができる;
シクロアルキル基は、環状アルキル基を意味するものと理解される。例として、シクロプロピル、メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基などを挙げることができる;
フルオロアルキル基は、1個または複数の水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル基を意味するものと理解される;
アルケニル基は、例えば1つまたは2つのエチレン不飽和を含む、一価または多価不飽和の、直鎖または分枝の脂肪族基を意味するものと理解される;
アルキニル基は、例えば1つまたは2つのアセチレン不飽和を含む、一価または多価不飽和の、直鎖または分枝の脂肪族基を意味するものと理解される;
アルコキシ基は、アルキル基が上記の定義の通りである−O−アルキル基を意味するものと理解される;
アリール基は、5から14個の炭素原子を含む環状の芳香族基を意味するものと理解される。フェニル、ナフト−1−イル;ナフト−2−イル、アントラセン−9−イル、1,2,3,4−テトラヒドロナフト−5−イルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフト−6−イル置換基は、アリール置換基の例である;
ヘテロアリール基は、1から13個の炭素原子および1から4個のヘテロ原子を含む環状の芳香族基を意味するものと理解される。ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、ピロール−3−イル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリル、カルバゾリルおよびアクリジル置換基は、ヘテロアリール置換基の例である。ここでは、「ヘテロ原子」という用語は、炭素と異なる少なくとも二価の原子を指す。N、O、SおよびSeは、ヘテロ原子の例である;
シクロアルキル基は、3から12個の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の環状炭化水素置換基を意味するものと理解される。シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチルおよびペルヒドロナフチル置換基は、シクロアルキル置換基の例である;
ヘテロシクリル基は、1から13個の炭素原子および1から4個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環状炭化水素置換基を意味するものと理解される。好ましくは、飽和または部分的に不飽和の環状炭化水素置換基は、単環式であり、4または5個の炭素原子および1から3個のヘテロ原子を含む。
【0022】
二価基Aが2つの可能な方向で結合できることが理解される。例えば、二価基Aが−NHSO−であるとき、一般式(I)の生成物は、次式であり得る。
【0023】
【化5】

【0024】
本発明によれば、一般式(I)の生成物は、有機化学の従来法に従って調製することができる。合成の例は、以下のスキーム1から4に例示され、開始物質および試薬は、これらの調製方法が記載されていないとき、市販されているもしくは文献に記載されているものでありまたはここに記載されている方法もしくは当業者に公知の方法に従って調製することができる。
【0025】
【化6】

【0026】
【化7】

【0027】
【化8】

【0028】
【化9】

【0029】
本発明の対象は、以下の一般式(III)の生成物が
【化10】

(式中、Bは、上記の定義のように置換基BまたはBを表す。)、臭素アルコールなどの求核試薬による臭素原子の置換を受けることにより、以下の一般式(II)の生成物が得られる
【0030】
【化11】

[式中、Xは、上記の定義の通り置換基XもしくはXを表し、nは、上記の定義の通りnもしくはnを表し、Gは臭素原子などの脱離基を表し、その場合、この一般式(II)の生成物は求核置換されて、一般式(I)の二量体もしくは一般式(I)の生成物の前駆体を形成し、またはGは還元もしくは酸化反応により場合によって活性化される可能性がある化学官能基F1を表し、その場合、この一般式(II)の生成物を、式(II)の別の生成物(式中、Gは、臭素原子またはF1と反応することができる化学官能基F2などの脱離基を表す。)と反応し、一般式(I)の二量体もしくは一般式(I)の生成物の前駆体を形成する。]ことを特徴とする、一般式(I)の生成物を調製するための方法に関する。
【0031】
本発明の対象は、より具体的には、Xが酸素原子であり、nが値0、1、2、3または4を有し、Bがトリフルオロメチル基であり、Gが臭素原子、または−N3、−NH2、アルケニル、アルキニルもしくは−COOH基を表す、一般式(II)の生成物に関する。これらの化合物は、一般式(I)の生成物の合成のための中間生成物として有用である。
【0032】
発現脱離基は、電子対の離脱とともに、不均一結合(heterolytic bond)を切断することによって、分子から容易に開裂させることができる基を意味するものと理解される。したがって、この基は、例えば、置換反応中に、もう1つの基によって容易に置き換えられることができる。このような脱離基は、例えば、ハロゲンでありまたはメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、トリフレート、アセテートなどの活性化されたヒドロキシル基である。脱離基の例およびこれらの調製についての言及は、「Advances in Organic Chemistry」J.March、3rd Edition、Wiley Interscience、p.310−316において得られる。
【0033】
以下の実施例は、本発明に従ったいくつかの生成物の調製について述べたものである。これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、単に本発明を例示するものである。
【0034】
略語:
℃ 摂氏温度;TLC 薄層クロマトグラフィー;δ 化学シフト;d 二重線;dd 二重線の二重線;DMSO−d 重水素化ジメチルスルホキシド;dt 三重線の二重線;eq.当量;ES+/− エレクトロスプレー(正/負モード);g グラム;h 時間;Hz ヘルツ;IC50 50%活性での阻害定数;J 結合定数;m 多重線;mg ミリグラム;MHz メガヘルツ;ml ミリリットル;μl マイクロリットル;mm ミリメートル;μm マイクロメーター;mmol ミリモル;ppm 百万分率;q 四重線;Rf 遅延係数;H NMR プロトン核磁気共鳴;s 一重線;bs 幅広一重線;t 三重線;U.V. 紫外線
【実施例】
【0035】
実施例1:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン
【化12】

【0036】
a)ステップ1:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10−(2−ブロモエトキシ)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン2の調製
【化13】

【0037】
ヘキサフルオロプロパノール1.2ml(5eq.)および次に2−ブロモエタノール1.6ml(10eq.)を、室温で(3S,5aS,6R,8aS,9R,10S,12R,12aR)−10−(ブロモ)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン1(Org.Lett.2002、4、757−759に従って調製)942mg(2.27mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液に順次加える。次に、反応混合物を、室温で2時間15分攪拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液10mlを加える。有機相を、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ヘプタン)中の混合物B[(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物2の217mg(21%)を、油の形態で得る。
【0038】
この系でのR=0.45(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)
ES:m/z=481(MNa
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.92(部分マスクされたm,1H);0.96(d,J=6.5Hz,3H);1.01(広幅 d,J=7.5Hz,3H);1.21から1.58(m,4H);1.42(s,3H);1.65から2.08(m,5H);2.38(m,1H);2.88(m,1H);3.45から3.57(m,2H);4.02(m,1H);4.17(m,1H);5.57(s,1H)。
【0039】
b)ステップ2:実施例1の調製
【化14】

【0040】
10分後、硫酸ナトリウム18mg(0.234mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、2の215mg(0.47mmol)の無水エタノール(16ml)溶液に加える。攪拌を、この温度で約190時間維持する。次に、飽和塩化ナトリウム溶液20mlを加える。混合物を、酢酸エチル3×20mlで抽出する。有機相を混合し、飽和NaCl溶液20mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ヘプタン)中の混合物B[(ヘプタン/酢酸エチル)、(85/15)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物実施例1の60mg(33%)を、泡沫の形態で得る。
【0041】
この系でのR=0.20(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)
ES:m/z=835(M+HCOOH−H)
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.86(部分マスクされたm,2H);0.90(d,J=6.5Hz,6H);0.93(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.22(m,2H);1.27から1.60(m,8H);1.31(s,6H);1.66(m,2H);1.75から1.89(m,4H);2.04(m,2H);2.21(m,2H);2.67(m,2H);2.71から2.87(m,4H);3.64(m,2H);3.94(m,2H);5.58(s,2H)。
【0042】
実施例2:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルフィニルビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピンおよび実施例3:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルホニルビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン
【化15】

【0043】
メタ−クロロ過安息香酸16.4mg(0.066mmol)を、約20℃の温度で実施例1の35mg(0.044mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液にゆっくりと加える。攪拌を、この温度で約3時間維持し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液3mlを加える。混合物を、酢酸エチル3×10mlで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液2×10mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの0から100%の直線勾配で溶離する。生成物実施例3の14.5mg(40%)を、白色の固体の形態で得る。
【0044】
この系でのR=0.60(ヘプタン/酢酸エチル)、(50/50)、(V/V)
ES:m/z=867(M+HCOOH−H)
BRUKER AVANCE DRX−500分光器上の500MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、298Kの温度で得た:0.85(部分マスクされたm,2H);0.89(d,J=6.5Hz,6H);0.92(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.18(m,2H);1.32(s,6H);1.36(m,2H);1.47から1.58(m,6H);1.62(m,2H);1.71(m,2H);1.84(m,2H);2.04(m,2H);2.21(m,2H);2.68(m,2H);3.48(m,2H);3.59(m,2H);3.83(m,2H);4.19(m,2H);5.63(s,2H)。
【0045】
生成物実施例2の12.4mg(35%)を、白色の泡沫の形態で得る。
【0046】
この系でのR=0.22(ヘプタン/酢酸エチル)、(50/50)、(V/V)
ES:m/z=851(M+HCOOH−H)
BRUKER AVANCE DRX−500分光器上の500MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、298K(異性体の50%−50%混合物)の温度で得た:0.85(部分マスクされたm,2H);0.88(d,J=6.5Hz,3H);0.90(d,J=6.5Hz,3H);0.93(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.14から1.89(m,16H);1.31(s,3H);1.32(s,3H);2.03(m,2H);2.20(m,2H);2.67(m,2H);2.98(m,2H);3.12(m,2H);3.79(m,1H);3.87(m,1H);4.11から4.20(m,2H);5.58(s,1H);5.61(s,1H)。
【0047】
実施例4:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン
【化16】

【0048】
a)ステップ1:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10(3−ブロモプロポキシ)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン3の調製
【化17】

【0049】
ヘキサフルオロプロパノール0.607ml(5eq.)および次に3−ブロモプロパノール1.03ml(10eq.)を、室温で1の471mg(1.14mmol)のジクロロメタン(7ml)溶液に連続して加える。次に、反応混合物を室温で2時間30分攪拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム5mlを加え、有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ヘプタン)中の混合物B[(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物3の229mg(43%)を、油の形態で得る。
【0050】
この系でのR=0.38(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)
CI:m/z=490(MNH;m/z=354(m/z=490−BrCHCHCHOH+2H)
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27ppmに参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.90(部分マスクされたm,1H);0.97(d,J=6.5Hz,3H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,3H);1.22から1.54(m,4H);1.44(s,3H);1.60から1.73(m,2H);1.82(m,1H);1.91(m,1H);2.00から2.20(m,3H);2.39(m,1H);2.87(m,1H);3.45から3.55(m,2H);3.80(m,1H);3.94(m,1H);5.41(s,1H)。
【0051】
b)ステップ2:実施例4の調製
【化18】

【0052】
10分後、硫化ナトリウム18.2mg(0.23mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、生成物3の220mg(0.46mmol)の無水エタノール(16ml)溶液に加え、攪拌をこの温度で約80時間維持し、次に飽和塩化ナトリウム溶液20mlを加える。混合物を、酢酸エチル3×20mlで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液20mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ヘプタン)中の混合物B[(ヘプタン/酢酸エチル)、(85/15)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物実施例4の103mg(54%)を、白色の固体の形態で得る。
【0053】
この系でのR=0.20(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)
ES:m/z=841 MNa
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.93(部分マスクされたm,2H);0.97(d,J=6.5Hz,6H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.22から1.38(m,4H);1.43(s,6H);1.44から1.55(m,4H);1.63から1.74(m,12H);2.04(m,2H);2.38(m,2H);2.51から2.66(m,4H);2.85(m,2H);3.71(m,2H);3.91(m,2H);5.37(s,2H)。
【0054】
実施例5:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルフィニルビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピンおよび実施例6:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルホニルビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン
【化19】

【0055】
メタ−クロロ過安息香酸9.1mg(0.036mmol)を、約20℃の温度で実施例4の21.4mg(0.026mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液にゆっくりと加える。攪拌をこの温度で約3時間維持し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液3mlを加える。混合物を、酢酸エチル3×10mlで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液2×10mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの0から100%の直線勾配で溶離する。生成物実施例6の7.7mg(34%)を、白色の固体の形態で得る。
【0056】
この系でのR=0.68(ヘプタン/酢酸エチル)、(50/50)、(V/V)
ES:m/z=873 MNa
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.92(部分マスクされたm,2H);0.97(d,J=6.5Hz,6H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.23から1.38(m,4H);1.43(s,6H);1.44から1.72(m,8H);1.83(m,2H);1.92(m,2H);2.05(m,2H);2.12(m,4H);2.38(m,2H);2.87(m,2H);3.00(m,2H);3.13(m,2H);3.75(m,2H);3.97(m,2H);5.34(s,2H)。
【0057】
生成物実施例5の8.5mg(39%)を、白色の固体の形態で得る。
【0058】
この系でのR=0.20(ヘプタン/酢酸エチル)、(50/50)、(V/V)
ES:m/z=857 MNa
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303K(異性体の50%−50%混合物)の温度で得た:0.90(部分マスクされたm,2H);0.97(d,J=6.5Hz,6H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.24から1.36(m,4H);1.43(s,6H);1.45から1.72(m,8H);1.82(m,2H);1.92(m,2H);2.00から2.11(m,6H)、2.38(m,2H);2.68から2.82(m,4H);2.86(m,2H);3.77(m,2H);3.96(m,2H);5.33(s,1H);5.35(s,1H)。
【0059】
実施例7:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(4,1−ブタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン
【化20】

【0060】
a)ステップ1:3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10−(4−ブロモブトキシ)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン,4の調製
【化21】

【0061】
ヘキサフルオロプロパノール1.36ml(5eq.)および次に4−ブロモブタノール2.5g(6.3eq.)を、室温で1の1.07g(2.58mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液に連続して加える。次に、反応混合物を、室温で3時間攪拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液6mlを加える。有機相を、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ヘプタン)中の混合物B[(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物4の90mg(7%)を、油の形態で得る。
【0062】
この系でのR=0.40(ヘプタン/酢酸エチル)、(9/1)、(V/V)
CI:m/z=504 MNH
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、298Kの温度で得た:0.92(部分マスクされたm,1H);0.97(d,J=6.0Hz,3H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,3H);1.05から1.62(部分マスクされたm,6H);1.43(s,3H);1.65から2.10(m,7H);2.33から2.45(m,1H);2.84(m,1H);3.40から3.51(m,2H)、3.63(m,1H);3.88(m,1H);5.32(s,1H)。
【0063】
b)ステップ2:実施例7の調製
【化22】

【0064】
10分後に、硫酸ナトリウム5.7mg(0.073mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、4の90mg(0.19mmol)の無水エタノール(5ml)溶液に加える。攪拌をこの温度で約42時間維持し、次に飽和塩化ナトリウム溶液5mlを加える。混合物を、酢酸エチル3×5mlで抽出する。有機相を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液5mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの0から20%の直線勾配で溶離する。予想される生成物実施例7の33mg(50%)を、泡沫の形態で得る。
【0065】
この系でのR=0.20(ヘプタン/酢酸エチル)、(9/1)、(V/V)
ES:m/z=891(M+HCOOH−H)
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、298Kの温度で得た:0.93(部分マスクされたm,2H);0.97(d,J=6.0Hz,6H);1.00(広幅 d,J=7.5Hz,6H);1.22から1.37(m,4H);1.43(s,EH);1.50(m,4H);1.62から1.86(m,14H);1.91(m,2H);2.04(m,2H);2.38(m,2H);2.54(m,4H);2.84(m,2H);3.62(m,2H);3.85(m,2H);5.33(s,2H)。
【0066】
実施例8:2−[[(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン−10−イル]オキシ]−N−[2−[[(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン−10−イル]オキシ]エチル]−N−メチルエタンアミン
【化23】

【0067】
ヨウ化ナトリウム33mg(0.218mmol)およびテトラヒドロフラン中の2Mメチルアミン溶液0.545ml(1.09mmol)を、約20℃の温度の不活性アルゴン雰囲気下で、化合物2の100mg(0.218mmol)のテトラヒドロフラン(0.6ml)溶液に連続して加える。攪拌を40℃で20時間維持する。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3mlに溶解し、次にジクロロメタン3×3mlで抽出する。有機相を混合し、次に硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの0から30%の勾配で溶離する。予想される生成物実施例8の15mg(18%)を、白色の固体の形態で得る。
【0068】
この系でのR=0.25(ヘプタン/酢酸エチル)、(7/3)、(V/V)
ES:m/z=788 MH
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMR。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は、酢酸d(CDOD−d)を1滴添加後、7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.91(部分マスクされたm,2H);0.95(d,J=6.5Hz,6H);0.98(広幅 d,J=7.0Hz,6H);1.28(m,2H);1.33から1.63(m,8H);1.39(s,6H);1.69(m,2H);1.78(m,2H);1.89(m,2H);2.02(部分マスクされたm,2H);2.36(m,2H);2.86(部分マスクされたm,2H);2.89(s,3H);3.38(m,4H);4.19(m,4H);5.38(s,2H)。
【0069】
実施例9:2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}−N−(2−{[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)エタンアミン
【化24】

【0070】
a)ステップ1:(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−10−(2−アジドエトキシ)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン5の調製
【化25】

【0071】
アジ化ナトリウム162.5mg(2.5mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、化合物2の574mg(1.25mmol)のジメチルホルムアミド(20ml)溶液に加える。攪拌を約20℃の温度で3時間維持する。反応混合物を、蒸留水60mlに溶解し、次に酢酸エチル2×100mlで抽出する。有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液2×80mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。予想される生成物5の527mg(計量可能な収量)を、黄色の油の形態で得る。
【0072】
この系でのR=0.43(ヘプタン/酢酸エチル)、(8/2)、(V/V)
H NMR(CDCl,400MHz)δppm:5.48(s,1H);3.97(m,1H);3.78(m,1H);3.48(m,2H);2.88(qu,1H);2.39(td,1H);2.05(dt,1H);1.97−1.88(m,1H);1.87−1.77(m,2H);1.76−1.68(m,1H);1.53(m,1H);1.50(m,1H);1.43(s,3H);1.39−1.25(m,2H);1.03(d,3H);1.01−0.89(m,1H);0.98(d,3H)。
【0073】
b)ステップ2:2−{[(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ)エタンアミン,6の調製
【化26】

【0074】
トリフェニルホスフィン328mg(1.25mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、化合物5の527mg(1.25mmol)のテトラヒドロフラン(7ml)溶液に加える。攪拌を約20℃の温度で約24時間維持する。反応混合物を、蒸留水1mlに溶解し、次に攪拌を同じ温度で24時間継続する。反応混合物を、真空下で濃縮し、このように得られた残渣を、ジクロロメタン5mlに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液2mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めジクロロメタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ジクロロメタン)中の混合物B[(ジクロロメタン/メタノール)、(90/10)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物6の344mg(70%)を、白色の粉末の形態で得る。
【0075】
MS:ES:[M+H]=396。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.94(部分マスクされたm,1H);0.97(d,J=6.5Hz,3H);1.03(広幅 d,J=7.0Hz,3H);1.30(m,2H);1.40から1.56(m,2H);1.42(s,3H);1.63から1.95(m,4H);2.04(m,1H);2.38(m,1H);2.45(m 広がり,2H);2.87(m,1H);2.94.(m,2H);3.75(m,1H);3.85(m,1H);5.42(s,1H)。
【0076】
c)ステップ3:実施例9の調製
【化27】

【0077】
ヨウ化カリウム98mg(0.593mmol)、炭酸カリウム164mg(1.19mmol)および化合物6の232mg(0.587mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、化合物2の282mg(0.534mmol)のジメチルホルムアミド(7ml)溶液に連続して加える。攪拌を70℃で約7時間維持する。反応混合物を、減圧下で乾燥するまで濃縮する。得られた残渣を、ジクロロメタン10mlに溶解し、次に蒸留水6mlで洗浄し、水相をジクロロメタン10mlで再び抽出する。混合した有機相を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液6mlで洗浄し、次に硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣を、予め混合物(ヘプタン/酢酸エチル)、(9/1)、(V/V)において調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの10から60%の勾配で溶離する。予想される生成物実施例9の116mg(28%)を、淡黄色の固体の形態で得る。
【0078】
この系でのR=0.16(ヘプタン/酢酸エチル)、(8/2)、(V/V)
MS:ES:[M+H]=774。
ES:[M+HCOOH+H]=818。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.92(部分マスクされたm,2H);0.98(d,J=6.5Hz,6H);1.00(広幅 d,J=7.0Hz,6H);1.20から1.39(m,4H);1.42(s,6H);1.40から1.83(m,11H);1.90(m,2H);2.03(m,2H);2.38(m,2H);2.73から2.91(m,6H);3.75(m,2H);3.91(m,2H);5.47(s,2H)。
【0079】
実施例10:エチルN,N−ビス(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)グリシネート
【化28】

【0080】
ブロモ酢酸のエチルエステル15μl(0.133mmol)、ヨウ化カリウム8mg(0.047mmol)および炭酸カリウム10mg(0.071mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、化合物実施例9の37mg(0.047mmol)のジメチルホルムアミド(1ml)溶液に連続して加える。攪拌を50℃で1時間持続する。反応混合物を、減圧下で乾燥するまで濃縮する。得られた残渣を、酢酸エチル5mlに溶解し、次に蒸留水3mlで洗浄し、水相を酢酸エチル2×5mlで再び抽出する。混合した有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液2×5mlで洗浄し、次に硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣を、予め調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次に混合物(ヘプタン/酢酸エチル)、(80/20)、(V/V)に溶離する。予想される生成物実施例10の30mg(74%)を、無色のペーストの形態で得る。
【0081】
TLC この系でのR=0.49(ヘプタン/酢酸エチル)、(7/3)、(V/V)
MS:ES:[M+H]=860。
ES:[M+HCOOH+H]=904。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.80から1.00(m,14H);1.19から1.38(部分マスクされたm,4H);1.28(t,J=7.0Hz,3H);1.40(s,6H);1.44から1.58(部分マスクされたm,4H);1.61から1.82(m,6H);1.89(m,2H);2.02(m,2H);2.36(m,2H);2.70から2.90(m,4H);3.02(m,2H);3.40(d,J=17.5Hz,1H);3.61(m,2H);3.67(d,J=17.5Hz,1H);3.98(m,2H);4.06から4.22(m,2H);5.40(s,2H)。
【0082】
実施例11:N,N−ビス(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)グリシン
【化29】

【0083】
1N水酸化ナトリウム水溶液の59μl(0.059mmol)を、約20℃の温度で、化合物実施例10の10mg(0.011mmol)のメタノール(0.5ml)溶液に加える。攪拌を同じ温度で約6.5時間維持する。反応混合物を、減圧下で乾燥するまで濃縮する。得られた残渣を、酢酸エチル3mlに溶解し、次に飽和塩化ナトリウム水溶液1mlで洗浄する。水相を酢酸エチル3mlで再び抽出する。混合した有機相を、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣を、予め調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次に混合物(ジクロロメタン/メタノール)、(95/05)、(V/V)に溶離する。予想される生成物実施例11の8mg(81%)を、無色の固体の形態で得る。
【0084】
MS:ES:[M+H]=832
ES:[M−H]=830。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の300MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.92(部分マスクされたm,2H);0.97(d,J=6.5Hz,6H);1.01(広幅 d,J=7.0Hz,6H);1.20から1.38(部分マスクされたm,4H);1.42(s,6H);1.44から1.75(m,8H);1.80から2.10(m,6H);2.39(m,2H);2.80から3.02(m,6H);3.38(d,J=17.5Hz,1H);3.55(d,J=17.5Hz,1H);3.77から3.98(m,4H);5.32(s,2H)。
【0085】
実施例12:2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}−N−(2−{[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)アセトアミド
【化30】

【0086】
a)ステップ1:{[(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)酢酸,8の調製
【化31】

【0087】
過マンガン酸カリウム117mg(0.742mmol)および次に炭酸水素ナトリウム11mg(0.127mmol)を、室温で7(WO2003035651に従って調製)の100mg(0.255mmol)のアセトン(2ml)溶液に連続して加える。次に、反応混合物を、室温で3時間攪拌し、次に1N塩酸水溶液の1等量を加える。攪拌を室温で約18時間継続する。反応媒質を濾過し、次に減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣を、酢酸エチル10mlに溶解する。有機相を、蒸留水3mlで洗浄し、水相を1N塩酸水溶液2mlで酸性化し、次に酢酸エチル10mlで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、次に減圧下で蒸発乾固する。予想される生成物8の27mg(26%)を、白色の固体の形態で得る。
【0088】
H NMR(CDCl,300MHz)δppm:5.47(s,1H);4.67(d,1H);4.26(d,1H);2.91(qu,1H);2.38(td,1H);2.19(dq,1H);2.04(dt,1H);1.90(m,1H);1.77(m,2H);1.70(m,1H);1.59−1.48(m,1H);1.48−1.45(m,1H);1.42(s,3H);1.40−1.24(m,2H);1.05(d,3H);0.98−0.87(m,1H);0.96(d,3H)。
【0089】
b)ステップ2:実施例12の調製
【化32】

【0090】
ヒドロキシベンゾトリアゾール36mg(0.27mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド52mg(0.27mmol)を、約20℃の温度のアルゴンの不活性雰囲気下で、化合物8の37mg(0.09mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液に連続して加える。攪拌を約20℃の温度で約30分間維持し、次に化合物6を39mg(0.099mmol)加える。攪拌をこの温度で1時間継続する。反応混合物を、蒸留水5mlに溶解し、次に酢酸エチル3×20mlで抽出する。有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液2×10mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた残渣を、予め混合物(ヘプタン/酢酸エチル)、(90/10)、(V/V)において調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの10から20%の勾配で溶離する。予想される生成物実施例12の40mg(56%)を、粘性ゴムの形態で得る。
【0091】
MS:ES:[M+H]=788;[M+Na]=810
ES:[M−H]=786;[M+HCOOH+H]=832。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.87から1.03(m,11H);1.08(広幅 d,3H);1.21から1.40(m,4H);1.43(s,6H);1.45から1.65(部分マスクされたm,6H);1.69(m,2H);1.78から1.97(m,4H);2.05(m,2H);2.32から2.43(部分マスクされたm,2H);2.82から2.98(m,2H);3.37(m,1H);3.65から3.81(m,2H);3.95(m,1H);4.14(d,J=16.0Hz,1H);4.43(d,J=16.0Hz,1H);5.33(s,1H);5.36(s,1H);6.52(m,1H)。
【0092】
実施例13:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2E)−ブト−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン]および実施例14:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2Z)−ブト−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]−ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン]
【化33】

【0093】
ジクロロメタン1.3ml中の化合物7の200mg(0.51mmol)およびベンジリデンビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ジクロロルテニウム43mg(0.051mmol)の懸濁液を、約20℃の温度で約7時間攪拌する。トリスヒドロキシメチルホスフィン633mg(5.10mmol)およびトリエチルアミン1.43ml(10.2mmol)を含むジクロロメタン(3ml)溶液を加える。約20℃の温度で約10分間勢いよく攪拌を続けて、次に水6mlを加え、攪拌を1時間継続する。有機相を蒸留水3mlで洗浄し、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予め調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次に混合物(ヘプタン/酢酸エチル)、(95/5)、(V/V)に溶離する。E異性体実施例13の57.5mg(38%)を、白色の結晶の形態で得る。Z異性体実施例14の20mg(10%)を、白色の結晶の形態で得る。
【0094】
実施例13:
この系でのR=0.41(ヘプタン/酢酸エチル)、(8/2)、(V/V)
IR:983cm−1(特徴的トランスCH=CHバンド)。
MS:ES:[M+Na]=779。
ES:[M+HCOOH+H]=801。
H NMR(CDCl,300MHz)δppm:5.79(t,2H);5.32(s,2H);4.37(dd,2H);4.19(dd,2H);2.87(qu,2H);2.39(td,2H);2.04(dt,2H);1.97−1.87(m,2H);1.85−1.75(m,2H);1.75−1.62(m,4H);1.57−1.49(m,2H);1.47(m,2H);1.43(s,6H);1.37−1.20(m,4H);1.02(d,6H);1.00−0.84(m,2H);0.97(d,6H)。
【0095】
実施例14:
この系でのR=0.47(ヘプタン/酢酸エチル)、(8/2)、(V/V)
MS:ES:[M+NH=774。
H NMR(CDCl,300MHz)δppm:5.67(t,2H);5.31(s,2H);4.42(dd,2H);4.25(dd,2H);2.85(qu,2H);2.38(td,2H);2.04(dt,2H);1.96−1.84(m,2H);1.84−1.74(m,2H);1.74−1.61(m,4H);1.57−1.49(m,2H);1.47(m,2H);1.43(s,6H);1.37−1.20(m,4H);1.01(d,6H);1.00−0.87(m,2H);0.97(d,6H)。
【0096】
実施例15:(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2R,3R)−オキシラン−2,3−ジイルビス(メチレンオキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン]
【化34】

【0097】
メタ−クロロ過安息香酸103mg(0.417mmol)を、約20℃の温度で化合物実施例13の158mg(0.209mmol)のジクロロメタン(2.75ml)溶液に加える。攪拌をこの温度で約8時間維持する。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液3×5mlおよび飽和塩化ナトリウム水溶液13mlで連続して洗浄する。有機相を、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予め調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次に混合物(ヘプタン/酢酸エチル)、(95/5)、(V/V)に溶離する。2種のトランス異性体(実施例15)中の1種70mg(43%)を、白色の結晶の形態で得る。
【0098】
MS:ES:[M+Na]=795。
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.86から0.98(m,14H);1.20から1.39(m,4H);1.42(s,6H);1.44から1.55(m,4H);1.62から1.77(m,6H);1.89(m,2H);2.04(m,2H);2.37(m,2H);2.85(m,2H);3.11(広幅 s,2H);3.69(広幅 d,J=12.5Hz,2H);4.31(d,J=12.5Hz,2H);5.39(s,2H)。
【0099】
実施例16:(1−(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)−4−({[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}メチル)−1H−1,2,3−トリアゾールおよび実施例17:(1−(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)−5−({[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール
【化35】

【0100】
a)ステップ1:(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(プロプ−2−イン−1−イルオキシ−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン,9の調製
【化36】

【0101】
ヘキサフルオロプロパノール(5eq.)0.266mlおよび次にプロパルギルアルコール(10eq.)0.289mlを、室温で(3S,5aS,6R,8aS,9R,10S,12R,12aR)−10−(ブロモ)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン1(Org.Lett.2002、4、757−759に従って調製)0.206g(0.5mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液に連続して加える。次に、反応混合物を、室温で1時間15分攪拌し、次に飽和炭酸水素ナトリウム溶液5mlを加える。有機相を、硫酸マグネシウムにより乾燥させ、減圧下で蒸発乾固する。得られた油残渣を、予めヘプタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にヘプタン中の酢酸エチルの0から50%の直線勾配で溶離する。予想される生成物9の0.064g(34%)を、油の形態で得る。
【0102】
この系でのR=0.40(ヘプタン/酢酸エチル)、(85/15)、(V/V)
ES m/z=391 MH
m/z=335 MH−C
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は2.50ppmに参照シグナルがあるジメチルスルホキシド−d(DMSO−d6)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.88(部分マスクされたm,1H);0.91(d,J=6.5Hz,3H);0.95(広幅 d,J=7.5Hz,3H);1.23(m,1H);1.28から1.43(m,2H);1.32(s,3H);1.50から1.63(m,2H);1.73から1.90(m,3H);2.03(m,1H);2.21(m,1H);2.68(m,1H);3.52(t,J=2.5Hz,1H);4.30(dd,J=2.5および16.0Hz,1H);4.51(dd,J=2.5および16.0Hz,1H);5.57(s,1H)。
【0103】
b)ステップ2:実施例16および実施例17の調製
【化37】

【0104】
化合物5の257mg(0.610mmol)を、約20℃の温度で化合物9の119mg(0.305mmol)のエタノール(2.5ml)溶液に加える。攪拌を還流下で約48時間維持する。反応混合物を、ロータベーパー(rotavapor)において蒸発乾固し、得られた油残渣を、予めジクロロメタンにおいて調整したシリカゲル上でクロマトグラフィーにかけ、次にA(ジクロロメタン)中の混合物B[(ジクロロメタン/酢酸エチル)、(96/4)、(V/V)]の0から100%の直線勾配で溶離する。予想される生成物実施例16の43mg(18%)を、白色の固体の形態で得、予想される生成物実施例17の17mg(7%)を、白色の固体の形態で得る。
【0105】
実施例16:
この系でのR=0.26(ジクロロメタン/酢酸エチル)、(96/4)、(V/V)。
ES m/z=834 MNa
m/z=812 MH
BRUKER AVANCE DRX−400分光器上の400MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.75から1.70(部分マスクされたm,16H);0.92(広幅 d,J=7.0Hz,9H);0.98(広幅 d,J=7.0Hz,3H);1.41(s,3H);1.43(s,3H);1.89(m,2H);2.03(m,2H);2.37(m,2H);2.84(m,2H);4.11(m,1H);4.32(m,1H);4.40から4.60(m,2H);4.71(d,J=12.5Hz,1H);5.04(d,J=12.5Hz,1H);5.20(s,1H);5.70(s,1H);7.53(s,1H)。
【0106】
実施例17:
TLC この系でのR=0.32(ジクロロメタン/酢酸エチル)、(96/4)、(V/V)
ES m/z=834 MNa
m/z=812 MH
BRUKER AVANCE DRX−500分光器上の500MHzでのH NMRスペクトル。以下の化学シフト(ppm単位のδ)は7.27に参照シグナルがあるクロロホルムd(CDCl−d)の溶媒中、303Kの温度で得た:0.55から1.70(部分マスクされたm,16H);0.90(広幅 d,J=7.0Hz,9H);1.01(広幅 d,J=7.0Hz,3H);1.39(s,3H);1.44(s,3H);2.30から2.43(m,2H);1.97から2.09(m,2H);2.28から2.42(m,2H);2.80(m,1H);2.90(m,1H);4.11(m,1H);4.42から4.63(m,3H);4.40(d,J=13.0Hz,1H);5.04(d,J=13.0Hz,1H);5.11(s,1H);5.24(s,1H);7.61(s,1H)。
【0107】
調製された生成物の抗増殖活性:
本発明による生成物は、これらの抗増殖活性を判定することを可能にする薬理学的試験の対象である。これはHCT116細胞の細胞増殖の阻害を測定することにより判定した。細胞を、媒質0.17mlおよび様々な濃度の試験生成物20μl中に、1ウェルあたり細胞10,000個の濃度で細胞培地に播種し、チミジン10μl[メチル−14C](100μCi/ml−比活性47.90mCi/mmol;NEN TechnologiesリファレンスNEC568バッチ3550−001)を加え、次に細胞を37℃および5%COで温置する。
【0108】
HCT116細胞の培養に使用される培地:DMEM培地2mM L−グルタミン、200IU/mlペニシリン、200μg/mlストレプトマイシンおよび10%(V/V)ウシ胎児血清(Life Technologies)。
【0109】
96時間後、14C−チミジンの取り込みを、液体シンチレーションカウンター1450マイクロベータウォーレストリラックス(Microbeta Wallac Trilux)において計数する。結果Rを、cpm(カウント/分)で表し、最初に細胞Bが存在しないウェルの平均cpm数を引き、次にエタノール1%を含む生成物を希釈するための培地20μlを含む未処理細胞Cのウェルのcpm数で割ることによって増殖阻害GI%の百分率に変換する(GI%=(R−B)×100/C%)。
【0110】
IC50値を、マルクァルトアルゴリズム(Marquardt algorithm)(Donald W.MARQUARDT、J.Soc.industry appl.、vol.11、No.2、June、1963)を用いた非線形回帰分析により、XLFitソフトウェア(IDBS社、英国)の方程式205(equation 205)を用いて算出する。
【0111】
本生成物は、HCT116細胞に対して、一般に10μM未満、好ましくは100nM未満のIC50を有する。
【0112】
【表1】

【0113】
したがって、本発明による生成物を、薬物の調製のために使用することができる。
【0114】
したがって、別の態様によれば、本発明の対象は、式(I)の生成物、または式(I)の生成物の薬学的に許容される酸を付加した式(I)の生成物の塩または水和物もしくは溶媒和物を含む薬物である。
【0115】
これらの薬物は、治療における特に癌の治療における使用が見出される。
【0116】
したがって、本発明は、病的状態を治療するのに有用な薬物を製造するための式(I)の生成物の使用に関し、より具体的には、癌を治療するのに有用な薬物を製造するための式(I)の生成物の使用に関する。
【0117】
また、本発明は、新規の血管新生または血管形成が不適切に生じる病態、すなわち、一般の癌において生じるが、カポジ肉腫または乳児血管腫などの特定の癌においても、慢性関節リウマチ、骨関節炎および/またはこれに関連する疼痛ならびに出血性直腸結腸炎またはクローン病などの炎症性大腸疾患、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症などの眼疾患、慢性炎症および乾癬においても生じる病態を治療するのに有用な薬物を製造するための式(I)の生成物の使用に関する。
【0118】
血管形成は、既存の血管からの新規な毛細血管の生成の過程である。また、腫瘍増殖にとって不可欠な腫瘍の血管形成(新規血管の形成)も、転移性播種の主な因子のうちの1つである(Oncogene.2003 May 19;22(20):3172−9;Nat Med.1995 Jan;1(1):27−31)。
【0119】
別の態様によれば、本発明は、有効成分として本発明による生成物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明による少なくとも1種の生成物の有効量または薬学的に許容される塩、前記生成物の水和物もしくは溶媒和物および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0120】
前記賦形剤は、当業者に公知の通常の賦形剤から、これらの製剤剤形および所望の投与様式に従って選択される。
【0121】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記の障害または疾患の予防または治療のために、上記の式(I)の有効成分またはこの塩、溶媒和物もしくは水和物を、従来の医薬品賦形剤との混合物として、単位形態で動物およびヒトに投与することができる。
【0122】
適切な単位投与形態は、経口経路による投与形態(錠剤、軟または硬ゼラチンカプセル、粉末、顆粒、および経口溶剤または懸濁剤など)、舌下、口腔、気管内、眼内または鼻腔内投与の形態、吸入による投与の形態、局所、経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与の形態、直腸内投与またはインプラントの形態を含む。局所塗布では、本発明による生成物を、クリーム、ゲル、軟膏またはローションで使用することができる。
【0123】
例として、錠剤形態における本発明による生成物の単位投与形態は、以下の成分を含むことができる。
【0124】
本発明による生成物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0125】
より高用量またはより低用量が適切である特定の場合が存在する可能性があり、このような用量は、本発明の範囲を逸脱しない。一般の慣例によれば、各患者に適した用量は、投与方法、前記患者の体重および反応によって医師により決定される。
【0126】
また、別の態様によれば、本発明は、上記の病態を治療する方法に関し、この方法は、本発明による生成物、または薬学的に許容されるこの塩またはこの水和物もしくは溶媒和物の1つの有効量の患者への投与を含む。
【0127】
本発明の生成物は、単独または他の抗癌剤との混合物として投与することができる。可能な組合せの中で、以下を挙げることができる。
【0128】
アルキル化剤、特にシクロホスファミド、メルファラン、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、プレドニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾトシン、デカルバジン、テモゾロミド、プロカルバジンおよびヘキサメチルメラミン
特にシスプラチン、カルボプラチンまたはオキサリプラチンなどの白金誘導体
特にブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシンなどの抗生物質製剤
特にビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、タキソイド(パクリタキセルおよびドセタキセル)などの微小管阻害剤
特にドキソルビシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ロソキサントロンなどのアントラサイクリン
エトポシド、テニポシド、アムサクリン、イリノテカン、トポテカンおよびトムデックスなどのI型およびII型トポイソメラーゼ
5−フルオロウラシル、UFT、フロキシウリジンなどのフルオロピリミジン
5−アザシチジン、シタラビン、ゲムシタビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニンなどのシチジン類似体
ペントスタチン、シタラビンまたはリン酸フルダラビンなどのアデノシン類似体
メトトレキセートおよびフォリン酸
L−アスパラギナーゼ、ヒドロキシ尿素、トランス−レチノイン酸、スラミン、デキスラゾキサン、アミホスチン、ハーセプチンならびに卵胞および男性ホルモンなどの様々な酵素および化合物
コンブレタスタチン誘導体(例えば、CA4P)、カルコンまたはコルヒチン(例えば、ZD6126)およびこれらのプロドラッグなどの抗血管形成剤
エルトニリブ(ertonilib)またはイマチニブなどのキナーゼ阻害剤
リツキシマブ、ベバシツマブ、セツキシマブ、トラスツズマブまたはアレムツズマブなどの抗体などの生物療法剤
ボルテゾミブなどのプロテアソーム阻害剤。
【0129】
本発明の化合物を放射線治療と組み合わせることもできる。これらの治療は、同時に、別々にまたは連続して実施することができる。治療は、治療する疾患に従って医師により適合される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基または酸付加塩の形態および水和物または溶媒和物の形態における、以下の一般式(I)に対応する生成物
【化1】

[式中、
a)Aは、−S−、−SO−、−SO−、−NR−、−N(O)R−、−CONR−、−NRSO−、−CO−、−COO−、NRCONR−、−NRSONR−、−OP(O)(OR)O−、−OCONR−、−OCOO−、−O−、−C(=N−OR)−またはエポキシド、(C−C)アルキレン、(C−C)アルケニレン、(C−C)アルキニレン、(C−C)シクロアルキレン、(C−C)シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレンもしくはヘテロシクリル基から選択される二価基であり(最後の9種の基は1種または複数の置換基RまたはRで場合によって置換される可能性がある。);
b)XおよびXは、同一でありまたは異なり、N、O、Sから選択され;
c)BおよびBは、同一でありまたは異なり、−(CF−Rを表し(Rは、同一のまたは異なる1種または複数の置換基RまたはRで場合によって置換される可能性がある、それぞれ独立に、F、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、−COR、−COOR、−CONR、−ORまたは−SRであり、pは、値1、2または3を有する。);
d)nおよびnは、同一でありまたは異なり、値0、1、2、3または4を有し;
e)RまたはRは、同一でありまたは異なり、それぞれ独立に、H、ハロゲン、−(C−C)アルキル、−(C−C)アルキル−COO−R、−(C−C)アルキル−NR、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルケニル、−(C−C)アルキニル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、ヘテロシクリル、−OR、−OCOR、−COR、−COOR、−CONR、−NR、−NRCOR、−SR、−SO、−CNから選択され;
f)RまたはRは、同一でありまたは異なり、それぞれ独立に、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルから選択される。]。
【請求項2】
およびBが同一であり、CFであることを特徴とする、請求項1に記載の式(I)の生成物。
【請求項3】
およびXが同一であり、Oであることを特徴とする、請求項1または2に記載の式(I)の生成物。
【請求項4】
Aが−S−であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項5】
Aが−SO−であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項6】
Aが−SO−であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項7】
Aが−N(CH)−であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項8】
およびnが同一であり、値2、3または4を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項9】
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルフィニルビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルフィニルビス(2,1−エタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルフィニルビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[スルホニルビス(3,1−プロパンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[チオビス(4,1−ブタンジイルオキシ)]ビス[デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン;
2−[[(3R,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン−10−イル]オキシ]−N−[2−[[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)デカヒドロ−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)−3,12−エポキシ−12H−ピラノ[4,3−j]−1,2−ベンゾジキセピン−10−イル]オキシ]エチル]−N−メチルエタンアミンから選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項10】
Aが−NH−、−N(CH−C(O)O−CH−CH)−または−N(CH−COOH)−から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項11】
およびnが、同一であり、値2を有することを特徴とする、請求項10に記載の式(I)の生成物。
【請求項12】
Aが(C−C)アルケニレンまたはエポキシドから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項13】
およびnが、同一であり、値1を有することを特徴とする、請求項12に記載の式(I)の生成物。
【請求項14】
Aが−NHCO−または−1,2,3−トリアゾールから選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項15】
およびnが、異なり、それぞれ独立に、値1または2を有することを特徴とする、請求項14に記載の式(I)の生成物。
【請求項16】
2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}−N−(2−{[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)エタンアミン;
エチルN,N−ビス(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)グリシネート;
N,N−ビス(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)グリシン;
2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}−N−(2−{[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)アセトアミド;
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2E)−ブト−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン];
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2Z)−ブト−2−エン−1,4−ジイルビス(オキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]−ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン];
(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR,3’S,5’aS,6’R,8’aS,9’R,10’R,12’R,12’aR)−10,10’−[(2R,3R)−オキシラン−2,3−ジイルビス(メチレンオキシ)]ビス[3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン];
(1−(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)−4−({[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール;
1−(2−{[(3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}エチル)−5−({[3S,5aS,6R,8aS,9R,10R,12R,12aR)−3,6,9−トリメチル−10−(トリフルオロメチル)デカヒドロ−3,12−エポキシ[1,2]ジオキセピノ[4,3−i]イソクロメン−10−イル]オキシ}メチル)−1H−1,2,3−トリアゾールから選択されることを特徴とする、請求項1から3および10から15のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項17】
1)非キラル形態、または
2)ラセミ形態、または
3)1種の立体異性体に富む形態、または
4)1種の鏡像異性体に富む形態であることを特徴とする、および
場合によって塩にされていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の一般式の生成物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物または前記生成物の薬学的に許容される酸を付加した前記生成物の塩または式(I)の生成物の水和物もしくは溶媒和物を含むことを特徴とする薬物。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の式(I)の生成物または前記生成物の薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物および少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項20】
以下の一般式IIIの生成物が
【化2】

(式中、Bは、上記の定義の通り置換基BまたはBを表す。)、臭素アルコールなどの求核試薬による臭素原子の置換を受けることにより、以下の一般式(II)の生成物が得られる
【化3】

[式中、Xは、上記の定義の通り置換基XもしくはXを表し、nは、上記の定義の通りnもしくはnを表し、Gは臭素原子などの脱離基を表し、その場合、前記一般式(II)の生成物は、求核置換されて、一般式(I)の二量体もしくは一般式(I)の生成物の前駆体を形成し、またはGは還元もしくは酸化反応により場合によって活性化される可能性がある化学官能基F1を表し、その場合、前記一般式(II)の生成物は、式(II)の別の生成物(式中、Gは、臭素原子またはF1と反応することができる化学官能基F2などの脱離基を表す。)と反応し、一般式(I)の二量体もしくは一般式(I)の生成物の前駆体を形成する。]ことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の一般式(I)の生成物を調製するための方法。
【請求項21】
病的状態を治療するのに有用な薬物を製造するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項22】
前記病的状態が癌であることを特徴とする、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
新規の血管新生または血管形成が不適切に生じる病態、すなわち、一般の癌において生じるが、カポジ肉腫または乳児血管腫などの特定の癌においても、慢性関節リウマチ、骨関節炎および/またはこれに関連する疼痛、出血性直腸結腸炎またはクローン病などの炎症性大腸疾患、加齢黄斑変性、糖尿病性網膜症などの眼疾患、慢性炎症および乾癬においても生じる病態を治療するのに有用な薬物を製造するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項24】
中間生成物としての一般式(II)の生成物(式中、Xは、酸素原子であり、nは、値0、1、2、3または4を有し、Bは、トリフルオロメチル基であり、Gは、臭素原子、または−N3、−NH2、アルケニル、アルキニルもしくは−COOH基を表す。)。

【公表番号】特表2009−533398(P2009−533398A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504774(P2009−504774)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【国際出願番号】PCT/FR2007/000585
【国際公開番号】WO2007/116135
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】