説明

アルプラゾラムの制御送達のための浸透性投薬形態物

アルプラゾラムの送達のための投薬形態物が記述される。持続放出投薬形態物は、1日1回投薬することにより治療学的に有効な平均恒常血漿アルプラゾラム濃度を提供し、この場合、最高到達血漿濃度は投与後約14時間以上に達成される。ゆっくりした持続放出は鎮静および濫用の潜在性を低下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアルプラゾラム(alprazolam)の送達のための投薬形態物に関する。アルプラゾラムは1日1回の投薬を可能にする方式で投薬形態物から放出される。また本発明はアルプラゾラムに応答する症状を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルプラゾラムは一般化した不安障害の管理、疼痛障害の処置、および不安を伴う症候の短期の軽減のために処方される。この薬物は慣用の投薬形態物、例えば非速度制御の、用量を一塊で投下する(dose−dumping)即時放出錠剤において、または用量を一塊で投下するカプセル剤によって投与することができる。慣用のプラットホーム・マルチプル(platform multiple)において投与される場合、1日を通しての反復用量が推奨されている(非特許文献1)。またアルプラゾラムは商標XanaxXR(R)によって特定される制御放出ビーズシステムにより1日2回を基本として投与される(非特許文献1)。標示の指示(label claim)にもかかわらず、XanaxXR(R)の制御放出ビーズシステムで投与される場合、臨床的な実行は、欧州で標示している1日2回用量と合致する1日2回の投薬が必要であることを示唆している。
【0003】
XanaxXR(R)の制御放出ビーズシステムから投与された場合のアルプラゾラムは、投薬後約10時間に初期の最高アルプラゾラム血中濃度を生じ、その後血中濃度は減少し、治療血中レベルを維持するためには第2の用量を必要とする(非特許文献1)。この頂点と谷は1日2回の投薬管理法により24時間の間に2回起きる。そのような送達プロフィルは、治療上必要とするよりも高い最高濃度と、治療上の利益を与えるのに要するよりも低い最低濃度をもたらすので、既知の投薬形態物によって起きる頂点と谷の現象は欠点となる。さらにまた、既知の投薬形態物によって与えられる頂点と谷の送達パターンは、望ましくない効果、例えば、頂点の濃度における過剰投薬による鎮静ならびに濃度が谷において有効レベル以下に落ちるので低下した治療上の利益をもたらす。
【0004】
そのような頂点と谷は、特にアルプラゾラムについては望ましくなく、このことは、鎮静、記憶障害および濫用の潜在性を表す、標準値(measures)に較べて増大するアルプラゾラムの用量に関する急勾配の用量応答曲線を例証している。初老期における鎮静および損傷した運動障害の発生は特にアルプラゾラムに関係している。
【0005】
製薬学的作用物の制御放出のための投薬形態物は当該技術分野において既知である。例えば、薬物組成物が、膨張性層の作用によって小さい出口オリフィスからスラリー、懸濁液または溶液として送達されるデバイスが、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7および特許文献8において記述されている。典型的なデバイスは、半透性膜によって囲まれた膨張性押し出し層および薬物層を包含する。ある例では、薬物層はサブコートを施されて、使用環境への薬物組成物の放出を遅延させるか、または半透性膜と一緒になって強化された(annealed)コーティングを形成する。薬物組成物が膨張性層の作用によって大きい出口オリフィスから乾燥状態で送達されるデバイスは、特許文献9、特許文献10および特許文献11に記述されている。
【0006】
有効な治療およびアルプラゾラムの投薬に伴う望ましくない副作用の軽減を与えるために、1日当たり1回の投薬を可能にするのに十分な時間にわたってアルプラゾラムの制御放出を与える有効な投薬形態物に対するニーズがここに残されている。
【特許文献1】米国特許第5,633,011号
【特許文献2】米国特許第5,190,765号
【特許文献3】米国特許第5,252,338号
【特許文献4】米国特許第5,620,705号
【特許文献5】米国特許第4,931,285号
【特許文献6】米国特許第5,006,346号
【特許文献7】米国特許第5,024,842号
【特許文献8】米国特許第5,160,743号
【特許文献9】米国特許第4,892,778号
【特許文献10】米国特許第4,915,949号
【特許文献11】米国特許第4,940,465号
【非特許文献1】Evans,R.L.Psychiatric Annals,Supplement to October 1993 issue,8−13(1993)
【発明の開示】
【0007】
1つの態様では、本発明はアルプラゾラムの送達のための投薬形態物を提供する。本発明の投薬形態物は、好ましくは、1日1回の投薬形態物であり、かつ24時間にわたる治療学的に有効量のアルプラゾラムの送達を介して中枢神経系障害の連続的な管理を提供するように設計される。
【0008】
1つの態様では、本発明は、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物であって、水性環境への曝露後10時間に用量の25%〜60%が放出される溶解速度を有する投薬形態物を包含する。1つの実施態様では、投薬形態物は水性環境への曝露後10時間に用量の35%〜55%が放出される溶解速度を提供する。
【0009】
その他の実施態様では、投薬(dosage)は、水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出される溶解速度を提供するために有効である。
【0010】
なおその他の実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後12時間に用量の30%〜80%が放出される溶解速度を提供するために有効である。さらなる実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後10時間に用量の40%〜70%が放出される溶解速度を提供する。
【0011】
1つの実施態様では、投薬形態物は浸透性投薬形態物である。そのような投薬形態物は、1つの実施態様では、(i)押し出し層;(ii)アルプラゾラムを含有する薬物層;(iii)押し出し層と薬物層の周囲に施される半透性壁;および(iv)出口からなる。あるいはまた、浸透性投薬形態物は、(i)アルプラゾラム調合物、オスマゲント(osmagent)およびオスモポリマー(osmopolymer)を含有する浸透性調合物の周囲に施される半透性壁;ならびに(ii)出口からなる。
【0012】
1つの実施態様では、投薬形態物は0.25〜25mgの総1日用量を提供する。その他の実施態様では、投薬形態物は0.5〜6mgの総1日用量を提供する。
【0013】
その他の態様では、本発明は、投薬形態物が(i)水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出され;(ii)水性環境への曝露後10時間に用量の25%〜65%が放出され;そして(iii)水性環境への曝露後24時間に用量の85%超が放出される、イン・ビトロの放出プロフィルを提供するために有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物を提供する。
【0014】
その他の態様では、投薬形態物が水性環境への曝露後16時間、より好ましくは14時
間に、用量の少なくとも約10%、より好ましくは15%を放出するように形作られる、アルプラゾラムの送達のための投薬形態物が提供される。
【0015】
その他の態様では、本発明は、投薬形態物がアルプラゾラムの用量を含有し、かつ水性環境への曝露後12時間に用量の少なくとも約25%を放出するように形作られる、アルプラゾラムの送達のための投薬形態物を提供する。あるいはまた、投薬形態物は、水性環境への曝露後12時間に用量の少なくとも約30%を放出するように設計される。
【0016】
その他の態様では、本発明は、投薬形態物が経口送達後10時間、あるいはまた12時間に25%〜60%のイン・ビボで放出される薬物の累積量を提供する、アルプラゾラムを含有する投薬形態物を包含する。
【0017】
1つの実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後、すなわち経口摂取後10時間に用量の35%〜55%が放出される、イン・ビボの放出プロフィルを提供する。その他の実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出される、放出プロフィルを提供するために有効である。なおその他の実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後12時間に総用量の30%〜80%のイン・ビボで放出される薬物の累積量を提供するために有効である。あるいは他の実施態様では、水性環境への曝露後10時間に用量の40%〜70%が放出される、放出プロフィルを提供する。
【0018】
その他の態様では、本発明は、投薬形態物が投与後約14時間以上に最高到達アルプラゾラム血漿濃度(Cmax)を与える、アルプラゾラムを含有する投薬形態物を提供する。1つの実施態様では、Cmaxは投与後16時間以上に生じる。
【0019】
その他の態様では、本発明は、投薬形態物が約110ng・hr/mL・mg未満の用量−標準化(1mg用量に標準化)した曲線下面積を与える、アルプラゾラムを含有する投薬形態物を提供する。1つの実施態様では、用量−標準化した曲線下面積は70ng・hr/mL・mg超、かつ約110ng・hr/mL・mg未満である。
【0020】
他の態様では、本発明は、上記投薬形態物を投与することによってヒト被験者にアルプラゾラムを投与する方法を意図する。
【0021】
また本発明は、約110ng・hr/mL・mg未満の用量−標準化した曲線下面積を与えるのに有効な投薬形態物を投与することによって、アルプラゾラムに応答する症状を処置する方法を意図する。
【0022】
また本発明は、即時放出投薬調合物から投与される場合、アルプラゾラムの経口送達に伴う副作用を軽減する方法を意図する。1つの実施態様では、アルプラゾラムによって惹起される鎮静が即時放出投薬形態物に対して少なくとも2倍軽減され、この場合、鎮静は慣用の試験、例えば以下に記述される試験を用いて測定される。
【0023】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、本発明の次に示す詳細な記述が付随する図面とともに解釈される場合には、より完全に評価されるであろう。
【発明の詳細な記述】
【0024】
1. 定義
「投薬形態物(dosage form)」とは、活性のある製薬学的作用物、例えばアルプラゾラム、場合によっては不活性成分、すなわち、活性のある製薬学的作用物を製造および送達するために使用される製薬学的に許容できる添加物、例えば懸濁化剤、界面活性剤、崩壊剤、結合剤、希釈剤、滑沢剤、安定剤、抗酸化剤、浸透剤、着色剤、可塑剤
、コーティング剤などを含有する組成物もしくはデバイスを含んでなる、製薬学的組成物もしくはデバイスを意味する。
【0025】
「活性作用物(active agent)」、「薬物」もしくは「化合物」とは、アルプラゾラムの特性を有する作用物、薬物もしくは化合物を意味する。
【0026】
「アルプラゾラム」に関しては、薬物の遊離塩基形態物およびその製薬学的に許容できる酸付加塩を含む。
【0027】
「製薬学的に許容できる酸付加塩」もしくは「製薬学的に許容できる塩」は、アニオンが塩の毒性もしくは薬物学的活性に有意には寄与せず、そしてそれ自体、それらがアルプラゾラム化合物の塩基の薬物学的等価物であるそれらの塩を意味する。塩形成の目的のために有用な製薬学的に許容できる酸の例は、限定されるものではないが、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、クエン酸、酢酸、安息香酸、マンデル酸、リン酸、硝酸、
粘液酸、イソチオン酸、パルミチン酸およびその他を含む。
【0028】
「持続放出(徐放性)(sustained release)」とは、長期間にわたる環境への活性作用物の予定された連続放出を意味する。
【0029】
本明細書で使用されてもよい、用語「出口」、「出口オリフィス」、「送達オリフィス」もしくは「薬物送達オリフィス」、および他の類似の用語は、通路、孔(aperture)、オリフィスおよび穴からなる群から選ばれる一員を含む。また、この用語は、形成されているオリフィスか、または外側の壁から侵食され、溶解されるか、または洗い落とされて出口オリフィスを形成する物質もしくはポリマーから形成できるオリフィスを含む。
【0030】
「溶解速度」は、放出媒質中に単位時間当たり投薬形態物からイン・ビトロで放出される薬物の量を指す。本明細書に記述される研究におけるイン・ビトロ溶解速度は、恒温水浴中37℃においてUSP TypeVII bath indexerに取り付けられた金属コイル・サンプルホルダー中に置かれた投薬形態物について実施された。放出速度溶液の一定分量をクロマトグラフィーシステム中に注入して、各試験間隔の間に放出された薬物量を定量した。
【0031】
用語「イン・ビトロ放出速度アッセイ」もしくは「イン・ビトロ溶解アッセイ」は、単位時間当たり投薬形態物から放出される薬物量の測定のための標準化アッセイを指す。例えば、投薬形態物が経口投与可能な制御放出投薬形態物である場合、放出速度アッセイはUSP Type7間隔放出装置を用いて実施されてもよい。同等級の試薬が一般的に受け入れられる手順にしたがうそのようなアッセイにおいて置換されてもよいことは理解される。
【0032】
薬物「放出速度」もしくは「送達速度」は、単位時間当たり投薬形態物からイン・ビボで放出されるかまたは送達される薬物の量、例えば、イン・ビボで1時間当たり放出される薬物のミリグラム(mg/hr)を指す。
【0033】
本明細書において明確および便利にするために、慣例的に、ゼロ時間(t=0時間)および適当な時間単位での投与後の時間、例えば、t=30分もしくはt=2時間などとして、薬物投与の時間を指示することが利用される。
【0034】
本明細書で使用されるように、改めて指定しない限り、「投与後」特定の時間において得られた薬物放出速度は、投薬形態物のイン・ビボ送達後の特定の時間において得られた
放出速度を指す。投薬形態物中の薬物の特定のパーセントが放出された時間は、「T」値として言及されてもよく、この場合「x」は放出された薬物のパーセントである。例えば、投薬形態物からの薬物放出を評価するための通常使用される参照測定値は、投薬形態物中の薬物の70%が放出された時間および投薬形態物中の薬物の90%が放出された時間である。これらの測定値はその投薬形態物について「T70」および{T90」と呼ばれる。
【0035】
「即時放出(immediate−release)投薬形態物」は、投与後短時間内、すなわち、一般には数分〜約1時間内に実質的に完全に薬物を放出する投薬形態物を指す。
【0036】
「持続放出投薬形態物」もしくは「制御放出(controlled release)投薬形態物」とは、数時間、典型的には少なくとも約10〜20時間、好ましくは15〜18時間、実質的に連続して薬物を放出する投薬形態物を意味する。
【0037】
用語「均一(uniform)放出速度」は、いかなる適当な放出速度アッセイによっても決定されるように、いずれか先行または続行する平均の1時間毎の放出速度から、約30%未満、好ましくは約25%未満、もっとも好ましくは約10%未満、正負に変化する、平均の1時間毎の放出速度を意味する。例えば、投薬形態物が経口投与できる制御放出錠剤またはカプセル剤である場合、投薬形態物の放出速度性能は、累積放出が約25%〜約75%であるUSP Type7 Interval Release Apparatusを用いて評価できる。
【0038】
「長時間(prolonged period of time)」とは、少なくとも約4時間、好ましくは6〜8時間以上、より好ましくは10時間以上の継続する時間を意味する。例えば、本明細書に記述される代表的浸透性投薬形態物は、一般に、投与後約2〜約6時間内に均一放出速度においてアルプラゾラムを放出し始め、そして前記均一な放出速度は、薬物の約25%から少なくとも約75%まで、好ましくは少なくとも約85%まで長時間の間継続する。アルプラゾラムの放出は、放出速度は一般に均一放出速度から若干緩和されるものの、その後数時間以上継続する。
【0039】
「C」とは、被験者の血漿中の薬物濃度を意味し、一般に、単位体積当たりの質量、典型的には1ml当たりのナノグラム数として表される。便宜的には、この濃度は、ここでは「血漿薬物濃度」または「血漿濃度」と呼ばれることがあり、これは、いずれか適当な体液もしくは組織において測定された薬物濃度を含めることを意図する。薬物投与後いずれかの時間での血漿薬物濃度は、C9hもしくはC24hなどにおけるようにCtimeと言及される。用語Cmaxは、薬物用量の投与後の最高到達血漿薬物濃度を指し、そして典型的には、最初の用量の投与および/または非連続、非定常的な投薬計画後に追跡される。「Tmax」は最高血漿薬物濃度が達成される時間を指す。
【0040】
「恒常的」とは、血漿濃度の頂点と血漿濃度の谷が、各投薬区間内で本質的に同一である、一定用量の連続投与後の時間に対する血漿濃度のパターンを意味する。
【0041】
当業者は、個々の被験者において得られる血漿薬物濃度が、薬物の吸収、分布、代謝および排泄に影響を与える多くのパラメーターにおける患者間の可変性により変わりうることを評価する。この理由によって、改めて指示しない限り、被験者の群から得られる平均値が、血漿薬物濃度の比較の目的のため、ならびにイン・ビトロの投薬形態物放出速度アッセイ値およびイン・ビボの血漿薬物濃度の間の関係を解析するために本明細書では使用される。
【0042】
II.投薬形態物組成物およびイン・ビトロの放出プロフィル
第1の態様では、本発明は所望の用量のアルプラゾラムからなる投薬形態物を提供し、この場合、投薬形態物は、以下に議論され、具体的に説明されるように特定のアルプラゾラム放出プロフィルを与える。一般に、投薬形態物は、薬物の1日1回の投与が可能であ
るように長時間にわたってアルプラゾラムを送達する。また投薬形態物は、以下に提示されるデータにおいて具体的に説明されるように、比較的少ないそして/または軽減された副作用をもたらす様式でアルプラゾラムを送達する。
【0043】
A.代表的な投薬形態物の溶解速度
アルプラゾラム2mgを含有する代表的投薬形態物は実施例1に記述されるように製造された。簡単に言えば、投薬形態物は半透性膜によって取り囲まれた薬物層と押し出し(push)層からなった。薬物の放出は薬物層の中まで半透性膜を貫通する出口を介して提供される。投薬形態物からのアルプラゾラムのイン・ビトロ放出は、実施例1に記述されるように決定され、そして図1A〜1Bに示される。
【0044】
図1Aは、時間の関数として1時間当たりの放出される平均薬物量(mg/hr)を示す。図1Bは、時間の関数(hr)と同様に総薬物量のパーセントとして放出された薬物の標準化累積量のデータを提示する。イン・ビトロの水性環境への曝露後4時間に用量の約0.08mgまたは約4%が放出された。イン・ビトロの水性環境への曝露後10時間に総用量の約40%が投薬形態物から放出され、そして12時間には総用量の約50%が放出された。水性環境への曝露後16時間に総用量の70%未満が放出されて、16〜24時間の枠内での送達のための用量の30%が残された。総用量の90%が水性放出媒質への曝露後20.6時間に放出され、そして平均放出速度は、実施例1に記述される反復方法を用いて計算された0.102mg/hrであった。
【0045】
その他の研究では、アルプラゾラム2mgを含有する投薬形態物が実施例2に記述されるように製造された。人工胃液を模した媒質(AGF,pH1.2)および人工腸液(AIF,pH6.8)への投薬形態物からのアルプラゾラムの放出が決定され、そして結果が図2A〜2Cに示される。
【0046】
図2A〜2Bは、人工胃液(図2A)および人工腸液(図2B)への投薬形態物からのアルプラゾラムの平均放出速度(mg/hr)を示す。アルプラゾラムの放出は放出媒質のpHによって影響されず、投薬形態物は人工胃液(図2A)中に19.5時間目に、そして人工腸液(図2B)中に19.1時間目に総用量の90%(T90)を放出した。各流体への平均放出速度は、0.106mg/hrおよび0.104mg/hr(実施例1に記述される反復方法を用いて計算された)であった。
【0047】
図2Cは24時間にわたって放出される総アルプラゾラム用量(2mg)のパーセントを示す。またこの形式におけるデータの提示は、アルプラゾラムの放出が人口胃液(四角)に置かれても、また人口腸液(三角)に置かれてもほとんど同一の放出プロフィルを有する投薬形態物により、放出媒質のpHによって影響されないことを示している。水性放出媒質への曝露後2時間に総薬物用量の10%未満、より具体的には約1%のみが放出された。水性放出媒質への曝露後4時間には総薬物用量の10%未満、より具体的には約8%が放出された。薬物用量の約35%が水性媒質への曝露10時間後に放出され、そして約45%が水性媒質への曝露12時間後に放出された。
【0048】
0.5mgのアルプラゾラムと2mgのアルプラゾラムを含有するさらなる投薬形態物が実施例3に記述されるように製造された。薬物の放出が決定され、結果は図3A〜3Cに提示された。図3Aは0.5mg(菱型)および2mg(四角)の投薬形態物から放出された薬物のイン・ビトロ量(各時点で放出されるパーセント総用量として報告される)を示す。図面における点線は、各時点で報告されるアルプラゾラムの量(0.5mgと2mg投薬形態物について平均された)±15%に対応する。水性放出媒質への曝露後2時間に総薬物用量の約2%が放出された。水性放出媒質への曝露後10時間に総薬物用量の約42〜46%が放出された。水性放出媒質への曝露後12時間に総薬物用量の約52〜
57%が放出された。より一般には、放出アッセイが米国薬局方(USP)タイプVII装置に関するプロトコールにしたがって実施される、少なくとも約5個の投薬形態物について平均されるイン・ビトロ放出速度アッセイにおいて読む10時間の時点で、総用量の約25%以上かつ総薬物用量の約60%未満、すなわち25〜60%が放出されるイン・ビトロ放出プロフィルを提供するのに有効な投薬形態物が意図される。その他の一般的実施態様では、総用量の約30%以上で総薬物用量の約80%未満、すなわち30〜80%がイン・ビトロ放出速度アッセイの開始後10時間に放出されるイン・ビトロ放出プロフィルを提供するのに有効な投薬形態物が意図される。
【0049】
その他の一般的実施態様では、総用量の約35%以上で総薬物用量の約55%未満、すなわち35〜55%がイン・ビトロ放出速度アッセイにおいて読む10時間の時点で、放出される溶解プロフィルを提供するのに有効な投薬形態物が考えられる。この実施態様は、図3Bにおいて示され、ここでは0.5と2mgの投薬形態物に関するデータが、2種の投薬形態物について各時点で放出される薬物の平均量の±12%を表す点線とともに示される。図3Bの点線によって限界を定められた放出プロフィルを提供することができる投薬形態物が、ここでは考えられる。より具体的には、水性媒質との接触後10時間に総薬物用量の35%以上で55%未満を放出する投薬形態物が提供される。より好ましくは、水性媒質との接触後10時間に総薬物用量の40%以上で50%未満を放出する投薬形態物が提供される。
【0050】
図3Cは、0.5と2mgの投薬形態物に関する時間の関数としての放出されるアルプラゾラムの累積量が、各時点で放出される薬物の平均量の±10%を表す点線とともに示されるその他の実施態様を示す。図3Cの点線によって限界を定められた溶解速度を提供することができる投薬形態物が、ここでは考えられる。より具体的には、水性媒質との接触後10時間に総薬物用量の少なくとも約40%で50%未満を放出する投薬形態物が提供される。より好ましくは、水性媒質との接触後10時間に総薬物用量の少なくとも約40%で46%未満を放出する投薬形態物が提供される。
【0051】
図1〜3のデータは、投薬形態物が外部環境とは本質的に独立に所望の放出プロフィルを提供するのに有効であることを具体的に説明している。外部の放出媒質のpHが変えられた図1〜3のデータから明らかであるように、投薬形態物の溶解プロフィルは放出媒質とは無関係に実質的に一定であった。かくして、投薬形態物は溶解放出プロフィルと本質的に同じイン・ビボ放出プロフィルを提供する。したがって、その他の態様では、水性環境への曝露後、例えば投薬形態物の経口摂取後、10時間に総用量の25〜60%が放出される放出プロフィルを提供する投薬形態物が考えられる。1つの実施態様では、投薬形態物は、送達後10時間に用量の35〜55%を達成するのに十分な速度においてアルプラゾラムを放出する。あるいはまた、投薬形態物は、経口送達後12時間に用量の30〜80%を放出する。
【0052】
B.代表的な投薬形態物
本発明の投薬形態物は、図1〜3に例示された放出プロフィルにしたがってアルプラゾラムの所望量を送達するすべての設計により形作られ、調合されてもよい。典型的には、投薬形態物は経口投与され、そして慣用の錠剤またはカプセル剤としてサイズと形が決定される。経口投与可能な投薬形態物は種々の異なるアプローチの1つにしたがって製造されてもよい。例えば、投薬形態物は、拡散システム、例えばレザーバーデバイスまたはマトリックスデバイス、溶解システム、例えば被包化した溶解システム(例えば、「短時間丸剤(tiny time pills)」およびビーズを含む)ならびにマトリックス溶解システム、あるいは組み合わせ拡散/溶解システムおよびRemington’s Pharmaceutical Sciences,1990 ed.,pp.1682−1685に記述されるようなイオン交換樹脂システムとして製造されてもよい。好適な
実施態様では、投薬形態物は、ここに記述されるように、経口投与可能な、浸透的に作動する投薬形態物である。
【0053】
浸透性投薬形態物は、一般に、薬物ではない流体または存在する場合には浸透剤の自由拡散を可能にする半透性壁によって、少なくとも一部分、形成される区画中に流体を吸い込むための推進力を生成するために浸透圧を利用する。浸透性システムの長所は、それらの動作が図2A〜2Cに関して先に具体的に説明されたようにpHに依存せず、したがって、投薬形態物が胃腸管を通過し、有意に異なるpH値を有する異なる微小環境に遭遇するようなことがあっても長時間を通じて浸透圧により決定される速度において継続することである。そのような投薬形態物の総論は、Santus and Baker,“Osmotic drug delivery:a review of the patent literature,”Journal of Controlled Release 35:1−21(1995)に見いだされる。また、浸透性投薬形態物は、各々が本明細書に完全に組み入れられている次の米国特許に詳述されている:米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,995,631号;同第4,008,719号;同第4,111,202号;同第4,160,020号;同第4,327,725号;同第4,519,801号;同第4,578,075号;同第4,681,583号;同第5,019,397号;および同第5,156,850号。
【0054】
簡単に言えば、浸透性投薬形態物10は図4Aに示される配置をもつことができる。斜めから見た図で示されるように、投薬形態物10は、また、基本浸透性ポンプとも呼ばれ、内部の区画14を取り囲み、封入する半透性壁12からなる。内部の区画は、選ばれた添加物との混合物においてアルプラゾラム18を含んでなる、薬物層16として本明細書に言及される単一の成分層を含有する。添加物は、壁12を通して外部環境から流体を誘引し、そして流体の吸い込みにより送達可能なアルプラゾラム調合物を形成するために浸透活性勾配を提供するように適合される。添加物は、薬物担体20としてまた本明細書で言及される適当な懸濁化剤、結合剤22、滑沢剤24およびオスマゲント26と呼ばれる浸透的に活性な薬剤を包含してもよい。これらの成分の各々について代表的な材料が以下に提供される。
【0055】
浸透性投薬形態物の半透性壁12は、外部の流体、例えば水および生物学的流体の通過に対して透過性であるが、内部区画内の成分の通過には実質的に不透過性である。壁の形成のために有用な材料は、本質的に非侵食性であり、投薬形態物の寿命の間生物学的流体に実質的に不溶である。半透性壁を形成するための代表的ポリマーは、ホモポリマーおよびコポリマー、例えば、セルロースエステル、セルロースエーテルおよびセルロースエステル・エーテルを含む。流動調節剤(flux−regulating agent)が壁の流体透過性を調節するために壁形成材料と混合されてもよい。例えば、水のような流体に対して透過性の顕著な増進を生じさせる作用物は、しばしば本質的に親水性であるが、水に対して顕著な透過性の減少を生じさせるものは本質的に疎水性である。代表的な流動調節剤は、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどを含む。
【0056】
動作中、浸透的に活性な薬剤の存在による壁12を横断する浸透勾配は、胃液が壁を通して吸い込まれ、薬物層を膨潤し、そして内部の区画内の送達可能なアルプラゾラム調合物(例えば、溶液、懸濁液、スラリーまたは他の流動性組成物)の形成を惹起する。送達可能なアルプラゾラム調合物は、流体が内部区画への侵入を継続している間、出口28を通して放出される。薬物調合物が投薬形態物から放出される時でさえ、流体は内部区画中に継続して吸い込まれ、それによって継続した放出を推進する。この様式で、アルプラゾラムは、長時間にわたって持続かつ継続様式で放出される。
【0057】
図4Bはその他の代表的な浸透性投薬形態物の図による具体的説明を示す。断面図で示される投薬形態物30は、内部の区画34を限定する半透性壁32を有する。内部の区画34は、薬物層36と押し出し層38を有する二層に圧縮されたコアを含有する。以下に記述されるように、押し出し層38は、使用の間押し出し層として膨張するように投薬形態物内に配置される移動(displacement)組成物であり、薬物層を形成する材料は、1個以上の出口門、例えば出口40,42を介して投薬形態物から追い出される。押し出し層は、図4Bに例示されるように、薬物層と接する層状配置に置かれるか、または押し出し層と薬物層を分離する1個以上の介在層を有してもよい。
【0058】
薬物層36は、選ばれた添加物、例えば図4Aに関して先に議論されたようなものとの混合物においてアルプラゾラムを含有する。図1〜3に関して議論された研究のために製造された投薬形態物では、薬物層は、アルプラゾラム、担体としてポリ(エチレンオキシド)、オスマゲントとして塩化ナトリウム、結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロース、および滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムからなる(参照実施例1〜2)。1つの実施態様では、2種の粘度階級のヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる調合物を除外する薬物層を有する投薬形態物が意図される。その他の実施態様では、単一の粘度または分子量を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースを包含する薬物層を有する投薬形態物が意図される。
【0059】
押し出し層38は、浸透的に活性な成分、例えば、オスモポリマーとして当該技術分野において呼ばれる、水性または生物学的流体を吸い込み、膨潤する1種以上のポリマーを含有する。オスモポリマーは、水および水性生物学的流体と相互作用し、そして典型的には2〜50倍の体積増加を示す、高程度に膨潤または膨張する膨潤性、親水性ポリマーである。オスモポリマーは架橋されなくても、架橋されていてもよく、そして好適な実施態様では、オスモポリマーは少なくとも軽度に架橋されて、使用中に投薬形態物を容易に排出するほど大きくなく、かつからませるポリマーネットワークを生成する。オスモポリマーとして使用されてもよいポリマーの例は、詳細に浸透性投薬形態物を記述する先に示された参考文献において与えられる。典型的なオスモポリマーは、ポリ(アルキレンオキサイド)、例えばポリ(エチレンオキサイド)、およびポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)であり、この場合、アルカリはナトリウム、カリウムもしくはリチウムである。さらなる添加物、例えば結合剤、滑沢剤、抗酸化剤および着色剤もまた押し出し層において包含されてもよい。使用に際して、流体が半透性壁を横断して吸い込まれるにつれて、オスモポリマーは膨張し、そして薬物層を押して、出口門をとおして投薬形態物からの薬物の放出を惹起する。
【0060】
押し出し層は、結合剤と呼ばれる成分をまた包含してもよく、これらは、典型的には、セルロースまたはビニルポリマー、例えばポリ−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ−n−ビニルカプロラクトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドンなどである。押し出し層はまた滑沢剤、例えばステアリン酸ナトリウムまたはステアリン酸マグネシウム、および成分の酸化を防止する抗酸化剤を包含してもよい。代表的な抗酸化剤は、限定されるものではないが、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、2および3tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、およびブチル化ヒドロキシトルエンを含む。
【0061】
またオスマゲントは浸透性投薬形態物の薬物層および/または押し出し層中に組み入れられてもよい。オスマゲントの存在は、半透性壁を横断する浸透圧勾配を確立する。代表的なオスマゲントは、塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムなど、および糖類、例えばラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、および炭水化物を含む。
【0062】
本発明を支持するための研究が実施され、ここでは、薬物層中のオスマゲント含量が0%から20%、30%まで変えられた。4種の組成物を有する投薬形態物が実施例4に記述されるように製造された。半透性膜の厚さのみ異なる2種の投薬形態物は20%塩化ナトリウムを含有した(参照、実施例4A,4B)。投薬形態物からのアルプラゾラムの放出がイン・ビトロで決定され、そして結果が図5A〜5Cおよび6A〜6Cに示される。
【0063】
図5A〜5Bは、実施例4Aに記述されるように製造された投薬形態物についてアルプラゾラムのイン・ビトロ放出速度(mg/hr)を示す;具体的には、薬物層に塩化ナトリウムを含有しない投薬形態物(図5A)および薬物層に20%塩化ナトリウムを含有する投薬形態物(図5B)。放出速度は、薬物層に塩化ナトリウムを含有しない投薬形態物(四角)および薬物層に20%塩化ナトリウムを含有する投薬形態物(三角)について、総薬物用量によって標準化された薬物放出の累積量として図5Cに提示される。両調合物は、水性環境への曝露後10時間に、総用量の60%未満で総用量の約25%以上が放出される放出プロフィルを提供した。より具体的には、投薬形態物が水性環境との接触に置かれた時に始まる時間間隔において、そのような接触後10時間までに、すなわち、10時間時点において、投薬形態物は負荷された薬物の約45〜48%を放出した。12時間時点では、総薬物用量の55〜58%が水性媒質中に放出された。図5Bに対する図5Aの比較は、間隔4〜16時間において1時間当たり放出される薬物層における小さい変動によって証明されるように、薬物層におけるオスマゲントの存在が、より均一な放出速度をもつ投薬形態物をもたらすことを示唆している。
【0064】
図6A〜6Cは、実施例4Bにおいて記述されるように製造された浸透性投薬形態物の放出プロフィルを示すが、この場合、薬物層は20%塩化ナトリウム(図6A;図6C、四角)または30%塩化ナトリウム(図6B;図6C、三角)を包含するように調合された。20%塩化ナトリウムを含有する投薬形態物は、特に水性媒質への曝露後4〜20時間の間隔で、均一な放出速度を与えた。両投薬形態物は、図6Cに見られるように、約10時間の水性環境への曝露後に、総用量の60%未満で総用量の約25%以上が放出される放出プロフィルを与えるのに有効であった。より具体的には、そして特に図6A〜6Cの投薬形態物のデータに関して、10時間時点において、投薬形態物は負荷された薬物の約30〜35%を放出した。12時間時点では、総薬物用量の39〜42%が水性媒質中に放出された。投薬形態物からのアルプラゾラムのゆっくりした持続放出は、以下で議論されるように、少なからぬ臨床上の利益を与える。
【0065】
図4Bに戻って参照すれば、投薬形態物は、場合によっては、用量に応じて投薬形態物を識別する色彩のためにオーバーコート44を包含してもよい。投薬形態物は識別色彩のためのオーバーコートを包含してもよいが、1つの実施態様では、任意のオーバーコートはアルプラゾラムを含有しない。したがって、1つの実施態様では、任意の薬物オーバーコートを必要としない前記の放出プロフィルにしたがうアルプラゾラムの治療学的に有効な量を送達するように形作られた経口投与可能な投薬形態物が提供される。この実施態様では、投薬形態物はアルプラゾラムを含有するオーバーコートを除外する。薬物を含有するオーバーコートなしでは、投薬形態物の外部表面に含有される薬物量による投与時の薬物の即時放出を与えない。
【0066】
浸透性投薬形態物の製造は当該技術分野においては十分に説明されており(参照、例えば、米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,995,631号;同第4,008,719号;同第4,111,202号;同第4,160,020号;同第4,327,725号;同第4,519,801号;同第4,578,075号;同第4,681,583号;同第5,019,397号;および同第5,156,850号)、そして本明細書で提供される実施例1〜3において具体的には説明される。
【0067】
前記イン・ビトロ放出の研究から、本発明がアルプラゾラムの1日1回の投薬を可能にする放出プロフィルをもつ投薬形態物を提供することは明らかである。図1〜3および5〜6に示される放出プロフィルは、(i)用量の20%未満が水性環境への曝露後2時間に放出される;(ii)用量の25%〜60%が約10時間の水性環境への曝露後に放出される;および(iii)用量の85%超が約24時間の水性環境への曝露後に放出される、投薬形態物を提供する。投薬形態物は、長期間の間治療学的に有効な血漿濃度を提供することを意図され、したがって、総アルプラゾラム用量の少なくとも約10%、より好ましくは15%、なおより好ましくは20%が、送達後、例えば水性環境への投薬形態物の曝露後、16時間以上の時間に外部の使用環境中に放出されることを提供する。あるいはまた、投薬形態物は、水性環境への投薬形態物の曝露後14時間に、総アルプラゾラム用量の少なくとも約15%、より好ましくは20%の放出に備える。あるいはまた、投薬形態物は、水性環境への投薬形態物の曝露後12時間に、総アルプラゾラム用量の少なくとも約25%、より好ましくは30%の放出に備える。
【0068】
その他の実施態様では、投薬形態物は、水性環境への曝露後2〜20時間、好ましくは2〜16時間、なおより好ましくは2〜12時間の期間にわたって、1時間当たり総アルプラゾラム用量の2%〜1時間当たり総アルプラゾラム用量の7%の範囲の速度においてアルプラゾラムを放出するよう形作られる。
【0069】
III.アルプラゾラム投薬形態物のイン・ビボの特性決定
本投薬形態物によって提供されるものと異なる放出プロフィルを有する、即時放出投薬形態物およびその他の制御放出投薬形態物と比較して、本明細書に記述される投薬形態物から送達されるアルプラゾラムの薬力学を評価するために研究が実施された。SLOW投薬形態物およびFAST投薬形態物として本明細書で言及される2種の浸透性投薬形態物が製造された。SLOWおよびFAST投薬形態物の特定の組成は実施例5Aに与えられ、そして手短に言えば両投薬形態物はアルプラゾラム1mgを含有し、半透性壁の厚さにおいてのみ異なる。イン・ビトロ放出アッセイでは、SLOW投薬形態物は20時間のT90を有し、FAST投薬形態物は10時間のT90を有した。
【0070】
実施例5Bに記述されるように、鎮静またはトランキライザー濫用の経歴を有する成人が二重盲検、単一用量の研究に組み込まれた。組み込まれた各被験者(n=24)は処置A〜Fと特定される6種の処置の5種を受けた;
【0071】
【表1】

【0072】
処置は4日以上で21日未満の洗い落とし(washout)期間で分離された。
【0073】
血漿サンプルが投薬前および投薬後30時間一定間隔で回収された。図7は、1mg(菱型)、2x1mg(四角)および3x1mg(三角)の投薬量におけるSLOW投薬形態物について、ならびに比較対照(i)FAST制御放出(x印)および(ii)即時放出(*印)についての30時間の研究期間にわたるアルプラゾラム濃度(ng/mL)を示す。1〜3mgの用量範囲にわたってアルプラゾラム血漿濃度の用量に比例する増加があった。3mgSLOW投薬形態物(三角)から得られる最高濃度は、2mg即時放出の慣用投薬形態物(x印)から得られる最高血漿濃度より低かった。表1を参照すれば、最高濃度は、SLOWシステムでは約21〜23時間、FASTシステムでは15時間、そして即時放出調合物では約2時間以内に認められた。処置A〜Fについての薬動学は表1に総括される。
【0074】
【表2】

【0075】
表1および図7のデータに基づき、本明細書で記述されるSLOW投薬形態物は、被験者への投薬形態物の投与後13時間以上、より好ましくは14時間以上、なおより好ましくは16時間以上、さらにより好ましくは投与後20時間超えた時点で、最高到達血漿濃度(Cmax)を与える。また本明細書に記述される投薬形態物は、0.5未満という、最高到達アルプラゾラム血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)に対する最高到達アルプラゾラム血漿濃度(Cmax)の用量標準化比率を与える。
【0076】
また本明細書に記述される投薬形態物は、24時間における血漿濃度(C24)の2倍未満であり、かつ投与後約13時間または16時間以上に生じるCmaxをもたらす放出速度を特徴としてもよい。好適な実施態様では、本発明の投薬形態物は、C24の2倍未満であり、かつ投与後18時間以上に生じるCmaxを特徴とする。特に好適な実施態様では、本発明の投薬形態物は、C24の2倍未満であり、かつ投与後20時間以上、好ましくは22時間以上に生じるCmaxを特徴とする。
【0077】
図7が示すように、投薬形態物によって提供される血漿濃度は投薬形態物に包含されるアルプラゾラムの用量によって変えられる。0.25〜25mg、より好ましくは0.5〜20mgのアルプラゾラム用量を提供する投薬形態物が考えられる。そのような投薬形
態物は1ng/mL*mg〜8ng/mL*mgの範囲の用量標準化血漿濃度、より典型的である4ng/mL*mg〜6ng/mL*mgの範囲の用量標準化血漿濃度を特徴とする。アルプラゾラムの用量が増加するにつれて、投薬形態物は、好ましくは、投薬形態物中に含有されるアルプラゾラム用量における1mg当たり10ng/mL未満の増加で増加するCmax,なおより好適である1mg当たり8ng/mL未満のCmaxにおける増加を特徴とする。
【0078】
本明細書に記述される投薬形態物について用量で調節された曲線下面積(AUC)は、約80〜87ng・hr/mL・mgの範囲にわたった。1つの実施態様では、本発明は、AUCが110ng・hr/mL・mg未満、より好ましくは100ng・hr/mL・mg未満である投薬形態物を提供する。典型的には、AUCは約70〜110ng・hr/mL・mg、より好ましくは75〜100ng・hr/mL・mgである。
【0079】
投薬形態物は、さらにまたは他には、「D」がアルプラゾラムの用量に等しい商(Cmax/Tmax)/Dを提供する速度におけるアルプラゾラムの制御放出を特徴とする。好ましくは、そのような実施態様によって提供される商(Cmax/Tmax)/Dは1.0またはそれ以下であり、0.5またはそれ以下である商(Cmax/Tmax)/Dを与える投薬形態物が特に好適である。
【0080】
実施例5に記述されるイン・ビボ研究に関して続ければ、処置管理法(処置A〜F、参照、前表および実施例5において)の薬力学的効果が濫用傾向の潜在性の種々の調査を用いて評価された。1つの実施態様では、試験の被験者は、薬物の追加用量を受けることに金銭的価値があるとするか質問される。金銭的価値が濫用される薬物調合物の可能性のランク付を与える。図8は調査結果を示し、ここでは、各処置群の試験の被験者によって、それによるものとされる金銭的価値が示される。見られるように、被験者は即時放出、対照調合物(処置F)に最高の金銭的価値を認めた。この調合物とプラセボ(処置A)との間の違いは統計学的に有意であった。しかしながら、プラセボ(処置A)と本明細書で記述されるSLOW投薬形態物(処置B,C,D;それぞれ1mg、2x1mgおよび3x1mgの投薬量)との間の金銭的価値には統計学的差異はなかった。
【0081】
薬物効果の質問書は、試験の被験者において、各処置群における投薬調合物の強さ、投薬形態物の好み、および被験者がそれを再び受けるか否かについて主観的見解を調査することで完成された。結果は表2において表示され、ここでは、処置B〜Fにおいて収集されたデータが処置Aとの差異として報告される。
【0082】
【表3】

【0083】
プラセボ(処置A)と比較された処置の差異に関する表2の負の値は、アルプラゾラム含有投薬形態物による処置(処置B−処置A)がプラセボを超える効果を有しないことを示している。すべての例において、被験者は、即時放出投薬形態物(処置F)をプラセボよりも強さにおいて高く、そして彼らが即時放出投薬形態物によって与えられる効果を好み、かつそれを再び摂取すると判定した。これに対して、1mgと2mgのSLOW投薬形態物(それぞれ、処置B,C)およびプラセボ間には強さおよび好みにおいて差異はなかった。事実、被験者は、彼らが2mgSLOW(処置C)システムを避けることを示した。2mg用量を与える投薬形態物、処置C(SLOW投薬形態物)、処置E(FAST投薬形態物)および処置F(即時放出投薬形態物)を用いる処置の比較は、患者が即時放出投薬形態物をプラセボに較べて強さにおいてもっとも高く、それをもっとも好み、そしてそれを再摂取すると感じたことを示している。FAST投薬形態物から送達される2mg用量は、プラセボに較べてそれを再摂取することを特に望まないとともに、即時放出よりも低い強さであると患者によって判定された。SLOW投薬形態物から与えられる2mg用量は、特に好まれず、またそれを再摂取することを望まれないとともに、プラセボと強さにおいて異ならないと判定された。またデータは、SLOW投薬形態物からの1mg用量(処置B)およびSLOW投薬形態物からの2mg用量(処置C)の両方は、使用者がこれらの投薬形態物を低い強さをもつと判定し、それらをあまり好まず、そしてそれらを再摂取しようと考えないので、患者によって濫用をもたらすようには考えられないシステムを提供することを示している。
【0084】
各投薬形態物からもたらされる精神運動障害の潜在性が、標準化した手動追跡試験を用いて調査されたが、この場合、被験者は、コンピューターシミュレーターにおいて、一定速度を維持し、そして描かれた線の間に車の確実な側面の位置を維持することを試みた。試験の間、コンピューターは、いかに多くの時間、被験者が側面位置から外れるか、すなわち進路を外れる時間を費やすか、そしていかに遠く、車の行く進路を外れるかを捕らえた。挙動の結果は、進路上にあるパーセント値として報告され、そして図9に示される。プラセボ(処置A、菱形)で処置された被験者では、約85%という進路上の平均パーセントが観察された。SLOW投薬形態物(処置B、1mg、四角;処置C、2x1mg、三角;処置D、3x1mg、円)からアルプラゾラムを投薬された被験者では、被験者が即時放出アルプラゾラム投薬形態物(処置F、2mg、逆三角)により処置されたものより高いパーセントの時間、所望の側面位置に車を維持することができたことが観察された。SLOW投薬形態物から被験者に送達されたアルプラゾラムの最高用量(3x1mg、処置D)は、より低用量(2mg)FAST投薬形態物(処置E、*印)により処置された患者において観察された結果と類似する結果を与えた。この追跡試験からの値が実施例5Bにおける表3Aに提示される。
【0085】
実施例5Bの表3Bは、精神運動調査に関する第2の試験、デジタル記号置換(digital symbol substitution)試験の結果を示し、ここでは、投薬後、被験者は数値(digit)に代わる単一な絵柄/記号への置換を伴う試験を与えられる。この試験では、一連の無作為化した数値が提示され、そして被験者は、各数値とともに提示されるコード(code)によって示されるように、各数値の下の記号を引く。2分間の間に数値にとって換えられる正確な記号の数が測定される。表3A〜3Bのデータは、即時放出投薬形態物から投与されたアルプラゾラム(2mg用量)が精神運動機能における一貫した障害をもたらすことを示した。これに対して、アルプラゾラムがSLOW投薬形態物から投与された場合、精神運動障害の観察はほとんど観察されず、わずかに、追跡試験において2mg用量による小さい障害のみであった。
【0086】
鎮静の潜在性を評価するために、実施例5Bに記述されるように試験のさらなる完結が行われた。3種の試験の結果が図10A〜10Cに提示され、下記表4は、実施された全
6試験からのデータを総括している。図10Aは、Tufts Universityベンゾジアゼピン・スケールを用いる鎮静の潜在性の調査からの結果を示す。図10Bは、Cole/ARCI鎮静−精神調査の結果を示し、そして図10CはCole/ARCI鎮静−運動試験を用いて得られた結果に対応する。被験者は、それぞれプラセボ(処置A、菱形)、1mg(処置B、四角)、2x1mg(処置C、三角)および3x1mg(処置D、x印)の投薬におけるSLOW投薬形態物、FAST制御放出(2x1mg、処置E、*印)、および即時放出(2mg、処置F、円)に対応する。処置A〜Fの1つにしたがう投薬後の時間の関数として評価された。データは、被験者が、特に、即時放出投薬形態物およびFAST投薬形態物によるよりも、送達後1〜8時間の区分では1〜2mgの投薬量において、SLOW調合物によってはほとんど鎮静化されないことを示している。
【0087】
したがって、本発明は、投薬後14時間以上、より好ましくは投薬後16時間以上にCmaxを与える投薬形態物においてアルプラゾラムの用量を投与することによってアルプラゾラムの経口送達に伴う副作用を軽減する方法を提供する。図10A〜10Cは、そのような投薬形態物が、即時放出投薬形態物において投与された同用量のアルプラゾラムに較べて、投薬後2時間目のTUBS調査またはCole/ARCI鎮静−精神調査によって測定されるように、鎮静における軽減、好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍の軽減を提供することを具体的に説明している。
【0088】
表5はイン・ビボの研究で報告された好ましくない事象(adverse events)を総括している。処置A〜Fからのアルプラゾラムによる処置後の傾眠、めまいまたは異常歩行の好ましくない事象が記録された。
【0089】
【表4】

【0090】
副作用の最高発生率は即時放出投薬形態物(処置F)について注目された。神経系統が関係する副作用が、傾眠、めまいまたは異常歩行を誘発した。これらの結果は、アルプラゾラムの放出速度が増大するにつれて増大するように見える。また副作用は即時放出調合物による治療の初日において有意であった。そのような副作用は、即時放出投薬形態物による処置が継続するにつれて弱まるかもしれないが、処置計画における早期の副作用の高い発生率は、しばしば、患者の正常に機能する能力を損傷する。副作用はSLOW制御放出調合物(処置B,C,D)によってははるかに低く、そして副作用における低下は患者が正常な活動をより容易に継続するのを可能にする。
【0091】
第2のイン・ビボの研究が実施され、ここでは、被験者がアルプラゾラム投薬形態物の多数投薬管理法により処置された。実施例6に記述されるように、36人の健康な被験者
が、管理法の間に洗い落とし期間を置いて、処置1,2および3として特定される3種の処置管理法を連続的に受けた。全処置管理は6日間であった。処置1は、6日間の試験期間中8時間毎に経口的に送達される即時放出アルプラゾラム、1mg錠剤に対応した。処置2は、6日間の期間中1日に1回経口的に投与される3x1mgSLOWアルプラゾラムに対応した。処置3は、6日間の間1日に1回の3個のプラセボSLOW投薬形態物の経口投与を伴った。処置期間の間、血液サンプルが分析のために採取され、そして種々の認識調査が与えられた。
【0092】
図11A〜11Bは、処置1(即時放出アルプラゾラム投薬形態物、菱形)および処置2(SLOWアルプラゾラム投薬形態物、四角)を受ける被験者についての1日目(図11A)および6日目(図11B)におけるアルプラゾラム血漿濃度を示す。1日目には、SLOWアルプラゾラム投薬形態物(四角)から得られる薬物血漿濃度は、即時放出投薬形態物(菱形)によって提供されるよりも有意に均一であった。SLOWアルプラゾラム投薬形態物のCmaxは投薬後約22時間に生じ、これに対して即時放出投薬形態物では第1のCmaxは4時間に、第2のCmaxは10時間に生じた。
【0093】
6日目(図11B)では、SLOWアルプラゾラム投薬形態物は、即時放出調合物に較べて小さい血漿濃度における変動を与えた。かくして、SLOWアルプラゾラム投薬形態物は、1.0またはそれ以下の血漿濃度の変動をもたらす定常的な放出速度与えるものとしてさらなるまたはその他の特性を決定することができる。血漿濃度の変動は、無単位の値であり、そして平均の定常状態血漿薬物濃度(Cavessng/mL)の数値、CmaxssおよびCminssが決定される関連する時間間隔にわたって取られた平均値に対する、定常的なCmax(Cmaxssng/mL)と定常的な最小血漿薬物濃度(Cminssng/mL)との間の差異の数値の比を計算することによって決定される。かくして、血漿濃度変動は(Cmaxss−Cminss)/Cmaxssに等しい比である。誘導された比の値における差異は、慣用の即時放出アルプラゾラム投薬形態物の投与に続くピークの血漿アルプラゾラム濃度に比較して、アルプラゾラム投薬形態物の連続(例えば、少なくとも約3日)投与に続くピークの血漿アルプラゾラム濃度の大きさにおける減少という特性を決定する。1.0またはそれ以下であるアルプラゾラムの血漿濃度変動をもたらす放出速度与えるように形作られた投薬形態物が好適であり、0.5またはそれ以下の血漿濃度変動を与える投薬形態物がより好適である。
【0094】
処置からもたらされる好ましくない事象が報告され、表にされた。データは表6A〜6Bに総括される。
【0095】
【表5】

【0096】
【表6】

【0097】
表6Aは、5%の発生率を超える、アルプラゾラム処置後の好ましくない事象を訴える被験者のパーセントを示す。少なくとも1つの好ましくない事象を訴える被験者の数は、SLOWアルプラゾラム投薬形態物で処置された被験者(23/34)では、即時放出アルプラゾラム投薬形態物により処置されたもの(30/36)に較べて低かった。ほとんどの報告された好ましくない事象は神経系統を伴い、そして表6Bは神経系統の好ましくない事象の査察を示す。傾眠およびめまいの比較的低い発生率は、アルプラゾラムがSLOW投薬形態物から投与された場合に観察された。かくして、この投薬形態物を摂取している患者は治療を開始しながら正常に機能することが一層可能であろう。
【0098】
したがって、その他の態様では、本発明は、投与後14時間以上に、より好ましくない
投与後16時間以上にCmaxを与える投薬形態物においてアルプラゾラムの用量を投与することによって、好ましくない事象、より具体的には、神経系統の好ましくない事象の発生を軽減する方法を提供する。
【0099】
6日の処置期間の各アーム(arm)の間、実施例6Bに記述されるように、認識薬物研究(CDR)のコンピュータ化した認識調査システムからの作業の選択物が患者に投与された。試験物は1,4および6日目に投与された。3種の試験物からの結果が図12A〜12Cに示される。図12Aは3種の処置に関する数値記号置換試験(Digit Symbol Substitution Test)(DSST)調査のデータを示す。有意な差異は1日目に見られ、ここでは即時放出投薬形態物(四角)で処置された被験者が、SLOW投薬形態物(三角)で処置されたものよりも低いスコアであった。
【0100】
図12Bは標的からの平均距離の追跡調査についての結果を示す。投薬形態物における差異は、即時放出投薬形態物(四角)で処置された被験者が、SLOW投薬形態物(三角)で処置されたものよりも低いスコアであった1日目において明瞭である。
【0101】
図12Cは、処置1,4および6日目に実施された自己評価された敏感性(self−rated alertness)調査についての結果を示す。投薬形態物における差異は1,4および6日目において明らかであり、この場合、SLOW投薬形態物(三角)で処置された被験者は、即時放出投薬形態物(四角)で処置された患者がするよりも敏感であると自分自身を評価した。
【0102】
また数種の認識機能試験物が投与されて、SLOW調合物によって与えられるように、比較的低速度の薬物送達が低い認識障害に変換するか否かを決定した。知見は、即時放出調合物に比較してSLOW調合物による、より速い反応時間;完成した作業におけるより大きい正確さ;標的の追跡におけるより大きい正確さ;およびより高い敏感性を示唆した。
【0103】
総括すれば、イン・ビボ研究におけるこの多数の日にち、多数の用量からの結果は、アルプラゾラムによって惹起される認識障害の程度は投薬形態物により異なることを示している。認識される障害は、SLOW投薬形態物を投与された場合よりも、即時放出調合物として投与されたアルプラゾラムによる方が大きかった。この違いは投薬の初日にもっとも明らかであり、容易に検出されたが、しかし、測定値の数では、より遅い送達速度によって与えられるこの長所は、注意、記憶および自己評価された敏感性によって証明されるように、6日目においてもなお見られる。
【0104】
このイン・ビボの研究からのデータは、薬物血漿濃度において比較的低い変動を与える投薬形態物が副作用における有意な軽減をもたらすことを具体的に説明している。本発明による投薬形態物によって提供されるアルプラゾラムの比較的遅い到来と比較的低い定常的な血漿濃度が鎮静、濫用の潜在性および認識障害を軽減した。そのような副作用の減少は増大した患者の許容性ならびに増進した効力をもたらす。さらに、本発明の投薬形態物によって提供されるアルプラゾラムの比較的遅い到来と比較的低い定常的な血漿濃度は、薬物の好みを低下し、これが順に、アルプラゾラムの転換と濫用の可能性を低下することが示された。
【0105】
前記のことから、本明細書に記述される投薬形態物はアルプラゾラムに応答する症状の処置において使用するために適当であることが評価できる。アルプラゾラムに応答する症状は、限定されるものではないが、一般化した不安障害、不安障害、パニック障害、一般医療状態による不安障害、広場恐怖を伴わないパニック障害、広場恐怖を伴うパニック障害、分離不安障害、不安を伴う調整障害、傷害後ストレス障害、混合不安と苦悩気分を伴う調整障害、社会的不安障害、不安発作、パニック発作、および月経前不快気分障害を含む。さらに、中枢神経系に関連して現れても、また現れなくてよいが、アルプラゾラムに
よる処置に応答することができる他の疾病状態および症状が、本発明の投薬形態物および方法により処置されてもよい。1つの実施態様では、不安障害を処置する方法は、次の不安障害:気分障害、一般的不安障害、パニック障害、双極性障害、社会恐怖症、物質濫用障害、睡眠障害、ストレス障害および/または行動障害、の1種以上の処置のために投与される場合に、アルプラゾラム投薬形態物が提供される。
【0106】
不安を有する患者のための慣用療法では、即時放出錠剤からのアルプラゾラム処置は、典型的には、毎日3回0.25〜0.5mgの用量により開始され、分割用量において与えられる1日当たり4.0mgの最大用量まで3〜4日の間隔で用量を増大する。より高い用量(1日に10mgまで)がパニック障害において使用されてもよい。本明細書に記述されるSLOW投薬形態物により治療は、1日1回送達される0.25〜25mgの単位投薬量において提供される。
【0107】
実施例
本発明の代表的投薬形態物ならびに浸透性投薬形態物を製造する方法は、一般に、以下に示す実施例において記述される。すべてのパーセンテージは他に注意されない限り重量パーセントである。次の実施例は、本発明の具体的説明であり、本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【実施例1】
【0108】
アルプラゾラム投薬形態物の製造
アルプラゾラムの2mg用量を含有する投薬形態物が次のように製造された。結合剤溶液が水中に溶解されたポリ(ビニルピロリドン)(Povidone(R)K29−32,40kDa分子量)から調製された。ポリ(エチレンオキサイド)(Polyox(R)N−80,200kDa分子量)、塩化ナトリウム(20メッシュ篩により篩別)およびポリ(ビニルピロリドン)(Povidone(R)K29−32,40kDa)をFreund流動床造粒機のボウルに添加した。ボウルを造粒機に結合し、そして造粒工程を開始して造粒を実施した。乾燥粉末として指示した成分をエア懸濁し、混合した。次いで、結合剤溶液を2個のノズルから粉末上に噴霧した。造粒状態を次のように工程中モニターした:総溶液の噴霧速度50mL/min、排気温度21〜26℃および空気流動200〜900cfm。
【0109】
結合剤溶液を噴霧しながら、フィルターバッグを30秒の噴霧周期毎に10秒間振盪して、すべての可能な粉末沈着物をはがした。造粒工程を中止した。次いで、所望量のアルプラゾラムを造粒機ボウル中に添加した。次いで、造粒工程を同じ加工条件を用いて継続した。溶液噴霧の終了時に、被膜を施した造粒粒子を乾燥工程により継続した。機械を停止し、被膜を施した顆粒を造粒機から取り出した。被膜を施した顆粒を7メッシュの篩を通過させた。次に、乾燥し、篩別した造粒物を適当な容器に移し、そして10分間ブチル化ヒドロキシトルエンと混合した。最後に、造粒物はステアリン酸マグネシウムを用いて1分間混合することによって滑沢にした。
【0110】
次に、押し出し組成物を水中に溶解されたヒドロキシプロピルメチルセルロース(11.2kDa分子量)から結合剤溶液を最初に作成することによって製造した。塩化ナトリウムおよび酸化鉄(III)を21メッシュの篩をもつQuandro Comilを使用してサイズを揃えた。篩を通した材料、製薬学的に許容できるポリ(エチレンオキサイド)(Polyox(R)303、7,000kDa分子量)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(11.2kDa分子量)をGlatt流動床造粒機のボウルに添加した。ボウルを造粒機に結合し、そして造粒工程を開始して造粒を実施した。乾燥粉末をエア懸濁し、混合した。次いで、結合剤溶液を3個のノズルから粉末上に噴霧した。造粒状態を次のように工程中モニターした:総溶液の噴霧速度700g/min;入口温度45℃;および工程の空気流動500〜4000m/hr。
【0111】
結合剤溶液を噴霧しながら、フィルターバッグを90秒毎に10秒間振盪して、すべての可能な粉末沈着物をはがした。溶液噴霧の終了時に、被膜を施した造粒粒子を乾燥工程により継続した。機械を停止し、被膜を施した顆粒を造粒機から取り出した。被膜を施した顆粒を7メッシュの篩を備えたFluid Airミルを使用してサイズを揃えた。造粒物をTote Tumblerに移し、ブチル化ヒドロキシトルエンと混合し、そしてステアリン酸マグネシウムで滑沢にした。
【0112】
次に、薬物組成物および押し出し組成物をManesty BB4 Tablet Pressにおいて二層錠剤に圧縮した。最初に、薬物組成物を成形型の空洞に添加し、75−lbの力で前圧縮した。次いで、押し出し組成物を添加し、そしてこの層を1000 lbの水圧下で9/32”(0.714cm)の直径の標準円形凹面重層配置物に圧縮した。
【0113】
二層配置物を酢酸セルロース(39.8%のアセチル含量、Eastman Chemical Co.CA398−10)およびポリエチレングリコール(3350kDa、粘度−平均分子量)の半透性壁で被膜を施した。壁形成用組成物をアセトン:水(95:5wt:wt)共溶媒に溶解して5%の固形物溶液を作成した。壁形成組成物を、24”Vector HiCoater中で二層の配置物の上と周囲に噴霧した。
【0114】
次に、出口通路を半透性壁を通して穴空けして、薬物層を投薬システムの外部と連絡させた。残留する溶媒を一定の温度と相対湿度において(例えば、45℃と45%湿度において72時間)乾燥することによって除去した。次いで浸透性投薬形態物を乾燥した。
【0115】
この方法によって製造された投薬形態物は、アルプラゾラムの10%過剰量を含有する220mg薬物層からなった。薬物層における調合物は次の成分からなった。
【0116】
成分 重量パーセント
アルプラゾラム 1
ポリエチレンオキサイド(200kDa) 73.5
NaCl 20
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5
ステアリン酸マグネシウム 0.5
【0117】
押し出し層は次の成分を含有する120mgであった。
【0118】
成分 重量パーセント
ポリエチレンオキサイド(7000kDa) 63.6
NaCl 30.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0
(HPMC 2910,5cps)
酸化鉄 1.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.08
【0119】
システムは1.83/1.0薬物/押し出し層比を有した。
【0120】
半透性膜は、投薬形態物をコーティングするための95/5アセトン/水共溶媒中に混合した97/3重量比における酢酸セルロース(Eastman Chemical C
o.CA398−10)/ポリエチレングリコール(PEG3350)を含有する33.2mgであった。システムは50℃、50%相対湿度で2日間、次いで50℃、周囲相対湿度で4時間乾燥した。25ミルの直径をもつ単一出口通路を薬物側に穴空けした。
【0121】
5個の投薬形態物のイン・ビトロ溶解速度を、37℃の恒温水浴においてUSP TypeVII bath indexerに接合された金属コイル・サンプルホルダーに投薬形態物を置くことによって決定された。放出媒質の一定分量をクロマトグラフィー装置に注入して、各試験区間の間に人工胃液(AGF)を模した媒質中に放出された薬物量を定量した。5個の投薬形態物を37℃における放出媒質において試験した。溶解速度は図1A〜1Bに示される。
【0122】
平均放出速度は、ゼロ次である放出プロフィルの部分を決定するために反復計算を用いて決定されたが、この場合、平均放出速度の計算に含まれる値は平均放出速度の±15%内であった。平均放出速度は各データポイントについて再計算され、次いでそのポイントがチェックされて、それが再計算された平均放出速度の±15%内であることを検証する。この反復が平均放出速度が決定されるまで繰り返される。
【実施例2】
【0123】
AIFおよびAGFにおけるアルプラゾラム投薬形態物の性能比較
アルプラゾラム2mgを含有する投薬形態物を、次の仕様を有するよう実施例1に記述したように製造した。
【0124】
210mgの重量の薬物層はアルプラゾラムの5%過剰量を含有した。薬物層における調合物は次の成分からなった:
成分 重量パーセント
アルプラゾラム 1.0
ポリ(エチレンオキサイド)(200kDa) 73.5
NaCl 20.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0
ステアリン酸マグネシウム 0.5
【0125】
押し出し層は総重量140mgを有し、次の成分からなった:
成分 重量パーセント
ポリ(エチレンオキサイド)(7000kDa) 63.6
NaCl 30.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0
酸化鉄 1.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.08
【0126】
薬物組成物および押し出し組成物は実施例1に記述されるように、二層錠剤に圧縮されて1.5/1.0薬物/押し出し層比を有するシステムを提供した。
【0127】
半透性膜を形成するために、アセトン/メタノール(90/10)溶媒混合物中十分量の酢酸セルロース(Eastman Chemical Co.CA398−10)を適用して41.8mgの酢酸セルロースコーティングをもたらした。
【0128】
投薬形態物を50℃、50%相対湿度で2日間、次いで50℃、周囲相対湿度で15時間乾燥した。25ミルの単一出口ポートを各投薬形態物に置いた。
【0129】
投薬形態物のイン・ビトロ溶解速度を、37℃の恒温水浴においてUSP TypeVII bath indexerに接合された金属コイル・サンプルホルダーに投薬形態物を置くことによって決定された。放出媒質として、人工胃液(AGF,pH1.2)および人工腸液(AIF,pH6.8)を模した流体を使用した。両人工放出媒質は酵素を含有しなかった。放出媒質の一定分量をクロマトグラフィー装置に注入して、各試験区間の間に放出された薬物量を定量した。結果を図2A〜2Cに示す。
【実施例3】
【0130】
0.5mgと2mgのアルプラゾラムを有する浸透性投薬形態物に関するイン・ビトロ溶解アッセイ
アルプラゾラム0.5mgもしくは2mgを含有する投薬形態物を、次の仕様を有するよう実施例1に記述したように製造した。
【0131】
薬物層は91mgの総重量を有し、そして次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(0.5mg投薬形態物) (2.0mg投薬形態物)
アルプラゾラム 0.6 2.2
ポリ(エチレンオキサイド) 90.03 88.53
(200kDa)
ポリビニルピロリドン 4.0 4.0
(Povidone(R)K29−32)
NaCl 5.0 5.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25 0.25
酸化鉄(グリーン) 0.10 0
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.02 0.02
【0132】
押し出し層は総重量75mgを有し、次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(0.5mg投薬形態物) (2.0mg投薬形態物)
ポリ(エチレンオキサイド) 64.3 64.3
(7000kDa)
NaCl 30.0 30.0
ポリビニルピロリドン 5.0 5.0
(Povidone(R)K29−32)
酸化鉄(レッド) 0.40 0.40
ステアリン酸マグネシウム 0.25 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.05 0.05
【0133】
薬物組成物および押し出し組成物は実施例1に記述されるように、二層錠剤に圧縮された。
【0134】
投薬形態物の半透性膜は、99wt%酢酸セルロース(Eastman Chemical Co.CA398−10)および1wt%ポリエチレングリコール(3350Da)の混合物であった。混合物を適用して、投薬形態物上に約28mgの酢酸セルロース/ポリエチレングリコールを達成した。
【0135】
投薬形態物を前記のように乾燥し、そして0.634mm直径の2個の出口ポートを各投薬形態物に作成した。各投薬形態物の直径は9/32”であった。
【0136】
投薬形態物のイン・ビトロ溶解速度を、37℃の恒温水浴においてUSP TypeV
II bath indexerに接合された金属コイル・サンプルホルダーに投薬形態物を置くことによって決定された。放出媒質(水)の一定分量をクロマトグラフィー装置に注入して、各試験区間の間に放出された薬物量を定量した。結果を図3A〜3Cに示す。
【実施例4】
【0137】
薬物層中に異なるオスマゲント含量をもつ投薬形態物
A.オスマゲント不含およびオスマゲントとして20%NaClを含有する浸透性投薬形態物
薬物層中にオスマゲントを含有しないか、または薬物層中にオスマゲントを含有する投薬形態物を次の仕様を有するよう実施例1に記述したように製造した。
【0138】
薬物層は210mgの総重量を有し、そして次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(オスマゲント不含投薬形態物)(オスマゲント含有投薬形態物)
アルプラゾラム 1.0 1.0
ポリ(エチレンオキサイド) 93.5 73.5
(200kDa)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0 5.0
(HPMC2910,5cps)
NaCl 0 20.0
ステアリン酸マグネシウム 0.50 0.50
【0139】
押し出し層は総重量140mgを有し、次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(オスマゲント不含投薬形態物)(オスマゲント含有投薬形態物)
ポリ(エチレンオキサイド) 63.67 63.67
(7000kDa)
NaCl 30.0 30.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0 5.0
(HPMC2910,5cps)
酸化鉄(レッド) 1.0 1.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.08 0.08
【0140】
薬物組成物および押し出し組成物は実施例1に記述されるように、二層錠剤に圧縮された。
【0141】
投薬形態物の半透性膜を形成するために、酢酸セルロース(Eastman Chemical Co.CA398−10)45mgの総重量をオスマゲントを有しない投薬形態物に適用し、そして46mgの総重量をオスマゲントとして20%NaClを有する投薬形態物に適用した。
【0142】
投薬形態物を前記のように乾燥し、そして0.559mm直径の単一の出口ポートを各投薬形態物に作成した。各投薬形態物の直径は3/8”であった。
【0143】
システムをUSP TypeVII bath indexerにおいて薬物の放出について試験した。放出媒質の一定分量をクロマトグラフィー装置に注入して、各試験区間の間に放出された薬物量を定量した。結果を図5A〜5Cに示す。
【0144】
B.オスマゲントとして20%NaClまたは30%NaClを含有する浸透性投薬形
態物
投薬形態物を次の仕様を有するよう実施例1に記述したように製造した。
【0145】
薬物層は210mgの総重量を有し、そして次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(オスマゲント不含投薬形態物)(オスマゲント含有投薬形態物)
アルプラゾラム 1.0 1.0
ポリ(エチレンオキサイド) 73.5 63.5
(200kDa)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0 5.0
(HPMC2910,5cps)
NaCl 20.0 30.0
ステアリン酸マグネシウム 0.50 0.50
【0146】
押し出し層は総重量140mgを有し、次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(オスマゲント不含投薬形態物)(オスマゲント含有投薬形態物)
ポリ(エチレンオキサイド) 63.67 63.67
(7000kDa)
NaCl 30.0 30.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0 5.0
(HPMC2910,5cps)
酸化鉄(レッド) 1.0 1.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.08 0.08
【0147】
薬物組成物および押し出し組成物は実施例1に記述されるように、二層錠剤に圧縮された。
【0148】
投薬形態物の半透性膜を形成するために、酢酸セルロース(Eastman Chemical Co.CA398−10)42mgの総重量をオスマゲントとして20%NaClを有する投薬形態物に、そして41mgの総重量をオスマゲントとして30%NaClを有する投薬形態物に適用した。
【0149】
投薬形態物を前記のように乾燥し、そして0.559mm直径の単一の出口ポートを各投薬形態物に作成した。各投薬形態物の直径は3/8”であった。
【0150】
システムをUSP TypeVII bath indexerにおいて薬物の放出について試験した。放出媒質の一定分量をクロマトグラフィー装置に注入して、各試験区間の間に放出された薬物量を定量した。結果を図6A〜6Cに示す。
【実施例5】
【0151】
アルプラゾラム投薬形態物のイン・ビボの評価
A.投薬形態物組成物
SLOW投薬形態物およびFAST投薬形態物と呼ばれ、両者ともアルプラゾラム10mgを有する2種の投薬形態物を次の仕様を有するよう実施例1に記述したように製造した。
【0152】
薬物層は91mgの総重量を有し、そして次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(SLOW投薬形態物) (FAST投薬形態物)
アルプラゾラム 1.10 1.10
ポリ(エチレンオキサイド) 74.63 74.63
(200kDa)
ポリビニルピロリドン 4.0 4.0
(Polyox(R)K29−32)
NaCl 20.0 20.0
ステアリン酸マグネシウム 0.25 0.25
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.02 0.02
【0153】
押し出し層は総重量61mgを有し、次の成分からなった:
成分 重量パーセント 重量パーセント
(SLOW投薬形態物) (FAST投薬形態物)
ポリ(エチレンオキサイド) 63.6 63.6
(7000kDa)
NaCl 30.0 30.0
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 5.0 5.0
(HPMC2910,5cps)
酸化鉄(レッド) 0.40 0.40
ステアリン酸 0.95 0.95
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.05 0.05
【0154】
薬物組成物および押し出し組成物は実施例1に記述されるように、二層錠剤に圧縮された。
【0155】
SLOWおよびFAST投薬形態物は半透性壁の厚さにおいてのみ異なった。両調合物では、壁は、99wt%酢酸セルロース(Eastman Chemical Co.CA398−10)および1wt%ポリエチレングリコール(PEG3350)の混合物からなった。アセトン中混合物の総26mgをSLOW投薬形態物に適用した。アセトン中混合物の総16mgをFAST投薬形態物に適用した。
【0156】
投薬形態物を前記のように乾燥し、そして0.65mm直径の単一の出口ポートを各投薬形態物に作成した。各投薬形態物の直径は9/32”であった。
【0157】
イン・ビトロ溶解アッセイでは、SLOW投薬形態物は20時間のT90を有し、そしてFAST投薬形態物は10時間のT90を有した。
【0158】
B.イン・ビボの研究
24人の成人(年齢18〜55)が単一用量、プラセボ対照、二重盲検、6種の処置、5期間、無作為化、不完全ブロック(incomplete block)、交差研究のために登録された。成人被験者は鎮静またはトランキライザー薬物使用の経歴を有した。被験者(i)は、過去数年間に、錠剤またはカプセル剤における少なくとも1種の形態をもつ2種以上の中枢神経系(CNS)抑制剤、例えばベンゾジアゼピン、バルビツレート、非ベンゾジアゼピン鎮静剤、および大麻およびアルコール(<60g/日)を含む催眠剤の使用者の経験があり、そして(ii)セコバルビタール・スクリーニング試験に対する陽性応答を有した。
【0159】
各被験者は、処置A〜Fと特定される6種の処置の5種を受けた;
【0160】
【表7】

【0161】
処置は4日以上で21日未満の洗い落とし(washout)期間で分離された。
【0162】
血漿サンプルがアルプラゾラム濃度の測定のために、0(投薬前)、経口投薬後0.5,1,2,5,8,13,21,24および30時間に収集された。薬動学的結果が表1および図7に示される。
【0163】
処置管理法の薬力学的効果が、次の項目を含む濫用傾向について潜在性の種々の調査を用いて評価された:
(1)Cole/Addiction Research Center Inventory(ARCI)濫用潜在性スコア;
(2)Cole/ARCI刺激−多幸スケール;
(3)Cole/ARCI刺激−濫用潜在性スケール;
(4)薬物の金銭的価値;
(5)薬物効果の質問書(DEQ)。
(4)と(5)についての結果が図8および表2にそれぞれ示される。
【0164】
精神運動障害についての潜在性を評価するために、耽溺試験は次のように実施された:(6)数値記号置換試験(DSST);および
(7)手動追跡試験(進路上%)
結果は図9および表3A〜3Bに示される。
【0165】
【表8】

【0166】
【表9】

【0167】
鎮静についての潜在性を評価するために、さらなる試験の補足が次のように実施された:
(8)Tufts Universityベンゾジアゼピンスケール(TUBS);
(9)Addiction Research Center Inventory(ARCI)ペントバルビタール、クロルプロマジン、アルコール群(PCAG)スケール;(10)Bond and Lader精神的鎮静スコア;
(11)Bond and Lader肉体的鎮静スコア;
(12)Cole/ARCI鎮静−精神的;および
(13)Cole/ARCI鎮静−運動。
結果は表4および図10A〜10Cに示される。
【0168】
【表10】

【実施例6】
【0169】
イン・ビボの多数投薬の研究
A.投薬形態物組成物
SLOWアルプラゾラム投薬形態物と特定される1mgアルプラゾラムを含んでなる投薬形態物が実施例5Aに記述されるように製造された。プラセボ投薬形態物は、アルプラゾラムを含有しない以外は、この組成物と同じであった。
【0170】
B.イン・ビボの研究
36人の成人が無作為化、プラセボ対照、多数用量、交差研究のために登録された。各被験者は、3種の処置、処置1、処置2、処置3を受けたが、処置の間には最低7日の洗い落とし期間をもった。処置は次のとおりであった:
【0171】
【表11】

【0172】
血漿サンプルがアルプラゾラム濃度の測定のために、0(投薬前)および6日の試験期間にわたって規則的な間隔で収集された。1日目と6日目における血漿濃度がそれぞれ図11A〜11Bに示される。
【0173】
認識薬物研究(CDR)のコンピューター認識調査システムからの作業の選択が与えられ、試験の並行形態が各試験部門において提示された。1および4日目には、CDR試験が、0(投薬前)、経口投薬後1,2,4,8,9,12,22および24時間に行われた。6日目には、CDR試験が、0(投薬前)、経口投薬後1,2,4,8,9,12,22,24,36および48時間に行われた。試験は次の順序で与えられた:即時言語想起(Immediate Word Recall);単純反応時間(Simple Reaction Time);数値覚醒(Digit Vigilance);選択反応時間;追跡(Tracking);数値記号置換試験(Digit Symbol Substitution Test)(DSST);および遅延言語想起。DSSTに関する結果が図12Aに、そして追跡については図12Bに示される。
【0174】
さらに、被験者は気分および敏感性(Mood and Alertness)のBond−Lader VASを与えられた(Bond and Lader,1974)。これらの試験は1,4および6日目に与えられた。自己評価された敏感性についての結果は図12Cに示される。
【図面の簡単な説明】
【0175】
次の図面は、本発明の種々の実施態様を具体的に説明するために示される。1種以上の投薬形態物の図示を含む図面は、例解の目的のために提供され、必ずしも一定の比率で描かれず、そして本発明の範囲を限定することを意味していない。
【図1A−1B】図1A〜1Bは、代表的な投薬形態物に関して、時間の関数(hr)として、1時間当たり放出される平均薬物量(mg/hr)(図1A)および総薬物量のパーセントとしての放出される薬物の標準化累積量(図1B)を示す。
【図2A−2C】図2A〜2Cは、人工胃液(AGF、図2A、図2C、四角)および人工腸液(AIF、図2B、図2C、三角)を模した放出媒質中への、アルプラゾラム2mgを含有する投薬形態物からのアルプラゾラムのイン・ビトロの溶解速度を示す。
【図3A−3C】図3A〜3Cは、点線で示された各時間における放出された量±15%(図3A)、12%(図3B)および10%(図3C)とともに、時間の関数(hr)として、0.5mg(菱型)または2mg(四角)のアルプラゾラムを含有する投薬形態物から放出されるイン・ビトロのアルプラゾラムの量(各時点で放出された総用量として表される)を示すプロットである。
【図4A−4B】図4A〜4Bは、アルプラゾラムの送達のための代表的な投薬形態物の図による例示であり、図4Aは斜めから見た投薬形態物および図4Bは断面図の二層投薬形態物を示す。
【図5A−5C】図5A〜5Cは、投薬形態物の薬物層中に塩化ナトリウムを含まずに(図5A;四角図5C)および20%塩化ナトリウムを含んで(図5B;三角図5C)製造された投薬形態物からの、時間の関数としてのアルプラゾラムの放出プロフィルを示す。
【図6A−6C】図6A〜6Cは、投薬形態物の薬物層中に20%塩化ナトリウムを含み(図6A;四角図5C)および30%塩化ナトリウムを含んで(図6B;三角図6C)製造された投薬形態物からの、時間の関数としてのアルプラゾラムの溶解速度プロフィルを示す。
【図7】図7は、1mg(菱型)、2x1mg(四角)および3x1mg(三角)の投薬におけるSLOW(放出の遅い)投薬形態物の単一用量後、ならびに(i)FAST(放出の速い)制御放出(2x1mg、x印)および(ii)即時放出(2mg;*印)の比較対照の単一用量後の、時間の関数としてのアルプラゾラム血漿濃度(ng/mL)のプロットである。
【図8】図8は、プラセボ(処置A)、1mg(処置B)、2x1mg(処置C)および3x1mg(処置D)の投薬におけるSLOW投薬形態物、FAST制御放出(2x1mg、処置E)、および即時放出(2mg、処置F)にそれぞれ対応する、処置A〜Fにおける各々の試験調合物からの薬物のさらなる用量を試験の被験者が受け入れることによるとされる金銭的価値(ドル)を示す棒グラフである。
【図9】図9は、プラセボ(菱型)、SLOW投薬形態物(1mg、四角;2x1mg、三角;3x1mg、円)、即時放出投薬形態物(逆三角、比較対照)またはFAST投薬形態物(*印、2x1mg、比較対照)の投与後、時間の関数(hr)としての進路上(over−the−road)の時間の平均パーセントというトラッキング(tracking)評価を用いる各投薬形態物から得られる精神運動障害に関する潜在性の調査である。
【図10A−10C】図10A〜10Cは、プラセボ(処置A、菱型)、1mg(処置B、四角)、2x1mg(処置C、三角)および3x1mg(処置D、円)の投薬におけるSLOW投薬形態物、FAST制御放出(2x1mg、処置E、*印)、および即時放出(2mg、処置F、逆三角)にそれぞれ対応する、処置A〜F後の被験者におけるTufts Universityベンゾジアゼピン・スケール(図10A)、Cole/ARCI鎮静−精神的(図10B)およびCole/ARCI鎮静−運動(図10C)を用いる鎮静潜在性の調査からのグラフである。
【図11A−11B】図11A〜11Bは、6日の試験期間の間8時間毎に経口摂取された即時アルプラゾラム投薬形態物(1mg錠剤)(菱型、処置1)、または6日の期間の間1日当たり1回経口摂取された3x1mgのSLOWアルプラゾラム投薬形態物(四角、処置2)による6日のイン・ビボ処置の1日目(図11A)および6日目(図11B)における、時間の関数(hr)としてのアルプラゾラム血漿濃度(ng/mL)のプロットである。
【図12A−12C】図12A〜12Cは、試験1、4および6日目における数値記号置換試験(Digit Symbol Substitution Test)(DSST)(図12A)、Tracking Test(目標からの平均距離、図12B)および自己評価された敏感性(alertness)(図12C)に関する、即時放出投薬形態物(処置1、6日の試験期間の間8時間毎に経口摂取された1mg、四角)、SLOWアルプラゾラム投薬形態物(処置2、6日間の間1日当たり1回経口摂取された3x1mg投薬形態物;三角)からのアルプラゾラムの投与後、ならびにプラセボSLOWアルプラゾラム投薬形態物(処置3;円)による、認識薬物研究(Cognitive Drug Research’s)(CDR)のコンピュータ化した認識調査からの結果を示す。
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図4A】

【図4B】

【図5A】

【図5B】

【図5C】

【図6A】

【図6B】

【図6C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
投薬形態物が水性環境への曝露後10時間に用量の25%〜60%が放出される溶解速度を提供するのに有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物。
【請求項2】
水性環境への曝露後10時間に用量の35%〜55%が放出される溶解速度を提供するのに有効な、請求項1の投薬形態物。
【請求項3】
水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出される溶解速度を提供するのに有効な、請求項1または請求項2の投薬形態物。
【請求項4】
投薬形態物が水性環境への曝露後12時間に用量の30%〜80%が放出される溶解速度を提供するのに有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物。
【請求項5】
水性環境への曝露後10時間に用量の40%〜70%が放出される溶解速度を提供するのに有効な、請求項4の投薬形態物。
【請求項6】
水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出される溶解速度を提供するのに有効な、請求項4または請求項5の投薬形態物。
【請求項7】
投薬形態物が浸透性投薬形態物である、請求項1〜6のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項8】
(i)押し出し層;(ii)アルプラゾラムを含有する薬物層;(iii)押し出し層と薬物層の周囲に施される半透性壁;および(iv)出口からなる、請求項7の投薬形態物。
【請求項9】
(i)アルプラゾラム調合物、オスマゲント(osmagent)およびオスモポリマー(osmopolymer)を含有する浸透性調合物の周囲に施される半透性壁;ならびに(ii)出口からなる、請求項7の投薬形態物。
【請求項10】
投薬形態物が0.25〜25mgまたは0.5〜6mgの総1日用量を提供する、請求項7の投薬形態物。
【請求項11】
投薬形態物が、
(i)水性環境への曝露後2時間に用量の20%未満が放出され;
(ii)水性環境への曝露後10時間に用量の25%〜65%が放出され;そして
(iii)水性環境への曝露後24時間に用量の85%超が放出される、
イン・ビトロの放出プロフィルを提供するために有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物。
【請求項12】
投薬形態物が水性環境への曝露後16時間に用量の少なくとも約10%を放出するように形作られる、アルプラゾラムの用量を含有する、アルプラゾラムの送達のための投薬形態物。
【請求項13】
水性環境への曝露後16時間に用量の少なくとも約15%が放出される。請求項12の投薬形態物。
【請求項14】
投薬形態物が水性環境への曝露後14時間に用量の少なくとも約15%を放出するように形作られる、アルプラゾラムの用量を含有する、アルプラゾラムの送達のための投薬形態物。
【請求項15】
水性環境への曝露後14時間に用量の少なくとも約20%が放出される。請求項14の投薬形態物。
【請求項16】
投薬形態物が水性環境への曝露後12時間に用量の少なくとも約25%を放出するように形作られる、アルプラゾラムの用量を含有する、アルプラゾラムの送達のための投薬形態物。
【請求項17】
水性環境への曝露後12時間に用量の少なくとも約30%が放出される。請求項16の投薬形態物。
【請求項18】
投薬形態物が浸透性投薬形態物である、請求項12〜17のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項19】
(i)押し出し層;(ii)アルプラゾラムを含有する薬物層;(iii)押し出し層と薬物層の周囲に施される半透性壁;および(iv)出口からなる、請求項18の投薬形態物。
【請求項20】
(i)アルプラゾラム調合物、オスマゲントおよびオスモポリマーを含有する浸透性調合物の周囲に施される半透性壁;および(ii)出口からなる、請求項18の投薬形態物。
【請求項21】
投薬形態物が0.25〜25mgの総1日用量を提供する、請求項18の投薬形態物。
【請求項22】
投薬形態物が、水性環境への曝露後2〜20時間の期間にわたって、1時間当たりアルプラゾラムの総用量の2%〜1時間当たりアルプラゾラムの総用量の7%の範囲である速度においてアルプラゾラムを放出するように形作られる、アルプラゾラムの所望用量を包含する薬物調合物を含有する、アルプラゾラムを送達するための投薬形態物。
【請求項23】
投薬形態物が、水性環境への曝露後2〜16時間の期間にわたって、1時間当たりアルプラゾラムの総用量の2%〜1時間当たりアルプラゾラムの用量の7%の範囲である速度においてアルプラゾラムを放出するように形作られる、請求項22の投薬形態物。
【請求項24】
投薬形態物が、水性環境への曝露後2〜12時間の期間にわたって、1時間当たりアルプラゾラムの総用量の2%〜1時間当たりアルプラゾラムの用量の7%の範囲である速度においてアルプラゾラムを放出するように形作られる、請求項22の投薬形態物。
【請求項25】
投薬形態物が経口送達後10時間に用量の25%〜60%をイン・ビボで放出するのに有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物。
【請求項26】
経口送達後10時間に用量の35%〜55%をイン・ビボで放出するのに有効な、請求項25の投薬形態物。
【請求項27】
経口送達後2時間に用量の20%未満を放出するのに有効な、請求項25または請求項26の投薬形態物。
【請求項28】
投薬形態物が経口送達後12時間に用量の30%〜80%を放出するのに有効である、アルプラゾラムの用量を含有する投薬形態物。
【請求項29】
経口送達後10時間に用量の40%〜70%を放出するのに有効な、請求項28の投薬形態物。
【請求項30】
経口送達後2時間に用量の20%未満を放出するのに有効な、請求項28または請求項29の投薬形態物。
【請求項31】
投薬形態物が浸透性投薬形態物である、請求項25〜30のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項32】
(i)押し出し層;(ii)アルプラゾラムを含有する薬物層;(iii)押し出し層と薬物層の周囲に施される半透性壁;および(iv)出口からなる、請求項31の投薬形態物。
【請求項33】
(i)アルプラゾラム調合物、オスマゲントおよびオスモポリマーを含有する浸透性調合物の周囲に施される半透性壁;ならびに(ii)出口からなる、請求項31の投薬形態物。
【請求項34】
投薬形態物が0.25〜25mgの総1日用量を提供する、請求項25〜33のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項35】
投薬形態物が投与後約14時間以上に最高到達アルプラゾラム血漿濃度(Cmax)を与える、アルプラゾラムを含有する投薬形態物。
【請求項36】
maxが投与後16時間以上に生じる、請求項35の投薬形態物。
【請求項37】
投薬形態物が、0.5未満という、最高到達アルプラゾラム血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)に対する最高到達アルプラゾラム血漿濃度(Cmax)の用量標準化比率を与えるのに有効である、アルプラゾラムの所望用量を含んでなる投薬形態物。
【請求項38】
投薬形態物が0.25〜25mgの総1日用量を提供する、請求項35〜37のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項39】
投薬形態物が約110ng・hr/mL・mg未満の用量で調節された曲線下面積を与える、アルプラゾラムを含有する投薬形態物。
【請求項40】
用量で調節された曲線下面積が70ng・hr/mL・mg超である、請求項39の投薬形態物。
【請求項41】
投薬形態物が浸透性投薬形態物である、請求項35〜40のいずれか1つの投薬形態物。
【請求項42】
(i)押し出し層;(ii)アルプラゾラムを含有する薬物層;(iii)押し出し層と薬物層の周囲に施される半透性壁;および(iv)出口からなる、請求項41の投薬形態物。
【請求項43】
(i)アルプラゾラム調合物、オスマゲントおよびオスモポリマーを含有する浸透性調合物の周囲に施される半透性壁;ならびに(ii)出口からなる、請求項41の投薬形態物。
【請求項44】
ヒト被験者へのアルプラゾラムの投与において使用するための、いずれかの先行請求項に記載の投薬形態物。
【請求項45】
アルプラゾラムに応答する症状の処置において使用するための、請求項1〜43のいずれか1つに記載の投薬形態物。
【請求項46】
不安障害の処置において使用するための、請求項44または請求項45に記載の投薬形態物。
【請求項47】
不安障害が、気分障害、一般的不安障害、パニック障害、双極性障害、社会恐怖症、物質濫用障害、睡眠障害、ストレス障害、行動障害からなる群から選ばれる、請求項46の投薬形態物。
【請求項48】
不安障害の処置用薬物の製造において使用するための、請求項1〜43のいずれか1つに記載の投薬形態物。

【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【公表番号】特表2007−524652(P2007−524652A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528218(P2006−528218)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/031394
【国際公開番号】WO2005/030180
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】