説明

アルミ箔積層材料及びその製造方法

【課題】安価に製造でき、耐久性に優れ、耐油製にも優れる耐火材料を提供することである。
【解決手段】所定幅の無機繊維または有機繊維の繊維基材1の表面に溶剤で希釈したゴム系接着剤2を所定の厚さに塗布し、該繊維基材1を乾燥装置6内でローラ搬送して通過させて100〜150℃で乾燥し、この繊維基材1のゴム系接着剤2が塗布された面に所定の厚さの樹脂系接着剤3をラミネートし、この樹脂系接着剤3面にアルミ箔4を接着して熱ローララミネート装置を通過させて連続製造するアルミ箔積層材料の構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工性に優れ安価な耐久性のアルミ箔積層材料に関する。特に、防火服、厨房のダクトなどに使用する耐火性のアルミ箔積層材料に関する。

【背景技術】
【0002】
従来耐火製品としてダクト、換気装置、防火服等に多く、ガラス繊維を基材とし其の表面にアルミ箔を貼着したものが多く使用されている。これら製品のほとんどは樹脂系接着材を介在してアルミ箔が接着されたものである。このようなアルミ箔積層材料は廉価に製造することが出来るが、布製品としては揉みに弱く、洗濯にも弱く、長期間の使用に耐え得るものではなかった。また、ガラス繊維基材の表面に下引き処理を行って乾燥する第1工程、この下引き処理した基材の表面に塗布装置を使用してウレタンゴム接着剤を塗布乾燥し、加熱プレスして巻き取る第2工程、この巻き取られたゴム系接着剤層の表面にアルミ箔を接着しながら加圧プレスする第3工程の三工程によって製造する耐火材料も知られているが、一般的に高価であり、製造工程が複雑であった。
【0003】
【特許文献1】実公平3−45802号公報第1頁
【特許文献2】特開2002−227326号公報第2頁
【特許文献3】特開平11−77887号公報第2頁
【0004】
前記特許文献1はガラス繊維の表面に樹脂接着剤の下引きをした後、表面にアルミ箔を貼り付け、更に、その表面にアルミ箔の保護のために樹脂フィルムを被覆した材料である。また特許文献2または特許文献3はガラスウールの表面に樹脂接着材またはウレタンゴムを塗布して、その表面にアルミ箔を貼り付けた材料である。これらはいずれも上記のような問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように従来の耐火材料において、樹脂接着材を介在したものは耐久性に脆く、ゴム接着材を介在したものは繊維基材の表面に下引き処理して乾燥して巻取り後、この下引き処理面にゴム接着剤を塗布乾燥するなど製造工程が複雑であり、高価であった。
本発明は、複数の工程を経ず、1工程で製造できるアルミ箔積層材料を提供する。
本発明の課題は、安価に製造でき、耐久性に優れるアルミ箔積層材料を提供することである。
本発明の課題は、防水性に優れるばかりでなく、耐油性にも優れる断熱材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は以下の構成によって達成できる。
所定幅の無機繊維または有機繊維の繊維基材の表面にゴム系接着剤層を塗布し、樹脂系接着フィルム層及びアルミ箔層を備えるアルミ箔積層材料の構成である。
【0007】
本発明の課題は、 所定幅の無機繊維または有機繊維の長尺の繊維基材の表面に溶剤で希釈したゴム系接着剤を所定の厚さに塗布し、該繊維基材を乾燥装置内でローラ搬送して通過させて100〜150℃で乾燥し、この繊維基材のゴム系接着剤が塗布された面に所定の厚さの樹脂系接着フィルムをラミネートし、この樹脂系接着フィルム面にアルミ箔を接着して熱ローララミネート装置を通過させて積層体を連続製造するアルミ箔積層材料の製造方法の構成によって達成できる。
【0008】
本発明のアルミ箔積層材料に使用する繊維基材としては、ガラス繊維など通常使用されている無機繊維のシート、有機繊維のシートが使用することができる。
本発明に使用される樹脂系接着剤としては、ポリエチレンフルム、ポリプロピレンフィルムや耐熱性接着フィルムとしてポリイミドフィルムなどを使用することができる。ゴム系接着剤としては一般的なウレタンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴムなどが使用できる。
本発明のアルミ箔積層材料を製造するに際して使用する熱ロールラミネート装置は、加熱して圧力が加えられる一対のローラによってラミネートするものであればよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアルミ箔積層材料は、樹脂フィルムの表面にゴム系接着剤を介在して繊維基材に塗布され、熱ローララミネート装置による接着に際してアルミ箔を供給して繊維基材のアルミ箔積層材料となるから、揉み作業にも耐えられ、洗濯しても崩れることもない。また耐油性に優れ、しかも防水性にも優れるアルミ箔積層材料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のアルミ箔積層材料について実施の形態に基づき図面を参照して詳述する。
図1は本発明のアルミ箔積層材料の製造工程を示す概略図である。
【0011】
本発明のアルミニウム箔の製造方法について説明する。
図面に示すように、1M幅の厚さ0.18〜3mmの繊維基材1の元巻から繰り出した繊維基材1の表面に下引き処理し、この繊維基材1表面に有機溶剤で希釈したゴム系接着剤2であるポリウレタンゴムの接着剤塗布液が塗布装置5を用いて塗布され、表面にゴム系接着剤を塗布した繊維基材2を約20m長さの100〜150℃の乾燥装置6内で、毎分5m/分でロール搬送して乾燥する。
【0012】
乾燥装置6から排出した繊維基材1の前記ゴム系接着剤の表面に樹脂系接着剤3である10〜60μmのポリエチレンフィルムを接着してラミネート加工を施し、この表面に元巻から繰り出した厚さ6〜20μmのアルミ箔4を接触させて、ロールラミネート装置7の熱ローラの間に搬送する。このプレスローラ間を通過させることにより繊維基材1とアルミ箔4とを完全に接着して巻取りアルミ箔積層材料を製造する。
【実施例】
【0013】
無機繊維であるガラス繊維基材の表面を下地処理した後、塗布装置5によってウレタンゴム接着材を塗布してアルミ箔を接着した試料を比較A,市販のポリエチレンフィルムをラミネートし、アルミ箔を被着した試料を比較Bとする。ガラス繊維基材の表面にウレタンゴム接着剤を塗布し、加熱乾燥した基材の表面にポリエチレン樹脂フィルムをラミネートしてアルミ箔を接着したアルミ箔積層材料を準備し、夫々の耐水、耐油試験を行った結果、以下の通りであった。
【0014】
【表1】

【0015】
この結果から明らかなように、本発明のアルミ箔積層材料は耐水性にも優れ、耐油性にも優れることが判明した。長期間の使用にも、アルミ箔が剥離されることがなかった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明アルミ箔の製造工程の実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0017】
1 繊維基材
2 ゴム系接着剤
3 樹脂系接着剤
4 アルミ箔
5 塗布装置
6 乾燥装置
7 ローララミネート装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定幅の無機繊維または有機繊維の繊維基材の表面にゴム系接着剤層を塗布した後、樹脂系接着フィルム層及びアルミ箔層を備えることを特徴とするアルミ箔積層材料。
【請求項2】
所定幅の無機繊維または有機繊維の長尺の繊維基材の表面に溶剤に希釈したゴム系接着剤を所定の厚さに塗布し、該繊維基材を乾燥装置内でローラ搬送して通過させて100〜150℃で乾燥し、この繊維基材のゴム系接着剤が塗布された面に所定の厚さの樹脂系接着フィルムをラミネートし、この樹脂系接着フィルム面にアルミ箔を接着してローララミネート装置を通過させて積層体を連続製造してなることを特徴とするアルミ箔積層材料の製造方法。



【図1】
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【公開番号】特開2007−76024(P2007−76024A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−263342(P2005−263342)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【出願人】(592183514)株式会社アサヒ産業 (4)
【Fターム(参考)】