説明

アレナウイルス感染症を治療するための抗ウイルス薬

いくつかの化合物を治療有効量で投与することにより、ウイルス感染症を治療する化合物、方法および医薬組成物が開示される。化合物を調製する方法ならびに化合物およびその医薬組成物を使用する方法もまた開示される。具体的には、ラッサ熱、アルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱およびベネズエラ出血熱などのアレナウイルスファミリーによって引き起こされるなどのウイルス感染症の治療および予防である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年8月27日出願の米国特許仮出願第60/935,691号の優先権および利益を主張し、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、ベンズイミダゾール誘導体および類似体の使用、ならびにラッサ熱、アルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱およびベネズエラ出血熱などのアレナウイルスファミリーに関連するウイルス性疾患の治療または予防のための、ベンズイミダゾール誘導体および類似体を含む組成物に関する。
【0003】
本明細書に記載した研究は、米国政府の基金によって一部援助されており(助成金交付番号第R43AI056525号およびNIH SBIR助成金交付番号第R44AI056525号)、米国政府は、本発明において一定の権利を有し得る。
【背景技術】
【0004】
ウイルス性出血熱は、広範な血管損傷および出血素因、発熱および複数の臓器の関与を特徴とする重篤な病気である。多くの異なるウイルスは、ウイルス特有の動物宿主、伝染方法、致命率およびヒトにおける予後によりこのような症候群を引き起こす恐れがある。こうしたウイルスは、4種のウイルスファミリー、すなわち、アレナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科およびフラビウイルス科中に分布している。これらのウイルスのいくつかは、かなりの罹患率および死亡率をもたらし、武器化についての懸念を助長する、エアロゾル化播種により感染性が高くなり得る(概要については3を参照のこと)。1999年、疾病管理予防センター(CDC)は、バイオテロリズム対応能力を改善強化する連邦議会の構想の一部として潜在的なバイオテロとなる薬剤を同定し分類した(30)。フィロウイルスおよびアレナウイルスは、公衆衛生および安全性に対する最も大きな潜在的影響、大規模な播種に対する潜在性、国家破壊能力、および公衆衛生における準備態勢の最も重大でまだ対応されていない必要性を有する病原体として定義される、カテゴリーAに指定された。米国アレルギー感染症研究所(NIAID)は、その後いくつかの出血性ブニヤウイルスおよびフラビウイルスを加えることによってカテゴリーAリストを拡張した(27)。さらに、民間の生物テロ防御に関する作業部会(Working Group on Civilian Biodefense)は、生物兵器としての使用に対して最高のリスクを有するウイルスとして、ラッサ熱ウイルスを含めた、いくつかの出血熱ウイルスを記載し、新規な抗ウイルス療法の探究を推奨した(3)。
【0005】
出血熱ウイルスに対する予防および治療オプションは限られている。黄熱に対する有効なワクチンを除いて、ライセンスのないワクチンまたはFDAにより承認済みの抗ウイルス薬は利用可能である。リバビリン静注は、その使用がかなりの制限を有するが、一定の成功によりアレナウイルスおよびブニヤウイルスを治療するために用いられている(下記参照)。さらに、エボラ(19)およびラッサ(16)用の有望なワクチンに関する最近の報告がある。成功したワクチンが有効な生物テロ防御の決定的な要素となり得るが、免疫の発生、潜在的な副作用、コストおよび低リスクの脅威物質に対する一般市民の大規模なワクチン接種に関連する後方支援への典型的な遅延により、包括的な生物テロ防御には速やかに反応する別個の要素が含まれることが示唆される。したがって、潜在的な生物攻撃を防御するための安全かつ有効な生成物を開発することが急務とされている。
【0006】
ラッサ熱ウイルスは、エンベロープRNAウイルスのファミリーである、アレナウイルス科ファミリーのメンバーである(4)。自然宿主動物である、げっ歯類におけるアレナウイルス感染症は、通常、慢性および無症候性である。いくつかのアレナウイルスは、ラッサウイルス、マチュポウイルス、グアナリトウイルスおよびフニンウイルスを含めた、ヒトにおいて重症の出血熱を引き起こす恐れがある。ヒトへの伝染は、エアロゾル化したげっ歯類の分泌物により、または感染者の体液と接触することにより、感染したげっ歯類またはそれらの生育地との直接的接触から生じ得る。アレナウイルスは世界中で見出されるが、ウイルス種の多くは、関与する個々のげっ歯類宿主の範囲を反映する、特定の領域に地理的に局在化される。アレナウイルス科ファミリーは、系統学的および血清学的な検査に基づいて2つの主な系統に分けられている単一属(アレナウイルス)を含む。ラッサ熱は、旧世界アレナウイルスのメンバーであり、新世界アレナウイルスは、さらに3種のクレード(A-C)に分けられ、その1つ(クレードB)は、病原性の、カテゴリーAの出血熱ウイルスのいくつかを含む。
【0007】
ラッサ熱は、西アフリカにおいて、具体的には、ギニア、リベリア、シエラレオネおよびナイジェリアの国々において固有である。ヒト感染は、年間100,000人から500,000人と見積もられる(25)。ラッサ熱の初期症状は、暴露後約10日で出現し、発熱、咽頭痛、胸痛および背部痛、咳、嘔吐、下痢、結膜炎、顔面腫脹、蛋白尿および粘膜出血が含まれる。臨床診断は、しばしば症状の非特異的な性質により困難である。致命的な場合には、症状の進行が継続することにより、ショックを発生させる。入院患者のうち、いくつかの大流行の致命率は50%以上と報告されている(14)が、死亡率は15〜20%である(23)。感染性ウイルスは、数週間、回復期患者の体液中に残存する恐れがある(34)。一過性難聴または永久難聴は、生存者によく見られ(10)、軽度または無症候例において重症例であった場合と同様に頻発すると思われる(22)。ラッサ熱は、時折ヨーロッパに移入され(17)、米国にはごく最近で2004年に移入されている(7)。西アフリカの外で固有種になるウイルスのリスクは、げっ歯類宿主の性質によって低いと思われる。しかし、世界旅行の増加とウイルスの適応の組合せは、新しい生態系にウイルスが「飛び込む」限りある可能性を示す。たとえば、西ナイルウイルスは、ニューヨーク市の地域で1999年に導入され、現在米国において固有種である。
【0008】
1980年代にシエラレオネで行われた小規模な試験は、ラッサ熱による死亡率が、高リスク患者において、非特異的な抗ウイルス活性を示すヌクレオシド類似体であるリバビリン静注による治療によって減少し得ることが実証された(24)。リバビリンは、in vitroでラッサ熱ウイルスのRNA合成を阻害することが示されている(18)。有効性は限られるが、リバビリン静注は、新しい薬物プロトコールに基づいた救済使用に利用可能である。ラッサ熱を治療するための経口投与リバビリンの効果についてあまり知られていないが、リバビリン静注は、(インターフェロンと併用して)C型肝炎を治療するために経口の形でも使用可能である。ヌクレオシド類似体として、リバビリンは、DNAおよびRNA複製に干渉することができ、実際に、催奇形性および胎児致死性は、数種の動物種で示されている。したがって、それは、妊娠中の患者(薬剤胎児危険度分類Xの薬剤)に禁忌となる。さらに、リバビリンは用量関連溶血性貧血を伴い、貧血は可逆性であるが、貧血に関連する心臓および肺の事象は、リバビリン-インターフェロン療法を受けているC型肝炎患者の約10%に発生する。リバビリン静注は高価であり、緊急事態において多数の一般市民に毎日I.V.投与することは、厄介な手法であるはずである。さらなる試験は、ラッサ熱の治療のための、単独でまたは他の抗ウイルス薬と併用しての経口インターフェロンの使用を最終的に裏付けることができる可能性がある。成功した抗ウイルス薬療法はしばしば、インターフェロンおよびリバビリンによる慢性C型肝炎の治療、および異なる3種の薬物のカクテルである、高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)によるAIDS治療などの医薬の合剤を投与するものである。高い突然変異率およびウイルスと関連する疑似種性のため、複数の異なる標的に作用する化合物による治療は、単一の薬物による治療よりも成功率が高まり得る。
【0009】
アレナウイルスゲノムは、一本鎖のRNAの2つの分節からなり、アレナウイルスゲノムのそれぞれは、(アンビセンスとして言及される)逆の向きで2つの遺伝子をコードする。2つの分節のうち大きい方のL RNA(7.2kb)は、Lタンパク質およびZタンパク質をコードする。Lタンパク質は、RNA依存性RNAポリメラーゼであり、Zタンパク質は、ウイルス出芽に関与する、小型の亜鉛結合RINGフィンガータンパク質である(29)。S RNA(3.4kb)は、核タンパク質(NP)およびエンベロープ糖タンパク質前駆体(GPC)をコードする。
【0010】
エンベロープ糖タンパク質は、ウイルスのヌクレオカプシドを取り囲む脂質二重層に組み込まれている。アレナウイルス糖タンパク質の特性は、インフルエンザの血球凝集素で典型的に表されるI型エンベロープとして分類することができることが示唆されており(15)、レトロウイルス、パラミクソウイルス、コロナウイルスおよびフィロウイルスにも見られた(8)。I型エンベロープは、ウイルスを特異的な宿主細胞受容体に結合するためおよび宿主の膜とのウイルス膜の融合も媒介するために機能し、それによって、標的細胞の内側にウイルスゲノムを挿入する。小胞体の膜を横切るエンベロープタンパク質の共翻訳による転位は、続いてシグナルペプチダーゼによって除去される、N-末端シグナルペプチドにより促進される。翻訳後のタンパク質分解はさらに、受容体が結合する決定因子を含むN-末端サブユニット(アレナウイルスでGP1を表す)および膜融合と関連する劇的な立体構造再編成を起こすことのできるC-末端膜貫通型サブユニット(GP2)中でエンベロープを処理する。アレナウイルスのエンベロープ糖タンパク質が、四量体構造を有することが報告されている(5)が、2つのサブユニットは、互いに会合したままの状態で、このヘテロ二量体を三量体複合体に構築する。成熟したエンベロープ糖タンパク質は、原形質膜などのウイルス出芽部位で蓄積され、したがって、ウイルス出芽が起こるとき、ウイルスが獲得するエンベロープ内に組み込まれる。
【0011】
アレナウイルス糖タンパク質のシグナルペプチドは、かなり変わっており(12);長さ58アミノ酸で、ほとんどのシグナルペプチドよりも大きい(13)。さらに、糖タンパク質は、エンベロープおよび成熟したビリオンと会合したままの状態であり、その後のGP1-GP2プロセシングに重要であると思われる(11)。このプロセシングは、エンベロープ機能に必須であり、細胞のサブチラーゼSKI-1/S1P(1、20、21)によって媒介される。エンベロープ糖タンパク質は、宿主細胞の受容体と直接相互に作用して、標的細胞へのウイルスの侵入を容易にする。旧世界アレナウイルスに対する受容体は、ジストロフィン糖タンパク質複合体の主な成分であるα-ジストログリカン(6)である。クレードCウイルスだけが主な受容体としてα-ジストログリカンを使用するため、新世界アレナウイルスは、この受容体から分岐していると思われる(32)。新世界クレードAおよびBアレナウイルスに対する受容体は、まだ同定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許仮出願第60/935,691号
【特許文献2】米国特許第3,773,919号
【特許文献3】欧州特許第133,988号
【特許文献4】米国特許第5,023,252号
【特許文献5】米国特許第5,011,472号
【特許文献6】米国特許第4,235,871号
【特許文献7】米国特許第4,501,728号
【特許文献8】米国特許第4,837,028号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】T. W. Greene and G. M. Wuts、「Protecting Groups in Organic Synthesis」、Second Edition、Wiley、New York、1991年
【非特許文献2】Langer他、J. Biomed. Mater. Res.15:167〜277頁(1981年)
【非特許文献3】Langer、Chem. Tech. 12: 98〜105頁(1982年)
【非特許文献4】Sidman他、Biopolymers 22:547〜556頁、1983年
【非特許文献5】Remington's Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、第17版(1985年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以下の一般式Iを有する化合物または医薬として許容されるその塩を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
【化1】

【0016】
式中、B、D、EおよびGは、それぞれ独立に、NまたはC-R'であり、ただし、それらの少なくとも1個はNであり;
R'は、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群から選択され;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群から選択され;
R1およびR2は、
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択されるもの;
(b)R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;
(c)R1またはR2が、それが結合する炭素原子、この炭素に隣接する窒素、この窒素とEまたはDとの間の炭素、およびEまたはDがC-R'であるときEまたはDのR'と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;および
(d)R1またはR2が、それが結合する炭素原子およびAr2の少なくともいくつかの炭素と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるものからなる群から選択され、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、(非)置換アリールまたはヘテロアリールである。
【0017】
本発明はまた、下記の式Iの化合物または医薬として許容されるその塩を、それを必要とする哺乳動物に、治療有効量で投与することを含む、ウイルス感染症またはその関連疾患を予防するまたは治療する方法を提供する。
【0018】
【化2】

【0019】
式中、B、D、EおよびGは、それぞれ独立に、NまたはC-R'であり、ただし、それらの少なくとも1個はNであり;
R'は、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群から選択され;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群から選択され;
R1およびR2は、
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択されるもの;
(b)R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;
(c)R1またはR2が、それが結合する炭素原子、この炭素に隣接する窒素、この窒素とEまたはDとの間の炭素、およびEまたはDがC-R'であるときEまたはDのR'と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;および
(d)R1またはR2が、それが結合する炭素原子およびAr2の少なくともいくつかの炭素と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるものからなる群から選択され、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、(非)置換アリールまたはヘテロアリールである。
【0020】
本発明の他の目的および利点は、以下の説明および添付した特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の化合物は以下の一般式Iで表される。
【0022】
【化3】

【0023】
式中、B、D、EおよびGは、それぞれ独立に、NまたはC-R'であり、ただし、それらの少なくとも1個はNであり;
R'は、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群から選択され;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群から選択され;
R1およびR2は、
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択されるもの;
(b)R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;
(c)R1またはR2が、それが結合する炭素原子、この炭素に隣接する窒素、この窒素とEまたはDとの間の炭素、およびEまたはDがC-R'であるときEまたはDのR'と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;および
(d)R1またはR2が、それが結合する炭素原子およびAr2の少なくともいくつかの炭素と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるものからなる群から選択され、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、(非)置換アリールまたはヘテロアリールである。
【0024】
R1、R2およびR3はそれぞれ水素であることが好ましい。また好ましくは、GはNであり、B、DおよびEはそれぞれC-Hである。
さらに好ましくは、Ar1およびAr2は、それぞれ置換ヘテロアリールである。
【0025】
本発明の化合物は、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(5-メチル-ピリジン-2-イルメチル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンズアミド; 2-ジメチルアミノ-N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド塩酸塩; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-スクシンアミド酸; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-メタンスルホンアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンゼンスルホンアミド;および[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンからなる群から選択されることが好ましい。
【0026】
より好ましくは、式Iの化合物は、[1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンまたは[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチルベンジル)-アミンである。式Iの化合物は、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-y1]-(4-エチル-ベンジル)-アミンであることが最も好ましい。本発明による模範的な化合物を、以下のTable 1(表1)内に示す。
【0027】
【表1A】

【0028】
【表1B】

【0029】
本発明の方法は、上記の式Iの化合物をそれを必要とする哺乳動物に治療有効量で投与することを含む、ウイルス感染症またはその関連疾患の治療または予防用である。
【0030】
好ましくは、哺乳動物はヒトであり、ウイルス感染症はアレナウイルス感染症である。より好ましくは、アレナウイルスは、ラッサ、フニン、マチュポ、グアナリト、サビア、ホワイトウォーターアロヨ、チャパレ、LCMV、ダンデノングなどのLCMV様ウイルス、タカリベ、およびピチンデからなる群から選択される。
【0031】
好ましくは、ウイルス感染症は、ラッサ熱、アルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱、およびベネズエラ出血熱からなる群から選択される状態に関連する。最も好ましくは、ウイルス感染症は、ラッサ熱を伴う。
【0032】
本発明の方法はまた、a)リバビリンまたはシドフォビルなどの他の抗ウイルス薬;b)ワクチン;および/またはc)インターフェロンまたはペグ化インターフェロンの同時投与を含むことができる。
【0033】
定義
この詳細な説明によれば、以下の略語および定義が適用される。本明細書では、別段文脈で明確に指示しない限り、単数形(「a」、「an」および「the」)は、複数の対象を含むことに留意しなければならない。
【0034】
本明細書中で論じる刊行物は、単独でその開示を提供される。本明細書におけるいかなるものも、それらの刊行物に先立つことに関して認めるものと解釈すべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日と異なってもよく、それぞれ独立に確認される必要があり得る。
【0035】
値の範囲が提供される場合、それぞれ介在する値は包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい方にそれぞれ独立に含まれ、述べた範囲内で特に除外される任意の制限に従ってもよい。述べた範囲がその制限の一方または両方を含む場合、制限が含まれるもののいずれかまたは両方を除外する範囲はまた、本発明に含まれる。または、引用した範囲内に収まる任意の値も考えられる。
【0036】
別段定義されない限り、本明細書に用いられるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって普通に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載したものと同様または同等の任意の方法および物質はまた、実施または試験に用いることができる。本明細書で述べたすべての刊行物は、その刊行物が引用されるものと関連して、方法および/または物質を開示し記載するため、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
「患者」または「対象」については、任意の哺乳動物を含むことを意味する。治療目的の「哺乳動物」は、ヒト、ラット、マウスおよびモルモットを含めた実験動物、一般家畜および農業用家畜およびイヌ、ウマ、ネコ、雌ウシなどの、動物園の動物、運動競技用動物または愛がん動物などを含むがそれだけには限らない、哺乳動物として分類される任意の動物を意味する。
【0038】
本明細書では、「効果」という用語は、特定の治療レジメンの有効性を意味する。効果は、薬剤に応答した疾患の経過の変化に基づいて測定することができる。
【0039】
本明細書では、長期的な治療レジメンと関連する「成功」という用語は、特定の治療レジメンの有効性を意味する。これには、効果、毒性(たとえば、副作用および配合物または投与単位の患者の耐性)、患者のコンプライアンスなどのバランスが含まれる。「成功した」と見なされる長期的な投与レジメンのために、それは、患者のケアおよび好ましい患者のアウトカムを得るための効果の異なる面のバランスを取らなければならない。
【0040】
「治療する」、「治療」などの用語は、本発明書において所望の薬理効果および生理的効果を得ることを意味するために用いられる。その効果は、疾患、症状、またはその状態を予防するまたは部分的に予防することに関して予防的となり得、かつ/または疾患、状態、症状、または疾患によるものとされる有害作用の部分治癒または完全治癒に関して治療的となり得る。本明細書では、「治療」という用語は、ヒトなどの哺乳動物における疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患に罹り得るが疾患を有するとまだ診断されていない対象に発生しないように疾患を予防する、すなわち、疾患になり得るが、疾患の症状をまだ経験していないまたは示していない対象において、疾患の臨床症状を発現しないようにすること;(b)疾患を抑制する、すなわち、疾患またはその臨床症状の発生を停止させるまたは減少させること;および(c)疾患を軽減する、すなわち、疾患および/またはその症状もしくは状態の後退をもたらすことが含まれる。病的な炎症に関連する疾患に罹患している患者を治療することが考えられる。長期にわたって病的な炎症によるものとされる、および/または長期にわたって生体系に存在する不適当な炎症に対する生理反応によって引き起こされる有害作用を予防する、抑制する、または軽減することが考えられる。
【0041】
本明細書では、「アシル」は、H-C(O)-基、アルキル-C(O)-基、置換アルキル-C(O)-基、アルケニル-C(O)-基、置換アルケニル-C(O)-基、アルキニル-C(O)-基、置換アルキニル-C(O)-基、-シクロアルキルC(O)-基、置換シクロアルキル-C(O)-基、アリール-C(O)-基、置換アリール-C(O)-基、ヘテロアリール-C(O)-基、置換ヘテロアリール-C(O)基、複素環-C(O)-基および置換複素環-C(O)-基を意味し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で定義される通りである。
【0042】
「アルキルアミノ」は、NRR基[式中、各Rは、それぞれ独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択され、各Rは結合して窒素原子と一緒になって複素環または置換複素環を形成する]を意味し、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は本明細書で定義される通りである。
【0043】
「アルケニル」は、好ましくは2〜10個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、少なくとも1ヵ所および好ましくは1〜2ヵ所の不飽和アルケニルを有するアルケニル基を意味する。
【0044】
「アルコキシ」は、「アルキル-O-基」を意味し、例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシ、1,2-ジメチルブトキシなどが含まれる。
【0045】
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、あるいは1〜6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝状のアルキル基を意味する。この用語は、メチル、t-ブチル、n-ヘプチル、オクチルなどの基によって例示される。
【0046】
「アミノ」は、-NH2基を意味する。
【0047】
「アリール」または「Ar」は、単環(たとえば、フェニル)または多縮合環(たとえば、ナフチルまたはアントリル)を有する6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素基を意味し、縮合環は、芳香族(たとえば、2-ベンゾオキサゾリノン、2H-1,4-ベンゾオキサジン-3(4H)-オンなど)となり得るまたはなり得ず、ただし結合点は芳香環の1個の原子を介する。
【0048】
「置換アリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシル-シクロアルキル、カルボキシル置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-S(O)2-アルキル、-S(O)2-置換アルキル、-S(O)2-シクロアルキル、-S(O)2-置換シクロアルキル、-S(O)2-アルケニル、-S(O)2-置換アルケニル、-S(O)2-アリール、-S(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-S(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-S(O)2-置換複素環、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OS(O)2-NRR(Rは水素またはアルキル)、-NRS(O)2-アルキル、-NRS(O)2-置換アルキル、-NRS(O)2-アリール、-NRS(O)2-置換アリール、-NRS(O)2-ヘテロアリール、-NRS(O)2-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-複素環、-NRS(O)2-置換複素環、-NRS(O)2-NR-アルキル、-NRS(O)2-NR-置換アルキル、-NRS(O)2-NR-アリール、-NRS(O)2-NR-置換アリール、-NRS(O)2-NR-ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-複素環、-NRS(O)2-NR-置換複素環(Rは水素またはアルキル)、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノ、モノ(置換アルキル)アミノおよびジ(置換アルキル)アミノ、モノアリールアミノおよびジアリールアミノ、一置換アリールアミノおよび二置換アリールアミノ、モノヘテロアリールアミノおよびジヘテロアリールアミノ、一置換ヘテロアリールアミノおよび二置換ヘテロアリールアミノ、モノ複素環アミノおよびジ複素環アミノ、一置換複素環アミノおよび二置換複素環アミノ、それぞれ独立にアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称の二置換アミンおよび置換アリール上でBoc、Cbz、ホルミルなどの通常の保護基によって遮断されたまたは-SO2NRR(Rは水素またはアルキル)で置換されたアミノ基からなる群から選択される、1〜3個の置換基で置換されるアリール基を意味する。
【0049】
「シクロアルキル」は、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどを含めた単環式環を有する3〜8個の炭素原子の環式アルキル基を意味する。この定義から除外されるのは、アダマンタニルなどの多環アルキル基である。
【0050】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0051】
「ヘテロアリール」は、環または酸化物中に、2〜10個の炭素原子および酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族炭素環基を意味する。かかるヘテロアリール基は、単環(たとえば、ピリジルまたはフリル)または多縮合環(たとえば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有することができ、1種または複数の縮合環が芳香族となり得るまたはなり得ず、ただし結合点は芳香環の1個の原子を介する。さらに、ヘテロアリール基のヘテロ原子は、酸化して、すなわち、ピリジンN-オキシドまたは1,1-ジオキソ-1,2,5-チアジアゾールなどを形成することができる。さらに、環の炭素原子は、オキソ(=O)で置換されてもよい。「ヘテロアリール環中に2個の窒素原子を有するヘテロアリール」という用語は、ヘテロアリール環中に2個およびただ2個の窒素原子を有し、酸素または硫黄などのヘテロアリール環中に1または2個の他のヘテロ原子を場合によっては含む、ヘテロアリール基を意味する。
【0052】
「置換ヘテロアリール」は、ヒドロキシ、アシル、アシルアミノ、チオカルボニルアミノ、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アミジノ、アルキルアミジノ、チオアミジノ、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、アミノカルボニルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、アリール、置換アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、カルボキシル、カルボキシルアルキル、カルボキシル置換アルキル、カルボキシル-シクロアルキル、カルボキシル置換シクロアルキル、カルボキシルアリール、カルボキシル置換アリール、カルボキシルヘテロアリール、カルボキシル置換ヘテロアリール、カルボキシル複素環、カルボキシル置換複素環、カルボキシルアミド、シアノ、チオール、チオアルキル、置換チオアルキル、チオアリール、置換チオアリール、チオヘテロアリール、置換チオヘテロアリール、チオシクロアルキル、置換チオシクロアルキル、チオ複素環、置換チオ複素環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、グアニジノ、グアニジノスルホン、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、シクロアルコキシ、置換シクロアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、置換ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、置換ヘテロシクリルオキシ、オキシカルボニルアミノ、オキシチオカルボニルアミノ、-S(O)2-アルキル、-S(O)2-置換アルキル、-S(O)2-シクロアルキル、-S(O)2-置換シクロアルキル、-S(O)2-アルケニル、-S(O)2-置換アルケニル、-S(O)2-アリール、-S(O)2-置換アリール、-S(O)2-ヘテロアリール、-S(O)2-置換ヘテロアリール、-S(O)2-複素環、-S(O)2-置換複素環、-OS(O)2-アルキル、-OS(O)2-置換アルキル、-OS(O)2-アリール、-OS(O)2-置換アリール、-OS(O)2-ヘテロアリール、-OS(O)2-置換ヘテロアリール、-OS(O)2-複素環、-OS(O)2-置換複素環、-OSO2-NRR(Rは水素またはアルキル)、-NRS(O)2-アルキル、-NRS(O)2-置換アルキル、-NRS(O)2-アリール、-NRS(O)2-置換アリール、-NRS(O)2-ヘテロアリール、-NRS(O)2-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-複素環、-NRS(O)2-置換複素環、-NRS(O)2-NR-アルキル、-NRS(O)2-NR-置換アルキル、-NRS(O)2-NR-アリール、-NRS(O)2-NR-置換アリール、-NRS(O)2-NR-ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-置換ヘテロアリール、-NRS(O)2-NR-複素環、-NRS(O)2-NR-置換複素環(Rは水素またはアルキル)、モノアルキルアミノおよびジアルキルアミノ、モノ(置換アルキル)アミノおよびジ(置換アルキル)アミノ、モノアリールアミノおよびジアリールアミノ、一置換アリールアミノおよび二置換アリールアミノ、モノヘテロアリールアミノおよびジヘテロアリールアミノ、一置換ヘテロアリールアミノおよび二置換ヘテロアリールアミノ、モノ複素環アミノおよびジ複素環アミノ、一置換複素環アミノおよび二置換複素環アミノ、それぞれ独立に、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環からなる群から選択される異なる置換基を有する非対称の二置換アミンおよび置換アリール上でBoc、Cbz、ホルミルなどの通常の保護基によって遮断されたまたは-SO2NRR(Rは水素またはアルキル)で置換されたアミノ基からなる群から選択される、1〜3個の置換基で置換されたヘテロアリール基を意味する。
【0053】
「スルホニル」は、-S(O)2R基を意味する[式中、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択され、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環は、本明細書で定義される通りである]。
【0054】
「場合によっては置換される」は、列挙した基が置換されなくてもよく列挙した基が置換されてもよい。
【0055】
「医薬として許容される担体」は、一般に安全で非毒性であり、生物学的にも他の点でも望ましくないものではない医薬組成物または配合物を調製するのに有用である担体を意味し、獣医用用途ならびにヒトの医薬用用途に許容される担体を含む。
【0056】
「医薬として許容される陽イオン」は、医薬として許容される塩の陽イオンを意味する。
【0057】
「医薬として許容される塩」は、生物学的にも他の点でも望ましくないものではない化合物の生物学的有効性および特性を保持する塩を意味する。医薬として許容される塩は、塩が当技術分野でよく知られている様々な有機および無機対イオンに由来する化合物の医薬として許容される塩を意味し、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどが含まれ;分子が塩基性官能基を含むとき、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシラート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの有機酸塩または無機酸塩が含まれる。
【0058】
医薬として許容される塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製することができる。無機塩基に由来する塩には、単なる例として、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が含まれる。有機塩基に由来する塩には、それだけには限らないが、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環アミン、ジ複素環アミン、トリ複素環アミン、混合ジおよびトリ-アミン[アミン上の少なくとも2つの置換基は異なり、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環などからなる群から選択される]などの第1アミン、第2アミンおよび第3アミンが含まれる。また、含まれるのは、2つまたは3つの置換基が、アミノ態窒素と一緒になって、複素環またはヘテロアリール基を形成するアミンである。
【0059】
適当なアミンの例には、単なる例として、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソプロピル)アミン、トリ(n-プロピル)アミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N-アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N-エチルピペリジンなどが含まれる。他のカルボン酸誘導体が、たとえば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含めた、有用なカルボン酸アミドであることも理解されよう。
【0060】
医薬として許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製することができる。無機酸に由来する塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが含まれる。有機酸に由来する塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが含まれる。
【0061】
化合物は、プロドラッグとして作用し得る。かかるプロドラッグを哺乳動物の対象に投与するとき、プロドラッグは、活性な親ドラッグをin vivoで放出する、任意の化合物を意味する。プロドラッグは、in vivoで修飾部分が切れて親化合物を放出できるように、存在する官能基を修飾することによって調製される。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基が、in vivoで切れてそれぞれ遊離のヒドロキシ、アミノ、またはスルフヒドリル基を再生することができる任意の基と結合する化合物が含まれる。プロドラッグの例としては、それだけには限らないが、エステル(たとえば、アセタート、ホルマートおよびベンゾアート誘導体)、ヒドロキシ官能基を有するカルバマート(たとえば、N,N-ジメチルアミノ-カルボニル)などが含まれる。
【0062】
疾患を「治療する」または疾患の「治療」には、
(1)疾患を予防すること、すなわち、疾患に暴露され得るまたは疾患になり得るが、疾患の症状をまだ経験していないまたは示していない、哺乳動物において、疾患の臨床症状を発生しないようにすること、
(2)疾患を抑制すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の発生を停止させるまたは減少させること、
(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患またはその臨床症状の後退をもたらすことが含まれる。
【0063】
「治療有効量」は、疾患を治療するために哺乳動物に投与するとき、疾患のかかる治療を達成するために十分である、化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度ならびに治療しようとする哺乳動物の年齢、体重などに応じて変わる。
【0064】
化合物の合成
化合物は、化合物の調製の容易さ、出発物質の民間における利用可能性などに関して選択された特定の経路を有する、いくつかの分岐する合成経路によって、容易に調製される。
【0065】
化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いて容易に利用可能な出発物質から調製することができる。作業条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられた場合、他のプロセス条件も別段の記載がない限り用いることができることが理解されよう。最適な反応条件は、使用される個々の反応物または溶媒によって変わり得るが、かかる条件は、当業者によって通常の最適化された手順で決定することができる。
【0066】
さらに、当業者には明らかであるように、通常の保護基は、いくつかの官能基が望まれない反応をしないようにすることが必要となり得る。様々な官能基に対する適当な保護基ならびに個々の官能基を保護するおよび脱保護するための適当な条件は、当技術分野でよく知られている。たとえば、多数の保護基は、T. W. Greene and G. M. Wuts、「Protecting Groups in Organic Synthesis」、Second Edition、Wiley、New York、1991年およびその中で引用された参考文献中に記載されている。
【0067】
さらに、化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含み得る。したがって、望むなら、かかる化合物は、純粋な立体異性体として、すなわち、個々の鏡像異性体またはジアステレオマーとして、または立体異性体濃縮混合物として調製するまたは単離することができる。かかるすべての立体異性体(および濃縮された混合物)は、別段の指示がない限り含まれる。純粋な立体異性体(または濃縮された混合物)は、たとえば、当技術分野で周知の光学活性出発物質または立体選択的試薬を用いて調製することができる。あるいは、かかる化合物のラセミ混合物は、たとえば、キラルカラムクロマトグラフィー、キラル分離剤などを用いて分離することができる。
【0068】
別段の指示がない限り、生成物が不斉中心を含む場合、それらは、R鏡像異性体およびS鏡像異性体の混合物である。しかし、キラル生成物が望まれるなら、キラル生成物は、RおよびSの混合物から鏡像異性体を分離して1つまたは他の立体異性体を提供する精製技法により得ることができる。かかる技法は当技術分野で知られている。
【0069】
化合物は、in vivoで上記化合物に変える(たとえば、加水分解する、代謝するなど)プロドラッグとして提供することができる。
【0070】
化合物の医薬製剤
一般に、化合物は、これらの化合物の容認された投与方法のいずれかによって治療有効量で投与する。化合物は、経口、非経口(たとえば、皮下、硬膜下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、腹腔内、大脳内、動脈内、または病巣内投与経路)、局所、鼻腔内、局部(たとえば、外科的適用または外科による坐剤)、直腸、および肺(たとえば、エアゾール剤、吸入、または粉末)を含むがそれだけには限らない、様々な経路によって投与することができる。したがって、これらの化合物は、注射剤組成物および経口組成物の両方として有効である。化合物は、注入によってまたはボーラス注入によって連続的に投与することができる。
【0071】
化合物の実際の量、すなわち、有効成分は、疾患の重症度、すなわち、対象の治療しようとする状態または疾患、年齢、および相対的な健康状態、使用する化合物の効力、投与の経路および形態ならびに他の要因などのいくつかの要因に応じて変わる。
【0072】
かかる化合物の毒性効果および治療効果は、たとえば、LD50(母集団の50%に致死の量)およびED50(母集団の50%に治療上有効な量)を決定するために、細胞培養または実験動物において標準の医薬手順によって決定することができる。毒性効果と治療効果の用量比は、治療係数であり、それは、LD50/ED50比として表すことができる。
【0073】
細胞培養試験および動物試験から得られたデータは、ヒトに使用する用量の範囲を調製するのに用いることができる。かかる化合物の用量は、毒性をほとんどまたはまったく含まずにED50を含む循環濃度の範囲内にある。用量は、この範囲内で、使用される剤形および利用される投与経路に応じて変わる。使用される任意の化合物について、治療上有効な用量は、最初、細胞培養試験から推定することができる。用量は、細胞培養において決定されたIC50(すなわち、症状の最大半減の抑制を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するために動物モデルにおいて調製することができる。かかる情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために用いることができる。血漿中のレベルは、たとえば、高速液体クロマトグラフィーによって測定することができる。
【0074】
患者に投与される医薬組成物の量は、何を投与するか、予防や療法など投与の目的、患者の状態、投与方式などに応じて変わる。治療の用途において、組成物は、疾患にすでに罹患している患者に、疾患およびその合併症の症状を少なくとも部分的に停止するのに十分な量で投与される。これを達成するのに適した量は、「治療上有効な用量」として定義されている。この使用に対して有効な量は、治療対象となる疾患の状態に応じてならびに炎症の重症度、患者の年齢、体重および全身症状などの要因に応じた主治医の判断によって変わる。
【0075】
患者に投与される組成物は、上述の24種の医薬組成物の形態である。これらの組成物は、通常の滅菌技法によって減菌しても、無菌ろ過してもよい。得られた水溶液は、そのままでまたは凍結乾燥させて用いるために包装されてもよく、凍結乾燥済みの調製は、投与前に無菌の水性担体と組み合わされる。前述の賦形剤、担体、または安定剤のいくつかを使用することによって、医薬塩の形成をもたらすことを理解されたい。
【0076】
活性化合物は、広い用量範囲で有効であり、一般に医薬として有効な量または治療上有効な量で投与される。化合物の治療量は、たとえば、治療がされる個々の使用、化合物の投与方式、患者の健康および状態、および処方する医師の判断に従って変わる。たとえば、静脈内投与について、用量は、通常、体重1kg当たり約0.5mg〜約100mgの範囲である。有効な用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から導き出される用量反応曲線から外挿することができる。通常、臨床医は、所望の効果を達成する用量になるまで、化合物を投与する。
【0077】
医薬として使用するとき、化合物は、通常は医薬組成物の形で投与される。医薬組成物は、1種または複数の医薬として許容される担体または賦形剤に関連する、上記化合物の1種または複数を有効成分として含む。使用する賦形剤は、通常、ヒトの対象または他の哺乳動物への投与に適した賦形剤である。組成物を製造する上で、有効成分は、通常、賦形剤と混合され、賦形剤で希釈され、またはカプセル、小袋、紙または他の容器の形となり得る担体の中に封入される。賦形剤が希釈剤として働くとき、それは有効成分のビヒクル、担体、または媒体として作用する、固体、半固体、または液体物質となり得る。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固形物としてまたは液体媒体の形態で)、たとえば活性化合物10重量%まで含む軟膏剤、軟ゼラチンカプセル剤および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、無菌の注射剤、および無菌包装された散剤の形となり得る。
【0078】
配合物を調製する上で、他の成分と合わせる前に適当な粒度を提供するために活性化合物を粉砕することが必要となり得る。活性化合物がほぼ不溶性である場合、それは、通常200メッシュ未満の粒度に粉砕する。活性化合物が、ほぼ水溶性である場合、粒度は、普通なら、配合物中でほぼ均一な分布、たとえば、約40メッシュになるように粉砕することによって調節される。
【0079】
適当な賦形剤のいくつかの例としては、ラクトース、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギナート、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ剤、およびメチルセルロースが含まれる。配合物は、さらに、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油などの潤滑剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;安息香酸メチルおよび安息香酸プロピルヒドロキシなどの保存剤;甘味剤;および矯味剤が含まれる。本発明の組成物は、当技術分野で周知の手順を使用することによって、患者に投与した後有効成分の速放、徐放または遅延放出されるように配合することができる。
【0080】
医薬組成物およびその単位剤形中の活性化合物の量は、個々の適用、やり方または導入、個々の化合物の効力および所望の濃度に応じて変わり得るまたは調整し得る。「単位剤形」という用語は、ヒトの対象および他の哺乳動物のための単位用量として適した、物理的に分かれた単位を意味し、それぞれの単位は、適当な医薬賦形剤に関連して、所望の治療効果をもたらすために算出された活物質の予定された量を含む。
【0081】
化合物は、無菌の生理食塩水などの適当な不活性担体の形で、非経口投与のために配合することができる。投与される用量は、投与経路によって決定される。
【0082】
静脈内製剤による治療薬の投与は、医薬品業界でよく知られている。静脈内製剤は、治療薬が可溶性である組成物であることに加え、一定の品質を有するものとする。たとえば、配合物は、1種(または複数の)有効成分の全体的な安定性を促進するものとし、また、配合物の製造は、対費用効果の高いものとする。これらの要因のすべてにより、最終的に静脈内配合物の全体的な成功および有用性を決定する。
【0083】
医薬製剤および化合物中に含めることができる他の補助添加剤は以下の通りである。すなわち、溶媒:エタノール、グリセロール、プロピレングリコール;安定剤:EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、クエン酸;抗菌性保存剤:ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン;緩衝剤:クエン酸/クエン酸ナトリウム、酒石酸水素カリウム、酒石酸水素ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、マレイン酸/マレイン酸ナトリウム、フタル酸水素ナトリウム、リン酸/リン酸二水素カリウム、リン酸/リン酸水素二ナトリウム;および張度調節剤:塩化ナトリウム、マンニトール、ブドウ糖である。
【0084】
緩衝液の存在は、水性pHを約4〜約8の範囲で維持するために必要である。緩衝系は一般に、たとえば、クエン酸ナトリウム/クエン酸など弱酸とその可溶性塩の混合物;または、たとえば、酒石酸水素カリウムなどの二塩基酸の一価陽イオン塩もしくは二価陽イオン塩;酒石酸水素ナトリウム、リン酸/リン酸二水素カリウム、およびリン酸/リン酸水素二ナトリウムである。
【0085】
使用する緩衝系の量は、(1)所望のpH;および(2)薬物の量に応じて変わる。一般に、使用する緩衝液の量は、配合物のpHを4〜8の範囲で維持することができる。一般に、緩衝液(緩衝液のモルは、たとえば、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸など、緩衝液成分の混合モル比として見なされる)対薬物のモル比1:1〜10:1が用いられる。
【0086】
有用な緩衝液は、クエン酸ナトリウム/クエン酸で、組成物の水性pH4〜6を維持するために十分なクエン酸ナトリウム1ml当たり5〜50mg対クエン酸1ml当たり1〜15mgの範囲である。
【0087】
緩衝剤はまた、ガラス容器またはゴム栓の外に浸出し得るまたは普通の水道水中に存在し得る、たとえば、Ca、Mg、Fe、Al、Baなどの、溶解した金属イオンとの可溶性金属錯体配合物によって薬物を沈殿させないようにするために存在し得る。薬剤は、薬物との競合的錯生成剤として作用し、望ましくない微粒子の存在をもたらす可溶性金属錯体を生成し得る。
【0088】
さらに、張度をヒトの血液の同じ値に調節する薬剤、たとえば、約1〜8mg/mlの量の塩化ナトリウムの存在は、静脈内投与製剤の投与において、悪心または下痢などの望ましくない副作用をもたらし、おそらく関連する血液障害をもたらす赤血球の膨潤または収縮を避けるために必要とされ得る。一般に、配合物の張度は、282〜288mOsm/kgの範囲であり、一般に285mOsm/kgであるヒトの血液の張度を一致させ、塩化ナトリウム0.9%溶液に対応する浸透圧に等しい。
【0089】
静脈内投与製剤は、直接静脈内注射、静脈内ボーラスによって投与することができ、あるいは、0.9%塩化ナトリウム注射などの適当な輸液または他の適合する輸液に加えることにより注入によって投与することができる。
【0090】
組成物は、単位剤形として配合されることが好ましく、それぞれの用量は、有効成分約5〜約100mg、より通常には、約10〜約30mgを含む。「単位剤形」という用語は、ヒトの対象および他の哺乳動物に対する単位用量として適した物理的に分離した単位を意味し、それぞれの単位は、適当な医薬品賦形剤と関連して、所望の治療効果をもたらすよう算出された活物質の予定された量を含む。
【0091】
活性化合物は、広範な用量範囲で有効であり、一般に医薬として有効な量で投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療しようとする条件、選択される投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重症度などを含めた関連する状況に照らして、医師によって決定されることが理解されよう。
【0092】
錠剤などの固形組成物を調製するために、主な有効成分を医薬品賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含む固形の予備製剤組成物を形成する。これらの予備製剤組成物を均質と呼ぶとき、組成物が錠剤、丸剤およびカプセル剤などの等しく有効な単位剤形に容易に細区画することができるように、有効成分は組成物に均一に分散されることを意味する。次いで、この固形予備製剤は、たとえば、有効成分0.1〜約2000mgを含む、上記のタイプの単位剤形に細区画される。
【0093】
錠剤または丸剤は、コーティングすることができる、または別の方法で長期の作用の利点を与える剤形を提供するために混合することができる。たとえば、錠剤または丸剤は、内側の用量成分および外側の用量成分を備えることができ、後者は、前者を覆ってエンベロープの形態となり得る。2つの成分は、胃の中で崩壊に抵抗し、内側の成分を未変化で十二指腸に通すまたは放出を遅延させることを可能にするために働く腸溶層によって分離させることができる。様々な物質はまた、かかる腸溶層または腸溶コーティングに用いることができ、かかる物質には、いくつかのポリマー酸、およびシェラック、セチルアルコールおよび酢酸セルロースのようなかかる物質とのポリマー酸の混合物が含まれる。
【0094】
新規組成物が経口投与または注射による投与に組み入れられ得る液体形態には、水溶液、適当に味の付いたシロップ剤、水性懸濁剤または油性懸濁剤、および綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはラッカセイ油などの食用油による味付きの乳剤、ならびにエリキシル剤および類似の医薬用ビヒクルが含まれる。
【0095】
吸入または吹入のための組成物には、医薬として許容される、水性溶媒または有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、または粉末が含まれる。液体組成物または固形組成物は、上記の適当な医薬として許容される賦形剤を含み得る。医薬として許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスを用いて噴霧することができる。噴霧される液剤は、噴霧デバイスから直接吸い込むことができる、あるいは、噴霧デバイスはフェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸機に取り付けることができる。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、適当なやり方で配合物を送達するデバイスから投与することができる。
【0096】
化合物は、徐放の形態で投与することができる。徐放の調製の適当な例には、化合物を含む固形の疎水性ポリマーの半透性の基質が含まれ、それらの基質は、たとえば、フィルムまたはマイクロカプセルなどの造形品の形態である。徐放基質の例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(たとえば、Langer他、J. Biomed. Mater. Res.15:167〜277頁(1981年)およびLanger、Chem. Tech. 12: 98〜105頁(1982年)に記載される、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(米国特許第3,773,919号)、L-グルタミン酸およびγエチル-L-グルタマートのコポリマー(Sidman他、Biopolymers 22:547〜556頁、1983年)、非分解性エチレン酢酸ビニル(Langer他、上記参照)、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー(すなわち、乳酸-グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成される注射用ミクロスフェア)、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)が含まれる。
【0097】
化合物は、たとえば、蓄積注射、インプラント調製、または浸透圧ポンプなどの、徐放の形態で投与することができ、有効成分の徐放を可能にするようなやり方で配合することができる。徐放性配合物のインプラントは、当技術分野でよく知られている。インプラントは、それだけには限らないが、生分解性ポリマーまたは非生分解性ポリマーを有するミクロスフェア、スラブを含むものとして配合することができる。たとえば、乳酸および/またはグリコール酸のポリマーは、宿主による耐用性がよい浸食可能なポリマーを形成する。
【0098】
経皮送達デバイス(「パッチ」)も使用することができる。かかる経皮パッチは、制御された量で化合物の連続的なまたは非連続的な注入を提供するために使用することができる。医薬品の送達のための経皮パッチの構成および使用は、当技術分野でよく知られている。たとえば、参照により本明細書に組み込まれる1991年6月11日発行の米国特許第5,023,252号を参照のこと。かかるパッチは、医薬品の連続送達、拍動性送達または応需型送達のために構成することができる。
【0099】
医薬組成物を脳に導入することが望ましいまたはそれを必要とするとき、直接的または間接的留置技法を用いることができる。直接的な技法は通常、血液脳関門をバイパスするための宿主の脳室系における薬物送達カテーテルの留置を含む。生体因子を特定の解剖学的領域に輸送するのに用いる、かかる1つの植込み可能な送達系は、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,011,472号に記載されている。
【0100】
間接的な技法は、通常、親水性薬物を脂溶性薬物に転換することによって薬物の潜伏化をもたらすために組成物を配合することを含む。潜伏化は通常、薬物をより脂溶性にする薬物に存在し、血液脳関門を通る輸送を受け入れるヒドロキシ、カルボニル、スルファートおよび一級アミン基を遮断することにより実現される。あるいは、親水性薬物の送達は、一時的に血液脳関門を開くことができる高張液の動脈内注入によって強化することができる。
【0101】
血清半減期を高めるために、化合物は、被包し、コロイドとして調製されるリポソームの内腔に導入することができ、または化合物の血清半減期の延長をもたらす他の通常の技法を用いることができる。様々な方法は、たとえば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Szoka他の、米国特許第4,235,871号、米国特許第4,501,728号および米国特許第4,837,028号に記載される、リポソームを調製するのに使用可能である。
【0102】
医薬組成物は、様々な薬物送達系における使用に適している。本発明に使用するための適当な配合物は、Remington's Pharmaceutical Sciences、Mace Publishing Company、Philadelphia、PA、第17版(1985年)に見出される。
【0103】
提供される化合物および医薬組成物は、ウイルス感染症および関連疾患を治療し予防する生物活性を示し、したがって、ヒトを含めた哺乳動物における出血熱ウイルスなどのウイルス感染症および関連疾患の治療に効用がある。
【0104】
出血熱ウイルス(HFV)は、類似の臨床的特徴を有する様々な疾患症候群を引き起こすRNAウイルスである。潜在的生物兵器として懸念されるHFVは、それだけには限らないが、アレナウイルス科(フニン、マチュポ、グアナリト、サビアおよびラッサ)、フィロウイルス科(エボラウイルスおよびマールブルグウイルス)、フラビウイルス科(黄熱ウイルス、オムスク出血熱ウイルスおよびキャサヌール森林病ウイルス)、およびブニヤウイルス科(リフトバレー熱およびクリミア‐コンゴ出血熱)が含まれる。自然発生的なアレナウイルスおよび潜在的に作られたアレナウイルスは、これらの媒介物のうち、死傷者の最も多い可能性を有する媒介物である、疾病管理予防センターによるカテゴリーA病原体中に含まれる。
【0105】
危険因子には、アフリカまたはアジアへの旅行、動物の死体の処理、感染した動物またはヒトとの接触、および/または節足動物の咬みつきが含まれる。アレナウイルスは、感染した血液および/または体分泌と直接接触した後に感染性が高い。ヒトは通常、感染したげっ歯類との接触、感染した節足動物の咬みつき、動物の死体との直接接触、感染性げっ歯類の排泄物の吸入および/またはげっ歯類の排泄物で汚染された食品の注入によって感染する。タカリベウイルスは、コウモリに関連づけられている。出血熱の空気感染は他の形態である。個人間の接触はまた、一部の場合において起こり得る。
【0106】
すべての出血熱は、類似の臨床症状を示す。しかし、一般に、臨床像は、非特異的で可変性である。潜伏期は、約7〜14日である。発病は、発熱および倦怠感、頻呼吸、相対的な徐脈、低血圧、循環ショック、結膜感染、咽頭炎、リンパ節腫脹、脳炎、筋肉痛、背痛、頭痛およびめまい、ならびに皮膚の知覚過敏を次第に伴う。一部の感染患者には出血症状が現れないこともある。
【0107】
専門の研究室での診断方法には、抗原捕獲酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)による抗原検出、抗体捕獲酵素結合免疫吸着測定法によるIgM抗体検出、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)およびウイルスの単離が含まれる。(酵素結合免疫吸着測定法による)抗原検出および逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応は、急性の臨床状況において最も有用な診断技法である。ウイルスの単離は、バイオセーフティレベル4(BSL-4)の研究室を要するため、価値が限られる。
【0108】
以下の実施例において、略語が上記で定義されていない場合、略語は一般的に認められた意味を有する。さらに、すべての温度は、(別段の指示がない限り)セルシウス度である。以下の方法を用いて、示されたように、以下に記載する化合物を調製した。
【実施例1】
【0109】
一般的な合成手順
【0110】
【化4】

【0111】
ステップ1:ジニトロフルオライド(2mmol)のTHF(2ml)溶液に、炭酸セシウム(780mg、2.4mmol)およびアニリン(H2N-Ar1、2mmol)を加えた。混合物を終夜48℃に加熱した。反応を室温まで冷却し、事前包装されたシリカカートリッジ5gでろ過し、EtOAc(〜15ml)で溶出させた。溶媒を真空中で除去し、粗物質を精製せず次に進めた。
【0112】
ステップ2:ステップ1から得られた粗出発物質のEtOAc溶液に、ひとすくいの10%Pd/C(〜50mg)を加えた。バイアルを密封し、アルゴンでフラッシュし、次いで、H2バルーン中に入れた。混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物をセライトのパッドでろ過し、EtOAcで溶出させた。溶媒を真空中で除去し、粗物質を精製せず次に進めた。
【0113】
ステップ3:ステップ2から得られた粗物質を4N HCl(2ml)およびギ酸(0.5ml)中で懸濁させた。混合物を1.5時間100℃に加熱した。反応を室温まで冷却し、5 N NaOHをpHを〜13に調整するために加えた。混合物をDCM(3×5ml)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、ろ過し、溶媒を真空中で蒸発させて、精製せず次に進めた粗生成物を得た。
【0114】
ステップ4:ステップ3から得られた粗出発物質のDCM(3ml)溶液に、アルデヒド(Ar2-CHO、2mmol)およびNa(OAc)3BH(630mg、3mmol)を加えた。(反応をTLCで完了したとき)室温で1.5時間反応を攪拌した。粗反応混合物をろ過し、RediSepシリカゲルカートリッジ40gに添加し、ヘキサン中のEtOAcの勾配で溶出させて、最終生成物を生成した。同一性をLC-MSおよび1H NMRによって確認し、純度をHPLCによって確認した。
【実施例2】
【0115】
配合物1
以下の成分を含む硬ゼラチンカプセル剤を調製する。
【0116】
【表2】

【0117】
上記成分を混合し、340mg量として硬ゼラチンカプセルに充填した。
【実施例3】
【0118】
配合物2
錠剤処方を以下の成分を用いて調製する。
【0119】
【表3】

【0120】
成分を混合し圧縮して、それぞれの秤量240mgの錠剤を形成する。
【実施例4】
【0121】
配合物3
以下の成分を含む乾燥粉末吸入器の配合物を調製する。
【0122】
【表4】

【0123】
有効な混合物をラクトースと混合し、混合物を乾燥粉末を吸入する器具に加える。
【実施例5】
【0124】
配合物4
それぞれ有効成分30mgを含む錠剤を以下に調製する。
【0125】
【表5】

【0126】
有効成分、デンプンおよびセルロースを20番メッシュの米国製ふるいに通し、十分に混合する。ポリビニルピロリドン溶液を、得られた粉末と混合し、次いで、それを16メッシュの米国製ふるいに通す。そうして生成された顆粒を50℃〜60℃で乾燥し、16メッシュの米国製ふるいに通す。次いで、あらかじめ30番メッシュの米国製ふるいに通したカルボキシメチルスターチ、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、その顆粒に加え、それを混合してから、錠剤機で圧縮して、それぞれの秤量150mgの錠剤を得る。
【実施例6】
【0127】
配合物5
医薬品40mgをそれぞれ含むカプセル剤を以下のように作製する。
【0128】
【表6】

【0129】
有効成分、セルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウムを混合し、20番メッシュの米国製ふるいに通し、150mg量として硬ゼラチンカプセルに充填する。
【実施例7】
【0130】
配合物6
有効成分25mgをそれぞれ含む坐剤を以下のように作製する。
【0131】
【表7】

【0132】
有効成分を60番メッシュの米国製ふるいに通し、必要最低限の熱を用いてあらかじめ融解した飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。次いで、混合物を公称容量2.0gの坐剤型に注ぎ、放冷する。
【実施例8】
【0133】
配合物7
用量5.0ml当たり50mgの医薬品をそれぞれ含む懸濁剤を以下のように作製する。
【0134】
【表8】

【0135】
医薬品、スクロースおよびキサンタンガムを混合し、10番メッシュの米国製ふるいに通し、次いで、あらかじめ作製した微結晶セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、芳香料および着色料を水の一部で希釈し、攪拌しながら加える。次いで、十分な水を加えて、必要とされる体積を生成する。
【実施例9】
【0136】
配合物8
有効成分15mgをそれぞれ含む硬ゼラチン錠剤を以下のように作製する。
【0137】
【表9】

【0138】
有効成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、20番メッシュの米国製ふるいに通し、560mg量として硬ゼラチンカプセルに充填する。
【実施例10】
【0139】
配合物9
静脈内製剤は以下のように調製することができる。
【0140】
【表10】

【0141】
治療用化合物の組成物は、一般に、たとえば、皮下注射針または類似の鋭利な器具によって貫通可能な栓を有する静脈内注射用溶液のバッグまたはバイアルなど、無菌のアクセスポートを有する容器に入れる。
【実施例11】
【0142】
配合物10
局所処方は以下のように調製することができる。
【0143】
【表11】

【0144】
白色ワセリンを融解するまで加熱する。流動パラフィンおよび乳化ワックスを混和し、溶解するまで攪拌する。有効成分を加え、分散するまで攪拌を続ける。次いで、固化するまで混合物を冷却する。
【実施例12】
【0145】
配合物11
エアゾール処方は、以下のように調製することができる。候補化合物の0.5%炭酸水素ナトリウム/食塩水(w/v)中溶液を30.0mg/mLの濃度で以下の手順を用いて調製する。
【0146】
0.5%炭酸水素ナトリウム/食塩水の予製液の調製:100.0mL
【0147】
【表12】

【0148】
手順:
1. 100mLの容量フラスコに炭酸水素ナトリウム0.5gを加える。
2. 食塩水約90.0mLを加え、溶解するまで超音波処理する。
3. 食塩水を加えて全量100.0mLにし、完全に混合する。
【0149】
候補化合物30.0mg/mLの調製:10.0mL
【0150】
【表13】

【0151】
手順:
1. 10.0mLの容量フラスコに候補化合物0.300gを加える。
2. 0.5%炭酸水素ナトリウム/食塩水予製液約9.7mLを加える。
3. 候補化合物が完全に溶解するまで超音波処理する。
4. 0.5%炭酸水素ナトリウム/食塩水予製液を加えて全量10.0mLにし、混合する。
【実施例13】
【0152】
本発明の化合物の抗ウイルス活性の決定
ラッサ熱ウイルスを用いた作業は、最高の研究室封じ込め(BSL-4)の必要性により運搬上および安全上の問題を示す。したがって、制限の少ないBSL-2の研究室条件で多数の化合物を評価するのに適するはずの、抗ラッサ熱ウイルス活性の代用アッセイを開発した。かかる1つのアッセイを、ラッサウイルスが宿主細胞中に侵入するのを遮断することができる化合物を同定するために開発した。このアッセイは、ウイルス自体ではなく、ラッサ熱ウイルスから得られたエンベロープ糖タンパク質だけを使用し、したがって、正常なBSL-2条件下で安全に実施することができる。ウイルスの侵入ステップは、それがあらゆるウイルスの生活環の必須の構成要素であるため、抗ウイルス医薬品の開発の魅力的な標的である。さらに、抗ウイルス標的、ウイルスエンベロープと宿主細胞との相互作用、およびその後のエンベロープの構造上の再編成は、ウイルスに特異的である。したがって、有効な阻害剤は宿主の過程に干渉しにくい。
【0153】
ラッサのエンベロープとルシフェラーゼレポーターを含む複製欠損HIVプロウイルスの同時形質移入によって生成される、ウイルス偽型を用いて、ラッサのエンベロープ機能を評価する。HIVエンベロープが発現せず、したがって異種ウイルスエンベロープタンパク質が細胞表面タンパク質を非特異的に捕捉する発芽ウイルス粒子として得られるように、プロウイルスを操作する。このようなやり方で調製された偽型は、異種エンベロープによって細胞を感染させ、異種エンベロープの機能を評価するために一般に用いられる(2,9,26,31,33)。感染は、組込みHIVレポーターコンストラクトから生成されたルシフェラーゼシグナルによって測定される。細胞培養系を感染させるために用いる感染性ウイルスの量は、感染細胞中で生成されるルシフェラーゼ媒介発光に、数オーダー分だけ正比例する。このアッセイは、約400,000小分子化合物のライブラリが試験された、ラッサウイルスの侵入阻害剤の高処理スクリーニングの基本であった。ルシフェラーゼ活性を少なくとも75%まで阻害した化合物を、無関係のエボラウイルス糖タンパク質を用いた第2の偽型が特異性の対照として使用された、第2の特異性カウンタースクリーニングにかけた。両方のタイプの偽型を阻害した化合物は、おそらく細胞に対して毒性があり、またはHIVプラットフォームを標的とし、したがって、拒絶される。これらの基準を満たす化合物の残りのプール(約300〜400)を、化学的取り扱いやすさ、効力、および選択性についてさらに調べた。
【0154】
最初に、ヒット化合物の化学構造を、化学的取り扱いやすさについて調べた。化学的に取り扱いやすい化合物は、妥当な化学的方法論を用いて合成上到達可能であるものとして定義され、化学的に安定した官能基および潜在的な薬物様特性を有する。このような医薬品化学フィルターを通したヒット化合物を、それらの効力について評価した。化合物の効力は、阻害活性を広範な濃度で評価することによって決定した。非線形回帰を用いて最良に適合する阻害曲線を生成し、50%有効濃度(EC50)を算出した。所与の化合物の選択性または特異性は、通常、化合物の細胞毒性対その生物学的効果の比として示される。細胞増殖アッセイを用いて、50%細胞毒性濃度(CC50)を算出するが、この値対EC50の比は、治療係数(T.I.=CC50/EC50)と呼ばれる。2つのタイプのアッセイを、細胞毒性を決定するために使用し、その両方は、代謝活性のある細胞中で産生される還元酵素活性を定量する標準的な方法である(28)。1つは、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニル-テトラゾリウムブロミド(MTT)の還元を測定する比色法であり、もう1つは、蛍光定量法を用いて、レサズリン(アラマーブルー)の還元を測定する。選択性は、無関係のウイルスエンベロープを用いて偽型にしたウイルスに対する阻害作用を評価することによって、さらに特徴付けることができた。ヒット化合物のEC50を、3種の異なるウイルスエンベロープ、すなわち、ラッサ、エボラおよび水疱性口内炎ウイルス(VSV)のうちの1種を有するHIV偽型について決定した。したがって、EC50間の比は、化合物の特異性の定量的測定になり、80未満の比を有する化合物を棄却した。
【0155】
ベンズイミダゾール化合物を、抗ウイルス活性についてスクリーニングし、その後の構造-活性関係の試験の基本として使用した。このスクリーニングから、いくつかの非常に強力な抗ウイルス化合物を同定した。あるクラスとして、これらの化合物は、疎水性であり、難水溶性を証明する。コアとなるベンズイミダゾールへの生物活性の依存性、ならびに溶解性を改善する試験方法を調べるため、数種のアザベンズイミダゾールを合成した(Table 1(表1))。一般に、これらのアザベンズイミダゾールは、生物活性に対して十分な耐容性を示した。さらに、7-アザベンズイミダゾールのコア(化合物1-Table 2(表14)参照)は、ラッサエンベロープの糖タンパク質によって媒介されるウイルスの侵入に対する効力がかなり増加したことが判明した。
【0156】
本明細書において開示される化合物を、効力、溶解性および他の特性を改善するために合成した。上記で示したように、化合物1は、293T細胞中のラッサGP偽型ウイルスに対するアッセイにおいて、EC50が0.13nMであり非常に強力であることが示された(Table 2(表14))。
【0157】
【表14】

【0158】
(参考文献)






【0159】
本明細書に引用したすべての参照文献は、すべてにおいてその全体を参照により本明細書に組み込む。
【0160】
本発明は、その好ましい実施形態に関して述べたが、当業者に理解されるようにより広範に適用可能である。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってしか制限されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式Iを有する化合物または医薬として許容されるその塩
【化1】

[式中、B、D、EおよびGは、それぞれ独立に、NまたはC-R'であり、ただし、それらの少なくとも1個はNであり;
R'は、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群から選択され;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群から選択され;
R1およびR2は、
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択されるもの;
(b)R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;
(c)R1またはR2が、それが結合する炭素原子、この炭素に隣接する窒素、この窒素とEまたはDとの間の炭素、およびEまたはDがC-R'であるときEまたはDのR'と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;および
(d)R1またはR2が、それが結合する炭素原子およびAr2の少なくともいくつかの炭素と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるものからなる群から選択され、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、(非)置換アリールまたはヘテロアリールである]。
【請求項2】
R1が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R2が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Ar1が一置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Ar2が一置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記一置換フェニルがエトキシ-フェニルである、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
式Iの化合物が[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(5-メチル-ピリジン-2-イルメチル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンズアミド; 2-ジメチルアミノ-N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド塩酸塩; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-スクシンアミド酸; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-メタンスルホンアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンゼンスルホンアミド;および[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式Iの化合物が、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式Iの化合物が、[1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
式Iの化合物が、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
医薬として許容される担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
以下の式Iの化合物または医薬として許容されるその塩を、それを必要とする哺乳動物に治療有効量で投与することを含む、ウイルス感染症またはその関連疾患を治療または予防するための方法
【化2】

[式中、B、D、EおよびGは、それぞれ独立にNまたはC-R'であり、ただし、それらの少なくとも1個はNであり;
R'は、水素、置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アシルオキシ、アリールアシルオキシ、ヘテロアリールアシルオキシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アシルアミノ、アリールアシルアミノ、ヘテロアリールアシルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイル、置換カルバモイル、ハロゲン、シアノ、イソシアノおよびニトロからなる群から選択され;
Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群から選択され;
R1およびR2は、
(a)水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールアルキル、アリール、ヘテロアリール、アシル、アリールアシル、ヘテロアリールアシル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヒドロキシスルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アミノスルホニル、置換アミノスルホニル、アルコキシカルボニル、シクロアルキルオキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルバモイルおよび置換カルバモイルからなる群からそれぞれ独立に選択されるもの;
(b)R1およびR2が、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;
(c)R1またはR2が、それが結合する炭素原子、この炭素に隣接する窒素、この窒素とEまたはDとの間の炭素、およびEまたはDがC-R'であるときEまたはDのR'と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるもの;および
(d)R1またはR2が、それが結合する炭素原子およびAr2の少なくともいくつかの炭素と一緒になって置換または非置換の環を形成し、場合によっては、環中に1個または複数のヘテロ原子が含まれるものからなる群から選択され;
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、(非)置換アリールまたはヘテロアリールである]。
【請求項13】
R1が水素である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
R2が水素である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
Ar1が一置換フェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
Ar2が一置換フェニルである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記一置換フェニルがエトキシ-フェニルである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
式Iの化合物が[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(6-エトキシ-ピリジン-3-イル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(5-メチル-ピリジン-2-イルメチル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; [1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミン; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4, 5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンズアミド; 2-ジメチルアミノ-N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-アセトアミド塩酸塩; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-スクシンアミド酸; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-メタンスルホンアミド; N-[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-N-(4-エチル-ベンジル)-ベンゼンスルホンアミド;および[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
式Iの化合物が、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
式Iの化合物が、[1-(4-エトキシ-フェニル)-1H-ベンゾトリアゾール-5-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
式Iの化合物が、[3-(4-エトキシ-フェニル)-3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-6-イル]-(4-エチル-ベンジル)-アミンである、請求項12に記載の方法。
【請求項22】
哺乳動物がヒトである、請求項12に記載の方法。
【請求項23】
ウイルス感染症がアレナウイルス感染症である、請求項12に記載の方法。
【請求項24】
アレナウイルスが、ラッサ、フニン、マチュポ、グアナリト、サビア、ホワイトウォーターアロヨ、チャパレ、LCMV、LCMV様ウイルスからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記LCMV様ウイルスが、ダンデノング、タカリベおよびピチンデからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ウイルス感染症が、ラッサ熱、アルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱およびベネズエラ出血熱からなる群から選択される状態に関連する、請求項12に記載の方法。
【請求項27】
前記ウイルス感染症がラッサ熱に関連する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
抗ウイルス薬、ワクチンおよびインターフェロンからなる群から選択される少なくとも1種の薬剤の同時投与をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項29】
前記抗ウイルス薬がリバビリンである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記抗ウイルス薬がシドフォビルである、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記インターフェロンがペグ化されている、請求項28に記載の方法。

【公表番号】特表2010−538000(P2010−538000A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−523092(P2010−523092)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/074328
【国際公開番号】WO2009/029622
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(509322904)シガ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】