説明

アロマターゼ阻害剤とビスホスホネートの組み合わせ

【課題】本発明は、アロマターゼ阻害での処置が原因である骨損失の予防において同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、アロマターゼ阻害剤とビスホスホネートを含む、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ乳癌または類似の軟組織ホルモン感受性癌のような悪性疾患、もっとも好ましくは乳癌の処置のための組み合わせを提供する。
【解決手段】アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防において、同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、(a)アロマターゼ阻害剤および(b)ビスホスホネートを含む組み合わせ(活性成分(a)および(b)はいずれの場合も遊離形または薬学的に許容される塩の形で存在する)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ乳癌または類似の軟組織ホルモン感受性癌のような悪性疾患、もっとも好ましくは乳癌の処置のための、アロマターゼ阻害での処置が原因である骨損失の予防において、同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、アロマターゼ阻害剤およびビスホスホネートを含む組み合わせを提供する。また提供されるのは、患者に有効量のビスホスホネートと有効量のアロマターゼ阻害剤を投与することを含む、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態に罹患している患者の処置法である。
【背景技術】
【0002】
ビスホスホネートは、種々の良性および悪性疾患の両方において、過剰のまたは不適切な骨再吸収を含む破骨活性を阻害するために広範囲に使用されている。これらのピロリン酸アナログは、骨格関連事象の発症を減少させるだけでなく、患者に臨床的利点や生存率の改善も提供する。ビスホスホネートは、インビボで骨再吸収を予防できる;ビスホスホネートの治療的有効性は、骨粗鬆症、骨減少症、骨のページェット病、腫瘍誘導高カルシウム血症(TIH)および、より最近、骨転移(BM)および多発性骨髄腫(MM)の処置で証明されている(レビューのために、Fleisch H 1997 Bisphosphonates clinical. In Bisphosphonates in Bone Disease, From the Laboratory to the Patient. Eds:The Parthenon Publishing Group, New York/London pp 68 163参照)。ビスホスホネートが骨再吸収を阻害する機構はまだ完全には理解されておらず、ビスホスホネートの研究により違うように見える。ビスホスホネートは、骨のヒドロキシアパタイト結晶に強く結合し、骨ターンオーバーおよび再吸収を減少させ、血中のヒドロキシプロリンまたはアルカリホスファターゼのレベルを減少させ、加えて、破骨細胞の形成、集合、活性化および活性を阻害することが示されている。
【0003】
アロマターゼ阻害剤は、既知の有効な薬理学的特性を有する。それらは哺乳動物のエストロゲン生合成の阻害に、および、女性の乳房の腫瘍(乳癌)、子宮内膜症、早産および子宮内膜の腫瘍ならびに男性の女性化乳房のようなエストロゲンに応答するエストロゲン依存性疾患の処置または予防に有用である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Fleisch H 1997 Bisphosphonates clinical. In Bisphosphonates in Bone Disease, From the Laboratory to the Patient. Eds:The Parthenon Publishing Group, New York/London pp 68 163
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
驚くべきことに、アロマターゼ阻害剤であるレトロゾールで処置したラットへの、ビスホスホネートであるゾレドロン酸の投与が、ラットにおける骨損失に対する長期の保護を提供することが判明した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防において、同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、(a)アロマターゼ阻害剤および(b)ビスホスホネートを含む、組み合わせ製剤または医薬組成物のような組み合わせを提供する(活性成分(a)および(b)はいずれの場合も遊離形または薬学的に許容される塩の形で存在する)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
“組み合わせ製剤”なる用語は、上記の(a)と(b)が別々に投与でき、または、組み合わせパートナー(a)と(b)の別々の量の異なる固定された組み合わせの使用により、すなわち、同時に、一緒に、別々にまたは連続して投与できる点で、とりわけ“複数の部分のキット”と定義する。複数の部分のキットは、次いで、例えば、同時に、または時間的に交互に、すなわち任意の複数の部分のキットに関して異なる時点に、同じまたは異なる間隔で投与できる。組み合わせパートナー(a)の組み合わせパートナー(b)に対する比率は、例えば、処置する患者の亜集団の必要性に沿うために、または、患者の特定の疾患、疾患の感受性、年齢、性別、体重などために起こり得る異なる必要性を有する一人の患者の必要性に沿うために、変えることができる。
【0008】
さらに、本発明は、特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患の処置のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるアロマターゼ阻害剤の使用を提供する。
【0009】
本発明の内容において、用語“化学療法剤”は細胞毒性剤のような抗増殖性剤を意味するが、アロマターゼ阻害剤、タモキシフェンまたは黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)アゴニストのようなホルモン療法剤は包含しない。
【0010】
本発明はまた、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための医薬の製造における、ビスホスホネートと組み合わせて使用するためのアロマターゼ阻害剤の使用を提供する。
【0011】
あるいは、本発明は、特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患の処置のための医薬の製造における、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するためのビスホスホネートの使用を提供する。
【0012】
本発明はまたアロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための医薬の製造における、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するためのビスホスホネートの使用を提供する。
【0013】
さらなる態様において、本発明は、特に、患者がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、患者に有効量のビスホスホネートと有効量のアロマターゼ阻害剤を投与することを含む、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患に罹患している患者の処置法を提供する。
【0014】
さらなる態様において、本発明は:
(i)特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患の処置のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための指示書と共にビスホスホネートを含むパッケージ、または
(ii)特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患の処置のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための指示書と共にアロマターゼ阻害剤を含むパッケージ
を提供する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は:
(i)アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための指示書と共にビスホスホネートを含むパッケージ、または
(ii)アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための指示書と共にアロマターゼ阻害剤を含むパッケージ
を提供する。
【0016】
本発明で処置し得る疾患および状態は、アロマターゼ阻害剤を使用して処置し得る任意の疾患または状態、すなわち“アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態”、とりわけ、例えば閉経前または閉経後の女性の、閉経前乳癌においてはゴセレリンのようなLH−RHアゴニストがアロマターゼ阻害剤に加えて通常投与される、例えば、ホルモンレセプター陽性またはホルモンレセプター不明(進行したまたは転移した)乳癌のような特にホルモン依存性乳癌などの悪性疾患を含む、前記および後記のものを含み得る。
【0017】
特に本発明は、アロマターゼ阻害剤での処置がエストロゲン欠乏を誘導し得、異常に増加した骨ターンオーバーまたは骨損失を導く、疾患および状態の処置に使用し得る。本発明の非常に好ましい実施態様において、アロマターゼ阻害剤とビスホスホネートの組み合わせは、とりわけ閉経後の女性の、乳癌のアジュバント療法に;例えば、閉経後の女性のエストロゲンレセプター陽性(ER+)および/またはプロゲステロンレセプター陽性(PR+)乳癌の処置に使用する。アロマターゼ阻害剤と組み合わせたビスホスホネートの使用は、骨保護効果を有利に発揮し、簡便には、ビスホスホネートと併用しない場合に可能であるよりも、高用量のアロマターゼ阻害剤での処置を、またはより長期間のアロマターゼ阻害剤での処置を可能にし得る。
【0018】
したがって、さらなる実施態様において、本発明は以下のものを含む:
−アロマターゼ阻害剤での処置中の骨損失を阻害するためのビスホスホネートの使用;
−アロマターゼ阻害剤での処置中の骨損失を阻害するための医薬の製造におけるビスホスホネートの使用;
−患者に有効量のビスホスホネートを投与することを含む、エストロゲン依存性疾患に罹患し、かつアロマターゼ阻害剤を投与されている患者における骨損失の予防法;
−有効量のアロマターゼ阻害剤を、アロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の阻害に有効な量のビスホスホネートと共に投与することを含む、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態、特に増殖性疾患、とりわけ悪性疾患の処置法。
【0019】
特に好ましい実施態様において、本発明は、閉経後の女性に有効量のビスホスホネートを投与することを含む、ER+および/またはPR+乳癌に罹患し、かつアロマターゼ阻害剤をアジュバント療法として投与されている閉経後の女性の癌処置関連骨損失の予防法を提供する。
【0020】
したがって、本明細書の記載において、“処置”または“処置する”なる用語は両方とも防止的または予防的処置ならびに治療的または疾患改善的な処置の両方を意味し、疾患に罹る危険性のあるまたは疾患に罹っている疑いのある患者ならびに病気であるか疾患または病気状態に罹患していると診断された患者の処置を含む。
【0021】
本発明で使用するためのビスホスホネートは好ましくはN−ビスホスホネートである。
【0022】
本発明の説明のために、N−ビスホスホネートは、特徴的なジェミナル・ビスホスフェート(P−C−P)部分に加えて、窒素含有側鎖を含む化合物、例えば式I
【化1】

〔式中、
Xは水素、ヒドロキシル、アミノ、アルカノイル、またはC−Cアルキルもしくはアルカノイルで置換されたアミノ基であり;
Rは水素またはC−Cアルキルであり、そして
Rxは、所望により置換されているアミノ基、または窒素含有ヘテロ環(芳香族性窒素−含有ヘテロ環を含む)を含む側鎖である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩またはその任意の水和物である。
【0023】
したがって、例えば、本発明での使用に適当なN−ビスホスホネートは以下の化合物またはその薬学的に許容される塩、またはその任意の水和物を含み得る:3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸(パミドロン酸)、例えばパミドロネート(APD);3−(N,N−ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばジメチル−APD;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ジホスホン酸(アレンドロン酸)、例えばアレンドロネート;1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸、イバンドロン酸、例えばイバンドロネート;6−アミノ−1−ヒドロキシヘキサン−1,1−ジホスホン酸;3−(N−メチル−N−n−ペンチルアミノ)−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばメチル−ペンチル−APD(=BM 21.0955);1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えばゾレドロン酸;1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)エタン−1,1−ジホスホン酸(リセドロン酸)、例えばリセドロネート、そのN−メチルピリジニウム塩を含む、例えばNE−10244またはNE−10446のようなN−メチルピリジニウムヨウ化物;3−[N−(2−フェニルチオエチル)−N−メチルアミノ]−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸;1−ヒドロキシ−3−(ピロリジン−1−イル)プロパン−1,1−ジホスホン酸、例えばEB1053(Leo);1−(N−フェニルアミノチオカルボニル)メタン−1,1−ジホスホン酸、例えばFR78844(藤沢);5−ベンゾイル−3,4−ジヒドロ−2H−ピラゾール−3,3−ジホスホン酸テトラエチルエステル、例えばU−81581(Upjohn);および1−ヒドロキシ−2−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸、例えばYM529。
【0024】
一つの実施態様において、本発明での使用に特に好ましいN−ビスホスホネートは、式II
【化2】

〔式中、
Hetは、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、チアジアゾール、ピリジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾールまたはベンゾイミダゾールラジカルであり、これらは所望によりアルキル、アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ基(所望によりアルキルラジカル、アルカノイルラジカルで置換されている)またはベンジルラジカル(所望によりアルキル、ニトロ、アミノまたはアミノアルキルで置換されている)で置換されており;
Aは、1個から8個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和炭化水素部分であり;
X'は、所望によりアルカノイルで置換されている水素原子、または所望によりアルキルラジカルもしくはアルカノイルラジカルで置換されているアミノ基、そして
Rは水素原子またはアルキルラジカルである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0025】
さらなる実施態様において、本発明での使用に特に好ましいビスホスホネートは、式III
【化3】

〔式中、
Het'は、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサゾリニル、チアゾリル、チアゾリニル、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルからなる群から選択される置換または非置換ヘテロ芳香族性5員環であり、該環は部分的に水素化され、該置換基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、ハロゲンおよびアミノからなる群の少なくとも一つから選択され、Hetの二つの隣接アルキル置換基は、一緒に第2の環を形成でき;
Yは水素またはC−Cアルキルであり;
X”は水素、ヒドロキシル、アミノ、またはC−Cアルキルで置換されているアミノ基であり、そして
Rは水素またはC−Cアルキルである。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩および異性体を含む。
【0026】
さらに別の実施態様において、本発明での使用に特に好ましいビスホスホネートは、式IV
【化4】

〔式中、
Het”'は、非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、フェニル(これは、低級アルキル、低級アルコキシおよび/またはハロゲンでモノ−またはジ置換され得る)、ヒドロキシ、ジ−低級アルキルアミノ、低級アルキルチオおよび/またはハロゲンでC−モノ−またはジ−置換され、置換可能なN原子を低級アルキルまたはフェニル−低級アルキル(これは、フェニル部分を低級アルキル、低級アルコキシおよび/またはハロゲンでモノ−またはジ−置換され得る)でN−置換されているイミダゾリル、2H−1,2,3−、1H−1,2,4−または4H−1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリルまたはチアジアゾリルラジカルであり;
R2は水素、ヒドロキシ、アミノ、低級アルキルチオまたはハロゲンであり、
低級ラジカルは7個までの(7個を含む)C−原子を含む。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0027】
本発明で使用する特に好ましいN−ビスホスホネートの例は:
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−メチルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
1−アミノ−2−(1−ベンジルイミダゾール−4−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−メチルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(1−ベンジルイミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(チアゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(イミダゾール−2−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(2−フェニルイミダゾール−4(5)−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸;
2−(4,5−ジメチルイミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;および
2−(2−メチルイミダゾール−4(5)−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸;
およびその薬学的に許容される塩である。
【0028】
本明細書で使用するもっとも好ましいN−ビスホスホネートは、2−(イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ゾレドロン酸)またはその薬学的に許容される塩である。
【0029】
上記のすべてのN−ビスホスホン酸誘導体は文献から既知である。これはその製造法を含む(例えばEP−A−513760、pp.13−48参照)。例えば、3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸は、例えばUS特許3,962,432に記載のように、ならびに二ナトリウム塩はUS特許4,639,338および4,711,880に記載のように製造し、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸は、例えばUS特許4,939,130に記載のように製造する。またUS特許4,777,163および4,687,767も参照。
【0030】
N−ビスホスホネートは、適当な場合、異性体の形または異性体の混合物で使用し得、典型的にはエナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、特にcis−trans異性体として使用し得る。光学異性体は純粋アンチポードおよび/またはラセミ体の形で得られる。
【0031】
N−ビスホスホネートはまた水和物の形で使用でき、または結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。
【0032】
本発明での使用に適当なアロマターゼ阻害剤は、以下の化合物またはその誘導体またはその薬学的に許容される塩、その任意の水和物または溶媒和物を含み得る:ステロイド、とりわけエキセメスタンおよびホルメスタン(formestane)、および特に非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ボロゾール(vorozole)、ファドロゾール、アナストロゾールおよび非常に特に、レトロゾール。さらに本発明での使用に適当なアロマターゼ阻害剤はログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド(pyridoglutethimide)、トリロスタン、テストラクトン、アタメスタン(atamestane)、1−メチル−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン、ケトコナゾール(Cancer-Treat-Res.:94, 231-254, 1998およびWO99/30708参照)およびYM511(K.M. Susaki et al. J. Steroid. Biochem. Molec. Biol. 58, 189-194, 1996)またはその誘導体、その薬学的に許容される塩、その任意の水和物または溶媒和物である。好ましくは、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタン、ホルメスタン、アミノグルテチミド、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールから選択される。エキセメスタンは、例えば、アロマシン(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。ホルメスタンは、例えば、LENTARON(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。ファドロゾールは、例えば、アフェマ(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。アナストロゾールは、例えば、アリミデックス(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。レトロゾールは、例えば、FEMARA(登録商標)またはFEMAR(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。アミノグルテチミドは、例えば、ORIMETEN(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。
【0033】
さらに、本明細書に名称を記載した活性剤の構造は、標準概論“The Merck Index”からまたはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から取ることができる。それらの対応する内容は、引用して本明細書に包含させる。任意の当業者は、これらの言及を基にして、製造でき、インビトロおよびインビボの両方で、標準試験モデル/方法において薬学的適応症および特性を試験することが可能である。
【0034】
化合物のアロマターゼ阻害活性をインビトロおよびインビボで測定するための標準試験法は当分野で既知である[例えば:J. Biol. Chem. 249, 5364(1974);J. Enzyme Inhib. 4, 169(1990)およびJ. Enzyme Inhib. 4, 179(1990)参照]。
【0035】
下記の(a)から(z)かつ(aa)から(ae)として列記した化合物および化合物のグループは、さらなるアロマターゼ阻害剤を表す。各個々のグループは、本発明にしたがって使用できるアロマターゼ阻害剤のグループを形成する。
【0036】
(a)EP−A−165904で定義の式IおよびI*の化合物。これらはとりわけ式I
【化5】

〔式中、
は水素、低級アルキル;ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイル、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ハロゲン、スルホ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイルまたはシアノで置換されている低級アルキル;ニトロ、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、フェニルスルホニルオキシ、低級アルキルスルホニルオキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、低級アルカノイルチオ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、低級アルキレンアミノ、N−モルホリノ、N−チオモルホリノ、N−ピペラジノ(非置換または、トリ−低級アルキルアンモニオ、スルホ、低級アルコキシスルホニル、スルファモイル、低級アルキルスルファモイル、ジ−低級アルキルスルファモイル、ホルミルで4位を低級アルキル−置換されている);非置換または窒素原子をヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルキル、フェニルまたはアミノで置換されているイミノメチル;C−Cアルカノイル、ベンゾイル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、低級アルキルカルバモイル、ジ−低級アルキルカルバモイル、シアノ、5−テトラゾリル、非置換または低級アルキル−置換4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリルまたはヒドロキシカルバモイルであり;そして
は水素、低級アルキル、フェニル−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、フェニルチオ、低級アルカノイルチオ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルまたは低級アルカノイルである。〕
の化合物;その7,8−ジヒドロ誘導体、および式I*
【化6】

〔式中、
nは0、1、2、3または4であり;そして
およびRは上記Iで定義の通りであり;フェニルスルホニルオキシ、フェニルイミノメチル、ベンゾイル、フェニル−低級アルキル、フェニル−低級アルキルチオおよびフェニルチオのラジカルのフェニル環は、非置換または低級アルキル、低級アルコキシまたはハロゲンで置換されていることが可能であり;
式I*の化合物では、二つの置換基C−RおよびRが飽和環の飽和炭素原子のいずれかに、両方とも同じ炭素原子または両方が異なる炭素原子に連結することが可能である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0037】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)5−(p−シアノフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(2)5−(p−エトキシカルボニルフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(3)5−(p−カルボキシフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(4)5−(p−tert−ブチルアミノカルボニルフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(5)5−(p−エトキシカルボニルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(6)5−(p−カルボキシフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(7)5−(p−カルバモイルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(8)5−(p−トリル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(9)5−(p−ヒドロキシメチルフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(10)5−(p−シアノフェニル)−7,8−ジヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(11)5−(p−ブロモフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(12)5−(p−ヒドロキシメチルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(13)5−(p−ホルミルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(14)5−(p−シアノフェニル)−5−メチルチオ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(15)5−(p−シアノフェニル)−5−エトキシカルボニル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(16)5−(p−アミノフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(17)5−(p−ホルミルフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(18)5−(p−カルバモイルフェニル)イミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(19)5H−5−(4−tert−ブチルアミノカルボニルフェニル)−6,7−ジヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール、
(20)5H−5−(4−シアノフェニル)−6,7−ジヒドロピロロ[1,2−c]イミダゾール、
(21)5H−5−(4−シアノフェニル)−6,7,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]アゼピン、
(22)5−(4−シアノフェニル)−6−エトキシカルボニルメチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(23)5−(4−シアノフェニル)−6−カルボキシメチル−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(24)5−ベンジル−5−(4−シアノフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(25)7−(p−シアノフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(26)7−(p−カルバモイルフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(27)5−(p−シアノフェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン(=ファドロゾール)。
【0038】
(b)EP−A236940に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化7】

〔式中、
RおよびRは互いに独立して各々水素または低級アルキルであるか、または隣接する炭素原子上のRとRは、それらが結合しているベンゼン環と共に、ナフタレンまたはテトラヒドロナフタレン環を形成し;
は水素、低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキルまたは低級アルケニルであり;
は水素、低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、(低級アルキル、アリールまたはアリール−低級アルキル)−チオまたは低級アルケニルであるか、またはRおよびRは共に低級アルキリデンまたはC−Cアルキレンであり;
Wは1−イミダゾリル、1−(1,2,4または1,3,4)−トリアゾリル、3−ピリジルまたは低級アルキルで置換されている記載のヘテロ環式ラジカルの一つであり;かつ
上記の定義中のアリールは以下の意味を有する:非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級アルキルスルホニル、スルファモイル、N−低級アルキルスルファモイルおよびN,N−ジ−低級アルキルスルファモイルからなる基から選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニル;またチエニル、インドリル、ピリジルまたはフリルであるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、シアノもしくはハロゲンで単置換されている4つの最後に述べたヘテロ環式ラジカルの一つである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0039】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−[α−(4−シアノフェニル)−1−イミダゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(2)4−[α−(3−ピリジル)−1−イミダゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(3)4−[α−(4−シアノベンジル)−1−イミダゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(4)1−(4−シアノフェニル)−1−(1−イミダゾリル)−エチレン、
(5)4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル(=レトロゾール)、
(6)4−[α−(4−シアノフェニル)−3−ピリジルメチル]−ベンゾニトリル。
【0040】
(c)EP−A−408509に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化8】

〔式中、
Tetrは、非置換または5位を低級アルキル、フェニル−低級アルキルまたは低級アルカノイルで置換されている1−または2−テトラゾリルであり;
およびRは互いに独立して各々水素;非置換またはヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、(アミノ、低級アルキルアミノまたはジ−低級アルキルアミノ)−カルボニルまたはシアノで置換されている低級アルキル;低級アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アリール−低級アルキル、C−C−シクロアルキル、C−Cシクロアルキル−低級アルキル、低級アルキルチオ、アリールチオまたはアリール−低級アルキルチオであるか;またはRおよびRは共に、非置換または低級アルキルで置換されている直鎖C−Cアルキレンであるか、または基−(CH)−1,2−フェニレン−(CH)−(式中、mおよびnは互いに独立して各々1または2であり、1,2−フェニレンは非置換または下記アリールの定義中のフェニルと同様に置換されている)、非置換またはアリールでモノ−またはジ−置換されている低級アルキリデンであり;そして
RおよびRは互いに独立して各々水素または低級アルキルであるか;またはRおよびRは、ベンゼン環の隣接炭素原子に位置し、非置換または下記アリールの定義中のフェニルと同様に置換されているベンゾであり;上記定義中のアリールは、非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、(アミノ、低級アルキルアミノまたはジ−低級アルキルアミノ)−カルボニル、シアノ、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級アルキルスルホニルおよび(アミノ、低級アルキルアミノまたはジ−低級アルキルアミノ)−スルホニルからなる群から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されているフェニルであり;上記定義中のヘテロアリールは、非置換または上記アリールの定義に中のフェニルと同様に置換されている、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリルおよびイソキノリルからなる群の芳香族性ヘテロ環式ラジカルである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0041】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−(2−テトラゾリル)メチル−ベンゾニトリル、
(2)4−[α−(4−シアノフェニル)−(2−テトラゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(3)1−シアノ−4−(1−テトラゾリル)メチル−ナフタレン、
(4)4−[α−(4−シアノフェニル)−(1−テトラゾリル)メチル]−ベンゾニトリル。
【0042】
(d)欧州特許出願第91810110.6号に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化9】

〔式中、
Xはハロゲン、シアノ、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N−シクロアルキル−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、N−アリールカルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシまたはアリールオキシであり、ここで、アリールは各々であるか非置換または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲンおよび/またはトリフルオロメチルで置換されているフェニルまたはナフチルであり;Yは基−CH−A(式中、Aは1−イミダゾリル、1−(1,2,4−トリアゾリル)、1−(1,3,4−トリアゾリル)、1−(1,2,3−トリアゾリル)、1−(1,2,5−トリアゾリル)、1−テトラゾリルまたは2−テトラゾリルである)であるか、またはYは水素であり、RおよびRは互いに独立して各々水素、低級アルキルであるかまたはYに関して定義の基−CH−Aであるか、またはRおよびRは共に−(CH)−(式中、nは3、4または5である)であるが、
ただし、ラジカルY、RおよびRの一つは−CH−Aであり、さらに、RまたはRとしての基−CH−Aにおいて、Xが臭素、シアノまたはカルバモイルである場合、Aは1−イミダゾリル以外であり、さらに、Yとしての基−CH−Aにおいて、Xがハロゲンまたは低級アルコキシ、Rが水素およびRが水素または低級アルキルである場合、Aは1−イミダゾリル以外である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0043】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)7−シアノ−4−[1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−2,3−ジメチルベンゾフラン、
(2)7−シアノ−4−(1−イミダゾリルメチル)−2,3−ジメチルベンゾフラン、
(3)7−カルバモイル−4−(1−イミダゾリルメチル)−2,3−ジメチルベンゾフラン、
(4)7−N−(シクロヘキシルメチル)カルバモイル−4−(1−イミダゾリルメチル)−2,3−ジメチルベンゾフラン。
【0044】
(e)スイス特許出願1339/90−7に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化10】

〔式中、
点線はさらなる結合か、さらなる結合がないことを意味し、
Azは、環窒素原子を介して結合しているイミダゾリル、トリアゾリルまたはテトラゾリルであり、これらのラジカルは各々非置換また炭素原子を低級アルキルまたはアリール−低級アルキルで置換されており、
Zはカルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、N−アリールカルバモイル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、アリールオキシ、低級アルキル、トリフルオロメチルまたはアリール−低級アルキルであり、そして
およびRは互いに独立して各々水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルであり;アリールはフェニルまたはナフチルであり、各々非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルからなる基から選択される1個または2個の置換基で置換されている;ただし、
ZもRも8位でヒドロキシではない。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0045】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)6−シアノ−1−(1−イミダゾリル)−3,4−ジヒドロナフタレン、
(2)6−シアノ−1−[1−(1,2,4−トリアゾリル)]−3,4−ジヒドロナフタレン、
(3)6−クロロ−1−(1−イミダゾリル)−3,4−ジヒドロナフタレン、
(4)6−ブロモ−1−(1−イミダゾリル)−3,4−ジヒドロナフタレン。
【0046】
(f)スイス特許出願3014/90−0に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化11】

〔式中、
Zは、5−イソチアゾリル、5−チアゾリル、5−イソオキサゾリル、5−オキサゾリル、5−(1,2,3−チアジアゾリル)、5−(1,2,3−オキサジアゾリル)、3−(1,2,5−チアジアゾリル)、3−(1,2,5−オキサジアゾリル)、4−イソチアゾリル、4−イソオキサゾリル、4−(1,2,3−チアジアゾリル)、4−(1,2,3−オキサジアゾリル)、2−(1,3,4−チアジアゾリル)、2−(1,3,4−オキサジアゾリル)、5−(1,2,4−チアジアゾリル)および5−(1,2,4−オキサジアゾリル)からなる群から選択される、5員窒素−含有ヘテロ芳香環であり;
RおよびRは水素であるか;またはRおよびRは共に非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで弛緩されているベンゾ基であり;
は水素、ヒドロキシ、塩素またはフッ素であり;
は水素であり;
は水素、低級アルキルまたはフェニル(非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルまたはシアノで置換されている)であるか;またはRおよびRは共にメチリデンであるか;またはRおよびRは共に−(CH)−であるか;またはRおよびRおよびRは共に基=CH−(CH)−(式中、1重結合はベンゼン環に結合している)であり;
Xはシアノであり;そして
およびRが共に−(CH)−であるかまたはR、R、Rが共に基=CH−(CH)−である場合、Xはまたハロゲンであり得る。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0047】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−ヒドロキシ−5−イソチアゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(2)4−[α−(4−シアノフェニル)−5−イソチアゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(3)4−[α−(4−シアノフェニル)−5−チアゾリルメチル]−ベンゾニトリル、
(4)1−(4−シアノフェニル)−1−(5−チアゾリル)−エチレン、
(5)6−シアノ−1−(5−イソチアゾリル)−3,4−ジヒドロナフタレン、
(6)6−シアノ−1−(5−チアゾリル)−3,4−ジヒドロナフタレン。
【0048】
(g)スイス特許出願3014/90−0で定義されている式VIの化合物。これらはとりわけ式VI
【化12】

〔式中、
Zは、5−イソチアゾリル、5−チアゾリル、5−イソオキサゾリル、5−オキサゾリル、5−(1,2,3−チアジアゾリル)、5−(1,2,3−オキサジアゾリル)、3−(1,2,5−チアジアゾリル)、3−(1,2,5−オキサジアゾリル)、4−イソチアゾリル、4−イソオキサゾリル、4−(1,2,3−チアジアゾリル)、4−(1,2,3−オキサジアゾリル)、2−(1,3,4−チアジアゾリル)、2−(1,3,4−オキサジアゾリル)、5−(1,2,4−チアジアゾリル)および5−(1,2,4−オキサジアゾリル)からなる群から選択される5員窒素−含有ヘテロ芳香環であり;
RおよびRは各々水素であるか;またはRおよびRは共に非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されているベンゾ基であり;
は水素、ヒドロキシ、塩素またはフッ素であり;
は水素であり;
は水素、低級アルキルまたはフェニル(非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、アリール−低級アルコキシまたはアリールオキシで置換されている)であるか;または
およびRは共にメチリデンであり、そして
はハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシまたはアリールオキシであり;いずれの場合もアリールは、非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されているフェニルである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0049】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)ビス(4,4'−ブロモフェニル)−(5−イソチアゾリル)メタノール、
(2)ビス(4,4'−ブロモフェニル)−(5−イソチアゾリル)メタン、
(3)ビス(4,4'−ブロモフェニル)−(5−チアゾリル)メタノール、
(4)ビス(4,4'−ブロモフェニル)−(5−チアゾリル)メタン。
【0050】
(h)スイス特許出願3923/90−4に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化13】

〔式中、
Zはイミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、キノリニルまたはイソキノリニルであり、すべてのこれらのラジカルはそのヘテロ環式環を介して結合し、すべてのこれらのラジカルは非置換または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルで置換されており;
およびRは互いに独立して各々水素または低級アルキルであるか;またはRおよびRは共にC−Cアルキレンであるか、または非置換またはアリールに関して下記のように置換されているベンゾ基であり;
Rは水素、低級アルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、そして
Xはシアノ、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、N,N−低級アルキレンカルバモイル;−O−、−S−または−NR”−(式中、R”は水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルである)で中断されているN,N−低級アルキレンカルバモイル;N−シクロアルキルカルバモイル、N−(低級アルキル−置換シクロアルキル)−カルバモイル、N−シクロアルキル−低級アルキルカルバモイル、N−(低級アルキル−置換シクロアルキル)−低級アルキルカルバモイル、N−アリール−低級アルキルカルバモイル、N−アリールカルバモイル、N−ヒドロキシカルバモイル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシまたはアリールオキシであり;そして
Zがイミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピロリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリルまたはベンゾトリアゾリルである場合、Xはまたハロゲンであり;
【0051】
ここで、アリールはフェニルまたはナフチルであり、これらのラジカルは非置換または低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルキレン(二つの隣接炭素原子に結合)、C−Cシクロアルキル、フェニル−低級アルキル、フェニル;ヒドロキシ、低級アルコキシ、フェニル−低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、メルカプト、低級アルキルチオ、低級アルキルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイルおよび/またはシアノでさらに置換されている低級アルキル;ヒドロキシ;低級アルコキシ、ハロ−低級アルコキシ、フェニル−低級アルコキシ、フェノキシ、低級アルケニルオキシ、ハロ−低級アルケニルオキシ、低級アルキニルオキシ、低級アルキレンジオキシ(二つの隣接炭素原子に結合)、低級アルカノイルオキシ、フェニル−低級アルカノイルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、フェニルチオ、低級アルキルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、低級アルキルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、ハロゲン、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、フェニル−低級アルキルアミノ、フェニルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルキル−N−フェニルアミノ、N−低級アルキル−N−フェニル−低級アルキルアミノ;−O−、−S−または−NR”−(式中、R”は水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルである)で中断されている低級アルキレンアミノまたは低級アルキレンアミノ;低級アルカノイルアミノ、フェニル−低級アルカノイルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、低級アルカノイル、フェニル−低級アルカノイル、フェニルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、N,N−低級アルキレンカルバモイル;−O−、−S−または−NR”−(式中、R”は水素、低級アルキルまたは低級アルカノイルである)で中断されているN,N−低級アルキレンカルバモイル;N−シクロアルキルカルバモイル、N−(低級アルキル−置換シクロアルキル)−カルバモイル、N−シクロアルキル−低級アルキルカルバモイル、N−(低級アルキル−置換シクロアルキル)−低級アルキルカルバモイル、N−ヒドロキシカルバモイル、N−フェニル−低級アルキルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、シアノ、スルホ、低級アルコキシスルホニル、スルファモイル、N−低級アルキルスルファモイル、N,N−ジ−低級アルキルスルファモイルおよびN−フェニルスルファモイルからなる群の1個から4個の置換基で置換されており;フェニルおよびナフチルの置換基に存在するフェニル基はさらに非置換または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンおよび/またはトリフルオロメチルで置換されており;
ここで、ヘテロアリールはインドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾオキサゾリルまたはベンゾチアゾリルであり、これらのラジカルは非置換または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ハロゲン、シアノおよびトリフルオロメチルから選択される同一または異なる1個から3個の置換基で置換されている。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0052】
これらの化合物は、とりわけZが1−イミダゾリル、1−(1,2,4−トリアゾリル)、1−(1,3,4−トリアゾリル)、1−(1,2,3−トリアゾリル)、1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、3−ピリジル、4−ピリジル、4−ピリミジル、5−ピリミジニルまたは2−ピラジニルであり;RおよびRが互いに独立して各々水素または低級アルキルであるか;またはRおよびRが共に1,4−ブチレンまたはベンゾ基であり;Rが低級アルキル;非置換またはシアノ、カルバモイル、ハロゲン、低級アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、低級アルコキシまたはフェノキシで置換されているフェニル;またはベンゾトリアゾリルまたはベンゾ[b]フラニルであり、最後の二つのラジカルは非置換または低級アルキル、ハロゲンおよびシアノから選択される同一または異なる1個から3個の置換基で置換されており;そしてXはシアノまたはカルバモイルであり;そしてまたZが1−イミダゾリル、1−(1,2,4−トリアゾリル)、1−(1,3,4−トリアゾリル)、1−(1,2,3−トリアゾリル)、1−テトラゾリルまたは2−テトラゾリルである場合、Xがハロゲンである、
式Iの化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0053】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(2)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(2−テトラゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(3)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(1−テトラゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(4)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(1−イミダゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(5)1−メチル−6−[α−(4−クロロフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾトリアゾール、
(6)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,3−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(7)7−シアノ−4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−2,3−ジメチルベンゾ[b]フラン、
(8)4−[α−(4−ブロモフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(9)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(10)4−[α−(4−ブロモフェニル)−α−フルオロ−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(11)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(3−ピリジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(12)7−ブロモ−4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(1−イミダゾリル)メチル]−2,3−ジメチルベンゾ[b]フラン、
(13)7−ブロモ−4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−2,3−ジメチルベンゾ[b]フラン、
(14)4−[α−(4−シアノフェニル)−α−フルオロ−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(15)4−[α−(4−ブロモフェニル)−α−フルオロ−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(16)4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,3−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル、
(17)2,3−ジメチル−4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−7−シアノ−ベンゾ[b]フラン、
(18)4−[α−(4−シアノフェニル)−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(19)4−[α−(4−ブロモフェニル)−(5−ピリミジル)メチル]−ベンゾニトリル、
(20)2,3−ジメチル−4−[α−(4−シアノフェニル)−(1−イミダゾリル)メチル]−7−ブロモ−ベンゾ[b]フラン、
(21)2,3−ジメチル−4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−7−ブロモ−ベンゾ[b]フラン。
【0054】
(i)EP−A−114033に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化14】

〔式中、
は水素であり、
は水素、スルホ、C−CアルカノイルまたはC−Cアルカンスルホニルであり、
は水素であるか、または
はC−C12アルキル、C−C12アルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C10シクロアルケニル、C−Cシクロアルキル−C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル−C−CアルケニルまたはC−Cシクロアルケニル−C−Cアルキルであり、
は水素、C−Cアルキル、スルホ、C−CアルカノイルまたはC−Cアルカンスルホニルであり、そして
は水素またはC−Cアルキルである。〕
の化合物、およびこれらの化合物の薬学的に許容される塩である。
【0055】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン、
(2)1−(4−アミノフェニル)−3−n−プロピル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン、
(3)1−(4−アミノフェニル)−3−イソブチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン、
(4)1−(4−アミノフェニル)−3−n−ヘプチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン、
(5)1−(4−アミノフェニル)−3−シクロヘキシルメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−2,4−ジオン。
【0056】
(j)EP−A−166692に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化15】

〔式中、
は水素、1個から12個の炭素原子を有するアルキル、2個から12個の炭素原子を有するアルケニル、各々3個から10個の炭素原子を有する低級アルキニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル、4個から10個の炭素原子を有するシクロアルキル−低級アルキル、5個から10個の炭素原子を有するシクロアルキル−低級アルケニル、4個から10個の炭素原子を有するシクロアルケニル−低級アルキル、または6個から12個の炭素原子を有するアリールまたは7個から15個の炭素原子を有するアリール−低級アルキルであり、各々非置換または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、アシルアミノまたはハロゲンで置換されており、
は水素、低級アルキル、スルホ、低級アルカノイルまたは低級アルカンスルホニルであり、
は水素または低級アルキルであり、そして
は水素、低級アルキル、フェニルまたは−N(R)(R)で置換されているフェニル置換である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩であり、“低級”と記載しているラジカルは7個まで(7個を含む)の炭素原子を含む。
【0057】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)1−(4−アミノフェニル)−3−n−プロピル−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,4−ジオン、
(2)1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,4−ジオン、
(3)1−(4−アミノフェニル)−3−n−デシル−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,4−ジオン、
(4)1−(4−アミノフェニル)−3−シクロヘキシル−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,4−ジオン、
(5)1−(4−アミノフェニル)−3−シクロヘキシルメチル−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2,4−ジオン。
【0058】
(k)EP−A−356673に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化16】

〔式中、
Wは
(α)2−ナフチルまたは1−アンスリルラジカルであり、各ベンゼン環は非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノおよびニトロから選択される置換基で置換されているか;または
(β)4−ピリジル、2−ピリミジルまたは2−ピラジニルであり、これらのラジカルは各々非置換またはハロゲン、シアノ、ニトロ、C−CアルコキシおよびC−C−アルコキシカルボニルから選択される置換基で置換されている。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0059】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)5−(2'−ナフチル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン、
(2)5−(4'−ピリジル)−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,5−a]ピリジン。
【0060】
(l)EP−A−337929に定義の式IまたはIaの化合物。これらはとりわけ式I/Ia
【化17】

〔式中、
は水素、メチル、エチル、プロピル、プロペニル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたはベンジルであり、
はベンジルオキシ、3−ブロモ−、4−ブロモ−、4−クロロ−、2,3−、2,4−、4,5−または4,6−ジクロロ−ベンジルオキシであり、そして
はシアノ;非置換またはハロゲン、メトキシ、アミノ、ヒドロキシおよび/またはシアノでモノ−またはポリ−置換されているC−C10アルカノイル;非置換またはハロゲン、C−Cアルキル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシおよびシアノから選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されているベンゾイル;カルボキシ、(メトキシ、エトキシまたはブトキシ)−カルボニル、カルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−ピロリジニルカルボニル、ニトロまたはアミノである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0061】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(2)(4−(4−ブロモベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルペンチルケトン、
(3)4−(4−ブロモベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンズアニリド、
(4)4−(4−ブロモベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−安息香酸、
(5)3−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(6)3−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−安息香酸メチルエステル、
(7)3−(2,4−ジクロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−安息香酸、
(8)3−(3−ブロモベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(9)4−(3−ブロモベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(10)3−(4−ブロモベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−安息香酸、
(11)3−(4−ブロモベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンズアニリド、
(12)3−(4−ブロモベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルペンチルケトン、
(13)4−(4−ブロモベンジルオキシ)−3−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(14)3−(4−ブロモベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−ベンゾニトリル、
(15)4−ニトロ−2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニル−(2,4−ジクロロベンジル)エーテル、
(16)4−アミノ−2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニル−(2,4−ジクロロベンジル)エーテル、
(17)(2,4−ジクロロベンジル)−[2−(1−イミダゾリル−メチル)−4−ニトロフェニル]エーテル。
【0062】
(m)EP−A−337928に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化18】

〔式中、
は水素、メチル、エチル、プロピル、プロペニル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたはベンジルであり、
は水素、ハロゲン、シアノ、メチル、ヒドロキシメチル、シアノメチル、メトキシメチル、ピロリジニルメチル、カルボキシ、(メトキシ、エトキシまたはブトキシ)−カルボニル、カルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−ピロリジニルカルボニル;非置換またはハロゲン、メトキシ、エトキシ、アミノ、ヒドロキシおよび/またはシアノでモノ−またはポリ−置換されているC−C10アルカノイル;または非置換またはハロゲン、C−Cアルキル、メトキシ、エトキシ、アミノ、ヒドロキシおよびシアノから選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されているベンゾイルであり、
は水素、ベンジルオキシ、3−ブロモ−、4−ブロモ−、4−クロロ−、2,3−、2,4−、4,5−または4,6−ジクロロ−ベンジルオキシであり、そして
Xは−CH=N−;−CH=N(−O)−または−S−である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0063】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)5−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−チオフェン−2−カルボニトリル、
(2)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−チオフェン−4−カルボニトリル、
(3)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−4−ブロモ−チオフェン、
(4)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−5−ブロモ−チオフェン、
(5)5−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−2−チエニルペンチルケトン、
(6)5−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−2−チエニルエチルケトン、
(7)5−(4−クロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ペンチル]−ピリジン−2−カルボニトリル、
(8)3−(4−クロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ペンチル]−ピリジン−2−カルボニトリル、
(9)3−(4−クロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ペンチル]−ピリジン−N−オキシド、
(10)3−(4−クロロベンジルオキシ)−4−[1−(1−イミダゾリル)−ペンチル]−ピリジン。
【0064】
(n)EP−A−340153に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化19】

〔式中、
は水素、メチル、エチル、プロピル、プロペニル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルまたはベンジルであり、そして
はヒドロキシ、シアノ、メトキシ、ブトキシ、フェノキシ、アミノ、ピロリジニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニルまたはカルバモイルで置換されているメチル、エチル、プロピル、ベンジル、フェニルおよびエテニルの群から選択されるラジカルであるか;またはRはホルミルまたは、ホルミル基を、ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルアミン、O−アリルヒドロキシルアミン、O−ベンジルヒドロキシルアミン、O−4−ニトロベンジルオキシヒドロキシルアミン、O−2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルオキシヒドロキシルアミン、セミカルバジド、チオセミカルバジド、エチルアミンおよびアニリンからなる群のアミンまたはアミン誘導体と選択されることにより得ることができる誘導体化ホルミル;アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、カプロイル;非置換またはハロゲン、C−Cアルキル、メトキシ、アミノ、ヒドロキシおよびシアノからなる群から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されているベンゾイル;カルボキシ、(メトキシ、エトキシまたはブトキシ)−カルボニル、カルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイルまたはN−ピロリジニルカルボニルである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
【0065】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−(1−(1−イミダゾリル)−ブチル)−安息香酸メチルエステル、
(2)4−(1−(1−イミダゾリル)−ブチル)−安息香酸ブチルエステル、
(3)4−(1−(1−イミダゾリル)−ブチル)−フェニル−アセトニトリル、
(4)4−(1−(1−イミダゾリル)−ブチル)−ベンズアルデヒド、
(5)4−(1−(1−イミダゾリル)−ブチル)−ベンジルアルコール、
(6){4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニル}−2−プロピルケトン、
(7)4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルプロピルケトン、
(8)4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルブチルケトン、
(9)4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルペンチルケトン、
(10)4−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−フェニルヘキシルケトン。
【0066】
(o)DE−A−4014006に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化20】

〔式中、
AはN−原子またはCHラジカルおよびWは式
【化21】

{式中、
Xは酸素または硫黄原子または−CH=CH−基であり、
Yはメチレン基、酸素または硫黄原子であり、
Zは−(CH)−基(式中、n=1、2または3である)である}
のラジカルであり、
a)W中のRは水素原子であり、そしてRおよびRは互いに独立して各々水素原子、C−からC10アルキル基またはC−からCシクロアルキル基であるか、または
b)Rはa)で定義の通りであり、RはRと共に−(CH)−基(式中、m=2、3または4である)を形成するかのいずれかである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される酸付加塩である。
【0067】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)5−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−1−インダノン、
(2)7−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−1−インダノン、
(3)6−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−1−インダノン、
(4)6−(1−イミダゾリル)−6,7,8,9−テトラヒドロ−1H−ベンズ[e]インデン−3(2H)−オン、
(5)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−4,5−ジヒドロ−6−オキソ−シクロペンタ[b]−チオフェン、
(6)6−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン、
(7)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−6,7−ジヒドロ−5H−ベンゾ[b]チオフェン−4−オン、
(8)6−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−2H−ベンゾ[b]フラン−3−オン、
(9)5−[シクロヘキシル−(1−イミダゾリル)−メチル]−1−インダノン、
(10)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−4,5−ジヒドロ−6H−ベンゾ[b]チオフェン−7−オン、
(11)5−[1−(1−イミダゾリル)−1−プロピル−ブチル]−1−インダノン、
(12)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−4,5−ジヒドロ−6H−ベンゾ[b]チオフェン−7−オン、
(13)2−[1−(1−イミダゾリル)−ブチル]−4,5−ジヒドロ−6−オキソ−シクロペンタ[b]−チオフェン、
(14)5−(1−イミダゾリルメチル)−1−インダノン、
(15)5−[1−(1,2,4−トリアゾリル)−メチル]−1−インダノン。
【0068】
(p)DE−A−3926365に記載の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化22】

〔式中、
W'はシクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデンまたは2−アダマンチリデンラジカルであり、
Xは基−CH=CH−、酸素原子または硫黄原子であり、そして
YおよびZは互いに独立して各々メチン基(CH)または窒素原子である。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される酸付加塩である。
【0069】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−[1−シクロヘキシリデン−1−(イミダゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(2)4−[1−シクロペンチリデン−1−(イミダゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(3)4−[1−シクロヘプチリデン−1−(イミダゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(4)4−[2−アダマンチリデン−1−(イミダゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(5)4−[1−シクロヘキシリデン−1−(1,2,4−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(6)4−[1−シクロペンチリデン−1−(1,2,4−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(7)4−[1−シクロヘプチリデン−1−(1,2,4−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(8)4−[2−アダマンチリデン−1−(1,2,4−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(9)4−[1−シクロヘキシリデン−1−(1,2,3−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(10)4−[1−シクロペンチリデン−1−(1,2,3−トリアゾリル)−メチル]−ベンゾニトリル、
(11)5−[シクロヘキシリデン−1−イミダゾリルメチル]−チオフェン−2−カルボニトリル。
【0070】
(q)DE−A−3740125に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化23】

〔式中、
XはCHまたはNであり、
およびRは同一または異なり、各々フェニルまたはハロフェニルであり、そして
はC−Cアルキル;CN、C−Cアルコキシ、ベンジルオキシまたはC−Cアルコキシ−(モノ−、ジ−またはトリ−)エチレンオキシで置換されているC−Cアルキル;C−Cアルコキシ、フェニル;ハロゲンまたはシアノで置換されているフェニル;所望によりベンゼンと縮合しているC−Cシクロアルキル基、またはチエニル、ピリジルまたは2−または3−インドリルである。〕
の化合物、およびその薬学的に許容される酸付加塩である。
【0071】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)2,2−ビス(4−クロロフェニル)−2−(1H−イミダゾール−1−イル)−1−(4−クロロベンゾイル−アミノ)エタン。
【0072】
(r)EP−A−293978に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化24】

〔式中、
−A=A−A=A−は、−CH=N−CH=CH−、−CH=N−CH=N−および−CH=N−N=CH−から選択される2価ラジカルであり、
Rは水素またはC−Cアルキルであり;
は水素、C−C10アルキル、C−Cシクロアルキル、Ar、Ar−C−Cアルキル、C−CアルケニルまたはC−Cアルキニルであり;
は水素;非置換またはArで置換されているC−C10アルキル;C−Cシクロアルキル、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、Ar、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cシクロアルキル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ヒドロキシ;非置換またはArで置換されているC−Cアルケニルオキシ;C−Cアルキニルオキシ;ピリミジルオキシ;ジ(Ar)メトキシ、(1−C−Cアルキル−4−ピペリジニル)オキシ、C−C10アルコキシ;またはハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルキルオキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−Cアルキル)アミノ、トリフルオロメチル、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、Ar、Ar−O−、Ar−S−、C−Cシクロアルキル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1H−ベンゾイミダゾリル、C−Cアルキル−置換1H−ベンゾイミダゾリル、(1,1'−ビフェニル)−4−イルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンゾイミダゾリルで置換されているC−C10アルコキシであり;そして
は水素、ニトロ、アミノ、モノ−またはジ−(C−Cアルキル)アミノ、ハロゲン、C−Cアルキル、ヒドロキシまたはC−Cアルコキシであり;
ここで、Arはフェニル、置換フェニル、ナフチル、ピリジル、アミノピリジル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ハロチエニル、フラニル、C−Cアルキルフラニル、ハロフラニルまたはチアゾリルであり;
Arはフェニル、置換フェニルまたはピリジルであり;そして、
“置換フェニル”は、いずれの場合も、互いに独立してハロゲン、ヒドロキシ、ヒドロキシメチル、トリフルオロメチル、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、カルボキシ、ホルミル、ヒドロキシイミノメチル、シアノ、アミノ、モノ−およびジ−(C−Cアルキル)アミノおよびニトロからなる群から選択される3個までの置換基で置換されているフェニルである。〕
の化合物、その薬学的に許容される塩および立体化学的異性体である。
【0073】
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)6−[(1H−イミダゾール−1−イル)−フェニルメチル]−1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、
(2)6−[(4−クロロフェニル)(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]−1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール。
【0074】
(s)EP−A−250198に定義の式IIの化合物、とりわけ
(1)2−(4−クロロフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)エタノール、
(2)2−(4−フルオロフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)エタノール、
(3)2−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)エタノール、
(4)2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)エタノール、
(5)2−(4−クロロフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−エタノール、
(6)2−(4−フルオロフェニル)−1,1−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)エタノール。
【0075】
(t)EP−A−281283に定義の式Iの化合物、とりわけ
(1)(1R*,2R*)−6−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ナフタレン、
(2)(1R*,2R*)−6−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾリルメチル)ナフタレン、
(3)(1R*,2R*)−および(1R*,2S*)−2−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ナフタレン−6−カルボニトリル、
(4)(1R*,2R*)−および(1R*,2S*)−2−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾリルメチル)ナフタレン−6−カルボニトリル、
(5)(1R*,2R*)−および(1R*,2S*)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボニトリル、
(6)(1R*,2R*)−および(1R*,2S*)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)ナフタレン−2,6−ジカルボニトリル、
(7)(1R*,2S*)−2−(4−フルオロフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−(5−メチル−1H−イミダゾリルメチル)ナフタレン−6−カルボニトリル。
【0076】
(u)EP−A−296749に定義の式Iの化合物、とりわけ
(1)2,2'−[5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−フェニレン]ジ(2−メチルプロピオノニトリル)、
(2)2,2'−[5−(イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−フェニレン]ジ(2−メチルプロピオノニトリル)、
(3)2−[3−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−5−(5H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)フェニル]−2−メチルプロピオノニトリル、
(4)2,2'−[5−二重水素化(dideuterio)(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル−1,3−フェニレン]ジ(2−三重水素化(tridideuterio)メチル−3,3,3−三重水素化プロピオノニトリル)、
(5)2,2'−[5−二重水素化(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル−1,3−フェニレン]ジ(2−メチルプロピオノニトリル)。
【0077】
(v)EP−A−299683に定義の式Iの化合物、とりわけ
(1)(Z)−α−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)スチルベン−4,4'−ジカルボニトリル、
(2)(Z)−4'−クロロ−α−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)スチルベン−4−カルボニトリル、
(3)(Z)−α−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−4'−(トリフルオロメチル)スチルベン−4−カルボニトリル、
(4)(E)−β−フルオロ−α−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)スチルベン−4,4'−ジカルボニトリル、
(5)(Z)−4'−フルオロ−α−(イミダゾール−1−イルメチル)スチルベン−4−カルボニトリル、
(6)(Z)−2',4'−ジクロロ−α−(イミダゾール−1−イルメチル)スチルベン−4−カルボニトリル、
(7)(Z)−4'−クロロ−α−(イミダゾール−1−イルメチル)スチルベン−4−カルボニトリル、
(8)(Z)−α−(イミダゾール−1−イルメチル)スチルベン−4,4'−ジカルボニトリル、
(9)(Z)−α−(5−メチルイミダゾール−1−イルメチル)スチルベン−4,4'−ジカルボニトリル、
(10)(Z)−2−[2−(4−シアノフェニル)−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロペニル]ピリジン−5−カルボニトリル。
【0078】
(w)EP−A−299684に定義の式Iの化合物、とりわけ
(1)2−(4−クロロベンジル)−2−フルオロ−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン、
(2)2−フルオロ−2−(2−フルオロ−4−クロロベンジル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン、
(3)2−フルオロ−2−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルベンジル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン、
(4)3−(4−クロロフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ブタン−2−オール、
(5)2−(4−クロロ−α−フルオロベンジル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール、
(6)2−(4−クロロベンジル)−1,3−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン、
(7)4−[2−(4−クロロフェニル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)エトキシメチル]−ベンゾニトリル、
(8)1−(4−フルオロベンジル)−2−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール、
(9)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール、
(10)1−(4−シアノベンジル)−2−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール、
(11)2−(4−クロロフェニル)−1−フェニル−1,3−ジ(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロパン−2−オール。
【0079】
(x)EP−A−316097の請求項1に定義の化合物、とりわけ
(1)1,1−ジメチル−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−2(1H)−ナフト[2,1−b]フラノン、
(2)1,2−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2−オキソ−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ナフト[2,1−b]フラン−7−カルボニトリル、
(3)1,2−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2−オキソ−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ナフト[2,1−b]フラン−7−カルボキサミド、
(4)1,2−ジヒドロ−1,1−ジメチル−2−オキソ−8−[ジ(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]ナフト[2,1−b]フラン−7−カルボニトリル。
【0080】
(y)EP−A−354689に定義の式Iの化合物、とりわけ
(1)4−[2−(4−シアノフェニル)−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロピル]ベンゾニトリル、
(2)4−[1−(4−クロロベンジル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エチル]ベンゾニトリル、
(3)4−[2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4−[トリフルオロメチル]ベンジル)エチル]ベンゾニトリル、
(4)4−[2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−(4−[トリフルオロメトキシ]ベンジル)エチル]ベンゾニトリル。
【0081】
(z)EP−A−354683に定義の式(I)の化合物、とりわけ
(1)6−[2−(4−シアノフェニル)−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−プロピル]ニコチノニトリル、
(2)4−[1−(1,2,4−トリアゾール−1−イル−メチル)−2−(5−[トリフルオロメチル]ピリド−2−イル)エチル]ベンゾニトリル。
【0082】
特記し得るステロイド性アロマターゼ阻害剤は以下のものである:
(aa)EP−A−181287に定義の式Iの化合物。これらはとりわけ式I
【化25】

〔式中、
Rは水素、アセチル、ヘプタノイルまたはベンゾイルである。〕
の化合物である。
このグループの好ましい化合物は以下のものを含む:
(1)4−ヒドロキシ−4−およびロステン−3,17−ジオン。
【0083】
(ab)US特許4322416の請求の範囲に定義の化合物、とりわけ10−(2−プロピニル)−オエステル(oestr)−4−エン−3,17−ジオン。
(ac)DE−A−3622841の請求の範囲に定義の化合物、とりわけ6−メチレンアンドロスタ−1,4−ジエン−3,17−ジオン。
【0084】
(ad)GB−A−2171100の請求の範囲に定義の化合物、とりわけ4−アミノアンドロスタ−1,4,6−トリエン−3,17−ジオン。
また:(ae)アンドロスタ−1,4,6−トリエン−3,17−ジオン。
【0085】
上記(a)から(z)および(aa)から(ad)に記載の特許出願の内容、とりわけその中に記載の化合物のサブグループおよび例としてその中に記載の個々の化合物、ならびにそれらの化合物の記載の医薬組成物を引用して本明細書に包含させる。
【0086】
上記(a)から(r)でアロマターゼ阻害剤の定義に使用した一般的用語は以下の意味を有する:
“低級”なる用語により呼ばれる有機ラジカルは7個まで(7個を含む)、好ましくは4個まで(4個を含む)の炭素原子を含む。
【0087】
アシルはとりわけ低級アルカノイルである。
アリールは、例えば、フェニルまたは1−または2−ナフチルであり、各々非置換または低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノまたはハロゲンで置換されている。
【0088】
前記および後記の遊離ビスホスホネートまたは遊離アロマターゼ阻害剤に関する任意の記載は、また、適当であり、予期される場合、その対応する薬学的に許容される塩を含むことは理解されるべきである。
【0089】
アロマターゼ阻害剤は、その水和物の形で使用でき、また、その結晶化に使用した他の溶媒を含むことができる。
【0090】
本発明での使用にもっとも好ましいアロマターゼ阻害剤は、4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル(レトロゾール)またはその薬学的に許容される塩である。
【0091】
レトロゾールはUS5,473,078に記載のように製造できる。それは、例えば、US4,978,672またはUS5,473,078に記載のように、またはFEMARA(登録商標)またはFEMAR(登録商標)の商品名で、例えば、市販の形で投与できる。
【0092】
ビスホスホネートおよびアロマターゼ阻害剤の薬学的に許容される塩は、好ましくは塩基との塩、簡便にはアルカリ金属塩、例えばカリウムおよびとりわけナトリウム塩、またはアルカリ土類金属塩、好ましくはカルシウムまたはマグネシウム塩を含む元素の周期表のIa、Ib、IIa、IIbのグループに由来する金属塩、およびまたアンモニアまたは有機アミンとのアンモニウム塩である。
【0093】
N−ビスホスホネートのとりわけ好ましい薬学的に許容される塩は、ビスホスホン酸の1個、2個、3個または4個、特に1個または2個の酸性水素が薬学的に許容されるカチオン、特にナトリウム、カリウムまたはアンモニウムで置換されている、第一にナトリウムで置換されているものである。
【0094】
N−ビスホスホネートの薬学的に許容される塩の非常に好ましいグループは、1個の酸性水素と1個の薬学的に許容されるカチオン、とりわけナトリウムを、ホスホン酸基のそれぞれに有することにより特徴付けられる。
【0095】
本発明の薬剤、すなわちアロマターゼ阻害剤とビスホスホネートは、好ましくは、各活性成分(別々にまたは組み合わせていずれかで)の適切な治療的有効量を、所望により投与に適した無機または有機、固体または液体の薬学的に許容される担体と共にまたは混合して含む医薬製剤の形で使用する。本発明の薬剤は、同じ組成物中に存在し得るが、好ましくは別々の医薬組成物中にある。したがって、活性成分は同じ時に(例えば同時に)または別の時に(例えば連続して)および、互いに異なるか重複し得る異なる期間にわたり投与し得る。
【0096】
医薬組成物は、例えば、経口、経直腸、エアロゾル吸入または経鼻投与のような経腸投与用組成物、または、静脈内または皮下投与用のような非経腸用組成物、または、(例えば、受動的またはイオン泳動的(iontophoretic))経皮膚投与用であり得る。
【0097】
特定の投与の形態および投与量は、必要に応じて患者の詳細、特に年齢、体重、生活様式、活動レベルおよび疾患状態、ならびに選択したアロマターゼ阻害剤およびビスホスホネートを考慮して、主治医が選択し得る。
【0098】
ビスホスホネート医薬組成物は経口または非経腸(とりわけ静脈内、動脈内または経皮)投与に適し得る。静脈内および経口、まず何よりも静脈内投与が、特に重要であるとみなされる。好ましくはビスホスホネート活性成分は非経腸形で、もっとも好ましくは静脈内形である。
【0099】
本発明で使用するビスホスホネートの投与量は、活性成分の効果および作用の期間、投与の形態、性別、年齢、体重および患者の個々の状態のような種々の因子に依存し得る。
【0100】
通常の投与量は、ビスホスホネート活性成分1回投与量0.002−20.0mg/kg、とりわけ0.01−10.0mg/kgを、約75kgの温血動物に投与するようなものである。所望により、またこの投与量を数回に分け、所望により同じである分割投与量として摂取し得る。
【0101】
“mg/kg”は、処置すべき、哺乳動物−ヒトを含む−の体重kgあたりの薬剤mgを意味する。
【0102】
上記の−一回投与量として(これが好ましい)または複数回分割投与量としての−用量を、例えば1日1回、1週間に1回、1ヶ月に1回、またはそれより少ない頻度で、例えば3ヶ月に1回、半年に1回、1年に1回またはそれ以上の、または、任意の間隔で繰り返し得る。ビスホスホネートの投与頻度は、例えば1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月または1年のような正確な間隔である必要はないが、ほぼ同じ間隔であり得る;例えば、通院日を、例えば±14日までで日程調整できるようにする。
【0103】
ビスホスホネートがゾレドロン酸である場合、その好ましい投与量は、例えばアロマターゼ阻害剤の最初の投与日に開始して、三(3)ヶ月から六(6)ヶ月毎、好ましくは六(6)ヶ月毎に、1回4または5mgである。しかしながら、ビスホスホネートはアロマターゼ阻害剤の投与に先立って、または投与後にも投与し得る。ゾレドロン酸は一般的に15分間にわたり静脈内に投与する。
【0104】
好ましくは、ビスホスホネートは、ページェット病、腫瘍誘導高カルシウム血症または骨粗鬆症のようなビスホスホン酸誘導体で伝統的に処置している疾患の処置に使用するのと同じ程度の量を投与する。言い換えると、好ましくは、ビスホスホン酸誘導体は、ページェット病、腫瘍誘導高カルシウム結晶または骨粗鬆症の処置に治療的に有効な量と同等の投与量で投与し、すなわち好ましくはそれらは骨再吸収を有効に阻害する投与量で投与する。例えば、好ましい窒素含有ビスホスホネート、例えばゾレドロン酸およびその塩に関して、ビスホスホネートの約0.5から約20mg、好ましくは約1から約10mgの範囲の投与量をヒト患者の処置に使用し得る。
【0105】
1回投与単位のビスホスホネート製剤は好ましくは約1%から約90%の、および1回投与単位ではない製剤は好ましくは約0.1%から約20%の活性成分を含む。カプセル、錠剤または糖衣錠のような1回投与単位形は例えば約1mgから約500mgの活性成分を含む。
【0106】
好ましくは、アロマターゼ医薬組成物は経口または非経腸(とりわけ経口)投与に適する。静脈内および経口、まず何よりも経口投与が特に重要であるとみなされる。好ましくはアロマターゼ阻害剤活性成分は経口形である。
【0107】
同様に、アロマターゼ阻害剤の投与量は温血動物種(哺乳動物)、体重、年齢および個々の状態、および、投与の形態に依存する。アロマターゼ阻害剤の投与量は、約0.001から30.0mg/kg、好ましくは約0.001から5mg/kgの間の範囲であり得る。
【0108】
1回投与単位形のアロマターゼ阻害剤製剤は、好ましくは約1%から約90%の、および1回投与単位形ではない製剤は、好ましくは約0.1%から約20%の活性成分を含む。カプセル、錠剤または糖衣錠のような1回投与単位形は、例えば約1mgから約100mgのアロマターゼ阻害剤を含む。
【0109】
レトロゾールは、好ましくは、添付文書に従って、2.5mgの1日量で投与する。
【0110】
経腸および非経腸投与用の本発明の薬剤を含む医薬製剤は、例えば、糖衣錠、錠剤またはカプセルおよびまたアンプルのような投与単位形である。それらは、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、糖衣、溶解または凍結乾燥工程の手段により製造する。例えば、経口投与用の医薬組成物は、活性製剤と固体担体を混合し、適当な場合、得られた混合物を造粒し、所望によりまたは必要に応じて、適当な賦形剤の添加後、混合物または顆粒を錠剤または糖衣錠コアに加工することにより得ることができる。
【0111】
他の経口投与可能な医薬製剤は、ゼラチンから成る乾式充填カプセル、およびまたゼラチンと、グリセロールまたはソルビトールのような可塑剤から成る軟、密封カプセルである。乾式充填カプセルは、活性成分を顆粒の形で、例えば、ラクトースのような充填剤、澱粉のような結合剤および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤と、適当である場合安定化剤と組み合わせて含み得る。軟ゼラチンカプセルにおいて、活性成分は、好ましくは安定化剤を添加することも可能である脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールのような適当な液体に溶解または懸濁されている。
【0112】
非経腸製剤は、特に、静脈内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、皮内または皮下のような種々の方法に有効である注射用液体である。このような液体は等張性水溶液または懸濁液であり、使用前に、例えば、活性成分を担体または薬学的に許容される担体と共に含む凍結乾燥製剤から、調製できる。医薬製剤は滅菌し得および/または例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤のような添加剤を含み得る。
【0113】
経皮投与に適当な製剤は、有効量の活性成分と担体を含む。有利な担体は、宿主の皮膚を通過するのを助けるための、吸収される薬学的に許容される溶媒である。特徴的に、経皮デバイスは、裏打ち材、所望により担体と共に化合物を含む貯蔵部、所望により活性成分を制御され、かつ予定された速度で長時間にわたり宿主の皮膚に到達させるための速度制御バリアと、皮膚にデバイスを固定する手段を含む、包帯の形である。
【0114】
本発明の組み合わせパートナーを、一つの薬剤として市販されている形で利用する場合、その投与量や投与形態は、本明細書に記載の優れた効果をもたらすために、特記しない限り、各市販薬の添付文書に提供された情報に従って行うことができる。
【0115】
以下の実施例は本発明を説明し、それに限定するために描いたものではない。
【0116】
実施例
A. 製剤実施例
実施例1
活性成分の被覆ペレット、例えば、パミドロン酸二ナトリウム塩五水和物を活性成分として含むカプセル:
【表1】

【0117】
パミドロン酸二ナトリウム塩とAvicel(登録商標)PH105の混合物を、水で湿らせ、練り、押し出し成形して球体を形作る。次いで、所望のペレットを、連続的に流動床中で、セルロースHP-M603、ポリエチレングリコール(PEG)8000およびタルクからなる内部コーティング、Eudragit(登録商標)L30D、クエン酸トリエチルおよびAntifoam(登録商標)AFから成る水性胃液耐性コーティングで被覆する。被覆したペレットを、タルクと共に粉末にし、カプセル(カプセルサイズ0)に市販のカプセル充填機、例えばHoefligerおよびKargの手段により充填する。
【0118】
実施例2
活性成分として、例えば、1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)−エタン−1,1−ジホスホン酸を含む、モノリス(Monolith)接着性経皮システム:
【表2】

【0119】
製造:
上記成分を、一緒に、150gの特定沸点の石油フラクション100−125に、ローラー・ギア・ベッド上を回転させることにより溶解する。この溶液を、300mmドクター・ブレードを使用したスプレッダーの手段により、ポリエステルフィルム(Hostaphan, Kalle)に塗り、約75g/mのコーティングとする。乾燥後(60℃で15分)、シリコン処理ポリエステルフィルム(厚さ75mm、Laufenberg)を、剥がすフィルムとして当てる。できあがったシステムを、押し抜きツールを使用して5から30cmの望ましいサイズに押し抜く。完成したシステムをアルミニウムを施した紙の小袋に個々に密封する。
【0120】
実施例3
1.0mg乾燥、凍結乾燥処理1−ヒドロキシ−2−(イミダゾール−1−イル)エタン−1,1−ジホスホン酸(その混合ナトリウム塩)を含むバイアル。1mlの水で希釈後、i.v.輸液用の溶液(濃度1mg/ml)が得られる。
【表3】

1mlの水中、活性成分を、クエン酸三ナトリウム塩×2HOでpH6.0まで滴定する。次いで、マンニトールを添加し、溶液を凍結乾燥して、凍結乾燥物をバイアルに入れる。
【0121】
実施例4
活性成分、例えば、水に溶解したパミドロン酸二ナトリウム塩五水和物を含むアンプル。溶液(濃度3mg/ml)は、希釈後i.v.輸液のためである。
【表4】

【0122】
実施例5
2.5mgの、例えばレトロゾールを活性成分として含むフィルムコーティング錠:
【表5】

*処理中に除去する
【0123】
製造
1. レトロゾールを回転式ミキサー(tumble mixer)中で混合し、篩い、混合し、再び篩う。
2. 予混合物を回転式ミキサー中で、篩ったコロイド状無水シリカ、微結晶性セルロール、ラクトース一水和物およびナトリウム澱粉グリコーレートと混合し、篩い、再び混合する。
3. ステアリン酸マグネシウムの添加後、均質錠剤塊を、記載量の活性成分を含む錠剤に圧縮する。
4. 錠剤を上記の処方に記載した賦形剤から成る、精製水と少量の5%イソプロピルアルコールに溶解または懸濁したラッカーで被覆する。
【0124】
実施例6:ゾレドロン酸の静脈内投与は、アロマターゼ阻害または外科的卵巣切除により誘導したラットの骨損失を予防し、機械的特性を減少する
卵巣切除(OVX)またはアロマターゼ阻害剤レトロゾール(Let)のいずれかでラットで誘導した骨損失が、ビスホスホネートゾレドロン酸(Zol)の投与により予防されるかを試験した。
【0125】
材料および方法:成体の、骨格的に成熟した、8ヶ月齢メスWistarラットを、以下の処置群(n=10)に割り当てた:偽(媒体)、OVX、Let−処置、OVX+ZolおよびLet+Zol。OVXの3日前またはLet(1mg/kg)の24週間、毎日の経口投与を開始する前に、Zolを、尾静脈に0.8、4または20μg/kgの1回投与量で静脈投与した。総および海綿骨塩密度(BMD)の変化、および、近位脛骨骨幹端における皮質の厚さの変化を、非侵襲的に末梢定量的コンピューター断層撮影(pQCT)により、0、2、4、8、12、16、20および24週目にモニターした。
脛骨、大腿骨の両方および腰椎L1−L6を死体解剖により集め、生体力学的試験を行った。
【0126】
結果:
総BMDは、OVX後急速に減少し、20週目付近でプラトー(−16%)に達した(すべての時点でP<0.01対偽)。0.8、4または20μg/kgゾレドロン酸の1回iv注射は、各々8、20および24週目の骨損失を有意に遅延させ、もっとも高投与量は、24週の全試験期間にわたり完全に保護した(NS対偽)。
【0127】
平均の皮質の厚さは、OVXラットで急速に減少した(すべての時点でP<0.01対偽、24週目で−25%)。0.8μg/kgゾレドロン酸の1回iv投与でのわずかな保護効果が2週目に観察された(P<0.05対OVX)。4および20μg/kgでは、皮質の厚さは、12週目および24週目で各々OVXコントロールよりも有意に良好であった。最高投与量は、全試験期間にわたり、完全に保護した(すべての時点でNS対偽)。
【0128】
OVXラットにおける海綿骨損失は急速に進行し、24週付近でプラトーに達した(すべての時点でP<0.01対偽、24週目で−46%)。0.8μg/kgゾレドロン酸の1回iv注射が、海綿骨損失をわずかに、しかし12週目では有意に遅延させた。4および20μg/kgの投与量では、24週目で海綿骨ミネラル密度はOVXコントロールよりも有意によかった。最高投与量は20週目まで完全に保護したが、穏やかな海綿骨損失が、24週目に認識できた(NS対偽)。
【0129】
総BMDは、レトロゾール投与後4週目までゆっくり減少し、その後12週目までより早く減少して再び遅くなった(24週目で−13%)(すべての時点でP<0.01対偽)。0.8μg/kgゾレドロン酸の1回iv注射は骨損失をわずかに遅延させたが、4週目では有意であった。4および20μg/kgでは、ゾレドロン酸は骨損失を24週目まで遅延させ(P<0.01対両方の投与量のレトロゾール)、最高投与量は24週の全試験期間にわたり、完全に保護した(NS対偽)。
【0130】
平均の皮質の厚さは、レトロゾール−処置ラットで急速に減少した(すべての時点でP<0.01対偽、24週目で−21%)。0.8μg/kgゾレドロン酸の1回iv投与で、わずかであるが、有意な保護効果が2週目で観察された(P<0.05対レトロゾール)。4μg/kgで、ゾレドロン酸は皮質の菲薄化を4週目まで完全に予防したが、その後、20週目までレトロゾールコントロールよりも有意に高い値で、骨損失が起こった(P<0.01すべての時点で対レトロゾール)。最高ゾレドロン酸投与量は、24週間目まで皮質の菲薄化に対して完全に保護した(すべての時点でP<0.01対レトロゾールおよびNS対偽)。
【0131】
レトロゾール−処理ラットにおける海綿骨損失は急速に進行し、24週目でプラトーに達した(すべての時点でP<0.01対偽、24週目で−26%)。0.8μg/kgゾレドロン酸の1回iv注射が、海綿骨損失をわずかであるが、8週目は有意に遅延させた(P<0.05対レトロゾール)。4μg/kgで、ゾレドロン酸は骨損失を8週目まで完全に予防したが、その後骨損失が起こった(16および24週目でP<0.01対偽)。しかしながら、海綿骨ミネラル密度は24週間目までレトロゾール−処置ラットよりも有意に高いままであった。最高投与量(20μg/kg)は、24週目まで完全に保護した(すべての時点でP<0.01対レトロゾールおよびNS対偽)。
【0132】
第5腰椎(lumber vertebral)体部の機械的特性を、骨端、後部柄アーチ(posterior pedicle arch)および棘状突起を除去した後、4mmセグメントに平坦な平面素子を用いる圧縮によって評価した。最終的な骨強度は、OVX後有意に減少し(P<0.05)、レトロゾール投与後減少した(NS)。ゾレドロン酸は、両方の状況で、用量依存的に最終的な骨強度を改善した。
【0133】
考察:我々のデータは、ラットで最初に、Letの毎日の経口投与により誘導される、海綿骨損失、皮質菲薄化および骨強度の減少を、Zolが用量依存的に保護することを示す。Zolは、20μg/kgの用量で、Let−誘導骨損失に対して、少なくとも24週間完全に保護する。これらのデータは、一般的なビスホスホネートおよびZolの、特に一般的なアロマターゼ阻害剤および特にLetでの処置に付されている患者の、骨損失の予防または抑制への使用をサポートする。
【0134】
本発明には以下の態様が含まれる:
(1) アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防において、同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、(a)アロマターゼ阻害剤および(b)ビスホスホネートを含む組み合わせ(活性成分(a)および(b)はいずれの場合も遊離形または薬学的に許容される塩の形で存在する)。
(2) 特に、患者がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、患者に有効量のビスホスホネートと有効量のアロマターゼ阻害剤を投与することを含む、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態に罹患している患者の処置法。
(3) 増殖性疾患の処置のための、(2)記載の方法。
(4) 特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態の処置のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるアロマターゼ阻害剤の使用。
(5) アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための医薬の製造における、アロマターゼ阻害剤の使用。
(6) 特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態の処置のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための医薬の製造における、ビスホスホネートの使用。
(7) アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための医薬の製造における、ビスホスホネートの使用。
(8) 増殖性疾患の処置のための、(4)−(7)のいずれかに記載の使用。
(9) 特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態の処置のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための指示書と共にビスホスホネートを含むパッケージ、または
特に、疾患または状態がさらに化学療法剤で処置されていないという条件付きで、アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態の処置のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための指示書と共にアロマターゼ阻害剤を含むパッケージ。
(10) アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、アロマターゼ阻害剤と組み合わせて使用するための指示書と共にビスホスホネートを含むパッケージ、または
アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防のための、ビスホスホネートと組み合わせて使用するための指示書と共にアロマターゼ阻害剤を含むパッケージ。
(11) ビスホスホネートがN−ビスホスホネートである、(1)記載の組み合わせ、(2)または(3)に記載の方法、(4)−(8)のいずれかに記載の使用または(9)もしくは(10)に記載のパッケージ。
(12) ビスホスホネートが式I
【化26】

〔式中、
Xは水素、ヒドロキシル、アミノ、アルカノイル、またはC−Cアルキルまたはアルカノイルで置換されているアミノ基であり;
Rは水素またはC−Cアルキルであり、そして
Rxは、所望により置換されているアミノ基、または窒素含有ヘテロ環(芳香族性窒素−含有ヘテロ環を含む)を含む側鎖である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩またはその任意の水和物である、(11)記載の組み合わせ、方法、使用またはパッケージ。
(13) ビスホスホネートが2−(イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(ゾレドロン酸)またはその薬学的に許容される塩である、(12)記載の組み合わせ、方法、使用またはパッケージ。
(14) アロマターゼ阻害剤がエキセメスタン、ホルメスタン(formestane)、アミノグルテチミド、ボロゾール(vorozole)、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、ログレチミド(roglethimide)、ピリドグルテチミド(pyridoglutethimide)、トリロスタン、テストラクトン、アタメスタン(atamestane)、1−メチル−1,4−アンドロスタジエン−3,17−ジオン、ケトコナゾールおよびこれらの化合物の薬学的に許容される塩から選択される、(1)記載の組み合わせ、(2)または(3)に記載の方法、(4)−(8)のいずれかに記載の使用または(9)もしくは(10)に記載のパッケージ。
(15) アロマターゼ阻害剤がエキセメスタン、ホルメスタン、アミノグルテチミド、ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾールおよびこれらの化合物の薬学的に許容される塩から選択される、(14)記載の組み合わせ、方法、使用またはパッケージ。
(16) アロマターゼ阻害剤が式I
【化27】

〔式中、
RおよびRは互いに独立して各々水素または低級アルキルであるか、または隣接する炭素原子上のRとRは、それらが結合しているベンゼン環と共に、ナフタレンまたはテトラヒドロナフタレン環を形成し;
は水素、低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキルまたは低級アルケニルであり;
は水素、低級アルキル、アリール、アリール−低級アルキル、(低級アルキル、アリールまたはアリール−低級アルキル)−チオまたは低級アルケニルであるか、またはRとRは共に低級アルキリデンまたはC−Cアルキレンであり;
Wは1−イミダゾリル、1−(1,2,4または1,3,4)−トリアゾリル、3−ピリジルまたは低級アルキルで置換されている記載のヘテロ環式ラジカルの一つであり;かつ
上記の定義中のアリールは以下の意味を有する:非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、低級アルカノイル、ベンゾイル、低級アルキルスルホニル、スルファモイル、N−低級アルキルスルファモイルおよびN,N−ジ−低級アルキルスルファモイルからなる群から選択される1個または2個の置換基で置換されているフェニル;またチエニル、インドリル、ピリジルであるか、またはフリルであるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、シアノもしくはハロゲンで単置換されている4つの最後に述べたヘテロ環式ラジカルの一つである。〕
の化合物、またはその薬学的に許容される塩である、(1)記載の組み合わせ、(2)または(3)に記載の方法、(4)−(8)のいずれかに記載の使用または(9)もしくは(10)に記載のパッケージ。
(17) アロマターゼ阻害剤が4−[α−(4−シアノフェニル)−1−(1,2,4−トリアゾリル)メチル]−ベンゾニトリル(レトロゾール)またはその薬学的に許容される塩である、(16)記載の組み合わせ、方法、使用またはパッケージ。
(18) 患者に有効量のビスホスホネートを投与することを含む、エストロゲン依存性疾患に罹患し、かつアロマターゼ阻害剤を投与されている患者における骨損失の予防法。
(19) 閉経後の女性に有効量のビスホスホネートを投与することを含む、ER+および/またはPR+乳癌に罹患し、かつアロマターゼ阻害剤をアジュバント療法として投与されている閉経後の女性の癌処置関連骨損失の予防法。
(20) ビスホスホネートがN−ビスホスホネートである、(18)または(19)記載の方法。
(21) N−ビスホスホネートがゾレドロン酸またはその薬学的に許容される塩である、(20)記載の方法。
(22) アロマターゼ阻害剤がレトロゾールまたはその薬学的に許容される塩である、(18)−(21)のいずれかに記載の方法。
(23)ビスホスホネートを6ヶ月に1回投与することを含む、(18)−(22)のいずれかに記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロマターゼ阻害に応答する疾患または状態のアロマターゼ阻害剤での処置が原因である骨損失の予防において、同時に、一緒に、別々にまたは連続して使用するための、(a)アロマターゼ阻害剤および(b)ビスホスホネートを含む組み合わせ(活性成分(a)および(b)はいずれの場合も遊離形または薬学的に許容される塩の形で存在する)。

【公開番号】特開2011−57706(P2011−57706A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282069(P2010−282069)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【分割の表示】特願2004−525367(P2004−525367)の分割
【原出願日】平成15年7月29日(2003.7.29)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】