説明

アンカーボルト付基礎構造の施工用治具

【課題】 アンカーボルト付基礎構造において、アンカーボルト及び補強プレートのセット高さ位置を簡易に調整可能にし、かつコンクリート打設時に補強プレートを微妙に高さ調整可能にすること。
【解決手段】 アンカーボルト付基礎構造の施工用治具50であって、アンカープレート60と、該アンカープレート60に設けられる補強プレート調整用ねじ80とを有し、アンカープレート60は対向する型枠30の上部に保持され、アンカーボルト25の上端部を保持し、補強プレート調整用ねじ80は補強プレート26に衝合し、アンカープレートト60に対する補強プレート26の高さ位置を調整するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンカーボルト付基礎構造の施工用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等の建物の基礎構造では、コンクリート基礎の上端部にアンカーボルトの下部を埋設固定し、アンカーボルトをコンクリート基礎の上面から突出させている。
【0003】
特許文献1には、対向する型枠間の上部にアンカープレートを保持させ、このアンカープレートの中間部に保持させたアンカーボルトに補強プレートを固定した状態で、生コンクリートを型枠間に流し込み、この補強プレートをコンクリート基礎の上端部に埋設固定するものが開示されている。これによれば、アンカーボルトに水平方向の外力が作用しても、この外力がアンカーボルトの部分からコンクリート基礎に直接入力されずに補強プレートを介して分散して入力されることになり、コンクリート基礎のアンカーボルトに対応する角部が破壊されるのを未然に防止できる。
【特許文献1】特開2002-88775
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアンカーボルト付基礎構造には以下の不都合がある。
(1)型枠に対するアンカープレートの高さ位置調整手段がなく、ひいては基礎に埋設固定化されるアンカーボルト及び補強プレートのセット高さ位置を簡易に調整できない。
【0005】
(2)コンクリート打設時に、アンカーボルトに固定した補強プレートが生コンクリートの圧力によって浮き上がるのに対抗する手段がなく、補強プレートが対向する型枠間で傾くことを防止したり、微妙な高さ調整ができない。
【0006】
本発明の課題は、アンカーボルト付基礎構造において、アンカーボルト及び補強プレートのセット高さ位置を簡易に調整可能にし、かつコンクリート打設時に補強プレートを微妙に高さ調整可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、アンカーボルトの中間部に設けた補強プレートをコンクリート基礎の上部に埋設固定してなるアンカーボルト付基礎構造の施工用治具であって、アンカープレートと、該アンカープレートに設けられる補強プレート調整用ねじとを有し、アンカープレートは対向する型枠の上部に保持され、アンカーボルトの上端部を保持し、補強プレート調整用ねじは補強プレートに衝合し、アンカープレートに対する補強プレートの高さ位置を調整するようにしたものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から下方に折曲げた下向き折曲げ部の下端に第2水平片を設けたものである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、前記アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から上方に折曲げた上向き折曲げ部の上端に第2水平片を設けたものである。
【0010】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記アンカープレートが型枠の長手方向に沿う複数位置のそれぞれにアンカーボルト保持部を備え、各アンカーボルト保持部毎に補強プレート調整用ねじを付帯して有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
(請求項1)
(a)アンカープレートに設けた補強プレート調整用ねじが補強プレートに衝合し、アンカープレートに対する補強プレートの高さ位置を調整する。従って、補強プレート調整用ねじは、コンクリート打設時に、アンカーボルトに固定した補強プレートが生コンクリートの圧力によって浮き上がるのに対抗し、補強プレートが対向する型枠間で傾くことを防止したり、微妙な高さ調整することができる。
【0012】
(請求項2)
(b)アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から下方に折曲げた下向き折曲げ部の下端に第2水平片を設けた。従って、アンカープレートの第1水平片が型枠の上部に配置されたとき、第2水平片を型枠の内側下方に近づく側に配置するものになり、このアンカープレートを全高の高い大型の型枠に好適に適用にできる。
【0013】
(請求項3)
(c)アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から上方に折曲げた上向き折曲げ部の上端に第2水平片を設けた。従って、アンカープレートの第1水平片が型枠の上部に配置されたとき、第2水平片を型枠の上方に配置するものになり、このアンカープレートを全高の低い小型の型枠に好適に適用できる。
【0014】
(請求項4)
(d)アンカープレートが型枠の長手方向に沿う複数位置のそれぞれにアンカーボルト保持部を備え、各アンカーボルト保持部毎に補強プレート調整用ねじを付帯して有するようにした。従って、基礎の近接する複数位置にアンカーボルトを埋設固定するとき、単一のアンカープレートによりそれらのアンカーボルト及び補強プレートに対応でき、アンカープレートの使用個数を削減し、補強工数も削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1はアンカーボルト付基礎構造を示す断面図、図2はアンカーボルト付基礎構造を示す模式斜視図、図3はアンカーボルト付基礎構造に建物構造体を据付けた例を示す断面図、図4は施工用治具を示す平面図、図5は施工用治具を示す端面図、図6は施工用治具を示す端面図、図7は施工用治具をユニット建物に使用した位置を示す模式図、図8は施工用治具をユニット建物に使用した位置を示す模式図、図9は施工用治具を型枠にセットした状態を示す断面図、図10は生コンクリートの流し込み状態を示す断面図、図11は施工用治具を示す端面図、図12は施工用治具を型枠にセットした状態を示す断面図である。
【実施例】
【0016】
図1において、地面20には建物に沿わせる基礎溝21が形成され、基礎溝21の底部に割栗を投入して搗固た割栗層22が形成されている。この割栗層22上にはコンクリートを打って形成したフーチング層23が形成され、このフーチング層23上にはコンクリート基礎24が形成されている。このコンクリート基礎24の上端部にはアンカーボルト25の下部が埋設固定されて、アンカーボルト25の上端部がコンクリート基礎24の上面から突出させられている。このアンカーボルト25は、図1、図2において、コンクリート基礎24の幅方向中央から右側にずらして配置されているので、右側の角部24aがアンカーボルト25に外力が矢印B方向から作用したとき、アンカーボルト25からコンクリート基礎24に外力が直接入力された場合には、アンカーボルト25から受ける外力で角部24aが破壊されやすい傾向にある。
【0017】
しかし、コンクリート基礎24の上端部には、図1、図2に示したように、アンカーボルト25に対応して補強プレート26が埋設固定されている。このとき、アンカーボルト25には補強プレート26が遊挿されるとともに、上下のナット27a、27bが螺着され、下ナット27bは補強プレート26の下面側にてコンクリート基礎24に埋設される。
【0018】
補強プレート26は、コンクリート基礎24の上部に埋設された水平板部26aと、水平板部26aの左端と右端のそれぞれにおいて下方に向けて突設された側板部26b、26cを有する。側板部26cは必須とされない。側板部26bは、アンカーボルトに矢印Bで示した外力が作用する方向と反対側の側面において、コンクリート基礎24の上端部の側部に埋設係合している。この水平板部26aの上面はコンクリート基礎24の上面と面一に形成され、側板部26b、26cの外側面はコンクリート基礎24の側面と面一に形成されている。尚、この補強プレート26には金属プレートを用いることができるが、この場合にはコンクリート等に含まれる成分と化学反応をしない材質のものが用いられる。また、この補強プレート26には金属以外の合成樹脂材料やその他の材料を用いることもできる。要は、アンカーボルトBに作用する外力がアンカーボルト24からコンクリート基礎24に直接入力されて局部的に作用せず、この外力が分散されてコンクリート基礎24に入力されたコンクリート基礎24の部分的破損を防止できれば良い。
【0019】
尚、水平板部26aには、アンカーボルト25が遊挿されるボルト挿通穴28と確認穴29が形成されている。
【0020】
このような構造において、アンカーボルト25に水平方向の外力が矢印B方向から作用すると、この外力がアンカーボルト25の部分からコンクリート基礎24に直接入力されずに補強プレート26を介して分散して入力されることになる。この際、アンカーボルト25に作用する外力は、外力が作用する方向とは反対側の側板部26bを介してコンクリート基礎25に入力される。この結果、アンカーボルト25に大きな外力が矢印B方向から入力されても、この入力によりコンクリート基礎24のアンカーボルト25に対応する角部24aが破壊されるようなことは回避される。このように、コンクリート基礎24のアンカーボルト25に対応する角部24aが破壊されるのを未然に防止できる。
【0021】
尚、コンクリート基礎24の上面に据付けられる建物構造体の床梁1は、図3に示す如く、コンクリート基礎24の上面に突出しているアンカーボルト25に挿通され、アンカーボルト25に螺着される上ナット27Aによりコンクリート基礎24に締結される。
【0022】
しかるに、左右の対向する型枠30、30間で基礎24に埋設固定されるアンカーボルト25及び補強プレート26のセット高さ位置を簡易に調整可能にし、かつコンクリート打設時に補強プレート26を微妙に高さ調整可能にするための、施工用治具50について説明する。
【0023】
施工用治具50は、図4〜図6に示す如く、アンカープレート60と、アンカープレート60に設けられる型枠調整用ねじ70及び補強プレート調整用ねじ80とを有する。
【0024】
アンカープレート60は左右の対向する型枠30、30の上部に保持され、アンカーボルト25の上端部を保持する。アンカーボルト25を取着したアンカーボルト25の上端部をアンカープレート60の後述する第2水平片62に遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した2個のナット64a、64bによりアンカープレート60を挟み、アンカープレート60にアンカーボルト25を保持する。アンカープレート60は、例えば金属板の曲げ成形体又は樹脂成形体からなり、型枠調整用ねじ70を備える左右の第1水平片61と、左右の第1水平片61の間で補強プレート調整用ねじ80を備える中央の第2水平片62とを有し、第1水平片61から下方に折曲げた下向き折曲げ部63の下端に第2水平片62を設けている。アンカープレート60の第2水平片62はアンカーボルト25のためのボルト挿通孔64(大径ボルト用孔と小径ボルト用孔の2個のボルト挿通孔64)を備える。
【0025】
型枠調整用ねじ70は、アンカープレート60の左右に第1水平片61に螺着された蝶ねじからなり、ねじ先端を型枠30のフランジ31の上面に衝合し、型枠30に対するアンカープレート60の高さ位置を調整する。71はロックナットである。高さ位置を調整されたアンカープレート60は、第1水平片61を型枠30のフランジ31に締結するしゃこまん90により固定化される。
【0026】
補強プレート調整用ねじ80は、アンカープレート60の中央の第2水平片62に螺着された蝶ねじからなり、ねじ先端を補強プレート26のボルト挿通孔64を挟む左右の上面に衝合し、アンカープレート60に対する補強プレート26の高さ位置を調整する。
【0027】
ここで、施工用治具50は、アンカープレート60として、シングル用のアンカープレート60A(図4)と、ダブル用のアンカープレート60B(図5)を有する。
【0028】
シングル用のアンカープレート60Aは、図4に示す如く、基礎30の長手方向に沿う単一位置にアンカーボルト25のためのボルト挿通孔64(大径ボルト用孔と小径ボルト用孔の2個のボルト挿通孔64)を第2水平片62に備え、左右の第1水平片61に各2個の型枠調整用ねじ70を螺着され、第2水平片62に左右各2個の補強プレート調整用ねじ80を螺着される。
【0029】
ダブル用のアンカープレート60Bは、図5に示す如く、基礎30の長手方向に沿う長尺をなし、左右の長尺第1水平片61の間の両端2位置に互いに分離される2個の第2水平片62を備える。2個の第2水平片62のそれぞれにアンカーボルト25のためのボルト挿通孔64(大径ボルト用孔と小径ボルト用孔の2個のボルト挿通孔64)を備え、左右の長尺第1水平片61の両端部のそれぞれに型枠調整用ねじ70を螺着され、各第2水平片62に左右各2個の補強プレート調整用ねじ80を螺着される。
【0030】
図7、図8のユニット建物100の各建物ユニット101が据付けられる基礎において、建物ユニット101の長手方向において、建物100の外郭に位置するコーナー部に対応する部分に各1個のアンカーボルト25を設けるとき、相隣り合う建物ユニット101のための相隣るアンカーボルト25については、2個のシングル用のアンカープレート60Aを隣り合せて使用し(図7)、又は唯1個のダブル用のアンカープレート60Bを使用する(図8)。7個の建物ユニット101からなる建物100において、図7ではシングル用のアンカープレート60Aを16個使用し、図8ではシングル用のアンカープレート60Aを6個、ダブル用のアンカープレート60Bを5個使用するものになる。
【0031】
以下、コンクリート基礎24の施工手順について説明する。
(1)図9に示す如く、地面20に建物に沿わせる基礎溝21を形成し、基礎溝21の底部に割栗を投入して搗固て割栗層22を形成し、割栗層22上にコンクリートを打ったフーチング層23を形成する。次に、このフーチング層23上に型枠30、30を対向させると共に間隔を置いて配設し、この型枠30、30を図示しない支持部材で地面20に支持させる。
【0032】
(2)施工用治具50のアンカープレート60の左右の第1水平片61を、該第1水平片61に螺着されている型枠調整用ねじ70を介して型枠30のフランジ31の上面に載せる。型枠調整用ねじ70により型枠30に対するアンカープレート60の高さ位置を調整した後、しゃこまん90によりアンカープレート60の第1水平片61を型枠30のフランジ31に締結する。
【0033】
(3)アンカーボルト25の中間部に補強プレート26のボルト挿通穴28を遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した上下のナット27a、27bにより補強プレート26を挟み、アンカーボルト25に補強プレート26を取着する。補強プレート26に対するアンカーボルト25の首出し長さを一定長さにセットする。
【0034】
(4)補強プレート26を取着したアンカーボルト25の上端部をアンカープレート60の第2水平片62に遊挿し、かつアンカーボルト25に螺着した2個のナット64a、64bによりアンカープレート60の第2水平片62を挟み、アンカープレート60の第2水平片62にアンカーボルト25を保持させる。アンカーボルト25のフック25aがコンクリート基礎24の内部の所定位置たる厚み中央部に設定され得るように、このフック25aを相対する型枠30、30の間隔の概ね中央部にセットする。
【0035】
(5)補強プレート26の上下レベルを必要により調整する。アンカーボルト25に螺着してある上下のナット27a、27bを緩めることにより、補強プレート26は上下のナット27a、27bの間隔Lの範囲内で型枠30の内側面に沿って平行移動されてレベル調整できる。このとき、アンカープレート60の第2水平片62に螺着されている補強プレート調整用ねじ80によりアンカープレート60に対する補強プレート26の高さレベル、水平度を調整する。
【0036】
(6)型枠30、30間に生コンクリート33を図10に示したように流し込む。この際、生コンクリート33はアンカーボルト25の下部が没入するまで流し込むと共に、生コンクリート33を補強プレート26の部分まで満たす。しかも、このときに生コンクリート33がコンクリート確認穴29から上方に溢れ出始めたのを確認して、この位置で生コンクリートの流し込みを停止する。このようにすることで、補強プレート26を目安に生コンクリート33の流し込み高さを容易に確認できる。下ナット27bは補強プレート26の下面側にて生コンクリートに埋設される。このとき、アンカープレート60の第2水平片62に螺着されている補強プレート調整用ねじ80によりアンカープレート60に対する補強プレート26の高さレベル、水平度を再調整できる。
【0037】
(7)生コンクリート33を硬化した後、型枠30、30を取外して形成したコンクリート基礎24の周囲に土盛りすることで、コンクリート基礎24にアンカーボルト25及び補強プレート26が取付けられた基礎構造の施工が完了し、図1に示したような基礎構造が得られる。
【0038】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)アンカープレート60に設けた型枠調整用ねじ70が型枠30に衝合し、型枠30に対するアンカープレート60の高さ位置を調整する。従って、アンカープレート60に保持されているアンカーボルト25及び補強プレート26のセット高さ位置を簡易に調整することができる。
【0039】
(b)アンカープレート60に設けた補強プレート調整用ねじ80が補強プレート26に衝合し、アンカープレート60に対する補強プレート26の高さ位置を調整する。従って、補強プレート調整用ねじ80は、コンクリート打設時に、アンカーボルト25に固定した補強プレート26が生コンクリート33の圧力によって浮き上がるのに対抗し、補強プレート26が対向する型枠30間で傾くことを防止したり、微妙な高さ調整することができる。
【0040】
(c)アンカープレート60が型枠調整用ねじ70を備えた第1水平片61と、補強プレート調整用ねじ80を備えた第2水平片62とを有し、第1水平片61から下方に折曲げた下向き折曲げ部63の下端に第2水平片62を設けた。従って、アンカープレート60の第1水平片61が型枠調整用ねじ70を介して型枠30の上部に配置されたとき、第2水平片62を型枠30の内側下方に近づく側に配置するものになり、このアンカープレート60を全高の高い大型の型枠30に好適に適用にできる。
【0041】
(d)アンカープレート60が型枠30の長手方向に沿う複数位置のそれぞれにアンカーボルト保持部(ボルト挿通孔64)を備え、各アンカーボルト保持部(ボルト挿通孔64)毎に型枠調整用ねじ70と補強プレート調整用ねじ80を付帯して有するようにした。従って、基礎の近接する複数位置にアンカーボルト25を埋設固定するとき、単一のアンカープレート60(60B)によりそれらのアンカーボルト25及び補強プレート26に対応でき、アンカープレート60の使用個数を削減し、補強工数も削減できる。
【0042】
図11の施工用治具50Aは、アンカープレート60が型枠調整用ねじ70を備えた第1水平片61と、補強プレート調整用ねじ80を備えた第2水平片62を有するとき、第1水平片61から上方に折曲げた上向き折曲げ部63Aの上端に第2水平片62を設けたものである。
【0043】
この施工用治具50Aにあっては、図12に示す如く、アンカープレート60の第1水平片61が型枠調整用ねじ70を介して型枠30の上部に配置されたとき、第2水平片62を型枠60の上方に配置するものになり、このアンカープレート60を全高の低い小型の型枠30に好適に適用できる。
【0044】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1はアンカーボルト付基礎構造を示す断面図である。
【図2】図2はアンカーボルト付基礎構造を示す模式斜視図である。
【図3】図3はアンカーボルト付基礎構造に建物構造体を据付けた例を示す断面図である。
【図4】図4は施工用治具を示す平面図である。
【図5】図5は施工用治具を示す端面図である。
【図6】図6は施工用治具を示す端面図である。
【図7】図7は施工用治具をユニット建物に使用した位置を示す模式図である。
【図8】図8は施工用治具をユニット建物に使用した位置を示す模式図である。
【図9】図9は施工用治具を型枠にセットした状態を示す断面図である。
【図10】図10は生コンクリートの流し込み状態を示す断面図である。
【図11】図11は施工用治具を示す端面図である。
【図12】図12は施工用治具を型枠にセットした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
24 コンクリート基礎
25 アンカーボルト
26 補強プレート
30 型枠
50、50A 施工用治具
60 アンカープレート
61 第1水平片
62 第2水平片
63 下向き折曲げ部
63A 上向き折曲げ部
64 ボルト挿通孔(アンカーボルト保持部)
80 補強プレート調整用ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンカーボルトの中間部に設けた補強プレートをコンクリート基礎の上部に埋設固定してなるアンカーボルト付基礎構造の施工用治具であって、
アンカープレートと、該アンカープレートに設けられる補強プレート調整用ねじとを有し、
アンカープレートは対向する型枠の上部に保持され、アンカーボルトの上端部を保持し、
補強プレート調整用ねじは補強プレートに衝合し、アンカープレートに対する補強プレートの高さ位置を調整するアンカーボルト付基礎構造の施工用治具。
【請求項2】
前記アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から下方に折曲げた下向き折曲げ部の下端に第2水平片を設けた請求項1に記載のアンカーボルト付基礎構造の施工用治具。
【請求項3】
前記アンカープレートが型枠の上部に保持される第1水平片と、補強プレート調整用ねじを備えた第2水平片とを有し、第1水平片から上方に折曲げた上向き折曲げ部の上端に第2水平片を設けた請求項1に記載のアンカーボルト付基礎構造の施工用治具。
【請求項4】
前記アンカープレートが型枠の長手方向に沿う複数位置のそれぞれにアンカーボルト保持部を備え、各アンカーボルト保持部毎に補強プレート調整用ねじを付帯して有する請求項1〜3のいずれかに記載のアンカーボルト付基礎構造の施工用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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