説明

アンテナ取付装置

【課題】アンテナベース10に、大きな力が作用しても、電気的接続が維持されるアンテナ取付装置を提供する。
【解決手段】下方から取付ネジ18を係止部材20に嵌挿し、その先端部をアンテナベース10に螺入し、これを車体12の取付孔12aに上方から挿入する。係止部材20は、周縁部から上方への突起を開口用腕部20bとし、その中央部分を切り込み上側遊端部を係止爪20aとする。開口用腕部20bの切り込み下端の少し上方を第1関節部20cとして内側に上部を第2関節部20dとして外側にそれぞれく字状に折り曲げる。アンテナベース10に開口用腕部20bの上端部の上方と内外方の移動を規制する係止溝10eを設ける。取付ネジ18の締め付けで、開口用腕部20bの上端部が規制され第1と第2関節部20c、20dがより深く折り曲げらて突起の下部分を拡げ、一体の係止爪20aの先端を外方に拡げ、取付孔12aの周縁部に臨ませる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のルーフ等にアンテナベースを取り付けるアンテナ取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用アンテナ装置を車体のルーフ等に取り付ける従来のアンテナ取付装置の構造の一例として、特開2006−345245号公報に示されたものがある。この従来構造は、ルーフ等に穿設した取付孔に挿通できる係止部材に下方から頭部付きの取付ネジを嵌挿し、アンテナベースに下方から取付ネジの先端部を螺入し、取付ネジの螺入に伴い、係止部材の開口用腕部が折れ曲がり、この折れ曲がりによって係止部材の係止爪の先端を外方に拡げて取付孔の周縁部に臨ませ、ルーフ等の裏面に当接させてさらに食い込ませることで、係止部材を介してルーフ等とアンテナベースの電気的接続が確保されるように構成したものがある。
【特許文献1】特開2006−345245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示された従来技術にあっては、開口用腕部の上端がアンテナベースに設けた当接部に当接して、上方と内方への移動が規制されているので、取付ネジの螺入で開口用腕部のく字状の折れ曲がりがさらに強く折れ曲げられる。そこで、アンテナベースに、車体等の取付孔に対してその取付位置を相対的にずらすような大きな力が外方から作用すると、開口用腕部の上端がその位置を規制している当接部から離れる虞があり、これに伴い係止爪の先端がさらに拡がり、ルーフ等への食い込みがなくなって、電気的接続が遮断される可能性がある。
【0004】
本発明は、上述のごとき事情に鑑みてなされたもので、アンテナベースに、車体等の取付孔に対してその取付位置を相対的にずらすような大きな力が外方から作用しても、係止爪の先端がさらに拡がることがなく、電気的接続が確実に維持され得るアンテナ取付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するために、本発明のアンテナ取付装置は、車体に穿設した取付孔に挿通できる係止部材に下方から頭部付きの取付ネジを嵌挿し、アンテナベースに下方から前記取付ネジの先端部を螺入し、前記係止部材は、周縁部から上方に向けて複数の突起を突出し、前記突起を開口用腕部とするとともに前記突起の中央部分に上側を遊端部とする略コ字状の切り込みを設けて前記遊端部を係止爪とし、前記開口用腕部の前記切り込みの下端位置またはその少し上方に第1関節部を設けて断面が内側にく字状となるように折り曲げ、前記開口用腕部の上部に第2関節部を設けて断面が外側にく字状となるように折り曲げ、前記アンテナベースに前記開口用腕部の上端部を挿入して上方と内方および外方への移動を規制する係止溝を設け、前記取付ネジの締め付け螺入により前記開口用腕部の前記上端部が前記係止溝に挿入されるとともに前記第1関節部および第2関節部の断面のく字状がより深く折り曲げられることで前記突起の下部分を拡げ、この下部分が一体の前記係止爪の先端を外方に拡げて前記取付孔の周縁部に臨むように構成されている。
【0006】
また、車体に穿設した取付孔に挿通できる係止部材に下方から頭部付きの取付ネジを嵌挿し、アンテナベースに下方から前記取付ネジの先端部を螺入し、前記係止部材は、周縁部から上方に向けて複数の突起を突出し、前記突起を下部分が一体で上部分が縦に2つに分割し、前記上部分の2つに分割した一方を開口用腕部とするとともに他方を前記開口用腕部より上方への長さが短い係止爪とし、前記開口用腕部の前記一体となる位置またその少し上方に第1関節部を設けて断面が内側にく字状となるように折り曲げ、前記開口用腕部の上部に第2関節部を設けて断面が外側にく字状となるように折り曲げ、前記アンテナベースに前記開口用腕部の上端部を挿入して上方と内方および外方への移動を規制する係止溝を設け、前記取付ネジの締め付け螺入により前記開口用腕部の前記上端部が前記係止溝に挿入されるとともに前記第1関節部および第2関節部の断面のく字状がより深く折り曲げられることで前記突起の下部分を拡げ、この下部分が一体の前記係止爪の先端を外方に拡げて前記取付孔の周縁部に臨むように構成しても良い。
【0007】
そして、前記第1関節部および第2関節部を、肉厚を薄くする折り曲げ用溝を設けて構成することも可能である。
【0008】
また、前記突起の一体の前記下部分から前記係止爪に渡ってリブを設けて、前記突起の前記下部分に対して前記係止爪が折れ曲がりにくく構成することも可能である。
【0009】
さらに、前記係止爪の上端部を、上方が凸状に尖った形状に構成することも可能である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および2記載のいずれのアンテナ取付装置にあっても、開口用腕部の上端部がアンテナベースに設けた係止溝に挿入されて外方への相対的な移動が規制されているので、アンテナベースに取付孔に対してその相対的な取付位置をずらすような大きな力が外方から作用しても、開口用腕部の上端部はアンテナベースから離れることなくその相対的な位置が変化せず、その姿勢が維持されて、係止爪がさらに開くようなことがない。もって、車体等への係止爪の食い込みが維持できて、電気的接続が確実に維持され得る。
【0011】
請求項3記載のアンテナ取付装置にあっては、肉厚を薄くする折り曲げ用溝を設けて第1関節部および第2関節部を構成しているので、取付ネジの締め付けにより第1関節部と第2関節部の位置で確実に折り曲げることができる。しかも、第1関節部と第2関節部を折り曲げる力が小さくて足り、取付ネジの締め付けが容易である。
【0012】
請求項4記載のアンテナ取付装置にあっては、係止部材の周縁部から突出させた突起の一体の下部分から係止爪に渡ってリブを設けているので、このリブによる機械的強度の増強で、突起の下部分に対して係止爪が折れ曲がり難く、車体等に確実に食い込むことができる。
【0013】
請求項5記載のアンテナ取付装置にあっては、係止爪の上端部が上方に凸状に尖った形状であるので、車体の塗装面を容易に破って板金にまで確実に食い込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図8を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナ取付装置の第1実施例を分解した正面図である。図2は、本発明のアンテナ取付装置の第1実施例で用いる係止部材の平面図である。図3は、図2の係止部材の開口用腕部の部分を拡大した正面図である。図4は、図1に示す第1実施例のアンテナ取付装置を取付孔に上方から挿入して取付ネジを締め付けていない状態の正面図である。図5は、図1に示す第1実施例のアンテナ取付装置を取付孔に上方から挿入して取付ネジを締め付け螺入させて、係止爪を車体に食い込ませた状態の正面図である。図6は、図4の状態の縦断面図である。図7は、図4から図5への取付ネジの締め込み螺入の途中の状態の縦断面図である。図8は、図5の状態の縦断面図である。
【0015】
本発明のアンテナ取付装置の第1実施例において、アンテナベース10は、従来のアンテナ取付装置と同様に、その上側に図示しないケースが設けられ、このケース内に増幅回路等が適宜に収容配設され、またケースに図示しないアンテナエレメントの基端部が固定される。そして、アンテナベース10の下側には、図示しないゴムパッキン部材が配設されて、車体12に当接されて取付孔12aに配置される。
【0016】
そして、アンテナベース10は、導電金属で形成され、下面に平面が略正方形でその四隅が面取されたごとき形状の凸部10aが設けられ、この凸部10aの中央に外形が円柱状の円柱部10bが設けられ、その中央で上下方向に雌ネジ10cが螺設される。また、凸部10aの略正方形の4つの側方の周面に、下端面から上方に途中まで設けた規制溝10d、10d…が設けられ、この規制溝10d、10d…の上端面に、さらに上方に深く穿設された係止溝10e、10e…が設けられる。
【0017】
また、本発明のアンテナ取付装置の第1実施例の係止部材20は、導電金属板で形成され、下側に円形の底部を有し、この底部の周縁部から上方に向けて4つの突起を突出させ、これらの突起の中央部が、下側が突起に連結され上側が遊端部となるように略コ字状の切り込みが入れられて、この遊端部が係止爪20a、20a…とされ、その先端が上方に凸状に尖って形成される。突起は、開口用腕部20b、20b…とされ、略コ字状の切り込みの下端位置またはそれより少し上方の位置で内面側に肉厚を薄くする折り曲げ用溝を形成して第1関節部20c、20c…を設け、この第1関節部20c、20c…を折れ線として内側にく字状に少し折れ曲げる。さらに、開口用腕部20b、20b…の上部に外面側に肉厚を薄くする折り曲げ用溝を形成して第2関節部20d、20d…を設け、この第2関節部20d、20d…を折れ線として外側にく字状に少し折れ曲げる。そして、底部の中央には、取付ネジ挿通孔20eが穿設される。かかる形状の係止部材20は、アンテナベース10の凸部10aの平面寸法を超えないように設定されている。また、アンテナベース10の凸部10aの周面に設けられる規制溝10d、10d…に、開口用腕部20b、20b…が幅方向寸法でほぼ嵌合されるように挿入されて、取付ネジ18の締め付け回転方向への移動が規制されるように設定される。さらに、アンテナベース10の係止溝10e、10e…に、開口用腕部20b、20b…の上端部が挿入されて、その上端部が上方と内方および外方への移動が規制されるように設定される。また、突起の略コ字状の切り込みの下端位置より下側の一体化されている下部分から上方の係止爪20a、20a…に渡って、打ち出しによるリブ20f、20f…を設けて、係止爪20a、20a…の折り曲げ強度を大きなものとしている。
【0018】
さらに、取付ネジ18は、導電金属で形成され、平面六角形の頭部18aを備え、この頭部18aのネジ棒側に、フランジ部18bが形成される。
【0019】
アンテナの取付にあっては、アンテナベース10と係止部材20および取付ネジ18が、車体12の取付孔12aに組み付けられる。まず、係止部材20の取付ネジ挿通孔20eに、下方から取付ネジ18を挿通し、取付ネジ18の先端部をアンテナベース10の雌ネジ10cに螺入させて一体化される。ここで、取付ネジ18を適宜な長さだけ螺入させると、係止部材20の開口用腕部20b、20b…の上端部が、アンテナベース10に設けた係止溝10e、10e…の上端面に当接する。かかる状態では、係止溝10e、10e…により開口用腕部20b、20b…の上端部が上方と内方および外方のいずれにも移動が規制され、また規制溝10d、10d…により開口用腕部20b、20b…が取付ネジ18の締め付け回転方向への移動が規制される。
【0020】
かかる一体化されたアンテナベース10と係止部材20および取付ネジ18を、車体12に穿設された取付孔12aに、図4に示すごとく、上方から挿入する。この取付孔12aは、アンテナベース10の凸部10aの平面寸法より僅かに大きな寸法に設定されている。かかる状態にあっては、図6に示すごとく、係止爪20a、20a…は、拡がっていない。そして、かかる状態から、取付ネジ18を締め付けると、まず図7に示すごとく、係止溝10e、10e…の上端面により、係止部材20の開口用腕部20b、20b…の上端部が上方への移動を規制されるため、開口用腕部20b、20b…には上方からの圧縮方向の力が作用する。ここで、開口用腕部20b、20b…の上端部は、係止溝10e、10e…により内方および外方への移動が規制されているので、第1関節部20c、20c…および第2関節部20d、20d…の断面く字状の折れ曲がりがさらに強く折れ曲がり、係止部材20の突起が拡げられる。この突起の拡がりに伴い、下部分が一体化されて形成された係止爪20a、20a…も拡げられ、その先端部が取付孔12aの周縁部に臨む状態となる。さらなる取付ネジ18の締め付けにより、図8に示すごとく、開口用腕部20b、20b…は第1関節部20c、20c…および第2関節部20d、20d…の断面く字状の折れ曲がりがさらに一層強く折れ曲がり、係止部材20の突起がさらに拡げられる。この突起のさらなる拡がりに伴い、係止爪20a、20a…もさらに拡げられ、その先端部も取付孔12aのさらに外側の周縁部に臨むとともに尖った先端部が車体12の裏面の塗装面を破って板金に食い込む。最終的には、係止部材20の底部がアンテナベース10の円柱部10bの下端面と取付ネジ18のフランジ部18bに挟まれて、これ以上の取付ネジ18の締め付け螺入ができない状態となる。この取付ネジ18の締め付け螺入ができない状態となる前の適宜な状態で、係止爪20a、20a…の先端が取付孔12aの周縁部の車体12の裏面に当接して食い込むように設定することは勿論である。この係止爪20a、20a…の先端が車体12に食い込むためには、係止爪20a、20a…が容易に折れ曲がれない必要がある。そこで、リブ20f、20f…を設けたことで、係止爪20a、20a…の機械的強度が増大して、食い込みが良くなる。また、係止爪20a、20a…の先端を尖らせることでも、食い込みが良くなる。
【0021】
かかる構成の第1実施例にあっては、係止爪20a、20a…が車体12に食い込んだ締め付け状態においても、開口用腕部20b、20b…の上端部はアンテナベース10の係止溝10e、10e…により上方と内方および外方のいずれにも移動が規制されている。そこで、アンテナベース10に車体12の取付孔12aに対してその取付位置を相対的にずらすような大きな力が外方から作用しても、アンテナベース10に対して開口用腕部20b、20b…の上端部の相対的な位置が変化せず、開口用腕部20b、20b…の強く折り曲げられた状態の姿勢が変化せずに維持される。そこで、係止爪20a、20a…の姿勢も変化せず、係止爪20a、20a…がさらに開いて車体12への食い込みがなくなるようなことがない。したがって、係止部材20を介しての車体12とアンテナベース10の電気的接続が確実に維持され得る。
【0022】
次に、本発明の第2実施例を図9を参照して説明する。図9は、本発明のアンテナ取付装置の第2実施例で用いる係止部材の正面図である。図9において、図1ないし図8と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0023】
第2実施例で用いる係止部材40は、導電金属板で形成され、下側に円形の底部を有し、この底部の周縁部から上方に向けて4つの突起を突出させ、これらの突起に上縁部から下方に向けて途中までの切り込みが設けられ、下部分が一体で上部分が縦割りで2つに分割される。この2つに分割された一方を係止爪40aとし、他方が開口用腕部40bとされる。係止爪40aは先端が上方に凸状に尖って形成され、また上方への長さは、開口用腕部40bの長さより短く設定される。そして、開口用腕部40bは、切り込みの下端位置またはそれより少し上方の位置で内面側に肉厚を薄くする折り曲げ用溝を設けて第1関節部40c、40c…を設け、この第1関節部40c、40c…を折れ線として内側にく字状に少し折れ曲げる。さらに、開口用腕部40b、40b…の上部に外面側に肉厚を薄くする折り曲げ用溝を設けて第2関節部40d、40d…を設け、この第2関節部40d、40d…を折れ線として外側にく字状に少し折れ曲げる。係止部材40の底部の中央には、第1実施例と同様に、取付ネジ挿通孔が穿設され、係止部材40の平面寸法がアンテナベース10の凸部10aの平面寸法を超えないように設定されている。なお、アンテナベース10の凸部10aの周面に設けられる規制溝10d、10d…および開口用腕部40b、40b…の上端部が挿入される係止溝10e、10e…は、第2の実施例の係止部材40に応じて適宜に設けることは勿論である。さらに、切り込みの下端位置より下側の一体化されている下部分から上方の係止爪40a、40a…に渡って、打ち出しによるリブ40f、40f…を設けて、係止爪40a、40a…の折り曲げ強度を大きなものすることも、第1実施例と同様である。
【0024】
なお、上記第1実施例および第2実施例のいずれにあっても、係止爪20a、20a…、40a、40a…は、それぞれに4本設けられているが、係止爪の本数はこれに限られるものでない。アンテナベース10を車体12に電気的導通させるためには係止爪は1本以上あれば良い。そして、取付孔12aの周縁部に略均等分割位置に当接するように3本以上の係止爪が設けられれば、係止爪が車体12の裏面に当接して食い込む際に、車体12に対してアンテナベース10を傾かせるように回動させる方向の力を作用させることなく固定させることができ、車体12に歪みを生じさせる虞がない。また、係止爪20a、20a…、40a、40a…により、アンテナベース10を車体12に電気的導通させる必要がないならば、係止部材20、40は導電性である必要はなく適宜に塑性変形できるものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明のアンテナ取付装置の第1実施例を分解した正面図である。
【図2】本発明のアンテナ取付装置の第1実施例で用いる係止部材の平面図である。
【図3】図2の係止部材の開口用腕部の部分を拡大した正面図である。
【図4】図1に示す第1実施例のアンテナ取付装置を取付孔に上方から挿入して取付ネジを締め付けていない状態の正面図である。
【図5】図1に示す第1実施例のアンテナ取付装置を取付孔に上方から挿入して取付ネジを締め付け螺入させて、係止爪を車体に食い込ませた状態の正面図である。
【図6】図4の状態の縦断面図である。
【図7】図4から図5への取付ネジの締め込み螺入の途中の状態の縦断面図である。
【図8】図5の状態の縦断面図である。
【図9】本発明のアンテナ取付装置の第2実施例で用いる係止部材の正面図である。
【符号の説明】
【0026】
10 アンテナベース
10a 凸部
10b 円柱部
10c 雌ネジ
10d 規制溝
10e 係止溝
12 車体
12a 取付孔
18 取付ネジ
18a 頭部
18b フランジ部
20、40 係止部材
20a、40a 係止爪
20b、40b 開口用腕部
20c、40c 第1関節部
20d、40d 第2関節部
20e 取付ネジ挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に穿設した取付孔に挿通できる係止部材に下方から頭部付きの取付ネジを嵌挿し、アンテナベースに下方から前記取付ネジの先端部を螺入し、前記係止部材は、周縁部から上方に向けて複数の突起を突出し、前記突起を開口用腕部とするとともに前記突起の中央部分に上側を遊端部とする略コ字状の切り込みを設けて前記遊端部を係止爪とし、前記開口用腕部の前記切り込みの下端位置またはその少し上方に第1関節部を設けて断面が内側にく字状となるように折り曲げ、前記開口用腕部の上部に第2関節部を設けて断面が外側にく字状となるように折り曲げ、前記アンテナベースに前記開口用腕部の上端部を挿入して上方と内方および外方への移動を規制する係止溝を設け、前記取付ネジの締め付け螺入により前記開口用腕部の前記上端部が前記係止溝に挿入されるとともに前記第1関節部および第2関節部の断面のく字状がより深く折り曲げられることで前記突起の下部分を拡げ、この下部分が一体の前記係止爪の先端を外方に拡げて前記取付孔の周縁部に臨むように構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項2】
車体に穿設した取付孔に挿通できる係止部材に下方から頭部付きの取付ネジを嵌挿し、アンテナベースに下方から前記取付ネジの先端部を螺入し、前記係止部材は、周縁部から上方に向けて複数の突起を突出し、前記突起を下部分が一体で上部分が縦に2つに分割し、前記上部分の2つに分割した一方を開口用腕部とするとともに他方を前記開口用腕部より上方への長さが短い係止爪とし、前記開口用腕部の前記一体となる位置またその少し上方に第1関節部を設けて断面が内側にく字状となるように折り曲げ、前記開口用腕部の上部に第2関節部を設けて断面が外側にく字状となるように折り曲げ、前記アンテナベースに前記開口用腕部の上端部を挿入して上方と内方および外方への移動を規制する係止溝を設け、前記取付ネジの締め付け螺入により前記開口用腕部の前記上端部が前記係止溝に挿入されるとともに前記第1関節部および第2関節部の断面のく字状がより深く折り曲げられることで前記突起の下部分を拡げ、この下部分が一体の前記係止爪の先端を外方に拡げて前記取付孔の周縁部に臨むように構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項3】
請求項1または2記載のアンテナ取付装置において、前記第1関節部および第2関節部を、肉厚を薄くする折り曲げ用溝を設けて構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のアンテナ取付装置において、前記突起の一体の前記下部分から前記係止爪に渡ってリブを設けて、前記突起の前記下部分に対して前記係止爪が折れ曲がりにくく構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項5】
請求項1または2記載のアンテナ取付装置において、前記係止爪の上端部を、上方が凸状に尖った形状に構成したことを特徴とするアンテナ取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−17329(P2009−17329A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177986(P2007−177986)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】