説明

アンテナ取付装置

【課題】小型のアンテナ取付装置で、仰角および偏波角を調整できる。
【解決手段】マスト受け金具133と固定具132との間にマストが挟持して取り付ける。固定具132に対して所定角度範囲で回動可能に角度調整具131の本体部131aに固着することにより偏波角が調整できる。アンテナケース120の上ケース120aに、第1支持片121aと、第1支持片121aの上半分の形状の第2支持片121bとを側面から突出して形成し、下ケース120bに、第1支持片121aの下半分の形状の第3支持片121cを側面から突出して形成する。上ケース120aを下ケース120bに嵌合することにより、角度調整具131の突出部131dの一面から突出している軸部124を第2支持片121bと第3支持片121cの間に支持し、第1支持片121aの挿通孔に挿通した長ボルト122を突出部131dの他面の孔部に螺着して仰角を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置の仰角および偏波角を調整可能に支持するアンテナ取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地上デジタル放送は、従来のアナログ放送と異なり、一定レベル以上での到来電波を受信できさえすればデジタル信号であることから鮮明な映像を得られる。従って、地上デジタル放送を受信するアンテナは必ずしも高利得である必要はない。このため、従来のアンテナに比べ、小型で扱いやすい形状のアンテナが期待されており、最近では、そのようなアンテナも生産されるようになってきた。
しかし、高利得なアンテナでなくても良いとはいえ、アンテナの調整に自由度を持たせて、より受信感度が高くなるようになれば、取付場所などにおいて更に利便性が良くなる。また、アンテナが取り付けられるマストが若干傾いている場所にアンテナを設置する場合でも、マストの傾きを補正できるようにアンテナを設置することができれば、電波をより良好に受信出来るようになる。さらに、住宅街やビル街等では建造物により電波が反射されることから、アンテナをやや上空に向けて設置した方が、受信感度が良くなる事も起こり得る。このような場合には、アンテナの仰角および偏波角を調整することにより解決することができる。
従来からアンテナの仰角および偏波角を調整することのできるアンテナ取付装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−9517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のアンテナの仰角および偏波角を調整することのできるアンテナ取付装置は、構造が複雑で大型になってしまい小型のアンテナに適用することが不向きであるという問題点があった。
そこで、本発明はアンテナ装置の仰角および偏波角を調整することのできる小型のアンテナに適用可能なアンテナ取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のアンテナ取付装置は、厚さの薄くされた直方体状とされているアンテナ装置の仰角および偏波角を調整可能に支持するアンテナ取付装置であって、側面から突出するよう形成された第1挿通孔が形成されている第1支持片と、該第1支持片の上半分の形状とされ第1半円溝が形成されている第2支持片とを有する上ケースを、前記第1支持片の下半分の形状とされ第2半円溝が形成されている第3支持片を有する下ケースに被せるよう嵌合可能とされ、嵌合した際に前記第2支持片と前記第3支持片とが当接して前記第1半円溝と前記第2半円溝とにより第2挿通孔が形成され、内部に平面状のアンテナが収納されているアンテナケースと、前記アンテナ装置が取り付けられる被支持物に固着可能な固定具と、該固定具に対して第1の面内において回動可能に支持されるよう前記固定具に取り付けられる本体部と、前記第1の面と直交する第2の面内において前記アンテナ装置を回動可能とするよう前記第1支持片と、前記第2支持片と第3支持片とからなる支持片との間に配置されて回動可能に支持すると共に、前記本体部の一面から突出して形成されている突出部とを備える角度調整具とを備え、前記突出部の一方の側面から突出している軸部が、前記第1半円溝と前記第2半円溝とにより形成された第2挿通孔に挿通されると共に、前記第1支持片の前記第1挿通孔に、前記第1支持片の前記第2支持片と対面していない面から挿通された螺着手段が、前記突出部の他方の側面に形成された孔部に螺着されることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、突出部の一方の側面から突出している軸部が、第1半円溝と第2半円溝とにより形成された第2挿通孔に挿通されると共に、第1支持片の第1挿通孔に、第1支持片の第2支持片と対面していない面から挿通された螺着手段が、突出部の他方の側面に形成された孔部に螺着されることから、角度調整具により仰角および偏波角の両方を調整することができ、小型のアンテナ装置に適したアンテナ取付装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置を垂直面内において90°回転させた際の状態を示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す側面図である。
【図5】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す下面図である。
【図6】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す背面図である。
【図7】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す正面図である。
【図8】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す側面図である。
【図9】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す背面図である。
【図10】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す平面図である。
【図11】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着する準備工程の状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着する準備工程の状態の一部を拡大して示す斜視図である。
【図13】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着した状態を示す斜視図である。
【図14】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着した状態を示す側面図である。
【図15】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着して仰角を下に向けた状態を示す側面図である。
【図16】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具をアンテナケースに固着して仰角を上に向けた状態を示す側面図である。
【図17】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における第2支持片を第2起立部に軸支する構成の一例を示す斜視図である。
【図18】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における第2支持片を第2起立部に軸支する構成の他の例を示す斜視図である。
【図19】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における第2支持片を第2起立部に軸支する構成のさらに他の例を示す斜視図である。
【図20】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における第2支持片を第2起立部に軸支する構成のさらに他の例を示す斜視図である。
【図21】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す正面図である。
【図22】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す下面図である。
【図23】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す背面図である。
【図24】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す側面図である。
【図25】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具を固定具に固着する準備工程の状態を示す斜視図である。
【図26】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置における角度調整具を固定具に固着した状態を示す斜視図である。
【図27】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置において偏波角を0°に調整した場合の状態を示す図である。
【図28】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置において偏波角を約30°に調整した場合の状態を示す図である。
【図29】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置において偏波角を約60°に調整した場合の状態を示す図である。
【図30】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置において偏波角を約90°に調整した場合の状態を示す図である。
【図31】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナ装置をマストに取り付ける準備工程を示す斜視図である。
【図32】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナ装置をマストに取り付ける第1工程を示す斜視図である。
【図33】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナ装置をマストに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図34】本発明の第1実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナ装置を壁面に取り付ける場合を示す斜視図である。
【図35】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す下面図である。
【図36】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す側面図である。
【図37】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。
【図38】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す他の分解斜視図である。
【図39】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す断面図である。
【図40】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す側面図である。
【図41】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す正面図である。
【図42】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す斜視図である。
【図43】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具の構成を示す他の斜視図である。
【図44】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す断面図である。
【図45】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す側面図である。
【図46】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す正面図である。
【図47】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す斜視図である。
【図48】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における固定具の構成を示す他の斜視図である。
【図49】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す下面図である。
【図50】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す一側面図である。
【図51】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す他の側面図である。
【図52】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの構成を示す分解斜視図である。
【図53】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの上ケースの構成を示す下面図である。
【図54】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの上ケースの構成を示す一側面図である。
【図55】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの上ケースの構成を示す他の側面図である。
【図56】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの下ケースの構成を示す上面図である。
【図57】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの下ケースの構成を示す一側面図である。
【図58】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置におけるアンテナケースの下ケースの構成を示す他の側面図である。
【図59】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置を水平に向けた状態を示す示す図である。
【図60】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置を下方へ向けた状態を示す示す図である。
【図61】本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置を上方へ向けた状態を示す示す図である。
【図62】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具を固定具に対して回動可能に固着する部分のみの構成を示す斜視図である。
【図63】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置における角度調整具を固定具に対して回動可能に固着する部分のみの構成を示す他の斜視図である。
【図64】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して0°回動した際の角度調整具と固定具との関係を示す図である。
【図65】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して0°回動した際の第2扇状凸部の第1扇状溝部内の回動態様を示す図である。
【図66】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して30°時計方向に回動した際の角度調整具と固定具との関係を示す図である。
【図67】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して30°時計方向に回動した際の第2扇状凸部の第1扇状溝部内の回動態様を示す図である。
【図68】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して60°時計方向に回動した際の角度調整具と固定具との関係を示す図である。
【図69】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して60°時計方向に回動した際の第2扇状凸部の第1扇状溝部内の回動態様を示す図である。
【図70】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して90°時計方向に回動した際の角度調整具と固定具との関係を示す図である。
【図71】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置において角度調整具を固定具に対して90°時計方向に回動した際の第2扇状凸部の第1扇状溝部内の回動態様を示す図である。
【図72】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置においてアンテナ装置をマストに取り付ける取付方法を示す図である。
【図73】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置においてアンテナ装置をマストに取り付ける取付方法を示す他の図である。
【図74】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置においてアンテナ装置をマストに取り付ける取付方法を示すさらに他の図である。
【図75】本発明の第2実施例のアンテナ取付装置においてアンテナ装置を平面部に取り付ける取付方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す分解斜視図を図1に示す。
図1に示すアンテナ装置1は、アンテナ部2の仰角および偏波角を調整することのできる小型のアンテナ取付装置3を備えている。アンテナ部2は、厚さの薄くされた直方体状のアンテナケース20を有し、アンテナケース20内に平面状のアンテナが収納されている。このアンテナは、例えば地上波デジタル放送を受信することができるアンテナとすることができる。
【0009】
アンテナ部2におけるアンテナケース20は電波透過性の樹脂材を成形することにより構成されており、樹脂材は例えばAES(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体)樹脂やアクリル樹脂のように誘電率の低い樹脂材とされている。アンテナケース20の内部には特願2005−205131で提案した平面アンテナなどの小型で厚みの薄い平面状のアンテナが収納されている。アンテナケース20は、例えば縦の長さが約230mm、横の長さが約150mmとされており、厚さは収納されるアンテナの構成によるが約10mm〜30mmとすることができる。アンテナケース20の詳細構成を図4ないし図6に示す。図4は、アンテナケース20の構成を示す側面図であり、図5はアンテナケース20の構成を示す下面図であり、図6はアンテナケース20の構成を示す背面図である。これらの図に示すように、アンテナケース20の下面における長辺の一方の縁部から一対の第1支持片21aと第2支持片21bとが斜め下方へ突出するよう形成されている。第1支持片21aと第2支持片21bの先端は半円状に形成されている。第1支持片21aには第1挿通孔23aが形成されており、図示されていない裏面であって第1挿通孔23aの周囲に放射状の鋸歯状部が形成されている。また、第2支持片21bには第2挿通孔23bが形成されており、図示されていない裏面であって第2挿通孔23bの周囲にも放射状の鋸歯状部が形成されている。
【0010】
アンテナ取付装置3は、角度調整具31、固定具32、マスト受け金具33、コの字ボルト34、蝶ボルト35および一対の蝶ナット36を備えている。角度調整具31、固定具32はAES樹脂等の樹脂材を成形することにより、あるいは金属製とされており、マスト受け金具33は金属板を加工することにより作成されている。
角度調整具31の詳細構成を図7ないし図10に示す。図7は角度調整具31の構成を示す正面図であり、図8は角度調整具31の構成を示す側面図であり、図9は角度調整具31の構成を示す背面図であり、図10は角度調整具31の構成を示す平面図である。
【0011】
これらの図に示すように角度調整具31は、上部が矩形状とされ中央部から次第に幅が狭くされると共に下部が半円状に形成されている本体部31aを有し、本体部31aの下部に第1挿通孔31cが形成されている。本体部31aの一面において、第1挿通孔31cの周囲に放射状の第1鋸歯状部31bがリング状に形成されている。また、本体部31aの他面には一対とされる第1起立部31dと第2起立部31gが対面して突出するよう設けられている。第1起立部31dと第2起立部31gは上部から下部に向かう方向に長く形成されている。第1起立部31dにはネジ孔31fが形成され、ネジ孔31fの周囲に放射状の第2鋸歯状部31eが第1起立部31dの一面において形成されている。また、図17に示すように第2起立部31gの一面からは所定長の軸部31hが第1起立部31dに向かって突出するよう形成され、第2起立部31gの一面である軸部31hの根本の周囲に放射状の第3鋸歯状部31iが形成されている。
【0012】
固定具32の詳細構成を図21ないし図24に示す。図21は固定具32の構成を示す正面図であり、図22は固定具32の構成を示す下面図であり、図23は固定具32の構成を示す背面図であり、図24は固定具32の構成を示す側面図である。
これらの図に示すように、固定具32の外形は角度調整具31とほぼ同様の形状とされており、上部に矩形状に一面から突出している挟持部32bと、挟持部32bの下に位置し中央部から次第に幅が狭くされると共に下部が半円状に形成されている本体部32aを有し、本体部32aの下部にネジ孔32fが形成されている。固定具32の上部に形成されている挟持部32bは、本体部32aから一面側へ突出するよう厚く形成されており両側にそれぞれ第1貫通孔32cと第2貫通孔32dが設けられている。また、挟持部32bの一面において、ほぼ中央部にV字状溝部32eが縦方向に形成されている。このV字状溝部32eには、アンテナ装置1が固着されるマストが抱持されてマスト受け金具33とによりマストが挟持されるようになる。また、挟持部32bの他面において第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dの周囲に、第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dに挿通されるネジの頭部が収納可能な円形の凹部が設けられている。さらに、第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dを結ぶ横方向にU字状溝32hが形成されている。このU字状溝32hには後述するコの字ボルト34が収納される。この場合、コの字ボルト34は第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dに挿通される。
【0013】
金属板を加工することにより作成されているマスト受け金具33は、横長に形成されてほぼ中央部にV字状に折曲されたV字部33aが形成されている。マスト受け金具33は、上部と下部とが内側にほぼ直交するよう折曲されて曲げ荷重に強くなるようにされており、上部と下部における折曲部のV字部33aの内側にマストに喰い込む複数の尖った歯が形成されている。また、V字部33aの右側には長溝33bが形成され、V字部33aの左側には長孔33cが形成されている。長溝33bと長孔33cには、コの字ボルト34の端部が挿通される。長溝33bと長孔33cに挿通されて突出したコの字ボルト34の先端には、一対の蝶ナット36が螺着される。また、第1支持片21aの第1挿通孔23aに蝶ボルト22が挿通されて、角度調整具31の第1起立部31dにおけるネジ孔31fに螺合される。さらに、角度調整具31の第1挿通孔31cには蝶ボルト35が挿通されて固定具32のネジ孔32fに螺合される。
【0014】
本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置3を備えるアンテナ装置1の構成を示す側面図を図2に、アンテナ装置1を垂直面内において90°回転させた際の状態を示す側面図を図3に示す。ただし、図2および図3においてはマスト受け金具33、コの字ボルト34および蝶ナット36は省略されて示されている。
図2および図3に示すように、アンテナケース20に設けられている第1支持片21aは蝶ボルト22により角度調整具31に設けられている第1起立部31dに固着されている。また、第2支持片21bは第2起立部31gに回転可能に軸支されている。第2支持片21bを第2起立部31gに軸支する構成の一例を図17に示す。図17に示すように第2起立部31gの一面からは所定長さの軸部31hが突出するよう形成されており、この軸部31hを第2支持片21bにおける第2挿通孔23bに挿通することにより、第2支持片21bは第2起立部31gに回転可能に支持されている。なお、第2起立部31gの一面における軸部31hの根本の周囲には放射状の第3鋸歯状部31iが形成されている。
【0015】
ここで、図11ないし図14に角度調整具31をアンテナ部2におけるアンテナケース20に固着する作業工程を示す。図11は角度調整具31をアンテナケース20に固着する準備工程の状態を示す斜視図であり、図12は図11に示す状態の一部を拡大して示す斜視図であり、図13は角度調整具31をアンテナケース20に固着した状態を示す斜視図である。
角度調整具31をアンテナケース20に固着するには、図11に示すように角度調整具31の第1起立部31dをアンテナケース20の第1支持片21aに位置合わせすると共に、第2起立部31gをアンテナケース20の第2支持片21bに位置合わせする。そして、図12に示す第2起立部31gに形成されている軸部31hを第2支持片21bに形成されている第2挿通孔23bに挿通する。次いで、蝶ボルト22を第1支持片21aに形成されている第1挿通孔23aに挿通して第1起立部31dに形成されているネジ孔31fに螺合する。これにより、図13に示すように蝶ボルト22により角度調整具31がアンテナケース20に固着される。この場合、蝶ボルト22および軸部31hを回転中心としてアンテナケース20は角度調整具31に回転可能に固着される。図13に示す固着状態の側面図を図14に示す。
【0016】
このようにアンテナケース20は角度調整具31に回転可能に固着されていることから、図2に示す構成において蝶ボルト22を緩めるとアンテナケース20は蝶ボルト22および軸部31hを回転中心として上下に回転できるようになり、図15に示すように仰角を下に向けたり、図16に示すように仰角を上に向けた状態に調整することができる。このように、アンテナ部2の仰角を調整した状態において、蝶ボルト22を緊締することにより、第1支持片21aの他面に形成されている鋸歯状部と第1起立部31dの一面に形成されている第2鋸歯状部31eとが歯合するようになると共に、第2支持片21bの他面に形成されている鋸歯状部と第2起立部31gの一面に形成されている第3鋸歯状部31iとが歯合するようになる。鋸歯状部同士が歯合した結果、アンテナ部2は角度調整具31に対して回転不能となり、調整した仰角を維持することができるようになる。
【0017】
次に、図25および図26に角度調整具31を固定具32に固着する作業工程を示す。図25は角度調整具31を固定具32に固着する準備工程の状態を示す斜視図であり、図26は角度調整具31を固定具32に固着した状態を示す斜視図である。
角度調整具31を固定具32に固着するには、図25に示すように角度調整具31の本体部31aに形成されている第1挿通孔31cを固定具32の本体部32aに形成されているネジ孔32fに位置合わせする。そして、蝶ボルト35を角度調整具31における第1挿通孔31cに挿通して固定具32におけるネジ孔32fに螺合する。これにより、図26に示す斜視図のように蝶ボルト35により角度調整具31が固定具32に固着される。この場合、蝶ボルト35を回転中心として角度調整具31は固定具32に回転可能に固着される。
【0018】
このように角度調整具31は固定具32に回転可能に固着されていることから、図2に示す構成において蝶ボルト35を緩めると角度調整具31が固定具32に対して蝶ボルト35を回転中心として回転可能となり、角度調整具31とアンテナ部2とが一体となって回転することからアンテナ部2の偏波角の調整を行うことができる。この場合、図2に示す状態に調整した場合はアンテナ部2は水平偏波を受信できるようになり、図3に示すようにアンテナケース20が垂直になるよう約90°回転させた場合は、アンテナ部2で垂直偏波を受信できるようになる。偏波角の調整を行う場合の固定具32に対する角度調整具31の状態を図27ないし図30に示す。図27は、偏波角を0°として水平偏波を受信するよう調整した状態を示す図であり、固定具32に同形状とされている角度調整具31は重なるようになる。また、図28は偏波角を約30°となるよう調整した状態を示す図であり、固定具32に対して角度調整具31は約30°傾いて固着されるようになる。さらに、図29は偏波角を約60°となるよう調整した状態を示す図であり、固定具32に対して角度調整具31は約60°傾いて固着されるようになる。さらにまた、図30は偏波角を約90°となるよう調整して垂直偏波を受信できる状態を示す図であり、固定具32に対して角度調整具31は約90°傾いて固着されるようになる。このようにして、アンテナ部2における偏波角の調整が終了した際に、蝶ボルト35を緊締することにより角度調整具31の一面に形成されている第1鋸歯状部31bが固定具32の他面に形成されている第4鋸歯状部32gに歯合するようになる。これにより、角度調整具31に固着されているアンテナ部2は固定具32に対して回転不能となり、調整した偏波角を維持することができるようになる。
【0019】
以上説明した角度調整具31は、第1鋸歯状部31bが固定具32における第4鋸歯状部32gに歯合していることから、固定具32に対して所定の角度ずつ回転することができるようになる。この所定の角度は、第1鋸歯状部31bと第4鋸歯状部32gの山と山の間隔により決定され、例えば約15°とされている。この角度はアンテナ部2の指向性の鋭さ(半値角)に応じて決定するのが好適である。指向性が鋭い場合は、両鋸歯状部の山と山との間隔を小さくして所定の角度を10°や5°に設定し、指向性がブロードの場合は、両鋸歯状部の山と山との間隔を大きくして所定の角度を20°や25°に設定することが好適とされる。
【0020】
次に、図31ないし図33に本発明の第1実施例にかかるアンテナ取付装置3を備えるアンテナ装置1をマストに取り付ける作業工程を示す。図31はアンテナ装置1をマストに取り付ける準備工程を示す斜視図であり、図32はアンテナ装置1をマストに取り付ける第1工程を示す斜視図であり、図33はアンテナ装置1をマストに取り付けた状態を示す斜視図である。
アンテナ装置1をマストに取り付けるには、図31に示すようにコの字ボルト34のネジ部が設けられているコの字に折曲された両端部を固定具32における挟持部32bに形成されている第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dに、固定具32の他面側から挿通して図32に示す状態とする。この場合、コの字ボルト34の中央部は挟持部32bの他面に形成されている図23および図24に示す構成とされるU字状溝32h内に嵌入される。これにより、固定具32に角度調整具31を取り付けても角度調整具31の一面にコの字ボルト34が接触あるいは当接することを防止することができる。次いで、固定具32の一面側から突出したコの字ボルト34の両端部を、固定具32に位置合わせされたマスト受け金具33の長溝33bおよび長孔33cにそれぞれ挿通し、マスト受け金具33の長溝33bおよび長孔33cに挿通されて突出したコの字ボルト34の両先端に蝶ナット36をそれぞれ螺合する。蝶ナット36をコの字ボルト34の両先端に螺合した状態が図33に示す状態となる。図32および図33においては図示されていないが、固定具32とマスト受け金具33との間にアンテナ装置1が取り付けられるマストが挟持され、蝶ナット36をコの字ボルト34の両先端に螺着することにより、挟持部32bに形成されているV字状溝部32eに抱持されたマストにV字部33aの内側に形成されている複数の尖った歯が喰い込んで確実に固着されるようになる。
【0021】
なお、本発明にかかるアンテナ取付装置3はマストに替えて建造物の壁面にも取り付けることができる。壁面に取り付ける場合は、図34に示すように一対のネジ38を固定具32の他面側から挟持部32bに形成されている第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dにそれぞれ挿通して壁面等に螺着すればよい。ネジ38は、取り付ける壁面の材質に応じたネジ、例えば木ネジ、タップネジやコンクリートネジとされる。なお、ネジ38の頭部は図23に示す第1貫通孔32cおよび第2貫通孔32dの周囲であるU字状溝32hの底面に形成されている円形の凹部内に収納される。
【0022】
上記の説明においては第2支持片21bを第2起立部31gに軸支する構成の一例を図17に示したが、他の構成を図18に示す。
図18に示す構成では、第2起立部31gに第3挿通孔31jが形成されていると共に、第2支持片21bにはネジ孔23dが形成されており、この第3挿通孔31jの他面側から蝶ボルト37が挿通されて第2支持片21bのネジ孔23dに螺合される。これにより、第2支持片21bは第2起立部31gに回転可能に支持されるようになる。なお、第2起立部31gの一面において第3挿通孔31jの周囲には放射状の第3鋸歯状部31iが形成されている。ここで、蝶ボルト37が緩められている場合は、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転可能とされ、蝶ボルト37を緊締すると第2支持片21bの他面に形成されている鋸歯状部と第2起立部31gの一面に形成されている第3鋸歯状部31iとが歯合するようになり、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転不能となり、アンテナ部2は調整した仰角を維持することができるようになる。なお、第1支持片21aと第2支持片21bとは同時に回動されることから、第1支持片21aの第1挿通孔23aに挿通され第1起立部31dのネジ孔31fに螺合されている蝶ボルト22と蝶ボルト37とは同時に緩められて回転可能とされると共に、同時に緊締されて回転不能とされる。
【0023】
次に、第2支持片21bを第2起立部31gに軸支する構成のさらに他の例を図19に示す。
図19に示す構成では、第2起立部31gの一面に円盤状のボス部31kが形成されていると共に、第2支持片21bの他面にはボス部31kが嵌合される嵌合凹部23eが形成されている。このボス部31kの上面には放射状の第3鋸歯状部31iが形成されており、嵌合凹部23eの底面には第3鋸歯状部31iが歯合される放射状の鋸歯状部が形成されている。ボス部31kが嵌合凹部23eに嵌合された状態において、第1支持片21aの第1挿通孔23aに挿通され第1起立部31dのネジ孔31fに螺合されている蝶ボルト22が緩められている場合は、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転可能に支持されるようになる。そして、蝶ボルト22をネジ孔31fに緊締すると第2支持片21bの嵌合凹部23eの底面に形成されている鋸歯状部と第2起立部31gのボス部31kの上面に形成されている第3鋸歯状部31iとが歯合するようになり、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転不能となり、アンテナ部2は調整した仰角を維持することができるようになる。
【0024】
次に、第2支持片21bを第2起立部31gに軸支する構成のさらに他の例を図20に示す。
図20に示す構成では、第2起立部31gの一面に円錐状に中央が盛り上がると共に放射状の鋸歯状部が形成されている凸状鋸歯状部31mが設けられていると共に、第2支持片21bの他面には円錐状に中央がくぼんでいると共に放射状の鋸歯状部が形成されている凹状鋸歯状部23fが設けられている。凸状鋸歯状部31mが凹状鋸歯状部23fに嵌合された状態において、第1支持片21aの第1挿通孔23aに挿通され第1起立部31dのネジ孔31fに螺合されている蝶ボルト22が緩められている場合は、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転可能に支持されるようになる。そして、蝶ボルト22をネジ孔31fに緊締すると第2支持片21bの凸状鋸歯状部31mと凹状鋸歯状部23fとが歯合するようになり、第2支持片21bは第2起立部31gに対して回転不能となり、アンテナ部2は調整した仰角を維持することができるようになる。
本発明にかかるアンテナ取付装置3においては、図17ないし図20に示す構成のいずれかの構成を採用することができる。
【0025】
次に、本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置の構成を示す下面図を図35に、アンテナ装置の構成を示す側面図を図36に、左斜め下から見た分解斜視図を図37に、右斜め下から見た分解斜視図を図38に示す。ただし、図35および図36においてはアンテナ取付装置102におけるマスト受け金具133、コの字ボルト134および蝶ナット136を省略して示している。
これらの図に示すアンテナ装置100は、アンテナ部101の仰角および偏波角を調整することのできる小型のアンテナ取付装置102を備えている。アンテナ部101は、厚さの薄くされた直方体状のアンテナケース120を有し、アンテナケース120内に平面状のアンテナが収納されている。このアンテナは、例えば地上波デジタル放送を受信することができるアンテナとすることができる。
【0026】
本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置102を備えるアンテナ装置100は、アンテナケース120の周側部から突出するよう設けられている第1支持片121aと、第2支持片121bおよび第3支持片121cからなる支持片との間に角度調整具131の突出部131dが配置されて、角度調整具131にアンテナケース120が固着されている。この場合、第1支持片121aの挿通孔123aに挿通された蝶ボルト122が角度調整具131における突出部131dのネジ孔131fに螺合されると共に、第2支持片121bおよび第3支持片121cからなる支持片に軸部124により突出部131dが軸支される。そして、蝶ボルト122を緩めるとアンテナケース120を角度調整具131に対して回動することができる。また、蝶ボルト122をネジ孔131fに緊締すると、ネジ孔131fの周囲にリング状に形成されている第2鋸歯状部131eと挿通孔123aの周囲にリング状に形成されている第3鋸歯状部123cとが歯合してアンテナケース120は角度調整具131に対して回動不能となる。このように、蝶ボルト122を緩めてアンテナケース120の仰角を調整し、調整後に蝶ボルト122を緊締することによりアンテナケース120の角度調整具131に対する仰角を調整することができる。
【0027】
さらに、角度調整具131は固定具132に対面するよう固着されている。この場合、角度調整具131における本体部131aの第1挿通孔131cに挿通された蝶ボルト135が固定具132におけるネジ孔132fに螺合されており、蝶ボルト135を緩めると角度調整具131を固定具132に対して回動することができる。また、蝶ボルト135をネジ孔132fに緊締すると第1挿通孔131cの周囲にリング状に形成されている第1鋸歯状部131bがネジ孔132fの周囲にリング状に形成されている第4鋸歯状部に歯合して角度調整具131は固定具132に対して回動不能となる。このように、蝶ボルト135を緩めて角度調整具131の固定具132に対する角度を調整し、調整後に蝶ボルト135を緊締することにより角度調整具131に固着されているアンテナケース120の偏波角を調整することができる。
【0028】
本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置102を備えるアンテナ装置100の詳細な説明を行う前にアンテナ装置100を構成している各部の説明を行う。
アンテナ部101におけるアンテナケース120の構成を図49ないし図52に示す。図49はアンテナケース120の構成を示す下面図であり、図50はアンテナケース120の構成を示す一側面図であり、図51はアンテナケース120の構成を示す他の側面図であり、図52はアンテナケース120の構成を示す分解斜視図である。
これらの図に示すようにアンテナケース120は、厚さの薄い箱状の上ケース120aと下ケース120bとから構成されており、上ケース120aを下ケース120bにかぶせるよう嵌合することにより構成されている。上ケース120aを下ケース120bに嵌合した際に内部に形成される収納空間に特願2005−205131で提案した平面アンテナなどの小型で厚みの薄い平面状のアンテナが収納される。アンテナケース120は、例えば縦の長さが約230mm、横の長さが約150mmとされており、厚さは内部に収納されるアンテナの構成によるが約10mm〜30mmとすることができる。また、アンテナケース120を構成する上ケース120aと下ケース120bとは電波透過性の樹脂材を箱状に成形することにより構成されており、樹脂材は例えばAES(アクリロニトリル−エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン共重合体)樹脂やアクリル樹脂のように誘電率の低い樹脂材とされている。アンテナケース120の長辺の周側部から第1支持片121aと第2支持片121bおよび第3支持片121cからなる支持片が突出するよう設けられている。
【0029】
アンテナケース120を構成する上ケース120aの構成を図53ないし図55に示す。図53は上ケース120aの構成を示す下面図であり、図54は上ケース120aの構成を示す一側面図であり、図55は上ケース120aの構成を示す他の側面図である。これらの図に示すように、上ケース120aの上側周側部120cの長辺の一周側部から突出するよう第1支持片121aが形成されており、第1支持片121aの先端は半円状に形成されている。また、外形が第1支持片121aの上半分の形状とされる第2支持片121bが第1支持片121aと相対するよう上側周側部120cの上部に形成されている。第1支持片121aのほぼ中央部には、第1支持片を貫通する挿通孔123aが形成されており、第2支持片121bの下面には断面が半円状の第1半円溝123bが形成されている。なお、上側周側部120cにおける第2支持片121bの下部には、第2支持片121bの幅とほぼ同じ幅の切溝120eが形成されている。
【0030】
次に、アンテナケース120を構成する下ケース120bの構成を図56ないし図58に示す。図56は下ケース120bの構成を示す上面図であり、図57は下ケース120bの構成を示す一側面図であり、図58は下ケース120bの構成を示す他の側面図である。これらの図に示すように、下ケース120bは上ケース120aに嵌合されるよう一回り小さく形成されており、下ケース120bの下側周側部120dの長辺の一周側部から突出するよう第3支持片121cが下部に形成されている。第3支持片121cの外形は第1支持片121aの下半分の形状とされ、第2支持片121bと線対称の形状とされている。この第3支持片121cの上面には、断面が半円状の第2半円溝123dが形成されている。
【0031】
図49ないし図52に戻り、上ケース120aを下ケース120bに嵌合すると下側周側部120dは上側周側部120cの内面を摺接しながら嵌合されていく。そして、下側周側部120dに形成されている第3支持片121cが上側周側部120cに形成されている切溝120e内を摺接して第2支持片121bの下面と第3支持片121cの上面とが対面して当接するようになる。これにより、第1半円溝123bと第2半円溝123dとで形成されるほぼ断面円形の挿通孔により、後述する軸部124の一端を軸支することができるようになる。なお、軸部124の他端は角度調整具131の第2挿通孔131hに挿通されている。また、上ケース120aは下ケース120bに水密に嵌合される。
【0032】
次に、アンテナ取付装置102は、角度調整具131、固定具132、マスト受け金具133、コの字ボルト134、蝶ボルト135および一対の蝶ナット136を備えている。角度調整具131、固定具132はAES樹脂等の樹脂材を成形することにより、あるいは金属製とされており、マスト受け金具133は金属板を加工することにより作成されている。
角度調整具131の詳細構成を図39ないし図43に示す。図39は角度調整具131をほぼ中央で切断した際の断面図であり、図40は角度調整具131の構成を示す側面図であり、図41は角度調整具131の構成を示す正面図であり、図42は角度調整具131の構成を示す左斜め上から見た斜視図であり、図43は角度調整具31の構成を示す右斜め上から見た斜視図である。
【0033】
これらの図に示すように角度調整具131は、本体部131aと本体部131aの背面から後方へ突出して形成されている突出部131dから形成されている。突出部131dの断面形状はほぼ矩形とされ、後方へ突出している横幅は本体部131aの横幅より狭く形成されており、後面において突出部131dの両側から横方向へ本体部131aの上部が突出されている。この本体部131aの上部は矩形状とされ中央部から次第に幅が狭くされると共に下部が半円状に形成されている。半円状とされている本体部31aの下部には第1挿通孔131cが形成されており、本体部131aの前面であって第1挿通孔131cを取り囲むリング状の部分に第1扇状溝部131nと第1扇状凸部131pとが形成されている。さらに、第1扇状溝部131nと第1扇状凸部131pを取り囲むように放射状の第1鋸歯状部131bがリング状に形成されている。また、突出部131dの突出している端部は断面が半円状に形成されており、突出部131dの一側面には所定深さのネジ孔131fが形成され、他の側面には所定深さの第2挿通孔131hが形成されている。さらに、ネジ孔131fの周囲に放射状の第2鋸歯状部131eがリング状に形成されている。
【0034】
次に、固定具132の詳細構成を図44ないし図48に示す。図44は固定具132をほぼ中央で切断した際の断面図であり、図45は固定具132の構成を示す側面図であり、図46は固定具132の構成を示す正面図であり、図47は固定具132の構成を示す左斜め上から見た斜視図であり、図48は固定具132の構成を示す背面の右斜め上から見た斜視図である。
これらの図に示すように、固定具132の輪郭形状は角度調整具131とほぼ同様の形状とされており、上部に断面がほぼ矩形状とされ後面から突出している挟持部132bと、挟持部132bの下に位置し中央部から次第に幅が狭くされると共に下部が半円状に形成されている本体部132aを有し、本体部132aの下部にはネジ孔132fが形成されている。固定具132の上部に形成されている挟持部132bは、本体部132aの背面側へ突出するよう厚く形成されており両側にそれぞれ第1貫通孔132cと第2貫通孔132dが設けられている。また、挟持部132bの前面には第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dを結ぶ横方向にU字状溝132hが一直線状に形成されており、背面のほぼ中央部に縦方向にV字状溝部132eが形成されている。さらに、本体部132aの前面側においてネジ孔132fを取り囲むリング状の部分に扇状に突出する第2扇状凸部132iが形成されており、第2扇状凸部132iを取り囲むようリング状に第4鋸歯状部132gが形成されている。
【0035】
このV字状溝部132eには、アンテナ装置1が固着されるマストが抱持されてマスト受け金具133とによりマストが挟持されるようになる。また、挟持部132bの前面において第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dの周囲に、第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dに挿通されるネジの頭部が収納可能な円形の凹部がU字状溝132h内に設けられている。このU字状溝132hには後述するコの字ボルト134の中央部が収納される。この場合、コの字ボルト34の脚部は前面側から第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dに挿通され、背面から突出するようになる。このコの字ボルト134の中央部は直線状に形成され、中央部の両側が折曲されて一対の脚部が形成されてコの字状に形成されている。脚部にはネジが設けられており蝶ナット136が螺合可能とされている。
【0036】
次に、金属板を加工することにより作成されているマスト受け金具133は、図37および図38に示すように横長に形成されてほぼ中央部にV字状に折曲されたV字部133aが形成されている。マスト受け金具133は、上部と下部とが内側にほぼ直交するようコ字状に折曲されて曲げ荷重に強くなるように形成されており、上部と下部における折曲部のV字部133aの内側にマストに喰い込む複数の尖った歯が形成されている。また、V字部133aの両側にそれぞれ長孔133bと長孔133cが形成されている。長孔133bと長孔133cには、固定具132から突出されたコの字ボルト134の脚部が挿通される孔部とされている。長孔133bと長孔133cに挿通されてマスト受け金具133から突出したコの字ボルト134の脚部の先端には、一対の蝶ナット136が螺着される。
【0037】
次に、本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置102を備えるアンテナ装置100の組立方法を図37および図38を参照しながら説明することによりアンテナ装置100の詳細な説明を行う。
アンテナ装置を組み立てるには、まず、角度調整具131の第2挿通孔131hに金属製あるいは樹脂製の軸部124の一端を挿入する。この状態の角度調整具131における突出部131dを上ケース120aに設けられている第1支持片121aと第2支持片121bとの間に配置し、蝶ボルト122を第1支持片121aに挿通して突出部131dに設けられているネジ孔131fに螺合する。この際に、第2挿通孔131hに半部が挿通されている軸部124が第2支持片121bの第1半円溝123b内に嵌入される。この状態の上ケース120aを、小型で厚みの薄い平面状のアンテナが収納されている下ケース120bに嵌合して、上ケース120aと下ケース120bとを固着する。これにより、第2支持片121bの第1半円溝123b内に嵌入されている軸部124が、下ケース120bに設けられている第3支持片121cの第2半円溝123d内にも嵌入されて、第1半円溝123bと第2半円溝123dとで形成される挿通孔で軸部124が軸支されるようになる。従って、上ケース120aと下ケース120bとからなるアンテナケース120が、角度調整具131に対して蝶ボルト122と軸部124を回転中心として回動可能となる。
【0038】
次に、コの字ボルト134の脚部を固定具132における挟持部132bに設けられている第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dに挿通し、コの字ボルト134の直線状とされている中央部をU字状溝132h内に収納する。この状態の固定具132の前面を角度調整具131の前面に対面させて、角度調整具131に設けられている第1挿通孔131cに挿通された蝶ボルト135を固定具132の本体部132aに設けられているネジ孔132fに螺合する。これにより、角度調整具131を固定具132に対して蝶ボルト135を回転軸として回動可能とすることができる。そして、固定具132における挟持部132bから突出しているコの字ボルト134の脚部をマスト受け金具133に設けられている一対の長孔133b、133cにそれぞれ挿通して、脚部の先端にそれぞれ蝶ナット136を螺合する。次いで、アンテナ装置100を取り付けるマストを固定具132におけるV字状溝部132eとマスト受け金具133のV字部133aとの間に位置させて蝶ナット136を締め付けることにより、アンテナ装置100をマストに取り付けることができる。この場合、挟持部132bに形成されているV字状溝部132eに抱持されたマストにV字部133aの内側に形成されている複数の尖った歯が喰い込んで確実に固着されるようになる。
【0039】
このように、アンテナ装置100をマストに取り付ける取付方法を図72ないし図74に詳細に示す。ただし、図72ないし図74においてはコの字ボルト134、固定具132、マスト受け金具133および蝶ナット136以外は省略して示している。
まず、図72に示すようにコの字ボルト134、固定具132、マスト受け金具133および蝶ナット136を用意してコの字ボルト134の一対の脚部をそれぞれ固定具132における挟持部132bに形成されている第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dに挿通することにより、コの字ボルト134の直線状の中央部が挟持部132bに形成されているU字状溝132h内に収納されて図73に示すようになる。このU字状溝132hの奥の丸みはコの字ボルト134の断面円形の丸みにほぼ一致する丸みとされている。次いで、図73に示すように挟持部132bから突出しているコの字ボルト134の脚部にマスト受け金具133の両側にそれぞれ形成されている一対の長孔133c、133dを挿通させて、マスト受け金具133の背面から突出したコの字ボルト134の脚部の先端にそれぞれ蝶ナット136を螺着する。これにより、図74に示すように挟持部132bの背面に形成されているV字状溝部132eとマスト受け金具133に形成されているV字部133aとが対面してひし形の収納空間が形成される。この収納空間は、アンテナ装置100を取り付けるマストが収納される空間となる。
【0040】
なお、アンテナ装置100はマストに替えて壁面等の平面部に取り付けることもできる。アンテナ装置100を壁面に取り付ける場合は、図75に示すように固定具132における挟持部132bに形成されている第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dに、U字状溝132h側からそれぞれネジ138を挿通し、この一対のネジ138を平面部にねじ込むようにする。この場合、ネジ138の頭部はU字状溝132h内の第1貫通孔132cおよび第2貫通孔132dの周囲に形成されている円形の凹部(図46参照)に収納されるようになる。
【0041】
以上説明したアンテナ装置100においては、固定具132をマストあるいは平面部に取り付けた状態において、アンテナケース120内に収納されたアンテナとアンテナケース120からなるアンテナ部101の仰角を調整することができる。アンテナ部101を水平に向けた際のアンテナ装置100の構成が図59に示されており、アンテナケース120は角度調整具131に対して回動していない状態とされている。ここで、第1支持片121aの挿通孔123aに挿通され、角度調整具131における突出部131dのネジ孔131fに螺合されている蝶ボルト122を緩めて、アンテナケース120を角度調整具131に対して回動することにより仰角を下に向けた状態を図60に示す。図60に示す状態において蝶ボルト122を角度調整具131のネジ孔131fに緊締すると、ネジ孔131fの周囲にリング状に形成されている第2鋸歯状部131eと挿通孔123aの周囲にリング状に形成されている第3鋸歯状部123cとが歯合してアンテナケース120は角度調整具131に対して回動不能となり、アンテナ部101の図示する仰角が保持される。
【0042】
また、蝶ボルト122を緩めてアンテナケース120を角度調整具131に対して回動することにより仰角を上に向けた状態を図61に示す。図61に示す状態において蝶ボルト122を角度調整具131のネジ孔131fに緊締すると、ネジ孔131fの周囲にリング状に形成されている第2鋸歯状部131eと挿通孔123aの周囲にリング状に形成されている第3鋸歯状部123cとが歯合してアンテナケース120は角度調整具131に対して回動不能となり、アンテナ部101の図示する仰角が保持される。このように、アンテナ装置100をマストあるいは平面部に取り付けた状態において、蝶ボルト122を緩めてアンテナ部101の仰角を調整し、調整後に蝶ボルト122を緊締することによりアンテナ部101の仰角を調整することができる。
【0043】
また、アンテナ装置100においては、固定具132をマストあるいは平面部に取り付けた状態において、アンテナ部101の偏波角を調整することができる。この場合、偏波角は所定の角度範囲内で調整できる構成とされている。
角度調整具131を固定具132に対して回動可能に固着する部分のみの構成を斜視図で図62および図63に示す。これらの図に示すように、固定具132における本体部132aの前面を角度調整具131における本体部131aの前面に対面させて、角度調整具131に設けられている第1挿通孔131cに挿通された蝶ボルト135を固定具132の本体部132aに設けられているネジ孔132fに螺合する。すると、角度調整具131における第1挿通孔131cを取り囲むリング状の部分に形成されている第1扇状溝部131n内に、固定具132におけるネジ孔132fを取り囲むリング状の部分に形成されている第2扇状凸部132iが嵌合される。この場合、第2扇状凸部132iがなす角度幅より第1扇状溝部131nがなす角度幅が大きくされていることから、第2扇状凸部132iは第1扇状溝部131nの角度幅内で回動することができるようになる。そして、第2扇状凸部132iの縁が第1扇状溝部131nの縁に当接した際に、第2扇状凸部132iの回動は制限されるようになる。これにより、角度調整具131は固定具132に対して所定の角度範囲内で回動されるようになって、アンテナ装置100の偏波角を所定の角度範囲内で調整できることになる。
【0044】
ここで、角度調整具131を固定具132に対して0°回動した際の角度調整具131と固定具132との関係を図64に示し、その際の第2扇状凸部132iの第1扇状溝部131n内の回動態様を図65に示す。これらの図に示すように、角度調整具131は固定具132に重なっており、第2扇状凸部132iにより占められていない第1扇状溝部131nの角度範囲は約90°となっている。この場合、第2扇状凸部132iの時計方向側の縁が第1扇状凸部131pの反時計方向側の縁に当接していることから、角度調整具131を固定具132に対して反時計方向にこれ以上回動することはできない。
そして、角度調整具131を固定具132に対して約30°時計方向に回動した際の角度調整具131と固定具132との関係を図66に示し、その際の第2扇状凸部132iの第1扇状溝部131n内の回動態様を図67に示す。これらの図に示すように、角度調整具131は固定具132に対して時計方向に約30°回動されており、第2扇状凸部132iにより占められていない第1扇状溝部131nは2ヶ所に分離するようになる。この場合、第2扇状凸部132iの両縁は第1扇状凸部131pのいずれの縁にも当接しておらず、角度調整具131を固定具132に対していずれの方向にも回動することができる。
【0045】
さらに、角度調整具131を固定具132に対して約60°時計方向に回動した際の角度調整具131と固定具132との関係を図68に示し、その際の第2扇状凸部132iの第1扇状溝部131n内の回動態様を図69に示す。これらの図に示すように、角度調整具131は固定具132に対して時計方向に約60°回動されており、第2扇状凸部132iにより占められていない第1扇状溝部131nは2ヶ所に分離するようになる。この場合、第2扇状凸部132iの両縁は第1扇状凸部131pのいずれの縁にも当接しておらず、角度調整具131を固定具132に対していずれの方向にも回動することができる。
さらにまた、角度調整具131を固定具132に対して約90°時計方向に回動した際の角度調整具131と固定具132との関係を図70に示し、その際の第2扇状凸部132iの第1扇状溝部131n内の回動態様を図71に示す。これらの図に示すように、角度調整具131は固定具132に対して時計方向に約90°回動されており、第2扇状凸部132iにより占められていない角度範囲は約90°となっている。この場合、第2扇状凸部132iの反時計方向側の縁は第1扇状凸部131pの時計方向側の縁に当接するようになり、角度調整具131を固定具132に対して時計方向にこれ以上回動することはできないようになる。このように、角度調整具131は固定具132に対して約90°の角度範囲で回動することができるようになる。ただし、第2扇状凸部132iが形成される角度と第1扇状溝部131nが形成される角度を変更することにより、角度調整具131を固定具132に対して任意の角度範囲で回動することができるようになる。
【0046】
以上説明したように、本発明の第2実施例にかかるアンテナ取付装置102を備えるアンテナ装置100においては、固定具132とマスト受け金具133との間にマストを配置して蝶ナット136をコの字ボルト134に螺着することにより、アンテナ装置100がマストに取り付けられる。そして、蝶ボルト122を緩めてアンテナ部101の仰角を調整すると共に、蝶ボルト135を緩めてアンテナ部101の偏波角を調整する。これにより、アンテナ装置100を電波の到来方向および偏波に確実に一致させることができる。具体的には、図64,図65に示すようにアンテナ装置100を調整した場合は水平偏波を受信することができ、図70,図71に示すようにアンテナ装置100を調整した場合は垂直偏波を受信することができる。そして、仰角の調整後に蝶ボルト122を緊締すると共に、偏波角の調整後に蝶ボルト135を緊締することにより所望の方向に向けたアンテナ装置100の仰角および偏波角を保持することができるようになる。
【0047】
なお、角度調整具131の第1鋸歯状部131bは固定具132における第4鋸歯状部132gに歯合していることから、角度調整具131は固定具132に対してこれらの鋸歯状部の鋸歯の形状に応じた所定の角度ずつ回転することができるようになる。この所定の角度は、第1鋸歯状部131bと第4鋸歯状部132gの山と山の間隔により決定され、例えば約15°とされている。この角度はアンテナ部101の指向性の鋭さ(半値角)に応じて決定するのが好適である。指向性が鋭い場合は、両鋸歯状部の山と山との間隔を小さくして所定の角度を10°や5°に設定し、指向性がブロードの場合は、両鋸歯状部の山と山との間隔を大きくして所定の角度を20°や25°に設定することが好適とされる。また、角度調整具131の第2鋸歯状部131eはアンテナケース120の第3鋸歯状部123cに歯合していることから、アンテナケース120は角度調整具131に対してこれらの鋸歯状部の鋸歯の形状に応じた所定の角度ずつ回転することができるようになる。この場合においても、上記と同様に第2鋸歯状部131eと第3鋸歯状部123cの山と山の間隔を、アンテナ部101の指向性の鋭さ(半値角)に応じて決定するのが好適とされる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
なお、本発明の第1,2実施例にかかるアンテナ取付装置を備えるアンテナ装置は、地上デジタル放送を受信するアンテナ装置とすることができる。また、UHF帯を送受信するアンテナ装置に適用することもできる。
また、以上の説明において、蝶ボルトおよび蝶ナットを使用するようにしたが、本発明がこれに限るものではなく一般的に用いられているボルトやナットを用いることができる。さらに、鋸歯状部は円形あるいはリング状に形成するものとしたが、鋸歯状部を多角形状や扇状に形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0049】
1 アンテナ装置、2 アンテナ部、3 アンテナ取付装置、20 アンテナケース、21a 第1支持片、21b 第2支持片、22 蝶ボルト、23a 第1挿通孔、23b 第2挿通孔、23d ネジ孔、23e 嵌合凹部、23f 凹状鋸歯状部、31 角度調整具、31a 本体部、31b 第1鋸歯状部、31c 第1挿通孔、31d 第1起立部、31e 第2鋸歯状部、31f ネジ孔、31g 第2起立部、31h 軸部、31i 第3鋸歯状部、31j 第3挿通孔、31k ボス部、31m 凸状鋸歯状部、32 固定具、32a 本体部、32b 挟持部、32c 第1貫通孔、32d 第2貫通孔、32e V字状溝部、32f ネジ孔、32g 第4鋸歯状部、32h U字状溝、33 マスト受け金具、33a V字部、33b 長溝、33c 長孔、34 コの字ボルト、35 蝶ボルト、36 蝶ナット、37 蝶ボルト、38 ネジ、100 アンテナ装置、101 アンテナ部、102 アンテナ取付装置、120 アンテナケース、120a 上ケース、120b 下ケース、120c 上側周側部、120d 下側周側部、120e 切溝、121a 第1支持片、121b 第2支持片、121c 第3支持片、122 蝶ボルト、123a 挿通孔、123b 第1半円溝、123c 第3鋸歯状部、123d 第2半円溝、124 軸部、131 角度調整具、131a 本体部、131b 第1鋸歯状部、131c 第1挿通孔、131d 突出部、131e 第2鋸歯状部、131f ネジ孔、131h 第2挿通孔、131n 第1扇状溝部、131p 第1扇状凸部、132 固定具、132a 本体部、132b 挟持部、132c 第1貫通孔、132d 第2貫通孔、132e V字状溝部、132f ネジ孔、132g 第4鋸歯状部、132h U字状溝、132i 第2扇状凸部、133 マスト受け金具、133a V字部、133b 長孔、133c 長孔、134 コの字ボルト、135 蝶ボルト、136 蝶ナット、138 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さの薄くされた直方体状とされているアンテナ装置の仰角および偏波角を調整可能に支持するアンテナ取付装置であって、
側面から突出するよう形成された第1挿通孔が形成されている第1支持片と、該第1支持片の上半分の形状とされ第1半円溝が形成されている第2支持片とを有する上ケースを、前記第1支持片の下半分の形状とされ第2半円溝が形成されている第3支持片を有する下ケースに被せるよう嵌合可能とされ、嵌合した際に前記第2支持片と前記第3支持片とが当接して前記第1半円溝と前記第2半円溝とにより第2挿通孔が形成され、内部に平面状のアンテナが収納されているアンテナケースと、
前記アンテナ装置が取り付けられる被支持物に固着可能な固定具と、
該固定具に対して第1の面内において回動可能に支持されるよう前記固定具に取り付けられる本体部と、前記第1の面と直交する第2の面内において前記アンテナ装置を回動可能とするよう前記第1支持片と、前記第2支持片と第3支持片とからなる支持片との間に配置されて回動可能に支持すると共に、前記本体部の一面から突出して形成されている突出部とを備える角度調整具とを備え、
前記突出部の一方の側面から突出している軸部が、前記第1半円溝と前記第2半円溝とにより形成された第2挿通孔に挿通されると共に、前記第1支持片の前記第1挿通孔に、前記第1支持片の前記第2支持片と対面していない面から挿通された螺着手段が、前記突出部の他方の側面に形成された孔部に螺着されることを特徴とするアンテナ取付装置。
【請求項2】
前記第1支持片に形成されている第1挿通孔の周囲に放射状の第1の鋸歯状部が形成されていると共に、前記突出部の前記他方の側面に形成されている孔部の周囲に前記第1の鋸歯状部に歯合する放射状の第2の鋸歯状部が形成され、前記螺着手段が緩められた際に前記第1支持片が前記突出部に対して回動可能となり、前記螺着手段が緊締された際に前記第1の鋸歯状部と前記第2の鋸歯状部とが歯合して、前記第1支持片が前記突出部に対して回動不能に取り付けられるようになることを特徴とする請求項1記載のアンテナ取付装置。
【請求項3】
前記角度調整具の前記本体部に形成されている第3挿通孔の周囲に放射状の第3の鋸歯状部が形成されていると共に、前記固定部に形成されている第2孔部の周囲に前記第3の鋸歯状部に歯合する放射状の第4の鋸歯状部が形成されており、前記第3挿通孔に挿通された第2螺着手段を前記第2孔部に螺着することにより、前記角度調整具が前記固定具に回動可能に支持されるようになり、前記第2螺着手段が緩められた際に前記角度調整具が前記固定具に対して回動可能となり、前記第2螺着手段が緊締された際に前記第3の鋸歯状部と前記第4の鋸歯状部とが歯合することにより、前記角度調整具が前記固定具に対して回動不能に取り付けられるようになることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ取付装置。
【請求項4】
前記角度調整具の前記本体部に形成されている第3挿通孔の周囲に扇状凹部が形成されていると共に、前記固定部に形成されている第2孔部の周囲に前記扇状凹部に嵌挿可能な扇状凸部が形成されており、前記第3挿通孔に挿通された第2螺着手段を前記第2孔部に螺着することにより、前記角度調整具が前記固定具に前記扇状凹部内を前記扇状凸部が回動できる角度範囲内において回動可能に支持されるようになることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ取付装置。
【請求項5】
前記固定具に対面するよう受け金具を配置し、前記固定具と前記受け金具に嵌挿されているコの字ボルトにナット手段を螺着することにより、前記固定具と前記受け金具との間に挟持された前記被支持物に固着されるようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナ取付装置。
【請求項6】
前記アンテナ装置の平面にほぼ平行な面を偏波面とするアンテナが、前記アンテナ装置に内蔵されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のアンテナ取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【公開番号】特開2011−254511(P2011−254511A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160867(P2011−160867)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【分割の表示】特願2006−280431(P2006−280431)の分割
【原出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】