説明

アンドロゲン受容体モジュレータとしてのテトラヒドロペンタ[b]インドール化合物

本発明は、次式の化合物


又はその薬理学的に許容できる塩;適切な担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて、式(I)の化合物を含んでなる医薬組成物;並びに、生理的障害、特に骨質量の減少、骨粗鬆症、骨減少症又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療方法であって、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含んでなる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療薬として有用な、テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール化合物又はその薬理学的に許容できる塩、当該化合物又は塩を含んでなる医薬組成物、患者の障害を治療するための、当該化合物又は塩の使用方法、並びに化合物の合成において有用な中間体及び方法の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
内因性のステロイドであるアンドロゲンは、多くの生理的機能に重大な影響を及ぼす。ステロイドアンドロゲン(例えばテストステロン及び5αジヒドロテストステロン(DHT))の効果は、アンドロゲン受容体(AR)により媒介され、同化作用若しくはアンドロゲン様の性質として特徴づけられる。アンドロゲン結合後に、ARは、高次構造が変化し、次に細胞核に移行し、そこでアンドロゲン応答エレメント(AREs)と称される特定のDNA配列と結合し、標的遺伝子の転写を開始若しくは抑制する。アンドロゲンの同化作用(すなわち組織形成)による効果としては、筋肉質量及び強度及び骨質量の増加が挙げられるが、アンドロゲン様(すなわち雄性化)効果としては、男性の二次性徴(例えば内部生殖組織(すなわち前立腺及び精嚢)、外部生殖器(陰茎及び陰嚢)、性衝動及び毛髪の発達パターン)の発達などが挙げられる。
【0003】
老化によるアンドロゲンレベルの減少は、男性にも女性にも大きな影響を与えるものである。例えば、男性が加齢し、テストステロン濃度が減少すると、骨の脆弱化、糖尿病及び心血管疾患の罹患率の増加、及び脂肪に対する筋肉質量の比率の減少などが生じる。女性においては、循環テストステロンの血漿中レベルの減少により、性衝動の減弱、未解明の疲労、健康状態の悪化、及び閉経後の女性では骨密度の減少などが生じる。臨床的には、アンドロゲン治療は、男性の性機能低下の治療に主に適用されてきた。重要なことであるが、男性の性機能低下に対するアンドロゲン補充療法により骨吸収が減少し、また骨量が増加することが示されている。アンドロゲンを臨床的に使用する他の徴候としては、男児の思春期遅発症、貧血症、原発性骨粗鬆症及び筋萎縮症の治療などが挙げられる。更に、アンドロゲン補充療法が近年、高齢の男性及び男性生殖機能の調節に用いられている。女性においては、アンドロゲン療法が、性機能不全又は性衝動の減弱の治療において、臨床的に用いられている。
【0004】
しかしながら、アンドロゲン療法には限界が存在する。例えば、ステロイドアンドロゲン療法による好ましくない副作用として、前立腺及び精嚢の過剰な成長が挙げられる。更に、前立腺腫瘍の促進及び前立腺特異的抗原(PSA)の増加(前立腺癌危険率の増加の徴候)も、アンドロゲンの使用と関連することが知られている。更に、未修飾型及び修飾型のステロイドアンドロゲンの調製物は、肝臓において急速に分解されることが知られており、それにより、経口投与における低いバイオアベイラビリティ、非経口投与の後の活性期間が短いこと、血漿中濃度の変化、肝毒性又は他のステロイドホルモン受容体(例えばグルココルチコイド受容体(GR)、無機質コルチコイド受容体(MR)及びプロゲステロン受容体(PR))との交差反応性が生じる。更に、女性においては、ステロイドアンドロゲンの使用により多毛又は男性化が生じうる。
【0005】
以上より、ステロイドアンドロゲンの有益な薬理学的特性を備えつつも、ステロイドアンドロゲン療法に関連する典型的な限界の可能性又は発生を減少させることのできる、ステロイドアンドロゲン療法の代替的技術へのニーズが依然として存在するといえる。ステロイドアンドロゲンの適切な代替物を同定する近年の努力は、アンドロゲン関連組織において特徴的な活性プロファイルを示す、組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARMs)の同定を中心に行われている。特にかかる薬剤は、同化作用がなされる組織(例えば筋肉又は骨)においてはアンドロゲンアゴニスト活性を示すが、他のアンドロゲン関連組織(例えば前立腺又は精嚢)においてはごく部分的なアゴニスト活性のみを示すか、又はアンタゴニスト活性を示すのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願第PCT/US2006/024122号の明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Brown,Endocrinology(2004);145(12):5417−5419
【非特許文献2】Cadillaら、Curr.Top.Med.Chem(2006);6(3):245−270
【非特許文献3】Segalら、Expert Opin.Investig.Drugs(2006);15(4)、377−387
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上より、本発明の目的は、アンドロゲンアゴニスト活性を有する非ステロイド性のARリガンドの提供である。より詳細には、他のステロイドホルモン受容体と比較し、より高い親和性でARと結合する、非ステロイド性のアンドロゲンアゴニストを提供するのが、本発明の目的である。更に、筋肉又は骨においてはアンドロゲンアゴニスト活性を示すが、アンドロゲン関連組織(例えば前立腺又は精嚢)においてはごく部分的なアゴニスト活性、部分的なアンタゴニスト、又はアンタゴニスト活性を示す、組織選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARMs)を提供するのが、本発明の目的である。
【0009】
以下の引用文献は、本発明が関連している、現在における技術水準の例である。
【0010】
非特許文献1:Brown,Endocrinology(2004);145(12):5417−5419は、非ステロイド性の選択的アンドロゲン受容体モジュレータのレビューである。
【0011】
非特許文献2:Cadillaら、Curr.Top.Med.Chem(2006);6(3):245−270は、アンドロゲン受容体モジュレータのレビューである。
【0012】
非特許文献3:Segalら、Expert Opin.Investig.Drugs(2006);15(4)、377−387は、アンドロゲン受容体モジュレータのレビューである。
【0013】
同時係属中の特許文献1:国際特許出願第PCT/US2006/024122号では、アンドロゲン受容体モジュレータとして、テトラヒドロカルバゾール化合物が開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、次式で表される式(I)により定義される、特定のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドール化合物が、特殊な活性プロファイルを示すという発見に基づくものであり、それはすなわち、それらがステロイドアンドロゲン治療に応答する障害の治療において有用であることを示唆するものである。ゆえに本発明は、式(I)で表される化合物:
【化1】

(式中、
【化2】

で示される炭素中心はR、S又はR/S立体配置であってもよく、
はシアノ、−CH=NOCH、−OCHF又は−OCFを表し、
は−COR2a又は−SO2bを表し、
2aは(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−NRを表し、
2bは(C−C)アルキル、シクロプロピル又は−NRを表し、
及びRは各々独立に水素又は(C−C)アルキルを表し、
はピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表し、
それらは各々、メチル、エチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、−CF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい)
又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。
【0015】
他の実施形態では、本発明は、性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠の治療方法であって、患者に有効量の式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与することを含む方法の提供に関する。より具体的な態様では、本発明は、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療の提供に関する。
【0016】
更に、本発明は、性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠の治療への、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、薬剤としての使用の提供に関する。より具体的には、本発明は、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療への、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の、薬剤としての使用の提供に関する。更に本発明は、治療用の、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の提供に関する。
【0017】
他の実施形態では、本発明は、性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠の治療用薬剤の製造への、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩の使用の提供に関する。より具体的には、本発明は、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療用薬剤の製造への、式(I)の化合物の使用の提供に関する。
【0018】
更に本発明は、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤のうちの1つ以上と組み合わせて含む医薬組成物の提供に関する。更に本発明は、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤のうちの1つ以上と組み合わせて含む、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療用の医薬組成物の提供に関する。
【0019】
本発明はまた、式(I)の化合物の合成にとり有用な新規な中間体及び方法の提供に関する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、本願明細書において式(I)として表される、新規なテトラヒドロシクロペンタインドール化合物の提供に関する。in vitro及びin vivo試験により証明されるように、式(I)で例示される化合物は活性プロファイルを示し、それは、ステロイドアンドロゲン治療に応答性の障害の治療においてそれが有用性を発揮しうることを示唆するものである。特に、式(I)で例示される化合物は、アンドロゲン受容体をアゴナイズする有用なARリガンドである。更に、式(I)で例示される化合物は、MR、GR及びPRの各々と比較し、選択的にARと結合する。
【0021】
式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩は、アンドロゲン療法で通常治療される障害の治療において有用であると考えられる。すなわち、アンドロゲン治療に応答する障害の治療方法は、本発明を構成する、重要な実施形態である。かかる障害としては、性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠などが挙げられる。式(I)の化合物が有用であると考えられるより具体的な障害には、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、又は筋肉質量若しくは強度の減少が含まれる。
【0022】
本発明はまた、式(I)の化合物の溶媒和化合物、又は式(I)の化合物の薬理学的に許容できる塩の提供に関する。すなわち、本願明細書における用語「式(I)」、又は式(I)の具体的な化合物には、その用語の意味する範囲内において、当該化合物のあらゆる溶媒和化合物及び薬理学的に許容できる塩、又はそれらの薬理学的に許容できる塩も包含される。薬理学的に許容できる塩の例、及びそれらの調製方法は、当業者に公知である。例えば、Stahlら、“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,” VCHA/Wiley−VCH,(2002)、Gould,P.L.,“Salt selection for basic drugs,”International Journal of Pharmaceutics,33:201−217(1986)、Bergeら、“Pharmaceutical Salts,”Journal of Pharmaceutical Sciences,66,No.1,(January 1977)、及びBastinら、“Salt Selection and Optimization Procedures for Pharmaceutical New Chemical Entities,”Organic Process Research and Development,4:427−435(2000))を参照のこと。
【0023】
本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心を有するため、様々な立体異性体として存在しうる。これらのキラル中心が存在する結果として、本発明の化合物は、ラセミ化合物、鏡像異性体混合物、個々の鏡像異性体として、並びにジアステレオマー及びジアステレオマー混合物として存在しうる。本願明細書において特記されない限り、全てのかかるラセミ化合物、鏡像異性体及びジアステレオマーが、本発明の範囲内に包含される。本発明により提供される化合物の鏡像異性体は、例えば、従来技術における標準的な技術を使用して、当業者が分割することができる。例えば、J.Jacquesら、”Enantiomers,Racemates,and Resolutions”,John Wiley and Sons,Inc.,1981に記載の技術、並びに本願明細書の反応式及び実施例に記載の技術などが挙げられる。
【0024】
有機化学の分野で一般に用いられるように、キラル中心の特異的な立体配置を表す際、用語「R」及び「S」を本願明細書においても使用する。用語「(±)」又は「RS」は、ラセミ化合物を構成するキラル中心の立体配置を指す。優先順位の部分的なリスト及び立体化学に関する議論は、“Nomenclature of Organic Compounds:Principles and Practice”,(J.H.Fletcherら編、1974)に記載の通りである。
【0025】
式Iの化合物の特定の立体異性体及び鏡像異性体は、例えばEliel and Wilen,”Stereochemistry of Organic Compounds”,John Wiley&Sons,Inc.,1994,Chapter7;Separation of Stereoisomers,Resolution,Racemization、及びCollet and Wilen,”Enantiomers, Racemates,and Resolutions”,John Wiley&Sons,Inc.,1981などの、従来技術において周知の技術及び方法を利用して、当業者が調製することができる。例えば、特異的な立体異性体及び鏡像異性体は、鏡像異性体的及び幾何異性的に純粋、又は鏡像異性体的若しくは幾何異性的に濃縮された開始材料を使用し、立体特異的合成により調製できる。更に、特異的な立体異性体及び鏡像異性体は、キラル固定相上のクロマトグラフィ、酵素分割又は当該目的にに使用される試薬により形成される付加塩の分別再結晶法などの技術により分割、回収できる。
【0026】
本発明の用語「(C−C)アルキル」とは、直鎖状又は分岐鎖状の、1〜4の炭素原子数の、一価の飽和脂肪族鎖のことを指す。
【0027】
本発明の用語「(C−C)アルコキシ」とは、直鎖状又は分岐鎖状の、1〜4の炭素原子数の、一価の飽和脂肪族鎖を有する酸素原子のことを指す。
【0028】
特に明記しない限り、本発明の用語「ハロ」、「ハライド」又は「Hal」とは、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素のことを指す。
【0029】
従来技術における当業者にとり自明のように、式(I)の化合物のヘテロアリール部分の幾つかは、位置異性体及び互変異性体として存在してもよい。本発明には、式Iの化合物のヘテロアリール部分に関する、全ての位置異性体、個々の互変異性体、並びにそれらのあらゆる組み合わせが包含される。
【0030】
記号
【化3】

は、ページの平面から前方へ突出する結合のことを指す。
【0031】
記号
【化4】

は、ページの平面から後方に突出する結合のことを指す。
【0032】
記号
【化5】

は、ページの平面から前方及び後方に突出する結合が混在したものとして存在する結合のことを指す。
【0033】
当業者に自明のように、生理的障害は、「慢性」症状又は「急性」発症として現れうる。本発明の用語「慢性」とは、遅く進行し、長期間にわたる症状のことを意味する。すなわち、疾患であると診断され、疾患期間の全体にわたって治療が継続されるときに、慢性症状が治療される。反対に、用語「急性」とは、短期間における、悪化する事象又は攻撃であって、その後緩解するものを意味する。すなわち、障害の治療には、急性事象及び慢性症状の両方が包含される。急性の事象においては、化合物は症状の発症の際に投与され、症状が消失したときに投与が中断される。上述の通り、慢性症状では、疾患期間全体にわたって治療が行われる。
【0034】
本発明の用語「被験者」とは、ヒト若しくはヒト以外の哺乳動物(例えばイヌ、ネコ、ウシ、サル、ウマ、ブタ又はヒツジ)のことを指す。しかしながら、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を投与できる特定の被験者は、ヒトであると理解される。
【0035】
本明細書で用いられる「治療すること」(又は「治療する」又は「治療」)という用語には、症状又は障害の進行又は重篤化を遅延、防止、抑制、減速、停止又は逆転させることが包含される。すなわち、本発明の方法には治療的及び予防的使用の両方が含まれる。
【0036】
本発明の化合物は、医薬組成物の一部として製剤化することができる。すなわち、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を、薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて含む医薬組成物は、本発明の重要な実施態様である。医薬組成物の例及びそれらの調製方法は公知技術である。例えば、REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY(A.Gennaroら編、19版、Mack Publishing(1995))を参照のこと。例えば、式(I)の化合物を含んでなる例示的な組成物は、以下のとおりである:1%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、0.25%のポリソルベート80及び0.05%のAntifoam 1510(登録商標)(Dow Corning社製)を含有する懸濁液中に、式(I)の化合物を含有する組成物、並びに、0.5%のメチルセルロース、0.5%のラウリル硫酸ナトリウム及び0.01N HCl(最終pH2.5〜3)中の0.1%のAntifoam 1510を含有する懸濁液中に、式(I)の化合物を含有する組成物。本発明の好適な組成物は、式(I)の化合物又はその薬理学的に許容できる塩を含んでなり、カプセル又は錠剤中に製剤化される。式(I)で表される化合物、又は式(I)で表される化合物を含んでなる組成物は、経口及び非経口経路など、生物が当該化合物を利用できるいかなる経路によっても投与できる。
【0037】
当業者であれば、粒径が、医薬製剤のin vivoでの溶解性に影響を及ぼし、その結果、薬剤の吸収にも影響を及ぼしうることを認識するであろう。本明細書で用いられる「粒径」とは、例えばレーザー光散乱、レーザー回折、ミー散乱、沈降場流動分画、光子相関分光法などの従来公知の技術によって決定される医薬製剤の粒子の直径のことを指す。医薬製剤の溶解度が低い場合、小さい又は縮小した粒径は溶解を助長し、それにより薬剤の吸収が促進されうる。Amidonら、Pharm.Research,12、413−420(1995)を参照のこと。粒径を減少させる若しくは制御する方法は従来公知であり、ミリング法、湿式グラインディング法、微細化法などが挙げられる。粒径を制御するための他の方法としては、ナノ粒子懸濁液として医薬製剤を調製する方法がある。本発明の具体的実施形態は、式(I)の化合物又は式(I)の化合物を含む医薬組成物を含んでなる形態であり、前記化合物は、約20μm未満の平均粒径であるか、又はd90粒径(すなわち粒子の90%の最大サイズ)が約50μm未満である、より具体的な実施形態は、約10μm未満の平均粒径であるか、又はd90粒径が約30未満μmである、式Iの化合物を含んでなる形態である。
【0038】
本発明の用語「有効量」とは、患者への単回若しくは複数回投与により、診断若しくは治療の際に、患者に所望の効果を提供する、式(I)の化合物の量又は投与量のことを指す。有効量は、例えば以下のような多くの要因を考慮することによって、当業者としての主治医が、容易に決定できる。
哺乳類の種、そのサイズ、年齢及び健常状態、罹患する具体的な疾患、疾患の程度又は重篤度、個々の被験者の反応、投与する具体的な化合物、投与方法、投与される調製物のバイオアベイラビリティに関する特徴、選択した投与計画、並びに併用するあらゆる薬剤。
【0039】
本発明の化合物及び組成物は、本発明の方法及び使用の際に利用するときには、それらを単独で投与してもよく、又は特定の障害又は症状の治療に用いられる従来公知の治療薬と組み合わせて投与してもよい。本発明の化合物又は組成物を組合せの一部として用いる場合には、式(I)の化合物又はそれを含んでなる組成物は、別々に投与してもよく、又は組み合わせようとする治療薬を含む製剤の一部として投与してもよい。
【0040】
骨損失、骨粗鬆症又は骨減少症のための併用療法:
骨粗鬆症の治療用の従来公知の治療薬を、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物を含む組成物と組み合わせるのが好適である。骨粗鬆症の治療用の従来公知の薬剤としては、ホルモン補充療法剤(例えばコンジュゲート型のウマエストロゲン(プレマリン(Premarin)(登録商標))、合成コンジュゲート型のエストロゲン(セネスチン(Cenestin)(登録商標))、エステル型のエストロゲン(エストラタブ(Estratab)(登録商標)又はメネスト(Menest)(登録商標))、エストロピエート(estropiate)(オーゲン(Ogen)(登録商標)又はオルト−エスト(Ortho−est)(登録商標))など、並びに、経真皮エストラジオール調製物(例えばアローラ(Alora)(登録商標)、クリマーラ(Climara)(登録商標)、エストラダーム(Estraderm)(登録商標)及びヴィヴェル(Vivelle)(登録商標))などが挙げられる。エストロゲン−プロゲスチン併用製剤は、骨粗鬆症の治療にも利用でき、例えばプレンプロ(Prempro)(登録商標)(コンジュゲート型のウマエストロゲン及び酢酸メドロキシプロゲステロン)、プレンフェーズ(Premphase)(登録商標)(コンジュゲート型のウマエストロゲン及びノルゲスチメート)、オルト−プレフェスト(Ortho−Prefest)(登録商標)(エストラジオール及びノルゲスチメート)、フェムルト(Femhrt)(登録商標)(エチニルエストラジオール及び酢酸ノルエチンドロン)及びコンビパッチ(Combipatch)(登録商標)(経真皮エストラジオール及び酢酸ノルエチンドロン)などが挙げられる。本発明の化合物又は組成物と組み合わせることができる、他の従来公知の骨粗鬆症治療薬としては、ビスホスホネート(例えばアレンドロネート(フォサマックス(Fosamax)(登録商標))、リセドロネート(アクトネル(Actonel)(登録商標))及びパミドロン酸(アレディア(Aredia)(登録商標))、選択的なエストロゲン受容体モジュレータ(SERMs)(例えばラロキシフェン(エヴィスタ(Evista)(登録商標))、カルシトニン(カルシマー(Calcimar)(登録商標)又はミアカルシン(Miacalcin)(登録商標))、副甲状腺ホルモン(フォルテオ(Forteo)(登録商標))、カルシウム、ビタミンD、利尿薬(Ca2+排泄を減少するため)、フッ化物、及びアンドロゲン(例えばテストステロン又は5α−ジヒドロテストステロン)などが挙げられる。
【0041】
すなわち、骨粗鬆症を治療する際の併用療法において用いられる製剤は、以下を含んでなる。
成分(A1):式(I)の化合物、
成分(A2):プレマリン(登録商標)、セネスチン(登録商標)、エストラタブ(登録商標)、メネスト(登録商標)、オーゲン(登録商標)、オルト−est(登録商標)、アローラ(登録商標)、クリマーラ(登録商標)、エストラダーム(登録商標)、ヴィヴェル(登録商標)、プレンプロ(登録商標)、プレンフェーズ(登録商標)、オルト−プレフェスト(登録商標)、フェムルト(登録商標)、コンビパッチ(登録商標)、フォサマックス(登録商標)、アクトネル(登録商標)、アレディア(登録商標)、エヴィスタ(登録商標)、カルシマー(登録商標)、ミアカルシン(登録商標)、フォルテオ(登録商標)、カルシウム、ビタミンD、利尿薬、フッ化物、テストステロン及び5α−ジヒドロテストステロン、からなる群から選択される1つ以上の、骨粗鬆症の治療用の従来公知の架橋助剤、及び任意に、
成分(A3):薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤。
【0042】
本発明の具体的態様:
以下のリストは、式(I)の化合物を、具体的な置換基、及び具体的な変更を用いていくつかのグループ分けしたものである。かかる具体的な置換基又は変更を有する式(I)の化合物、並びに、かかる化合物を使用する方法及び用途が、本発明の具体的態様を表すものと理解されるであろう。
【0043】
すなわち、本発明の具体的態様は、R及びRが、本願明細書において定義されるいずれかの基を有し、
(a)Rがシアノ、−CH=NOCH若しくは−OCFを表すか、又は
(b)Rがシアノ若しくは−CH=NOCHを表すか、又は
(c)Rがシアノを表すか、又は、
(d)Rが−CH=NOCHを表す、式(I)の化合物に関する。
【0044】
更なる本発明の具体的態様は、R及びRが本願明細書において定義されるいずれかの基を有し、
(a)Rが、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aが(C−C4)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、R2bが(C)アルキル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表すか、又は、
(b)Rが、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aがエチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
2bがメチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表すか、又は、
(c)Rが、−COR2aを表して、
2aがエチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又はN(CHを表すか、又は、
(d)Rが、−COR2aを表して、
2aがイソプロピル、エトキシ、イソプロポキシ又はシクロプロピルを表すか、又は、
(e)Rが、−COR2aを表して、
2aがイソプロポキシを表すか、又は、
(f)Rが、−SO2bを表して、
2bがメチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表すか、又は、
(g)Rが、−SO2bを表して、
2bがシクロプロピル又は−N(CHを表すか、又は、
(h)Rが、−SO2bを表して、
2bが−N(CHを表す、式(I)の化合物に関する。
【0045】
本発明の更なる具体的態様は、R及びRが、本願明細書において定義されるいずれかの基を有し、
(a)Rが−COR2aを表して、
【化6】

で示される炭素中心がS立体配置であるか、又は、
(b)Rが−SO2bを表して、
【化7】

で示される炭素中心がR立体配置である、式(I)の化合物に関する。
【0046】
本発明の更なる具体的態様は、R及びRが、本願明細書において定義されるいずれかの基を有し、
(a)Rが、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表して、
それらは各々、メチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよいか、又は、
(b)Rが、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、2クロロ−ピリミジン−4−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチルピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル、3−メチル−ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、5−ブロモ−イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、4,5−ジクロロイソチアゾール−3−イル又は[1,2,5]チアジアゾル−3−イルを表すか、又は、
(c)Rが、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル又は3−メチル−ピラジン−2−イルを表すか、又は、
(d)Rが、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表すか、又は
(e)Rが、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノチアゾール−5−イルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0047】
本発明の更に具体的な態様は、
【化8】

で示される炭素中心が、
が−COR2aを表すとき、S立体配置であり、
が−SO2bを表すとき、R立体配置であり、
が、シアノ又は−CH=NOCHを表し、
が、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aが(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
2bが(C−C)アルキル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表し、
が、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表して、
それらは各々、メチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい、式(I)の化合物に関する。
【0048】
本発明の更に具体的な態様は、
【化9】

で示される炭素中心が、
が−COR2aを表すとき、S立体配置であり、
が−SO2bを表すとき、R立体配置であり、
が、シアノ又は−CH=NOCHを表し、
が、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aがエチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
2bがメチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表し、
が、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、2−クロロ−ピリミジン−4−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル、3−メチル−ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、5−ブロモ−イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、4,5−ジクロロ−イソチアゾール−3−イル又は[1,2,5]チアジアゾル3−イルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0049】
本発明の更に具体的な態様は、
【化10】

で示される炭素中心が、
が−COR2aを表すとき、S立体配置であり、
が−SO2bを表すとき、R立体配置であり、
が、シアノを表し、
が、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aがイソプロピル、エトキシ、イソプロポキシ又はシクロプロピルを表し、
2bがシクロプロピル又は−N(CHを表し、
が、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0050】
本発明の更に具体的な態様は、
【化11】

で示される炭素中心が、
が−COR2aを表すとき、S立体配置であり、
が−SO2bを表すとき、R立体配置であり、
が、シアノを表し、
が、−COR2a又は−SO2bを表して、
2aがイソプロポキシを表し、
2bが−N(CHを表し、
が、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノチアゾール−5−イルを表す、式(I)の化合物に関する。
【0051】
本発明の更に具体的な態様は、下記の式I(a)及び式I(b)の化合物により提供される。式I(a)及び式I(b)の化合物、並びにかかる化合物を使用した方法及び用途が、本発明の更に具体的な態様を表すことが理解されよう。
【0052】
すなわち、本発明の具体的態様は、式I(a)により提供される。
【化12】

式中、Rが、シアノ、−CH=NOCH又は−OCFを表し、
2aが、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
が、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表して、
それらは各々、メチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい。
【0053】
更に具体的な式I(a)の化合物では、
が、シアノ又は−CH=NOCHを表し、
2aが、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
が、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、2−クロロ−ピリミジン−4−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル、3−メチル−ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、5−ブロモ−イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、4,5−ジクロロ−イソチアゾール−3−イル又は[1,2,5]チアジアゾル−3−イルを表す。
【0054】
更に具体的な式I(a)の態様では、
が、シアノを表し、
2aが、イソプロピル、イソプロポキシ、エトキシ又はシクロプロピルを表し、
が、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表す。
【0055】
上記のように、本発明の他の具体的な態様は、式I(b)により提供される。
【化13】

式中、Rが、シアノ又は−CH=NOCHを表し、
2bが、(C−C)アルキル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表し、
が、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表して、
それらは各々、メチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい。
【0056】
更に具体的な式I(b)の化合物では、
が、シアノ又は−CH=NOCHを表し、
2bが、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表し、
が、イソチアゾール−3−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、ピラジン−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル又は[1,2,5]チアジアゾル−3−イルを表す。
【0057】
更に具体的な式I(b)の態様では、
が、シアノを表し、
2bが、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
が、チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表す。
【0058】
更に、本発明の最も具体的な態様が、本願明細書において例示される式(I)の化合物により提供されることが理解され、最も具体的には、(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル、(S)−(7−シアノ−4−チアゾール−5−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル、(S)−[4−(2−アミノ−ピリジン−3−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル、(R)−N’−[4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−N,N−ジメチルスルファミド又は(S)−[4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステルである化合物である。
【0059】
本発明の化合物は、例えば以下の反応式に記載の合成経路、中間体及び実施例に基づき、化学的に調製できる。しかしながら、以下の説明は、いかなる形であれ本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。例えば、記載されている経路中の各々の具体的な合成段階を、異なる方法で組み合わせてもよく、又は異なる反応式に由来する段階と組み合わせて、式(I)の化合物を更に調製してもよい。
【0060】
置換基は、特に明記しない限り、上記で定義したものである。使用する試薬及び開始材料は、当業者が容易に入手できるものである。他の必要な試薬及び開始材料は、有機化学及び複素環化学に関連する標準的な技術、つまり構造的に類似する周知の化合物の合成における同様の技術から選択される手順や、あるいは下記の実施例に記載されている手順(あらゆる新規な手順も含む)によって調製することができる。
【化14】

【0061】
反応式Iは、次のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドール化合物のアルキル化において用いられる、R−CH−X又はR−CH−OMの調製方法を表す。
【0062】
反応式I(ステップA)において、式(2)のアルコールは、式(1)のエステルを還元することによって得られる。必要に応じて、公知技術の方法により、例えば塩化オキサリルを用いて、酸塩化物を経て、カルボン酸からエステルを得る。カルボン酸エステルをアルコールに変換するための多数の方法が当業者に周知であり、R.C.Larock のテキストの“Comprehensive Organic Transformations”,VCH Publishers,1989,p.549−551に記載されている。好適な方法は、非プロトン性溶媒(例えばテトラヒドロフラン)中での、リチウムボロハイドライドによる、室温〜還流温度で約1〜48時間にわたる還元反応である。
【0063】
反応式I(ステップB)において、式(2)のアルコールを、式(3)のメタンスルホン酸エステルに変換する。アルコールを、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基と混合し、不活性溶媒(例えばジクロロメタン)中で、塩化メタンスルホニルで処理する。反応を、0℃〜室温で、15分〜4時間維持する。生成物を、当業者に公知の抽出技術により分離する。
【0064】
反応式I(ステップC)において、式(4)の化合物(Rがヘテロアリールである)をハロゲン化し、式(5)のハロゲン化アルキルを得る。式(4)の化合物を、四塩化炭素又は酢酸エチル中で、N−クロロスクシンイミド又はN−ブロモスクシンイミドと共に、UV照射の有無において、過酸化ベンゾイル又は1,1’−アゾビスイソブチロニトリル又は1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)などのフリーラジカル開始剤で処理する。好適な方法では、室温〜四塩化炭素の還流温度で、約4〜48時間、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)又は1,1’−アゾビスイソブチロニトリルと、N−ブロモスクシンイミドとで処理する。生成物を次に、不溶性成分の濾過、更にシリカゲルクロマトグラフィを行うなど、標準的な技術を使用して精製してもよい。
【0065】
あるいは、反応式I(ステップC)で、式(4)のヘテロアリールメチルを、トリクロロイソシアヌル酸を使用して塩素処理し、塩化アルキル(式中、XはClである)を得ることもできる。上記反応は、クロロホルムなどの不活性溶媒中で、4〜72時間還流しながら実施する。生成物をシリカパッドで濾過して分離し、更にクロマトグラフィを行う。
【0066】
反応式I(ステップD)において、式(6)のホルミルピリジンを、ビス−(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライドを使用して、式(7)のジフルオロメチルピリジンに変換する。上記の反応を、不活性溶媒(例えばジクロロメタン)中で4〜24時間実施し、飽和NaHCO溶液でクエンチする。次に生成物を一般の抽出技術により分離する。
【0067】
上記の反応式I(ステップC)の様に、反応式I(ステップE)において、式(7)のジフルオロメチルピリジンを、式(5)(XはBrである)の臭化アルキルに変換する。
【化15】

【0068】
反応式II(ステップA)においては、シクロペンテノン(8)を、マイケル付加反応によりフタルイミドと反応させて(±)−2−(3−オキソ−シクロペンチル)−イソインドール−1,3−ジオン(9)を得る。上記の反応は好ましくは、O.Nowitzkiら、Tetrahedron 1996、52、11799−11810に記載の方法と同様の条件を使用して、常温で、メタノール/2N NaCO=10/1(体積比)溶液中で実施する。水を添加して生成物を分離し、白色固体として(9)を得る。
【0069】
反応式II(ステップB)において、(±)−2−(3−オキソ−シクロペンチル)−イソインドール−1,3−ジオン(9)を、式(10)のフェニルヒドラジンと、典型的なフィッシャーのインドール合成により反応させ、式(11)のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを得る。当業者であれば、様々な酸性条件(プロトン及びルイス酸など)が、フィッシャーのインドール合成の実施に利用できることを認識するであろう。好適な条件では、50℃〜溶媒の還流温度で、約4〜24時間、ジオキサン中の、4N HClと氷酢酸の混合液を使用する。水を添加して生成物を分離し、更に得られる固体を濾過する。上記の固体をメタノール中で、超音波処理し、充分な純度の材料を得る。あるいは、約2〜4当量のルイス酸(例えば塩化亜鉛)を使用して、反応を実施する。
【0070】
ステップBの他の好適な条件は、還流温度で、約4〜24時間にわたるエタノールの使用である。上記の生成物を分離し、反応混合物を濾過し、更に濾過液をシリカゲルクロマトグラフィに供することにより精製してもよい。
【0071】
反応式II(ステップC)において、式(11)のフタルイミド基を、M.Alajarinら(Eur.J.Org.Chem.2002,4222−4227)に記載の条件を使用して、ヒドラジン又はヒドラジン水和物により切断し、式(12)のアミノテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを得る。好適な条件は、0〜50℃の温度、好ましくは約室温で、4〜72時間にわたり、テトラヒドロフラン/エタノール=約5.5/1(体積比)の混合液を使用することである。得られるフタルヒドラジドを濾過により除去し、濾過液を濃縮することにより生成物を分離し、従来技術において公知のクロマトグラフィを使用してその後精製してもよい。
【0072】
反応式II(ステップD)において、式(12)のアミンを、適切な酸塩化物、クロロホルメート、ジアルキルジカルボネート又はカルバモイルクロライドで、当業者に公知の条件を使用してアシル化し、式(13)のアミド、カルバメート又はウレア(式中、RはC(O)R2aである)を得る。上記のアミンを、過剰量の有機アミン塩基(例えばテトラヒドロフラン、ジクロロエタン又はジクロロメタン、N−メチルピロリジノン又はN,N−ジメチルホルムアミド又はその混合物などの不活性溶媒中の、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン)と混合する。好適な条件は、0〜40℃の温度で、1〜72時間にわたり、例えばイソプロピルクロロホルメートの存在下で、ジクロロメタン中のジイソプロピルエチルアミンを使用することである。水及びジエチルエーテルの添加により生成物を分離し、更に撹拌し、得られる固体を回収する。適切な有機溶媒中に生成物が十分に溶解する場合には、抽出技術により分離し、更に適切な有機溶媒(例えばヘプタン)を用いてスラリー状に変化させ、濾過により分離してもよい。
【0073】
当業者であれば、式(12)のようなアミンを、t−ブトキシカルボニル(BOC)基により好適に保護されたアミン(例えば式(13)の中間体)として(式中、R2aはO−t−ブチルである)、あるいは酸付加塩を形成させることにより、適切に保存し取り扱えることを認識するであろう。BOC基をその後除去し、アミンをアシル化し、本発明の化合物である、所望のアミド又はカルバメートを調製する。
【0074】
反応式II(ステップE)において、式(13)のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを、RCH−X(式中、XはCl又はBr又はRCHOSOMe(反応式Iを参照))でアルキル化し、式(14)のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを得る。好適な条件は、20〜100℃の温度、好ましくは45〜60℃で、2〜24時間にわたり、DMF、DMSO又はN−メチルピロリジノンなどの不活性溶媒中で、CsCOを使用することである。生成物を、公知技術の抽出技術により分離し、シリカゲルクロマトグラフィにより精製する。あるいは、強塩基(例えば、不活性溶媒(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン又はテトラヒドロフラン)中の水素化ナトリウム、水素化カリウム、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド又はナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド)を使用してアルキル化反応を実施することができる。好適な条件は、0〜80℃の温度で、4〜48時間にわたり、ジメチルホルムアミド中の水素化ナトリウムを使用することである。式(14)のアルキル化生成物を、当業者に公知の抽出及びクロマトグラフィ技術により分離する。
【0075】
【化16】

反応式III(ステップA)において、式(15)又は式(17)のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを、RCHX(XはCl、Br又はRCHOSOMe)によって、反応式II(ステップE)に記載のようにアルキル化し、式(16)又は(18)のテトラヒドロシクロペンタンインドールを得る。
【0076】
反応式III(ステップB)において、式(16)のフタルイミド基を、ヒドラジン水和物又はヒドラジンにより、反応式II(ステップC)で記載するように切断し、式(19)のアミノテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを得る。
【0077】
あるいは、反応式III(ステップC)で、式(19)のアミノテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを、式(18)のt−ブトキシカルボニル(BOC)保護アミンの脱保護により生成させてもよい。BOC基を除去するための一般的な脱保護条件は当業者に公知であり、T.W.Green及びP.G.M.Wutsのテキストの“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley&Sons,Inc.,1991,328−330に記載されている。好適な条件は、約0〜50℃の温度で、約10分〜24時間にわたり、ジオキサン中の4Mの塩化水素を使用することである。
【0078】
反応式III(ステップD)において、式(19)のアミンを、適切な溶媒(例えばクロロホルム又はジクロロメタン)中で、トリエチルアミン、Hunig’s塩基又は1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]−オクタン(DABCO)などの塩基を用い、50〜60℃で、それぞれ対応する塩化スルファモイル又は塩化スルホニルと反応させることによって、式(20)のスルファミド又はスルフォンアミドに変換する。好適な条件は、塩基としてのDABCOと一緒に、クロロホルムを使用することである。
【0079】
あるいは、反応式III(ステップE)に示すように、基本的には反応式II(ステップD)に記載の方法で、式(19)のアミンと、適切な酸塩化物、クロロホルメート又は塩化カルバモイルとを反応させ、(14)を調製することができる。
【化17】

【0080】
反応式IV(ステップA)において、式(21)のテトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを、反応式II(ステップE)にて説明したようにアルキル化し、式(22)の置換テトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを得る。
【0081】
反応式IV(ステップB)において、式(21)又は(22)のニトリルを、式(23)又は(24)のアルデヒドに還元する。上記のニトリルは、1/10〜1/2の比率の水/ギ酸の溶媒混合物中で、アルミニウム−ニッケル触媒で処理される。使用するギ酸は98、96又は88%でよい。室温〜溶媒の還流温度で、約2〜48時間、反応を実施する。生成物を、メタノールなどのプロトン性溶媒の添加により分離し、その後濾過液の濾過及び濃縮を行う。残留物を、例えば重炭酸ナトリウム溶液及び酢酸エチルを用いる一般の抽出技術により精製してアルデヒドを得てもよく、又はエタノールと共に超音波処理し、更なる精製なしで用いてもよい。
【0082】
あるいは、反応式IV(ステップB)において、Rがtert−ブトキシカルボニル(BOC)であるとき、式(21)又は(22)のニトリルを、例えば金属水素化物の還元剤(例えば水素化ジイソブチルアルミニウム)を用いた非酸性条件下で還元する。不活性溶媒(例えばジクロロメタン)中で、水素化ジイソブチルアルミニウム、続いて酢酸エチルを添加して、反応を実施し、室温で30分〜2時間撹拌する。酒石酸ナトリウムの20%水溶液と共に1時間反応液を撹拌し、更に抽出技術を使用して分離する。
【0083】
反応式IV(ステップD)において、式(23)又は(25)のアルデヒドをそれぞれ、式(25)又は(26)のメトキシムに変換する。上記アルデヒドを、塩基(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム又は水酸化ナトリウム)の存在下で、0〜100℃で約2〜24時間、好ましくは室温で1時間、エタノール又はメタノール中のメトキシアミン塩酸塩で処理する。生成物を濃縮して分離し、生成物を水中でトリチュレートする。あるいは、反応液を酢酸エチルで希釈し、抽出技術を使用して分離し、標準的な技術(例えばクロマトグラフィ)を使用して精製してもよい。
【0084】
反応式IV(ステップE)において、式(25)のメトキシムテトラヒドロシクロペンタンインドールを、反応式II(ステップE)にて説明したようにアルキル化し、式(26)のN置換メトキシムテトラヒドロシクロペンタンインドールを得る。
【0085】
生物学的活性の測定:
本願明細書で使用する「K」とは、リガンド−受容体複合体の平衡解離定数を指す。「K」とは、薬物受容体複合体の平衡解離定数を指し、平衡時において、結合部位の半分と結合する薬物の濃度を示すものである。「IC50」とは、薬剤による最大限の抑制反応の50%をもたらすときの、その薬剤の濃度、又は、リガンドの受容体への結合の50%の置換を生じさせるときの、その薬剤の濃度を指す。「EC50」とは、薬剤による最大応答の50%を生じさせるときの、その薬剤の濃度を指す。また、「ED50」は、薬剤による最大応答の50%を生じさせるときの、治療薬の投与量のことを指す。
【0086】
ステロイドホルモン核受容体の結合アッセイ:
ヒトGR(糖質コルチコイド受容体)、AR(アンドロゲン受容体)、MR(無機質コルチコイド受容体)又はPR(プロゲステロン受容体)を過剰発現するHEK293細胞から調製した細胞可溶化物を用い、受容体−リガンド競合的結合アッセイを行い、試験化合物のKi値を測定する。
【0087】
簡潔には、ステロイド受容体競合結合アッセイは、20mMのHepesバッファ(pH=7.6)、0.2mMのEDTA、75mMのNaCl、1.5mMのMgCl、20%のグリセロール、20mMのモリブデン酸ナトリウム、0.2mMのDTT(ジチオスレイトール)、20μg/mLアプロチニン及び20μg/mLロイペプチンを含有するバッファ中で実施する。典型的には、ステロイド受容体結合アッセイでは、放射性標識リガンド(例えばGR結合の場合は0.3nM[H]−デキサメタゾン、AR結合の場合は0.36nM[H]メチルトリエノロン、MR結合の場合は0.25nM[H]−アルドステロン及びPR結合の場合は0.29nM[H]−メチルトリエノロン)及びウェルあたり20μg 293−GR溶解物、22μg 293−AR溶解物、20μg 293−MR溶解物又は40μg 293−PR溶解物のいずれかを用いる。典型的には、96穴フォーマットにおいてアッセイを実施する。競合させる試験化合物を、約0.01nM〜10μMにわたる様々な濃度で添加する。非特異的結合は、GR結合の場合は500nMデキサメタゾン、MR結合の場合は500nMアルドステロン又はAR及びPR結合の場合は500nM メチルトリエノロンの存在下で測定する。結合反応液(140μL)を4℃で一晩インキュベートし、冷却したチャコール−デキストランバッファ(アッセイバッファ50mLあたり、0.75gのチャコール及び0.25gのデキストランを含む)を70μL、各反応液に添加する。プレートを、4℃でオービタルシェーカ上で8分間混合する。プレートを、更に4℃で10分間、3,000回転/分で遠心分離する。120μLの結合反応混合液のアリコートを更に、他の96穴プレートへ移し、Wallac Optiphase Hisafe 3(登録商標)シンチレーション液を175μLずつ、ウェルに添加する。プレートを密封し、オービタルシェーカで激しく撹拌する。2時間インキュベートした後、プレートをWallac Microbetaカウンタで測定する。
【0088】
そのデータを用いて、10μMにおける推定IC50及び阻害パーセンテージを算出する。Kdは、GR結合の場合は[H]−デキサメタゾン、AR結合の場合は[H]−メチルトリエノロン、MR結合の場合は[H]−アルドステロン、PR結合の場合は[H]−メチルトリエノロンに対する飽和結合により測定する。化合物のIC50値は、Cheng−Prusoff方程式を使用してKiに変換する。
【0089】
上記のプロトコルに基本的に従い、本発明の例示化合物は、AR結合アッセイにおいて≦500nMのKiを示す。好ましくは、本発明の化合物は、AR結合アッセイにおいて≦100nM、好ましくは≦50nMのKiを示す。更に本発明の例示化合物は、ヒトMR、ヒトGR及びヒトPRの各々と比較し、選択的に、ARと結合する(Kiが低い)。
【0090】
ステロイドホルモン受容体の活性を調整する(すなわちアゴナイズする、部分的にアゴナイズする、部分的にアンタゴナイズする、又はアンタゴナイズする)本発明の化合物の能力を示すため、バイオアッセイを実施する。それは、核受容体タンパク及びホルモン応答エレメント−リポーター遺伝子構築物によって一過性にトランスフェクションした細胞における、標的遺伝子発現の機能的な調節を検出するものである。機能的アッセイにおいて使用される溶媒、試薬及びリガンドは、商業的な供給業者から容易に入手可能であり、又は従来技術を用いて当業者が調製できる。
【0091】
ステロイドホルモン核内受容体調節の機能的アッセイ:
ヒト胚腎臓HEK293細胞を、Fugene(登録商標)(Roche Diganostics社)トランスフェクション試薬を使用して、ステロイドホルモン受容体及びリポーター遺伝子プラスミドによってトランスフェクションする。簡潔には、ルシフェラーゼレポータcDNAの上流で2コピーのプロバスチンARE(アンドロゲン応答エレメント5’GGTTCTTGGAGTACT3’(配列番号:1))及びTK(チミジンキナーゼ)プロモータを有するレポータプラスミドを、ウィルスCMV(サイトメガロウイルス)プロモータを使用してヒトアンドロゲン受容体(AR)を構成的に発現するプラスミドと共に、HEK293細胞にトランスフェクションする。ルシフェラーゼレポータcDNAの上流で2コピーのGRE(グルココルチコイド応答エレメント5’TGTACAGGATGTTCT’3(配列番号:2))及びTKプロモータを有するレポータプラスミドを、ウィルスCMVプロモータを使用してヒトグルココルチコイド受容体(GR)、ヒトミネラルコルチコイド受容体(MR)又はヒトプロゲステロン受容体(PR)を構成的に発現するプラスミドと共に、トランスフェクションする。細胞を、5%のチャコール処理ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM培地を含むT150cmフラスコ中でトランスフェクションする。一晩培養した後、トランスフェクションした細胞をトリプシン処理し、5%のチャコール処理FBSを含有するDMEM培地を含む96穴ディッシュにプレーティングし、4時間インキュベートし、次に約0.01nM〜10μMにわたる様々な濃度の試験化合物に曝露する。アンタゴニストモードのアッセイでは、各受容体のアゴニストを低濃度で培地に添加する(GRの場合0.25nMデキサメタゾン、ARの場合0.3nMのメチルトリエノロン、PRの場合0.05nMのプロメゲストン及びMRの場合0.05nMアルドステロン)。試験化合物と24時間インキュベートした後、細胞を溶解させ、ルシフェラーゼ活性を標準的な技術を使用して測定する。
【0092】
データを、4パラメータフィットのロジスティック曲線にフィットさせ、EC50値を決定する。有効性%(飽和時の、最大の反応を生じさせる化合物)又は最大刺激%(飽和していないが、最大の反応を生じさせる化合物)を、以下の参照アゴニストによって得られた最大刺激と比較して決定する:ARアッセイの場合100nM メチルトリエノロン、PRアッセイの場合30nM プロメゲストン、MRアッセイの場合30nMアルドステロン、GRアッセイの場合100nMデキサメタゾン。IC50値は、アンタゴニストモード分析データを同様に使用して決定できる。アンタゴニストモードにおいては、阻害(%)は、低濃度のアゴニスト(GRの場合0.25nMデキサメタゾン、ARの場合0.3nMのメチルトリエノロン、PRの場合0.05nMのプロメゲストン及びMRの場合0.05nMアルドステロン)の存在下での試験化合物の活性を、試験化合物が存在しない場合の、同じ低濃度のアゴニストによって生じる反応と比較することにより決定される。
【0093】
C2C12 AR/AREレポータアッセイ:
筋組織のアゴニスト活性の指標として、C2C12 AR/AREレポータアッセイを実施する。簡潔には、マウス筋芽細胞C2C12細胞を、Fugene(登録商標)試薬を使用してコトランスフェクションする。GRE/ARE(グルココルチコイド応答エレメント/アンドロゲン応答エレメント5’TGTACAGGATGTTCT’3(配列番号:3))、及びルシフェラーゼレポータcDNAの上流のTKプロモータを有するレポータプラスミドを、ウィルスCMVプロモータを使用してヒトアンドロゲン受容体(AR)を構成的に発現するプラスミドでトランスフェクションする。細胞を、4%又は10%のウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM培地を含むT150cmフラスコ中でトランスフェクションする。5時間の培養の後、トランスフェクションした細胞をトリプシン処理し、10%のチャコール処理FBSを含有するDMEM培地を含む96穴ディッシュにプレーティングし、2時間インキュベートし、更に約0.01nMから10μMにわたる様々な濃度の試験化合物に曝露する。化合物で48時間インキュベートした後、細胞を溶解させ、ルシフェラーゼ活性を標準的な技術により測定する。データを、4パラメータフィットのロジスティックスにフィットさせ、EC50値を決定する。有効性%を、10nM メチルトリエノロンによって得られた最大刺激に対する%として決定する。
【0094】
通常当業者であれば、上記と同様のステロイドホルモン核内ホルモン受容体調節の機能的アッセイを容易に設計できる。上記のプロトコルに基本的に従い、本発明の例示化合物は、C2C12 AR/AREレポータアッセイにおいて≦1000nMのEC50を示す。好ましくは、本発明の化合物は、C2C12 AR/AREレポータアッセイにおいて≦100nM、更に好ましくは、≦50nMのEC50を示す。
【0095】
有効性及び選択性に関するin vivoモデル:
オスのウィスターラット(12週間目)を、承認された手順(Charles River Labs)に従って去勢し(gonadectomized又は「GDX」)、8週間経過させる。同じ週齢の偽手術マウスも調製する(偽手術をしたマウスとは、それらの精巣が摘出されないことを除き、去勢された動物と同じ外科的手技を受けた動物である)。動物を、12時間の逆転明/暗サイクル(暗10:00/22:00)にて、温度制御(24℃)された容器に収容し、水及び食物を自由に摂取させる。
【0096】
in vivo有効性を示すために、本発明の化合物を、経口的に胃管強制投与又は皮下注射により、毎日、去勢された20週齢のラット(400〜450gの体重)に投与する。全ての治療群の初期の体重差が各々5%以内となるように、体重に基づき、動物を試験スロットに供する前にランダム化する。試験化合物を、従来公知のビヒクルを使用して動物に投与する。例えば、無菌のHO中に1%のカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMC)+0.25% Tween80を含有する溶液を経口投与に使用でき、6%のエチルアルコール(EtOH)+94%のシクロデキストラン(CDX)を皮下注射に使用できる。ビヒクル単独で処理した偽手術ラットを陽性コントロール処理として用い、ビヒクルのみで処理した去勢ラットを陰性コントロール処理として用いる。
【0097】
実験動物に対して、経口投与又は皮下注射により、2週間にわたり、例えば、0.3、1、3、10又は30mg/kg/日で、本発明の化合物を投与する。処理の2週後、活性の指標として、試験グループの肛門挙筋(LA)の湿重量を測定し、ビヒクルのみの去勢された対照群からの肛門挙筋の湿重量と比較する。試験群及びビヒクルのみの群おいて得られた筋肉の湿重量を、総体重に対して標準化する。組織選択的な活性の指標として、試験動物からの精嚢(SV)の湿重量を、ビヒクルのみの偽手術した群からの精嚢の湿重量と、同様に比較する。また、試験群及びビヒクルのみの群から得られる精嚢の湿重量を、総体重に対して標準化する。
【0098】
肛門挙筋の湿重量のほかに、ラットの左脛骨を検死の間に摘出し、骨端を取り除いた後、骨を囲む軟組織を慎重に取り除く。このサンプルを更に、トリスバッファ(pH7.5)中に0.2%のコラゲナーゼを含有する溶液に入れる。外側の骨膜層の酵素処理により得られる生成物を直ちにアッセイし、アルカリホスファターゼ活性(骨芽細胞/骨の同化作用活性の指標)を測定する。簡潔には、サンプル30μLを、パラ−ニトロフェニルホスフェート(PNPP)基質バッファ(Pierce社、Cat#37621)を200μL含むエピチューブに添加する。精製アルカリホスファターゼ(Sigma社、Cat#P4252)を用いて標準曲線を作成し、プレートリーダーを用いてサンプルをAbs405で測定し、骨膜アルカリホスファターゼ(PALP)活性を測定する。試験群及びビヒクルのみの群から得られる結果を、全体重に対して標準化する。
【0099】
有効性パーセント(% Eff.)値を、以下の通りに決定することができる:
% Eff.=((試験動物のLA若しくはSVの湿重量又はPALP活性/試験動物の全体重)/(対照動物のLA若しくはSVの湿重量又はPALP活性/対照動物の全体重))×100。
【0100】
上記の手順に基本的に従った結果、実施例74の化合物は、有効性及び選択性に関するin vivoモデルにおいて、上記ラットに対して以下の活性を示す:
【0101】
【表1】

p.o.=経口投与、
LA=肛門挙筋、
SV=精嚢、
GDX=去勢された。
【0102】
骨損失と関連した障害のin vivoモデル:
本発明の化合物が骨損失(例えば骨粗鬆症又は骨減少症)と関連した障害を治療する能力を有することを証明するため、従来技術において公知の他のモデル動物を使用できる。かかるモデルの例としては、Y.L.Maら、Japanese Journal of Bone and Mineral Metabolism 23(Suppl.):62−68(2005)、Y.L.Maら、Endocrinology 144:2008−2015(2003)、及びK.Hanadaら、Biol.Pharm.Bull.26(11):1563−1569(2003)を参照のこと。卵巣摘出により誘発されるエストロゲン欠乏骨減少症のメスのモデルラット、及び精巣摘出により誘発されるアンドロゲン欠乏骨減少症のオスのモデルラットに関して具体的に記載されている。
【0103】
卵巣摘出により誘発される、エストロゲン欠乏骨粗鬆症のモデル:
6ヵ月の、処女のメスのスピローグドーリーラット(Halan Industries社、インディアナポリス、IN)(約220gの体重)を収容し、食餌(0.5%のカルシウム及び0.4%のリンを含有するTD 89222、Teklad社、マディソン、WI)及び水を自由に摂取させる。動物(偽手術のコントロールを除く)の両側の卵巣摘出(Ovx)を実施し、更に群あたり7〜8匹のラット処理群としてランダム化する。各アッセイには、典型的には少なくとも2組のコントロール、すなわちビヒクルで処理した偽卵巣摘出(Sham)及び卵巣摘出されたコントロール(Ovx)を含める。試験化合物で処理前に、Ovxラットでは、1ヵ月間骨を損失させ、骨減少症を確立させる。8週齢のOvx動物に、試験化合物を、胃管強制投与により経口投与する。陽性コントロールとして、組換えヒトPTH(1−38)を一部のOvx動物群に投与(約10μg/kg/日で皮下投与)してもよい。試験プロトコルの終了後、定量的コンピュータ断層撮影法(QCT、Norland/Stratec社、フォート・アトキンソン、WI)を用いて、腰椎L−5及び大腿骨の、体積あたりの骨密度(BMD、mg/cc)を分析する。大腿骨の骨幹部上の3点の曲げ、及び近位側の大腿骨の破壊時の荷重に関する生体力学的分析を、材料(機械的性質)試験装置(モデル:661.18c−01、MTS社、ミネアポリス、MN)を使用して実施し、TestWorks 4(登録商標)ソフトウェア(MTS社)を使用して分析する。
【0104】
精巣摘出により誘発されるアンドロゲン欠乏骨粗鬆症のモデル:
6月齢のオスのスピローグドーリーラット(Harlan Industries社、インディアナポリス、IN)(約485gの体重)を収容し、食餌(0.5%のカルシウム及び0.4%のリンを含有するTD 89222、Teklad社、マディソン、WI)及び水を自由に摂取させる。動物(偽手術のコントロールを除く)の両側の精巣摘出(Orx)を実施し、更に群あたり7〜8匹のラット処理群としてランダム化する。各アッセイには、典型的には少なくとも2組のコントロール、すなわちビヒクルで処理した偽精巣摘出(Sham)及び精巣摘出されたコントロール(Orx)を含める。試験化合物で処理前に、Orxラットでは、2ヵ月間骨を損失させ、骨減少症を確立させる。8週齢のOrx動物に、試験化合物を、胃管強制投与により経口投与する。陽性コントロールとして、組換えヒトPTH(1−38)を一部のOrx動物群に投与(約10μg/kg/日で皮下投与)してもよい。試験プロトコルの終了後、卵巣摘出されたメスのモデルラットに関して上記したとおり、脊椎骨及び大腿骨のBMD並びに大腿骨の生体力学的分析を実施してもよい(概説は、Maら、JBMR 17:2256−2264(2002)及びTurnerら、Bone[Review]14:595−608(1993)に記載)。
【0105】
当該技術分野の当業者には自明であるが、上記のモデル動物を用いたプロトコルを、本発明の化合物及び方法の使用に応じて、適宜調整してもよい。
【0106】
更に以下の調製例及び実施例は本発明を例示し、上記で概説した、新規な化合物をはじめとする式(I)の化合物の典型的な合成例を示す。試薬及び開始材料は容易に入手できるか、又は当業者が容易に調製できる。調製例及び実施例は、例示のみを目的とするものであり、何ら限定するものではないと理解されべきである。また、当業者であればその様々な変形をなしうる。
【0107】
本発明の「TLC」とは、薄層クロマトグラフィを指す。
「HPLC」とは、高速液体クロマトグラフィを指す。
「GC/MS」とは、ガスクロマトグラフィ−質量分析を指す。
「LC−ES/MS」とは、液体クロマトグラフィ−電子スプレー質量分析を指す。
「R」とは、保持係数を指す。
「R」又は「T」とは、保持時間を指す。
「δ」とは、テトラメチルシランからのppmダウンフィールドを指す。
「TFA」とは、トリフルオロ酢酸を指す。
「THF」とは、テトラヒドロフランを指す。
「DMF」とは、N,N−ジメチルホルムアミドを指す。
「DMSO」とは、ジメチルスルホキシドを指す。
「MTBE」とは、tert−ブチルメチルエーテルを指す。
「PPh」とは、トリフェニルホスフィンを指す。
「DEAD」とは、ジエチルアゾジカルボキシレートを指す。
「Pd−C」とは、パラジウム/炭素を指す。
「NaBH(OAc)」とは、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライドを指す。
「Bn」とは、ベンジルを指す。
「BnNH」とは、ベンジルアミン基を指す。
「MeOH」とは、メタノールを指す。
「EtOH」とは、エタノールを指す。
「EtOAc」とは、酢酸エチルを指す。
「NBS」とは、N−ブロモスクシンイミドを指す。
「AIBN」とは、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを指す。
「ee」とは、鏡像異性体過剰率を指す。
【0108】
旋光度は、偏光計の使用などの、標準的な技術により測定する。本発明の化合物のR又はS立体配置は、標準的な技術(例えばX線解析とキラルHPLC保持時間との相関)により測定できる。
【0109】
全体として、本発明の化合物名はChemDraw(登録商標)7.0.1版により提供される名称である。
【実施例】
【0110】
中間体1:(±)−2−(3−オキソ−シクロペンチル)−イソインドール−1,3−ジオン
シクロペンテノン(100g、1.2モル)及びフタルイミド(170g、1.2mmol)をMeOH(900mL)に添加し、常温で18時間撹拌した。撹拌装置で激しく撹拌し、2MのNaCO(80mL)水溶液を添加した。約2時間後、濃い白色の沈殿が生じた。室温で48時間撹拌した。減圧濾過して白色固体を回収し、メタノールで洗浄した。水(300mL)中に固体を懸濁させ、3時間撹拌した。固体を回収し、40℃で一晩真空オーブン中で乾燥させ、白色固体として標題化合物195g(71%)を得た。H NMR(DMSO−d)δ7.85−7.77(m,4H),4.90(m,1H),2.67(ddd,1H,J=18.5,6.2,1.3Hz),2.54(dd,1H,J=18.5,9.2Hz),2.45(m,1H),2.32−2.21(m,3H)、MS(m/z):230(M+1、弱い)。
【0111】
中間体2:(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
(±)−2−(3−オキソ−シクロペンチル)−イソインドール−1,3−ジオン(12.7g、55.3mmol)及び4−シアノフェニルヒドラジン−HCl(8.53g、50.3mmol)を、HOAc(200mL)及び4N HClジオキサン(50mL)中で混合した。機械的に撹拌しながら、反応液を90℃で18時間加熱し、更に4N HClジオキサン(20mL)を添加した。反応液を100℃で18時間加熱した。反応混合物を水(600mL)で希釈し、減圧濾過して黒い固体を回収した。MeOH(200mL)を用いて固体を超音波処理し、回収し、真空オーブン中で乾燥させ、灰褐色の固体10.94g(66%)を得た。MS(m/z):328(M+1)、326(M−1)。
【0112】
中間体3:(±)−2−(7−トリフルオロメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−イソインドール−1,3−ジオネン
(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ヒドラジンヒドロクロライド(1.5g、6.56mmol)及び(±)−2−(3−オキソ−シクロペンチル)−イソインドール−1,3−ジオンをEtOH(20mL)中で混合し、14時間還流加熱した。真空内で反応混合物を濃縮し、残渣をEtO(150mL)で希釈した。超音波浴中に混合物を10分間静置し、固体を濾過して除去した。濾過液を濃縮し、粗製の生成物を得た。10〜60%のEtOAc/ヘキサンを使用してシリカゲル(120g)上で材料を精製し、黄色の固体として標題化合物520mg(22%)を得た。1H−NMR(DMSO−d)δ11.22(s,1H),7.85(m,4H),7.38(d,1H,J=8.8Hz),7.28(d,1H,J=1.3Hz),6.96(dd,1H,J=8.8,1.3Hz),5.41(m,1H),3.38−3.11(m,4H)。
【0113】
中間体4:(±)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
3口の丸底フラスコに、撹拌装置を装備し、THF(3100ml)及びエタノール(550ml)の混合物を調製した。この混合物に、粗製の2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(170g、0.52モル)を添加し、15分間撹拌した。ヒドラジン水和物(90ml、1.9モル)を添加し、室温で16時間、混合物を撹拌した。LC/MSで分析し、開始材料が残留しないことを確認した。真空内で粗製の反応生成物を濾過し、THF(2×200mL)で固体を洗浄した。母液を回収し、真空下で溶媒を除去した。(2MのNH/MeOH)/CHCl(3−10%)を使用して、シリカゲル濾過(高さ1.5インチの、非常に幅広のSiOパッド)で精製した。製品を含有する画分を回収し、溶媒を除去した。アセトニトリル(180ml)を添加し、混合物を15分間還流し、更に室温に冷却した。茶色の固体を濾過して回収し、40℃で一晩真空乾燥させ、ラセミ体の標題化合物55g(60%)を得た。GC−MS:198(M+)、196(M−)、注:この時点で、ラセミ体のアミンの鏡像異性体を分離するか、又は、ラセミ体の材料を用いて合成反応を継続させ、最終的な化合物のキラル調製−HPLC分離を実施する。
【0114】
中間体4a:(S)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
【化18】

撹拌装置及び濃縮器を備えた2Lのフラスコ中に、エタノール(945ml)及び(±)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(40g、0.203mmol)を添加した。完全な溶液が得られるまで、混合液を撹拌し、60〜65℃に加熱した。D−ピログルタミン酸(28.4g、0.192mmol)及び水(55ml)を添加した。混合物を20分間、還流加熱した。90分間かけて、40〜45℃に冷却した。40〜45℃で1時間撹拌し、2時間以上かけて、24℃に冷却した。更にこの温度で2時間撹拌した。濾過して結晶状の固体を分離し、EtOH/水(95:5)の混合液で洗浄(3×50mL)した。50℃で一晩、真空下で固体を乾燥させ、23gのピログルタミン酸塩を得た。
【0115】
遊離塩基の単離:
ピログルタミン酸塩を水(150mL)に添加し、完全な溶液となるまで撹拌した。珪藻土パッドで濾過した。水溶液を回収し、濃アンモニア水溶液を添加してpHを9に調整した。濾過してオフホワイトの固体を回収し、真空内で50℃で一晩乾燥させ、13.5g(35%)の(S)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(≧94%ee)を得た(カラム:Chiracel OJ(4.6×250mm、10μm)、溶媒:20%のEtOH/(0.2%のジメチルエチルアミン/ヘキサン)、ラセミ混合物に関して解析)。比旋光度:[a]25−68.3(MeOH)。
【0116】
中間体4b:(R)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
L−ピログルタミン酸を使用し、基本的に中間体4aの記載に従い、標題化合物を調製した。生成物(97%ee)の比旋光度:[a]25+63°(EtOH)。
【0117】
中間体5:(±)−7−トリフルオロメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イルアミン
(±)−2−(7−トリフルオロメトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−イソインドール−1,3−ジオネンを用い、基本的に中間体4の記載に従い、調製した。MS(m/z):257(M+1)、255(M−1)。
【0118】
中間体6:(±)−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
窒素雰囲気下で、(±)−2−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(7.0g、35.5mmol)とCHCl(70mL)中のジイソプロピルエチルアミン(7.4mL、42.6mmol)を混合した。イソプロピルクロロホルメート(トルエン中の1.0M溶液、42.6mL、42.6mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。水(100mL)及びエチルエーテル(50mL)で希釈し、10分間撹拌し、固体を回収した。乾燥後、黄褐色の固体として標題化合物7.42g(61%)を得た。MS(m/z):284(M+1)、282(M−1)。
【0119】
適切な酸塩化物、クロロホルメート又はジアルキルジカーボネートを使用し、また塩基としてトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミンを互換的に使用し、中間体6の調製に関する記載に基本的に従い、表1の中間体を調製した。
【0120】
【表2】

【0121】
中間体18:(±)−N−[7−(メトキシイミノメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−イソブチルアミド
(±)−N−[7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−イソブチルアミド(5g、18.7mmol)及びAl−Ni触媒(15g)を、水/96%のギ酸=1/10溶液(110mL)に添加した。18時間還流し、Al−Ni触媒(13g)を添加し、更に5時間還流した。冷却し、MeOHで希釈し、無機物を濾過して除去した。濾過液を濃縮し、EtOH(200mL)を添加し、15分間超音波処理した。不溶性物質を濾過し、粗製のアルデヒド溶液に、水(25mL)に溶解させたO−メトキシアミン−HCl(120mmol)を添加し、5.0N NaOHを用いて混合液を塩基性(pH=9〜12)に調整した。室温で18時間撹拌し、減圧下で大部分の溶媒を除去した。残渣と水を混合し、30分間超音波処理した。茶色の固体4.39gを分離した。30〜100%のEtOAc/ヘキサンを使用してシリカゲル上で材料を精製し、淡黄色の固体として530mg(10%)の標題化合物を得た。MS(m/z):300(M+1)、298(M−1)。
【0122】
中間体19:(R)−N−[7−(メトキシイミノメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオンアミド
ジクロロメタン(15ml)及び(R)−[7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(2g、6.73mmol)を混合し、窒素雰囲気下で室温で10分間撹拌した。15分間にわたり、水素化ジイソブチルアルミニウム(メチレンクロライド(14.1ml)中の1M溶液、14.1mmol)を滴加した。反応混合物に酢酸エチル(30mL)を添加し、室温で1時間撹拌した。酒石酸ナトリウム(30mL)の20%水溶液を添加し、室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、酢酸エチル(2×15mL)で水性層を抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮し、2.2gの[(R)−7−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。メチレンクロライド/アセトン(95/5)を使用し、シリカゲルクロマトグラフィによって精製し、1.3g(64%)を得た。MS(m/z):301(M+1)。
【0123】
100mLの丸底フラスコに、[(R)−7−ホルミル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.00g、3.33mmol)、エタノール(10ml)、炭酸カリウム(552mg、4mmol)及びO−メチルヒドロキシルアミンヒ塩酸塩(334mg、4.0mmol)を添加した。室温で1時間、混合物を撹拌した。真空内で溶媒を除去し、水(15mL)を添加した。混合物を30分撹拌し、濾過し、790mg(72%)を得た。MS(m/z):330(M+1)。
【0124】
中間体20:2−ブロモメチル−6−フルオロ−ピリジン
室温で、EtOAc(400mL)中の6−フルオロ−2−メチルピリジン(20mL、0.19モル)の溶液に、NBS(35.6g、0.20モル)を添加した。温度が45℃となったとき、AIBN(400mg、2.4mmol)を添加した。65℃で6時間混合物を加熱し、室温に冷却し、ヘキサン(1L)を添加した。濾過して白い沈殿物を除去し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で固体を洗浄した。少量のNa水溶液、NaHCO水溶液及び塩水で濾過液を洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、室温で、大部分の溶媒を真空下で除去した。残留する溶液を蒸留装置へ移した。常圧で蒸留して残留する溶媒を除去し、更に未反応の開始材料を80mm(沸点約70℃、11.2g)で除去し、標記生成物を1mm(沸点約75℃、12.1g、32%)で得た。NMR(300MHz,CDCl):7.82(1H,dd)、7.35(1H,dd)、6.90(1H,dd)、4.50(2H,s)。
【0125】
中間体21:2−(3−ブロモメチル−ピリジン−2−イル)−イソインドール−1,3−ジオン
Goswami,S.ら、J.Am.Chem.Soc.1989,111,3425−3426に記載の方法及びGraczyk、P.国際公開第2004/013139号(2004)に例示される方法を使用して、2−アミノ−3−ピコリン及びフタル酸無水物を開始材料とし、更にNBSで臭素化し、白色固体として、33%の収率で標題化合物を調製した。MS(m/z):317、319(M+1)。
【0126】
中間体22:3−ブロモメチル−イソチアゾール
Buttimore,D.ら、J.Chem.Soc.1963,2032−2039の手順に従い、市販の5−アミノ−3−メチルイソチアゾール塩酸塩から、3−メチルイソチアゾールを調製した。CCl(100mL)中の3−メチルイソチアゾール(3.61g、36.6mmol)、Nブロモスクシンイミド(6.8g、38.2mmol)及び1,1−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(0.18g、0.73mmol)の混合物を、18時間還流した。冷却し、濾過してスクシンイミド副産物を除去した。濾過液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで、EtOAc/ヘキサン(1/5)を用いて精製し、生成物2.78g(42.9%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ8.63(d,J=5.1Hz,1H),7.34(d,J=5.1Hz,1H),4.59(s,2H)。
【0127】
中間体23:5−ブロモ−3−ブロモメチル−イソチアゾール
Adams,A.、Slack,R.J.Chem.Soc.1959,3061−3072.の方法に従い、5−ブロモ−3−メチルイソチアゾールを調製した。基本的に、NBS及び5−ブロモ−3−メチルイソチアゾールを用いた中間体22の記載に従い、標題化合物を調製した。
【0128】
中間体24:2−ブロモメチル−6−ジフルオロメチル−ピリジン
CHCl(25mL)中に6メチル−2−ピリジンカルボキシアルデヒド(2.6g、21.5mmol)を含有する溶液に、ビス−(2−メトキシエチル)アミノサルファトリフルオライド(9.2mL、50mmol)を徐々に添加した。18時間後、飽和NaHCO(300mL)を含むビーカー中に慎重に注入した。水/CHClと一緒に振とうし、分離させた。有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮し、2.11gの茶色の油状物を得た。シリカゲル(50%のEtOAc/ヘキサン)で精製し、黄褐色の油状物として1.16g(38%)の2−メチル−6−ジフルオロメチル−ピリジンを得た。CCl(30mL)中に溶解させ(1.0g、7mmol)、NBS(1.2g、6.8mmol)及びAIBN(100mg)を添加した。4時間還流し、濾過し、濃縮した。得られた残渣を、30分にわたり、5〜10%のEtOAc/ヘキサンを使用してシリカゲル上で精製し、670mg(43%)を得た。GC/MS 221+223。
【0129】
中間体25:2−クロロメチル−3−クロロピラジン
基本的にJeromin,G.E.ら、独国特許発明第3519364号(1986)、及びRussell,M.G.N.ら、J.Med.Chem.2005、48、1367−1383に記載の塩素化手順を使用し、標題化合物を調製した。2−メチル−3−クロロピラジン(24.3g、189mmol)をCHCl(100mL)に溶解させた。ベンズアミド(100mg、0.8mmol)を添加し、還流加熱した。還流の際、固体のトリクロロイソシアヌル酸(17.6g、75.6mmol)を添加し、96時間還流を継続させた。冷却して、200gのシリカゲルで濾過し、メチレンクロライドで抽出した。35%クロロホルム/ヘキサン〜60%クロロホルム/ヘキサンのグラジェントを用いたシリカゲルクロマトグラフィにより、1時間にわたり精製した。無色の油状物として、5.39gの純粋な標題化合物、及び9.4gの標題化合物を>70%で含有する化合物を得た。H−NMR(CDCl)δ8.50(d,1H,J=2.2Hz),8.37(d,1H,J=2.6Hz),4.80(s,2H),2.50(s,3H)、GC/MS M=162+164。
【0130】
基本的に中間体25で記載した手順に従い、2,3−ジメチルピラジン、2−クロロ−4−メチルピリジン、2−メチルチアゾール及び3−メチルピリダジンを使用して、中間体26から29を調製した。
【0131】
【表3】

【0132】
2−メチルピラジン及び2,5−ジメチルピラジン及びN−クロロスクシンイミド(NCS)を用いて、Newkome,G.R.ら、Synthesis 1984,676−679に記載の手順に基本的に従い、中間体30及び31を調製した。
【0133】
【表4】

【0134】
中間体32:[1,2,5]チアジアゾール−3−カルボン酸
Weinstock,L.M.ら、J.Org.Chem.1967、32、2823−2828の手順により、標題化合物を調製した。
【0135】
中間体33:[1,2,5]チアジアゾル−3−イルメタノール
[1,2,5]チアジアゾル−3−カルボン酸(6.00g、46.1mmol)及び塩化オキサリル(11.7g、8.04mL、92.2mmol)をCHCl(150mL)中で混合した。この不均一なスラリーに、10滴のDMFを添加し、室温で撹拌した。反応混合物中で泡が発生し、1時間以内に徐々に半透明となった。1時間後、真空内で反応混合物を濃縮し、茶色の油状物として酸塩化物を得た。
【0136】
酸塩化物をEtOH(50mL)に溶解させ、室温で1時間撹拌し、真空内で濃縮し、茶色の油状物としてエチルエステルを得た。
【0137】
THF(100mL)中にエチルエステルを溶解させ、LiBH(THF中の2.0Mの溶液、46.1mL、92.2mmol)を添加した。室温で18時間、反応混合物を撹拌した。反応混合物をNHCl(400mL)水溶液に注入し、EtOAc(3×150mL)で抽出した。有機層を乾燥させ(MgSO)、真空内で濃縮し、黄色の油状物として4.41gの粗製の生成物を得た。30%のEtOAc/ヘキサンを使用してシリカゲル(40g)で精製し、黄色の油状物として標題化合物3.71g(69%)を得た。H−NMR(CDCl)δ8.59(s,1H),5.00(s,2H)。
【0138】
中間体34:メタンスルホン酸[1,2,5]チアジアゾル−3−イルメチルエステル
Yamamoto,H.ら、Bioorg.Med.Chem.2001、9、465−475の手順により、標題化合物を調製した。
【0139】
中間体35:3−ヒドロキシメチル−4,5−ジクロロイソチアゾール
THF(60mL)中に4,5−ジクロロ−イソチアゾール−3−カルボン酸メチルエステル(2.1g、10mmol)を含有する溶液に、LiBH(THF中2.0M、10mL、20mmol)を添加した。室温で1時間撹拌し、それから0℃に冷却した。水(10mL)次に飽和NHCl水溶液(50mL)で反応混合物を慎重にクエンチした。EtOAc(100mL)で抽出し、次に有機層を乾燥(MgSO)、濾過、濃縮し、オレンジ色のシロップ状の物質として540mgの粗製の生成物を得た。5〜30%のEtOAc/ヘキサンを使用してシリカゲル(40g)上で上記シロップ状の物質を精製し、白色固体として標題化合物310mg(17%)を得た。H−NMR(DMSO−d)δ5.55(t,1H,J=5.9Hz),4.52(d,2H,J=6.2Hz)。
【0140】
中間体36:2−クロロ−4−ヒドロキシメチルチアゾール
Erlenmeyer,H.ら、Helv.Chim.Acta 1944、27、1432−1436の記載に基本的に従い、2−クロロ−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステルを調製した。2−クロロ−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステルを使用して、中間体35で記載した手順に基本的に従い、標題化合物を調製した。MS(m/z):150(M+1)、H−NMR(CDCl)δ7.16(t,1H,J=1.0Hz),4.75(d,2H,J=0.9Hz),2.48(s,1H)。
【0141】
中間体37:2−アミノ−5−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
Henichart,J.P.ら、Heterocycles 1991、32、693−701の手順に従い、標題化合物を調製した。
【0142】
中間体38:5−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
3口の丸底フラスコ中で、2−アミノ−5−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(62.9g、338mmol)及びTHF(630mL)を混合した。還流加熱し、反応混合物に、亜硝酸イソアミル(52.6g、60.1mL、449mmol)を滴加して処理した。添加終了後、1時間還流しながら反応液を撹拌し、ロータバップ(高真空)により反応混合物を濃縮し、濃いオレンジ色の油状物として70gの粗生成物を得た。シリカゲル(400g、20−45%のEtOAc/ヘキサン)で精製し、黄色の固体として標題化合物39.47g(68%)を得た。LC−ES/MS m/z 172(M+1)(T=1.5分)。
【0143】
中間体39:5−ブロモメチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル
275ワットのタングステンサンランプで照射して、5−メチル−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(4.87g、28.5mmol)及びN−ブロモスクシンイミド(5.06g、28.5mmol)のCCl(100mL)中混合液を還流加熱した。3時間後、室温に冷却し、黄褐色の固体を濾過して除去した。ロータバップで濾過液を濃縮し、オレンジ色の油状物として、6.42gの粗生成物を得た。シリカゲル[115g、0−15%(2MのNH/MeOH)/(1:1=CHCl/ヘキサン)]で精製し、黄色の固体として標題化合物3.61g(51%)を得た。LC−ES/MS m/z 250、252(M+1)、T=2.0分、86%。開始材料:m/z 172(M+1)、T=1.7分(14%)。
【0144】
実施例1:(±)−N−[7−シアノ−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロシクロ−ペンタ[b]インドール2−イル]イソブチルアミド
【化19】

(±)−N−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−イソブチルアミド(6.28g、18.8mmol)、6−フルオロ−2−ブロモメチルピリジン(3.93g、20.7mmol)及びCsCO(12.25g、37.6mmol)をDMF(25mL)中で混合した。50℃で18時間、反応液を加熱した。冷却し、EtOAcで希釈し、水(3×200mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濃縮し、7.1gの粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィ(5〜20%のEtOAc/CHCl)で精製し、4.0g(56%)の黄色の褐色固体を得た。MS(m/z):377(M+1)、375(M−1)。
【0145】
実施例1a及び1b:(R)−及び(S)−N−[7−シアノ−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−イソブチルアミド
Chiralpak ADH(MeOH)を使用したキラルクロマトグラフィにより、実施例1の鏡像異性体を分割した。
異性体1(R):1.67g 99%ee、HPLC:R=3.44(96.5%)、H−NMR(DMSO−d)δ8.22(d,1H,J=7.5Hz),7.96−7.88(m,2H),7.62(d,1H,J=8.3Hz),7.38(dd,1H,J=8.4,1.8Hz),7.07(td,2H,J=10.9,3.9Hz),5.44(dd,2H,J=19.2,16.5Hz),4.86(m,1H),3.28−3.12(m,2H),2.69−2.61(m,2H),2.32(m,1H),0.97(t,6H,J=6.4Hz)。
異性体2(S):1.45g 98.9%ee、HPLC:R=3.44分(100%)、H−NMR(DMSO−d)は、異性体1のそれと同一であった。
【0146】
実施例2:(±)−(7−シアノ−4−ピリミジン−4−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化20】

CHCl(12mL)中のピリミジン−4−イルメタノール(250mg、2.27mmol)の懸濁液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(475mg、640μL、3.68mmol)を添加し、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。塩化メタンスルホニル(275mg、186μL、2.40mmol)を添加し、室温に加温した。1時間室温で撹拌した後、水(2mL)で前処理したVarian ChemElut CE1005固相抽出カートリッジ(Varian部品番号12198006)に、反応混合物を添加した。カートリッジからCHCl(30mL)を用いて溶出させ、有機溶出剤を回収し、濃縮した。溶出剤にDMFを添加し、真空内で濃縮し、メシラートのDMF溶液を得た。この溶液に、(±)−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(495mg、1.75mmol)、CsCO(1.14g、3.5mmol)及びDMF(10mL)を添加した。密封したバイアル中で、混合物を50℃で18時間加熱した。反応液をEtOAc(100mL)で希釈し、水(3×60mL)で有機層を洗浄した。MgSO上で有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、赤色の油状物として粗生成物631mgを得た。40gのシリカゲル[40〜90%のEtOAc/(1:1=CHCl/ヘキサン)]で油状物を精製し、白色固体として標題化合物487mg(74%)を得た。LCMS 92%@4.34分(m/z):376(M+1),374(M−1),420(M+HCO)。
【0147】
実施例3:(S)−7−(シアノ−4−チアゾール−5−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化21】

窒素雰囲気下で、冷却(0℃)したCHCl(50mL)中の5−(ヒドロキシメチル)チアゾール(1.22g、10.6mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.39g、3.2mL、18.5mmol)及び塩化メタンスルホニル(1.27g、864μL、11.1mmol)を添加した。室温で18時間、反応液を撹拌した。水(30mL)を添加し、層を分離し、MgSO上で有機層を乾燥させた。濾過し、有機層にDMF(10mL)を添加した。真空下で濃縮し、メシラートの溶液をDMF中に残留させた。この溶液に、更にDMF(40mL)、(S)−7−(シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(2.50g、8.82mmol)及びCsCO(5.57g、17.6mmol)を添加した。室温で72時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(3×130mL)次に塩水(100mL)で有機層を洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)、濾過、濃縮し、黄色の油状物として3.8gの粗生成物を得た。シリカゲル[120g、30〜60%のEtOAc/(1:1=CHCl/ヘキサン)]で精製し、白色固体として標題化合物2.22g(66%)を得た。LCMS 100%@4.46分(m/z)381(M+H),425(M+HCO)。
【0148】
実施例2又は3で上記した手順を用いて、以下のアルコールをメシラートに変換した:2−ヒドロキシメチルピリミジン、3−ヒドロキシメチル−4,5−ジクロロイソチアゾール、2−クロロ−4−ヒドロキシメチルチアゾール、2−ヒドロキシメチルチアゾール及び5ヒドロキシメチルチアゾール。
【0149】
適切に置換された1,2,3,4−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドールを使用し、表2の実施例4から53及び中間体40から41を、基本的に実施例1及び2に記載されている手順に従い、上記した若しくは市販の適切なヘテロアリールメチルハライド又はヘテロアリールメチルメシラートを用いて調製した。対応するキラル1,2,3,4−テトラヒドロシクロ−ペンタ[b]インドールからキラル体を調製、又は、実施例1a及び1bに記載の方法に基本的に従い、ラセミ体を分割した。
【0150】
【表5−1】

【0151】
【表5−2】

【0152】
【表5−3】

【0153】
【表5−4】

【0154】
【表5−5】

【0155】
【表5−6】

【0156】
【表5−7】

【0157】
中間体40の代替的調製方法:{(S)−7−シアノ−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル}−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化22】

ジメチルスルホキシド(160mL)中に、(S)−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(20g、70.59mmol、ee>98%、Chiracel OJ上の第2異性体、ヘキサン/EtOH[80:20]中の0.2%のDMEA)を溶解させ、2−(3−ブロモメチル−ピリジン−2−イル)−イソインドール−1,3−ジオン(29.8g、84.71mmol)を添加した。透明な溶液が得られるまで混合物を撹拌した。炭酸セシウム(46.4g、141.18mmol)及びジメチルアミノピリジン(875.5mg、7.06mmol)を一度に添加した。22/24℃で2時間、得られる混合物を撹拌した。水(1.4L)に混合物を添加した。得られる懸濁液を30分間撹拌し、濾過した。得られるケーキ状の物質を水(100ml)で洗浄した。ジクロロメタン(750mL)中に、分離した湿固体を溶解させ、有機層を分離した。塩水で有機層を洗浄し、有機溶媒を蒸発させた。得られる材料をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/アセトン/CHCl=3/1/1で溶出)で精製し、24g(58%)を得た。MS(m/z):520(M+1)。
【0158】
実施例54:(S)−[4−(2−アミノ−ピリジン−3−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化23】

粗製の(S)−{7−シアノ−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル}−カルバミン酸イソプロピルエステル(2.12mmol、1100mgの粗製物質)を、THF(22mL)及びエタノール(4mL)の混合液中に混合し、15分間撹拌した。ヒドラジン水和物(0.5mL、10mmol)を添加し、室温で18時間混合物を撹拌した。粗反応液を真空濾過し、THF(50mL)で固体を洗浄した。濾過液を回収し、真空下で溶媒を除去した。シリカゲルクロマトグラフィ(50〜100%の酢酸エチル/CHCl)で得られる残渣を精製し、標題化合物110mg(13%)を得た。MS(m/z):390(M+1)。
【0159】
代替的な手順:
テトラヒドロフラン(170mL)及びエタノール(30mL)中に、(S)−{7−シアノ−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル}−カルバミン酸イソプロピルエステル(20g、34,64mmol)を溶解させた。30分にわたり、シリンジポンプを使用してヒドラジン一水和物(3.37mL、69.29mmol)を添加した。22/24℃で3時間混合物を撹拌し、それから濾過した。更にテトラヒドロフラン(50ml)でケーキを洗浄した。合わせた母液を蒸発させ、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィを用いて、ジクロロメタン/(メタノール中の2MのNH)(98:2)で溶出して精製した。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、溶媒を蒸発させた。一定の重量となるまで固体を乾燥させ、それからエタノール(50mL)を添加した。完全に溶解するまで混合物を還流加熱し、それから一晩かけて室温に冷却させた。固体を濾過し、一定の重量となるまで真空下で乾燥させ、標題化合物11.45g(84%)を得た。MS(m/z):390(M+1)。キラルHPLC:ee>98%(異性体1、Chiralpak AD、EtOH/0.2%のジメチルエチルアミン)。
【0160】
中間体42:(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
【化24】

(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(6.88g、21.0mmol)及び2−ブロモメチル−6−フルオロ−ピリジン(3.99g、21.0mmol)を、DMF(80mL)中に溶解させた。炭酸セシウム(7.51g、23.1mmol、1.10当量)を添加し、窒素雰囲気下、室温で48時間反応混合物を撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水(3×)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、半固体(8.10g)を得た。120gのシリカゲルカラム上で粗生成物を、0〜100%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出して精製し、黄褐色/茶色の固体6.7gを得た。室温で一晩生成物をエーテル(100mL)中に懸濁させた。固体を濾過し、エーテルでリンスし、高真空下で乾燥させ、黄褐色の固体(5.70g、62%)として標題化合物を得た。LCMS 437.1(M+1)。
【0161】
中間体43:(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
【化25】

DMF(25ml)中の2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(5g、15.3mmol)の混合物を、40℃に加熱した。炭酸セシウム(10.4g、32.4mmol)及び2−ブロモメチルピリジンハイドロブロミド(4.05g、16mmol)を添加した。40℃で24時間、混合物を撹拌した。水(250mL)に混合物を添加し、1時間撹拌した。固体を濾過し、真空下で回収した材料を乾燥させた。その固体をエタノール(25mL)に添加し、30分間還流した。22℃に混合物を冷却し、濾過した。一定の重量となるまで真空下で固体を乾燥させ、標題化合物4.8g(75%)を得た。MS(m/z):419(M+1)。
【0162】
中間体44:(±)−2−アミノ−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル
【化26】

エタノール(15mL)/テトラヒドロフラン(85mL)中に、(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(5.31g、12.2mmol)を溶解させた。ヒドラジン一水和物(4.43ml、91.2mmol、7.50当量)を添加し、窒素雰囲気下で、室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(150ml)で希釈し、白色固体を濾過して除去し、10%の炭酸カリウムで有機層を2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、オレンジ色の油状物(3.42g、91%)として標題化合物を得た。LCMS 307.0(M+1)305.0(M−1)。
【0163】
中間体45:(±)−2−アミノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル塩酸塩
【化27】

THF(1.3L)及びエタノール(230mL)中に、2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(77g、184mmol)を添加した。混合物を10分間撹拌し、それからヒドラジン一水和物(20mL、400mmol)を添加した。22℃で16時間、混合物を撹拌した。混合物を濾過し、母液を蒸発させた。ジクロロメタン(300mL)中に残渣を溶解させた。ジオキサン(50mL)中の4M 塩酸溶液を添加し、混合物を2時間撹拌した。濾過し、単離した固体を一定の重量となるまで真空下で乾燥させ、標題化合物54g(90%)を得た。MS(m/z):289(M+1)。
【0164】
中間体16を用い、基本的に実施例1及び実施例2で説明した手順に従い、適切なヘテロアリールメチルハライド又はヘテロアリールメチルメシラートでアルキル化して、以下のキラル体のカルバミン酸tert−ブチルエステル(表3の中間体46から51)を調製した。
【0165】
【表6】

【0166】
中間体52:(R)−2−アミノ−4−イソチアゾール−3−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリルジヒドロクロリド
【化28】

室温で2時間、ジオキサン(20mL)中の4M HCl中に(R)−(7−シアノ−4−イソチアゾール−3−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.16g、3.19mmol)を含有する懸濁液を撹拌し、真空内で濃縮した。真空下で40℃で一晩、残渣を乾燥させた。MS(m/z):295(M+1)。
【0167】
適切な(7−シアノ−4−ヘテロ−アリールメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して、基本的に中間体52に関して記載した手順に従い、以下のアミン(表4に列記される中間体53から59)を調製した。塩酸塩又はジヒドロクロリド塩としてアミンを分離した。
【0168】
【表7】

【0169】
実施例55:(±)−3−[7−シアノ−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−1,1−ジメチル尿素
【化29】

ジクロロメタン(1mL)中に(±)−2−アミノ−4−(6−フルオロ−ピリジン−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(70mg、0.23mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.35mmol、61μL)を含有する溶液に、N,N−ジメチルカルバモイルクロライド(0.35mmol、32μL)を添加し、室温で一晩撹拌した。シリカゲルに溶液を添加し、カラムクロマトグラフィ(0〜100%の酢酸エチル/ジクロロメタン)で精製し、標題化合物を得た。LCMS 378.1(M+1)。
【0170】
実施例56:(±)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化30】

ジクロロメタン(10mL)中に(±)−2−アミノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(2.32g、8.05mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(9.65mmol、1.68mL)を含有する溶液に、イソプロピルクロロホルメート(8.86mmol、8.9mL)を添加し、室温で一晩撹拌した。酢酸エチルで希釈し、10%のKCO溶液で洗浄(2×)した。NaSO上で有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、3.3gを得た。カラムクロマトグラフィ(0〜100%の酢酸エチル/ジクロロメタン)で精製し、ラセミ生成物2.48g(82%)を得た。LCMS 375.2(M+1)。
【0171】
代替的な手順:
ジクロロメタン(350mL)及びピリジン(70mL)の混合液に、(±)2−アミノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル塩酸塩(35g、108mmol)を添加した。窒素雰囲気下で混合物を撹拌し、5℃に冷却した。イソプロピルクロロホルメート(トルエン中の1Mの溶液、162mL、162mmol)を添加した。氷浴を取り除き、22℃で混合物を撹拌した。16時間後、溶媒を蒸発させた。得られた残渣を水(350mL)に添加し、2時間撹拌した。濾過し、真空下、45℃で、回収した固体を乾燥させた。酢酸エチル(400mL)中に固体を添加し、混合物を還流加熱した。次に22℃に冷却し、固体を濾取した。湿固体を酢酸エチル(200mL)に添加し、30分間還流加熱した。1時間かけて22℃に混合物を冷却し、次に5分間0〜5℃に冷却した。混合物を濾過し、単離された固体を一定の重量となるまで真空下で乾燥させ、標題化合物23g(62%)を得た。MS(m/z):374(M+1)。
【0172】
実施例56a及び56b:(R)−及び(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
Chiralpak ADカラム(8×33cm)を使用した調製用キラルクロマトグラフィにより、100% EtOHで375mL/分で溶出して(250nm)、実施例56の鏡像異性体を分割した。
【0173】
異性体1(R):1.14g、99.9%のee(分析条件:Chiralpak ADHカラム(100%のEtOH/0.2%のジメチルエチルアミンで溶出)、LCMS 375.2(M+1)。異性体2(S):1.67g、99.4%のee、LCMS 375.2(M+1)。
【0174】
実施例56(b)を調製する第1の代替経路:(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化31】

DMF(100mL)中に(S)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(中間体15)(13g、41.3mmol)を添加し、40℃に溶液を加温した。炭酸セシウム(42g、129mmol)を一度に添加し、40℃で30分間、混合物を撹拌した。2−ブロモメチルピリジンヒドロブロミド(21g、83mmol)を、4時間にわたり徐々に添加した。40℃で18時間、混合物を撹拌した。0〜5℃に冷却した水(1L)に混合物を添加し、30分間撹拌した。固体を濾取し、一定の重量となるまで真空下で乾燥させた。シリカゲルパッドに材料を通し、CHCl/EtOAc(7/3)で溶出させた。生成物を含有する画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、薄い茶色の固体を得た。酢酸エチルから再結晶化させ、標題化合物15.3g(77%)を得た。LC/MS(m/z)375(M+1)。
【0175】
実施例56bを調製する第2の代替経路:
(HPLC条件:カラム:Zorbax(登録商標)SB−Phenyl、Rapid Resolution、4.6×75mm、3.5ミクロン;溶媒:10%アセトニトリル/0.05%のTFAを含む90%水;UV:230nm)
【0176】
ステップ1:(±)−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
オーバーヘッド撹拌器、熱電対、滴下漏斗、窒素導入口及び冷却槽を備えた12Lの3口丸底フラスコを準備した。上記フラスコに、(±)−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル(500g、1.53モル)及びTHF(5L)を添加した。得られるスラリーを常温で撹拌した。滴下漏斗から、ヒドラジン一水和物(185.6mL、3.82モル)を、10分間にわたり徐々に添加した。常温で一晩(約18時間)、得られる混合物を撹拌した。浴槽に冷水を添加し、滴下漏斗にジ−t−ブチルジカルボネート(875.1g、4.01モル、事前に液体に溶解させた)を添加した。30℃未満にポット温度を維持しながら、2時間にわたり反応混合物に添加した。15分後にHPLCで分析し、中間体アミンの完全な消費を確認した。ステンレス鋼製の卓上型フィルタ中のポリプロピレンパッドで反応混合物を濾過し、得られる瀘過物ケーキを酢酸エチル(2×1L)で洗浄した。真空内で濾過液を濃縮し、大部分のTHFを除去した。シリカゲル(4KgのKieselgel−60)のプラグ上で酢酸エチルで溶出して、得られる混合物(約1L)を精製した。回収された溶出液を真空下で濃縮し、暗色油状物を得た。ヘプタン(2L)及び酢酸エチル(350mL)を添加し、常温で2時間、ロータリーエバポレータ上で内容物を回転させた。浴槽に氷を添加し、更に5℃で2時間、得られるスラリーを回転させた。固体を濾過し、90/10=ヘプタン/酢酸エチル(2×500mL)で洗浄し、35℃で真空乾燥した。91.6%の収率で、淡い黄褐色の固体として標題化合物を得た。
【0177】
ステップ2:(±)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
オーバーヘッド撹拌器、熱電対及び窒素インレットを備えた20Lの底部出口付フラスコを準備した。上記フラスコに、(±)−(7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(500g、1.68モル)及びジクロロメタン(5L)を添加した。撹拌を開始し、テトラn−ブチルアンモニウム硫酸水素塩(58.9g、0.168モル)、続いて2−(ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミド(510.4g、2.02モル)を添加した。脱イオン水(2L)、続いて50%のNaOH溶液(445.3mL、8.41モル)を添加した。得られる混合物を一晩(約21時間)、激しく撹拌した。撹拌を停止し、層を分離させ、水層(上部の層)を廃棄した。脱イオン水(3×4L)で有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、約500mLとなるまで真空内で濃縮した。溶出剤として酢酸エチル/ヘプタン=1:1を使用し、シリカゲルプラグ(7KgのKeiselgel 60)上で粗生成物を精製した。真空内で溶出液を濃縮し、オフホワイトの固体(81.4%)として標題化合物560gを得た。
【0178】
ステップ3:(R)−及び(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
次の分析用キラルHPLC法を用いて鏡像異性体を分析した:4.6×150mmのChiralpak ADHカラム(Chiral Technologies社);20:80:0.2=アセトニトリル/3Aグレードの変性エタノール/ジメチルエチルアミン移動相;0.6mL/分の流速;UV検出:255nm。鏡像異性体1が4.0分後に溶出し、鏡像異性体2が5.2分後に溶出した。8%の不純物(255nm)が3.6分後に溶出した。以下の条件を使用して、調製用キラルHPLCにより、(±)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(528g)を精製した:8×33cmのChiralpak ADカラム;上記の分析用と同じ移動相;375mL/分の流速;UV検出:270nm。108gのサンプルを移動相に溶解させ、75mg/mLの最終濃度とした。4.0g/注入で添加し、鏡像異性体1画分が3.5〜5.5分の間に溶出し、鏡像異性体2が6〜10分の間に溶出した。各注入の直後に、を鏡像異性体2が部分的に溶出しているプロファイルが見られる7.5分/注入に最終的なランタイムをセットし、溶媒の消費を減少させた。メルク9385 60オングストローム230−400メッシュのシリカゲルを使用して、シリカプラグ上で、残余物420gを、1:2:7=ジクロロメタン/ヘプタン/メチルt−ブチルエーテル溶媒系で溶出して精製した。140gのサンプル/プラグで、3.5kgのシリカパッドを使用して減圧濾過した。5カラム体積の後にラセミ化合物が出現した。100%のメチルt−ブチルエーテル、続いて100%のアセトンを使用して、プラグから残留ラセミ化合物を押し出した。以上により、合計358.5gの98+%の純粋なラセミ化合物を得た。この材料を、上記と同様に調製用キラルHPLCで分割した。208.8g(99.9%ee)の鏡像異性体1(R異性体)、及び197g(99.6%ee)の鏡像異性体2(S異性体)を得た。
【0179】
ステップ4:(S)−2−アミノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル塩酸塩
3Lの3口丸底フラスコに、加熱マントル、空気撹拌器、温度プローブ、窒素インレット及び滴下漏斗を装備した。フラスコに、(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(85.0g、0.22モル)及びEtOH(850mL)を添加した。濃HCl(180mL、2.20モル)を一度に添加した。得られる溶液を45〜50℃に加熱し、90分間撹拌し、その後、HPLCで分析し開始材料の完全な消費を確認した。混合物をBuchiフラスコへ移し、脱イオン水(595mL)で希釈し、真空内で濃縮してEtOHを除去した。EtOAcを2回(2×170mL)に分けて添加し、再度、残余のEtOH及びEtOAcを除去した。濃縮水溶液を5Lの反応フラスコへ移し、10〜15℃に冷却した。反応温度を<30℃に維持しながら、5M NaOH(950mL)を滴加して溶液のpHを11〜12に調整した。CHCl(1300mL、800mL)で得られる混合物を抽出した。脱イオン水(500mL)で合わせたCHCl抽出液を洗浄し、NaSOで乾燥させ、真空内で濃縮し、淡い緑色の固体(65.0g、103%)として標題化合物を得た。
【0180】
ステップ5:(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化32】

2Lの反応フラスコに、冷却浴、空気撹拌器、温度プローブ及び滴下漏斗を装備した。フラスコに、(S)−2−アミノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリル塩酸塩(62.8g、0.218モル)、DMF(188mL)及びトリエチルアミン(33.4mL、0.240モル)を添加した。氷/アセトン浴を使用して、得られる溶液を0℃に冷却した。温度を<10℃に維持しながら、イソプロピルクロロホルメート(218mL、0.218モル、トルエン中の1M溶液)を滴下漏斗から滴加した。添加終了後、冷却浴を取り除き、混合物を常温まで温めた。1時間後に、HPLC分析を行い、反応が完全であることを確認し、上記混合物を脱イオン水(1256mL)及びEtOAc(1884mL)の溶液中に注入した。層を分離させ、有機層を濾過し、1:1=水:塩水溶液で再度洗浄し、次にNaSOで乾燥させた。真空中で、55℃で約15容に濃縮し、生成物を常温まで放冷し、白い沈殿物を得た。ヘプタン(628mL)を添加し、20分間撹拌した。約15容となるまで混合物を再び濃縮した。固体を濾過し、ヘプタンで洗浄し、乾燥させ、ふわふわした白色固体(68.9g、84.5%)として標題化合物を得た。H NMR(500MHz,DMSO−d),δ8.49(dd,1H),7.86(d,1H,J=1.5),7.71−7.75(m,1H),7.60(d,1H,J=9.0),7.57(d,1H,J=9.0),7.36(dd,1H),7.28−7.26(m,1H),7.14(d,1H,J=7.5),5.44(s,2H),4.79−4.72(m,1H),4.71−4.66(m,1H),3.22−3.20(m,1H),3.16−3.12(m,1H),2.73−2.66(m,2H),1.16(dd,6H)。
【0181】
実施例57:(R)−N’−[7−シアノ−4−(イソチアゾール−3−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−N,N−ジメチルスルファミド
【化33】

(R)−2−アミノ−4−イソチアゾール−3−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−7−カルボニトリルジヒドロクロリド塩(1.0g、2.72mmol)、トリエチルアミン(0.76mL、5.44mmol)及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(0.52g、4.63mmol)をCHCl(80mL)中で混合し、油浴中、内部温度が54℃に達するまで加熱した。窒素雰囲気下で、滴下漏斗を用いて、上記反応混合物に、CHCl(10mL)中のジメチルスルファモイルクロライド(0.35mL、3.26mmol)の溶液を、30分間にわたり滴加した。54℃で更に1時間、得られる混合物を撹拌し、それから室温に冷却した。CHCl(150mL)で希釈し、飽和NaHCOで有機層を洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空内で濃縮した。EtOAc/ヘキサン(8/2)を使用してシリカゲルクロマトグラフィ精製し、標題化合物0.82g(75%)を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ9.03(s,1H),7.88(s,1H),7.74(d,J=5.0Hz,1H),7.64(d,J=5.1Hz,1H),7.38(d,J=5.0Hz,1H),7.17(s,1H),5.52(s,2H),4.52−4.40(m,2H),3.31−3.18(m,2H),2.62(s,6H)。
【0182】
適切なラセミ体又はキラル体の4−(ヘテロアリールメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イルアミンを用い、適切なクロロホルメート若しくは酸塩化物(基本的に実施例56に記載の手順に従い調製)、又は適切な塩化スルホニル若しくは塩化スルファモイル(基本的に実施例57に記載の手順に従い調製)を用い、表5の実施例58から89、及び中間体60から61を調製した。
【0183】
【表8−1】

【0184】
【表8−2】

【0185】
【表8−3】

【0186】
【表8−4】

【0187】
【表8−5】

【0188】
【表8−6】

【0189】
実施例90:(R)−N’−[4−(2−アミノ−ピリジン−3−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−N,N−ジメチルスルファミド
【化34】

(R)−N’− {7−シアノ−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピリジン−3−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−N,N−ジメチルスルファミドを用いて、基本的に実施例54で説明した手順に従い、標題化合物を調製し、生成物0.13g(61%)を得た。MS(m/z):411.0(M+1)。
【0190】
中間体62:5−((S)−7−シアノ−2−イソプロポキシカルボニルアミノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル)−チアゾール−4−カルボン酸
【化35】

EtOH(100mL)及びTHF(40mL)中の5−((S)−7−シアノ−2−イソプロポキシカルボニルアミノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル)−チアゾール−4−カルボン酸エチルエステル(3.745g、8.28mmol)の混合物を、5M LiOH(8.3mL、41.4mmol)で処理し、室温で18時間撹拌した。5N HCl(9mL)を添加し、pHを2に調整した。ロータバップにより反応混合物を濃縮し、EtOAc(3×330mL)で抽出し、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、淡黄色の固体として5−((S)−7−シアノ−2−イソプロポキシカルボニルアミノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル)−チアゾール−4−カルボン酸3.86g(>100%)を得た。LC−ES/MS m/z 425(M+1)423(M−H)、T=2.3分。
【0191】
中間体62で記載されている手順に基本的に従い、以下の化合物を調製した。
【0192】
【表9】

【0193】
中間体64:{(S)−7−シアノ−4−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニルアミノ)−チアゾール−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル}−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化36】

トルエン(270mL)中の、5−((S)−7−シアノ−2−イソプロポキシカルボニルアミノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル)−チアゾール−4−カルボン酸(3.82g、9.00mmol)、EtN(2.00g、2.76mL、19.8mmol)及び2−(トリメチルシリル)−エタノール(10mL、8.25g、69.8mmol)の還流混合物に、ジフェニルホスホリルアジド(5.45g、4.27mL、19.8mmol)を徐々に添加した。3時間還流を継続させ、それから室温に冷却した。反応混合物を濃縮し、14.85gの粗生成物を得た。20〜60%のEtOAc/ヘキサンを用いてシリカゲル(115g)で精製し、黄色の固体として生成物4.06g(84%)を得た。LC−ES/MS m/z 562(M+Na)538(M−H)、T=3.1分。
【0194】
中間体64に関して記載した手順に基本的に従い、以下の化合物を調製した。
【0195】
【表10】

【0196】
実施例91:[(S)−4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化37】

THF(40mL)中の{(S)−7−シアノ−4−[4−(2−トリメチルシラニル−エトキシカルボニルアミノ)−チアゾール−5−イルメチル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル}−カルバミン酸イソプロピルエステル(3.98g、7.37mmol)の混合物を、テトラブチルアンモニウムフルオライド(THF中の1.0M溶液、14.74mL、14.74mmol)で処理し、50℃に加熱した。40分後に室温に冷却し、水(40mL)で希釈し、真空下でTHFを蒸発させた。得られる水性スラリー中の固体を濾取し、40℃で真空乾燥し、黄褐色の固体として2.43gの生成物を得た。沸騰している250mLのEtOAcに生成物を溶解させ、約100mLの量となるまで濃縮した。50mLのヘキサンを添加し、フリーザ中で一晩、−26℃に混合物を冷却した。固体を回収し、40℃で真空乾燥し、茶色の固体として生成物1.74g(60%)を得た。LC−ES/MS 396(M+1)、T=2.2分。
【0197】
実施例92:(R)−N’−[4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−N,N−ジメチルスルファミド
【化38】

(R){5−[2−(ジメチルアミノ)スルホニル−アミノ−7−シアノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル]−チアゾール−4−イル}−カルバミン酸−2−トリメチルシラニル−エチルエステルを使用して、実施例91において記載した手順に基本的に従い、60℃で3時間反応液を加熱し、標題化合物を調製した。室温に冷却した後、反応液を酢酸エチル(200mL)で希釈し、水及び塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィ(100%のEtOAc〜5%のMeOH/EtOAc)で精製し、0.94g(60%)を得た。LCMS 417.0(M+1)。
【0198】
中間体66:(S)−(7−ホルミル−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル
(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(200mg、0.53mmol)を、88%のギ酸(10ml)及び水(1mL)の混合液中に溶解させた。アルミニウム−ニッケル触媒(50/50重量%)を添加し、90℃で24時間加熱した。水(1mL)を添加し、更に24時間加熱した。室温に冷却後、メタノールを添加し、セライト(登録商標)で触媒を濾過して除去した。酢酸エチルで希釈し、10%の炭酸カリウムを用いpH=10にアルカリ化した。相分離させ、10%の炭酸カリウムで有機相を洗浄した。無水硫酸ナトリウム上で有機部分を乾燥させ、濾過し、濃縮し、オレンジ色の油状物(181mg、91%)として標題化合物を得た。それ以上操作を行わずに、上記の粗生成物を使用した。MS(m/z):378.2(M+1)。
【0199】
実施例93:(S)−[7−(メトキシイミノメチル)−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化39】

メタノール(10mL)及び1.0N 水酸化ナトリウム(2.4ml、2.4mmol)中に、(S)−(7−ホルミル−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル(181mg、0.48mmol)を溶解させた。メトキシアミン塩酸(120mg、1.44mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。酢酸エチルで希釈し、10%の炭酸カリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、12gのシリカゲルカラム上で、30%の酢酸エチル/ジクロロメタンを用いて溶出して精製し、純粋な標題化合物(53mg、27%)を得た。LCMS 407.1(M+1)。
【0200】
適切なニトリルを開始材料として、中間体66及び実施例93において記載した手順に基本的に従い、表6のオキシム(実施例94から101)を調製した。
【0201】
【表11】

【0202】
実施例102:(±)−[4−(3−アミノ−ピラジン−2−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル
スクリューキャップ付のバイアル中で、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP)(0.5mL)中に、(±)−[4−(3−クロロ−ピラジン−2−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル(30mL、0.073mmol)を溶解させ、−78℃に冷却した。反応混合物(1mL)中にNHを濃縮させ、反応容器を密閉し、24時間にわたり室温に加温した。50℃で18時間、次に80℃で72時間、反応液を加熱した。ドアライアイス浴中で反応液を冷却した。慎重に反応容器を開封し、液体NHを蒸発させた。残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、水(3×20mL)で有機層を洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、無色のフィルム状の物質として27mgの粗製の生成物を得た。4gのシリカゲル[50−100%のEtOAc/(1:1=CHCl/ヘキサン)]で精製し、無色のフィルム状の物質として標題化合物8mg(28%)を得た。LCMS 100%@4.23分、m/z 391(M+H)389(M−H)。
【0203】
実施例103:(S)−[4−(3−アミノ−ピラジン−2−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル
【化40】

(S)−[4−(3−クロロ−ピラジン−2−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル(8.89g、21.7mmol)をNMP(36mL)中に溶解させ、3つの10〜20mLマイクロ波反応器バイアルに混合物を均等に分割した。各反応容器を0℃に冷却し、無水NHを15分間散布した。各容器を密封し、マイクロ波反応器中で200℃で1時間加熱した。反応混合物を水(500mL)中で合わせ、20分間超音波処理した。黄褐色の固体を濾取し、EtOAc(500mL)にその固体を溶解した。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、10mL量にまで濃縮した。有機層をMeOH(20mL)及びCHCl(10mL)で希釈し、真空内でシリカゲル上へ吸着させた。シリカゲル(340g)上で、1〜10%(2MのNH/MeOH)/(1:1=CHCl/ヘキサン)を使用して精製し、黄色の固体として標題化合物1.50g(18%)を得た。MS(m/z)391(M+1)、389(M−1)。不純生成物を含有する画分(1.2g)をプールして濃縮し、シリカゲル(80g)上で、3〜8%(2MのNH/MeOH)/(1:1=CHCl/ヘキサン)を使用して再度精製し、黄色の固体として標題化合物(503mg、6%)の第2の部分を得た。
【0204】
実施例104:[3−((S)−7−シアノ−2−イソプロポキシカルボニルアミノ−2,3−ジヒドロ−1H−シクロペンタ[b]インドール−4−イルメチル)−ピリジン−2−イルアミノ]−酢酸
【化41】

[(S)−4−(2−アミノ−ピリジン−3−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル(253mg、0.650mmol)を、EtOH(25mL)中に溶解させた。3Å分子篩及びグリオキシル酸一水和物(239mg、2.60mmol)を添加し、水素(60psi、4.08bar)下で、40〜110℃で18時間撹拌した。反応液を珪藻土パッドで濾過し、THF(50mL)で触媒/篩を洗浄した。濾過液を合わせ、黄色の油状物となるまで真空内で濃縮した。水(30mL)でトリチュレートし、得られる水性スラリーを5分間超音波処理した。黄褐色の固体を濾取し、真空乾燥した。EtO(5mL)で固体をトリチュレートし、スラリーを30分間超音波処理した。濾過し、黄褐色の固体として生成物190mg(65%)を得た。LCMS 100%@3.99分、m/z448(M+H)446(M−H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物
【化1】

(式中、
【化2】

で示される炭素中心はR、S又はR/S立体配置であってもよく、
はシアノ、−CH=NOCH、−OCHF又は−OCFであり、
は−COR2a又は−SO2bを表し、
2aは(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−NRであり、
2bは(C−C)アルキル、シクロプロピル又は−NRを表し、
及びRは、各々独立に水素又は(C−C)アルキルを表し、
はピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表し、
それらは各々、メチル、エチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、−CHF、−CF、ヒドロキシ、アミノ及びNHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい)
又はその薬理学的に許容できる塩。
【請求項2】
がシアノ又は−CH=NOCHを表す、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項3】
がシアノを表す、請求項2記載の化合物又は塩。
【請求項4】
2aが(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表し、
2bが(C−C)アルキル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表す、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項5】
が−COR2aを表し、
2aがエチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又は−N(CHを表す、請求項4記載の化合物又は塩。
【請求項6】
2aがイソプロポキシである、請求項5記載の化合物又は塩。
【請求項7】
がSO2bを表し、
2bがメチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又は−N(Cを表す、請求項4記載の化合物又は塩。
【請求項8】
2bがN(CHを表す、請求項7記載の化合物又は塩。
【請求項9】
が−COR2aを表し、
【化3】

で示される炭素中心がS立体配置である、請求項1〜6のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項10】
が−SO2bを表し、
【化4】

で示される炭素中心がR立体配置である、請求項1〜4、7または8のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項11】
がピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、イソチアゾリル及びチアジアゾリルからなる群から選択されるヘテロアリールを表し、
それらが各々、メチル、ブロモ、クロロ、フルオロ、CHF、ヒドロキシ、アミノ及び−NHCHCOHからなる群から独立に選択される1個若しくは2個の置換基で任意に置換されてもよい、請求項1〜10のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項12】
が6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル又は3−メチル−ピラジン−2−イルを表す、請求項11記載の化合物又は塩。
【請求項13】
がピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表す、請求項12記載の化合物又は塩。
【請求項14】
【化5】

で示される炭素中心が、
が−COR2aを表すとき、S立体配置であり、
が−SO2bを表すとき、R立体配置であり、
がシアノ又は−CH=NOCHを表し、
2aがエチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロプロピル又はN(CHを表し、R2bがメチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、−N(CH又はN(Cを表し、
が6−フルオロ−ピリジン−2−イル、ピリジン−2−イル、3−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−ジフルオロメチル−ピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、2−カルボキシメチルアミノ−ピリジン−3−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、2−クロロ−ピリミジン−4−イル、チアゾール−4−イル、2−メチル−チアゾール−4−イル、2−クロロ−チアゾール−4−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、4−アミノ−チアゾール−5−イル、ピラジン−2−イル、5−メチル−ピラジン−2−イル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピラジン−2−イル、3−アミノ−ピラジン−2−イル、3−メチル−ピラジン−2−イル、ピリダジン−3−イル、5−ブロモ−イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−3−イル、4,5−ジクロロ−イソチアゾール−3−イル又は[1,2,5]チアジアゾル−3−イルを表す、請求項1記載の化合物又は塩。
【請求項15】
がシアノを表し、
2aがイソプロポキシを表し、
2bが−N(CHを表し、
がピリジン−2−イル、2−アミノ−ピリジン−3−イル、チアゾール−5−イル又は4−アミノ−チアゾール−5−イルを表す、請求項14記載の化合物又は塩。
【請求項16】
(S)−(7−シアノ−4−ピリジン−2−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル、(S)−(7−シアノ−4−チアゾール−5−イルメチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル)−カルバミン酸イソプロピルエステル、(S)−[4−(2−アミノ−ピリジン−3−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステル、(R)−N’−[4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−N,N−ジメチルスルファミド及び(S)−[4−(4−アミノ−チアゾール−5−イルメチル)−7−シアノ−1,2,3,4−テトラヒドロ−シクロペンタ[b]インドール−2−イル]−カルバミン酸イソプロピルエステルからなる群から選択される化合物、又はその薬理学的に許容できる塩。
【請求項17】
治療に用いられる、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物又は塩。
【請求項18】
性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠の治療方法であって、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物又は塩を、患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項19】
骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症又は筋肉質量若しくは強度の減少を治療するための、請求項18記載の方法。
【請求項20】
性機能低下、骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症、筋肉質量若しくは強度の減少、筋肉減少症、加齢による機能低下、男児の思春期遅発症、貧血症、男性若しくは女性の性機能不全、勃起不全、性衝動低下、うつ病又は嗜眠の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物又は塩の使用。
【請求項21】
骨重量若しくは骨密度の減少、骨粗鬆症、骨減少症又は筋肉質量若しくは強度の減少の治療のための医薬の製造のための、請求項20記載の使用。
【請求項22】
1つ以上の薬理学的に許容できる担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせて、請求項1〜16のいずれかに記載の化合物又は塩を含んでなる医薬組成物。

【公表番号】特表2010−510231(P2010−510231A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537272(P2009−537272)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2007/083745
【国際公開番号】WO2008/063867
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】