説明

アンプル

プラスチック材料で製造された液剤または懸濁剤用のアンプル(10)は、取り外し可能な頭部(13)に首部(12)内のチャネル(15)によって連結された貯蔵部を有する。チャネル(15)は、このようにその貯蔵部と頭部(13)との間に位置する、細長い絞りおよび/またはベンドの形状のトラップを有し、該トラップは、液体または保管中に沈殿し得る懸濁物をトラップしていずれもが頭部(13)に到達することをも防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ブローフィルシール法によってプラスチック材料で製造される、懸濁液用の液体容器に関する。特に、本発明は、ネブライザでまたは点鼻薬として使用するための薬剤の懸濁液を含有するプラスチックアンプルに関する。
【背景技術】
【0002】
液体は、種々の異なる容器内に充填されそして包装され得る。このような容器としては、ガラスまたはプラスチックで製造されるアンプルが挙げられる。
【0003】
従来、ガラスは、無菌液剤の主要な包装材料であった;しかしながら、開口のガラスビンまたは小瓶への充填を伴う無菌処理では、特に大容量の容器について、常に無菌状態を得ることが製造者に強く求められる。
【0004】
ガラス容器の取り扱いは、裂傷およびガラス破片の何らかのリスクを常に伴う。ガラスのアンプルは、開封時に微細な多数の小さなガラス小片を生じることも示されている。アンプル内の圧力は大気圧よりも低く、開封時にそのような小片をアンプル内に引き込む傾向がある。US2006/0163109には、注射器または注射針基部の確実な充填を助けることを意図した、首部に空気進入口を備えたアンプルが記載されている。
【0005】
薬剤などの液体製品の1回量は、現在、プラスチックアンプルで包装されることが多い。使用者は、製品を取り出せるようにするために、アンプルの一端を開封する必要がある。これを容易にするために、内容物のための貯蔵部を形成するアンプルの胴部は、通常、首部を形成するように先端に向かって狭くなり、次いで頭部に袋路(cul-de-sac)またはバルブを形成するようにもう一度広くなる。首部および頭部は、首部を切り取り線(tear-line)(アンプルの胴部から首部のチャネルを経て製品が流れ出るための開口部を提供する)に沿って折りまたはちぎり取ることによって、頭部を簡単に切り離せるように設計される。本発明は、特にそのようなアンプルに関する。
【0006】
懸濁剤は、キャリア液に溶解せずに、そのため保管中にアンプルの底または側面に沈殿しやすい成分を含有する。アンプルが転倒したまたはアンプルを上下逆さに保管した場合、沈殿した懸濁物が、アンプルの首部を通って頭部へと下降し得る。特定のアンプルでは、頭部と首部との間の流路の狭小化のため、アンプルを一旦直立させても、液体の表面張力によって懸濁物が頭部内に保持されるのに十分なものとなる。したがって、使用者がアンプルの頭部を切り離すとき、ある量の製品が、懸濁物を含む液体であるにせよ沈殿した懸濁物であるにせよ、頭部内に残り、したがって懸濁物の一部が失われ、患者に送達されない。
【0007】
そのような医薬品組成物の懸濁物(すなわち、活性成分)の量は、液体の体積に対して非常に低いものであり得る。したがって、頭部内または頭部周囲に沈殿し得る懸濁物の割合は高いものであり得るので、このような懸濁物の損失は非常に重大なものであり得、このことは、薬物の有効性の著しい減少をもたらす。
【0008】
関連する問題は、頭部内に残ったアンプル内容物が開封時に患者の指に移動し得ること、そして、その薬剤がすぐに指から洗い落とされない場合、例えば患者の目または顔へのさらなる移動につながり得ることである。この問題は、プラスチックアンプル中の溶液状および懸濁液状の両方の薬剤にあてはまる。
【0009】
1つの選択肢は、液体が頭部内に残らないように、そして一度アンプルを正しい向きにすると液体が貯蔵部に戻るように、首部および頭部の間の流路の径を拡張することである。しかしながら、アンプルが上下逆さになった間に、懸濁液の活性成分は頭部に沈殿したかもしれず、そしてそこに残っているかもしれない。したがって、使用者が薬物を投与するとき、体積は正しいように見え得るので、頭部を切り離したときに活性成分の一部が失われているかが明らかではない。
【0010】
US2004/0182883は、切り取り線に沿ってキャップを取り外すときに、どんな滴りまたは跳ね返りをも排除することを意図した、首部に括れを備えた密封容器を記載する。しかしながら、この容器の問題は、その括れが沈殿した懸濁物が頭部内へ通過するのを防ぐとは限らないことである。さらなる問題は、括れの狭小化によって容器内容物を投与するのが困難になることである。加えて、そのような狭い括れの形成は、容易にかつ確実に達成されるものではなく、そしてしたがって、このタイプの容器は、医薬品用途の大規模製造に実用的でないか、または既存の機械の高額な改良が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記の問題点を解決あるいは少なくとも改善することである。本発明の好ましい実施態様の目的は、保管中に転倒した後でも、その頭部に残る懸濁物がより少なくなるプラスチックアンプルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、アンプルの胴部内に活性成分を保持するための、および/または頭部内の懸濁物の沈殿を減少させまたは防ぐための、アンプル(特にアンプルの首部)の改良に基づく。
【0013】
第1の局面において、本発明は、アンプルを提供し、該アンプルは、
(i) 50mlまでの液体用の貯蔵部を含む胴部;
(ii) 取り外し可能な頭部;および
(iii) 該胴部と該頭部とを連結し、該頭部を取り外したときに該貯蔵部内の液体が通ってアンプルから吐出され得るチャネルを含む首部
を含み、
該首部は、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップを含む。
【0014】
第2の局面において、本発明は、アンプルを提供し、該アンプルは、
(i) 50mlまでの液体用の貯蔵部を含む胴部;
(ii) 取り外し可能な頭部;および
(iii) 該胴部と該頭部とを連結し、該頭部を取り外したときに該貯蔵部内の液体が通ってアンプルから吐出され得るチャネルを含む首部
を含み、
該首部は、該液体が該頭部に到達するのを防ぐトラップを含む。
【0015】
さらなる局面では、本発明は、開封時にアンプルからの固形物の損失を防ぐか、または少なくとも減少させる。この局面のアンプルは、固形物が、アンプルの開封時に廃棄される部分に到達するのを防ぐ粒子トラップを含む。
【0016】
また、本発明は、アンプルの製造方法も提供し、該アンプルは、50mlまでの液体用の貯蔵部、取り外し可能な頭部、および該頭部を取り外したときに該貯蔵部から液体を吐出するためのチャネルを有する首部を含み、該方法は、
(i) プラスチック材料をアンプルの形状に成形する工程、
(ii) 該アンプルに液体を注入する工程、
(iii) 該アンプルの該首部において、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップ、または液体が該頭部に到達するのを防ぐトラップを付与する工程
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】開封前(1a)および頭部を取り外した(1b)従来のアンプルの側面図を示す。
【図2】本発明のアンプルの概略断面図を示す(基部部分を含まない)。
【図3】本発明のさらなるアンプルの概略断面図を示す(基部部分を示さない)。
【図4】本発明のさらなるアンプルの概略断面図を示す(基部部分を示さない)。
【図5】本発明のさらなるアンプルの概略断面図を示す(基部部分を示さない)。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のアンプルは、50mlまでの液体用の貯蔵部を含む胴部;取り外し可能な頭部;および該胴部と該頭部とを連結し、該頭部を取り外したときに該貯蔵部内の液体が通ってアンプルから吐出され得るチャネルを含む、首部を含み、該首部は、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップを含む。該トラップは、液体が該頭部に到達するのもまた防ぎ得る。
【0019】
トラップは、一般に首部内のチャネルに、または首部内のチャネルによって形成され、アンプルの不可欠な部分を形成する。トラップは、保管中に懸濁液が頭部に到達しないだけでなく、アンプルの内容物のいずれもまた到達しないように、任意に設計される。このように、本発明の実施態様では、トラップによって液体が頭部に到達するのを防ぐアンプルが提供される。これを達成するために、首部は、アンプルが転倒または振盪、あるいは転倒および振盪した場合であっても、頭部内の空気と表面張力との組み合わせによって液体が首部をずっと上って頭部へ到達することを防ぐように、径を小さく設計され得る。
【0020】
適切なトラップの1つは、首部における絞り(restriction)によって形成される。首部の径は、アンプルの内容物を空にすることを可能にするのに十分なものでなければならない。しかし、首部は、内容物を空にすることを許容するが、表面張力と頭部内の空気からの背圧との組み合わせによって、転倒または振盪中に液体が絞りを通過するのを実質的に防ぐこととなるように、絞られ得る。絞りは、好ましくは、実質的に首部の長さに沿って形成される。以下の実施例に記載された本発明の実施態様では、アンプルは、首部内に細長い絞られたチャネルを含み、充填されたアンプルの転倒中に液体が頭部に到達するのを実質的に防ぐトラップを形成する。
【0021】
本発明のアンプルの首部内の細長い絞られたチャネルは、アンプル胴部内部の貯蔵部の長さの、一般に少なくとも1/10、通常少なくとも1/5、さらに一般に3/4までの長さである。
【0022】
さらに、本発明の実施態様では、絞られたチャネルの長さは、3mm以上、4mm以上、および一般に5mm以上である。好ましくは、チャネルの長さは、7mm以上であり、10mm以上(例えば、約10から約15mm)または15mm以上(例えば、約15mmから約25mm)であり得る。
【0023】
本発明のアンプルの首部の細長い絞られたチャネルの径は、アンプル胴部内部の貯蔵部の径の一般に1/4未満、通常1/6未満である。
【0024】
さらに、本発明の実施態様では、絞られたチャネルは、通常3mm以下、または2mm以下、好ましくは0.7〜3mmまたは0.7〜2mmの範囲の径を有し、そして約1から約1.5mmまたは約1.5から約2.5mmであり得る。
【0025】
細長い絞られた首部チャネルの利点は、トラップとして十分に機能する狭さおよび長さの組み合わせを有しながらも、投与の容易さを容認できないほどには損なわない十分な広さであることである。チャネルは、大規模製造されるプラスチックアンプルにおいて、容易にそして確実に形成され得る幅のものである。
【0026】
別の適切なトラップは、チャネル内の少なくとも45度のベンドである。沈殿物は、ベンドの周囲を容易には通過せず、したがって頭部へ到達することが妨げられる。ベンドは、好ましくは少なくとも75度、より好ましくは少なくとも90度である。
【0027】
チャネルは、適切には、Uベンドの形状であり得るか、またはUベンドを含み得る;また、このベンドは、沈殿した懸濁物が頭部へ到達するために通過しなければならない障害を形成する。このUベンド内(または他のベンド内)にある沈殿した懸濁物は、アンプルの振盪によって再懸濁され得、そして貯蔵部に戻され得る。あるいは、アンプルの振盪によって再懸濁されず、したがって貯蔵部に戻されなかった、ベンド内にある沈殿した懸濁物に含まれる薬剤は、アンプルの開封時に貯蔵部内容物がベンドを通過することによって流し出される。このようにして、懸濁物中の薬剤の全含有量が送達されることを確実にする。ベンドは、C形、S形またはZ形の形状であり得る。これらの定義に関して、チャネルの側面はほぼ円形であり、そして、これらの定義が、側面から見た場合のチャネルのおおよその形状を表すことが理解される。
【0028】
本発明のさらなる実施態様では、チャネルは2つのベンドを含み、その両方がUベンドであり得る。
【0029】
なおさらなる実施態様では、チャネルは、細長い実質的に曲がった首部を含み、上記のような1以上のベンドを任意に含む。
【0030】
以下の実施例で記載される本発明の特に好ましい実施態様では、容器は、少なくとも1つのベンドを有する細長い絞られたチャネルを含む。
【0031】
本発明はさらにアンプルの製造に関し、そしてしたがってアンプルの製造方法を提供し、該アンプルは、50mlまでの液体用の貯蔵部、取り外し可能な頭部、および該頭部を取り外したときに該貯蔵部から液体を吐出するためのチャネルを有する首部を含み、該方法は、
プラスチック材料をアンプルの形状に成形する工程;
該アンプルに液体を充填する工程;
該アンプルの首部において、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップを付与する工程、を含む。
【0032】
本方法によって製造されるアンプルの任意のそして好ましい特徴は、本発明の実施態様について本明細書の他のところに記載した通りである。
【0033】
本発明は、特に小容量のアンプルに関し、したがって、好ましい実施態様では、貯蔵部は、10mlまでの液体、より好ましくは5mlまでの液体を含有する。
【0034】
さらに、本発明は、特に薬剤の懸濁液(例えば、ステロイドの懸濁液)を含有するアンプルに関する。該ステロイドは、例えば、ブデソニド、モメタゾン、フルチカゾン、ベクロメタゾンおよびトリアムシノロン(適切な場合には、それらのプロピオネートおよびフロエート(furoates)などの化合物を含む)である。
【0035】
好ましくは、アンプルは、プラスチック材料、特にポリエチレンまたはポリプロピレンを含むプラスチック材料で、製造される。
【0036】
アンプルは、噴霧による懸濁液の送達に特に適している。
【0037】
容易に理解される本発明の実施態様の利点は、頭部に沈殿する懸濁物が少なく、したがって頭部が取り外されるときに失われる懸濁物が少なく、おそらくは何も失われないことである。アンプルが保管中に転倒したまたは揺れたとき、沈殿する懸濁物およびそうでなければ頭部に到達し得る懸濁物が、首部でトラップされる。アンプルの開封時にこの沈殿した懸濁物は失われないので、患者の受容量が総投与量よりも少なくなるリスクがない。それどころか、アンプルの内容物をネブライザに空けるときに、トラップ内の沈殿した懸濁物はアンプル液によって洗い流される。記載されたようにトラップされた懸濁物は、より容易に再懸濁され得、貯蔵部に戻され得る。包装時に「直立させて保管する」ように注意する必要は、それほどあるいは全くない。
【0038】
本発明のアンプルは、ブローフィルシール法を用いることで非常に適切に製造される。ブローフィルシール法とは、選択した容器にポリマー材料からインラインで形成しそして封止する専門的な包装技術である。公知のブローフィルシール機は、ポリマー粒子保管および供給システム;パリソンヘッドを備えた回転スクリュー押し出し機;無菌空気充填チャンバー;容器を形成し閉じるための半割型;および下流装置(例えば漏出検出システムを含む)を含む。従来の無菌処理装置(例えば、ステンレス鋼タンクおよび無菌フィルタ)によって、ブローフィルシール機に無菌液が供給されることを確実にする。ポリマー粒子を、真空管システムを経てブローフィルシール押し出し機のホッパーに供給し、そこでそれらを加熱し、溶融物を形成する(160〜170℃)。均質なポリマー溶融物を、円形オリフィスを経てプラスチックパリソン(中空チューブ)に形成し、無菌濾過空気流による崩壊を防ぐ。ここで、分割された半割型の下部分を閉じて、開いたパリソンの底を封止し、そして冷却した型壁にパリソンの壁を吹き付けおよび/または吸い込み、容器の下部分を形成する。充填針が規定容量の製品を容器内に引き入れ、そして充填針の抜去後、型の上部分を閉じ、ブローフィルシール容器の上部分を形成および封止する。このように、形成、充填および封止工程は一単位操作からなり、そのサイクルは一般に12から17秒以内に完了する。
【0039】
ブローフィルシール処理で用いられる代表的な材料は、ポリエチレンまたはポリプロピレンであるか、あるいはポリエチレンまたはポリプロピレンを含む。どちらも不活性であると考えられ、そして、特性をバランスよく付与し、完成した容器の容易な形成、開封および取り扱いを可能にする。
【0040】
ブローフィルシール請負サービスは、Cardinal Health Sterile Technologies(イリノイ州、米国)、Holopack USA社、Holopack(ドイツ)およびUnither(フランス)を含む数社によって運営される。
【0041】
ここで、本発明を、添付の図面を参照して、特定の実施態様においてさらに説明する。
【実施例】
【0042】
図1、2、3、4および5を参照して、アンプル(10)は、首部(12)によって頭部(13)に接続された胴部(11)を有する。胴部の内部の貯蔵部(14)は、薬剤の懸濁液を含有する。頭部のバルブ(16)と貯蔵部とを連結するチャネル(15)がある。
【0043】
アンプルの内容物を空けるために、患者は、脆弱部の切り取り線(17)に沿って胴部から頭部をちぎり取る。切り取り線とバルブとの組み合わせによって、アンプルが切り取り線に沿って正しくきれいにちぎれて開封されることが確実になる。患者は頭部を廃棄し、貯蔵部の内容物をチャネルを通して空ける。
【0044】
頭部はまた、ラベルが付与できるタブ(18)を有し得る。基部(19)からの伸長を形成するさらなるタブ(このケースでは存在しない)もまた有し得る。
【0045】
特に図2を参照して、チャネル(15)は、その実質的な全体の長さに沿って絞り(20)を有する。チャネルは、従来のチャネルよりもさらに細長い。使用において、アンプルが転倒したまたは揺れたとき、貯蔵部内の液体は、バルブ(16)に行き着くまで絞りを上昇し得ないことがわかる。したがって、貯蔵部内の液体だけでなく懸濁された固形物もまた、頭部に到達し得ず、そしてその後、頭部が取り外されても廃棄されない。
【0046】
特に図3を参照して、さらなるトラップを説明する。図3のアンプルは、Lベンド(21)を含むチャネル(15)を含む。これは、沈殿した懸濁物に対するトラップを形成し、アンプルが転倒したまたは揺れたときに、沈殿した懸濁物がバルブに到達するのを防ぐ。
【0047】
特に図4を参照して、さらなるトラップを説明する。図4のアンプルは、Uベンド(21)を含む2つのベンドを備えるチャネル(15)を含む。これは、沈殿した懸濁物に対するトラップを形成し、アンプルが転倒したまたは揺れたときに、沈殿した懸濁物がバルブに到達するのを防ぐ。
【0048】
特に図5を参照して、図4のトラップのさらなる実施態様を説明する。アンプルは、Uベンド(21)を含む2つのベンドを備えるチャネル(15)を含む。これは、沈殿した懸濁物に対するトラップを形成し、アンプルが転倒したまたは揺れたときに、沈殿した懸濁物がバルブに到達するのを防ぐ。
【0049】
したがって、本発明は、アンプルおよび該アンプルの製造方法を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンプルであって、
50mlまでの液体用の貯蔵部を含む胴部;
取り外し可能な頭部;および
該胴部と該頭部とを連結し、該頭部を取り外したときに該貯蔵部内の液体が通ってアンプルから吐出され得るチャネルを含む首部
を含み、
該首部は、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップを含む、
アンプル。
【請求項2】
アンプルであって、
50mlまでの液体用の貯蔵部を含む胴部;
取り外し可能な頭部;および
該胴部と該頭部とを連結し、該頭部を取り外したときに該貯蔵部内の液体が通ってアンプルから吐出され得るチャネルを含む首部
を含み、
該首部は、該液体が該頭部に到達するのを防ぐトラップを含む、
アンプル。
【請求項3】
前記トラップが、前記首部内の前記チャネルに、または前記首部内の前記チャネルによって形成される、請求項1または2に記載のアンプル。
【請求項4】
前記トラップが、細長い絞られたチャネルを含む、請求項1から3のいずれかに記載のアンプル。
【請求項5】
前記絞られたチャネルの長さが3mm以上である、請求項4に記載のアンプル。
【請求項6】
前記絞られたチャネルの長さが4mm以上である、請求項4または5に記載のアンプル。
【請求項7】
前記絞られたチャネルが、3mm以下の径を有する、請求項4から6のいずれかに記載のアンプル。
【請求項8】
前記絞られたチャネルが、2mm以下の径を有する、請求項4から7のいずれかに記載のアンプル。
【請求項9】
前記チャネルが、少なくとも45度のベンドを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項10】
前記チャネルが、少なくとも75度のベンドを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項11】
前記チャネルが、少なくとも90度のベンドを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項12】
前記チャネルが、Uベンドを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項13】
前記チャネルが、2つのベンドを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項14】
前記貯蔵部が、5mlまでの液体を含有する、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項15】
前記貯蔵部が、薬剤の懸濁液を含有する、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項16】
前記アンプルが、プラスチック材料で製造される、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項17】
前記プラスチック材料が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項18】
前記トラップが、前記アンプルを転倒したときに液体が前記頭部に到達するのを実質的に防ぐ、前記いずれかの請求項に記載のアンプル。
【請求項19】
アンプルの製造方法であって、該アンプルが、50mlまでの液体用の貯蔵部、取り外し可能な頭部、および該頭部を取り外したときに該貯蔵部から液体を吐出するためのチャネルを有する首部を含み、該方法が、
プラスチック材料をアンプルの形状に成形する工程;
該アンプルに液体を充填する工程;および
該アンプルの首部において、該液体中の沈殿した懸濁粒子が該頭部に到達するのを防ぐトラップを付与する工程、
を含む、方法。
【請求項20】
アンプルの製造方法であって、該アンプルが、50mlまでの液体用の貯蔵部、取り外し可能な頭部、および該頭部を取り外したときに該貯蔵部から液体を吐出するためのチャネルを有する首部を含み、該方法が、
プラスチック材料をアンプルの形状に成形する工程;
該アンプルに液体を充填する工程;および
該アンプルの首部において、液体が該頭部に到達するのを防ぐトラップを付与する工程、
を含む、方法。
【請求項21】
前記トラップが、前記首部内の前記チャネルに、または前記首部内の前記チャネルによって形成される、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記トラップが、前記チャネルに細長い絞りを含む、請求項19から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記絞られたチャネルの長さが3mm以上である、請求項22に記載のアンプル。
【請求項24】
前記絞られたチャネルの長さが4mm以上である、請求項22または23に記載のアンプル。
【請求項25】
前記絞られたチャネルが、3mm以下の径を有する、請求項22から24のいずれかに記載のアンプル。
【請求項26】
前記絞られたチャネルが、2mm以下の径を有する、請求項22から25のいずれかに記載のアンプル。
【請求項27】
前記チャネルが、少なくとも45度のベンドを含む、請求項19から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
前記チャネルが、少なくとも75度のベンドを含む、請求項19から27のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
前記チャネルが、少なくとも90度のベンドを含む、請求項19から28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記チャネルが、Uベンドを含む、請求項19から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
前記チャネルが、2つのベンドを含む、請求項19から30のいずれかに記載の方法。
【請求項32】
前記貯蔵部が、10mlまでの液体を含有する、請求項19から31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
前記貯蔵部が、5mlまでの液体を含有する、請求項19から32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記貯蔵部が、薬剤の懸濁液を含有する、請求項19から33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記アンプルが、プラスチック材料で製造される、請求項19から34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
前記プラスチック材料が、ポリエチレンまたはポリプロピレンを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
プラスチック材料で製造され、そして10mlまでの液体を含有するアンプルであって、該液体内で懸濁して保持されている固形物が、該アンプルの開封時に取り外された部分に沈殿するのを防ぐ粒子トラップを含有する、アンプル。
【請求項38】
ステロイドの懸濁液を含有する、請求項1から18および37のいずれかに記載のアンプル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−510018(P2010−510018A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537697(P2009−537697)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際出願番号】PCT/GB2007/004476
【国際公開番号】WO2008/062203
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(503183455)ブレス リミテッド (11)
【Fターム(参考)】