説明

イオン交換樹脂の精製方法及び精製装置

【課題】イオン交換樹脂を高度に精製して、特にホウ素溶出量が著しく低減されたイオン交換樹脂を得る。
【解決手段】ホウ素濃度1ppt以下に処理した水を用いてイオン交換樹脂を洗浄することにより精製する。ホウ素濃度100ppt以下の原水を、逆浸透膜装置1、脱気膜装置2、及び電気脱イオン装置3の順に通水して処理し、その後、紫外線酸化装置4、非再生型イオン交換装置5、及び限外濾過膜装置6の順に通水して処理して製造する。この電気脱イオン装置3において、脱塩室からの脱イオン水の一部が、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオン交換樹脂を高度に精製して、特にホウ素溶出量が著しく低減されたイオン交換樹脂を得るための精製方法及び精製装置に関する。
本発明はまた、このようなイオン交換樹脂の精製に用いるイオン交換樹脂精製用水の製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では、半導体製品の洗浄、その他の用途に超純水が用いられているが、この超純水の水質に対する要望は厳しくなってきている。特に、超純水中のホウ素イオンなどは、半導体基板上に残留すると半導体製造に著しい支障をきたすため、半導体製造に用いられる超純水においては、微粒子、TOC(全有機炭素)と共に、ホウ素イオンの低減が必要とされている。
【0003】
超純水製造システムでは、脱酸素装置、逆浸透膜装置、1次脱イオン装置、紫外線酸化装置、2次脱イオン装置、限外濾過膜装置など、異種の処理装置を組合せて超純水が製造されている。
このような超純水製造システムにおいて、末端の脱イオン装置として設置される非再生型のイオン交換樹脂塔(非再生型イオン交換装置)には、新品または使用頻度の比較的少ない強酸性カチオン交換樹脂および強塩基性アニオン交換樹脂を精製処理した、H形の強酸性カチオン交換樹脂、OH形の強塩基性アニオン交換樹脂が用いられている。通常は、このイオン交換樹脂塔としては、両イオン交換樹脂を混合した混床式イオン交換樹脂塔が採用され、18MΩ・cm以上の処理水質を得るように設計されている。この非再生型イオン交換装置においては、イオン交換樹脂によるイオン除去性能はもとより、イオン交換樹脂自体からの不純物のリークを低減することが必要である。
【0004】
イオン交換樹脂からの不純物のリークを抑制するためのコンディショニング方法や処理剤については、従来より種々の提案がなされており、例えば、特許文献1には、イオン交換樹脂のコンディショニング方法として、超純水に無機ガスを溶解したガス溶解水を用いてイオン交換樹脂を洗浄し、その後超純水で洗浄する方法が提案されている。
【0005】
このようなイオン交換樹脂のコンディショニングに当たり、コンディショニングの最終段階での超純水によるイオン交換樹脂の洗浄では、洗浄時間が長い程、イオン交換樹脂のTOC成分等の不純物溶出性を低減することができるため、場合によっては、1週間から1ヶ月の長期間に亘る洗浄が行われている。
【0006】
しかしながら、本発明者の検討により、イオン交換樹脂を長期間洗浄すると、TOC成分等の溶出性は低減されるが、洗浄に用いた超純水中のホウ素がイオン交換樹脂に吸着し、吸着したホウ素がイオン交換樹脂の使用時に脱着して生産水中に混入する結果となり、ホウ素濃度が十分に低減された生産水が得られないことが判明した。
この問題は、超純水による洗浄時間が長い程助長され、特に3週間以上もの長期間洗浄を行う場合においては、洗浄によるイオン交換樹脂のホウ素汚染の問題が顕著であり、このようなイオン交換樹脂を用いて、例えば超純水を製造する場合には、超純水の製造を開始してから、生産水中にホウ素が溶出しなくなるまで採水を行うことができず、超純水製造現場での採水までの装置の立ち上げに長時間を要することとなる。
【0007】
ところで、水中のホウ素を除去する場合、通常の電気脱イオン装置ではホウ素除去率が低く(例えば50〜70%)、効率的なホウ素除去を行うことができない。また、電気脱イオン装置に逆浸透膜装置を組み合わせても、十分なホウ素除去率を達成し得ない。一方、非再生型イオン交換装置では、ホウ素が早期に飽和してしまうため、頻繁に、例えば2週間毎にイオン交換樹脂を交換する必要があり、不経済である。多床方式のイオン交換樹脂装置で、イオン交換樹脂の再生を頻繁に行うことにより、ある程度のホウ素除去効率を得ることはできるが、例えば1日に1回というような頻度で定期的に再生を行う必要があり、連続通水ができず、また、連続通水するためには、予備系列が必要であるなど、運転が難しい上に、再生のために高濃度の酸やアルカリを必要とし、またその再生排水が排出されるなど、処理が煩雑である。
【0008】
これに対して、特許文献2には、原水よりもホウ素濃度の低い水を、電気脱イオン装置の濃縮室に脱塩室と向流方向に通水することにより、電気脱イオン装置におけるホウ素除去率を高め、ホウ素濃度が著しく低減された水を得る発明が記載されている。
【0009】
特許文献2に開示される電気脱イオン装置であれば、水中のホウ素を高度に除去することができるが、電気脱イオン装置は、一般に超純水製造システムにおける非再生型イオン交換装置よりも前段に設けられるものであり、このような電気脱イオン装置を用いてホウ素除去率を高めても、後段の非再生型イオン交換装置に充填されたイオン交換樹脂からのホウ素の溶出の問題があると、最終処理水としてはホウ素が混入した水となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−240943号公報
【特許文献2】特許第3794268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のイオン交換樹脂の精製のための超純水による洗浄にあっては、洗浄時間が長い程イオン交換樹脂からのTOC成分やイオン成分等の溶出性を低減することができるが、長時間洗浄により、イオン交換樹脂にホウ素が吸着し、ホウ素溶出性が高められるという問題がある。
【0012】
本発明は、このようなイオン交換樹脂のホウ素汚染の問題を解決し、TOC成分やイオン成分の溶出性だけでなく、ホウ素の溶出性も十分に低減されたイオン交換樹脂を得ることができるイオン交換樹脂の精製方法及び装置と、このようなイオン交換樹脂の精製に用いるイオン交換樹脂用精製水の製造方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、イオン交換樹脂のコンディショニングにおける最終段階の精製処理に用いる水として、ホウ素濃度が著しく低減された水を用いることにより、長時間洗浄を行った場合のイオン交換樹脂のホウ素汚染を防止して、ホウ素溶出性の問題のないイオン交換樹脂を得ることができること、例えばホウ素溶出量が1ppt以下のイオン交換樹脂を得るためにはホウ素濃度1ppt以下の水で洗浄する必要があること、を見出した。
【0014】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0015】
本発明(請求項1)のイオン交換樹脂の精製方法は、ホウ素濃度1ppt以下に処理した水を用いてイオン交換樹脂を精製することを特徴とする。
【0016】
請求項2のイオン交換樹脂の精製方法は、請求項1において、ホウ素濃度1ppt以下に処理した水が、ホウ素濃度100ppt以下の原水を、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に通水して処理し、その後、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に通水して処理した水であって、前記電気脱イオン装置において、脱塩室からの脱イオン水の一部が、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水されることを特徴とする。
【0017】
請求項3のイオン交換樹脂の精製方法は、請求項2において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とする。
【0018】
請求項4のイオン交換樹脂の精製方法は、請求項2又は3において、前記原水が、前記イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明(請求項5)のイオン交換樹脂の精製装置は、原水を処理してホウ素濃度1ppt以下の処理水を得る水処理装置と、該水処理装置で得られた処理水が導入されるイオン交換樹脂精製塔とを有することを特徴とする。
【0020】
請求項6のイオン交換樹脂の精製装置は、請求項5において、前記原水のホウ素濃度が100ppt以下であり、前記水処理装置は、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に接続された一次処理システムと、さらにその後段に紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に接続された二次処理システムとを有しており、前記電気脱イオン装置は、脱塩室からの脱イオン水の一部を、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水させる手段を有することを特徴とする。
【0021】
請求項7のイオン交換樹脂の精製装置は、請求項6において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とする。
【0022】
請求項8のイオン交換樹脂の精製装置は、請求項6又は7において、前記イオン交換樹脂精製塔においてイオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を、前記水処理装置の原水として返送する手段を有することを特徴とする。
【0023】
本発明(請求項9)のイオン交換樹脂用精製水の製造方法は、イオン交換樹脂の精製に用いる水を製造する方法において、ホウ素濃度100ppt以下の原水を、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に通水して処理し、その後、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に通水して処理してホウ素濃度1ppt以下の処理水を得る方法であって、前記電気脱イオン装置において、脱塩室からの脱イオン水の一部が、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水されることを特徴とする。
【0024】
請求項10のイオン交換樹脂用精製水の製造方法は、請求項9において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とする。
【0025】
請求項11のイオン交換樹脂用精製水の製造方法は、請求項9又は10において、前記原水が、イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明(請求項12)のイオン交換樹脂用精製水の製造装置は、イオン交換樹脂の精製に用いる水を製造する装置において、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に接続された一次処理システムと、さらにその後段に紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に接続された二次処理システムと、該一次処理システムにホウ素濃度100ppt以下の原水を供給する手段とを有しており、前記電気脱イオン装置は、脱塩室からの脱イオン水の一部を、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水させる手段を有することを特徴とする。
【0027】
請求項13のイオン交換樹脂用精製水の製造装置は、請求項12において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とする。
【0028】
請求項14のイオン交換樹脂用精製水の製造装置は、請求項12又は13において、イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を前記原水に混合する手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、長時間洗浄によるイオン交換樹脂の精製を行った場合のホウ素汚染の問題を解決することができるため、TOC成分、イオン成分と共に、ホウ素の溶出性も十分に低減されたイオン交換樹脂を得ることができる。
本発明により高度に精製処理されたイオン交換樹脂は、ホウ素溶出の問題がないことから、このイオン交換樹脂を用いることにより、例えば超純水の製造現場において、運転の開始初期からホウ素混入の問題のない水を得ることができ、採水までの装置立ち上げ時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のイオン交換樹脂精製用水製造のための水処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明において好適に用いられる電気脱イオン装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0032】
なお、本発明において、水質の評価に用いる計器としては特に制限はないが、本発明においては、以下の水質測定装置で測定された値を水質項目として採用する。
TOC:アナテル社製 TOC計「アナテル1000XP」
比抵抗:栗田工業(株)製 比抵抗計「MX−4」
ホウ素:シーバース社製 ホウ素計
微粒子数:栗田工業(株)製「KLAMIC−KS」
【0033】
[イオン交換樹脂精製用水]
本発明において、イオン交換樹脂の精製に用いる水(以下「精製用水」と称す場合がある。)は、ホウ素濃度1ppt以下の水(超純水)である。
この精製用水のホウ素濃度が1pptを超えるとホウ素溶出量が十分に低減されたイオン交換樹脂を得ることができない。
【0034】
精製用水のホウ素濃度は低い程好ましく、この水のホウ素濃度は特に1ppt以下、とりわけ0.5ppt以下であることが好ましい。ただし、後述の精製用水の製造におけるホウ素除去のための処理の限界から、通常精製用水のホウ素濃度の下限は1ppt程度である。
【0035】
なお、この精製用水のホウ素以外の水質成分としては次のような値であることが好ましい。
比抵抗:18.2MΩ・cm以上
TOC:1ppb以下
微粒子数:1個/1mL以下(1mLの水中に存在する粒径0.05μm以上の微粒子の数が1個以下。以下同様。)
【0036】
[精製用水の製造]
以下に、ホウ素濃度1ppt以下の精製用水を製造する方法について、図1を参照して説明するが、本発明の精製用水を製造する方法は、何ら図1に示す方法に限定されるものではなく、他のいかなる方法であってもよい。
【0037】
図1は、本発明に係る精製用水を製造するための装置の一例を示す系統図であり、図中、1は逆浸透膜装置、2は脱気膜装置、3は電気脱イオン装置、4は紫外線酸化装置、5は非再生型イオン交換装置、6は限外濾過膜装置であり、逆浸透膜装置1、脱気膜装置及び電気脱イオン装置3で一次処理システムが形成され、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置5及び限外濾過膜装置6で二次処理システムが形成されている。なお、一次処理システムと二次処理システムとの間には、必要に応じて中継槽が設けられていてもよい。
【0038】
ホウ素濃度が1ppt以下の本発明に係る精製用水は、このような装置を用い、被処理水(原水)を、逆浸透膜装置1、脱気膜装置2、電気脱イオン装置3、紫外線酸化装置4、非再生型イオン交換装置5、及び限外濾過膜装置6に通水して処理することにより製造することができるが、この精製用水の製造において、原水はホウ素濃度が100ppt以下の比較的ホウ素濃度の低いものであることが好ましい。原水のホウ素濃度が100pptを超えるものであると、このような装置を用いても、ホウ素濃度が1ppt以下の水を得ることができない場合がある。従って、通常の一般的な超純水製造装置で製造されたホウ素濃度100ppt以下、例えばホウ素濃度5〜50ppt程度の超純水を原水として処理することが望ましい。なお、この精製用水製造用の原水は、ホウ素濃度が100ppt以下であれば、後述のイオン交換樹脂の精製処理に用いた水を含んでいてもよく、この精製排水の再利用により水使用量の低減を図ることができる。
【0039】
この精製用水製造用の原水のホウ素以外の水質としては、例えば、次のような水質であることが好ましい。
比抵抗:10MΩ・cm以上、例えば15〜18MΩ・cm
TOC:10ppb以下、例えば1〜5ppb
微粒子数:1000個/1mL以下、例えば100〜500個/1mL
【0040】
また、このようなホウ素濃度の原水からホウ素濃度1ppt以下の処理水を確実に得るために、電気脱イオン装置3については、前述の特許第3794268号公報に記載されるような、脱塩室から得られる脱イオン水の一部を、脱塩室の通水方向とは向流方向に濃縮室に通水するように構成された電気脱イオン装置を用いることが好ましい。
【0041】
以下に、この電気脱イオン装置について、図2を参照して説明する。
【0042】
図2は、本発明に好適な電気脱イオン装置の一例を示す模式的な断面図であって、この電気脱イオン装置は、電極(陽極11、陰極12)の間に複数のアニオン交換膜(A膜)13及びカチオン交換膜(C膜)14を交互に配列して濃縮室15と脱塩室16とを交互に形成したものであり、脱塩室16には、イオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体が混合もしくは複層状に充填されている。
【0043】
また、濃縮室15と、陽極室17及び陰極室18にも、イオン交換体、活性炭又は金属等の電気伝導体(メッシュ電極を含む)が充填されている。
【0044】
被処理水は脱塩室16に導入され、脱塩室16からは脱イオン水が取り出される。この脱イオン水の一部は、濃縮室15に脱塩室16の通水方向とは逆方向に向流一過式で通水され、濃縮室15の流出水は系外へ排出される。即ち、この電気脱イオン装置では、濃縮室15と脱塩室16とが交互に並設され、脱塩室16の脱イオン水取り出し側に濃縮室15の流入口が設けられており、脱塩室16の被処理水流入側に濃縮室15の流出口が設けられている。また、脱イオン水の一部は陽極室17の入口側に送給され、そして、陽極室17の流出水は、陰極室18の入口側へ送給され、陰極室18の流出水は排水として系外へ排出される。
【0045】
このように、濃縮室15に脱イオン水を脱塩室16と向流一過式で通水することにより、脱イオン水取り出し側ほど濃縮室15内の濃縮水の濃度が低いものとなり、濃度拡散による脱塩室16への影響が小さくなり、イオン除去率、特にホウ素の除去率を飛躍的に高めることができる。
【0046】
従来、電気脱イオン装置の濃縮水(濃縮室の流出水)は、水回収率の向上のために一部のみを排出した後、濃縮室の入口側に循環しており、例えば濃縮室のLVは80m/hr以上とされていた。
【0047】
これに対して、図2の電気脱イオン装置では、濃縮室にイオン交換体を充填することで、濃縮室のLVを20m/hr以下としても、脱イオン性能を確保することができる。これは、濃縮室内がスペーサであると、濃縮室膜面におけるホウ素の膜面濃縮を水流により拡散させる必要があったのに対し、濃縮室にイオン交換体等を充填することで、イオン交換体を通じてイオンが拡散するため、高い通水速度(LV)を必要としないためと考えられる。
【0048】
このように通水速度が低くても良いため、一過式で濃縮水を通水しても、水回収率は従来よりも向上させることができ、しかも、循環ポンプを用いる必要もないため、さらに経済的である。本発明では、濃縮室の通水LVを20m/hr以下、例えば10〜20m/hrとして一過式で濃縮水を通水することが、高度にホウ素を除去する上で好ましい。
【0049】
濃縮室充填物は、必要電流確保のためには活性炭等でも良いが、上記イオン拡散作用の点から、イオン交換体を充填することが望ましい。
【0050】
この図2の電気脱イオン装置では、電極室17,18にも脱イオン水を供給しているが、電極室17,18でも濃縮室15と同様に、電流確保のために、イオン交換体や活性炭、又は電気伝導体である金属若しくはメッシュ電極等を充填することで、水質によらず消費電圧が一定になり、超純水等の高水質の水を通水しても必要電流を確保することが可能となる。
【0051】
なお、電極室では、特に陽極室での塩素やオゾン等の酸化剤の発生が起こるため、充填物としては、長期的にはイオン交換樹脂等を用いるよりも、メッシュ電極等の金属を用いることが好ましい。また、電極室へ図2のように脱イオン水を供給することは、電極室供給水にClが殆ど無いため、塩素の発生を防止できるので、充填物や電極の長期安定化のためには望ましい。
【0052】
なお、電極室は上記のような充填物を用いなくても、電極板の通水面側を多孔質状に加工し、その部分に電極水を通水できるようにしても良く、その場合、電極板と電極室が一体化できるので、組立等が簡単になる等のメリットがある。
【0053】
このような電気脱イオン装置において、ホウ素除去率の向上のためには、脱塩室の厚さが小さい方が有利である。脱塩室の厚さは5mm以下が良く、この厚さは小さいほど良いが、水の通水性や製作時の取り扱い性等を考慮すると実用上2mm以上とすることが好ましい。
【0054】
また、電流を確保して、濃度拡散の影響を排除することで、ホウ素の除去率向上を図ることが好ましく、電流確保のためには、濃縮室、更には電極室に先に記したような工夫が必要となるが、ホウ素高除去率の達成のための必要電流は、電流効率として10%以下に相当する電流値、さらに99.9%以上のホウ素除去率を得るためには望ましくは電流効率5%以下に相当する電流値が必要となる。なお、電流効率とは以下の式で示される。
電流効率(%)=1.31×セル当たり流量(L/min)×(被処理水当量導電率
(μS/cm)−脱イオン水当量導電率(μS/cm))/電流(A)
【0055】
なお、この電気脱イオン装置におけるセル当たりの流量としては130L/hr以下、例えば100〜120L/hrとすることが好ましく、セル内のイオン交換樹脂に対する通水SVとしては130hr−1以下、例えば100〜120hr−1程度が好ましく、電流条件は6A以上、特に8A以上、好ましくは8〜10A程度、水回収率は90%以下、特に80%以下、例えば75〜80%とすることが好ましい。
【0056】
このような電気脱イオン装置は、高比抵抗の被処理水からホウ素をさらに低減する場合であっても、必要電流が確保できるので、濃縮室及び電極室のいずれか一方にでも電流が流れなければ、電気脱イオン装置全体の電流が流れなくなるという従来の問題点は解消される。
【0057】
なお、電気脱イオン装置の脱塩室及び濃縮室に充填するイオン交換樹脂は、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂が好ましく、その混合比率としては、アニオン交換樹脂:カチオン交換樹脂=5:5〜7:3(体積比)の同割合から若干量アニオン交換樹脂を過剰とすることがホウ素の除去の点で好ましい。
【0058】
このような電気脱イオン装置であれば、ホウ素濃度10〜100ppt程度の被処理水からホウ素濃度1ppt以下の高度にホウ素が除去された水を得ることができる。
【0059】
なお、このような電気脱イオン装置3の前段に脱気膜装置2を設けて水中の溶存酸素(DO)を例えばDO濃度10ppb以下に低減することにより、電気脱イオン装置3における酸化劣化を防止して、電気脱イオン装置3の寿命を延長することができる。
【0060】
図1に示す精製用水製造装置のその他の処理装置の仕様等については特に制限はないが、図2に示すような高ホウ素除去率の電気脱イオン装置を用いても、電気脱イオン装置3の後段の装置でホウ素汚染の問題があると、結果として得られる処理水のホウ素濃度を十分に低減することができず、ホウ素濃度1ppt以下の精製用水を得ることができないため、電気脱イオン装置3の後段の非再生型イオン交換装置5又は限外濾過膜装置6、好ましくは非再生型イオン交換装置5及び限外濾過膜装置6が共に、当該装置に通水される被処理水(装置入口水)のホウ素濃度に対して、この装置から得られる処理水(装置出口水)のホウ素濃度の増加の程度(即ち、装置出口水ホウ素濃度−装置入口水ホウ素濃度。以下、この増加量を「ホウ素汚染率」と称す場合がある。)、即ち、当該装置を通過することによるホウ素汚染の程度が1ppt以下、特に0.5ppt以下、例えば0.1〜0.5pptであるような清浄度の高い装置であることが好ましい。このような清浄度の高い非再生型イオン交換装置としては、例えば、本発明の方法により精製されたイオン交換樹脂を充填した非再生型イオン交換装置が挙げられる。また、限外濾過膜装置としては、本発明で用いる精製水により高度に洗浄された装置が挙げられる。
【0061】
電気脱イオン装置3として、図2に示す電気脱イオン装置を用いた、図1に示す装置であれば、ホウ素濃度1ppt以下であって、比抵抗18.2MΩ・cm以上、TOC1ppb以下、微粒子数1個/1mL以下であるような、高純度の水を製造することができる。
【0062】
本発明においては、このようにして製造される高純度水を精製用水として用いるが、この高純度水は、イオン交換樹脂精製用水に限らず、高い清浄度が要求される限外濾過膜装置などの装置の清浄化のための洗浄水としても用いることができる。
【0063】
[イオン交換樹脂の精製]
本発明においては、上述のようなホウ素濃度1ppt以下の精製用水を用いてイオン交換樹脂を洗浄して精製する。
【0064】
このイオン交換樹脂の洗浄には、イオン交換樹脂を適当なカラムに充填して上記の精製用水を通水する。
従って、例えば、図1に示す精製用水製造装置の限外濾過膜装置6から取り出される処理水をこのイオン交換樹脂充填カラムに通水する手段を設け、イオン交換樹脂を精製すればよい。
【0065】
この精製処理における条件としては、精製に供するイオン交換樹脂の汚染の程度と目的とするイオン交換樹脂の清浄度によって異なるが、通常、次のような条件とすることが好ましい。
【0066】
通水方向:下向流通水
通水SV:10〜50hr−1
通水LV:30〜150m/hr
【0067】
洗浄時間についても、精製に供するイオン交換樹脂の汚染の程度と目的とするイオン交換樹脂の清浄度、その他の洗浄条件に応じて適宜決定されるが、通常4〜5日から10〜30日程度であり、特に、本発明は、3週間以上の洗浄を行い、洗浄水からのホウ素吸着が問題となる長期間洗浄の場合に有効である。
【0068】
なお、イオン交換樹脂の洗浄時間を所定の値に設定する他、イオン交換樹脂の洗浄カラムの洗浄排水排出配管に、前述の水質測定計器を設け、連続的又は間欠的に(例えば30分おき)に洗浄排水の水質をモニタリングし、その値が所定の値となった場合に、例えば、洗浄排水のホウ素濃度が1ppt以下となった場合に、洗浄を終了するように自動制御することもできる。
【0069】
[洗浄排水の再利用]
上記のイオン交換樹脂の精製処理に用いた洗浄排水の全量を廃棄することは、水使用量が多大となり不経済である。
従って、イオン交換樹脂の洗浄に用いた洗浄排水は、これを原水としてホウ素濃度1ppt以下の精製用水を製造する際に問題とならない程度の水質であれば、前述の精製用水の製造装置の原水として処理し、再利用することが好ましい。
【0070】
具体的には、TOC1ppm以下、比抵抗1MΩ・cm以上、ホウ素濃度100ppt以下の洗浄排水であれば、精製用水の製造原水として再利用することができる。
【0071】
従って、イオン交換樹脂の洗浄カラムの洗浄排水排出配管に前述の水質測定計器を設け、連続的又は間欠的に(例えば30分おき)に洗浄排水の水質をモニタリングし、その値が所定の値となった場合には、洗浄排水の排出配管の流路を切り換え、前述の精製用水製造装置の逆浸透膜装置1の入口側に返送するようにしてもよい。
【0072】
また、この場合において、更に前述の如く、洗浄排水の水質が所定の値となった場合に、洗浄を終了するようにすることにより、原水からの精製用水の製造、精製用水によるイオン交換樹脂の精製、洗浄排水の再利用を連続的な自動運転で行うことができ、効率的である。
【実施例】
【0073】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0074】
[実施例1]
図1に示す装置を用い、他の超純水製造装置で得られた下記水質の超純水を原水として、イオン交換樹脂精製用水を製造した。
【0075】
<原水水質>
ホウ素:20ppb
比抵抗:15MΩ・cm
TOC:500ppb
【0076】
電気脱イオン装置としては、図2に示す如く、脱塩室からの脱イオン水の一部を濃縮室に、脱塩室の通水方向に対して向流通水する電気脱イオン装置である栗田工業(株)製電気脱イオン装置「KCDI−UPz」を用いた。この電気脱イオン装置の脱塩室及び濃縮室には、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を6:4(体積比)の割合で混合したものを充填した。陽極室と陰極室には活性炭を充填した。脱塩室の厚さは5mm、濃縮室の厚さは5mmである。
【0077】
この電気脱イオン装置の運転条件は次の通りである。
【0078】
[運転条件]
電流:10A(電流効率2%)
脱塩室SV:115hr−1
濃縮室LV:15m/hr
脱イオン水量 :25m/hr
濃縮室流量:5m/hr
電極室流量:200L/hr
水回収率 :80%
【0079】
即ち、脱イオン水25m/hr中の5m/hrを濃縮室に向流一過式で通水し、200L/hrを陽極室に通水した後陰極室に通水した。
【0080】
その他の装置の仕様は次の通りである。
【0081】
逆浸透膜装置:栗田工業(株)製「K−RO−A2031」
脱気膜装置:セルガード社製「X40」
紫外線酸化装置:日本フォトサイエンス社製「SUV−4800TOC−N」
非再生型イオン交換装置:栗田工業(株)製「KR−FM1」
限外濾過膜装置:栗田工業(株)「KU−1510HS−H」
【0082】
なお、非再生型イオン交換装置及び限外濾過膜装置は薬品洗浄後、超純水でコンディショニングすることにより、ホウ素汚染率1pptに清浄化したものを用いた。
【0083】
この装置により、以下の水質の処理水を得ることができた。
【0084】
<処理水>
ホウ素:1ppt以下
比抵抗:18.24MΩ・cm
TOC:1ppb以下
微粒子数:1個/1mL以下
【0085】
得られた処理水を精製用水として用い、イオン交換樹脂(栗田工業(株)製「KR−FM1」)を充填したカラムにSV30hr−1で下向流通水して洗浄する処理を30日行った。
【0086】
洗浄後のイオン交換樹脂について、各成分の溶出量を調べ、結果を表1に示した。
【0087】
[比較例1]
実施例1において、精製用水として、ホウ素が1pptより多い、以下の水質の水を用いたこと以外は同様にしてイオン交換樹脂の洗浄を行い、同様に各成分の溶出量を調べ、結果を表1に示した。
ホウ素:30ppt
比抵抗:18.2MΩ・cm
TOC:1ppb以下
微粒子数:1個/1mL以下
【0088】
[参考例1]
比較例1において、洗浄時間を3日と短くしたこと以外は同様にしてイオン交換樹脂の洗浄を行い、同様に各成分の溶出量を調べ、結果を表1に示した。
【0089】
【表1】

【0090】
表1より、本発明によれば、TOC成分のみならず、ホウ素溶出量の少ない高清浄のイオン交換樹脂を得ることができることが分かる。
【0091】
これに対して、精製用水のホウ素濃度が1pptを超える比較例1では、イオン交換樹脂からのホウ素の溶出の問題がある。
なお、この精製用水を用いても、参考例1のように、洗浄時間が短いと、ホウ素の溶出の問題はないが、この場合にはTOCの溶出が問題となる。
【0092】
なお、実施例1において、イオン交換樹脂の洗浄に用いた洗浄排水の水質をモニタリングし、その水質が1日後に、TOC1ppm以下、比抵抗1MΩ・cm以上、ホウ素濃度100ppt以下となったため、2日以降の洗浄排水を精製用水の製造原水として用いて、実施例1におけると同様にして原水の製造を行ったところ、実施例1におけると同様の水質の処理水を得ることができた。
【符号の説明】
【0093】
1 逆浸透膜装置
2 脱気膜装置
3 電気脱イオン装置
4 紫外線酸化装置
5 非再生型イオン交換装置
6 限外濾過膜装置
11 陽極
12 陰極
13 アニオン交換膜(A膜)
14 カチオン交換膜(C膜)
15 濃縮室
16 脱塩室
17 陽極室
18 陰極室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホウ素濃度1ppt以下に処理した水を用いてイオン交換樹脂を精製することを特徴とするイオン交換樹脂の精製方法。
【請求項2】
請求項1において、ホウ素濃度1ppt以下に処理した水が、ホウ素濃度100ppt以下の原水を、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に通水して処理し、その後、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に通水して処理した水であって、前記電気脱イオン装置において、脱塩室からの脱イオン水の一部が、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水されることを特徴とするイオン交換樹脂の精製方法。
【請求項3】
請求項2において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とするイオン交換樹脂の精製方法。
【請求項4】
請求項2又は3において、前記原水が、前記イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を含むことを特徴とするイオン交換樹脂の精製方法。
【請求項5】
原水を処理してホウ素濃度1ppt以下の処理水を得る水処理装置と、該水処理装置で得られた処理水が導入されるイオン交換樹脂精製塔とを有することを特徴とするイオン交換樹脂の精製装置。
【請求項6】
請求項5において、前記原水のホウ素濃度が100ppt以下であり、前記水処理装置は、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に接続された一次処理システムと、さらにその後段に紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に接続された二次処理システムとを有しており、前記電気脱イオン装置は、脱塩室からの脱イオン水の一部を、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水させる手段を有することを特徴とするイオン交換樹脂の精製装置。
【請求項7】
請求項6において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とするイオン交換樹脂の精製装置。
【請求項8】
請求項6又は7において、前記イオン交換樹脂精製塔においてイオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を、前記水処理装置の原水として返送する手段を有することを特徴とするイオン交換樹脂の精製装置。
【請求項9】
イオン交換樹脂の精製に用いる水を製造する方法において、ホウ素濃度100ppt以下の原水を、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に通水して処理し、その後、紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に通水して処理してホウ素濃度1ppt以下の処理水を得る方法であって、前記電気脱イオン装置において、脱塩室からの脱イオン水の一部が、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水されることを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造方法。
【請求項10】
請求項9において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造方法。
【請求項11】
請求項9又は10において、前記原水が、イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を含むことを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造方法。
【請求項12】
イオン交換樹脂の精製に用いる水を製造する装置において、逆浸透膜装置、脱気膜装置、及び電気脱イオン装置の順に接続された一次処理システムと、さらにその後段に紫外線酸化装置、非再生型イオン交換装置、及び限外濾過膜装置の順に接続された二次処理システムと、該一次処理システムにホウ素濃度100ppt以下の原水を供給する手段とを有しており、前記電気脱イオン装置は、脱塩室からの脱イオン水の一部を、脱塩室と向流方向で濃縮室に通水させる手段を有することを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造装置。
【請求項13】
請求項12において、前記非再生型イオン交換装置又は限外濾過膜装置は、該装置に被処理水を通水して得られる処理水のホウ素濃度の被処理水のホウ素濃度に対する増加量が1ppt以下の清浄度を有することを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造装置。
【請求項14】
請求項12又は13において、イオン交換樹脂の精製に使用した水の全量又は一部を前記原水に混合する手段を有することを特徴とするイオン交換樹脂用精製水の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−110515(P2011−110515A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−270279(P2009−270279)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】