説明

イオン化装置を含むゲルカード充填装置

最初は蓋(18)で密閉されているゲルカードタイプの少なくとも1つの容器(12)に充填するための装置(100)であって、前記蓋に孔をあけるための孔あけ部材(110)と、前記容器によって生じうる静電荷を除去するための手段(120)と、前記蓋の孔あけと静電荷の除去の後に前記容器に充填するための充填手段(130)と、を備えることを特徴とする充填装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療分析を行なうための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分析機器とも呼ばれるこのような装置により、たとえばピペットで液体をゲルカードへ分注するというような一定の手順を自動化することができる。この手順には、1つまたは複数の試薬を収容しているゲルカードの反応ウェルに所定量の液体を注ぐことが含まれる。この液体は、たとえば血液サンプルや他の種類の人的サンプルでありうる。
【0003】
周知の方法では、ゲルカードは、1つまたは複数の反応ウェルを含む容器であり、反応ウェルは最初は蓋で密閉されている。蓋に孔をあけて液体を注いだ後、注がれた液体とカードの試薬との間で化学反応が起こる。
【0004】
一般に、注がれる液体の量は非常に少なく、およそ数マイクロリットルで、一般に「1ドース(dose)」と呼ばれる。また、ウェルの充填においては、一定の品質基準を遵守しなければならない。この基準の中で特に挙げられるのが、ウェルへ分配された1ドースの液体と事前にウェルの底に存在する試薬との間の空隙の生成に関する基準と、ウェルの内壁上に液体飛沫が無いことに関する基準である。飛沫は、分配された1ドースの液体が多少大きくかつ不規則に分割されることからもっともよく生じる。
【0005】
空隙が存在することによって、分配された1ドースの液体と試薬との間の物理的接触を一時的に防ぐ効果がある。1つの利点は、化学反応の開始時点を制御できることである。実際には、1ドースの液体を分配した後、ゲルカードをインキュベートし遠心分離することによって化学反応が起こる。
【0006】
一方、1ドースの液体の一部がウェルの壁に付着し、これによりインキュベートされ遠心分離された反応混合物から除外されることのないよう、飛沫を無くすことが必要である。
【0007】
1つ目の問題を解決するために、米国特許第5 780 248号明細書ではプラスチック製の消耗品アクセサリーの使用が提案されている。このアクセサリーは、先の尖った下端を有する6つのキャビティが設けられた挿入部材で形成されている。また、キャビティの下端には非常に小さな孔が設けられている。このアクセサリーは手作業でゲルカードに取り付けられるためのものであり、ゲルカードのウェルを密閉する蓋にキャビティの端で孔をあける。アクセサリーの各キャビティがゲルカードのウェル内に入り、その後1ドースの液体がアクセサリーの各キャビティに分配される。アクセサリーを使用することによって、分配された1ドースの液体とウェルの底に収容された試薬とがキャビティで隔離されるので、オペレーターは空隙が形成されるかどうかを心配する必要がない。さらに、このようなアクセサリーを使用することによって飛沫を減少させることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5 780 248号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしこの対策にはいくつかの欠点がある。つまり、アクセサリーを購入し、保管し、ハンドリングしなければならない。その上、ゲルカードへのアクセサリーの取り付けを必ず手作業で行わなければならず、不便かつ時間がかかる。
【0010】
本発明の1つの目的は、最初は蓋で密閉されているゲルカードタイプの少なくとも1つの容器に充填するための装置であって、前述の欠点を克服しつつ自動充填が可能な装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、充填装置が、蓋に孔をあけるための孔あけ部材と、容器によって生じうる静電荷を除去するための手段と、蓋の孔あけと静電荷の除去の後に容器に充填するための充填手段と、を備えているという事実によってその目的を達成する。
【0012】
実際、発明者たちは、容器の静電荷を除去することにより、容器の内壁上の飛沫の形成を明らかに回避することができるということに注目した。事実、1ドースの液体が充填手段から離れるときに、容器によって生じた静電荷がその液体の位置を変えてしまう傾向がある。その結果、静電荷によって生じた引力により、1ドースの液体の一部が容器の内壁に付着する。
【0013】
したがって、本発明に係る充填装置は、飛沫の形成を有利に防ぐことができると考えられる。さらに、従来の装置とは異なり、本発明では消耗品を用いる必要がない。また本発明の別の利点として、自動充填が可能である。
【0014】
また、空隙の形成は、充填手段から放たれた1ドースの液体を偏向させる傾向のある静電力を無くすのに好都合である。
【0015】
容器は、蓋で密閉された複数のウェルを含むゲルカードタイプのカードであり、各ウェルは1つまたは複数の試薬を収容していることが好ましい。
【0016】
孔あけ部材は、蓋を通過してウェルに貫入するための複数の孔あけ先端部を有する孔あけレーキを含むことが好ましい。
【0017】
このレーキの1つの利点は、蓋に数個の孔を一度にあけることができることである。これらの孔を通して、充填手段によって液体がウェルに注がれる。
【0018】
レーキは、ゲルカードのウェルと同数の先端部を含むことが好ましい。その結果、ゲルカードの蓋に孔をあける作業が一度で済む。
【0019】
静電荷を除去するための手段はイオン化装置を含むことが特に好ましい。イオン化装置は、交互に正の電荷と負の電荷を帯びたイオンの流れを生じさせる。このイオンの流れは、好ましくは蓋に孔があけられた後に容器の方へ送られる。この交互変化によって、ゲルカードのウェルによって生じた静電荷を除去することができる。
【0020】
イオン化装置は、コロナ作用を生む電界を発生させるためのものであり、それが可能であることが好ましい。この周知のコロナ作用は、クラウン効果とも呼ばれる。
【0021】
1つの好ましい実施形態によれば、充填装置には孔あけ部材に向かって容器を取込む際の取込み方向があり、イオン化装置はこの取込み方向を横切るように伸びる少なくとも1つのイオン化ランプ(ionization ramp)で構成されている。蓋に孔があけられた直後にゲルカードをイオン化するために、ランプは孔あけゾーンのできるだけ近くに配置されていることが好ましい。
【0022】
さらに、イオン化装置は、容器の蓋の孔あけ中にこの容器が配置されるべきゾーンを対象とする複数の電極を含むことが好ましい。
【0023】
本発明の範囲を越えることなく、イオン化された空気をゲルカードの方へ送るための手段が設けられたイオン化装置を用いることも可能である。
【0024】
イオン化ランプは、前記孔あけレーキを有する2つの可動アームの間に伸び、これにより孔あけ作業直後にゲルカードをイオン化できることが好ましい。
【0025】
また本発明は、1つまたは複数の試薬を収容しているとともに少なくとも1つの蓋で密閉されている複数のウェルを含む少なくとも1つの容器内で起こる化学反応を分析するための医療分析機器であって、本発明に係る充填装置と、容器を充填装置の方へ運ぶための手段と、充填手段が一定量の液体を容器の各ウェルに注いだ後にウェル内で生じうる化学反応を分析するための手段と、を備える医療分析機器にも関する。
【0026】
医療分析機器は、同様または異なるゲルカードで構成された複数の容器を含むことが好ましい。
【0027】
本発明に係る医療分析機器は、充填手段によってウェルに注がれた液体の位置を確認するためのチェックステーションをさらに備えることが好ましい。
【0028】
このチェックステーションは、空隙と飛沫の有無を確認することが可能なカメラと画像加工手段とを含むことが好ましい。
【0029】
また本発明は、蓋で密閉された複数のウェルを有するゲルカードタイプの容器に充填する方法であって、
・ウェルを開口するために容器の蓋に孔あけをする工程と、
・容器によって生じうる静電荷を除去する工程と、
・一定量の液体を容器の各ウェルに注ぐ充填工程と、を含む充填方法にも関する。
【0030】
この方法は本発明に係る充填装置によって実現されることが好ましい。
【0031】
好ましくは、静電荷を除去する工程は、コロナ作用を生む電界を発生させることによって容器のウェルをイオン化することを含む。
【0032】
必須ではないが、静電荷を除去する工程は孔あけ工程後に行なわれることが好ましい。1つの利点として、ウェル内の空気をイオン化できる。
【0033】
ウェルに充填する工程は少なくとも1つのピペットで行なわれ、この充填工程中に当該ピペットがウェルのうちの1つと同軸に伸びることが好ましい。
【0034】
1つの利点として、ピペットの端がウェルの内壁に存在しうる試薬の液滴と接触するのを防ぐことができ、これによりピペットの汚染を回避することができる。
【0035】
本発明によれば、ピペットの汚染を回避する補完的な方法の1つは、充填工程中にピペットの下端を蓋のわずかに下に位置させることである。好ましくは、ピペットの下端を蓋の数ミリメートル下に位置させる。
【0036】
充填工程中に、注がれた液体と事前にウェル内に存在する別の液体との間に空隙が生成されることが好ましい。言いかえれば、各ウェルに収容されている試薬と注がれた1ドースの液体との間に空隙が生成される。
【0037】
最後に、本発明に係る方法は、注がれた液体の位置を充填工程の終わりに確認する工程をさらに含むことが好ましい。主に空隙が適切に生成されていることを確認する。
【0038】
本発明は、限定的でない例として図示された以下の実施形態の詳細な説明から一層よく理解され、その利点がより明らかになる。説明では以下の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1は、本発明に係る充填装置を備える、本発明に係る医療分析機器の概略図である。
【図2】図2は、図1の医療分析機器と共に用いるための容器の正面図である。
【図3】図3は、本発明に係る充填装置の1つの好ましい実施形態の斜視図である。
【図4】図4は、図3の充填装置のイオン化ランプの詳細図である。
【図5】図5は、図2の容器のウェルに収容されている試薬と図1の医療分析機器のピペットによって分配された1ドースの液体との間の空隙の形成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明に係る医療分析機器10の非常に概略化された限定的でない図である。
【0041】
この医療分析機器10では周知の消耗品容器が用いられる。ここではウェル14を有するゲルカード12が用いられる。図2に示すように、本実施例の各ゲルカード12は、ゲルカードの上部壁12aに現れる6つのウェル14を含む。したがって、これらのウェル14は、ゲルカードの上部壁12aに形成された開口16を有する。これらの開口16は、ゲルカード12の左右方向Lに伸びる蓋18で最初は密閉されている。本実施例では、蓋18はゲルカード12の上部壁を密閉する薄い帯状片で構成されている。
【0042】
図2から分かるように、ゲルカード12の各ウェル14は試薬Rを周知の方法で収容している。この試薬は隣り合うウェル同士で異なりうる。
【0043】
より具体的には、各ウェル14は、テーパ状の中間キャビティを介して下部キャビティ14bに接続された、実質的に円筒形の上部キャビティ14aによって形成されている。下部キャビティ14bも実質的に円筒形である。上部キャビティ14aは下部キャビティ14bの直径よりも実質的に大きな直径を有し、上部キャビティ14aと下部キャビティ14bは共用軸Aで同軸である。図2に示すように、試薬は下部キャビティ14bに収容されており、試薬レベルは下部キャビティ14bの上端よりわずかに下に位置し、最初は空である上部キャビティ14aがゲルカード12の上部壁12aに現れている。
【0044】
プラスチック製のゲルカード12は静電荷C+,C-を帯びやすい。これらの静電荷は、ハンドリングの間にゲルカード12が衝撃を受けたときに発生すると考えられる。
【0045】
再度図1を参照すると、医療分析機器10は、医療分析機器10のゲルカード12を取込み方向Dに移動させることが可能なコンベヤー50を備える。もちろん、本発明の範囲を越えることなく他のタイプのコンベヤーを用いることができる。
【0046】
取込み方向Dにおいて、医療分析機器10は、本発明に係る充填装置100と、充填装置によってウェルに注がれた液体の位置を確認するためのチェックステーション200と、コンプレッサインペラ300と、ゲルカードのウェル内で生じうる化学反応を分析するための手段400とを順に含む。
【0047】
ゲルカード12は、まず充填装置100の方へ運ばれる。充填装置100は、ゲルカード12のウェルに所定量の液体を充填するためのものである。
【0048】
そのため、本発明による充填装置100は、まず、ゲルカードの蓋18に孔をあけるための孔あけ部材110を備える。
【0049】
本発明の1つの重要な側面によれば、充填装置100は、ゲルカードによって生じうる静電荷を除去するための手段120も備える。もちろん、充填装置は、蓋の孔あけと静電荷の除去の後にゲルカードのウェルに充填するための充填手段130も備える。本発明の好ましい実施形態によれば、充填手段140は自動である。しかし、本発明の範囲を越えることなく、充填手段はオペレーターによって操作される手動のピペットで構成されていてもよい。
【0050】
まず、孔あけ部材110および静電荷を除去するための手段120について、図3と4を用いてより詳細に説明する。
【0051】
孔あけ部材110は、6つの先端部114を有する孔あけレーキ112を含む。これらの先端部は、蓋18を通過して蓋に一連の孔17を形成しながら、ゲルカードのウェルに貫入するためのものである。ゲルカードも6つのウェル14を含んでおり、レーキ112によって各ゲルカード12の蓋に6つの孔17を一度にあけることができる。
【0052】
図3に示すように、このレーキ112は、取込み方向Dを横切るように伸びている。
【0053】
また、蓋18の孔あけを容易にするために、レーキ112の先端部114が平面114aを有することが好ましい。
【0054】
さらに、蓋18に孔をあけた後の孔あけレーキ112の引き離しを促進するために、先端部114間に伸びる1対のスプリングブレード116が設けられている。
【0055】
最後に、レーキ112はロック部材118によってレーキホルダー113にロックされている。ロック部材118は、レーキ112の取り外しを可能にする。また、このレーキホルダー112は2つの可動アーム113a、113bを含み、この可動アーム113a、113bの間にレーキ112が伸びている。これらのアームは旋回結合ロッド115に接続されている。この旋回結合ロッド115によって、回転並進運動に続いて、レーキ112を、アイドル位置(図3に示す)から、先端部114がゲルカードの蓋18に孔をあける作業位置へと運ぶことができる。
【0056】
本発明の1つの好ましい側面によると、静電荷を除去するための手段120はイオン化装置122を含む。ここでは、イオン化装置122は、従来の電源手段(図示せず)によって電力供給されるイオン化ランプで構成されている。
【0057】
このイオン化ランプ122は医療分析機器に対して固定されており、レーキホルダー113のアーム113aと113bとの間で取込み方向Dを横切るように伸びている。図3に示すように、レーキ112がそのアイドル位置にあるときは、イオン化ランプ122はレーキ112の先端部114の下に位置している。ランプ122もまた、レーキ112がその作業位置へと動く間にレーキ112の先端部114がランプに触れないように配置されている。
【0058】
さらに、図3に示すように、イオン化ランプ122は、長手方向の溝126の底部から突出している数個の、ここでは5個の電極124を含む。
【0059】
また図4を参照すると、イオン化ランプ122は、留め足129を有するホルダー128に取り付けられている。蓋18の孔あけ作業中にゲルカードが配置されるゾーンをランプの電極124が狙えるように、ランプは垂直に対して約60°傾いている。イオン化ランプとウェル14の開口16との間の距離は、15〜30mmが好ましい。この特定のケースでは、イオン化ランプ122の電極124は、ゲルカード12のウェル14の周囲にコロナタイプの電界Eを発生させる役割を果たす。そのため、たとえば、周波数50Hz、各電極に、電位差が4kVでファンアウトが2.5mAの正弦波を送るオートトランスフォーマータイプの電源を選ぶことができる。
【0060】
次に、本発明に係る充填装置100が用いる充填方法について説明する。
【0061】
図3に示すように、ゲルカード12は、取込み方向Dを横切るように伸びるハウジング102内において連続的に孔あけ部材110の近くに運ばれ、孔あけ作業中はゲルカード12は取込み方向Dを横切る垂直平面内に維持される。
【0062】
孔あけ部材110が始動すると、レーキ112は、上述した回転並進運動に続いて作業位置で傾き、これによりレーキ112の先端部114が蓋18に孔をあける。その後、図3に示すように、レーキ112はアイドル位置に戻される。孔あけ工程の終わりには、ウェル14の位置で蓋18に6つの孔20があいている。
【0063】
この孔あけ工程後、イオン化ランプが始動し、コロナ作用を有する電界をウェル14の周囲に発生させる。上述したように、このコロナ作用電界は、ゲルカード12のウェルによって生じうる静電荷C+,C-の除去をもたらすイオン化された空気を発生させる。ウェル14のイオン化時間は1〜1.5秒であることが好ましい。
【0064】
イオン化工程後、ゲルカード12は充填手段170の方へ運ばれる。充填手段は、図5に示す少なくとも1つのピペット132を含む。この図で示すように、ピペット132は、孔あけ作業後に蓋18に形成された孔20を通って、各ウェル14の上部キャビティ14aに連続的に挿入される。孔20を通ってウェル14のうちの1つにピペットが挿入される際は、ピペットがこのウェルと同軸に配置されるとともにピペットの下端132aが蓋の数ミリメートル下に運ばれる。
【0065】
その後、図5に示すように、ピペット132は、1ドース134の液体、たとえば約10μlの液体を、ゲルカード12の左端近くに位置するウェルの上部キャビティ14aに注ぐ。
【0066】
1ドース134とウェル14の下部キャビティ14bに収容されている試薬との間に、空隙136が形成されることが非常に好ましい。この空隙は、実質的に、テーパ状の中間キャビティの下に位置している。
【0067】
空隙136の存在を確認するために、ゲルカード12は充填工程の終わりにチェックステーション200へ運ばれる。
【0068】
その後、ゲルカード12はインキュベートされ、そしてコンプレッサインペラ300によって遠心分離される。
【0069】
その後、化学反応を分析するための手段400を用いて、ウェル14内で起こる化学反応の結果が分析される。通常、このような周知の手段は、ゲルカード12のウェル14内で起こる反応の結果を視覚化できる読取り装置を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最初は蓋(18)で密閉されているゲルカードタイプの少なくとも1つの容器(12)に充填するための装置(100)であって、
前記蓋に孔をあけるための孔あけ部材(110)と、
前記容器によって生じうる静電荷を除去するための手段(120)と、
前記蓋の孔あけと静電荷(C+,C-)の除去の後に前記容器に充填するための充填手段(130)と、を備えることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
前記容器が、前記蓋(18)で密閉された複数のウェル(14)を含むカード(12)であり、前記ウェルのそれぞれが1つまたは複数の試薬(R)を収容していることを特徴とする、請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記孔あけ部材(120)が、前記蓋を通過して前記ウェルに貫入するための複数の孔あけ先端部(114)を有する孔あけレーキ(112)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の充填装置。
【請求項4】
前記充填手段が少なくとも1つのピペット(132)を含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の充填装置。
【請求項5】
前記静電荷を除去するための前記手段(120)がイオン化装置(122)を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項6】
前記充填装置には前記孔あけ部材に向かって容器を取込む際の取込み方向(D)があり、前記イオン化装置が前記取込み方向を横切るように伸びるイオン化ランプ(122)で構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の充填装置。
【請求項7】
前記イオン化装置(122)が、前記容器(12)の前記蓋の孔あけ中に前記容器(12)が配置されるべきゾーンを対象とする複数の電極(134)を含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の充填装置。
【請求項8】
前記イオン化装置(122)が、コロナ作用を生む電界(E)を発生させるためのものであることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の充填装置。
【請求項9】
1つまたは複数の試薬を収容しているとともに少なくとも1つの蓋(18)で密閉されている複数のウェル(14)を含む少なくとも1つの容器(12)内で起こる化学反応を分析するための医療分析機器(10)であって、
請求項1から8のいずれか1項に記載の充填装置(100)と、
前記容器を前記充填装置の方へ運ぶための手段(50)と、
前記充填手段(130)が一定量の液体を前記容器の各ウェルに注いだ後に前記ウェル内で生じうる化学反応を分析するための手段(400)と、を備える医療分析機器。
【請求項10】
前記充填手段(130)によって前記ウェルに注がれた液体の位置を確認するためのチェックステーション(200)をさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の医療分析機器。
【請求項11】
蓋で密閉された複数のウェルを有するゲルカードタイプの容器(12)に充填する方法であって、
・前記ウェルを開口するために前記容器の前記蓋に孔あけをする工程と、
・前記容器によって生じうる静電荷を除去する工程と、
・一定量の液体を前記容器の各ウェルに注ぐ充填工程と、を含む充填方法。
【請求項12】
前記静電荷を除去する工程が、コロナ作用を生む電界を発生させることによって前記容器の前記ウェルをイオン化することを含むことを特徴とする、請求項11に記載の充填方法。
【請求項13】
前記静電荷を除去する工程が前記孔あけ工程後に行なわれることを特徴とする、請求項11または12に記載の充填方法。
【請求項14】
前記ウェルに充填する工程が少なくとも1つのピペットで行なわれ、前記充填工程中に前記ピペットが前記ウェルのうちの1つと同軸に伸びることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の充填方法。
【請求項15】
前記充填工程が、下端を有する少なくとも1つのピペットで行なわれ、前記充填工程中に前記下端を前記蓋のわずかに下に位置させることを特徴とする、請求項11から14のいずれか1項に記載の充填方法。
【請求項16】
前記充填工程中に、前記注がれた液体と事前に前記ウェル内に存在する別の液体との間に空隙が生成されることを特徴とする、請求項11から15のいずれか1項に記載の充填方法。
【請求項17】
前記注がれた液体の位置を前記充填工程の終わりに確認する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項11から16のいずれか1項に記載の充填方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2012−523555(P2012−523555A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504048(P2012−504048)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050602
【国際公開番号】WO2010/116069
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(511244126)
【氏名又は名称原語表記】BIO−RAD INNOVATIONS
【Fターム(参考)】