説明

イソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体

本発明は、一般式(I)


を有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体またはその医薬的に許容され得る塩、それを含む医薬組成物、及び前記イソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体のTRPV1媒介障害(例えば、急性及び慢性疼痛障害、急性及び慢性神経障害性疼痛、急性及び慢性炎症性疼痛、呼吸器疾患及び下部尿路障害)を治療するための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体、それを含む医薬組成物、及び前記イソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体のTRPV1関連障害の治療における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カチオンチャネルの一過性受容体チャネルファミリー(TRPファミリー)に属する非選択的リガンド依存性カチオンチャネルであるバニロイド受容体(VR1またはTRPV1)は、皮膚、膀胱、気道及び胃腸管を含めた多くの組織を神経支配する小直径感覚ニューロンの末端で高度に発現する。より具体的には、TRPV1受容体は、一般的に侵害受容に関係している求心性神経のサブセットAδ及びC線維上に位置している(Mezeyら,Proc.Natl.Acad.Sci.,97,3655−3660,2000)。このチャネルを分子レベルで特性決定すると、このチャネルはホットチリペッパーの主たる刺激成分であるバニロイドカプサイシンの標的と同定された(Caterinaら,Nature,389,816−824,1997)。実際、カプサイシンに対する感受性が侵害受容器活性のマーカーとして長年使用されてきた。これらのポリモダール侵害受容器は化学、機械及び熱を含めた複数の有害な刺激により活性化される。TRPV1の機能特性の研究から、この受容体は熱刺激(>43℃)及び(カプサイシン及びエンドバニロイド(例えば、N−アラキドノイル−ドーパミン(NADA)及びリポキシゲナーゼ代謝物質)を含めた)化学物質による活性化、並びに酸性化による感作及び活性化を含めて侵害受容器に共通する多くの特性を共有していることが立証された。更に、(ATP及びブラジキニンを含めた)炎症メディエーターがインビトロでTRPV1を機能的に感作することが判明した。この証拠から、TRPV1が有害な刺激のポリモダール検出において不可欠な役割を有し、炎症性疼痛応答及び潜在的に末梢組織損傷の伝達に寄与していることが示唆される(DiMarzoら,Curr.Opin.Neurobiol.,12,372−379,2002において精査されている)。
【0003】
痛み刺激の検出におけるTRPV1の役割は遺伝子ノックアウトマウスのデータからも推測される。TRPV1欠損マウスは炎症傷害後挙動的熱痛覚過敏の発現の減衰を示している(Caterinaら,Science,288,306−313,2000;Davisら,Nature,405,183−187,2000)。これらの動物由来の小直径感覚ニューロンは熱及び酸刺激に対して変化した応答も示す。更に、動物モデルにおいて炎症及び神経損傷後にTRPV1の変化した発現及び/または機能活性が立証された(Amayaら,Brian Res.,963,190−196,2003;Rashidら,J.Pharm.Exp.Ther.,304,940−948,2003;Hong & Wiley,J.Biol.Chem.,280,618−627,2005)。
【0004】
痛覚伝達における役割に加えて、感覚神経の求心性及び遠心性機能及び非ニューロン細胞の機能の調節におけるTRPV1の役割についての証拠も増えつつある。実際、TRPV1 KOマウスにおいて低振幅のより高頻度、排尿に至らない膀胱収縮及び膀胱容量の増加を伴う変化した膀胱機能が観察された(Birderら,Nat.Neurosci.,5,856−860,2002)。これは、尿路上皮細胞で発現したニューロン性TRPV1及びTRPV1を伴い得る。よって、TRPV1活性を調節する物質が疼痛状態及び炎症を伴う他の疾患だけでなく、一次感覚線維の機能亢進を伴う状態(例えば、過活動膀胱及び切迫尿失禁)でも有用であることを示唆する明らかな証拠がある。
【0005】
イソオキサゾール−3−カルボキサミド誘導体は国際特許出願WO 2007/067710(Amphora Discovery Corporation)においてTRPV1受容体のモジュレーターとして、TRPV1媒介障害の治療において、例えば急性及び慢性疼痛障害、急性及び慢性神経障害性疼痛、急性及び慢性炎症性疼痛、呼吸器疾患及び下部尿路障害の治療において有用であるとして開示されている。
【0006】
TRPV1媒介障害の治療において有用な別のより強力な化合物がまだ要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/067710号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Mezeyら,Proc.Natl.Acad.Sci.,97,3655−3660,2000
【非特許文献2】Caterinaら,Nature,389,816−824,1997
【非特許文献3】DiMarzoら,Curr.Opin.Neurobiol.,12,372−379,2002
【非特許文献4】Caterinaら,Science,288,306−313,2000
【非特許文献5】Davisら,Nature,405,183−187,2000
【非特許文献6】Amayaら,Brian Res.,963,190−196,2003
【非特許文献7】Rashidら,J.Pharm.Exp.Ther.,304,940−948,2003
【非特許文献8】Hong & Wiley,J.Biol.Chem.,280,618−627,2005
【非特許文献9】Birderら,Nat.Neurosci.,5,856−860,2002
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この目的を達するために、本発明は、一般式I
【0010】
【化1】

[式中、
は各々が任意にハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ及びハロ(C1−4)アルキルオキシから選択される1−3個の置換基で置換されるフェニルまたはピリジルであり;
はハロゲン、(C1−3)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ(C1−3)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、ヒドロキシ(C3−8)シクロアルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキル、(C2−8)アルケニル、(C2−8)アルキニル、(C3−10)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルケニルまたは(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各シクロアルキル基は任意にオキソ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、(C1−3)アルキル及びヒドロキシ(C1−3)アルキルで置換され;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有し、任意にヒドロキシルまたはオキソで置換される飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;或いは
はR及びこれらが結合しているNと一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含有し、任意にオキソ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキサミド、(C1−3)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたは(C1−3)アルキルオキシで置換される飽和4−8員環を形成し;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員飽和ヘテロ環式環を形成する]
を有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体またはその医薬的に許容され得る塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
式Iの定義中に使用されている用語「(C1−3)アルキル」は、1−3個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状アルキル基、例えばプロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0012】
用語「ヒドロキシ(C1−3)アルキル」は、1−3個の炭素原子を有し、1または2個のヒドロキシ基で置換されている分枝状または非分枝状アルキル基、例えば3−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシエチルまたはヒドロキシメチルを意味する。
【0013】
式Iの定義中で使用されている用語「(C1−4)アルキル」は、1−4個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状アルキル基、例えばブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0014】
用語「ハロ(C1−4)アルキル」は、1−4個の炭素原子を有し、1−3個のハロゲンで置換されている分枝状または非分枝状アルキル基を意味する。好ましいハロ(C1−4)アルキルはCFである。
【0015】
用語「(C1−4)アルキルオキシ」中、(C1−4)アルキルは上に定義した通りの意味を有する。
【0016】
用語「ハロ(C1−4)アルキルオキシ」中、ハロ(C1−4)アルキルは上に定義した通りの意味を有する。
【0017】
式Iの定義中で使用されている用語「(C1−8)アルキル」は、1−8個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状アルキル基、例えばオクチル、ヘキシル、ヘキシル、ペンチル、イソペンチル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル及びメチルを意味する。
【0018】
用語「(C2−8)アルケニル」は、2−8個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状アルケニル基、例えばエテニル、プロペン−2−イル、2−メチル−プロペニル、ペンテン−4−イル等を意味する。
【0019】
用語「(C2−8)アルキニル」は、2−8個の炭素原子を有する分枝状または非分枝状アルキニル基、例えばエチニル、プロピン−2−イル、ペンチン−4−イル等を意味する。
【0020】
用語「(C3−10)シクロアルキル」は、3−10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロヘプチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル及びシクロプロピルを意味する。この用語には、二環式シクロアルキル基(例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エニル、ビシクロ[2,2,2]オクタ−5−エニル)及び三環式アルキル基(例えば、アダマンチル等)も含まれる。
【0021】
用語「(C3−8)シクロアルケニル」は、3−8個の炭素原子を有するシクロアルケニル基、例えばシクロオクタ−3−イル、シクロヘキサ−3−イル及びシクロペンタ−2−イルを意味する。
【0022】
とR及びこれらが結合しているNと一緒の定義中で使用されている用語「O、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含有する飽和4−8員ヘテロ環式環」の例は、N−モルホリニル、N−チオモルホリニル及びN−チアゾリジニルである。
【0023】
式IのRの定義中で使用されている用語「O、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有する飽和4−8員ヘテロ環式環」の例は、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチエニル及びN−モルホリニルである。
【0024】
用語「ハロゲン」はF、Cl、BrまたはIを意味する。F及びClが好ましい。
【0025】
1つの実施態様において、本発明は、式I[式中、
は任意にハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ及びハロ(C1−4)アルキルオキシから選択される1−3個の置換基で置換されるフェニルであり;
はハロゲン、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は任意にヒドロキシで置換される(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキルまたは(C3−10)シクロアルキルであり;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有し、任意にヒドロキシルまたはオキソで置換される飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員の飽和ヘテロ環式環を形成する]
を有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体を提供する。
【0026】
別の実施形態において、本発明は、式I[式中、
はF、Cl及びCFから選択される1または2個の置換基で置換されるフェニルであり;
はCl、Br、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は任意にヒドロキシで置換される(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキルまたは(C3−10)シクロアルキルであり;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有する飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員の飽和ヘテロ環式環を形成する]
を有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体を提供する。
【0027】
本発明の特に好ましいイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、
4−クロロ−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−ブロモ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−ブロモ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−シクロペンチル−N−メチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−N−(3−メチルブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(R)−4−クロロ−N−(1−ヒドロキシブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−(シス)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(トランス)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
N−シクロペンチル−4−((エチル(イソプロピル)アミノ)メチル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、及び
3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(モルホリノメチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
またはその医薬的に許容され得る塩である。
【0028】
本発明のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、有機化学の業界で通常公知の方法により製造され得る。
【0029】
【化2】

【0030】
式Iを有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、例えば式II(式中、Lはハロゲンまたはアシルオキシ基のような離脱基であり、R及びRは先に定義した通りの意味を有する)を有する化合物から、離脱基を式NHRを有するアミンで求核置換することにより製造され得る。式II(式中、Lはアシルオキシ基である)を有する化合物は、式II(式中、Lはヒドロキシである)を有する化合物から例えば塩基(例えば、N−メチルモルホリン)の存在下でクロロギ酸塩と反応させることにより製造され得る。
【0031】
式Iを有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、式II(式中、Lはヒドロキシである)を有する化合物から、例えば触媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド)の存在下または非存在下でオキサリルクロリドと反応させ、更に適切なアミンNHRで処理することにより製造され得る(J.Am.Chem.Soc.,Vol.108,No.22,6950−6960,1986)。
【0032】
式Iを有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、式II(式中、Lはヒドロキシである)を有する化合物から、当業界で周知の1つ以上の標準(ペプチド)カップリング試薬(例えば、O−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)または(ベンゾトリアゾル−1−イル−オキシ−トリスピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PYBOP))で処理し、更に適切なアミンNHRで処理することにより製造され得る(J.Am.Chem.Soc.,Vol.108,No.22,6950−6960,1986)。
【0033】
式Iを有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、式II(式中、Lはアシルオキシである)を有する化合物から、適切な溶媒中で通常加熱またはマイクロ波加熱を用いて50−200℃の温度で5分−30時間の反応時間で適切なアミンNHRで処理することにより製造され得る。
【0034】
或いは、式Iを有する化合物は、式III(式中、Xはハロゲンである)を有する化合物から、鈴木反応(Chem.Rev.,95,2457−2483,1995)またはその改変を用いて式IV(式中、Rは先に定義した通りであり、Mはボロン酸またはボロン酸エステルである)を有する化合物で処理することにより製造され得る。
【0035】
出発物質として役立つ式IVを有する化合物は市販されているかまたは当業界で公知の各種方法により製造され得る。
【0036】
【化3】

【0037】
式II(式中、Lはアルコキシである)を有する化合物は、式V(式中、Rは先に示した意味を有し、RはHまたは(C1−6)アルキルであり、Xはハロゲンである)を有する化合物から、鈴木反応(Chem.Rev.,95,2457−2483,1995)またはその改変を用いて式IV(式中、Mはボロン酸またはボロン酸エステルである)を有する化合物で処理することにより製造され得る。
【0038】
式VI(式中、Xはハロゲンである)を有する化合物は、式VIIを有する化合物からヘテロ環式環をハロゲン化するための当業界で周知の方法を用いて製造され得る。そのような方法は一般参考文献Davies,D.T.,Aromatic Heterocyclic Chemistry(Oxford University Press:Oxford 1995)に記載されている。
【0039】
Burke D.S.,Danheiser,R.L.,Handbook of Reagents for Organic Synthesis:Oxidising and Reducing agents(Wiley:New York,1999)に記載されているように、式VII(式中、Rは先に示した意味を有する)を有する化合物が式VIIIを有する化合物から適当な還元剤を用いて還元することにより製造され得ることは当業界で周知である。
【0040】
更に、式VII(式中、Rは先に示した意味を有する)を有する化合物は、一般参考文献Davies,D.T.,Aromatic Heterocyclic Chemistry(Oxford University Press:Oxford 1995)に記載されているように、適当な溶媒中、式Xを有する化合物の存在下で式IX(式中、RはCHであり、Rは先に示した意味を有し、またはカルボン酸エステルであり得る)を有する化合物と反応させることにより製造され得る。
【0041】
更に、式VIII(式中、Rは先に示した意味を有する)を有する化合物は、一般参考文献Davies,D.T.,Aromatic Heterocyclic Chemistry(Oxford University Press:Oxford 1995)に記載されているように、適当な溶媒中、式Xを有する化合物の存在下で式IX(式中、RはCOであり、Rは先に示した意味を有し、またはカルボン酸エステルであり得る)を有する化合物と反応させることにより製造され得る。
【0042】
出発物質として役立つ式IXを有する化合物は市販されているかまたは当業界で公知の各種方法により製造され得る。
【0043】
【化4】

【0044】
式Xを有する化合物は、式XIを有する化合物から例えば非限定的にN−クロロスクシンイミドで処理することにより製造され得る。
【0045】
式XI(式中、Rは先に示した意味を有する)を有する化合物は、式XIIを有する化合物から適当な溶媒中でヒドロキシルアミンで処理することにより製造され得る。
【0046】
当業者は、式Iを有する各種イソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体がある置換基R−Rに相当する官能基の適当な変換により得られ得ることも認識している。例えば、式I(式中、RまたはRは任意に置換されるアルキルまたはシクロアルキル基である)を有する化合物は、式I(式中、RまたはRは水素である)を有する化合物を塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で適切に官能化されているアルキルまたはシクロアルキルハライドと反応させることにより製造され得る。
【0047】
式Iを有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体及びその塩は少なくとも1つのキラル中心を含み得、従ってエナンチオマー及びジアステレオマーを含めた立体異性体として存在し得る。本発明はその範囲に上記した立体異性体を含み、実質的に他のエナンチオマーを含まない、すなわち5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満しか他のエナンチオマーを会合していない式Iを有する化合物及びその塩の個々のR及びSエナンチオマーの各々、並びに実質的に等量の2つのエナンチオマーを含有するラセミ混合物を含めた任意の比率での前記エナンチオマーの混合物を含む。
【0048】
純粋な立体異性体を得るための不斉合成またはキラル分離方法、例えばキラル誘導を伴うまたは市販されているキラル基質からの合成、或いは立体異性体の例えばキラル媒体でのクロマトグラフィーを用いるまたはキラル対イオンとの結晶化による分離は当業界で周知である。
【0049】
本発明は、本明細書に記載されている誘導体と同一であるが、1個以上の原子が自然界に通常存在する原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子で置換されている本発明の同位体標識されているイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体も包含する。本発明の化合物に取り込まれ得る同位体の例には水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体(例えば、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F及び36Cl)が含まれる。
【0050】
式(I)を有するある同位体標識されている化合物(例えば、H及び14Cで標識されている化合物)は化合物及び/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。作成の容易さ及び検出可能性のためにトリチウム化同位体(すなわち、H)及び炭素−14同位体(すなわち、14C)が特に好ましい。更に、より重い同位体(例えば、重水素(すなわち、H))で置換すると、より高い代謝安定性により生ずるある治療上の利点(例えば、長いインビボ半減期及び少ない投与要件)が得られ得、よって幾つかの状況では好ましいことがある。式(I)を有する同位体標識されている化合物は、通常以下のスキーム及び/または実施例に開示されている手順と同様の手順に従って同位体標識されていない試薬を適切な同位体標識されている試薬に代えることにより製造され得る。
【0051】
医薬的に許容され得る塩は、式Iを有する化合物の遊離塩基を無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸及び硫酸)または有機酸(例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、フマル酸、グリコール酸、コハク酸、プロピオン酸、酢酸及びメタンスルホン酸)で処理することにより得られ得る。
【0052】
本発明の化合物は、非溶媒和形態及び医薬的に許容され得る溶媒(例えば、水、エタノール等)との溶媒和形態で存在し得る。通常、溶媒和形態は本発明の目的で非溶媒和形態と均等であると見なされる。
【0053】
更に、本発明は、本発明のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体またはその医薬的に許容され得る塩を医薬的に許容され得る助剤及び任意に他の治療薬と混合して含む医薬組成物を提供する。用語「許容され得る」は、組成物の他の成分と相容性であり、そのレシピエントにとって有害でないことを意味する。組成物にはいずれも投与用単位投与形態の経口、舌下、皮下、静脈内、硬膜外、鞘内、筋肉内、経皮、肺内、局所または直腸内投与等に適したものが含まれる。好ましい投与ルートは経口ルートである。
【0054】
経口投与の場合、活性成分はばらばらの単位(例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、溶液剤、懸濁液剤等)として提供され得る。
【0055】
非経口投与の場合、本発明の医薬組成物は1回投与用または複数回投与用容器の形態で、例えば所定量の注射液を例えば密封バイアル及びアンプル中に収容した形態で提供しても、使用直前に滅菌液体担体(例えば、水)を添加するだけですむ凍結乾燥状態で保存してもよい。
【0056】
例えば標準参考文献Gennaro、A.R.ら,Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20版,Lippincott Williams & Wilkins,2000)に記載されているように、特にPart 5:Pharmaceutical Manufacturingを参照して、医薬的に許容され得る助剤と混合し、活性物質は固体投与単位(例えば、ピル剤、錠剤)に圧縮され、またはカプセル剤、座剤またはパッチ剤に加工され得る。医薬的に許容され得る液体を用いて、活性物質は流体組成物として、例えば溶液、懸濁液、エマルションの形態の注射製剤として、または鼻スプレーのようなスプレーとして適用され得る。
【0057】
固体投与単位を作成するためには、慣用の添加剤(例えば、増量剤、着色剤、高分子結合剤等)の使用が考えられる。通常、活性化合物の機能を妨げない医薬的に許容され得る添加剤を使用し得る。本発明の活性物質を固体組成物として投与し得る適当な担体には適当な量で使用されるラクトース、デンプン、セルロース誘導体等またはその混合物が含まれる。非経口投与のためには、医薬的に許容され得る分散剤及び/または湿潤剤(例えば、プロピレングリコールまたはブチレングリコール)を含有する水性懸濁液、等張性塩類溶液及び滅菌注射可能溶液を使用し得る。
【0058】
更に、本発明は、先に記載した医薬組成物と該組成物に適した包装材料の組合せを含み、前記包装材料には組成物を先に記載した用途に使用するための使用説明書を含んでいる。
【0059】
本発明のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体は、ヒト組換えVR1受容体を安定的に発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いる蛍光をベースとするカルシウムフラックスアッセイにより測定して、バニロイド受容体(TRPV1またはVR1)で調節特性を有することが知見された。前記組換え細胞株の構築方法は当業界で周知である(Sambrookら,Molecular Cloning:a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,2000)。
【0060】
よって、本発明の化合物はTRPV1媒介障害(例えば、急性及び慢性疼痛障害、急性及び慢性神経障害性疼痛、急性及び慢性炎症性疼痛、呼吸器疾患及び下部尿路障害)の治療において有用である。
【0061】
本発明の化合物はヒトに対して症状を軽減するのに十分な量及び十分な期間投与され得る。例えば、ヒトに対する用量レベルは0.001−50mg/kg体重、好ましくは0.01−20mg/kg体重の範囲であり得る。
【0062】
本発明を下記実施例により説明する。
【0063】
一般的方法
フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲルを用いて実施した。半分取高速液体クロマトグラフィー(半分取HPLC)は以下に略述する方法を用いて実施した:X−bridge(C18,5μm)19mm×50mm;8.5分間かけて10→100% アセトニトリル−水の勾配の後、100% アセトニトリルを1.5分間;0.1% アンモニアバッファー;17mL/分;215nmでUV検出。Waters Micromass ZQ。
【0064】
H NMR結合定数はHzで示す。
【0065】
実施例1(参照化合物)
N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0066】
【化5】

【0067】
A:4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドオキシム
4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(10.0g,57.4mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(4.47g,4.47mmol)を水(15mL)及びエタノール(15mL)に含む混合物に氷(30g)を添加した後、水酸化カリウム(15mL,150mmol)を少しずつ添加した。反応物を室温で4時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル(20mL)で洗浄した後、5N HCl溶液を用いて酸性化し、次いで生成物をジクロロメタン(20mL)に抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残渣にヘプタンを添加し、生じた白色固体を濾過して、4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドオキシム(7.27g,38.4mmol)を得た。
【0068】
B:N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド
4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドオキシム(7.27g,38.4mmol)をジメチルホルムアミド(30mL)に含む溶液にN−クロロスクシンアミド(727mg,3.84mmol)を添加した。室温で30分間攪拌した後、ジエチルエーテル中2M HCl(0.1mL,0.2mmol)を添加した。更に30分後、残りのN−クロロスクシンイミド(6.64g,34.5mmol)を2時間かけて少しずつ添加した。反応物を室温で2時間攪拌した後、一晩放置した。反応物を氷冷水(150mL)に注ぎ、ジエチルエーテル(40mL)で抽出し、有機層を水(2×20mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。ジエチルエーテル溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド(9.1g,40.7mmol)を得た。
【0069】
C:3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸エチル
N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド(2.0g,8.95mmol)、プロピオル酸エチル(0.91mL,8.95mmol)及びトリエチルアミン(1.26mL,8.95mmol)をトルエン(50mL)含む混合物を60℃で一晩加熱した。反応物を水(3×20mL)及びブライン(20mL)で順次洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで濾過し、濾液を蒸発乾固した。ヘプタン中10% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸エチル(1.5g,5.26mmol)を得た。
【0070】
D:3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸エチル(305mg,1.07mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)及び水(1mL)に含む溶液に1N LiOHの水溶液(1.60μL,1.60mmol)を添加した。混合物を室温で2.5時間攪拌し、反応混合物を1N HCl溶液を用いて酸性化した後、溶媒を真空中で除去して、3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(270mg,1.05mmol)を得た。
【0071】
E:3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(36mg,0.14mmol)、(1S,3R)−3−アミノシクロヘキサノール(16.1mg,0.14mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(69μL,0.42mmol)をジクロロメタン(5.0mL)に含む混合物にプロパンホスホン酸環状無水物の酢酸エチル中50wt%溶液(125μL,0.21mmol)を添加した。1.5時間攪拌した後、反応物を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、真空中で蒸発乾固した。化合物を酢酸エチルで溶離させるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(10mg,0.28mmol)を得た。
【0072】
MS(ESI) m/z(M+H):355.0
【0073】
更に、(1S,3R)−3−アミノシクロヘキサノールの代わりに別のアミンを用いて実施例1の方法を使用して、以下の化合物を製造した。
【0074】
実施例2(B)
4−クロロ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0075】
【化6】

【0076】
A:4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例3のステップB−Eに従って製造した。
【0077】
B:4−クロロ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を実施例2のステップEに従って、3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の代わりに4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸を用いて製造した。
【0078】
MS(ESI) m/z(M+H):361.0
【0079】
実施例2(C)
4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0080】
【化7】

【0081】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0082】
H−NMR(400MHz,CDOD)δ 8.08(d,2H),7.88(d,2H),4.14(m,1H),4.00(d,2H),3.52(t,2H),1.90(d,2H),1.71(m,2H)。
【0083】
実施例2(D)
4−クロロ−N−シクロペンチル−N−メチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0084】
【化8】

【0085】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0086】
MS(ESI) m/z(M+H):373.0
【0087】
実施例2(E)
(S)−4−クロロ−N−(3−メチルブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0088】
【化9】

【0089】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0090】
MS(ESI) m/z(M+H):363.0
【0091】
実施例2(F)
(R)−4−クロロ−N−(1−ヒドロキシブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0092】
【化10】

【0093】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0094】
MS(ESI) m/z(M+H):364.0
【0095】
実施例2(G)
(S)−4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0096】
【化11】

【0097】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0098】
MS(ESI) m/z(M+H):388.0
【0099】
実施例2(H)
4−クロロ−N−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0100】
【化12】

【0101】
標記化合物を実施例2(B)に従って製造した。
【0102】
MS(ESI) m/z(M−H):379.0
【0103】
実施例3
4−クロロ−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0104】
【化13】

【0105】
A:N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド
標記化合物を実施例1のステップA−Bに従って合成した。
【0106】
B:(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール
N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド(5.57g,24.9mmol)及びプロパ−2−イン−1−オール(1.45mL,24.9mmol)をトルエン(200mL)に含む混合物にトリエチルアミン(3.85mL,27.4mmol)を添加した。室温で2時間攪拌した後、反応物を室温で一晩放置した。反応物を水(2×30mL)及びブラインで順次洗浄し、トルエン溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固した。残渣にジエチルエーテル及びヘプタンを順次添加して、集まった(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール(4.38g,18.0mmol)を得た。
【0107】
C:(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩
(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール(1.0g,4.11mmol)、N−クロロスクシンアミド(0.66g,4.93mmol)及び濃硫酸(0.5mL)を氷酢酸(20mL)に含む混合物を120℃で5時間加熱した。反応物を水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)に抽出した後、水(2×20mL)、中和した炭酸ナトリウム水溶液(5%w/v)及びブラインで順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩(1.18g,3.69mmol)を得た。
【0108】
D:(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール
(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩(1.05g,3.28mmol)及びメタノール中水酸化リチウム(1M,4.93mL,4.93mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)及び水(10mL)に含む溶液を60℃で6時間加熱した。反応物を塩酸(2N)で中和した。テトラヒドロフランを蒸留除去し、水性残渣を酢酸エチルで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール(0.85g,3.09mmol)を得た。
【0109】
E:4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール(3.7g,13.3mmol)、リン酸二水素ナトリウム(0.21g,1.73mmol)及び2,2,6,6−テトラメチルピペリジンオキシド(146mg,0.93mmol)をアセトニトリル(60mL)に含む溶液を35℃に加熱し、亜塩素酸ナトリウム(3.01g,26.7mmol)を水(12mL)に含む溶液を別の滴下漏斗から水(6mL)中の漂白剤(0.36mL,0.27mmol)と同時に添加すると、反応物は深い暗色になった。反応物を35℃で4.5時間加熱した。冷却しながら、亜硫酸ナトリウム(4.03g,32.0mmol)を添加し、混合物を30分間攪拌した。反応物を更に水を添加し、これを酢酸エチルで洗浄した後、水性相を希塩酸で酸性化した。生成物を酢酸エチルに抽出し、ブラインで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(1.8g,6.17mmol)を得た。
【0110】
F:4−クロロ−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
ヒドロキシベンゾトリアゾール(26.3mg,0.17mmol)、EDCI(32.9mg,0.17mmol)及び4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の溶液を室温で20分間攪拌した後、(1S,3R)−3−アミノシクロヘキサノール(21.7mg,0.19mmol)及びトリエチルアミン(50μL)を順次添加し、攪拌を2時間続けた。溶液に水を添加した後、有機層を分離し、蒸発乾固した。粗混合物をヘプタン中50% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、次いで半分取HPLCにより精製して、標記化合物(37mg,0.095mmol)を得た。
【0111】
MS(ESI) m/z(M+H):389.0
【0112】
実施例4
4−ブロモ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0113】
【化14】

【0114】
A:(4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩
(3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メタノール(1.0g,4.11mmol)、N−ブロモスクシンアミド(0.89g,4.93mmol)及び濃硫酸(0.5mL)を氷酢酸(20mL)に含む混合物を120℃で5時間加熱した。反応物を水(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(20mL)に抽出した後、水(2×20mL)、中和した炭酸ナトリウム水溶液(5%w/v)及びブラインで順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾固して、(4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩(1.4g,3.84mmol)を得た。
【0115】
B:4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例3のステップD−Eに従って、ステップDにおいて(4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩を(4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾル−5−イル)メチル酢酸塩に代えて製造した。
【0116】
C:4−ブロモ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を実施例1に従って、3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の代わりに4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸を使用して製造した。
【0117】
MS(ESI) m/z(M+H):405.0
【0118】
更に、シクロペンチルアミンの代わりに別のアミンを用いて実施例4の方法を使用して、以下の化合物を製造した。
【0119】
実施例5
4−ブロモ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0120】
【化15】

【0121】
MS(ESI) m/z(M+H):419.0,421.0
【0122】
実施例6
(S)−4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0123】
【化16】

【0124】
MS(ESI) m/z(M−H):431.0
【0125】
実施例7
4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0126】
【化17】

【0127】
A:N−ヒドロキシ−(4−フルオロ)ベンズイミドイルクロリド
標記化合物を実施例1のステップA−Bに従って、ステップAにおいて4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの代わりに4−フルオロベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0128】
B:4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例3のステップB−Eに従って、ステップBにおいてN−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリドの代わりにN−ヒドロキシ−(4−フルオロ)ベンズイミドイルクロリドを使用して合成した。
【0129】
C:4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を実施例3のステップFに従って、4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の代わりに4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸を使用して製造した。
【0130】
MS(ESI) m/z(M+H):339.0
【0131】
実施例8
(S)−4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0132】
【化18】

【0133】
標記化合物を実施例7に従って製造した。
【0134】
MS(ESI) m/z(M−H):335.0
【0135】
実施例9
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−(シス)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0136】
【化19】

【0137】
A:N−ヒドロキシ−(4−クロロ−3−フルオロ)ベンズイミドイルクロリド
標記化合物を実施例1のステップA−Bに従って、ステップAにおいて4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの代わりに4−クロロ−3−フルオロベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0138】
B:4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例3のステップB−Eに従って、ステップBにおいてN−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリドの代わりにN−ヒドロキシ−(4−クロロ−3−フルオロ)ベンズイミドイルクロリドを使用して合成した。
【0139】
C:4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を実施例3のステップFに従って、4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の代わりに4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸を使用して製造した。
【0140】
MS(ESI) m/z(M+H):373.0
【0141】
更に、シス−2−アミノシクロヘキサノールの代わりに別のアミンを用いて実施例9の方法を使用して、以下の化合物を製造した。
【0142】
実施例10
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
H−NMR(400MHz,CDOD)δ 7.78(d,1H),7.70(m,2H),3.97(m,1H),3.69(m,1H),2.16(d,1H),1.93−1.85(m,3H),1.46−1.29(m,3H),1.29−1.21(t,1H)。
【0143】
実施例11
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(トランス)−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0144】
【化20】

【0145】
A:N−ヒドロキシ−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル))ベンズイミドイルクロリド
標記化合物を実施例1のステップA−Bに従って、ステップAにおいて4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0146】
B:4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例3のステップB−Eに従って、ステップBにおいてN−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリドの代わりにN−ヒドロキシ−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル))ベンズイミドイルクロリドを使用して合成した。
【0147】
C:4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(トランス)−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
標記化合物を実施例3のステップFに従って、4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸の代わりに4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸を使用して製造した。
【0148】
MS(ESI) m/z(M+H):407.1
【0149】
実施例12
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0150】
【化21】

【0151】
A:4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸
標記化合物を実施例11に従って合成した。
【0152】
B:4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボニルクロリド
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボン酸(340mg,1.10mmol)をジクロロメタン(5mL)に含む懸濁液に塩化チオニル(0.12mL,1.65mmol)を添加し、反応物を6時間還流加熱した。次いで、溶媒を蒸発除去して、4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボニルクロリド(350mg,1.07mmol)を得た。
【0153】
C:4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボニルクロリド(35mg,0.11mmol)を無水ジクロロメタン(1mL)に溶解した。これをテトラヒドロ−2H−ピラン−4−アミン(11.9mg,0.12mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(26.5μL,0.16mmol)をジクロロメタンに含む攪拌溶液に添加し、反応物を室温で2時間攪拌した。反応物を水で洗浄した後、蒸発乾固した。ヘプタン中50% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(30mg,0.08mmol)を得た。
【0154】
MS(ESI) m/z(M+H):393.0
【0155】
実施例13
N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0156】
【化22】

【0157】
A:N−ヒドロキシ−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル))ベンズイミドイルクロリド
標記化合物を実施例1のステップA−Bに従って、ステップAにおいて4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドの代わりに3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒドを使用して合成した。
【0158】
B:3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチル
3−フルオロ−N−ヒドロキシ−4−(トリフルオロメチル)ベンズイミドイルクロリド(1.0g,4.14mmol)及びブタ−2−インジオン酸ジメチル(0.59g,4.14mmol)をトルエン(15mL)に含む混合物にトリエチルアミン(0.64mL,4.55mmol)を添加した。反応混合物を100℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を水(2×10mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、蒸発乾固した。粗混合物をヘプタン中50% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチル(0.65g,1.87mmol)を得た。
【0159】
C:5−(シクロペンチルカルバモイル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボン酸メチル
3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4,5−ジカルボン酸ジメチル(1.0g,2.88mmol)をメタノール(30mL)に含む溶液にシクロペンタンアミン(0.49g,5.76mmol)を一滴ずつ添加した。30分間攪拌した後、室温で一晩放置した。溶媒を蒸発除去し、残渣を水と酢酸エチル(50mL)に分配し、有機層を希HCl(30mL)、水(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した後、蒸発乾固した。残渣をエーテル(10mL)中で摩砕し、生じた生成物を濾過して、5−(シクロペンチルカルバモイル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボン酸メチル(0.68g,1.7mmol)を得た。
【0160】
D:N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
5−(シクロペンチルカルバモイル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−4−カルボン酸メチル(0.66g,1.65mmol)をメタノール(20mL)に含む攪拌溶液に水素化ホウナトリウム(125mg,3.30mmol)をゆっくり添加した。反応物を室温で攪拌し、2時間後更に水素化ホウナトリウム(40mg,1.05mmol)を添加した。もう2時間後、溶媒を蒸発除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)と水(30mL)に分配した後、希HClで酸性化し、有機層を水(2×30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、次いで蒸発乾固した。残渣をヘプタン中50% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(70mg,0.19mmol)を得た。
【0161】
MS(ESI) m/z(M+H):373.0
【0162】
実施例14
N−シクロペンチル−4−((エチル(イソプロピル)アミノ)メチル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0163】
【化23】

【0164】
A:4−(クロロメチル)−N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(ヒドロキシルメチル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド(90mg,0.24mmol)をN−メチル−2−ピロリジノン(2mL)に含む溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(80μL,0.48mmol)及びメタンスルホニルクロリド(28μL,0.36mmol)を順次添加した。反応物に180℃で1時間マイクロ波を照射した後、メタンスルホニルクロリド(28μL,0.36mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(80μL,0.48mmol)を添加した。反応物に180℃で更に1時間マイクロ波を照射した後、水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(5mL)に抽出し、有機層を水(2×10mL)で洗浄し、次いで蒸発乾固した。生成物をヘプタン中50% 酢酸エチルで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4−(クロロメチル)−N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド(30mg,0.08mmol)を得た。
【0165】
B:N−シクロペンチル−4−((エチル(イソプロピル)アミノ)メチル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
4−(クロロメチル)−N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド(30mg,0.08mmol)、N−エチルプロパン−2−アミン(93μL,0.77mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(51μL,0.31mmol)をアセトニトリル(1mL)に含む溶液に180℃で30分間マイクロ波を照射した。粗混合物を蒸発乾固し、ジクロロメタン中5% メタノールで溶離させるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物(24mg,0.05mmol)を得た。
【0166】
MS(ESI) m/z(M+H):442.2
【0167】
更に、N−エチルプロパン−2−アミンの代わりに別のアミンを用いて実施例14の方法を使用して、以下の化合物を製造した。
【0168】
実施例15
3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(モルホリノメチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
【0169】
【化24】

【0170】
MS(ESI) m/z(M+H):458.2
【0171】
実施例16
バニロイド受容体結合アッセイ
試験化合物をジメチスルホキシド中のストック溶液として調製し、幾つかのlog単位(100μM−100pMの範囲)にわたって活性を検査した。IC50測定のために所要により化合物を更にアッセイバッファーで希釈した。
【0172】
ヒトVR1を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞を10% FetalClone II(米国ユタ州ローガンに所在のHyclone)、1% GlutaMax(米国カリフォルニア州カールズバッドに所在のInvitrogen Corp.)、1% Pen/Strep(米国バージニア州ハーンドンに所在のMediatech,Inc.)及び0.4mg/ml G418(Mediatech)を補充したDMEM/F12 50/50 Mix(Mediatech)において増殖させた。アッセイの前日に、細胞を透明な底を有する384ウェルの組織培養用黒色プレート(米国ニューヨーク州コーニングに所在のCorning,Inc.)を用いて50μL/ウェルのG418非含有培地に10,000個の生細胞/ウェルで接種した。
【0173】
米国カリフォルニア州サニーベールに所在のMolecular Devices Corp.から市販されているFLIPR(登録商標)Calcium 3アッセイであるアッセイの当日に、平板培養培地を除去し、VR1バッファー(160mM NaCl,4.5mM KCl,10mM HEPES,10mM グルコース,2mM CaCl,1mM MgCl及び0.5mM プロベネシド)中で作成した25μl/ウェルの1× Calcium 3アッセイキット染料と交換した。室温で1時間インキュベートした後、プレートをFLIPR(Molecular Devices,Corp.)に装入し、4% ジメチルスルホキシドを含有するVR1バッファー中の試験化合物(12.5μL)を添加し、アゴニスト活性をモニターするために細胞の蛍光のその後の変化を読み取る。化合物を添加してから10分後、プレートを再びFLIPRに再装入し、VR1バッファー中30nM カプサイシン(12.5μL)を添加し、アンタゴニスト活性をモニターするために細胞の蛍光のその後の変化を読み取る。このようにして、同一アッセイを使用して、試験化合物のアゴニスト活性及びアンタゴニスト活性の両方を評価した。
【0174】
本発明の化合物について上記したインビトロアッセイで測定した典型的なIC50値は10μM以下である。本発明の幾つかの実施形態の場合、IC50は100nM以下であることが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
【化1】

[式中、
は各々が任意にハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ及びハロ(C1−4)アルキルオキシから選択される1−3個の置換基で置換されるフェニルまたはピリジルであり;
はハロゲン、(C1−3)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ(C1−3)アルキル、(C3−8)シクロアルキル、ヒドロキシ(C3−8)シクロアルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキル、(C2−8)アルケニル、(C2−8)アルキニル、(C3−10)シクロアルキル、(C3−8)シクロアルケニルまたは(C3−8)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各シクロアルキル基は任意にオキソ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、(C1−3)アルキル及びヒドロキシ(C1−3)アルキルで置換され;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有し、任意にヒドロキシルまたはオキソで置換される飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;或いは
はR及びこれらが結合しているNと一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含有し、任意にオキソ、ヒドロキシイミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキサミド、(C1−3)アルキル、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたは(C1−3)アルキルオキシで置換される飽和4−8員環を形成し;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員飽和ヘテロ環式環を形成する]
を有するイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項2】
は任意にハロゲン、(C1−4)アルキル、ハロ(C1−4)アルキル、(C1−4)アルキルオキシ及びハロ(C1−4)アルキルオキシから選択される1−3個の置換基で置換されるフェニルであり;
はハロゲン、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は任意にヒドロキシで置換される(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキルまたは(C3−10)シクロアルキルであり;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有し、任意にヒドロキシルまたはオキソで置換される飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員飽和ヘテロ環式環を形成する、
請求項1に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体。
【請求項3】
はF、Cl及びCFから選択される1または2個の置換基で置換されるフェニルであり;
はCl、Br、ヒドロキシ(C1−3)アルキルまたはRN(C1−3)アルキルであり;
は任意にヒドロキシで置換される(C1−8)アルキル、ハロ(C1−8)アルキル、ヒドロキシ(C1−8)アルキルまたは(C3−10)シクロアルキルであり;或いは
はO、S及びSOから選択されるヘテロ原子を含有する飽和4−8員ヘテロ環式環であり;
はHまたは(C1−4)アルキルであり;
及びRは独立してH、(C1−6)アルキル、(C3−6)シクロアルキルまたは(C3−6)シクロアルキル(C1−3)アルキルであり、各アルキル基は任意にハロゲン、ヒドロキシまたは(C1−4)アルキルオキシで置換され;或いは
及びRはこれらが結合している窒素と一緒に、任意にO、S及びSOから選択される追加ヘテロ原子を含む5または6員飽和ヘテロ環式環を形成する、
請求項2に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体。
【請求項4】
4−クロロ−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−ブロモ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−ブロモ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−シクロペンチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−シクロペンチル−N−メチル−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−N−(3−メチルブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(R)−4−クロロ−N−(1−ヒドロキシブタン−2−イル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−ブロモ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−N−(3,3−ジフルオロシクロブチル)−3−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
(S)−4−クロロ−3−(4−フルオロフェニル)−N−(1,1,1−トリフルオロプロパン−2−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−(シス)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(4−クロロ−3−フルオロフェニル)−N−((1R,3S)−3−ヒドロキシシクロヘキシル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
N−シクロペンチル−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(ヒドロキシメチル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(トランス)−2−ヒドロキシシクロヘキシル)−イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
4−クロロ−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−イソオキサゾール−5−カルボキサミド、
N−シクロペンチル−4−((エチル(イソプロピル)アミノ)メチル)−3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド、及び
3−(3−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−4−(モルホリノメチル)−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)イソオキサゾール−5−カルボキサミド
から選択される請求項1に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体またはその医薬的に許容され得る塩。
【請求項5】
請求項1−4のいずれか1項に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体及び医薬的に適切な助剤を含む医薬組成物。
【請求項6】
治療に使用するための請求項1−4のいずれか1項に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体。
【請求項7】
急性及び慢性疼痛障害、急性及び慢性神経障害性疼痛、急性及び慢性炎症性疼痛、呼吸器疾患及び下部尿路障害を治療するための請求項1−4のいずれか1項に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体。
【請求項8】
TRPV1媒介障害(例えば、急性及び慢性疼痛障害、急性及び慢性神経障害性疼痛、急性及び慢性炎症性疼痛、呼吸器疾患及び下部尿路障害)の治療用薬剤を製造するための請求項1−4のいずれか1項に記載のイソオキサゾール−5−カルボキサミド誘導体の使用。

【公表番号】特表2012−516840(P2012−516840A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546874(P2011−546874)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051251
【国際公開番号】WO2010/089297
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(512059936)エム・エス・ディー・オス・ベー・フェー (24)
【Fターム(参考)】