説明

イメージング装置

【課題】診断を目的とする場合、高感度計測が困難であるというX線イメージングと、高空間分解能計測が困難であるという光イメージングの欠点を克服する。
【解決手段】X線管1と、X線及び光に感度を有する検出器10と、検出結果を処理する処理部104を有し、処理部104で、X線光源によるX線の照射期間に検出器が検出する信号を第1信号とし、前記照射期間以外の期間に検出器が検出する光の信号を第2信号として処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線及び光を用いて生体を測定するイメージング装置に関するものであり、主に癌等の疾病の早期診断を目的とした診断装置の分野で利用される。
【背景技術】
【0002】
乳癌を早期発見するための装置として、マンモグラフィ装置が開発され、乳癌検診等で広く利用されている。マンモグラフィ装置は乳房専用のX線撮影装置であり、腫瘍や癌細胞の周辺に発生する微小な石灰化を検出できる。
【0003】
光を用いて乳房等の混濁媒体の内部を画像化する方法が特許文献1に紹介されている。本方法は乳房に光を照射し、乳房の内部で散乱した光を測定する。この測定データに基づき、乳房内部における光の吸収分布を計算するものである。特に血液において光が強く吸収される性質を利用して、癌細胞の周辺に形成される栄養血管を検出する。散乱光の測定データに基づいて、生体内における光の吸収分布を計算する方法としては、例えば以下の非特許文献1に示されるDiffuse Optical Tomography (DOT)等の方法が利用される。
【0004】
主に小動物等の生体を対象に、蛍光性分子プローブや発光性分子プローブを生体内に投与し、これらの生体内における分布を測定する方法が開発され、広く利用されている。上記蛍光性分子プローブや発光性分子プローブは、腫瘍等で特異的に形成されるターゲット分子に対して選択性を持たせることができる。このため微小な癌細胞に対しても高感度の計測が可能である特長がある。現在、蛍光性蛋白質や蛍光性ナノ粒子等を利用した蛍光性分子プローブや、ルシフェラーゼを利用した発光性分子プローブが各種開発されている。乳癌の検出を目的として、蛍光性分子プローブを人体に投与し、DOTを用いてイメージングを行う方法が試みられており、非特許文献2に報告されている。
【0005】
【特許文献1】特表2001-510361号公報
【非特許文献1】David A. Boas et al., “Imaging the Body with Diffuse Optical Tomography,” IEEE Signal Processing Magazine, Vol. 18, No. 6, pp.57-75, (2001)
【非特許文献2】Hawrysz D.J. et al., “Developments Toward Diagnostic Breast Cancer Imaging Using Near-Infrared Optical Measurements and Fluorescent Contrast Agents,” Neoplasia, Vol. 2, No. 5, pp. 388-417(30) (2000)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マンモグラフィ装置は、数十μm 程度の高い空間分解能を有した計測が可能であり、微小石灰の検出に特に有効である。しかし、マンモグラフィ画像の読影には一般に高い熟練が必要とされ、病変の見落としが発生するという課題がある。また読影には時間がかかるため、読影医師にかかる負担が大きいという課題がある。
【0007】
光を用いた乳房イメージングは、マンモグラフィ装置に比べてX線被曝が発生しない利点があるが、その空間分解能は数mm〜数cm程度と低く、病変部位置の特定が困難であるという課題がある。また蛍光性分子プローブや発光性分子プローブを用いた乳房イメージングも、病変の検出に対して高い感度を有する利点があるが、その空間分解能はやはり数mm〜数cm程度と低く、病変部位置の特定が困難であるという課題がある。このような空間分解能の低下は乳房内における光の散乱に起因しており、このためDOTのアルゴリズムを改良する種々の試みが行われている。しかし、一般的に光による生体イメージングにおいて空間分解能を向上することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が採用する手段の概要は、以下の通りである。
(手段1)
イメージング装置において、X線を被検体に照射するX線源と、被検体を介してX線源と対面しX線及び光を検出する第1検出器と、第1検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、処理部はX線源がX線を照射する照射期間に第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、X線照射期間以外の期間に第1検出器が検出する光の信号を第2信号として処理することを特徴とする。これにより、X線イメージングと発光性分子プローブを用いた光イメージングを一度の検査で行える。乳房を検査対象とした場合、空間分解能の高いマンモグラフィ画像と病変検出感度の高い光画像が一度の検査で得られる。このため両者の利点の組み合わせることで、病変の見落としや読影負担を軽減して、診断能を向上できる。
【0009】
(手段2)
手段1に記載のイメージング装置において、第1検出器の受光部がX線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光に感度を有する光導電体材料で形成されていることを特徴とする。これにより、1つの検出器にてX線と光の両方を検出できる。
【0010】
(手段3)
手段1に記載のイメージング装置において、第1検出器の受光部がシンチレータ材料で形成されており、シンチレータ材料は可視光線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光の一部を透過することを特徴とする。シンチレータにてX線信号を光信号に変換することで、光センサによるX線イメージングが可能となる。また被検体から出力された光はシンチレータを透過して光センサで検出できるため、1つの検出器にてX線と光の両方を検出できる。
【0011】
(手段4)
手段1に記載のイメージング装置において、第1検出器は、X線に感度を有するX線検出層と可視光線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光に感度を有する光検出層との2層で構成されることを特徴とする。被検体から出力された光を光検出層で検出すると共に、被検体から出力されたX線は光検出層を透過した後にX線検出層で検出される。これにより、1つの検出器にてX線と光の両方を検出できる。
【0012】
(手段5)
手段1に記載のイメージング装置において、被検体の外表面より出力された光を第1検出器の受光面に導く導光部を有することを特徴とする。これにより、被検体表面と第1検出器の間の空間で発生する光の拡散に起因するボケを防ぎ、光イメージングにおける空間分解能の低下を防止できる。
【0013】
(手段6)
手段5に記載のイメージング装置において、導光部は被検体の内部で散乱したX線の一部を除去する機能を有することを特徴とする。これにより、X線イメージングと光イメージングの両方において、空間分解能の低下を防止できる。
【0014】
(手段7)
手段1に記載のイメージング装置において、第1信号と第2信号を同一画像上に合成する機能を処理部が有することを特徴とする。これにより、X線画像と光画像を同一の画像上で確認できるため、両者の位置関係が明確になり、病変の見落としや読影負担を軽減できる。
【0015】
(手段8)
手段1に記載のイメージング装置において、紫外線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光を被検体に照射する光源を有することを特徴とする。これにより、X線イメージングに加えて光による血管イメージングや蛍光性分子プローブを用いた光イメージングを一度の検査で行える。
【0016】
(手段9)
手段8に記載のイメージング装置において、被検体に接触した状態で被検体を支持する支持部を有し、支持部が光源より照射された光を被検体に導く導光機能を有することを特徴とする。これにより、被検体表面における光の反射を低減して被検体内部への光の入射強度の低下を防止できる。
【0017】
(手段10)
手段1に記載のイメージング装置において、X線源と被検体の間に配置され光を検出する第2検出器を有し、処理部は、X線源がX線を照射する照射期間に第1検出器が検出する光の信号を第1信号とし、照射期間以外の期間に第1検出器及び第2検出器が検出する信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とする。これにより、第1検出器が配置された側と反対側の被検体表面から出力される光を第2検出器で検出できるため、光イメージングにおける撮影範囲を拡大して、感度を向上できる。
【0018】
(手段11)
イメージング装置において、X線を被検体に照射するX線源と、被検体を介してX線源と対面しX線を検出する第1検出器と、X線源と被検体の間に配置され光を検出する第2検出器と、被検体と第1検出器の間に配置され光を検出する第3検出器と、第1〜3検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、処理部は、X線源がX線を照射する照射期間に第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、照射期間以外の期間に第3検出器及び第2検出器が検出する光の信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とする。これにより、第1検出器にてX線画像を計測すると共に、第1検出器が配置された側、及びその反対側の被検体表面より出力される光をそれぞれ第3、第2検出器で検出できる。このため、X線画像と2つの光画像を組み合わせが可能となり、病変の見落としや読影負担を軽減して、診断能を向上できる。
【0019】
(手段12)
手段10及び11に記載のイメージング装置において、第1信号と第2信号と第3信号とを同一画像上に合成する機能を処理部が有することを特徴とする。これにより、X線画像と2つの光画像を同一の画像上で確認できるため、両者の位置関係が明確になり、病変の見落としや読影負担を軽減できる。
【0020】
(手段13)
手段11に記載のイメージング装置において、X線源と被検体の間に配置される反射鏡と、反射鏡により反射される光を集光するレンズと、レンズにより集光された光を検出する第2検出器とを有し、処理部は、X線源がX線を照射する照射期間に第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、X線照射期間以外の期間に第1検出器及び第2検出器が検出する光の信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とする。これにより、第1検出器が配置された側と反対側の被検体表面から出力される光を第2検出器で検出できるため、光イメージングにおける撮影範囲を拡大して、感度を向上できる。
【0021】
(手段14)
イメージング装置において、X線を被検体に照射するX線源と、被検体を介してX線源と対面しX線を検出する第1検出器と、X線源と被検体の間に配置される第1反射鏡と、第1反射鏡により反射される光を集光する第1レンズと、第1レンズにより集光された光を検出する第2検出器と、被検体と第1検出器の間に配置される第2反射鏡と、第2反射鏡により反射される光を集光する第2レンズと、第2レンズにより集光された光を検出する第3検出器と、第1〜3検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、処理部は、X線源がX線を照射する照射期間に第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、X線照射期間以外の期間に第3検出器及び第2検出器が検出する光の信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とする。これにより、第1検出器にてX線画像を計測すると共に、第1検出器が配置された側、及びその反対側の被検体表面より出力される光をそれぞれ第3、第2検出器で検出できる。このため、X線画像と2つの光画像を組み合わせが可能となり、病変の見落としや読影負担を軽減して、診断能を向上できる。
【0022】
(手段15)
手段13及び14に記載のイメージング装置において、被検体のサイズを測定するサイズ測定手段と、サイズ測定手段の測定結果に応じてレンズの配置を変更してピントを調整するピント調整部とを有することを特徴とする。これにより、被検体のサイズの違いに起因するピントのボケを防ぎ、光イメージングにおける空間分解能の低下を防止できる。
【0023】
(手段16)
手段13及び14に記載のイメージング装置において、第1信号と第2信号と第3信号を同一画像上に合成する機能を処理部が有することを特徴とする。これにより、X線画像と2つの光画像を同一の画像上で確認できるため、両者の位置関係が明確になり、病変の見落としや読影負担を軽減できる。
【0024】
(手段17)
手段16に記載のイメージング装置において、被検体のサイズを測定するサイズ測定手段と、サイズ測定手段の測定結果に応じて第1信号と第3信号の合成位置を調整する機能を処理部が有することを特徴とする。これにより、X線画像と光画像を合成する際に、被検体のサイズの違いに起因する両者の位置ズレを防止して、位置精度を向上できる。
【0025】
(手段18)
手段10、11、13及び14に記載のイメージング装置において、第2信号と第3信号に基づいて被検体内部における発光または吸光強度分布を計算する機能を処理部が有することを特徴とする。これにより、X線画像に加えて被検体内部における発光または吸光強度分布を一度の検査で共に取得できる。被写体内部における病変位置の推定が可能となり、診断能を向上できる。
【0026】
(手段19)
手段10、11、13及び14に記載のイメージング装置において、被検体内部におけるX線のビームパス上で発光または吸光強度分布を積分した仮想信号を計算する機能と、第1信号と仮想信号を同一画像上に合成する機能とを処理部が有することを特徴とする。これにより、発光強度分布または吸光強度分布を仮想的なX線源に対して投影した仮想画像が作成できると共に、これをX線画像と重ね合わせることができるため、両者の位置ズレを防止すると共に、光画像の空間分解能を向上できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、X線イメージングと光イメージングを被検体の位置関係を保ったまま、ほぼ同時に行うことができる。これにより、空間分解能の高いX線画像と、感度の高い光画像を容易に融合できるため、これまで困難であった病変の検出や、見落としの低減が可能になり、診断能が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るイメージング装置の模式図である。なお以下では、図1の紙面に対して水平方向、垂直方向、及び上下方向をそれぞれX方向、Y方向、Z方向とする。本実施の形態1に係るイメージング装置は、X線管1、コリメータ2、光源3、光拡散板4、圧迫板5、光学フィルタ7、導光板8、散乱線除去グリッド9、検出器10、撮影制御装置101、コンソール102、メモリ103、演算装置104、モニタ105等から構成される。なお、本実施の形態1に記載のイメージング装置が対象とする被写体6は乳房である。
【0029】
X線管1は、マンモグラフィ装置で使用される公知のX線管である。コリメータ2はX線管1より照射されるX線の照射範囲をX方向及びY方向に制限するための公知のコリメータである。上記照射範囲は、通常、検出器10のX線検出面と同一の領域にX線が照射されるように設定されるが、診断用途に応じて変更できる。圧迫板5及び圧迫板5の上面に接着配置された光拡散板4はXY方向を面とする板の形状を有する。圧迫板5は無色透明の板であり、アクリルやガラス等で形成される。光源3は光拡散板4のX方向の両端面に接する形で光拡散板4に対して固定配置されている。
【0030】
光源3は、後述するように被検体6の内部に投与された蛍光性分子プローブに励起光を照射するために用意された光源である。また光源3は、後述するように被検体6の吸光イメージング時における照射光源としても利用される。光源3に使用される発光素子の代表例はLED(Light Emitting Diode)であり、光拡散板4のX方向の両端面において、Y方向に複数のLEDが配置される。光源3は光拡散板4に対して着脱可能であり、使用目的に応じて異なる波長の光源に交換できる。なお、上記光源3の構成は本例に限定されるものではなく、例えば波長の異なる複数のLED光源を予め配置しておき、使用目的に応じてユーザーが波長を切り替えても良い。また、LEDの代わりにキセノンランプ等の公知の光源を利用しても良い。光拡散板4は、液晶ディスプレイのバックライト等で使用される公知のものが使用される。
【0031】
光源3より照射された光は、光拡散板4の内部でXY方向に略均一に拡散された後にZ方向に出力され、圧迫板5を透過した後に被写体6に入射する。なお、光拡散板4は圧迫板5に対して着脱可能であり、使用目的に応じて光拡散板4の有無を選択できる。圧迫板5のZ方向の位置は、図示しない移動機構により調整可能であり、被検体6のサイズに応じて種々変更可能である。圧迫板5は、被写体6を圧迫しながら固定し、そのZ方向の厚さを均一にする機能を有する。被写体6の厚さの均一化により、X線画像のダイナミックレンジを拡大すると共に、X線被曝を低減できる。また圧迫板5は光拡散板4から出力された光を被検体6に導くと共に、被検体6の表面における光の反射を低減して被検体6の内部へ入射する光量の低下を防止する機能を有する。
【0032】
検出器10はXY方向を面とする2次元検出器であり、後述するようにその検出面上にはX線及び光に感度を有する多数のセンサ素子がマトリクス状に形成されている。なお、検出器10の検出面のサイズの代表例はそれぞれ250mm(X方向)及び200mm(Y方向)であるが、これに限定されるものではない。また上記センサ素子のマトリクスサイズの代表例は5000ピクセル(X方向)及び4000ピクセル(Y方向)であるが、これに限定されるものではない。検出器10の上面には、その検出面全体を覆うように、散乱線除去グリッド9、導光板8、及び光学フィルタ7が配置されている。光学フィルタ7は、光源3にて発生した励起光の検出器10への入射を遮断すると共に、被検体6の内部に投与された蛍光性分子プローブから放射された蛍光を透過する機能を有し、公知の波長選択性フィルタが利用される。なお光学フィルタ7は着脱可能であり、使用目的に応じてその有無を選択できる。
【0033】
導光板8は、その上面側から入射した光のXY方向の拡散による空間分解能の低下を防止する機能を有する。また導光板8は、被検体6の圧迫時における圧力から、散乱線除去グリッド9及び検出器10を守るための保護カバーの機能も有する。導光板8には、公知の光ファイバープレートやマイクロレンズアレイ、液晶モニタの覗き見防止用に使用される視野角制限フィルタ等を利用できる。散乱線除去グリッド9は、被検体6の内部で散乱したX線を遮断する機能を有する。散乱線除去グリッド9には、X線管1のX線発生点に対して指向性を有する収束グリッドが利用される。なお、本散乱線除去グリッド9は被検体6より出力された光の一部を透過することが可能であり、その構造の詳細については後述する。
【0034】
次に、本実施の形態1に係るイメージング装置の動作を説明する。本イメージング装置は被検体6のX線画像の撮影が可能であると共に、光撮影に関しては蛍光性分子プローブ、発光性分子プローブ、及び吸光分布からなる3種類の撮影が可能である。以下では上記3種類の撮影モードを、蛍光撮影モード、発光撮影モード、及び吸光撮影モードと呼ぶ。以下に各撮影モードにおける動作を説明する。
【0035】
蛍光撮影モードでは、撮影に先立って被検者の体内に公知の蛍光性分子プローブが投与される。上記投与には、注射投与や経口投与等の方法が利用される。また撮影に先立って光源3、光拡散板4、及び光学フィルタ7が配置される。光源3には、使用される蛍光性分子プローブに合わせて、可視光線から紫外線領域の適正な波長の励起光を発生する光源が選択される。また光学フィルタ7には、上記励起光に対しては遮断性を有すると共に、蛍光性分子プローブから放射される蛍光には透過性を有する適正な波長選択性フィルタが選択される。更に撮影に先立って、検者はコンソール102を介して、撮影モード、撮影条件、及び撮影手順モード等の条件を設定する。ここで撮影モードの設定においては、蛍光撮影モードが選択される。また撮影条件の設定においては、X線撮影時の撮影条件(X線管の管電圧、管電流、撮影時間)と、光撮影時の撮影時間等が設定される。更に撮影手順モードの設定においては、X線撮影と光撮影の順番が規定される。なお撮影手順モードの詳細は後述する。
【0036】
蛍光性分子プローブの投与から所定の時間が経過した時点で、まず検者は、被検者の乳房である被検体6を配置し、圧迫板5にて圧迫した状態で固定する。次に検者はコンソール102を介して撮影開始を指示する。撮影開始が指示されると、撮影制御手段101は撮影手順モードの設定に従って、後述する方法でX線撮影と光撮影を交互に行う。このときX線撮影時においては、撮影制御装置101は光源3をオフにすると同時に、X線管1からのX線の照射タイミング及び検出器10の撮影タイミングを制御して、被検体1のX線画像を撮影して、得られたデータをメモリ103に記録する。また光撮影時においては、撮影制御装置101はX線管1からのX線照射をオフにすると同時に、光源3からの励起光の照射タイミング及び検出器10の撮影タイミングを制御して、被検体1の光画像を撮影し、得られたデータをメモリ103に記録する。なお、後述するように光画像の撮影は通常複数回実施され、各撮影において得られた光画像はそれぞれメモリ103に記録される。全ての撮影が終了すると同時に演算装置104は、後述する方法で上記X線画像及び光画像を合成して結果をモニタ105に表示する。
【0037】
発光撮影モードでは、撮影に先立って被検者の体内に公知の発光性分子プローブが投与される。上記投与には、注射投与や経口投与等の方法が利用される。また発光性分子プローブは自家発光のため励起光は必要ない。このため撮影に先立って光源3、光拡散板4、及び光学フィルタ7が除去される。更に撮影に先立って、検者はコンソール102を介して、撮影モード、撮影条件、及び撮影手順モード等の条件を設定する。ここで撮影モードの設定においては、発光撮影モードが選択される。また撮影条件の設定と撮影手順モードの設定は蛍光撮影モードの場合と同一であるため説明を省略する。発光性分子プローブの投与から所定の時間が経過した時点で、検者は、蛍光撮影モードと同様の手順で被検体6を配置し、撮影開始を指示する。なお以下の撮影手順は、光撮影時において光源3からの励起光の照射を行わない点を除いて蛍光撮影モードと同一であるため説明を省略する。
【0038】
吸光撮影モードでは、蛍光性分子プローブや発光性分子プローブの事前投与は必要ない。まず撮影に先立って、光源3及び光拡散板4が配置され、光学フィルタ7が除去される。光源3には、血液に対して比較的吸収度が高く、かつ血液以外の生体組織において透過性の高い近赤外線から赤外線の光源が選択される。また撮影に先立って、検者はコンソール102を介して、撮影モード、撮影条件、及び撮影手順モード等の条件を設定する。ここで撮影モードの設定においては、吸光撮影モードが選択される。また撮影条件の設定と撮影手順モードの設定は蛍光撮影モードの場合と同一であるため説明を省略する。次に検者は被検体6を配置し、コンソール102を介して撮影開始を指示する。なお以下の撮影手順は蛍光撮影モードの場合と同一のため、説明を省略する。
【0039】
図2は、被検者202の乳房である被検体6の配置方法を示す図である。X線管1及びコリメータ2は、保護カバー201によって覆われた状態で図示しない固定具によって、支持台200に固定されている。また圧迫板5は支持台200により支持され、図示しない移動機構によってZ方向に位置を移動できる。更に検出器10、散乱線除去グリッド9、及び導光板8は、一体となって図示しない固定具によって支持台200に固定されている。被検者202は、立位または座位の状態で乳房である被検体6を導光板8の上、もしくは光学フィルタ7を使用する場合は光学フィルタ7の上部に配置する。検者は、圧迫板5の位置を調整して被検体6を適正な厚さに圧迫した状態で圧迫板5の位置を固定し、被検体6の配置作業を終了する。
【0040】
図3は、撮影手順モードの一例であるX線−光撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図である。なお図3において、XEはX線管1によるX線照射のタイミング、XIは検出器10によるX線画像の撮影タイミング、OEは光源3による光の照射タイミング、OIは検出器10による光の撮影タイミングを示す。またtは時間を表す。なお、光撮影を発光撮影モードで行う場合には、光源を用いないため、図示した光源3による光の照射タイミングOEの制御は不要である。
【0041】
X線−光撮影モードにおいては、まず時刻tx1からtx2の間にX線照射300が行われ、これに同期してX線撮影301が実施される。なお、X線照射期間(tx2 - tx1)は通常数ms〜数百ms程度である。上記X線照射期間は検者によって予め指定しても良いし、図1中に図示しなかった公知の自動露出機構によって、X線撮影中に自動制御しても良い。X線撮影を終了した後、時刻to1〜to2の間は光撮影303が繰返し実施される。光撮影303の繰返し間隔は光信号をチャージするチャージ期間Tc及び信号読出し期間Trによって規定される。Tc及びTrの代表例はそれぞれ1s、17msである。光撮影303の繰返し回数は、検出する光の強度に合わせて通常数回〜数百回程度に設定される。このとき、検査対象の光撮影期間(to2 - to1)は数秒〜数十分程度になる。上記光撮影にて得られた複数の画像は、後述するように加算され、撮影期間中にその加算画像がモニタ105に表示される。このため、検者は上記表示画像を確認しながら、適当な信号が得られた時点で光撮影を終了しても良い。光源3による光照射が必要な蛍光撮影モード及び吸光撮影モードでは、通常上記光撮影期間(to2 - to1)において光が連続照射される。ただし蛍光撮影において、時間分解蛍光法を利用した光撮影を行う際には、光をパルス照射しても良い。この場合、光信号のチャージ期間Tcの直前に励起光パルスを照射し、パルス照射が終了して励起光やバックグラウンド蛍光が収束した後に光信号のチャージが開始されるように、光パルスの照射タイミングが制御される。
【0042】
図4は、撮影手順モードの別の例である光−X線−光撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図である。図3に示したX線−光撮影モードとの相違点は、X線撮影期間(tx1〜 tx2)が第1の光照射期間(to1〜to2)と第2の光照射期間(to3〜to4)の間に設けられていることである。これにより、X線撮影期間と光撮影期間のタイミングのずれの幅を縮小できる。図4においても、光撮影を発光撮影モードで行う場合には、光源を用いないため、図示した光の照射タイミングOEの制御は不要である。
【0043】
図5は、撮影手順モードの別の例である光−X線撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図である。図3に示したX線−光撮影モードとの相違点は、X線撮影期間(tx1〜 tx2)が光照射期間(to1〜to2)の後に設けられていることである。これにより、光撮影に失敗した場合にX線撮影を中止して、検者の無効被曝を防止できる。図5においても、光撮影を発光撮影モードで行う場合には、光源を用いないため、図示した光の照射タイミングOEの制御は不要である。
【0044】
図6は、光撮影及びX線撮影に係る一連の動作フローを示す図である。なお、本例では撮影手順モードとして図5に示した光−X線撮影モードを想定している。まず、検者は撮影に先立って撮影モード、撮影条件、及び撮影手順モードを指定する(ステップ601)。次に検者は光撮影の開始を指示し(ステップ602)、光撮影が開始される(ステップ603)。上記光撮影は複数回繰り返され、取得された全画像の加算画像が作成される(ステップ604)。このような加算画像は、新しい撮影画像が取得される度に、以前の加算画像に追加加算されることで作成される。また加算画像は、新しい画像が作成される度に更新表示される(ステップ605)。
【0045】
検者は上記加算画像を確認しながら、所望する光量の加算画像が得られたと判断した時点でX線撮影の開始を指示し(ステップ606)、光撮影を終了する(ステップ607)。また、検者は所望する光量の加算画像が得られないと判断した時点で撮影中止を指示し(ステップ611)、撮影を強制終了することもできる。X線撮影の開始及び撮影中止が指示されない場合は、再びステップ603に戻り、光撮影が繰り返される。ステップ607で光撮影が終了すると、直ちにX線の照射及び撮影が実施される(ステップ608)。X線撮影により得られたX線画像はステップ604にて最終的に作成された加算画像と合成されて合成画像が作成される(ステップ609)。最後に合成画像が表示されて(ステップ610)、全ての動作を終了する。
【0046】
なお、上記ステップ601,602,606、及び611は、検者が図1中に示したコンソール102を介して設定及び指示する。また、上記ステップ604及び609の演算は、図1中に示した演算装置104により計算される。なお、演算装置104には専用プロセッサ、または公知の汎用プロセッサ等が利用される。更に上記ステップ605及び610における画像表示には、図1中に示したモニタ105が利用される。
【0047】
図7は、光撮影画像を加算して得られた、加算画像の例を示す模式図である。なお図7において、表示領域700は、モニタ105の表示領域を表す。被検体6の内部において、蛍光性分子プローブや発光性分子プローブの濃度が高い領域があると、その付近の被検体6の外表面にて強い光が観測される。このため、加算画像中には光強度の分布が観測され、病変付近の領域701,702,703において比較的強い光が観測される。ただし上記領域の空間分解能は通常数mm〜数cmであり、光の発光源が検出器10から離れる程解像度が低下する。このため、上記光画像だけでは病変位置の特定が困難である。一方、吸光撮影モードでは、被検体6の内部の血管において、光源3より照射された光が強く吸収されるため、その付近の被検体6の外表面にて観測される光量が減少する。このため、加算画像中には光強度の分布が観測され、病変付近(癌細胞周辺に集まる栄養血管)の領域701,702,703において比較的弱い光が観測される。ただし蛍光撮影モードや発光撮影モードの場合と同様、上記領域の空間分解能は通常数mm〜数cmであり、病変位置の特定は困難である。
【0048】
図8は、X線画像と光撮影画像の加算画像を合成して得られた、合成画像の例を示す模式図である。光画像にX線画像を合成することで、被検体6の外形800や内部組織の詳細情報を付加できる。なお、合成画像を作成する際には、グレイスケールで表示されるX線画像に対して光画像情報を色付け表示することで、両者の情報を同時に表示することが可能である。またユーザー指定に応じて合成画像、X線画像のみ、光撮影画像のみの表示を自由に切り替えられるようにしても良い。X線画像に光画像を合成することで、病変部位の存在確率の高い領域が容易に確認できる。このため病変が微小である場合も、その見落としを低減して診断能を向上すると共に、読影医師の負担を軽減できる。
【0049】
図9は、蛍光撮影モードにおける励起光、蛍光、及びX線の進行経路を示す図である。光源3より照射された励起光は、光拡散板4の内部で拡散された後に、光拡散板4の表面に印刷された図示しない公知の反射ドットにより散乱され、圧迫板5を介して被検体6に入射する。このとき一部の励起光902は、被検体6の内部で多数の散乱を繰り返した後に光学フィルタ7に入射して吸収される。また一部の励起光903は、蛍光性分子プローブ904により吸収される。蛍光性分子プローブ904は、上記吸収時に得たエネルギーを用いて蛍光905を発生する。なお励起光903が蛍光905に変換される過程では、一部のエネルギーが熱に変換されるため、蛍光905の波長は励起光903より低くなる。励起光903は、被検体6の内部で多数散乱した後に光学フィルタ7、導光板8、及び散乱線グリッド9を透過した後に検出器10によって検出される。
【0050】
一方、X線管1より照射されたX線のうち、一部のX線900は光拡散板4、圧迫板5、光学フィルタ7、導光板8、及び散乱線除去グリッド9を透過した後に検出器10にて検出される。また一部のX線901は被検体6の内部で散乱された後に光学フィルタ7及び導光板8を透過し、散乱線除去グリッド9において吸収される。なお、光拡散板4及び圧迫板5によるX線の吸収、導光板8によるX線及び光の吸収をできるだけ少なくするために、剛性に問題のない範囲でこれらの板の厚さを薄く作成することが望ましい。特に導光板8は、これを使用しない場合も、後述するように散乱線除去グリッド9が導光機能を有している。このため散乱線除去グリッド9に十分な剛性があれば、導光板8を使用しなくても良い。
【0051】
図10は、散乱線除去グリッド9の構造を示す図である。散乱線除去グリッド9は、入射するX線を水平方向に分割するセプタ板1000及び垂直方向に分割するセプタ板1001によって形成されており、クロスハッチ状の形状を有する。セプタ板1000及び1001には、銅等の材料が使用される。各格子の開口部分は中空になっており、この部分をX線及び光が透過する。なお、上記中空部分をアクリル等の透明な材料で埋めることで、散乱線除去グリッド9に剛性を持たせても良い。セプタ板1000及び1001は、個々にX線管1の焦点方向に対して指向性を有するように、斜めに配置されている。なお、格子ピッチの代表例は0.45mm、開口部分の幅D及び高さhを用いて規定されるグリッド比h/Dの代表例は4である。
【0052】
図11は、検出器10の構造例を示す断面図である。本例の検出器10は、共通電極1100、光導電体層1102、画素電極1101、回路基板1103等で構成される。これらの構成は、マンモグラフィ装置等で従来使用されている公知の直接変換型X線検出器の構成に等しく、各構成要素の材料も公知のものが使用される。
【0053】
共通電極1100は光導電体層1102の上面全体に形成されている。共通電極1100の素材には、光の透過性を確保するために透明なITOが使用される。光導電体層1102の素材の代表例はa-Seであり、X線及び光に対して感度を有する。なおa-Se層の厚さの代表例は0.3mmである。また光導電体層1102の素材の別の例としては、GdTe, CdZnTe, HgI2, PbI2, CdSe, PbO, CdS, ZnO等が挙げられる。画素電極1101は回路基板1103の上面にマトリクス状に形成されており、検出器10の検出画素を構成する。なお画素電極の配置ピッチの代表例は50 [μm]であり、画素電極のマトリクス数の代表例は5000ピクセル×4000ピクセルである。なお本図では簡単のため、一方向に配置された3つの画素電極1101a〜1101cのみを示している。また、a-Se層は回路基板1103上にセレンを蒸着して形成されるため、a-Se層と画素電極の間は電気的に接続されている。また共通電極1100と画素電極1101の間には図示しない電源により電圧が印加されている。画素電極1101に対する共通電極の電位の代表例は3 [kV]である。回路基板1103は、ガラス基板上にa-Siやp-Siを用いて公知の技術で素子を形成した基板であり、各画素電極1101a〜1101cには、それぞれTFT(Thin Film Transistor)スイッチ1104a〜1104c及び容量Ca〜Ccの一端が接続されている。容量Ca〜Ccの別の一端はグランドライン1106に接続され、グランド電位が与えられる。またTFTスイッチ1104a〜1104cの別の一端はデータ読出しライン1105を介して積分アンプ1107に接続されている。
【0054】
検出器10にX線のフォトンXPや光のフォトンOPが入射すると、これらは共通電極1100を透過した後に光導電体層1102の内部で検出され、電子−ホールペアを生成する。ただし、1個の光のフォトンOPに対して生成される電子−ホールペアの個数は高々1個であるのに対し、1個のX線フォトンXPに対して生成される電子−ホールペアの個数は数百〜数千個程度に及ぶ。上記電子及びホールは共通電極−画素電極間の電界により各電極方向に移動し、容量Ca〜Ccに信号電荷として蓄積される。上記信号電荷は、TFTスイッチ1104a〜1104cのゲート電極Ga〜Gcを順次オンにすることでデータ読出しラインを介してチャージアンプ1107に転送され、順番に読み出される。なお、高い空間分解能が必要とされるX線撮影においては、上記例のように1画素ずつ信号電荷が読み出される。一方、高い空間分解能が必要とされない光撮影においては、例えばゲート電極Ga〜Gcを同時にオンにすることで、3画素分の信号電荷を加算して一度に読み出すことができる。このような画素加算により、信号電荷の読み出しを高速化できる。
【0055】
図12は、検出器10の別の構造例を示す断面図である。本例の検出器10は、シンチレータ層1200及び回路基板1201で構成される。これらの構成は、デジタルラジオグラフィ装置等で従来使用されている公知の間接変換型X線検出器の構成に等しく、各構成要素の材料も公知のものが使用される。
【0056】
シンチレータ層1200の素材の代表例はGOS(Gd2O2S)であり、X線を光に変換すると共に、透明であり可視光線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光の一部を透過する性質を有する。なおGOS層の厚さの代表例は0.3mmである。またシンチレータ層1200の素材の別の例としては、CsI, NaI, CWO, BGO, GSO, LSO, YSO, YAP等が挙げられる。回路基板1201上には多数のフォトダイオードPdがマトリクス状に形成されており、検出器10の検出画素を構成する。なおフォトダイオードPDの配置ピッチの代表例は50 [μm]であり、そのマトリクス数の代表例は5000ピクセル×4000ピクセルである。なお本図では簡単のため、一方向に配置された3つのフォトダイオードPDa〜PDcのみを示している。回路基板1201は、ガラス基板上にa-Siやp-Siを用いて公知の技術で素子を形成した基板であり、各フォトダイオードPDa〜PDcの一端は、それぞれTFTスイッチ1104a〜1104cに接続されている。またTFTスイッチ1104a〜1104cの別の一端はデータ読出しライン1105を介して積分アンプ1107に接続されている。更に各フォトダイオードPDa〜PDcの別の一端は電源ライン1202に接続されており、フォトダイオードPDa〜PDcの両端には逆バイアスの電圧が供給される。
【0057】
検出器10にX線のフォトンXPが入射すると、シンチレータ層1200の内部で吸収され、数百〜数千個程度の光のフォトンを発生する。これらの光のフォトンはフォトダイオードPDによって検出される。また検出器10に光のフォトンOPが入射すると、シンチレータ層1200を透過した後にフォトダイオードPDによって検出される。フォトダイオードPDa〜PDcで検出された信号電荷は、フォトダイオードPDa〜PDcの接合容量にチャージされた後に、図11で説明した方法と同様の手順でTFTスイッチ1104a〜1104cを制御することで読み出される。
【0058】
図13は、検出器10の更に別の構造例を示す断面図である。本例の検出器10は、光検出器1300をX線検出器1301の前面に配置した2層構造を有している。このとき、検出器10に入射したX線のフォトンXPは、光検出器1300を透過した後にX線検出器1301にて検出される。また検出器10に入射した光のフォトンOPは、光検出器1300にて検出される。なお、光検出器1300には、図12中に示した回路基板1201と同一構成のフォトダイオードアレイを利用できる。また、X線検出器1301には、図11や図12に示した検出器と同一構成のX線検出器が利用できる。
【0059】
[実施の形態2]
図14は、本発明の実施の形態2に係るイメージング装置の模式図である。なお本実施の形態2に係るイメージング装置の構成及び動作方法は、実施の形態1と共通する箇所が多いため、以下では共通箇所の説明を省略し、相違する箇所のみを説明する。
【0060】
まず構成上の相違点は以下の通りである。X線管1と被検体6の間に反射鏡1400が配置され、反射鏡1400に映った被検体6の像を撮影するためのCCDカメラ1401が配置されている。また被検体6の上部に導光板8bが配置され、被検体6を圧迫固定する機能を有すると共に、被検体6の上側表面より出力される光像を導光板8bの上面部に表示する機能を有する。なお導光板8bはZ軸方向に移動可能であり、導光板8bの下面部の位置を測定するための位置測定装置1403が設けられている。後述するように、位置測定装置1403で測定した導光板8bの位置情報は、画像合成時の位置補正やCCDカメラ1401のピント補正に利用される。図中、1402は光源である。
【0061】
次に、動作方法の相違点は以下の通りである。蛍光撮影モード、発光撮影モード、及び吸光撮影モードで実施される全ての光計測は、検出器10による光撮影に同期して、CCDカメラ1401でも実施される。検出器10及びCCDカメラ1401で取得した画像は、全てメモリ103に記録される。演算装置104は、後述する方法でX線画像、検出器10で撮影した光画像、及びCCDカメラ1401で撮影した光画像を合成する。またX線撮影時においてX線管1より照射されたX線は、反射鏡1400、導光板8b、光学フィルタ7bを透過した後に被検体6に照射され、被検体6の透過後は光学フィルタ7a、導光板8a、及び散乱線グリッド9を透過した後に検出器10にて検出される。
【0062】
本実施の形態2のイメージング装置では、被検体6の下面側と上面側の両面より出力される光を撮影できる。このため、実施の形態1のイメージング装置では困難であった被検体6内部の比較的上部方向にある病変の検出が可能であるという特長がある。またもう一つの大きな特長は、後述するように、上記2つの撮影画像に対して非特許文献1に示されるようなDOTの方法を適用すれば、被検体内部における蛍光、発光、及び吸光分布の断層像を計算できる点である。これにより、より空間分解能の高い光計測が可能となり、X線画像と組み合わせることで診断能を一層向上できる。
【0063】
図15は、X線画像と被検体6の上面側及び下面側から撮影した2つの光撮影画像の加算画像を合成して得られた、合成画像の例を示す模式図である。本例では、図8に示した合成画像に加えて、被検体6の上面側から撮影した光画像1500が追加されている。なお、合成画像を作成する際にはグレイスケールで表示されるX線画像に対して、上記2つの光画像情報を異なる色で色付けする。これにより、検者は病変部の深度方向の位置情報を把握できる。
【0064】
図16は、CCDカメラ1401で撮影した光画像を検出器10で撮影したX線画像と合成する場合の、合成位置補正方法を示す図である。被写体上面側の表面位置P2より出力された光は、導光板8bにより導光された後にP2のほぼ真上にある位置P3に出力される。このためCCDカメラ1401のレンズ1600は、導光板8bの上面に対してピントが合うように調整する必要がある。このとき導光板8bの位置は被検体6のサイズによって種々異なるため、上記ピント調整は位置測定装置1403で計測された導光板8bの上面位置に応じて実施される。また上記P2より出力された光は、CCDカメラ1401では位置P3にて観測されるのに対して、P2を通過するX線ビームBは検出器10上では位置P1で観測される。いまX線発生点Sを原点とする、位置P1及び位置P3のX方向の位置をそれぞれX1、X3とすると、X1とX3には次式の関係が成り立つ。
X1= X3 * Z1 / (Z1 - Z2) …(1)
ただし、Z1はX線発生点Sと検出器10の入力面との距離、Z2は導光板8の下面と検出器10の入力面との距離とする。また同様に位置P1及び位置P3のY方向の位置をそれぞれY1、Y3とすると、Y1とY3には次式の関係が成り立つ。
Y1= Y3 * Z1 / (Z1 - Z2) …(2)
【0065】
従ってCCDカメラ1401で撮影した光画像に対して、上式(1)及び(2)を用いてスケール変更をした後にX線画像と合成すれば、両者の位置ズレを補正できる。このような補正は位置測定装置1403の計測結果に基づきZ2を計算することで、任意の被検体サイズに対して実施できる。
【0066】
図17は、2つの光撮影及びX線撮影に係る一連の動作フローを示す図である。なお、本例では撮影手順モードとして図5に示した光−X線撮影モードを想定している。まず、検者は撮影に先立って撮影モード、撮影条件、及び撮影手順モードを指定する(ステップ1701)。次に検者は光撮影の開始を指示し(ステップ1702)、検出器10による光撮影a(ステップ1703)とCCDカメラ1401による光撮影b(ステップ1704)が同時に開始される。このとき光撮影bで撮影された光画像に対しては、図16において説明した方法で位置補正が行われる(ステップ1705)。次に上記位置補正が行われた光画像は、光撮影aで撮影された光画像と加算され、加算画像が作成される。なお光撮影a及び光撮影bは同じタイミングで複数回繰り返され、取得された全画像の加算画像が作成される(ステップ1706)。このような加算画像は、以前の加算画像に光撮影aで撮影された光画像と、ステップ1705にて位置補正した光画像を共に追加加算することで作成される。また光撮影aで撮影された画像と光撮影bで撮影された画像は、互いに異なる配色を施した上で上記追加加算が行われる。上記加算画像は、新しく作成される度に更新表示される(ステップ1707)。
【0067】
検者は上記加算画像を確認しながら、所望する光量の加算画像が得られたと判断した時点でX線撮影の開始を指示し(ステップ1708)、光撮影を終了する(ステップ1709)。また、検者は所望する光量の加算画像が得られないと判断した時点で撮影中止を指示し(ステップ1718)、撮影を強制終了することもできる。X線撮影の開始及び撮影中止が指示されない場合は、再びステップ1703及び1704に戻り、光撮影が繰り返される。
【0068】
ステップ1709で光撮影が終了すると、直ちにX線の照射及び撮影が実施される(ステップ1710)。X線撮影により得られたX線画像は、ステップ1706にて最終的に作成された加算画像と合成されて合成画像が作成され(ステップ1711)、表示される(ステップ1712)。この時点で、もし検者により追加のDOTイメージングが指示された場合は(ステップ1713)、非特許文献1等に示されるような公知のDOT計算が実施され、被検体6の被検体内部における蛍光、発光、吸光分布等の光断層像が作成される(ステップ1714)。なお上記DOT計算には、光撮影aで取得した全ての光画像の加算画像、及び光撮影bで取得した全ての光画像の加算画像が利用される。一方、ステップ1713において、検者が追加のDOTイメージングを指示しなかった場合は、全ての動作を終了する。ステップ1714で計算されたDOTによる光断層像に対しては、後述する方法を用いて、仮想投影画像が作成される(1715)。なお上記仮想投影画像はX線管1のX線発生点を仮想的な投影源とみなして、上記断層像の仮想投影画像を作成するものである。次にステップ1711に示される方法と同じ方法を用いて、上記仮想投影画像とX線画像の合成画像が作成され(ステップ1716)、最後に合成画像が表示されて(ステップ1717)、全ての動作を終了する。
【0069】
なお、上記ステップ1701,1702,1708,1718、及び1713は、検者が図14中に示したコンソール102を介して設定及び指示する。また、上記ステップ1706,1711,1714〜1716の演算は、図14中に示した演算装置104により計算される。なお、演算装置104には専用プロセッサ、または公知の汎用プロセッサ等が利用される。更に上記ステップ1707,1712,及び1717における画像表示には、図14中に示したモニタ105が利用される。
【0070】
図18は、DOTで計算した光断層像1800と、その仮想投影源Sに対する仮想投影像の作成方法を示す図である。仮想投影源Sは、X線管1のX線発生点と同一位置に設定され、仮想投影源Sから検出器10上の検出画素Pに向かって放射されるX線ビームB上で、光断層像1800の信号値を積分する。上記積分結果を、検出器10上の全ての検出画素位置Pに対して計算して仮想投影画像を得る。上記仮想投影画像は、被検体6の内部における蛍光、発光、吸光分布等を、X線撮影と同じ投影経路で投影したものに相当する。このため、X線画像と仮想投影画像の合成時において位置ズレを低減できると共に、光画像の空間分解能を向上できる。その結果、合成画像に基づく病変部位の検出精度を改善して、診断能を向上できる。
【0071】
[実施の形態3]
図19は、本発明の実施の形態3に係るイメージング装置の模式図である。本実施の形態3に係るイメージング装置の機能は、実施の形態2に示したイメージング装置と同一であるが、一部の構成が異なる。相違点は、検出器1900がX線専用検出器である点、導光板8aと散乱線除去グリッド9の間に光専用検出器1901aが配置されている点、導光板8bの上面に光専用検出器1901bが配置されている点である。
【0072】
X線管1から放出されたX線は光専用検出器1901b、導光板8b、光学フィルタ7bを透過した後に被検体6に入射する。また被検体6を透過したX線は、光学フィルタ7a、導光板8a、光専用検出器1901a及び散乱線除去グリッド9を透過した後にX線専用検出器1900にて検出される。なお被検体6の下面側の装置構成を、図1や図14に示される、検出器10を用いた構成で置き換えても良い。
【0073】
[実施の形態4]
図20は、本発明の実施の形態4に係るイメージング装置の模式図である。本実施の形態4に係るイメージング装置の機能は実施の形態2に示したイメージング装置と同一であるが、一部の構成が異なる。相違点は、検出器1900がX線専用検出器である点、導光板8aと散乱線除去グリッド9の間に反射鏡2000が配置されている点、反射鏡2000に映った被検体6の像を撮影するためのCCDカメラ2001が配置されている点である。
【0074】
X線管1から放出されたX線は反射鏡1400、導光板8b、光学フィルタ7bを透過した後に被検体6に入射する。また被検体6を透過したX線は、光学フィルタ7a、導光板8a、反射鏡2000、及び散乱線除去グリッド9を透過した後にX線専用検出器1900にて検出される。なお本図では、反射鏡2000の端部がX線専用検出器1900の視野に入り込んでX線画像にムラが発生することを防止するために、大型の反射鏡2000を使用する構成を示している。ただし、装置の大型化を防ぐために、X線専用検出器1900の視野サイズよりも小さい反射鏡2000に置き換えても良い。また被検体6の上面側の装置構成を、図19に示される、光専用検出器1901bを用いた構成で置き換えても良い。
【0075】
以上、本発明の実施の形態1〜4を示したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば図2に示した装置構成では、被検体6である乳房は左右どちらか一方のみしか一度に計測できないが、X線管1からX線検出器10に至る一連の撮影系を2組配置して、左右の乳房を同時計測できるようにしてもよい。これにより、検査時間を短縮すると共に、蛍光性分子プローブ又は発光性分子プローブ投与後の撮影開始タイミングの調整を用意にできる利点がある。また検者の指定により、X線撮影と光撮影のどちらか一方のみを実施しても良い。また乳房以外の被検体として、小動物等を対象に本発明を利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1に係るイメージング装置の模式図。
【図2】被検体の配置方法を示す図。
【図3】撮影手順モードの一例であるX線−光撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図。
【図4】撮影手順モードの別の例である光−X線−光撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図。
【図5】撮影手順モードの別の例である光−X線撮影モードにおける、X線撮影と光撮影のタイミングを示す図。
【図6】光撮影及びX線撮影に係る一連の動作フローを示す図。
【図7】光撮影画像を加算して得られた、加算画像の例を示す模式図。
【図8】X線画像と光撮影画像の加算画像を合成して得られた、合成画像の例を示す模式図。
【図9】蛍光撮影モードにおける励起光、蛍光、及びX線の進行経路を示す摸式図。
【図10】散乱線除去グリッドの構造を示す図。
【図11】検出器の構造例を示す断面図。
【図12】検出器の別の構造例を示す断面図。
【図13】検出器の更に別の構造例を示す断面図。
【図14】本発明の実施の形態2に係るイメージング装置の模式図。
【図15】X線画像と被検体の上面側及び下面側から撮影した2つの光撮影画像の加算画像を合成して得られた、合成画像の例を示す模式図。
【図16】CCDカメラで撮影した光画像を検出器で撮影したX線画像と合成する場合の、合成位置補正方法を示す図。
【図17】2つの光撮影及びX線撮影に係る一連の動作フローを示す図。
【図18】DOTで計算した光断層像と、その仮想投影源Sに対する投影像の作成方法を示す図。
【図19】本発明の実施の形態3に係るイメージング装置の模式図。
【図20】本発明の実施の形態4に係るイメージング装置の模式図。
【符号の説明】
【0077】
1…X線管
2…コリメータ
3…光源
4…光拡散板
5…圧迫板
6…被検体
7…光学フィルタ
8…導光板
9…散乱線除去グリッド
10…検出器
1400…反射鏡
1401…CCDカメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を被検体に照射するX線源と、
被検体を介して前記X線源と対面しX線及び光を検出する第1検出器と、
前記第1検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、
前記処理部は前記X線源がX線を照射する照射期間に前記第1検出器が検出したX線の信号を第1信号とし、前記照射期間以外の期間に前記第1検出器が検出した光の信号を第2信号として処理することを特徴とするイメージング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージング装置において、前記第1検出器の受光部がX線及び光に感度を有する光導電体材料で形成されていることを特徴とするイメージング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のイメージング装置において、前記第1検出器の受光部がシンチレータ材料で形成されており、前記シンチレータ材料は可視光線以上赤外線以下の範囲の波長を有する光の一部を透過することを特徴とするイメージング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のイメージング装置において、前記第1検出器はX線に感度を有するX線検出層と光に感度を有する光検出層との2層で構成されていることを特徴とするイメージング装置。
【請求項5】
請求項1に記載のイメージング装置において、被検体の外表面より放出された光を前記第1検出器の受光面に導く導光部を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のイメージング装置において、前記導光部は被検体の内部で散乱したX線の一部を除去する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項7】
請求項1に記載のイメージング装置において、前記処理部は、前記第1信号と前記第2信号を同一画像上に合成する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項8】
請求項1に記載のイメージング装置において、光を被検体に照射する光源を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項9】
請求項8に記載のイメージング装置において、被検体に接触した状態で被検体を支持する支持部を有し、前記支持部が前記光源より照射された光を被検体に導く導光機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項10】
請求項1に記載のイメージング装置において、前記X線源と被検体の間に配置され光を検出する第2検出器を有し、前記処理部は、前記X線源がX線を照射する照射期間以外の期間に前記第2検出器が検出する信号を第3信号として処理し、前記第1信号と第2信号と第3信号を同一画像上に合成する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項11】
請求項10に記載のイメージング装置において、前記X線源と被検体の間に配置される反射鏡と、前記反射鏡により反射される光を集光するレンズとを有し、前記第2検出器は前記レンズにより集光された光を検出することを特徴とするイメージング装置。
【請求項12】
請求項10に記載のイメージング装置において、前記被検体のサイズを測定するサイズ測定手段を有し、前記処理部は、前記サイズ測定手段の測定結果に応じて前記第1信号と第3信号の合成位置を調整する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項13】
請求項10に記載のイメージング装置において、前記処理部は、前記第2信号と前記第3信号に基づいて被検体内部における発光または吸光強度分布を計算する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項14】
X線を被検体に照射するX線源と、
被検体を介して前記X線源と対面しX線を検出する第1検出器と、
前記X線源と被検体の間に配置され光を検出する第2検出器と、
被検体と前記第1検出器の間に配置され光を検出する第3検出器と、
前記第1〜3検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、
前記処理部は、前記X線源がX線を照射する照射期間に前記第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、前記照射期間以外の期間に前記第3検出器及び前記第2検出器が検出する光の信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とするイメージング装置。
【請求項15】
請求項14に記載のイメージング装置において、前記処理部は、前記第1信号と第2信号と第3信号を同一画像上に合成する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項16】
請求項15に記載のイメージング装置において、前記被検体のサイズを測定するサイズ測定手段を有し、前記処理部は、前記サイズ測定手段の測定結果に応じて前記第1信号と第3信号の合成位置を調整する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項17】
請求項14に記載のイメージング装置において、前記処理部は、前記第2信号と前記第3信号に基づいて被検体内部における発光または吸光強度分布を計算する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項18】
X線を被検体に照射するX線源と、
前記被検体を介して前記X線源と対面しX線を検出する第1検出器と、
前記X線源と前記被検体の間に配置される第1反射鏡と、
前記第1反射鏡により反射される光を集光する第1レンズと、
前記第1レンズにより集光された光を検出する第2検出器と、
前記被検体と前記第1検出器の間に配置される第2反射鏡と、
前記第2反射鏡により反射される光を集光する第2レンズと、
前記第2レンズにより集光された光を検出する第3検出器と、
前記第1〜3検出器の検出結果を処理する処理部とを有し、
前記処理部は、前記X線源が前記X線を照射する照射期間に前記第1検出器が検出するX線の信号を第1信号とし、前記照射期間以外の期間に前記第3検出器及び前記第2検出器が検出する光の信号をそれぞれ第2信号及び第3信号として処理することを特徴とするイメージング装置。
【請求項19】
請求項18に記載のイメージング装置において、被検体のサイズを測定するサイズ測定手段を有し、前記処理部は、前記サイズ測定手段の測定結果に応じて前記第1信号と第3信号の合成位置を調整し、前記第1信号と第2信号と第3信号を同一画像上に合成する機能を有することを特徴とするイメージング装置。
【請求項20】
請求項18に記載のイメージング装置において、前記処理部は、前記第2信号と前記第3信号に基づいて被検体内部における発光または吸光強度分布を計算する機能を有することを特徴とするイメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−278955(P2008−278955A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123709(P2007−123709)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】