説明

インクジェット記録方法

【課題】片面及び両面印刷した際の文字品質に優れ、カールが少なく、無色インクの射出性に優れたインクジェット記録方法を提供することである。
【解決手段】記録媒体上に無色インクと有色インクを射出し、該無色インクと該有色インクが混合することにより顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇が生じるインクジェット記録方法であって、前記有色インクが少なくとも前記顔料及び水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有し、前記無色インクがインクに対して水を70質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット記録方法に関する。中でも普通紙印刷において高画質が得られるインクジェット記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方式は簡便、安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。特に微細なドットを出射、制御するインクジェット記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
【0003】
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェット画像記録システムでは、用いることのできる記録媒体が制限されること、記録媒体のコストアップ等が問題となる。
【0004】
一方、オフィスにおいては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙)の制約を受けずに高速でフルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。
【0005】
特に安価であり、また入手が容易である普通紙(例えば、PPC用紙、印刷用非塗工紙等)に対して高画質な印刷を高速に行うことが望まれているが、普通紙印刷では水性インクを使用した場合には、文字画質、画像滲み、低い反射濃度、印刷後のカール、コックリング等の課題がある。油性インクを使用した場合には、カール、コックリングについては問題ないが、水性インクよりも劣る文字画質、激しい滲み、低い反射濃度等の課題がある。このような普通紙印刷の課題を解決するために、インクの組成を始めとして種々の検討が行われてきた。
【0006】
水性インクに対する改良方法の一つとして、分子量8万から25万相当のビニルピロリドンとアクリル酸共重合ポリマーを含有するインクにより、普通紙印刷時の画像滲みを改善する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法ではノズルプレートに付いたインクをワイピング操作で拭き取る際に、添加されている超高分子量のポリマーがノズルプレートにこびり付きやすいため、拭き残りが発生しやすく、これを原因とした液滴着弾位置のずれによる画像劣化が生じやすいという問題があった。
【0007】
また別の方法として、アルギン酸またはアルギン酸塩を含有するインクにより普通紙印刷時のフェザリング、ブリーディングを軽減させる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、インクに含有するアルギン酸またはアルギン酸塩と普通紙に含有するカルシウムやアルミニウム等の多価金属カチオンが反応してゲル化増粘することにより、フェザリング、ブリーディングが改良される。しかしながら、普通紙中のカルシウムやアルミニウム等の多価金属イオンは必須成分ではなく、不純物として含有するものであり、紙の銘柄によって含有量が異なり、中には極度に含有量の小さい普通紙も存在する。従って、印刷する紙の銘柄によりこれらの効果の大きさが依存し、紙の銘柄によっては十分な効果が得られないという問題があった。
【0008】
さらに、平均分子量400〜1400のカチオン性ポリマーを含有する無色の液体組成物と着色インクを別々のヘッドで吐出させ、紙上で合一させることにより、普通紙印刷でのカラーブリードを低減する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。ただし、無色の液体組成物の分だけ紙に記録する液体の総量が増えることにより、紙のコックリング、カールが生じやすいという問題があった。
【0009】
一方、カール、コックリングの発生がほとんどない油性インク組成において、50%留出点が280℃以下の溶剤(非極性溶剤)を10%以上含有し、同300℃以上の溶剤(極性溶剤、エステル系溶剤)を20%以上含有することにより、記録後の滲みを改良する技術が公開されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この方法でも反射濃度文字再現性については必ずしも十分なレベルにはなかった。
【特許文献1】特開平10−1629号公報
【特許文献2】特開2003−176432号公報
【特許文献3】特開平10−95107号公報
【特許文献4】特開2004−2666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、片面及び両面印刷した際の文字品質に優れ、カールが少なく、無色インクの射出性に優れたインクジェット記録方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
【0012】
1.記録媒体上に無色インクと有色インクを射出し、該無色インクと該有色インクが混合することにより顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇が生じるインクジェット記録方法であって、前記有色インクが少なくとも前記顔料及び水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有し、前記無色インクがインクに対して水を70質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【0013】
2.前記有色インクがインクに対して水を10質量%以上40質量%未満含有することを特徴とする前記1記載のインクジェット記録方法。
【0014】
3.前記有色インクの顔料が高分子分散剤で分散されていることを特徴とする前記1または2記載のインクジェット記録方法。
【0015】
4.前記無色インクが多価金属塩またはカチオンポリマーを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
【0016】
5.前記無色インクがインクに対して多価金属塩を0.5〜2質量%含有することを特徴とする前記4記載のインクジェット記録方法。
【0017】
6.前記無色インクがインクに対してカチオンポリマーを3〜10質量%含有することを特徴とする前記4または5記載のインクジェット記録方法。
【0018】
7.記録媒体が普通紙であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、片面及び両面印刷した際の文字品質に優れ、裏抜け及びカールが少なく、無色インクの射出性に優れたインクジェット記録方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、記録媒体上に無色インクと有色インクを射出し、無色インクと有色インクが混合することにより顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇が生じるインクジェット記録方法であって、前記有色インクが少なくとも前記顔料及び水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有し、前記無色インクが水をインクに対して70質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法により、片面及び両面印刷した際の文字品質に優れカールが少なく、無色インクの射出性に優れたインクジェット記録方法が得られることを見出し、本発明に至った次第である。
【0021】
一般の水性インクのようにインク中の水含有比率が高いインクを普通紙に記録した場合には、紙への浸透はそれ程大きくなく、まずまずの文字品質が得られる。一方でカールは非常に大きい。
【0022】
まずまずの文字品質が得られる理由として、推測だがインク中の水が普通紙を構成しているセルロースに配位するためにインクの浸透が抑制されるためと考えられる。
【0023】
またカールが非常に大きくなる理由として、推測だが紙はセルロース間の水素結合によって紙としての形状を形成しているが、インク中の水がセルロースに配位した際にこの水素結合を切断し、次いでセルロースが水によって膨潤することで、インクが打ち込まれた部分のセルロース繊維間距離が離れ、カールが発生すると考えられる。また、次いで発生する水の乾燥において、打ち込まれる前に形成していた水素結合とは別な箇所で水素結合が再度形成され、保持される。これにより、普通紙全体としては元とは違う形に変形してしまう。これも結局はカールとして扱われる。
【0024】
これに対して、水を含有しない、例えば、油性インクを普通紙に記録した場合には、普通紙へのインクの浸透が大きく、表面画像濃度の低下が大きくなる。
【0025】
表面画像濃度の低下が大きくなる理由として、推測だが油性溶剤とセルロースとの相互作用が小さいため、油性溶剤はセルロース間の空隙を容易に拡散してしまい、インクの浸透が大きくなるため画像濃度が低下すると考えられる。一方で、油性溶媒はセルロース間の水素結合を切らないため記録前の紙の構造が保たれており、カールしにくいと考えられる。
【0026】
本発明のインクジェット記録方法に用いる有色インクは、両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有することが第一の特徴である。この溶剤組成により、普通紙に記録した場合でも文字品質に優れ、カールがほとんどないプリントを得ることが可能である。さらにこの文字品質とカール抑制の両立効果は、水性インクと油性インクのトレンドからは完全に逸脱したものである。
【0027】
この効果の発現機構としては、推測だが両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインク全量に対して50質量%以上90質量%未満含有することで、セルロース間の水素結合の切断が発生しにくく、発生した場合でもセルロースを膨潤させにくいため、セルロース繊維間の距離が離れにくく、そのためカールが発生しにくいと考えられる。さらに水を含有することにより、インクがセルロースに配位する機能は有しているためと考えている。両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して60質量%以上80質量%未満含有するのがさらに好ましい。
【0028】
水は有色インクに対し10質量%以上40質量%未満であることが好ましい。水が40質量%未満存在することでカール抑制の観点から好ましくなる。
【0029】
このようにカールに対する改良効果は上記組成のインクにより得られる。しかしながら、文字品質については油性インクと比較して大幅に改善されるものの、薄紙や繊維の粗い紙に対しては文字が滲みやすく、さらなる改善が求められた。
【0030】
この課題に対して、少なくとも顔料と水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有する有色インクに、有色インクとの混合により顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇が生じる、水を70質量%以上含有する無色インクを記録媒体上で混合するインクジェット記録方法により、薄紙や繊維の粗い紙に対しても良好な文字品質の印刷物を得ることができた。
【0031】
両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有し、通常のインクと比較して水が少ないインク溶媒組成に、顔料を分散させた有色インクに対して、水を70質量%以上含有する無色インクを混合することにより、分散されている顔料周辺の溶媒の親水性・疎水性の状況が急激に変化することにより、分散が不安定化し、顔料の凝集またはインクの粘度上昇を促進する効果が得られたものと考えている。これにより、無色インクの機能である有色インク中の顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇を発生させる、多価金属塩やカチオンポリマーといった機能材料の添加量が少なくて済むことから、無色インクの射出安定性を飛躍的に向上することができた。無色インクに含有される多価金属塩の量としては0.5〜2質量%が好ましく、カチオンポリマーの量としては3〜10質量%が好ましい。このように多価金属塩やカチオンポリマーといった機能材料の添加量を減量し、射出安定性を向上することにより、ヘッドメンテナンスの頻度減少や簡易な方式の採用により印刷速度の向上や機器コストの低減などが可能となった。
【0032】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0033】
《溶剤》
本発明に係るインクの溶剤組成としては、無色インクはインクに対して水を70質量%以上含有する。有色インクも水を含有し、インクに対して水を10質量%以上40質量%未満含有することが好ましい。さらに、有色インクは両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールがインクの50質量%以上90質量%未満である。
【0034】
(両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオール)
両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオール(以下、単にアルカンジオールともいう)としては、下記一般式(1)及び一般式(2)で表されるアルカンジオールが挙げられる。
【0035】
一般式(1) R−CH(OH)−CH(OH)−CH−R
一般式(2) R−CH(OH)−CH−CH(OH)−R
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表す。)
具体的には、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが挙げられる。
【0036】
これらのアルカンジオールを有色インク中に50質量%以上90質量%未満含有することにより、普通紙のプリントカールが少ないインクとすることが可能となる。さらに上記一般式(1)、(2)のアルカンジオールの中でも1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールは、水分が蒸発したときの粘度上昇が低くインク出射時のデキャップ特性がより良好となるため望ましい。
【0037】
(その他の溶剤)
上記一般式(1)または(2)で表されるアルカンジオール以外に以下の溶剤を併用してもよい。例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
【0038】
《顔料》
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用できる。
【0039】
好ましく用いることのできる具体的顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
【0040】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
【0041】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。
【0042】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。また、ブラック用顔料としてはカーボンブラックが挙げられる。
【0043】
以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独あるいは併用して用いることが好ましく、例えば、
C.I.Pigment Red;209、224、177、194、
C.I.Pigment Orange;43、
C.I.Vat Violet;3、
C.I.Pigment Violet;19、23、37、
C.I.Pigment Green;36、7、
C.I.Pigment Blue;15:6、
等が用いられる。
【0044】
本発明に係る有色インクに使用する顔料分散体の平均粒子径は、10nm以上、200nm未満であることが好ましい。顔料分散体の平均粒子径が10nm未満あるいは200nm以上では顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
【0045】
顔料分散体の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便でこの粒子径領域の精度がよく多用される。
【0046】
この顔料の含有量は有色インクに対して0.1質量%以上12質量%未満が好ましい。
【0047】
本発明の顔料分散体は顔料の表面にスルホン酸基等、分散に必要な機能性基が化学的に結合させた所謂自己分散顔料を溶媒に分散させたもの、界面活性剤のような低分子分散剤及び/または高分子分散剤を用いて顔料を溶媒に分散させたものを用いることができる。
【0048】
本発明に係る顔料を分散する高分子分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいは、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体及びこれらの塩を挙げることができる。
【0049】
本発明において、顔料分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
【0050】
また、本発明で用いることのできる分散手段としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー等の各種分散機を用いることができる。また顔料分散体の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0051】
《凝集または粘度上昇》
本発明は、無色インク及び有色インクを併用し、無色インクと有色インクが混合した際に粘度上昇(増粘)するか、インクの1成分が凝集する。これら凝集または粘度上昇を発生させるために無色インクは水溶性ポリマー、多価金属塩または酸から選ばれる機能材料を含有する。
【0052】
水溶性ポリマーとしては、カチオン性ポリマーが用いられる。具体的には、ポリエチレンイミン、ジシアンジアンミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン変性ポリアルキルアミン、ポリビニルピリジウムハライド、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩、4級アンモニウム基を共重合モノマーとして含むアクリル、メタクリル酸エステル共重合体等の4級アンモニウム塩類及びポリアミン等が挙げられる。ポリアミン類としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルラウリルアミン、ピペリジン、ポリエチレンイミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジエチレントリアミン、ポリアリルアミン、エチレンジアミン等が挙げられる。
【0053】
一方、多価金属塩としては、2価以上の多価金属イオンとこれらの多価金属イオンに結合する陰イオンから構成され、水に可溶なものである。具体的には、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+、Ba2+、Al3+、Fe3+、Cr2+等を使用することができる。これらの陽イオンと結合する陰イオンとしては、Cl、NO、I、Br、ClO、CHCOO等が挙げられる。
【0054】
本発明に用いられる無色インクに含有される上記水溶性ポリマー、多価金属塩は、その添加量に特に制限はないが、より高い効果を得るには0.5質量%以上の濃度で含有することが好ましい。ただし、高濃度化すると液体の粘度が高まり、インクジェットヘッドからの吐出ができなくなることがあるので、出射性の観点から、無色インクの粘度は5〜40mPa・sの範囲にあることが好ましい。
【0055】
酸としては、pH緩衝剤として含有することが好ましい。この場合の無色インクのpHは3.5〜5.0の範囲内にあることが好ましい。
【0056】
pH緩衝剤は、水に対して10質量%以上溶解するものであるが、15質量%以上溶解することがより好ましく、20質量%以上溶解することがさらに好ましい。
【0057】
pH緩衝剤は、20℃において実質的に揮発しない化合物であるが、詳しくは20℃における蒸気圧が20Pa未満であることが好ましく、10Pa未満であることがさらに好ましい。
【0058】
pH緩衝剤は、無色インク中に0.1〜20質量%含有するが、1〜15質量%含有することがより好ましい。
【0059】
本発明に係る無色インク及び有色インクでは、上記説明した以外に必要に応じて吐出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、多糖類、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号の各公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号の各公報等に記載されている退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号の各公報等に記載されている蛍光増白剤等を挙げることができる。
【0060】
《界面活性剤》
本発明のインクは界面活性剤を含有してもよい。本発明のインクに用いられる界面活性剤としてはカチオン性、アニオン性、両性、ノニオン性のいずれも用いることができるが、分散安定性の点からノニオン性界面活性剤を使用することが特に好ましい。
【0061】
ノニオン性活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。
【0062】
上記構成からなる本発明に係る無色インク及び有色インクは、表面張力として25℃で25〜40mN/mであることが好ましく、より好ましくは25〜35mN/mであり、さらに好ましくは30〜35mN/mである。また、無色インク及び有色インクの粘度としては、25℃で1〜40mPa・sであることが好ましく、より好ましくは5〜40mPa・sであり、さらに好ましくは5〜20mPa・sである。
【0063】
また、本発明の効果をより高めるには、無色インクの表面張力が有色インクのそれよりも小さいことが好ましい。
【0064】
有色インクと無色インクを混合する場所は、有色インクと無色インクがインクジェットヘッドから吐出された後であれば特に制限はなく、液滴として空中を飛翔中でも被記録媒体上でもよい。しかしながら、被記録媒体上で混合させる方法は、液滴の着弾位置を制御しやすく、本発明の効果をより発揮することができる。
【0065】
有色インクと無色インクを記録媒体に付着する順序としては特に制限はなく、有色インクと無色インクを同時に付着させても、また無色インクを有色インクに付着する前あるいは後に付着させてもよいが、無色インクを、有色インクを付着する前あるいは後に付着させることがインク吐出ノズルが少なくとも1本あれば足りるので好ましい。また有色インクと無色インクの付着順序は、無色インクの付着に先立ってインクを付着させるよりも、無色インクを付着させてから有色インクを付着させた方が、高い画像濃度を得ることができるので好ましい。
【0066】
また、本発明に係る有色インク、無色インク中の溶存酸素濃度は、25℃で2ppm以下であることが好ましく、この溶存酸素濃度条件とすることにより、気泡の形成を抑制することができ、高速印字においても吐出安定性に優れたインクジェット記録方法を実現することができる。インク中に溶存している溶存酸素を測定する方法としては、例えば、溶存酸素測定装置DO−14P(東亜電波(株)製)を用いて測定することができる。
【0067】
《記録媒体》
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体としては、普通紙が好ましい。普通紙として特に制限はなく、その構成としては、LBKP及びNBKPに代表される化学パルプ、サイズ剤及び填料を主体とし、その他の抄紙助剤を必要に応じて用い、常法により抄紙されたものである。普通紙に使用されるパルプ材としては、機械パルプや古紙再生パルプを併用してもよいし、またこれらを主材としても何ら問題はない。
【0068】
普通紙に内添されるサイズ剤としては、例えば、ロジンサイズ、AKD、アルニケル無水コハク酸、石油樹脂系サイズ、エピクロルヒドリン、カチオン澱粉及びアクリルアミド等が挙げられる。
【0069】
また、本発明に係る普通紙に内添される填料としては、例えば、微粉珪酸、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、カオリン、カオリナイト、ハロイサイト、ナクライト、ディッカイト、パイロフィライト、セリサイト、二酸化チタン、ベントナイト等が挙げられる。
【0070】
本発明のインクジェット記録方法においては、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドより記録液を液滴として吐出させ、記録媒体に付着させることで記録物が得られる。
【0071】
本発明のインクジェット記録方法で、有色インク及び無色インクを吐出して画像形成を行う際に使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0072】
その中でも、本発明のインクジェット記録方法においては、インクを25μm以下のノズル径を有するピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて普通紙に記録を行うこと、さらに25μm以下のノズル径を有するラインヘッド方式のピエゾ型インクジェット記録ヘッドから吐出させて普通紙に記録を行うことが好ましい。
【0073】
特に本発明のインクジェット記録方法においては、普通紙の両面に画像印字を行うことが好ましい。本発明に係るインクは前記特性を有しているため、両面に印字しても高濃度で画像品質に優れる記録物が得られる。また、両面印字は片面に印字した後に普通紙を裏返し、印字面を下にして搬送することが多いが、本発明に係るインクは前記特性により、カールやコックリングによる記録媒体の変形がないため、搬送不良が生じたり、搬送ベルトがインクで汚染されたりすることがない。
【実施例】
【0074】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
【0075】
実施例
《インクセットの作製》
〔顔料分散液の調製〕
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて2時間分散し、顔料の含有量が15%の顔料分散液を調製した。
【0076】
(顔料分散液1)
カーボンブラック:MA7(三菱化学社製) 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製、固形分30%水溶液) 15部
1,2−ブタンジオール 60部
イオン交換水 10部
(顔料分散液2)
カーボンブラック:MA7(三菱化学社製) 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製、固形分30%水溶液) 15部
1,2−ブタンジオール 20部
イオン交換水 50部
〔有色インクの調製〕
(有色インク1の調製)
上記により調製した顔料分散液1と下記の添加剤を混合した後に十分に攪拌を行った。次いで、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、さらに溶存酸素濃度が1ppm未満となるように中空糸膜による脱気処理を行い、有色インク1を得た。
【0077】
顔料分散液1 20部
1,3−ブタンジオール 43部
3−メチル−1,3−ブタンジオール 10部
プロキセルGXL(アビシア社製) 0.3部
イオン交換水 26.7部
(有色インク2〜11の調製)
下記表1、2に示す配合で、有色インク1と同様の方法にて有色インク2〜11を調製した。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
〔無色インクの調製〕
(無色インク1〜14の調製)
下記表3、4に示す配合で各添加剤を混合した後に十分に攪拌を行った。次いで、この混合液を#3500メッシュの金属フィルターで濾過し、さらに溶存酸素濃度が1ppm未満となるように中空糸膜による脱気処理を行い、無色インク1〜14を得た。
【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
《インクセットの評価》
〔プリント試料の作成〕
液適量14plの液滴を射出するピエゾ型ヘッドを用いて、解像度720dpi(以下、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)で、下記3種の紙に対して有色インクで印刷しプリント試料を作成した。また、有色インクと無色インクのインクセットで記録する場合には、有色インクでの印刷に先立って、無色インクを記録領域全面に対して、付量6g/mとなるように印刷を行った。各評価でのプリント内容については各評価方法の説明の項にて記述する。
【0084】
紙A:しらおい[64g/m](日本製紙社製)
紙B:OKプリンス上質エコG100[64g/m](王子製紙社製)
紙C:リサイクル上質[52g/m](日本製紙社製)
(文字品質評価)
紙A、紙B及び紙Cに対して、各有色インクで4ポイント、5ポイント、7ポイント、9ポイントの「優」という文字を印刷した。得られた文字を目視で観察し、下記基準で評価を行った。
【0085】
A:4ポイント文字でも細部の潰れなく再現できている
B:4ポイント文字では細部が潰れているが、5ポイント文字では潰れなく再現できている
C:5ポイント文字では細部が潰れているが、7ポイント文字では潰れなく再現できている
D:7ポイント文字では細部が潰れているが、9ポイント文字では潰れなく再現できている
E:9ポイント文字でも細部が潰れている
(両面印刷評価)
紙A、紙B及び紙Cに対して、インク付量が12g/mとなるように各有色インクでベタ画像を印刷した。印刷面が乾燥した後に用紙の表裏を反転させ、ベタ画像を印刷した裏面に各有色インクで4ポイント、5ポイント、7ポイント、9ポイントの「優」という文字を印刷した。得られた文字を目視で観察し、下記基準で評価を行った。有色インクと無色インクのインクセットで記録する場合には、表裏面の有色インクでの印刷に先立って、それぞれで無色インクを記録領域全面に対して、付量6g/mとなるように印刷を行った。裏面に印刷した文字を目視で観察し、下記基準で評価を行った。
【0086】
A:4ポイント文字でも細部の潰れなく再現できている
B:4ポイント文字では細部が潰れているが、5ポイント文字では潰れなく再現できている
C:5ポイント文字では細部が潰れているが、7ポイント文字では潰れなく再現できている
D:7ポイント文字では細部が潰れているが、9ポイント文字では潰れなく再現できている
E:9ポイント文字でも細部が潰れている
(カール評価)
A4サイズの紙A、紙B及び紙Cに対して、縦10cm、横10cmのサイズでインク付量が12g/mとなるように各有色インクでベタ画像を印刷した。有色インクと無色インクのインクセットで記録する場合には、有色インクでの印刷に先立って、無色インクを有色インクの記録箇所に縦10cm、横10cmで付量6g/mとなるように印刷を行った。得られた印刷物を25℃50%環境に印刷面を上に水平にして12時間放置した後に印刷物を目視で観察し、下記基準で評価を行った。
【0087】
A:紙の変形がない
B:わずかにカールが発生した(最大高さ10mm未満)
C:カールが発生した(最大高さ10mm以上30mm未満)
D:大きなカールが発生した(最大高さ30mm以上)
E:紙が円筒状に丸まった
(無色インク射出性評価)
無色インクに対して下記の方法によりヘッドからの射出性評価を実施した。
【0088】
液適量14plの液滴を射出するノズルを512個有するコニカミノルタIJ株式会社製ピエゾ型ヘッドを用いて、液滴の初速度を6m/秒、各ノズルの射出周波数7kHzの条件で連続射出を行い、射出する液滴の状態を液滴の射出タイミングとストロボ同期させてビデオ観察し、下記基準で評価を行った(3回繰り返し平均を求めた)。
【0089】
A:60分経過後でも射出欠や飛翔方向の曲がりの発生が全くない
B:60分経過後に射出欠なし、飛翔方向の曲がりが3ノズル以下である
C:30分経過後に射出欠なし、飛翔方向の曲がりが3ノズル以下である
D:30分経過後に射出欠なし、飛翔方向の曲がりが4ノズル以上である
E:30分以内に射出欠が発生した
評価の結果を表5に示す。
【0090】
【表5】

【0091】
表5より、本発明の無色インクと有色インクからなるインクセットを用いたインクジェット記録方法で作成した試料1〜5、12〜15、18〜20、24は、片面及び両面印刷した際の文字品質に優れ、カールが少なく、また、無色インクの射出性が良好であることが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上に無色インクと有色インクを射出し、該無色インクと該有色インクが混合することにより顔料の凝集または混合したインクの粘度上昇が生じるインクジェット記録方法であって、前記有色インクが少なくとも前記顔料及び水を含有し、かつ両末端が同時に水酸基ではないアルカンジオールをインクに対して50質量%以上90質量%未満含有し、前記無色インクがインクに対して水を70質量%以上含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【請求項2】
前記有色インクがインクに対して水を10質量%以上40質量%未満含有することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
【請求項3】
前記有色インクの顔料が高分子分散剤で分散されていることを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
【請求項4】
前記無色インクが多価金属塩またはカチオンポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
【請求項5】
前記無色インクがインクに対して多価金属塩を0.5〜2質量%含有することを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録方法。
【請求項6】
前記無色インクがインクに対してカチオンポリマーを3〜10質量%含有することを特徴とする請求項4または5記載のインクジェット記録方法。
【請求項7】
記録媒体が普通紙であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。

【公開番号】特開2010−46809(P2010−46809A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210490(P2008−210490)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】