説明

インクタンクおよび記録装置

【課題】 インクタンク内のインクを効率よく撹拌することできるインクタンク、および均一な濃度のインクによって高品位の画像を記録することができる記録装置を提供すること。
【解決手段】 インク収納室の内壁の近傍位置に撹拌部材T2015を揺動自在に支持し、その内壁に最も近接するように撹拌部材T2015が揺動したときに、それらの内壁と撹拌部材T2015との対向面間に所定の隙間を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録液としてのインクを収納するインクタンク、およびそのインクタンクを用いる記録装置に関するものである。本発明は、インクタンクを用いる種々の記録装置に適用可能である。例えば、本発明は一般的なプリンターの他、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリント部を有するワードプロセッサ等の装置、さらには、各種処理装置と複合的に組み合わされた産業用記録装置なども適用可能である。
【背景技術】
【0002】
インクタンクに収容されているインクを用いる記録装置としては、例えば、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置がある。さらに、このようなインクジェット記録装置には、インクジェット記録ヘッドと共にインクタンクをキャリッジに搭載して、そのキャリッジの主走査方向の移動を伴って、記録媒体上に画像を記録するシリアルスキャンタイプのものがある。
【0003】
このシリアルスキャンタイプのインクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッドと、その記録ヘッドにインクを供給するインクタンクと、を搭載可能なキャリッジを備えている。そして記録に際しては、記録媒体に対してキャリッジを移動させながら、記録ヘッドに設けられた微細な吐出口からインク滴を吐出させ、そのインク滴を記録媒体上に着弾させることにより、所望の画像を記録する。
【0004】
インクジェット記録ヘッドに用いられるインクとしては、主に、着色材として染料を用いた染料インクが使用されてきた。しかしながら、染料インクによって記録された記録物は、耐光性および耐候性を重視する屋外掲示プリント物等の用途において求められる性能をもつことが難しく、その代わりに、着色材として顔料を用いた顔料インクが実用化されている。しかし、顔料は溶解系ではなく分散系であるため、顔料インクは、インクタンク中において顔料粒子の沈降が生じることが避けられない。
【0005】
例えば、インクタンクがインクジェット記録装置に装着されたまま長期間放置された場合には、そのインクタンクの内部にてインク中の顔料粒子が徐々に沈降する。そのため、インクタンク内部において、その底部から上部の方向に向かうにしたがって顔料粒子の濃度傾斜が発生する。その結果、インクタンク底部のインクは、顔料粒子濃度が高くなって色が過度に濃い層を形成し、一方、インクタンク上部のインクは、顔料粒子濃度が低くなって色が過度に薄い層を形成することになる。
【0006】
インクタンク内のインクがインクタンク底部から導出される場合、そのインクタンクから導出したインクを記録ヘッドに供給したときには、最初に、顔料粒子濃度の高い層を形成するインクが供給されて、色が過度に濃い画像が記録されることになる。つまり、インクタンクの使用初期における記録画像と、その使用後期における記録画像と、の間に、目視される程度の記録濃度の差が生じるおそれがある。このような現象は、色の濃淡によってカラー画像を記録するカラー記録において、特に顕著となる。
【0007】
特許文献1には、インクタンク内に撹拌体を備えて、キャリッジの往復運動の慣性力によって撹拌体を移動させることにより、インクタンク内のインクを撹拌させる構成が記載されている。
【0008】
すなわち特許文献1には、内部に、撹拌体を揺動自在に備えたインクタンクが記載されており、その撹拌体の揺動中心は、キャリッジ移動方向におけるインクタンク内のほぼ中央の位置に設定されている。その撹拌体は、キャリッジの往復運動によって、一方向および他方向に同様に揺動することになる。また特許文献1には、インクタンク内の底面に球状の錘を転動自在に備えた構成、およびインクタンク内にインクの流れを乱すような撹拌壁を固定的に備えた構成も記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−216761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載されているインクタンクには、次のような不具合がある。
【0011】
インクタンク内に撹拌体を揺動自在に備えた構成の場合、その撹拌体は、インクタンク内のほぼ中央部分を中心として一方向および他方向に同様に揺動する。そのため、その撹拌体の揺動範囲を大きくして撹拌性能を上げるためには、キャリッジの移動方向におけるインクタンクの幅を大きくする必要がある。しかし、キャリッジに搭載されるインクタンクは、キャリッジの移動方向に沿って複数搭載される場合が多く、その幅が比較的小さく制限されているため、撹拌体の揺動範囲を大きくすることができず、その撹拌体の揺動によって生じるインクの流れが小さい。インクを充分に撹拌するためには、キャリッジの往復移動回数を多くして、撹拌時間を長くする必要がある。
【0012】
また、球状の錘を転動自在に備えたインクタンク、および撹拌壁を固定的に備えたインクタンクは、構成が簡単ではある。しかし、前者のインクタンクは、インクタンク内の底面上を錘が転動するだけでは、インクタンク内の上面側のインクを含むインク全体を充分に撹拌することが難しい。また後者のインクタンクは、インクの流れが生じることを前提として、その流れを乱すだけであり、インクの流れを積極的に生じさせることができない。しかも、これら両者のインクタンクは、インクを収納するインク収納部内に、インク残量の減少に伴って空気を取り込む構成でなければ効果的に機能しない。すなわち、インク収納部内に取り込む空気によって空間を形成し、キャリッジの往復移動時に、その空間を利用してインクを移動させることが必要なる。
【0013】
しかし、インクタンクにはインク収納部内に空気を取り込まない構成のものもある。このようなインクタンクのインク収納部内には、インクタンクの製造時および物流時に僅かに混入する気泡程度の空気しか存在しないため、インクが移動できる空間が生じない。したがって、キャリッジの往復移動や球状の錘の転動だけでは、インクの強い流れをつくることが難しい。
【0014】
また、このような特許文献1に記載のインクタンクの不具合は、次のような一般的なインクタンクおよび記録装置の形態の観点からも明らかである。
【0015】
一般的に、キャリッジに搭載されるインクタンク(「オンキャリッジタイプのインクタンク」ともいう)は、その着脱の操作性の良くするために、その幅と長さが設定されている。すなわち、キャリッジの移動方向(主走査方向)におけるインクタンクの幅は比較的小さく、また、その主走査方向と交差する記録媒体の搬送方向(副走査方向)におけるインクタンクの長さは比較的大きく設定されている。そのため、撹拌体の変位方向である主走査方向において、その変位量を大きく設定することができない。したがって、撹拌体の変位量が小さくてインクの強い流れを生じさせることができず、そのためインクの撹拌効率が劣り、インクタンク内部のインク全体を撹拌するためには時間が掛かりすぎる。例えば、キャリッジにインクタンクを装着したまま、記録装置が長期間記録を行わなかったために、インクタンク内におけるインク中の顔料粒子が沈降した場合には、記録を開始前に長時間に渡って、キャリッジを往復運動させなければならなる。そのため、記録動作が可能となるまでのウォームアップ時間が長くなる。特に、顔料インク中の顔料粒径が大きい場合や顔料粒子の比重が大きい場合には、その沈降が早く、インクタンクを数日間放置しただけでも、記録画像に悪影響を与える濃度分布がインクタンク内に発生するおそれがある。この場合には、数日毎にインクの撹拌動作を行わなければならず、また、その撹拌動作の間は記録を開始することができなくなる。
【0016】
本発明の目的は、インクタンク内のインクを効率よく撹拌することできるインクタンク、および均一な濃度のインクによって高品位の画像を記録することができる記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のインクタンクは、インクを収納可能なインク収納室内に撹拌部材が揺動自在に支持され、前記インク収納室内のインクをインク供給口から外部に供給可能なインクタンクにおいて、前記インク収納室を形成する内壁の近傍位置に設けられて、前記撹拌部材を前記内壁に対して近接および離間する方向に揺動自在に支持する支持部と、前記撹拌部材が前記内壁に最も近接したときに、前記撹拌部材と前記内壁との対向面間に所定の隙間を形成するように前記撹拌部材の位置を規制する規制手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明の記録装置は、上記のインクタンクを装着可能な装着部を備え、前記装着部に装着された前記インクタンクの前記インク供給口から供給されるインクを用いて、記録媒体上に画像を記録可能な記録装置において、前記装着部に装着された前記インクタンクを往復移動させて、前記撹拌部材を慣性力により揺動させる移動手段を備えることを特徴とする。
【0019】
なお、攪拌部材とは、インクよりも比重が大きく、インクタンクの移動による慣性力によってインク中を移動できる重量/剛性を具えた部材を示す。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、インク収納室の内壁の近傍位置に撹拌部材を揺動自在に支持し、その内壁に最も近接するように撹拌部材が揺動したときに、それらの内壁と撹拌部材との対向面間に所定の隙間を形成する。これにより、それらの対向面間においてインクを挟み込むようにして、強いインクの流れを形成することができる。しかも、撹拌部材が内壁から離間する方向に揺動するとき、それらの対向面間に形成される隙間にインクが流れ込むため、撹拌部材を適確に揺動させることができる。
【0021】
これらの結果、インク収納室内のインクを効率よく撹拌することできると共に、そのインクタンク内のインクの濃度を均一化して高品位の画像を記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
(記録装置の構成)
図13および図14は、本発明を適用可能なインクジェット記録装置の構成例を説明するための図である。
【0023】
本例のインクジェット記録装置は、図13のように、装置本体M1000、給送部M3022、および排出トレイM1004等から構成される。装置本体M1000は、図14のように、シャーシM3019と記録動作機構等から構成されており、その記録動作機構は、矢印Aの主走査方向に往復移動可能なキャリッジM4001を含む。キャリッジM4001には、インクを収納するインクタンクと、そのインクタンクから供給されるインクを複数のインク吐出口から吐出可能なインクジェット記録ヘッドと、が搭載される。インクタンクは、記録ヘッドと一体化してインクジェットカートリッジを構成するものであってもよく、または記録ヘッドと分離可能なものであってもよい。記録ヘッドは、例えば、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などを用いてインクを吐出することができる。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によってインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインクを吐出させることができる。給送部M3022から給送される記録シート(記録媒体)は、主走査方向と交差する矢印Bの副走査方向に搬送される。
【0024】
記録シートに画像を記録する際には、記録動作と搬送動作とを繰り返す。記録動作においては、記録ヘッドがキャリッジ4001およびインクタンクと共に主走査方向に移動しつつ、インク吐出口からインクを吐出する。搬送動作においては、記録シートを副走査方向に所定量搬送する。このような記録動作と搬送動作とを繰り返すことによって、記録シート上に順次画像を記録する。
【0025】
このようなインクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速記録や様々な記録媒体に対しての記録が可能である。さらに、記録時における騒音がほとんど生じないため、プリンター、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機等の記録機構を担う装置として広く採用されている。
【0026】
(インクタンクの構成)
図1は、本発明の第1の実施形態におけるインクタンクの分解斜視図、図2は、そのインクタンクの内部構成を説明するための斜視図、図3は、そのインクタンクの外観構成を説明するための斜視図である。図4(a)から(d)は、そのインクタンクの撹拌動作を説明するための図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【0027】
インクタンクT2000はインクを収納する容器であり、図2に示すように、容器本体T2017と蓋部材T2018とによって筐体が構成され、その内部には、後述するインク収納室T2001が形成されている。インクタンクT2000の底面には、記録ヘッド(不図示)にインクを供給するためのインク供給口T2002が設けられている。
【0028】
インクタンクT2000には、容器本体T2017、ばね部材T2005、板部材T2022、可撓性フィルムT2004、蓋部材T2018、メニスカス形成部材T2020、押え板T2021、および攪拌部材T2015などが含まれる。容器本体T2017は、例えば、ポリプロピレンなどの材料によって形成されている。図1および図4に示すように、容器本体T2017の底部にはメニスカス形成部材T2020が備えられ、その外側に、押え部材T2021が取り付けられている。メニスカス形成部材T2020は、例えば、ポリプロピレンの繊維材料から形成されて毛細管力を有する毛管部材、または、その毛管部材とフィルター部材とを組み合わせたものである。そのフィルター部材は、例えば、透過寸法15〜30μm程度であり、その材質はステンレス材料やプリプロピレン等である。メニスカス形成部材T2020と容器本体T2017の内部は、インク流路T2019によって連通されて、外部から後述のインク収納室T2001内に気泡が侵入しないように、インクのメニスカスを形成する。
【0029】
容器本体T2017は、その開口周縁部T2016に可撓性フィルムT2004を溶着することにより、インクi5000を収納するためのインク収納室T2001が形成される。可撓性フィルムT2004は、例えば、ポリプロピレンの薄膜を含むフィルム部材(厚み20〜100μm程度)である。ばね部材T2005は、板部材T2022を介して可撓性フィルムT2004を外方に付勢しており、これにより、インク収納室T2001に負圧が発生している。容器本体T2017の内面には、ばね部材T2005の位置を規制するための凹部T2038が形成されている。ばね部材T2005と板部材T2022は、例えば、ステンレス材料により形成されている。容器本体T2017の開口部に蓋部材T2018を取り付けることにより、外方に凸型となる可撓性フィルムT2004が保護される。蓋部材T2018には、大気連通部(不図示)が形成されており、インク収納室T2001の外側を大気圧としている。
【0030】
インク収納室T2001内のインクが記録ヘッドへ供給されて消費されると、ばね部材T2005の圧縮を伴って可撓性フィルムT2004が撓み、インク収納室T2001の容積が減少していく。板部材T2022には、後述の支持部材T2023との干渉を避けるための開口T2027が形成されている。容器本体T2017には、板部材T2022と後述の攪拌部材T2015との干渉を避けるために、攪拌部材T2015の全体を収納可能な凹部T2033が形成されている。これにより、インク収納室T2001の容積が減少して、板部材T2022が容器本体T2017の内壁に接触するまで、インク収納室T2001内のインクi5000を消費することが可能となっている。凹部T2033は、少なくとも攪拌部材T2015の一部を収納するものであってもよい。
【0031】
(攪拌機構の構成)
インク収納室T2001内には、インクを撹拌するための攪拌機構が備えられている。本例においては、ばね部材T2005を挟んで位置する2つの攪拌機構を備えている。この攪拌機構は、容器本体T2017の内壁に設けられた支持部材T2023と、攪拌部材T2015と、から構成されている。支持部材T2023は、攪拌部材T2015の一端側を支持する。この支持部材T2023は、装置本体M1000におけるキャリッジM4001の移動方向(矢印A方向)に沿って延在する軸部と、その先端の抜け止め部T2024と、から構成される。支持部材T2023は、例えば、樹脂材料からなる容器本体T2017に形成されたボスであり、その先端部に、熱加工により広げたリベット状の抜け止め部T2024が形成されている。 なお、攪拌部材とは、インクよりも比重が大きく、インクタンクの移動による慣性力によってインク中を移動できる重量/剛性を具えた部材を示す。
【0032】
本例の攪拌部材T2015は、その一端側に、支持部材T2023と係合する凹部T2025が形成された板部材である。また本例の攪拌部材T2023は、ステンレス材料により形成されている。しかし、攪拌部材T2023の成形材料はこれに限られるものではなく、比重がインクよりも大きければ樹脂材料等であっても良い。
【0033】
支持部材T2023の軸部は、攪拌部材T2015の凹部T2025と隙間をもってはまり合って、抜け止め部T2024は、攪拌部材T2015が厚み方向に移動する隙間を形成するように設けられている。2本の支持部材T2023は、攪拌部材T2015の2箇所に形成された凹部T2025を挟むことにより、その攪拌部材T2015を移動自在に支持している。本例においては、支持部材T2023を水平方向に2本、平行に設けることにより、後述するように、攪拌部材T2015が厚み方向に回動(揺動)する際に回動中心軸が生じて、インクを効果的に攪拌することができる。
【0034】
仮に、支持部材T2023が1本だけの場合には、攪拌部材T2015が1点で支持されることになり、攪拌部材T2015が厚み方向に回動する際に回動中心軸が生じずに、攪拌部材T2015は自由自在に移動することになる。そのため攪拌部材T2015は、インク収納室T2001内で移動する際に、インクの抵抗を受け難い角度で動くことになり、インクを充分に攪拌することができなくなる。
【0035】
攪拌部材T2015の一端側は、2本の支持部材T2023によって容器本体T2017に支持される。これにより、攪拌部材T2015は、支持部材T2023の長手方向に沿って直線的に移動自在であり、かつ支持部材T2023上の支点を中心として回動自在である。
【0036】
また、容器本体T2017に形成された凹部T2033には、段差を形成する凸部T2034が設けられている。凸部T2034は、攪拌部材T2015と容器本体T2017との接触面積を減らすと共に、攪拌部材T2015と容器本体T2017との間に隙間を形成することを目的として設けられている。本例では、凸部T2034として半球状の突起が2つ設けられている。しかし凸部T2034は、その目的を果たすことができればよく、その形状や数などは限定されない。また凸部T2034は、図7に示すように、容器本体T2017と接触する攪拌部材T2015の面に設けることによっても同様の効果を得ることができる。
【0037】
凹部T2033内に位置する攪拌部材T2015は、その凹部T2033側の凸部T2034、または図7のような攪拌部材T2015側の凸部T2034によって、凹部T2033から離れる方向に持ち上げられる。したがって、凹部T2033内に攪拌部材T2015を収納するために、凹部T2033の深さは、攪拌部材T2015の厚みに凸部T2034の高さを加えた以上に大きく設定されている。
【0038】
また、本例における凹部T2033の一部には、図4(a)中の範囲L1に渡って斜面が形成されている。このような斜面を形成する目的の1つは、凹部T2033の形成によって肉薄となる容器本体T2017の部分を極力厚くして、容器本体T2017の強度を向上させることである。また他の目的は、容器本体T2017と攪拌部材T2015との間に形成される空間を極力小さくして、その空間内に残存する使用不能なインク量を減少させることにある。このような目的のために形成される斜面は、凹部T2033の下端にまで及ぶ範囲L2に渡って形成してもよい。
【0039】
(攪拌機構の動作)
図4(a)〜(d)は、攪拌部材T2015の動作を説明するための図3中のIV−IV線に沿う断面図である。図5(a)は、図4(a)におけるVa部の拡大図、図5(b)は、図4(b)におけるVb部の拡大図である。
【0040】
図4(a)は、攪拌部材T2015の第1の状態を示している。装置本体M1000のキャリッジM4001の一方向の移動に伴って、インクタンクT2000が矢印C1方向に移動した場合、インク収納室T2001内の攪拌部材T2015は、慣性力により凹部T2033の内面の一部と凸部T2034に押し付けられる。
【0041】
図4(b)は、攪拌部材T2015の第2の状態を示している。キャリッジM4001は往復運動をするため、ある位置において反転して他方向に移動し始める。キャリッジM4001が他方向に移動し始めることにより、インクタンクT2000は矢印C2方向に移動を始める。その際、慣性力により、攪拌部材T2015の自由端側(下端側)が支持部材T2023を中心として矢印D1方向の回動(揺動)を始める。その回動は、攪拌部材T2015の凹部T2025と支持部材T2023の軸部との間の隙間によって許容される。また、その回動の支点は、図5(a),(b)に示すように、攪拌部材T2015と支持部材T2023との接触部G1となる。
【0042】
仮に、図6(a),(b)のように、支持部材T2023よりも上方に位置する攪拌部材T2015の部分が容器本体T2017の内壁に接触する構成であった場合には、攪拌部材T2015の回動や移動が妨げられるおそれがある。それは、攪拌部材T2015の回動の支点が攪拌部材T2015と容器本体T2017との接触部G2となるからである。すなわち、攪拌部材T2015が矢印D1方向に回動するためには、攪拌部材T2015が支持部材T2023の上面を距離Hほど擦れながら移動することになり、それらの間に摩擦力が生じる。この摩擦力は、攪拌部材T2015の回動および移動(支持部材T2023の軸部に沿う移動)の妨げとなる。
【0043】
これに対して、本実施形態においては、図5(a),(b)のように凹部T2033の一部T2033aが深く形成されている。そのため、図5(a)の状態において、支持部材T2023よりも上方に位置する攪拌部材T2015の部分は、容器本体T2017の内壁に接触しない。このような構成により、攪拌部材T2015の回動の支点は、必ず攪拌部材T2015と支持部材T2023との接触部G1となる。その接触部G1において生じる摩擦力は、攪拌部材T2015の回動および移動に影響しない程度に小さく、攪拌部材T2015はよりスムーズに動作することになる。
【0044】
次に、攪拌部材T2015が矢印D1方向に回動を始めると同時に、凸部T2034によって攪拌部材T2015と容器本体T2017との間に形成された隙間には、図4(b)中の矢印F1のようにインクi5000が流れ込む。このとき、凸部T2034によって形成される攪拌部材T2015と容器本体T2017との間の隙間が小さ過ぎた場合には、その隙間に流れ込むインクi5000に抵抗力が生じる。この抵抗力は、支持部材T2023の軸部に沿う攪拌部材T2015の移動の妨げとなる。本実施形態においては、凸部T2034の高さ寸法を調整することにより、攪拌部材T2015と容器本体T2017との間の隙間を最適に設定して、その抵抗力を攪拌部材T2015の移動に影響しない程度に小さくすることができる。この結果、攪拌部材T2015をよりスムーズに動作させることができる。
【0045】
図4(c)は、攪拌部材T2015の第3の状態を示している。インクタンクT2000が矢印C2方向にさらに移動すると、慣性力により、攪拌部材T2015の基端部側(支持部材T2023側の端部)も矢印C2方向に移動し始める。つまり、攪拌部材T2015全体が支持部材T2023の軸部に沿って矢印E1の方向に移動する。これにより、攪拌部材T2015の基端部が容器本体T2017の内壁から離れる。そして、その基端部が抜け止め部T2024に突き当たると、攪拌部材T2015の自由端側は、さらに矢印D2のように回動する。インクi5000は、攪拌部材T2015の基端部側が矢印E1に移動して生じた隙間(攪拌部材T2015と容器本体T2017との間の隙間)へ矢印F2のように流れ込む。
【0046】
図4(d)は、攪拌部材T2015の第4の状態を示している。キャリッジM4001が反転して再び一方向に移動し始めると、そのキャリッジM4001と共にインクタンクT2000が矢印C1方向に移動し始める。これにより、まずは、攪拌部材T2015の自由端側が慣性力により動き出し、それが支持部材T2023を中心に矢印D3方向に回動して、容器本体T2017の内壁に接触する。続けて、攪拌部材T2015の基端部側が支持部材T2023の軸部に沿って矢印E2方向に移動する。攪拌部材T2015が容器本体T2017の内壁に近づくにしたがって、それらの間に介在していたインクi5000は矢印F3のように移動する。
【0047】
このような攪拌部材T2015の回動および移動によって、第4の状態から前述した図4(a)の第1の状態に戻る。攪拌部材T2015と容器本体T2017の内壁が接触もしくは近接することにより、インクi5000は矢印F4のように移動する。
【0048】
このように、攪拌部材T2015は、キャリッジM4001の往復運動に伴って、第1から第4の状態を繰り返してインクi5000を撹拌する。つまり、攪拌部材T2015は、装置本体に備わるキャリッジM4001の移動により発生する慣性力を利用して、攪拌動作をする。
【0049】
このような攪拌動作において、攪拌部材T2015と支持部材T2023との間に生じる摩擦抵抗は、次のような攪拌部材T2015の動作を可能とする。すなわち、キャリッジM4001が一方または他方に移動した際に、まずは、攪拌部材T2015の自由端側が先行して回動し、それから、その基端部側が支持部材T2023の軸部に沿って移動する。このような攪拌部材T2015の動作は、ポンプ効果を生み出して、インク収納室T2001のインクを循環させることになる。さらに、本例の攪拌部材T2015は、その大きく動く自由端部が鉛直方向の下側に位置することにより、インク収納室T2001内の下側に沈降したインクの顔料成分を攪拌しやすくなる。このような攪拌部材T2015の自由端部による撹拌と、攪拌部材T2015のポンプ効果と、によって、インク収納室T2001のインク全体を充分に撹拌することができる。
【0050】
また、攪拌部材T2015の動作の妨げとなる摩擦力を小さくすることにより、それをスムーズに動作させて効率的な攪拌を行うことが可能となる。さらに、容器本体T2017の内壁を一定量掘り込んで形成した凹部T2033内に、撹拌部材T2015を収納することにより、インク収納室T2001のインクをほぼ完全に使い切ることができる。つまり、板部材T2022は、容器本体T2017の内壁に接近して、インク収納室T2001のインクが使い切られるときの位置まで移動することが可能となる。
【0051】
また、インクタンクの物流時、および小売店やユーザーにおける保管時には、図8に示すように、インクタンクT2000が容器本体T2017側を下向きにして長時間放置される場合もある。このような場合にも図9に示すように、凸部T2034によって、容器本体T2017と撹拌部材T2015との間に隙間が形成されるため、攪拌部材T2015が容器本体T2017に密着することがない。したがって、このようなインクタンクT2000を記録装置に装着した直後から、攪拌部材T2015の攪拌動作を行うことが可能となる。
【0052】
このように、本実施形態のインクタンクは、インク収納室内の顔料インクを簡易な構成で効率良く攪拌させて、顔料成分の濃度を均一化することができ、さらに使用不可能となるインク量を減少させることができる。これらの結果、高品位の画像を記録することができ、かつインクを無駄なく消費して環境にやさしいインクタンクおよびインクジェット記録装置を安価に提供することができる。
【0053】
[第2の実施形態]
図10〜図12は、本発明の第2の実施形態におけるインクタンクの説明図である。本実施形態は、攪拌機構の構成の一部および動作が前述した第1の実施形態と異なる。それ以外は、第1の実施形態と共通しているため、その説明は省略する。
【0054】
(攪拌機構の構成)
第1の実施形態と同様に、インクタンクのインク収納室T2001内には、ばね部材T2005を挟んで2つのインクの攪拌機構が備えられている。2つの攪拌機構は同形状であって同様に動作するため、以下においては、一方の攪拌機構のみについて説明する。
【0055】
図10は、本例の攪拌機構を説明するための要部の分解斜視図である。
【0056】
本例における攪拌機構は、容器本体T2017の内壁に設けられた凹部T2033、凸部T2034、流路T2035、および支持部T2036と、その支持部T2036に支持される攪拌部材T2015と、から構成されている。凹部T2033および凸部T2034については、前述の第1の実施形態と同様のため説明を省略する。
【0057】
本例の攪拌部材T2015は板部材であり、その一端側に、容器本体T2017の支持部T2036と係合する支点軸T2037を有する。また、本例の攪拌部材T2015はステンレス材料により形成されているが、その材料は、これに限られるものではなく、比重がインクよりも大きければ樹脂材料等であっても良い。
【0058】
支持部T2036は、攪拌部材T2015の支点軸T2037を回動可能に保持するためのアンダーカット部を有している。その支持部T2036に、攪拌部材T2015の支点軸T2037を強く押し込んではめ込むことにより、攪拌部材T2015は、インクタンクの製造後の物流時や使用時においても外れることはない。支持部T2036と支点軸T2037との間には、その支点軸T2037の径方向における微小な隙間が形成されている。これにより支持部T2036は、支点軸T2037を中心とする攪拌部材T2015回動を阻害することはない。
【0059】
本実施形態においては、凹部T2033内に、重力方向において支持部T2036よりも上方にまで延在するように流路T2035が形成されている。本例の流路T2035は、その最深部が凹部T2033と同じ深さに位置し、その平面形状は四角形である。しかし、流路T2035の形状はこれに限られず、凹部T2033からインク収納室T2001の上層部にまで延在する形状であればよい。
【0060】
(攪拌機構の動作)
図11(a),(b),(c)は、撹拌部材T2015の動作を説明するための断面図である。
【0061】
図11(a)は、攪拌部材T2015の第1の状態を示している。装置本体M1000のキャリッジM4001の一方向の移動に伴って、インクタンクT2000が矢印C1方向に移動した場合、攪拌部材T2015は、慣性力により凹部T2033の一部と凹部T2033内の凸部T2034に押し付けられる。凸部T2034によって、攪拌部材T2015と容器本体T2017との間には隙間が形成されている。
【0062】
図11(b)は、攪拌部材T2015の第2の状態を示している。キャリッジM4001は往復運動を行うため、ある位置において反転して他方向に移動し始め、これに伴ってインクタンクT2000が矢印C2方向に移動し始める。その際、慣性力により、攪拌部材T2015の自由端側が支点軸T2037を中心として矢印D1方向の回動を始める。その回動は、攪拌部材T2015の支点軸T2037と支持部T2036との隙間によって許容される。このような攪拌部材T2015の回動に伴って、攪拌部材T2015と容器本体T2017との間の隙間が拡大し、その隙間には、図9(b)中の矢印F1のようにインクi5000が流れ込む。
【0063】
図11(c)は、攪拌部材T2015の第3の状態を示している。キャリッジM4001が反転して再び一方向に移動し始めることにより、インクタンクT2000が再び矢印C1方向の移動を始める。その際、慣性力により、攪拌部材T2015の自由端側が支点軸T2037を中心として矢印D2方向の回動を始める。そして、攪拌部材T2015が容器本体T2017の内壁に近づくにしたがって、それらの間に介在しているインクi5000は、矢印F2、F3のように移動する。
【0064】
このような攪拌部材T2015の回動によって、第3の状態から第一の状態に戻る。攪拌部材T2015は、キャリッジM4001の往復運動に伴って、第1から第3の状態を繰り返してインクi5000を撹拌する。
【0065】
流路T2035は、重力方向において支持部T2036よりも上方の位置にまで延在するように形成されているため、図11(c)の状態において矢印F3のようなインクの流れを形成する。このようなインクの流れにより、より多くのインクi5000をインク収納室T2001の上層部へ誘導させることが可能となり、より効率的にインクi5000を攪拌することができる。また、本実施形態における攪拌機構は、攪拌部材T2015の回動支点を定位置に固定的に設定した構成となっている。しかし、その攪拌部材T2015の回動支点は、前述した第1の実施形態のように移動可能に設定してもよく、この場合にも同様に効果を得ることができる。
【0066】
図12は、流路T2035の変形例を説明するための図である。
【0067】
本例の流路T2035における上方側の幅W2は、その下方側の幅W1よりも小さく設定されており、流路T2035の幅は、インク収納室T2001の上層部側に近付くほど狭くなっている。これにより、流路T2035におけるインク進入部の断面積S1とインク排出部の断面積S2との関係は、S1>S2となっている。前者の断面積S1は、図11(b)中の矢印F1のようにインクが進入するときの流路T2035の下方側の断面積である。一方、後者の断面積S2は、図11(c)中の矢印F3のようにインクが排出されるときの流路T2035の上方側の断面積である。このように形成された流路T2035は、図11(c)のようにインクi5000が流路T2035内を通過して矢印F3方向に移動するときに、インクi5000の流速を高めて、攪拌効率をさらに向上させることができる。
【0068】
このように本実施形態におけるインクタンクは、攪拌部材の回動支点が固定的に設定された攪拌機構を備える。本実施形態のインクタンクは、前述した実施形態と同様に、インク収納室内の顔料インクを簡易な構成で効率良く攪拌させて、顔料成分の濃度を均一化することができ、さらに使用不可能となるインク量を減少させることができる。これらの結果、高品位の画像を記録することができ、かつインクを無駄なく消費して環境にやさしいインクタンクおよびインクジェット記録装置を安価に提供することができる。
【0069】
[他の実施形態]
前述した実施形態においては、撹拌部材がインクタンクの内壁との間に所定の隙間を確保するために、インクタンクの内壁に凸部を設けた。しかし、その隙間を確保するための構成は特に限定されるものではなく、要は、撹拌部材がインクタンクの内壁に最も接近したときに、それらの間に所定の隙間を形成することができればよい。例えば、撹拌部材またはインクタンクの内壁の少なくとも一方に突起部や段差を設けてもよい。
【0070】
また撹拌部材の揺動中心(回動中心)は特に限定されるものではなく、インクタンクの使用姿勢におけるほぼ水平方向の他、ほぼ鉛直方向であってもよい。
【0071】
また本発明は、インクジェット記録方式の他、種々の記録方式に用いられるインクタンクおよび記録装置として、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるインクタンクの分解斜視図である。
【図2】図1のインクタンクにおける容器本体の拡大斜視図である。
【図3】図1のインクタンクの外観斜視図である。
【図4】(a),(b),(c),(d)は、図1のインクタンクにおける攪拌部材の動作を説明するための図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】(a)は、図4(a)中におけるVa部分の拡大図、(b)は、図4(b)中におけるVb部分の拡大図である。
【図6】(a),(b)は、図5(a),(b)に対応する比較例の説明図である。
【図7】図1のインクタンクにおける攪拌部材の変形例を説明するための斜視図である。
【図8】図1のインクタンクの放置姿勢の一例を説明するための斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるインクタンクの要部の分解斜視図である。
【図11】(a),(b),(c),(d)は、図10のインクタンクにおける攪拌部材の動作を説明するための断面図である。
【図12】図10のインクタンクにおける流路の変形例を説明するための要部の分解斜視図である。
【図13】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の斜視図である。
【図14】図13のインクジェット記録装置における内部の機構部分の斜視図である。
【符号の説明】
【0073】
M1000 記録装置
M4001 キャリッジ
T2000 インクタンク
T2001 インク収納室
T2002 インク供給口
T2004 可撓性フィルム
T2005 ばね部材
T2015 攪拌部材
T2017 容器本体
T2018 蓋部材
T2023 支持部材
T2024 抜け止め部
T2025 凹部
T2033 凹部
T2034 凸部
T2035 流路
T2036 支持部
T2037 支点軸
T2038 凹部
i5000 インク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収納可能なインク収納室内に撹拌部材が揺動自在に支持され、前記インク収納室内のインクをインク供給口から外部に供給可能なインクタンクにおいて、
前記インク収納室を形成する内壁の近傍位置に設けられて、前記撹拌部材を前記内壁に対して近接および離間する方向に揺動自在に支持する支持部と、
前記撹拌部材が前記内壁に最も近接したときに、前記撹拌部材と前記内壁との対向面間に所定の隙間を形成するように前記撹拌部材の位置を規制する規制手段と、
を備えることを特徴とするインクタンク。
【請求項2】
前記規制手段は、前記撹拌部材と前記内壁との対向面の少なくとも一方に設けられた突起を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
【請求項3】
前記内壁に、前記撹拌部材が前記内壁に最も近接したときに前記撹拌部材の少なくとも一部を収納する凹部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のインクタンク。
【請求項4】
前記内壁に、前記撹拌部材と前記内壁との間に介在するインクの流れを導く溝部を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項5】
前記溝部は、前記支持部の方向にインクの流れを導くことを特徴とする請求項4に記載のインクタンク。
【請求項6】
前記溝部は、前記支持部の方向に向かうにしたがって断面積が小さくなることを特徴とする請求項5に記載のインクタンク。
【請求項7】
前記内壁と対向する前記インク収納室の対向内壁は、前記インク収納室内におけるインク量の減少に伴って前記内壁に接近することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項8】
前記対向内壁を構成する可撓性部材と、
前記可撓性部材を前記内壁から離間させる方向に付勢する付勢手段と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載のインクタンク。
【請求項9】
前記インク供給口は、前記インクタンクが所定の装着姿勢のときに記録装置のインク供給路に接続可能であり、
前記支持部は、前記インクタンクが前記装着姿勢のときに、ほぼ水平方向の軸線を中心として前記撹拌部材の上端部を揺動自在の支持する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項10】
前記インク収納室内に、顔料成分を含む顔料インクを収納してなることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のインクタンク。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のインクタンクを装着可能な装着部を備え、前記装着部に装着された前記インクタンクの前記インク供給口から供給されるインクを用いて、記録媒体上に画像を記録可能な記録装置において、
前記装着部に装着された前記インクタンクを往復移動させて、前記撹拌部材を慣性力により揺動させる移動手段を備えることを特徴とする記録装置。
【請求項12】
前記移動手段によって往復移動可能なキャリッジを備え、
前記キャリッジは、前記装着部を備え、かつ前記インクタンクから供給されるインクを前記記録媒体に付与可能な記録ヘッドの装着が可能である
ことを特徴とする請求項11に記載の記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−69351(P2007−69351A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255427(P2005−255427)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】