説明

インサート成形体およびその製造方法

【課題】金型の空室内に注入した樹脂が漏れなく、またコンタクトをベース部材に確実に保持させる。
【解決手段】インサート成形体はコンタクトを有する金属製のインサート部材1とインサート部材1を保持する合成樹脂製ベース部材2からなる。コンタクトを有する電球ホルダー3aは板状のベース部材2に埋設される帯状の埋設部材31を備えており、埋設部材31は板状のベース部材2と平行にかつ内面がベース部材2を構成する底部21の内面21aと面一になるように埋設される板状の平板部材311と、平板部材311の端縁部に連設され、かつベース部材2中に埋設される半円筒状の湾曲部材312a、312bとを備えている。湾曲部材312a、312bの端縁部には平板部材311と直交するように帯状の平坦部材33a、33bに連設する。このインサート部材1の露出部となる平坦部材33a、33bから端縁部の弾性片34a、34bを入れ子に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインサート成形体およびその製造方法に係わり、特に、インサート部品に金属製の弾性片を有するインサート成形体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のインサート成形体としては、例えば図32に示すように、合成樹脂製のベース部材100と、当該ベース部材100にインサート成形によって保持された金属製のコンタクト200とから成るものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このコンタクト200は、導電性及び弾性を有する帯状の金属材料を略U字状に折曲して成る電球ホルダー300を備えており、当該電球ホルダー300は、ベース部材100に埋設される板状の平板部材310と、図示しない電球を挟持する一対の弾性片320a、320bとを備えている。
【0004】
【特許文献1】特許第3062913号公報(段落番号「0016」〜「0028」、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような構成のインサート成形体においては、次のような難点があった。
【0006】
第1に、コンタクト200を構成する板状の平板部材310がベース部材100にベース部材100の上面と平板部材310の上面とが面一になるように並行に埋設され、平板部材310がベース部材100に対して強固に保持されていないことから、電球の交換時等において、電球ホルダー300に引抜力が作用すると、当該引抜力によって、平板部材310がベース部材100から剥がれるおそれがあった。
【0007】
第2に、インサート部品としての電球ホルダー300の平板部材310の板厚が薄いため(0.05mm程度)、当該電球ホルダー300を金型内にインサートして金型内に樹脂を注入すると、平板部材310が注入時における樹脂圧で変形するおそれがあった。
【0008】
第3に、このような構成の電球ホルダー300においては、一対の弾性片320a、320bが存在することから、インサート成形するに当たり、金型内に一対の弾性片320a、320bを取り囲む入れ子を配置して電球ホルダー300の一対の弾性片320a、320bと金型内に注入される樹脂との接触を遮断する必要があるところ、単に、一対の弾性片320a、320bを入れ子で取り囲む構成では、電球ホルダー300の平板部材310と入れ子との間隙から金型内に注入した樹脂が入れ子内に流出するおそれがあった。
【0009】
本発明は、上述の難点を解消するためになされたもので、第1に、金型内に注入した樹脂が金型の空室内に漏れるおそれがなく、第2に、インサート部品としてのコンタクトをベース部材に確実に保持させることができ、第3に、インサート成形時の樹脂圧でコンタクトが変形するおそれのないインサート成形体およびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるインサート成形体は、金属製のインサート部材と、インサート部材を保持するベース部材とを備え、インサート部材は、ベース部材に埋設される帯状の埋設部材と、一端縁部が埋設部材の端縁部に埋設部材と直交するように連設される帯状の平坦部材と、平坦部材の他端縁部に垂設される弾性片とを備えるものである。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様であるインサート成形体において、埋設部材は、ベース部材に埋設される平板部材と、一端縁部が平板部材の端縁部に連設されベース部材に埋設される半円筒状の湾曲部材とを備えるものである。
【0012】
本発明の第3の態様であるインサート成形体は、金属製のインサート部材と、インサート部材を保持するベース部材とを備え、インサート部材は、ベース部材に保持される帯状の平板部材と、一端縁部が平板部材の端縁部に平板部材と直交するように連設される帯状の平坦部材と、平坦部材の他端縁部に垂設される弾性片と、平板部材のベース部材に接する側に積層される平板状の補強部材とを備えるものである。
【0013】
本発明の第4の態様は、第3の態様であるインサート成形体において、平板部材には第1の穿設孔が設けられ、補強部材には、第1の穿設孔と対応する位置に第2の穿設孔が設けられているものである。
【0014】
本発明の第5の態様であるインサート成形体の製造方法は、金型内にインサート部材をインサートし、金型内に樹脂を注入して、インサート部材とベース部材とを一体化するに当たり、金型内に第1の態様または第2の態様の平坦部材および弾性片を囲む入れ子が配設され、平坦部材の外面は、入れ子のキャビティの内壁面に当接され、入れ子のキャビティの開口部は、第1の態様または第2の態様の埋設部材で密閉されているものである。
【0015】
本発明の第6の態様であるインサート成形体の製造方法は、金型内にインサート部材をインサートし、金型内に樹脂を注入して、インサート部材とベース部材とを一体化するに当たり、金型内に第3の態様または第4の態様の平坦部材および弾性片を囲む入れ子が配設され、
前記平坦部材の外面は、前記入れ子のキャビティの内壁面に当接され、
前記入れ子のキャビティの開口部は、第3の態様または第4の態様の平板部材で密閉されているものである。
【0016】
本発明の第7の態様は、第5の態様であるインサート成形体の製造方法において、入れ子は、金型のパーティグラインから上方に向けて突出された半円状の山形部を備え、山形部は、入れ子のキャビティの内壁面と面一の外壁面を備え、湾曲部材の内面は、山形部の外面に当接され、平坦部材の外面は、入れ子のキャビティの内壁面に当接されているものである。
【0017】
本発明の第8の態様は、第5の態様であるインサート成形体の製造方法において、入れ子は、金型内に配置される入れ子本体と、入れ子本体のキャビティ内に挿脱自在に装填されるコマ本体とを備え、コマ本体は、金型のパーティグラインから上方に向けて突出された半円状の山形部を備え、山形部は、入れ子のキャビティの内壁面と面一の外壁面を備え、湾曲部材の内面は、山形部の外面に当接され、平坦部材の外面は、入れ子本体のキャビティの内壁面に当接されているものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1の態様乃至第4の態様のインサート成形体および第5の態様乃至第8の態様のインサート成形体の製造方法によれば、次のような効果を奏する。
【0019】
第1に、金型内に例えば電球ホルダーの平坦部材および弾性片を囲む入れ子が配設され、平坦部材の外面がキャビティの内壁面に、コマ本体の外壁面がキャビティの内壁面当接され、かつ、埋設部材を構成する平板部材の内面がコマ本体の上面に、湾曲部材の内面が山形部の外面に当接されることで、埋設部材の内面が樹脂金型(コマ本体)と密着して、入れ子のキャビティの開口部が密閉されることから、この状態において、射出成形機の金型内に合成樹脂を射出することにより、金型の空室内に樹脂が漏れるおそれがなくなる。
【0020】
第2に、例えば電球ホルダーの湾曲部材の内面側および外面側に樹脂が充填されることで、すなわち、湾曲部材がベース部材中に埋設されて湾曲部材がベース部材で完全に固定されることで、従来のように、電球の交換時等において、電球ホルダーから電球を取り出す際に引抜力が作用しても、当該引抜力により埋設部材がベース部材から剥がれるおそれがなくなる。
第3に、湾曲部材のR形状部分の存在により、金型内に注入される樹脂が当該R形状部分において分散されることから、湾曲部材の端縁側方向の補強になるとともに、金型の空室部分の樹脂圧に対する支持補強の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のインサート成形体およびその製造方法を適用した好ましい実施の形態例について、図面を参照して詳述する。
[実施例1]
図1は、本発明をバニティミラー用ランプボデイに適用したインサート成形体の斜視図を示している。
【0022】
同図(a)において、本発明のインサート成形体は、金属製のインサート部材1と、インサート部材1を保持するポリアミド樹脂(ナイロン66)やABS樹脂等の合成樹脂材料から成るベース部材2とを備えている。
【0023】
インサート部材1は、図1(b)に示すように、第1のコンタクト1aと、第1のコンタクト1aと対を成す第2のコンタクト1bと、スイッチの開閉接点部を構成する一方の接触片から成る第3のコンタクト1cと、スイッチの開閉接点部を構成する他方の接触片から成る第4のコンタクト1dとを備えている。これらの第1〜第4のコンタクト1a〜1dは、導電性及び弾性を有する金属材料、例えば、リン青銅、ステンレス鋼若しくは黄銅等で形成されており、後述するキャリアを介して一体化され、完成品の状態においては、絶縁性の合成樹脂等から成るベース部材2を介してそれぞれ相互に絶縁されている。
【0024】
第1のコンタクト1aは、電球(不図示)の一方の口金部を把持するための電球ホルダー(以下「第1の電球ホルダー」という。)3aを備え、また、第2のコンタクト1bは、電球の他方の口金部を把持するための電球ホルダー(以下「第2の電球ホルダー」という。)3bを備えている。ここで、第1、第2の電球ホルダー3a、3bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の電球ホルダー3aの構成について説明する。
【0025】
先ず、第1の電球ホルダー3aは、帯状のコンタクトの両端部を折曲することにより全体として側面視で略U字状を呈している。具体的には、図2(a)〜(d)に示すように、板状のベース部材2に埋設される帯状の埋設部材31を備えており、当該埋設部材31は、板状のベース部材2にベース部材2と平行にかつそれ自身の内面(図中下部)がベース部材2を構成する底部21の内面21a(図中下部)と面一になるように埋設される板状の平板部材311と、平板部材311の一端縁部に連設され、かつベース部材2中に埋設される半円筒状の湾曲部材(以下「第1の湾曲部材」という。)312aと、平板部材311の他端縁部に連設され、かつベース部材2に埋設される半円筒状の湾曲部材(以下「第2の湾曲部材」という。)312bとを備えている。ここで、第1、第2の湾曲部材312a、312bの凸面部はベース部材2の外面21b(図中上部)に向けて配設されており、完成品の状態においては、後述するように、ベース部材2としての合成樹脂が第1、第2の湾曲部材312a、312bの内面側および外面側
に充填されている。
【0026】
また、第1の湾曲部材312aの端縁部には平板部材311と直交するように帯状の平坦部材(以下「第1の平坦部材」という。)33aが連設され、第2の湾曲部材312bの端縁部にも平板部材311と直交し、それ自身の平面部が第1の平坦部材33aの平面部と対向するように帯状の平坦部材(以下「第2の平坦部材」という。)33bが連設され、さらに、第1の平坦部材33aの端縁部には弾性を呈する帯状の弾性片(以下「第1の弾性片」という。)34aが図中下方に向かって垂設され、第2の平坦部材33bの端縁部にもそれ自身の平面部が弾性片34aの平面部と対向するように弾性を呈する帯状の弾性片(以下「第2の弾性片」という。)34bが図中下方に向かって垂設されている。ここで、第1、第2の弾性片34a、34bは、次のように、電球(不図示)を挟持し得るように対向して配置されている。すなわち、第1の弾性片34aは、第1の平坦部材33aの端縁部に垂設された斜片(以下「第1の斜片」という。)341aと、第1の斜片の端縁部341aにその凸面部を第2の弾性片34bに向けて連設された半円筒状の湾曲部(以下「第1の湾曲部」という。)342aと、第1の湾曲部342aの端縁部にその端縁部を外方に向けて連設されたテーパ片(以下「第1のテーパ片」という。)343aとを備えており、第2の弾性片34bも、第2の平坦部材33bの端縁部にそれ自身の平面部を第1の斜片341bに向けて垂設された斜片(以下「第2の斜片」という。)341bと、第2の斜片341bの端縁部にそれ自身の凸面部を第1の弾性片34aに向けて連設された半円筒状の湾曲部(以下「第2の湾曲部」という。)342bと、第2の湾曲部342bの端縁部にその端縁部を外方に向けて連設されたテーパ片(以下「第2のテーパ片」という。)343bとを備えている。ここで、第1、第2の斜片341a、341bは、平板部材311から図中下方に向かって対向間隔が緩やかに近づくように傾斜しており、また、第1、第2のテーパ343a、343bは外方に向かって対向間隔が広がるように配置されることで電球のガイド部としての作用を呈するように構成されている。なお、図中、符号23は、後述するピン部材の挿入孔を示している。
【0027】
次に、図3に基づいて、このような構成の第1〜第4のコンタクト1a〜1dを有するインサート成形体を製造する方法について説明する。
【0028】
先ず、図示しないリールに、例えば、厚さが0.3mm程度のリン青銅板から成る金属の薄板(以下「フープ」という。)4が巻収されており、かかるリールからフープ4が矢符方向に引出され、このフープ4にプレス(ピアス、フォーミング)加工が施されて、前述の第1、第2の電球ホルダー3a、3bが得られる。なお、図中、符号4aは位置決め用の孔、4bはキャリアを示している。
【0029】
次いで、このように加工された第1、第2の電球ホルダー3a、3bを含む第1〜第4のコンタクト1a〜1dを、図示しない射出成形機の金型内にインサートして、次のようにして、第1、第2の電球ホルダー3a、3bの第1、第2の平坦部材33a、33bおよび第1、第2の弾性片34a、34bを後述する入れ子5(図4参照)のキャビテイ52(図4参照)内に挿入する。ここで、第1、第2の電球ホルダー3a、3bを挿入する入れ子5はそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の電球ホルダー3aを挿入する入れ子5の構成について説明する。
【0030】
図4おいて、入れ子5は、全体として直方体状を呈している入れ子本体51と、矢符方向から入れ子本体51のキャビテイ52内に挿脱自在に装填されるコマ本体6と、コマ本体6の上部に配置される上部入れ子7とを備えている。なお、符号71は、上部入れ子7に設けられた貫通孔にスプリング(不図示)を介して装着されたピン部材を示している。
【0031】
コマ本体6は、全体として直方体状を呈しており、入れ子本体51のキャビテイ52の内壁面に対応する外壁面を備えている。具体的には、コマ本体6の前面側の外壁面(以下「第1の外壁面」という。)61aは、当該第1の外壁面61aと対向するキャビテイ52の内壁面(以下「第1の内壁面」という。)53aに、背面側の外壁面(以下[第2の外壁面]という。)61bは、当該第2の外壁面61bと対向するキャビテイ52の内壁面(以下「第2の内壁面」という。)53bに、右側(図中右側)の外壁面(以下「第3の外壁面」という。)61cは、当該第3の外壁面61cと対向するキャビテイ52の内壁面(以下「第3の内壁面」という。)53cに、左側(図中左側)の外壁面(以下「第4の外壁面」という。)61dは、当該第1の外壁面61dと対向するキャビテイ52の内壁面(以下「第4の内壁面」という。)53dにそれぞれ当接し得るように構成されている。また、コマ本体6の前面側には、コマ本体6の上面64から下部に向かって第1の電球ホルダー3aを構成する第1の平坦部材33aおよび第1の弾性片34aを装着するための側面視でJ字状の切欠部(以下「前面側切欠部」という。)62aが設けられており、コマ本体6の背面側にも、コマ本体6の上面64から下部に向かって、前面側切欠部62aと対称的な切欠部(以下「背面側切欠部」という。)62bが設けられている。さらに、コマ本体6の前面側でかつ右側の角部(以下「第1の角部」という。)並びに左側の角部(以下「第2の角部」という。)のそれぞれ上部位置には、コマ本体6の前面側から背面側に向かって若干凹むような段差部63a、63b(以下、63aを「第1の段差部」、63bを「第2の段差部」という。)が、コマ本体6の背面側でかつ右側の角部(以下「第3の角部」という。)並びに左側の角部(以下「第4の角部」という。)のそれぞれ上部位置には、コマ本体6の背面側から前面側に向かって若干凹むような段差部63c、63d(以下、63cを「第3の段差部」、63dを「第4の段差部」という。)がそれぞれ設けられている。
【0032】
また、コマ本体6の第1の角部の上部には、第1の湾曲部材312aの一端側の内面を当接するための半円状の山形部(以下「第1の山形部」という。)64aが、第2の角部の上部には、第1の湾曲部材312aの他端側の内面を当接するための半円状の山形部(以下「第2の山形部」という。)64bが、第3の角部の上部には、第2の湾曲部材312bの一端側の内面を当接するための半円状の山形部(以下「第3の山形部」という。)64cが、第4の角部の上部には、第2の湾曲部材312bの他端側の内面を当接するための半円状の山形部(以下「第4の山形部」という。)64dがそれぞれ設けられている。ここで、第1の山形部64aの外壁面(以下「第1の山形部外壁面」という。)641aおよび第3の山形部64cの外壁面(以下「第3の山形部外壁面」という。)641cは、それぞれキャビテイ52の第3の内壁面53cと面一になるように設けられ、第2の山形部64bの外壁面(以下「第2の山形部外壁面」という。)641bおよび第4の山形部64dの外壁面(以下「第4の山形部外壁面」という。)641dは、それぞれキャビテイ52の第4の内壁面53dと面一になるように設けられている。また、第1、第2の山形部64a、64b間には、第1、第2の山形部64a、64bの頂部からコマ本体6の上面64の一端縁側に跨って第1の湾曲部材312aの内面と対応する緩やかなスロープ(以下「前面側スロープ」という。)642aが形成され、第3、第4の山形部64c、64d間にも、第3、第4の前面側山形部64c、64dの頂部からコマ本体6の上面64の他端縁側に跨って第2の湾曲部材312bの内面と対応する緩やかなスロープ(以下「背面側スロープ」という。)642bが形成されている。さらに、第1の山形部64aの前面側の裾野部分は第1の段差部63aの上部に、第2の山形部64bの前面側の裾野部分は第2の段差部63bの上部に、第3の山形部64cの背面側の裾野部分は第3の段差部63cの上部に、第4の山形部64dの背面側の裾野部分は第4の段差部63dの上部にそれぞれ連設されている。なお、第1〜第4の段差部63a〜63dの鉛直方向の長さは、それぞれ対応する第1、第2の平坦部材33a、33bの鉛直方向の長さよりも若干長くされ、また、第1〜第4の段差部63a〜63dの幅寸法はそれぞれ対応する第1、第2の平坦部材33a、33bの板厚と同等とされている。
【0033】
このような構成のコマ本体6は、図5に示すように、入れ子本体51のキャビテイ52内に装填されることで、コマ本体6の第1〜第4の外壁面61a〜61dがそれぞれ対応するキャビテイ52の第1〜第4の内壁面53a〜53dに当接すると共に、コマ本体6の前面側に、前面側切欠部62aとキャビテイ52の第1の内壁面53a間によって区画される空室(以下「前面側空室」という。)8aが形成され、コマ本体6の背面側にも、背面側切欠部62bとキャビテイ52の第2の内壁面53b間によって区画される空室(以下「背面側空室」という。)8bが形成される。さらに、第1、第2の角部の上部位置に、第1、第2の段差部63a、63bの壁面とキャビテイ52の第1の内壁面53a間によって区画される間隙(以下「前面側間隙」という。)9aが形成され、第3、第4の角部の上部位置にも、第3、第4の段差部63c、63dの壁面とキャビテイ52の第2の内壁面53b間によって区画される間隙(以下「背面側間隙」という。)9bがそれぞれ形成されることになる。また、これと共に、入れ子本体51の上面54から、すなわち、金具のパーティグライン上から、第1〜第4の山形部64a〜64d並びに前面側スロープ642aおよび背面側スロープ642bが突出することになる。
【0034】
しかして、矢付方向に搬送される前述のフープ4(図3参照)が射出成形機内にインサートされると、図6に示すように、第1の電球ホルダー3aの第1の弾性片34aが前面側空室8aに、第2の弾性片34bが背面側空室8bに装着されると共に、第1の電球ホルダー3aの第1の平坦部材33aが前面側間隙9aに、第2の平坦部材33bが背面側空室9bにそれぞれ装着される。これにより、図7に示すように、第1の平坦部材33aの外面が第1の内壁面53aに当接され、第2の平坦部材33bの外面が第2の内壁面53bに当接されることになる。また、埋設部材31を構成する平板部材311の内面311aがコマ本体6の上面64(図4参照)に当接されると共に、第1の湾曲部材312aの内面が第1、第2の山形部64a、64bの外面間に跨って当接され、第2の湾曲部材312bの内面も第3、第4の山形部64c、64dの外面間に跨って当接されることになる。
【0035】
以上のように、本発明によれば、金型内に第1の電球ホルダー3aの第1、第2の平坦部材33a、33bおよび第1、第2の弾性片34a、34bを囲む入れ子5が配設され、第1の平坦部材33aの外面がキャビティ52の第1の内壁面53aに、第2の平坦部材33bの外面がキャビティ52の第2の内壁面53bに、コマ本体6の第3の外壁面61cがキャビティ52の第3の内壁面53cに、コマ本体6の第4の外壁面61dがキャビティ52の第4の内壁面53cにそれぞれ当接され、かつ、埋設部材31を構成する平板部材311の内面がコマ本体6の上面64に、第1の湾曲部材312aの内面が第1、第2の山形部64a、64bの外面に、第2の湾曲部材312bの内面が第3、第3の山形部64c、64d(不図示)の外面にそれぞれ当接されることから、すなわち、図6に示すように、第1の電球ホル3aがコマ本体6に装着されることで、図8に示すように、第1、第2の平坦部材33a、33bの外面(図(a)中1−2または3−4間を結ぶ矩形状の稜線部)がキャビテイ52の対応する第1、第2の内壁面53a、53b(図(b)中1−2または3−4間を結ぶ矩形状の稜線部)に当接され、かつ、埋設部材31を構成する平板部材311および第1、第2の湾曲部材312aの内面(図(a)中のハッチング間隔の広い斜線部)がコマ本体6の上面64(図(b)中のハッチング間隔の広い斜線部)に当接され、入れ子5のキャビテイ52の開口部が密閉されることから、この状態において、射出成形機の金型内に合成樹脂を射出することにより、入れ子5のキャビテイ52内(コマ本体の空室)に樹脂が漏れるおそれがなくなる。また、図2(d)に示すように、第1の電球ホルダー1aの第1、第2の湾曲部材312a、312bの内面側と外面側に樹脂が充填されることから、すなわち、第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材2中に埋設されて第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材2で完全に固定されることから、従来のように、電球の交換時等において、第1の電球ホルダー1aから電球を取り出す際に引抜力が作用しても、当該引抜力により埋設部材31がベース部材2から剥がれるおそれがなくなる。さらに、第1、第2の湾曲部材312a、312bのR形状部分の存在により、金型内に注入される樹脂が当該R形状部分において分散されることから、第1、第2の湾曲部材312a、312bの端縁側方向の補強になるとともに、空室部分(前面側空室8a、背面側空室8b)の樹脂圧に対する支持補強の効果を奏することができる。
[実施例2]
図9〜図15は、本発明の第2の実施例におけるインサート成形体や入れ子等の説明図を示している。なお、図9〜図15において、図1〜図8と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
図9(a)において、第2の実施例におけるインサート成形体は、金属製のインサート部材10と、インサート部材10を保持するベース部材11とを備えている。
【0037】
インサート部材は、図9(b)に示すように、第1の電球ホルダー12aを有する第1のコンタクト10aと、第1のコンタクト10aと対を成し、第2の電球ホルダー12bを有する第2のコンタクト10bとを備えている。ここで、第1、第2のコンタクト10a、10bは、第1の実施例と同様に、導電性及び弾性を有する金属材料で形成されており、後述するキャリアを介して一体化され、完成品の状態においてはベース部材11を介してそれぞれ相互に絶縁されている。また、第1、第2の電球ホルダー12a、12bは、図10に示すように、それぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の電球ホルダー12aの構成について説明する。
【0038】
第1の電球ホルダー12aは、第1の実施例と同様に、ベース部材11に埋設される埋設部材31を備えており、当該埋設部材31は、第1の実施例と同様に、ベース部材11に埋設される平板部材311および第1、第2の湾曲部材312a、312bを備えている。また、第1、第2の湾曲部材312a、312bの端縁部には、第1の実施例と同様に、第1、第2の平坦部材33a、33bが連設され、第1、第2の平坦部材33a、33bの端縁部には、第1の実施例と同様に弾性を呈する第1、第2の弾性片34a、34bが図中下方に向かって垂設されている。
【0039】
第1の弾性片34aは、図10(d)に示すように、第1の平坦部材33aの端縁部に第2の弾性片34bに向かって斜めに連設された第1の斜片341aと、第1の斜片の端縁部341aにその凹面部を第2の弾性片34bに向けて連設された半円筒状の第1の湾曲部342aと、第1の湾曲部342aの端縁部にその端縁部を外方に向けて連設された第1のテーパ片343aとを備えており、第2の弾性片34bも、第2の平坦部材33bの端縁部にそれ自身の平面部を第1の斜片341bに向けてかつ第2の弾性片34bに向かって斜めに連設された第2の斜片341bと、第2の斜片341bの端縁部にそれ自身の凹面部を第1の弾性片34aに向けて連設された半円筒状の第2の湾曲部342bと、第2の湾曲部342bの端縁部にその端縁部を外方に向けて連設された第2のテーパ片343bとを備えている。ここで、第1、第2の湾曲部342a、342bの半径は電球16(図9(a)参照)の口金部の半径と略同等とされ、また、第1、第2のテーパ343a、343bは外方に向かって対向間隔が広がるように配置されることで電球16のガイド部としての作用を呈するように構成されている。なお、図中、符号Rは、後述する変形防止用リブを示している。
【0040】
次に、入れ子は、図11に示すように、第1の実施例と同様に、直方体状のキャビテイ130を有する入れ子本体13と、入れ子本体13のキャビテイ130内に装填されるコマ本体14と、コマ本体14の上部に配置される上部入れ子15とを備えている。
【0041】
この実施例においては、入れ子本体13の図中左側の側壁部の上部位置に、上面から下部に向かってスリット(以下「第1のスリット」という。)131が設けられ、当該第1のスリット131と対向する右側の側壁部の上部位置に、上面から下部の内壁面側に向かって傾斜するスリット(以下「第2のスリット」という。)132が設けられている。また、コマ本体14には、第1のスリット131と第2のスリット132を結ぶ鉛直面内に、上面から下部に向かってスリット(以下「コマ本体スリット」という。)140が設けられ、当該コマ本体スリット140を介して第1、第2のスリット131、132間が連通されている。ここで、コマ本体スリット140の内面形状は、変形防止用リブRの外面形状と対応している。具体的には、第2のスリット132側から第1のスリット131側に向かって順次深くなるように斜めに形成され、コマ本体スリット140の第3の外壁面61c側は第2のスリット132と同等の深さとされ、第4の外壁面61d側は第1のスリット131と同等の深さとされている。
【0042】
このような構成のコマ本体14は、図12に示すように、入れ子本体13のキャビテイ130内に装填されることで、第1の実施例と同様に、コマ本体14の第1〜第4の外壁面61a〜61d(図11参照)がキャビテイ130の第1〜第4の内壁面53a〜53dにそれぞれ当接すると共に、コマ本体14の前面側に前面側空室8aが、コマ本体14の背面側に背面側空室8bが形成され、さらに、第1、第2の角部の上部位置に前面側間隙9aが、第3、第4の角部の上部位置に背面側間隙9bがそれぞれ形成されることになる。また、これと共に、入れ子本体13の上面54から、すなわち金具のパーティグライン上から、第1〜第4の山形部64a〜64dが突出することになる。なお、この実施例においては、第1、第2の山形部64a、64b間並びに第3、第4の山形部64c、64d間に第1の実施例における前面側スロープ642aおよび背面側スロープ642bが設けられておらず、このため、前面側空室8aおよび背面側空室8bは、第1の実施例における前面側空室8aおよび背面側空室8bよりも広口とされている。
【0043】
以上のように、第2の実施例においては、金型内に第1の電球ホル12aの第1、第2の平坦部材33a、33bおよび第1、第2の弾性片34a、34bを囲む入れ子13が配設され、すなわち、図13に示すように、第1の電球ホル12aがコマ本体14に装着されることで、図14に示すように、第1、第2の平坦部材33a、33bの外面(図(a)中1−2または3−4間を結ぶ矩形状の稜線部)がキャビテイ130の対応する第1、第2の内壁面53a、53b(図(b)中1−2または3−4間を結ぶ矩形状の稜線部)に当接され、かつ、埋設部材31を構成する平板部材311および第1、第2の湾曲部材312aの内面(図(a)中のハッチング間隔の広い斜線部)がコマ本体14の上面64(図(b)中のハッチング間隔の広い斜線部)に当接され、入れ子13のキャビテイ130の開口部が密閉されることから、この状態において、射出成形機の金型内に合成樹脂を射出することにより、入れ子13のキャビテイ130内(コマ本体の空室)に樹脂が漏れるおそれがなくなる。また、図10(d)に示すように、第1の電球ホルダー12aの第1、第2の湾曲部材312a、312bの内面側と外面側に樹脂が充填されることから、すなわち、第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材11中に埋設されて第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材11で完全に固定されることから、従来のように、電球の交換時等において、第1の電球ホルダー12aから電球を取り出す際に引抜力が作用しても、当該引抜力により埋設部材31がベース部材11から剥がれるおそれがなくなる。さらに、第1、第2の湾曲部材312a、312bのR形状部分の存在により、金型内に注入される樹脂が当該R形状部分において分散されることから、第1、第2の湾曲部材312a、312bの端縁側方向の補強になるとともに、空室部分(前面側空室8a、背面側空室8b)の樹脂圧に対する支持補強の効果を奏することができる。また、第2の実施例においては、入れ子本体13の側壁部の上部位置に、第1、第2のスリット131、132設け、コマ本体14の上部にコマ本体スリット140を設けることで、第1の電球ホルダー12aの平板部材311の下面に平板部材311と直交するような平板状の変形防止用リブRが形成されることから、電球16を適正に保持することができ、ひいては第1の電球ホルダー12aの変形を防止することができる。
[実施例3]
図15〜図23は、本発明をウエッジベースソケットに適用した場合におけるインサート成形体や入れ子等の説明図を示している。なお、図15〜図23において、図1〜図14と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
図15において、本発明のインサート成形体は、金属製のインサート部材40と、インサート部材40を保持するベース部材41とを備えている。
【0045】
インサート部材40は、図16に示すように、ウエッジバルブ電球49(図17参照)の一方の端子部43aを把持するための第1の電球ホルダー44aを有する第1のコンタクト42aと、ウエッジバルブ電球49の他方の端子部43bを把持するための第2の電球ホルダー44bを有し、第1のコンタクト42aと対を成す第2のコンタクト42bとを備えている。ここで、第1、第2のコンタクト42a、42bは、第1の実施例と同様に、導電性及び弾性を有する金属材料で形成されており、後述するキャリアを介して一体化され、完成品の状態においては、絶縁性の合成樹脂等から成るベース部材41を介してそれぞれ相互に絶縁されている。また、第1、第2の電球ホルダー44a、44bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の電球ホルダー44aの構成について説明する。
【0046】
第1の電球ホルダー44aは、図18に示すように、第1の実施例と同様に、ベース部材41に埋設される埋設部材31を備えており、当該埋設部材31は、第1の実施例と同様に、ベース部材41に埋設される平板部材311および第1、第2の湾曲部材312a、312bを備えている。また、第1、第2の湾曲部材312a、312bの端縁部には、第1の実施例と同様に、第1、第2の平坦部材33a、33bが連設され、第1、第2の平坦部材33a、33bの端縁部には、第1の実施例と同様に弾性を呈する第1、第2の弾性片34a、34bが図中下方に向かって垂設されている。
【0047】
第1の弾性片34aは、第1の平坦部材33aの端縁部に垂設された第1の垂設片451aと、第1の垂設片451aの端縁部にその凸面部を第2の弾性片34bに向けて連設された半円筒状の第1の湾曲部452aとを備えており、第2の弾性片34bも、第2の平坦部材33bの端縁部にそれ自身の平面部を第1の弾性片34aに向けて垂設された第2の垂設片451bと、第2の垂設片451bの端縁部にそれ自身の凸面部を第1の弾性片34aに向けて連設された半円筒状の第2の湾曲部452bとを備えている。ここで、第1、第2の湾曲部452a、342bの対向する凸面部間の寸法はウエッジバルブ電球49の端子部43a、43bの厚さよりも若干狭くされている。
【0048】
次に、入れ子は、図19に示すように、第1の実施例と同様に、直方体状のキャビテイ461を有する入れ子本体46と、入れ子本体46のキャビテイ461(図20参照)内に装填されるコマ本体47と、コマ本体47の上部に配置される上部入れ子48とを備えている。
【0049】
入れ子本体46は、図20に示すように、上部位置に配設され、第1の実施例の入れ子と実質的に同一構成の第1の入れ子本体46aと、第1の入れ子本体46aの下部に連設される第2の入れ子本体46bとを備えており、第1の入れ子本体46aのキャビテイ461内には第2の実施例と実質的に同一構成のコマ本体47が矢符方向から挿脱自在に装填されている。ここで、この実施例におけるコマ本体47の軸方向の長さは、第2の実施例におけるコマ本体よりも第2の入れ子本体46bの高さに相当する分だけ長くされている。
【0050】
このような構成のコマ本体47は、図21に示すように、第1の入れ子本体46aのキャビテイ461(図20参照)内に装填されることで、第1の実施例と同様に、コマ本体47の第1〜第4の外壁面61a〜61dがキャビテイ461の第1〜第4の内壁面53a〜53dにそれぞれ当接すると共に、コマ本体47の前面側に、前面側切欠部62aとキャビテイ461の第1の内壁面53a間によって区画される前面側空室8aが形成され、コマ本体47の背面側にも、背面側切欠部62bとキャビテイ461の第2の内壁面53b間によって区画される背面側空室8bが形成され、さらに、第1、第2の角部の上部位置に、第1、第2の段差部63a、63bの壁面とキャビテイ461の第1の内壁面53a間によって区画される前面側間隙9aが形成され、第3、第4の角部の上部位置にも、第3、第4の段差部63c、63dの壁面とキャビテイ461の第2の内壁面53b間によって区画される背面側間隙9bがそれぞれ形成されることになる。また、これと共に、第1の入れ子本体46aの上面54から、すなわち金具のパーティグライン上から、第1〜第4の山形部64a〜64dが突出することになる。なお、この実施例においては、第1、第2の山形部64a、64b間並びに第3、第4の山形部64c、64d間に第1の実施例における前面側スロープ642aおよび背面側スロープ642bが設けられておらず、このため、前面側空室8aおよび背面側空室8bは、第1の実施例における前面側空室8aおよび背面側空室8bよりも広口とされている。
【0051】
以上のように、第3の実施例においては、金型内に第1の電球ホルダー44aの第1、第2の平坦部材33a、33bおよび第1、第2の弾性片34a、34bを囲む入れ子46が配設され、すなわち、図22に示すように、第1の電球ホルダー44aがコマ本体47に装着されることで、図23に示すように、第1、第2の平坦部材33a、33bの外面がキャビテイ461(図20参照)の対応する第1、第2の内壁面53a、53bに当接され、かつ、埋設部材31を構成する平板部材311および第1、第2の湾曲部材312aの内面がコマ本体47(図20参照)の上面64に当接され、第1の入れ子46aのキャビテイ461の開口部が密閉されることから、この状態において、射出成形機の金型内に合成樹脂を射出することにより、第1の入れ子46aのキャビテイ461内(コマ本体の空室)に樹脂が漏れるおそれがなくなる。また、図18(c)に示すように、第1の電球ホルダー44aの第1、第2の湾曲部材312a、312bの内面側と外面側に樹脂が充填されることから、すなわち、第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材41中に埋設されて第1、第2の湾曲部材312a、312bがベース部材41で完全に固定されることから、従来のように、ウエッジバルブ電球49の交換時等において、第1の電球ホルダー44aからウエッジバルブ電球49を取り出す際に引抜力が作用しても、当該引抜力により埋設部材31がベース部材41から剥がれるおそれがなくなる。さらに、第1、第2の湾曲部材312a、312bのR形状部分の存在により、金型内に注入される樹脂が当該R形状部分において分散されることから、第1、第2の湾曲部材312a、312bの端縁側方向の補強になるとともに、空室部分(前面側空室8a、背面側空室8b)の樹脂圧に対する支持補強の効果を奏することができる。
[実施例4]
図24〜図31は、本発明をスライドスイッチに適用した場合におけるインサート成形体や入れ子等の説明図を示している。
【0052】
図24において、本発明のインサート成形体は、金属製のインサート部材50と、インサート部材50を保持するベース部材51とを備えている。
【0053】
インサート部材50は、図25(a)に示すように、第1のコンタクト52aと、第1のコンタクト52aと対を成す第2のコンタクト52bとを備えている。これらの第1、第2のコンタクト52a、52bは、導電性及び弾性を有する金属材料、例えば、リン青銅、ステンレス鋼若しくは黄銅等で形成されており、後述するキャリアを介して一体化され、完成品の状態においては、絶縁性の合成樹脂等から成るベース部材51を介してそれぞれ相互に絶縁されている。
【0054】
第1のコンタクト52aは、図25(c)に示すように、一方の固定端子を摺動する可動接触子(以下「第1の可動接触子」という。)53aと、第1の可動接触子530aのベース部材51に接する側(図25(g)中の斜線部)に積層される肉厚の平板状の補強部材(以下「第1の補強部材」という。)55aとを備えており、また、第2のコンタクト52bは、他方の固定端子を摺動する可動接触子(以下「第2の可動接触子」という。)53bと、第2の可動接触子530aのベース部材51に接する側(図25(g)中の斜線部)に積層される肉厚の平板状の補強部材(以下「第2の補強部材」という。)55bとを備えている。ここで、第1、第2の可動接触子530a、530b並びに第1、第2の補強部材55a、55bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の可動接触子530aおよび第1の補強部材55aの構成について説明する。
【0055】
第1の可動接触子530aは、帯状のコンタクトの両側部を折曲することにより全体として側面視で略U字状に形成された可動接触子本体54を備えており、当該可動接触子本体540は、ベース部材51の一部(図26(d)参照)で保持される帯状の平板部材541と、平板部材541の両側縁部に平面部が互いに対向するように垂設された一対の弾性接触部材542a、542bとを備えており、各弾性接触部材542a、542bの中央部にはそれぞれ先端部(図中下部)から平板部材541側に向けてスリット543a、543b(不図示)が設けられている。このスリット543a、543bの形成により、可動接触子本体540には二つの独立した二つの略U字状の弾性接触子56a、56bが平板部材541の長手方向に沿って離間して設けられることになる。ここで、二つの弾性接触子56a、56bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、一方の弾性接触子56aの構成について説明する。
【0056】
弾性接触子56aは、図26に示すように、平板部材541の両側縁部に平板部材541と直交し、かつ平面部が互いに対向するように連設された帯状の一対の平坦部材561a、561b(以下、平坦部材561aを「第1の平坦部材」、平坦部材561bを「第2の平坦部材」という。)と、第1、第2の平坦部材561a、561bの端縁部に平面部が互いに対向し、かつ先端部(図中下部)に向かって対向間隔が狭まるように連設された一対の帯状の弾性片562a、562b(以下、弾性片562aを「第1の弾性片」、弾性片562bを「第2の弾性片」という。)と、第1、第2の弾性片562a、562bの端縁部に凸面部が互いに対向するように連設された側面視で半円筒状の湾曲部563a、563b(以下、湾曲部563aを「第1の湾曲部」、湾曲部563bを「第2の湾曲部」という。)とを備えている。
【0057】
ここで、平板部材541の両端部近傍の上面(図中上部)には、図25(g)の斜線部で示すように、一対の掛止部541a、541bが設けられ、また、略中央部には穿設孔(以下「第1の穿設孔」という。)541cが設けられている。また、第1の補強部材55aの両端部近傍には、すなわち一対の掛止部541a、541bに対応する位置には、図25(b)に示すように、一対の掛止孔551a、551bが設けられ、また、略中央部には、すなわち第1の穿設孔541cと対応する位置には口径が第1の穿設孔541cよりも大きい穿設孔(以下「第2の穿設孔」という。)551cが設けられている。
【0058】
次に、図27に基づいて、このような構成の第1、第2のコンタクト52a、52bを有するインサート成形体を製造する方法について説明する。
【0059】
先ず、図示しない第1のリールから、例えば、厚さが0.3mm程度の黄銅板から成る第1のフープ57がX軸方向に繰り出され、この第1のフープ57にプレス(ピアス、フォーミング)加工が施されて、前述の第1、第2の補強部材55a、55bが得られる。また、図示しない第2、第3のリールから、例えば、厚さが0.05mm程度のリン青銅板から成る第2、第3のフープ58、59が第1のフープ57と交差するようにY軸方向に繰り出され、この第2、第3のフープ58,59にプレス(ピアス、フォーミング)加工が施されて、前述の第1、第2の可動接触子530a、530bを含む第1、第2のコンタクト52a、52bが得られる。かかる第2、第3のフープ58,59は、第1のフープ57の下面側に繰り出され、所定位置において各掛止部541a、541b(図25(d)参照)がそれぞれ対応する掛止孔551a、551b(図25(c)参照)に嵌め込まれることにより、前述の可動接触子本体540が得られる。なお、図中、符号571、581、591は位置決め用の孔、572、582、592はキャリアを示している。
【0060】
次いで、このように加工された第1、第2の可動接触子530a、530bを含む第1、第2のコンタクト52a、52bを、図示しない射出成形機の金型内にインサートして、次のようにして、第1の可動接触子530aの第1、第2の平坦部材561a、561b並びに第1、第2の弾性片562a、562bを後述する入れ子の対応するキャビテイ内にそれぞれ挿入する。
【0061】
ここで、第1、第2の可動接触子530a、530bを挿入する入れ子61の第1、第2のキャビテイ621a、621bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、第1の可動接触子530aを挿入する第1のキャビテイ621aの構成について説明する。
【0062】
図28は、金型内に配設された入れ子の斜視図を示している。同図において、入れ子は、全体として直方体状を呈している第1の入れ子本体61と、第1の入れ子本体61のキャビテイ611の内面に当接する外面を有し、第1の入れ子本体61のキャビテイ611内に挿脱自在に装填される第2の入れ子本体62と、第2の入れ子本体62の上部に配置される上部入れ子(不図示)とを備えている。
【0063】
第2の入れ子本体62は、その前面側と背面側に離間して設けられた一対のキャビテイ621a、621bを備えており、これらのキャビテイ621a、621b内には、図28(a)に示す一対のコマ本体64a、64bがそれぞれ挿脱自在に装填されている。ここで、一対のキャビテイ621a、621bおよび一対のコマ本体64a、64bはそれぞれ同様の構成とされていることから、以下の説明においては、一方のキャビテイ621aおよび一方のコマ本体64aの構成について説明する。
【0064】
コマ本体64aは、全体として直方体状を呈しており、第2の入れ子本体62の一方のキャビテイ621aの内面に当接する外面を備えている。具体的には、コマ本体64の前面側の外壁面(以下「第1の外壁面」という。)W11は、当該第1の外壁面W11と対向する一方のキャビテイ621aの内壁面(以下「第1の内壁面」という。)W21に、背面側の外壁面(以下「第2の外壁面」という。)W12は、当該第2の外壁面W12と対向するキャビテイ621の内壁面(以下「第2の内壁面」という。)W22に、右側(図中右側)の外壁面(以下「第3の外壁面」という。)W13は、当該第3の外壁面W13と対向するキャビテイ621の内壁面(以下「第3の内壁面」という。)W23に、左側(図中左側)の外壁面(以下「第4の外壁面」という。)W14は、当該第1の外壁面W14と対向するキャビテイ621の内壁面(以下「第4の内壁面」という。)W24にそれぞれ当接し得るように構成されている。また、コマ本体64の前面側には、コマ本体64の上面から下部に向かって二つの切欠部641a、641b(以下、切欠部641aを「第1の前面右側切欠部」、切欠部641bを「第1の前面左側切欠部」という。)が設けられており、コマ本体64の背面側にも、コマ本体64の上面から下部に向かって二つの切欠部641c、641d(以下、切欠部641cを「第1の背面右側切欠部」、切欠部641dを「第1の背面左側切欠部」という。)が設けられている。さらに、コマ本体64の前面側でかつ右側の角部(以下「第1の角部」という。)の上部位置には、コマ本体64の上面から下部に向かって、かつ、コマ本体64の前面側から背面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第1の段差部」という。)642aが、コマ本体64の前面側でかつ左側の角部(以下「第2の角部」という。)の上部位置には、コマ本体64の上面から下部に向かって、かつ、コマ本体64の前面側から背面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第2の段差部」という。)642bが、コマ本体64の前面側でかつ中央部の隔壁部(以下「前面側隔壁部」という。)の上部位置には、コマ本体64の前面側から背面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第3の段差部」という。)642cが、コマ本体64の背面側でかつ右側の角部(以下「第3の角部」という。)の上部位置には、コマ本体64の背面側から前面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第4の段差部」という。)642d(不図示)が、コマ本体64の背面側でかつ左側の角部(以下「第4の角部」という。)の上部位置には、コマ本体64の上面から下部に向かって、かつ、コマ本体64の背面側から前面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第5の段差部」という。)642e(不図示)が、コマ本体64の背面側でかつ中央部の隔壁部(以下「背面側隔壁部」という。)の上部位置には、コマ本体64の上面から下部に向かって、かつ、コマ本体64の背面側から前面側に向かって浅く凹むような段差部(以下「第6の段差部」という。)642f(不図示)がそれぞれ設けられている。
【0065】
なお、第1〜第6の段差部642a〜642fの鉛直方向の長さは、それぞれ対応する第1、第2の平坦部材561a、561bの鉛直方向の長さよりも若干長くされ、また、第1〜第6の段差部642a〜65fdの幅寸法(壁面と段差壁間の寸法)はそれぞれ対応する第1、第2の平坦部材561a、561bの板厚と同等とされている。
【0066】
このような構成の第1のコマ本体64aは、第2の入れ子本体62の一方のキャビテイ621a内に装填されることで、第1のコマ本体64aの第1〜第4の外壁面W11〜W14がそれぞれ対応するキャビテイ621aの第1〜第4の内壁面W21〜W24に当接すると共に、第1のコマ本体64aの前面側に、図29に示すように、二つの空室66a、66b(以下、空室66aを「第1の前面側空室」、空室66bを「第2の前面側空室」という。)が離間して形成され、コマ本体64の背面側にも、二つの空室66c、66d(以下、空室66cを「第1の背面側空室」、空室66dを「第2の背面側空室」という。)が離間して形成される。さらに、第1、第2の角部および前面側隔壁部の上部位置に、各平坦部材561a、561bを装着し得る間隙Gaが形成され、第3、第4の角部および背面側隔壁部の上部位置にも、各平坦部材561a、561bを装着し得る間隙Gbがそれぞれ形成されることになる。
【0067】
以上のように、第4の実施例においては、金型内に第1の可動接触子530aの第1、第2の平坦部材561a、561および第1、第2の弾性片562a、562bを囲む入れ子62が配設され、すなわち、図30に示すように、第1の可動接触子530aが第1のコマ本体64に装着されることで、図31(b)に示すように、第1、第2の平坦部材561a、561bの外面がキャビテイ621a(図28(b)参照)の対応する第1、第2の内壁面W21、W22に当接され、かつ、第1の可動接触子530aを構成する平板部材541の内面が第1のコマ本体64a(図28(a)参照)の上面64に当接され、第2の入れ子62aのキャビテイ621の開口部が密閉されることから、この状態において、射出成形機の金型内に合成樹脂を射出することにより、第2の入れ子62aのキャビテイ621a内(コマ本体の空室)に樹脂が漏れるおそれがなくなる。また、図26(d)に示すように、平板部材541に第1の穿設孔541cが、補強部材55aに第2の穿設孔551cが設けられていることから、金型内に注入されたベース部材51としての樹脂を第1、第2の穿設孔541c、551cを介して平板部材541の内面側(図中下部)に突出させることができ、この樹脂により平板部材541および補強部材55をベース部材51に保持することができる。また、薄厚の平板部材541の樹脂圧を受ける側に厚肉の補強部材55aが配設されていることから、当該補強部材55aで樹脂圧に耐えることができ、ひいては平板部材541の変形を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、特許請求の範囲内で、次のように、変更、修正を加えることができる。
【0069】
第1に、前述の実施例においては、入れ子のキャビテイ内へのコマ本体の装填によって形成された空室に平坦部材および弾性片を挿入する場合について述べているが、コマ本体に設けられた前面側切欠部の外面および背面側切欠部の外面に対応する平坦部材および弾性片を装着し、これを入れ子のキャビテイ内に挿脱自在に装填してもよい。
【0070】
第2に、前述の実施例においては、バニティミラー用ランプボディやスライドスイッチ等に適用した場合について述べているが、本発明はこのようなものに限定されず、例えばファストン端子を有するインサート成形体や、弾性片を有する支持板インサート成形品等に適用しても本発明と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施例におけるインサート成形体の斜視図、図1(b)は図1(a)のインサート成形体を構成するコンタクトの斜視図。
【図2】図2(a)は図1(a)のA部の拡大図、図2(b)は図1(a)のベース部材を含む電球ホルダーの背面図、図2(c)は図2(b)のB―B´線に沿う断面図、図2(d)は図2(c)の拡大断面図。
【図3】本発明の第1の実施例におけるインサート成形体の製造状況を示す斜視図。
【図4】図4(a)は本発明の第1の実施例における入れ子の斜視図、図4(b)は同実施例におけるコマ本体の斜視図、図4(c)は同実施例における上部入れ子の斜視図。
【図5】図5(a)は本発明の第1の実施例における入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図、図5(b)は図5(a)の要部拡大図。
【図6】図6(a)は本発明の第1の実施例における電球ホルダーの斜視図、図6(b)はコマ本体に電球ホルダーを装着した状態を示す斜視図。
【図7】図7(a)は本発明の第1の実施例における入れ子にコマ本体および電球ホルダーを装填した状態を示す斜視図、図7(b)は図7(a)のC―C´線断面図、図7(c)、(d)は図7(a)の要部拡大図。
【図8】図8(a)は本発明の第1の実施例における電球ホルダーの斜視図、図8(b)は入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図。
【図9】図9(a)は本発明の第2の実施例におけるインサート成形体の斜視図、図9(b)は図9(a)のインサート成形体を構成するコンタクトの斜視図。
【図10】図10(a)は図9(a)の電球を除くD部の拡大図、図10(b)は図10(a)のベース部材を含む電球ホルダーの背面図、図10(c)は図10(b)のE―E´線に沿う断面図、図10(d)は図10(c)の拡大断面図。
【図11】図11(a)は本発明の第2の実施例における入れ子の斜視図、図10(b)は同実施例におけるコマ本体の斜視図、図10(c)は同実施例における上部入れ子の斜視図。
【図12】図12(a)は本発明の第2の実施例における入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図、図10(b)は図10(a)の要部拡大図。
【図13】図13(a)は本発明の第2の実施例における電球ホルダーの斜視図、図13(b)はコマ本体に電球ホルダーを装着した状態を示す斜視図。
【図14】図14(a)は本発明の第2の実施例における電球ホルダーの斜視図、図14(b)は入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図。
【図15】図15(a)は本発明の第3の実施例におけるインサート成形体の斜視図、図15(b)は電球を装着したインサート成形体の斜視図。
【図16】図16(a)は図15(a)のインサート成形体を構成するコンタクトの平面図、図16(b)は同コンタクトの側面図、図16(c)は同コンタクトの正面図、図16(d)は同コンタクトの斜視図。
【図17】電球の斜視図。
【図18】図18(a)は本発明におけるインサート成形体の斜視図、図18(b)は図18(a)のF―F´線に沿う斜方向から見た端面図、図18(c)は同正面方向から見た端面図、図18(d)は図18(c)の要部拡大図。
【図19】図19(a)は本発明の第3の実施例における上部入れ子の斜視図、図19(b)は同実施例における入れ子本体の斜視図、図19(c)は同実施例における入れ子の斜視図、図19(d)は同入れ子により形成されるインサート成形品の斜視図。
【図20】図20(a)は本発明の第3の実施例におけるコマ本体の斜視図、図20(b)は本発明の第3の実施例における入れ子の斜視図。
【図21】図21(a)は本発明の第3の実施例における入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図、図21(b)は図21(a)の要図拡大図。
【図22】図22(a)は本発明の第3の実施例における電球ホルダーの斜視図、図22(b)は入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図。
【図23】図23(a)は本発明の第3の実施例における入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図、図23(b)は図23(a)のG−G´線に沿う断面図、図23(c)は図23(a)の要部拡大図、図23(d)は図23(a)の要部拡大図。
【図24】図24(a)は本発明の第4の実施例におけるインサート成形体の斜視図、図24(b)は同実施例におけるインサート成形体の背面図。
【図25】図25(a)は本発明の第4の実施例におけるコンタクトの斜視図、図25(b)同コンタクトを構成する補強部材の斜視図、図25(c)は同コンタクトを構成する可動接触子の斜視図、図25(d)は可動接触子の平面図、図25(e)は可動接触子の側面図、図25(f)は可動接触子の正面図、図25(g)は可動接触子の拡大斜視図。
【図26】図26(a)は本発明におけるインサート成形体の斜視図、図26(b)は図26(a)のH―H´線に沿う斜め方向から見た端面図、図26(c)は図26(a)のH―H´線に沿う正面方向から見た端面図、図26(d)は図26(c)の要部拡大図。
【図27】本発明の第4の実施例におけるインサート成形体の製造状況を示す斜視図。
【図28】図28(a)は本発明の第4の実施例における実施例におけるコマ本体の斜視図、図28(b)は同実施例における第2の入れ子の斜視図、図28(c)は同実施例における第1の入れ子の斜視図。
【図29】図29(a)は本発明の第4の実施例における第2の入れ子にコマ本体を装填した状態を示す斜視図、図29(b)は同第2の入れ子にコマ本体を装填した状態を上面方向から見た斜視図。
【図30】図30(a)は本発明の第4の実施例における可動接触子の斜視図、図30(b)は本発明の第4の実施例におけるコマ本体に可動接触子を装着した状態を示す斜視図。
【図31】図31(a)は本発明の第4の実施例における第2の入れ子にコマ本体および可動接触子を装填した状態を示す斜視図、図31(b)は図31(a)のI―I´線端面図。
【図32】従来のインサート成形体の断面図。
【符号の説明】
【0072】
1・・・インサート部材
2・・・ベース部材
31・・・埋設部材
311・・・平板部材
312a、312b・・・湾曲部材
33a、33b・・・平坦部材
34a、34b・・・弾性片
55a、55b・・・補強部材
541c・・・第1の穿設孔
551c・・・第2の穿設孔
5・・・入れ子
52・・・キャビティ
64a、64b、64c、64d・・・山形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製のインサート部材と、前記インサート部材を保持するベース部材とを備え、
前記インサート部材は、前記ベース部材に埋設される帯状の埋設部材と、
一端縁部が前記埋設部材の端縁部に前記埋設部材と直交するように連設される帯状の平坦部材と、前記平坦部材の他端縁部に垂設される弾性片とを備えることを特徴とするインサート成形体。
【請求項2】
前記埋設部材は、前記ベース部材に埋設される平板部材と、一端縁部が前記平板部材の端縁部に連設され前記ベース部材に埋設される半円筒状の湾曲部材とを備えることを特徴とする請求項1記載のインサート成形体。
【請求項3】
金属製のインサート部材と、前記インサート部材を保持するベース部材とを備え、
前記インサート部材は、前記ベース部材に保持される帯状の平板部材と、
一端縁部が前記平板部材の端縁部に前記平板部材と直交するように連設される帯状の平坦部材と、前記平坦部材の他端縁部に垂設される弾性片と、前記平板部材の前記ベース部材に接する側に積層される平板状の補強部材とを備えることを特徴とするインサート成形体。
【請求項4】
前記平板部材には第1の穿設孔が設けられ、
前記補強部材には、前記第1の穿設孔と対応する位置に第2の穿設孔が設けられていることを特徴とする請求項3記載のインサート成形体。
【請求項5】
金型内にインサート部材をインサートし、前記金型内に樹脂を注入して、前記インサート部材とベース部材とを一体化するに当たり、
前記金型内に請求項1または請求項2記載の平坦部材および弾性片を囲む入れ子が配設され、
前記平坦部材の外面は、前記入れ子のキャビティの内壁面に当接され、
前記入れ子のキャビティの開口部は、請求項1または請求項2記載の埋設部材で密閉されていることを特徴とするインサート成形体の製造方法。
【請求項6】
金型内にインサート部材をインサートし、前記金型内に樹脂を注入して、前記インサート部材とベース部材とを一体化するに当たり、
前記金型内に請求項3または請求項4記載の平坦部材および弾性片を囲む入れ子が配設され、
前記平坦部材の外面は、前記入れ子のキャビティの内壁面に当接され、
前記入れ子のキャビティの開口部は、請求項3または請求項4記載の平板部材で密閉されていることを特徴とするインサート成形体の製造方法。
【請求項7】
前記入れ子は、前記金型のパーティグラインから上方に向けて突出された半円状の山形部を備え、
前記山形部は、前記入れ子のキャビティの内壁面と面一の外壁面を備え、
前記湾曲部材の内面は、前記山形部の外面に当接され、
前記平坦部材の外面は、前記入れ子のキャビティの内壁面に当接されていることを特徴とする請求項5記載のインサート成形体の製造方法。
【請求項8】
前記入れ子は、前記金型内に配置される入れ子本体と、前記入れ子本体のキャビティ内に挿脱自在に装填されるコマ本体とを備え、
前記コマ本体は、前記金型のパーティグラインから上方に向けて突出された半円状の山形部を備え、
前記山形部は、前記入れ子のキャビティの内壁面と面一の外壁面を備え、
前記湾曲部材の内面は、前記山形部の外面に当接され、
前記平坦部材の外面は、前記入れ子本体のキャビティの内壁面に当接されていることを特徴とする請求項5記載のインサート成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2006−181852(P2006−181852A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377480(P2004−377480)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(501212922)株式会社土田製作所 (6)
【Fターム(参考)】