説明

インジェクタアセンブリおよびそれを内蔵するマイクロリアクタ

流体マイクロ構造(10)およびインジェクタアセンブリ(20)を備えたマイクロリアクタアセンブリ(100)が提供される。インジェクタアセンブリ(20)は、液体注入口(22)、気体注入口(24)、液体排出口(26)、気体排出口(28)、液体注入口(22)から液体排出口(26)へ延在する液体フロー部(30)、および気体注入口(24)から気体排出口(28)へ延在する気体フロー部(40)を備える。さらに、インジェクタアセンブリ(20)は、流体マイクロ構造(10)のマイクロチャンネル入力ポート(14)との注入インターフェースを画成する。インジェクタアセンブリ(20)は、液体排出口(26)の上流において液体フロー部(30)に、液体排出口(26)において液体フロー部(30)に、または液体排出口(26)の下流において液体フロー部(30)の延長部分(35)に気体を注入するために、気体フロー部(40)の気体排出口(28)が配置されるように構成される。さらに、インジェクタアセンブリ(20)は、気体が一連の気泡として液体フロー部(30)またはその延長部分に注入されるように構成される。これにより得られる、種々のマイクロリアクタの設計に使用可能なマイクロリアクタアセンブリ(100)およびそこに使用されるインジェクタアセンブリにより、マイクロチャンネルの寸法を著しく減少させる必要なく、マイクロ構造内の界面領域を効果的に改良する。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、発明の名称が「インジェクタアセンブリおよびそれを内蔵するマイクロリアクタ」である、2008年2月29日に出願された欧州特許出願第08305039.3号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、マイクロリアクタ技術に関するものである。
【背景技術】
【0003】
マイクロリアクタは、一般にマイクロ構造リアクタ、マイクロチャンネルリアクタまたはマイクロ流体装置と称される。使用される特定の用語に関係なく、マイクロリアクタは、サンプルを閉じこめることができ、かつ処理を受けさせることができる装置である。サンプルは、通常は移動するサンプルであるが、移動できるかまたは静止できる。ある場合において、処理は化学反応の分析を含む。他の場合において、処理は2つの別個の反応物を使用する製造工程の一部として行われる。さらに他の場合において、サンプルと関連する熱交換液との間において熱交換が行われるため、移動または静止ターゲットサンプルはマイクロリアクタに閉じこめられる。いずれの場合においても、閉じこめられる空間は、約1ミリメートルのオーダーである。マイクロチャンネルは、そのような閉じこめの最も一般的な形態であり、マイクロリアクタは、バッチリアクタとは異なり、通常連続的なフローリアクタである。マイクロチャンネルの減少した内部の寸法により、質量および熱伝達率をかなり改善できる。さらに、マイクロリアクタは、従来の大きさのリアクタに対して、エネルギー効率、反応速度、反応収率、安全性、信頼性、拡張性等における大きな改良を含む、多くの利点を有することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロリアクタは、反応物が液体および気体を含む化学工程において多く使用され、マイクロリアクタは、1以上の特定の製品分子を生成するために、気体および液体反応物相を混合するように設計される。高い収率または気体/液体反応物の高い選択性を達成するために、多くの場合、反応の気体相および液体相の間に、比較的高い界面領域を提供することが必要である。気体相および液体相は、様々な程度の混和性を示すことができ、多くの場合、反応物は通常の状況下では不混和性である。したがって、比較的不混和性の気体および液体反応物、とくに製造レベルのマイクロ反応技術として考えても、本願発明者は、収率および選択性を改良可能なマクロリアクタスキームの必要性を認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、流体マイクロ構造およびインジェクタアセンブリを備えたマイクロリアクタアセンブリが提供される。インジェクタアセンブリは、液体注入口、気体注入口、液体排出口、気体排出口、液体注入口から液体排出口まで延在する液体フロー部、および気体注入口から気体排出口まで延在する気体フロー部を備える。さらに、インジェクタアセンブリは、流体マイクロ構造のマイクロチャンネル入力ポートとの密閉注入インターフェースを画成する。インジェクタアセンブリは、気体フロー部の気体排出口が、液体排出口の上流において液体フロー部に、液体排出口における液体フロー部に、または液体排出口の下流における液体フロー部の延長部分に気体を注入するために位置するように構成される。さらに、インジェクタアセンブリは、気体が一連の気泡として液体フロー部またはその延長部分に注入されるように構成される。様々なマイクロリアクタの設計とともに使用可能な、結果として生じるマイクロリアクタアセンブリ、およびそこで使用されるインジェクタアセンブリは、マイクロチャンネルの寸法を過度に減少させることなく、マイクロ構造内の界面領域を効果的に改良する。
【0006】
好ましい参照番号とともに好ましい構成が示された、添付の図面を参照することにより、以下に示す本発明の特定の実施形態の詳細な説明を最も理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるマイクロリアクタアセンブリの概略図
【図2】本発明の他の実施形態によるマイクロリアクタアセンブリの概略図
【図3】本発明の一実施形態によるインジェクタアセンブリの部分断面図
【図4】図3に示すインジェクタアセンブリの分解図
【図5】図3,4に示すインジェクタアセンブリの気体/液体フロー部を示す図
【図6】本発明の他の実施形態によるインジェクタアセンブリを示す図
【図7】本発明の他の実施形態によるインジェクタアセンブリを示す図
【図8】本発明の他の実施形態によるインジェクタアセンブリを示す図
【図9】本発明の一実施形態によるアセンブリクランプ機構を含むマイクロリアクタアセンブリを示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の一実施形態によるマイクロリアクタアセンブリ100を示す図である。一般に、マイクロリアクタアセンブリ100は、流体マイクロ構造10およびインジェクタアセンブリ20を備える。流体マイクロ構造10は、種々のガラス、セラミックス、ガラス/セラミックスまたは他の適切な材料から形成されてもよく、複数の流体マイクロチャンネル12を備える。1以上のマイクロチャンネル入力ポート14および1以上のマイクロチャンネル出力ポート16が、流体マイクロチャンネル12と流体連通状態に設けられる。一実施形態を図3〜5に詳細に示すインジェクタアセンブリ20は、与えられた液体反応物Aのための液体注入口22、与えられた気体Gのための気体注入口24、液体排出口26、気体排出口28、液体注入口22から液体排出口26へ延在する液体フロー部30、および気体注入口24から気体排出口28へ延在する気体フロー部40を備える。マイクロリアクタ製造物Pは、マイクロチャンネル出力ポート16においてアセンブリから排出される。
【0009】
液体注入口22は、他の流体マイクロ構造または液体源を備えていてもよい液体反応物供給部との、密閉された、容易に接続および開放可能なインターフェースを画成するよう構成される。同様に、気体注入口24は、気体反応物供給部との、密閉された、容易に接続および開放可能なインターフェースを画成するよう構成される。いずれの場合も、容易に接続および開放可能なインターフェースは、任意の従来の形式のものであっても、オーリング、ガスケット等を含むがこれらには限定されない任意の適切なシール構造を用いた、今後開発される流体接続であってもよい。図3〜5の実施形態、または気体/液体フローが液体注入口22を通って導入されるあらゆる実施形態においてそうであろうように、このような液体注入口または液体排出口の記載は、気体および液体フローがともに液体注入口または液体排出口を通るインジェクタアセンブリ20の動作を除外するものではないことに留意されたい。
【0010】
インジェクタアセンブリ20は、流体マイクロ構造10のマイクロチャンネル入力ポート14との密閉注入インターフェースを画成する。図3〜5に示す実施形態において、インジェクタアセンブリ20は、液体排出口26の上流において液体フロー部30に気体を注入するために、気体排出口28が配置されるように構成される。例えば、この寸法の動作可能な変更が考えられるが、液体排出口26は、下流方向に約2mm未満の寸法で、気体排出口28から移動可能であることが考えられる。インジェクタアセンブリ20は、気体排出口28が、液体排出口26において液体フロー部30に注入するために、あるいは図6〜8を参照して後述するように、液体排出口26の下流において液体フロー部30の延長部分に気体を注入するために配置されるようにも構成できる。いずれの場合においても、気体が一連の気泡として、液体フロー部30またはその延長部分に注入されるように、インジェクタアセンブリ20が構成される。
【0011】
注入される気泡のサイズ分布は比較的広いであろうと考えられるが、液体フロー部30に注入された気泡の多くは、約100μmおよび約400μmの間の径を有するであろう。本発明の一実施形態において、気体排出口28の径は約60μmに制限され、下流の流体マイクロ構造は、気体排出口を横断する約1.5バールの背圧を供給する場合、最も多い気泡のサイズは、約250μmから約350μmの間となるであろう。気体排出口を横断する背圧が約3.0バールに近づくほど、最も多い気泡のサイズは、約200μmから約300μmの間に低下する傾向があるであろう。このサイズの気泡を生成するのに適した気体排出口のサイズは、これに限定されるものではないが、一般的には約100μm未満、より好ましくは約30μmから約80μmの間であると考えられる。
【0012】
図3〜5の実施形態にさらに示すように、インジェクタアセンブリ20は、液体フロー部30が部分的に合流する断面を画成し、気体が気体フロー部4から、液体フロー部30の部分的に合流する断面のちょうど下流において、液体フロー部30の非合流断面に実質的に直接注入されるように構成できる。さらに、インジェクタアセンブリ20は、液体フロー部30および気体フロー部40が交わる気体/液体排出口50を備えるものとして説明できる(図5参照)。この気体/液体排出口50は、適切な気泡の注入を促進するとともに、注入される気泡のサイズ分布を減少させるために、比較的制限されたインジェクタアセンブリ20のノズル部分を画成する。
【0013】
適切な気泡注入および適切なサイズ分布をさらに促進するために、インジェクタアセンブリ20は、気体が液体フロー部30に注入される部分の比較的近傍、すなわち気体排出口28の近傍において、液体フロー部30および気体フロー部40が実質的に共通軸のフロー経路を画成するように構成できる。さらに、気体フロー部40が、液体排出口26において液体フロー部30により画成される液体注入ベクトルVLに対して実質的に平行な気体注入ベクトルVGに沿って、気体を液体フロー部30に注入するように、配置かつ構成できると考えられる。好ましいインジェクタアセンブリ材料は、テフロン(登録商標)、PFA、チタン、ステンレススチール、ハステロイ(Hastelloy)およびサファイアであるが、本発明によるインジェクタアセンブリは、ガラス、セラミックス、ガラス/セラミックコンポジット、もしくは従来のまたは今後開発されるあらゆる他の適切な材料により構成してもよいと考えられる。
【0014】
本願発明者は、インジェクタアセンブリ20および気体注入口24と連結される関連する流体管を配置および取り付けるに際し、インジェクタアセンブリ20の気体注入口24を、任意の種々の位置に方向を合わせることができるようにすることが多くの場合有益であろうということを認識した。したがって、本発明によるインジェクタアセンブリは、密閉注入インターフェースを破壊することなく、インジェクタアセンブリ20の残りの部分に対して、気体注入口24の能動的な方向合わせが可能なように構成できる。例えば、図3に示すように、インジェクタアセンブリ20は、回転ボディ部21および静止ボディ部23を備える。密閉注入インターフェースは、液体排出口26において静止ボディ部23において画成され、インジェクタアセンブリ20のオーリング凹部32に設けられたオーリングを備える。回転ボディ部21および静止ボディ部23は、矢印Rに示すように、回転ボディ部21の能動的な方向合わせが可能なように構成される。一組の追加のオーリング凹部34,36が、回転ボディ部21および静止ボディ部23の界面部分に沿って配置され、能動的な方向合わせの間、流体の密封状態を維持するために、オーリングがそれらの凹部に取り付けられる。図6〜8を参照して以下に説明するように、同様の構造をインジェクタアセンブリ20に提供できる。
【0015】
図3〜5は、インジェクタアセンブリ20の交換可能なフロー調整ユニット60をも示す。交換可能なフロー調整ユニット60により、液体および気体フロー部30,40を画成するのを補助する構成部品を使い勝手よく交換でき、その結果、とくに気泡のサイズ、分布または注入特性を変更することが必要となる可能性がある場合に、より多用途のアセンブリが可能となる。一般に、交換可能なフロー調整ユニット60は、気体排出口28および液体フロー制限器62を備える。液体フロー制限器62は、気体排出口28の上流に配置され、液体フロー部30に沿って流体の流れを調整するよう機能する。
【0016】
図2に示すように、本発明によるマイクロリアクタアセンブリ100は、複数の流体マイクロ構造10およびこれと連通する1以上のインジェクタアセンブリ20を備えてもよいと考えられる。このような実施形態において、インジェクタアセンブリは、同一または異なるノズル寸法を有するものであってもよい。さらに、各インジェクタアセンブリ20は、追加の流体マイクロ構造10のマイクロチャンネル出力ポート16との、追加の密閉インターフェースを画成するであろう。この態様において、液体フロー部30は、ある流体マイクロ構造10のマイクロチャンネル出力ポート16から、別の流体マイクロ構造10のマイクロチャンネル入力ポート14へ延在するであろう。このタイプの構造により、追加の反応物A,B,Cおよび異なる機能を有する追加の流体マイクロ構造10を採用することが可能となる。この場合、本発明が特定のマイクロリアクタ構造の使用および特定のマイクロ構造の使用に限定されないことに留意されたい。例えば、流体マイクロ構造10は、単一の反応物を供給し、2つの反応物を混合し、1以上の反応物と熱流体との間の熱交換を提供するか、もしくはクエンチフロー、加水分解、滞留時間または他の同様の機能を提供するように構成できるが、これに限定されるものではない。流体連結器15は、図2に示すように、各マイクロチャンネル入力ポート14および出力ポート16の間に延在する。
【0017】
2つの反応物A,Gを混合するように流体マイクロ構造10が構成されている場合、流体マイクロ構造10は、通常複数のフロー経路を横断して反応物を供給するように構成された流体マイクロチャンネルを備えるであろう。これらの反応物フロー経路の各々は、続いて反応物が混合されかつ反応するマイクロ構造10内の混合ゾーンに実質的に向けられるであろう。流体マイクロ構造10は、流体マイクロチャンネルにおける反応物流体および流体マイクロ構造10において画成された熱流体マイクロチャンネルにおける熱流体の間の熱交換のために形成された、熱流体マイクロチャンネルを備えるものであってもよい。また、流体マイクロ構造10は、単に単一機能のマイクロ構造として、すなわち、流体供給マイクロ構造、熱交換マイクロ構造、反応物混合マイクロ構造、もしくはマルチチャンネル、クエンチフローまたは加水分解マイクロリアクタとして構成されてもよい。これらの機能の任意の組合せのための流体マイクロ構造の特定の構成は、コーニング社により提案された欧州特許公開第1679115号、同1854536号、同1604733号、同1720650号、および他の同様の分類の欧州特許および特許出願を含む、従来技術における各種教示から収集できる。
【0018】
図6〜8は、流体マイクロ構造10の流体マイクロチャンネル12における密閉注入インターフェースの下流に気体排出口28を配置するよう、インジェクタアセンブリ20が構成された実施形態を示す図である。とくに詳細には、液体フロー部30の延長部分35が、流体マイクロ構造10において少なくとも部分的に存在し、気泡を液体フロー部30の延長部分35に注入するために、気体フロー部40の気体排出口28が流体マイクロ構造10内に配置されるように、インジェクタアセンブリ20が構成される。通常、この値の限界値が主として流体マイクロ構造のチャンネル構成に依存することが理解されるが、気体排出口は密閉注入インターフェースから下流方向に、約2ミリメートル未満移動するように構成されるであろう。
【0019】
図6〜8は、本発明が、気体および液体フロー部30,40が、インジェクタアセンブリ20に存在する特定の態様に限定されないことをも示す。とくに詳細には、図3〜5において、気体フロー部40の気体注入口24は、インジェクタアセンブリ20の回転ボディ部21の側方に配置され、液体フロー部30の液体注入口22は、回転ボディ部21の軸方向に配置される。一方、図6〜8において、液体フロー部30の液体注入口22は、インジェクタアセンブリ20の回転ボディ部21の側方に配置され、気体注入口24は、回転ボディ部21の上方において軸方向に延在する。インジェクタアセンブリの一般的な方向、すなわちそれが流体マイクロ構造10の上方または下方に配置されるか否かは、それが使用される特定の状況の必要性に応じて変更される可能性がある点にも留意されたい。換言すれば、本発明のあらゆる実施形態において、気泡は、流体マイクロ構造10の上方または下方から注入されてもよい。同様に、流体マイクロ構造10は、図3〜8に示すように水平に方向が合わせられてもよく、インジェクタアセンブリ20が、必須ではないが一般的に概ね水平構造の体勢にある場合は垂直に方向が合わせられてもよく、もしくは任意の非垂直または非水平構造であってもよいと考えられる。
【0020】
本発明の各種実施形態の液体および気体注入口22,24は、インジェクタアセンブリ20のノズル部分の周辺に補足された空気を除去するために、パージ気体または液体をインジェクタアセンブリ20および流体マイクロ構造10に供給するためにのみ液体注入口24が機能するよう、構成されてもよいと考えられる。この場合、インジェクタアセンブリ20は、動作中に気体を流体マイクロ構造10に単に送り出し、処理視点からデッドボリュームが許容できない場合には、インジェクタの設計は、どこで液体フロー部30が除去されるかが考慮される。このような場合、インジェクタアセンブリ20は、回転ボディ部21が除去された、一部品の単一単品ニードルと類似するであろう。
【0021】
図9に示すように、本発明によるマイクロリアクタアセンブリ100内に、インジェクタアセンブリ20を安全に組み込むことを容易なものとするために、マイクロリアクタアセンブリ100が、各密閉注入インターフェースにおいて、インジェクタアセンブリ20および流体マイクロ構造10を接続するように、各流体マイクロ構造10およびインジェクタアセンブリ20と協働するように構成された、複数の能動的または受動的なアセンブリクランプ機構70を備えてもよいと考えられる。図9は、密閉注入インターフェースを形成するために、流体マイクロ構造10およびインジェクタアセンブリ20の間に配されたシールに対して、流体マイクロ構造10を押しつけるよう、流体連結器72がクランプ機構70内にねじ切りされている、受動的なアセンブリクランプ機構を有するマイクロリアクタアセンブリ100を示す図である。また、クランプ機構70は、流体マイクロ構造10およびインジェクタアセンブリ20の間にシールを接続するための強い力を提供する圧縮力を供給するために、クランプ70の各アーム74,76が互いに近づく能動クランプ機構として構成されてもよいと考えられる。
【0022】
特定の性質または特定の態様における機能を例示するために、特定の状態に「構成」されている、本発明の構成部品の本明細書の記載は、意図した使用の記載とは反対に、構造上の記載であることに留意されたい。さらに、構成部品が「構成」された態様に対する本明細書の参照は、構成部品の現存する物理的な状態を意味し、それ自体は構成部品の構造的特徴の明確な記載として受け取られるべきである。
【0023】
本発明を説明し、定義する目的のため、「約」および「実質的に」という用語は、本明細書中、任意の定量的比較、値、計測値、または他の表示に帰すことができる固有の不確定性の程度を表すために使用されることに留意されたい。
【0024】
本発明を詳細におよびその特定の実施形態を参照して説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、変形および変更を行うことができるということは明らかである。さらに詳細には、本明細書中、本発明のいくつかの特徴を好ましいとかとくに有利であると記載したが、本発明は、必ずしも、本発明のこれらの好ましい特徴に限定されないと考えられる。
【符号の説明】
【0025】
10 流体マイクロ構造
12 流体マクロチャンネル
14 マイクロチャンネル入力ポート
16 マイクロチャンネル出力ポート
20 インジェクタアセンブリ
22 液体注入口
24 気体注入口
26 液体排出口
28 気体排出口
30 液体フロー部
40 気体フロー部
100 マイクロリアクタアセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体マイクロ構造(10)およびインジェクタアセンブリ(20)を備えたマイクロリアクタアセンブリ(100)であって:
前記流体マイクロ構造(10)は、複数の流体マイクロチャンネル(12)、並びにそれぞれが該流体マイクロチャンネル(12)と流体連通状態にある少なくとも1つのマイクロチャンネル入力ポート(14)および少なくとも1つのマイクロチャンネル出力ポート(16)を有し;
前記インジェクタアセンブリ(20)は、液体注入口(22)、気体注入口(24)、液体排出口(26)、気体排出口(28)、前記液体注入口(22)から前記液体排出口(26)へ延在する液体フロー部(30)、および前記気体注入口(24)から前記気体排出口(28)へ延在する気体フロー部(40)を有し;
前記インジェクタアセンブリ(20)は、前記流体マイクロ構造(10)のマイクロチャンネル入力ポート(14)との注入インターフェースを画成し;
前記インジェクタアセンブリ(20)は、前記液体排出口(26)の上流において前記液体フロー部(30)に、前記液体排出口(26)において前記液体フロー部(30)に、または前記液体排出口(26)の下流において前記液体フロー部(30)の延長部分(35)に気体を注入するために、前記気体フロー部(40)の前記気体排出口(28)が配置されるように構成され;
前記インジェクタアセンブリ(20)は、気体が一連の気泡として前記液体フロー部(30)またはその前記延長部分に注入されるように構成されていることを特徴とするマイクロリアクタアセンブリ。
【請求項2】
複数の流体マイクロ構造(10)を備え、前記インジェクタアセンブリ(20)が、前記追加の流体マイクロ構造(10)のマイクロチャンネル出力ポート(16)との追加のインターフェースを画成し、前記液体フロー部(30)が前記マイクロチャンネル出力ポート(16)から前記マイクロチャンネル入力ポート(14)まで延在していることを特徴とする請求項1記載のマイクロリアクタアセンブリ。
【請求項3】
複数の流体マイクロ構造(10)を備え、同一または異なる寸法の複数のインジェクタアセンブリが、各マイクロチャンネル出力ポートから対応するマイクロチャンネル入力ポート(14)へ延在する複数の液体フロー部(30)を備えたことを特徴とする請求項2記載のマイクロリアクタアセンブリ。
【請求項4】
前記インジェクタアセンブリ(20)が、前記液体排出口(26)において前記注入インターフェースを画成するように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のマイクロリアクタアセンブリ。
【請求項5】
前記液体フロー部(30)の前記延長部分(35)が、少なくとも部分的に前記流体マイクロ構造(10)内に存在し、
前記気体フロー部(40)の前記気体排出口(28)が、前記流体マイクロ構造(10)における前記液体排出口(26)の下流において、前記液体フロー部(30)の延長部分(35)に気体を注入するために配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のマイクロリアクタアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7−8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−526534(P2011−526534A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−548734(P2010−548734)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/001265
【国際公開番号】WO2009/110990
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】