説明

インターホンシステム

【課題】集合玄関機がカメラを有しなくても、留守の際に、訪問があったことを確認できるようにする。
【解決手段】 住戸番号を指定するテンキー11と呼出釦12とを有する集合玄関機10と、集合玄関機からの呼出時に通話手段25を操作して、集合玄関機と通話する住宅情報盤20と、その住宅情報盤と集合玄関機との通話を制御する制御装置30とを備えたインターホンシステムにおいて、住宅情報盤に、現在の時刻を計る時計部21と、集合玄関機からの呼出時に起動するタイマ22と、履歴メモリ27とを設け、そのタイマが計測する所定時間の間、通話手段25が操作されないと、時計部から時刻情報を読み込んで着信用の履歴メモリに保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホンシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、マンションなどの集合住宅や戸建の住宅には、インターホンが設けられている。例えば、集合住宅においては、集合玄関に集合玄関機が設けられ、居室には住宅情報盤が設けられ、両者はインターホンにより通話できるようになっている。こうして住戸を訪れる訪問者は、集合玄関機を操作して、希望の住戸を呼び出すことができる。
【0003】
特許文献1に示すように、住宅情報盤には、録画ユニットを設けることができる。録画ユニットは、居住者の留守中に来た訪問者の映像を集合玄関機のカメラで撮像して録画するものである。この録画ユニットを設けることで、留守の間に、誰が訪問したのかを確認することができる。
【特許文献1】特開平9−186776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
録画ユニットは、集合玄関機がカメラ付きタイプであることを前提としており、既存の古い物件において、集合玄関機にカメラがない場合には、録画ユニットを付けることができなかった。このため、集合玄関機がカメラを備え付けていないインターホンシステムにおいては、留守の際に、訪問者があっても、その訪問があったことを確認することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、集合玄関機がカメラを有しなくても、留守の際に、訪問があったことを確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、住戸番号を指定するテンキーと呼出釦とを有する集合玄関機と、該集合玄関機からの呼出時に通話手段を操作して、前記集合玄関機と通話する住宅情報盤と、該住宅情報盤と前記集合玄関機との通話を制御する制御装置とを備えたインターホンシステムにおいて、住宅情報盤に、現在の時刻を計る時計部と、前記集合玄関機からの呼出時に起動するタイマと、履歴メモリとを設け、そのタイマが計測する所定時間の間、前記通話手段が操作されないと、前記時計部から時刻情報を読み込んで着信用の前記履歴メモリに保存することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上のように構成され、留守の際に、訪問者が来て、集合玄関機を操作した場合には、集合玄関機による呼出時刻が時計部から読み込まれて、着信用の履歴メモリに保存される。このため、帰宅時に、住宅情報盤で、その着信用の履歴メモリの内容を確認することで、留守の間に、誰か訪問があったのかどうかを確認することができる。
【0008】
また、集合玄関機からの呼出に対して、住宅情報盤が所定時間応答しないときには、集合玄関機の操作者に対して、個人の識別情報の入力を促すメッセージが出力されるので、集合玄関機の操作者は、自分が訪問したことを記録として残すことができる。
【0009】
集合玄関機を操作して入力された、個人の識別情報は、住宅情報盤の着信用の履歴メモリに時刻情報と共に保存されるので、住戸の居住者は、帰宅時に、着信用の履歴メモリの個人の識別情報を見ることで、留守時に、誰が訪問しに来たのかを知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明のインターホンシステムのブロック図、図2はインターホンシステムのフローチャートを示す。図1において、10は集合玄関に設けられる集合玄関機、20は住戸内に設けられる住宅情報盤、30は制御装置で、集合玄関機10と住宅情報盤20の間に設けられる。集合玄関機10及び住宅情報盤20は、通話線や制御線を介して制御装置30に接続され、この制御装置30が、住宅情報盤20と集合玄関機10との通話を制御している。
【0011】
集合玄関機10は、住戸番号を指定するテンキー11と、呼出釦12と、図示しないスピーカやマイクからなる通話部13と、表示部14とを有する。この表示部14には、テンキー11で入力した住戸番号が表示される他、集合玄関機10からの呼出に対して、住宅情報盤20が所定時間応答しないときに、集合玄関機の操作者に、個人の識別情報の入力を促すメッセージを表示する。
【0012】
住宅情報盤20は、現在の時刻を計る時計部21と、集合玄関機10からの呼出時に起動するタイマ22と、スピーカやマイクからなる通話部23と、表示部24と、通話手段としての通話釦25と、操作釦26と、着信用の履歴メモリ27と、制御部28とを備えている。この住宅情報盤20は、集合玄関機10からの呼出時に、通話手段25を操作して、集合玄関機10と通話する。なお、制御装置30も、集合玄関機10からの呼出時に起動するタイマ32を備えている。
【0013】
また、住宅情報盤20は、タイマ22が計測する所定時間、例えば45秒の間、通話手段25が操作されないと、時計部21から時刻情報を読み込んで着信用の履歴メモリ27に保存する。なお、着信用の履歴メモリ27には、集合玄関機10を操作して入力された、個人の識別情報も、時刻情報と共に保存される。
【0014】
次に本発明の動作手順を図2のフローチャートを用いて説明する。図2のステップ1(以下、S1と記載する)において、集合玄関機10で、テンキー11を使用して住戸番号、例えば703を入力して、呼出釦12を押して7階の3号室の住戸を呼び出す。集合玄関機10からの呼出信号は、制御装置30を介して住宅情報盤20に送られ、この集合玄関機10からの呼出によって、住宅情報盤20のタイマ22と、制御装置30のタイマ32とが起動される(S2,S3)。また住宅情報盤20では、呼出音が鳴動する。
【0015】
S4において、住宅情報盤20で応答の有無が判断され、居住者が在室しており、通話釦25を押して、集合玄関機10からの呼出に応じると、両者の通話部23と通話部13が接続され、インターホンによる通話を行うことができる(S5)。もし、居住者が不在で、先に起動したタイマ22が計測する所定時間である45秒の間、呼出に応答しない場合、つまり、通話釦25が操作されないと(S6)、制御部28は、時計部21から現在の時刻情報を読み込んで着信用の履歴メモリ27に保存する(S7)。このようにして、集合玄関機10からの呼出のあった時刻が、履歴メモリ27に保存されることになる。
【0016】
このように、集合玄関機10からの呼出に対して、住宅情報盤20が所定時間応答しないと、制御装置30のタイマ32も所定時間である45秒が経過してタイムアップ
するので、制御装置30から集合玄関機10にメッセージ要求信号が送られる。集合玄関機10では、この要求信号の受信に伴い、集合玄関機10の操作者に、個人の識別情報の入力を促すメッセージを表示部14に出力する(S8)。具体的に言えば、表示部14に、「テンキーを使用して電話番号、又は住戸番号、もしくは住所を入力して下さい」という内容のメッセージを表示する。ここでは、電話番号、住戸番号、住所が個人の識別情報となる。
【0017】
ここで、集合玄関機10の操作者である訪問者は、テンキー11を操作して、例えば001122333と自分の電話番号を入力し、最後に呼出釦12を押す(S9)。なお、この時に、呼出釦12を押す代わりに、テンキー11に設けられた#の釦を押すようにしてもよい。こうして、制御装置30からの要求信号のあった後、入力された数値データは、呼出釦12の操作により、個人の識別情報として制御装置30を介して、最初に呼び出した住戸(703号室)に伝えられる(S10)。以上のようにして、集合玄関機10の操作者は、居住者が留守であっても、自分が訪問したことを記録として残すことができる。
【0018】
住宅情報盤20では、集合玄関機10を操作して入力された、個人の識別情報は、着信用の履歴メモリ27に先程の時刻情報と共に保存される(S11)。つまり、集合玄関機10からの呼出に対して、住宅情報盤20が応答しない場合には、集合玄関機10からテンキー11を利用して入力した情報が、履歴メモリ27に保存されることになる。
【0019】
この履歴メモリ27に保存した情報は、居住者が帰宅した際、住宅情報盤20の操作釦26を操作することで表示部24に表示出力することができる(S12)。従って、帰宅時に、住宅情報盤20で、着信用の履歴メモリ27の時刻情報を確認することで、留守の間に、誰か訪問があったのかどうかを確認することができる。また、着信用の履歴メモリには、時刻情報と共に個人の識別情報も保存されるので、住戸の居住者は、個人の識別情報から、留守時に、誰が訪問しに来たのかを知ることができる。また、履歴メモリ27は、画像や音声が保存されるわけではないので、データ容量が小さくてすむ。
【0020】
なお、本実施の形態においては、住宅情報盤が所定時間応答しないときに、集合玄関機の操作者に、個人の識別情報の入力を促すメッセージを表示するようにしたが、このメッセージは、通話部のマイクから音声で出力するようにしてもよい。
【0021】
また、集合玄関機は、居住者が持っている非接触キーからデータを読み込むデータ読み取り装置が設けられるが、このデータ読み取り装置を利用して、訪問者の携帯電話などから個人の識別情報に関わるデータを取り込むようにしてもよい。
【0022】
また、履歴メモリは集合玄関機に設けてもよく、帰宅時に集合玄関機を操作するときに、集合玄関機の表示部に個人識別情報を表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のインターホンシステムのブロック図である。
【図2】本発明のインターホンシステムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
10 集合玄関機、 11 テンキー、 12 呼出釦、 13 通話部、
14 表示部、20 住宅情報盤、 21 時計部、 22 タイマ、
23 通話部、 24 表示部、 25 通話釦、 26 操作釦、
27 メモリ、 28 制御部、 30 制御装置、 tt

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住戸番号を指定するテンキーと呼出釦とを有する集合玄関機と、該集合玄関機からの呼出時に通話手段を操作して、前記集合玄関機と通話する住宅情報盤と、該住宅情報盤と前記集合玄関機との通話を制御する制御装置とを備えたインターホンシステムにおいて、
前記住宅情報盤に、現在の時刻を計る時計部と、前記集合玄関機からの呼出時に起動するタイマと、履歴メモリとを設け、
該タイマが計測する所定時間の間、前記通話手段が操作されないと、前記時計部から時刻情報を読み込んで着信用の前記履歴メモリに保存することを特徴とするインターホンシステム。
【請求項2】
前記集合玄関機からの呼出に対して前記住宅情報盤が所定時間応答しないときに、前記集合玄関機の操作者に、個人の識別情報の入力を促すメッセージを出力することを特徴とする請求項1記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記集合玄関機を操作して入力された、前記個人の識別情報は、前記住宅情報盤の前記着信用の履歴メモリに時刻情報と共に保存されることを特徴とするインターホンシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−266792(P2007−266792A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−86752(P2006−86752)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】