インダゾロ[5,4−A]ピロロ[3,4−C]カルバゾール化合物の新しい形態
【解決手段】 化合物Iの代案の化学および/または固体状形態、それらを再現性良く生成する方法、およびそれらを使用して患者を治療する方法。式(I)式中11.イソブチル−2−メチル−8−(2−ピリミジニルアミノ)−2,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−4H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−4−オン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい縮合ピロロカルバゾール化合物である化合物Iを含有する組成物、化合物Iを含んでなる医薬組成物、それらを再現性良く生成する方法、およびそれらを使用して患者を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性医薬品成分(API)は、例えば化学誘導体、溶媒和化合物、水和物、共結晶、または塩などの多様な異なる形態で調製し得る。APIはまた非晶質であってもよく、異なる結晶性多形体を有してもよく、または異なる溶媒和または水和状態で存在してもよい。APIの形態を変化させることで、その物理的性質を変化させることが可能である。例えば結晶性多形体は典型的に異なる溶解性を有するので、熱力学的により安定した多形体は熱力学的により不安定な多形体よりも可溶性に劣る。多形体はまた、安定性、生物学的利用能、形態、蒸気圧、密度、色、および圧縮率などの特性が異なり得る。したがってAPIの結晶状態の変更は、その物理的および薬理学的特性を調節する数多くの方法の一つである。
【0003】
生物学的に活性であり、「縮合ピロロカルバゾール」として一般に当該技術分野で知られている様々な合成小型有機分子が調製されている(米国特許第5,475,110号明細書、米国特許第5,591,855号明細書、米国特許第5,594,009号明細書、米国特許第5,616,724号明細書、および米国特許第6,630,500号明細書を参照されたい)。これに加えて米国特許第5,705,511号明細書は、多様な機能的薬理学活性を有する縮合ピロロカルバゾール化合物を開示する。縮合ピロロカルバゾールは、単独で、または神経栄養因子および/またはインドロカルバゾールとの併用のどちらかで、神経細胞系の細胞の機能および/または生存を促進し;栄養素が誘発する活性を増強し;タンパク質キナーゼC(「PKC」)活性を阻害し;trkチロシンキナーゼ活性を阻害し;前立腺癌細胞系の増殖を抑制し;炎症過程に関与する細胞性経路を阻害し;死滅リスクがある神経細胞の生存を増強することをはじめとする、様々な方法で使用されることが開示されている。
【0004】
化学名11−イソブチル−2−メチル−8−(2−ピリミジニルアミノ)−2,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−4H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾロ−4−オンを有する、特定の縮合ピロロカルバゾール化合物は、抗腫瘍および抗血管新生活性を有する強力な経口的活性TIE−2/VEGF−R阻害剤であり、次式(I)で表される。
【化1】
【0005】
この化合物は下文において「化合物I」と称される。米国特許第7,169,802号明細書は、化合物Iおよびその効用について記載する。
【0006】
化合物Iの異なる化学または固体状形態は、異なる融点、溶解性または溶解速度を有し得る。これらの物理的性質は、単独で、または併用のどちらかで生物学的利用能に影響を及ぼし得る。化合物Iの様々な化学/固体状形態の物理的性質はまた、製造、加工、および保存特性などの薬剤開発のその他の側面にも影響を及ぼし得る。APIの代替形態の潜在的利点の観点から、化合物Iの代替形態を同定し調製する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
化合物Iの様々な化学形態、ならびにそれらの調製方法について記載する。これらの化学形態の1つ以上を含んでなる医薬組成物についてもまた記載し、このような組成物を用いた治療方法についても記載する。
【0008】
本発明の医薬組成物は、血管新生阻害のため;抗腫瘍剤として;単独で、または神経栄養因子および/またはインドロカルバゾールとの併用のどちらかで、神経細胞系の細胞の機能および/または生存を促進するため;栄養素が誘発する活性を増強するため;trkチロシンキナーゼ(「trk」)、血管内皮増殖因子受容体(「VEGFR」)キナーゼ、好ましくはVEGFR1およびVEGFR2、混合系統キナーゼ(「MLK」)、二重ロイシンジッパーベアリングキナーゼ(「DLK」)、血小板由来成長因子受容体キナーゼ(「PDGFR」)、タンパク質キナーゼC(「PKC」)、Tie−2、またはCDK−1、−2、−3、−4、−5、−6などのキナーゼ活性の阻害;NGF−刺激trkリン酸化の阻害のため;前立腺癌細胞系の増殖抑制のため;炎症過程に関与する細胞性経路の抑制のため;死滅リスクがある神経細胞の生存の増強のためをはじめとする様々な方法で使用してもよい。これに加えて医薬組成物は、膜近傍領域内のc−met、c−kit、および遺伝子内縦列重複含有変異Flt−3の阻害に有用かもしれない。これらの多様な活性のために、開示される医薬組成物は、研究および治療的環境をはじめとする多様な状況で役立つ。
【0009】
別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、血管新生、および固形腫瘍癌などの血管原性障害、子宮内膜症、網膜症、糖尿病性網膜症、乾癬、血管芽細胞腫、眼の障害または黄斑変性を治療または予防するのに有用である。別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、新生物形成、関節リウマチ、慢性関節炎、肺線維症、骨髄線維症、創傷治癒異常、アテローム動脈硬化、または再狭窄を治療または予防するのに有用である。さらなる実施態様では、本発明の医薬組成物は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化、パーキンソン病、脳卒中、虚血、ハンチントン疾患、AIDS認知症、てんかん、多発性硬化症、末梢神経障害、化学療法誘発性末梢神経障害、AIDS関連末梢神経障害、または脳または脊髄の外傷などの神経変性疾患および障害を治療または予防するのに有用である。さらなる実施態様では、本発明の医薬組成物は、前立腺癌または良性前立腺過形成などの前立腺障害を治療または予防するのに有用である。なおも別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、多発性骨髄腫、および急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、および慢性リンパ球性白血病をはじめとするが、これに限定されるものではない白血病を治療または予防するのに有用である。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と治療的有効量の本発明の形態とを含んでなる、医薬組成物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】pTSA−A1型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図2】pTSA−A1型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図3】pTSA−A2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図4】pTSA−A2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図5】pTSA−B2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図6】pTSA−B2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図7】pTSA−C2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図8】pTSA−C2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図9】A0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図10】A0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図11】B0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図12】B0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図13】C0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図14】C0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図15】D0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図16】D0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図17】S1型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図18】S1型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図19】S2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図20】S2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録である。
【図21】S3型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図22】S3型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図23】S4型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図24】S4型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図25】S6型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図26】S6型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図27】S7型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図28】S7型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図29】S8型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図30】S8型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図31】S9型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図32】S9型aの示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図33】S10型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図34】S10型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図35】S13型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図36】S14型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図37】S14型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図38】S15型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図39】S15型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図40】S16型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図41】S16型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図42】S17型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図43】S17型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図44】S18型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図45】S18型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録である。
【図46】S19型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図47】S19型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図48】S20型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図49】S20型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図50】非晶質固体(AS)の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図51】非晶質固体(AS)の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図52】用いられた付番体系を示す、単結晶構造A0からの化合物Iの分子Aの図を描写する。
【図53】用いられた付番体系を示す、単結晶構造A0型からの化合物Iの分子Bの図を描写する。
【図54】単結晶構造A0型にある化合物Iの2つの独立した分子によって形成される、水素結合した頭−頭二量体の図を描写する。
【図55】化合物Iの単結晶構造A0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
化合物Iのいくつかの化学形態の存在が今や発見された。これらの形態の調製および説明を本明細書に記載する。これらの形態に関するスペクトルデータおよび構造的描写を図1〜55に示す。
【0013】
より具体的には、化合物I−パラ−トルエンスルホン酸(pTSA):塩(1:1)、および化合物I−pTSA:塩(1:2)原薬のいくつかの異なる結晶形の存在が発見された。具体的には、化合物I−pTSA:塩(1:X;X=1またはX=2)原薬を使用した本明細書に記載される多形体スクリーニングおよび単離作業は、pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2の4種の結晶形の同定をもたらした。化合物I−pTSA:塩(1:1)(pTSA−A1)については多形性は検出されなかった。結晶化技術を使用して、異なる溶媒から化合物I−pTSA:塩(1:2)の3種の多形体(pTSA−A2、pTSA−B2、pTSA−C2)が調製された。
【0014】
pTSA−A1型の代表的なXRPDピークを以下の表1に列挙する。
【0015】
【表1】
【0016】
pTSA−A2型の代表的なXRPDピークを以下の表2に列挙する。
【0017】
【表2】
【0018】
pTSA−B2型の代表的なXRPDピークを以下の表3に列挙する。
【0019】
【表3】
【0020】
pTSA−C2型の代表的なXRPDピークを以下の表4に列挙する。
【0021】
【表4】
【0022】
急速冷却と異なる溶媒からの再結晶化によって調製される、化合物Iの4種の追加的多形体、A0、B0、C0、およびD0の存在もまた発見された。さらに化合物Iの17種の溶媒和化合物(S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、S9、S10、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、およびS20)が結晶化され、非晶質固体(AS)もまた得られた。最後に化合物IのA0型のエタノール溶媒和化合物、NMP:水(1:1)溶媒和化合物、テトラヒドロフラン溶媒和化合物、および2−プロパノール溶媒和化合物の単結晶データを得て、特性決定した。
【0023】
A0型の代表的なXRPDピークを以下の表5に列挙する。
【0024】
【表5】
【0025】
B0型の代表的なXRPDピークを以下の表6に列挙する。
【0026】
【表6】
【0027】
C0型の代表的なXRPDピークを以下の表7に列挙する。
【0028】
【表7】
【0029】
D0型の代表的なXRPDピークを以下の表8に列挙する。
【0030】
【表8】
【0031】
S1型の代表的なXRPDピークを以下の表9に列挙する。
【0032】
【表9】
【0033】
S2型の代表的なXRPDピークを以下の表10に列挙する。
【0034】
【表10】
【0035】
S3型の代表的なXRPDピークを以下の表11に列挙する。
【0036】
【表11】
【0037】
S4型の代表的なXRPDピークを以下の表12に列挙する。
【0038】
【表12】
【0039】
S6型の代表的なXRPDピークを以下の表13に列挙する。
【0040】
【表13】
【0041】
S7型の代表的なXRPDピークを以下の表14に列挙する。
【0042】
【表14】
【0043】
S8型の代表的なXRPDピークを以下の表15に列挙する。
【0044】
【表15】
【0045】
S9型の代表的なXRPDピークを以下の表16に列挙する。
【0046】
【表16】
【0047】
S10型の代表的なXRPDピークを以下の表17に列挙する。
【0048】
【表17】
【0049】
S13型の代表的なXRPDピークを以下の表18に列挙する。
【0050】
【表18】
【0051】
S14型の代表的なXRPDピークを以下の表19に列挙する。
【0052】
【表19】
【0053】
S15型の代表的なXRPDピークを以下の表20に列挙する。
【0054】
【表20】
【0055】
S16型の代表的なXRPDピークを以下の表21に列挙する。
【0056】
【表21】
【0057】
S17型の代表的なXRPDピークを以下の表22に列挙する。
【0058】
【表22】
【0059】
S18型の代表的なXRPDピークを以下の表23に列挙する。
【0060】
【表23】
【0061】
S19型の代表的なXRPDピークを以下の表24に列挙する。
【0062】
【表24】
【0063】
S20型の代表的なXRPDピークを以下の表25に列挙する。
【0064】
【表25】
【0065】
したがって一態様では、本発明は、pTSA−A1型、pTSA−A2型、pTSA−B2型、pTSA−C2型またはその混合物である化合物Iの結晶形を提供する。別の態様では、結晶形はpTSA−A1型である。追加的態様では、結晶形はpTSA−A2型である。さらに別の態様では、結晶形はpTSA−B2型である。なおも別の態様では、結晶形はpTSA−C2型である。
【0066】
本発明の追加的態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−A1型である化合物Iの結晶形に関する。一態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θのピークと、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θおよび6.79±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θおよび/または22.58±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。なおも別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形pTSA−A1型は、実質的に図1で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0067】
本発明の別の態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−A2型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、結晶形は実質的に図3で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0068】
さらなる態様は、3.75、5.63、8.40、11.31および/または15.12±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−B2型である化合物Iの結晶形に関する。追加的態様では、結晶形は実質的に図5で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0069】
本発明の追加的態様は、5.72、8.49、11.37、13.26および/または16.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−C2型である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は実質的に図7で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0070】
本発明のさらに別の態様は、pTSA−A1型の化合物I、pTSA−A2型の化合物I、pTSA−B2型の化合物I、pTSA−C2型の化合物Iまたはその混合物を含んでなる医薬組成物に関する。
【0071】
さらなる態様では、医薬組成物はpTSA−A1型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はpTSA−A2型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はpTSA−B2型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はpTSA−C2型を含んでなる。
【0072】
本発明のさらに別の態様では、塩化メチレン存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−A1型を生じるステップを含んでなる、pTSA−A1型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様は、塩化メチレンおよびpTSA酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−A2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−A2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。追加的態様は、アセトンおよびpTSA酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−B2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−B2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。なおも本発明のさらなる態様は、n−プロパノールおよびp−トルエンスルホン酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−C2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−C2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0073】
本発明のさらなる態様は、pTSA−A1型、pTSA−A2型、pTSA−B2型、pTSA−C2型またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。別の態様では、結晶形はpTSA−A1型である。追加的態様では、結晶形はpTSA−A2型である。さらに別の態様では、結晶形はpTSA−B2型である。なおも別の態様では、結晶形はpTSA−C2型である。本発明のなおも別の態様は、pTSA−A1型の化合物I、pTSA−A2型の化合物I、pTSA−B2型の化合物I、pTSA−C2型の化合物Iまたはその混合物を含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。さらなる態様では、医薬組成物はpTSA−A1型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はpTSA−A2型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はpTSA−B2型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はpTSA−C2型を含んでなる。
【0074】
本発明の追加的態様は、A0型、B0型、C0型、D0型またはその混合物である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形はA0型である。別の態様では、結晶形はB0型である。なおも別の態様では結晶形はC0型である。さらに別の態様では結晶形はD0型である。
【0075】
本発明の追加的態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70、7.00、8.19、13.69および/または24.26±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなるX線回析パターンによって特徴付けられる、A0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θおよび/または24.26±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θおよび24.26±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、および/または13.69±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、24.26±0.2°2θ、および13.69±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θおよび/または8.19±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および24.26±0.2°2θのピークを含んでなる。さらなる態様は、実質的に図9で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、A0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0076】
さらなる態様は、6.02、9.27、12.34、15.40および/または27.18±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、B0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様は、実質的に図11で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、B0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0077】
本発明のなおも別の態様は、8.18、15.48、16.41、および/または20.87±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、C0型である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様は、実質的に図13で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、C0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0078】
さらなる態様は、7.16、7.51、12.75、21.04および/または26.86±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなるX線回析パターンによって特徴付けられる、D0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様は、実質的に図15で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、D0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、A0、B0、C0、D0型またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物に関する。さらなる態様では、医薬組成物はA0型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はB0型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はC0型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はD0型を含んでなる。
【0080】
本発明の追加的態様は、酢酸イソプロピル存在下で化合物Iを結晶化してA0型を生じるステップを含んでなる、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様は、酢酸および酢酸イソプロピル存在下で化合物Iを結晶化してA0型を生じるステップを含んでなる、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらに別の態様は、化合物Iを加熱するステップを含んでなるA0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0081】
本発明のさらなる態様は、アセトニトリル存在下で化合物Iを結晶化してB0型を生じるステップを含んでなる、B0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。なおも別の態様は、ジクロロエタン存在下で化合物Iを結晶化してC0型を生じるステップを含んでなる、C0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。追加的態様は、メタノール存在下で化合物Iを結晶化してD0型を生じるステップを含んでなる、D0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0082】
本発明の追加的態様は、A0型、B0型、C0型、D0型またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる固形腫瘍を治療する方法に関する。別の態様では、結晶形はA0型である。さらなる態様では、結晶形はB0型である。なおも別の態様では、結晶形はC0型である。さらに別の態様では、結晶形はD0型である。本発明のなおも別の態様は、A0、B0、C0、D0型またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。さらなる態様では、医薬組成物はA0型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はB0型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はC0型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はD0型を含んでなる。
【0083】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である、化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、化合物Iの結晶形はS1型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS2型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS3型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS4型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS6型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS7型である。さらに別の態様では、化合物Iの結晶形はS8型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS9型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS10型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS13型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS14型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS15型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS16型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS17型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS18型である。さらに別の態様では、化合物Iの結晶形はS19型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS20型である。
【0084】
本発明のさらなる態様は、5.50、7.21、7.76、19.69および/または25.26±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S1型である化合物Iの結晶形に関する。
【0085】
別の態様は、7.26、14.52、19.91および/または21.63±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S2型である化合物Iの結晶形に関する。
【0086】
さらに別の態様は、6.67、17.40、20.04、20.58および/または25.43±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S3型である化合物Iの結晶形に関する。
【0087】
さらに別の態様は、5.55、7.84、18.86、19.71および/または22.31±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S4型である化合物Iの結晶形に関する。
【0088】
追加的態様は、8.10、13.46、17.29、20.78および/または28.03±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S6型である化合物Iの結晶形に関する。
【0089】
さらなる態様は、6.86、13.93、19.27、20.87および/または21.06±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S7型である化合物Iの結晶形に関する。
【0090】
本発明の別の態様は、6.35、7.31、21.54、21.65および/または27.40±0.2°2θ.のピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S8型である化合物Iの結晶形に関する。
【0091】
なおも別の態様は、6.77、13.53、18.81、20.84、および26.8°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S9型である化合物Iの結晶形に関する。
【0092】
さらに別の態様は、5.84、7.64、11.49、20.23、および/または23.84±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S10型である化合物Iの結晶形に関する。
【0093】
本発明のさらなる態様は、6.75、7.08、7.26、7.60および/または22.70±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S13型である化合物Iの結晶形に関する。
【0094】
追加的態様は、7.44、14.88、20.20、21.61および/または22.39±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S14型である化合物Iの結晶形に関する。
【0095】
なおも別の態様は、7.29、12.30、14.59、19.79および/または21.27±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S15型である化合物Iの結晶形に関する。
【0096】
本発明のさらなる態様は、6.50、17.19、20.36、20.68および/または27.92±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S16型である化合物Iの結晶形に関する。
【0097】
追加的態様は、6.24、12.68、17.37、18.12および/または21.51±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S17型である化合物Iの結晶形に関する。
【0098】
さらに別の態様は、5.91、6.66、16.25、17.59および/または23.82±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S18型である化合物Iの結晶形に関する。
【0099】
なおも別の態様は、8.27、8.32、16.53、16.59、および23.28±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S19型である化合物Iの結晶形に関する。
【0100】
本発明のさらなる態様は、6.64、6.77、11.03、15.27および/または24.27±0.2°2θ.のピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S20型である化合物Iの結晶形に関する。
【0101】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である化合物Iの結晶形を含んでなる医薬組成物に関する。
【0102】
さらなる態様では、医薬組成物はS1型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS2型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS3型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS4型含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS6型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はS7型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS8型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS9型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS10型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS13型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はS14型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS15型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS16型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はS17型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はS18型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS19型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS20型を含んでなる。
【0103】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。本発明のなおも別の態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。
【0104】
本発明の追加的態様は、A0型である化合物Iの結晶形に関し、前記結晶形は、以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=27.5221(12)Å α=90°
b=6.9321(5)Å β=106.035(6)°
c=25.994(3)Å γ=90°
結晶系:単斜
空間群:Cc
分子/格子:2
【0105】
さらなる態様は、自発的結晶化法を使用して、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様では、結晶化溶媒としてPEG/ポロキサマーが使用される。
【0106】
本発明のなおも別の態様は、A0型である化合物Iの結晶形を含んでなる医薬組成物に関し、前記結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=27.5221(12)Å α=90°
b=6.9321(5)Å β=106.035(6)°
c=25.994(3)Å γ=90°
結晶系:単斜
空間群:Cc
分子/格子:2
【0107】
本発明の追加的態様は、エタノール溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.131(2)Å α=65.179(16)°
b=13.271(3)Å β=86.51(2)
c=13.6390(17)Å γ=83.69(2)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:2
【0108】
本発明のさらに別の態様は、NMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.2359(7)Åα=65.451(7)°
b=13.5644(10)Åβ=88.496(7)
c=14.4408(11)Åγ=87.326(7)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:2
【0109】
本発明のなおも別の態様は、テトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=17.6686(7)Å α=90°
b=11.0367(5)Å β=90°
c=29.2660(11)Å γ=90°
結晶系:斜方晶
空間群:Pbcn
分子/格子:8
【0110】
本発明の追加的態様は、2−プロパノール溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.1404(18)Å α=66.60(2)°
b=13.566(3)Å β=86.583(17)°
c=13.566(3)Å γ=86.583(17)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:8
【0111】
本発明のなおも別の態様は、非晶質固体(AS)である化合物Iの非晶形に関する。追加的態様では、非晶形は実質的に図50で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0112】
さらに別の態様は、非晶質固体(AS)である非晶形の化合物Iを含んでなる医薬組成物に関する。
【0113】
本発明の追加的態様は、メタノール存在下で化合物Iを溶解して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。別の態様は、エタノール存在下で化合物Iを溶解して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。追加的態様は、A0型の化合物Iを粉砕して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。さらなる態様は、A0型の化合物Iを急冷して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。
【0114】
本発明のなおも別の態様は、非晶質固体(AS)である化合物Iの非晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。
【0115】
専門用語
「非晶質」という用語は、本明細書での用法では、特徴的な結晶形または結晶構造が欠如していることを意味する。
【0116】
「抗溶媒」という用語は、本明細書での用法では、その中で化合物が実質的に不溶性である
溶媒を意味する。
【0117】
「結晶性」という用語は、本明細書での用法では、分子または外切羽面の規則的に反復する配列を有することを意味する。
【0118】
「結晶形」という用語は、本明細書での用法では、粉末X線回折によって分析すると特徴的なピークパターンを提供する、固体化合物または化合物混合物を指す。これとしては、多形体、溶媒和化合物、水和物、共結晶、および脱溶媒和された溶媒和化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明を説明する目的で、「1」という数は、pTSA−A1などのモノ(パラ−トルエンスルホン酸(pTSA)結晶塩形態を同定するのに割り当て、「2」という数は、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2などのジpTSA結晶塩形態を同定するのに使用した。さらにA、B、C、およびDという文字は、化合物I遊離塩基の4種の多形体を同定するために使用した(いずれの場合も下付「0」は遊離塩基を特定する)。「S」という文字は各溶媒和化合物を同定するのに使用し、数字は各溶媒和化合物を記載するために連続的に割り当てた。「非晶質固体(AS)」という用語は、化合物Iの非晶形を同定するのに使用した。
【0119】
「単離する」という用語は、本明細書での用法では、溶媒、抗溶媒、または溶媒と抗溶媒との混合物から化合物を分離して、固体、半固体またはシロップを提供することを意味する。これは、典型的に、遠心分離、真空ありまたはなしでの濾過、陽圧下濾過、蒸留、蒸発またはその組み合わせなどの手段によって達成される。単離には、その間に単離物の化学、キラルまたは化学およびキラル純度が増大される、精製が伴っても伴わなくてもよい。精製は、典型的に、結晶化、蒸留、抽出、酸性または塩基性または中性アルミナを通した濾過、酸性または塩基性または中性木炭を通した濾過、キラル固定相充填カラム上のカラムクロマトグラフィー、多孔性紙またはプラスチックまたはガラスバリアを通した濾過、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、再結晶化、順相高速液体クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、磨砕などの手段によって実施される。
【0120】
「多形性の」または「多形性」という用語は、同一化学分子に関して少なくとも2つの異なる結晶配置の可能性と定義される。
【0121】
「溶質」という用語は、本明細書での用法では別の物質に溶解する物質を指し、通常、溶液の構成要素はより少ない量で存在する。
【0122】
「溶液」という用語は、本明細書での用法では、少なくとも1つの溶媒と、溶媒に少なくとも部分的に溶解する少なくとも1つの化合物とを含有する混合物を指す。
【0123】
「溶媒和化合物」という用語は、本明細書での用法では、結晶構造中に溶媒分子を含有する結晶物質を指す。
【0124】
「溶媒」という用語は、本明細書での用法では、典型的に固体である別の物質を完全にまたは部分的に溶解できる、典型的に液体である物質を意味する。本発明を実施するための溶媒としては、水、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ブタノン、ブチロニトリル、tert−ブタノール、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、イソブチルアルコール、酢酸イソプロピル、イソプロピルアミン、メタノール、メトキシベンゼン、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ホルムアミド:水(1:1)、N−メチルピロリジノン(1:1)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、1ペンタノール、1,2−プロパンジオール、2−プロパノール、1−プロパノール、プロパノニトリル、ピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トルエン、トリエチルアミン、キシレン、それらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0125】
「治療的有効量」という用語は、本明細書での用法では、意図される生理学的効果を生じるのに要する測定された量を指し、確立された薬物動態学的方法および技術に従った測定により、特定投与経路について特定薬剤と関連付けられている。適切な特定の治療的有効量は、当業者としての担当診断医により、従来技術の使用によって容易に判定し得る。有効量は、疾患または障害のタイプおよび進行度、特定患者の全般的健康状態、選択される化合物の相対的生物学的有効性、活性薬剤と適切な賦形剤との配合、および投与経路をはじめとするいくつかの要素に応じて変動する。
【0126】
特に断りのない限り、本明細書全体を通じて述べられる百分率は、重量/重量(w/w)百分率である。
【0127】
「薬学的に許容できる賦形剤」という用語は、本明細書での用法では、あらゆるそして全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含む。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用については、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.;Gennaro,A.R.,Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2000など、当該技術分野で良く知られている。あらゆる従来の媒体または薬剤は、活性成分と不適合である場合を除き、治療的組成物中におけるその使用が検討される。補足活性成分もまた、組成物に組み込み得る。
【0128】
治療的な目的では、本発明の結晶形は、活性薬剤と対象の身体中の薬剤作用部位との接触をもたらすあらゆる手段によって投与し得る。結晶形は、個々の治療薬として、または例えば鎮痛剤などのその他の治療薬との併用のどちらかとして、医薬品と関連して使用するのに利用できるあらゆる従来の手段によって投与してもよい。本発明の結晶形は、好ましくは、本明細書に記載される疾患および障害治療のために、それを必要とする対象に治療的有効量で投与される。
【0129】
治療的有効量は、当業者としての担当診断医により、従来技術の使用によって容易に判定し得る。有効量は、疾患または障害のタイプおよび進行度、特定患者の全般的健康状態、選択される結晶形の相対的生物学的有効性、活性薬剤と適切な賦形剤との配合、および投与経路をはじめとするいくつかの要素に応じて変動する。典型的には結晶形をより低い投薬量レベルで投与して、所望の効果が得られるまで次第に増大させる。
【0130】
典型的な用量範囲は1日あたり約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重であり、好ましい用量は1日あたり約0.01mg/kg〜10mg/kg体重である。好ましい1日量は成人で約25、50、100、および200mg、小人ではその等価用量である。結晶形は、1つ以上の単位用量形態で投与してもよい。約1〜約500mgの範囲の単位用量が毎日1〜4回、好ましくは約10mg〜約300mgが毎日2回投与される。有効量について述べる代案の方法では、経口単位用量は、対象において約0.05〜20μg/ml、好ましくは約1〜20μg/mlの血液血清レベルを得るのに必要なものである。
【0131】
本発明の結晶形は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤との混和によって、医薬組成物に調合してもよい。賦形剤は、選択された投与経路、および例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.;Gennaro,A.R.,Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2000で記載されるような標準製薬法に基づいて選択される。組成物は、速溶性、放出調節、または持続放出製剤のように、活性薬剤の放出を制御しおよび/または遅延させるように調合してもよい。このような放出制御、または持続放出組成物は、例えば生体適合生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド共重合体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、または当該技術分野で知られているその他の固体または半固体高分子マトリックスを利用してもよい。
【0132】
組成物は、経口手段;静脈内、筋肉内、および皮下経路をはじめとする非経口手段;局所適用または経皮手段;直腸、膣、舌下、およびバッカル経路をはじめとする経粘膜手段;点眼手段;または吸入手段による投与のために調製し得る。好ましくは組成物は、経口投与のために特に錠剤、カプセルまたはシロップの形態で;非経口投与のために特に液体溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態で;鼻腔内投与のために特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾルの形態で;または局所投与のためにクリーム、軟膏、溶液、懸濁液、エアロゾル、粉末などの形態で調製される。
【0133】
経口投与のために、錠剤、丸薬、粉末、カプセル、トローチなどは、デンプン、またはセルロースなどの希釈剤または賦形剤;微結晶セルロース、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどのバインダー;デンプンまたはセルロース誘導体などの崩壊剤;滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;コロイド二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミントまたはチェリー香味料などの着香剤の1つ以上を含有し得る。カプセルは前述の賦形剤のいずれかを含有してもよく、ポリエチレングリコールなどの半固体または液体キャリアをさらに含有してもよい。固形経口剤形は、糖、シェラック、または腸溶剤のコーティングを有してもよい。液体製剤は、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤などの形態であってもよく、または使用前に水またはその他の適切なビヒクルで戻される乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、甘味料および着香剤、染料および保存料などの従来の添加剤を含有してもよい。
【0134】
組成物はまた、非経口的に投与されてもよい。注射用に許容可能な製薬形態としては、例えば無菌水溶液、または懸濁液が挙げられる。水性キャリアとしては、アルコールと水の混合物、緩衝媒体などが挙げられる。非水性溶媒としては、エタノールおよびポリエチレングリコールなどのアルコールおよびグリコール;植物油などの油;脂肪酸および脂肪酸エステルなどが挙げられる。添加し得るその他の構成要素としては、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤;塩化ナトリウムなどの等張剤;体液補給および栄養素補給液;電解質補充薬;活性化合物の放出を制御するモノステアリン酸アルミニウムおよび様々なコポリマーなどの薬剤;クロロブタノールまたはフェノールなどの抗細菌剤;緩衝液などが挙げられる。非経口製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたは複数回投与バイアル内に封入し得る。活性化合物のためのその他の潜在的に有用な非経口送達系としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型輸液系、およびリポソームが挙げられる。
【0135】
その他の可能な投与様式としては、乾燥粉末、エアロゾル、または滴剤などの手段をはじめとする吸入用製剤が挙げられる。それらは、例えば点鼻薬の形態で投与するためのポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸、およびデオキシコール酸を含有する水溶液、または油性溶液、または鼻腔内に塗布されるゲルであってもよい。局所用製剤は、軟膏、クリーム、またはゲルの形態である。典型的にこれらの形態は、ペトロラタム、ラノリン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組み合わせなどのキャリアと、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤またはトラガカントなどのゲル化剤のどちらかとを含む。経皮投与に適した製剤は、個別のパッチ、レザバーまたはミクロレザバーシステム、貼付拡散律速システムまたはマトリックス分散型システムとして提供し得る。バッカル投与用製剤としては、例えばロゼンジまたは香錠が挙げられ、スクロースまたはアカシアなどの風味付けされた基材、およびグリココール酸塩などのその他の賦形剤もまた含んでもよい。直腸投与に適した製剤は好ましくは単位用量坐薬として提供され、カカオバターなどの固体ベースのキャリア、およびサリチル酸を含んでもよい。
【0136】
計測手段
粉末X線回折(XRPD)
40kVおよび40mAでのCu−Kα放射を使用して、PANalytical X Pert Pro回折計上で粉末XRDパターンを記録した。標準X線粉末パターンスキャンは、ステップサイズサイズ0.0080°および計測時間96.06秒で、約2〜40°2θまで収集し、それはおよそ0.5°/分のスキャン速度をもたらした。可変温度研究では、およそ21°/分における一連の迅速スキャンを収集した。典型的な迅速スキャンは、ステップサイズ0.167°および計測時間64秒で、3°〜30°2θまでであった。
【0137】
単結晶では、2kWの電力(50kV、40mA)で稼働するグラファイトモノクロメーターおよびMoKα高精度封管(λ=0.71073Å)を装着したOxford Instruments Xcalibur3回折計システム上において、110(2)KでX線強度データを測定した。検出器は結晶から50mmの距離に置いた。ωで1.00oのスキャン幅で515のフレームを収集した。全てのフレームは、曝露時間60秒/フレームで収集した。フレームは、Oxford回析パッケージCrysAlis REDを使用して積分した。
【0138】
示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)
Pyrisソフトウェアバージョン6.0を使用する、Perkin−Elmer Series 7 DSCおよびTGAを使用して熱曲線を得た。1〜11mgの固体試料を20μLアルミニウムサンプルパンに秤り入れてクリンプシールし、上蓋にピンホールを穿った。セルを窒素でパージして、温度を0℃から300℃に10℃/分で加熱した。窒素で約50mL/分でパージした炉内において、25℃から300℃に10℃/分で加熱した際の%重量損失について1〜15mgのTGAサンプルをモニターした。
【0139】
Pyrisソフトウェアバージョン6.0を使用したPerkin−Elmer Sapphire DSC Autosampler Unit DSCおよびPyris 1TGAを使用して、熱曲線もまた得た。1〜11mgの固体試料を20μLアルミニウム開放サンプルパンに秤り入れた。セルを窒素でパージして、温度を0℃から355℃に10℃/分で加熱した。窒素で約50mL/分でパージした炉内において、25℃から400℃に10℃/分で加熱した際の%重量損失について、1〜15mgのTGAサンプルをモニターした。
【実施例】
【0140】
pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2結晶形
化合物I−pTSA−A1の調製
パイロットプラントバッチ化合物I−pTSA(1:1.03)(Cephalon France,MitriMory,France)の344.6mgのサンプルを100mL(290vol.)の塩化メチレン中でスラリーにして沸点に加温し、撹拌しながらこの温度に10分間保った。5μmの薄膜フィルターを使用してスラリーを吸引濾過し、固形物を塩化メチレン(2×10mL)で洗浄した。得られたオレンジ色の溶液を約5mLの体積に濃縮した。この間、15〜20mLの体積が残った時点で溶液は濁り始めた。スラリーを2〜8℃で一晩冷却して真空濾過し、黄橙色固体を得てそれを室温で230mgの恒量に乾燥させた(収率67%)。
【0141】
化合物I−pTSA−A2の調製
化合物I遊離塩基(Cephalon France、Mitri Mory、France)の200.7mgのサンプル(0.420mmole)を105mL(523vol.)の塩化メチレン中で撹拌しながら沸点に加熱して、撹拌しながら2〜3分間この温度に保った。濁った温かい溶液を5μシリンジフィルターを使用して濾過し、撹拌しながら20mLの塩化メチレン中の165.7mgのpTSA酸一水和物(0.871mmole)のスラリー中に入れた。最初透明だったオレンジ色の溶液は、少数の目に見えるpTSA酸の粒子を除いて全て溶解した。温度を維持しながら、この溶液を5μフィルターディスクを用いて迅速にシリンジ濾過した。濾過後、溶液は濁って結晶が顕在化した。撹拌しながら沸点に加温して溶液を約25mLに濃縮し、2〜8℃で一晩冷却した。スラリーを真空濾過して、固形物をドラフト内において室温で約4時間乾燥させた。黄橙色固体は274.1mgと秤量された(収率79%)。
【0142】
化合物I−pTSA−B2の調製
化合物I遊離塩基(0.431mmole)の206.0mgのサンプルを150mL(728vol.)のアセトン中で撹拌しながら沸点に加熱してこの温度に30分間保ち、残る微粒子を溶解した。追加的アセトンを添加して、蒸発で失われた体積を補った。橙黄色溶液を5μシリンジフィルターを使用してシリンジ濾過し、撹拌しながら25mLのアセトン中の165.3mgのpTSA一水和物(0.869mmole)の溶液に入れた。濾過後短時間内に固形物が形成し、スラリーを約25mLに濃縮して2〜8℃で一晩冷却する間、残留した。スラリーを真空濾過し、固形物を50℃のオーブン内で21時間乾燥させた。淡い黄橙色固体は204.4mgと秤量された(収率58%)。
【0143】
化合物I−pTSA−C2の調製
およそ2.5mLのn−プロパノール中に、20.6mgの化合物I−S1(0.043mmole)を沸点で溶解した。この溶液を温かい内にシリンジ濾過し、1mLのn−プロパノール中の16.5mgのp−トルエンスルホン酸一水和物(0.086mmole)溶液に入れた。即時の溶液の色変化に、沈殿物形成が続いた。沸点に加熱して混合物を約2mLに濃縮し、2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過とそれに続く4時間の風乾から、22mgの黄色固体が得られた(収率62%)。
【0144】
形態スケールアップ特性解析
XRPD
XRPDパターンを少なくとも2回繰り返し、再現性を保証した。数字は主としてXRPDパターンに基づいて割り当て、異なる粉末パターンが発見されたら文字と数字を昇順に割り当てた。数1はpTSA−A1などのモノpTSA塩形態を同定するのに割り当て、2はpTSA−A2またはpTSA−B2などのジpTSA塩のために使用した。化合物I−pTSA:塩(1:1)の単一の同定された結晶形のXRPDパターンを図1(pTSA−A1)に示し、および化合物I−PTSA:塩(1:2)の同定された結晶形のXRPDパターンを図3(pTSA−A2)、図5(pTSA−B2)、および図7(pTSA−C2)に示す。
【0145】
DSCおよびTGA
pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2のDSC曲線(それぞれ図2、図4、図6、および図8)は特徴的であり、特定の固体状相を同定するのに使用し得る(下の表32)。pTSA−A1型は約266.4℃の単一ピークを示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は12.92J/gである。pTSA−A2型のDSC曲線は、約278.4℃のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は18.45J/gである。pTSA−B2型は、約280.2℃のピーク温度で吸熱を示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は17.47J/gである。TGA(図2、図4および図6)によって重量損失が検出されなかったので、脱溶媒和過程の存在は考慮しなかった。pTSA−C2型は約280.4℃のピーク温度で融解し、融解エンタルピー(ΔfusH)は77.13J/gであった。
【0146】
【表26】
【0147】
A0、B0、C0、D0、S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、S9、S10、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、およびS20結晶形
化合物IのA0型の調製(溶媒和化合物混合物の変換)
恒温槽内で機械的ミキサーを使用して、130.0ml(36Vol.)の酢酸イソプロピル中の化合物I(3.6g)(Cephalon France,Mitry Mory,France)のスラリーを20℃、約400rpmで12日間撹拌した。固体を濾過により収集して酢酸イソプロピル(5ml)で洗浄し、50℃で一晩乾燥させて多形体化合物I−A0を白色から淡黄色の固体として得た(3.31g、歩留まり92%)。この変換は20〜60℃の温度範囲で実施してもよい。
【0148】
化合物IのA0型の調製(酢酸を使用した変換)
遊離塩基(89.9g)を熱酢酸(2853mL(30Vol.)中で完全に可溶化し、冷却して濾過後に湿潤2HOAc−11981中間体を得た。湿潤固形物を酢酸イソプロピル(30vol.)中でスラリーにして、大部分を化合物IのA0型に変換した。バッチを濾過し、室温で橙色固体として乾燥させた(77.4g、歩留まり87%)。
【0149】
化合物IのA0型の調製(固体−固体転移による変換)
化合物I−A0を20mgの化合物Iとして得て、225℃に加熱して10分間保った。
【0150】
化合物IのB0型の調製
磁気撹拌棒を用いて、30.3mgの化合物Iを18mL(594vol)のアセトニトリル中に沸点で溶解した。混合物を0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して濾過し、加温したガラスバイアルに入れた。サンプルを蒸発させ、およそ10mLに濃縮した。残留する透明な黄色溶液を72時間かけて蒸発させた。橙色固体は13mgと秤量された(49%歩留まり)。
【0151】
化合物IのC0型の調製
磁気撹拌棒を用いて、49.6mgの化合物Iを30mL(604vol.)のジクロロエタン中に沸点で溶解した。0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、加温ガラスバイアルに入れた。溶液をRTに冷却し冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。残留した透明黄色溶液を72時間かけて蒸発させた。サンプルを濾過して結晶を薬包紙に移し、実験室の周囲条件下で恒量に乾燥させた。橙色固体は16mgと秤量された(歩留まり32%)。
【0152】
化合物IのD0型の調製
磁気撹拌棒を用いてガラスバイアル内で、50mgの化合物Iを10mLのメタノール(200Vol.)中に沸点で溶解した。0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、加温ガラスバイアルに入れた。溶液をRTに冷却し冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。回収率は6mgであった(歩留まり3%)。
【0153】
化合物I非晶質固体の調製
溶液(迅速な沈殿)から:磁気撹拌棒を使用して、279.89mgの化合物Iを沸点で80mL(294vol.)のメタノールに溶解した。0.25μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、磁気撹拌棒を用いて500mLの湿った氷および200mLの冷水に入れた。溶液を冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて吸引濾過し、固形物を単離した。回収率は106.8mgであった(歩留まり48%)。
【0154】
溶液(迅速な沈殿)から:磁気撹拌棒を使用して、100mgの化合物Iを沸点で25mL(250vol.)の変性エタノールに溶解した。0.25μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、磁気撹拌棒を用いて500mLの湿った氷および冷水に入れた。溶液を冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。回収率は54mgであった(歩留まり54%)。
【0155】
結晶相(粉砕)から:およそ30mgの化合物I−A0をめのう乳鉢内で3〜12分間にわたる異なる時間粉砕した。XRPDおよび熱分析のために、サンプルを取り出した。粉砕工程を3分毎に停止して、ジャーの湾曲端でこすり落として粉末ケーキを再度混ぜ合わせ、均質な粉砕を保証した。
【0156】
液相(急冷)から:化合物I−A0をその融点をおよそ360℃上回る温度で融解し、次に冷却速度10℃/分でTgをおよそ100℃下回る温度に冷却した。
【0157】
化合物IのS1型の調製
およそ64.46gの化合物Iをジクロロメタン/エタノール90/10(3L)に可溶化し、溶媒を蒸発させて乾燥させた。得られた固体を数日間真空下で乾燥させた。室温で6日間+40℃で48時間+45℃で24時間。回収率は94%であった。
【0158】
化合物IのS2型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1,2−ジクロロエタン中で沸点に加熱しながら撹拌し、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、3mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、13mgの固体を得た(回収率26%)。
【0159】
化合物IのS3型の調製
50mgの化合物Iを2.5mLのN−メチルピロリドン(NMP):水(6:4;v:v)の中で沸点に加熱しながら撹拌し、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の室内空気中での乾燥から、28mgの固体を得た(回収率56%)。
【0160】
化合物IのS4型の調製
A)50mgの化合物Iを3mLのクロロホルム中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、溶液を室温で蒸発させて、48.4mgの固体を得た(回収率97%)。
【0161】
B)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0162】
C)0.3mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0163】
D)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に迅速(10℃/分)に最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0164】
化合物IのS6型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1,2−ジクロロエタン中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、3mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、13mgの固体を得た(回収率26%)。
【0165】
化合物IのS7型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1−プロパノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、17mgの固体を得た(回収率34%)。
【0166】
化合物IのS8型の調製
50mgの化合物Iを5mLの1−ブタノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、17mgの固体を得た(回収率34%)。
【0167】
化合物IのS9型の調製
50mgの化合物Iを5mLの2−プロパノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、1mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、3.5mgの固体を得た(回収率7%)。
【0168】
化合物IのS10型の調製
509.2mgの化合物Iを沸点で90mLのテトラヒドロフランに溶解し、溶液をシリンジ濾過して(1.2μ、ナイロン膜)実験台上で一晩放冷して、非常にわずかな結晶物質を得た。サンプルを2〜8℃で一晩、次に−13℃で数時間冷却したところ、外観検査による判定でさらなる結晶形成はなかった。母液を傾斜して除去し、実験室ドラフト内で固形物を乾燥させ、186mgの橙赤色の生成物を得た(回収率37%)。
【0169】
化合物IのS13型の調製
26.4mgの化合物Iをジクロロメタン(2.7mL)とエタノール(0.3mL)との混合物中に沸点で溶解した。サンプルをシリンジ濾過し(0.22μ、ナイロン)、溶液を一晩蒸発させて固体を得て、それをドラフト内で恒量に乾燥させると12.5mgが得られた(回収率47%)。
【0170】
化合物IのS14型の調製
40.6mgの化合物Iを4mLの98:2(v:v)テトラヒドロフラン:水中で沸点に加温した。スラリーをシリンジ濾過して、透明な溶液を冷凍庫内で一晩冷却した。スラリーを蒸発させ、容器の底の結晶物質は、12mgと秤量された(回収率30%)。
【0171】
化合物IのS15型の調製
A)50.5mgの化合物Iを1mLのNMPに溶解して、室温で透明な溶液を得た。12mLの温かいトルエンを一度に添加して溶液を得て、それを2〜8℃で一晩保存して赤橙色固体を得た。液体を固体から傾斜して除去し、固体を容器からこすり落としてドラフト内で恒量に乾燥させ、29mgの固体を得た(回収率50%)。
【0172】
B)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0173】
化合物IのS16型の調製
54.9mgの化合物Iを沸点で5mLの1,2−ジクロロエタン中でスラリーにする。0.5mLのNMPを添加して形成された透明な溶液をシリンジ濾過して(5μ、ナイロン)室温で数時間放冷すると、白色固体が形成した。混合物を冷凍庫内で一晩冷却した。スラリーを冷凍庫から3〜1.5mL遠心管に入れて、得られたペレットを室温で一晩乾燥させて14mgの固体を得た(回収率26%)。
【0174】
化合物IのS17型の調製
51.2mgの化合物Iを5mLの70:30(v:v)クロロホルム:酢酸イソプロピルに溶解した。溶液を2〜8℃で一晩冷却した。得られたスラリーを3本の1.5mL遠心管に分配した。ペレットを薬包紙に取り出して恒量に乾燥させ、33mgの固体を得た(回収率64%)。
【0175】
化合物IのS18型の調製
49.9mgの化合物Iを3mLの1,4−ジオキサンに加熱して溶解した。温まると2mLのシクロヘキサンは濁った溶液を与え、それを2〜8℃で一晩冷却した。得られたスラリーを3本の1.5mL遠心管に分配した。ペレットを薬包紙に取り出して一晩乾燥させ、31mgの固体を得た(回収率62%)。
【0176】
化合物IのS19型の調製
100mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中の2gの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度20℃に冷却した。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。
【0177】
化合物IのS20型の調製
1gの化合物I−S20は、室温でUltra−Turaxホモジナイザーを使用して、溶媒和化合物S19を40mlの酢酸イソプロピル(40vol.)中で15分間撹拌して得た。
【0178】
形態スケールアップ特性解析
XRPD
各型のX線回析測定は少なくとも2回反復し、ピーク位置(2θ)の完全な再現性を得た。
【0179】
化合物I−A0特徴的なXRPD回析パターンを図9に示す。化合物I−B0に特徴的なXRPD回析パターンを図11に示す。化合物I−C0に特徴的なXRPD回析パターンを図13に示す。化合物I−D0に特徴的なXRPD回析パターンを図15に示す。化合物I溶媒和化合物S1〜S4、S6〜S10、およびS13〜S20に特徴的なXRPD回析パターンをそれぞれ図17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、36、38、40、42、44、46、および48に示す。非晶質固体(AS)のXRPD回析パターンを図50に示す。
【0180】
DSC/TGA
化合物IのA0、B0、C0、およびD0型の開始、ピークDSC、および融解エンタルピー温度を下の表41に示す。
【0181】
【表27】
【0182】
化合物IのA0、B0、C0、およびD0型のDSCおよびTGAパターンをそれぞれ図10、12、14、および16に示す。
【0183】
溶媒和化合物S1〜S4、S6〜S10、およびS14〜S20DSCおよび/またはTGAのパターンをそれぞれ図18、20、22、24、26、28、30、32、34、37、39、41、43、45、47、および49に示す。
【0184】
非晶質固体化合物I(AS)のDSCプロフィールは非常に幅広い発熱ピークを示し、それは多形体化合物I−A0の形成をもたらす結晶化過程に起因するエネルギー放出に付随して、328℃の幅広い吸熱反応ピークはその融解に対応する。実験を20℃〜160℃で実施すると、ガラス転移事象は観察されなかった。ASは約155℃のガラス転移温度(Tg)を示し、熱容量(?Cp)は0.391J/g*℃である。新鮮に調製されたASは、非晶質相の結晶化およびその安定した結晶への変換のために2つの発熱ピークを示し、328℃で融解し、それは完全な結晶の融点とほぼ同じ温度である。
【0185】
非晶質固体化合物I(AS)のDSCおよびTGAパターンを図51に示す。
【0186】
化合物IのA0型単結晶
40℃/75%相対湿度(RH)で3ヶ月間保存したPEG/ポロキサマー10mg用量カプセルから、単結晶を得た。製剤混合物から次のように結晶を単離し精製した。8個のカプセルの内容物をブフナー漏斗内の濾紙の上に放出し、全てのマトリックス材が溶解するまで小分けした熱DI水で洗浄した。精製結晶物質から、単結晶分析に適した結晶を単離した。化合物IのA0型の単結晶サンプルおよび結晶データを下の表42に示す。非対称ユニット中に、化合物Iの2つの独立した分子がある。それらは分子中核のアミド部分間の頭−頭水素結合によって連結されて、二量体になる(図53)。さらに二量体は、アミノ−ピリミジン部分間の水素結合によって連結される。
【0187】
【表28】
【0188】
化合物Iエタノール溶媒和化合物単結晶
エタノール中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iエタノール溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表46に示す。
【0189】
【表29】
【0190】
化合物I−NMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶
NMP:水(1:1)中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物IのNMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表47に示す。
【0191】
【表30】
【0192】
化合物Iテトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶
テトラヒドロフラン中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iのテトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表48に示す。
【0193】
【表31】
【0194】
化合物I2−プロパノール溶媒和化合物単結晶
2−プロパノール中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iの2−プロパノール溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表49に示す。
【0195】
【表32】
【0196】
水、およびpH1、pH2の緩衝液中の化合物Iの様々な型の溶解度
25mgの、または飽和溶液を維持する適切量の化合物Iの様々な型を水、およびpH1、pH2のHCl/KCl緩衝液に添加して、溶解度を測定した。HEL Crystal Scan unit(HEL,UK)を使用して、25℃の温度および300rpmの撹拌速度を維持した。サンプルを指定時に抜き取って濾過し、下述の方法を使用してHPLCによって化合物Iについて分析した。
【0197】
溶解度サンプル中のCEP11981含量を測定するためのHPLC法
LC−0410−ADと称される、較正したThermoFinnigan高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム上で試験を実施した。システムは、P4000ポンプ、AS3000オートサンプラー、およびUV2000検出器を含んでなる。TCM 2000温度制御モジュールを使用してカラムを加熱した。全ての標準溶液およびサンプルはクラスAガラスメスフラスコ内で調製し、オートサンプラーバイアルに入れた。標準秤量は、較正したMettler化学天秤を使用して実施した。試料調製品をエッペンドルフ微量遠心機を使用して遠心分離した。一次クロマトグラフィーデータを得て、ChromQuestソフトウェアを使用して積分した。Microsoft Office Excel2003を使用して、結果を計算した。
【0198】
測定器パラメーター:MET−0002383
カラム:MS C18、150×4.6mm ID、3.5μ水、m Xterra packing
カラム温度:30℃
検出器:UV/VIS@270nm
注入量:25mL
実施時間:27分
流速:1.0mL/分
移動相A:10mM酢酸アンモニウム(水性)
移動相B:サンプル溶媒中の10mM酢酸アンモニウム
ニードル洗浄:メタノール
勾配:
【0199】
【表33】
【0200】
【表34】
【0201】
化合物Iの様々な固体状形態の異なる溶解度は、医薬組成物を調製する場合に有利たり得る。例えば1つ以上の賦形剤と組み合わせた化合物Iの1つ以上の特定の固体状態または結晶形を選択することは、特定の生物学的利用能プロフィールがある医薬組成物を提供し得る。
【0202】
XRPDスペクトルのピーク高さ(強度)は変動してもよく、温度、結晶サイズまたは形態、試料調製、またはPANalytical X Pert Pro回折計またはOxford Instruments Xcalibur3回折計システムの分析ウェル内のサンプル高さなどの変数に左右されることを理解すべきである。
【0203】
異なる放射源を使用して測定する場合、ピーク位置が変動してもよいこともまた理解すべきである。例えばCu−Kα1、Mo−Kα、Co−Kα、およびFe−Kα放射は、それぞれ1.54060Å、0.7107Å、1.7902Å、および1.9373Åの波長を有し、Cu−Kα放射を用いて測定されるものとは異なるピーク位置を提供してもよい。Cu−Kα放射の波長はλ=1.54056Åである。
【0204】
一連のピーク位置に続く「±0.2°2θ」という用語は、それが続くグループの全ピークが±0.2°2θのばらつきがある角度位置に関して報告されることを意味することもまた理解すべきである。例えば「6.81、8.52、9.73、12.04および/または13.25±0.2°2θ」は、「6.81±0.2°2θ、8.52±0.2°2θ、9.73±0.2°2θ、12.04±0.2°2θおよび/または13.25±0.2°2θ」を意味する。
【0205】
当業者は理解するであろうように、上記の教示を考慮して、本発明の多数の修正と変更が可能である。したがって添付の特許請求の範囲の範囲内で、本発明を具体的に本明細書に記載されるのとは別のやり方で実施し得て、本発明の範囲はこのような変更を全て包含することが意図されるものと理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新しい縮合ピロロカルバゾール化合物である化合物Iを含有する組成物、化合物Iを含んでなる医薬組成物、それらを再現性良く生成する方法、およびそれらを使用して患者を治療する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
活性医薬品成分(API)は、例えば化学誘導体、溶媒和化合物、水和物、共結晶、または塩などの多様な異なる形態で調製し得る。APIはまた非晶質であってもよく、異なる結晶性多形体を有してもよく、または異なる溶媒和または水和状態で存在してもよい。APIの形態を変化させることで、その物理的性質を変化させることが可能である。例えば結晶性多形体は典型的に異なる溶解性を有するので、熱力学的により安定した多形体は熱力学的により不安定な多形体よりも可溶性に劣る。多形体はまた、安定性、生物学的利用能、形態、蒸気圧、密度、色、および圧縮率などの特性が異なり得る。したがってAPIの結晶状態の変更は、その物理的および薬理学的特性を調節する数多くの方法の一つである。
【0003】
生物学的に活性であり、「縮合ピロロカルバゾール」として一般に当該技術分野で知られている様々な合成小型有機分子が調製されている(米国特許第5,475,110号明細書、米国特許第5,591,855号明細書、米国特許第5,594,009号明細書、米国特許第5,616,724号明細書、および米国特許第6,630,500号明細書を参照されたい)。これに加えて米国特許第5,705,511号明細書は、多様な機能的薬理学活性を有する縮合ピロロカルバゾール化合物を開示する。縮合ピロロカルバゾールは、単独で、または神経栄養因子および/またはインドロカルバゾールとの併用のどちらかで、神経細胞系の細胞の機能および/または生存を促進し;栄養素が誘発する活性を増強し;タンパク質キナーゼC(「PKC」)活性を阻害し;trkチロシンキナーゼ活性を阻害し;前立腺癌細胞系の増殖を抑制し;炎症過程に関与する細胞性経路を阻害し;死滅リスクがある神経細胞の生存を増強することをはじめとする、様々な方法で使用されることが開示されている。
【0004】
化学名11−イソブチル−2−メチル−8−(2−ピリミジニルアミノ)−2,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−4H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾロ−4−オンを有する、特定の縮合ピロロカルバゾール化合物は、抗腫瘍および抗血管新生活性を有する強力な経口的活性TIE−2/VEGF−R阻害剤であり、次式(I)で表される。
【化1】
【0005】
この化合物は下文において「化合物I」と称される。米国特許第7,169,802号明細書は、化合物Iおよびその効用について記載する。
【0006】
化合物Iの異なる化学または固体状形態は、異なる融点、溶解性または溶解速度を有し得る。これらの物理的性質は、単独で、または併用のどちらかで生物学的利用能に影響を及ぼし得る。化合物Iの様々な化学/固体状形態の物理的性質はまた、製造、加工、および保存特性などの薬剤開発のその他の側面にも影響を及ぼし得る。APIの代替形態の潜在的利点の観点から、化合物Iの代替形態を同定し調製する必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
化合物Iの様々な化学形態、ならびにそれらの調製方法について記載する。これらの化学形態の1つ以上を含んでなる医薬組成物についてもまた記載し、このような組成物を用いた治療方法についても記載する。
【0008】
本発明の医薬組成物は、血管新生阻害のため;抗腫瘍剤として;単独で、または神経栄養因子および/またはインドロカルバゾールとの併用のどちらかで、神経細胞系の細胞の機能および/または生存を促進するため;栄養素が誘発する活性を増強するため;trkチロシンキナーゼ(「trk」)、血管内皮増殖因子受容体(「VEGFR」)キナーゼ、好ましくはVEGFR1およびVEGFR2、混合系統キナーゼ(「MLK」)、二重ロイシンジッパーベアリングキナーゼ(「DLK」)、血小板由来成長因子受容体キナーゼ(「PDGFR」)、タンパク質キナーゼC(「PKC」)、Tie−2、またはCDK−1、−2、−3、−4、−5、−6などのキナーゼ活性の阻害;NGF−刺激trkリン酸化の阻害のため;前立腺癌細胞系の増殖抑制のため;炎症過程に関与する細胞性経路の抑制のため;死滅リスクがある神経細胞の生存の増強のためをはじめとする様々な方法で使用してもよい。これに加えて医薬組成物は、膜近傍領域内のc−met、c−kit、および遺伝子内縦列重複含有変異Flt−3の阻害に有用かもしれない。これらの多様な活性のために、開示される医薬組成物は、研究および治療的環境をはじめとする多様な状況で役立つ。
【0009】
別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、血管新生、および固形腫瘍癌などの血管原性障害、子宮内膜症、網膜症、糖尿病性網膜症、乾癬、血管芽細胞腫、眼の障害または黄斑変性を治療または予防するのに有用である。別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、新生物形成、関節リウマチ、慢性関節炎、肺線維症、骨髄線維症、創傷治癒異常、アテローム動脈硬化、または再狭窄を治療または予防するのに有用である。さらなる実施態様では、本発明の医薬組成物は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化、パーキンソン病、脳卒中、虚血、ハンチントン疾患、AIDS認知症、てんかん、多発性硬化症、末梢神経障害、化学療法誘発性末梢神経障害、AIDS関連末梢神経障害、または脳または脊髄の外傷などの神経変性疾患および障害を治療または予防するのに有用である。さらなる実施態様では、本発明の医薬組成物は、前立腺癌または良性前立腺過形成などの前立腺障害を治療または予防するのに有用である。なおも別の実施態様では、本発明の医薬組成物は、多発性骨髄腫、および急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、および慢性リンパ球性白血病をはじめとするが、これに限定されるものではない白血病を治療または予防するのに有用である。
【0010】
さらなる態様では、本発明は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤と治療的有効量の本発明の形態とを含んでなる、医薬組成物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】pTSA−A1型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図2】pTSA−A1型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図3】pTSA−A2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図4】pTSA−A2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図5】pTSA−B2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図6】pTSA−B2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図7】pTSA−C2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図8】pTSA−C2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図9】A0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図10】A0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図11】B0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図12】B0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図13】C0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図14】C0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図15】D0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図16】D0型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図17】S1型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図18】S1型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図19】S2型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図20】S2型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録である。
【図21】S3型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図22】S3型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図23】S4型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図24】S4型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図25】S6型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図26】S6型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図27】S7型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図28】S7型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図29】S8型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図30】S8型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図31】S9型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図32】S9型aの示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図33】S10型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図34】S10型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図35】S13型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図36】S14型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図37】S14型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図38】S15型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図39】S15型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図40】S16型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図41】S16型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図42】S17型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図43】S17型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図44】S18型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図45】S18型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録である。
【図46】S19型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図47】S19型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図48】S20型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図49】S20型の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図50】非晶質固体(AS)の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【図51】非晶質固体(AS)の示差走査熱量測定(DSC)温度記録および熱重量分析(TGA)温度記録オーバーレイである。
【図52】用いられた付番体系を示す、単結晶構造A0からの化合物Iの分子Aの図を描写する。
【図53】用いられた付番体系を示す、単結晶構造A0型からの化合物Iの分子Bの図を描写する。
【図54】単結晶構造A0型にある化合物Iの2つの独立した分子によって形成される、水素結合した頭−頭二量体の図を描写する。
【図55】化合物Iの単結晶構造A0型の粉末X線回折測定(XRPD)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
化合物Iのいくつかの化学形態の存在が今や発見された。これらの形態の調製および説明を本明細書に記載する。これらの形態に関するスペクトルデータおよび構造的描写を図1〜55に示す。
【0013】
より具体的には、化合物I−パラ−トルエンスルホン酸(pTSA):塩(1:1)、および化合物I−pTSA:塩(1:2)原薬のいくつかの異なる結晶形の存在が発見された。具体的には、化合物I−pTSA:塩(1:X;X=1またはX=2)原薬を使用した本明細書に記載される多形体スクリーニングおよび単離作業は、pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2の4種の結晶形の同定をもたらした。化合物I−pTSA:塩(1:1)(pTSA−A1)については多形性は検出されなかった。結晶化技術を使用して、異なる溶媒から化合物I−pTSA:塩(1:2)の3種の多形体(pTSA−A2、pTSA−B2、pTSA−C2)が調製された。
【0014】
pTSA−A1型の代表的なXRPDピークを以下の表1に列挙する。
【0015】
【表1】
【0016】
pTSA−A2型の代表的なXRPDピークを以下の表2に列挙する。
【0017】
【表2】
【0018】
pTSA−B2型の代表的なXRPDピークを以下の表3に列挙する。
【0019】
【表3】
【0020】
pTSA−C2型の代表的なXRPDピークを以下の表4に列挙する。
【0021】
【表4】
【0022】
急速冷却と異なる溶媒からの再結晶化によって調製される、化合物Iの4種の追加的多形体、A0、B0、C0、およびD0の存在もまた発見された。さらに化合物Iの17種の溶媒和化合物(S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、S9、S10、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、およびS20)が結晶化され、非晶質固体(AS)もまた得られた。最後に化合物IのA0型のエタノール溶媒和化合物、NMP:水(1:1)溶媒和化合物、テトラヒドロフラン溶媒和化合物、および2−プロパノール溶媒和化合物の単結晶データを得て、特性決定した。
【0023】
A0型の代表的なXRPDピークを以下の表5に列挙する。
【0024】
【表5】
【0025】
B0型の代表的なXRPDピークを以下の表6に列挙する。
【0026】
【表6】
【0027】
C0型の代表的なXRPDピークを以下の表7に列挙する。
【0028】
【表7】
【0029】
D0型の代表的なXRPDピークを以下の表8に列挙する。
【0030】
【表8】
【0031】
S1型の代表的なXRPDピークを以下の表9に列挙する。
【0032】
【表9】
【0033】
S2型の代表的なXRPDピークを以下の表10に列挙する。
【0034】
【表10】
【0035】
S3型の代表的なXRPDピークを以下の表11に列挙する。
【0036】
【表11】
【0037】
S4型の代表的なXRPDピークを以下の表12に列挙する。
【0038】
【表12】
【0039】
S6型の代表的なXRPDピークを以下の表13に列挙する。
【0040】
【表13】
【0041】
S7型の代表的なXRPDピークを以下の表14に列挙する。
【0042】
【表14】
【0043】
S8型の代表的なXRPDピークを以下の表15に列挙する。
【0044】
【表15】
【0045】
S9型の代表的なXRPDピークを以下の表16に列挙する。
【0046】
【表16】
【0047】
S10型の代表的なXRPDピークを以下の表17に列挙する。
【0048】
【表17】
【0049】
S13型の代表的なXRPDピークを以下の表18に列挙する。
【0050】
【表18】
【0051】
S14型の代表的なXRPDピークを以下の表19に列挙する。
【0052】
【表19】
【0053】
S15型の代表的なXRPDピークを以下の表20に列挙する。
【0054】
【表20】
【0055】
S16型の代表的なXRPDピークを以下の表21に列挙する。
【0056】
【表21】
【0057】
S17型の代表的なXRPDピークを以下の表22に列挙する。
【0058】
【表22】
【0059】
S18型の代表的なXRPDピークを以下の表23に列挙する。
【0060】
【表23】
【0061】
S19型の代表的なXRPDピークを以下の表24に列挙する。
【0062】
【表24】
【0063】
S20型の代表的なXRPDピークを以下の表25に列挙する。
【0064】
【表25】
【0065】
したがって一態様では、本発明は、pTSA−A1型、pTSA−A2型、pTSA−B2型、pTSA−C2型またはその混合物である化合物Iの結晶形を提供する。別の態様では、結晶形はpTSA−A1型である。追加的態様では、結晶形はpTSA−A2型である。さらに別の態様では、結晶形はpTSA−B2型である。なおも別の態様では、結晶形はpTSA−C2型である。
【0066】
本発明の追加的態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−A1型である化合物Iの結晶形に関する。一態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θのピークと、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θおよび6.79±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θおよび/または22.58±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。なおも別の態様では、pTSA−A1型の粉末X線回折パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形pTSA−A1型は、実質的に図1で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0067】
本発明の別の態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−A2型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、結晶形は実質的に図3で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0068】
さらなる態様は、3.75、5.63、8.40、11.31および/または15.12±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−B2型である化合物Iの結晶形に関する。追加的態様では、結晶形は実質的に図5で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0069】
本発明の追加的態様は、5.72、8.49、11.37、13.26および/または16.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、pTSA−C2型である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は実質的に図7で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0070】
本発明のさらに別の態様は、pTSA−A1型の化合物I、pTSA−A2型の化合物I、pTSA−B2型の化合物I、pTSA−C2型の化合物Iまたはその混合物を含んでなる医薬組成物に関する。
【0071】
さらなる態様では、医薬組成物はpTSA−A1型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はpTSA−A2型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はpTSA−B2型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はpTSA−C2型を含んでなる。
【0072】
本発明のさらに別の態様では、塩化メチレン存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−A1型を生じるステップを含んでなる、pTSA−A1型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様は、塩化メチレンおよびpTSA酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−A2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−A2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。追加的態様は、アセトンおよびpTSA酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−B2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−B2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。なおも本発明のさらなる態様は、n−プロパノールおよびp−トルエンスルホン酸一水和物存在下で化合物Iを結晶化してpTSA−C2型を生じるステップを含んでなる、pTSA−C2型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0073】
本発明のさらなる態様は、pTSA−A1型、pTSA−A2型、pTSA−B2型、pTSA−C2型またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。別の態様では、結晶形はpTSA−A1型である。追加的態様では、結晶形はpTSA−A2型である。さらに別の態様では、結晶形はpTSA−B2型である。なおも別の態様では、結晶形はpTSA−C2型である。本発明のなおも別の態様は、pTSA−A1型の化合物I、pTSA−A2型の化合物I、pTSA−B2型の化合物I、pTSA−C2型の化合物Iまたはその混合物を含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。さらなる態様では、医薬組成物はpTSA−A1型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はpTSA−A2型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はpTSA−B2型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はpTSA−C2型を含んでなる。
【0074】
本発明の追加的態様は、A0型、B0型、C0型、D0型またはその混合物である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形はA0型である。別の態様では、結晶形はB0型である。なおも別の態様では結晶形はC0型である。さらに別の態様では結晶形はD0型である。
【0075】
本発明の追加的態様は、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70、7.00、8.19、13.69および/または24.26±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなるX線回析パターンによって特徴付けられる、A0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θおよび/または24.26±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θおよび24.26±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、および/または13.69±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、24.26±0.2°2θ、および13.69±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θおよび/または8.19±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる。さらに別の態様では、結晶形A0のX線回析パターンは、Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および24.26±0.2°2θのピークを含んでなる。さらなる態様は、実質的に図9で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、A0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0076】
さらなる態様は、6.02、9.27、12.34、15.40および/または27.18±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、B0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様は、実質的に図11で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、B0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0077】
本発明のなおも別の態様は、8.18、15.48、16.41、および/または20.87±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、C0型である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様は、実質的に図13で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、C0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0078】
さらなる態様は、7.16、7.51、12.75、21.04および/または26.86±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなるX線回析パターンによって特徴付けられる、D0型である化合物Iの結晶形に関する。別の態様は、実質的に図15で描写されるような粉末X線回折パターンを有する、D0型である化合物Iの結晶形に関する。
【0079】
本発明のさらに別の態様は、A0、B0、C0、D0型またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物に関する。さらなる態様では、医薬組成物はA0型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はB0型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はC0型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はD0型を含んでなる。
【0080】
本発明の追加的態様は、酢酸イソプロピル存在下で化合物Iを結晶化してA0型を生じるステップを含んでなる、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様は、酢酸および酢酸イソプロピル存在下で化合物Iを結晶化してA0型を生じるステップを含んでなる、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらに別の態様は、化合物Iを加熱するステップを含んでなるA0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0081】
本発明のさらなる態様は、アセトニトリル存在下で化合物Iを結晶化してB0型を生じるステップを含んでなる、B0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。なおも別の態様は、ジクロロエタン存在下で化合物Iを結晶化してC0型を生じるステップを含んでなる、C0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。追加的態様は、メタノール存在下で化合物Iを結晶化してD0型を生じるステップを含んでなる、D0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。
【0082】
本発明の追加的態様は、A0型、B0型、C0型、D0型またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる固形腫瘍を治療する方法に関する。別の態様では、結晶形はA0型である。さらなる態様では、結晶形はB0型である。なおも別の態様では、結晶形はC0型である。さらに別の態様では、結晶形はD0型である。本発明のなおも別の態様は、A0、B0、C0、D0型またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。さらなる態様では、医薬組成物はA0型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はB0型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はC0型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はD0型を含んでなる。
【0083】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である、化合物Iの結晶形に関する。別の態様では、化合物Iの結晶形はS1型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS2型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS3型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS4型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS6型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS7型である。さらに別の態様では、化合物Iの結晶形はS8型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS9型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS10型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS13型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS14型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS15型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS16型である。なおも別の態様では、化合物Iの結晶形はS17型である。さらなる態様では、化合物Iの結晶形はS18型である。さらに別の態様では、化合物Iの結晶形はS19型である。追加的態様では、化合物Iの結晶形はS20型である。
【0084】
本発明のさらなる態様は、5.50、7.21、7.76、19.69および/または25.26±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S1型である化合物Iの結晶形に関する。
【0085】
別の態様は、7.26、14.52、19.91および/または21.63±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S2型である化合物Iの結晶形に関する。
【0086】
さらに別の態様は、6.67、17.40、20.04、20.58および/または25.43±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S3型である化合物Iの結晶形に関する。
【0087】
さらに別の態様は、5.55、7.84、18.86、19.71および/または22.31±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S4型である化合物Iの結晶形に関する。
【0088】
追加的態様は、8.10、13.46、17.29、20.78および/または28.03±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S6型である化合物Iの結晶形に関する。
【0089】
さらなる態様は、6.86、13.93、19.27、20.87および/または21.06±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S7型である化合物Iの結晶形に関する。
【0090】
本発明の別の態様は、6.35、7.31、21.54、21.65および/または27.40±0.2°2θ.のピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S8型である化合物Iの結晶形に関する。
【0091】
なおも別の態様は、6.77、13.53、18.81、20.84、および26.8°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S9型である化合物Iの結晶形に関する。
【0092】
さらに別の態様は、5.84、7.64、11.49、20.23、および/または23.84±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S10型である化合物Iの結晶形に関する。
【0093】
本発明のさらなる態様は、6.75、7.08、7.26、7.60および/または22.70±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S13型である化合物Iの結晶形に関する。
【0094】
追加的態様は、7.44、14.88、20.20、21.61および/または22.39±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S14型である化合物Iの結晶形に関する。
【0095】
なおも別の態様は、7.29、12.30、14.59、19.79および/または21.27±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S15型である化合物Iの結晶形に関する。
【0096】
本発明のさらなる態様は、6.50、17.19、20.36、20.68および/または27.92±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S16型である化合物Iの結晶形に関する。
【0097】
追加的態様は、6.24、12.68、17.37、18.12および/または21.51±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S17型である化合物Iの結晶形に関する。
【0098】
さらに別の態様は、5.91、6.66、16.25、17.59および/または23.82±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S18型である化合物Iの結晶形に関する。
【0099】
なおも別の態様は、8.27、8.32、16.53、16.59、および23.28±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S19型である化合物Iの結晶形に関する。
【0100】
本発明のさらなる態様は、6.64、6.77、11.03、15.27および/または24.27±0.2°2θ.のピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンによって特徴付けられる、S20型である化合物Iの結晶形に関する。
【0101】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である化合物Iの結晶形を含んでなる医薬組成物に関する。
【0102】
さらなる態様では、医薬組成物はS1型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS2型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS3型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS4型含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS6型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はS7型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS8型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS9型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS10型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS13型を含んでなる。さらに別の態様では、医薬組成物はS14型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS15型を含んでなる。さらなる態様では、医薬組成物はS16型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はS17型を含んでなる。別の態様では、医薬組成物はS18型を含んでなる。追加的態様では、医薬組成物はS19型を含んでなる。なおも別の態様では、医薬組成物はS20型を含んでなる。
【0103】
本発明の追加的態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物である化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。本発明のなおも別の態様は、S1型、S2型、S3型、S4型、S6型、S7型、S8型、S9型、S10型、S13型、S14型、S15型、S16型、S17型、S18型、S19型またはS20型、またはその混合物の化合物Iを含んでなる医薬組成物を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。
【0104】
本発明の追加的態様は、A0型である化合物Iの結晶形に関し、前記結晶形は、以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=27.5221(12)Å α=90°
b=6.9321(5)Å β=106.035(6)°
c=25.994(3)Å γ=90°
結晶系:単斜
空間群:Cc
分子/格子:2
【0105】
さらなる態様は、自発的結晶化法を使用して、A0型である化合物Iの結晶形を調製する方法に関する。さらなる態様では、結晶化溶媒としてPEG/ポロキサマーが使用される。
【0106】
本発明のなおも別の態様は、A0型である化合物Iの結晶形を含んでなる医薬組成物に関し、前記結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=27.5221(12)Å α=90°
b=6.9321(5)Å β=106.035(6)°
c=25.994(3)Å γ=90°
結晶系:単斜
空間群:Cc
分子/格子:2
【0107】
本発明の追加的態様は、エタノール溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.131(2)Å α=65.179(16)°
b=13.271(3)Å β=86.51(2)
c=13.6390(17)Å γ=83.69(2)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:2
【0108】
本発明のさらに別の態様は、NMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.2359(7)Åα=65.451(7)°
b=13.5644(10)Åβ=88.496(7)
c=14.4408(11)Åγ=87.326(7)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:2
【0109】
本発明のなおも別の態様は、テトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=17.6686(7)Å α=90°
b=11.0367(5)Å β=90°
c=29.2660(11)Å γ=90°
結晶系:斜方晶
空間群:Pbcn
分子/格子:8
【0110】
本発明の追加的態様は、2−プロパノール溶媒和化合物単結晶である化合物Iの結晶形に関する。さらなる態様では、結晶形は以下にほぼ等しい単位格子パラメーターによって特徴付けられる。
単位格子寸法:a=8.1404(18)Å α=66.60(2)°
b=13.566(3)Å β=86.583(17)°
c=13.566(3)Å γ=86.583(17)°
結晶系:三斜晶
空間群:Pbar1
分子/格子:8
【0111】
本発明のなおも別の態様は、非晶質固体(AS)である化合物Iの非晶形に関する。追加的態様では、非晶形は実質的に図50で描写されるような粉末X線回折パターンを有する。
【0112】
さらに別の態様は、非晶質固体(AS)である非晶形の化合物Iを含んでなる医薬組成物に関する。
【0113】
本発明の追加的態様は、メタノール存在下で化合物Iを溶解して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。別の態様は、エタノール存在下で化合物Iを溶解して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。追加的態様は、A0型の化合物Iを粉砕して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。さらなる態様は、A0型の化合物Iを急冷して非晶質固体(AS)を生じるステップを含んでなる、非晶質固体(AS)を調製する方法に関する。
【0114】
本発明のなおも別の態様は、非晶質固体(AS)である化合物Iの非晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法に関する。
【0115】
専門用語
「非晶質」という用語は、本明細書での用法では、特徴的な結晶形または結晶構造が欠如していることを意味する。
【0116】
「抗溶媒」という用語は、本明細書での用法では、その中で化合物が実質的に不溶性である
溶媒を意味する。
【0117】
「結晶性」という用語は、本明細書での用法では、分子または外切羽面の規則的に反復する配列を有することを意味する。
【0118】
「結晶形」という用語は、本明細書での用法では、粉末X線回折によって分析すると特徴的なピークパターンを提供する、固体化合物または化合物混合物を指す。これとしては、多形体、溶媒和化合物、水和物、共結晶、および脱溶媒和された溶媒和化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明を説明する目的で、「1」という数は、pTSA−A1などのモノ(パラ−トルエンスルホン酸(pTSA)結晶塩形態を同定するのに割り当て、「2」という数は、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2などのジpTSA結晶塩形態を同定するのに使用した。さらにA、B、C、およびDという文字は、化合物I遊離塩基の4種の多形体を同定するために使用した(いずれの場合も下付「0」は遊離塩基を特定する)。「S」という文字は各溶媒和化合物を同定するのに使用し、数字は各溶媒和化合物を記載するために連続的に割り当てた。「非晶質固体(AS)」という用語は、化合物Iの非晶形を同定するのに使用した。
【0119】
「単離する」という用語は、本明細書での用法では、溶媒、抗溶媒、または溶媒と抗溶媒との混合物から化合物を分離して、固体、半固体またはシロップを提供することを意味する。これは、典型的に、遠心分離、真空ありまたはなしでの濾過、陽圧下濾過、蒸留、蒸発またはその組み合わせなどの手段によって達成される。単離には、その間に単離物の化学、キラルまたは化学およびキラル純度が増大される、精製が伴っても伴わなくてもよい。精製は、典型的に、結晶化、蒸留、抽出、酸性または塩基性または中性アルミナを通した濾過、酸性または塩基性または中性木炭を通した濾過、キラル固定相充填カラム上のカラムクロマトグラフィー、多孔性紙またはプラスチックまたはガラスバリアを通した濾過、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、再結晶化、順相高速液体クロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグラフィー、磨砕などの手段によって実施される。
【0120】
「多形性の」または「多形性」という用語は、同一化学分子に関して少なくとも2つの異なる結晶配置の可能性と定義される。
【0121】
「溶質」という用語は、本明細書での用法では別の物質に溶解する物質を指し、通常、溶液の構成要素はより少ない量で存在する。
【0122】
「溶液」という用語は、本明細書での用法では、少なくとも1つの溶媒と、溶媒に少なくとも部分的に溶解する少なくとも1つの化合物とを含有する混合物を指す。
【0123】
「溶媒和化合物」という用語は、本明細書での用法では、結晶構造中に溶媒分子を含有する結晶物質を指す。
【0124】
「溶媒」という用語は、本明細書での用法では、典型的に固体である別の物質を完全にまたは部分的に溶解できる、典型的に液体である物質を意味する。本発明を実施するための溶媒としては、水、酢酸、アセトン、アセトニトリル、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ブタノン、ブチロニトリル、tert−ブタノール、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エタノール、酢酸エチル、エチレングリコール、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、イソブチルアルコール、酢酸イソプロピル、イソプロピルアミン、メタノール、メトキシベンゼン、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルtert−ブチルエーテル、ホルムアミド:水(1:1)、N−メチルピロリジノン(1:1)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、1ペンタノール、1,2−プロパンジオール、2−プロパノール、1−プロパノール、プロパノニトリル、ピリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トルエン、トリエチルアミン、キシレン、それらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0125】
「治療的有効量」という用語は、本明細書での用法では、意図される生理学的効果を生じるのに要する測定された量を指し、確立された薬物動態学的方法および技術に従った測定により、特定投与経路について特定薬剤と関連付けられている。適切な特定の治療的有効量は、当業者としての担当診断医により、従来技術の使用によって容易に判定し得る。有効量は、疾患または障害のタイプおよび進行度、特定患者の全般的健康状態、選択される化合物の相対的生物学的有効性、活性薬剤と適切な賦形剤との配合、および投与経路をはじめとするいくつかの要素に応じて変動する。
【0126】
特に断りのない限り、本明細書全体を通じて述べられる百分率は、重量/重量(w/w)百分率である。
【0127】
「薬学的に許容できる賦形剤」という用語は、本明細書での用法では、あらゆるそして全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などを含む。薬学的活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用については、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.;Gennaro,A.R.,Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2000など、当該技術分野で良く知られている。あらゆる従来の媒体または薬剤は、活性成分と不適合である場合を除き、治療的組成物中におけるその使用が検討される。補足活性成分もまた、組成物に組み込み得る。
【0128】
治療的な目的では、本発明の結晶形は、活性薬剤と対象の身体中の薬剤作用部位との接触をもたらすあらゆる手段によって投与し得る。結晶形は、個々の治療薬として、または例えば鎮痛剤などのその他の治療薬との併用のどちらかとして、医薬品と関連して使用するのに利用できるあらゆる従来の手段によって投与してもよい。本発明の結晶形は、好ましくは、本明細書に記載される疾患および障害治療のために、それを必要とする対象に治療的有効量で投与される。
【0129】
治療的有効量は、当業者としての担当診断医により、従来技術の使用によって容易に判定し得る。有効量は、疾患または障害のタイプおよび進行度、特定患者の全般的健康状態、選択される結晶形の相対的生物学的有効性、活性薬剤と適切な賦形剤との配合、および投与経路をはじめとするいくつかの要素に応じて変動する。典型的には結晶形をより低い投薬量レベルで投与して、所望の効果が得られるまで次第に増大させる。
【0130】
典型的な用量範囲は1日あたり約0.01mg/kg〜約100mg/kg体重であり、好ましい用量は1日あたり約0.01mg/kg〜10mg/kg体重である。好ましい1日量は成人で約25、50、100、および200mg、小人ではその等価用量である。結晶形は、1つ以上の単位用量形態で投与してもよい。約1〜約500mgの範囲の単位用量が毎日1〜4回、好ましくは約10mg〜約300mgが毎日2回投与される。有効量について述べる代案の方法では、経口単位用量は、対象において約0.05〜20μg/ml、好ましくは約1〜20μg/mlの血液血清レベルを得るのに必要なものである。
【0131】
本発明の結晶形は、1つ以上の薬学的に許容できる賦形剤との混和によって、医薬組成物に調合してもよい。賦形剤は、選択された投与経路、および例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th ed.;Gennaro,A.R.,Ed.;Lippincott Williams & Wilkins:Philadelphia,PA,2000で記載されるような標準製薬法に基づいて選択される。組成物は、速溶性、放出調節、または持続放出製剤のように、活性薬剤の放出を制御しおよび/または遅延させるように調合してもよい。このような放出制御、または持続放出組成物は、例えば生体適合生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリド共重合体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体、または当該技術分野で知られているその他の固体または半固体高分子マトリックスを利用してもよい。
【0132】
組成物は、経口手段;静脈内、筋肉内、および皮下経路をはじめとする非経口手段;局所適用または経皮手段;直腸、膣、舌下、およびバッカル経路をはじめとする経粘膜手段;点眼手段;または吸入手段による投与のために調製し得る。好ましくは組成物は、経口投与のために特に錠剤、カプセルまたはシロップの形態で;非経口投与のために特に液体溶液、懸濁液またはエマルジョンの形態で;鼻腔内投与のために特に粉末、点鼻薬、またはエアロゾルの形態で;または局所投与のためにクリーム、軟膏、溶液、懸濁液、エアロゾル、粉末などの形態で調製される。
【0133】
経口投与のために、錠剤、丸薬、粉末、カプセル、トローチなどは、デンプン、またはセルロースなどの希釈剤または賦形剤;微結晶セルロース、ゼラチン、またはポリビニルピロリドンなどのバインダー;デンプンまたはセルロース誘導体などの崩壊剤;滑石またはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;コロイド二酸化ケイ素などの流動促進剤;スクロースまたはサッカリンなどの甘味料;またはペパーミントまたはチェリー香味料などの着香剤の1つ以上を含有し得る。カプセルは前述の賦形剤のいずれかを含有してもよく、ポリエチレングリコールなどの半固体または液体キャリアをさらに含有してもよい。固形経口剤形は、糖、シェラック、または腸溶剤のコーティングを有してもよい。液体製剤は、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、エリキシル剤などの形態であってもよく、または使用前に水またはその他の適切なビヒクルで戻される乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、界面活性剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、甘味料および着香剤、染料および保存料などの従来の添加剤を含有してもよい。
【0134】
組成物はまた、非経口的に投与されてもよい。注射用に許容可能な製薬形態としては、例えば無菌水溶液、または懸濁液が挙げられる。水性キャリアとしては、アルコールと水の混合物、緩衝媒体などが挙げられる。非水性溶媒としては、エタノールおよびポリエチレングリコールなどのアルコールおよびグリコール;植物油などの油;脂肪酸および脂肪酸エステルなどが挙げられる。添加し得るその他の構成要素としては、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤;塩化ナトリウムなどの等張剤;体液補給および栄養素補給液;電解質補充薬;活性化合物の放出を制御するモノステアリン酸アルミニウムおよび様々なコポリマーなどの薬剤;クロロブタノールまたはフェノールなどの抗細菌剤;緩衝液などが挙げられる。非経口製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたは複数回投与バイアル内に封入し得る。活性化合物のためのその他の潜在的に有用な非経口送達系としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、埋め込み型輸液系、およびリポソームが挙げられる。
【0135】
その他の可能な投与様式としては、乾燥粉末、エアロゾル、または滴剤などの手段をはじめとする吸入用製剤が挙げられる。それらは、例えば点鼻薬の形態で投与するためのポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸、およびデオキシコール酸を含有する水溶液、または油性溶液、または鼻腔内に塗布されるゲルであってもよい。局所用製剤は、軟膏、クリーム、またはゲルの形態である。典型的にこれらの形態は、ペトロラタム、ラノリン、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、またはそれらの組み合わせなどのキャリアと、ラウリル硫酸ナトリウムなどの乳化剤またはトラガカントなどのゲル化剤のどちらかとを含む。経皮投与に適した製剤は、個別のパッチ、レザバーまたはミクロレザバーシステム、貼付拡散律速システムまたはマトリックス分散型システムとして提供し得る。バッカル投与用製剤としては、例えばロゼンジまたは香錠が挙げられ、スクロースまたはアカシアなどの風味付けされた基材、およびグリココール酸塩などのその他の賦形剤もまた含んでもよい。直腸投与に適した製剤は好ましくは単位用量坐薬として提供され、カカオバターなどの固体ベースのキャリア、およびサリチル酸を含んでもよい。
【0136】
計測手段
粉末X線回折(XRPD)
40kVおよび40mAでのCu−Kα放射を使用して、PANalytical X Pert Pro回折計上で粉末XRDパターンを記録した。標準X線粉末パターンスキャンは、ステップサイズサイズ0.0080°および計測時間96.06秒で、約2〜40°2θまで収集し、それはおよそ0.5°/分のスキャン速度をもたらした。可変温度研究では、およそ21°/分における一連の迅速スキャンを収集した。典型的な迅速スキャンは、ステップサイズ0.167°および計測時間64秒で、3°〜30°2θまでであった。
【0137】
単結晶では、2kWの電力(50kV、40mA)で稼働するグラファイトモノクロメーターおよびMoKα高精度封管(λ=0.71073Å)を装着したOxford Instruments Xcalibur3回折計システム上において、110(2)KでX線強度データを測定した。検出器は結晶から50mmの距離に置いた。ωで1.00oのスキャン幅で515のフレームを収集した。全てのフレームは、曝露時間60秒/フレームで収集した。フレームは、Oxford回析パッケージCrysAlis REDを使用して積分した。
【0138】
示差走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)
Pyrisソフトウェアバージョン6.0を使用する、Perkin−Elmer Series 7 DSCおよびTGAを使用して熱曲線を得た。1〜11mgの固体試料を20μLアルミニウムサンプルパンに秤り入れてクリンプシールし、上蓋にピンホールを穿った。セルを窒素でパージして、温度を0℃から300℃に10℃/分で加熱した。窒素で約50mL/分でパージした炉内において、25℃から300℃に10℃/分で加熱した際の%重量損失について1〜15mgのTGAサンプルをモニターした。
【0139】
Pyrisソフトウェアバージョン6.0を使用したPerkin−Elmer Sapphire DSC Autosampler Unit DSCおよびPyris 1TGAを使用して、熱曲線もまた得た。1〜11mgの固体試料を20μLアルミニウム開放サンプルパンに秤り入れた。セルを窒素でパージして、温度を0℃から355℃に10℃/分で加熱した。窒素で約50mL/分でパージした炉内において、25℃から400℃に10℃/分で加熱した際の%重量損失について、1〜15mgのTGAサンプルをモニターした。
【実施例】
【0140】
pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2結晶形
化合物I−pTSA−A1の調製
パイロットプラントバッチ化合物I−pTSA(1:1.03)(Cephalon France,MitriMory,France)の344.6mgのサンプルを100mL(290vol.)の塩化メチレン中でスラリーにして沸点に加温し、撹拌しながらこの温度に10分間保った。5μmの薄膜フィルターを使用してスラリーを吸引濾過し、固形物を塩化メチレン(2×10mL)で洗浄した。得られたオレンジ色の溶液を約5mLの体積に濃縮した。この間、15〜20mLの体積が残った時点で溶液は濁り始めた。スラリーを2〜8℃で一晩冷却して真空濾過し、黄橙色固体を得てそれを室温で230mgの恒量に乾燥させた(収率67%)。
【0141】
化合物I−pTSA−A2の調製
化合物I遊離塩基(Cephalon France、Mitri Mory、France)の200.7mgのサンプル(0.420mmole)を105mL(523vol.)の塩化メチレン中で撹拌しながら沸点に加熱して、撹拌しながら2〜3分間この温度に保った。濁った温かい溶液を5μシリンジフィルターを使用して濾過し、撹拌しながら20mLの塩化メチレン中の165.7mgのpTSA酸一水和物(0.871mmole)のスラリー中に入れた。最初透明だったオレンジ色の溶液は、少数の目に見えるpTSA酸の粒子を除いて全て溶解した。温度を維持しながら、この溶液を5μフィルターディスクを用いて迅速にシリンジ濾過した。濾過後、溶液は濁って結晶が顕在化した。撹拌しながら沸点に加温して溶液を約25mLに濃縮し、2〜8℃で一晩冷却した。スラリーを真空濾過して、固形物をドラフト内において室温で約4時間乾燥させた。黄橙色固体は274.1mgと秤量された(収率79%)。
【0142】
化合物I−pTSA−B2の調製
化合物I遊離塩基(0.431mmole)の206.0mgのサンプルを150mL(728vol.)のアセトン中で撹拌しながら沸点に加熱してこの温度に30分間保ち、残る微粒子を溶解した。追加的アセトンを添加して、蒸発で失われた体積を補った。橙黄色溶液を5μシリンジフィルターを使用してシリンジ濾過し、撹拌しながら25mLのアセトン中の165.3mgのpTSA一水和物(0.869mmole)の溶液に入れた。濾過後短時間内に固形物が形成し、スラリーを約25mLに濃縮して2〜8℃で一晩冷却する間、残留した。スラリーを真空濾過し、固形物を50℃のオーブン内で21時間乾燥させた。淡い黄橙色固体は204.4mgと秤量された(収率58%)。
【0143】
化合物I−pTSA−C2の調製
およそ2.5mLのn−プロパノール中に、20.6mgの化合物I−S1(0.043mmole)を沸点で溶解した。この溶液を温かい内にシリンジ濾過し、1mLのn−プロパノール中の16.5mgのp−トルエンスルホン酸一水和物(0.086mmole)溶液に入れた。即時の溶液の色変化に、沈殿物形成が続いた。沸点に加熱して混合物を約2mLに濃縮し、2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過とそれに続く4時間の風乾から、22mgの黄色固体が得られた(収率62%)。
【0144】
形態スケールアップ特性解析
XRPD
XRPDパターンを少なくとも2回繰り返し、再現性を保証した。数字は主としてXRPDパターンに基づいて割り当て、異なる粉末パターンが発見されたら文字と数字を昇順に割り当てた。数1はpTSA−A1などのモノpTSA塩形態を同定するのに割り当て、2はpTSA−A2またはpTSA−B2などのジpTSA塩のために使用した。化合物I−pTSA:塩(1:1)の単一の同定された結晶形のXRPDパターンを図1(pTSA−A1)に示し、および化合物I−PTSA:塩(1:2)の同定された結晶形のXRPDパターンを図3(pTSA−A2)、図5(pTSA−B2)、および図7(pTSA−C2)に示す。
【0145】
DSCおよびTGA
pTSA−A1、pTSA−A2、pTSA−B2、およびpTSA−C2のDSC曲線(それぞれ図2、図4、図6、および図8)は特徴的であり、特定の固体状相を同定するのに使用し得る(下の表32)。pTSA−A1型は約266.4℃の単一ピークを示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は12.92J/gである。pTSA−A2型のDSC曲線は、約278.4℃のピークを示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は18.45J/gである。pTSA−B2型は、約280.2℃のピーク温度で吸熱を示し、融解エンタルピー(ΔHfus)は17.47J/gである。TGA(図2、図4および図6)によって重量損失が検出されなかったので、脱溶媒和過程の存在は考慮しなかった。pTSA−C2型は約280.4℃のピーク温度で融解し、融解エンタルピー(ΔfusH)は77.13J/gであった。
【0146】
【表26】
【0147】
A0、B0、C0、D0、S1、S2、S3、S4、S6、S7、S8、S9、S10、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、およびS20結晶形
化合物IのA0型の調製(溶媒和化合物混合物の変換)
恒温槽内で機械的ミキサーを使用して、130.0ml(36Vol.)の酢酸イソプロピル中の化合物I(3.6g)(Cephalon France,Mitry Mory,France)のスラリーを20℃、約400rpmで12日間撹拌した。固体を濾過により収集して酢酸イソプロピル(5ml)で洗浄し、50℃で一晩乾燥させて多形体化合物I−A0を白色から淡黄色の固体として得た(3.31g、歩留まり92%)。この変換は20〜60℃の温度範囲で実施してもよい。
【0148】
化合物IのA0型の調製(酢酸を使用した変換)
遊離塩基(89.9g)を熱酢酸(2853mL(30Vol.)中で完全に可溶化し、冷却して濾過後に湿潤2HOAc−11981中間体を得た。湿潤固形物を酢酸イソプロピル(30vol.)中でスラリーにして、大部分を化合物IのA0型に変換した。バッチを濾過し、室温で橙色固体として乾燥させた(77.4g、歩留まり87%)。
【0149】
化合物IのA0型の調製(固体−固体転移による変換)
化合物I−A0を20mgの化合物Iとして得て、225℃に加熱して10分間保った。
【0150】
化合物IのB0型の調製
磁気撹拌棒を用いて、30.3mgの化合物Iを18mL(594vol)のアセトニトリル中に沸点で溶解した。混合物を0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して濾過し、加温したガラスバイアルに入れた。サンプルを蒸発させ、およそ10mLに濃縮した。残留する透明な黄色溶液を72時間かけて蒸発させた。橙色固体は13mgと秤量された(49%歩留まり)。
【0151】
化合物IのC0型の調製
磁気撹拌棒を用いて、49.6mgの化合物Iを30mL(604vol.)のジクロロエタン中に沸点で溶解した。0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、加温ガラスバイアルに入れた。溶液をRTに冷却し冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。残留した透明黄色溶液を72時間かけて蒸発させた。サンプルを濾過して結晶を薬包紙に移し、実験室の周囲条件下で恒量に乾燥させた。橙色固体は16mgと秤量された(歩留まり32%)。
【0152】
化合物IのD0型の調製
磁気撹拌棒を用いてガラスバイアル内で、50mgの化合物Iを10mLのメタノール(200Vol.)中に沸点で溶解した。0.22μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、加温ガラスバイアルに入れた。溶液をRTに冷却し冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。回収率は6mgであった(歩留まり3%)。
【0153】
化合物I非晶質固体の調製
溶液(迅速な沈殿)から:磁気撹拌棒を使用して、279.89mgの化合物Iを沸点で80mL(294vol.)のメタノールに溶解した。0.25μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、磁気撹拌棒を用いて500mLの湿った氷および200mLの冷水に入れた。溶液を冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて吸引濾過し、固形物を単離した。回収率は106.8mgであった(歩留まり48%)。
【0154】
溶液(迅速な沈殿)から:磁気撹拌棒を使用して、100mgの化合物Iを沸点で25mL(250vol.)の変性エタノールに溶解した。0.25μmナイロン薄膜フィルターを通して混合物を濾過し、磁気撹拌棒を用いて500mLの湿った氷および冷水に入れた。溶液を冷蔵庫(約4℃)に18時間入れて、吸引濾過して固形物を単離した。回収率は54mgであった(歩留まり54%)。
【0155】
結晶相(粉砕)から:およそ30mgの化合物I−A0をめのう乳鉢内で3〜12分間にわたる異なる時間粉砕した。XRPDおよび熱分析のために、サンプルを取り出した。粉砕工程を3分毎に停止して、ジャーの湾曲端でこすり落として粉末ケーキを再度混ぜ合わせ、均質な粉砕を保証した。
【0156】
液相(急冷)から:化合物I−A0をその融点をおよそ360℃上回る温度で融解し、次に冷却速度10℃/分でTgをおよそ100℃下回る温度に冷却した。
【0157】
化合物IのS1型の調製
およそ64.46gの化合物Iをジクロロメタン/エタノール90/10(3L)に可溶化し、溶媒を蒸発させて乾燥させた。得られた固体を数日間真空下で乾燥させた。室温で6日間+40℃で48時間+45℃で24時間。回収率は94%であった。
【0158】
化合物IのS2型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1,2−ジクロロエタン中で沸点に加熱しながら撹拌し、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、3mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、13mgの固体を得た(回収率26%)。
【0159】
化合物IのS3型の調製
50mgの化合物Iを2.5mLのN−メチルピロリドン(NMP):水(6:4;v:v)の中で沸点に加熱しながら撹拌し、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の室内空気中での乾燥から、28mgの固体を得た(回収率56%)。
【0160】
化合物IのS4型の調製
A)50mgの化合物Iを3mLのクロロホルム中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、溶液を室温で蒸発させて、48.4mgの固体を得た(回収率97%)。
【0161】
B)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0162】
C)0.3mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0163】
D)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に迅速(10℃/分)に最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0164】
化合物IのS6型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1,2−ジクロロエタン中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、3mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、13mgの固体を得た(回収率26%)。
【0165】
化合物IのS7型の調製
50mgの化合物Iを4mLの1−プロパノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、17mgの固体を得た(回収率34%)。
【0166】
化合物IのS8型の調製
50mgの化合物Iを5mLの1−ブタノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、全ての溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、17mgの固体を得た(回収率34%)。
【0167】
化合物IのS9型の調製
50mgの化合物Iを5mLの2−プロパノール中で沸点に加熱しながら撹拌して、固形物を可能な限り溶解した。温かい溶液をシリンジ濾過し(1.2μ、ナイロン膜)、1mLの溶液を2〜8℃で一晩冷却した。吸引濾過および回収された固形物の乾燥から、3.5mgの固体を得た(回収率7%)。
【0168】
化合物IのS10型の調製
509.2mgの化合物Iを沸点で90mLのテトラヒドロフランに溶解し、溶液をシリンジ濾過して(1.2μ、ナイロン膜)実験台上で一晩放冷して、非常にわずかな結晶物質を得た。サンプルを2〜8℃で一晩、次に−13℃で数時間冷却したところ、外観検査による判定でさらなる結晶形成はなかった。母液を傾斜して除去し、実験室ドラフト内で固形物を乾燥させ、186mgの橙赤色の生成物を得た(回収率37%)。
【0169】
化合物IのS13型の調製
26.4mgの化合物Iをジクロロメタン(2.7mL)とエタノール(0.3mL)との混合物中に沸点で溶解した。サンプルをシリンジ濾過し(0.22μ、ナイロン)、溶液を一晩蒸発させて固体を得て、それをドラフト内で恒量に乾燥させると12.5mgが得られた(回収率47%)。
【0170】
化合物IのS14型の調製
40.6mgの化合物Iを4mLの98:2(v:v)テトラヒドロフラン:水中で沸点に加温した。スラリーをシリンジ濾過して、透明な溶液を冷凍庫内で一晩冷却した。スラリーを蒸発させ、容器の底の結晶物質は、12mgと秤量された(回収率30%)。
【0171】
化合物IのS15型の調製
A)50.5mgの化合物Iを1mLのNMPに溶解して、室温で透明な溶液を得た。12mLの温かいトルエンを一度に添加して溶液を得て、それを2〜8℃で一晩保存して赤橙色固体を得た。液体を固体から傾斜して除去し、固体を容器からこすり落としてドラフト内で恒量に乾燥させ、29mgの固体を得た(回収率50%)。
【0172】
B)2.5mL中の50mgの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度5℃に冷却し、その温度に18時間保った。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。固体を57℃で10時間乾燥させた。
【0173】
化合物IのS16型の調製
54.9mgの化合物Iを沸点で5mLの1,2−ジクロロエタン中でスラリーにする。0.5mLのNMPを添加して形成された透明な溶液をシリンジ濾過して(5μ、ナイロン)室温で数時間放冷すると、白色固体が形成した。混合物を冷凍庫内で一晩冷却した。スラリーを冷凍庫から3〜1.5mL遠心管に入れて、得られたペレットを室温で一晩乾燥させて14mgの固体を得た(回収率26%)。
【0174】
化合物IのS17型の調製
51.2mgの化合物Iを5mLの70:30(v:v)クロロホルム:酢酸イソプロピルに溶解した。溶液を2〜8℃で一晩冷却した。得られたスラリーを3本の1.5mL遠心管に分配した。ペレットを薬包紙に取り出して恒量に乾燥させ、33mgの固体を得た(回収率64%)。
【0175】
化合物IのS18型の調製
49.9mgの化合物Iを3mLの1,4−ジオキサンに加熱して溶解した。温まると2mLのシクロヘキサンは濁った溶液を与え、それを2〜8℃で一晩冷却した。得られたスラリーを3本の1.5mL遠心管に分配した。ペレットを薬包紙に取り出して一晩乾燥させ、31mgの固体を得た(回収率62%)。
【0176】
化合物IのS19型の調製
100mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中の2gの化合物I−A0を20℃から初期温度に80℃に4.8℃/分の速度で加熱し、30分後に緩慢な速度(0.28℃/分)で最終温度20℃に冷却した。ガラスバイアル(4mL)ウェルプレート内で結晶化実験を実施し、固形物を濾過により単離した。
【0177】
化合物IのS20型の調製
1gの化合物I−S20は、室温でUltra−Turaxホモジナイザーを使用して、溶媒和化合物S19を40mlの酢酸イソプロピル(40vol.)中で15分間撹拌して得た。
【0178】
形態スケールアップ特性解析
XRPD
各型のX線回析測定は少なくとも2回反復し、ピーク位置(2θ)の完全な再現性を得た。
【0179】
化合物I−A0特徴的なXRPD回析パターンを図9に示す。化合物I−B0に特徴的なXRPD回析パターンを図11に示す。化合物I−C0に特徴的なXRPD回析パターンを図13に示す。化合物I−D0に特徴的なXRPD回析パターンを図15に示す。化合物I溶媒和化合物S1〜S4、S6〜S10、およびS13〜S20に特徴的なXRPD回析パターンをそれぞれ図17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、36、38、40、42、44、46、および48に示す。非晶質固体(AS)のXRPD回析パターンを図50に示す。
【0180】
DSC/TGA
化合物IのA0、B0、C0、およびD0型の開始、ピークDSC、および融解エンタルピー温度を下の表41に示す。
【0181】
【表27】
【0182】
化合物IのA0、B0、C0、およびD0型のDSCおよびTGAパターンをそれぞれ図10、12、14、および16に示す。
【0183】
溶媒和化合物S1〜S4、S6〜S10、およびS14〜S20DSCおよび/またはTGAのパターンをそれぞれ図18、20、22、24、26、28、30、32、34、37、39、41、43、45、47、および49に示す。
【0184】
非晶質固体化合物I(AS)のDSCプロフィールは非常に幅広い発熱ピークを示し、それは多形体化合物I−A0の形成をもたらす結晶化過程に起因するエネルギー放出に付随して、328℃の幅広い吸熱反応ピークはその融解に対応する。実験を20℃〜160℃で実施すると、ガラス転移事象は観察されなかった。ASは約155℃のガラス転移温度(Tg)を示し、熱容量(?Cp)は0.391J/g*℃である。新鮮に調製されたASは、非晶質相の結晶化およびその安定した結晶への変換のために2つの発熱ピークを示し、328℃で融解し、それは完全な結晶の融点とほぼ同じ温度である。
【0185】
非晶質固体化合物I(AS)のDSCおよびTGAパターンを図51に示す。
【0186】
化合物IのA0型単結晶
40℃/75%相対湿度(RH)で3ヶ月間保存したPEG/ポロキサマー10mg用量カプセルから、単結晶を得た。製剤混合物から次のように結晶を単離し精製した。8個のカプセルの内容物をブフナー漏斗内の濾紙の上に放出し、全てのマトリックス材が溶解するまで小分けした熱DI水で洗浄した。精製結晶物質から、単結晶分析に適した結晶を単離した。化合物IのA0型の単結晶サンプルおよび結晶データを下の表42に示す。非対称ユニット中に、化合物Iの2つの独立した分子がある。それらは分子中核のアミド部分間の頭−頭水素結合によって連結されて、二量体になる(図53)。さらに二量体は、アミノ−ピリミジン部分間の水素結合によって連結される。
【0187】
【表28】
【0188】
化合物Iエタノール溶媒和化合物単結晶
エタノール中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iエタノール溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表46に示す。
【0189】
【表29】
【0190】
化合物I−NMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶
NMP:水(1:1)中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物IのNMP:水(1:1)溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表47に示す。
【0191】
【表30】
【0192】
化合物Iテトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶
テトラヒドロフラン中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iのテトラヒドロフラン溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表48に示す。
【0193】
【表31】
【0194】
化合物I2−プロパノール溶媒和化合物単結晶
2−プロパノール中の化合物I−S1溶液を周囲条件下で緩慢に蒸発させて乾燥した。蒸発速度は、小型孔を包含する気密フィルムカバーの使用によって制約された。化合物Iの2−プロパノール溶媒和化合物単結晶の結晶データを下の表49に示す。
【0195】
【表32】
【0196】
水、およびpH1、pH2の緩衝液中の化合物Iの様々な型の溶解度
25mgの、または飽和溶液を維持する適切量の化合物Iの様々な型を水、およびpH1、pH2のHCl/KCl緩衝液に添加して、溶解度を測定した。HEL Crystal Scan unit(HEL,UK)を使用して、25℃の温度および300rpmの撹拌速度を維持した。サンプルを指定時に抜き取って濾過し、下述の方法を使用してHPLCによって化合物Iについて分析した。
【0197】
溶解度サンプル中のCEP11981含量を測定するためのHPLC法
LC−0410−ADと称される、較正したThermoFinnigan高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システム上で試験を実施した。システムは、P4000ポンプ、AS3000オートサンプラー、およびUV2000検出器を含んでなる。TCM 2000温度制御モジュールを使用してカラムを加熱した。全ての標準溶液およびサンプルはクラスAガラスメスフラスコ内で調製し、オートサンプラーバイアルに入れた。標準秤量は、較正したMettler化学天秤を使用して実施した。試料調製品をエッペンドルフ微量遠心機を使用して遠心分離した。一次クロマトグラフィーデータを得て、ChromQuestソフトウェアを使用して積分した。Microsoft Office Excel2003を使用して、結果を計算した。
【0198】
測定器パラメーター:MET−0002383
カラム:MS C18、150×4.6mm ID、3.5μ水、m Xterra packing
カラム温度:30℃
検出器:UV/VIS@270nm
注入量:25mL
実施時間:27分
流速:1.0mL/分
移動相A:10mM酢酸アンモニウム(水性)
移動相B:サンプル溶媒中の10mM酢酸アンモニウム
ニードル洗浄:メタノール
勾配:
【0199】
【表33】
【0200】
【表34】
【0201】
化合物Iの様々な固体状形態の異なる溶解度は、医薬組成物を調製する場合に有利たり得る。例えば1つ以上の賦形剤と組み合わせた化合物Iの1つ以上の特定の固体状態または結晶形を選択することは、特定の生物学的利用能プロフィールがある医薬組成物を提供し得る。
【0202】
XRPDスペクトルのピーク高さ(強度)は変動してもよく、温度、結晶サイズまたは形態、試料調製、またはPANalytical X Pert Pro回折計またはOxford Instruments Xcalibur3回折計システムの分析ウェル内のサンプル高さなどの変数に左右されることを理解すべきである。
【0203】
異なる放射源を使用して測定する場合、ピーク位置が変動してもよいこともまた理解すべきである。例えばCu−Kα1、Mo−Kα、Co−Kα、およびFe−Kα放射は、それぞれ1.54060Å、0.7107Å、1.7902Å、および1.9373Åの波長を有し、Cu−Kα放射を用いて測定されるものとは異なるピーク位置を提供してもよい。Cu−Kα放射の波長はλ=1.54056Åである。
【0204】
一連のピーク位置に続く「±0.2°2θ」という用語は、それが続くグループの全ピークが±0.2°2θのばらつきがある角度位置に関して報告されることを意味することもまた理解すべきである。例えば「6.81、8.52、9.73、12.04および/または13.25±0.2°2θ」は、「6.81±0.2°2θ、8.52±0.2°2θ、9.73±0.2°2θ、12.04±0.2°2θおよび/または13.25±0.2°2θ」を意味する。
【0205】
当業者は理解するであろうように、上記の教示を考慮して、本発明の多数の修正と変更が可能である。したがって添付の特許請求の範囲の範囲内で、本発明を具体的に本明細書に記載されるのとは別のやり方で実施し得て、本発明の範囲はこのような変更を全て包含することが意図されるものと理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物I
【化1】
(11−イソブチル−2−メチル−8−(2−ピリミジニルアミノ)−2,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−4H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−4−オンの結晶形。
【請求項2】
前記結晶形がpTSA−A1型である、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項2に記載の結晶形。
【請求項4】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θのピークと、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項3に記載の結晶形。
【請求項5】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θおよび6.79±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項4に記載の結晶形。
【請求項6】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、および/または22.58±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項5に記載の結晶形。
【請求項7】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項6に記載の結晶形。
【請求項8】
前記結晶形がpTSA−A2型である、請求項1に記載の結晶形。
【請求項9】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項8に記載の結晶形。
【請求項10】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θのピークと、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項9に記載の結晶形。
【請求項11】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θおよび8.48±0.2°2θのピークと、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項10に記載の結晶形。
【請求項12】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、および12.46±0.2°2θのピークと、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項11に記載の結晶形。
【請求項13】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θ、および23.95±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項12に記載の結晶形。
【請求項14】
前記結晶形がA0型である請求項1に記載の結晶形。
【請求項15】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および/または24.27±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項14に記載の結晶形。
【請求項16】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および/または24.27±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項15に記載の結晶形。
【請求項17】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θおよび24.27±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、および/または13.69±0.2°2θピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項16に記載の結晶形。
【請求項18】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、24.27±0.2°2θ、および13.69±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、および/または8.19±0.2°2θピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項17に記載の結晶形。
【請求項19】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および24.27±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項18に記載の結晶形。
【請求項20】
結晶性化合物Iと少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤とを含んでなる組成物。
【請求項21】
pTSA−A1型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
pTSA−A2型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
A0型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
化合物Iの1つ以上の追加的結晶形をさらに含んでなる、請求項20〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
化合物Iの非晶質形態をさらに含んでなる請求項20〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形の治療的有効量を血管原性障害の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、血管原性障害を治療する方法。
【請求項27】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法。
【請求項28】
薬剤の製造における結晶性化合物Iの使用。
【請求項29】
結晶性化合物Iが請求項1〜25のいずれか一項に記載されたものと同じである、請求項28に記載の使用。
【請求項1】
化合物I
【化1】
(11−イソブチル−2−メチル−8−(2−ピリミジニルアミノ)−2,5,6,11,12,13−ヘキサヒドロ−4H−インダゾロ[5,4−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−4−オンの結晶形。
【請求項2】
前記結晶形がpTSA−A1型である、請求項1に記載の結晶形。
【請求項3】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項2に記載の結晶形。
【請求項4】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θのピークと、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項3に記載の結晶形。
【請求項5】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θおよび6.79±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θおよび/または25.54±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項4に記載の結晶形。
【請求項6】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークと、13.64±0.2°2θ、および/または22.58±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項5に記載の結晶形。
【請求項7】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.37±0.2°2θ、6.79±0.2°2θ、13.64±0.2°2θ、22.58±0.2°2θ、および25.54±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項6に記載の結晶形。
【請求項8】
前記結晶形がpTSA−A2型である、請求項1に記載の結晶形。
【請求項9】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項8に記載の結晶形。
【請求項10】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θのピークと、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項9に記載の結晶形。
【請求項11】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θおよび8.48±0.2°2θのピークと、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項10に記載の結晶形。
【請求項12】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、および12.46±0.2°2θのピークと、18.21±0.2°2θおよび/または23.95±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項11に記載の結晶形。
【請求項13】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、5.63±0.2°2θ、8.48±0.2°2θ、12.46±0.2°2θ、18.21±0.2°2θ、および23.95±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項12に記載の結晶形。
【請求項14】
前記結晶形がA0型である請求項1に記載の結晶形。
【請求項15】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および/または24.27±0.2°2θのピークの1つ以上を含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項14に記載の結晶形。
【請求項16】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および/または24.27±0.2°2θのピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項15に記載の結晶形。
【請求項17】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θおよび24.27±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、および/または13.69±0.2°2θピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項16に記載の結晶形。
【請求項18】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、24.27±0.2°2θ、および13.69±0.2°2θのピークと、7.00±0.2°2θ、および/または8.19±0.2°2θピークの1つ以上とを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項17に記載の結晶形。
【請求項19】
Cu−Kα放射(λ=1.54056Å)を使用した測定で、6.70±0.2°2θ、7.00±0.2°2θ、8.19±0.2°2θ、13.69±0.2°2θ、および24.27±0.2°2θのピークを含んでなる粉末X線回折パターンを有する、請求項18に記載の結晶形。
【請求項20】
結晶性化合物Iと少なくとも1つの薬学的に許容できる賦形剤とを含んでなる組成物。
【請求項21】
pTSA−A1型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
pTSA−A2型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
A0型を含んでなる、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
化合物Iの1つ以上の追加的結晶形をさらに含んでなる、請求項20〜23のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項25】
化合物Iの非晶質形態をさらに含んでなる請求項20〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形の治療的有効量を血管原性障害の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、血管原性障害を治療する方法。
【請求項27】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の化合物Iの結晶形の治療的有効量を固形腫瘍の治療を必要とする患者に投与するステップを含んでなる、固形腫瘍を治療する方法。
【請求項28】
薬剤の製造における結晶性化合物Iの使用。
【請求項29】
結晶性化合物Iが請求項1〜25のいずれか一項に記載されたものと同じである、請求項28に記載の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公表番号】特表2012−509282(P2012−509282A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536622(P2011−536622)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/065099
【国際公開番号】WO2010/059795
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(509021085)セファロン、インク. (24)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/065099
【国際公開番号】WO2010/059795
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(509021085)セファロン、インク. (24)
【Fターム(参考)】
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