インデックス記録装置
【課題】リムーバブルハードディスクでは、コンテンツのインデックス情報に機器互換性がない。
【解決手段】記録再生装置10は、着脱自在なリムーバブルHDDユニット300を備える。インデックス管理部200は、コンテンツのインデックス情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、インデックス情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方によりコンテンツのインデックス情報をリムーバブルHDDユニット300に記録して管理する。インデックス変換部220は、リムーバブルHDDユニット300を異なる機器間で利用可能とするために、独自フォーマットと互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、独自インデックスファイルと互換インデックスファイルの相互変換を行う。
【解決手段】記録再生装置10は、着脱自在なリムーバブルHDDユニット300を備える。インデックス管理部200は、コンテンツのインデックス情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、インデックス情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方によりコンテンツのインデックス情報をリムーバブルHDDユニット300に記録して管理する。インデックス変換部220は、リムーバブルHDDユニット300を異なる機器間で利用可能とするために、独自フォーマットと互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、独自インデックスファイルと互換インデックスファイルの相互変換を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツのインデックス情報を記録するインデックス記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像などのデジタル化が進み、地上波デジタル放送も開始されている。放送される番組を受信し、DVDやハードディスクに記録し、再生することのできる記録再生装置が開発されている。また、ディスクを取り外して持ち歩いたり、他の機器に装着して利用することのできるリムーバブルハードディスクが開発されている。
【0003】
リムーバブルハードディスクに番組を記録する際、記録した番組の閲覧や検索を容易にするためにサムネイル画像やメタデータなどのインデックス情報を使用することがある。たとえば、特許文献1には、多量のコンテンツに対応するインデックスファイルを管理する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−171311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インデックス情報については異なる機器間の互換性が考慮されていないいないため、インデックス情報をリムーバブルハードディスクに記録しても、リムーバブルハードディスクを他の機器に装着すると、フォーマットの違いからインデックス情報を参照することができず、インデックス情報を有効利用することができないという問題が生じる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる機器間の互換性を確保するとともに、インデックス情報を効率的に利用することのできるインデックス記録技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のインデックス記録装置は、機器に対して着脱自在な可搬性のある記録装置にコンテンツを記録する記録部と、コンテンツのインデックスに関する情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、前記インデックスに関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を前記記録装置に記録して管理するインデックス管理部とを含む。
【0007】
ここで「コンテンツ」は、静止画、動画、音声、あるいはそれらの組合せであってもよく、テキストデータを含むものであってもよい。「インデックス」はコンテンツを指し示す何らかの情報であればよく、コンテンツの閲覧や検索のために用いられる。たとえば、映像コンテンツの場合、インデックスは動画の一部であってもよく、サムネイル画像であってもよい。また、インデックスは、コンテンツに関する情報、たとえば出演者やキーワードなどの情報を含むメタデータであってもよい。
【0008】
前記インデックス管理部は、前記記録装置を異なる機器間で利用可能とするために、前記独自フォーマットと前記互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの相互変換を行うインデックス変換部を有してもよい。
【0009】
前記インデックス管理部は、前記コンテンツの一部であるインデックス対象部分を前記インデックスに関する情報として扱い、前記インデックス対象部分を前記コンテンツファイルとは別に機器依存の独自フォーマットで独自インデックスファイルに記録し、前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を互換性のあるフォーマットで前記互換インデックスファイルに記録してもよい。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異なる機器間の互換性を確保するとともに、インデックス情報を効率的に利用することのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係る記録再生装置10の構成を示す。記録再生装置10は、デジタル放送を受信する受信装置と、受信したデジタル放送の番組(コンテンツともいう))を記憶媒体に記録する記録装置と、記憶媒体に記録した番組を再生する再生装置の機能を有する。本実施の形態では、記憶媒体を備えた記憶装置の例として、記録再生装置10に着脱可能に構成されたリムーバブルハードディスクドライブ(HDD)ユニット300を利用する。
【0013】
本実施の形態の記録再生装置10は、個々の機器の仕様などに合わせて独自に最適化したフォーマットでコンテンツやコンテンツに関するデータを記録媒体に記録するとともに、デジタルテレビ録画規格に準拠した標準フォーマットでもコンテンツやコンテンツに関するデータを記録媒体に記録する。標準フォーマットにより他の機器との互換性を保ちつつ、個別の機器に適した独自フォーマットを用いてコンテンツの再生の品質を向上させたり、コンテンツの再生の利便性を高めることができる。
【0014】
記録再生装置10は、リモコン受光部100、システムコントローラ102、表示パネル104、MPEG−TSデコーダ106、MPEGデコード・表示画像用メモリ107、D/Aコンバータ108、表示装置110、リムーバブルHDDスロット112、リムーバブルHDD挿入検出部114、バッファメモリ116、アンテナ118、チューナ120、伝送路復号部122、TS分離/選択部124、インデックス管理部200、JPEG圧縮/伸長部202を備える。
【0015】
これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0016】
リモコン受光部100は、ユーザが記録再生装置10に対して指示を入力するためのリモートコントローラ(図示せず)から発せられる光を受信して、ユーザからの指示を取得する。システムコントローラ102は、記録再生装置10の各構成を制御する。表示パネル104は、各種制御情報などを表示する。MPEG−TSデコーダ106は、MPEG−TS信号をデコードする。D/Aコンバータ108は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。表示装置110は、デコードされ、アナログ信号に変換された番組データを表示する。
【0017】
リムーバブルHDDスロット112は、番組データを記憶する記憶装置であるリムーバブルHDDユニット300を接続するためのスロットである。リムーバブルHDD挿入検出部114は、リムーバブルHDDスロット112に対するリムーバブルHDDユニット300の着脱を検出する。バッファメモリ116は、TS分離/選択部124により分離/選択されたMPEG−TS信号などを一時的に格納するなど、記録再生装置10の動作に必要なデータを格納する記憶領域として機能する。
【0018】
図1を参照しながら、デジタル放送の蓄積、再生の基本動作を説明する。アンテナ118は、デジタル変調された放送信号を受信する。チューナ120は、システムコントローラ102からの指示に従って、アンテナ118で受信された放送信号から、ユーザが選択したチャンネルの信号を抽出する。伝送路復号部122は、チューナ120により抽出された信号を、MPEG2で符号化された映像音声データの形式に復号し、TS分離/選択部124へ出力する。
【0019】
TS分離/選択部124は、映像音声データをリムーバブルHDDユニット300に蓄積しないとき、映像音声データをMPEG−TSデコーダ106へ出力する。MPEG−TSデコーダ106は、TS分離/選択部124により分離されたMPEG−トランスポートストリーム(TS)信号をデコードする。D/Aコンバータ108は、MPEG−TSデコーダ106によりデコードされたデジタル信号をアナログ信号に変換する。表示装置110は、D/Aコンバータ108により変換されたアナログの映像データを表示する。
【0020】
また、TS分離/選択部124は、映像音声データを蓄積するとき、リムーバブルHDDスロット112を介して、リムーバブルHDDユニット300に映像音声データを記録する。
【0021】
リムーバブルHDDユニット300に記録された放送番組を再生する場合は、MPEG−TSデコーダ106が、ユーザにより指定された再生すべきタイトルに対応する映像音声データをリムーバブルHDDユニット300から読み出して復号する。復号された映像データは、D/Aコンバータ108によりアナログ信号に変換され、表示装置110に出力される。
【0022】
インデックス管理部200は、録画された映像コンテンツを閲覧したり、検索する際のインデックス情報をリムーバブルHDDユニット300に記録して管理する。本実施の形態では、コンテンツのインデックス情報としてサムネイル画像が用いられる。
【0023】
図1を参照して、録画された映像コンテンツを閲覧する際のインデックスとなるサムネイル画像の記録処理について説明する。
【0024】
インデックス管理部200の表示画像縮小部210は、番組再生時に映像の1フレーム分の画像をキャプチャし、その画像を縮小してサムネイル画像を生成する。サムネイル画像は、一般的に、コンテンツを検索するための画像によるインデックスの役割をもつ。
【0025】
サムネイル画像を生成する元となったフレーム画像を「サムネイル対象画像」という。インデックス管理部200は、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の先頭位置とサムネイル対象画像のデータ長などの情報をサムネイル対象画像の格納領域情報として管理する。
【0026】
インデックス管理部200は、サムネイル対象画像の格納領域情報およびサムネイル画像の少なくとも一方を、番組のインデックスとしてリムーバブルHDDスロット112を介してリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0027】
サムネイル画像の記録方式には、次の2通りがある。第1の方式は、映像音声データファイル内のサムネイル対象画像の格納領域を、サムネイル対象画像のデータの先頭位置とデータ長の形式で記録する方式であり、異なる機器間でも互換性がある。この互換記録方式では、サムネイル画像に関する情報として、サムネイル対象画像が、コンテンツの映像音声データファイルのどこに格納されているかを示す情報だけが記録され、サムネイル画像そのものは記録されない。
【0028】
第2の方式は、映像音声データファイルとは別のファイルにサムネイル画像を圧縮して保持する方式であり、独自記録方式と呼ぶ。独自記録方式では、機器の仕様に適したサムネイル画像が生成される。たとえば、機器のディスプレイにサムネイル画像を一覧表示させる場合、ディスプレイのサイズに合わせてサムネイル画像のサイズが決められる。また、サムネイル画像を圧縮する際、圧縮符号化のアルゴリズムやパラメータなども機器のCPU性能やメモリ容量に適したものを使うことができる。
【0029】
互換記録方式では、互換サムネイル画像専用の圧縮処理モジュールと伸長処理モジュールが必要とされないというメリットの半面、サムネイル画像を表示する際、コンテンツファイルの指定された位置から指定された長さのデータを読み出し、デコードし、表示サイズに合わせて画像を縮小することが必要となる。一画面に複数のサムネイル画像を表示する場合、複数のコンテンツファイルからの膨大なデータの読み出し処理が必要となり、サムネイル画像の一覧表示に時間がかかるというデメリットがある。一方、独自記録方式では、サムネイル画像専用の圧縮処理モジュールと伸長処理モジュールが必要となるが、表示サイズに合わせたサムネイル画像を前もって生成しているため、サムネイル画像を高速に画面に一覧表示することができる。また、圧縮符号化のアルゴリズムやパラメータを機器のCPU性能やメモリ容量に合わせてチューニングすることにより、サムネイル画像の圧縮・伸長処理も機器毎に最適化することができる。
【0030】
本実施の形態の記録再生装置10では、リムーバブルメディアの装置間の互換性確保のために互換記録方式によるフォーマット(「互換フォーマット」という)を採用するとともに、各装置におけるサムネイル画像のアクセス性向上を目的として、独自記録方式によるフォーマット(「独自フォーマット」という)も合わせて使用する。インデックス管理部200のインデックス変換部220は、コンテンツのサムネイル画像に関する情報を互換フォーマットと独自フォーマットの間で相互変換する。
【0031】
一例として、記録される番組単位で代表サムネイル画像を互換記録方式および独自記録方式で記録する処理を説明する。互換記録方式の場合を説明する。まず記録済みの番組一覧から、ある番組をユーザが選択する。ユーザは、その番組の再生の途中で、サムネイル画像にすべき画像が表示されたところで、リモートコントローラによって再生を停止するか所定の操作をすることにより、表示された画像をサムネイル画像にすることを記録再生装置10に知らせる。インデックス管理部200は、サムネイル画像にすることが指定された画像(サムネイル対象画像)が映像音声ファイル内で格納されている領域を示す情報を取得する。この格納領域情報は、サムネイル対象画像のファイル内の開始位置およびデータ長である。インデックス管理部200は、サムネイル対象画像の格納領域情報を番組情報と関連付けた互換サムネイルファイルをリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0032】
独自記録方式でサムネイル画像を生成する処理を説明する。ユーザが、記録済みの番組一覧から、ある番組を選択し、その番組の再生の途中で、サムネイル対象画像を指定するところまでは、互換記録方式と同じである。サムネイル対象画像が指定されると、表示画像縮小部210は、MPEGデコード・表示画像用メモリ107に保持されているサムネイル対象画像のサイズを必要に応じて縮小し、サムネイル画像を生成する。例えば、縦720画素、横480画素の画像ファイルを縦横ともに4分の1に縮小し、縦180画素、横120画素のサムネイル画像を生成する。JPEG圧縮/伸長部202は、このサムネイル画像を圧縮符号化する。インデックス管理部200は、圧縮されたサムネイル画像に関するデータを番組情報と関連付けた独自サムネイルファイルをリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0033】
次に、記録されたサムネイル画像の表示処理を説明する。互換記録方式の場合を説明する。ユーザがリモートコントローラを操作して、リムーバブルHDDユニット300に記録された番組一覧を表示するように指示すると、インデックス管理部200は、互換サムネイルファイルを参照することにより、一覧表示されるべき各番組の映像音声ファイル内のサムネイル対象画像の格納領域を示す情報を取得し、その格納領域に記録されたサムネイル対象画像のデータを映像音声ファイルから読み出してMPEG−TSデコーダ106に与える。MPEG−TSデコーダ106は、与えられたサムネイル対象画像データをデコードし、デコードしたサムネイル対象画像をMPEGデコード・表示画像用メモリ107に保持する。表示画像縮小部210は、デコードされたサムネイル対象画像を画面に合わせて縮小し、サムネイル画像を生成し、表示装置110に表示する。
【0034】
独自記録方式の場合を説明する。ユーザがリムーバブルHDDユニット300に記録された番組一覧の表示を指示すると、インデックス管理部200は、独自サムネイルファイルを参照することにより、一覧表示されるべき各番組の映像音声ファイルに関連づけられたサムネイル画像ファイルからサムネイル画像のデータを読み出し、JPEG圧縮/伸長部202に与える。JPEG圧縮/伸長部202は、与えられたサムネイル画像データを伸長し、MPEGデコード・表示画像用メモリ107に書き込む。MPEGデコード・表示画像用メモリ107に書き込まれたサムネイル画像は表示装置110に表示される。
【0035】
図2〜図4を参照して、互換記録方式によりサムネイル画像に関する情報が格納されたデータ構造(「互換サムネイル構造」という)の一例を説明する。
【0036】
図2は、サムネイル画像に関する情報が互換サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。ルートディレクトリの下の番組ファイル管理ディレクトリ400は、番組録画・再生アプリケーションのルートディレクトリである。番組ファイル管理ディレクトリ400の下には、番組管理ファイル410と映像音声データファイル420が記録される。
【0037】
番組管理ファイル410は、記録された番組と互換記録方式によるサムネイル画像に関する情報とを関連づけて記録した互換サムネイルファイルである。映像音声データファイル420は、番組の映像と音声のデータを格納したファイルであり、録画された番組の数だけ設けられる。
【0038】
図3は、図2の番組管理ファイル410のデータ構造を示す図である。番組管理ファイル410は、ハードディスクに録画されている全番組の管理情報を記録したファイルである。先頭に総記録番組数412が記録され、その後に、映像音声データファイル名414とその映像音声データファイル名に対応する互換サムネイル情報416のペアが総記録番組数N個だけ連続して配置される。互換サムネイル情報416は、互換フォーマットで表現されたサムネイル画像に関する情報である。
【0039】
記録再生装置10は、この番組管理ファイル410を用いることにより、ハードディスクに記録された番組を簡単に検索することができるインタフェースをユーザに提供することができ、また、番組ファイルとサムネイル画像の関連付けを管理することもできる。
【0040】
図4は、図3の互換サムネイル情報416のデータ構造を示す図である。互換サムネイル情報416は、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の格納領域を示す情報を保持するものであり、サムネイル対象画像の開始位置416aと参照すべきデータ長416bが格納される。開始位置は、映像音声データファールの先頭から見た場合の相対的な位置であり、単位はバイトである。映像音声データが、一例としてMPEGで記録されている場合、サムネイル画像を生成する対象として指定される映像は、Iピクチャのみに制限されてもよい。
【0041】
図5〜図7を参照して、独自記録方式によりサムネイル画像に関する情報が格納されたデータ構造(「独自サムネイル構造」という)を説明する。
【0042】
図5は、サムネイル画像に関する情報が独自サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。図2の構成との違いは、番組ファイル管理ディレクトリ400の下に、番組管理ファイル410と映像音声データファイル420以外に、独自サムネイルファイル430が記録される点である。独自サムネイルファイル430は、独自サムネイル情報を格納するものであるが、番組管理ファイル410には、図2で説明した互換サムネイル情報が含まれるため、インデックス情報としては、互換サムネイル情報と独自サムネイル情報の両方が含まれることになる。
【0043】
図6は、独自サムネイルファイル430のデータ構造を示す図である。個々のサムネイル情報は可変長になることが想定される。そこで、独自サムネイルファイル430の先頭には総記録サムネイル数432が格納され、その後に、個々のサムネイル情報の先頭バイトを記録したサーチポインタ434が総記録サムネイル数Mだけ配置され、さらにその後に個々の独自サムネイル情報436が順に記録される。独自サムネイル情報436は、独自フォーマットで表現されたサムネイル画像に関する情報である。
【0044】
図7は、図6の独自サムネイル情報436のデータ構造を示す図である。ヘッダ情報として、そのサムネイル情報に対応する映像音声データファイル名436a、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436c、画像サイズ436d、圧縮形式436e、圧縮データ長436fがあり、その後に圧縮データ436gが記録される。たとえば、画像サイズは横180、縦120であり、圧縮形式はJPEGである。ここで、映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、および参照すべきデータ長436cは、独自フォーマットから互換フォーマットに変換する際、必要となるデータである。
【0045】
以上の構成の記録再生装置10によるサムネイル情報の記録処理、変換処理、表示処理を説明する。
【0046】
図8は、サムネイル情報の記録手順を説明するフローチャートである。以下では、一例として、サムネイル画像は、記録した番組に対する代表画像を示すものとして1つだけ作成するものとする。また、サムネイル画像を記録するタイミングとして、番組記録時に記録再生装置10が自動的に作成することもあるが、ここでは、記録済み番組からユーザがサムネイル画像を選択するという場合を一例として示す。
【0047】
サムネイル画像の記録処理では、互換記録方式と独自記録方式の両方でサムネイル画像に関する情報が記録される。ユーザが記録済み番組を指定すると、MPEG−TSデコーダ106は、指定された番組に対応する映像音声データファイル420をオープンし、サムネイル画像を生成する対象となる画像をユーザに指定させるために、映像をデコードして表示装置110に表示する(S100)。
【0048】
ユーザが映像の早送りや巻き戻しを行いながら、サムネイル対象画像を指定すると、インデックス管理部200は、その指定されたサムネイル対象画像の格納領域情報、すなわち映像音声データファイル420におけるサムネイル対象画像の開始位置と参照すべきデータ長を取得する(S110)。インデックス管理部200は、番組管理ファイル410の互換サムネイル情報416内に、サムネイル対象画像の開始位置416aと参照すべきデータ長416bを記録する(S120)。これにより、番組管理ファイル410にサムネイル画像に関する情報が互換フォーマットで記録される。
【0049】
さらに、表示画像縮小部210は、サムネイル対象画像を縮小してサムネイル画像を生成し、JPEG圧縮/伸長部202は、そのサムネイル画像を圧縮する。インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430の独自サムネイル情報436内に、圧縮されたサムネイル画像に関するデータ(436d〜436g)を記録し、また、対応する映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cも合わせて記録する(S130)。これにより、独自サムネイルファイル430にサムネイル画像に関する情報が独自フォーマットで記録される。
【0050】
記録再生装置10においてサムネイル画像を表示する際、独自サムネイルファイル430を使用することにより、サムネイル画像の高速表示が可能となる。また、リムーバブルHDDユニット300を他の再生装置で再生する場合でも、番組管理ファイル410には互換サムネイル情報が含まれているため、互換サムネイル情報にもとづいてどんな機器であってもサムネイル画像を元の画像から生成することができるから、機器間の互換性をもたせることができる。
【0051】
図9は、他の装置で記録された番組およびサムネイル情報を当該記録再生装置10で使用する場合に、互換フォーマットから独自フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。この処理は、一般には、リムーバブルHDDユニット300が記録再生装置10のリムーバブルHDDスロット112に挿入された場合の初期化処理として行われる。
【0052】
インデックス管理部200のインデックス変換部220は、番組管理ファイル410をオープンする(S200)。また、インデックス変換部220は、空の独自サムネイルファイル430を生成し、カウンタiを0に初期化する(S210)。
【0053】
インデックス変換部220は、カウンタiを1だけインクリメントし(S212)、番組管理ファイル410からi番目の映像音声データファイル名414およびi番目の互換サムネイル情報416を取得する。さらに、インデックス変換部220は、i番目の互換サムネイル情報416からサムネイル対象画像の開始位置416a、参照すべきデータ長416bを取得する。インデックス変換部220は、取得した映像音声データファイル名414、サムネイル対象画像の開始位置416a、参照すべきデータ長416bを、それぞれ空の独自サムネイル情報436のヘッダ部の映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cの各フィールドにコピーする(S220)。
【0054】
次に、MPEG−TSデコーダ106は、i番目の映像音声データファイルの指定された領域からサムネイル対象画像を読み取り、サムネイル対象画像をデコードする。表示画像縮小部210はデコードされた画像を縮小してサムネイル画像を生成し、JPEG圧縮/伸長部202は、サムネイル画像を圧縮符号化する。このようにして、あらかじめ定められた独自フォーマットでサムネイル画像が作成される(S230)。
【0055】
インデックス変換部220は、JPEG圧縮/伸長部202により圧縮されたサムネイル画像のデータとパラメータを独自サムネイル情報436の画像サイズ436d、圧縮形式436e、圧縮データ長4366f、圧縮データ436gの各フィールドに書き込む。これにより、独自サムネイルファイル430の独自サムネイル情報436が記録される(S240)。
【0056】
カウンタiが総記録番組数Nに等しくなるまで(S250のN)、ステップS212に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS220、S230、S240を繰り返し、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなると(S250のY)、サムネイル情報の変換処理を終了する。
【0057】
なお、互換サムネイル情報を独自サムネイル情報に変換した後、互換サムネイル情報は削除してもよく、将来、リムーバブルHDDユニット300を他の装置で利用するために残しておいてもよい。
【0058】
このように、他の機器でサムネイル情報が記録されたリムーバブルHDDユニット300を当該記録再生装置10のリムーバブルHDDスロット112に挿入すると、記録再生装置10は、互換サムネイル情報から独自サムネイル情報を自動生成する。これにより、再生機器間でサムネイル画像の互換性を保ちつつ、当該記録再生装置10においては、独自サムネイルファイルを使用することでサムネイル画像の表示を高速化し、コンテンツに対する操作性を高めることができる。
【0059】
図10は、当該記録再生装置10で記録された番組およびサムネイル画像を他の装置で利用可能とするために、独自フォーマットから互換フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。この変換処理は、一般には、当該記録再生装置10で使用されたリムーバブルHDDユニット300を他の装置に挿入して利用する前に行われる。
【0060】
インデックス変換部220は、独自サムネイルファイル430をオープンし、カウンタiを0に初期化する(S300)。
【0061】
インデックス変換部220は、カウンタiを1だけインクリメントし(S302)、i番目の独自サムネイル情報436から映像音声データファイル名436aを取得し、その映像音声データファイル名436aにもとづいて、番組管理ファイル410の対応する互換サムネイル情報416の構造体に移動する。インデックス変換部220は、独自サムネイル情報436のサムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cを取得し、互換サムネイル情報416のサムネイル対象画像の開始位置416aと参照データ長416bの各フィールドにコピーする(S310)。
【0062】
カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなるまで(S320のN)、ステップS302に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS310を繰り返し、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなると(S320のY)、独自サムネイルファイル430を削除し(S330)、サムネイル情報の変換処理を終了する。
【0063】
この変換処理を行うことにより、他の装置でリムーバブルHDDユニット300を使用する場合でも互換フォーマットによりサムネイル情報の互換性を確保することができる。なお、上記の手順では、変換処理を行った後、独自サムネイルファイル430を削除したが、将来、元の記録再生装置10で使用する場合に備えて、残しておいてもよい。
【0064】
図11は、録画番組の一覧表示を例として、互換サムネイル情報を利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【0065】
ユーザが記録済み番組の一覧表示を指定する(S400)。インデックス管理部200は、番組管理ファイル410をオープンし、カウンタiを0に初期化する(S410)。
【0066】
インデックス管理部200は、カウンタiを1だけインクリメントする(S412)。インデックス管理部200は、i番目の映像音声データファイルをオープンし、サムネイル対象画像の開始位置416aまでシークして、参照すべきデータ長416bのデータを読み出し、読み出したサムネイル対象画像のデータをMPEG−TSデコーダ106に供給する(S420)。
【0067】
MPEG−TSデコーダ106は、サムネイル対象画像のデータをデコードし、MPEGデコード・表示画像用メモリ107にデコードしたサムネイル対象画像のデータを保持する(S430)。表示画像縮小部210は、デコードされたサムネイル対象画像を縮小し、表示装置110に表示する(S440)。
【0068】
インデックス管理部200は、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなるまで(S450のN)、ステップS412に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS420、S430、S440を繰り返し、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなると(S450のY)、サムネイル画像の再生処理を終了する。
【0069】
図12は、録画番組の一覧表示を例として、独自サムネイルファイルを利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。ステップS500、S510は、それぞれ図11のステップS400、S410と同じため説明を省略する。
【0070】
インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430が存在するかを確認する(S520)。独自サムネイルファイル430が存在する場合(S520のY)、ステップS522へ進む。独自サムネイルファイル430が存在しない場合(S520のN)、図9のサムネイル情報の互換フォーマットから独自フォーマットへの変換処理を行い、独自サムネイルファイル430を作成し(S530)、ステップS522へ進む。
【0071】
インデックス管理部200は、カウンタiを1だけインクリメントする(S522)。インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430内の独自サムネイル情報436を参照して、番組管理ファイル410のi番目の映像音声データファイル名414と一致する独自サムネイル情報436の映像音声データファイル名436aを検索し、映像音声データファイル名が一致した独自サムネイル情報436を選択する(S540)。
【0072】
JPEG圧縮/伸長部202は、選択された独自サムネイル情報436からサムネイル画像の圧縮データ436gを読み取り、圧縮データ436gを伸長して表示装置110に表示する。
【0073】
インデックス管理部200は、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなるまで(S560のN)、ステップS522に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS540、S550を繰り返し、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなると(S560のY)、サムネイル画像の再生処理を終了する。
【0074】
以上、サムネイル画像の記録、変換、再生処理の手順を説明したが、これらの処理の手順は状況に応じて変更してもよい。図8、図9、図10のフローチャートで示した手順を、1つの装置ですべて行うのは冗長である。例えば、リムーバブルHDDユニット300をフォーマットして、初めて使用する場合は、記録再生装置10は図8の処理だけ行えばよい。サムネイル画像が互換記録方式と独自記録方式の両方で記録されているため、サムネイル画像を表示する場合、記録再生装置10では、図12のフローチャートに従って独自方式のものを再生することで高速処理が可能となる。また、他の装置は図11のフローチャートに従って互換サムネイルを再生することが可能である。
【0075】
一方、他の装置で記録されたリムーバブルHDDユニット300を当該記録再生装置10に持ってきた場合、図9のフローチャートに従って、互換サムネイルデータを独自サムネイルデータに変換し、その後、図8のフローチャートに従って、2つの記録方式のサムネイルデータを記録してもよい。また、当該記録再生装置10で記録する間は、サムネイルは独自記録方式のみで記録を行い、他の装置に持っていく場合にのみ、図10のフローチャートに従って、独自フォーマットのサムネイル情報を互換フォーマットに変換してもよい。
【0076】
このように2種類のフォーマットのサムネイル情報を記録再生装置10が生成、相互に変換することにより、表示の高速化とリムーバブルメディア間のデータ互換性の両方を兼ね備えたサムネイルの管理が可能となる。なお、本実施の形態においては、一つの番組に対してサムネイル画像は一つとして扱ったが、複数のサムネイル画像を設けてもよい。また、番組全体でサムネイル画像を管理することに限らず、番組内でユーザが定義した区間に対してサムネイル画像を定義して管理してもよい。また、静止画のサムネイル画像を例に挙げたが、動画のサムネイル画像を用いてもよい。
【0077】
実施の形態2
実施の形態1では、コンテンツのインデックスとしてサムネイル画像を用いたが、実施の形態2では、コンテンツのインデックスとして番組に関連するメタデータを用い、メタデータを互換フォーマットおよび独自フォーマットで管理する。
【0078】
図13は、実施の形態2に係る記録再生装置10の構成図である。実施の形態2の記録再生装置10には、通信モジュール204が備えられ、ネットワークを介して外部サーバなどとのデータ通信が可能に構成され、インデックス管理部200は、メタデータ取得部230を備え、メタデータ取得部230が番組に関するメタデータをネットワーク経由でサーバから取得可能である。それ以外の構成は、実施の形態1の記録再生装置10と同じである。
【0079】
図14は、ハードディスクに記録されるディレクトリおよびファイル構成を示す図である。ルートディレクトリの下の番組ファイル管理ディレクトリ500は、番組録画・再生アプリケーションのルートディレクトリである。番組ファイル管理ディレクトリ500には、番組及びメタデータを管理するための番組管理ファイル510と録画された番組の数だけの映像音声データファイル520が記録される。さらに、互換メタデータファイル530が録画番組数だけ設けられ、1つの独自メタデータファイル540が設けられる。
【0080】
図15は、図14の番組管理ファイル510の構成を示す図である。このファイルは、ハードディスクに録画されている全番組の管理情報を記録したファイルである。総記録番組数512が先頭に記録される。ここでは総数はNである。その後に、映像音声データファイル名514と各映像音声データファイル名に対応する互換メタデータファイル名516のペアが総数N個連続して配置される。
【0081】
図16は、図14の互換メタデータファイル530のデータ構造を示す図である。ここでは、XML(eXtensible Markup Language)を用いて番組のメタデータが定義され、インターネット上のサーバに蓄積されているものを通信モジュール204を介してリムーバブルHDDユニット300に記録することを想定している。メタデータのタグとしては、本実施の形態では、番組タイトル、放送日、放送時間、放送チャネル、ジャンル、出演者、サーバURLが定義される。このXLMの形式でメタデータファイルとして保存される。出演者に関しては、複数人定義されてもよい。このXMLによる互換方式は、メタデータを体系的に記録できるメリットがある反面、組み込み機器で扱うには、XMLパーサーを持つ必要があり処理が重くなるというデメリットがある。
【0082】
図17は、図14の独自メタデータファイル540のデータ構造を示す図である。個々のメタデータは総記録メタデータ数542(ここではM個)の後に、個々の独自メタデータの先頭バイトを記録したサーチポインタ544がM個並び、その後に個々の独自メタデータ546が記録される。
【0083】
図18は、図17の独自メタデータ546のデータ構造を示す図である。この独自構造のメタデータは、先頭に、対応する映像音声データファイル名が記録された後、XMLの各タグに対応するフィールドが確保されている。ここでは、この個々のフィールド(映像音声データファイル名のフィールドを含む)を固定長とすることにより、メタデータの表示、検索性を高めることが可能となる。
【0084】
以上の構成によるメタデータの取得手順、メタデータを互換フォーマットと独自フォーマットの間で変換する手順を簡単に説明する。
【0085】
(1)メタデータの取得手順
まず、ユーザが記録済み番組を指定する。通信モジュール204を介してメタデータサーバに接続し、メタデータ取得部230が該当する番組に対応するメタデータ情報をXML形式で取得する。メタデータ取得部230は、対応する互換メタデータファイル530にXML形式のメタデータを記録する。さらに、独自メタデータファイル540の対応するフィールドにXML形式のデータから各フィールド値を抽出し記録する。ただし、独自メタデータファイルのフィールド長は固定長のため、フィールド長を超えたものに関しては、フィールド長分のみ記録することとする。
【0086】
このように、互換フォーマットと独自フォーマットの2種類のメタデータを記録することにより、装置間の互換性は互換フォーマットを使用し、装置内でメタデータを高速に表示、検索する場合は、独自フォーマットのメタデータを使用することができる。
【0087】
(2)互換フォーマットから独自フォーマットへのメタデータの変換手順
他のシステムで記録された番組およびメタデータを本システムで使用する際のメタデータ変換手順を説明する。この処理は、リムーバブルHDDユニット300が記録再生装置10に挿入された場合の初期化処理として行われることを想定している。
【0088】
まず、インデックス管理部200は、空の独自メタデータファイル540を生成する。インデックス変換部220は、1番目の互換メタデータファイル530から読み出したXML形式のメタデータを解析し、独自メタデータ形式に変換し、独自メタデータファイル540の1番目の独自メタデータ546として記録する。この処理をN番目の映像まで繰り返し行う。この処理を行うことにより、本システムでメタデータの表示、メタデータによる検索を行う場合は、独自メタデータファイル540を使用することにより、表示、検索の高速化が可能となる。なお、この処理において互換メタデータを独自メタデータに変換するが、互換メタデータは、削除しても残しておいてもどちらでもよい。
【0089】
(3)独自フォーマットから互換フォーマットへのメタデータの変換手順
本システムで記録された番組およびメタデータを他のシステムで使用する際のメタデータ変換手順を説明する。この処理は、本システムで使用されたリムーバブルHDDユニット300を他のシステムに持って行く場合に行われることを想定している。
【0090】
まず、独自メタデータファイル540をオープンする。1番目の独自メタデータ546から、映像音声データファイル名を検出し、番組管理ファイル510の対応する互換メタデータファイル530を生成し、メタデータを互換フォーマット方式に変換して記録する。この処理をM番目の独自メタデータ546まで繰り返す。最後に独自メタデータファイル540を削除する。この処理を行うことにより、他のシステムではXML形式の互換メタデータフォーマットにより機器間の互換性が確保できることになる。なお、この手順では、変換処理を行った後、独自メタデータファイル540を削除したが、残しておいてもよい。
【0091】
このように2種類のメタデータ形式を記録装置が生成し、相互に変換することにより、表示、検索の高速化とリムーバブルメディア間のデータ互換性の両方を兼ね備えたメタデータの管理が可能となる。なお、本実施例においては、インターネット上の外部サーバからメタデータを取得したが、放送に多重されて伝送される形式であってもよい。
【0092】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0093】
上記の実施の形態では、コンテンツのインデックスとしてサムネイル画像やメタデータを利用することを説明したが、当然、インデックスとして利用可能な情報であれば、これらに限らず、本発明の実施に用いることができる。また、コンテンツは映像を含まない音声だけのデータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態1に係る記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】サムネイル画像に関する情報が互換サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図3】図2の番組管理ファイルのデータ構造を示す図である。
【図4】図3の互換サムネイル情報のデータ構造を示す図である。
【図5】サムネイル画像に関する情報が独自サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図6】独自サムネイルファイルのデータ構造を示す図である。
【図7】図6の独自サムネイル情報のデータ構造を示す図である。
【図8】サムネイル情報の記録手順を説明するフローチャートである。
【図9】互換フォーマットから独自フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。
【図10】独自フォーマットから互換フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。
【図11】互換サムネイル情報を利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【図12】独自サムネイルファイルを利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2に係る記録再生装置の構成図である。
【図14】ハードディスクに記録されるディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図15】図14の番組管理ファイルの構成を示す図である。
【図16】図14の互換メタデータファイルのデータ構造を示す図である。
【図17】図14の独自メタデータファイルのデータ構造を示す図である。
【図18】図17の独自メタデータのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 記録再生装置、 100 リモコン受光部、 102 システムコントローラ、 104 表示パネル、 106 MPEG−TSデコーダ、 107 MPEGデコード・表示画像用メモリ、 108 D/Aコンバータ、 110 表示装置、 112 リムーバブルHDDスロット、 114 リムーバブルHDD挿入検出部、 116 バッファメモリ、 118 アンテナ、 120 チューナ、 122 伝送路復号部、 124 TS分離/選択部、 200 インデックス管理部、 202 JPEG圧縮/伸長部、 204 通信モジュール、 210 表示画像縮小部、 220 インデックス変換部、 230 メタデータ取得部、 300 リムーバブルHDDユニット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツのインデックス情報を記録するインデックス記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音楽や映像などのデジタル化が進み、地上波デジタル放送も開始されている。放送される番組を受信し、DVDやハードディスクに記録し、再生することのできる記録再生装置が開発されている。また、ディスクを取り外して持ち歩いたり、他の機器に装着して利用することのできるリムーバブルハードディスクが開発されている。
【0003】
リムーバブルハードディスクに番組を記録する際、記録した番組の閲覧や検索を容易にするためにサムネイル画像やメタデータなどのインデックス情報を使用することがある。たとえば、特許文献1には、多量のコンテンツに対応するインデックスファイルを管理する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2004−171311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インデックス情報については異なる機器間の互換性が考慮されていないいないため、インデックス情報をリムーバブルハードディスクに記録しても、リムーバブルハードディスクを他の機器に装着すると、フォーマットの違いからインデックス情報を参照することができず、インデックス情報を有効利用することができないという問題が生じる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたもので、その目的は、異なる機器間の互換性を確保するとともに、インデックス情報を効率的に利用することのできるインデックス記録技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のインデックス記録装置は、機器に対して着脱自在な可搬性のある記録装置にコンテンツを記録する記録部と、コンテンツのインデックスに関する情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、前記インデックスに関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を前記記録装置に記録して管理するインデックス管理部とを含む。
【0007】
ここで「コンテンツ」は、静止画、動画、音声、あるいはそれらの組合せであってもよく、テキストデータを含むものであってもよい。「インデックス」はコンテンツを指し示す何らかの情報であればよく、コンテンツの閲覧や検索のために用いられる。たとえば、映像コンテンツの場合、インデックスは動画の一部であってもよく、サムネイル画像であってもよい。また、インデックスは、コンテンツに関する情報、たとえば出演者やキーワードなどの情報を含むメタデータであってもよい。
【0008】
前記インデックス管理部は、前記記録装置を異なる機器間で利用可能とするために、前記独自フォーマットと前記互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの相互変換を行うインデックス変換部を有してもよい。
【0009】
前記インデックス管理部は、前記コンテンツの一部であるインデックス対象部分を前記インデックスに関する情報として扱い、前記インデックス対象部分を前記コンテンツファイルとは別に機器依存の独自フォーマットで独自インデックスファイルに記録し、前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を互換性のあるフォーマットで前記互換インデックスファイルに記録してもよい。
【0010】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異なる機器間の互換性を確保するとともに、インデックス情報を効率的に利用することのできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1
図1は、実施の形態1に係る記録再生装置10の構成を示す。記録再生装置10は、デジタル放送を受信する受信装置と、受信したデジタル放送の番組(コンテンツともいう))を記憶媒体に記録する記録装置と、記憶媒体に記録した番組を再生する再生装置の機能を有する。本実施の形態では、記憶媒体を備えた記憶装置の例として、記録再生装置10に着脱可能に構成されたリムーバブルハードディスクドライブ(HDD)ユニット300を利用する。
【0013】
本実施の形態の記録再生装置10は、個々の機器の仕様などに合わせて独自に最適化したフォーマットでコンテンツやコンテンツに関するデータを記録媒体に記録するとともに、デジタルテレビ録画規格に準拠した標準フォーマットでもコンテンツやコンテンツに関するデータを記録媒体に記録する。標準フォーマットにより他の機器との互換性を保ちつつ、個別の機器に適した独自フォーマットを用いてコンテンツの再生の品質を向上させたり、コンテンツの再生の利便性を高めることができる。
【0014】
記録再生装置10は、リモコン受光部100、システムコントローラ102、表示パネル104、MPEG−TSデコーダ106、MPEGデコード・表示画像用メモリ107、D/Aコンバータ108、表示装置110、リムーバブルHDDスロット112、リムーバブルHDD挿入検出部114、バッファメモリ116、アンテナ118、チューナ120、伝送路復号部122、TS分離/選択部124、インデックス管理部200、JPEG圧縮/伸長部202を備える。
【0015】
これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0016】
リモコン受光部100は、ユーザが記録再生装置10に対して指示を入力するためのリモートコントローラ(図示せず)から発せられる光を受信して、ユーザからの指示を取得する。システムコントローラ102は、記録再生装置10の各構成を制御する。表示パネル104は、各種制御情報などを表示する。MPEG−TSデコーダ106は、MPEG−TS信号をデコードする。D/Aコンバータ108は、デジタル信号をアナログ信号に変換する。表示装置110は、デコードされ、アナログ信号に変換された番組データを表示する。
【0017】
リムーバブルHDDスロット112は、番組データを記憶する記憶装置であるリムーバブルHDDユニット300を接続するためのスロットである。リムーバブルHDD挿入検出部114は、リムーバブルHDDスロット112に対するリムーバブルHDDユニット300の着脱を検出する。バッファメモリ116は、TS分離/選択部124により分離/選択されたMPEG−TS信号などを一時的に格納するなど、記録再生装置10の動作に必要なデータを格納する記憶領域として機能する。
【0018】
図1を参照しながら、デジタル放送の蓄積、再生の基本動作を説明する。アンテナ118は、デジタル変調された放送信号を受信する。チューナ120は、システムコントローラ102からの指示に従って、アンテナ118で受信された放送信号から、ユーザが選択したチャンネルの信号を抽出する。伝送路復号部122は、チューナ120により抽出された信号を、MPEG2で符号化された映像音声データの形式に復号し、TS分離/選択部124へ出力する。
【0019】
TS分離/選択部124は、映像音声データをリムーバブルHDDユニット300に蓄積しないとき、映像音声データをMPEG−TSデコーダ106へ出力する。MPEG−TSデコーダ106は、TS分離/選択部124により分離されたMPEG−トランスポートストリーム(TS)信号をデコードする。D/Aコンバータ108は、MPEG−TSデコーダ106によりデコードされたデジタル信号をアナログ信号に変換する。表示装置110は、D/Aコンバータ108により変換されたアナログの映像データを表示する。
【0020】
また、TS分離/選択部124は、映像音声データを蓄積するとき、リムーバブルHDDスロット112を介して、リムーバブルHDDユニット300に映像音声データを記録する。
【0021】
リムーバブルHDDユニット300に記録された放送番組を再生する場合は、MPEG−TSデコーダ106が、ユーザにより指定された再生すべきタイトルに対応する映像音声データをリムーバブルHDDユニット300から読み出して復号する。復号された映像データは、D/Aコンバータ108によりアナログ信号に変換され、表示装置110に出力される。
【0022】
インデックス管理部200は、録画された映像コンテンツを閲覧したり、検索する際のインデックス情報をリムーバブルHDDユニット300に記録して管理する。本実施の形態では、コンテンツのインデックス情報としてサムネイル画像が用いられる。
【0023】
図1を参照して、録画された映像コンテンツを閲覧する際のインデックスとなるサムネイル画像の記録処理について説明する。
【0024】
インデックス管理部200の表示画像縮小部210は、番組再生時に映像の1フレーム分の画像をキャプチャし、その画像を縮小してサムネイル画像を生成する。サムネイル画像は、一般的に、コンテンツを検索するための画像によるインデックスの役割をもつ。
【0025】
サムネイル画像を生成する元となったフレーム画像を「サムネイル対象画像」という。インデックス管理部200は、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の先頭位置とサムネイル対象画像のデータ長などの情報をサムネイル対象画像の格納領域情報として管理する。
【0026】
インデックス管理部200は、サムネイル対象画像の格納領域情報およびサムネイル画像の少なくとも一方を、番組のインデックスとしてリムーバブルHDDスロット112を介してリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0027】
サムネイル画像の記録方式には、次の2通りがある。第1の方式は、映像音声データファイル内のサムネイル対象画像の格納領域を、サムネイル対象画像のデータの先頭位置とデータ長の形式で記録する方式であり、異なる機器間でも互換性がある。この互換記録方式では、サムネイル画像に関する情報として、サムネイル対象画像が、コンテンツの映像音声データファイルのどこに格納されているかを示す情報だけが記録され、サムネイル画像そのものは記録されない。
【0028】
第2の方式は、映像音声データファイルとは別のファイルにサムネイル画像を圧縮して保持する方式であり、独自記録方式と呼ぶ。独自記録方式では、機器の仕様に適したサムネイル画像が生成される。たとえば、機器のディスプレイにサムネイル画像を一覧表示させる場合、ディスプレイのサイズに合わせてサムネイル画像のサイズが決められる。また、サムネイル画像を圧縮する際、圧縮符号化のアルゴリズムやパラメータなども機器のCPU性能やメモリ容量に適したものを使うことができる。
【0029】
互換記録方式では、互換サムネイル画像専用の圧縮処理モジュールと伸長処理モジュールが必要とされないというメリットの半面、サムネイル画像を表示する際、コンテンツファイルの指定された位置から指定された長さのデータを読み出し、デコードし、表示サイズに合わせて画像を縮小することが必要となる。一画面に複数のサムネイル画像を表示する場合、複数のコンテンツファイルからの膨大なデータの読み出し処理が必要となり、サムネイル画像の一覧表示に時間がかかるというデメリットがある。一方、独自記録方式では、サムネイル画像専用の圧縮処理モジュールと伸長処理モジュールが必要となるが、表示サイズに合わせたサムネイル画像を前もって生成しているため、サムネイル画像を高速に画面に一覧表示することができる。また、圧縮符号化のアルゴリズムやパラメータを機器のCPU性能やメモリ容量に合わせてチューニングすることにより、サムネイル画像の圧縮・伸長処理も機器毎に最適化することができる。
【0030】
本実施の形態の記録再生装置10では、リムーバブルメディアの装置間の互換性確保のために互換記録方式によるフォーマット(「互換フォーマット」という)を採用するとともに、各装置におけるサムネイル画像のアクセス性向上を目的として、独自記録方式によるフォーマット(「独自フォーマット」という)も合わせて使用する。インデックス管理部200のインデックス変換部220は、コンテンツのサムネイル画像に関する情報を互換フォーマットと独自フォーマットの間で相互変換する。
【0031】
一例として、記録される番組単位で代表サムネイル画像を互換記録方式および独自記録方式で記録する処理を説明する。互換記録方式の場合を説明する。まず記録済みの番組一覧から、ある番組をユーザが選択する。ユーザは、その番組の再生の途中で、サムネイル画像にすべき画像が表示されたところで、リモートコントローラによって再生を停止するか所定の操作をすることにより、表示された画像をサムネイル画像にすることを記録再生装置10に知らせる。インデックス管理部200は、サムネイル画像にすることが指定された画像(サムネイル対象画像)が映像音声ファイル内で格納されている領域を示す情報を取得する。この格納領域情報は、サムネイル対象画像のファイル内の開始位置およびデータ長である。インデックス管理部200は、サムネイル対象画像の格納領域情報を番組情報と関連付けた互換サムネイルファイルをリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0032】
独自記録方式でサムネイル画像を生成する処理を説明する。ユーザが、記録済みの番組一覧から、ある番組を選択し、その番組の再生の途中で、サムネイル対象画像を指定するところまでは、互換記録方式と同じである。サムネイル対象画像が指定されると、表示画像縮小部210は、MPEGデコード・表示画像用メモリ107に保持されているサムネイル対象画像のサイズを必要に応じて縮小し、サムネイル画像を生成する。例えば、縦720画素、横480画素の画像ファイルを縦横ともに4分の1に縮小し、縦180画素、横120画素のサムネイル画像を生成する。JPEG圧縮/伸長部202は、このサムネイル画像を圧縮符号化する。インデックス管理部200は、圧縮されたサムネイル画像に関するデータを番組情報と関連付けた独自サムネイルファイルをリムーバブルHDDユニット300に記録する。
【0033】
次に、記録されたサムネイル画像の表示処理を説明する。互換記録方式の場合を説明する。ユーザがリモートコントローラを操作して、リムーバブルHDDユニット300に記録された番組一覧を表示するように指示すると、インデックス管理部200は、互換サムネイルファイルを参照することにより、一覧表示されるべき各番組の映像音声ファイル内のサムネイル対象画像の格納領域を示す情報を取得し、その格納領域に記録されたサムネイル対象画像のデータを映像音声ファイルから読み出してMPEG−TSデコーダ106に与える。MPEG−TSデコーダ106は、与えられたサムネイル対象画像データをデコードし、デコードしたサムネイル対象画像をMPEGデコード・表示画像用メモリ107に保持する。表示画像縮小部210は、デコードされたサムネイル対象画像を画面に合わせて縮小し、サムネイル画像を生成し、表示装置110に表示する。
【0034】
独自記録方式の場合を説明する。ユーザがリムーバブルHDDユニット300に記録された番組一覧の表示を指示すると、インデックス管理部200は、独自サムネイルファイルを参照することにより、一覧表示されるべき各番組の映像音声ファイルに関連づけられたサムネイル画像ファイルからサムネイル画像のデータを読み出し、JPEG圧縮/伸長部202に与える。JPEG圧縮/伸長部202は、与えられたサムネイル画像データを伸長し、MPEGデコード・表示画像用メモリ107に書き込む。MPEGデコード・表示画像用メモリ107に書き込まれたサムネイル画像は表示装置110に表示される。
【0035】
図2〜図4を参照して、互換記録方式によりサムネイル画像に関する情報が格納されたデータ構造(「互換サムネイル構造」という)の一例を説明する。
【0036】
図2は、サムネイル画像に関する情報が互換サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。ルートディレクトリの下の番組ファイル管理ディレクトリ400は、番組録画・再生アプリケーションのルートディレクトリである。番組ファイル管理ディレクトリ400の下には、番組管理ファイル410と映像音声データファイル420が記録される。
【0037】
番組管理ファイル410は、記録された番組と互換記録方式によるサムネイル画像に関する情報とを関連づけて記録した互換サムネイルファイルである。映像音声データファイル420は、番組の映像と音声のデータを格納したファイルであり、録画された番組の数だけ設けられる。
【0038】
図3は、図2の番組管理ファイル410のデータ構造を示す図である。番組管理ファイル410は、ハードディスクに録画されている全番組の管理情報を記録したファイルである。先頭に総記録番組数412が記録され、その後に、映像音声データファイル名414とその映像音声データファイル名に対応する互換サムネイル情報416のペアが総記録番組数N個だけ連続して配置される。互換サムネイル情報416は、互換フォーマットで表現されたサムネイル画像に関する情報である。
【0039】
記録再生装置10は、この番組管理ファイル410を用いることにより、ハードディスクに記録された番組を簡単に検索することができるインタフェースをユーザに提供することができ、また、番組ファイルとサムネイル画像の関連付けを管理することもできる。
【0040】
図4は、図3の互換サムネイル情報416のデータ構造を示す図である。互換サムネイル情報416は、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の格納領域を示す情報を保持するものであり、サムネイル対象画像の開始位置416aと参照すべきデータ長416bが格納される。開始位置は、映像音声データファールの先頭から見た場合の相対的な位置であり、単位はバイトである。映像音声データが、一例としてMPEGで記録されている場合、サムネイル画像を生成する対象として指定される映像は、Iピクチャのみに制限されてもよい。
【0041】
図5〜図7を参照して、独自記録方式によりサムネイル画像に関する情報が格納されたデータ構造(「独自サムネイル構造」という)を説明する。
【0042】
図5は、サムネイル画像に関する情報が独自サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。図2の構成との違いは、番組ファイル管理ディレクトリ400の下に、番組管理ファイル410と映像音声データファイル420以外に、独自サムネイルファイル430が記録される点である。独自サムネイルファイル430は、独自サムネイル情報を格納するものであるが、番組管理ファイル410には、図2で説明した互換サムネイル情報が含まれるため、インデックス情報としては、互換サムネイル情報と独自サムネイル情報の両方が含まれることになる。
【0043】
図6は、独自サムネイルファイル430のデータ構造を示す図である。個々のサムネイル情報は可変長になることが想定される。そこで、独自サムネイルファイル430の先頭には総記録サムネイル数432が格納され、その後に、個々のサムネイル情報の先頭バイトを記録したサーチポインタ434が総記録サムネイル数Mだけ配置され、さらにその後に個々の独自サムネイル情報436が順に記録される。独自サムネイル情報436は、独自フォーマットで表現されたサムネイル画像に関する情報である。
【0044】
図7は、図6の独自サムネイル情報436のデータ構造を示す図である。ヘッダ情報として、そのサムネイル情報に対応する映像音声データファイル名436a、映像音声データファイルにおけるサムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436c、画像サイズ436d、圧縮形式436e、圧縮データ長436fがあり、その後に圧縮データ436gが記録される。たとえば、画像サイズは横180、縦120であり、圧縮形式はJPEGである。ここで、映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、および参照すべきデータ長436cは、独自フォーマットから互換フォーマットに変換する際、必要となるデータである。
【0045】
以上の構成の記録再生装置10によるサムネイル情報の記録処理、変換処理、表示処理を説明する。
【0046】
図8は、サムネイル情報の記録手順を説明するフローチャートである。以下では、一例として、サムネイル画像は、記録した番組に対する代表画像を示すものとして1つだけ作成するものとする。また、サムネイル画像を記録するタイミングとして、番組記録時に記録再生装置10が自動的に作成することもあるが、ここでは、記録済み番組からユーザがサムネイル画像を選択するという場合を一例として示す。
【0047】
サムネイル画像の記録処理では、互換記録方式と独自記録方式の両方でサムネイル画像に関する情報が記録される。ユーザが記録済み番組を指定すると、MPEG−TSデコーダ106は、指定された番組に対応する映像音声データファイル420をオープンし、サムネイル画像を生成する対象となる画像をユーザに指定させるために、映像をデコードして表示装置110に表示する(S100)。
【0048】
ユーザが映像の早送りや巻き戻しを行いながら、サムネイル対象画像を指定すると、インデックス管理部200は、その指定されたサムネイル対象画像の格納領域情報、すなわち映像音声データファイル420におけるサムネイル対象画像の開始位置と参照すべきデータ長を取得する(S110)。インデックス管理部200は、番組管理ファイル410の互換サムネイル情報416内に、サムネイル対象画像の開始位置416aと参照すべきデータ長416bを記録する(S120)。これにより、番組管理ファイル410にサムネイル画像に関する情報が互換フォーマットで記録される。
【0049】
さらに、表示画像縮小部210は、サムネイル対象画像を縮小してサムネイル画像を生成し、JPEG圧縮/伸長部202は、そのサムネイル画像を圧縮する。インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430の独自サムネイル情報436内に、圧縮されたサムネイル画像に関するデータ(436d〜436g)を記録し、また、対応する映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cも合わせて記録する(S130)。これにより、独自サムネイルファイル430にサムネイル画像に関する情報が独自フォーマットで記録される。
【0050】
記録再生装置10においてサムネイル画像を表示する際、独自サムネイルファイル430を使用することにより、サムネイル画像の高速表示が可能となる。また、リムーバブルHDDユニット300を他の再生装置で再生する場合でも、番組管理ファイル410には互換サムネイル情報が含まれているため、互換サムネイル情報にもとづいてどんな機器であってもサムネイル画像を元の画像から生成することができるから、機器間の互換性をもたせることができる。
【0051】
図9は、他の装置で記録された番組およびサムネイル情報を当該記録再生装置10で使用する場合に、互換フォーマットから独自フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。この処理は、一般には、リムーバブルHDDユニット300が記録再生装置10のリムーバブルHDDスロット112に挿入された場合の初期化処理として行われる。
【0052】
インデックス管理部200のインデックス変換部220は、番組管理ファイル410をオープンする(S200)。また、インデックス変換部220は、空の独自サムネイルファイル430を生成し、カウンタiを0に初期化する(S210)。
【0053】
インデックス変換部220は、カウンタiを1だけインクリメントし(S212)、番組管理ファイル410からi番目の映像音声データファイル名414およびi番目の互換サムネイル情報416を取得する。さらに、インデックス変換部220は、i番目の互換サムネイル情報416からサムネイル対象画像の開始位置416a、参照すべきデータ長416bを取得する。インデックス変換部220は、取得した映像音声データファイル名414、サムネイル対象画像の開始位置416a、参照すべきデータ長416bを、それぞれ空の独自サムネイル情報436のヘッダ部の映像音声データファイル名436a、サムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cの各フィールドにコピーする(S220)。
【0054】
次に、MPEG−TSデコーダ106は、i番目の映像音声データファイルの指定された領域からサムネイル対象画像を読み取り、サムネイル対象画像をデコードする。表示画像縮小部210はデコードされた画像を縮小してサムネイル画像を生成し、JPEG圧縮/伸長部202は、サムネイル画像を圧縮符号化する。このようにして、あらかじめ定められた独自フォーマットでサムネイル画像が作成される(S230)。
【0055】
インデックス変換部220は、JPEG圧縮/伸長部202により圧縮されたサムネイル画像のデータとパラメータを独自サムネイル情報436の画像サイズ436d、圧縮形式436e、圧縮データ長4366f、圧縮データ436gの各フィールドに書き込む。これにより、独自サムネイルファイル430の独自サムネイル情報436が記録される(S240)。
【0056】
カウンタiが総記録番組数Nに等しくなるまで(S250のN)、ステップS212に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS220、S230、S240を繰り返し、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなると(S250のY)、サムネイル情報の変換処理を終了する。
【0057】
なお、互換サムネイル情報を独自サムネイル情報に変換した後、互換サムネイル情報は削除してもよく、将来、リムーバブルHDDユニット300を他の装置で利用するために残しておいてもよい。
【0058】
このように、他の機器でサムネイル情報が記録されたリムーバブルHDDユニット300を当該記録再生装置10のリムーバブルHDDスロット112に挿入すると、記録再生装置10は、互換サムネイル情報から独自サムネイル情報を自動生成する。これにより、再生機器間でサムネイル画像の互換性を保ちつつ、当該記録再生装置10においては、独自サムネイルファイルを使用することでサムネイル画像の表示を高速化し、コンテンツに対する操作性を高めることができる。
【0059】
図10は、当該記録再生装置10で記録された番組およびサムネイル画像を他の装置で利用可能とするために、独自フォーマットから互換フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。この変換処理は、一般には、当該記録再生装置10で使用されたリムーバブルHDDユニット300を他の装置に挿入して利用する前に行われる。
【0060】
インデックス変換部220は、独自サムネイルファイル430をオープンし、カウンタiを0に初期化する(S300)。
【0061】
インデックス変換部220は、カウンタiを1だけインクリメントし(S302)、i番目の独自サムネイル情報436から映像音声データファイル名436aを取得し、その映像音声データファイル名436aにもとづいて、番組管理ファイル410の対応する互換サムネイル情報416の構造体に移動する。インデックス変換部220は、独自サムネイル情報436のサムネイル対象画像の開始位置436b、参照すべきデータ長436cを取得し、互換サムネイル情報416のサムネイル対象画像の開始位置416aと参照データ長416bの各フィールドにコピーする(S310)。
【0062】
カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなるまで(S320のN)、ステップS302に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS310を繰り返し、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなると(S320のY)、独自サムネイルファイル430を削除し(S330)、サムネイル情報の変換処理を終了する。
【0063】
この変換処理を行うことにより、他の装置でリムーバブルHDDユニット300を使用する場合でも互換フォーマットによりサムネイル情報の互換性を確保することができる。なお、上記の手順では、変換処理を行った後、独自サムネイルファイル430を削除したが、将来、元の記録再生装置10で使用する場合に備えて、残しておいてもよい。
【0064】
図11は、録画番組の一覧表示を例として、互換サムネイル情報を利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【0065】
ユーザが記録済み番組の一覧表示を指定する(S400)。インデックス管理部200は、番組管理ファイル410をオープンし、カウンタiを0に初期化する(S410)。
【0066】
インデックス管理部200は、カウンタiを1だけインクリメントする(S412)。インデックス管理部200は、i番目の映像音声データファイルをオープンし、サムネイル対象画像の開始位置416aまでシークして、参照すべきデータ長416bのデータを読み出し、読み出したサムネイル対象画像のデータをMPEG−TSデコーダ106に供給する(S420)。
【0067】
MPEG−TSデコーダ106は、サムネイル対象画像のデータをデコードし、MPEGデコード・表示画像用メモリ107にデコードしたサムネイル対象画像のデータを保持する(S430)。表示画像縮小部210は、デコードされたサムネイル対象画像を縮小し、表示装置110に表示する(S440)。
【0068】
インデックス管理部200は、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなるまで(S450のN)、ステップS412に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS420、S430、S440を繰り返し、カウンタiが総記録番組数Nに等しくなると(S450のY)、サムネイル画像の再生処理を終了する。
【0069】
図12は、録画番組の一覧表示を例として、独自サムネイルファイルを利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。ステップS500、S510は、それぞれ図11のステップS400、S410と同じため説明を省略する。
【0070】
インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430が存在するかを確認する(S520)。独自サムネイルファイル430が存在する場合(S520のY)、ステップS522へ進む。独自サムネイルファイル430が存在しない場合(S520のN)、図9のサムネイル情報の互換フォーマットから独自フォーマットへの変換処理を行い、独自サムネイルファイル430を作成し(S530)、ステップS522へ進む。
【0071】
インデックス管理部200は、カウンタiを1だけインクリメントする(S522)。インデックス管理部200は、独自サムネイルファイル430内の独自サムネイル情報436を参照して、番組管理ファイル410のi番目の映像音声データファイル名414と一致する独自サムネイル情報436の映像音声データファイル名436aを検索し、映像音声データファイル名が一致した独自サムネイル情報436を選択する(S540)。
【0072】
JPEG圧縮/伸長部202は、選択された独自サムネイル情報436からサムネイル画像の圧縮データ436gを読み取り、圧縮データ436gを伸長して表示装置110に表示する。
【0073】
インデックス管理部200は、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなるまで(S560のN)、ステップS522に戻ってカウンタiをインクリメントし、ステップS540、S550を繰り返し、カウンタiが総記録サムネイル数Mに等しくなると(S560のY)、サムネイル画像の再生処理を終了する。
【0074】
以上、サムネイル画像の記録、変換、再生処理の手順を説明したが、これらの処理の手順は状況に応じて変更してもよい。図8、図9、図10のフローチャートで示した手順を、1つの装置ですべて行うのは冗長である。例えば、リムーバブルHDDユニット300をフォーマットして、初めて使用する場合は、記録再生装置10は図8の処理だけ行えばよい。サムネイル画像が互換記録方式と独自記録方式の両方で記録されているため、サムネイル画像を表示する場合、記録再生装置10では、図12のフローチャートに従って独自方式のものを再生することで高速処理が可能となる。また、他の装置は図11のフローチャートに従って互換サムネイルを再生することが可能である。
【0075】
一方、他の装置で記録されたリムーバブルHDDユニット300を当該記録再生装置10に持ってきた場合、図9のフローチャートに従って、互換サムネイルデータを独自サムネイルデータに変換し、その後、図8のフローチャートに従って、2つの記録方式のサムネイルデータを記録してもよい。また、当該記録再生装置10で記録する間は、サムネイルは独自記録方式のみで記録を行い、他の装置に持っていく場合にのみ、図10のフローチャートに従って、独自フォーマットのサムネイル情報を互換フォーマットに変換してもよい。
【0076】
このように2種類のフォーマットのサムネイル情報を記録再生装置10が生成、相互に変換することにより、表示の高速化とリムーバブルメディア間のデータ互換性の両方を兼ね備えたサムネイルの管理が可能となる。なお、本実施の形態においては、一つの番組に対してサムネイル画像は一つとして扱ったが、複数のサムネイル画像を設けてもよい。また、番組全体でサムネイル画像を管理することに限らず、番組内でユーザが定義した区間に対してサムネイル画像を定義して管理してもよい。また、静止画のサムネイル画像を例に挙げたが、動画のサムネイル画像を用いてもよい。
【0077】
実施の形態2
実施の形態1では、コンテンツのインデックスとしてサムネイル画像を用いたが、実施の形態2では、コンテンツのインデックスとして番組に関連するメタデータを用い、メタデータを互換フォーマットおよび独自フォーマットで管理する。
【0078】
図13は、実施の形態2に係る記録再生装置10の構成図である。実施の形態2の記録再生装置10には、通信モジュール204が備えられ、ネットワークを介して外部サーバなどとのデータ通信が可能に構成され、インデックス管理部200は、メタデータ取得部230を備え、メタデータ取得部230が番組に関するメタデータをネットワーク経由でサーバから取得可能である。それ以外の構成は、実施の形態1の記録再生装置10と同じである。
【0079】
図14は、ハードディスクに記録されるディレクトリおよびファイル構成を示す図である。ルートディレクトリの下の番組ファイル管理ディレクトリ500は、番組録画・再生アプリケーションのルートディレクトリである。番組ファイル管理ディレクトリ500には、番組及びメタデータを管理するための番組管理ファイル510と録画された番組の数だけの映像音声データファイル520が記録される。さらに、互換メタデータファイル530が録画番組数だけ設けられ、1つの独自メタデータファイル540が設けられる。
【0080】
図15は、図14の番組管理ファイル510の構成を示す図である。このファイルは、ハードディスクに録画されている全番組の管理情報を記録したファイルである。総記録番組数512が先頭に記録される。ここでは総数はNである。その後に、映像音声データファイル名514と各映像音声データファイル名に対応する互換メタデータファイル名516のペアが総数N個連続して配置される。
【0081】
図16は、図14の互換メタデータファイル530のデータ構造を示す図である。ここでは、XML(eXtensible Markup Language)を用いて番組のメタデータが定義され、インターネット上のサーバに蓄積されているものを通信モジュール204を介してリムーバブルHDDユニット300に記録することを想定している。メタデータのタグとしては、本実施の形態では、番組タイトル、放送日、放送時間、放送チャネル、ジャンル、出演者、サーバURLが定義される。このXLMの形式でメタデータファイルとして保存される。出演者に関しては、複数人定義されてもよい。このXMLによる互換方式は、メタデータを体系的に記録できるメリットがある反面、組み込み機器で扱うには、XMLパーサーを持つ必要があり処理が重くなるというデメリットがある。
【0082】
図17は、図14の独自メタデータファイル540のデータ構造を示す図である。個々のメタデータは総記録メタデータ数542(ここではM個)の後に、個々の独自メタデータの先頭バイトを記録したサーチポインタ544がM個並び、その後に個々の独自メタデータ546が記録される。
【0083】
図18は、図17の独自メタデータ546のデータ構造を示す図である。この独自構造のメタデータは、先頭に、対応する映像音声データファイル名が記録された後、XMLの各タグに対応するフィールドが確保されている。ここでは、この個々のフィールド(映像音声データファイル名のフィールドを含む)を固定長とすることにより、メタデータの表示、検索性を高めることが可能となる。
【0084】
以上の構成によるメタデータの取得手順、メタデータを互換フォーマットと独自フォーマットの間で変換する手順を簡単に説明する。
【0085】
(1)メタデータの取得手順
まず、ユーザが記録済み番組を指定する。通信モジュール204を介してメタデータサーバに接続し、メタデータ取得部230が該当する番組に対応するメタデータ情報をXML形式で取得する。メタデータ取得部230は、対応する互換メタデータファイル530にXML形式のメタデータを記録する。さらに、独自メタデータファイル540の対応するフィールドにXML形式のデータから各フィールド値を抽出し記録する。ただし、独自メタデータファイルのフィールド長は固定長のため、フィールド長を超えたものに関しては、フィールド長分のみ記録することとする。
【0086】
このように、互換フォーマットと独自フォーマットの2種類のメタデータを記録することにより、装置間の互換性は互換フォーマットを使用し、装置内でメタデータを高速に表示、検索する場合は、独自フォーマットのメタデータを使用することができる。
【0087】
(2)互換フォーマットから独自フォーマットへのメタデータの変換手順
他のシステムで記録された番組およびメタデータを本システムで使用する際のメタデータ変換手順を説明する。この処理は、リムーバブルHDDユニット300が記録再生装置10に挿入された場合の初期化処理として行われることを想定している。
【0088】
まず、インデックス管理部200は、空の独自メタデータファイル540を生成する。インデックス変換部220は、1番目の互換メタデータファイル530から読み出したXML形式のメタデータを解析し、独自メタデータ形式に変換し、独自メタデータファイル540の1番目の独自メタデータ546として記録する。この処理をN番目の映像まで繰り返し行う。この処理を行うことにより、本システムでメタデータの表示、メタデータによる検索を行う場合は、独自メタデータファイル540を使用することにより、表示、検索の高速化が可能となる。なお、この処理において互換メタデータを独自メタデータに変換するが、互換メタデータは、削除しても残しておいてもどちらでもよい。
【0089】
(3)独自フォーマットから互換フォーマットへのメタデータの変換手順
本システムで記録された番組およびメタデータを他のシステムで使用する際のメタデータ変換手順を説明する。この処理は、本システムで使用されたリムーバブルHDDユニット300を他のシステムに持って行く場合に行われることを想定している。
【0090】
まず、独自メタデータファイル540をオープンする。1番目の独自メタデータ546から、映像音声データファイル名を検出し、番組管理ファイル510の対応する互換メタデータファイル530を生成し、メタデータを互換フォーマット方式に変換して記録する。この処理をM番目の独自メタデータ546まで繰り返す。最後に独自メタデータファイル540を削除する。この処理を行うことにより、他のシステムではXML形式の互換メタデータフォーマットにより機器間の互換性が確保できることになる。なお、この手順では、変換処理を行った後、独自メタデータファイル540を削除したが、残しておいてもよい。
【0091】
このように2種類のメタデータ形式を記録装置が生成し、相互に変換することにより、表示、検索の高速化とリムーバブルメディア間のデータ互換性の両方を兼ね備えたメタデータの管理が可能となる。なお、本実施例においては、インターネット上の外部サーバからメタデータを取得したが、放送に多重されて伝送される形式であってもよい。
【0092】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0093】
上記の実施の形態では、コンテンツのインデックスとしてサムネイル画像やメタデータを利用することを説明したが、当然、インデックスとして利用可能な情報であれば、これらに限らず、本発明の実施に用いることができる。また、コンテンツは映像を含まない音声だけのデータであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態1に係る記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】サムネイル画像に関する情報が互換サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図3】図2の番組管理ファイルのデータ構造を示す図である。
【図4】図3の互換サムネイル情報のデータ構造を示す図である。
【図5】サムネイル画像に関する情報が独自サムネイル構造で記録された場合のハードディスクのディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図6】独自サムネイルファイルのデータ構造を示す図である。
【図7】図6の独自サムネイル情報のデータ構造を示す図である。
【図8】サムネイル情報の記録手順を説明するフローチャートである。
【図9】互換フォーマットから独自フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。
【図10】独自フォーマットから互換フォーマットへサムネイル情報を変換する手順を示すフローチャートである。
【図11】互換サムネイル情報を利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【図12】独自サムネイルファイルを利用してサムネイル画像を再生する手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2に係る記録再生装置の構成図である。
【図14】ハードディスクに記録されるディレクトリおよびファイル構成を示す図である。
【図15】図14の番組管理ファイルの構成を示す図である。
【図16】図14の互換メタデータファイルのデータ構造を示す図である。
【図17】図14の独自メタデータファイルのデータ構造を示す図である。
【図18】図17の独自メタデータのデータ構造を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
10 記録再生装置、 100 リモコン受光部、 102 システムコントローラ、 104 表示パネル、 106 MPEG−TSデコーダ、 107 MPEGデコード・表示画像用メモリ、 108 D/Aコンバータ、 110 表示装置、 112 リムーバブルHDDスロット、 114 リムーバブルHDD挿入検出部、 116 バッファメモリ、 118 アンテナ、 120 チューナ、 122 伝送路復号部、 124 TS分離/選択部、 200 インデックス管理部、 202 JPEG圧縮/伸長部、 204 通信モジュール、 210 表示画像縮小部、 220 インデックス変換部、 230 メタデータ取得部、 300 リムーバブルHDDユニット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に対して着脱自在な可搬性のある記録装置にコンテンツを記録する記録部と、
コンテンツのインデックスに関する情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、前記インデックスに関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を前記記録装置に記録して管理するインデックス管理部とを含むことを特徴とするインデックス記録装置。
【請求項2】
前記インデックス管理部は、前記記録装置を異なる機器間で利用可能とするために、前記独自フォーマットと前記互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの相互変換を行うインデックス変換部を有することを特徴とする請求項1に記載のインデックス記録装置。
【請求項3】
前記インデックス管理部は、前記コンテンツの一部であるインデックス対象部分を前記インデックスに関する情報として扱い、前記インデックス対象部分をコンテンツファイルとは別に機器依存の独自フォーマットで独自インデックスファイルに記録し、前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を互換性のあるフォーマットで前記互換インデックスファイルに記録することを特徴とする請求項2に記載のインデックス記録装置。
【請求項4】
前記インデックス変換部は、異なる機器でインデックス情報が記録された前記記録装置を装着して利用するために、前記互換インデックスファイルから前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を取得し、その格納位置から前記インデックス対象部分を読み出して前記独自フォーマットで前記独自インデックスファイルに記録することにより、前記互換インデックスファイルから前記独自インデックスファイルにインデックス情報のフォーマットを変換することを特徴とする請求項3に記載のインデックス記録装置。
【請求項5】
前記インデックス変換部は、前記記録装置を異なる機器に装着して利用可能とするために、前記独自インデックスファイルに記録された前記インデックス対象部分が前記コンテンツファイルから抽出された箇所を取得し、その抽出箇所を前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報として前記互換インデックスファイルに記録することにより、前記独自インデックスファイルから前記互換インデックスファイルにインデックス情報のフォーマットを変換することを特徴とする請求項3に記載のインデックス記録装置。
【請求項6】
前記独自インデックスファイルには、前記インデックス対象部分が前記コンテンツファイルから抽出された箇所に関する情報があらかじめ記録されていることを特徴とする請求項5に記載のインデックス記録装置。
【請求項7】
前記インデックス管理部は、映像コンテンツの一部の画像をインデックスとして管理するものであり、前記独自インデックスファイルには、インデックス対象画像を機器の表示画面に合わせて縮小して記録し、前記互換インデックスファイルには、映像コンテンツファイル内の前記インデックス対象画像の格納位置に関する情報を記録することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインデックス記録装置。
【請求項8】
コンテンツのインデックス対象部分を機器依存の独自フォーマットでコンテンツファイルとは別のファイルに記録した独自インデックスファイルを生成する機能と、
前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルを生成する機能と、
前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を管理する機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
機器に対して着脱自在な可搬性のある記録装置にコンテンツを記録する記録部と、
コンテンツのインデックスに関する情報を機器依存の独自フォーマットで記録した独自インデックスファイルと、前記インデックスに関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を前記記録装置に記録して管理するインデックス管理部とを含むことを特徴とするインデックス記録装置。
【請求項2】
前記インデックス管理部は、前記記録装置を異なる機器間で利用可能とするために、前記独自フォーマットと前記互換性のあるフォーマットとの間でフォーマット変換を行うことにより、前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの相互変換を行うインデックス変換部を有することを特徴とする請求項1に記載のインデックス記録装置。
【請求項3】
前記インデックス管理部は、前記コンテンツの一部であるインデックス対象部分を前記インデックスに関する情報として扱い、前記インデックス対象部分をコンテンツファイルとは別に機器依存の独自フォーマットで独自インデックスファイルに記録し、前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を互換性のあるフォーマットで前記互換インデックスファイルに記録することを特徴とする請求項2に記載のインデックス記録装置。
【請求項4】
前記インデックス変換部は、異なる機器でインデックス情報が記録された前記記録装置を装着して利用するために、前記互換インデックスファイルから前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を取得し、その格納位置から前記インデックス対象部分を読み出して前記独自フォーマットで前記独自インデックスファイルに記録することにより、前記互換インデックスファイルから前記独自インデックスファイルにインデックス情報のフォーマットを変換することを特徴とする請求項3に記載のインデックス記録装置。
【請求項5】
前記インデックス変換部は、前記記録装置を異なる機器に装着して利用可能とするために、前記独自インデックスファイルに記録された前記インデックス対象部分が前記コンテンツファイルから抽出された箇所を取得し、その抽出箇所を前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報として前記互換インデックスファイルに記録することにより、前記独自インデックスファイルから前記互換インデックスファイルにインデックス情報のフォーマットを変換することを特徴とする請求項3に記載のインデックス記録装置。
【請求項6】
前記独自インデックスファイルには、前記インデックス対象部分が前記コンテンツファイルから抽出された箇所に関する情報があらかじめ記録されていることを特徴とする請求項5に記載のインデックス記録装置。
【請求項7】
前記インデックス管理部は、映像コンテンツの一部の画像をインデックスとして管理するものであり、前記独自インデックスファイルには、インデックス対象画像を機器の表示画面に合わせて縮小して記録し、前記互換インデックスファイルには、映像コンテンツファイル内の前記インデックス対象画像の格納位置に関する情報を記録することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインデックス記録装置。
【請求項8】
コンテンツのインデックス対象部分を機器依存の独自フォーマットでコンテンツファイルとは別のファイルに記録した独自インデックスファイルを生成する機能と、
前記コンテンツファイル内の前記インデックス対象部分の格納位置に関する情報を異なる機器との間で互換性のあるフォーマットで記録した互換インデックスファイルを生成する機能と、
前記独自インデックスファイルと前記互換インデックスファイルの双方により前記コンテンツのインデックス情報を管理する機能とをコンピュータに実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−234085(P2007−234085A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51165(P2006−51165)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]