インフルエンザの治療および診断のための組成物および方法
本発明は、インフルエンザ赤血球凝集素およびマトリックス2外部ドメインポリペプチドに対して産生される抗体の組合せを使用して、インフルエンザ感染を診断、治療および予防するための組成物、ワクチン、および方法を提供する。さらに、本発明は、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質のエピトープに対して産生されるヒト抗体と、インフルエンザM2タンパク質のエピトープに対して産生されるヒトモノクローナル抗体とを含む診断用、予防用、および治療用組成物を提供する。さらに、これらの組成物は、医薬担体を含む医薬組成物である。これらの組成物は、インフルエンザウイルス感染症を強く中和するとともに、すべてのインフルエンザ株に共通のタンパク質内の定常領域を認識する医薬組成物についての当技術分野における長年にわたる必要性に対処する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)糖タンパク質のエピトープに特異的に結合するヒト抗体、および
(b)インフルエンザウイルスのマトリックス2外部ドメイン(M2e)ポリペプチドの細胞外ドメイン中のエピトープに特異的に結合するヒトモノクローナル抗体
を含む、組成物。
【請求項2】
M2eポリペプチドのエピトープに特異的に結合する前記ヒトモノクローナル抗体が、TCN−032(8I10)、21B15、TCN−031(23K12)、3241_G23、3244_I10、3243_J07、3259_J21、3245_O19、3244_H04、3136_G05、3252_C13、3255_J06、3420_I23、3139_P23、3248_P18、3253_P10、3260_D19、3362_B11、または3242_P05である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
HA糖タンパク質のエピトープに特異的に結合する前記ヒト抗体が、SC06−141、SC06−255、SC06−257、SC06−260、SC06−261、SC06−262、SC06−268、SC06−272、SC06−296、SC06−301、SC06−307、SC06−310、SC06−314、SC06−323、SC06−325、SC06−327、SC06−328、SC06−329、SC06−331、SC06−332、SC06−334、SC06−336、SC06−339、SC06−342、SC06−343、SC06−344、CR6141、CR6255、CR6257、CR6260、CR6261、CR6262、CR6268、CR6272、CR6296、CR6301、CR6307、CR6310、CR6314、CR6323、CR6325、CR6327、CR6328、CR6329、CR6331、CR6332、CR6334、CR6336、CR6339、CR6342、CR6343、またはCR6344である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
HA糖タンパク質の前記エピトープが、GVTNKVNSIIDK(配列番号198)、GVTNKVNSIINK(配列番号283)、GVTNKENSIIDK(配列番号202)、GVTNKVNRIIDK(配列番号201)、GITNKVNSVIEK(配列番号281)、GITNKENSVIEK(配列番号257)、GITNKVNSIIDK(配列番号225)、およびKITSKVNNIVDK(配列番号216)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
M2eポリペプチドの前記エピトープが不連続エピトープである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
M2eポリペプチドの前記エピトープが、MSLLTEVETPTRNEWGCRCNDSSD(配列番号1)の2位、5位、および6位のアミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
(a)重鎖可変領域(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号566、571、586、597、603、609、615、627、633、637、643、649、658、664、670、303、251、242、または222;
VH CDR2:配列番号567、572、587、592、598、604、610、616、628、634、638、644、650、655、659、665、671、306、249、307、または221;
VH CDR3:配列番号568、573、588、593、599、605、611、617、629、635、639、645、651、656、660、666、672、298、246、290、または220;
VL CDR1:配列番号569、574、577、580、583、589、594、600、606、612、618、621、624、630、640、646、652、661、667、285、289、245、224、または219;
VL CDR2:配列番号570、575、578、581、584、590、595、601、607、613、619、622、625、631、641、647、653、662、668、305、248、299、223、または231;
VL CDR3:配列番号200、576、579、582、585、591、596、602、608、614、620、623、626、632、636、642、648、654、657、663、669、308、247、250、227、または280
を含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)重鎖可変(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号72、103、179、187、203、211、228、252、260、268、284、293、または301;
VH CDR2:配列番号74、105、180、188、204、212、229、237、253、261、269、285、または294;
VH CDR3 配列番号76、107、181、189、197、205、213、230、238、254、262、270、286、または295;
VL CDR1:配列番号59、92、184、192、208、192、223、241、265、または273;
VL CDR2:配列番号61、94、185、193、209、217、226、234、258、274、または282;および
VL CDR3:配列番号63、96、186、194、210、218、243、259、267、275、291、または300
を含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項8】
(a)重鎖可変領域(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号566、571、586、597、603、609、615、627、633、637、643、649、658、664、670、303、251、242、または222;
VH CDR2:配列番号567、572、587、592、598、604、610、616、628、634、638、644、650、655、659、665、671、306、249、307、または221;
VH CDR3:配列番号568、573、588、593、599、605、611、617、629、635、639、645、651、656、660、666、672、298、246、290、または220;
VL CDR1:配列番号569、574、577、580、583、589、594、600、606、612、618、621、624、630、640、646、652、661、667、285、289、245、224、または219;
VL CDR2:配列番号570、575、578、581、584、590、595、601、607、613、619、622、625、631、641、647、653、662、668、305、248、299、223、または231;
VL CDR3:配列番号200、576、579、582、585、591、596、602、608、614、620、623、626、632、636、642、648、654、657、663、669、308、247、250、227、または280
を含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)重鎖可変(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号109、112、182、190、206、214、239、255、263、271、287、296、または304;
VH CDR2:配列番号110、113、183、191、207、215、232、240、256、264、272、288、または297;
VH CDR3 配列番号76、107、181、189、197、205、213、230、238、254、262、270、286、または295;
VL CDR1:配列番号59、92、184、192、208、192、223、241、265、または273;
VL CDR2:配列番号61、94、185、193、209、217、226、234、258、274、または282;および
VL CDR3:配列番号63、96、186、194、210、218、243、259、267、275、291、または300
を含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項9】
(a)以下のアミノ酸配列:配列番号309、313、317、321、325、329、333、337、341、345、349、353、357、361、365、369、373、377、381、385、389、393、397、401、405、409、199、417、423、429、435、441、447、453、459、465、471、477、483、489、495、501、507、513、519、525、531、537、543、550、556、または562を含む重鎖可変領域(VH)ドメイン、および以下のアミノ酸配列:配列番号310、314、318、322、326、330、334、338、342、346、350、354、358、362、366、370、374、378、382、386、390、394、398、402、406、410、414、420、426、432、438、444、450、456、462、468、474、480、486、492、498、504、510、516、522、528、534、540、547、553、559、または565を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)以下のアミノ酸配列:配列番号44、277、276、50、236、235、116、120、124、128、132、136、140、144、148、152、156、160、164、168、172、または176を含む重鎖可変(VH)ドメイン、および以下のアミノ酸配列:配列番号46、52、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、175、または178を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項10】
請求項7、8、または9に記載の組成物を含む、多価ワクチン組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物を含む、多価ワクチン組成物。
【請求項12】
請求項1、7、8、または9に記載の組成物および医薬担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
被験体において免疫応答を刺激するための方法であって、該被験体に請求項12に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項14】
インフルエンザウイルス感染症の治療を必要とする被験体においてインフルエンザウイルス感染症を治療するための方法であって、該被験体に請求項12に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項15】
前記被験体がインフルエンザウイルスに曝露された、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記被験体がインフルエンザ感染症であると診断されていない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
インフルエンザウイルス感染症の予防を必要とする被験体においてインフルエンザウイルス感染症を予防するための方法であって、インフルエンザウイルスへの該被験体の曝露の前に、該被験体に請求項10または11に記載のワクチンを投与する工程を含む、方法。
【請求項18】
抗ウイルス薬、ウイルス侵入阻害剤またはウイルス付着阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項14または17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤、HA阻害剤、シアル酸阻害剤、またはM2イオンチャネル阻害剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記M2イオンチャネル阻害剤がアマンタジンまたはリマンタジンである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ノイラミニダーゼ阻害剤がザナミビルまたはリン酸オセルタミビルである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
第2の抗インフルエンザA抗体を投与する工程をさらに含む、請求項14または17に記載の方法。
【請求項23】
前記抗体が、インフルエンザウイルスへの曝露の前または後に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体は、インフルエンザ感染症にかかるリスクがある、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物を、ウイルスのクリアランスを促進するためかまたはインフルエンザ感染細胞を排除するために十分な用量で投与する、請求項14または17に記載の方法。
【請求項26】
被験体においてインフルエンザウイルス感染の存在を決定するための方法であって、
(a)該被験体から得た生物学的試料を請求項1、7〜9のいずれか一項に記載の抗体と接触させるステップ、
(b)該生物学的試料に結合する該抗体の量を検出するステップ、および
(c)該生物学的試料に結合する抗体量を対照値と比較することにより、該被験体におけるインフルエンザウイルスの存在を決定するステップ
を含む、方法。
【請求項27】
前記対照値が、前記被験体から得た対照試料を請求項1、7〜9のいずれか一項に記載の抗体と接触させ、そして該対照試料に結合する該抗体の量を検出することによって決定される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1、7、8、または9に記載の組成物を含む、診断キット。
【請求項29】
請求項10または11に記載のワクチンを含む、予防キット。
【請求項1】
(a)インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)糖タンパク質のエピトープに特異的に結合するヒト抗体、および
(b)インフルエンザウイルスのマトリックス2外部ドメイン(M2e)ポリペプチドの細胞外ドメイン中のエピトープに特異的に結合するヒトモノクローナル抗体
を含む、組成物。
【請求項2】
M2eポリペプチドのエピトープに特異的に結合する前記ヒトモノクローナル抗体が、TCN−032(8I10)、21B15、TCN−031(23K12)、3241_G23、3244_I10、3243_J07、3259_J21、3245_O19、3244_H04、3136_G05、3252_C13、3255_J06、3420_I23、3139_P23、3248_P18、3253_P10、3260_D19、3362_B11、または3242_P05である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
HA糖タンパク質のエピトープに特異的に結合する前記ヒト抗体が、SC06−141、SC06−255、SC06−257、SC06−260、SC06−261、SC06−262、SC06−268、SC06−272、SC06−296、SC06−301、SC06−307、SC06−310、SC06−314、SC06−323、SC06−325、SC06−327、SC06−328、SC06−329、SC06−331、SC06−332、SC06−334、SC06−336、SC06−339、SC06−342、SC06−343、SC06−344、CR6141、CR6255、CR6257、CR6260、CR6261、CR6262、CR6268、CR6272、CR6296、CR6301、CR6307、CR6310、CR6314、CR6323、CR6325、CR6327、CR6328、CR6329、CR6331、CR6332、CR6334、CR6336、CR6339、CR6342、CR6343、またはCR6344である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
HA糖タンパク質の前記エピトープが、GVTNKVNSIIDK(配列番号198)、GVTNKVNSIINK(配列番号283)、GVTNKENSIIDK(配列番号202)、GVTNKVNRIIDK(配列番号201)、GITNKVNSVIEK(配列番号281)、GITNKENSVIEK(配列番号257)、GITNKVNSIIDK(配列番号225)、およびKITSKVNNIVDK(配列番号216)である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
M2eポリペプチドの前記エピトープが不連続エピトープである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
M2eポリペプチドの前記エピトープが、MSLLTEVETPTRNEWGCRCNDSSD(配列番号1)の2位、5位、および6位のアミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
(a)重鎖可変領域(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号566、571、586、597、603、609、615、627、633、637、643、649、658、664、670、303、251、242、または222;
VH CDR2:配列番号567、572、587、592、598、604、610、616、628、634、638、644、650、655、659、665、671、306、249、307、または221;
VH CDR3:配列番号568、573、588、593、599、605、611、617、629、635、639、645、651、656、660、666、672、298、246、290、または220;
VL CDR1:配列番号569、574、577、580、583、589、594、600、606、612、618、621、624、630、640、646、652、661、667、285、289、245、224、または219;
VL CDR2:配列番号570、575、578、581、584、590、595、601、607、613、619、622、625、631、641、647、653、662、668、305、248、299、223、または231;
VL CDR3:配列番号200、576、579、582、585、591、596、602、608、614、620、623、626、632、636、642、648、654、657、663、669、308、247、250、227、または280
を含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)重鎖可変(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号72、103、179、187、203、211、228、252、260、268、284、293、または301;
VH CDR2:配列番号74、105、180、188、204、212、229、237、253、261、269、285、または294;
VH CDR3 配列番号76、107、181、189、197、205、213、230、238、254、262、270、286、または295;
VL CDR1:配列番号59、92、184、192、208、192、223、241、265、または273;
VL CDR2:配列番号61、94、185、193、209、217、226、234、258、274、または282;および
VL CDR3:配列番号63、96、186、194、210、218、243、259、267、275、291、または300
を含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項8】
(a)重鎖可変領域(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号566、571、586、597、603、609、615、627、633、637、643、649、658、664、670、303、251、242、または222;
VH CDR2:配列番号567、572、587、592、598、604、610、616、628、634、638、644、650、655、659、665、671、306、249、307、または221;
VH CDR3:配列番号568、573、588、593、599、605、611、617、629、635、639、645、651、656、660、666、672、298、246、290、または220;
VL CDR1:配列番号569、574、577、580、583、589、594、600、606、612、618、621、624、630、640、646、652、661、667、285、289、245、224、または219;
VL CDR2:配列番号570、575、578、581、584、590、595、601、607、613、619、622、625、631、641、647、653、662、668、305、248、299、223、または231;
VL CDR3:配列番号200、576、579、582、585、591、596、602、608、614、620、623、626、632、636、642、648、654、657、663、669、308、247、250、227、または280
を含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)重鎖可変(VH)ドメインおよび軽鎖可変(VL)ドメインを含む単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片であって、該VHドメインおよび該VLドメインは、それぞれ3つの相補性決定領域1〜3(CDR1〜3)を含み、それぞれのCDRは、以下のアミノ酸配列:
VH CDR1:配列番号109、112、182、190、206、214、239、255、263、271、287、296、または304;
VH CDR2:配列番号110、113、183、191、207、215、232、240、256、264、272、288、または297;
VH CDR3 配列番号76、107、181、189、197、205、213、230、238、254、262、270、286、または295;
VL CDR1:配列番号59、92、184、192、208、192、223、241、265、または273;
VL CDR2:配列番号61、94、185、193、209、217、226、234、258、274、または282;および
VL CDR3:配列番号63、96、186、194、210、218、243、259、267、275、291、または300
を含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項9】
(a)以下のアミノ酸配列:配列番号309、313、317、321、325、329、333、337、341、345、349、353、357、361、365、369、373、377、381、385、389、393、397、401、405、409、199、417、423、429、435、441、447、453、459、465、471、477、483、489、495、501、507、513、519、525、531、537、543、550、556、または562を含む重鎖可変領域(VH)ドメイン、および以下のアミノ酸配列:配列番号310、314、318、322、326、330、334、338、342、346、350、354、358、362、366、370、374、378、382、386、390、394、398、402、406、410、414、420、426、432、438、444、450、456、462、468、474、480、486、492、498、504、510、516、522、528、534、540、547、553、559、または565を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む、単離されたヒト抗HA抗体またはその抗原結合断片、および
(b)以下のアミノ酸配列:配列番号44、277、276、50、236、235、116、120、124、128、132、136、140、144、148、152、156、160、164、168、172、または176を含む重鎖可変(VH)ドメイン、および以下のアミノ酸配列:配列番号46、52、118、122、126、130、134、138、142、146、150、154、158、162、166、170、175、または178を含む軽鎖可変(VL)ドメインを含む、単離された抗マトリックス2外部ドメイン(M2e)抗体またはその抗原結合断片
を含む、組成物。
【請求項10】
請求項7、8、または9に記載の組成物を含む、多価ワクチン組成物。
【請求項11】
請求項1に記載の組成物を含む、多価ワクチン組成物。
【請求項12】
請求項1、7、8、または9に記載の組成物および医薬担体を含む、医薬組成物。
【請求項13】
被験体において免疫応答を刺激するための方法であって、該被験体に請求項12に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項14】
インフルエンザウイルス感染症の治療を必要とする被験体においてインフルエンザウイルス感染症を治療するための方法であって、該被験体に請求項12に記載の組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項15】
前記被験体がインフルエンザウイルスに曝露された、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記被験体がインフルエンザ感染症であると診断されていない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
インフルエンザウイルス感染症の予防を必要とする被験体においてインフルエンザウイルス感染症を予防するための方法であって、インフルエンザウイルスへの該被験体の曝露の前に、該被験体に請求項10または11に記載のワクチンを投与する工程を含む、方法。
【請求項18】
抗ウイルス薬、ウイルス侵入阻害剤またはウイルス付着阻害剤を投与する工程をさらに含む、請求項14または17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗ウイルス薬が、ノイラミニダーゼ阻害剤、HA阻害剤、シアル酸阻害剤、またはM2イオンチャネル阻害剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記M2イオンチャネル阻害剤がアマンタジンまたはリマンタジンである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ノイラミニダーゼ阻害剤がザナミビルまたはリン酸オセルタミビルである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
第2の抗インフルエンザA抗体を投与する工程をさらに含む、請求項14または17に記載の方法。
【請求項23】
前記抗体が、インフルエンザウイルスへの曝露の前または後に投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体は、インフルエンザ感染症にかかるリスクがある、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記組成物を、ウイルスのクリアランスを促進するためかまたはインフルエンザ感染細胞を排除するために十分な用量で投与する、請求項14または17に記載の方法。
【請求項26】
被験体においてインフルエンザウイルス感染の存在を決定するための方法であって、
(a)該被験体から得た生物学的試料を請求項1、7〜9のいずれか一項に記載の抗体と接触させるステップ、
(b)該生物学的試料に結合する該抗体の量を検出するステップ、および
(c)該生物学的試料に結合する抗体量を対照値と比較することにより、該被験体におけるインフルエンザウイルスの存在を決定するステップ
を含む、方法。
【請求項27】
前記対照値が、前記被験体から得た対照試料を請求項1、7〜9のいずれか一項に記載の抗体と接触させ、そして該対照試料に結合する該抗体の量を検出することによって決定される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
請求項1、7、8、または9に記載の組成物を含む、診断キット。
【請求項29】
請求項10または11に記載のワクチンを含む、予防キット。
【図2】
【図3A】
【図3B−1】
【図3B−2】
【図3C−1】
【図3C−2】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12A−1】
【図12A−2】
【図12B−1】
【図12B−2】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図1】
【図10】
【図14D】
【図3A】
【図3B−1】
【図3B−2】
【図3C−1】
【図3C−2】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12A−1】
【図12A−2】
【図12B−1】
【図12B−2】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21】
【図1】
【図10】
【図14D】
【公表番号】特表2013−501807(P2013−501807A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524878(P2012−524878)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045346
【国際公開番号】WO2011/019932
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(510032380)セラクローン サイエンシーズ, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045346
【国際公開番号】WO2011/019932
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(510032380)セラクローン サイエンシーズ, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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