説明

インモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品

【課題】 低湿度環境下においても印刷、断裁、打抜き加工を良好に行えるインモールド成形用ラベルを提供すること。
【解決手段】 ヌレ指数が34〜74mN/mで枚葉オフセット印刷用ブランケットに対する初期摩擦帯電圧の絶対値が0kV〜15kVであるオレフィン系樹脂基材層と、ヌレ指数が30〜54mN/mの帯電防止層を有するヒートシール性樹脂層よりなるインモールド成形用ラベル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差圧成形、中空成形、射出成形、真空成形もしくは圧空成形してラベル付き樹脂成形品を製造するインモールド成形に関係するものであり、具体的にはインモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ラベル付きの樹脂成形容器を一体成形するには、金型内に予めブランクまたはラベルをインサートし、次いで射出成形、中空成形、差圧成形、発泡成形などにより該金型内で容器を成形して、容器に絵付けなどを行なっている(例えば特許文献1)。この様なインモールド成形用ラベルとしては、グラビア印刷された樹脂フィルム、オフセット多色印刷された合成紙(例えば、特許文献2、3)、或いは、アルミニウム箔の裏面に高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体をラミネートし、その箔の表面にグラビア印刷したアルミニウムラベルなどが知られている。
【0003】
インモールド成形用ラベルは、商品名、製造元、販売会社名、キャラクター、バーコード、使用方法等が印刷された後にインモールド成形される。その印刷方法として、枚葉オフセット印刷、輪転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷等の各種印刷方式が使われているが、印刷物の鮮明さと生産コストから枚葉オフセット印刷が多く使われている。
【0004】
しかしながら、上記のインモールド成形用ラベルを用いて、インモールド成形によりラベルで加飾されたラベル付き樹脂成形品を製造する方法においては、ラベルの帯電防止機能が不十分であると、冬場等の低湿度環境下においてラベル製造時に静電気によるトラブルを生じるという欠点があった。ラベル印刷工程において、インモールド成形用ラベルが枚葉オフセット印刷方式で印刷される場合、インモールド成形用ラベルに加工される枚葉シートは静電気の発生により印刷トラブルが発生していた。
【0005】
枚葉オフセット印刷は、給紙部、印刷部、排紙部の3つの部分から構成されている。印刷される枚葉シートは給紙部で一枚ずつ印刷部に供給され、印刷部でインキが転写され、排紙部に送られて積み重ねられる。印刷部ではインキがインキ壷から絵柄に合わせて所定量計量されて供給された後、絵柄が描かれた刷版の印画部に供給され、ゴム製の枚葉オフセット印刷用ブランケットに転写される。枚葉シートにインキが転写される時の機構を図1に示すが、枚葉シート(1)はゴム製の枚葉オフセット印刷用ブランケット(2)と同調した金属製の圧胴(3)に挟まれ、枚葉シートの(1)基材層表面にインキが転写される。枚葉シート(1)が枚葉オフセット印刷用ブランケット(2)から剥離する時に枚葉シート表面に静電気が発生する。この結果、インモールドラベル用の枚葉シートの帯電防止性能が不足するほど、静電気的な反発により紙揃えが不揃いになる。また、排紙部で静電気が蓄積されると、枚葉シートが反発して積み重なるのに時間がかかり、印刷速度を高速化することができず非効率的である。
【0006】
また、自動ラベル供給装置を用いて金型内にラベルを供給する際には、積み重ねられたラベル間の静電気が除去されずに、ラベルが2枚あるいはそれ以上が同時に金型内に供給され、正規でない位置にラベルが貼合した樹脂成形品(不良品)が生じたり、ラベルが脱落して有効に利用されないという問題が生じていた。
【0007】
このような問題を解決するために、ラベルのヒートシール性樹脂層であるエチレン系樹脂に、練込型の低分子量帯電防止剤を練り込んだインモールド成形用ラベルや、ヒートシール性エチレン系樹脂層の表面に、低分子量の帯電防止剤を塗布し、乾燥させ帯電防止膜を形成させることが行われてきた。
【0008】
しかし、両者のインモールド成形用ラベルとも、帯電防止機能の長期持続性が短いという欠点があった。また、前者のインモールド成形用ラベルにおいては、ヒートシール性樹脂層の表面に帯電防止剤成分が移行したり集中したりするために、該ヒートシール性樹脂の容器への融着性能を著しく阻害し、ラベルが容器に全く融着しなかったり、容器に貼着したラベルにブリスターが発生したりする問題があった。
【0009】
以上のような問題を解決するために、ヒートシール性樹脂に長期持続型で非粘着性の帯電防止機能を有するポリエーテルエステルアミドを含有させる方法が提案されている(例えば特許文献4)。
しかしながらそれらをヒートシール性樹脂に練り混んで、押出機とTダイにより押し出し、ラベルを製造する工程において、それらがTダイの出口付近に堆積し劣化する、いわゆるメヤニが大量に発生したり、ヒートシール性樹脂層と接触する製造ラインのロール表面にそれらが堆積して汚れ、その結果メヤニや汚れが脱落してフィルムに欠陥を生じ、頻繁に製造ラインを停止してダイス先端やロール表面の清掃を強いられるという問題が生じていた。
【特許文献1】特開昭58−69015号公報
【特許文献2】特公平2−7814号公報
【特許文献3】特開平2−84319号公報
【特許文献4】特開平11−352888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、低湿度環境下においても印刷、断裁、打抜き加工が良好で、ラベルの容器への接着強度が高いラベル付き樹脂成形品を与えるインモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品の提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、低湿度環境下における帯電防止性能を有するインモールド成形用ラベルにつき検討を重ねた結果、以下に示すオレフィン系樹脂基材層と表面に帯電防止層を有するヒートシール性樹脂層のヌレ指数および枚葉オフセット印刷用ブランケットに対するオレフィン系樹脂基材層の初期摩擦帯電圧を特定の範囲とすることにより上記の問題を解決しうることを見出した。
【0012】
すなわち本発明は、以下の構成を有するインモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成型品を提供するものである。
(1) オレフィン系樹脂基材層(A)と表面に帯電防止層を有するヒートシール性樹脂層(B)よりなるインモールド成形用ラベルにおいて、前記基材層(A)表面のヌレ指数(α)が34〜74mN/mであり、かつ前記ヒートシール性樹脂層(B)表面のヌレ指数(β)が30〜54mN/mであって、前記基材層(A)の23℃相対湿度30%での枚葉オフセット印刷用ブランケットに対する初期摩擦帯電圧の絶対値が0kV〜15kVであることを特徴とするインモールド成形用ラベル。
(2) 基材層(A)の摩擦帯電圧減衰の半減期が10秒以下である(1)に記載のインモールド成形用ラベル。
(3) 基材層(A)が多層構造であり、少なくとも一軸方向に延伸したものである(1)または(2)に記載のインモールド成形用ラベル。
(4) 基材層(A)が主成分としてプロピレン系樹脂を含有する(1)〜(3)のいずれ一項かに記載のインモールド成形用ラベル。
(5) 基材層(A)が無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも1つを含み、かつボイドを含有する(1)〜(4)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【0013】
(6) 基材層(A)が、無機微細粉末を5〜30重量%、エチレン系樹脂を3〜20重量%およびプロピレン系樹脂を92〜50重量%の割合で含有する樹脂組成物の二軸延伸フィルムをコア層とし、その両側面に、無機微細粉末を35〜65重量%、エチレン系樹脂を0〜10重量%およびプロピレン系樹脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組成物の一軸延伸フィルムを表面層および裏面層として配置した構造を有する(1)〜(5)のいずれ一項かに記載のインモールド成形用ラベル。
(7) ヒートシール性樹脂層(B)が、密度が0.900〜0.935g/cm3であり、結晶化度(X線法)が10〜60%であり、数平均分子量が10,000〜40,000である高圧法ポリエチレン、または、密度が0.880〜0.940g/cm3である直鎖線状ポリエチレンを含有する(1)〜(6)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
(8) 基材層(A)の肉厚が20〜500μmであり、ヒートシール性樹脂層(B)の肉厚が1〜100μmである(1)〜(7)のいずれかに記載のインモールド成形用ラベル。
(9) 基材層(A)表面にピグメントを含有するコート層を有する(1)〜(8)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
(10) 基材層(A)表面に活性化処理が施されている(1)〜(9)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【0014】
(11) コート層または基材層(A)の表面に帯電防止層を設けた(1)〜(10)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
(12) コート層または基材層(A)の表面に設けた帯電防止層が単位面積(m2)当たり0.001〜10gの帯電防止剤を含有し、ヒートシール性樹脂層(B)表面の帯電防止層が単位面積(m2)当たり0.001〜1gの帯電防止剤を含有する(11)に記載のインモールド成形用ラベル。
(13) 帯電防止剤が高分子型帯電防止剤を含む(12)に記載のインモールド成形用ラベル。
(14) 帯電防止層が、ダイ、バー、ロール、グラビア、スプレー、ブレード、エアーナイフおよびサイズプレスからなる群より選ばれた1以上の塗工方式により設けられた(1)〜(13)のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【0015】
(15) (1)〜(14)のいずれか一項に記載したインモールド成形用ラベルを熱可塑性樹脂性容器に貼着したラベル付き樹脂成形品。
(16) インモールド成形用ラベルと熱可塑性樹脂製容器の接着強度が200gf/15mm以上である(15)に記載のラベル付き樹脂成形品。
【発明の効果】
【0016】
本発明のインモールド成形用ラベルは、低湿度環境下においても印刷、断裁、打抜き加工を良好に行うことができる。また、本発明のラベル付き樹脂成形品は、ラベルの容器に対する接着強度が高い。
【発明の実施の形態】
【0017】
以下に本発明のインモールド成形用ラベルおよびラベル付き樹脂成形品について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0018】
本発明のインモールド成形用ラベルは、オレフィン系樹脂基材層(A)と表面に帯電防止層を有するヒートシール性樹脂層(B)よりなる。基材層(A)表面のヌレ指数(α)は34〜74mN/mであり、ヒートシール性樹脂層(B)表面のヌレ指数(β)は30〜54mN/mである。また、基材層(A)の表面を、枚葉オフセット印刷用ブランケットを用い、JIS L 1094に記載の摩擦帯電減衰測定法に準じて測定した初期摩擦帯電圧の絶対値が、0kV〜15kVの範囲内にある。
【0019】
基材層(A)は枚葉オフセット印刷、輪転オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷等の各種印刷方式におけるインキ受理性が必要であるため、基材層(A)表面のヌレ指数は、34〜74mN/mであり、42〜72mN/mであることが好ましい。基材層(A)表面のヌレ指数が34mN/m未満の場合にはインキ受理性が不十分であり中空成形加工時に印刷インキが脱落し、74mN/mを超える場合には打抜き加工時にラベル同士が端部で貼り付き合い、中空成形加工時のラベル挿入時に一枚ずつ挿入することが困難になる。
【0020】
また、ヒートシール性樹脂層(B)はラベルと樹脂成形品との接着性能を十分に満足させる必要がある。そのためには、ヒートシール性樹脂層(B)表面のヌレ指数は、30〜54mN/mであり、34〜52mN/mであることが好ましい。30mN/m以上であればラベルと樹脂成形品との親和性が高くなり接着強度が実用的に有用であるが、54mN/mを超える場合には表面の極性が高くなりすぎて、ラベルと樹脂成形品との接着性能が不十分となりラベルが剥離しやすい。本明細書におけるヌレ指数は、「JIS K 6768(1999):プラスチック−フィルムおよびシート−ぬれ張力試験方法」にしたがって測定した値である。
【0021】
ヒートシール性樹脂層(B)の帯電防止層を構成する帯電防止剤として、低分子型帯電防止剤、高分子型帯電防止剤、電子伝導型帯電防止剤、導電性フィラー等の帯電防止剤を用いることができる。低分子型帯電防止剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルスルホン酸塩、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルベタイン等が挙げられ、高分子型帯電防止剤としては、第四級窒素含有アクリル系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンスルホン酸塩、カルボベタイングラフト共重合体等が挙げられ、電子伝導型帯電防止剤としては、ポリピロール、ポリアニリンが挙げられ、導電性フィラーとしては、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。なかでも、高分子型帯電防止剤を含有するものが好ましい。ヒートシール性樹脂層(B)の帯電防止性能は、枚葉オフセット印刷における排紙部での枚葉シートの不揃いや、打抜き工程におけるラベル同士の張付き等の不具合を生じないようにするために必要である。
【0022】
インモールド成形用ラベルの帯電防止能は、初期摩擦帯電圧と摩擦帯電減衰の半減期を測定することにより評価することができる。枚葉オフセット印刷時には、図1に示すように枚葉シート(1)がゴム製の枚葉オフセット印刷用ブランケット(2)と同調した金属製の圧胴(3)に挟まれて印刷される。このときに枚葉シートに発生する静電気を再現するように、本発明では以下のような方法で初期摩擦帯電圧と摩擦帯電減衰の半減期を測定して評価する。
【0023】
本発明における初期摩擦帯電圧の測定は、「JIS L 1094(1997):織物および編物の帯電性試験方法」の5.4に記載された摩擦帯電減衰測定法に基づき、試験片をインモールド成形用ラベルとして測定を行う。測定は、最初に、図2に示されるような摩擦子(4)に、ゴム製のSRIハイブリッド(株)製枚葉オフセット印刷用ブランケット(2)(商品名:R10)を摩擦面にかぶせて固定する。次に、図3に示すようにオレフィン系樹脂基材層(5)が摩擦子(4)に接し、ヒートシール性樹脂層(6)が金属製の摩擦台(8)に接するように、インモールド成形用ラベル(7)を試験片テーブル(9)に設けられた試験片ホルダー(10)に取り付け、摩擦台(8)の上に固定し、除電装置にてインモールド成形用ラベル(7)および枚葉オフセット印刷用ブランケット(2)の初期帯電を除電する。インモールド成形用ラベル(7)を、摩擦方向が一方向となるように1秒間に2回の割合で5回摩擦し、5回の摩擦終了と同時に、インモールド成形用ラベル(7)を受電部の下部まで素早く移動し、帯電圧とその減衰曲線を記録し、その曲線から初期摩擦帯電圧および摩擦帯電減衰の半減期を測定する。ちなみに、受電部は、インモールド成形用ラベル(7)を移動した状態では受電部とインモールド成形用ラベル(7)との距離が50mmとなるようにセットする。また、測定は23℃相対湿度30%の環境下にて実施する。
上記の摩擦帯電圧の値は正であっても負であっても、値が大きいほど静電気を帯びやすい状態のものであり、値が大きすぎると結果的に印刷時や加工時のトラブルの原因となる。また、摩擦帯電減衰の半減期は長いほど静電気が逃げづらく、半減期が長すぎると同様に印刷時や加工時のトラブルの原因となりうる。
【0024】
上記手法にて測定した初期摩擦帯電圧の絶対値が15kVを超える場合には、枚葉オフセット印刷において排紙部の紙揃えが不揃いになったり、自動ラベル供給装置を用いて金型内にラベルを供給する際に、積み重ねられたラベル間の静電気が除去されずに、ラベルが2枚あるいはそれ以上が同時に金型内に供給されて樹脂成形品の不良品が発生する。従って、初期摩擦帯電圧の絶対値は、0kV〜15kVの範囲内にあることが必要であり、0kV〜13kVであることが好ましく、0kV〜10kVであることがより好ましい。
【0025】
また、摩擦帯電減衰の半減期が長すぎる場合は、枚葉オフセット印刷において排紙部の紙揃えに時間を要し印刷速度を高速化することができず非効率的である。従って、摩擦帯電減衰の半減期は好ましくは10秒以下、より好ましくは8秒以下、さらに好ましくは6秒以下である。
即ち本発明は、インモールド成形用ラベルにおいて問題であったオフセット印刷用ブランケットとの摩擦等により生ずる静電気を、基材層側(A)の表面ではなく、裏面であるヒートシール性樹脂層(B)の表面に帯電防止層を設けることで効果的に改善し、初期の摩擦帯電圧や、摩擦帯電圧の減衰時間をより小さくすることができるという知見と、その際のラベルとしての印刷適性や接着強度は表裏面それぞれのヌレ指数を規定することで改善することができるという知見に基づき完成したものである。
【0026】
本発明のインモールド成形用ラベルを構成する基材層(A)は、主成分としてオレフィン系樹脂を含む層である。基材層(A)に用いられるオレフィン系樹脂としては、プロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等を挙げることができ、これらの樹脂は2種以上混合して用いることもできる。また、本発明のオレフィン系樹脂基材層(A)は多層構造であってもよく、コア層(C)と表面層(D)の2層構造であっても、コア層(C)の表裏面側に表面層(D)、裏面層(E)が存在する3層構造であっても、コア層(C)と表裏面層間に他の樹脂フィルム層が存在する多層構造であってもよい。
【0027】
基材層(A)を構成するフィルムは、少なくとも一軸方向に延伸されたものであることが好ましい。基材層(A)が複数の層から構成されるときは、少なくともその一層が延伸されていることが好ましい。複数層を延伸する場合は、各層を積層する前に個別に延伸しておいてもよいし、積層した後に延伸してもよい。また、延伸した層を積層後に再び延伸しても差し支えない。さらに、基材層(A)にヒートシール性樹脂層(B)を成形した後に全体を延伸してもよい。
【0028】
延伸には、公知の種々の方法を使用することができるが、ロール群の周速差を利用したロール間延伸により行うのが好ましい。この方法によれば延伸倍率を任意に調整することができる。また、フィルムの流れ方向に樹脂の延伸配向がなされるため、無延伸フィルムに比べて高抗張力でかつ印刷時の張力による寸法変化が小さいラベルを得ることができる。延伸の温度は、非結晶樹脂の場合は使用するオレフィン系樹脂のガラス転移点以上、結晶性樹脂の場合には、非結晶部分のガラス転移点以上から結晶部の融点以下に設定することができる。
【0029】
ヒートシール性樹脂層(B)は、本発明のラベルと熱可塑性樹脂製容器よりなるインモールド成形品の接着強度が好ましくは200gf/15mm以上、より好ましくは350gf/15mm以上、さらに好ましくは450〜1000gf/15mmとなるように構成する。接着強度が低すぎると、熱可塑性樹脂製容器の内容物充填後の搬送中や商品陳列時に与えられた衝撃によりにラベルが剥がれることがある。
【0030】
また、本発明に用いられる基材層(A)は、ヒートシール性樹脂層(B)を構成するポリオレフィン系樹脂の融点より15℃以上高い融点を有することが好ましく、プロピレン系樹脂が、耐薬品性、コストの面等から好ましい。かかるプロピレン系樹脂としては、アイソタクティックまたはシンジオタクティックな立体規則性を示すプロピレン単独重合体、もしくは、プロピレンを主成分とし、これとエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。これら共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
【0031】
基材層(A)には、オレフィン系樹脂の他に、無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも1つを含み、ボイドを含有することが好ましい。無機微細粉末としては、平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用することができる。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等を使用することができる。
【0032】
有機フィラーとしては、分散後の平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.01〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用することができる。有機フィラーとしては、主成分であるオレフィン系樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6,ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120℃〜300℃、ないしはガラス転移温度が120℃〜280℃であるものを使用することができる。基材層(A)には、さらに必要により、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤、蛍光増白剤、着色剤等を配合してもよい。
【0033】
これらの中でも、印刷時の寸法安定性、ラベルの金型内への供給性、熱収縮防止性等の面から、基材層(A)としては、無機微細粉末を5〜30重量%、エチレン系樹脂を3〜20重量%およびプロピレン系樹脂を92〜50重量%の割合で含有する樹脂組成物の二軸延伸フィルムコア層(C)の片面に、無機微細粉末を35〜65重量%、エチレン系樹脂0〜10重量%およびプロピレン系樹脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組成物の一軸延伸フィルムよりなる表面層(D)が貼合され、この表面層(D)とは反対のコア層(C)の片面に無機微細粉末を35〜65重量%、エチレン系樹脂0〜10重量%およびプロピレン系樹脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組成物の一軸延伸フィルムよりなる裏面層(E)が貼合された微多孔性樹脂延伸フィルムが好ましい。
【0034】
この樹脂延伸フィルムにおいては、印刷は表面層(D)側に設け、ヒートシール性樹脂層(B)は裏面層(E)側に設けられる。微多孔性樹脂延伸フィルムの密度は0.65〜1.02g/cm3の範囲であることが好ましい。
【0035】
ヒートシール性樹脂層(B)を構成する樹脂は、インモールド成形の際に加熱によりラベルを貼着する容器を構成する樹脂材料に貼着する機能を有するものであればその種類は特に制限されない。好ましい樹脂の例としては、密度が0.900〜0.935g/cm3の低密度ないし中密度の高圧法ポリエチレン、密度が0.880〜0.940g/cm3の直鎖線状ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体(アルキル基の炭素数は1〜8)、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩(Zn、Al、Li、K、Naなど)等の融点が80〜130℃のポリエチレン系樹脂を挙げることができる。
【0036】
これらのなかでも、上記密度で、結晶化度(X線法)が10〜60%、数平均分子量が10,000〜40,000の高圧法ポリエチレン、または、直鎖線状ポリエチレンが好ましい。中でも樹脂成形品への接着性から、エチレン40〜98重量%と炭素数3〜30のα−オレフィン60〜2重量%とを、メタロセン触媒(特にメタロセン・アルモキサン触媒、または、例えば国際公開WO92/01723号公報等に開示されているようなメタロセン化合物と、メタロセン化合物と反応して安定なアニオンを形成する化合物とからなる触媒)を使用して、共重合させることにより得られる直鎖線状ポリエチレンが最適である。これらポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
【0037】
ヒートシール性樹脂層(B)は、必要によりエンボス加工することができる。エンボス加工により、ヒートシール性樹脂層(B)表面に凹凸が生ずるため、インモールド成形時のブリスター防止になる。
【0038】
さらに、本発明のヒートシール性樹脂層(B)には、ヒートシール性樹脂層に要求される性能を阻害しない範囲で、他の公知の樹脂用添加剤を任意に添加することができる。そのような添加剤としては、染料、核剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0039】
ヒートシール性樹脂層(B)は、該ヒートシール性樹脂を基材層(A)にフィルムとして積層してヒートシール性樹脂層を形成する方法、該ヒートシール性樹脂のエマルジョンやヒートシール性樹脂をトルエン、エチルセロソルブ等の溶剤に溶かした樹脂液を基材層(A)に塗布した後に乾燥させてヒートシール性樹脂層を形成する方法などがある。
【0040】
以上の基材層(A)の肉厚は20〜500μm、好ましくは40〜200μmの範囲である。その肉厚が薄すぎるとラベルインサーターによる金型へのラベルの挿入が正規の位置に固定されなかったり、ラベルにシワを生じるといった問題が生じやすい。逆に肉厚が厚すぎると、インモールド成形された樹脂成形品とラベルの境界部分の強度が低下し、樹脂成形品の耐落下強度が劣る。上記各層の肉厚は、(C)層は好ましくは19〜170μm(より好ましくは38〜130μm)、(D)層は好ましくは1〜40μm(より好ましくは2〜35μm)、(E)層は好ましくは1〜40μm(より好ましくは1〜35μm)である。
【0041】
ヒートシール性樹脂層(B)の肉厚は1〜100μmであることが好ましく、2〜20μmであることがより好ましい。ヒートシール性樹脂層(B)は、成形時にパリソンとして用いうる溶融ポリエチレンやプロピレン系樹脂の熱により溶解し、樹脂成形品とラベルを融着させることが必要であるが、充分な接着強度を得るためにもヒートシール性樹脂層(B)の厚さは1μm以上であることが好ましい。一方、100μmを超えるとラベルがカールし、枚葉オフセット印刷が困難となり、またラベルを金型へ固定することが困難となる傾向がある。
【0042】
基材層(A)表面には印刷適性を向上させるため、ピグメントを含有するコート層を有することができる。該ピグメントコート層は、一般的なコート紙の塗工法に準じてピグメント塗工を行うことにより形成することができる。ピグメント塗工に用いられるピグメントコート剤としては、通常のコート紙に使用されるクレイ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルムニウム、シリカ、珪酸カルシウム、プラスチックピグメント等のピグメント30〜80重量%と、接着剤20〜70重量%を含有するラテックス等から構成されるものを挙げることができる。
【0043】
また、この際に使用される接着剤としては、SBR(スチレン・ブタジエン共重合体ラバー)、MBR(メタクリレート・ブタジエン共重合体ラバー)等のラテックス、アクリル系エマルジョン、澱粉、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、メチルセルロース等を挙げることができる。さらに、これら配合剤には、アクリル酸・アクリル酸ソーダ共重合体等の特殊ポリカルボン酸ナトリウム等の分散剤や、ポリアミド尿素系樹脂等の架橋剤を配合することができる。これらピグメントコート剤は一般に15〜70重量%、好ましくは35〜65重量%の固形分濃度の水溶性塗工剤として使用される。
【0044】
基材層(A)またはコート層の表面には活性化処理を施すことができる。活性化処理としては、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理、グロー放電処理、オゾン処理より選ばれた少なくとも一種の処理方法であり、好ましくはコロナ処理、フレーム処理である。処理量はコロナ処理の場合、600〜12, 000J/m2(10〜200W・分/m2)、好ましくは1200〜9000J/m2(20〜150W・分/m2)である。600J/m2(10W・分/m2)未満では、コロナ放電処理の効果が不十分で、その後の帯電防止剤を含有する水溶液を塗工により設ける際にはじきが生じ、12, 000J/m2(200W・分/m2)超では処理の効果が頭打ちとなるので12, 000J/m2(200W・分/m2)以下で十分である。フレーム処理の場合、8,000〜200,000J/m2、好ましくは20,000〜100,000J/m2が用いられる。8,000J/m2未満では、フレーム処理の効果が不十分で、その後の帯電防止剤を含有する水溶液の塗工時にはじきが生じ、200,000J/m2超では処理の効果が頭打ちとなるので200,000J/m2以下で十分である。 必要により、ヒートシール性樹脂層(B)表面に、上記活性化処理を行ってもよい。
【0045】
コート層または基材層(A)の表面にも上記の活性化処理を施した後に、上記の帯電防止層を設けることが好ましく、帯電防止層を設けることで印刷機上での給排紙性がさらに良化される。
【0046】
本発明において、コート層または基材層(A)の表面に帯電防止層を設ける場合、該帯電防止層は単位面積(m2)当たり固形分として0.001〜10g、好ましくは0.002〜8g、さらに好ましくは0.002〜5g、特に好ましくは0.005〜0.1gの帯電防止剤を含有するものである。帯電防止剤が0.001g未満では帯電防止効果が十分に現れず、10gを超えるとインキ受理性が不十分であり中空成形加工時に印刷インキが脱落する。同様にヒートシール性樹脂層(B)上の帯電防止層には、単位面積(m2)当たり固形分として0.001〜1g、好ましくは0.002〜0.8g、さらに好ましくは0.005〜0.5gの帯電防止剤を含有する。帯電防止剤が0.001g未満では前記同様帯電防止効果が十分に現れず、1gを超えるとヒートシール性樹脂層(B)と樹脂成形品の接着強度が低下する。
【0047】
本発明に用いる帯電防止層は、例えば下記の(a)の構成を有する高分子型帯電防止剤を単独で、あるいはこれに(b)、(c)等のインキ接着性を有する成分を混合して含有する水溶液を、塗工、乾燥させて形成することができる。
(a)成分:第三級または第四級窒素含有アクリル系ポリマー:100重量%
(b)成分:ポリイミン系化合物:0〜300重量%
(c)成分:ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物:0〜300重量%
【0048】
上記(a)成分である第三級または第四級窒素含有アクリル系ポリマーは単量体である次の(i)成分4〜94重量%、(ii)成分6〜80重量%、および(iii)成分0〜20重量%を共重合して得られる。
【0049】
(i)成分:下記の化学式(I)〜(VII)に示される化合物より選ばれた少なくとも一種の単量体:
【0050】
【化1】

【0051】
上記各式(I) 〜(VII) 中におけるR1 は水素またはメチル基を、R2 およびR3はそれぞれ低級アルキル基(好ましくは炭素数が1〜4、特に好ましくは炭素数が1〜2)を、R4 は炭素数が1〜22の飽和または不飽和アルキル基若しくはシクロアルキル基を、X-は四級化されたN+の対アニオン(例えばハライド、特にクロライド)を、Mはアルカリ金属イオン(例えばナトリウム、カリウム)を、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を表わす。
これらの単量体の中でも化学式(VI)の化合物を用いることが好ましい。
【0052】
(ii)成分:(メタ)アクリル酸エステル:
【0053】
【化2】

上式中、R1 は水素またはメチル基を、R5 は炭素数1〜24のアルキル基、アルキレン基、シクロアルキル基を表わす。具体的には、ブチルアクリレート、カプリルアクリレート、ステアリルメタアクリレート等を挙げることができる。
【0054】
(iii)成分:他の疎水性ビニル単量体:
疎水性ビニル単量体の具体例としては、スチレン、塩化ビニル等を挙げることができる。
【0055】
上記(a)成分の第三級窒素または第四級窒素含有アクリル系ポリマーの中でも特に好ましい帯電防止性を示す水溶性ポリマーとしては、(i)成分の単量体が前記化学式(VI)で表わされる単量体の中でX-がCl-のものであり、このものは三菱化学(株)より「サフトマー ST−1000」、「サフトマー ST−1100」、「サフトマー ST−1300」、「サフトマー ST−3200」の各商品名として販売されている。
【0056】
(b)成分:ポリイミン系化合物:0〜300重量%
上記(b)成分のポリイミン系化合物は、接着力を強化するプライマーであり、例えば、次の式(IX)で示される重合度が200〜3,000のポリエチレンイミン、ポリアミンポリアミドのエチレンイミン付加物、或いはこれらを炭素数が1〜24のハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルケニル、ハロゲン化シクロアルキルまたはハロゲン化ベンジル等のハロゲン化物を変性剤として用いたアルキル変性体、アルケニル変性体、ベンジル変性体、若しくは、脂肪族環状炭化水素変性体からなる群より選ばれたポリイミン系化合物および、ポリ(エチレンイミン−尿素)が挙げられる。これらは特公平2−2910号公報、特開平1−141736号公報に詳細に記載されている。
【0057】
【化3】

(式中、Zは−NH−R9またはポリアミンポリアミド残基を表わし、R6 〜R9 はそれぞれ独立に、水素、炭素数が1〜24のアルキル基若しくはアルケニル基、シクロアルキル基またはベンジル基であるが、少なくとも一つは水素以外の基を表わし、mは0〜300、n,pおよびqはそれぞれ1〜300の数値を表わす。)
【0058】
(c)成分:ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物:0〜300重量%
(c)成分のポリアミンポリアミド・エピクロルヒドリン付加物も接着力を強化するプライマーであり、かかるものとしては、炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸とポリアルキレンポリアミンとからポリアミドをエピクロルヒドリンと反応させて得られる水溶性で陽イオン性の熱硬化性樹脂等が挙げられ、このような熱硬化性樹脂の詳細については、特公昭35−3547号公報に詳細に記載されている。上記炭素数3〜10の飽和二塩基性カルボン酸の具体例としては、炭素数4〜8のジカルボン酸、特にアジピン酸が挙げられる。
また、上記ポリアルキレンポリアミンの具体例としては、ポリエチレンポリアミン、特にエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンであり、なかでもジエチレントリアミンである。
【0059】
これらの成分の他に、例えば炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、水酸化バリウム、メタ珪酸ナトリウム、ピロ燐酸ソーダ、トリポリ燐酸ソーダ、第一燐酸ソーダ、カリ明礬、アンモニウム明礬、アンモニア等の水溶性の無機化合物さらにはエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、エチレングリコール、ポリビニルアルコール等の水溶性重合剤、その他の補助資材を必要に応じて配合してもよい。
【0060】
これら(a)、(b)、(c)成分の配合割合は、(a)の窒素含有アクリル系樹脂100重量%に対し、(b)のポリイミン系化合物が0〜300重量%、好ましくは、0〜200重量%、(c)のポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物が0〜300重量%、好ましくは0〜200重量%である。これらの組成を保つことにより、オレフィン系樹脂基材層表面および/またはヒートシール性樹脂層表面は静電気を帯びにくくなり、給排紙性は良好となる。これら(a)、(b)、(c)成分は、合計の固形分で一般的には0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の濃度の水溶液として用いられる。
【0061】
上記の帯電防止剤水溶液(塗工剤)を、ヒートシール性樹脂層(B)の表面や基材層(A)またはコート層の表面へ設ける塗工方法には、ダイ、バー、ロール、グラビア、スプレー、ブレード、エアーナイフ、サイズプレス等の塗工方式およびこれらの塗工方式を組み合わせた方式を採用することができる。塗工剤の粘度、塗工量、塗工速度に応じて、ダイ、ロール、グラビア、スプレー等を用いて規定量の塗工剤を計量してロール、サイズプレスに転写して塗工したり、ダイ、ロールで規定量以上の塗工剤を転写させた後にバー、ブレード、エアーナイフ等で余分な塗工剤を掻き取って規定量の塗工剤を塗工したり、ダイ、スプレー等を用いて規定量の塗工剤を直接塗工することが可能である。より具体的な例として、塗工剤の粘度が10〜1000cP(0.01〜1Ns/m2)、塗工量が1〜20g/m2、塗工速度が300m/分以下で塗工する場合の塗工方式として、オフセットグラビア方式やスプレーシステム、ローターダンプニングを用いることができる。オフセットグラビア方式はグラビアとロールの組み合わせであり、塗工剤はグラビア版からロールに転写され、各ロール間で液の転写が行われる際にグラビア版目の除去と塗工剤の平滑化が行われた後、各層の表面に転写される。また、スプレーとサイズプレスを組み合わせたスプレーシステムは、塗工剤が供給装置からスプレー塗布装置を通じてサイズプレスに均一な塗工剤膜が形成され、サイズプレスからヒートシール性樹脂層に転写されるため少量の塗工剤を塗布する方法として好ましい。ローターダンプニングはスプレー塗布の一種であり、ベルト駆動で高速回転するローターで塗工剤を霧状にして、各層の表面に直接噴霧する方法である。
塗工剤を塗工後にさらに必要によりスムージングを行ったり、乾燥工程を経て、余分な水や親水性溶剤を除去することにより、帯電防止層が得られる。
【0062】
このインモールド成形用ラベルは、該ラベルを差圧成形金型の下雌金型の内面にラベルの印刷面が接するように設置した後、吸引により金型内壁に固定され、次いで容器成形材料樹脂シートの溶融物が下雌金型の上方に導かれ、常法により差圧成形され、ラベルが容器外壁に一体に融着されたラベル付き樹脂成形品が成形される。差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれも採用できるが、一般には両者を併用し、かつプラグアシストを利用した差圧成形が好ましい。またこのラベルは、溶融樹脂パリソンを圧空により金型内壁に圧着する、中空成形用インモールドラベルとして特に好適に使用できる。このようにして製造されたラベル付き樹脂成形品は、ラベルが金型内で固定された後に、ラベルと樹脂成形品が一体に成形されるので、ラベルの変形もなく、樹脂成形品本体とラベルの密着強度が強固であり、ブリスターもなく、ラベルにより加飾された外観が良好な樹脂成形品となる。
【0063】
熱可塑性樹脂製容器の材質は特に制限されない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、シングルサイト触媒により重合された超低密度ポリエチレンなどのエチレン単独重合体、もしくはエチレン・α−オレフィン共重合体、さらには分岐状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、その他にポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂なども使用することができる。また上記樹脂以外のものも含めた複数種類の樹脂のブレンド物も使用することができ、さらに無機フィラー類やその他改質剤類、着色顔料類が配合されているものも使用することができる。また、層構成も単層、多層のいずれであってもよく、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合ケン化物やポリアミド系樹脂などのバリヤー樹脂やそれに伴う主層材料との接着性樹脂を積層させたものであってもよい。
【実施例】
【0064】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0065】
(実施例1)
<基材層の製造>
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA−8」、融点164℃、日本ポリプロ(株)製)67重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、融点134℃、日本ポリエチレン(株)製)10重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末23重量%よりなる樹脂組成物(C)を、押出機を用いて250℃で溶融混練したのち、ダイよりフィルム状に押し出し、約50℃の温度となるまでフィルムを冷却した。このフィルムを約150℃に再度加熱したのち、ロール群の周速度を利用して縦方向に4倍延伸して、コア層となる一軸延伸フィルムを得た。
【0066】
一方、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA−3」、日本ポリプロ(株)製)51.5重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)3.5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量%、平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量%よりなる樹脂組成物(D)を別の押出機を用いて240℃で溶融混練し、これを前記一軸延伸フィルムの表面にダイよりフィルム状に押し出し、積層して、表面層/コア層(D/C)の積層体を得た。
【0067】
さらに、それぞれ別々の押出機を用い、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA−3」、日本ポリプロ(株)製)51.5重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)3.5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量%および平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量%よりなる組成物(E)と、ヒートシール性樹脂層として、メタロセン触媒を用いてエチレンと1−ヘキセンを共重合させて得たMFRが18g/10分、密度が0.898g/cm3であるエチレン・1−ヘキセン共重合体(1−ヘキセン含量22重量%、結晶化度30、数平均分子量23、000)75重量部と、MFRが4g/10分、密度が0.92g/cm3、結晶化度(X線法)が40%、数平均分子量が18,000である高圧法低密度ポリエチレン25重量部の混合物(B)を200℃で溶融混練し、一台の共押出ダイに供給してダイ内で積層し、ダイよりそれぞれフィルム状に押し出し、前記積層体(D/C)のコア層側にヒートシール性樹脂層が最外層となるように積層して、表面層/コア層/裏面層/ヒートシール性樹脂層の四層構造の積層体(D/C/E/B)を得た。得られた積層体のB層側を金属ロールとゴムロールよりなるエンボスロール(1インチあたり150線、逆グラビア型)に通し、ヒートシール性樹脂層(B)側に0.17mm間隔のパターンをエンボス加工した。
【0068】
この四層構造の積層体をテンターオーブンに導き、155℃に加熱した後、テンターを用いて横方向に7倍延伸し、次いで164℃で熱セットして、さらに55℃迄冷却し耳部をスリットした後に、表面層(D)側に50W/m2/分の強度でコロナ放電処理を施した。その後、表面層側に以下の(a)を 0.5重量%、(b)を0.4重量%および(c)を0.5重量%含む水溶液を、単位面積(m2)当たり乾燥後0.01gの帯電防止剤が含有するようにサイズプレス方式にて塗工した。さらにヒートシール性樹脂層(B)側に、以下の(a)を含む水溶液を単位面積(m2)当たり乾燥後0.01gの帯電防止剤が含有するようにスプレー方式にて塗工し、乾燥させて表裏両面に帯電防止層を設けた。
【0069】
(a)次のユニットからなる四級窒素含有アクリル系三元共重合体
【化4】

(b) ブチル化変性ポリエチレンイミン
(三菱化学(株)製、AC−72(商品名))
(c) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物
(星光PMC(株)製「WS−4002」(商品名))
【0070】
オレフィン系樹脂基材層(AすなわちD/C/E)、ヒートシール性樹脂層(B)のそれぞれの表面のヌレ指数を測定したところ、それぞれ70mN/m、34mN/mであった。
これにより厚みが約100μm(帯電防止層/D/C/E/B/帯電防止層=極薄/30/40/25/5/極薄μm,電子顕微鏡による断面観察より)の六層構造の積層延伸樹脂フィルムを得た。
この六層構造の積層延伸樹脂フィルムをシートカッターにより菊半サイズ(636mmx470mm)に断裁し、インモールドラベル用の枚葉シートを得た。
【0071】
<印 刷>
このようにして得られたインモールドラベル用の枚葉シートの表面に、23℃相対湿度30%の環境下において(株)小森コーポレーション社製のオフセット印刷機「リスロン」、および(株)T&K TOKA社製のUVオフセットインキ「ベストキュアー」を使用し、6,000枚/hrの速度にて、商品名、製造元、販売会社名、キャラクター、バーコード、使用方法等UVオフセット4色印刷を施したところ、排紙部での紙揃えが良好で、各色インキの受理性も良好であった。
【0072】
<打抜き加工>
次いで、印刷されたインモールドラベル用の枚葉シートのラベル部分を打抜き加工により長さ11cm、幅9cmのラベルに打抜き、インモールド成形用ラベルを得た。ラベルの切り口のブロッキング状態を確認したところ、全くブロッキングしていなかった。
【0073】
<貼 着>
このインモールド成形用ラベルをブロー成形用割型の一方に真空を利用して表面層側が金型と接するように固定した後、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HB330」、融点134℃、日本ポリエチレン(株)製)を220℃で溶融押出しパリソンとし、割型を型締めし、4.2kg/cm2の圧空をパリソン内に供給し、パリソンを膨脹させて容器状に賦形すると共にインモールド成形用ラベルと熱融着させた。成形後、該型を冷却し、型開きをして内容量1000mlのラベルを貼着した樹脂製容器を得た。樹脂製容器に貼着したラベルの印刷に退色はなく、ラベルの収縮やブリスターの発生も見られなかった。
【0074】
(実施例2)
実施例1において、ヒートシール性樹脂層(B)側の帯電防止層として(a)の四級窒素含有アクリル系三元共重合体を含む水溶液を単位面積(m2)当たり乾燥後0.1gの帯電防止剤が含有するように塗工した以外は、実施例1と同じくしてインモールド成形用ラベルおよびラベルを貼着した樹脂製容器を得た。オレフィン系樹脂基材層(A)、ヒートシール性樹脂層(B)の各表面のヌレ指数は、それぞれ70mN/m、50mN/mであった。
【0075】
(実施例3)
実施例1において、ヒートシール性樹脂層(B)側の帯電防止層として、(a)四級窒素含有アクリル系三元共重合体1.0重量%および(c)水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(星光PMC(株)社製「WS−4002」(商品名))0.5重量%を含む水溶液を単位面積(m2)当たり乾燥後0.01gの帯電防止剤が含有するように塗工した以外は、実施例1と同じくしてインモールド成形用ラベルおよびラベルを貼着した樹脂製容器を得た。オレフィン系樹脂基材層(A)、ヒートシール性樹脂層(B)の各表面のヌレ指数は、それぞれ70mN/m、38mN/mであった。
【0076】
(実施例4)
実施例1において、オレフィン系樹脂層(A)側の帯電防止層として、(a)四級窒素含有アクリル系三元共重合体を0.5重量%、(b)ブチル化変性ポリエチレンイミンを0.4重量%および(c)水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物を0.5重量%含む水溶液を、単位面積(1m2)当たり乾燥後0.002gの帯電防止剤が含有するように塗工した以外は、実施例1と同じくしてインモールド成形用ラベルおよびラベルを貼着した樹脂製容器を得た。オレフィン系樹脂基材層(A)、ヒートシール性樹脂層(B)の各表面のヌレ指数は、それぞれ48mN/m、34mN/mであった。
【0077】
(比較例1)
実施例1において、ヒートシール性樹脂層(B)側の帯電防止層を塗工しなかった以外は、実施例1と同様にしてインモールド成形用ラベルおよびラベルを貼着した樹脂製容器を得た。オレフィン系樹脂基材層(A)、ヒートシール性樹脂層(B)の各表面のヌレ指数は、それぞれ70mN/m、32mN/mであった。
【0078】
(比較例2)
実施例1において、ヒートシール性樹脂層(B)側の帯電防止層として(a)の四級窒素含有アクリル系三元共重合体を含む水溶液を単位面積(m2)当たり乾燥後3gの帯電防止剤が含有するように塗工した以外は、実施例1と同じくしてインモールド成形用ラベルおよびラベルを貼着した樹脂製容器を得た。オレフィン系樹脂基材層(A)、ヒートシール性樹脂層(B)の各表面のヌレ指数は、それぞれ70mN/m、62mN/mであった。
【0079】
(試験例)
実施例1〜4および比較例1〜2で製造したインモールド成形用ラベルとラベルを貼着した樹脂製容器について、以下の手順で物性の測定と評価を行った。
【0080】
(1)物性の測定
(a)ヌレ指数:
23℃相対湿度50%の環境下で、Diversified Enterprises社製の「ACCU DYNE TEST」を用いて、各インモールド成形用ラベルの基材層(A)表面のヌレ指数(α)とヒートシール性樹脂層(B)のヌレ指数(β)を測定した。
(b)初期摩擦帯電圧および摩擦帯電圧減衰の半減期:
測定装置としてカネボウエンジニアリング(株)製摩擦帯電圧測定装置EST−8を用いて、前述した方法を用いて測定した。
【0081】
(2)枚葉オフセット印刷
(c)インキ受理性:
(株)小森コーポレーション社製のオフセット印刷機「リスロン」を使用し、23℃相対湿度30%の環境下で、菊半版(636mm×470mm)の紙サイズで、6000枚/時の速度で1000枚連続印刷した。その後、UV照射器にて乾燥させた後のインキの接着度合いを、ニチバン製の「セロテープ(登録商標)」を貼着し、剥離させたときの状態を観察して、以下の基準にて評価した。
○: インキが剥がれず、基層が材質破壊に到る場合もある。
△: 剥がす時に抵抗はあるが、インキのほとんどが剥がれ、実用上問題がある。
×: インキが全量剥がれ、剥がす抵抗も殆ど無い。
(d)通紙走行性:
上記条件で印刷を行い、その際に給紙の状態、UV照射後のシート排紙装置での紙揃いの程度を以下の基準により判断した。
○: 印刷機上でスムーズに給紙、走行し、排紙部での紙揃えも良好である。
×: 給紙時に度々トラブルが発生するか、排紙部での紙揃えが悪い。
【0082】
(3)打抜き
(e)打抜き適性:
ラベル印刷された枚葉シートを100枚重ね、長さ11cm、幅9cmの長方形の刃形で打抜き、切り口のブロッキング状態をみた。
○: ブロッキングが起きず、実用上全く問題がない
×: ブロッキングが発生し、実用上問題である
【0083】
(4)インモールド成形
(f)ラベル/ボトル接着強度:
中空成形により容器に貼着したラベルを15mm幅に切り取り、ラベルと容器との間の接着強度を、(株)島津製作所製の引張試験機「オートグラフ AGS−D形」を用い、300mm/分の引張速度で、T字剥離することにより求めた。ラベル使用上の判断基準は次の通りである。
350(g/15mm)を超える : 実用上全く問題がない
200〜350(g/15mm): やや接着性が弱いが、実用上問題がない
200(g/15mm)未満 : 実用上問題である
(g)ブリスターの発生:
中空成形により容器に貼着したラベルのブリスター発生頻度を比較した。
○: 実用上全く問題がない
×: 実用上問題である
【0084】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明のインモールド成形用ラベルは、低湿度環境下においても印刷、断裁、打抜き加工を良好に行うことができる。このため、本発明のインモールド成形用ラベルは製造が容易で実際に利用しやすいという利点がある。また、本発明のラベル付き樹脂成形品は、ラベルの容器に対する接着強度が高い。このため、使用の際にラベルが剥がれる心配がない。したがって本発明は、現代社会において広く利用される可能性を有している。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】枚葉オフセット印刷の機構を示す図である。
【図2】摩擦帯電圧測定器の摩擦子を示す図である。
【図3】摩擦帯電圧測定器の測定機構を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1 枚葉シート
2 枚葉オフセット印刷用ブランケット
3 圧胴
4 摩擦子
5 オレフィン系樹脂基材層
6 ヒートシール性樹脂層
7 インモールド成形用ラベル
8 摩擦台
9 試験片テーブル
10 試験片ホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オレフィン系樹脂基材層(A)と表面に帯電防止層を有するヒートシール性樹脂層(B)よりなるインモールド成形用ラベルにおいて、前記基材層(A)表面のヌレ指数(α)が34〜74mN/mであり、かつ前記ヒートシール性樹脂層(B)表面のヌレ指数(β)が30〜54mN/mであって、前記基材層(A)の23℃相対湿度30%での枚葉オフセット印刷用ブランケットに対する初期摩擦帯電圧の絶対値が0kV〜15kVであることを特徴とするインモールド成形用ラベル。
【請求項2】
基材層(A)の摩擦帯電圧減衰の半減期が10秒以下である請求項1に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項3】
基材層(A)が多層構造であり、少なくとも一軸方向に延伸したものである請求項1または2に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項4】
基材層(A)が主成分としてプロピレン系樹脂を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項5】
基材層(A)が無機微細粉末および有機フィラーの少なくとも1つを含み、かつボイドを含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項6】
基材層(A)が、無機微細粉末を5〜30重量%、エチレン系樹脂を3〜20重量%およびプロピレン系樹脂を92〜50重量%の割合で含有する樹脂組成物の二軸延伸フィルムをコア層とし、その両側面に、無機微細粉末を35〜65重量%、エチレン系樹脂を0〜10重量%およびプロピレン系樹脂を55〜35重量%の割合で含有する樹脂組成物の一軸延伸フィルムを表面層および裏面層として配置した構造を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項7】
ヒートシール性樹脂層(B)が、密度が0.900〜0.935g/cm3であり、結晶化度(X線法)が10〜60%であり、数平均分子量が10,000〜40,000である高圧法ポリエチレン、または、密度が0.880〜0.940g/cm3である直鎖線状ポリエチレンを含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項8】
基材層(A)の肉厚が20〜500μmであり、ヒートシール性樹脂層(B)の肉厚が1〜100μmである請求項1〜7のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項9】
基材層(A)表面にピグメントを含有するコート層を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項10】
基材層(A)表面に活性化処理が施されている請求項1〜9のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項11】
基材層(A)またはコート層の表面に帯電防止層を設けた請求項1〜10のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項12】
コート層または基材層(A)の表面に設けた帯電防止層が単位面積(m2)当たり0.001〜10gの帯電防止剤を含有し、ヒートシール性樹脂層(B)表面の帯電防止層が単位面積(m2)当たり0.001〜1gの帯電防止剤を含有する請求項11に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項13】
帯電防止剤が高分子型帯電防止剤を含む請求項12に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項14】
帯電防止層が、ダイ、バー、ロール、グラビア、スプレー、ブレード、エアーナイフおよびサイズプレスからなる群より選ばれた1以上の塗工方式により設けられた請求項1〜13のいずれか一項に記載のインモールド成形用ラベル。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載したインモールド成形用ラベルを熱可塑性樹脂製容器に貼着したラベル付き樹脂成形品。
【請求項16】
インモールド成形用ラベルと熱可塑性樹脂製容器の接着強度が200gf/15mm以上である請求項15に記載のラベル付き樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−11411(P2006−11411A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−147940(P2005−147940)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000122313)株式会社ユポ・コーポレーション (73)
【Fターム(参考)】