説明

イン・シトゥー・プロファイル計測のための渦電流システム

【課題】高SN比で渦電流計測を行う厚さ計を提供する。
【解決手段】渦電流モニタリングシステムは、細長いコア205を含んでおり、1つ以上のコイルを、ウェハ上の1つ以上の導電性領域230に結合できる振動磁界を発生するために、該細長いコア205に結合することができる。該コア205は、改善された分解能を実現できると共に、十分な信号強度を維持するように、該ウェハに対して移動させることができる。渦電流モニタリングシステムは、共振周波数で振動磁界を発生するDC結合マージナル発振器を含んでもよく、この場合、該共振周波数は、1つ以上の導電性領域に対する変化の結果として変化させてもよい。渦電流モニタリングシステムは、リアルタイム・プロファイル制御を可能にするために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]この開示は、半導体処理に関し、より具体的には、半導体処理中に、1つ以上の導電性領域をモニタリングするシステム及び技術に関する。
【背景】
【0002】
[0002]集積回路は、典型的には、導電性層、半導体層又は絶縁層のシリコンウェハ上への逐次的な堆積により、及び、該層のその後の処理により、基板(例えば、半導体ウェハ)上に形成される。
【0003】
[0003]1つの製造ステップは、非平坦面を覆うフィラー層を堆積させる工程と、該非平坦面が露出するまで、該フィラー層を平坦化する工程とを伴う。例えば、導電性フィラー層は、該絶縁層中のトレンチ又はホールを充填するために、パターニングされた絶縁層上に堆積させることができる。該フィラー層は、該絶縁層の隆起したパターンが露出するまで研磨される。平坦化後、該絶縁層の隆起したパターンの間に残る導電性層の部分は、該基板上の薄膜回路間に導電性パスを提供するビア、プラグ及びラインを形成する。また、平坦化は、リソグラフィのために該基板表面を平坦化するのに用いてもよい。
【0004】
[0004]化学機械的研磨(CMP)は、平坦化の1つの一般に認められた方法である。この平坦化法は、典型的には、該基板をキャリヤ又は研磨ヘッド上に載せることを必要とする。該基板の露出面は、回転研磨ディスク又はベルトパッドに対向して配置される。該研磨パッドは、「標準的な」パッド又は固定した研磨パッドのいずれかとすることができる。標準的なパッドが耐久性のある粗面を有しているのに対して、固定した研磨パッドは、閉じ込め媒体内に研磨粒子を保持している。該キャリヤヘッドは、該基板を該研磨パッドに対して押し付けるために、該基板上に制御可能な負荷を与える。標準的なパッドを使用する場合、少なくとも1つの化学的反応性の薬剤と研磨粒子とを含む研磨スラリーが、該研磨パッドの表面に供給される。
【0005】
[0005]半導体処理中には、該基板又は該基板上の層の1つ以上の特性を決定することが重要になる。例えば、該プロセスを正確な時間に終了できるように、CMPプロセス中に、導電性層の厚さを知ることが重要になる。基板特性を決定するのには、多くの方法を用いることができる。例えば、光センサ又はキャパシタンスセンサを、化学機械的研磨中の基板のイン・シトゥー・モニタリングに用いることができる。別法として(又は、更に)、該基板上の導電性領域に渦電流を誘導して、該導電性領域の局所的厚さ等のパラメータを決定するのに、渦電流感知システムを用いることができる。
【概要】
【0006】
[0006]本開示内容は、高空間分解能の渦電流計測値を得るための、高SN比で渦電流計測値を得るためのシステム及び方法を提供する。一般に、一つの態様において、渦電流感知システムは、細長いコアを含む。該細長いコアは、幅よりも大きい長さを有する。該細長いコアの突出部に巻回されたコイルは、時間依存性の磁界を発生して、ウェハ上の導電性層の第1の領域等の導電性領域内に渦電流を誘導する。該渦電流が誘導された該第1の領域も細長く、幅よりも大きい長さを有する。
【0007】
[0007]上記細長いコアは、半導体処理装置のウェハキャリヤに近接して位置決めすることができる。例えば、該コアは、化学機械的研磨装置のプラテン内に少なくとも部分的に位置決めすることができ、その結果、上記突出部の上面が、該プラテンと結合された研磨パッドの上面に近接して位置決めされる。該細長いコアは、MnZnフェライト、NiZ
nフェライト又は他のフェライト等のフェライト材を備えてもよい。該細長いコアは、パリレン等の材料で被覆してもよい。
【0008】
[0008]一般に、一つの態様において、方法は、複数の処理パラメータを用いて、ウェハ上の導電性層を処理することを備える。例えば、CMP装置を用いて、金属層を研磨することができ、また、該処理パラメータは、スラリー組成物及び研磨ヘッドにより加えられる圧力プロファイルを含んでもよい。
【0009】
[0009]渦電流は、ウェハ上の導電性層の第1の領域内に誘導することができる。該渦電流は、細長いコアに巻回されたコイル内の電流によって生成された時間依存性の磁界を用いて誘導することができる。
【0010】
[0010]厚さのデータは、上記第1の領域内に誘導された渦電流に基づいて、該第1の領域内の導電性層に対して取得することができる。渦電流は、該導電性層の第2の領域内に誘導してもよく、また、該第2の領域に対して計測した厚さデータを取得することができる。該第1及び第2の領域に対して該計測した厚さデータは、プロファイル誤差を判断するために、所望の厚さプロファイルと比較することができる。該プロファイル誤差が最大所望誤差を超えた場合、1つ以上の処理パラメータを変えてもよい。
【0011】
[0011]上記第1の領域の幅は、約1ミリメートル以下とすることができ、その結果、該第1の領域における上記システムの空間分解能は、約1ミリメートル程度になる。該幅は、約1ミリメートル〜約3ミリメートルとすることができる。
【0012】
[0012]一般に、一つの態様において、化学機械的研磨装置は、時間依存性の電流をコイルに生成する直流(DC)結合マージナル発振器を備え、該コイルは、時間依存性の磁界を生成して、ウェハ上の導電性領域の一部に結合する。該マージナル発振器は、差動増幅回路を形成する第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを備えてもよい。該マージナル発振器は、該第1のトランジスタと結合して、該第1のトランジスタのベースを介したDC帰還を実行できる第3のトランジスタを備えてもよい。
【0013】
[0013]該マージナル発振器は、コア及びコンデンサと結合したコイルを備える回路の共振周波数で時間依存性の駆動電流を生成することができる。該第3のトランジスタは、該第1のトランジスタのベースへのDC帰還を実行して、該コイル及びコンデンサの両端の電位差が概して一定の振幅で維持されるように、該マージナル発振器に時間依存性の駆動電流を生成させる。
【0014】
[0014]一般に、一つの態様において、方法は、コイルに結合されたコア及びコンデンサを備える回路の共振周波数で時間依存性の駆動電流を生成することを含んでもよく、該時間依存性電流は、差動増幅回路を構成する第1及び第2のトランジスタを有するマージナル発振器によって生成される。該方法は、ウェハ上の導電性層の第1の領域内に渦電流を誘導することを含んでもよく、該渦電流は、該コイルにより発生された時間依存性の磁界によって誘導される。該方法は、該コイル及びコンデンサの両端の電位差の振幅を決定することと、該電位差の所望の振幅を維持するために、該第1のトランジスタのベースに結合された第3のトランジスタからのDC帰還に基づいて、時間依存性の駆動電流を調整することとを含んでもよい。該方法は、該時間依存性の駆動電流に基づいて、該第1の領域の1つ以上のパラメータを決定することを含んでもよい。
【0015】
[0015]1つ以上の実施の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴及び効果は、該説明及び図面から、及び、クレームから理解できる。
【詳細な説明】
【0016】
[0029]様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を表す。
【0017】
[0030]ある半導体プロセスにおいては、該基板上の導電性領域の厚さを知ることが重要になる。例えば、金属の化学機械的研磨プロセスの終点を判断するためには、該金属層の厚さをモニタする必要がある。該研磨プロセスは、該金属層の厚さに関連する計測値に基づいて終了することができる。
【0018】
[0031]導電性金属の厚さは、ウェハ等の基板上の異なる領域で計測することができる。例えば、処理が該ウェハ全域で一様に進んでいることを確認するために、ウェハ上の異なる領域における金属層の厚さをモニタすることができる。そして、該ウェハの領域の厚さ情報(これをまとめて該ウェハの「プロファイル」と呼ぶ)は、処理パラメータをリアルタイムで調整して、所望のウェハ均一性を得るのに用いることができる。例えば、化学機械的研磨プロセスにおいて、ウェハ上の異なる領域における金属層の厚さをモニタすることができ、検出された非均一性は、該CMPシステムに研磨パラメータをリアルタイムで調整させる。このようなプロファイル制御は、リアルタイム・プロファイル制御(real time profile control;RTPC)と呼んでもよい。
【0019】
[0032]図1は、半導体処理中に、RTPCを実施するのに用いることができる方法100を示す。該ウェハ上の導電性層を処理することができる(110)。例えば、ウェハ上の銅層は、マルチゾーンヘッドを含むCMP装置を用いて研磨することができる。該ウェハが研磨されている間に、該ウェハ上の領域のプロファイルデータを得ることができる(120)。例えば、渦電流感知システムによって発生された磁界と結合された該銅層の一部の厚さに関連する渦電流を、研磨中に得ることができる。
【0020】
[0033]プロファイルデータを処理することができる(130)。例えば、渦電流計測値を該ウェハの特定の領域と同一視するのに、信号処理アルゴリズムを用いることができる。処理したプロファイルデータは、所望のプロファイルデータを比較して、プロファイル誤差が最小許容誤差よりも大きいか否かを判断することができる(150)。そうでない場合には、該処理パラメータを変更しなくてもよく、該ウェハ上の異なる領域の別のプロファイル情報を得ることができる(160)。例えば、渦電流センサは、プロファイル情報が、該ウェハの中心から異なる径方向距離における領域に対して得られるように、該ウェハに対して移動させてもよい。図1における該ウェハの異なる領域に対する独立した個別のステップとして示す、データを得るプロセス及びデータを処理するプロセスは、概して、渦電流センサのウェハに対する相対移動と簡単に比較されるデータ収集を時間に基づいて行いながら、連続的かつ同時に行ってもよいことに留意されたい。
【0021】
[0034]誤差が最小許容誤差よりも大きい場合には、1つ以上のプロセス変数を変えることができる(170)。例えば、上記CMPシステムは、研磨均一性を改善するために(それに伴って、その後、該計測したプロファイル誤差を低減するために)、上記マルチゾーンヘッド内の1つ以上のゾーンの圧力等の変数に対して、漸進的変化を実行してもよい。
【0022】
[0035]上述したように、プロファイル情報は、渦電流感知を利用して得ることができる。渦電流感知を用いると、振動磁界は、該ウェハ上の導電性領域内に渦電流を誘導する。該渦電流は、該渦電流感知システムによって生成された磁束線と結合されている領域内に誘導される。図2Aは、渦電流感知システム200の一部の概略を示す。システム200は、振動磁界220を生成する駆動コイル210を含み、該振動磁界は、対象の導電性領域230(例えば、半導体ウェハ上の金属層の一部)と結合してもよい。駆動コイル210は、コア205に巻回されており、該コアは、MnZn又はNiZnフェライト等のフェライト材で形成することができる。コア205は、概して円筒形対称コアとすることができ、あるいは、図6A及び図6B又は図7A及び図7B、及び以下に説明するような細長いコアとすることができる。
【0023】
[0036]振動磁界220は、導電性領域230に局所的に渦電流を生成する。該渦電流は、導電性領域230を、センスコイル240及びコンデンサ250と並列なインピーダンス源として作用させる。導電性領域230の厚さが変化すると、インピーダンスが変化し、上記システムのQ係数の変化が生じる。該Q係数を検出することにより、渦電流感知機構は、該渦電流の強度の変化及びそれに伴って該導電性領域の厚さの変化を感知することができる。従って、渦電流感知システムは、該導電性領域の厚さ等の該導電性領域のパラメータを決定するのに用いることができ、又は、研磨終点等の関連パラメータを決定するのに用いることができる。特定の導電性領域の厚さについて上述したが、コア205と該導電性層との相対的位置は、多数の異なる導電性領域の厚さ情報が得られるように、変化させてもよいことに留意されたい。
【0024】
[0037]ある実施においては、Q係数の変化は、固定された駆動周波数及び振幅に対して、時間の関数としての渦電流振幅を計測することによって、決定することができる。渦電流信号は、整流器260を用いて整流することができ、また、該振幅は、出力270を介してモニタすることができる。別法として、Q係数の変化は、時間の関数としての渦電流の位相を計測することによって、決定することができる。図2Bは、位相検出器290を用いて、時間の関数としての位相をモニタするシステム280を示す。
【0025】
[0038]図2A及び図2Bのシステム200は、基板上の導電性層の厚さを計測するのに用いることができる。しかし、ある実施においては、高SN比及び/又は改善された空間分解能及び線形性を有する渦電流感知システムが好ましい。例えば、RTPC用途において、所望のウェハ均一性を得ることは、改善された渦電流感知システムを要する可能性がある。図3A及び図3Bは、改善されたSN比及び線形性のための渦電流感知システムを示し、図6A、図6B、図7A及び図7Bは、改善された空間分解能に用いることができるコアのデザインを示す。これらの技術のいずれか又は両方は、渦電流感知を改善するのに用いることができる。
【0026】
[0039]図3Aは、図2A及び図2Bに示すシステムに比べ、より線形に、より安定にすることができ、かつより高いSN比を提供できる渦電流感知システム300を示す。システム300は、コア310(例えば、図5A及び図5B又は図6A及び図6Bに示すコア等の概して円筒形の対称コア、細長いコア、あるいは、他のコア)と結合されたコイル320を含む。作動中、電流発生器330(例えば、マージナル発振回路に基づく電流発生器)は、該システムを(インダクタンスLを有する)コイル320及び(キャパシタンスCを有する)コンデンサ315によって形成されたLCタンク回路の共振周波数で駆動する。振幅V0を伴う時間依存性の電圧は、整流器335を用いて整流されて、帰還回路337へ供給される。帰還回路337は、電圧V0を一定に保つために、電流発生器330への駆動電流を決める。このようなシステムの場合、該駆動電流の大きさは、該導電性膜の厚さに比例することを証明することができる。マージナル発振回路及び帰還回路は、更に、本明細書に組み入れる米国特許第4,000,458号及び本明細書に組み入れる“Contactless Measurement of Semiconductor Conductivity by Radio Frequency−Free−Carrier Power Absorption,”G.L.Miller,D.A.H.Robinson and J.D.Wiley,Review of Scientific Instruments,vol.47,No.7,1976年7月に記載されている。
【0027】
[0040]システム300のようなシステムを用いて、多数のメリットを得ることができる。導電性領域で磁界が過度に減衰しないように、差動周波数が十分低い限りにおいては、上記駆動電流は、導電性領域の厚さに関して線形である。また、振動振幅は固定されているので、高線形性のRF整流器は必要ない。該システムは、上記LCタンクの共振曲線のピークで作動するので、SN比は、他の計測方法に優って改善される。
【0028】
[0041]また、システム300は、速い応答を実現することができ(例えば、約50マイクロ秒程度の応答時間を達成することができる)、また、図2A及び図2Bの実施よりもシンプルに作動及び解析しやすくすることができる。システム300は、別々の駆動コイル及びセンスコイルではなく、単一のコイルを要し、このことは、複雑性を低減し、かつ巻線スペースを節約する。
【0029】
[0042]図3Bは、システム300の実施を示し、この場合、電流発生器330は、第1のトランジスタ340、第2のトランジスタ350及び第3のトランジスタ360を含む改善されたDC結合マージナル発振回路を含む。第1のトランジスタ340及び第2のトランジスタ350は、差動増幅回路を構成し、すなわち、これらのトランジスタは、実質的に同一のトランジスタであり、駆動電流Iは、第1のトランジスタ340及び第2のトランジスタ350を介して交互に切り替えられる。第3のトランジスタ360は、第1のトランジスタ340のベースとの結合を介して、該差動増幅回路へのDC帰還を実行できる。概して、大きな振幅の振動V0(例えば、4Vの最大振幅)が用いられる。駆動電流Iは、トランジスタ340のコレクタ電流の平均値を計測することによって、決定される。
【0030】
[0043]第1のトランジスタ340、第2のトランジスタ350及び第3のトランジスタ360を用いて構成された上記マージナル発振器は、コア375に巻回されたコイル370に時間依存性の電流を生成する。該時間依存性の電流は、導電性層の一部に結合する時間依存性の磁界を生成して、局所的な厚さ情報を提供する。帰還は、整流器392、参照電圧393及び積分器394を含む振幅安定化ループ391を用いて実行できる。整流器392は、ピークストレッチャとすることができ、また、参照電圧393は、+2Vとすることができ、上記LCタンク回路両端で最大振幅4VのRF振幅をもたらす。
【0031】
[0044]上述したように、上記マージナル発振器が該LCタンク回路の共振周波数で作動した場合、一定のV0を維持するのに要する駆動電流の大きさは、上記導電性層の厚さに線形的に関連する。応答時において、損失は、抵抗性であり、並列損失抵抗RP390として設計することができる。RPは、(例えば、該コイルのワイヤの抵抗を含む)タンク回路抵抗RTと、サンプル負荷抵抗RSとを含む。これらの抵抗は、以下の[数式1]に示すように関連している。
【0032】
[0045]
【0033】
[数式1]

【0034】
[0046]上記タンク回路の共振周波数において、I、VO及びRPは、単純にオームの法則によって関連しており、VO=IRPである。従って、サンプル負荷抵抗が変化すると、V0を維持するのに必要な上記駆動電流が変化する。従って、該駆動電流Iは、負荷抵抗RS及び上記導電性層の関連する局所的な厚さの計測値である。
【0035】
[0047]図3Bのマージナル発振器は、他のマージナル発振器デザインに優る多くの利点をもたらす。第一に、DCから上記トランジスタのカットオフ周波数までの範囲の周波数で作動することができる。第二に、高電圧レベルに適合していることである(例えば、ミリボルトではなくボルト程度の電圧で使用することができる)。そして、単純かつ安定していることである。
【0036】
[0048]システム300は、図4のプロセス400等のプロセスに従って、ウェハ上の導電性層の厚さをモニタするのに用いることができる。プロセス400は、例えば、導電性層を有するウェハが研磨されている間に、及び、コアが該ウェハに対して移動されている間に、実行することができる。振動磁界は、マージナル発振回路を用いて生成することができ、この場合、該振動磁界は、該ウェハ上の導電性層の一部と結合される(410)。研磨パッドに近接して位置決めされた渦電流感知システムの場合、該振動磁界は、該パッドを貫通して、及び、該導電性層の該部分内に及ぶ。
【0037】
[0049]電圧V0がモニタされ、この場合、V0は、渦電流感知システムのコイル及びコンデンサの両端の時間依存性の電位差の大きさである。また、上記マージナル発振器への駆動電流もモニタされる(420)。該駆動電流は、一定のV0を維持するように調整される(430)。一定の振幅を維持するのに必要な該駆動電流は、該導電性層の厚さに線形的に関連しているので、該駆動電流は、研磨終点及び/又は該導電性層の厚さを判断するのに用いることができる。方法400における動作は、本明細書において別々に記載してあるが、連続的に及び同時に実行してもよいことに留意されたい。
【0038】
[0050]上述した及び図3A及び図3Bに示す上記渦電流感知システムは、高められたSN比、高められた線形性及び高められた安定性を提供してもよい。また、渦電流感知システムに改善された空間分解能を提供することにより、メリットを得ることができる。改善された空間分解能は、特にRTPCに対して有益である。高分解能のウェハプロファイル情報を得ることは、処理パラメータのより厳密な調整を可能にし、より小さなCDを持つデバイスの製造が可能になる。本明細書に記載したシステム及び方法は、高分解能の渦電流システムに用いることができるコイル構造を提供する。
【0039】
[0051]空間分解能を高める1つの方法は、磁界が上記ウェハのより小さな領域に結合するように、該コア/コイルシステムのサイズを低減することである。図5は、プラテン530が回転したときに、基板510の下を弧を描いて動くコア505を含む渦電流感知システム500の平面図を示す。コンピュータ(図示せず)は、感知した渦電流信号(生又は処理済)を複数のサンプリングゾーン596に細分化する。図5に示すように、該システムの空間分解能は、コイル505の突出部間の距離によって限定される(該コアと該導電性領域との間の距離、及び、該コアの形状等の他のパラメータもまた、該システムの空間分解能に影響を及ぼす可能性があることに留意されたい)。プラテン530は、プラテン530の回転位置を判断するために、フラッグセンサ550によって感知されるフラッグ540を含んでもよい。
【0040】
[0052]空間分解能は、上記コア/コイルシステムのサイズを減少させることによって改善することができるが、計測品質を容認できないほど損なうことなく、該コア/コイルシステムのサイズを減少させることは困難である。多くのデザイン上の考慮すべき問題が、最小コアサイズを制限する可能性がある。例えば、周波数、動的インピーダンス及びQ係数の所望の値は、最小コアサイズを制限する可能性がある。
【0041】
[0053]渦電流感知システムのための所望の周波数の範囲は、応答時間の考慮(高い周波数は、速い応答を可能にする)及び被覆深さの考慮に基づいて選択することができる。電磁放射の周波数(すなわち、磁界の周波数)が増加すると、被覆深さ(磁界が貫く距離の計測値)は減少する。層の厚さを正確に計測するためには、磁界は、厚み全体を貫くべきである。
【0042】
[0054]Q係数及び動的インピーダンスに関する制限は、電子閉回路内で大きな電流を不自由に切り替える必要性をなくす。
【0043】
[0055]表1は、上記最小コアサイズを制限する可能性のある周波数、動的インピーダンス及びQ係数のいくつかの所望の値を示す。表1における周波数の値は、約1.5ミクロン厚までの銅膜に基づいており、他の材料物質及び/又は厚さに対しては、違う周波数値が適切である可能性もある。Lは、図3Bのコイル370等のコイルのインダクタンスを表し、Cは、図3Bのコンデンサ380等のコンデンサのキャパシタンスを表し、Zは、コイル及びコンデンサシステムの無負荷時の動的インピーダンスを表し、RPは、並列損失抵抗を表し、該並列損失抵抗は、LC回路及び導電性層の両並列損失抵抗を含むことに留意されたい。
【0044】
【表1】

【0045】
[0056]表1に挙げたようなデザイン上のガイドラインは、小さなコアの場合には実現するのが困難(又は不可能)である可能性がある。例えば、該コアのサイズが減少すると、概して、直列損失抵抗が増加した細かいワイヤが必要になる。従って、上記システムのQ係数は、該コアのサイズが減少するのにつれて減少する。
【0046】
[0057]本発明者らは、一方向において長く、かつ他方向においては狭いコアを用いることにより、垂直方向の空間分解能をトレードオフすることができることを認識した。図6A及び図6Bは、上記システムのQ係数を著しく損なうことなく、高分解能の渦電流計測を実行するのに用いることができるコイル/コアシステム600の側面図及び平面図を示す。細長いコア610は、概して「E」字状であり、すなわち、該コアは、背後部から上方へ伸びる3つの突出部を有する。図6Bに示すように、コア610は、コア610の幅Wよりも大きい長さLに及ぶ。コイル620は、真ん中の突出部に巻回することができるコイル620は、コンデンサ630に結合することができる。図2A及び図2Bのシステム200等の渦電流感知システムの実施においては、別々の感知コイル及び駆動コイルを用いてもよい。
【0047】
[0058]ある実施においては、コイル620等のコイルは、リッツ線(一様なパターンの撚り合わせ及びよりの長さで互いに束ねられ又は編組みされた個々の被覆絶縁ワイヤで構成された編込みワイヤ)とすることができ、これにより、渦電流感知に通常用いられる周波数の場合、ソリッドワイヤよりも損失を少なくすることができる。コア610は、MnZnフェライトとすることができ、あるいは、NiZnフェライトとすることができる。コア610は、被覆してもよい。例えば、コア610は、コア610の間隙に水が入るのを防ぐために、及び、コイルの短絡を防ぐために、パリレン等の材料で被覆してもよい。
【0048】
[0059]図7A及び図7Bは、感知された信号を著しく損なうことなく、高分解能の渦電流計測を実行するのに代替的に用いることができる異なるコイル/コアシステム700の側面図及び平面図を示す。細長いコア710は、「U」字状であり、すなわち、背後部の端部から上方へ伸びる2つの突出部を有する。図7Bに示すように、コア710は、コア710の幅Wよりも大きい長さLに及ぶ。コイル720は、該2つの突出部に巻回することができ、また、コンデンサ730に結合することができる。ここでも、図2A及び図2Bに示した実施等の実施の場合、別々の駆動コイル及びセンスコイルを用いてもよい。図7Cは、U字状コアに対する代替の巻線方法の側面図を示す。図7Cに示すように、コイル720は、該2つの突出部の間に「数字の8」の字の形態で巻回してもよい。
【0049】
[0060]ある実施においては、上記コアは、磁束線をより厳密に導電性層の特定の部分に向け、それに伴って空間分解能を改善するようにシールドすることができる。該コアをシールドすることは、Q係数の低減をもたらす可能性があり、またそれに伴って、図示のシールド形態は、Q係数を大幅に損なうことなく、磁束線の十分な方向付けを実現できるであろうことに留意されたい。図8A〜図8Cは、用いることができる異なるシールド形態を示す。図8Aは、コア800に近接したシールド810の側面図を示す。シールド810は、上記渦電流感知システムによって生成される時間依存性の磁界により、シールド810に渦電流が誘導されないように、ギャップ(図示せず)を有してもよい。シールド810は、シート状アルミニウムで形成することができる。図8Bは、シールド820の平面図及び側面図を示し、これもシート状アルミニウムで形成することができる。該平面図は、シールド820内での渦電流の生成を防ぐギャップ825を示す。図8Cは、銅テープを用いて形成されたシールド830の平面図を示す。該銅テープの第1の端部836と第2の端部837との間のギャップ835は、シールド830内での渦電流の生成を防ぐ。
【0050】
[0061]図9A及び図9Bは、細長いコア910(これは、図6A及び図6Bのコア610、又は、図7A及び図7Bのコア710と同様であってもよい)に対する基板920の相対位置の平面図及び側面図を示す。半径Rを有するウェハ920の中心を通るスライスA−A’を介したスキャンの場合、コア910は、その長い軸がウェハ920の半径に直角になるように位置決めされる。コア910は、図示されるように、ウェハの径に対して移動される。コア910に巻回されたコイルによって生じる磁界は、幅よりも大きい長さを有する、細長い形状である導電性領域に渦電流を誘導することに留意されたい。しかし、該長さ及び幅は、概して、コア910の長さ及び幅と同じではなく、該導電性領域の縦横比及び断面は、概して、コア910のそれらとは異なる。
【0051】
[0062]図9A及び図9Bの構成は、ウェハ920のスライドA−A’の大部分に対する分解能の改善を実現できる可能性があるが、コア910が該半径の最初及び最後のセグメント930に沿って移動した場合、コア910の一部は、該基板に近接しない。そのため、セグメント930に対する計測は、あまり厳密ではなく、コア910の最大所望長さLを制約する可能性がある。また、コア910がウェハ920の中心に近づくにつれて、より大きな径方向範囲がサンプリングされる。そのため、特定の径方向距離rがRに近い場合の空間分解能は、rが0に近い場合の空間分解能よりも相当良好である。
【0052】
[0063]既に説明したように、コア910の長さLは、その幅Wよりも大きい。すなわち、縦横比L/Wは、1よりも大きい。L、W及び/又はL/Wに対する異なる値は、異なる実施に対して用いることができる。例えば、Wは、わずか1ミリメートル〜1センチメートル以上変動してもよく、一方、Lは、(より小さなWの値に対して)約1ミリメートル〜10センチメートル以上変動してもよい。
【0053】
[0064]特定の実施において、Wは、約1ミリメートル〜約10ミリメートルであり、一方、Lは、約1センチメートル〜約5センチメートルである。より具体的には、図6A及び図6Bのコイル610等のコイルは、5ミリメートル幅とし、各突出部を約1ミリメートル幅、及び、隣接する突出部間の各間隔を約1ミリメートルとすることができる。該長さは、約20ミリメートルとすることができる。該高さは、約5ミリメートルとすることができ、より多くのコイル巻線を可能にする必要がある場合には、該高さを増してもよい。図7A及び図7Bのコイル710等のコイルの場合、該長さは、約2センチメートルとすることができ、該幅は、約2.5ミリメートルとすることができる。各突出部は、約1ミリメートル幅とすることができ、該突出部間の間隔は、約1.5ミリメートルとすることができる。該高さは、約3ミリメートルとすることができる。当然、ここで示した値は例示的なものであり、その他の多くの構成が可能である。
【0054】
[0065]ある実施においては、細長いコアの長軸は、基板の半径に対して正確に直角にしなくてもよい。しかし、細長いコアは、それでも、特に該ウェハ縁部において、使用可能なコア構造に関して改善された分解能を実現できる。図10Aは、細長いコア1010がプラテン1020の下に位置決めされている実施を示す。基板1030の下を、弧を描いて動く前、コア1010は位置1015にある。位置1015において、コア1010は、基板1030の半径に対して略直角に位置している。そのため、rがRに近い場合、コア1010に巻回されたコイルによって生じる磁界と結合する導電性層の部分は、概して、該ウェハの中心から同じ径方向距離にある。コア1010が基板1030の下を弧を描いて動くとき、プラテン1020及び基板1030は共に回転し、また、図示のように、該ウェハもプラテン1020に対して弧を描いて動く可能性があることに留意されたい。また、フラッグ1040及びフラッグセンサ1050は、プラテン1020の回転位置を感知するのに用いることができる。
【0055】
[0066]図10Bは、コア1010がウェハ1030の下を弧を描いて動くときのウェハ1030の拡大図を示す。第1の位置1012において、コア1010は、半径rがRに近い場合の厚さを計測する。しかし、位置1014において、コアは、r1からr2に広がる。そのため、ウェハ1030の外側縁部における空間分解能は、ウェハ1030の中心近くでの空間分解能よりも相当良好である。この効果は、コア1010の長さが減少した場合には低減されることに留意されたい。
【0056】
[0067]上述したように、空間分解能も、上記コアと上記導電性層との間の距離に依存する。図11は、コアの間をかなり近接させて形成し、流体が漏れるのを防ぐシステム1100の側面図を示す。コア1110は、時間依存性の磁界を発生して、ウェハ(図示せず)上の導電性領域内に渦電流を誘導するコイル1120と結合されている。コア1110及びコイル1120は、センサハウジング1130内に固定されている。センサハウジング1130は、コア1110及びコイル1120を流体から保護し、かつ該コアを該ウェハに対して位置決めする。ハウジング1130は、漏れを防ぐOリングシール1140を介して上部プラテン1150に結合されている。パッドアセンブリ1155は、サブパッド1160と、パッド1170と、薄い部分1185を含むパッドウィンドウ1180とを含む。薄い部分1185は、コア1110が該ウェハにかなり近接して位置することを可能にする。例えば、コア1110の上部の間の距離は、約50ミルとすることができる。その他の構成を用いてもよく、特に、サブパッドがない及び/又はパッドウィンドウがないパッド構成を用いてもよいことに留意されたい。
【0057】
[0068]図12は、上述したシステム等の渦電流感知システムと共に用いることができる化学機械的研磨装置20を示す。同様の研磨装置20の説明は、米国特許第09/900,664号明細書に見つけることができ、該特許の全開示を本明細書に組み入れる。図13は、コア42(例えば、図6A及び図6Bのコア610、図7A及び図7Bのコア、又はその他のコア等)を、薄い部分36を有する研磨パッド30に対してどのように位置決めすることができるか(及び、それに伴って、装置20の研磨ステーション22に対してどのように位置決めするか)を示す。
【0058】
[0069]図12及び図13について説明すると、1つ以上の基板10をCMP装置20によって研磨することができる。研磨装置20は、一連の研磨ステーション22と移送ステーション23とを含む。移送ステーション23は、上記キャリヤヘッドとローディング装置との間で基板を移送する。
【0059】
[0070]各研磨ステーションは、その上に研磨パッド30が位置決めされている回転可能なプラテン24を含む。第1及び第2のステーションは、硬い耐久性のある外側面を有する2層研磨パッド、又は、埋め込み研磨粒子を有する固定研磨パッドを含むことができる。最後の研磨ステーションは、比較的柔らかいパッドを含むことができる。また、各研磨ステーションは、該研磨パッドが基板を有効に研磨するように、該研磨パッドの状態を維持するパッドコンディショナ装置28を含むこともできる。
【0060】
[0071]回転可能なマルチヘッド円形コンベヤ60は、4つのキャリヤヘッド70を支持する。該円形コンベヤは、研磨ステーション22と移送ステーション23との間で、キャリヤヘッドシステム及び該キャリヤヘッドシステムに付着された該基板を旋回させる該円形コンベヤのモータアセンブリ(図示せず)により、円形コンベヤ軸64周りに、中心ポスト62によって回転される。該キャリヤヘッドシステムのうちの3つは、基板を受取りかつ保持し、該基板を該研磨パッドに対して押圧することによって研磨する。その間、該キャリヤヘッドシステムのうちの1つは、移送ステーション23から1枚の基板を受取り、該移送ステーションに基板を1枚供給する。
【0061】
[0072]各キャリヤヘッド70は、各キャリヤヘッド70が別々に、それ自体の軸周りに回転するように、キャリヤ駆動シャフト74によって(カバー68の4分の1を除去した状態で示す)キャリヤヘッド回転モータ76に接続されている。また、各キャリヤヘッド70は、円形コンベヤの支持プレート66に形成された径方向のスロット72内で横方向に別々に往復する。適当なキャリヤヘッド70の説明は、米国特許第6,422,927号明細書に見つけることができ、該特許の全開示を本明細書に組み入れられる。動作中、該プラテンは、その中心軸25周りに回転し、該キャリヤヘッドは、その中心軸71周りに回転し、該研磨パッドの表面全域で横方向に移動される。
【0062】
[0073]反応性薬剤(例えば、酸化物研磨のための純水)を含有するスラリー38及び化学的反応性触媒(例えば、酸化物研磨のための水酸化カリウム)を、スラリー供給ポート又は一体化されたスラリー/リンスアーム39によって、研磨パッド30の表面に供給することができる。研磨パッド30が標準的なパッドである場合、スラリー38は、研磨粒子(例えば、酸化物研磨のためのシリコン酸化物)も含むことができる。凹部26がプラテン24内に形成されており、薄い部分36を、凹部26の上に重なる研磨パッド30に形成することができる。開口部26及び薄い部分36は、必要に応じて、それらが、上記キャリヤヘッドの移送位置にかかわらず、該プラテンの回転中に基板10の下を通過するように位置決めされる。
【0063】
[0074]図13に示すように、CMP装置20は、コア42が基板10の下にあるときを感知するために、光断続器等の位置センサ80を含むこともできる。例えば、該光断続器は、キャリヤヘッド70に対向する固定箇所に設けることができる。フラッグ82は、上記プラテンの周辺部に取付けることができる。フラッグ82の取付けの箇所及び長さは、該フラッグがセンサ80の光信号を遮断すると共に、コア42が基板10の下を弧を描いて動くように選択される。別法として、該CMP装置は、該プラテンの角度位置を判断するエンコーダを含むことができる。
【0064】
[0075]図13について説明すると、渦電流モニタリングシステム40は、上述し、かつ図3A及び図3Bに示したマージナル発振器等の発振器を含む、駆動及び帰還回路50を含んでもよい。研磨パッド32の薄い部分36の下に配置されている上記渦電流感知システムのコア42及びコイル44は、上記プラテンの各回転に伴って、上記基板の下を弧を描いて動く。ここでは、単一のコイル44が図示されているが、ある実施においては、別々の駆動コイル及びセンスコイルが用いられ、別個の感知回路が設けられていることに留意されたい。回路50は、プラテン24から離して配置してもよく、また、回転電気結合部29を介して、該プラテンの構成要素に結合することができる。
【0065】
[0076]コンピュータ90は、回路50から計測値を受取ることができ、また、1999年12月13日に出願され、2002年6月4日に発行された米国特許第6,399,501号明細書で論じられているように、上記コアの上記基板の下での各弧を描く動きからの計測値を複数のサンプリングゾーン(例えば、図5のサンプリングゾーン596)に分けるように、各サンプリングゾーンの径方向位置を算出するように、計測値を径範囲に分類するように、各サンプリングゾーンに対する最小、最大及び平均計測値を判断するように、及び、研磨終点を判断するために多数の径方向範囲を用いるようにプログラムすることができ、該明細書の全体を本明細書に組み入れる。該計測値は、システム40の構成により、振幅計測値、位相計測値及び/又は駆動電流計測値とすることができることに留意されたい。コンピュータからの出力は、ユーザが、該研磨工程の進行を視覚的にモニタできるように、研磨中に、出力デバイス92に表示することができる。
【0066】
[0077]また、その全体を本明細書に組み入れる、1999年7月7日に出願された米国特許出願第60/143,219号明細書で論じられているように、上記渦電流計測値を径方向範囲で分類した後、金属膜の厚さに関する情報を、閉ループ制御器にリアルタイムで供給して、キャリヤヘッドによって加えられる研磨圧力プロファイルを定期的又は連続的に変更することができる。例えば、上記コンピュータは、終点基準が、外側径方向範囲に対しては満たされているが、内側径方向範囲では満たされていないことを判断することができる。このことは、下にある層が、該基板の環状外側領域では露出されており、内側領域では露出されていないことを示している。この場合、該コンピュータは、該領域の半径を低減することができ、該領域においては、該基板の内側領域にのみ圧力が加えられるように、それにより、該基板の該外側領域におけるディッシング及びエロージョンが低減される。別法として、該コンピュータは、下にある層が該基板上のどこかで既に露出されていることを示す最初の兆候時に、すなわち、該金属層の最初の清浄時に、該基板の研磨を休止することができる。
【0067】
[0078]多くの実施について説明してきた。それにもかかわらず、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更を実行できることが理解されるであろう。例えば、異なるコイル構造を用いることができる。上記コアは、上記プラテン及び基板に対して、説明したのとは異なって位置決めすることができる。概して矩形状断面を有する細長いコアが示されているが、他の形態を用いてもよい。例えば、卵型断面を用いることができ、この場合、該「長さ」は長軸を指し、該「幅」は、短軸を指す。図1及び図4に示すプロセスにおける動作は、必ずしも図示の順番どおりに実行する必要はない。従って、その他の実施形態もクレームの範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】リアルタイム・プロファイル制御を実施する方法を示す。
【図2A】渦電流モニタリングシステムの実施形態の概略図を示す。
【図2B】渦電流モニタリングシステムの実施形態の概略図を示す。
【図3A】改善された線形性及びSN比のための渦電流モニタリングシステムの実施形態を示す。
【図3B】改善された線形性及びSN比のための渦電流モニタリングシステムの実施形態を示す。
【図4】一実施形態に係る、研磨終点及び導電性層の厚さを決定するのに用いることができる方法を示す。
【図5】渦電流モニタリングシステムを含む化学機械的研磨装置の一実施形態の平面 図である。
【図6A】渦電流モニタリングシステムでの使用のための細長いコアの一実施形態の側面図を示す。
【図6B】渦電流モニタリングシステムでの使用のための細長いコアの一実施形態の平面図を示す。
【図7A】渦電流モニタリングシステムでの使用のための細長いコアの他の実施形態の側面図を示す。
【図7B】渦電流モニタリングシステムでの使用のための細長いコアの他の実施形態 の平面図を示す。
【図7C】渦電流モニタリングシステムでの使用のための細長いコアの他の実施形態の側面図を示す。
【図8A】用いることができるコアシールドの実施形態を示す。
【図8B】用いることができるコアシールドの実施形態を示す。
【図8C】用いることができるコアシールドの実施形態を示す。
【図9A】一実施形態に係る、細長いコアを用いた化学機械的研磨装置の平面図である。
【図9B】一実施形態に係る、細長いコアを用いた化学機械的研磨装置の側面図である。
【図10A】一実施形態に係る、細長いコアを用いた化学機械的研磨装置の平面図である。
【図10B】一実施形態に係る、細長いコアを用いた化学機械的研磨装置の平面図である。
【図11】一実施形態に係る、研磨パッドに近接して配置されたコアの側面図である。
【図12】化学機械的研磨装置の一実施形態の概略分解組立斜視図である。
【図13】一実施形態に係る、コアのプラテンに対する位置決めを示す側面図である。
【符号の説明】
【0069】
200…渦電流感知システム、205…コア、210…駆動コイル、220…振動磁界、230…導電性領域、250…コンデンサ、260…整流器、270…出力。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械的研磨のための装置であって、
研磨面を支持するプラテンと、
渦電流信号を生成する渦電流モニタリングシステムであって、前記プラテン内に少なくとも部分的に位置決めされた細長いコアを備え、前記細長いコアが長さと幅を有し、前記長さが前記幅よりも長い、渦電流モニタリングシステムと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記細長いコアが、背後部と、前記背後部から前記研磨面の方へ垂直に伸びる1つ以上の突出部とを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上の突出部のうちの少なくとも1つと結合したコイルを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コイルが編込みワイヤを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上の突出部が、第1の突出部と第2の突出部とを含み、前記コイルが前記第1の突出部に結合されており、前記第2の突出部が数字の8の字状形態である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記背後部に結合された別のコイルを更に含む、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記長さが、前記幅の少なくとも2倍である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記長さが、約5ミリメートル〜約10センチメートルである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記幅が、約1センチメートル以下である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記渦電流モニタリングシステムが更に、前記細長いコアの外側面に近接して位置決めされたシールドを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記シールドがギャップを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
渦電流感知システムであって、
長さと幅を有する細長いコアであって、前記長さが前記幅よりも長い、細長いコアと、
前記細長いコアをプラテンの凹部内に位置決めするように形成され、かつ構成された取付け形状構成を有するハウジングと、
前記細長いコアの一部に巻回されたコイルと、
前記コイルに電流を生成する駆動システムと、
導電性領域に生成された渦電流に基づいて、前記導電性領域の特性を得る感知システムと、
を備える、システム。
【請求項13】
前記細長いコアが、背後部と、前記背後部から前記研磨面の方へ垂直に伸びる1つ以上の突出部とを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の突出部のうちの少なくとも1つに結合されたコイルを更に備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記細長いコアがフェライト材を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記フェライト材が、MnZnフェライト材及びNiZnフェライト材からなる群から選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記細長いコアが材料物質で被覆されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記材料物質がパリレン(parylene)を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記ハウジングを受け容れる相補的な取付け形状構成を含むプラテンと、
前記ハウジングの前記取付け形状構成が前記特許の相補的な形状構成に係合したときに、前記細長いコアの前記1つ以上の突出部のうちの1つの上面が、研磨パッドの研磨面から約2ミリメートルのところに以下位置決め置されるように、前記プラテンに取付けられた前記研磨面を有する研磨パッドと、
を更に備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記上面が、前記研磨面から約1ミリメートル〜約2ミリメートルのところに物質がパリレンされている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記細長いコアが概してU字状の断面を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記細長いコアが概してE字状の断面を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項23】
イン・シトゥー・プロファイル制御の方法であって、
複数の処理パラメータを用いて、ウェハ上の導電性層を処理するステップと、
渦電流を、導電性層の第1の領域内に誘導するステップであって、前記第1の領域が、幅よりも大きい長さを有する、ステップと、
前記第1の領域内の前記導電性層の計測した厚さデータを取得するステップであって、前記厚さデータが前記第1の領域に誘導された渦電流に基づいているステップと、
を備える、方法。
【請求項24】
前記導電性層の第2の領域内に渦電流を誘導するステップであって、前記第2の領域が長さと幅を有するステップと、
前記第2の領域内の前記導電性層の、計測された厚さデータを取得するステップであって、前記厚さデータが前記第2の領域内に誘導された渦電流に基づいているステップと、
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の領域及び前記第2の領域内の前記導電性層の計測した厚さデータを所望の厚さプロファイルと比較して、プロファイル誤差を判断するステップを更に備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記プロファイル誤差に基づいて、前記処理パラメータのうちの少なくとも1つを変えるステップを更に備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記長さが、前記幅の少なくとも2倍である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記幅が約1ミリメートル以下である、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記幅が、約1ミリメートル〜約3ミリメートルである、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記渦電流が、細長いコアに結合されたコイルによって生成された時間依存性の磁界に応答して生成される、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の領域内の前記導電性層の計測した厚さデータを取得するステップが、センスコイルのセンス信号の振幅に基づいて振幅データを取得する工程を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の領域内の導電性層の計測した厚さデータを取得するステップが、センスコイルのセンス信号の位相に基づいて位相データを取得する工程を備える、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の領域内の導電性層の計測した厚さデータを取得するステップが、コイル及びコンデンサの両端で一定電圧を維持するための駆動電流に基づいて、駆動電流データを取得する工程を備え、前記コイル及びコンデンサが、時間依存性の磁界を生成して、前記第1の領域内に渦電流を誘導する回路に含まれている、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
時間依存性の駆動電流を生成する直流(DC)結合マージナル発振器と、
時間依存性の磁界を生成して、ウェハ上の導電性領域の一部に結合するコイルを備え、前記マージナル発振器が、
差動増幅回路を構成する第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、
前記第1のトランジスタと結合して、前記第1のトランジスタのベースを介したDC帰還を実行できる第3のトランジスタと、
を備える半導体処理装置。
【請求項35】
前記マージナル発振器が、回路の共振周波数で時間依存性の駆動電流を生成するように動作可能であり、前記回路が、コア及びコンデンサに結合されたコイルを備える、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記コアが細長いコアである、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記コアが、概して円筒形状で対称的である、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記第3のトランジスタが、前記第1のトランジスタのベースへのDC帰還を実行して、前記コイル及びコンデンサの両端の電位差が概して一定の振幅に維持されるように、前記マージナル発振器に時間依存性の駆動電流を生成させる、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記コイル及び前記コンデンサの両端の電位差の振幅を感知する帰還回路を更に含む、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
コア及びコンデンサに結合されたコイルを備える回路の共振周波数で時間依存性の電流を生成するステップであって、
前記時間依存性の電流が、差動増幅回路を構成する第1のトランジスタと第2のトランジスタとを有するマージナル発振器によって生成される、ステップと、
ウェハ上の導電性層の第1の領域内に渦電流を誘導するステップであって、前記渦電流が、前記コイルによって発生する時間依存性の磁界によって誘導される、ステップと、
前記コイル及び前記コンデンサの両端の電位差の振幅を決定するステップと、
前記第1のトランジスタのベースに結合された第3のトランジスタからのDC帰還に基づいて、前記時間依存性の駆動電流を調整して、前記電位差の所望の振幅を維持するステップと、
前記駆動電流に基づいて、前記第1の領域の1つ以上のパラメータを決定するステップと、
を備える方法。
【請求項41】
前記導電性領域の1つ以上のパラメータが前記導電性領域の厚さを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記導電性領域の1つ以上のパラメータが、前記導電性領域を研磨するプロセスの終点を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記時間依存性の磁界が、前記導電性層の第2の領域内に渦電流を誘導するように、前記コアを前記ウェハに対して移動させるステップを更に備える、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記コイル及び前記コンデンサの両端の前記電位差の、後の振幅を決定するステップと、
前記第1のトランジスタのベースに結合された第3のトランジスタからのDC帰還に基づいて、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの時間依存性の電流を調整して、前記電位差の所望の振幅を維持するステップと、
前記駆動電流に基づいて、前記第2の領域の1つ以上のパラメータを決定するステップと、
を更に備える、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の領域の1つ以上のパラメータが、前記第1の領域の厚さを含み、前記第2の領域の1つ以上のパラメータが、前記第2の領域の厚さを含み、また、前記第1の領域の前記厚さ及び前記第2の領域の前記厚さを、所望の厚さプロファイルと比較して、プロファイル誤差を判断するステップを更に備える、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記プロファイル誤差に基づいて、1つ以上の処理パラメータを調整するステップを更に備える、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
半導体処理のための装置であって、
ウェハキャリヤと、
前記ウェハキャリヤに近接して位置決めされた細長いコアであって、前記細長いコアが長さ及び幅を有し、前記長さが前記幅よりも長い、細長いコアと、
前記細長いコアの一部に巻回されたコイルと、
前記コイルに電流を生成する駆動システムであって、前記電流が時間依存性の磁界を発生する、駆動システムと、
ウェハの導電性部分に生成された渦電流に基づいて、前記ウェハキャリヤ内に配置されたウェハの特性を得る感知システムであって、前記渦電流が前記時間依存性の磁界に応答して生成される、感知システムと、
を備える、装置。
【請求項48】
前記細長いコアが、背後部と、前記背後部から前記ウェハキャリヤの方へ垂直に伸びる1つ以上の突出部とを備える、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記1つ以上の突出部が、第1の突出部と第2の突出部とを含み、前記コイルが、前記第1の突出部及び前記第2の突出部と数字の8の字状の形態で結合されている、請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記細長いコアを前記ウェハキャリヤに対して移動させる移動機構を更に含む、請求項47に記載の装置。
【請求項51】
前記ウェハキャリヤが、プラテンに取付けられた研磨パッドを備える、請求項47に記載の装置。
【請求項52】
前記駆動システムがマージナル発振器を備える、請求項47に記載の装置。
【請求項53】
前記感知システムが、前記マージナル発振器の駆動電流を決定する帰還回路を備える、請求項52に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−252910(P2011−252910A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−145683(P2011−145683)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【分割の表示】特願2006−522039(P2006−522039)の分割
【原出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】