ウェブ搬送装置
【課題】印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、安定したウェブの搬送が可能であるウェブ搬送装置を提供する。
【解決手段】帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出するようにしたもの。
【解決手段】帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出するようにしたもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブの張力付与機構を備えたウェブ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂フィルムあるいは樹脂フィルムに薄膜硝子を積層して多層フィルムとなった連続素材(以下、ウェブという)の基材上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷する技術が注目されている。今後更なる高密度の配線(線幅数μm)の印刷や、細密なパターンの多層印刷が実現可能な印刷技術の実用化が求められている。
【0003】
一般的に、この印刷技術にはフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、凹版オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法などが従来から行われている。
【0004】
ところで、上記の手法では、より一層のウェブ搬送速度の高速化、高効率化、高精度化を実現するに柔軟なウェブ上に精細なパターンを記載する関係から、ウェブ搬送に必要な張力が加えている。この張力によってウェブの伸縮による印刷ずれや配線印刷ミス(配線の短絡や断絶)が発生するという問題がある。
【0005】
例えば、柔軟なウェブの搬送時に発生する伸縮の影響を受けることなく印刷済み画像に合わせて連続画像を印刷するウェブ搬送装置の従来技術としては、特開2010−228348号公報(特許文献1)がある。
【0006】
この特許文献1は、ウェブの表面に第1印刷装置によって連続画像の第1画像が印刷されている。この第1画像はページに区切られており、各ページの先頭にはスタートマークが印刷され、裏面には第2印刷装置により、制御部にて生成された描画同期パルスに同期して連続画像である第2画像が印刷されている。
【0007】
第2画像が印刷される際には、先行するスタートマークと後続のスタートマークとの間において第2印刷機構に入力された描画同期パルスの数と、ウェブに伸縮が生じない場合に第2印刷機構に入力されるべき描画同期パルスの数との差が取得され、当該差に基づいて描画同期パルスの周波数が調整される。
【0008】
これにより、ウェブの伸縮の影響を受けることなく、ウェブ上の第1画像に合わせて第2画像が印刷される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−228348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1ではウェブの伸縮を検知するため、第2印刷機構に基準マークとしてのスタートマークを検出するマーク検出部が第2印刷機構のウェブ搬送方向上流側箇所設置される構成が開示されている。このマーク検出部を用いることで、先行ページと2番目のページに印刷されたスタートマークを検出し、描画同期パルスの周波数を調整するようになっている。
【0011】
しかしながら、数μm程度の微細配線を柔軟なウェブに印刷する場合は、搬送中のウェブの伸縮を印刷時に正確に検出する必要がある。しかしながら上記特許文献1では、印刷位置に対しウェブ搬送方向の上流のみにおいて、ウェブの伸縮(もしくは印刷ズレ)を検出する構成であるため、印刷時に印刷区間のウェブの部分的な伸縮状態を検知することが不可能である。
【0012】
また、微細配線の生成のためには、ウェブの搬送時の張力を調整することによって、ウェブ自体の搬送時の伸び自体を押さえることや、ウェブと搬送ローラ間による滑り等の搬送不具合を解決することが重要である。
【0013】
ウェブの搬送時の張力を決定するために上述のようなウェブの伸縮を計測することが効果的であるが上記特許文献1の構成では、ウェブ搬送方向において一箇所のみ設置されたマーク検出部を使用し、基準マークの検出タイミングと所定タイミングとの差により伸縮を判断している。そのため、そのタイミングの差が例えば、ウェブと搬送ローラ間で発生した滑りによって発生した場合、伸びが発生したと誤認する恐れが有った。
【0014】
本発明の目的は、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、安定したウェブの搬送が可能なウェブ搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出することにより達成される。
【0016】
また上記目的は、前記ウェブ上に前記基準マークを印刷する基準マーク印刷手段を備えていることが好ましい。
【0017】
また上記目的は、前記基準マークの位置情報より前記ウェブの状態を演算する演算処理部を備えていることが好ましい。
【0018】
また上記目的は、前記演算処理部はウェブの状態として、前記ウェブの変形または搬送挙動を演算することが好ましい。
【0019】
また上記目的は、前記ウェブ上に印刷を施す印刷手段を備え、前記印刷手段は前記ウェブ上に印刷を施す印刷区間に、前記ウェブの搬送方向に対し前記検出手段が複数個配置されていることが好ましい。
【0020】
また上記目的は、前記印刷手段は、複数個配置された前記検出手段のうち、前記ウェブの搬送方向に対して最下流の検出手段と最上流の検出手段との間で動作することが好ましい。
【0021】
また上記目的は、前記ウェブに作用する張力を制御するための張力制御手段を備え、前記演算処理部により演算されたウェブの状態に合わせ、前記張力制御手段を動作させて前記ウェブに作用する張力を制御することが好ましい。
【0022】
また上記目的は、前記印刷手段は前記ウェブに印刷する画像情報を補正する画像補正手段を備え、この演算処理部により演算された前記ウェブの状態に合わせ画像情報を補正することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成によれば、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、ウェブと搬送ローラ間で滑りが発生しない安定したウェブの搬送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施例に係るウェブ搬送機構の構成図である。
【図2】図1に示した印刷機構の拡大図である。
【図3】図2に示した印刷部の上面図である。
【図4】図1に示された基準マーク印刷機構の拡大図である。
【図5】第一の実施例に係る基準マークMの印刷位置や形状の例を示す図である。
【図6】第一の実施例に係る基準マークMの印刷位置や形状の第二の例を示した図である。
【図7】第一の実施例に係る主要機構と、主要機構の持つ構成要素を纏めた図である。
【図8】第一の実施例に係るウェブWが搬送方向に伸びている状態を示した図である。
【図9】第一の実施例に係るウェブWが搬送方向に対しスキューしている状態を示した図である。
【図10】第一の実施例の時間t=t1におけるウェブWの基準マークの位置を表したものである。
【図11】第一の実施例における演算処理部の構成を表した図である。
【図12】第一の実施例に係る画像データ補正の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施例を図にしたがって説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明における第一の実施例について説明する。
図1は、第一の実施例におけるウェブ搬送機構の構成図である。
図1において、ウェブは図中左から右へと搬送される。ウェブ搬送装置1には、ウェブWを搬送するための搬送モータ50が複数個備えられている。これらの搬送モータ50により、ウェブWはロール状に巻かれた巻き出しロール30から巻き出され、各種ローラ140、240を介して搬送された後、巻取りロール40に巻き取られる。
【0027】
ウェブ搬送装置1には、搬送されるウェブに基準マークを印刷する基準マーク印刷機構20と電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10が備えられている。本実施例においては、ウェブ搬送装置1に、印刷機構10が2箇所設置されており、2種類の印刷を多層印刷することが可能となっているが、印刷機構10の設置数は任意である。
【0028】
図2は、図1に示した印刷機構10の拡大図である。
図2において、印刷機構10はウェブWに作用する張力を制御する張力制御機構TとウェブWに印刷を施す印刷部110で構成されている。張力制御機構Tは、表面が例えばゴム等の高摩擦部材で成る高摩擦ローラ121a(121b)と高摩擦ローラ121a(121b)に対抗した位置に配置されウェブWを挟持する圧接ローラ122a(122b)を有する。
【0029】
これら高摩擦ローラ121a(121b)と圧接ローラ122a(122b)による圧接部(張力遮断機構と呼ぶ)によって、ウェブWに作用する張力が遮断され、印刷機構10の領域内において、ウェブWに作用する張力は他の領域の影響を受けず一定に保たれる。また張力調整ローラ120を有しており、軸駆動手段123により張力調整ローラの軸を上下動させることでウェブWに作用する張力を任意に調整することが可能となっている。また、張力制御機構Tには張力測定手段124が備えられており、印刷機構10内でのウェブWに作用する張力を計測することが可能となっている。
【0030】
印刷部110は、搬送されたウェブW上に印刷された基準マークの位置検出をするためのマーク検出手段111a(111b)と、ウェブW上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷手段112と、それらを保持するためのブラケット113、印刷処理時にウェブWの平坦性を保つプラテン部114を有している。また、マーク検出手段111a(111b)によって検出された基準マークの位置情報より、各種演算を実施する演算処理部115を備えている。
【0031】
図3は図2に示した印刷部の上面図である。
図3において、基準マークを検知するためのマーク検出手段111a,111bがウェブ搬送方向(図中x方向)に対してAの間隔で配置されている。また、同様にウェブ短手方向(図中y方向)にBの間隔でマーク検出手段111c,111dが配置されている。
【0032】
ここで印刷手段112は、ウェブ搬送方向に関して、マーク検出手段111a、111cとマーク検出手段111b、111dの間の領域(図中Aで示す範囲)、ウェブ短手方向に関して、マーク検出手段111a、111bとマーク検出手段111c、111dの間の領域(図中Bで示す範囲)に設置される。これらマーク検出手段111a、111b、111c、111dは、例えばCCDカメラであり、このCCDカメラと画像処理装置によってマークとなる十字マークの交点座標を自動抽出するようになっている。
【0033】
ここでマーク検出手段111a、111b、111c、111dと印刷手段112は、それらを保持するためのブラケット113によって保持されており、印刷手段112は、xy駆動手段116によって、ウェブ面内方向(図中xy方向)に駆動可能な構成となっている。
【0034】
図4は図1に示す基準マーク印刷機構の拡大図である。
図4において、基準マーク印刷機構20はウェブWに作用する張力を制御する張力制御機構Tと、ウェブWに基準マークを印刷する基準マーク印刷手段212を有する基準マーク印刷部210と、印刷された複数の基準マーク間の距離を確認する基準マーク確認手段211で構成されている。
【0035】
張力制御機構Tは、表面が例えばゴム等の高摩擦部材で成る高摩擦ローラ221a(221b)と、この高摩擦ローラ221a(221b)に対抗した位置に配置されウェブWを挟持する圧接ローラ222a(222b)を有する。これら高摩擦ローラ221a(221b)と圧接ローラ222a(222b)による圧接部(張力遮断機構と呼ぶ)によって、ウェブWに作用する張力が遮断され、基準マーク印刷機構20の領域内において、ウェブWに作用する張力は他の領域の影響を受けず一定に保たれる。また張力調整ローラ220を有しており、張力調整ローラの軸を軸駆動手段223によりにより上下動させることによりウェブWに作用する張力を任意に調整することが可能となっている。
【0036】
基準マークがウェブW上に印刷される位置や形状は例えば以下の二つの例がある。
【0037】
図5は第一の実施例における基準マークMの印刷位置や形状の第一の例を示した図である。
図5において、基準マークMは上述のマーク検出手段111a、111b、111c、111dで検出するため、マーク検出手段と同様に、ウェブ搬送方向(図中x方向)に対して幅Aの間隔で配置されている。またこの基準マーMは、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの間隔で配置されていることが望ましい。
【0038】
この場合、ウェブ上の装置下流側で電気配線や絶縁層のパターンを印刷する領域(印刷領域、図中斜線部の領域)は、ウェブ搬送方向(図中x方向)に幅A、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの位置に配置された4点基準マークMの間の領域であり、基準マークMは印刷領域に干渉しない位置に配置されている。本実施例では基準マークMの形状を十字形状としているが、この形状は任意であり、円形状、四角形状でも構わない。
【0039】
図6は第一の実施例における基準マークMの印刷位置や形状の第二の例を示した図である。
図6において、この例においては基準マークMの配置位置は、第一の例と比較し、ウェブ短手方向(図中y方向)に関しては第一の例と同様に幅Bの間隔で配置されているのに対し、ウェブ搬送方向(図中x方向)に関しては第一の例と異なりx方向に幅c(c×n=A、ここでnは自然数)の間隔で配置されている。
【0040】
この場合、装置下流側で電気配線や絶縁層のパターンを印刷するウェブ上の領域(印刷領域、図中斜線部の領域)はウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの間隔で配置された複数の基準マークMの間の領域であり、基準マークMは印刷領域に干渉しない位置に配置されている。
【0041】
以下、本実施例におけるウェブ搬送装置1の動作を図7を使って説明をする。
図7は第一の実施例における主要機構と主要機構の持つ構成要素を纏めた図である。
図7において、図中実線矢印の順に、ウェブWは各主要機構を通り搬送されるウェブWは巻き出しロール30から巻き出され、最初に基準マーク印刷機構20を通過する。基準マーク印刷機構20は、上述のように、張力遮断機構、張力制御機構T、基準マーク印刷手段212を有している。基準マーク印刷機構20の領域内において、張力遮断機構、張力制御機構Tによって、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の巻き出しロール30や後流の第一の印刷機構10A)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、基準マーク印刷機構20内での張力をT1とする。
【0042】
ウェブWには、一定張力T1が作用した状態で、基準マーク印刷手段212によって、基準マークMが印刷され、印刷された複数の基準マーク間の距離が下流の基準マーク確認手段211によって計測される。
【0043】
次に、基準マークMが印刷されたウェブWは第一の印刷機構10Aを通過する。第一の印刷機構10Aは、上述のように、張力遮断機構、張力制御機構T、複数のマーク検出手段111、印刷手段112及び演算処理部115を有している。
【0044】
ここで、複数のマーク検出手段111が同時にウェブ上の複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)を自動計測する。ここで得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)は、図中破線矢印の順に従って処理される。即ち、演算処理部115によって、ウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)を演算する。ここで演算されたウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)によって、張力制御機構Tと印刷手段112を制御する。
【0045】
ここでウェブWには張力制御機構Tによって調整された張力が作用する、第一の印刷機構10Aの領域内において、張力遮断機構、張力制御機構Tによって、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の基準マーク印刷機構20や後流の第二の印刷機構10B)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、第一の印刷機構10A内での張力をT2とする。
【0046】
ウェブWには、一定張力T2が作用した状態で、ウェブWの状態値に合わせて制御された印刷手段112によって、一層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0047】
次に、一層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷されたウェブWは第二の印刷機構10Bを通過する。第二の印刷機構10Bでは第一の印刷機構10Aと同様の動作によって、二層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0048】
即ち、複数のマーク検出手段111が同時にウェブ上の複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)を自動計測し、その値より、演算処理部115によって、ウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)を演算する。そして演算されたウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)によって、張力制御機構Tと印刷手段112を制御する。
【0049】
第二の印刷機構10Bの領域内においても、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の第一の印刷機構10A)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、第二の印刷機構10B内での張力をT3とする。
【0050】
ウェブWには、一定張力T3が作用した状態で、ウェブWの状態値に合わせて制御された印刷手段112によって、二層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0051】
本実施例におけるウェブ搬送装置1は、印刷機構10が2箇所設ける機構としているが、必要な電気配線や絶縁層のパターンの層数によって、印刷機構の設置数を設定しても良い。
【0052】
以下、ウェブWの状態値のうち、伸び量、スキュー量を、複数のマーク検出手段111によって得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)から演算する方法を説明する。ここでは、図5に示す、ウェブ搬送方向(図中x方向)に幅A、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの位置に配置された4点基準マークMより、ウェブWの状態値を演算する方法を説明する。
【0053】
図8は第一の実施例におけるウェブWが搬送方向に伸びている状態を示した図である。
図8において、本説明では、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を(ξa、ηa)、(ξb、ηb)、(ξc、ηc)、(ξd、ηd)とする。ウェブ搬送方向(図中x方向)のウェブWの自然長(もしくは、基準マーク確認手段211によって計測された基準マーク間の距離)をLnとすると、基準マークMaと基準マークMbとの間で発生している伸びδ1は、
δ1=(ξb−ξa)−Ln
で求めることが可能である。
【0054】
同様に、基準マークMaと基準マークMbとの間で発生している伸びδ2は、
δ2=(ξd−ξc)−Ln
となる。
【0055】
図9は第一の実施例におけるウェブWが搬送方向に対しスキューしている状態を示した図である。
図9において、本説明では、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を(ξa、ηa)、(ξb、ηb)、(ξc、ηc)、(ξd、ηd)とする。ここで、ウェブWのスキュー量をθとすると、
θ=Tan−1(ξb−ξd)/(ηd−ηb)
で求めることが可能である。
【0056】
以上のように、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を用いることで、ウェブWの伸びとスキューが計算可能である。
【0057】
次にウェブWの状態値のうち、滑り量を複数のマーク検出手段111によって得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)から演算する方法を説明する。ここでは、図6に示す、ウェブ短手方向(図中y方向)に関して幅Bの間隔で配置されており、ウェブ搬送方向(図中x方向)に関して幅cの間隔で配置された複数の基準マークMより、ウェブWの状態値を演算する方法を説明する。
【0058】
図10は第一の実施例の時間t=t1におけるウェブWの基準マークの位置を表したものであり、図10(a)は、ある時間t=t1における、ウェブWの基準マークの位置を表したものである。
【0059】
ここで、マーク検出手段111a、111bによって、得られた基準マークMa1、Mb1の中心座標値を(ξa1、ηa1)、(ξb1、ηb1)とする。
【0060】
次に、図10(b)は、時間t=t1+Δtにおける、ウェブWの基準マークの位置を表したものである。ここでΔtは、ウェブWの設定搬送速度(すなわち滑りが発生しない時の搬送速度)をvとした時、
Δt=c/v
となる値である。ここで基準マークMa2、Mb2はそれぞれMa1、Mb1の一つ後続の基準マークであり、マーク検出手段111a、111bによって、得られた基準マークMa2、Mb2の中心座標値を(ξa2、ηa2)、(ξb2、ηb2)とする。
【0061】
その時、ウェブWの搬送中の滑り量δsは、
δs=ξa1−ξa2
もしくは、
δs=ξb1−ξb2
で求めることが可能である。
【0062】
また、同時にウェブWに伸びが発生している場合、ウェブ搬送方向(図中x方向)のウェブWの自然長(もしくは、基準マーク確認手段211によって計測された基準マーク間の距離)をLnとすると、
伸びδは、
δ=(ξb2−ξa2)−Ln
で求めることが可能であり、滑りと伸びを同時に計測することが可能である。
【0063】
本発明におけるウェブ搬送装置1は、図3に示すように、ウェブ搬送方向(図中x方向)に2つのマーク検出手段を備えているため、上述のように搬送中のウェブWの伸び量と滑り量が同時に計測可能である。また、ウェブ短手方向(図中y方向)にも2つのマーク検出手段を備えているため、上述のようにウェブのスキューも計測可能である。
【0064】
また、本発明によるウェブ搬送装置1は、図3に示すように、印刷手段112が、ウェブ搬送方向に関して、マーク検出手段111a(111c)とマーク検出手段111b(111d)との間の領域(図中Aで示す範囲)、ウェブ短手方向に関して、マーク検出手段111a(111b)とマーク検出手段111c(111d)の間の領域(図中Bで示す範囲)に設置されているため、印刷手段112によって、ウェブW上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷しながら、印刷区間でのウェブWの状態(伸び量、滑り量、スキュー量)を知ることができる。
【0065】
図11は第一の実施例における演算処理部の構成を表した図である。
図11において、本図は上記演算をする演算処理部115の構成を表した図である。マーク検出手段111によって得られた各基準マークの中心座標は座標情報処理部1151によって、上記演算が為される。演算されたウェブの伸び量、滑り量、スキュー量の各情報は、画像データ変換処理部1152、張力変換処理部1153に送られる。そして、画像データ変換処理部1152によって処理された画像データを印刷手段によりウェブ上に印刷する。また、それと同時に(もしくは独立した処理として)、張力変換処理部1153によって、張力制御機構Tが動作し、ウェブに作用する張力が補正される。
【0066】
次に画像データ変換処理部1152によって、実施される画像データの補正について図12を使って説明する。
図12は第一の実施例における画像データ補正の一例を示した図である。
図12において、各基準マークの座標値を基にして演算処理部115で演算処理されたウェブWの状態値により、搬送中のウェブWが搬送方向に伸び量δが発生していると判断された場合、本来印刷されるべき元画像データ1200は、搬送方向に対して伸び量δの分を補正された伸び補正後画像データ1201に変換される。また、搬送中のウェブWが搬送方向に対しスキュー量θが発生していると判断された場合、搬送方向に対してスキュー量θの分を回転補正されたスキュー補正後画像データ1202に変換される。
【0067】
このように補正された補正後画像データに基づき、印刷手段112によって、ウェブ上に印刷される。
【0068】
次に図11に示した張力変換処理部1153によって、実施される張力制御について説明する。張力変換処理部1153は予め、図2に示す印刷機構10の領域内における、張力調整ローラ120の動作量と印刷部110で生じるウェブWの伸び量が対比可能なデータベースもしくは変換パラメータを記憶している。
【0069】
各基準マークの座標値を基にして演算処理部115により演算処理されたウェブWの状態値によって、搬送中のウェブWが搬送方向に許容量以上の伸び量δが発生していると判断された場合、張力変換処理部1153が有しているウェブWの伸び量と張力調整ローラ120の動作量のデータベースや、変換パラメータにより演算された張力調整ローラ120の動作量に従い、軸駆動手段123により張力調整ローラ120を動作させ、ウェブWに作用する張力値を下げる。
【0070】
また、演算処理部115によって演算処理されたウェブWの状態値を基にして、搬送中のウェブWと搬送ローラ間に滑りが生じていると判断された場合、軸駆動手段123により張力調整ローラ120を動作させ、ウェブWに作用する張力値を上げる。
【0071】
以上の張力制御により、本発明のウェブ搬送機構においては、印刷時にウェブWが許容量以上の伸びが発生せず、またウェブW搬送中に滑りが発生しない、適切な張力がウェブWに作用する。また、張力制御を実施した際、搬送中のウェブWの状態(伸び量、滑り量、スキュー量)が変化するため、マーク検出手段111により再度基準マーク位置の計測を実施し、上述の画像補正動作や張力制御を実施する。
【0072】
次に基準マーク印刷機構20の印刷方法と電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10について説明する。
【0073】
図4に示す基準マーク印刷機構20において、基準マークはその相対距離が重要であるため、基準マーク印刷手段212として、基準マークの相対距離が比較的保証される有版印刷(インプリント、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷)が望ましい。
【0074】
それに対し、図2に示す電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10においては、上述のような印刷パターンの補正のため、印刷手段112として、無版印刷(インクジェット方式、電子写真方式)が望ましい。
【0075】
本実施例においては、例えば図3に示す構成はインクジェット方式によるものであるが、電子写真方式の印刷手段であっても良い。本発明によるウェブ搬送装置1は、各印刷機構(基準マーク印刷機構、電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構)間の張力が遮断されているため、それぞれの印刷法に適した張力の設定が可能である。
【0076】
また、本実施例におけるウェブ搬送装置1では、その基準マークを印刷するための基準マーク印刷手段212を有しているが、基準マーク印刷手段は必須では無く、基準マークが予め印刷されているウェブを使用しても良い。
【0077】
また、本実施例におけるウェブ搬送装置1は、印刷機構10を有しているが、例えば本発明をウェブの張力制御のみの手法として使用する場合、印刷機構10は不要である。
【0078】
以上説明したごとく、本発明のウェブ搬送装置1によれば、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、ウェブと搬送ローラ間で滑りが発生しない安定したウェブの搬送が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…ウェブ搬送装置10…印刷機構、20…基準マーク印刷部、30…巻き出しロール、40…巻取りロール、50…駆動モータ、110…印刷部、111…マーク検出手段、112…印刷手段、114…プラテン部、115…演算処理部、116…xy駆動手段、120…張力調整ローラ、121…高摩擦ローラ、122…圧接ローラ、123…軸駆動手段、124…張力測定手段、210…基準マーク印刷部、211…基準マーク確認手段、212…基準マーク印刷手段、220…張力調整ローラ、221…高摩擦ローラ、222…圧接ローラ、223…軸駆動手段、T…張力制御手段、W…ウェブ、M…基準マーク。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブの張力付与機構を備えたウェブ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、樹脂フィルムあるいは樹脂フィルムに薄膜硝子を積層して多層フィルムとなった連続素材(以下、ウェブという)の基材上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷する技術が注目されている。今後更なる高密度の配線(線幅数μm)の印刷や、細密なパターンの多層印刷が実現可能な印刷技術の実用化が求められている。
【0003】
一般的に、この印刷技術にはフレキソ印刷法、スクリーン印刷法、凹版オフセット印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法などが従来から行われている。
【0004】
ところで、上記の手法では、より一層のウェブ搬送速度の高速化、高効率化、高精度化を実現するに柔軟なウェブ上に精細なパターンを記載する関係から、ウェブ搬送に必要な張力が加えている。この張力によってウェブの伸縮による印刷ずれや配線印刷ミス(配線の短絡や断絶)が発生するという問題がある。
【0005】
例えば、柔軟なウェブの搬送時に発生する伸縮の影響を受けることなく印刷済み画像に合わせて連続画像を印刷するウェブ搬送装置の従来技術としては、特開2010−228348号公報(特許文献1)がある。
【0006】
この特許文献1は、ウェブの表面に第1印刷装置によって連続画像の第1画像が印刷されている。この第1画像はページに区切られており、各ページの先頭にはスタートマークが印刷され、裏面には第2印刷装置により、制御部にて生成された描画同期パルスに同期して連続画像である第2画像が印刷されている。
【0007】
第2画像が印刷される際には、先行するスタートマークと後続のスタートマークとの間において第2印刷機構に入力された描画同期パルスの数と、ウェブに伸縮が生じない場合に第2印刷機構に入力されるべき描画同期パルスの数との差が取得され、当該差に基づいて描画同期パルスの周波数が調整される。
【0008】
これにより、ウェブの伸縮の影響を受けることなく、ウェブ上の第1画像に合わせて第2画像が印刷される構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−228348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献1ではウェブの伸縮を検知するため、第2印刷機構に基準マークとしてのスタートマークを検出するマーク検出部が第2印刷機構のウェブ搬送方向上流側箇所設置される構成が開示されている。このマーク検出部を用いることで、先行ページと2番目のページに印刷されたスタートマークを検出し、描画同期パルスの周波数を調整するようになっている。
【0011】
しかしながら、数μm程度の微細配線を柔軟なウェブに印刷する場合は、搬送中のウェブの伸縮を印刷時に正確に検出する必要がある。しかしながら上記特許文献1では、印刷位置に対しウェブ搬送方向の上流のみにおいて、ウェブの伸縮(もしくは印刷ズレ)を検出する構成であるため、印刷時に印刷区間のウェブの部分的な伸縮状態を検知することが不可能である。
【0012】
また、微細配線の生成のためには、ウェブの搬送時の張力を調整することによって、ウェブ自体の搬送時の伸び自体を押さえることや、ウェブと搬送ローラ間による滑り等の搬送不具合を解決することが重要である。
【0013】
ウェブの搬送時の張力を決定するために上述のようなウェブの伸縮を計測することが効果的であるが上記特許文献1の構成では、ウェブ搬送方向において一箇所のみ設置されたマーク検出部を使用し、基準マークの検出タイミングと所定タイミングとの差により伸縮を判断している。そのため、そのタイミングの差が例えば、ウェブと搬送ローラ間で発生した滑りによって発生した場合、伸びが発生したと誤認する恐れが有った。
【0014】
本発明の目的は、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、安定したウェブの搬送が可能なウェブ搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的は、帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出することにより達成される。
【0016】
また上記目的は、前記ウェブ上に前記基準マークを印刷する基準マーク印刷手段を備えていることが好ましい。
【0017】
また上記目的は、前記基準マークの位置情報より前記ウェブの状態を演算する演算処理部を備えていることが好ましい。
【0018】
また上記目的は、前記演算処理部はウェブの状態として、前記ウェブの変形または搬送挙動を演算することが好ましい。
【0019】
また上記目的は、前記ウェブ上に印刷を施す印刷手段を備え、前記印刷手段は前記ウェブ上に印刷を施す印刷区間に、前記ウェブの搬送方向に対し前記検出手段が複数個配置されていることが好ましい。
【0020】
また上記目的は、前記印刷手段は、複数個配置された前記検出手段のうち、前記ウェブの搬送方向に対して最下流の検出手段と最上流の検出手段との間で動作することが好ましい。
【0021】
また上記目的は、前記ウェブに作用する張力を制御するための張力制御手段を備え、前記演算処理部により演算されたウェブの状態に合わせ、前記張力制御手段を動作させて前記ウェブに作用する張力を制御することが好ましい。
【0022】
また上記目的は、前記印刷手段は前記ウェブに印刷する画像情報を補正する画像補正手段を備え、この演算処理部により演算された前記ウェブの状態に合わせ画像情報を補正することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
上記構成によれば、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、ウェブと搬送ローラ間で滑りが発生しない安定したウェブの搬送が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一の実施例に係るウェブ搬送機構の構成図である。
【図2】図1に示した印刷機構の拡大図である。
【図3】図2に示した印刷部の上面図である。
【図4】図1に示された基準マーク印刷機構の拡大図である。
【図5】第一の実施例に係る基準マークMの印刷位置や形状の例を示す図である。
【図6】第一の実施例に係る基準マークMの印刷位置や形状の第二の例を示した図である。
【図7】第一の実施例に係る主要機構と、主要機構の持つ構成要素を纏めた図である。
【図8】第一の実施例に係るウェブWが搬送方向に伸びている状態を示した図である。
【図9】第一の実施例に係るウェブWが搬送方向に対しスキューしている状態を示した図である。
【図10】第一の実施例の時間t=t1におけるウェブWの基準マークの位置を表したものである。
【図11】第一の実施例における演算処理部の構成を表した図である。
【図12】第一の実施例に係る画像データ補正の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施例を図にしたがって説明する。
【実施例1】
【0026】
本発明における第一の実施例について説明する。
図1は、第一の実施例におけるウェブ搬送機構の構成図である。
図1において、ウェブは図中左から右へと搬送される。ウェブ搬送装置1には、ウェブWを搬送するための搬送モータ50が複数個備えられている。これらの搬送モータ50により、ウェブWはロール状に巻かれた巻き出しロール30から巻き出され、各種ローラ140、240を介して搬送された後、巻取りロール40に巻き取られる。
【0027】
ウェブ搬送装置1には、搬送されるウェブに基準マークを印刷する基準マーク印刷機構20と電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10が備えられている。本実施例においては、ウェブ搬送装置1に、印刷機構10が2箇所設置されており、2種類の印刷を多層印刷することが可能となっているが、印刷機構10の設置数は任意である。
【0028】
図2は、図1に示した印刷機構10の拡大図である。
図2において、印刷機構10はウェブWに作用する張力を制御する張力制御機構TとウェブWに印刷を施す印刷部110で構成されている。張力制御機構Tは、表面が例えばゴム等の高摩擦部材で成る高摩擦ローラ121a(121b)と高摩擦ローラ121a(121b)に対抗した位置に配置されウェブWを挟持する圧接ローラ122a(122b)を有する。
【0029】
これら高摩擦ローラ121a(121b)と圧接ローラ122a(122b)による圧接部(張力遮断機構と呼ぶ)によって、ウェブWに作用する張力が遮断され、印刷機構10の領域内において、ウェブWに作用する張力は他の領域の影響を受けず一定に保たれる。また張力調整ローラ120を有しており、軸駆動手段123により張力調整ローラの軸を上下動させることでウェブWに作用する張力を任意に調整することが可能となっている。また、張力制御機構Tには張力測定手段124が備えられており、印刷機構10内でのウェブWに作用する張力を計測することが可能となっている。
【0030】
印刷部110は、搬送されたウェブW上に印刷された基準マークの位置検出をするためのマーク検出手段111a(111b)と、ウェブW上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷手段112と、それらを保持するためのブラケット113、印刷処理時にウェブWの平坦性を保つプラテン部114を有している。また、マーク検出手段111a(111b)によって検出された基準マークの位置情報より、各種演算を実施する演算処理部115を備えている。
【0031】
図3は図2に示した印刷部の上面図である。
図3において、基準マークを検知するためのマーク検出手段111a,111bがウェブ搬送方向(図中x方向)に対してAの間隔で配置されている。また、同様にウェブ短手方向(図中y方向)にBの間隔でマーク検出手段111c,111dが配置されている。
【0032】
ここで印刷手段112は、ウェブ搬送方向に関して、マーク検出手段111a、111cとマーク検出手段111b、111dの間の領域(図中Aで示す範囲)、ウェブ短手方向に関して、マーク検出手段111a、111bとマーク検出手段111c、111dの間の領域(図中Bで示す範囲)に設置される。これらマーク検出手段111a、111b、111c、111dは、例えばCCDカメラであり、このCCDカメラと画像処理装置によってマークとなる十字マークの交点座標を自動抽出するようになっている。
【0033】
ここでマーク検出手段111a、111b、111c、111dと印刷手段112は、それらを保持するためのブラケット113によって保持されており、印刷手段112は、xy駆動手段116によって、ウェブ面内方向(図中xy方向)に駆動可能な構成となっている。
【0034】
図4は図1に示す基準マーク印刷機構の拡大図である。
図4において、基準マーク印刷機構20はウェブWに作用する張力を制御する張力制御機構Tと、ウェブWに基準マークを印刷する基準マーク印刷手段212を有する基準マーク印刷部210と、印刷された複数の基準マーク間の距離を確認する基準マーク確認手段211で構成されている。
【0035】
張力制御機構Tは、表面が例えばゴム等の高摩擦部材で成る高摩擦ローラ221a(221b)と、この高摩擦ローラ221a(221b)に対抗した位置に配置されウェブWを挟持する圧接ローラ222a(222b)を有する。これら高摩擦ローラ221a(221b)と圧接ローラ222a(222b)による圧接部(張力遮断機構と呼ぶ)によって、ウェブWに作用する張力が遮断され、基準マーク印刷機構20の領域内において、ウェブWに作用する張力は他の領域の影響を受けず一定に保たれる。また張力調整ローラ220を有しており、張力調整ローラの軸を軸駆動手段223によりにより上下動させることによりウェブWに作用する張力を任意に調整することが可能となっている。
【0036】
基準マークがウェブW上に印刷される位置や形状は例えば以下の二つの例がある。
【0037】
図5は第一の実施例における基準マークMの印刷位置や形状の第一の例を示した図である。
図5において、基準マークMは上述のマーク検出手段111a、111b、111c、111dで検出するため、マーク検出手段と同様に、ウェブ搬送方向(図中x方向)に対して幅Aの間隔で配置されている。またこの基準マーMは、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの間隔で配置されていることが望ましい。
【0038】
この場合、ウェブ上の装置下流側で電気配線や絶縁層のパターンを印刷する領域(印刷領域、図中斜線部の領域)は、ウェブ搬送方向(図中x方向)に幅A、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの位置に配置された4点基準マークMの間の領域であり、基準マークMは印刷領域に干渉しない位置に配置されている。本実施例では基準マークMの形状を十字形状としているが、この形状は任意であり、円形状、四角形状でも構わない。
【0039】
図6は第一の実施例における基準マークMの印刷位置や形状の第二の例を示した図である。
図6において、この例においては基準マークMの配置位置は、第一の例と比較し、ウェブ短手方向(図中y方向)に関しては第一の例と同様に幅Bの間隔で配置されているのに対し、ウェブ搬送方向(図中x方向)に関しては第一の例と異なりx方向に幅c(c×n=A、ここでnは自然数)の間隔で配置されている。
【0040】
この場合、装置下流側で電気配線や絶縁層のパターンを印刷するウェブ上の領域(印刷領域、図中斜線部の領域)はウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの間隔で配置された複数の基準マークMの間の領域であり、基準マークMは印刷領域に干渉しない位置に配置されている。
【0041】
以下、本実施例におけるウェブ搬送装置1の動作を図7を使って説明をする。
図7は第一の実施例における主要機構と主要機構の持つ構成要素を纏めた図である。
図7において、図中実線矢印の順に、ウェブWは各主要機構を通り搬送されるウェブWは巻き出しロール30から巻き出され、最初に基準マーク印刷機構20を通過する。基準マーク印刷機構20は、上述のように、張力遮断機構、張力制御機構T、基準マーク印刷手段212を有している。基準マーク印刷機構20の領域内において、張力遮断機構、張力制御機構Tによって、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の巻き出しロール30や後流の第一の印刷機構10A)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、基準マーク印刷機構20内での張力をT1とする。
【0042】
ウェブWには、一定張力T1が作用した状態で、基準マーク印刷手段212によって、基準マークMが印刷され、印刷された複数の基準マーク間の距離が下流の基準マーク確認手段211によって計測される。
【0043】
次に、基準マークMが印刷されたウェブWは第一の印刷機構10Aを通過する。第一の印刷機構10Aは、上述のように、張力遮断機構、張力制御機構T、複数のマーク検出手段111、印刷手段112及び演算処理部115を有している。
【0044】
ここで、複数のマーク検出手段111が同時にウェブ上の複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)を自動計測する。ここで得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)は、図中破線矢印の順に従って処理される。即ち、演算処理部115によって、ウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)を演算する。ここで演算されたウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)によって、張力制御機構Tと印刷手段112を制御する。
【0045】
ここでウェブWには張力制御機構Tによって調整された張力が作用する、第一の印刷機構10Aの領域内において、張力遮断機構、張力制御機構Tによって、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の基準マーク印刷機構20や後流の第二の印刷機構10B)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、第一の印刷機構10A内での張力をT2とする。
【0046】
ウェブWには、一定張力T2が作用した状態で、ウェブWの状態値に合わせて制御された印刷手段112によって、一層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0047】
次に、一層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷されたウェブWは第二の印刷機構10Bを通過する。第二の印刷機構10Bでは第一の印刷機構10Aと同様の動作によって、二層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0048】
即ち、複数のマーク検出手段111が同時にウェブ上の複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)を自動計測し、その値より、演算処理部115によって、ウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)を演算する。そして演算されたウェブWの状態値(伸び量、滑り量、スキュー量)によって、張力制御機構Tと印刷手段112を制御する。
【0049】
第二の印刷機構10Bの領域内においても、ウェブWに作用する張力は他の領域(例えば、上流の第一の印刷機構10A)の影響を受けず一定に保たれる。ここで、第二の印刷機構10B内での張力をT3とする。
【0050】
ウェブWには、一定張力T3が作用した状態で、ウェブWの状態値に合わせて制御された印刷手段112によって、二層目の電気配線や絶縁層のパターンが印刷される。
【0051】
本実施例におけるウェブ搬送装置1は、印刷機構10が2箇所設ける機構としているが、必要な電気配線や絶縁層のパターンの層数によって、印刷機構の設置数を設定しても良い。
【0052】
以下、ウェブWの状態値のうち、伸び量、スキュー量を、複数のマーク検出手段111によって得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)から演算する方法を説明する。ここでは、図5に示す、ウェブ搬送方向(図中x方向)に幅A、ウェブ短手方向(図中y方向)に幅Bの位置に配置された4点基準マークMより、ウェブWの状態値を演算する方法を説明する。
【0053】
図8は第一の実施例におけるウェブWが搬送方向に伸びている状態を示した図である。
図8において、本説明では、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を(ξa、ηa)、(ξb、ηb)、(ξc、ηc)、(ξd、ηd)とする。ウェブ搬送方向(図中x方向)のウェブWの自然長(もしくは、基準マーク確認手段211によって計測された基準マーク間の距離)をLnとすると、基準マークMaと基準マークMbとの間で発生している伸びδ1は、
δ1=(ξb−ξa)−Ln
で求めることが可能である。
【0054】
同様に、基準マークMaと基準マークMbとの間で発生している伸びδ2は、
δ2=(ξd−ξc)−Ln
となる。
【0055】
図9は第一の実施例におけるウェブWが搬送方向に対しスキューしている状態を示した図である。
図9において、本説明では、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を(ξa、ηa)、(ξb、ηb)、(ξc、ηc)、(ξd、ηd)とする。ここで、ウェブWのスキュー量をθとすると、
θ=Tan−1(ξb−ξd)/(ηd−ηb)
で求めることが可能である。
【0056】
以上のように、マーク検出手段111a、111b、111c、111dによって、得られた基準マークMa、Mb、Mc、Mdの中心座標値を用いることで、ウェブWの伸びとスキューが計算可能である。
【0057】
次にウェブWの状態値のうち、滑り量を複数のマーク検出手段111によって得られた複数の基準マークMの中心座標値(ξ、η)から演算する方法を説明する。ここでは、図6に示す、ウェブ短手方向(図中y方向)に関して幅Bの間隔で配置されており、ウェブ搬送方向(図中x方向)に関して幅cの間隔で配置された複数の基準マークMより、ウェブWの状態値を演算する方法を説明する。
【0058】
図10は第一の実施例の時間t=t1におけるウェブWの基準マークの位置を表したものであり、図10(a)は、ある時間t=t1における、ウェブWの基準マークの位置を表したものである。
【0059】
ここで、マーク検出手段111a、111bによって、得られた基準マークMa1、Mb1の中心座標値を(ξa1、ηa1)、(ξb1、ηb1)とする。
【0060】
次に、図10(b)は、時間t=t1+Δtにおける、ウェブWの基準マークの位置を表したものである。ここでΔtは、ウェブWの設定搬送速度(すなわち滑りが発生しない時の搬送速度)をvとした時、
Δt=c/v
となる値である。ここで基準マークMa2、Mb2はそれぞれMa1、Mb1の一つ後続の基準マークであり、マーク検出手段111a、111bによって、得られた基準マークMa2、Mb2の中心座標値を(ξa2、ηa2)、(ξb2、ηb2)とする。
【0061】
その時、ウェブWの搬送中の滑り量δsは、
δs=ξa1−ξa2
もしくは、
δs=ξb1−ξb2
で求めることが可能である。
【0062】
また、同時にウェブWに伸びが発生している場合、ウェブ搬送方向(図中x方向)のウェブWの自然長(もしくは、基準マーク確認手段211によって計測された基準マーク間の距離)をLnとすると、
伸びδは、
δ=(ξb2−ξa2)−Ln
で求めることが可能であり、滑りと伸びを同時に計測することが可能である。
【0063】
本発明におけるウェブ搬送装置1は、図3に示すように、ウェブ搬送方向(図中x方向)に2つのマーク検出手段を備えているため、上述のように搬送中のウェブWの伸び量と滑り量が同時に計測可能である。また、ウェブ短手方向(図中y方向)にも2つのマーク検出手段を備えているため、上述のようにウェブのスキューも計測可能である。
【0064】
また、本発明によるウェブ搬送装置1は、図3に示すように、印刷手段112が、ウェブ搬送方向に関して、マーク検出手段111a(111c)とマーク検出手段111b(111d)との間の領域(図中Aで示す範囲)、ウェブ短手方向に関して、マーク検出手段111a(111b)とマーク検出手段111c(111d)の間の領域(図中Bで示す範囲)に設置されているため、印刷手段112によって、ウェブW上に電気配線や絶縁層のパターンを印刷しながら、印刷区間でのウェブWの状態(伸び量、滑り量、スキュー量)を知ることができる。
【0065】
図11は第一の実施例における演算処理部の構成を表した図である。
図11において、本図は上記演算をする演算処理部115の構成を表した図である。マーク検出手段111によって得られた各基準マークの中心座標は座標情報処理部1151によって、上記演算が為される。演算されたウェブの伸び量、滑り量、スキュー量の各情報は、画像データ変換処理部1152、張力変換処理部1153に送られる。そして、画像データ変換処理部1152によって処理された画像データを印刷手段によりウェブ上に印刷する。また、それと同時に(もしくは独立した処理として)、張力変換処理部1153によって、張力制御機構Tが動作し、ウェブに作用する張力が補正される。
【0066】
次に画像データ変換処理部1152によって、実施される画像データの補正について図12を使って説明する。
図12は第一の実施例における画像データ補正の一例を示した図である。
図12において、各基準マークの座標値を基にして演算処理部115で演算処理されたウェブWの状態値により、搬送中のウェブWが搬送方向に伸び量δが発生していると判断された場合、本来印刷されるべき元画像データ1200は、搬送方向に対して伸び量δの分を補正された伸び補正後画像データ1201に変換される。また、搬送中のウェブWが搬送方向に対しスキュー量θが発生していると判断された場合、搬送方向に対してスキュー量θの分を回転補正されたスキュー補正後画像データ1202に変換される。
【0067】
このように補正された補正後画像データに基づき、印刷手段112によって、ウェブ上に印刷される。
【0068】
次に図11に示した張力変換処理部1153によって、実施される張力制御について説明する。張力変換処理部1153は予め、図2に示す印刷機構10の領域内における、張力調整ローラ120の動作量と印刷部110で生じるウェブWの伸び量が対比可能なデータベースもしくは変換パラメータを記憶している。
【0069】
各基準マークの座標値を基にして演算処理部115により演算処理されたウェブWの状態値によって、搬送中のウェブWが搬送方向に許容量以上の伸び量δが発生していると判断された場合、張力変換処理部1153が有しているウェブWの伸び量と張力調整ローラ120の動作量のデータベースや、変換パラメータにより演算された張力調整ローラ120の動作量に従い、軸駆動手段123により張力調整ローラ120を動作させ、ウェブWに作用する張力値を下げる。
【0070】
また、演算処理部115によって演算処理されたウェブWの状態値を基にして、搬送中のウェブWと搬送ローラ間に滑りが生じていると判断された場合、軸駆動手段123により張力調整ローラ120を動作させ、ウェブWに作用する張力値を上げる。
【0071】
以上の張力制御により、本発明のウェブ搬送機構においては、印刷時にウェブWが許容量以上の伸びが発生せず、またウェブW搬送中に滑りが発生しない、適切な張力がウェブWに作用する。また、張力制御を実施した際、搬送中のウェブWの状態(伸び量、滑り量、スキュー量)が変化するため、マーク検出手段111により再度基準マーク位置の計測を実施し、上述の画像補正動作や張力制御を実施する。
【0072】
次に基準マーク印刷機構20の印刷方法と電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10について説明する。
【0073】
図4に示す基準マーク印刷機構20において、基準マークはその相対距離が重要であるため、基準マーク印刷手段212として、基準マークの相対距離が比較的保証される有版印刷(インプリント、凸版印刷、平版印刷、凹版印刷、孔版印刷)が望ましい。
【0074】
それに対し、図2に示す電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構10においては、上述のような印刷パターンの補正のため、印刷手段112として、無版印刷(インクジェット方式、電子写真方式)が望ましい。
【0075】
本実施例においては、例えば図3に示す構成はインクジェット方式によるものであるが、電子写真方式の印刷手段であっても良い。本発明によるウェブ搬送装置1は、各印刷機構(基準マーク印刷機構、電気配線や絶縁層のパターンを印刷する印刷機構)間の張力が遮断されているため、それぞれの印刷法に適した張力の設定が可能である。
【0076】
また、本実施例におけるウェブ搬送装置1では、その基準マークを印刷するための基準マーク印刷手段212を有しているが、基準マーク印刷手段は必須では無く、基準マークが予め印刷されているウェブを使用しても良い。
【0077】
また、本実施例におけるウェブ搬送装置1は、印刷機構10を有しているが、例えば本発明をウェブの張力制御のみの手法として使用する場合、印刷機構10は不要である。
【0078】
以上説明したごとく、本発明のウェブ搬送装置1によれば、印刷時に印刷区間でのウェブの微細伸縮を考慮した微細配線の形成と、ウェブと搬送ローラ間で滑りが発生しない安定したウェブの搬送が可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…ウェブ搬送装置10…印刷機構、20…基準マーク印刷部、30…巻き出しロール、40…巻取りロール、50…駆動モータ、110…印刷部、111…マーク検出手段、112…印刷手段、114…プラテン部、115…演算処理部、116…xy駆動手段、120…張力調整ローラ、121…高摩擦ローラ、122…圧接ローラ、123…軸駆動手段、124…張力測定手段、210…基準マーク印刷部、211…基準マーク確認手段、212…基準マーク印刷手段、220…張力調整ローラ、221…高摩擦ローラ、222…圧接ローラ、223…軸駆動手段、T…張力制御手段、W…ウェブ、M…基準マーク。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、
前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に前記基準マークを印刷する基準マーク印刷手段を備えていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項3】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記基準マークの位置情報より前記ウェブの状態を演算する演算処理部を備えていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載のウェブ搬送装置において、
前記演算処理部はウェブの状態として、前記ウェブの変形または搬送挙動を演算することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項5】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に印刷を施す印刷手段を備え、前記印刷手段は前記ウェブ上に印刷を施す印刷区間に、前記ウェブの搬送方向に対し前記検出手段が複数個配置されていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項6】
請求項5記載のウェブ搬送装置において、
前記印刷手段は、複数個配置された前記検出手段のうち、前記ウェブの搬送方向に対して最下流の検出手段と最上流の検出手段との間で動作することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項7】
請求項6記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブに作用する張力を制御するための張力制御手段を備え、前記演算処理部により演算されたウェブの状態に合わせ、前記張力制御手段を動作させて前記ウェブに作用する張力を制御することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項8】
請求項5記載のウェブ搬送装置において、
前記印刷手段は前記ウェブに印刷する画像情報を補正する画像補正手段を備え、この演算処理部により演算された前記ウェブの状態に合わせ画像情報を補正することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項1】
帯状のウェブを搬送する搬送手段と、この搬送手段による前記ウェブの搬送方向に対し前記ウェブの位置情報を検出するために複数個配置された位置検出手段とを備えたウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に基準マークを所定間隔で付与し、この基準マークを前記検出手段で検出するとともに、
前記検出手段で検出された前記基準マークの位置情報から前記ウェブの位置を検出することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に前記基準マークを印刷する基準マーク印刷手段を備えていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項3】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記基準マークの位置情報より前記ウェブの状態を演算する演算処理部を備えていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項4】
請求項3記載のウェブ搬送装置において、
前記演算処理部はウェブの状態として、前記ウェブの変形または搬送挙動を演算することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項5】
請求項1記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブ上に印刷を施す印刷手段を備え、前記印刷手段は前記ウェブ上に印刷を施す印刷区間に、前記ウェブの搬送方向に対し前記検出手段が複数個配置されていることを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項6】
請求項5記載のウェブ搬送装置において、
前記印刷手段は、複数個配置された前記検出手段のうち、前記ウェブの搬送方向に対して最下流の検出手段と最上流の検出手段との間で動作することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項7】
請求項6記載のウェブ搬送装置において、
前記ウェブに作用する張力を制御するための張力制御手段を備え、前記演算処理部により演算されたウェブの状態に合わせ、前記張力制御手段を動作させて前記ウェブに作用する張力を制御することを特徴とするウェブ搬送装置。
【請求項8】
請求項5記載のウェブ搬送装置において、
前記印刷手段は前記ウェブに印刷する画像情報を補正する画像補正手段を備え、この演算処理部により演算された前記ウェブの状態に合わせ画像情報を補正することを特徴とするウェブ搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−240786(P2012−240786A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112281(P2011−112281)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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