説明

ウエザストリップ

【課題】自動車の軽量化ニーズに対応して、トリム部が安定し、車体のフランジ部の保持力の大きな自動車用ウエザストリップを提供する。
【解決手段】ウエザストリップ10は、トリム部20と中空シール部40とを有する。トリム部20は、車外側側壁21、底壁23と車内側側壁22とで断面略コ字形をなす。車外側側壁21又は車内側側壁22の一方の内面に、トリム部20の開口側に位置する第1フランジ保持リップ24を形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップ25を形成するとともに、第1フランジ保持リップ24と第2フランジ保持リップ25の間に、車外側側壁21又は車内側側壁22の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップ26、27を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体開口部周縁のフランジに装着されるウエザストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車にはドア開口、トランクルーム開口等の開口部があり、それぞれの車体開口部周縁のフランジにウエザストリップが装着され、車体開口部周縁とドアやトランクリッド等の相手部材との間をシールしている。
これらのウエザストリップを車体開口部周縁に装着する場合は、ウエザストリップの断面略コ字形のトリム部に車体開口部周縁のフランジを挿入させて装着している。
【0003】
例えば、図6に示すように、自動車のリヤトランクの開口部のシールは、リヤトランクのリッドの周囲に対向する、車体開口部周縁6に設けられたフランジ7に、ウエザストリップ110を装着することにより行われる。
すなわち、ウエザストリップ110は、フランジ7に取付けられるトリム部120とトランクリッド2の裏面に当接してその間をシールする中空状の中空シール部140とを有し、この中空シール部140がトランクリッド2の裏面と当接することにより開口部がシールされる。
【0004】
トリム部120は、車外側側壁121、車内側側壁122、及び底壁123で、断面略コ字形をなして形成され、フランジ7の保持を強化するために、トリム部120の内部には、板金のインサート129が埋設されている。
また、トリム部120の断面略コ字形の内部には、車外側側壁121と車内側側壁122の内面から車外側フランジ保持リップ124、125と車内側フランジ保持リップ126、127がそれぞれ断面ハ字形に、トリム部120の内部の底壁123側に向かって延設されている。
【0005】
ウエザストリップ110をフランジ7に装着するには、リヤトランクの開口の周囲に設けられたフランジ7に対して、トリム部120を上方からその断面略コ字形の内部にフランジ7を挿入させるようにして装着する。トリム部120の内面から、車外側フランジ保持リップ124、125と車内側フランジ保持リップ126、127が設けられ、インサート129により保持力を強化されて、それらのフランジ保持リップ124、125、126、127によりフランジ7を挟むように保持して、ウエザストリップ110の姿勢を保持するとともに、フランジ7から抜けることを防止している。このとき、トリム部120の上部に一体的に設けられている中空シール部140は、トランクリッド2の外周部の裏面に当接して、車体開口部周縁6とトランクリッド2との間をシールしている。
【0006】
しかしながら、インサート129は、トリム部120の保持力を強化するため、金属で形成されている場合が多く、ウエザストリップ110の全体の重量が増加して、自動車の軽量化ニーズに対して好ましくなかった。
【0007】
このため、図7に示すように、中空シール部240を有するウエザストリップ210のトリム部220の側壁等の内部に金属製のインサートを埋設せずに、車外側側壁221、車内側側壁222及び底壁223をそれぞれの肉厚を略一定として硬質ゴム材又は高硬度樹脂材で形成するものがある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。なお、車外側側壁221等の肉厚を略一定とするのは、押出成形時の形状安定性をよくするためである。
【0008】
しかしながら、この場合には、金属製のインサートを埋設しないため、ウエザストリップ210の軽量化の目的は果たすことができるが、トリム部220がフランジ7を把持する力が減少し、フランジ7からトリム部220が外れ易くなる場合があった。また、車体開口部のコーナー部にウエザストリップ210を装着する場合には、ウエザストリップ210が曲げられるため、保持リップ226等が内側(それぞれの側壁側)に変形して抜けやすくなったり、水きりのためのボディーシールリップ228と車内側保持リップ226、227とのバランスによりウエザストリップ210(トリム部220)が倒れたりする場合があった。
【0009】
そこで、図8に示すように、中空シール部340とトリム部320を有するウエザストリップ310において、トリム部320の車外側側壁321の内面に、断面が台形状のスポンジ塊324を形成し、車内側側壁322の内面に車内側保持リップ326、327を設けてフランジ7を保持するものがある(例えば、特許文献3参照。)。しかしこの場合は、断面略コ字形のトリム部320を取付け時の形状で成形しようとすると、スポンジ塊324と車内側保持リップ326、327との間に隙間が必要であり、フランジ7に対する保持力(挿入力、抜け力)が低下し、また、シール性も低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3752627号公報
【特許文献2】特開2008−230258号公報
【特許文献3】特開2001−341588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、自動車の軽量化ニーズに対応して、軽量化ができ、また、トリム部の形状が安定し、車体開口部周縁のフランジへの保持力の大きな自動車用ウエザストリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、車体開口部周縁のフランジに取付けられる断面略コ字形のソリッド材又は微発泡材で形成されたトリム部と、トリム部に一体的に形成されて車体開口部と対向する相手部材に当接して車体開口部周縁と相手部材との間をシールするスポンジ材で形成された中空シール部とを備え、
トリム部は、車外側側壁、底壁と車内側側壁とで断面略コ字形をなし、断面略コ字形の内部には車外側側壁と車内側側壁の内面からそれぞれフランジ保持リップを延設して形成されたウエザストリップにおいて、
車外側側壁又は車内側側壁の一方の内面に、トリム部の開口側に位置する第1フランジ保持リップを形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップを形成するとともに、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップの間に、車外側側壁又は車内側側壁の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップを形成したことを特徴とするウエザストリップである。
【0013】
請求項1の本発明では、車外側側壁又は車内側側壁の一方の内面に、トリム部の開口側に位置する第1フランジ保持リップを形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップを形成するとともに、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップの間に、車外側側壁又は車内側側壁の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップを形成した。
【0014】
このため、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップとの間隔が長くなり、フランジを幅広く保持して、対向フランジ保持リップをフランジに押圧して、安定してフランジを保持することができる。また、トリム部が対向フランジ保持リップを支点にフランジに対して倒れるときに、第1フランジ保持リップ又は第2フランジ保持リップを大きく撓ませることとなるため、トリム部はフランジに対して倒れ難くなる。従って、トリム部の回動に対して、第1フランジ保持リップ又は第2フランジ保持リップがフランジに対して突っ張ることができ、ウエザストリップが倒れることを防止することができる。
【0015】
請求項2の本発明は、対向フランジ保持リップは複数本形成され、第1フランジ保持リップの先端及び第2フランジ保持リップの先端と、対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設されたウエザストリップである。
【0016】
請求項2の本発明では、対向フランジ保持リップは複数本形成されたため、安定してフランジを保持することができる。
第1フランジ保持リップの先端及び第2フランジ保持リップの先端と、対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設された。このため、フランジ保持リップの先端は接触せずに上下方向で所定の間隔をもって重なり合って、トリム部内にフランジを挿入したときに、フランジに当接するそれぞれのフランジ保持リップの先端の撓み量が多くなり、フランジを保持する力が大きくなるとともに、フランジがトリム部から抜け出ることを防止できる。
【0017】
請求項3の本発明は、車体開口部周縁のフランジに取付けられる断面略コ字形のソリッド材又は微発泡材で形成されたトリム部と、トリム部に一体的に形成されて車体開口部と対向する相手部材に当接して車体開口部周縁と相手部材との間をシールするスポンジ材で形成された中空シール部とを備え、
トリム部は、車外側側壁、底壁と車内側側壁とで断面略コ字形をなし、断面略コ字形の内部には車外側側壁と車内側側壁の内面からそれぞれフランジ保持リップを延設して形成されたウエザストリップにおいて、
車外側側壁又は車内側側壁の一方の内面に、トリム部の開口側に位置する第1フランジ保持リップを形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップを形成するとともに、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップの間に、車外側側壁又は車内側側壁の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップを形成し、
第1フランジ保持リップと、第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は相互に近接して形成され、第2フランジ保持リップは、第1フランジ保持リップよりも車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成されるとともに、第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップは、第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップよりも車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成されたことを特徴とするウエザストリップである。
【0018】
請求項3の本発明では、第1フランジ保持リップと、第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は相互に近接して形成されたため、トリム部にフランジを挿入するときに、第1フランジ保持リップの先端と対向フランジ保持リップの先端との間にフランジの先端を挿入しやすくなる。また、フランジの挿入後には、フランジの付根部分を両側からほぼ同じ位置で挟持できるので、トリム部が倒れることがない。
【0019】
第2フランジ保持リップは、第1フランジ保持リップよりも車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成されるとともに、第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップは、第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップよりも車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成された。このため、トリム部からフランジが抜け出るときに、第2フランジ保持リップの先端と第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端がフランジの側面に対して密接して、反転する量が多くなり、フランジの抜け力を大きくすることができる。
【0020】
請求項4の本発明は、第2フランジ保持リップの先端と、第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設されたウエザストリップである。
【0021】
請求項4の本発明では、第2フランジ保持リップの先端と、第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設されたため、トリム部からフランジが抜け出るときに、第2フランジ保持リップの先端と第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端がフランジの側面に対して密接する面積が多くなり、フランジを保持する力も大きく、フランジが安定するとともに、さらにフランジが抜けるときに、リップの先端が反転する量が多くなり、フランジの抜け力を大きくすることができる。
【0022】
請求項5の本発明は、第2フランジ保持リップは、フランジに取付けたときに、底壁の内面に第2フランジ保持リップの先端が当接しないで底壁に近接して形成され、第1フランジ保持リップは、車外側側壁又は車内側側壁の内面の最も先端に形成されたウエザストリップである。
【0023】
請求項5の本発明では、第2フランジ保持リップは、フランジに取付けたときに、底壁の内面に第2フランジ保持リップの先端が当接しないで底壁に近接して形成され、第1フランジ保持リップは、車外側側壁又は車内側側壁の内面の最も先端に形成されている。このため、トリム部をフランジに取付けたときに、フランジをトリム部の奥まで挿入することができ、第2フランジ保持リップの先端がフランジを確実に保持することができる。第1フランジ保持リップは、車外側側壁又は車内側側壁の内面の最も先端に形成されたため、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップでフランジを保持する幅が広くなり、フランジを安定して保持することができる。
【0024】
請求項6の本発明は、第1フランジ保持リップ、第2フランジ保持リップ及び対向フランジ保持リップのそれぞれの先端は、トリム部の内部の底壁側方向に屈曲して形成されたウエザストリップである。
【0025】
請求項6の本発明では、それぞれのフランジ保持リップの先端は、トリム部の内部の底壁側方向に屈曲して形成されたため、フランジがトリム部内に挿入されたときに、トリム部の内部の底壁側方向に屈曲して形成されたそれぞれのフランジ保持リップの先端が、フランジの側面に面接触的に当接してフランジを保持することができ、フランジを安定して保持するとともに、フランジがトリム部から抜け難くなっている。
【0026】
請求項7の本発明は、車外側側壁又は車内側側壁には、底壁の肉厚分よりも各側壁の先端側でかつ各側壁の中央よりも底壁側の位置に屈曲部が形成され、屈曲部から先端側が反対側の側壁方向に近接するように形成されたウエザストリップである。
【0027】
請求項7の本発明では、車外側側壁又は車内側側壁には、底壁の肉厚分よりも各側壁の先端側でかつ各側壁の中央よりも底壁側の位置に屈曲部が形成され、屈曲部から先端側が、反対側の側壁方向に近接するように形成されたため、屈曲部から先端側が反対側の側壁方向に近接するように形成された側壁とフランジ保持リップがフランジを保持する力が大きくなり、コーナー部等でトリム部がフランジから抜けることを防止できる。
【0028】
請求項8の本発明は、第1フランジ保持リップ、第2フランジ保持リップ及び対向フランジ保持リップは、側壁と同じゴム又は熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、その硬度は、車外側側壁、底壁及び車内側側壁の硬度よりも低い材料で形成されたウエザストリップである。
【0029】
請求項8の本発明では、それぞれのフランジ保持リップは、側壁と同じゴム又は熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、その硬度は、車外側側壁、底壁及び車内側側壁の硬度よりも低い材料で形成された。このため、車外側側壁、底壁及び車内側側壁で強固にフランジを挟持するとともに、それぞれのフランジ保持リップが柔軟にフランジに当接して、フランジの表面の凹凸等があっても、フランジを保持し、シールすることができる。
【0030】
請求項9の本発明は、トリム部は、IRHD(国際ゴム硬度)80度〜95度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成され、フランジ保持リップは、IRHD(国際ゴム硬度)50度〜75度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成されたウエザストリップである。
【0031】
請求項9の本発明では、トリム部は、IRHD(国際ゴム硬度)80度〜95度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成されたため、トリム部にインサートが埋設されていなくても、トリム部の開口部が開くことがなく、十分なフランジ保持力を有している。
フランジ保持リップは、IRHD(国際ゴム硬度)50度〜75度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成されているため、フランジを挿入する力が大きくなく、充分なフランジ保持力を有することができる。
【発明の効果】
【0032】
本願発明は、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップとの間隔が長くなり、その間に形成された対向フランジ保持リップとで安定してフランジを保持することができる。また、トリム部の回動に対して、第1フランジ保持リップと第2フランジ保持リップがフランジに対して突っ張ることができ、ウエザストリップが倒れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すもので、ウエザストリップを車体に装着したときの断面図であり、図5のA−A線に沿った断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すもので、車体に装着する前のウエザストリップの断面図であり、図5のA−A線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すもので、図5のA−A線に沿った位置での車体に装着する前のウエザストリップの断面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示すもので、図5のA−A線に沿った位置での車体に装着する前のウエザストリップの断面図である。
【図5】自動車の斜め上方から見た概略斜視図である
【図6】従来のウエザストリップの断面図である。
【図7】従来の他のウエザストリップの断面図である。
【図8】従来の他のウエザストリップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示すものであり、ウエザストリップ10の断面図である。図2、図3、図4は、同様に本発明のそれぞれの第2〜4の実施の形態を示すものである。
本発明の第1の実施の形態をリヤトランクに装着されるウエザストリップ10を例にとり説明するが、本発明は、バックドアウエザストリップ、自動車のドア開口部、ルーフ開口部、エンジンルーム周りのボンネットシール等の広く自動車の開口部をシールするウエザストリップに使用することができる。
【0035】
本発明の第1の実施の形態のウエザストリップ10は、図1に示すように、フランジ7に取付けるトリム部20とトランクリッド2に当接してシールする中空シール部40から形成される。
トリム部20は、車外側側壁21と、車内側側壁22と、底壁23からなる断面略コ字形をなしている。車外側側壁21、車内側側壁22と、底壁23の壁の内部には、金属板等の骨片からなるインサートは埋設されていなく、ゴム又は熱可塑性エラストマーの硬質材(IRHD(国際ゴム硬度)80度〜95度相当の硬度を有する材料でソリッド材又は微発泡材)で形成されている。
【0036】
車外側側壁21の内面に、トリム部20の断面略コ字形の開口側に位置する第1車外側フランジ保持リップ24を形成し、トリム部20の内部の底壁側に位置する第2車外側フランジ保持リップ25を形成する。
車内側側壁22の内面には、第1車外側フランジ保持リップ24と第2車外側フランジ保持リップ25に対向する2本の対向フランジ保持リップである、第1車内側フランジ保持リップ26を開口側に形成し、第2車内側フランジ保持リップ27を底壁23側に形成した。
第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第2車外側フランジ保持リップ25の先端の間に、第1車内側フランジ保持リップ26の先端と第2車内側フランジ保持リップ27の先端が位置するように形成した。
【0037】
このため、第1車外側フランジ保持リップ24と第2車外側フランジ保持リップ25との間隔が長くなり、その間に形成された対向する第1車内側フランジ保持リップ26と第2車内側フランジ保持リップ27とで、フランジ7を挟持して、安定してフランジ7を保持することができる。
【0038】
また、トリム部20が倒れるときは、第1車内側フランジ保持リップ26と第2車内側フランジ保持リップ27を支点にフランジ7に対して倒れるが、このときには、第1車外側フランジ保持リップ24又は第2車外側フランジ保持リップ25を大きく撓ませる必要がある。このため、トリム部20はフランジ7に対して倒れ難くなる。即ち、トリム部20の回動において、第1車外側フランジ保持リップ24又は第2車外側フランジ保持リップ25がフランジ7に対して突っ張ることができ、ウエザストリップ10が倒れることを防止することができる。このため、中空シール部40の位置が安定し、中空シール部40が確実にトランクリッド2に当接してシールすることができる。
【0039】
なお、上述とは逆に、第1車内側フランジ保持リップ26を車内側側壁22の開口側に形成し、第2車内側フランジ保持リップ27をトリム部20の底壁23側に形成し、第1車内側フランジ保持リップ26と第2車内側フランジ保持リップ27に対向する対向フランジ保持リップである第1車外側フランジ保持リップ24と第2車外側フランジ保持リップ25をその間に形成してもよい。この場合は、第1車内側フランジ保持リップ26の先端と第2車内側フランジ保持リップ27の先端の間に、第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第2車外側フランジ保持リップ25の先端が位置するようになる。
【0040】
第1車内側フランジ保持リップ26の先端と第2車内側フランジ保持リップ27の先端の間に、第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第2車外側フランジ保持リップ25の先端が位置するように形成した場合には、トリム部20の回動に対して、第1車内側フランジ保持リップ26又は第2車内側フランジ保持リップ27がフランジ7に対して突っ張ることができ、ウエザストリップ10が倒れることを防止することができる。このため、中空シール部40が確実にトランクリッド2に当接してシールすることができる。
【0041】
車外側側壁21の内面において、トリム部20の内部の底壁23側に形成された第2車外側フランジ保持リップ25は、フランジ7に取付けたときに、底壁23の内面に第2車外側フランジ保持リップ25の先端が当接しない最も底壁23に近接して形成することが好ましい。この場合は、トリム部20をフランジ7に取付けたときに、フランジ7の先端をトリム部20の奥まで挿入することができ、第2車外側フランジ保持リップ25と第2車内側フランジ保持リップ27の先端がフランジ7を確実に保持することができる。
【0042】
第1車外側フランジ保持リップ24は、車外側側壁21の内面の最も開口側の先端に形成することが好ましい。この場合は、第2車外側フランジ保持リップ25と第1車外側フランジ保持リップ24との間隔が広くなり、フランジ7を保持する幅が広くなり、フランジ7を安定して保持することができる。
【0043】
第1車外側フランジ保持リップ24、第2車外側フランジ保持リップ25、第1車内側フランジ保持リップ26及び第2車内側フランジ保持リップ27のそれぞれの先端は、トリム部20の内部の底壁側方向に屈曲して形成することが好ましい。この場合には、フランジ7がトリム部20内に挿入されたときに、トリム部20の内部の底壁側方向に屈曲して形成されたそれぞれのフランジ保持リップの先端が、フランジ7の側面に面接触的に当接してフランジ7を保持することができ、フランジ7を安定して保持するとともに、フランジ7がトリム部20から抜け難くすることができる。
【0044】
第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第2車外側フランジ保持リップ25の先端と、第1車内側フランジ保持リップ26の先端と第2車内側フランジ保持リップ27の先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設されている。このため、フランジ7の挿入前においては、それぞれの先端は、相互に接触しないが、上下方向に所定の間隔を持って重なり合ってトリム内に位置している。
【0045】
トリム部20内にフランジ7を挿入すると、フランジ7の先端は、それぞれのフランジ保持リップの先端を左右に分けて進入し、底壁23又は底壁23の内面に設けたコーキング部材に当接する。そうすると、それぞれのフランジ保持リップの先端の撓み量が多くなり、フランジ7を保持する力が大きくなるとともに、トリム部20がフランジ7から抜け出ることを防止できる。
【0046】
車外側フランジ保持リップ24、25と車内側フランジ保持リップ26、27は、上記した車外側側壁21等と同種のEPDMゴム又は熱可塑性エラストマーの材料で形成され、その硬度は、車外側側壁21、底壁23と車内側側壁22の硬度よりも低く形成されることが好ましい。この場合は、車外側側壁21、底壁23と車内側側壁22で強固にフランジ7を挟持するとともに、車外側フランジ保持リップ24、25と車内側フランジ保持リップ26、27で柔軟にフランジ7に当接して、フランジ7の表面の凹凸等があっても、フランジ7を確実に保持し、シールすることができる。
【0047】
車外側フランジ保持リップ24、25と車内側フランジ保持リップ26、27は、上記と同様に車外側側壁21等と同種の材料で形成され、その硬度は、IRHD(国際ゴム硬度)70度相当材料にすることが好ましい。なお、IRHD(国際ゴム硬度)65度以上75度未満の範囲で製造することもできる。この場合は、フランジ7の表面の凹凸等があっても、柔軟にフランジ7に当接することができる充分な柔軟性を有し、フランジ7を保持することができる十分な剛性を有することができる。
【0048】
車外側側壁21と底壁23は、コーナー部で連結され、コーナー部の外面である角部21bは、車外側側壁21と底壁23のなす角度が、90度〜95度の角度をなすように形成することが好ましい。また、車内側側壁22と底壁23も同様に、コーナー部で連結され、コーナー部の外面である角部22bは、車内側側壁22と底壁23のなす角度が、90度〜95度の角度をなすように形成することが好ましい。なお、本実施の形態での角部21b、22bの角度は95度である。この場合は、それぞれのコーナー部の角度が直角又は直角に近い鈍角で形成され、車外側側壁21と車内側側壁22のコーナー部の剛性が向上し、トリム部20の後述するフランジ保持リップがフランジ7の先端を保持することが容易である。
【0049】
底壁23と車外側側壁21のコーナー部の外面の角部21b及び底壁23と車内側側壁22のコーナー部の外面の角部22bでは、曲率半径が0.5mm程度で形成することが好ましい。この場合は、両コーナー部の剛性が向上し、車外側側壁21と車内側側壁22がコーナー部を中心にして開くことがなく、硬質材で形成された車外側側壁21と車内側側壁22がフランジ7を挟持する力が大きくなり、インサートを埋設しなくても、トリム部20がフランジ7から外れることがない。
【0050】
本願発明の実施の形態のウエザストリップ10において、フランジ7への挿入荷重は12N/100mm程度で、フランジ7からの抜け荷重は50N/100mm程度である。従来のインサートが埋設されたウエザストリップの挿入荷重は10N/100mm程度、抜け荷重は55N/100mm程度である。このように、本願発明のウエザストリップ10は、従来のウエザストリップと比べて、抜け荷重、挿入荷重ともには同等であり、挿入荷重は少なく、フランジ7への挿入性がよく、保持力において充分である。
【0051】
本実施の形態では、車外側側壁21、底壁23と車内側側壁22は、ゴム又は熱可塑性エラストマーでIRHD(国際ゴム硬度)90度相当材料の硬質材で形成されている。このため、トリム部20全体の剛性が高くなり、インサートを埋設しなくても車外側側壁21と車内側側壁22とでフランジ7を挟持する力が大きい。また、インサートなしで、ゴム又は熱可塑性エラストマーの硬質材を押出成形するため、押出成形が容易で、生産性が高い。
【0052】
ウエザストリップ10の車外側側壁21、底壁23と車内側側壁22は、EPDMゴム又はオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成することが好ましく、その硬度は、IRHD(国際ゴム硬度)75度以上95度以下の相当材料であるソリッド材又は微発泡材で形成することが好ましい。この場合は、フランジ7が車体に沿って屈曲していてもその屈曲に追従することができる柔軟性と、フランジ7を挟持する充分な剛性を有することができる。
【0053】
車内側側壁22は、底壁23との連結部分において、底壁23の肉厚分よりも車内側側壁22の先端側でかつ車内側側壁22の中央よりも底壁23側の位置に車内側側壁屈曲部22cが形成されている。このため、車内側側壁22の先端である車内側側壁先端部22dと、車外側側壁21の先端である車外側側壁先端部21dとの間隔は狭まって形成される。なお、本実施の形態では、車内側側壁22の屈曲部22cでの屈曲角度は垂直方向からトリム部20の内側方向に約8度である。この屈曲角度は5度〜10度の範囲で設定されるのが好ましい。
【0054】
このため、車内側側壁先端部22dと車外側側壁先端部21dとが、後述する第1車内側フランジ保持リップ26と第1車外側フランジ保持リップ24をフランジ7側に押圧して、フランジ7を保持する力が大きくなり、コーナー部等でトリム部20がフランジ7から抜けることを防止できる。
なお、本実施の形態では、車内側側壁22に車内側側壁屈曲部22cを形成したが、車外側側壁21の同様の位置に車外側側壁屈曲部を形成してもよい。
【0055】
車外側側壁21の開口側の外面の先端付近から斜め下方に比較的に厚肉で全体として略均一の肉厚のスポンジ材からなるボディーシールリップ28が形成されている。そのため、ボディーシールリップ28が車体開口部周縁6に当接する時に、その先端が線接触的に当接することができ、その先端が押圧する力が大きくシール性がよい。従って、車体開口部周縁6からフランジ7を伝わってトリム部20から車室内に雨水、埃、騒音等が浸入することを防止し、車体開口部周縁6とウエザストリップ10との間をシールすることができる。
【0056】
また、ボディーシールリップ28は根元から先端まで略同一肉厚で形成されている場合は、ボディーシールリップ28の先端が車体開口部周縁6に当接するときに、ボディーシールリップ28の弾性が向上して、その先端が車体開口部周縁6を押圧する力が強く、シール性がよい。
ボディーシールリップ28は、スポンジ材で形成されている。そのため、ボディーシールリップ28の柔軟性が増加して、車体開口部周縁6の凹凸や変形に追従してシール性を確保することができる。
【0057】
車外側側壁21の開口側の内面の先端付近から下方にサブボディーシールリップ29が延設されている。サブボディーシールリップ29は、図1に示すように、直線状に形成され、ボディーシールリップ28や第1車外側フランジ保持リップ24よりも短く小さく形成されている。そのため、ウエザストリップ10がフランジ7に装着されたときは、フランジ7の根元と車体開口部周縁6との連絡部の湾曲した部分に当接する。
【0058】
サブボディーシールリップ29は、小さく、形成されているため、フランジ7の根元の湾曲した形状に沿って密着して変形することができ、万一、ボディーシールリップ28と車体開口部周縁6の間を通過した雨水等は、このサブボディーシールリップ29で確実にその進入を防止するとともに、騒音等をシールすることができ、シール性をより向上することができる。
サブボディーシールリップ29をスポンジ材で形成した場合は、柔軟性が向上して、フランジ7の根元の凹凸や変形に追従してシール性を確保することができる。
【0059】
車内側側壁22の車内側面の下部に、車内方向の下方に向けて湾曲してカバーシールリップ30が形成されている。ウエザストリップ10をフランジ7に装着した後に、カバーシールリップ30は、車内側パネルや、車室内に設けられたガーニッシュ(図示せず)、パネル(図示せず)等の端部を覆うように配置され、ウエザストリップ10とガーニッシュ、パネル等との間をシールするとともに、その隙間をカバーして見栄えを良好にしている。
カバーシールリップ30をスポンジ材で形成した場合は、柔軟性が向上して、ガーニッシュ、パネル等との間の隙間の変化に追従してシール性を確保することができる。
【0060】
トリム部20の内部の底壁23の内面に、図1に示すように、コーキング部材50を取付けてもよい。この場合は、コーキング部材50の内部にフランジ7の先端を挿入するとフランジ7の防錆とシール性を向上させることができる。
【0061】
トリム部20の底壁23の外面に上方に向けて中空シール部40が形成されている。中空シール部40は、断面が略菱形、略楕円形または略円形の中空状に、スポンジ材で形成することができる。中空状であるため、柔軟性を有しており、トランクリッド2が閉じられたときは、中空シール部40がリップ状と比べて異常変形することなく、確実にトランクリッド2の所定位置に当接して、シールすることができる。また、中空シール部40の断面が略菱形または楕円形である場合は、中空シール部40の先端がトランクリッド2に当接すると、略菱形または楕円形の中央部分の膨らんだところが撓んで屈曲して、柔軟に当接することができる。
【0062】
また、中空シール部40がスポンジ材で形成され場合は、シールする相手部材であるトランクリッド2に中空シール部40が当接したときに、柔軟性が大きく、トランクリッド2の形状に応じて確実に先端が当接することができ、シール性が高い。
【0063】
トリム部20が、フランジ7に装着されると、上述のように、第1車外側フランジ保持リップ24、第2車外側フランジ保持リップ25と第1車内側フランジ保持リップ26、第2車内側フランジ保持リップ27により保持されて、ウエザストリップ10はその姿勢が安定して保持される。
そうすると、トリム部20の外面上部に一体的に形成された中空シール部40は、トランクリッド2の裏面に確実に当接して、トランクリッド2と車体開口部周縁6との間のシールをすることができる。
【0064】
中空シール部40、ボディーシールリップ28、サブボディーシールリップ29、カバーシールリップ30等のスポンジ材は、比重0.4のゴム発泡体で形成されている。なお、スポンジ材は、比重0.3以上0.6以下の範囲のゴム発泡体で形成することができる。この場合は、比重0.3以上0.6以下のゴム発泡体で形成されたため、ウエザストリップ10の重量を軽減することができるとともに、弾力性と柔軟性に富み、長期間使用してもシール性を確保することができる。
【0065】
中空シール部40は、底壁23の外面中央部付近から首部41を介して形成されている。首部41を介して中空シール部40を形成したため、中空シール部40の変形が自由にでき、相手部材の形状に合わせてシールすることができる。また、首部41は、ソリッド材で形成することができる。この場合は、首部41の剛性が高く、中空シール部40の位置が安定して、中空シール部40が車体開口部周縁6又は相手部材に当接するときに、当接する位置が安定し、シール性を確保できる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施の形態を図2に基づき説明する。
第2の実施の形態は、バックドアに使用されるウエザストリップ10である。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、中空シール部40の形状が異なり、他の部分は同じであるため、同じ部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1車外側フランジ保持リップ24、第2車外側フランジ保持リップ25と第1車内側フランジ保持リップ26、第2車内側フランジ保持リップ27が形成されており、フランジ7の保持力を向上させている。
【0067】
第2の実施の形態では、中空シール部40は、断面形状が略菱形であり、首部41はなく、中空シール部40のシール壁はトリム部20の底壁23から直接延設されている。断面形状が略菱形のため、中空シール部40の屈曲した部分で撓むことができ、柔軟性が高く、バックドアの形状に応じて確実に当接することができる。また、中空シール部40の底部分が直接底壁23に連結しているため、中空シール部40が安定する。
【0068】
次に、本発明の第3の実施の形態を図3に基づき説明する。
第3の実施の形態は、トランクリッド2に当接してシールするウエザストリップ10である。
第3の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、車外側側壁21の内面に車外側止水リップ24aが形成される点が異なり、他の部分は同じであるため、同じ部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0069】
車外側止水リップ24aは、車外側側壁21の内面で、第1車外側フランジ保持リップ24と第2車外側フランジ保持リップ25との間に車内側側壁22の方向に延設するように形成される。
フランジ7をトリム部20内に挿入すると、フランジ7の車外側側面に車外側止水リップ24aが当接し、車外側から雨水や騒音等が進入することをシールすることができる。
【0070】
次に、本発明の第4の実施の形態を図4に基づき説明する。
第4の実施の形態は、第1の形態と同じくリヤトランクに装着され、トランクリッドの裏面に当接してシールするウエザストリップ10である。
第4の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、第1車外側フランジ保持リップ24と対向する第1車内側フランジ保持リップ26の先端は、第1車外側フランジ保持リップ24の先端が第1車内側フランジ保持リップ26の先端よりもトリム部20の開口側に形成される点は同じであるが、相互に近接して形成されている点と第3の実施の形態と同様に車外側止水リップ24aがある点が異なり、他の部分は同様であるため、同じ部分の説明は省略し、異なる部分について説明する。
【0071】
即ち、第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第1車内側フランジ保持リップ26の先端とはラ相互に近接して形成されている。このため、例えば、上記第1の実施の形態のように、第1車外側フランジ保持リップ24と第1車内側フランジ保持リップ26の先端が上下方向に所定間隔を有して重ねあわされて形成されている場合において、トリム部20の内部にフランジ7を挿入するときには、第1車外側フランジ保持リップ24の表面をフランジ1の先端が摺動し、その後、第1車内側フランジ保持リップ26の下面にフランジ7の先端が引っかかるようなことがあったが、本第4の実施の形態では、フランジ7の先端が摺動しても、その先に引っかかるものがないので、第1車外側フランジ保持リップ24の先端と第1車内側フランジ保持リップ26の先端との間にフランジ7の先端を挿入しやすい。また、フランジ7の挿入後には、フランジ7の付根部分を両側からほぼ同じ位置で挟持できるので、トリム部20が倒れることがない。
【0072】
さらに、第2車外側フランジ保持リップ25は、第1車外側フランジ保持リップ24よりも車外側側壁21に対して角度が小さく形成されるとともに、第2車外側フランジ保持リップ25と対向する第2車内側フランジ保持リップ27は、第1車内側フランジ保持リップ26よりも車内側側壁22に対して角度が小さく形成されている。このため、トリム部20からフランジ7が抜け出るときに、第2車外側フランジ保持リップ25の先端と第2車内側フランジ保持リップ27の先端がフランジ7の側面に対して密接して、さらに、フランジ7が抜け出ると、保持リップ25、27のそれぞれの先端が反転する量が多くなり、フランジ7の抜け力を大きくすることができる。
【0073】
なお、第1フランジ保持リップ24、26と側壁21、22とのなす角度は、55度〜65度が好ましく、本実施の形態では、60度である。また、第2フランジ保持リップ25、27と側壁21、22とのなす角度は、上記第1フランジ保持リップ24、26の角度よりも小さい角度の40度〜50度が好ましく、本実施の形態では45度である。
なお、第4の実施の形態においても、側壁21、22は約8度傾けられているので、水着方向に対するリップの突出角度は、それぞれ66度と52度である。
【0074】
第1の実施の形態と同様に、車外側側壁21と底壁23のなす角度が、95度の角度をなすように形成し、車内側側壁22と底壁23のなす角度が、95度の角度をなすように形成されている。そして、底壁23と車外側側壁21のコーナー部の外面の角部21b及び底壁23と車内側側壁22のコーナー部の外面の角部22bでは、曲率半径が0.5mmで形成されている。
【0075】
さらに、第1の実施の形態と同様に、車外側側壁屈曲部21cと車内側側壁屈曲部22cが形成され、それぞれ約8度の角度で屈曲部21c、22cよりも先端側の部分が内側に屈曲されている。さらに、車外側側壁21と車内側側壁30において、車外側側壁屈曲部21cと車内側側壁屈曲部22cよりもトリム部20の開口側では車外側側壁21と車内側側壁30は中央が膨らんで肉厚に形成されている。このため、車内側側壁22の先端である車内側側壁先端部22dと、車外側側壁21の先端である車外側側壁先端部21dとの間隔は狭まって形成され、フランジ7を挟持する力も増加する。
【0076】
本発明のウエザストリップ10の成形においては、合成ゴム、熱可塑性エラストマーが使用され、例えば合成ゴムでは、EPDMゴム、熱可塑性エラストマーでは、ポリオレフィン系エラストマー等を使用することができる。EPDMゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマーを使用した場合は、同じ種類の材料を使用して同時押出成形ができ、耐候性のよい製品を得ることができる。また、同じオレフィン系樹脂・ゴムのため分離せずにリサイクル使用ができ、リサイクル容易な製品を得ることができる。
【0077】
ウエザストリップ10の直線部分は押出成形機で成形され、その後、所定の長さに切断されて、製造される。コーナー部に装着される部分は、型成形で形成され、その直線部分を型成形により同時に接続する。
合成ゴムの場合は、押出成形後に加硫槽に搬送されて、熱風や高周波等により加熱されて加硫が行われる。熱可塑性エラストマーの場合は、冷却され固化される。
【符号の説明】
【0078】
6 車体開口部周縁
7 フランジ
10 ウエザストリップ
20 トリム部
21 車外側側壁
22 車内側側壁
23 底壁
24 第1車外側フランジ保持リップ
25 第2車外側フランジ保持リップ
26 第1車内側フランジ保持リップ
27 第2車内側フランジ保持リップ
40 中空シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体開口部周縁のフランジに取付けられる断面略コ字形のソリッド材又は微発泡材で形成されたトリム部と、該トリム部に一体的に形成されて車体開口部と対向する相手部材に当接して上記車体開口部周縁と相手部材との間をシールするスポンジ材で形成された中空シール部とを備え、
上記トリム部は、車外側側壁、底壁と車内側側壁とで断面略コ字形をなし、上記断面略コ字形の内部には上記車外側側壁と車内側側壁の内面からそれぞれフランジ保持リップを延設して形成されたウエザストリップにおいて、
上記車外側側壁又は車内側側壁の一方の内面に、上記トリム部の開口側に位置する第1フランジ保持リップを形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップを形成するとともに、上記第1フランジ保持リップと上記第2フランジ保持リップの間に、上記車外側側壁又は車内側側壁の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップを形成したことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項2】
上記対向フランジ保持リップは複数本形成され、上記第1フランジ保持リップの先端及び第2フランジ保持リップの先端と、上記対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設された請求項1に記載されたウエザストリップ。
【請求項3】
車体開口部周縁のフランジに取付けられる断面略コ字形のソリッド材又は微発泡材で形成されたトリム部と、該トリム部に一体的に形成されて車体開口部と対向する相手部材に当接して上記車体開口部周縁と相手部材との間をシールするスポンジ材で形成された中空シール部とを備え、
上記トリム部は、車外側側壁、底壁と車内側側壁とで断面略コ字形をなし、上記断面略コ字形の内部には上記車外側側壁と車内側側壁の内面からそれぞれフランジ保持リップを延設して形成されたウエザストリップにおいて、
上記車外側側壁又は車内側側壁の一方の内面に、上記トリム部の開口側に位置する第1フランジ保持リップを形成し、同じ一方の内面に、底壁側に位置する第2フランジ保持リップを形成するとともに、上記第1フランジ保持リップと上記第2フランジ保持リップの間に、上記車外側側壁又は車内側側壁の他方の内面から延設する対向フランジ保持リップを形成し、
上記第1フランジ保持リップと、上記第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は相互に近接して形成され、上記第2フランジ保持リップは、上記第1フランジ保持リップよりも上記車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成されるとともに、上記第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップは、上記第1フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップよりも上記車外側側壁又は車内側側壁に対して角度が小さく形成されたことを特徴とするウエザストリップ。
【請求項4】
上記第2フランジ保持リップの先端と、上記第2フランジ保持リップと対向する対向フランジ保持リップの先端は、相互に他方の先端よりも、相手側の側壁方向に長く延設された請求項3に記載されたウエザストリップ。
【請求項5】
上記第2フランジ保持リップは、上記フランジに取付けたときに、上記底壁の内面に上記第2フランジ保持リップの先端が当接しないで底壁に近接して形成され、上記第1フランジ保持リップは、上記車外側側壁又は車内側側壁の内面の最も先端に形成された請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載されたウエザストリップ。
【請求項6】
上記第1フランジ保持リップ、第2フランジ保持リップ及び対向フランジ保持リップのそれぞれの先端は、上記トリム部の内部の底壁側方向に屈曲して形成された請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
【請求項7】
上記車外側側壁又は車内側側壁には、上記底壁の肉厚分よりも各側壁の先端側でかつ各側壁の中央よりも上記底壁側の位置に屈曲部が形成され、該屈曲部から先端側が反対側の側壁方向に近接するように形成された請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
【請求項8】
上記第1フランジ保持リップ、第2フランジ保持リップ及び対向フランジ保持リップは、側壁と同じゴム又は熱可塑性エラストマーのソリッド材又は微発泡材で形成され、その硬度は、上記車外側側壁、底壁及び車内側側壁の硬度よりも低い材料で形成された請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
【請求項9】
上記トリム部は、国際ゴム硬度(IRHD)80度〜95度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成され、上記フランジ保持リップは、国際ゴム硬度(IRHD)50度〜75度相当の硬度を有するソリッド材又は微発泡材で形成された請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載されたウエザストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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